JP6725787B2 - 芳香族ジアミンおよびこれを用いた液晶性エポキシ樹脂熱硬化物 - Google Patents
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Description
すなわち、放熱が不十分な場合、半導体素子の温度が上昇し、例えば、高密度集積回路では大幅なエネルギー効率の低下や機能低下が生じるだけでなく、素子周辺の樹脂材料が過熱によって劣化したり、過熱の程度によっては発火したりするおそれがある。
また、パーソナルコンピューター等のハードディスクを備えた装置では、放熱が不十分であると、ハードディスクの暴走といった重大な悪影響を及ぼす現象が発生するおそれもある。
このような観点から、銅配線・基板側へ放熱するために使用される放熱材料は、元来電気絶縁性で柔軟性、加工性に優れた有機高分子材料(以下、単に高分子材料または樹脂材料と称する)が必然的に選択されることになるが、樹脂材料は、金属とは異なり自由電子を有していないため、熱に対しても通常は絶縁性である。
このように、電気絶縁性と熱伝導性を併せ持つ高分子材料を得ることは原理的に極めて困難である。
フィラー/樹脂複合材料の熱伝導率を高める方法として、熱伝導率のできるだけ高いフィラーの使用、フィラー含有率の増加、および熱伝導率のできるだけ高いマトリックス樹脂の使用の3つの手法が挙げられるが、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の高熱伝導性無機フィラーを用いたとしても、マトリックス材として熱伝導率の低い一般の高分子材料(熱伝導率λ=0.1〜0.2W/(m・K))を用いた場合、フィラー/樹脂複合材料の熱伝導率増加に対する効果はあまり大きくないことが知られている(非特許文献1参照)。しかも、これらの高熱伝導性無機フィラーは、非常に高価であり、コストの点で実用的なフィラーはアルミナにほぼ限定される。
この観点から、熱伝導率が少しでも高いマトリックス材として有機高分子素材の探索が現在広範囲で行われている。
一方、高密度ポリエチレンは、樹脂材料の中で最も結晶性の高いものの1つであり、実際に非晶性樹脂よりはやや高い熱伝導率を示す。非特許文献2によれば、高密度ポリエチレンでは、ポリエチレンの密度、すなわち、結晶化度の増加に伴って熱伝導率も増加する。
このように、熱伝導は、結晶のように秩序の高い相において有利となることから、液晶相においても非晶相より熱伝導が有利になることが期待される。
この結果は、電場、磁場あるいは機械的流動場を印加して、当初ランダム配向であった結晶や液晶ドメインを一定方向、例えば、膜厚方向に揃えることができれば、膜厚方向の熱伝導率を飛躍的に高められることを示唆している。
非特許文献4では、ポリエチレン、ケブラー、ポリベンゾチアゾール等の各種高分子繊維材料の繊維方向熱伝導率を比較した結果、東洋紡(株)製のポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維(ザイロン)が、これらの中で最も高い熱伝導率を示すことが報告されている。
しかし、この液晶性PBOでは、剛直な構造単位(以下、メソゲンと称する)が主鎖中に共有結合により組み込まれているため、メソゲンの運動性に乏しく、必然的に溶融粘度や液晶転移温度が高くなるという問題があった。
液晶転移温度が高すぎると、実際の放熱層形成工程条件が大きな制約を受けることになり、その材料を適用することが不可となる。
熱硬化性樹脂の中でも、末端熱架橋性基として、例えば、ベンゾオキサジン、マレイミド、ナジイミドあるいはエチニル基を高分子鎖の両末端に有する系は、自己熱架橋性があるため硬化剤が不要である。
これらの熱硬化性樹脂は、硬化剤が不要であるという点で扱い易いものの、自己架橋型熱硬化反応では硬化温度を下げることが難しく、熱硬化反応にかなり高温を必要とするため、液晶形成能を有していたとしても、液晶温度と熱硬化反応の温度領域をマッチングさせることは容易ではない。
なお、エポキシ樹脂のような硬化剤を用いる熱硬化性樹脂では、硬化剤の分子設計により硬化温度を下げることは比較的容易であり、液晶温度と硬化温度のマッチングが可能であることから、液晶性エポキシ樹脂は放熱材料として適している。
また、エポキシ樹脂熱硬化物中にベンゾオキサゾール(BO)構造を導入することで、熱伝導性を発現させようとするアプローチは殆どなされていない。
1. 式(1)で表されることを特徴とする芳香族ジアミン、
2. 式(3)または(4)で表される1の芳香族ジアミン、
3. 前記mが、6、8、10または12である2の芳香族ジアミン、
4. 1〜3のいずれかの芳香族ジアミンと、式(2)で表される液晶性ビスエポキシドとの熱硬化物、
