JP6726745B2 - 酸化銅微粒子の製造方法及び分散液 - Google Patents
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Description
半導体回路の微細化や、その構造の多様化が進む中、プリンテッドエレクトロニクス(PE)と呼ばれる、プリント技術を利用した基板配線の形成方法が注目されている。PE技術により、オンデマンドに、効率的に配線を形成することができ、また、半導体製造プロセスで従来必要とされた露光処理やエッチング処理を必要とせず、製造コストや環境負荷を抑えることができる。
また、特許文献2には、2価の銅塩溶液および還元剤溶液を流路中に送液して接触させ、酸化第1銅微粒子を得る製造方法が記載されている。
〔1〕
第1流路に銅(II)塩溶液を、第2流路に塩基性化合物溶液をそれぞれ導入して各流路内に各溶液を通流させ、上記第1流路内を流通する銅塩溶液と、上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とを合流し、合流した液が下流へ流通中に銅(II)塩と塩基性化合物とを反応させ、反応生成物から酸化銅微粒子を製造することを含む、フロー式反応による酸化銅微粒子の製造方法であって、
上記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液と上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部において、上記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度をmol/L単位でW、上記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液の流速をmL/min単位でX、上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度をmol/L単位でY、上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液の流速をmL/min単位でZ、上記第2流路内を流通する塩基性化合物の価数をVとしたとき下記の式(1)の関係を満たし、
上記銅(II)塩溶液に用いる溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
上記塩基性化合物溶液に用いる溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
上記銅(II)塩が、酢酸銅(II)である、製造方法。
1.5>[Y×Z×V]/[W×X]≧1.1 式(1)
〔2〕
80℃以上の温度下で上記銅(II)塩と上記塩基性化合物とを反応させる、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕
上記銅(II)塩溶液と上記塩基性化合物溶液とを多層筒型ミキサーを用いて合流する、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕
上記多層筒型ミキサーの最小筒の等価直径が0.1mm〜50mmである、〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕
上記多層筒型ミキサーの最小筒部を流通する溶液の線速度a1と、最小筒部以外の筒を流通する溶液の線速度b1の比がa1/b1=1〜10000である、〔3〕又は〔4〕に記載の製造方法。
〔6〕
上記多層筒型ミキサーが2層筒型ミキサーである、〔4〕又は〔5〕に記載の製造方法。
〔7〕
2層筒型ミキサーの内管の線速度a2と、外管の線速度b2の比が、a2/b2=1〜10000である、〔6〕に記載の製造方法。
〔8〕
上記銅(II)塩溶液と上記塩基性化合物溶液とをT字型ミキサーを用いて合流する、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔9〕
上記T字型ミキサーの開口部の等価直径が0.1〜10mmである、〔8〕に記載の製造方法。
〔10〕
分散媒中に酸化銅微粒子が分散した分散液であって、上記酸化銅微粒子は微粒子の表面に一価の銅化合物が形成され、平均粒子径が70nm以下であり、
上記分散媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である、分散液。
〔11〕
上記酸化銅微粒子は、pH6.8の水に分散させた場合のゼータ電位が30mV以上である、〔10〕に記載の分散液。
〔12〕
上記一価の銅化合物が亜酸化銅である、〔10〕または〔11〕に記載の分散液。
〔13〕
上記分散液中に上記酸化銅微粒子を0.1〜14質量%含有する、〔10〕〜〔12〕のいずれか一項記載の分散液。
〔14〕
上記酸化銅微粒子の内部は二価の銅の酸化物で構成されている、〔10〕〜〔13〕のいずれか一項記載の分散液。
本発明は、上記〔1〕〜〔14〕に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても参考のため記載している。
<1>
第1流路に銅(II)塩溶液を、第2流路に塩基性化合物溶液をそれぞれ導入して各流路内に各溶液を通流させ、上記第1流路内を流通する銅塩溶液と、上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とを合流し、合流した液が下流へ流通中に銅(II)塩と塩基性化合物とを反応させ、反応生成物から酸化銅微粒子を製造することを含む、フロー式反応による酸化銅微粒子の製造方法であって、
