JP6445756B2 - 農業用ビニールハウス - Google Patents

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Description

本発明は、農業用ビニールハウスにおいて冬季の保温性を高めるとともに夏季の温度上昇を抑制するための被覆の構造及び特性に関する。
農業用ビニールハウスとは、透明なビニールフィルムを金属などで構成されるフレームに展張することで太陽熱を閉じ込めてハウス内部を保温し、作物の生育を促進したり、収穫時期をずらせることで高値取引を実現しようとするものであるが、フィルムの熱伝導及び放射熱によって夜間のハウス内気温は外気温とほぼ同等まで低下してしまい、冬季は十分な保温能力を保有せず、これらの狙いは十分に実現できるものではなかった。そこでフィルムを二枚重ねて展張し、それらの間にある程度の厚みの空気層を持たせることで、二枚のフィルムの間の空気を断熱層として保温性の良いビニールハウスを構築することが行われている。
その具体的な従来技術としては特許文献1や、特許文献2などがある。しかしこれらは熱の3つの経路、すなわち伝導熱、対流熱、放射熱のうち、フィルムでハウス全体を密閉することによって対流熱を遮断し、二重フィルムによって伝導熱を遮断するという構造であるが、放射熱に対してはなんら手を打ったものではない。
一方昼間は太陽光が十分にハウス内に入射することによってハウス内気温が上昇し、夏季は温度上昇しすぎないように、ビニールハウスの側面を開けて換気することによって対流熱を逃がしているが、それでも夏季は外気温よりも10℃以上高くなることも常態であり、作物が高温障害を受けたり生育が悪くなるという問題点があった。
そこで、特許文献3のように近赤外線を遮断する部材によってハウスの被覆材を構成するという技術があった。しかし、この技術を用いると夏季の温度上昇は抑制できるが、冬季にも同様にハウス内温度上昇が抑制されてしまうので十分なハウス内温度を確保できないという問題点があった。
また、非特許文献1に示すような、日光温室と呼ばれるビニールハウスがあるが、これは冬季の保温性に重点を置いたもので、ハウス屋根面の外側に展開格納可能な布団資材を設けることで、冬季の夜間の伝導熱、放射熱の遮断効果を発揮して冬季の保温性を向上するものであるが、夏季の温度上昇に対してはなんら効果を出すものではない。
特開2002−58355号公報 特開2008−5798号公報 特開2006-68964号公報
「現代農業2012年11月号」 88〜89ページ、128〜131ページ 農山漁村文化協会発行
本発明の課題は、上記の従来技術における、冬季の保温効果が十分に得られないという問題点や、夏季の温度上昇による問題点、さらには夏季に温度上昇を抑制しようとすると冬季の温度が確保できないという問題点を解決することである。
ここで、そもそも太陽光に含まれるエネルギーのうち光合成に寄与する部分と光合成には寄与せず最終的には熱エネルギーに変換されてしまう部分を考察する。図10に示すように、地表に降り注ぐ太陽光は波長350nm付近の紫外領域から、波長3000nm付近の近赤外領域まで幅広く分布している。一方、植物の光合成に寄与する波長帯は植物によってある程度違いはあるが、およそ350nmから750nmまでの紫外領域から可視光領域にほぼ一致する。すなわち、750nm以上の赤外領域の太陽光エネルギーは最終的に熱に変換される領域である。夏季はこの領域を取り込まないようにしてハウス内温度の上昇を抑制し、冬季はこの領域を積極的に取りこむことによってハウス内温度を上昇させることが課題である。
一方、ハウス内の土やハウスの構造部材や作物が持っている温度による黒体放射は物体の温度を25℃とした場合、図2に示すように4000nmから12000nm以上にまで分布する主に遠赤外領域であり、夏季夜間はこれらの黒体放射のエネルギーを積極的にハウス外の宇宙空間に放出することで放射冷却によってハウス内温度を低下させ、冬季夜間はこれらの黒体放射のエネルギーをハウス外に放出することなく保温するということが課題である。