5. 前記X1が、式(5)で表される4の熱硬化物、
6. 前記R9〜R20が、水素原子である5の熱硬化物、
7. 4〜6のいずれかの熱硬化物からなる半導体素子のアンダーフィル材
を提供する。
このような特性を有する本発明の熱硬化物は、半導体素子と基板との間に挿入するアンダーフィル材等として好適に利用することができる。
本発明に係る芳香族ジアミンは、式(1)で表される。
炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ基等が挙げられる。
上記mとしては、4〜12の整数が好ましく、6、8、10または12がより好ましく、8がより一層好ましい。
例えば、mが8である上記式(3)の化合物は、下記の方法によって製造することができる。
まず、4−アセトキシ安息香酸に、触媒量のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)添加し、塩化チオニルで塩素化させて得られる式(7)で表される塩素化物と、式(8)で表される2−アミノ−4−ニトロフェノールを脱酸剤である塩基の存在下、0〜50℃で2〜12時間撹拌してアミド化反応を行った後、必要に応じて酸触媒を加えて溶媒の沸点で2〜12時間還流してBO環を形成する閉環反応を行う。これにより式(9)で表される化合物が得られる。この反応の際、この化合物中のアセトキシ基が酸触媒により一部加水分解を受けて、式(10)で表される化合物が生成するが、この加水分解生成物は次の反応工程の原料であるので、加水分解が起こってもなんら問題はない。
この加水分解物(式(10))と未加水分解物(式(9)の混合物を、アルカリ水溶液で処理して加水分解を完結させることで、式(10)で表される純粋な化合物が得られる。
アミド化反応後のBO環形成反応に用いられる溶媒としては、反応原料や生成物と反応せず且つ反応原料を十分に溶解するものであれば特に限定されないが、BO環形成反応完結の観点から沸点は高いほど好ましい。
使用可能な溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン等の環状エステル溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホン系溶媒;ジグライム、トリグライム等のエーテル系溶媒;m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒などが挙げられ、これらの溶媒は、単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。
これらの中でも、反応原料の溶解性や沸点の観点から、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
これらの中でも、反応原料の溶解性や後工程での除去のしやすさの観点から、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
加水分解を完結させて得られた式(10)で表される化合物は、適当な溶媒から再結晶して精製してから次工程に用いてもよいが、精製せずに次工程に用いることができる。
これらの中でも、反応原料の溶解性や除去のしやすさの観点から、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
また、上記エーテル化反応に用いられる塩基も特に限定されるものではなく、その具体例としては、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等の弱塩基が挙げられる。
エーテル化反応で得られた式(11)で表されるジニトロ化合物は、適当な溶媒から再結晶して精製してから次工程に用いてもよいが、精製せずに次工程に用いることができる。
水素雰囲気中、Pd/Cを触媒として行う接触還元反応の際に用いられる溶媒としては、ジニトロ体および生成するジアミン体が溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライム、トリグライム等のエーテル系溶媒;γ−ブチロラクトン、酢酸エチル等のエステル系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられ、これらの溶媒は、単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。
これらの中でも、反応原料や生成物の溶解性や後工程における除去のしやすさの観点からN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