上記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液と上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部において、上記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度をmol/L単位でW、上記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液の流速をmL/min単位でX、上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度をmol/L単位でY、上記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液の流速をmL/min単位でZ、上記第2流路内を流通する塩基性化合物の価数をVとしたとき下記の式(1)の関係を満たす、製造方法。
1.5≧[Y×Z×V]/[W×X]≧1.1 式(1)
<2>
上記銅(II)塩が、酢酸銅(II)である、<1>に記載の製造方法。
<3>
80℃以上の温度下で上記銅(II)塩と上記塩基性化合物とを反応させる、<1>又は<2>記載の製造方法。
<4>
上記銅(II)塩溶液と上記塩基性化合物溶液とを多層筒型ミキサーを用いて合流する、<1>〜<3>のいずれか一項記載の製造方法。
<5>
上記多層筒型ミキサーの最小筒の等価直径が0.1mm〜50mmである、<4>に記載の製造方法。
<6>
上記多層筒型ミキサーの最小筒部を流通する溶液の線速度a1と、最小筒部以外の筒を流通する溶液の線速度b1の比がa1/b1=1〜10000である、<4>又は<5>に記載の製造方法。
<7>
上記多層筒型ミキサーが2層筒型ミキサーである、<5>又は<6>に記載の製造方法。
<8>
2層筒型ミキサーの内管の線速度a2と、外管の線速度b2の比が、a2/b2=1〜10000である、<7>に記載の製造方法。
<9>
上記銅(II)塩溶液と上記塩基性化合物溶液とをT字型ミキサーを用いて合流する、<1>〜<3>のいずれか一項に記載の製造方法。
<10>
上記T字型ミキサーの開口部の等価直径が0.1〜10mmである、<9>に記載の製造方法。
<11>
分散媒中に酸化銅微粒子が分散した分散液であって、上記酸化銅微粒子は微粒子の表面に一価の銅化合物が形成され、平均粒子径が70nm以下である、分散液。
<12>
上記酸化銅微粒子は、pH6.8の水に分散させた場合のゼータ電位が30mV以上である、<11>に記載の分散液。
<13>
上記一価の銅化合物が亜酸化銅である、<11>または<12>に記載の分散液。
<14>
上記分散液中に上記酸化銅微粒子を0.1〜14質量%含有する、<11>〜<13>のいずれか一項記載の分散液。
本明細書において「上流」及び「下流」との用語は、溶液が流れる方向に対して用いられ、液体が導入される側(図1、3及び6の導入手段(5)、(6)及び(11)の側)が上流であり、その逆側(回収容器(7)側)が下流である。
本明細書において、単に「銅塩」という場合、特に断りのない限り「銅(II)塩」を意味する。
本明細書において「微粒子」との用語は、球状に限らず、棒状、板状等、種々の形状の微細構造物を包含する意味に用いる。
本発明の酸化銅微粒子の分散液は、酸化銅微粒子の凝集を防ぎ、分散性に優れた酸化銅微粒子の分散液である。
本発明の製造方法は、フロー式反応により、ナノメートルサイズの分散性に優れた酸化銅微粒子を連続的に製造することが可能な酸化銅微粒子の製造方法である。本発明の製造方法の好ましい実施態様について図面を用いて以下に説明する。なお、本発明は、本発明で規定する事項以外は、図面に示された形態に何ら限定されるものではない。
図1の実施形態において、第1流路(1)の上流には、銅塩溶液を第1流路(1)内に導入する銅塩溶液導入手段(5)が配設され、第2流路(2)の上流には、塩基性化合物溶液を第2流路(2)内に導入する塩基性化合物溶液導入手段(6)が配設されている。銅塩溶液導入手段(5)及び塩基性化合物溶液導入手段(6)に特に制限はなく、種々のポンプを用いることができる。なかでも流速を高精度に制御する観点からシリンジポンプを好適に用いることができる。これは、後述する第三液導入手段(11)についても同様である。
図3の実施形態において、第1流路(1)の上流には、銅塩溶液を第1流路(1)内に導入する銅塩溶液導入手段(5)が配設され、第2流路(2)の上流には、塩基性化合物溶液を第2流路内に導入する塩基性化合物溶液導入手段(6)が配設されている。
一方、第2流路(2)は、2層筒型ミキサー(3b)の導入部B(開口部B)と接続される。これにより、第2流路(2)内を流通してきた塩基性化合物溶液は、2層筒型ミキサー(3b)の外管(T2)と内管(T1)との間を満たし、O側に向かって流通する。
内管(T1)内をO側に向けて流通する銅塩溶液は、内管(T1)のO側末端部(合流部J)において、外管(T2)と内管(T1)の間をO側に向けて流通してきた塩基性化合物溶液と合流し、その下流に繋がる反応流路(4)内へと導入される。
図4における合流部JをO側から見た断面を図5に示す。図5において、内管T1内に銅塩溶液が、外管T2と内管T1との間には塩基性化合物溶液がそれぞれ流通している。
