JP6726670B2 - 2−フロ酸誘導体を調製するための合成方法 - Google Patents

2−フロ酸誘導体を調製するための合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6726670B2
JP6726670B2 JP2017541702A JP2017541702A JP6726670B2 JP 6726670 B2 JP6726670 B2 JP 6726670B2 JP 2017541702 A JP2017541702 A JP 2017541702A JP 2017541702 A JP2017541702 A JP 2017541702A JP 6726670 B2 JP6726670 B2 JP 6726670B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
alkyl
iii
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017541702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018505891A (ja
Inventor
ショー,アンソニー,エイドリアン
クンタベーポルン,カンジャイ
クラシク,パベル
Original Assignee
デルミラ インコーポレーテッド
デルミラ インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デルミラ インコーポレーテッド, デルミラ インコーポレーテッド filed Critical デルミラ インコーポレーテッド
Publication of JP2018505891A publication Critical patent/JP2018505891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6726670B2 publication Critical patent/JP6726670B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D307/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D307/56Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D307/68Carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/34Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having five-membered rings with one oxygen as the only ring hetero atom, e.g. isosorbide
    • A61K31/341Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having five-membered rings with one oxygen as the only ring hetero atom, e.g. isosorbide not condensed with another ring, e.g. ranitidine, furosemide, bufetolol, muscarine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本開示は、一般に、改良された収率及びスケーラビリティを有する、2-フロ酸誘導体を調製するための合成方法に関する。
脂肪酸合成は、アセチルCoAのマロニルCoAへのカルボキシル化から始まる。この不可逆的反応は、脂肪酸合成における重要な段階である。マロニルCoAの合成は、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)によって触媒される(Brownsey, R. W.ら、"Regulation of acetyl-CoA carboxylase"、Biochem Soc. Trans. (2006) 34: 223-227を参照されたい)。
ACCの阻害は、脂肪酸合成を低減させるのに有効であり得る。長鎖(16〜20個の炭素)脂肪酸アシル-CoAチオエステルは、哺乳動物のACCの強力な生理学的最終産物の阻害剤であることが見出されている。
ある種の2-フロ酸誘導体は、長鎖アルコキシド(C12〜20)で置換されたものを含めて、脂肪酸模倣体である。これらは、そのアシル-CoAチオエステルに細胞内で変換され得て、それによって、長鎖脂肪酸アシル-CoAチオエステルと類似のメカニズムでACC活性を阻害する。McCune, S. A.ら、J. Biol. Chem. (1979)、Vol. 254、No. 20. 10095〜10101ページを参照されたい。
TOFA(5-(テトラデシルオキシ)-2-フロ酸)は、以下の構造
を有する公知の脂質低下化合物である。
TOFAは、ラット及びサルの両者における血漿トリグリセリドレベルを低下させることが明らかにされている。例えば、Parker, R. A.ら、J. Med. Chem. (1977)、Vol. 20、781〜791ページを参照されたい。TOFAは、肝臓の脂肪酸合成を阻害することも公知である。例えば、Ribereau-Gayon, G.、FEBS Lett. (1976)、Vol. 62、No. 309-312; Panek, E.ら、Lipids (1977)、Vol. 12、814〜818ページ; Kariya, T.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. (1978)、Vol. 80、1022〜1024ページ;及びHarris, R.A.ら、Holmones and Energy Metabolism (Klachko, D.M.ら、編)、Vol. III、17〜42ページを参照されたい。TOFAは、皮脂の産生を低下させることによって皮脂腺障害を阻害することもさらに公知である。例えば、米国特許公開第2010/0204317号、及びドイツ特許第4033563号を参照されたい。