そこで本発明においては、屋根面に固定的に展張されている透明フィルムとは別に、屋根面に展開したり格納したりすることができる別のフィルムを取り付け、そのフィルムの光学特性としては、太陽光に含まれるエネルギーのうち光合成に寄与する主に可視光領域の光は透過し、光合成に寄与しない近赤外線及びハウス内の土や骨組部材表面からの黒体放射による遠赤外線エネルギーを遮断するような特性を持たせたものとする。そして季節や昼夜に応じて当該フィルムを展開したり格納したりすることで、冬季のハウス内気温は高く維持し、夏季のハウス内気温は低く維持することができる農業用ビニールハウスを提供する。
冬季のハウス内温度を高く維持しつつ、夏季のハウス内温度を低く維持することができるので、そもそも重油や電気による冷暖房などを不要、または小型のものを短時間運転するだけで十分な作物の生産量の増大や時期をずらせた出荷を可能とし、設備コストならびにランニングコストを抑えた高性能な農業用ビニールハウスを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の農業用ビニールハウスである平張り型ハウスの屋根面上に、フィルム巻き取り装置ならびに第1フィルム及び第2フィルムを設置した斜視図 同ビニールハウスの妻面から見た側面図 本発明の第2の実施の形態の農業用ビニールハウスの側面図 同ビニールハウスの妻面から見た要部側面図 本発明の第7の実施の形態の農業用ビニールハウスの妻面から見た側面図 本発明の第8の実施の形態の農業用ビニールハウスの斜視図及び側面図 本発明の第9の実施の形態の農業用ビニールハウスの要部側面図 本発明の第10の実施の形態の農業用ビニールハウスの斜視図 本発明の第11の実施の形態の農業用ビニールハウスの妻面から見た側面図 太陽光のスペクトルと光合成に寄与するスペクトルを重ねて表現した図 温度25℃の物体から放射される黒体放射のスペクトルの図
本発明による第1の実施の形態として、図1に平張り型ハウスと呼ばれる、金属フレーム上に平面状にフィルムを展張するタイプのビニールハウスの屋根面における実施の形態を示す。屋根面には固定的に透明の第1フィルム1が展張されており、この固定展張されている第1フィルム1の光遮断特性としては、可視光領域・近赤外領域及び遠赤外領域において透過率良好な素材を使用する。ここで、可視光領域の透過率が良好である理由はビニールハウス内の作物の光合成を良好に行わせるためであり、近赤外領域の透過率が良好である理由は冬季にビニールハウス内温度を高く維持するために太陽光に含まれる近赤外領域を取り込むためであり、遠赤外領域の透過率が良好である理由は、夏季の放射冷却を効果的に行うためである。
ビニールハウスの屋根面の上にはビニールハウスの換気用として一般に市販されているフィルム巻き取り装置3が設置してあり、フィルム巻き取り装置3には可視光領域を透過し、近赤外領域及び遠赤外領域を遮断する特性を持たせた第2フィルム2が取り付けてある。図1においては、展開途中の状態を示している。この状態をビニールハウス妻面側から見た状態を図2に示す。本実施例では、屋根の最上部(棟部分)に一端が固定された第2フィルム2をフィルム巻き取り装置3によって巻き取り格納したり、屋根面全面に展開したりすることができる。なお市販のフィルム巻き取り装置3の一例として、東都興業株式会社製ニューカンキット(手動式)や、有限会社エヌアイシステム製巻上用DCモータ(電動式)を用いることができる。
可視光領域を透過し近赤外領域及び遠赤外領域を遮断する特性を持たせた第2フィルム2の一例としては、フィルム基材に遠赤外領域に吸収特性を持つ塩化ビニールを用い、その上に特開2002-370319号公報に示すような近赤外領域遮断特性を持つ樹脂をコーティングしたものを用いることができる。別の実施の形態としてはフィルム基材に遠赤外領域に吸収特性を持つ塩化ビニールを用い、特許文献3の近赤外線遮断用部材を積層固定したものを用いることができる。また、近赤外領域遮断部材はフィルム基材自身の中に練り込む構造であっても、表面にコーティングされたものと同様の効果を得ることができる。
