本開示は、タンパク質合成、筋肉量、及び/または筋力を増加させるための、哺乳動物、好ましくはヒトにおける薬学的または栄養補給用途のための新規組成物の例示的な実施形態を提供する実施例は、ロディオラ抽出物及びラポンティクム抽出物の組み合わせ、及び関連する合成組成物が、タンパク質合成を増加させ、タンパク質分解を減少し(アトロジン−1及びミオスタチンの発現を阻害する)、筋肉量及び筋力を増加させることができることを実証する。種々の実施形態において、ロディオラ・ロゼアの抽出物及び/またはラポンティクム・カルタモイデスの抽出物を含む組成物が提供される。合成組成物(すなわち、1つ以上の成分が植物抽出物由来ではない組成物)もまた開示される。
抽出物は、ラポンティクム植物の任意の部位(複数可)から調製され得るが、根が特に有用である。ラポンティクムの根は、エタノール、メタノール、水、水中のエタノール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサン、または任意の他の従来の抽出溶媒からなる群からの溶媒、好ましくは水中のエタノールまたは水、より好ましくは水中10〜90%v/vのエタノール、またさらにより好ましくは水中30〜70%(v/v)のエタノールで抽出され得る。一実施形態において、抽出は、粉砕したラポンティクムの根を1:1〜30:1の溶媒:植物比で溶媒と混合することにあり、植物は、単回の、または代替として2回の抽出(またはそれ以上の抽出)プロセスを経てもよい。抽出期間は、好ましくは>1時間、最も好ましくは1.5時間である。好ましい実施形態において、ラポンティクムの根は、10:1の比で水中のエタノール(50%v/v)と混合され、3回の連続的な抽出を経る。抽出後、合わせた混合物を、濾過及び/または遠心分離し、上清を30〜70%DM、最も好ましくは50%DMに濃縮し、最終的には、粉末の形状等の<10%の水分を有する固体形状に乾燥することができる。当業者は、植物抽出物を調製する多数のプロセスを認識し、それらは、本明細書に開示される特定のプロセスに加えて本開示に使用され得る。
ラポンティクムの興味深い構成成分は、エクジステロイド、特に20−ヒドロキシエクジソン((2β,3β,5β,22R)−2,3,14,20,22,25−ヒドロキシコレスト−7−エン−6−オン)である。この化合物は、調製物の品質を決定するための基準物質として使用することができるが、効果をもたらす唯一の化合物というわけではなく、化合物の混合物が、抽出物を20HE単独よりも効果的にする可能性が高い(Timofee et al,Voldov et al)。
いくつかの実施形態において、ラポンティクムの抽出物は、抽出物の総重量(w/w)に基づいて、少なくとも0.01%の全エクジステロイド、約0.05%〜99%、98%、97%、96%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%の全エクジステロイド、より好ましくは、抽出物の総重量(w/w)に基づいて、少なくとも約0.1〜10%の全エクジステロイド、最も好ましくは0.4%〜5%の全エクジステロイドを含む。
いくつかの実施形態において、ラポンティクムの抽出物は、抽出物の総重量(w/w)に基づいて、少なくとも0.01%の20−ヒドロキシエクジソン(20HE)、約0.05%〜99%、98%、97%、96%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%の20HE、より好ましくは、抽出物の総重量(w/w)に基づいて、少なくとも約0.1%〜5.0%の20HEを含む。
加えて、ラポンティクムの抽出物は、非限定的な例として以下のエクジステロイド等のエクジステロン以外のエクジステロイドも含んでもよい:ポリポジンB、マキステロンA、2−デオキシエクジステロン、インテグリステロンA、インテグリステロンB、タキステロン、アジュガステロンC、α−エクジソン、レステロン、ラピステロンD、イノコステロン、ラピステロン、20−ヒドロキシエクジソン2,3;20,22−ジアセトニド、20−ヒドロキシエクジソン2,3−モノアセトニド;20−ヒドロキシエクジソン20,22−モノアセトニド;22−オキソ−20−ヒドロキシエクジソン、24(28)−デヒドロマキステロンA;(24z)−29−ヒドロキシ−24(28)−デヒドロマキステロンC;カルタモステロン;ルブロステロン、ジヒドロルブロステロン;ポステロン、イソビテキシロン、ロイゼアステロン、マキステロンC、ポリポジンB20,22−アセトニド;ラピステロンB、ラピステロンC、ラピステロンD20−アセテート、24(24’)(z)−デヒドロアマラステロンB、ポリポジンB−22−ベンゾエート;カルタモステロンA、カルタモステロンB;アマラステロンA;カルタモロイステロン;24(28)−デヒドロアマラステロンB、22−デオキシ−28−ヒドロキシマキステロンC;3−エピ−20−ヒドロキシエクジソン;24−エピ−マキステロンA、14−エピ−ポナステロンA22−グルコシド;5−α−20−ヒドロキシエクジソン;20−ヒドロキシエクジソン2−アセテート、20−ヒドロキシエクジソン3−アセテート;1β−ヒドロキシマキステロンC;26−ヒドロキシマキステロンC;15−ヒドロキシポナステロンA;イノコステロン20,22−アセトニド、ターケストン。
ラポンティクムの抽出物は、以下のエクジステロイドも含んでもよい:アブタステロン25−アセトキシ−20−ヒドロキシエクジソン3−o−;β−D−グルコピラノシド;アセチルピナステロール;アキランテステロン;アジュガセタールステロンa;アジュガセタールステロンb;アジュガリドe;アジュガステロンb;アジュガステロンb;アジュガステロンc3;22−ジアセトニド;アジュガステロンc22−エチリデン;アセタール;アジュガステロンc22−モノアセトニド;アジュガステロンd;アマラステロンa;アマラステロンb;アスターアスターb;アトロトステロンa;アトロトステロンb;アトロトステロンc;ブレクノシドa;ブレクノシドb;ボンビコステロール;ボンビコステロール3−ホスフェート;ブラフイステロン;カロニステロン;カルバスターa;カルバスターb;カネッセンステロン;カピタステロン;カルペステロール;カスタステロン;ケイラントンa;ケイラントンb;コロナタステロン;シアノステロンa;シアステロン;シアステロン3−アセテート;シアステロン22−アセテート;シアステロン3−モノアセトニド;シアチステロン;ダクリハイナンステロン;デクンベステロンa;デヒドロアジュガラクトン;デヒドロアジュガラクトン;デヒドロアマラステロンb;デヒドロシアステロン2−グルコシド;3−デヒドロエクジソン;2−デヒドロ−3−エピ−20−ヒドロキシエクジソン;及び/または22−デヒドロ−12−ヒドロキシシアステロン、デヒドロ−20−ヒドロキシエクジソン;3−デヒドロ−20−ヒドロキシエクジソン;デヒドロ−242−ヒドロキシマキステロンcデヒドロ−12−ヒドロキシ−29−ノル−シアステロン;デヒドロ−12−ヒドロキシ−29−ノル−センゴステロン;デヒドロ−12−ヒドロキシ−センゴステロン;(28)−デヒドロマキステロンa;2−デヒドロポストステロン;24−デヒドロプレシアステロン;2−デオキシカスタステロン;22−デオキシ−21−ジヒドロキシエクジソン;22−デオキシ−26−ジヒドロキシエクジソン;2−デオキシ−26−ジヒドロキシエクジソン;3−デオキシ−1(α)20−ジヒドロキシエクジソン;2−デオキシ−20−ジヒドロキシエクジソン2−デオキシ−ポリポジンb;2−デオキシエクジソン;デオキシエクジソン;2−デオキシエクジソン3−アセテート;2−デオキシエクジソン22−アセテート;2−デオキシエクジソン22−アデノシン−モノホスフェート;2−デオキシエクジソン22−ベンゾエート;2−デオキシエクジソン3−4−(1−(β)−d−グルコピラノシル)−フェルラ酸;2−デオキシエクジソン22−(β)−d−グルコシド;25−デオキシエクジソン22−o−(β)−d−グルコピラノシド;2−デオキシエクジソン22−ホスフェート;2−デオキシエクジソン25−ラムノシド;(5(α))−2−デオキシ−21−ヒドロキシエクジソン;2−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン;22−デオキシ−26−ヒドロキシエクジソン;14−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン;2−デオキシ−21−ヒドロキシエクジソン;2−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン25−アセテート;2−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン22−アセテート;(5(α))−2−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン3−アセテート;2−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン3−アセテート;2−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン22−ベンゾエート;及び/または2−デオキシ−20−ヒドロキシエクジソン3−クロトネート。
ラポンティクムの抽出物は、フラボノイド、例えば、パツレチン、6−ヒドロキシケンフェロール−7−グルコシド、ケルセタギトリン、ケルセチン、ケルセタゲチン、ルテオリン、ケンフェロール、イソラムネチン、ケルセチン−3−メチルエーテル、ケルセチン−5−o−β−D−ガラクトシド、イソラムネチン5−o−α−L−ラムノシド、ケルセタゲチン−7−o−β−グルコピラノシド;アピゲニン、アリオジクチオール、エリオジクチオール−7−β−グルコピラノシド、へスペリン、クリサンテミン、シアニンを含んでもよい。
本開示の組成物に使用されるロディオラの抽出物は、ロディオラ・ロゼア、ロディオラ・クレヌラータ、ロディオラ・サカリネシス、ロディオラ・サクラ、ロディオラ・アルギダ、ロディオラ・ドゥムローサ、ロディオラ・キリロウイ、ロディオラ・ヘンリ、ロディオラ・ユンナネンシスからなる群の任意の植物から作製することができる。抽出物は、ロディオラ植物の任意の部分から作製することができるが、根及び根茎から調製される抽出物が特に有用である。
ロディオラ種は、フェニルプロパノイド、例えば、ロザビン((2E)−3−フェニルプロップ−2−エン−1−イル6−O−α−L−アラビノピラノシル−α−D−グルコピラノシド)、ロジン((2R,3S,4S,5R,6R)−2−(ヒドロキシメチル)−6−\[(E)−3−フェニルプロップ−2−エノキシ]オキサン−3,4,5−トリオール)、及びロザリン((2E)−3−フェニル−2−プロフェニル6−O−α−L−アラビノフラノシル−(9CI);\[(E)−3−フェニル−2−プロフェニル]6−O−α−L−アラビノフラノシル−β−D−グルコピラノシド;\[(E)−3−フェニル−2−プロフェニル]6−O−(α−L−アラビノフラノシル)−β−D−グルコピラノシド)を含有し得る。ロディオラ種はまた、フェニルエタノール誘導体、例えば、サリドロシド/ロジオロシド(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルβ−D−グルコピラノシド)及びチロソール(4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール)も含有し得る。ロディオラ種は、フラボノイド(例えば、ロジオリン、ロジオニン、ロジオシン、アセチルロダルギン及びトリシン);モノテルペン(例えば、ロジリドール及びロザリジン);トリテルペン(例えば、ダウコステロール及びβ−シトステロール);フェノール酸(例えば、クロロゲン酸、ヒドロキシケイ皮酸、及び没食子酸);タンニン、必須アミノ酸及び鉱物をさらに含有し得る。p−トリオソール、サリドロシド、ロザビン、ピリドルデ(pyridrde)、ロジオシン、及びロジオニン等の活性成分は、ほとんどのロディオラ種に見出されているが、その量は異なる。ロディオラ・ロゼアの興味深い1つの生理活性成分は、サリドロシドである。ロザビン類(例えば、ロザリン、ロジン、及びロザビンを合わせたもの)は、この植物から同定された別の生理活性構成要素である。サリドロシド及び/またはロザビン類は、調製物の品質を決定するための基準物質として使用することができる。
いくつかの実施形態において、ロディオラの抽出物は、抽出物の総乾燥重量に基づいて、少なくとも約0.10%〜90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%のサリドロシド、より好ましくは少なくとも約1%〜4%のサリドロシドを含む。いくつかの実施形態において、ロディオラの抽出物は、抽出物の総乾燥重量に基づいて、少なくとも約0.10%〜約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%のロザビン、より好ましくは少なくとも約2.0〜5%のロザビンを含む。いくつかの実施形態において、ロディオラの抽出物は、ハーブ抽出物の総重量に基づいて、少なくとも約0.10%〜90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%のロザビン類(例えば、ロザリン、ロザビン、及びロジンを合わせたもの)、より好ましくは少なくとも約3または6%または1〜6%のロザビン類を含む。
ロディオラの抽出物は、組成物の総重量の約50〜99%w/wを含んでもよく、ラポンティクムの抽出物は、組成物の総重量の約1〜50%w/wを含んでもよい。ロディオラの抽出物は、組成物の総重量の約1〜50%w/wを含んでもよく、ラポンティクムの抽出物は、約50〜99%w/wを含んでもよい。ロディオラ及びラポンティクムの種々の好適な例示的割合は、以下の通りである。
ロディオラの抽出物は、組成物の総重量の約90%w/wであり、ラポンティクムの抽出物は、組成物の総重量の約10%w/wである。ロディオラの抽出物は、組成物の総重量の約10%w/wを含み、ラポンティクムの抽出物は、組成物の総重量の約90%w/wを含む。ロディオラの抽出物は、組成物の総重量の約60%w/wであり、ラポンティクムの抽出物は、組成物の総重量の約40%w/wである。ロディオラの抽出物は、組成物の総重量の約40%w/wを含み、ラポンティクムの抽出物は、組成物の総重量の約60%w/wを含む。ロディオラの抽出物は、組成物の総重量の約50%w/wであり、ラポンティクムの抽出物は、組成物の総重量の約50%w/wである。いくつかの実施形態において、ラポンティクムとロディオラとの質量比は、約60:40〜80:20である。一実施形態において、ラポンティクムとロディオラとの質量比は、約75:25である。