TOFAは、皮膚を通しては十分なバイオアベイラビリティを有していない。それにひきかえ、ある種のTOFAプロドラッグは、尋常性ざ瘡、集簇性ざ瘡、塩素ざ瘡、酒さ、鼻瘤タイプ酒さ、脂漏症、脂漏性皮膚炎、皮脂腺過形成、顔面酒さのマイボーム腺機能不全、分裂促進性脱毛症、及び脂性肌を含めた一連の皮膚科学的障害に対して特に有効であることが見出されている。Dermira (Canada) Inc.名義の米国特許第8,884,034号を参照されたい。
TOFAは、活性医薬品及び他の医薬品のための重要な前駆体として、グラム規模の量で市販されており(例えば、Cedarlane Laboratories Inc.)、Parker R. A.ら(上記)が記載している方法に従って調製することができる。しかし、公知の手順はスケールを十分に拡大できず、TOFAを低収率でしか生成することができない。したがって、TOFA及び関連する2-フロ酸誘導体を改良された収率及びスケーラビリティで製造するために、合成アプローチを改変することが求められている。
一実施形態は、式(I)
の化合物を調製するための方法であって、
式(II)の化合物を式(III)の中間体化合物
に変換するステップと、
式(III)の中間体化合物をけん化するステップと
を含み、式中、R1は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、R2はC1〜4アルキルであり、Xはハロである、方法を提供する。
さらなる実施形態において、式(II)の化合物を式(III)の中間体に変換するステップは、
式(II)の化合物をR1-OHとエステル交換させて、式(IV)
の中間体化合物を形成するステップと、
式(IV)の中間体化合物を、R1-OH及び塩基の存在下で式(III)の中間体化合物に変換するステップと
を含む。
さらに別の実施形態は、式(III)の化合物と、少なくとも15のpKa値を有する共役酸を有する塩基とを含む組成物であって、式(III)の化合物が
[式中、R1は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである]
である、組成物を提供する。
本明細書に記載されているものは、従来のTOFA合成に比較してより低温において改良された収率(例えば、70%超)を有する、TOFA及び関連する2-フロ酸誘導体を調製するための方法を含む。また、記載されているものは、反応中間体及び塩基を含む組成物である。
従来のTOFA合成
TOFAは、従来は以下の反応スキーム
に示される塩基性条件下で、5-ブロモ-2-フロ酸を1-テトラデカノール(C14H29OH)と反応させることによって調製されている。
より具体的には、従来の手順は、1-テトラデカノールを油中水素化ナトリウムで処理し、還流キシレン中で加熱する(およそ130〜140℃)ことによる2.5当量のナトリウムテトラデコキシドの調製を含むものであった。この混合物に1当量の5-ブロモ-2-フロ酸を添加し、得られた混合物を還流下で42時間加熱した。混合物を冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、10%酢酸で中和した。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ジエチルエーテルを蒸留によって除去し、キシレン溶液を冷却した後、沈殿物を回収し、2-ブタノン中で再結晶させて、TOFAを46%の収率で得た。Parker R. A.ら(上記)も参照されたい。
公知の合成アプローチは、高温にする必要があり、TOFAを50%未満の収率で生成し、スケールアップした場合、この低収率を維持することはできない。
2-フロ酸誘導体の合成
本開示の実施形態よれば、式(I)
の2-フロ酸誘導体を、低温(80℃未満)において高い全収率(例えば、約85%)で調製することができる。
全体的反応スキームに示すように、この方法は、式(II)の2-フロ酸エステル反応物から開始し、式(III)の対称的に置換されたアルコキシ2-フロ酸アルキルエステル中間体を生成する。式(III)の中間体は、次いで式(I)の2-フロ酸誘導体にけん化される。式(III)の中間体の生成は、式(IV)の中間体を製造するためのエステル交換反応ステップを含み得る。
有利には、式(III)及び(IV)の中間体は、次のステップに進む前に必ずしも単離する必要はない。全体の工程は、公知の反応スキームと比較して、2つの余分なステップを有するにもかかわらず、より高い収率で進行することができる。
したがって、一実施形態は、式(I)
によって表される2-フロ酸誘導体を調製するための合成方法であって、
式(II)の化合物を式(III)の中間体化合物
に変換するステップと、
式(III)の中間体化合物をけん化するステップと
を含み、式中、
R1は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
R2はC1〜4アルキルであり、
Xはハロである、
方法を提供する。
この実施形態の式(II)の化合物を式(III)の中間体化合物に変換するステップは、
式(II)の化合物をR1-OHとエステル交換させて、式(IV)
の化合物を形成するステップと、
式(IV)の化合物を、R1-OH及び塩基の存在下で、式(III)の中間体化合物に変換するステップと
を含む。
出発材料、即ち式(II)のハロ置換2-フロ酸エステル化合物は、市販で得ても又は当技術分野で知られている方法によって調製してもよい。
特定の実施形態において、出発材料は、反応副生成物、即ちR2-OHを同時に除去しながら、R1-OHとのエステル交換を受ける。
一実施形態において、R2-OHの除去は、還流している芳香族溶媒(例えば、トルエン又はベンゼン)中、ルイス酸の存在下で実施してもよい。副生成物アルコール(R2-OH)は、同時に除去されるので、エステル交換反応は100%の収率で進行して、式(IV)の中間体を形成することができる。
適したルイス酸には、遷移金属アルコキシドが含まれる。好ましい実施形態において、ルイス酸はチタンテトライソプロポキシドである。