図6の実施形態において、第1流路(1)の上流には、銅塩溶液を第1流路(1)内に導入する銅塩溶液導入手段(5)が配設され、第2流路(2)の上流には、塩基性化合物溶液を第2流路内に導入する塩基性化合物溶液導入手段(6)が配設され、第3流路(10)の上流には、第三液を第3流路(10)内に導入する第三液導入手段(11)が配設されている。
また、第3流路(10)は、3層筒型ミキサー(3c)の導入部C(開口部C)と接続される。これにより、第3流路(10)内を流通してきた第三液は、3層筒型ミキサー(3c)の中管(T3)と内管(T1)との間を満たし、O側に向かって流通する。
また、第2流路(2)は、3層筒型ミキサー(3c)の導入部B(開口部B)と接続される。これにより、第2流路(2)内を流通してきた塩基性化合物溶液は、3層筒型ミキサー(3c)の中管(T3)と外管(T2)との間を満たし、O側に向かって流通する。
図7における合流部JをO側から見た断面を図8に示す。図8において、内管(T1)内に銅塩溶液が、中管(T3)と内管(T1)との間に第三液が、外管(T2)と中管(T3)との間には塩基性化合物溶液がそれぞれ流通している。
第三液として水を用いた場合、銅と塩基とが高濃度で接触することを避けることができ、反応液の濃度ムラが緩和できる。
第三液として酸性溶液(例えば塩酸、硫酸、硝酸、あるいは酢酸等のカルボン酸化合物の溶液)を用いた場合には、反応液のpHを制御することが可能となる。
第三液として分散安定剤を含む溶液を使用した場合、生成する酸化第二銅の粒子成長を制御して形状を調節したり、粒子サイズや分散安定性を制御したりすることが可能となる。この分散安定剤としては特に制限はなく、分散安定剤として機能しうる公知の化合物を使用することができ、例えば、エチレングリコールなどのジオール、オレイン酸、オレイン酸塩などのカルボン酸、オレイルアミン、オレイルアミン塩などのアミン、チオールを持つ化合物、ゼラチンなどの高分子化合物、そのほか一般的な有機溶媒を使用することができる。
図7に示されるように、3層筒型ミキサーを用いて銅塩溶液と塩基性化合物溶液を合流する場合には、銅塩と塩基性化合物との接触がミキサー内の管外壁で生じないため、ミキサー内の管外壁には酸化銅が析出しない。そのため、フロー反応中の圧力上昇を抑えることができ、連続的な酸化第二銅の製造を、より安定的に実施することが可能となる。
本発明において、合流領域(3)の上流側に配設される流路(図1、3、6に示す実施形態においては第1流路(1)、第2流路(2)及び第3流路(10))の形状に特に制限はなく、通常は等価直径が0.1mm〜50mm程度(好ましくは0.1mm〜10mm)、長さが20cm〜50m程度のチューブが使用される。流路の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形の他、矩形、正方形等の多角形状であってもよい。配管内部に液溜りを生じにくくする観点から、流路の断面形状は円形であることがより好ましい。
本明細書において等価直径とは流路断面を円形に換算した場合の直径である。「等価直径(equivalent diameter)」は、相当(直)径とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意の管内断面形状の配管ないし流路に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の管内断面の直径を等価直径という。等価直径(deq)は、A:配管の管内断面積、p:配管のぬれぶち長さ(内周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管の管内断面の直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、管内断面が一辺aの正四角形管ではdeq=4a2/4a=a、一辺aの正三角形管ではdeq=a/31/2、流路高さhの平行平板間の流れではdeq=2hとなる(例えば、(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株)参照)。
流路を構成するチューブの材質も特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどが挙げられる。可撓性、耐薬品性の観点からチューブの材質はPFA、テフロン(登録商標)、ステンレス、ニッケル合金(ハステロイ)又はチタンが好ましい。
T字型ミキサー(3a)は、T字管の構造体である。T字型ミキサーは上述したように、図1の実施形態において用いられる。T字型ミキサーにおいて、T字型ミキサーが有する3つの開口部(図2のA、B、O)のうち、第1流路が接続される開口部は任意の1つである。また、第2流路が接続される接続部は、第1流路が接続される開口部を除く2つの開口部のうちいずれでもよい。好ましくは、第1流路と第2流路は、それぞれ、T字ミキサーの互いに対向する開口部(すなわち図2における開口部A及びB)に接続されることが好ましい。
T字ミキサーの開口部の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形の他、矩形、正方形等の多角形状であってもよい。ミキサー内部で液の滞留を生じにくくする観点から、T字ミキサーの管の断面形状は円形であることがより好ましい。