得られたジアミンは、必要に応じて適当な溶媒から再結晶して精製してから熱硬化反応に用いてもよいが、精製せずにそのまま熱硬化反応に用いることができる。
なお、これらアルキル基およびアルコキシ基の具体例としては、上記と同様のものが挙げられる。
一例を挙げると、まず、液晶性ビスエポキシド、BO基含有ジアミンおよび溶媒を反応容器に入れ、撹拌して溶液または分散液とし、これをガラス基板上に塗布し、強制循環式乾燥器中、20〜100℃で10分〜12時間乾燥し、さら20〜100℃で30分〜12時間真空乾燥した後、これを真空中でゆっくり昇温していき、170〜270℃で10分〜4時間熱処理し、ビスエポキシドとジアミンを溶融させて硬化反応させることで液晶構造を保持した熱硬化物を得ることができる。
この場合、BO基含有ジアミンとビスエポキシドとの混合比(モル比)は、ジアミン1に対して、ビスエポキシド1〜4が好ましく、1.5〜3がより好ましい。
フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)製、FT−IR4100)を用い、KBr法で測定した。
(2)1H−NMRスペクトル
重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を溶媒として、NMR分光装置(日本電子(株)製、ECP400)を用いて測定した。
(3)示差走査熱量分析(DSC)
示差走査熱量分析装置(ネッチ・ジャパン(株)製、DSC3100)を用い、窒素雰囲気中、昇温速度5℃/分で測定した。
(4)熱伝導率
熱硬化物の熱伝導率(λ)は、熱拡散率(α)、比熱(C)および密度(ρ)より、λ=α×C×ρの関係から求めた。熱拡散率は熱拡散率測定装置((株)アイフェイズ製、ai−Phase Mobile 1u)を用いて室温で測定した。熱硬化物の比熱は標準物質としてアルミナを使用し、上記示差走査熱量分析装置を用いて求めた。密度はキシレン−四塩化炭素混合溶媒系を使用し、密度勾配管((株)柴山科学器械製作所製、タイプA)を用いて30℃での値を求めた。
(5)光学異方性組織の観察
温度制御装置(メトラー・トレド(株)製、FP90)でコントロールされたホットステージ(メトラー・トレド(株)製、FP82HT)に試料をセットし、デジタルカメラ((株)ニコン製、Coolpix950)を備えた偏光顕微鏡(オリンパス(株)製、BX51)を用いて観察・撮影した。
析出物を濾別し、水およびメタノールでよく洗浄して70℃で12時間真空乾燥し、白色粉末を得た(収率53%)。これをイソプロパノール/クロロホルム(体積比2/1)混合溶媒に80℃で溶かし、不溶物を熱濾過して除去し、濾液を放冷して再結晶することにより精製した。この生成物の分析結果を以下に示す。これらの分析結果より、得られた化合物が、式(13)で表されるビスエポキシドであることが確認された。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δ,ppm):7.47(d,4H(実測積分強度4.00H),J=8.5Hz,4,4’−ビフェノールの2,2’,6,6’−プロトン)、6.97(d,4H(4.00H),J=8.7Hz,4,4’−ビフェノールの3,3’,5,5’−プロトン)、4.26(dd,2H(2.01H),J=11.0,3.2Hz,Ph−O−CH 2 )、4.00(dd,2H(1.98H),J=11.0,5.6Hz,Ph−O−CH 2 )、3.40−3.36(m,2H(1.97H),Ph−O−CH2−CH)、2.93(t,2H(1.99H),J=4.5Hz),末端CH2)、2.79−2.78(m,2H(1.99H),末端CH2).
元素分析(分子量298.34):推定値C;72.47%、H;6.08%、分析値C;72.09%、H;6.11%
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δ,ppm):8.53(s,2H(実測積分強度2.03H),N=CH)、7.99(s,4H(4.00H),中央フェニレンの2,3,5,6−プロトン)、7.26(m,4H(4.16H),4−アミノフェノール部位の3,3’,5,5’−プロトン)、6.97(m,4H(4.07H),4−アミノフェノール部位の2,2’,6,6’−プロトン)、4.27(dd,2H(2.02H),J=11.0,3.2Hz,Ph−O−CH 2 )、4.02−3.97(m,2H(2.07H),Ph−O−CH 2 )、3.41−3.37(m,2H(1.99H),Ph−O−CH2−CH)、2.93(t,2H(2.04H),J=4.5Hz),末端CH2)、2.80−2.78(m,2H(2.09H),末端CH2).