式(IV)の中間体は、精製することなく、アルコキシドR1O-との置換反応に直接進めて、式(III)のアルコキシ2-フロ酸エステル中間体を提供してもよい。アルコキシドR1O-を、先ずR1OHを塩基と組み合わせることによって添加してもよい。或いは及び好ましくは、アルコキシドR1O-を、エステル交換反応のステップから過剰量のR1-OHに塩基を添加することによってin situで形成してもよい。詳細には、エステル交換反応を、2当量をわずかに超える(例えば、2.5当量)R1-OHを用いて実施して、それによって、アルコキシドR1O-を形成するための約1.5当量の未反応R1-OHを残しておいてもよい。
様々な実施形態において、塩基は、その共役酸が少なくとも15のpKaを有する強塩基である。適した塩基には、金属アルコキシド、金属水素化物等が含まれる。特定の実施形態において、塩基は、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ペントキシド、又はナトリウムt-ペントキシドであってもよい。好ましい実施形態において、塩基はカリウムt-ブトキシドである。
有利には、2-フロ酸エステルによって反応を開始することによって(2-フロ酸とは対照的に)、アルコキシ2-フロ酸エステル中間体の形成を低温(例えば、60℃未満又は50℃未満でさえ)において迅速に実施することができる。
様々な実施形態において、式(III)のアルコキシ2-フロ酸エステル中間体は、単離する又は精製することなく、塩基の存在下で、式(I)の2-フロ酸誘導体に変換するためのけん化ステップ(又は加水分解)を受ける。典型的には、アルコールと組み合わせた塩基(例えば、金属水酸化物)が好ましい。特定の実施形態において、塩基は、メタノールと組み合わせた水酸化カリウムである。
けん化ステップは、低温、即ち50℃未満において実施することができる。好ましくは、温度は30〜35℃の範囲である。
上記の実施形態において、R1は好ましくはC10〜20アルキルであってもよい。特に好ましい実施形態において、R1は-C14H29である。
別の特定の実施形態において、R2はメチルである。
さらに他の実施形態において、XはBr又はClである。好ましい実施形態において、XはBrである。
好ましい実施形態において、調製された式(I)の化合物は、5-テトラデシルオキシ-2-フロ酸(TOFA)である。
別の実施形態は、式(III)の化合物及び塩基の組成物を提供する。
特定の実施形態において、塩基は、その共役酸が少なくとも15のpKaを有する強塩基であってもよい。適した塩基には、金属アルコキシド、金属水素化物等が含まれる。特定の実施形態において、塩基は、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ペントキシド、又はナトリウムt-ペントキシドであってもよい。
好ましい実施形態において、塩基はカリウムt-ブトキシドである。
好ましい実施形態において、式(III)の化合物は、
である。
定義
本明細書に挙げられている特定の化学基は、示された化学基中に見出される、炭素原子の総数を示す略語が前に置かれることがある。例えば、C7〜C12アルキルは、総計7〜12個の炭素原子を有する、以下に定義されるアルキル基を表し、C4〜C12シクロルアルキルアルキルは、総計4〜12個の炭素原子を有する、以下に定義されるシクロアルキルアルキル基を表す。略語中の炭素の総数には、記述されている基の置換基中に存在してもよい炭素は含まれない。
前述のことに加えて、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、逆の記載がない限り、以下の用語は、示されている意味を有する。
「アミノ」は-NH2基を指す。
「シアノ」は-CN基を指す。
「ヒドロキシ」は-OH基を指す。
「イミノ」は=NH置換基を指す。
「ニトロ」は-NO2基を指す。
「オキソ」は=O置換基を指す。
「チオキソ」は=S置換基を指す。
「トリフルオロメチル」は、-CF3基を指す。
「アルキル」は、もっぱら炭素及び水素原子からなり、不飽和を含まず、1〜24個の炭素原子(C1〜24アルキル)を有する直鎖又は分枝の炭化水素鎖基を指す。長鎖アルキルには、例えば、10〜20個の炭素原子(C10〜20アルキル)、又は10〜15個の炭素原子(C10〜15アルキル)が含まれる。短鎖アルキルには、例えば1〜8個の炭素原子(C1〜8アルキル)、又は1〜6個の炭素原子(C1〜6アルキル)、又は1〜4個の炭素原子(C1〜4アルキル)が含まれる。アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル等は、単結合によってその分子の残部に結合している。本明細書において特に別の記載がない限り、アルキル基は、非置換であってもよく、又は以下の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、-OR14、-OC(O)-R14、-N(R14)2、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)N(R14)2、-N(R14)C(O)OR16、-N(R14)C(O)R16、-N(R14)S(O)tR16(式中、tは1〜2である)、-S(O)tOR16(式中、tは1〜2である)、-S(O)pR16(式中、pは0〜2である)、及び-S(O)tN(R14)2(式中、tは1〜2である)[式中、各R14は独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリールアルキルであり、各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリールアルキルである]の1つによって置換されていてもよい。
「アルコキシド」は、-O-アルキル基を指し、ここで、アルキルは本明細書で定義された通りである。アルコキシドの例には、メトキシド、エトキシド、プロポキシド(例えば、イソプロポキシド)、ブトキシド(例えば、t-ブトキシド)、ペントキシド(例えば、t-ペントキシド)等が含まれる。金属アルコキシドは、例えば、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ペントキシド、又はカリウムt-ペントキシドを含めた強塩基であることができる。遷移金属アルコキシドは、例えば、チタンテトライソプロポキシドを含めたルイス酸であってもよい。