本発明において、銅塩溶液と塩基性化合物溶液とを合流する合流領域(3)には、多層筒型ミキサーを用いることができる。図3〜8には、上述したように多層筒型ミキサーとして2層筒型ミキサー(3b)及び3層筒型ミキサー(3c)を用いた実施形態を示す。本発明の製造方法において、合流領域(3)には、4層以上の多層筒型ミキサーを用いてもよい。図4及び7に示されるように、多層筒型ミキサーは、管と管との間に流路が形成される態様の多層構造の管と、最小管(内管)よりも外側の流路(内管と外管との間の流路)に液を導入するための導入口を備えた構造体である。多層筒型ミキサーにおいて、銅塩溶液を流通させる流路と塩基性化合物溶液を流通させる流路は隣接していてもよいし、銅塩溶液を流通させる流路と塩基性化合物溶液を流通させる流路との間の流路に、混合、反応および生成粒子の分散状態を調整する役割をする第三液(水、有機溶媒、酸などのpH調整剤、分散剤溶液、第二の銅塩溶液、第二の塩基性化合物溶液等)を流通させてもよい。
多層筒型ミキサーを用いることにより、図4及び7に示すように、ミキサー内に導入された各溶液を、ミキサーの下流に向けて層流として合流させることができる。層流となって合流した各溶液は、そのまま層流の状態で反応流路内を流れてもよいし、合流後すぐに、あるいは徐々に、乱流により混じり合って反応流路内を流れてもよい。
多層筒型ミキサーの管ないし開口部の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形の他、矩形、正方形等の多角形状であってもよい。ミキサー内部で液の滞留が起こりにくいという観点から、多層筒型ミキサーの管の断面形状は円形であることがより好ましい。
合流領域(3)で合流した溶液は、反応流路(4)内を流通する。合流後から反応流路内流通時に、銅塩と塩基性化合物が反応して水酸化銅が生成し、続く加熱下での脱水反応により酸化第二銅が微粒子状に析出する。
反応流路(4)はチューブ状であることが好ましい。反応流路(4)として、通常は等価直径が0.1mm〜5cm程度(好ましくは0.1mm〜1cm)、長さが20cm〜50m程度のチューブが使用される。反応流路(4)の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形、矩形、正方形等のいずれの形状であってもよい。配管内部の液溜りが生じにくくする観点から、T字ミキサーの管の断面形状は円形であることがより好ましい。
反応流路(4)を構成するチューブの材質も特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどが挙げられる。可撓性、耐薬品性の観点からチューブの材質はPFA、テフロン(登録商標)、ステンレス、ニッケル合金(ハステロイ)又はチタンが好ましい。
上記合流領域(3)で合流した銅塩溶液中の銅塩と塩基性化合物溶液中の塩基性化合物は、反応流路(4)内を流通しながら反応して水酸化銅を生じ、次いで加熱下で脱水されて酸化第二銅を生成する。この酸化第二銅は反応流路内の溶液中に微粒子状に析出する。反応流路内において生成した酸化銅微粒子は、酸化銅微粒子分散液として、回収容器7内に回収される。
後述のように酸化銅微粒子の電荷を酸イオンにより保護することで凝集を防ぎ分散性に優れた酸化銅微粒子が得られると推察されるため、電荷の保護の観点から銅塩として酢酸銅(II)、又は酢酸銅(II)水和物を用いることが好ましい。
有機溶媒は水溶性有機溶媒が好ましく、具体例として、メタノール、エタノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、テトラヒドロフランが挙げられる。
また、分子中に2個以上の水酸基を持つエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセロールなども使用できる。
有機溶媒は単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
上記銅塩溶液及び塩基性化合物溶液に用いる溶媒は、水又はジオール水溶液が好ましく、水がより好ましい。すなわち、銅塩溶液及び塩基性化合物溶液は、それぞれ銅塩水溶液及び塩基性化合物水溶液であることが好ましい。上記銅塩水溶液及び塩基性化合物水溶液に用いる水は、比抵抗値18MΩ・cm以上の超純水が好ましい。
Cu(NO3)2+2NaOH → Cu(OH)2+2NaNO3 式(i)
Cu(OH)2 → CuO+H2O 式(ii)
1.5≧[Y×Z×V]/[W×X]≧1.1 式(1)
また、合流部Jにおける式(1)は、下記の式(2)であることが好ましい。
W:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)
X:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液の流速(mL/min)
Y:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)
Z:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液の流速(mL/min)
V:第2流路内を流通する塩基性化合物の価数