元素分析(分子量428.49):推定値C;72.88%、H;5.65%、N;6.54、分析値C;72.25%、H;5.74%、N;6.55
反応容器内で、得られた塩素化体3.12g(15.7mmol)を、十分に脱水したγ−ブチロラクトン(GBL)6mLに溶かし、セプタムキャップで密栓してA液とした。次に、別の容器内で、式(8)で表される2−アミノ−4−ニトロフェノール2.34g(15.2mmol)をGBL5mLに溶かし、さらに脱酸剤としてピリジン2.5mLを加えて同様に密栓してB液とした。
A液を氷浴で冷やして撹拌しながら、A液にB液をシリンジにてゆっくりと滴下し、数時間撹拌した後、室温で12時間撹拌してアミド化を行った。この溶液に酸触媒としてp−トルエンスルホン酸2.59g(15.0mmol)を加え、窒素雰囲気中、200℃で7時間環流した。反応終了後、過剰な溶媒をエバポレーターで留去・濃縮し、これを大量の水中に滴下して沈殿を析出させた。析出物を濾別し、濾過物を水およびメタノールで洗浄して120℃で12時間真空乾燥し、黒色粉末を得た(収率43%)。この生成物は、式(9)で表されるアセトキシ体と式(10)で表されるアセトキシ体の加水分解物の混合物であった。
続いて、三口フラスコ中に、式(10)で表される化合物0.914g(3.57mmol)、1,8−ジブロモオクタン0.48g(1.76mmol)、炭酸カリウム0.386g(2.79mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5mLを入れ、窒素雰囲気中、100℃で7時間還流した。反応後、大量の水中に反応混合物を滴下して沈殿を析出させた。これを濾別してメタノールで洗浄し、90℃で12時間真空乾燥し、式(11)で表されるジニトロ体を黄土色粉末として得た(収率31%)。
最後に、反応容器中、得られたジニトロ体0.640g(1.03mmol)にDMF30mL加えて溶解し、Pd/C0.065gを加え、水素雰囲気中、110℃で6時間還流した。反応溶液をエバポレーターで濃縮後、大量の水中に滴下して沈殿を析出させた。析出物を濾別してメタノールで洗浄し、70℃で12時間真空乾燥して肌色粉末を得た(収率56%)。この生成物の分析結果を以下に示す。これらの分析結果より、得られた化合物が、式(12)で表される目的とするBO基含有ジアミンであることが確認された。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δ,ppm):8.04(d,4H(実測積分強度3.82H),J=8.8Hz,O−Phの3,3’,5,5’−プロトン)、7.36(d,2H(2.05H),J=8.6Hz,BO基の7,7’−プロトン)、7.11(d,4H(3.95H),J=8.9Hz,O−Phの2,2’,6,6’−プロトン)、6.83(sd,2H(2.01H),J=2.1Hz,BO基の4,4’−プロトン)、6.62(dd,2H(2.00H),J=8.6,2.1Hz,BO基の6,6’−プロトン)、5.08(s,4H(3.93H),アミン)、4.07(t,4H(4.07H),J=6.4Hz,CH 2 −O−Ph)、1.75(m,4H(4.04H),CH 2 −CH2−O−Ph)、1.45−1.38(m,8H(8.12H),O−CH2−CH2−(CH 2 ) 4 −CH2−CH2−O).
元素分析(分子量562.67):推定値C;72.58%、H;6.09%、N;9.96%、分析値C;72.33%、H;6.13%、N;9.93%
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δ,ppm):8.04(d,4H(実測積分強度4.01H),J=8.9Hz,O−Phの3,3’,5,5’−プロトン)、7.36(d,2H(2.05H),J=8.6Hz,BO基の7,7’−プロトン)、7.10(d,4H(4.10H),J=9.0Hz,O−Phの2,2’,6,6’−プロトン)、6.83(sd,2H(2.00H),J=2.1Hz,BO基の4,4’−プロトン)、6.62(dd,2H(2.09H),J=8.6,2.2Hz,BO基の6,6’−プロトン)、5.07(s,4H(3.99H),アミン)、4.06(t,4H(4.01H),J=6.5Hz,CH 2 −O−Ph)、1.77−1.70(m,4H(3.98H),CH 2 −CH2−O−Ph)、1.43−1.32(m,12H(12.09H),O−CH2−CH2−(CH 2 ) 6 −CH2−CH2−O).