「アルケニル」は、もっぱら炭素及び水素原子からなり、少なくとも1個のC=C不飽和を含み、1〜24個、又は1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子又は1〜6個の炭素原子を有し、アルケニル基は単結合によってその分子の残部に結合している直鎖又は分枝の炭化水素鎖基、例えば、エテニル(ビニル)、アリル、ブテニル、ペンテニル等を指す。本明細書において特に別の記載がない限り、アルキル基は、非置換であるか、又は以下の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、-OR14、-OC(O)-R14、-N(R14)2、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)N(R14)2、-N(R14)C(O)OR16、-N(R14)C(O)R16、-N(R14)S(O)tR16(式中、tは1〜2である)、-S(O)tOR16(式中、tは1〜2である)、-S(O)pR16(式中、pは0〜2である)、及び-S(O)tN(R14)2(式中、tは1〜2である)[式中、各R14は独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリールアルキルであり、各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリールアルキルである]の1つによって置換されていてもよい。
「アルキレン」又は「アルキレン鎖」は、もっぱら炭素及び水素からなり、不飽和を含まず、1〜12個の炭素原子を有し、その分子の残部をラジカル基(radical group)に結合する直鎖又は分枝の二価の炭化水素鎖、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン等を指す。アルキレン鎖は、単結合を介してその分子の残部に、及び単結合を介してラジカル基に結合している。アルキレン鎖のその分子の残部及びラジカル基への結合点は、その鎖中の1個の炭素又は任意の2個の炭素を介していてもよい。本明細書において特に別の記載がない限り、アルキレン鎖は、以下の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、-OR14、-OC(O)-R14、-N(R14)2、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)N(R14)2、-N(R14)C(O)OR16、-N(R14)C(O)R16、-N(R14)S(O)tR16(式中、tは1〜2である)、-S(O)tOR16(式中、tは1〜2である)、-S(O)pR16(式中、pは0〜2である)、及び-S(O)tN(R14)2(式中、tは1〜2である)[式中、各R14は独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである]の1つによって場合により置換されていてもよい。
「アリール」は、水素、6〜18個の炭素原子及び少なくとも1個の芳香環を含む炭化水素環系の基を指す。本発明の目的では、アリール基は、単環式、二環式、三環式又は四環式の環系であってもよく、アリール基は、縮合環系又は架橋環系を含んでいてもよい。アリール基には、限定するものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、及びトリフェニレン由来のアリール基が含まれる。本明細書において特に別の記載がない限り、「アリール」又は接頭語「ar-」(「アラルキル」におけるような)という用語には、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R15-OR14、-R15-OC(O)-R14、-R15-N(R14)2、-R15-C(O)R14、-R15-C(O)OR14、-R15-C(O)N(R14)2、-R15-N(R14)C(O)OR16、-R15-N(R14)C(O)R16、-R15-N(R14)S(O)tR16(式中、tは1〜2である)、-R15-N=C(OR14)R14、-R15-S(O)tOR16(式中、tは1〜2である)、-R15-S(O)pR16(式中、pは0〜2である)、及び-R15-S(O)tN(R14)2(式中、tは1〜2である)[式中、各R14は独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、各R15は独立に、直接結合又は直鎖若しくは分枝のアルキレン又はアルケニレン鎖であり、各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである]からなる群から独立に選択される1個以上の置換基によって場合により置換されているアリール基が包むことを意味する。
「アラルキル」は、式-Rb-Rcの基[式中、Rbは、上記で定義されたアルキレン鎖であり、Rcは、上記で定義された1個以上のアリール基、例えば、ベンジル、ジフェニルメチル等である]を指す。アラルキル基のアルキレン鎖部は、アルキレン鎖に対して上に記載されたように場合により置換されていてもよい。アラルキル基のアリール部は、アリール基に対して上に記載されたように場合により置換されていてもよい。