一実施形態において、抽出成分の総重量/組成物の総重量に基づいて、約50%w/wのロディオラ・ロゼア(根)の抽出物、及び約50%w/wのラポンティクム・カルタモイデス(根)の抽出物を含む組成物が提供される。ロディオラの抽出物は、1〜4%のサリドロシド、2〜5%のロザビン、及び3〜6%のロザビン類を含有し、ラポンティクムの抽出物は、0.37%の20HE及び0.78%の全エクジステロンを含有する。いくつかの実施形態において、組成物は、約0.1%〜10%のエクジステロン、または約0.5%の3%エクジステロンを含むことができる。
ロディオラ・ロゼア及びラポンティクム・カルタモイデスのハーブ抽出物の任意の好適な割合の組み合わせが本明細書に開示される組成物によって包含されることが想定される。本明細書に提供されるパーセンテージは、組成物の総重量に対する抽出物部分の乾燥重量のw/w比を指す。
本開示の組成物は、例えば、本明細書に開示される任意の割合の少なくとも2つの抽出物(抽出物のうちの1つ以上)を含む、固体、液体、またはエアロゾル製剤の形態であってもよい。本開示の組成物は、他の構成成分、例えば、限定されないが、最終生成物の0.1〜99%、98%、97%、96%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%w/wの量で製剤に加えられるビタミン、医薬品、または賦形剤等をさらに含んでもよく、したがって、抽出物の比はそれに応じて異なり得る。そのような組成物は、種々の製剤に製造することができ、筋成長及び筋力を促進するために哺乳動物に投与される。
一実施形態において、本発明の組成物は、カプセル剤に含有される。経口投与に好適なカプセル剤は、ゼラチンでできたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチン及び可塑剤(グリセロールまたはソルビトール等)でできた密封軟カプセル剤を含む。プッシュフィットカプセル剤は、ラクトース等の増量剤、デンプン等の結合剤、及び/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ならびに任意選択的に安定剤と混合して活性成分を含有することができる。
投与用の液体は、溶液または懸濁剤であり得る。1つの例において、本発明の組成物は、乾燥粉末として提供される。対象は、好みの飲料(例えば、水、ソフトドリンク、フルーツジュース等)に粉末を溶解または懸濁させ、次いでその飲料を摂取する。代替として、本発明の組成物は、液体形態で提供される。錠剤、成形物質、またはカプセル剤の場合、剤形は、不均一な投薬に適合されるべきである。異なる用量レベルを有する単位は、例えば、ブリスターパックに予め包装し、摂取時間に関する表示を付けることができる。間隔は、BID、TID、QID、またはより頻繁であり得る。カプセル剤の場合、1つ以上の遅延作用性ペレットが、長時間作用性ビーズとともに含まれてもよい。明らかに、製剤化するための他の代替方式が存在する。一例として、長時間作用性微粒子と、好適な量の1つ以上の量のさらなる遅延作用性微粒子を有する粒子とが、混合及びカプセル化されてもよい。マトリックス基質が、2、3、または4つの多層錠剤または圧縮被覆錠剤を形成するために使用され得る。圧縮被覆錠剤は、遅延作用性コアを有することができる。使用時間を示すように放送された被覆及び非被覆錠剤を含み得る、別様に製剤化した多層及び圧縮被覆錠剤が使用されてもよい。不均一な投薬を提供するために、長時間作用性及び遅延作用性の微粒子が非経口液に同様に懸濁されてもよい。
いくつかの実施形態において、そのような選択された種の乾燥及び粉末化等の抽出物が調製され得る。さらなる実施形態において、抽出物は、乾燥する前に濃縮されてもよく、それは抽出物のかさを減少させるために望ましい場合がある。そのような濃度は、天然植物、ハーブ、またはそれらの一部の包括的な特徴及びマーカー化合物のレベルを保持する一方で、抽出物のかさを減少させることができる。
さらなる実施形態において、低水温処理法が使用されてもよい。そのようなプロセスは、多糖類、フラボノイド、テルペン及び有用な揮発性物質、油及び樹脂(これらの一部は、典型的にはアルコールまたはヘキサンによってのみ補足され、それらはどちらも望ましくない痕跡を残す)等の支持構成要素の大部分を補足し得るため、望ましい場合がある。抽出された植物材料は、次いで濃縮されてもよく、濃縮された液体は、例えば、微粉末等を生成する超高速噴霧乾燥機を使用して乾燥させてもよい。いくつかの実施形態において、粉末になるように乾燥させるハーブ抽出物の濃縮は、植物の構成部分の組成を著しく変化させることなく、ハーブ粉末のかさを減少させることができる。そのような方法は、ハーブ材料に導入され得る望ましくない化学的痕跡を減少させるために望ましい場合があり、したがって、より純度の高い、最高のハーブ粉末を得ることができる。例えば、材料のかさを著しく減少させ、カプセル剤として便利な投薬を提供することができる、10対1〜20対1の濃度比を得ることができる。
「薬学的に許容される担体」は、調製物の製剤化または安定化の助けとなるように活性成分に加えられてもよく、かつ患者に対して著しく有害な毒物学的影響を引き起こさない物質であるそのような担体の例は当業者には周知であり、水、糖類、例えば、マルトースまたはスクロース、アルブミン、塩、例えば、塩化ナトリウム等を含む。他の担体は、例えば、E.W.MartinのRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。そのような組成物は、治療有効量のロディオラ及びラポンティクム抽出物を含有する。
薬学的に許容される担体は、無菌水溶液または分散液、及び無菌注射液または分散液の即時調製のための無菌粉末を含む。薬学的に活性な物質のための媒体及び媒介の使用は、当該技術分野において既知である。組成物は、好ましくは経口摂取用に製剤化される。組成物は、溶液、マイクロエマルション、リポソーム、または高い薬物濃度に好適な他の秩序構造として製剤化することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒であってもよい。場合によっては、担体は、組成物中に等張剤、例えば、糖類、多価アルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを含む。
本明細書で使用される場合、本明細書で使用される「担体」は、用いられる投与量及び濃度で担体に曝露される細胞または哺乳動物に対して非毒性である薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤を含む。生理学的に許容される担体は、しばしば、水性pH緩衝液である。生理学的に許容される担体の例として、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸等の緩衝剤;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジン等のアミノ酸;単糖、二糖、及びグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の糖質;EDTA等のキレート剤;マンニトールまたはソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;ならびに/またはTWEEN、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONIC等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
薬学的に許容される担体はまた、マルトデキストリン、アラビアガム(E414)、二酸化ケイ素(E551)、タピオカデキストリン、デキストリン、アカシアガム等の天然及び非天然の担体を含む。
本発明はまた、上に列挙したものと同じ活性成分を同じ割合で有する合成製剤も含む。これらの成分は、抽出物中に通常存在する任意の他の天然起源の植物材料を含むことなく、精製または合成され、組成物及び製剤に含められ得る。
さらなる実施形態において、ロディオラ抽出物及びラポンティクム抽出物の組み合わせは、単独で投与された場合のそれぞれの機能と比較してそれらの機能を増強する量で投与され得る。
さらに別の態様において、哺乳動物に有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、哺乳動物における筋肉量及び筋力を改善するための方法が提供される。哺乳動物は、好ましくはヒトであり、より好ましくは運動選手である。本開示のさらなる態様において、哺乳動物に有効量の本明細書に開示される組成物を投与することを含む、哺乳動物における有酸素及び無酸素運動/身体能力を促進させるための方法が提供される。さらに別の態様において、哺乳動物に有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、哺乳動物における筋萎縮に関連するかまたはそれを特徴とする状態を治療するための方法が提供される。
いくつかの実施形態において、組成物は、約1〜5000mg/日、好ましくは約30〜1000mg/日、より好ましくは約50〜1000mg/日、及びさらにより好ましくは約100〜600mg/日または200〜500mg/日の1日用量で、哺乳動物、好ましくはヒトに経口投与される。約0.5mg/日というより少ない用量、または5000mg/日を超える用量が提供されてもよい。いくつかの実施形態において、1用量当たり10、50、100、200、300、400、500、600、700、800mg、またはそれ以上の複数の1日用量が提供される。
投薬の間隔は、従来、QD(1日1回)、BID(1日2回)、TID(1日3回)、QID(1日4回)、またはそれ以上の頻度であり、1日当たり5、6、7、8、9、10用量、またはそれ以上を含む。投与期間は、半減期、用いられる剤形の製剤、全身反応、利便性、自己投与されるかまたは管理されているか、及びその物質が治療的、栄養的、ステロイド性、または抗感染性であるかに基づき得る。
組成物が制御放出されるか、またはQD投与を許容する長い半減期を有しない限り、用量を摂取する時間間隔は不均一であり得る。例えば、物質が起床時及び就寝時に摂取される場合、その間隔は、おそらく16及び8時間である。起床時、昼日中、及び就寝時に摂取される場合、間隔は5、11、及び8時間であり得る。覚醒している時間の間に、均一に間を空けて摂取される場合、間隔は、5.33、5.33、5.33、及び8時間であるかもしれない。そのような場合、合理的な投薬は、不均一な時間間隔と一致するように不均一であるべきである。
栄養補給食品及び特定の薬物、ならびにステロイド、抗生物質等の物質は、満腹時に摂取されるのが最善である。そのような日中の時間間隔は不均一であってもよく、最後の日中の用量と翌朝の用量は異なり得る。
疾患の予防もしくは治療のため、または改善された身体機能の促進のために、活性薬剤の適切な投与量は、治療される疾患の種類または標的とされる機能(上に定義される)、疾患の重症度及び経過、薬剤が予防目的または治療目的で投与されるかどうか、以前の治療、対象の臨床履歴及び薬剤に対する反応、ならびに担当医師の裁量に依存する。薬剤は、一度に、または一連の治療にわたって、好適に対象に投与される。組成物の投与量及び望ましい薬物濃度は、想定される特定の用途に依存して異なり得る。適切な投与量または投与経路の決定は、十分に当業者の技術の範囲内である。動物実験は、ヒトの治療に有効な用量を決定するための信頼できる指針を提供する。したがって、本開示による任意の特定の組成物または製剤の「有効量」は、特定の状況に基づいて変化し、適切な有効量は、所望の効果を達成するために、日常的な実験のみを使用して当業者によって各適用例において決定され得る。
本明細書で使用される場合、「治療すること(treating)」、「治療(treatment)」、「治療、療法(therapy)」等の用語は、本明細書で使用される場合、治癒的療法、予防的療法、及び健康な対象の治療を含む予防療法を指す。「予防療法」の一例は、標的とする病態または障害の防止または軽減である。治療を必要とする人々は、既に障害を有する者だけではなく、障害を有する傾向がある者、または障害が予防されるべき者を含む。「長期」投与は、初期の治療効果(活性)を長期にわたって維持するために、短期モードとは対照的な連続モードにおける薬剤(複数可)の投与を指す。「断続的」な投与は、中断されずに連続的に行われるのではなく、むしろ本質的に周期的な治療である。1つ以上のさらなる治療剤と「組み合わせた」投与は、任意の順序での同時(併用)投与及び連続投与を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物及び方法は、筋肉減少症、筋肉減少性肥満、癌、多発性硬化症、筋ジストロフィー、固定(例えば、副木またはギプス)を必要とする骨折、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、末梢神経障害、脳卒中、悪液質等を含む、筋萎縮に関連するかまたはそれを特徴とする状態を治療するために使用され得る。そのような状態は、突発性であリ得る、診断された状態に続発し得る等である。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、対象に治療効果を付与するために必要な活性薬剤(例えば、ロディオラ及びラポンティクム抽出物を含む組成物)の最低量である。例えば、罹患しているかもしくは罹患する傾向がある対象への、または対象が罹患するのを防止するための「治療有効量」は、病理学的症状、疾患進行、前述の障害に関連する生理学的状態またはそれらに屈しない抵抗性における向上を誘発する、改善する、または別様に引き起こす量である。
以下の実施例は、好ましい実施形態を示すために含まれる。以下の実施例に開示される技術は、良好に機能するために発見された技術を表しており、したがって、その実施のための好ましい様式を構成すると考えられてもよいことは、当業者には理解されよう。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、実施形態の主旨及び範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態において多くの変更が行われてもよく、それでもなお同様または類似の結果が得られることを理解されたい。