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δ,ppm):8.04(d,4H(実測積分強度4.03H),J=8.8Hz,O−Phの3,3’,5,5’−プロトン)、7.36(d,2H(2.05H),J=8.6Hz,BO基の7,7’−プロトン)、7.10(d,4H(4.03H),J=8.9Hz,O−Phの2,2’,6,6’−プロトン)、6.83(sd,H(2.02H),J=2.2Hz,BO基の4,4’−プロトン)、6.62(dd,2H(2.00H),J=8.6,2.2Hz,BO基の6,6’−プロトン)、5.07(s,4H(4.05H),アミン)、4.05(t,4H(4.05H),J=6.4Hz,CH 2 −O−Ph)、1.77−1.70(m,4H(4.01H),CH 2 −CH2−O−Ph)、1.42−1.28(m,16H(16.11H),O−CH2−CH2−(CH 2 ) 8 −CH2−CH2−O)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δ,ppm):7.98(d,4H(実測積分強度3.95H),J=8.9Hz,O−Phの3,3’,5,5’−プロトン)、7.36(d,2H(2.00H),J=8.4Hz,BO基の4,4’−プロトン)、7.08(d,4H(4.03H),J=8.9Hz,O−Phの2,2’,6,6’−プロトン)、6.79(sd,2H(2.01H),J=1.9Hz,BO基の7,7’−プロトン)、6.61(dd,2H(2.00H),J=8.5,2.0Hz,BO基の5,5’−プロトン)、5.38(s,4H(3.97H),アミン)、4.04(t,4H(4.02H),J=6.4Hz,CH 2 −O−Ph)、1.76−1.69(m,4H(4.03H),CH 2 −CH2−O−Ph)、1.42−1.28(m,16H(16.00H),O−CH2−CH2−(CH 2 ) 8 −CH2−CH2−O).
[実施例2−1]
合成例2で得られた式(15)で表される液晶性ビスエポキシド0.165g(0.38mmol)、実施例1−1で得られた式(12)で表されるBO基含有ジアミン0.108g(0.19mmol)およびテトラヒドロフラン(THF)2.9mLを容器中に入れて密栓し、これを氷浴中で冷やしながら10分間撹拌して分散液とした。
室温に戻した後、この分散液をガラス基板上に流延し、強制循環式乾燥器中30℃で30分乾燥し、さらに30℃で1時間真空乾燥してTHFを完全に除去して混合粉末を得た。これを真空中でゆっくり昇温していき、250℃で1時間保持して膜厚39μmの熱硬化物を得た。
DSC測定を行ったところ、この混合試料は昇温過程において、168.2℃で融解の吸熱ピークを示した後、直ぐに硬化反応に伴う発熱反応が起こり、190.1℃に発熱ピークを示した。
偏光顕微鏡観察では、171.6〜186.0℃の温度範囲で液晶相が見られた。
一方、別途作製した硬化物の熱拡散率は1.96×10-7m2/sであり、比熱1.016J/(g・K)、密度1.292g/cm3より、熱伝導率λは0.257W/(m・K)であり、この熱硬化物は比較的良好な熱伝導率を有していた。また、この熱硬化物の5%重量減少温度は窒素雰囲気中で351℃であった。
市販のポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS、膜厚約25μm)の熱拡散率は7.10×10-8m2/sであった。比熱1.13J/(g・K)、密度1.47g/cm3の値を用いて、熱伝導率λを求めたところ、0.118W/(m・K)と低い値であった。
合成例1で得られたビスエポキシドと汎用のジアミンとして4,4’−メチレンジアニリンを用いて、実施例2−1に記載した方法と同様にして混合粉末試料を作製し、200℃で1時間保持して熱硬化物を作製した。この熱硬化物の熱拡散率は1.21×10-7m2/sであり、比熱1.364J/(g・K)、密度1.268g/cm3であり、これより熱伝導率λは0.209W/(m・K)と求められた。
[実施例3−1]
実施例2−1で用いたビスエポキシドとジアミンより、実施例2−1の方法と同様にして混合粉末の層をITO電極付ガラス基板上に形成した。これを250℃に設定したブロックヒーターに入れ、20秒保持して、混合粉末を溶融させた。これをITO電極で挟んでセルを作製し、ホットステージ内に挿入後、15.35kV/cmの直流電圧を印加しながら180℃まで昇温し、180℃で30分間保持して熱硬化させた。次に室温まで放冷後、電圧印加を解除し、さらに真空中250℃で1時間ポストキュアを行った。このITOセルをお湯に浸漬してITO付ガラス基板を剥離した。この熱硬化物の熱拡散率は3.13×10-7m2/s、比熱1.214J/(g・K)、密度1.285g/cm3であり、これより熱伝導率λは0.488W/(m・K)と求められた。このようにこの熱硬化物は良好な熱伝導率を有していた。
Claims (7)
- 前記mが、6、8、10または12である請求項2記載の芳香族ジアミン。
- 前記R9〜R20が、水素原子である請求項5記載の熱硬化物。
- 請求項4〜6のいずれか1項記載の熱硬化物からなる半導体素子のアンダーフィル材。
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