また、合流領域(3)に多層筒型ミキサーを配設した場合、この多層筒型ミキサーの最小筒(内管)を流通する溶液の線速度a1と、最小筒以外の筒を流通する溶液(すなわち、最小筒以外の筒と、この最小筒以外の筒と隣接する内側の筒との間を流通する溶液)の線速度b1の比が、a1/b1=1〜10000を満たすことが好ましく、a1/b1=0.01〜100を満たすことがより好ましく、a1/b1=0.02〜50を満たすことがさらに好ましい。各筒を流通する溶液の線速度を上記好ましい範囲内とすることで、送液時の圧力損失が低減でき、各液を安定的に流通させることができる。
また、合流領域(3)に2層筒型ミキサーを配設した場合、この2層筒型ミキサーの最小筒(内管)を流通する溶液の線速度a2と、最小筒以外の筒(外管)を流通する溶液(すなわち、外管と内管との間を流通する溶液)の線速度b2の比が、a2/b2=0.02〜50を満たすことが好ましく、a2/b2=0.05〜20を満たすことがより好ましく、a2/b2=0.1〜10を満たすことがさらに好ましい。各筒を流通する溶液の線速度を上記好ましい範囲内とすることで、送液時の圧力損失が低減でき、それぞれの液を安定して流通させることができる。
また、同様の観点から、第2流路内を流通させる塩基性化合物溶液の濃度は、20〜10000mMが好ましく、40〜4000mMがより好ましい。
還元剤の使用量は特に制限されず、平均粒子径がより小さい酸化銅微粒子が得られる点で、酸化銅1モルに対して、0〜1モルが好ましく、0.01〜0.5モルがより好ましい。
還元剤は、塩基性化合物溶液に添加することができる。
還元剤としては、その種類は特に制限されず、公知の還元剤を使用することができる。例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、硝酸ヒドロキシルアミン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、硫酸ヒドラジン、リン酸ヒドラジン、ヒドラジン、次亜リン酸および次亜リン酸ナトリウムなどが挙げられ、これらを1種または2種以上を用いてもよい。還元剤として好ましくは、ヒドラジンである。
分散剤は、銅塩溶液に添加することができる。
用いることのできる分散剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは低分子または高分子の分散剤を使用することができる。好ましくはヘキサメタン酸ナトリウムが挙げられる。分散剤の添加量は分散剤の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、得られる分散液中に0〜10質量%(w%)含有することが好ましく、0〜8質量%がより好ましい。
酸化微銅微粒子の平均粒子径は、レーザー回折による粒子径分布測定機等を用いて動的光散乱により測定できる。
酸化銅微粒子の形状は粒子状であれば特に制限されない。粒子状とは小さい粒状を指し、その具体例としては、球状、楕円体状、棒状、板状などが挙げられる。完全な球や楕円体等である必要はなく、一部が歪んでいてもよい。棒状ないし板状であるよりも、球状であった方が、粒子同士の接触面積が減少し、凝集し難くなり有利である。
本発明は酸化銅微粒子の分散液にも関する。
本発明の分散液は、分散媒中に酸化銅微粒子が分散した分散液であって、該酸化銅微粒子は、微粒子の表面に一価の銅化合物が形成され、平均粒子径が70nm以下である。
酸化微銅微粒子の平均粒子径は、レーザー回折による粒子径分布測定機等を用いて動的光散乱により測定できる。
本発明の分散液の分散媒としては、水、有機溶媒、あるいは水と有機溶媒の混合物を用いることができ、上記酸化銅微粒子の製造方法において溶媒として挙げられたものを挙げることができる。なかでも、水又はジオール水溶液が好ましく、水がより好ましい。
本発明の分散液は、必要に応じ添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、分散剤、分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本発明の分散液に用いることのできる分散剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは低分子または高分子の分散剤を使用することができる。好ましくはヘキサメタン酸ナトリウムが挙げられる。分散剤の添加量は分散剤の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、分散液中に0〜10質量%(wt%)含有することが好ましく、0〜8質量%がより好ましい。
<フロー式反応システム1の構築>
図3に示す構成のフロー式反応システムを構築した。第1流路(1)、第2流路(2)、反応流路(4)として、SUS316製チューブを用いた。銅塩溶液導入手段(5)及び塩基性化合物溶液導入手段(6)として、シリンジポンプ(HARVARD社製 PHD ULTRA)を用い、各シリンジポンプに、銅塩水溶液が入ったシリンジ(容積100mL)及び塩基性化合物水溶液が入ったシリンジ(容積100mL)をそれぞれ装着する構成とした。
第1流路(1)のうち下流側領域は、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域(8、オイルバス)内に配設した。また、第2流路(2)のうち下流側領域も同様に、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域(8)内に配設した。