ここで第2フィルム2の展開及び格納の動きを説明する。冬季の昼間は第2フィルム2を巻き取って格納することで太陽光に含まれるエネルギーを全てビニールハウス内に取り込み、冬季の夜間は展開することでビニールハウス内の土や作物から発する黒体放射による遠赤外線を遮断することで放射冷却によるビニールハウス内温度低下を防ぐ。夏季の昼間は第2フィルム2を展開することで光合成に不要な太陽光エネルギーがビニールハウス内に入ることを防ぎ、夏季の夜間は巻き取って格納することでビニールハウス内の土や作物から発する黒体放射による遠赤外線を宇宙空間に向かって逃がして放射冷却する。
本発明による第2の実施の形態としては、図3に示すように屋根面に固定的に展張されている第1フィルム1とは別に、実施の形態1と同様のフィルム巻き取り装置3を用いて屋根面に展開格納可能な可視光領域ならびに遠赤外領域を透過し近赤外領域を遮断する素材を使用した第3フィルム4を取り付け、屋根面の内側に、別個のフィルム巻き取り装置3を用いて展開格納可能な可視光領域と近赤外領域を透過し遠赤外領域を遮断する素材を使用した第4フィルム5を取り付ける。なお、図4(a)に、図3の状態から第3フィルム4をおよそ半分くらい展開した状態、図4(b)に、図3の状態から第4フィルム5はほぼ全面展開した状態を示している。
可視光領域を透過し近赤外領域を遮断する特性を持たせた第3フィルム4としては、フィルム基材に遠赤外領域に吸収率の低いポリオレフィン樹脂を用い、その上に特開2002-370319号公報に示すような近赤外領域遮断特性を持つ樹脂をコーティングしたものや、同じくフィルム基材にポリオレフィン樹脂を用い、特許文献3の近赤外線遮断用部材を積層固定したものを用いることができる。
可視光領域と近赤外領域を透過し遠赤外領域を遮断する第4フィルム5としては塩化ビニールを用いることができる。
ここで第3フィルム4及び第4フィルム5の展開及び格納の動きを説明する。
冬季の昼間は、図4aに示すように、第3フィルム4を巻き取り格納し、第4フィルム5を展開することで、太陽光に含まれるエネルギー(紫外、可視光、近赤外領域)を全てビニールハウス内に取り込むとともにビニールハウス内の土や部材の表面から発する黒体放射による遠赤外線を第4フィルム5によって遮断し保温性を確保する。
冬季の夜間は、図4bに示すように、第3フィルム4及び第4フィルム5共に展開することでビニールハウス内の土や作物から発する黒体放射による遠赤外線を遮断することで放射冷却によるビニールハウス内温度低下を防ぐとともにフィルム枚数が増えることによって、伝導熱も少なくなるのでより保温性が高くなる。
夏季の昼間は、図4cに示すように、第3フィルム4を展開し第4フィルム5を巻き取り格納することで太陽光のうち紫外領域と可視光領域だけをビニールハウス内に取り込み、ビニールハウス内の土や部材の表面から発する黒体放射による遠赤外線は固定展張されている屋根面第1フィルム1及び第3フィルム4によって吸収されないので昼間でありながらも太陽以外の方向へは放射冷却効果を出すことができる。
夏季の夜間は、図4dに示すように、第3フィルム4及び第4フィルム5共に巻取り格納することで放射冷却効果を高めることができる。
本発明による第3の実施の形態としては、第2フィルム2、第3フィルム4、及び第4フィルム5の赤外線遮断原理として、反射と吸収があるが、反射を主体としたコーティングを施したものを使用している。
赤外線を反射する場合、当該フィルム自体の温度上昇は無いので夏季昼間の温度上昇を抑制する効果が高く、冬季夜間の放射熱閉じ込め効果に関しても反射であればビニールハウス内の土や構造部材の温度による黒体放射がそのままビニールハウス内に戻されるので保温効果が高い。
一方、赤外線を吸収する場合、第2フィルム2、第3フィルム4、及び第4フィルム5自体の温度が上昇する。その結果、ビニールハウスの屋根面の外側にある第2フィルム2及び第3フィルム4から伝導熱によるビニールハウス内への熱エネルギーの流入がある程度発生する。よって、夏季昼間の温度上昇抑制効果は反射に比べると若干低下する。また、冬季夜間の放射熱閉じ込め効果に関しては第2フィルム2及び第3フィルム4の温度はほぼ外気温と同等となり、宇宙空間の絶対零度近くに比べるとはるかに高温であるが、ビニールハウス内の土や部材の温度よりは少し低いので、やはり冬季夜間の保温効果は反射に比べると若干低下する。