抽出時間後、固体相(ケーク)の液体を分離するために、混合物を濾過または遠心分離することができる。濾過ステップでは、25ミクロンのフィルタが使用されてもよい。
抽出ステップは、1つより多くのカバーを得るために複数回繰り返されてもよく(例えば、全部で3つのカバーを得るために2回繰り返される)濾液が合わせられる。固体相を廃棄する。
合わせた濾液は、真空下(例えば、0.8Pa)で30%〜70%DM(好ましくは50%DM)に濃縮することができる。任意の種類の溶媒蒸発システムが使用され得る。得られた抽出ペーストは、「天然抽出物」と称される。
次いで、天然抽出物を、約90%〜99%(例えば、97%)の%DM含有量まで乾燥させるが、より低い%DMまで乾燥させてもよい。このステップは、限定されないが、担体を用いてまたは用いずに、噴霧、空気乾燥、オーブン乾燥、天日乾燥等を含む任意の乾燥プロセスによって行うことができる。
実施例1:エタノール50%(v/v)を用いたラポンティクムの抽出(F0)
以下の抽出プロセスの概略版を図29aに示す。ラポンティクムの生ハーブ(根、無水ベースで65kg)を計量し、粗粉末に粉砕した。粉末を抽出チャンバ/反応器に入れ、700Lの水中50%(v/v、50%アルコール)のエタノールを原料に加え、約10:1(v/w))の比とする。混合物を80〜90℃で1.5時間撹拌しながら還流下で加熱した。1.5時間後、液体を濾過して放置した。残渣(固体相)を回収し、抽出ステップをさらに2回繰り返した(全部で3つのカバーを得るため)。
濾液を合わせた後、真空下(0.8Pa)で30〜60%DM(例えば、39%DM)に濃縮した。全部で25kgの濃縮ペースト(「F0−天然抽出物」)を得、生理活性成分について分析した。
このプロセスにおいて、溶媒が常に50%アルコールであることを確実にするために、エタノールを濾液から再回収して抽出ステップに再利用してもよい。
濃縮された抽出ペーストを、次いで、噴霧により乾燥させて乾燥粉末(水分10%未満)を得た(F0−EtOH 50%乾燥粉末)。乾燥粉末試料を得、生理活性成分分析、微生物分析、重金属分析、農薬分析、及び栄養分析に使用した。
実施例2:遠心分離及び濾過ステップ(図29aに示すF0)
実施例1に従って調製した12kgのラポンティクム天然抽出物(39%DM)を水で10%DMに希釈し、次いで遠心分離した。収量は、約10%DMの希釈天然抽出物43kgであった(F0−天然、希釈及び遠心分離)。
この希釈天然抽出物(10%DM)42kgに対して、5kDa、次いで1kDaで限外濾過(UF)を行い、>5kDa、1〜5kDa、及び<1kDaの3つの画分を得た。画分を真空下または噴霧下で乾燥させた(収量は、それぞれ、1.55kg、0.90kg、及び1.15kgであった)(F0−天然UF)。試料は、生理活性分析に送られた。
実施例3:精製ステップ(図29aに示すF5’)
実施例2に従って調製した1kgのラポンティクムの希釈天然抽出物(約10%DM)(F0−天然、希釈及び遠心分離)を、吸着樹脂カラムD−101(樹脂体積1L)上で精製した。溶出液を濃縮し、乾燥させて微粉末を得た((14.5gの精製抽出物の粉末を得た)(F5’−精製EtOH50%抽出物)。
実施例4:エタノール70%(v/v)を用いたラポンティクムの抽出プロセス(F5及びF7)
粗粉末に粉砕した既知の量のラポンティクムの根を、10:1(v/w)の溶媒:植物比で水と混合し、還流せずに80℃で2時間抽出した。単回抽出を行った。固体相を廃棄して液相を回収し、25μmに濾過した。
ロタ蒸発器を使用して濾液の一部を濃縮して大部分の溶媒を除去し、真空下で水分<10%まで最終乾燥させた。抽出物は、粉末であった(F7:EtOH 70%抽出物)。
濾液の他の部分は、実施例3に記載されるように吸着樹脂カラム上で精製し、濃縮して真空下で水分<10%まで乾燥させた。抽出物は、粉末であった(F5−精製EtOH 70%抽出物)。
実施例5:水を用いたラポンティクムの抽出プロセス(F1及びF3)
EtOH70%の代わりに水を使用したことを除いて、実施例4と同じ手順を繰り返した。
粗粉末に粉砕した既知の量のラポンティクムの根を、10:1(v/w)の溶媒:植物比で水と混合し、還流せずに80℃で2時間抽出した。単回抽出を行った。固体相を廃棄して液相を回収し、25μmに濾過した。
ロタ蒸発器を使用して濾液の一部を濃縮して大部分の水を除去し、真空下で水分<10%まで最終乾燥させた。抽出物は、粉末であった(F1:水性抽出物)。
濾液の他の部分は、実施例3に記載されるように吸着樹脂カラム上で精製し、濃縮して真空下で水分<10%まで乾燥させた。抽出物は、粉末であった。(F3−精製水性抽出物)
実施例6:アセトンを用いたラポンティクムの抽出プロセス(F2及びF4)
EtOH70%の代わりにアセトンを使用したことを除いて、実施例4と同じ手順を繰り返した。
粗粉末に粉砕した既知の量のラポンティクムの根を、10:1(v/w)の溶媒:植物比でアセトンと混合し、還流せずに80℃で2時間抽出した。単回抽出を行った。固体相を廃棄して液相を回収し、25μmに濾過した。
ロタ蒸発器を使用して濾液の一部を濃縮して大部分の溶媒を除去し、真空下で水分<10%まで最終乾燥させた。抽出物は、粉末であった。(F2:アセトン抽出物)
濾液の他の部分は、吸着樹脂カラム上で精製し、濃縮して真空下で水分<10%まで乾燥させた。抽出物は、粉末であった。(F4−精製アセトン抽出物)
実施例7:ロディオラ・ロゼアハーブ抽出物の調製
乾燥させたロディオラ・ロゼア材料を水性アルコールを使用して抽出した。例えば、いくつかの調製物では、50%の水性エタノール、または70%エタノールが好ましかった。次いで、得られた抽出物を濾過し、上清を濃縮した。濾過した抽出物を遠心分離し、カラムによって透明な上清を精製した。エタノールを使用してカラムを溶出した。次いで、得られたエタノールを濃縮した。いくつかの調製物は、任意選択的な乾燥ステップを含んでいた。
実施例8 ロディオラ・ロゼアハーブ抽出物中のサリドロシド及び全ロザビン類の投与量
M.Ganzeraらによって開発されたHPLC法(「Analysis of the marker compounds of Rhodiola rosea L.(Golden root) by reversed phase high performance liquid chromatography」 Chem.Pharm.Bull.49(4)465−467(2001))を使用して、ロディオラ・ロゼアの根抽出物中のサリドロシド及び全ロザビン類(ロザリン、ロザビン、及びロジン)を含む種々の化合物の量を決定した。端的に述べると、UV検出器を装備したHPLC Agilent 1100 HPLCシステム上で標的化合物の定量化を行った。化合物の分離は、45℃に設定したACE C18 HPLCカラム(250x4.6mm、5μm)上で行った。移動相は、アセトニトリル(溶離液A)及びリン酸緩衝液pH7(溶離液B)からなっていた。勾配は次の通りであった:11%均一濃度A(10分)、11〜30%A(20分)、30〜80%A(5分)、80%均一濃度A(10分)、80〜11%A(5分)。総実行時間は50分であった。注入量は5μL、流速は1mL/分であった。サリドロシドの検出には225nm、ロザビン類の検出には250nmでUVモニタリングを行った。標的化合物の量は、試料のピーク面積を既知の濃度の基準化合物のピーク面積と比較することによって定量化した。
実施例9:異なるラポンティクム根抽出物における20HE分析
実施例1〜6のように調製した異なるラポンティクム抽出物中のβ−エクジソン(20HE)の量を、UV−Vis検出器を装備したAgilent 1100 HPLCシステムを使用して決定した。化合物の分離は、Zorbax Eclipse Plus C18 HPLCカラム(2.1x50mm〜1.8ミクロン)上でカラム温度を35℃に設定して行った。移動相は、メタノール(溶離液A)及び水中0.1%のギ酸(溶離液B)からなっていた。流速は0.4mL/分であった。勾配は、15分で傾斜10〜100%Aであった。注入量は2μLであった。250nm、bw8nmでUVモニタリングを行った。標的化合物の量は、試料のピーク面積を既知の濃度の基準化合物のピーク面積と比較することによって定量化した。
実施例10:エタノール性ラポンティクム根抽出物のエクジステロイド分析
実施例1に記載されるように水中50%(v/v)のエタノールを用いて抽出することにより、ラポンティクム・カルタモイデスの根の乾燥抽出物(F0−EtOH 50%乾燥粉末)を得た。エクジステロイドの同定は、Photodiode Array Detectorを装備したHPLCシステムを使用して行った。分離は、40℃に設定したAtlantis C18 HPLCカラム(150x3mm〜3μm)上で行った。移動相は、0.1%酢酸(v/v、溶離液A)及び水中0.1%(v/v)の酢酸(溶離液B)を含むメタノールからなっていた。流速は0.6mL/分であった。勾配プログラムは以下の通りであった:20%均一濃度A(5分)、20〜40%A(25分)、40〜70%A(15分)、70〜85%A(15分)。全実行時間は60分であった。モニタリングは242nmで行った。
全部で19のエクジステロイドが、ラポンティクム根抽出物において同定された。それらの化学構造によってのみ同定可能なものもあった。
実施例11:エタノール性ラポンティクム根抽出物のエタノール性抽出物の植物化学物質及び物理化学分析(エクジステロイドを除く)
実施例1に記載されるように水中50%(v/v)のエタノールを用いて抽出することによりラポンティクム・カルタモイデスの根の乾燥抽出物(F0−EtOH 50%乾燥粉末)を得、エクジステロイド以外の植物化合物について分析し、また物理分析を行った。組成物中に同定された全フェノール、全有機酸、及び全遊離糖質のグラフを図1a、1b、及び2に示す。
ラポンティクム及びロディオラ抽出物の使用方法
以下の実施例では、ラポンティクム抽出物及びロディオラ抽出物が、単独で及び組み合わさって、タンパク質合成及び代謝シグナル伝達経路に及ぼす効果を評価した。
実施例12:ラポンティクム・カルタモイデス抽出物の異なる調製物のスレオニン389上におけるS6K1及びスレオニン308上におけるAktのリン酸化(図29aに示すステップ1)
試験は、ラポンティクム抽出物がAktレベルでタンパク質合成及び代謝経路を刺激する能力を評価するために設計された。セリン/スレオニンキナーゼAkt(タンパク質キナーゼB)は、Thr308及びSer473上のリン酸化を介した様々な刺激によって活性化される。一旦リン酸化されると、Aktは、細胞核に移動し、そこでグルコース輸送、タンパク質合成、または脂質及びトリグリセリド貯蔵等の様々な細胞プロセスに関与する。
ラポンティクム抽出物がS6キナーゼ1のレベルでタンパク質合成を刺激する能力も評価した。sp70 S6キナーゼは、サイトカインに反応して活性化される遍在性の細胞質タンパク質である。該キナーゼは、mTOR/PI3K経路の下流に位置し、スレオニン389を含む多数の残基上でリン酸化される。しかしながら、Thr389のリン酸化は、インビボでのp70キナーゼ活性と最も密接に相関している。一旦リン酸化されると、p70 S6キナーゼは、S6タンパク質をリン酸化し、40Sリボソームタンパク質(rpS6)上のタンパク質合成プロセスを引き起こす。
C2C12細胞は、圧挫損傷の70時間後にC3Hマウスの大腿細胞から培養した筋芽細胞の連続継代を通して、Yaffe and Saxel(1977)によって最初に得られた(Yaffe D,1977)。これらの細胞は、分化が可能であることが示された。C2C12細胞は、筋芽細胞の骨格筋細胞への分化(例えば、ミオシンのリン酸化機構)を研究するための有用なモデルであり、筋タンパク質及びアンドロゲン受容体を発現する。
ラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を調製した:50%エタノール抽出物、70%エタノール抽出物、100%水抽出物、及び本開示の実施例1〜5に記載されるようにカラム上で精製された抽出物(50% EtOHを除く)。
ラポンティクム抽出物の各調製物について試験した濃度は、ヒドロキシ−エクジソン中最終濃度0.1μM、1μM、及び10μMを有するように調製した。各抽出物において測定されたヒドロキシ−エクジソンの濃度に基づいて、ラポンティクムの各調製物について使用した濃度は以下の通りである:
試験開始時に、F0抽出物のヒドロキシ−エクジソンの%の値は決定されず、試験した最終濃度は、F7抽出物中のヒドロキシ−エクジソンの濃度に基づいていた。しかしながら、このF0中のエクジソンの濃度は過大評価されていた。F0抽出物について試験したヒドロキシ−エクジソンの最終濃度が他の画分と異なっていたのはこのためである。
増殖細胞を採取し、6ウェルプレートにウェル当たり170,000細胞の密度で播種した。細胞を5%CO2中、37℃で48時間増殖させた。細胞が80%コンフルエンスに達した後、培地を分化培地(DMEM+2%FBS)と交換した。5日後、筋芽細胞が多核筋管に融合した。実験開始の1時間前に、細胞からアミノ酸を欠乏させるために細胞をクレブス培地でインキュベートした。
正常濃度(0.8mM)または低濃度(0.08mM)のアミノ酸の存在下、DMSO 0.002%を用いて、3つの濃度のラポンティクム植物抽出物の5つの調製物で2時間細胞を処理した。
実験終了時に、細胞を細胞可溶化緩衝液(ウェル当たり100μL)に溶解させ、遠心分離して上清中の可溶性タンパク質を単離した。この細胞アッセイからのタンパク質を、LOWRY法に由来する比色アッセイを使用して定量化した。したがって、100μLの溶解緩衝液中50μgの総タンパク質を、pS6K1またはpAkt抗体で被覆したマイクロウェルストリップに移し、37℃で2時間インキュベートした。数回洗浄した後、検出抗体を加え、37℃で1時間インキュベートした。再び数回の洗浄を行い、HRP結合二次抗体を加えた。37℃で30分のインキュベーション終了時に、TMB(3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン)基質を加えたところ、陽性ウェルに青色が発色した。シグナルの飽和を回避するために、黄色を誘導する反応停止液を加えた。黄色の強度は、分光光度計を用いて450nmで読み取り可能であり、検出されたpS6K1またはAktの量に正比例していた。
各条件を、n=5またはn=6で試験した。IGF1 100ng/mlを陽性対照として使用した。