第1流路(1)及び第2流路(2)の下流側末端に多層筒型ミキサーの1つである2層管型ミキサー(内管の外径1/16In、内径0.25mm、外管の外径1/8In、内径2.17mm)を設置する。当該内管と第1流路(1)をつなぐことで、当該内管から銅塩溶液を2層管合流部に流出させ、他方、当該外管と第2流路(2)をつなぐことで塩基性化合物溶液を2層管合流部に流出させることにより、銅塩溶液および塩基性化合物溶液が混合するように接続した。多層筒型ミキサー残りの開口部を、コイル状に巻いた長さ2m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路に接続してこの流路を加熱領域(8)内に設置し、さらにその下流に、コイル状に巻いた長さ1m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路を接続し、冷却領域(9、ウォーターバス(20℃))内に設置した。冷却領域9の下流に回収容器(7)を設置し、反応液を回収する構成とした。
酢酸銅(II)水和物を水に溶解させ、水で希釈して硝酸銅水溶液(濃度0.285M)を調製した。50%(質量/体積)水酸化ナトリウム水溶液を、水で希釈して水酸化ナトリウム水溶液(濃度0.285M)を調製した。
上記硝酸銅水溶液100mL及び水酸化ナトリウム水溶液100mLを、それぞれガラス製シリンジ(容積100mL)に充填し、上記フロー式反応システムのシリンジポンプにセットした。各液をそれぞれ5ml/minで送液した。このフロー式反応系において、加熱領域(8)の温度は90℃とした。反応流路を通過してきた液(黒色の微粒子懸濁液)を回収容器(容積250mlのポリエチレン容器)に100mL回収した。
得られた黒色の微粒子懸濁液30mLを約10000Gで遠心分離して微粒子を沈降させ、得られたペーストを40℃、5時間真空乾燥させることで酸化銅微粒子1の乾燥粉末を得た。この乾燥粉末をXRD(X線回折)(RIGAKU製、Miniflex)で測定した結果、酸化第二銅に由来する回折パターンのみが検出された。また、この乾燥粉末をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)(Ulvac−PHI社製XPS (Versa Probe II))で下記の条件にて測定した結果、微粒子の表面に酸化第一銅が形成された酸化銅微粒子であることを確認した。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化銅微粒子1の含有量は1.1質量%であった。
XPS測定条件:
・X線源: Al−Kα線100μmφ×25W×15kV
・帯電補正:あり(電子銃・低速イオン銃併用)
・光電子取出角度:45°
・測定範囲:300μm2(Area)
・Pass Energy:23.5 eV
・測定元素:Cu2p, Cu LMM、C1s、S2p、O1s、N1s
上記の条件の反応で得た微粒子懸濁液より、塩析の効果により凝集体が沈降する。得られた微粒子懸濁液100mLを静置した後、デカンテーションにより上澄み液を全て除去した。残渣に除去した上澄み液と同量の純水(pH6.8)を加え、軽く振とうさせて均一に混ぜ、この液を分散液(分散液1)とした。分散液1中、酸化銅微粒子1の含有量は0.2質量%であった。その後、遠心機にて3780Gの条件で該懸濁液中の粒子を強制的に沈降させた。ここで沈降した粒子を凝集体とみなす。凝集体を回収し、300℃のホットプレートで水分を完全に飛ばして質量を測定し、下記の式より凝集体の割合(wt%)を算出した。
凝集体の割合(wt%)=(実際の凝集体の乾燥質量/原料銅が全て酸化銅になったと仮定した場合の酸化銅の質量(原料銅のモル数×酸化銅の分子量79))×100
上記の処理で得た分散液1中の平均粒子径はMarveln社製動的光散乱測定装置(ゼータサイザーZS)により測定した。平均粒子径はキュムラント解析による粒子径の平均値(Z−Average)としてISO13321で定められている方式で測定した。
分散液1を水で希釈し、0.01wt%とした。平均粒子径(nm)とともに分散度を示す指標である多分散指数(Polydispersity Index(PDI))を測定した。
分散液1を水で希釈し、0.01wt%とした。ガラス製の専用測定セルに所定量導入し、大塚電子社製 ELSZ1EASにてゼータ電位を測定した。
B=凝集5%より多く50%以下で分散液中の平均粒子径が70nm以下となる場合
C=凝集50%より多くなる場合
第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)W及び第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)Yを、下記表1に記載のものに変更した以外は酸化銅微粒子1及びその分散液1と同様にして、酸化銅微粒子2〜6及びその分散液2〜6を得て、微粒子の観察および物性を測定し評価した。
水酸化ナトリウム水溶液にヒドラジンを酢酸銅に対し0.001モル%となるように添加し、酢酸銅水溶液にヘキサメタン酸ナトリウムを5w%となるように添加したこと以外は酸化銅微粒子1及びその分散液1と同様にして、酸化銅微粒子7及びその分散液7を得て、微粒子の観察および物性を測定し評価した。
第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)W及び第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)Yを、下記表1に記載のものに変更した以外は酸化銅微粒子7及びその分散液7と同様にして、酸化銅微粒子8〜18及びその分散液8〜18を得て、微粒子の観察および物性を測定し評価した。