実際に第2フィルム2、第3フィルム4、及び第4フィルム5を製作しようとすると赤外線の吸収と反射は同時に発生し、厳密に反射のみで構成することは困難であるが、本実施の形態においては反射を主体とすることでより高い効果を得るものである。
本発明による第4の実施の形態としては、展開格納可能な第2フィルム2として、可視光領域を透過し赤外領域を遮断するとともに、紫外領域を遮断する特性を持たせたフィルムを用いるものである。紫外領域を遮断することで、紫外線による病虫害の軽減効果を得ることができる。さらに基材フィルムの外側に紫外領域を遮断する部材をコーティングすることでフィルム基材の紫外線劣化を防ぎ長寿命化の効果も得ることができる。光合成は紫外領域の光も若干利用しているので光合成能力は若干低下するが、病虫害やフィルム寿命においてそれ以上の効果を期待することができる。
本発明による第5の実施の形態としては、第3フィルム4として可視光領域ならびに遠赤外領域を透過し近赤外領域を遮断するとともに紫外領域を遮断するフィルムを用いるものである。これも第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明による第6の実施の形態としては、自動的に屋根面の第2フィルム2、第3フィルム4、及び第4フィルム5を制御するものである。具体的には、年間のタイマーで季節と時間に応じて一意的に制御することも可能であるし、ビニールハウス内外にセンサーを設置し、ビニールハウス内外気温や日射量に応じてより適切な制御をすることも可能である。たとえば冬季昼間でかつ日射量がある程度以上あり、更にビニールハウス内気温が高い場合は、第2フィルム2、第3フィルム4、及び第4フィルム5を展開し、夏季昼間であってもビニールハウス内気温が低い場合には、屋根面の第2フィルム2、第3フィルム4、及び第4フィルム4を巻き取って格納する。この場合、フィルム巻き取り装置3としては電動式のものを使用することになる。
本発明による第7の実施の形態として、図5に示すように、展開格納可能な第2フィルム2をビニールハウス屋根面の内側に設置する。本実施の形態においてはビニールハウス内の天井部分に内張りフィルムが設置してあり、第2フィルム2の素材として可視光領域を透過し近赤外領域及び遠赤外領域を遮断する特性を持たせたフィルムを使用する。本実施の形態においては第2フィルム2自体の温度が上昇するとその熱はビニールハウス内温度上昇につながるので、夏季昼間の温度上昇を抑制するためには赤外線遮断の原理として吸収よりも反射の方が断然適している。一方冬場夜間の放射冷却を抑制する働きは、第2フィルム2自体の温度上昇を伴ってもその熱は有効にビニールハウス内に残るので、赤外線遮断の原理としては吸収でも反射でもほぼ同等の保温効果を得ることができる。なお、第2フィルム2の開閉のしくみとしては、前述の第1フィルム1と同様のフィルム巻き取り装置3を用いてもよいし、ワイヤー式の内張りカーテン展開装置を用いてもよい。
本発明による第8の実施の形態を図6(a)及び図6(b)に示す。本実施の形態においては、ビニールハウスの屋根面だけでなく、側面にも可視光領域を透過し近赤外領域及び遠赤外領域を遮断する特性を持たせた第2フィルム2と同じ光学特性を持つフィルム6を使用する。通常のビニールハウスにおいては、側面には通常虫よけのネット及びその外側に換気性を確保するためのフィルム巻き取り装置3が設置され、ビニールハウス内温度が高いときはフィルムを巻き取ってネットだけの状態にして換気性を確保しているが、本実施の形態は、通常の巻取りフィルムそのものに光遮断特性を持たせて、換気性調整のためのフィルムと当該フィルムを兼用している。
本発明による第9の実施の形態を図7に示す。本実施の形態もビニールハウスの屋根面だけでなく、側面にも請求項1による第2フィルム2と同じ光学特性を持つフィルム6を適用し、通常ビニールハウスの側面に展開する側面フィルム7のフィルム巻き取り装置3とは別に、その外側に別途フィルム巻き取り装置3を設置して、第2フィルム2と同じ光学特性を持つフィルム6を展開している。また、側面に取り付けられた2つのフィルム巻き取り装置3のそれぞれに、第3フィルム4と第4フィルム5を適用することもできる。
本発明による第10の実施の形態を図8に示す。本実施の形態は、アーチパイプ型と呼ばれるかまぼこ型のビニールハウスの屋根面に本発明を適用した例である。このように本発明は平張り型やアーチパイプ型というビニールハウス本体の形状とは無関係に適用することができる。
本発明による第11の実施の形態を図9に示す。本実施例は二重フィルムを展張したパネル8を固定した平張り型ハウスの屋根面に適用することによって、伝導熱による放熱と放射熱による放熱の両方を遮断するととともに、夏季昼間に屋根面に展開された当該フィルム自体が赤外線の吸収によって温度上昇した場合にも、その伝導熱がビニールハウス内に伝わりにくい構造である。また、屋根面の中央頂上部、いわゆる棟部分が段違い構造になっておりその間からビニールハウス内上部に溜まった熱気を自然対流によってビニールハウス外に放出できるようになっている。これらの構造によって、一段と、冬季のビニールハウス内気温を高く維持し、夏季のビニールハウス内気温を低く維持することが可能となる。
本発明は、農業用以外のビニールハウスにも適用できる。
1 第1フィルム
2 第2フィルム
3 フィルム巻き取り装置
4 第3フィルム
5 第4フィルム
6 フィルム
7 側面フィルム
8 パネル

Claims (5)

  1. 農業用ビニールハウスの屋根面に固定的に展張されている第1フィルムとして可視光領域、近赤外領域及び遠赤外領域における透過率の高い素材を使用し、前記第1フィルムとは別に前記屋根面に展開格納可能な前記可視光領域及び前記遠赤外領域を透過し前記近赤外領域を遮断する素材を使用した第3フィルムと、同じく展開格納可能な前記可視光領域及び前記近赤外領域を透過し前記遠赤外領域を遮断する素材を使用した第4フィルムとを設け、
    前記第4フィルムを展開し前記第3フィルムを格納することによって、太陽光のうち紫外領域、前記可視光領域、及び前記近赤外領域を前記農業用ビニールハウス内に取り込み、前記農業用ビニールハウス内の土や部材の表面から発する黒体放射による遠赤外線を遮断し、
    前記第3フィルム及び前記第4フィルムを共に展開することによって、前記農業用ビニールハウス内の土や作物から発する黒体放射による遠赤外線を遮断するとともに伝導熱を少なくし、
    前記第3フィルムを展開し前記第4フィルムを格納することによって、前記太陽光の前記近赤外領域を遮断し、前記農業用ビニールハウス内の前記土や前記部材の前記表面から発する前記黒体放射を促す
    ことを特徴とする農業用ビニールハウス。
  2. 前記第3フィルム及び前記第4フィルムの前記素材として反射の原理に基づいた遮断方式を主体とするものを使用したことを特徴とする請求項1に記載の農業用ビニールハウス。
  3. 前記第3フィルムの前記素材として前記近赤外領域に加えて前記紫外領域を遮断するものを使用したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の農業用ビニールハウス。
  4. 前記第3フィルム及び前記第4フィルムは、温度条件や前記太陽光の条件に応じて自動的に展開格納されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の農業用ビニールハウス。
  5. 前記第3フィルム及び前記第4フィルムを、前記農業用ビニールハウスの前記屋根面のみでなく側面にも使用したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の農業用ビニールハウス。
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