「シクロアルキル」は、3〜15個、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する縮合環系又は架橋環系を含んでもよい、単結合によってその分子の残部に結合されている飽和又は不飽和の、もっぱら炭素及び水素原子からなる安定な非芳香族単環式又は多環式炭化水素基を指す。単環式基には例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが含まれる。多環式基には、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル等が含まれる。本明細書において特に別の記載がない限り、「シクロアルキル」という用語は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、オキソ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R15-OR14、-R15-OC(O)-R14、-R15-N(R14)2、-R15-C(O)R14、-R15-C(O)OR14、-R15-C(O)N(R14)2、-R15-N(R14)C(O)OR16、-R15-N(R14)C(O)R16、-R15-N(R14)S(O)tR16(式中、tは1〜2である)、-R15-N=C(OR14)R14、-R15-S(O)tOR16(式中、tは1〜2である)、-R15-S(O)pR16(式中、pは0〜2である)、及び-R15-S(O)tN(R14)2(式中、tは1〜2である)[式中、各R14は独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、各R15は独立に、直接結合又は直鎖若しくは分枝のアルキレン又はアルケニレン鎖であり、各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである]からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されているシクロアルキル基が包含されることを意味する。
「ハロ」は、ブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードを指す。
「ハロアルキル」は、上記で定義された、1個以上のハロ基で置換された、上記で定義されたアルキル基、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1-ブロモメチル-2-ブロモエチル等を指す。ハロアルキル基のアルキル部は、アルキル基に対して上記で定義されたように場合により置換されていてもよい。
「ヘテロシクリル」は、2〜12個の炭素原子並びに窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1〜6個のヘテロ原子からなる安定な3〜18員非芳香環基を指す。本明細書において特に別の記載がない限り、ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式又は四環式環系であってもよく、ヘテロシクリル基は、縮合環系又は架橋環系を含んでもよく、ヘテロシクリル基中の窒素、炭素又は硫黄原子は、場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により四級化されていてもよく、ヘテロシクリル基は、部分的に又は全体的に飽和であってもよい。このようなヘテロシクリル基の例には、限定するものではないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが含まれる。本明細書において特に別の記載がない限り、「ヘテロシクリル」という用語は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R15-OR14、-R15-OC(O)-R14、-R15-N(R14)2、-R15-C(O)R14、-R15-C(O)OR14、-R15-C(O)N(R14)2、-R15-N(R14)C(O)OR16、-R15-N(R14)C(O)R16、-R15-N(R14)S(O)tR16(式中、tは1〜2である)、-R15-N=C(OR14)R14、-R15-S(O)tOR16(式中、tは1〜2である)、-R15-S(O)pR16(式中、pは0〜2である)、及び-R15-S(O)tN(R14)2(式中、tは1〜2である)[式中、各R14は独立に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、各R15は独立に、直接結合又は直鎖若しくは分枝のアルキレン又はアルケニレン鎖であり、各R16は、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである]からなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されている、上記で定義されたヘテロシクリル基が包含されることを意味する。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-RbRhの基[式中、Rbは上記で定義されたアルキレン鎖であり、Rhは上記で定義されたヘテロシクリル基である]を指し、ヘテロシクリルが窒素を含有するヘテロシクリルの場合、ヘテロシクリルは、窒素原子においてアルキレン鎖に結合していてもよい。ヘテロシクリルアルキル基のアルキレン鎖は、アルキレン鎖に対して上記で定義されたように、場合により置換され得る。ヘテロシクリルアルキル基のヘテロシクリル部は、ヘテロシクリル基に対して上記で定義されたように、場合により置換され得る。
「ヘテロアリール」は、水素原子、1〜13個の炭素原子、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1〜6個のヘテロ原子、及び少なくとも1個の芳香環を含む5〜14員環系の基を指す。本発明の目的では、ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式又は四環式の環系であってもよく、ヘテロアリール基は、縮合環系又は架橋環系を含んでいてもよく、ヘテロアリール基中の窒素、炭素又は硫黄原子は、場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により四級化されていてもよい。例には、限定するものではないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、及びチオフェニル(即ち、チエニル)が含まれる。本明細書において特に別の記載がない限り、「ヘテロアリール」という用語は、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R15-OR14、-R15-OC(O)-R14、-R15-N(R14)2、-R15-C(O)R14、-R15-C(O)OR14、-R15-C(O)N(R14)2、-R15-N(R14)C(O)OR16、-R15-N(R14)C(O)R16、-R15-N(R14)S(O)tR16(式中、tは1〜2である)、-R15-N=C(OR14)R14、-R15-S(O)tOR16(式中、tは1〜2である)、-R15-S(O)pR16(式中、pは0〜2である)、及び-R15-S(O)tN(R14)2(式中、tは1〜2である)[式中、各R14は独立に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、各R15は独立に、直接結合又は直鎖若しくは分枝のアルキレン又はアルケニレン鎖であり、各R16は、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである]からなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されている、上記で定義されたヘテロアリール基が包含されることを意味する。