(*3)=原料中の銅が全て酸化銅になったと仮定した質量割合
(*4)=ヒドラジンのモル%=(ヒドラジンのモル数/酸化銅(*5)モル数)×100
(*5)=原料中の銅が全て酸化銅になったと仮定したモル数
W:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)
X:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液の流速(mL/min)
Y:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)
Z:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液の流速(mL/min)
V:第2流路内を流通する塩基性化合物の価数
酢酸銅水溶液にヘキサメタン酸ナトリウムを5w%となるように添加したこと以外は酸化銅微粒子1及びその分散液1と同様にして、酸化銅微粒子19及びその分散液19を得て、微粒子の観察および物性を測定し評価した。
第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)W及び第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)Yを、下記表2に記載のものに変更した以外は酸化銅微粒子19及びその分散液19と同様にして、酸化銅微粒子20〜24及びその分散液20〜24を得て、微粒子の観察および物性を測定し評価した。
水酸化ナトリウム水溶液にヒドラジンを酢酸銅に対し0.001モル%となるように添加したこと以外は酸化銅微粒子1及びその分散液1と同様にして、酸化銅微粒子25及びその分散液25を得て、微粒子の観察および物性を測定し評価した。
第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)W及び第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)Yを、下記表2に記載のものに変更した以外は酸化銅微粒子25及びその分散液25と同様にして、酸化銅微粒子26〜29及びその分散液26〜29を得て、微粒子の観察および物性を測定し評価した。
(*3)=原料中の銅が全て酸化銅になったと仮定した質量割合
(*4)=ヒドラジンのモル%=(ヒドラジンのモル数/酸化銅(*5)モル数)×100
(*5)=原料中の銅が全て酸化銅になったと仮定したモル数
W:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)
X:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液の流速(mL/min)
Y:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)
Z:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液の流速(mL/min)
V:第2流路内を流通する塩基性化合物の価数
加熱領域8の温度を下記表4に記載の温度に変更した以外は酸化銅微粒子3及びその分散液3と同様にして、酸化銅微粒子30〜33及びその分散液30〜33を得て、酸化銅微粒子の観察および物性を測定し評価した。結果を表4に示す。表中「<0.1」は0.1質量%未満を示す。
<フロー式反応システム40の構築>
図1に示す構成のフロー式反応システムを構築した。第1流路(1)、第2流路(2)、反応流路(4)として、SUS316製チューブを用いた。銅塩溶液導入手段(5)及び塩基性化合物溶液導入手段(6)として、シリンジポンプ(HARVARD社製 PHD ULTRA)を用い、各シリンジポンプに、銅塩水溶液が入ったシリンジ(容積100mL)及び塩基性化合物水溶液が入ったシリンジ(容積100mL)をそれぞれ装着する構成とした。
銅塩溶液が入ったシリンジの先端を、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの第1流路に接続した。また、塩基性化合物溶液が入ったシリンジの先端を、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの第2流路に接続した。第2流路には圧力計を設置し、送液中の流路内の圧力を測定できるようにした。
第1流路(1)のうち下流側領域は、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域(8、オイルバス)内に配設した。また、第2流路(2)のうち下流側領域も同様に、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域(8)内に配設した。
第1流路(1)及び第2流路(2)の下流側末端に内径0.5mmのT字型ミキサー(Upchrch社製)を設置し、銅塩溶液および塩基性化合物溶液が正面衝突するように、各流路とT字型ミキサー(商品名:ティーユニオン、Upchurch社製)の開口部(A及びB)とを接続した。T字型ミキサー残りの開口部Oを、コイル状に巻いた長さ2m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路に接続してこの流路を加熱領域(8)内に設置し、さらにその下流に、コイル状に巻いた長さ1m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路を接続し、冷却領域(9、ウォーターバス(20℃))内に設置した。冷却領域9の下流に回収容器(7)を設置し、反応液を回収する構成とした。