リン酸化されたAktの結果を、2時間インキュベーションした後のタンパク質1μg当たりの吸光度(Abs/μgタンパク質)及び未処理の対照条件の%(100%)で表す。
リン酸化されたT389 S6キナーゼ1の結果を、2時間インキュベーションした後のタンパク質1μg当たりの吸光度(Abs/μgタンパク質)及び未処理対照条件の%(100%)で表す。
全ての結果は、未処理対照の%で表される。未処理対照をIGF1または植物抽出物と比較するために、得られた値間の差を反復測定ANOVAによって評価し、マン・ホイットニーのU検定によってANOVAの有意差が示された場合はダネットの検定を行った:*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、対未処理対照。
全ての結果は、平均値±SEMとして示される。評価した全てのパラメータについて、クラスカル・ウォリスのノンパラメトリック検定、続いてダンの事後検定(GraphPad PRISM(登録商標)4)を使用して統計分析を行った。2つの条件間の比較は、マン・ホイットニーの検定を使用して行った。0.05のp値を有意であると見なした。
インスリン様増殖因子−1(IGF−1)は、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)/Akt/哺乳動物のラパマイシン(mTOR)経路の標的を活性化することによって骨格筋の発達を誘導することができるタンパク質同化因子として確立されている。S6K1及びAktの両方のリン酸化の刺激は、Miyazakiらによって既に報告されている(Miyazaki M,2010)。したがって、IGF−1が、実験の陽性対照として選択された。S6K1の基礎リン酸化は、正常濃度のアミノ酸の存在下において、低濃度のアミノ酸の存在下よりも4倍高かった(0.8mM対0.08mM)。
低濃度のアミノ酸の存在下では、F7を除く試験した全ての画分において、試験した全ての用量でS6K1リン酸化が増加した(図3a、3b、4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、及び7bを参照)。試験した用量では、効果は用量依存性ではなかった。
正常濃度のアミノ酸の存在下において、最低用量のF3を除く各画分、ならびに中間濃度のF0、F3、及びF5が、S6K1リン酸化を刺激した(図3a、3b、4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、及び7bを参照)。観察された効果は、IGF−1で観察されたものよりも低く、F0、F1、及びF3画分(最低濃度または中間濃度)の場合にのみ有意であった。試験した中間濃度及び高濃度のF7抽出物の部分溶解性条件下では、S6K1リン酸化の減少が報告されたことに留意されたい。図3a、3b、4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、及び7b:3つの濃度のラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を用いてインキュベーションした後の、C2C12筋管におけるスレオニン389上でのS6K1リン酸化の決定
3つの濃度のラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を、分化したC2C12筋管の存在下で2時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させ、全可溶性タンパク質を定量化し、スレオニン389残基上のS6K1リン酸化レベルを測定してβアクチンタンパク質に対して正規化した。平均値±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値。
IGF−1は、Aktリン酸化を刺激すると以前に報告されており、それに関連してアッセイにおける陽性対照物質として選択された(Miyazaki M,2010)。IGF−1(100ng/mL、2時間)のインキュベーション後、Aktのリン酸化が1.6倍活性化された。Aktリン酸化について同様の結果がLatresまたはMiyazakiによって以前に公開されている(Latres E,2005)(Miyazaki M,2010)。
低いまたは正常なアミノ酸濃度の存在下において、最低用量で試験した全ての異なる画分についてAktリン酸化の非有意な刺激が観察されたが、例外として、低いアミノ酸濃度でインキュベートした画分F0及び正常なアミノ酸濃度でインキュベートしたF3では、中間用量で非有意な増加が観察された。
Aktリン酸化の基礎レベルは、正常なアミノ酸条件の存在下では、低アミノ酸条件と比較して2倍高かったことに留意されたい。最後に、F1(高濃度)またはF7(中間及び高濃度)抽出物の部分溶解性条件下では、使用されたアミノ酸の濃度にかかわらずAktリン酸化の減少が確認された。
図8a、8b、9a、9b、10a、10b、11a、11b、12a、12b:3つの濃度のラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を用いてインキュベーションした後の、C2C12筋管におけるスレオニン308上でのAktリン酸化の決定
3つの濃度のラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を、分化したC2C12筋管の存在下で2時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させ、全可溶性タンパク質を定量化し、スレオニン308残基上のAktリン酸化レベルを測定してβアクチンタンパク質に対して正規化した。平均値±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値。
実施例13:ラポンティクム・カルタモイデス抽出物の5つの異なる調製物がC2C12筋管におけるタンパク質合成(トリチウム化ロイシンの取り込み)に及ぼす効果(図29aに示すステップ1)
試験は、トリチウム化ロイシンの取り込みを測定することによって植物抽出物がタンパク質合成を刺激する能力を評価するために設計された。C2C12細胞及びラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を、実施例12のように調製した。
タンパク質合成アッセイのために、増殖細胞を採取し、24ウェルプレートにウェル当たり30,000細胞の密度で播種した。細胞を5%CO2中、37℃で48時間増殖させた。細胞が80%コンフルエンスに達した後、培地を分化培地(DMEM+2%FBS)と交換した。5日後、筋芽細胞が多核筋管に融合した。タンパク質合成は、トリチウム化したアミノ酸ロイシンの取り込みを測定することによって決定した。端的に述べると、ロイシン曝露の1時間前に、アミノ酸不含培地で細胞をインキュベートした。次いで、正常濃度(0.8mM)もしくは低濃度(0.08mM)のアミノ酸の存在下、DMSO 0.002%を用いて、放射標識したロイシン5μCi/mL及びIGF1 100ng/mLまたは植物抽出物の存在下で細胞を2時間30分インキュベートした。
全ての結果は、未処理対照の%で表される。未処理対照をIGF1または植物抽出物と比較するために、得られた値間の差を反復測定ANOVAによって評価し、マン・ホイットニーのU検定によってANOVAの有意差が示された場合はダネットの検定を行った:*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、対未処理対照
全ての結果は、平均値±SEMとして示される。評価した全てのパラメータについて、クラスカル・ウォリスのノンパラメトリック検定、続いてダンの事後検定(GraphPad PRISM(登録商標)4)を使用して統計分析を行った。2つの条件間の比較は、マン・ホイットニーの検定を使用して行った。0.05のp値を有意であると見なした。
IGF1は、低濃度(+45%、p<0,001)または正常濃度(+21%、p<0,001)のアミノ酸の存在下でタンパク質合成を誘導した。タンパク質合成に関するIGF−1のデータは、低濃度または正常濃度のアミノ酸を用いたIGF1の存在下でのタンパク質合成が20〜50%増加したことを記載した文献に報告されているデータと類似しているため、この試験の正当性が証明された(Kazi AA,2010)(Broussard SR,2004)。放射活性の取り込みは、低アミノ酸濃度の存在下でより高かったことから、予想されたように、放射活性ロイシンと冷ロイシンとの間の競合は、正常濃度のアミノ酸の存在下でより弱かったことが分かった。
ラポンティクム・カルタモイデスの異なる調製物の中でも、画分F0(天然EtOH50%)、F5(精製EtOh70%抽出物)、及びF7(EtOH70%抽出物)が、タンパク質合成を有意に刺激することができた。この刺激は、アッセイの基準物質と均等かまたはそれよりも強力であった。IGF1(IGF−1 100ng/mL+21% p<0.001対F0 10μg/mL+43% p<0.001またはF5 300μg/mL+23% p<0.01またはF7 10μg/mL+29% p<0.001)画分F5は、用量依存性の様式でタンパク質合成を刺激し、1μMの20HEの濃度に相当する30μg/mLからの有意な効果が見られた。さらに、F0及びF7画分は、最低用量(それぞれ、0.04μM及び0.1μMの20HEに等しい)で最大の効果を示した。10μg/mLの画分F0によって誘導されたタンパク質合成の刺激は、IGF−1で観察されたものより有意に高かった。
画分F1(水性抽出物)及びF3は、低濃度のアミノ酸の存在下では非常にわずかな非有意な効果を及ぼし、これは、より高い濃度のアミノ酸を用いた場合のF3にも当てはまることであった。
図13a、13b、14a、14b、15a、15b、16a、16b、17a、17b:3つの濃度のラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を用いてインキュベーションした後の、C2C12筋管におけるタンパク質合成の決定
3つの濃度のラポンティクム抽出物の5つの異なる調製物を、分化したC2C12筋管及びトリチウム化ロイシン(5μCi)の存在下で2時間30分インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させ、全可溶性タンパク質を定量化し、細胞に取り込まれたトリチウム化ロイシンのレベルをカウントした。平均値±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値。
これらの実験を要約すると、正常濃度のアミノ酸の存在下で、F0、F5、及びF7画分がタンパク質合成を有意に刺激した。この刺激は、アッセイの基準物質に類似するかまたはそれよりも強力であった:IGF−1(IGF−1 100ng/mL、+20%、p<0.001対F0 10μg/mL、+43%、p<0.001またはF5 300μg/mL、+23%、p<0.01またはF7 10μg/mL、+29%、p<0.001)。これらの画分はまた、試験した低い用量でシグナル伝達経路(Akt及びS6K1リン酸化)を刺激した。F1 1300μg/mL及びF7 1000μg/mLの可溶性の問題が全てのアッセイに認められた。
その一方で、F1及びF3画分は、タンパク質合成を刺激しなかった。しかしながら、これらの画分にはAkt及びS6K1リン酸化のある程度の刺激が観察された。
結論として、F0画分、及びそれほどではないがF7画分の両方が、最低濃度(0.04〜0.1μM 20HEに等しい)で、Akt及びS6K1リン酸化を増加させ、それはタンパク質合成の有意な増加と相関していた。
実施例14:ロディオラを含むラポンティクム・カルタモイデス抽出物の1つの選択された調製物がC2C12筋管におけるタンパク質合成(トリチウム化ロイシンの取り込み)に及ぼす効果(図29aに示されるステップ2a及びb)
我々の実験条件下では、正常なアミノ酸濃度の存在下で最低用量のF0画分を用いた場合に最良の結果が観察され、タンパク質合成の刺激及びシグナル伝達の活性化(S6K1及びaktリン酸化の誘導)を示した(実施例13を参照)。したがって、この画分は、活性構成成分としてサリドロシドを含有するロディオラ種に由来する別の植物抽出物の調製物を用いた共インキュベーション実験で試験されるように選択された。
使用したロディオラ抽出物は、以下を含有していた:
試験の前半に、最低用量のF0でラポンティクム植物抽出物の最大の効果が確認され、ロディオラ抽出物の用量反応分析と並行してタンパク質合成に関する新しい用量反応評価を0.1−1−10μg/mLで行った、選択されたロディオラの濃度は以下の通りである:1−10−40μMの最終サリドロシド濃度に相当する10−104−417μg/mL
この試験のために、実施例12に記載されるようにC2C12細胞を得た。タンパク質合成アッセイを実施例13に記載されるように行ったが、但し、放射標識したロイシン5μCi/mL及びIGF1 100ng/mL、1、5、及び10μg/mlのF0抽出物、または10、104、及び417μg/mlのロディオラ抽出物を、正常濃度(0.8mM)のアミノ酸の存在下でDMSO 0.005%とともに使用した。
図18a及び18b:3つの濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物でインキュベーションした後のC2C12筋管におけるタンパク質合成の決定
3つの濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物を、分化したC2C12筋管及びトリチウム化ロイシン(5μCi)の存在下で2時間30分インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させ、全可溶性タンパク質を定量化し、細胞に取り込まれたトリチウム化ロイシンのレベルをカウントした。平均値±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値。
全ての結果は、平均値±SEMとして示される。評価した全てのパラメータについて、クラスカル・ウォリスのノンパラメトリック検定、続いてダンの事後検定(GraphPad PRISM(登録商標)4)を使用して統計分析を行った。2つの条件間の比較は、マン・ホイットニーの検定を使用して行った。0.05のp値を有意であると見なした。
IGF1は、以前に報告されたように(Kazi AA,2010)(Broussard SR,2004)、正常濃度のアミノ酸の存在下でタンパク質合成を誘導した。この結果は、ステップ1で作成された我々の以前のデータを裏付けるものであった(IGF−1ステップ1+21%、p<0.001対IGF−1 ステップ2+27%、p<0.01)。
F0画分は、1μg/mLでタンパク質合成を有意に刺激することができた(図18a及び18bを参照)。この刺激は、アッセイの基準物質に類似していた:IGF−1(IGF−1 100ng/mLまたはF0 1μg/mL+27% p<0.01)。F0 10μg/mLでタンパク質合成の刺激が観察されたが、これは統計的有意性には達せず、第1のステップよりも弱かった(+16%対+43%)。この差は、ロディオラ抽出物の溶解度及び次の共インキュベーション実験の見込みに基づいて、この実験で使用されたより高い濃度のDMSOに起因し得る。これらの結果は、タンパク質合成に関するF0抽出物中の活性化合物(複数可)は、DMSO濃度の影響を受けることを示唆するものであった。
ロディオラ抽出物は、最低濃度でタンパク質合成を誘導した(+23%、p<0.01)。この活性は、IGF−1の活性に類似していた。対照的に、417μg/mLでは、ロディオラはタンパク質合成を阻害した(図18a及び18bを参照)。しかしながら、この高い用量は、おそらく抽出物の溶解度の限界によるものであり、タンパク質合成に有害な影響をもたらし得る。
したがって、次の共インキュベーション実験のために、最終濃度0.005%のDMSO中、1及び10μg/mLのラポンティクムF0抽出物及びロディオラ抽出物を、単独で及び組み合わせて試験することに決定した。可溶度を向上させるために、各調製物を超音波処理した。
第2のステップにおいて、両方の植物抽出物の異なる組み合わせを試験して、タンパク質合成に対する増強効果が確認され得るかどうかを決定した。
この試験のために、実施例12に記載されるようにC2C12細胞を得た。タンパク質合成アッセイを実施例13に記載されるように行ったが、但し、放射標識したロイシン5μCi/mL及びIGF1 100ng/mL、1及び10μg/mlのF0抽出物、または1及び10μg/mlのロディオラ抽出物、または異なる濃度のF0及びロディオラの組み合わせを、正常濃度(0.8mM)のアミノ酸の存在下でDMSO 0.005%とともに使用した。
図19a、19b、20a、20b、及び21:単独のまたは組み合わせた2つの濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物でインキュベーションした後のC2C12筋管におけるタンパク質合成の決定
2つの濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物を、分化したC2C12筋管及びトリチウム化ロイシン(5μCi)の存在下で2時間30分インキュベートした。さらに、2つの異なる濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物の組み合わせを、分化したC2C12筋管及びトリチウム化ロイシン(5μCi)の存在下で、各々2時間30分インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させ、全可溶性タンパク質を定量化し、細胞に取り込まれたトリチウム化ロイシンのレベルをカウントした。平均値±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値。
IGF1は、以前に報告されたように、正常濃度のアミノ酸の存在下でタンパク質合成を有意に誘導した(以前の試験では+22%、p<0.05対+27%、p<0.01及び+21%、p<0.001)。
ロディオラは、以前に報告されたように、10μg/mlでタンパク質合成を強力にかつ有意に誘導した(以前の試験では+30%、p<0.001対+23%、p<0.01)(図19a、19b、20a、20b、及び21を参照)。
F0は、以前に報告されたように、1及び10μg/mlでタンパク質合成を有意に誘導した。ステップ1と同様に、F0(10μg/mL)によるタンパク質合成の誘導は、IGF−1の効果よりも有意かつ強力であった。ステップ2aの実験との差は、抽出物の可溶化の間の超音波処理ステップによるものであるかもしれない。同等の用量が検討される場合、タンパク質合成に対するF0及びロディオラの効果は同様であった(図19a、19b、20a、20b、及び21)。
低用量の両方の抽出物で増強が観察された(F0及びロディオラ1:1+19% p<0.05対F0 1μg/ml+14%NS及びロディオラ1μg/ml+10%NS)。組み合わせを用いた場合のタンパク質合成の増加は、ラポンティクムまたはロディオラ抽出物単独の場合の増加よりも優れており、したがって増強効果が観察された。
F0単独(10μg/ml)、ロディオラ単独(10μg/ml)、及びそれらの組み合わせは全て、対照と比較してタンパク質合成を有意に増加させた。それにもかかわらず、各抽出物単独と比較して、高用量のロディオラ及びF0の組み合わせではタンパク質合成の増強は観察されなかった(F0及びロディオラ10:10+28% p<0.001対F0 10μg/ml+29% p<0.001及びロディオラ10μg/ml+30% p<0.001)。
高用量の1つの抽出物と低用量の他の抽出物との組み合わせでは、高用量(10μg/ml)の各抽出物単独よりも低い効果であるが、低用量(1μg/ml)の各抽出物単独よりも強力な効果が観察された(F0及びロディオラ1:10+16%NS対F0 1μg/ml+14%NS及びロディオラ10μg/ml+30% p<0.001またはF0&ロディオラ10:1+19% p<0.05対F0 10μg/ml+29% p<0.001及びロディオラ1μg/ml+10%NS)。
実施例15:ミオスタチン及びアトロジン遺伝子ならびにそれらの組み合わせの発現に対する、2つの濃度のラポンティクム抽出物F0及び2つの濃度のロディオラ抽出物の評価(図29aに示されるステップ2c)
抽出物及びそれらの組み合わせがミオスタチン及びアトロジン1遺伝子発現に及ぼす効果を測定することによって、他の生理学的プロセスに増強が見られるかどうか、及び抽出物が単独で及び組み合わさって筋タンパク質分解に及ぼす効果を決定するための試験を行った。ラポンティクム抽出物F0及びロディオラ抽出物は、実施例14に記載されるように使用した。
遺伝子発現アッセイのために、増殖細胞を採取し、24ウェルプレートにウェル当たり30,000細胞の密度で播種した。細胞を5%CO2中、37℃で48時間増殖させた。細胞が80%コンフルエンスに達した後、培地を分化培地(DMEM+2%FBS)と交換した。5日後、筋芽細胞が多核筋管に融合した。
1及び10μg/mlのF0抽出物、または1及び10μg/mlのロディオラ抽出物、または異なる濃度のF0及びロディオラの組み合わせで細胞を6時間処理した。実験終了時に、C2C12細胞をトリゾール溶液に溶解させてRNAを抽出し、フェノール/クロロホルム法を使用して精製した。抽出後のRNA量を分光光度計(260nm/280nm/320nm)により定量化し、最終濃度1μg/μLで懸濁した。続いて、製造者(Applied Biosystems 4368814)によって記載されるようにオリゴ(dT)プライマー及びAMV逆転写酵素系を使用して、1μgのRNAを一本鎖cDNAの合成のためのテンプレートとして使用した。次いで、7900HT FastリアルタイムPCR検出システム(Applied Biosystems)及び標準的なqPCRプログラムを使用してqPCRを行った(1サイクル95℃で15分、40サイクル95℃で15秒及び60℃で1分、sybergreenプローブで60〜95℃の融解曲線).SYBR green PCRマスターミックス(Applied Biosystems)においてβアクチンについて熱サイクル実験を行い、100ngのcDNA試料を含有するミオスタチン及びアトロジン遺伝子ならびに最終濃度200nMのプライマーのセットを、2つの異なるエクソンに設計した。
全ての結果は、平均値±SEMとして示される。評価した全てのパラメータについて、クラスカル・ウォリスのノンパラメトリック検定、続いてダンの事後検定(GraphPad PRISM(登録商標)4)を使用して統計分析を行った。2つの条件間の比較は、マン・ホイットニーの検定を使用して行った。0.05のp値を有意であると見なした。
文献において、いくつかの論文が、10ng/mLのIGF−1で24時間インキュベーションした後、アトロジン遺伝子発現が約40%阻害されたことを報告している(Latres E,2005)(Stitt TN,2004)。ほとんどの研究が有害なミオスタチン作用のIGF−1拮抗に焦点を合わせているため、IGF−1によるミオスタチン遺伝子発現の阻害に関するデータは公開されていない(Trendelenburg AU,2009)。しかしながら、我々は独自にミオスタチン遺伝子発現に対するIGF−1の20〜40%阻害効果を確認した。文献及び内部データに基づいて、IGF−1が、我々のアッセイにおける陽性対照として選択された。この実験において、IGF1は、ミオスタチン及びアトロジン遺伝子発現を有意に阻害した(それぞれ、−25%、p<0.001及び−59%、p<0.001)。
図23a、23b、24a、及び24b:ラポンティクムF0及びロディオラ抽出物の共インキュベーションがC2C12筋管におけるミオスタチン遺伝子発現に及ぼす効果2つの異なる濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物の組み合わせを、各々、分化したC2C12筋管の存在下で6時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させてRNAを抽出し、定量PCRを行うためにcDNAに変換した。平均±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値;###p<0.001対対照値(マン・ホイットニーの検定)。
ロディオラは、ミオスタチン遺伝子発現を有意にかつ用量依存的に阻害したが(低用量及び高用量で、それぞれ−15%NS及び−54% p<0.001)、最高用量(−13% NS)ではアトロジン遺伝子発現に対してごくわずかな、非有意な効果を及ぼした(図22a及び22bを参照)。
F0は、ミオスタチン遺伝子発現においてわずかであるが非有意な減少を誘導したが(低用量及び高用量で、それぞれ−10%NS及び−21%NS)、アトロジン遺伝子発現にはいずれの効果も有しなかった(低用量及び高用量で、それぞれ+12%NS及び−4%NS)。
図22a及び22b:ラポンティクムF0及びロディオラ抽出物がC2C12筋管におけるミオスタチン及びアトロジン遺伝子発現に及ぼす効果
2つの異なる濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物を、分化したC2C12筋管の存在下で6時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させてRNAを抽出し、定量PCRを行うためにcDNAに変換した。平均値±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値;###p<0.001対対照値(マン・ホイットニーの検定)。
ミオスタチン遺伝子発現の結果を図23a、23b、24a、及び24bに示す。
F0 10μg/mL及びロディオラ1μg/mLの組み合わせは、ミオスタチン遺伝子発現の有意な減少を誘導したが(−23%;p<0.05対対照)、F0 10ug/ml単独では、わずか−21%を誘導しただけであり(NS対対照)、ロディオラ1ug/mlはわずか−15%を誘導しただけであった(NS対対照)。したがって、組み合わせを用いた場合の減少は、各抽出物単独の場合の減少よりも優れており、増強効果が観察された。
F0及びロディオラ1μg/mLは、単独でまたは組み合わさって、ミオスタチン遺伝子発現のわずかではあるが非有意な減少を誘導した。効果の規模は、F0単独(−10%)またはロディオラ単独(−15%NS)の場合と比較して、組み合わせを用いた場合により強力(−19%NS)であった(図23a、23b、24a、及び24b)。
ロディオラ10μg/mLは、ミオスタチン遺伝子発現を強力かつ有意に阻害したが、F0 1μg/mLまたは10μg/mLの存在下では阻害効果としての増強効果は観察されず、ロディオラ(10μg/mL)単独の効果よりも系統的に低かった。
図25a、25b、26a、及び26b:ラポンティクムF0及びロディオラ抽出物の共インキュベーションがC2C12筋管におけるアトロジン遺伝子発現に及ぼす効果
2つの異なる濃度のラポンティクムF0及びロディオラ抽出物の組み合わせを、各々、分化したC2C12筋管の存在下で6時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させてRNAを抽出し、定量PCRを行うためにcDNAに変換した。平均±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値;###p<0.001対対照値(マン・ホイットニーの検定)。
F0 1μg/mL及びロディオラ10μg/mLの組み合わせは、アトロジン遺伝子発現の強力かつ有意な減少を誘導したが(−31%;p<0.05対対照)、各画分単独ではそうではなかった:F0 1ug/ml単独では21%の増加を誘導し(NS対対照)、ロディオラ10ug/mlは−13%の減少を誘導した(NS対対照)。したがって、組み合わせを用いた場合の減少は、各抽出物単独の場合の減少よりも優れており、強い増強効果が観察された。
F0 10μg/mL及びロディオラ1μg/mLの組み合わせは、アトロジン遺伝子発現を非有意な様式で減少させたが(−10%NS)、この減少は、F0単独(−4%NS)またはロディオラ単独(+25%NS)の場合の減少よりも優れていた。
F0及びロディオラ1μg/mLは、単独でもまたは組み合わさっても、アトロジン遺伝子発現には有意な効果を及ぼさなかった。図25a、25b、26a、及び26bに示すように、効果の規模は、F0単独(+21%NS)またはロディオラ単独(+25%NS)と比較して、組み合わせを用いた場合(−3%NS)により強力であったことに留意されたい。
F0及びロディオラ10μg/mLは、単独でもまたは組み合わさっても、アトロジン遺伝子発現には非常にわずかではあるが非有意な効果を及ぼし、増強効果は観察されなかった。
結論として、F0 1マイクロg/mL及びロディオラ10μg/mLの組み合わせは、アトロジン遺伝子発現の阻害に対する増強効果を示した。組み合わせを用いた場合の減少は、各抽出物単独の場合の減少よりも優れており、強い増強効果が観察された。
実施例16 2つの濃度のラポンティクム抽出物の画分F0の4つの新しい調製物の評価(図29aに示されるステップ3)
タンパク質合成に関して得られた結果を向上させるため、また、動物モデルにおいて試験を行うためのより良好な、かつより純度の高い生成物を有する可能性を高めるために、画分F0を別様に処理し、新しい画分を得るようにさらに精製した.初期のF0に相当するF0 Ne−ETOHは、実施例12、13、14、及び15において以前に試験を行った。F1画分は、実施例12及び13のF1画分に相当する。画分F0の噴霧後、乾燥した画分F0が生じた。画分F0を水溶液中で希釈し、カラム上で精製した後、画分F5’が生じた。
C2C12骨格筋細胞が、実施例12のように得られた。タンパク質合成アッセイを実施例13及び14のように行ったが、但し、放射標識したロイシン5μCi/mL及びIGF1 100ng/mL、11.4及び22.9μg/mlのF0抽出物、または6.5及び13μg/mlのF0乾燥抽出物、または13.4及び26.7μg/mlのF1抽出物、または1及び1.9μg/ml F5’抽出物を、正常濃度(0.8mM)のアミノ酸の存在下でDMSO 0.005%とともに使用した。実験終了時に上清を廃棄し、細胞を0.1N水酸化ナトリウムに30分間溶解させた。次いで、細胞可溶性画分に関連する関連放射活性をカウントし、比色ローリー法を用いてタンパク質の定量を決定した。
各条件を、n=6で試験した。IGF1 100ng/mlをタンパク質合成の刺激及びシグナル伝達の陽性対照として使用する。タンパク質合成の結果をcpm/マイクロL/2.5時間及び未処理の対照条件の%(100%)で表す。
結果を図27a、27b、及び28に示す。
IGF1は、ステップ1−2a−2bにおいて以前に報告されたように、正常濃度のアミノ酸の存在下でタンパク質合成を有意に誘導した(+25%,p<0.001)(ステップ1 +21%、p<0.001;ステップ2a +27%、p<0.01;ステップ2b +21%、p<0.05対ステップ3 +25%、p<0.001)。正常濃度のアミノ酸の存在下で同様の結果が文献に報告されている(Kazi AA,2010)(Broussard SR,2004)。
ラポンティクム抽出物F0 NE−EtOH 50%(天然EtOH50%抽出物)は、0.05μM 20HE及び0.1μM 20 HEでタンパク質合成を有意に誘導した(それぞれ、+20%、p<0.01及び+18%、p<0.05)。画分F0によるタンパク質合成の刺激は、0.04μM 20HEで以前に確認されている(ステップ2Bで+29%、p<0.001)。0.05μM及び0.1μMでは、タンパク質合成に及ぼす効果は有意であるが、0.04μMではそれよりも低い。
ラポンティクム抽出物F0 EtOH50%(乾燥粉末状)は、両方の濃度でタンパク質合成を誘導したが、最低用量でのみ刺激が強力かつ有意であった(+33%、0.05μM HEに相当する6.5μg/mLでp<0.00)。この効果は、画分F0 NE−EtOH 50%で観察された効果よりも強力であった。
試験したいずれの20HE最終濃度でも、タンパク質合成に対する画分F5’(精製EtOH50%抽出物)の効果は観察されなかった。
非精製水性画分F1は、NE−EtOH 50%調製物及びそれに由来する画分と比べてタンパク質合成に対する最も強力な活性を示した。20HEの最終濃度0.05μMでは、F1画分は、乾燥F0画分と同様のタンパク質合成刺激のパーセンテージを示した(それぞれ、+30%、p<0.001及び+33%、p<0.001)。20HEの最終濃度にかかわらず、F1画分がタンパク質合成に及ぼす効果は同様であった。
試験したラポンティクムの異なる画分の中で、F1(水性抽出物)、F0 NE−ETOH 50%(天然EtOH50%抽出物)、及び乾燥F0(F0 50%EtOHの噴霧粉末)画分が、タンパク質合成に対する有意な刺激効果を示した。各陽性画分について、20HEの最低用量(0.05μM)で最大の効果が観察された。タンパク質合成に対する最も強力な効果は、F0 50%EtOHの噴霧粉末で観察された。
その一方で、F0 NE−ETOH 50%に由来する、20HEが豊富なF5’画分は、タンパク質合成を刺激しなかった。これらの全ての結果は、タンパク質合成に対するラポンティクム抽出物の効果は、20HEの濃度のみに依存するのではなく、タンパク質合成を促進することが可能な他の活性構成成分(複数可)が活性抽出物中に存在することを示唆している。図27a、27b、及び28:2つの濃度のラポンティクム抽出物の異なる調製物を用いてインキュベーションした後のC2C12筋管におけるタンパク質合成の決定
2つの濃度のラポンティクム抽出物の4つの異なる調製物を、分化した筋管C2C12及びトリチウム化ロイシン5μCiの存在下で2時間30分インキュベートした。インキュベーション終了時に、細胞を溶解させ、全可溶性タンパク質を定量化し、細胞に取り込まれたトリチウム化ロイシンのレベルをカウントした。平均値±SEM。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001対対照値。
タンパク質合成アッセイに対するロディオラ(1μg/ml)及びラポンティクム(1μg/ml)の組み合わせで増強を観察した。
タンパク質合成は、ミオスタチン標的の阻害を介して刺激することができる。Welleらは、成獣マウスにおいて、たとえ筋肉が完全に発達した後であっても、ミオスタチンが筋原線維タンパク質合成の速度に持続性抑制効果を発揮することを実証した(Welle S,2008)。ミオスタチンの遮断またはそれが自然に不在であることは、筋肉量の有意な増加をもたらす(Lee SJ,2005)。我々の実験において、10μg/mL(10ppmに相当する)のロディオラ植物抽出物でC2C12を2回処理した後に、基準物質IGF−1よりも良好なミオスタチン遺伝子発現の減少を確認した。興味深いことに、Zubeldiaらは、20ppmのアジュガツルケスタニカ抽出物(20HEを含むエクジソン及びツルケステロンを含有する植物抽出物)で6時間処理した筋管が、ミオスタチン遺伝子発現を有意に阻害し、その阻害がタンパク質同化ステロイドであるメトアンドロステノロン(1μM)によって誘導される阻害の2倍強力であったことを報告している(Zubeldia JM,2012)。
ラポンティクムF0画分は、ミオスタチン遺伝子発現に対して有意な効果を示さなかったが、ロディオラ(10μg/mL)単独ではそれを有意に減少させた。我々の知る限り、ミオスタチン遺伝子発現に対するロディオラの直接的な効果は文献に報告されていない。さらに、ロディオラ及びラポンティクム抽出物の組み合わせによるミオスタチン遺伝子発現の阻害に対する効果の相乗作用が、我々の研究において観察された。タンパク質合成について観察されたように、両方の抽出物(ラポンティクム及びロディオラ)の増強効果は、以前には確認されていなかった。
筋肉量の増加は、タンパク質合成、タンパク質分解、及び衛星細胞分化のバランスである。アトロジン−1または筋萎縮Fボックス(MAFbx)は、筋萎縮の間、ならびに敗血症、癌性悪液質、及び飢餓等の他の病態において骨格筋で高度に発現される主要な筋萎縮関連E3ユビキチンリガーゼである(Cong H,2011)。我々は、ユビキチンプロテアソーム系について調査した。抽出物単独でアトロジン遺伝子発現に対する有意な効果を示したものはなかった。興味深いことに、対照的に、ラポンティクム抽出物の画分F0をロディオラ抽出物の存在下において1:10の比でインキュベートしたときに、アトロジン遺伝子発現の阻害の増強効果が観察された(−31、p<0.05)。Congらは、SiMAFbxアデノウイルスを使用したアトロジンの減少が、遺伝子発現の55%阻害、タンパク質レベルの60%阻害、及び筋肉量の20%増加を引き起こすことを示した。アトロジンが骨格筋萎縮においてMyoDの分解を標的としたことが示された(Lagirand−Cantaloube J, 2009)。
低濃度のアミノ酸の結果:
低濃度のアミノ酸の存在下では、画分F0 EtOH 50%を除いてタンパク質合成の有意な誘導は報告されなかったが、タンパク質合成またはpS6K1リン酸化の刺激は、IGF−1によって誘導される刺激より2倍低かった。ほぼ全ての条件においてpS6K1シグナル伝達が活性化されたが、生理学的反応を誘導するために必要な閾値にはおそらく達していなかったことが分かった。実際に、低濃度のアミノ酸条件では、pS6K1レベルが、正常なアミノ酸濃度の存在下で対照条件において観察されるものよりも低かった(最適な画分の最大1.2対正常なアミノ酸濃度の存在下における対照の2.1)。したがって、正常なアミノ酸濃度の存在下で植物抽出物を使用することが好ましい。
F3、F5、及びF5’は、水性(青色の画分)またはエタノール(オレンジ色の画分)抽出物から精製された画分である。これら全ての精製画分において、タンパク質合成に対する刺激活性、または母液よりも低いレベルの刺激活性は観察されなかった。これらのデータは、精製ステップの間に活性分子(複数可)が精製プロセスの間に損失することを示している。
20HEの濃度とタンパク質合成の刺激との間に真の相関は認められなかった。タンパク質合成の最も強い刺激が報告された非精製画分において、20HEの最適な濃度は0.05〜0.1μMであると考えられた。これらの結果は、20HEがタンパク質合成の活性化に関与する唯一の活性分子ではないことを示唆している。したがって、どの分子カクテルがタンパク質合成の刺激に寄与するかを決定するために、異なる画分の分子プロファイルに関する情報を得ることが特に興味深い。
ラポンティクム植物抽出物の最大活性は、10μg/mL〜100μg/mLの濃度で観察された。画分が精製ステップのためにその活性の一部を喪失した場合、タンパク質合成に対する同様の効果を観察するためには抽出物をより強力な濃度で試験しなければならないことが観察された。したがって、ラポンティクム植物抽出物のインビボ評価に最適な濃度は、10〜100μg/mLである。
ラポンティクム及びロディオラ抽出物は、両方ともタンパク質合成に対して活性であった:各抽出物単独でタンパク質合成を20〜30%増加させ、アッセイで得ることができる上限に達した。pAktまたはpS6Kが測定される場合、刺激の最大限度は100%超であるため、タンパク質合成に対する増強効果は、そのシグナル伝達経路のレベルで理解されるのがより好ましいであろう。
ロディオラ抽出物は、ミオスタチン遺伝子発現の阻害を誘発したが、ロディオラとラポンティクムのF0画分を共インキュベートした場合により低い有益な効果が観察された。結果は、F0画分中の分子(複数可)がロディオラ抽出物の有益な効果を拮抗することができたことを示す。この/これらの物質(複数可)の同定及び前精製は、共インキュベーションの効果を向上させることができる。
抽出物単独でアトロジン遺伝子発現に対する効果を示したものはなかったが、特定の共インキュベーションの条件下で(F0 1μg/mL及びロディオラ10μg/mL)アトロジン遺伝子発現の阻害に対する増強効果が観察された。ロディオラ及びラポンティクム抽出物の相乗的かつ有益な効果が、タンパク質分解について観察された。
結論として、この試験は、ラポンティクムの抽出物のEtOH 50%抽出物が、タンパク質合成の刺激について評価した全ての画分の中で最も強力な画分であることを示した。ロディオラ抽出物も、タンパク質合成を強力に増加させた。ラポンティクムのF0 画分と共インキュベートした場合、各抽出物単独(各抽出物が1μg/mlの濃度で混合された場合)と比較してこのパラメータに関してより高い効果が示され得る。
並行して、ロディオラ抽出物は、10μg/mlでミオスタチン遺伝子発現を強力に減少させたが、ラポンティクムF0画分と共インキュベートした場合により良好な効果が観察された。ロディオラ(1μg/ml)とラポンティクム(1μg/ml)とを組み合わせた場合にミオスタチン遺伝子発現に対する増強効果が観察され、そのためミオスタチン遺伝子の発現は各抽出物単独と比較して(有意ではないが)低かったことに留意されたい。
アトロジン遺伝子発現に関して抽出物の混合の相乗的な阻害効果が観察できたことから、ラポンティクム及びロディオラ抽出物の混合が、タンパク質合成に対する効果に加えてタンパク質分解に与える有益な効果も示唆される。
実施例17:ロディオラ抽出物及びラポンティクム抽出物の組み合わせが動物モデルにおいて筋タンパク質合成及び関連経路、筋肉量及び筋力に及ぼす効果を試験する
ロディオラ及びラポンティクム抽出物の組み合わせを、体力、筋肉重量、筋肉Aktリン酸化及びタンパク質含有量、血漿グルコース及び乳酸に及ぼす効果について試験した。
実施例1に記載されるように水中50%(v/v)のエタノールを用いて抽出することにより、ラポンティクム・カルタモイデスの根の乾燥抽出物(F0−EtOH 50%乾燥粉末)を得た。抽出物は、好ましくは、ハーブ抽出物の総乾燥重量に基づいて、約(%w/w)0.395%の20HE、0.79%の全エクジステロイド、及び13.4%の全ポリフェノール(フォリン・チオカルト)を含有することができる。
好ましくは、ハーブ抽出物の総乾燥重量に基づいて、約(%w/w)3.41%のサリドロシド、3.12%のロザビン、及び4.20%のロザビン類(ロザリン、ロザビン、及びロジンを合わせたもの)を含むロディオラ・ロゼアの根のエタノール性抽出物を得ることができる。
両方の抽出物は、水分<5%の粉末状であった。組成物の総重量に基づいて50:50(w/w)の比で抽出物を混合した。いくつかの試験では、担体またはさらなる賦形剤は加えられなかった。
このロディオラ・ロゼアの根及びラポンティクム・カルタモイデスの根の2つの抽出物の組み合わせを、標的化合物について分析した。
Wisterラットのオスを、50mg/kg bw(n=10)の用量の抽出物の組み合わせで、またはビヒクル(n=10)で6週間の期間処理した。この組み合わせを経管栄養によって1日1回投与した。
Wistarラットの前肢の握力を、処理の前(0日目)及び42日後(43日目)に評価し、0日目から43日目までの握力をデルタとして算出した(d43の握力−d0握力)。当該技術分野で周知のように、この握力試験は、ラットの前肢及び後肢の握力を測定することを目的としており、例えば、20HEの投与後の強度を測定するために、他者によって使用されてきた(Feldman−Gorelick et al,2008,JAFC)。
図30aに示されるように、ブレンド処理群におけるデルタ握力の増加は、未処理対照群で観察された増加より45%高かった。さらに、図30bに示されるように、別様に体重に基づいてデルタ握力が報告される場合(すなわち、力(Kg)/体重(g))、ブレンド処理群は、以前として未処理対照群で観察された増加より40%高かった。
処理期間中は毎週ラットの体重を週に2回測定した。処理前及び処理の6週間後(運動前及び運動後)に血漿グルコース及び乳酸を測定した。
43日の処理の終了時(44日目)に、握力試験及び血液採取後に動物を屠殺した。Wistarラットの後肢及び前肢の筋肉を除去し(長指伸筋(EDL)、ヒラメ筋、四頭筋、脛骨、及び三頭筋)、計量した。図31a及び31bに示されるように、EDL重量及びEDL重量対体重比に5%の増加が観察された(p<0.05、両方ともマン・ホイットニー)。さらに、図32a及び32b示されるように、ヒラメ筋重量及びヒラメ筋重量対体重比にも増加が認められた。他の筋肉には筋肉重量の大きな変化は確認されなかった。
採取した筋肉において、タンパク質含有量及びAktリン酸化を測定した。6週間50mg/kgで投与したラポンティクム及びロディオラの組み合わせは、EDL筋のタンパク質の量(組織1mg当たりのタンパク質μg、図33a)及びEDLのタンパク質の総量(筋肉当たりのmg、図33b)を著しく変化させなかった。しかしながら、Wistarラットのヒラメ筋にタンパク質含有量(組織1mg当たりのタンパク質μg;+10%、p=0.08、図34a)及びEDLのタンパク質の総量(筋肉当たりのmg;+14%、図34b)の増加が観察された。
実施例18:レジスタンストレーニングプログラム中に、趣味で運動している男性へのロディオラ抽出物及びラポンティクム抽出物の組み合わせの8週間の補給が、身体組成、筋肉量、筋力、及び運動抵抗に及ぼす効果を試験する
インビトロ試験及び動物試験の結果を踏まえて、レジスタンストレーニング中に、趣味で運動している男性に開示されるブレンドを補給することにより、筋力及び筋肉のサイズを増加させるという点において付加的な利益を提供することができると仮定される。この試験の目的は、8週間の動的な一定外部抵抗(DCER)トレーニング中に、趣味で運動している男性に補給される開示される調製物が、筋力及び大腿筋断面積に及ぼす効果を決定することである。
この試験の主要目的は、ラポンティクム/ロディオラ抽出物の組み合わせ(ブレンドの説明については実施例17を参照)の8週間の補給が筋力に及ぼす効果を評価することである(1RMレッグプレス及びベンチプレス)。この治験では、1RMならびにベンチプレス及びレッグプレス運動を用いて4週目及び8週目にテストを行い、身体筋力の上限及び下限を評価することができる。
副次的目的は、ラポンティクム/ロディオラ抽出物の組み合わせの8週間の補給が、レジスタンストレーニングの運動中に身体組成及び筋肉量(DXA)、筋タンパク質含量、血中グルコース、ならびに疲労に対する抵抗性/疲労に至る時間に及ぼす効果を評価することである
試験は、無作為二重盲検プラセボ対照並行群間試験であり得る。参加者は、彼らの無作為化に従って、低用量(100mg)もしくは高用量(400mg)の栄養補助食品またはプラセボを8週間毎日摂取することができる。筋力の変化(身体筋力の上限及び下限)は、1RMならびにベンチプレス及びレッグプレス運動を用いて0週目(ベースライン)、4週目、及び8週目に評価することができる。身体組成及び筋肉量の変化は、DEXAを用いて0週目及び8週目に評価することができる。筋生検及び分析は、0週目及び8週目に評価することができる。疲労に対する抵抗性/疲労に至る時間は、0週目(処理前:ベースライン)及び8週目に1RMの反復回数の増大によって測定することができる。精神的疲労は、0週目(処理前:ベースライン)及び8週目に主観的運動強度(RPE)質問票を用いて評価することができる。
栄養補助食品の摂取に対する急性代謝反応を検証するために(補給期間の初め及び終わり)、無作為二重盲検交差プラセボ対照試験の後に栄養補助食品の急性摂取を行うことができる。低用量(200mg)または高用量(400mg)の栄養補助食品またはプラセボの急性摂取後、筋力(身体筋力の上限及び下限)を前述のように評価することができる。血中グルコース及び血中乳酸等の生物学的パラメータを測定することができる。
この試験では、健康な、趣味で運動している学生年齢層の男性(例えば、18〜35歳)が本試験に参加するために組み入れられ得る。参加者は、全ての組み入れ基準を満たしており、いずれの除外基準にも該当しない(質問票によって決定される)場合に本試験に登録することができる。倫理的承認は、適切な大学の倫理委員会から得ることができる。
参加者は、以下の場合に本試験に組み込むことができる:
−非喫煙者である
−年齢18歳〜35歳
−BMI 19〜29.9kg/m2
−体重が安定している(すなわち過去3ヶ月に3kg/m2を超える体重の増減がない)
−趣味で運動している、すなわち、約1週間に2回はジムに通っているが、いずれの集中的なトレーニングにも競技プログラムにも従っていない(趣味で実施するスポーツの種類及び頻度/強度は決定される)
−試験開始前の3ヶ月間の間に少なくとも1週間に2回はウェイトトレーニングを実施してきた
−いずれの薬物も摂取していない(試験開始前に限定的な期間を設定)、ならびに/または、治験責任医師が代謝、体重、及び/もしくは食欲に影響を及ぼすと考えるいずれの栄養補助食品も前月から摂取していない
−試験開始前1ヶ月(tbd)以内に、筋肉量に影響し得るエルゴジェニックなレベルの栄養補助食品(例えば、クレアチン、HMB等)及び/または、タンパク質同化ホルモン/異化ホルモンレベルに影響する可能性がある栄養補助食品(例えば、アンドロステンジオン、DHEA等)を摂取していない
参加者は、以下の場合に除外される:
−喫煙者である
−1週間に2回以上ジムに通っている、及び/またはいずれかの集中的なトレーニングまたは競技プログラムに従っている(望ましくないスポーツの種類及び頻度/強度は決定される)
−現在、著しい医学的状態にあると診断されている
−代謝障害、内分泌障害、または心機能障害の任意の履歴または症状を有する
−いずれかの薬物もしくは栄養補助食品を摂取している、及び/または治験責任医師が代謝、体重、及び/もしくは食欲に影響を及ぼすと考えるいずれかの栄養補助食品を前月から摂取していない、あるいは
−試験開始前1ヶ月(tbd)以内に、筋肉量に影響し得るエルゴジェニックなレベルの栄養補助食品(例えば、クレアチン、HMB等)及び/または、タンパク質同化ホルモン/異化ホルモンレベルに影響する可能性がある栄養補助食品(例えば、アンドロステンジオン、DHEA等)を摂取している
参加者は、処理またはプラセボの2つの独立した群のうちの一方に割り当てることができる(各群に20人の参加者)。群は、身体的特徴に基づいて可能な限り厳密に適合させることができる。
試験物は、実施例17に記載されるロディオラ及びラオンティクムの抽出物の組み合わせであってもよい。本試験では、試験物の低用量(100mg)及び高用量(400mg)の2つの用量を試験することができる。適合する無作用プラセボをセルロース中に使用することができる。
参加者全員が、補給期間の前(0週目)ならびに4週及び8週目に強度に基づく試験を終了することができる。上半身及び下半身の最大反復回数1(1RM:特定の運動において正しい姿勢で持ち上げることができる最も重い重量)を、それぞれ、ベンチプレス(スミスマシンを使用)及びレッグプレスにより評価することができる。
栄養補給の前及び8週間後に、参加者の伸長及び体重、ならびに四肢の周囲寸法及び胴囲を記録することができる。身体組成及び筋肉重量は、ベースライン(0週目)及び8週後、1RM運動の前日にDEXAによって評価することができる。
リン酸化タンパク質対総タンパク質、タンパク質分析、Akt/pS6K1経路、及び筋線維直径を測定するために、栄養補給の前及び後の筋生検を行うことができる。血中グルコースも測定することができる。
疲労に対する抵抗性/疲労に至る時間に関して、これらのパラメータは1RMの反復回数の増加によって測定することができる。精神的疲労は、主観的運動強度(RPE)質問票を用いて評価することができる。
参加者全員が、参加者間の運動の均一性を確認するために、1週間に2セッションの8週間に及ぶ監視下でのトレーニングプログラムを終了することができる。トレーニング負荷は、ベースラインである1RM測定値の設定パーセンテージであり得、2週間毎にトレーニングプログラムの強度を高めることができる。参加者は、的確な強度及び調整コーチの監督下、1週間に2〜3回トレーニングを行うことができる。全てのトレーニングセッションは、午前中に行われてもよく、各セッションは約90分継続し得る。各セッションは、標準的なウォーミングアップ、各運動を4×6繰り返し(セット間に4分の回復時間)、及びクールダウンからなり得る。上半身(例えば、ベンチプレス、ショルダープレス、及び三頭筋加重ディップス)及び下半身(例えば、レッグプレス及びレッグエクステンション、ハムストリングカール)の筋系を標的とする運動が行われ得る。トレーニングセッションの合間に主観的運動強度を記録することができる。参加者全員が、試験開始前に各運動に関して正しい技法を教示され得る。
参加者の食事におけるタンパク質摂取を管理するために、栄養士は、タンパク質摂取に有利な食事について指導し、24時間分の食事を思い出すという形の食事記録を用いて、0、4、及び8週目に分析することができる。
0、4、及び8週間の平均値を算出することができる。反復測定ANOVA(または2つの時点のみの場合は一元配置ANOVA)を用いて、各時点で各群内でのベースラインからの変化を評価することができる。
また、ベースラインからの変化(ΔTx−T0)は、各変数について計算することができ、多元配置ANOVAを用いて群間で平均変化を比較することができる。
結果は、筋肉量、筋力(1RM)、筋線維サイズ、及びタンパク質含有量の増加を示すことが予想される。栄養補給は、疲労に至る時間/疲労に対する抵抗性を増加させ、精神的疲労の閾値を向上させることが予想される。
実施例19:動物モデルにおけるレジスタンストレーニング後に、ロディオラ抽出物またはラポンティクム抽出物または両方の組み合わせが筋タンパク質合成に及ぼす効果を試験する
ロディオラ抽出物もしくはラポンティクム抽出物単独、または両方の抽出物の組み合わせを、短期レジスタンストレーニングの運動後にそれらが筋タンパク質合成の刺激に及ぼす効果について試験した。
11週齢のWistar Hanラットは、Charles River(Charles River Laboratories、L’Arbresle,Rhone,France)から購入し、一定の室温及び湿度で飼育して12/12時間の明暗サイクルに維持した。ラットには、趣味で運動している、栄養補給を受けていないヒトの食事により近づくようにタンパク質、抗酸化物質、及びビタミン(成分の一覧及び食餌の栄養価を示す下表を参照)を枯渇させた、SAFE(Scientific Animal Food&Engineering,Augy,France)から入手した特殊なラット用低タンパク飼料を30g/日給餌し、水を自由に摂取させた。ラットは、実験開始時には12週齢であったため、完全に成獣であると見なされた。
実験は、8匹のラットからなる8群に対して行われ、以下に示すような対応する処理を受けた。
群1(対照群):ビヒクル及び陰性対照として0.5%CMC(カルボキシ−メチルセルロース)
群2:0.21mg/ml 乳清タンパク質Milical
群3:10mg/ml ロディオラ・ロゼア根抽出物
群4:10mg/ml ラポンティクム・カルタモイデス根抽出物
群5:20mg/ml ロディオラ/ラポンチクム、比50:50(w/w)
群6:10mg/ml ロディオラ/ラポンチクム、比50:50(w/w)
群7:5mg/ml ロディオラ/ラポンチクム、比50:50(w/w)
群8:2mg/ml ロディオラ/ラポンチクム、比50:50(w/w)
対応するヒト等価用量(mg/体重(kg)及びmg/日)及び対応するラットの投与量(mg)/体重(kg)を下の表21に報告する。
実施例1に記載されるように水中50%(v/v)のエタノールを用いて抽出することにより、ラポンティクム・カルタモイデスの根の乾燥抽出物(F0−EtOH 50%乾燥粉末)を得た。抽出物は、好ましくは、ハーブ抽出物の総乾燥重量に基づいて、約(%w/w)0.395%の20HE、0.79%の全エクジステロイド、及び13.4%の全ポリフェノール(フォリン・チオカルト)を含有することができる。
好ましくは、ハーブ抽出物の総乾燥重量に基づいて、約(%w/w)2.45%のサリドロシド、1.14%のロザビン、及び2.43%のロザビン類(ロザリン、ロザビン、及びロジンを合わせたもの)を含むロディオラ・ロゼアの根のエタノール性抽出物を得ることができる。
両方の抽出物は、水分<5%の粉末状であった。組成物の総重量に基づいて50:50(w/w)の比で抽出物を混合した。いくつかの試験では、担体またはさらなる賦形剤は加えられなかった。
このロディオラ・ロゼアの根及びラポンティクム・カルタモイデスの根の2つの抽出物の組み合わせを、標的化合物について分析した。
トレーニング
1週間の馴化後、16匹のラットを8匹のラットからなる2つの群に無作為に分けた。トレーニングの72時間前に、ラットが梯子に慣れるように学習セッションを行い、実験前に24時間絶食させた。
実験当日、同じ群からの4匹のラットを高さ1メートルの梯子上で適時トレーニングした。各4匹のラット群を、連続的に体重の0%、体重の50%及び75%に達する負荷を加えて10回昇降させた。各昇降の間にラットを2分間休息させ、各セットの間には5分間休息させた。
荷重を含む袋をテープで尾の付け根に付着した。
トレーニング後、ラットをなおも絶食させ、いずれの食餌も与えなかった。
薬物投与
各トレーニングセッションの直後に経口経管栄養によって薬物を投与した。
0.5%CMC中に即席で溶液を調製した。
解剖及び筋肉の除去
トレーニングの2時間後、ラットに10mMピューロマイシン100μL/25g(Sigma Aldrich,Catalog Number P8833)を腹腔内投与し、ペントバルビタール150mg.kg−1(PENTOBARBITAL(登録商標))の腹腔内投与により麻酔した。
ピューロマイシン注射後30分以内に、右深指屈筋(FDP)、三角筋、及び二頭筋を採取し、イソペンタン溶液に入れ、液体窒素で急冷し、さらなる生化学的分析のために−80℃で保存した。
タンパク質の抽出及び投与量
20mgの各試料を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(P8340mSigma Aldrich)を含む10体積の溶解緩衝液(Tris 20mM pH6.8、NaCl 150mM、EDTA 2mM、Triton X−100 1%)中でホモジナイズした。全ての筋タンパク質をIKA ULTRA TURRAX T25デジタルで抽出する。ホモジネートを4度で10分間回転させ、上清を回収した。
タンパク質合成の定量化
総タンパク質合成をウエスタンブロット用抗ピューロマイシンにより分析した。
50μgのタンパク質試料を変性させ、10% SDS−PAGE上で分離させ、ニトロセルロース膜に転写した。一次抗体抗ピューロマイシン(抗ピューロマイシン抗体、EMD Milliporeからのクローン12D10(1/3000)を4℃で一晩適用し、続いて、ペルオキシダーゼにコンジュゲートした二次抗体(GE Healthcare UK Limitedからの抗マウスIgG ECL)でインキュベートした。
ウエスタンブロット画像定量解析によるタンパク鎖へのピューロマイシンの取り込みの定量化(ペプチド結合の形成による)は、インビボでの筋肉における新規タンパク質合成(タンパク質合成の誘導)を表すものであり、薬物投与に応じたトレーニングセッション後のタンパク質合成の刺激を意味する(Goodman and Hornberger,2013)。したがって、タンパク質合成は、対照条件(ビヒクルを給餌された動物の群)または他の条件からの%としてのタンパク質合成の相対的比率として表される。
全ての値は平均値±SEMとして表される。フィッシャーのLSD ANOVAを用いてデータを比較した。p<0.05のときに有意であると設定した。
各処理用の8匹の動物の深指屈筋(FDP)のウエスタンブロットを示す図35aに示されるように、また定量的な総タンパク質負荷量及び陰性対照群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す図35bに示されるように、ロディオラ・ロゼアの根抽出物ではなく、ラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物が単独で、両方の抽出物を組み合わせたいずれの濃度よりも低い濃度で(用量を徐々に減少させて)、タンパク質合成を有意に刺激することができた。
抽出物の組み合わせ(HED=1000mg/日から100mg/日に徐々に減少させた4つの試験用量)は、図35d及び35eにそれぞれ示されるように(定量的な総タンパク質負荷量及びロディオラ群またはラポンティクム群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルをそれぞれ示す)、実際にロディオラ・ロゼアの根抽出物単独またはラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独よりも有意に優れていた。さらに、抽出物の組み合わせ(HED=1000mg/日から100mg/日に徐々に減少させた4つの試験用量)の効果はまた、図35c(定量的な総タンパク質負荷量及び乳清タンパク質群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す)に示されるように、乳清タンパク質よりも有意に優れていた。表22は、ロディオラ・ロゼアの根抽出物単独またはラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独の結果から予想できたものと比較して、異なる用量の組み合わせを用いて得られた結果間の差を示す。予想外に、半分の濃度のロディオラ・ロゼアの根抽出物及び半分の濃度のラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物の組み合わせのFDPにおけるタンパク質合成の刺激に対する効果は、十分な濃度のロディオラまたはラポンティクムよりも良好な効果を示した。これは相乗効果である。さらに、半分の濃度のロディオラ及び半分の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(1.9倍高い)効果を示した。さらに、4分の1の濃度のロディオラ及び4分の1の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(3.0倍高い)効果を示した。最後に、10倍低い濃度のロディオラ及び10倍低い濃度のラポンティクムの組み合わせの効果も、予想されたよりも高い(5.8倍高い)効果を示した。これらの結果は、短期レジスタンストレーニング後に、配合比50:50(w/w)の500mg/日、250mg/日、及び100mg/日の抽出物の組み合わせが深指屈筋におけるタンパク質合成刺激に与える相乗効果を明らかに示している。
各処理用の8匹の動物の三角筋のウエスタンブロットを示す図36aに示されるように、また定量的な総タンパク質負荷量及び陰性対照群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す図36bに示されるように、ラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独またはロディオラ・ロゼアの根抽出物のいずれも、タンパク質合成を有意に刺激することはできなかったが、両方の抽出物の組み合わせは、徐々に減少させた1000mg/日、500mg/日、及び250mg/日のHEDでタンパク質合成を有意に刺激した。
抽出物の組み合わせ(HED:500mg/日から100mg/日に徐々に減少させた3つ)は、図36d(定量的な総タンパク質負荷量及びロディオラ群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す)に示されるように、実際にロディオラ・ロゼアの根抽出物単独よりも有意に優れていた。抽出物の組み合わせ(HED:1000mg/日から100mg/日)はまた、図36e(定量的な総タンパク質負荷量及びラポンティクム群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す)に示されるように、ラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独よりも優れていたさらに、抽出物の組み合わせ(HED=1000mg/日及び500mg/日)はまた、図36c(定量的な総タンパク質負荷量及び乳清タンパク質群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す)に示されるように、乳清タンパク質よりも有意に優れていた。表23(下)は、ロディオラ・ロゼアの根抽出物単独またはラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独の結果から予想できたものと比較して、異なる用量の組み合わせを用いて得られた結果間の差を示す。予想外に、半分の濃度のロディオラ・ロゼアの根抽出物及び半分の濃度のラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物の組み合わせの三角筋におけるタンパク質合成の刺激に対する効果は、十分な濃度のロディオラまたはラポンティクムよりも良好な効果を示した。これは相乗効果である。さらに、半分の濃度のロディオラ及び半分の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(1.6倍高い)効果を示した。さらに、4分の1の濃度のロディオラ及び4分の1の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(3.4倍高い)効果を示した。最後に、10倍低い濃度のロディオラ及び10倍低い濃度のラポンティクムの組み合わせの効果も、予想されたよりも高い(5.4倍高い)効果を示した。これらの結果は、短期レジスタンストレーニング後に、配合比50:50(w/w)の500mg/日、250mg/日、及び100mg/日の抽出物の組み合わせが三角筋におけるタンパク質合成刺激に与える相乗効果を明らかに示している。
各処理用の8匹の動物の二頭筋のウエスタンブロットを示す図37aに示されるように、また定量的な総タンパク質負荷量及び陰性対照群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す図37bに示されるように、ラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独またはロディオラ・ロゼアの根抽出物のいずれも、タンパク質合成を有意に刺激することはできなかったが、両方の抽出物の組み合わせは、徐々に減少させた1000mg/日、500mg/日、及び250mg/日のHEDでタンパク質合成を有意に刺激した。
抽出物の組み合わせ(HED:1000mg/日及び500mg/日)は、図37d(定量的な総タンパク質負荷量及びロディオラ群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す)に示されるように、実際にロディオラ・ロゼアの根抽出物単独よりも有意に優れていた。抽出物の組み合わせ(HED:1000mg/日及び500mg/日)はまた、図37e(定量的な総タンパク質負荷量及び乳清タンパク質群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す)に示されるように、乳清タンパク質よりも有意に優れていた。さらに、抽出物の組み合わせ(HED=1000mg/日及び500mg/日)の効果はまた、図37c(定量的な総タンパク質負荷量及び乳清タンパク質群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す)に示されるように、乳清タンパク質よりも有意に優れていた。表24(下)は、ロディオラ・ロゼアの根抽出物単独またはラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独の結果から予想できたものと比較して、異なる用量の組み合わせを用いて得られた結果間の差を示す。予想外に、半分の濃度のロディオラ・ロゼアの根抽出物及び半分の濃度のラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物の組み合わせの二頭筋におけるタンパク質合成の刺激に対する効果は、十分な濃度のロディオラまたはラポンティクムよりも良好な効果を示した。これは相乗効果である。さらに、半分の濃度のロディオラ及び半分の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(2倍高い)効果を示した。さらに、4分の1の濃度のロディオラ及び4分の1の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(2.5倍高い)効果を示した。最後に、10倍低い濃度のロディオラ及び10倍低い濃度のラポンティクムの組み合わせの効果も、予想されたよりも高い(5.0倍高い)効果を示した。これらの結果は、短期レジスタンストレーニング後に、配合比50:50(w/w)の500mg/日、250mg/日、及び100mg/日の抽出物の組み合わせが二頭筋におけるタンパク質合成刺激に与える相乗効果を明らかに示している
全ての筋肉の組み合わせ(FDP+三角筋+二頭筋)について定量的な総タンパク質負荷量及び陰性対照群に対して正規化された任意単位のピューロマイシンレベルを示す図38に示されるように、ロディオラ・ロゼアの根抽出物ではなく、ラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物が単独で、両方の抽出物を組み合わせたいずれの濃度よりも低い濃度で(用量を徐々に減少させて)、タンパク質合成を有意に刺激することができた。抽出物の組み合わせは、徐々に減少させた4つの試験用量(HED=1000mg/日から100mg/日)でロディオラ・ロゼアの根抽出物単独よりも有意に優れており、またHED=1000mg/日及び500mg/日のラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独よりも有意に優れていた。さらに、試験した抽出物の組み合わせの全ての用量(HED=1000mg/日から100mg/日)が、乳清タンパク質よりも有意に優れていた。
表25(下)は、ロディオラ・ロゼアの根抽出物単独またはラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物単独の結果から予想できたものと比較して、異なる用量の組み合わせを用いて得られた結果間の差を示す。予想外に、半分の濃度のロディオラ・ロゼアの根抽出物及び半分の濃度のラポンティクム・カルタモイデスの根抽出物の組み合わせの全ての筋肉におけるタンパク質合成の刺激に対する効果は、十分な濃度のロディオラまたはラポンティクムよりも良好な効果を示した。これは相乗効果である。さらに、半分の濃度のロディオラ及び半分の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(1.8倍高い)効果を示した。さらに、4分の1の濃度のロディオラ及び4分の1の濃度のラポンティクムの組み合わせの効果は、予想されたよりも高い(3.0倍高い)効果を示した。最後に、10倍低い濃度のロディオラ及び10倍低い濃度のラポンティクムの組み合わせの効果も、予想されたよりも高い(5.4倍高い)効果を示した。これらの結果は、短期レジスタンストレーニング後に、配合比50:50(w/w)の500mg/日、250mg/日、及び100mg/日の用量抽出物の組み合わせが全ての筋肉(FDP+三角筋+二頭筋を合わせたもの)におけるタンパク質合成刺激に与える相乗効果を明らかに示している。
記載される実施形態は、種々の変形及び代替形態が可能であり、それらの特定の例が、図面において例として示され、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、記載される実施形態は、記載される特定の形態または方法に限定されず、反対内、本開示は、全ての変形例、均等物、及び代替例を包含することを理解されたい。
参考文献
Goodman CA,Hornberger TA.Measuring protein synthesis with SUnSET:a valid alternative to traditional techniques?Exercise and sport sciences reviews.2013;41(2):107−115.doi:10.1097/JES.0b013e3182798a95(参照により本明細書に組み込まれる)