「ヘテロアリールアルキル」は、式-RbRiの基[式中、Rbは上記で定義されたアルキレン鎖であり、Riは上記で定義されたヘテロアリール基である]を指す。ヘテロアリールアルキル基のヘテロアリール部は、ヘテロアリール基に対して上記で定義されたように、場合により置換されていてもよい。ヘテロアリールアルキル基のアルキレン鎖部は、アルキレン鎖に対して上記で定義されたように、場合により置換されていてもよい。
「けん化」は、塩基の存在下でエステルを加水分解する方法を指す。通常、塩基は金属水酸化物であってもよい。溶媒は、水又は好ましくはアルコールであってもよい。金属水酸化物(例えば、水酸化カリウム)及びアルコール(例えば、メタノール)の場合、けん化方法を、50℃未満、又は好ましくは25℃〜40℃の範囲、又はより好ましくは30〜35℃の範囲の温度において実施してもよい。
[実施例1]
TOFAを上記の合成経路に従って調製した。より具体的には、先ず、5-ブロモ-2-フロ酸のメチルエステル(1)が、還流トルエン中でチタンテトライソプロポキシドの存在下、形成されたメタノールを除去しながら、1-テトラデカノール(2)(約1当量)とのエステル交換反応を受けて、5-ブロモフロ酸のテトラデシルエステル(3)を提供した。その後、THFを添加し、エステル交換反応生成物(3)をテトラデコキシド(即ち、テトラデカノール2のカリウム塩)で処理し、テトラデコキシドは、カリウムt-ブトキシド又はカリウムt-ペントキシドをテトラデカノールとを結合させることによって調製された。
或いは、エステル交換反応ステップで過剰量の1-テトラデカノール(例えば、2.5当量)を使用して、エステル交換反応後に約1.5当量の未反応テトラデカノールを残しておいてもよい。その後、過剰のテトラデカノールを含有する反応混合物に、カリウムt-ブトキシド又はカリウムt-ペントキシドを添加することによって、カリウムテトラデコキシドをin situで形成させてもよい。
ナトリウムt-ブトキシドも使用してもよいが、カリウムt-ブトキシドは、THF中においてより可溶性であることが分かった。反応は45℃の低温で速やかに行われて、大部分がTOFAのテトラデシルエステル(4)及び約5〜10%のTOFAのt-ブチルエステル(図示せず)を含む、TOFAの混合エステルが生成した。
その後、混合エステルを30〜35℃の低温において、メタノール性KOHで3〜4時間処理することによってけん化して、約75〜85%の全収率でTOFAを生成した。
有利には、中間体(3)及び(4)は、単離することなしにそれぞれの次のステップに進めることができた。上記の方法は、2つの余分な工程を有するにもかかわらず、従来の方法より高収率を再現性良くもたらした。さらに、この方法は、キログラム規模(例えば、27kg又は48kg)において一貫した高収率で進めることができた。
本明細書で言及し及び/又は本出願のデータシートに列挙した、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許公表物のすべてを、参照により本明細書にその全体を援用する。様々な特許、出願及び公開の概念を用いてなおさらなる実施形態を提供することが必要な場合、本実施形態の態様は変更され得る。

Claims (18)

  1. 式(I)
    の化合物を調製するための方法であって、
    式(II)の化合物を式(III)の中間体化合物
    に変換するステップと、
    式(III)の中間体化合物をけん化して、式(I)の化合物を形成するステップと
    を含み、式中、
    R1は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
    R2はC1〜4アルキルであり、
    Xはハロであり、
    R 1 とR 2 とは互いに異なり、
    式(II)の化合物を式(III)の中間体に変換するステップが、
    式(II)の化合物をR 1 -OHとエステル交換させて、式(IV)
    の中間体化合物を形成するステップと、
    式(IV)の中間体化合物を、R 1 -OH及び塩基の存在下で式(III)の中間体化合物に変換するステップと
    を含む
    方法。
  2. R1がC10〜20アルキルである、請求項1に記載の方法。
  3. R1が-C14H29である、請求項2に記載の方法。
  4. R2がメチルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. XがBr又はClである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記塩基が、少なくとも15のpKaを有する共役酸を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 式(II)の化合物をエステル交換させるステップにおいて生成されたR2-OHを除去するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記除去が、ルイス酸の存在下で実施される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ルイス酸がチタンテトライソプロポキシドである、請求項8に記載の方法。