T字型ミキサーの内径(開口部の直径)を表6に記載の通り変更した以外は酸化銅微粒子40及びその分散液40と同様に、酸化銅微粒子50〜54及びその分散液50〜54を製造し、酸化銅微粒子40及びその分散液40と同様に微粒子の観察および物性を測定し評価した。結果を表6に示す。表中「<0.1」は0.1質量%未満を示す。
本発明の酸化銅微粒子の分散液は、酸化銅微粒子の凝集を防ぎ、分散性に優れた酸化銅微粒子の分散液である。
本出願は、2016年7月22日出願の日本特許出願(特願2016−144837)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 第1流路
2 第2流路
3 合流領域
3a T字型ミキサー
3b 2層筒型ミキサー(多層筒型ミキサー)
3c 3層筒型ミキサー(多層筒型ミキサー)
4 反応流路
5 銅塩溶液導入手段(シリンジポンプ)
6 塩基性化合物溶液導入手段(シリンジポンプ)
7 回収容器
8 加熱領域
9 冷却領域
P 圧力計
J 合流部
T1 内管
T2 外管
T3 中管
10 第3流路
11 第三液導入手段(シリンジポンプ)
Claims (14)
- 第1流路に銅(II)塩溶液を、第2流路に塩基性化合物溶液をそれぞれ導入して各流路内に各溶液を通流させ、前記第1流路内を流通する銅塩溶液と、前記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とを合流し、合流した液が下流へ流通中に銅(II)塩と塩基性化合物とを反応させ、反応生成物から酸化銅微粒子を製造することを含む、フロー式反応による酸化銅微粒子の製造方法であって、
前記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液と前記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部において、前記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度をmol/L単位でW、前記第1流路内を流通する銅(II)塩溶液の流速をmL/min単位でX、前記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度をmol/L単位でY、前記第2流路内を流通する塩基性化合物溶液の流速をmL/min単位でZ、前記第2流路内を流通する塩基性化合物の価数をVとしたとき下記の式(1)の関係を満たし、
前記銅(II)塩溶液に用いる溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
前記塩基性化合物溶液に用いる溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
前記銅(II)塩が、酢酸銅(II)である、製造方法。
1.5>[Y×Z×V]/[W×X]≧1.1 式(1) - 80℃以上の温度下で前記銅(II)塩と前記塩基性化合物とを反応させる、請求項1に記載の製造方法。
- 前記銅(II)塩溶液と前記塩基性化合物溶液とを多層筒型ミキサーを用いて合流する、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記多層筒型ミキサーの最小筒の等価直径が0.1mm〜50mmである、請求項3に記載の製造方法。
- 前記多層筒型ミキサーの最小筒部を流通する溶液の線速度a1と、最小筒部以外の筒を流通する溶液の線速度b1の比がa1/b1=1〜10000である、請求項3又は4に記載の製造方法。
- 前記多層筒型ミキサーが2層筒型ミキサーである、請求項4又は5に記載の製造方法。
- 2層筒型ミキサーの内管の線速度a2と、外管の線速度b2の比が、a2/b2=1〜10000である、請求項6に記載の製造方法。
- 前記銅(II)塩溶液と前記塩基性化合物溶液とをT字型ミキサーを用いて合流する、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記T字型ミキサーの開口部の等価直径が0.1〜10mmである、請求項8に記載の製造方法。
- 分散媒中に酸化銅微粒子が分散した分散液であって、前記酸化銅微粒子は微粒子の表面に一価の銅化合物が形成され、平均粒子径が70nm以下であり、
前記分散媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である、分散液。 - 前記酸化銅微粒子は、pH6.8の水に分散させた場合のゼータ電位が30mV以上である、請求項10に記載の分散液。
- 前記一価の銅化合物が亜酸化銅である、請求項10または請求項11に記載の分散液。
- 前記分散液中に前記酸化銅微粒子を0.1〜14質量%含有する、請求項10〜12のいずれか一項記載の分散液。
- 前記酸化銅微粒子の内部は二価の銅の酸化物で構成されている、請求項10〜13のいずれか一項記載の分散液。
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