  10. 式(II)の化合物をエステル交換させるステップが、120℃未満の温度において実施される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 式(IV)の中間体化合物を式(III)の中間体化合物に変換するステップが、60℃未満の温度において実施される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 式(III)の中間体化合物をけん化するステップが、塩基の存在下で50℃未満の温度において実施される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記塩基が、アルコールと組み合わせた金属水酸化物である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記塩基が、メタノールと組み合わせた水酸化カリウムである、請求項13に記載の方法。
  15. 式(I)の化合物が、5-テトラデシルオキシ-2-フロ酸である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 式(III)の化合物及び塩基を含む組成物であって、
    前記塩基が、少なくとも15のpKa値を有する共役酸を有し、式(III)の化合物が、
    [式中、R1は、C 10〜20 アルキルである]
    である、組成物。
  17. R1が-C14H29である、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記塩基が、金属アルコキシド又は金属水酸化物である、請求項16又は17に記載の組成物。
JP2017541702A 2015-02-05 2016-02-04 2−フロ酸誘導体を調製するための合成方法 Expired - Fee Related JP6726670B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562112519P 2015-02-05 2015-02-05
US62/112,519 2015-02-05
PCT/US2016/016619 WO2016126975A1 (en) 2015-02-05 2016-02-04 Synthetic process for preparing 2-furoic acid derivatives

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018505891A JP2018505891A (ja) 2018-03-01
JP6726670B2 true JP6726670B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=55410252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017541702A Expired - Fee Related JP6726670B2 (ja) 2015-02-05 2016-02-04 2−フロ酸誘導体を調製するための合成方法

Country Status (13)

Country Link
US (1) US9975867B2 (ja)
EP (1) EP3253743B1 (ja)
JP (1) JP6726670B2 (ja)
KR (1) KR20170115065A (ja)
CN (1) CN107567441A (ja)
AU (1) AU2016215230A1 (ja)
CA (1) CA2975922A1 (ja)
DK (1) DK3253743T3 (ja)
ES (1) ES2742412T3 (ja)
HK (1) HK1243708A1 (ja)
PL (1) PL3253743T4 (ja)
PT (1) PT3253743T (ja)
WO (1) WO2016126975A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10544118B2 (en) 2018-06-25 2020-01-28 Eastman Chemical Company Oxidation process to produce 5 methyl 5-methylfuran-2-carboxylate (MMFC)
US11440895B2 (en) 2018-06-25 2022-09-13 Eastman Chemical Company Oxidation process to produce 5-(alkoxycarbonyl)furan-2-carboxylic acids (ACFC)
US11236199B2 (en) * 2018-06-25 2022-02-01 Eastman Chemical Company Oxidation process to produce 5-(alkoxycarbonyl)furan-2-carboxylic acids (ACFC)
CN114364662A (zh) 2019-09-05 2022-04-15 伊士曼化工公司 用于生产5-(烷氧基羰基)-呋喃-2-甲酸的有效方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4110351A (en) 1973-04-02 1978-08-29 Richardson-Merrell Inc. Hypolipidemic agents RO- or RS- substituted furoic acids, esters and salts
DE4033563A1 (de) 1990-10-22 1992-04-23 Henkel Kgaa Antiseborrhoische zubereitungen
US20100204317A1 (en) 2006-11-03 2010-08-12 Qlt Inc. Methods of treating dermatological disorders or conditions
US8884034B2 (en) * 2009-07-08 2014-11-11 Dermira (Canada), Inc. TOFA analogs useful in treating dermatological disorders or conditions

Also Published As

Publication number Publication date
KR20170115065A (ko) 2017-10-16
WO2016126975A1 (en) 2016-08-11
EP3253743A1 (en) 2017-12-13
HK1243708A1 (zh) 2018-07-20
ES2742412T3 (es) 2020-02-14
JP2018505891A (ja) 2018-03-01
AU2016215230A1 (en) 2017-08-10
PL3253743T3 (pl) 2020-03-31
CN107567441A (zh) 2018-01-09
PT3253743T (pt) 2019-09-04
US9975867B2 (en) 2018-05-22
DK3253743T3 (da) 2019-08-19
US20160229825A1 (en) 2016-08-11
CA2975922A1 (en) 2016-08-11
PL3253743T4 (pl) 2020-03-31
EP3253743B1 (en) 2019-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6726670B2 (ja) 2−フロ酸誘導体を調製するための合成方法
US7405230B2 (en) Phosphodiesterase 4 inhibitors, including N-substituted aniline and diphenylamine analogs
CA3016068C (en) Antibacterial compounds and uses thereof
KR20180012788A (ko) 브리바라세탐의 제조 방법
GB2048852A (en) Derivatives of glycinamide
SK9152003A3 (en) Aniline derivatives useful as phosphodiesterase 4 inhibitors
US20080064876A1 (en) Process for the preparation of substituted 2-(2,6-dioxopiperidin-3-yl)isoindole-1,3-dione
IE73223B1 (en) 2-thienylglycidic acid derivative process for its preparation and its use as synthetic intermediate
US20020151566A1 (en) Phosphodiesterase 4 inhibitors
CA3150646A1 (en) CANNABINOID DERIVATIVES AND PRECURSORS, AND ASYMMETRICAL SYNTHESIS THEREOF
JP2009539901A (ja) キラルな新規中間体、その製造方法及びトルテロジン、フェソテロジン又はその活性代謝物の製造における新規中間体の使用
AU2019229971B2 (en) Process and intermidiates for the preparation of certain mesoionic pesticides
DE60217414T2 (de) Verfahren zur Herstellung von Alpha-Hydroxycarbonsäure Amiden
CA2849933A1 (en) Substituted methanesulfonamide derivatives as vanilloid receptor ligands
JP5192856B2 (ja) オセルタミビル及びその類縁化合物の製造方法
US9688610B1 (en) Process preparing of (E)-3-(4-methoxyphenyl)-N-methyl-N-((6,7,8,9-tetrahydro-5H-benzo-[7]annulen-2-yl)methyl)prop-2-en-1-amine
TW201204706A (en) Process for the preparation of 2-chloro-6-fluorobenzoxazole
WO2006059867A1 (en) 2-cyclopenten-1-one oxime derivatives inhibiting production of tnf-alpha
TW202340160A (zh) 製備異㗁唑啉-5,5-乙烯基羧酸衍生物之方法
AT412720B (de) Verfahren zur herstellung von chiralen alpha-aminoalkoholen durch reduktion von chiralen cyanhydrinen
WO2024038036A1 (de) Eliminierungsreaktion zur herstellung von substituierten alkenen
CN114671745A (zh) 通过Suzuki偶联反应合成含有联芳基结构的化合物的绿色方法
KR20140063792A (ko) 2-옥소-2H-사이클로헵타[b]푸란 유사체의 제조 방법
DE19835747A1 (de) Verfahren zur Herstellung von (Hetero)Aryloxyalkanolen
TW201105636A (en) Processes relating to the alkylation of pyrazoles

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20180308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180308

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6726670

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees