●会議システム(1)●
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる会議システムの実施の形態について説明する。
●会議システムの構成
図1は、本発明にかかる会議システムの実施の形態を示すネットワーク構成図である。
会議システムSは、例えば、議会など、多人数の参加者が出席する会議などで用いられる。会議システムSは、会議の進行を円滑にすると共に、会議の議事録の作成などを行う。会議システムSは、コントロールユニット(以下「CU」という。)1A−1Cと、ディスカッションユニット(以下「DU」という。)2A1−2A4、2B1−2B4、2C1−2C4と、マイクロホン3A1−3A4、3B1−3B4、3C1−3C4と、操作端末4と、を有してなる。
CU1A−1Cの構成は、全て同じである。DU2A1−2A4、2B1−2B4、2C1−2C4の構成は、全て同じである。マイクロホン3A1−3A4、3B1−3B4、3C1−3C4の構成は、全て同じである。
以下の説明において、CU1A−1Cのそれぞれを区別する必要がないとき、それぞれを「CU1」と総称する。DU2A1−2A4、2B1−2B4、2C1−2C4のそれぞれを区別する必要がないとき、それぞれを「DU2」と総称する。マイクロホン3A1−3A4、3B1−3B4、3C1−3C4のそれぞれを区別する必要がないとき、それぞれを「マイクロホン3」と総称する。
なお、会議システムSを構成するCU1の数とDU2の数とは、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、各CU1に接続されるDU2の数は、異なってもよい。
●DUのCUへの接続方式
次に、複数のDU2のCU1への接続方式について、説明する。
複数のDU2は、リング接続方式(以下「リング接続」という。)と、デイジーチェーン接続方式(以下「デイジー接続」という。)と、のいずれかの接続方式によりCU1に接続される。
リング接続とは、複数のDU2がCU1と円環状に連なって接続される接続方式である。例えば、DU2A1−2A4は、CU1Aにリング接続により接続される。DU2がCU1にリング接続により接続される場合、後述するCU1のユニット接続部の端子は、2つ使用される。
デイジー接続とは、複数のDU2がCU1と数珠つなぎ状に連なって接続される接続方式である。例えば、DU2C1−2C4は、CU1Cにデイジー接続により接続される。DU2がCU1にデイジー接続により接続される場合、後述するCU1のユニット接続部の端子は、1つ使用される。
なお、CU1とDU2との接続の態様は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、複数のDU2は、1つのCU1にリング接続とデイジー接続との2つの接続方式を混在して接続されてもよい。つまり、あるDU2はCU1にリング接続され、他のDU2はその同じCU1にデイジー接続されてもよい。
●CUとCUとの接続
次に、CU1同士の接続について、説明する。
3つのCU1は、デイジー接続により接続される。例えば、CU1BとCU1Cとは、CU1Aにデイジー接続で接続される。この場合、例えば、CU1Aは、マスター(Master)に設定され、CU1BとCU1Cとは、スレーブ(Slave)に設定される。マスターとスレーブとについては、後述する。
各CU1への電源の供給は、個別にACアダプタなどを介して行われる。すなわち、CU1間での電源の供給は、行われない。そのため、各CU1は、会議システムSにおいて、電源の制約を受けることなく相互に物理的に離れた箇所に設置可能である。
●CUの構成
図2は、CU1のハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
CU1は、DU2の動作を制御すると共に、会議システムS全体の動作を制御する。CU1は、通信部11と、接続部12と、記憶部13と、表示部14と、操作部15と、制御部16と、を有してなる。
通信部11は、接続部12を介して、他のCU1、DU2、操作端末4、外部機器5などとの間の通信を実現する。通信部11は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3に準拠した通信を行う。
CU1とDU2との間や、マスターとなるCU1とスレーブとなるCU1との間などの通信は、パケットの送受信にて実行される。パケットは、ヘッダ部とデータ部とを含む。
図3は、パケットのデータ構造図である。
ヘッダ部は、通信に用いられるアドレスと、後述するカウンタフラグと、を含む。データ部は、制御コマンドと、音声情報や後述するユニット情報などと、後述するリクエストフラグと、を格納する領域を含む。制御コマンドは、CU1がDU2に指示を与えるコマンドや、マスターとなるCU1がスレーブとなるCU1に指示を与えるコマンドなどである。データ部は、CU1からDU2への指示がないとき、または、マスターとなるCU1からスレーブとなるCU1への指示がないときには、制御コマンドを含まない。音声情報は、マイクロホン3からの音声信号に基づいて、DU2により生成される情報である。音声情報は、DU2からCU1に送信されるパケットのデータ部に格納される。
データ部は、音声情報が格納される複数の領域(以下「音声領域」という。)を含む。音声領域は、会議システムSが備える複数のDU2の中で同時に発話可能なDU2の数を規定する枠である。データ部に含まれる音声領域の数は、後述する最大話者設定数と同数である。CU1は、音声領域ごとに、個別の番号(例えば、1,2,3,・・・)を割り当てる。音声領域の詳細については、後述する。
図2に戻る。
接続部12は、他のCU1、DU2、操作端末4、外部機器5などを接続するインターフェイスである。接続部12は、外部機器接続部12aとユニット接続部12bとを備える。
外部機器接続部12aは、例えば、操作端末4、外部機器5、通信機器などを接続するインターフェイスである。外部機器接続部12aは、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子、ネットワーク端子、アナログ入出力端子などである。外部機器5は、例えば、USBメモリ、マイクロホン、スピーカ、翻訳システムなどである。通信機器は、ハブ、ルータ、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントなどである。
ユニット接続部12bは、他のCU1やDU2に接続されるインターフェイスである。ユニット接続部12bは、例えば、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、を備える。第1端子と第2端子とは、例えば、DU2にのみ接続可能な接続端子である。第3端子と第4端子とは、例えば、他のCU1とDU2のいずれにも接続可能な接続端子である。
なお、ユニット接続部12bの端子の構成は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、端子の数は「6」でもよい。
記憶部13は、CU1やDU2が、後述する情報処理を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部13は、各種の情報やプログラムなどを一時記憶する(格納する)、RAM(Read Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクなどで構成される。
記憶部13に記憶される情報は、例えば、CU1とDU2との動作など、会議システムSの動作を制御する制御情報などである。制御情報は、例えば、ユニット設定情報やユニット接続情報、後述する会議システムSのシステム設定に関する情報や発話要求リストなど、を含む。
ユニット設定情報は、例えば、過去にCU1に接続されたDU2の設定に関する情報である。ユニット設定情報は、例えば、パラメータ情報とモード情報とを含む。ユニット設定情報は、ユニット設定情報データベース(以下「ユニット設定情報DB」という。)に記憶される。
図4は、ユニット設定情報DBに記憶される情報の例を示す模式図である。
ユニット設定情報DBは、例えば、DU2のシリアルナンバーから構成される絶対IDと、DU2のユニット設定情報と、が関連付けられて記憶されるデータベースである。DU2のユニット設定情報は、例えば、システム管理者によりCU1を介してユニット設定情報DBに記憶される。このとき、DU2のユニット設定情報は、DU2の絶対IDに関連付けられてユニット設定情報DBに記憶される。
図4は、例えば、絶対ID「A」と、ユニット設定情報「X1」とが、関連付けられてユニット設定情報DBに記憶されていることを示す。
パラメータ情報は、例えば、DU2に取り付けられたマイクロホン3の設定情報(例えば、イコライザ設定や音量設定など)と、後述する発光部28の発光状態に関する情報と、後述するプライオリティの設定情報と、を含む。
モード情報は、各DU2の動作状態に関する情報である。動作状態に関する情報は、例えば、後述する会議モードや、後述するマイクオントリガーなど、を含む。
ユニット接続情報は、CU1に接続されているDU2の接続に関する情報である。ユニット接続情報は、CU1に接続されたDU2の接続方式と、接続台数と、に関する情報である。ユニット接続情報は、ユニット接続情報データベース(以下「ユニット接続情報DB」という。)に記憶される。
図5は、ユニット接続情報DBに記憶される情報を示す模式図である。
ユニット接続情報DBは、CU1に接続されたDU2の接続に関する情報が記憶されるデータベースである。ユニット接続情報DBは、CU1の起動のたびに作成される。「端子番号」は、ユニット接続部12bの端子の番号である。「接続方式」は、ユニット接続部12bの4つの端子へのDU2の接続方式を示す。「台数」は、各端子に接続されているDU2の数である。「相対ID」は、各DU2に相対的に割り当てられるID(例えば、1から始まる連続する番号など)である。「絶対ID」は、各DU2に絶対的に割り当てられるIDである。
図5は、例えば、端子番号「1」と、接続方式「リング」と、台数「4」と、相対ID「1」・・・「4」と、絶対ID「A」・・・「D」と、が関連付けられてユニット接続情報DBに記憶されていることを示す。同図は、相対ID「1」「2」「3」「4」が、絶対ID「A」「B」「C」「D」と関連付けられてユニット接続情報DBに記憶されていることを示す。
図2に戻る。
表示部14は、例えば、会議システムS全体の音量、録音状況、プリセットパターン、アラーム情報などを表示する。表示部14は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electroluminescence)などに代表されるディスプレイである。
操作部15は、表示部14に表示される表示内容の変更などを行う。操作部15は、例えば、ダイヤルやボタンなどで構成される。
制御部16は、CU1の動作の制御、CU1に接続されたDU2の動作の制御、情報の演算や加工などを行う。制御部16は、通信部11と、記憶部13と、表示部14と、操作部15と、の動作の制御を行う。制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのマイクロプロセッサと、その周辺回路と、から構成される。
例えば、CU1BとCU1CとがCU1Aに図1に示すように接続される場合、CU1Aをマスターとすると、CU1Aの制御部16は、CU1B、CU1Cの動作の制御、DU2B1−2B4、DU2C1−2C4の動作の制御も行う。すなわち、マスターとなるCU1の制御部16は、スレーブとなるCU1の動作の制御と、スレーブとなるCU1に接続されるDU2の動作の制御も行う。
●DUの構成
図6は、DU2の斜視図である。
図7は、DU2のハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
図8は、DU2の背面図である。
DU2は、マイクロホン3から入力された音声信号に基づいて音声情報を生成して、音声情報をCU1に送信すると共に、CU1から後述する合成音声情報(他のDU2がCU1に送信した音声情報)を受信して、音波を出力する。DU2は、例えば、会議の参加者ごとに割り当てられる。DU2は、通信回線を介して、CU1と、他のDU2と、に接続される。DU2は、筐体20と、通信部21と、接続部22と、記憶部23と、表示部24と、操作部25と、制御部26と、スピーカ27と、発光部28と、を有してなる。
筐体20は、通信部21と、記憶部23と、制御部26と、スピーカ27とを収納する。筐体20は、少なくとも第1面20aと、第2面20bと、を備える。
第1面20aは、筐体20の正面側に配置される。第1面20aは、DU2の使用時に、DU2の使用者(以下「使用者」という。)から視認可能な位置に配置される。第1面20aは、複数の放出孔20ahを備える。
放出孔20ahは、スピーカ27からの音波をDU2の外部に放出する。放出孔20ahは、第1面20aに配置される。
第2面20bは、筐体20の背面側に配置される。第2面20bは、DU2の使用時に、他のDU2の使用者など(以下「第三者」という。)から視認可能な位置(DU2の背面など)に配置される。
通信部21は、CU1との通信を実現する。通信部21は、例えば、IEEE802.3に準拠した通信を行う。通信部21が送受信する情報は、例えば、マイクロホン3からの音声信号に基づいて生成した音声情報、ユニット設定情報、他のDU2からの音声情報などである。
接続部22は、CU1や他のDU2やマイクロホン3などに接続される。接続部22は、ソケット部22aとユニット接続部22bとを備える。ソケット部22aは、マイクロホン3が接続されるソケットである。ソケット部22aは、例えば、JEITA RC−5236「音響機器用ラッチロック式丸型コネクタ」に規定される3ピンプラグ用のソケットである。ソケット部22aは、第1面20aに配置される。
ユニット接続部22bは、CU1や他のDU2に接続されるインターフェイスである。ユニット接続部22bは、2つの端子を備える。デイジー接続の末端となるDU2を除き、2つの端子は、いずれもCU1や他のDU2に接続される。2つの端子間の情報の送受信は、通信部21により制御される。
記憶部23は、DU2が後述する情報処理を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部23は、例えば、RAMやROMなどで構成される。記憶部23は、通信部21が受信したユニット設定情報などを記憶する。記憶部23に記憶されるユニット設定情報は、例えば、DU2のパラメータ情報や後述する発光部28の発光状態を決定する情報などである。
表示部24は、例えば、DU2に接続されるヘッドホン(不図示)などの音量や副音声(例えば、通訳者の音声など)のチャンネルを表示する。表示部24は、例えば、LCD、有機ELなどに代表されるディスプレイである。表示部24は、筐体20の第1面20aに配置される。
操作部25は、使用者の操作に応じた検出信号を制御部26へ出力する。操作部25は、操作ボタン25aと、音量調節ボタン25bと、チャンネル変更ボタン25cと、を備える。操作部25は、筐体20の第1面20aに配置される。
操作ボタン25aは、例えば、後述する発話要求を使用者が行う際に、使用者に押下される。音量調節ボタン25bは、使用者がDU2に接続されるヘッドホンなどの音量を調節する際に、使用者に操作される。チャンネル変更ボタン25cは、例えば、副音声(通訳など)のチャンネルを変更する際に、使用者に操作される。
制御部26は、マイクロホン3からの音声信号の処理、DU2の動作の制御、音声情報の生成などを行う。制御部26は、通信部21と、記憶部23と、表示部24と、操作部25と、スピーカ27と、発光部28と、の動作の制御を行う。制御部26は、例えば、CPUなどのマイクロプロセッサと、その周辺回路と、から構成される。
スピーカ27は、通信部21からの音声信号を音波に変換して、音波を出力する。スピーカ27からの音波は、第1面20aの放出孔20ahからDU2の外部に放出される。
発光部28は、光を用いてステータス情報を報知するため、制御部26からの信号に基づいて発光する。発光部28は、例えば、マルチカラーLED(Light-emitting diode)である。すなわち、発光部28は、複数の色で発光可能である。発光部28は、第1発光部28aと第2発光部28bとを備える。
ステータス情報は、例えば、マイクロホン3のオン・オフなどのマイクロホン3の動作状態を示す情報、後述する発話要求を実行中か否かを示す情報などのDU2の動作状態を示す情報、後述するグループ情報などである。発話要求は、使用者の発話を可能とするために、マイクロホン3をオンにすることを要求することである。発話要求は、DU2からCU1に対して行われる。
第1発光部28aは、使用者にステータス情報を報知する。第1発光部28aは、操作ボタン25aに配置される。
第2発光部28bは、第三者にステータス情報を報知する。第2発光部28bは、筐体20の第2面20bに配置される。すなわち、第2発光部28bは、第三者から視認可能である。
発光部28の発光状態は、ユニット設定情報に基づいて、制御部26により制御される。発光部28の発光状態は、発光パターンと発光色とを含む。発光部28の発光状態は、ユニット設定情報として記憶部23に記憶される。発光パターンは、消灯パターンと、点灯パターンと、点滅パターンと、ディマー(減光)点灯パターンと、を含む。
発光色は、例えば、あらかじめシステム管理者などに設定された10色の中から選択される。発光色の相違により、発光部28は、例えば、グループ情報を表示できる。グループ情報は、例えば、会議などの参加者の所属(国、政党など)、参加者の言語、後述するプライオリティの段階などを基にグループ分けした内容を示す情報である。そのため、例えば、システム管理者は、第2発光部28bの発光色に基づいて、設定の変更などを容易に実行可能である。
DU2への電源は、各DU2が接続されるCU1から通信回線ケーブルを介して供給される。
●マイクロホンの構成
図9は、マイクロホン3が取り付けられたDU2の斜視図である。
マイクロホン3は、使用者の音声(音波)を収音する。すなわち、マイクロホン3は、音波を電気信号に変換する。マイクロホン3は、例えば、グースネック型のコンデンサマイクロホンである。マイクロホン3の指向性は、例えば、単一指向性である。マイクロホン3は、DU2のソケット部22aに取り付けられる。マイクロホン3の電源は、DU2から、例えば、ファントム電源により供給される。マイクロホン3は、「オン」の状態では音声を収音して音声信号を出力し、「オフ」の状態では音声を収音しない。
なお、マイクロホン3は、例えば、単色のLEDリングを備えてもよい。この場合、LEDリングの電源は、DU2のソケット部22aを介してDU2から供給される。
●操作端末の構成
図10は、操作端末4のハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
操作端末4は、会議システムSの運用、CU1の設定、DU2の設定、CU1とDU2とのリモートコントロールなどを行う端末である。CU1の設定とDU2との設定は、例えば、システム管理者や会議の議長などが操作端末4を操作して行われる。
操作端末4は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォンなどの汎用の情報処理装置である。操作端末4は、通信回線を介してCU1と接続され、CU1と通信回線とを介してDU2と接続される。操作端末4は、通信部41と、記憶部43と、表示部44と、操作部45と、制御部46と、を有してなる。
通信部41は、CU1との間の通信を実現する。通信部41は、LAN、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークを介してCU1と接続されるインターフェイスである。
記憶部43は、操作端末4が後述する情報処理を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部43は、例えば、RAM、ROM、ハードディスクなどで構成される。記憶部43に記憶される情報は、CU1から読み出される各種データベースや、後述する発話要求リストなどである。
表示部44は、制御部46からの指示(制御)に応じて、会議システムSの操作画面、各種データベース、発話要求リストなどを表示する。表示部44は、例えば、LCDなどのディスプレイである。
操作部45は、システム管理者などによる操作端末4の操作に応じた検出信号を制御部46に出力する。操作部45は、例えば、キーボード、マウス、ソフトウェアキーボードなどである。
制御部46は、操作端末4の動作の制御を行う。制御部46は、例えば、CPUなどのマイクロプロセッサと、その周辺回路と、から構成される。
なお、操作端末4は、汎用の情報処理端末ではなく、会議システム専用の端末でもよい。
また、会議システムSは、少なくともCU1とDU2とマイクロホン3とを備えていればよい。すなわち、例えば、会議システムSは、操作端末4を備えなくともよい。
●プライオリティ
プライオリティは、例えば、システム管理者がCU1を介して各DU2に対して設定する情報であって、DU2の機能の制限に関するいわば優先権限である。プライオリティが設定されたDU2は、常に音声スロットと、前述の音声領域と、が割り当てられて、発話可能に制御される。発話可能に制御されたDU2は、マイクロホン3をオンにして音声情報をCU1に送信することができる。発話可能なDU2ごとのプライオリティの設定は、記憶部13のユニット設定情報DBに記憶される。
音声スロットは、会議システムSが備える複数のDU2の中で同時に発話可能なDU2の数を規定する、いわば枠である。会議システムSは、後述する最大話者設定数と同数、すなわち、前述の音声領域の数と同数の音声スロットを備える。会議システムSは、音声スロットごとに、個別の番号(例えば、1,2,3,・・・)を割り当てる。音声スロットは、例えば、CU1の制御部16に備えられる。
CU1は、発話を許可するDU2ごとに、音声スロットと音声領域とを割り当てる。すなわち、CU1は、発話を許可するDU2ごとに、音声スロットの番号と、音声領域の番号と、を割り当てる。音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2は、発話可能となる。CU1は、音声スロットに割り当てられた番号と、音声領域に割り当てられた番号と、を関連付けて記憶部13に記憶する。CU1は、DU2に対して音声スロットと音声領域とを割り当てて、割り当てられた音声スロットの番号と音声領域の番号とを関連付けて、後述する音声情報の合成処理を行う。
1のパケットのデータ部に含まれる複数の音声領域は、それぞれ別々のDU2に割り当てられる。換言すれば、CU1は、複数のDU2からの音声情報が格納された1のパケットを受信する。CU1は、音声情報が格納された音声領域の番号で、同音声情報を生成したDU2を特定する。CU1は、音声領域に割り当てられた番号に基づいて、音声スロットに割り当てられた番号を特定する。すなわち、CU1は、音声スロットの番号と音声領域の番号とで、発話可能なDU2それぞれに対応する音声スロットと音声領域とを特定する。CU1は、受信したパケットの音声領域に格納された音声情報を、同音声領域に対応する音声スロットを介して、受信する。CU1は、あるDU2から受信した音声情報を、そのDU2を含むCU1に接続する全てのDU2に送信する。
会議システムSは、会議システムSの情報処理の負荷の低減や、ネットワークのトラフィックの低減のため、同時に発話可能なDU2の数を制限する。同時に発話可能なDU2の最大数(以下「最大話者設定数」という。)は、例えば、マスターとなるCU1の設定に基づいて決定される。最大話者設定数は、CU1の接続台数に依存せず、会議システムS内で所定の台数に決定される。前述のとおり、発話可能なDU2は、音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2である。
プライオリティが設定されるDU2(常に発話が可能なDU2)の数は、最大話者設定数よりも少なく設定される。これは、プライオリティの設定がされていないDU2からの発話要求も受け付けることができるように、会議システムSが音声スロットと音声領域との空きを確保するためである。
プライオリティが設定されたDU2の優先権限は、第1権限と、第2権限と、第3権限と、第4権限と、の4段階の優先順位に分けられる。これらの権限は、例えば、他のDU2の一括ミュートが可能か否かと、他のDU2からの一括ミュートの対象となるか否かと、の組み合わせにより決定される。
第1権限は、一括ミュート可能、かつ、一括ミュートの対象とならない優先権限である。第1権限は、最高権限であり、例えば、会議の議長などに割り当てられるDU2に設定される。第2権限は、一括ミュート可能、かつ、一括ミュートの対象となる優先権限である。第2権限は、例えば、会議の副議長などに割り当てられるDU2に設定される。第3権限は、一括ミュート不可、かつ、一括ミュートの対象とならない優先権限である。第4権限は、一括ミュート不可、かつ、一括ミュートの対象となる優先権限である。
このように、本発明にかかる会議システムは、プライオリティの内訳を、DU2の使用者の権限に合わせて、適宜設定可能である。
●会議システムの動作●
次に、会議システムSの動作について説明する。会議システムSの動作、すなわち、会議システムSにより実行される情報処理は、CU1が1つの場合と、複数の場合と、で一部異なる。
●1つのCUを備える会議システムの動作●
先ず、1つのCUを備える会議システムSの動作について説明する。
図11は、1つのCUを備える会議システムSの情報処理を示すフローチャートである。
会議システムSは、会議システムSの起動後に、初期化処理(S1)と、DU情報取得処理(S2)と、DU設定処理(S3)と、運用処理(S4)と、を実行する。
会議システムSにおいて、CU1は、ユニット接続部12bの全ての端子からパケットを送信する。そのため、パケットは、リング接続の場合において、DU2が接続されている2つの端子の双方向からDU2に送信される。以下の説明において、順方向は、リング接続されているCU1の端子における番号の小さい端子から番号の大きい端子に向かってパケットが流れる方向である。逆方向は順方向と反対の方向である。
各端子が受信した各種パケットの情報は、CU1の制御部16により合成される。このとき、リング接続の場合には、いずれか一方の端子からの情報は、ミュート(無視)されて、制御部16による合成に用いられない。そのため、両方向からの情報の合成による重複は排除される。
DU2は、2つの端子のうち、一方の端子(「a」とする。)でパケットを受信して、他方の端子(「b」とする。)からパケットを送信する。順方向においてパケットを送信する端子(b)は逆方向においてパケットを受信し、順方向においてパケットを受信する端子(a)は逆方向においてパケットを送信する。
以下、図11の各処理について、図1のCU1Aと、CU1Aに接続されたDU2A1−2A4と、を例に説明する。DU2A1はCU1Aの第1端子に接続され、DU2A4はCU1Aの第2端子に接続される。
●初期化処理
先ず、会議システムSは、初期化処理(S1)を行う。初期化処理(S1)は、CU1に接続されているDU2のユニット設定(情報)を初期化すると共に、CU1に接続されているDU2の接続方式と、接続台数と、を会議システムSが認識(特定)する処理である。
図12は、初期化処理(S1)におけるCU1Aの情報処理を示すフローチャートである。
図13は、初期化処理(S1)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
CU1Aの制御部16は、DU2A1−2A4の初期化を行う初期化コマンドを通信部11に送信する。通信部11は、初期化コマンドを乗せた(含む)初期化パケットを、第1端子からDU2A1に送信する(S11a)。前述のとおり、パケットは、ヘッド部にカウンタフラグを含む。カウンタフラグは、パケットがDU2に伝送されるたびに、パケットを受信したDU2によりカウント値がインクリメント(「1」加算)される情報である。制御部16は、DU2に対して送信するパケットに含まれるカウンタフラグのカウント値を初期化するためにリセットする。すなわち、CU1AからDU2A1に送信される初期化パケットのカウンタフラグのカウント値は、「0」である。
初期化パケットを受信したDU2A1は、初期化コマンドに従いユニット設定を初期化、すなわち、記憶部23のユニット設定情報を初期値に更新する。初期化パケットを受信したDU2A1の制御部26は、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S12a)。DU2A1の通信部21は、カウンタフラグのカウント値が「1」の初期化パケットをDU2A2に送信する。
初期化パケットを受信したDU2A2は、初期化コマンドに従いユニット設定を初期化、すなわち、記憶部23のユニット設定情報を初期値に更新する。初期化パケットを受信したDU2A2の制御部26は、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S13a)。DU2A2の通信部21は、カウンタフラグのカウント値が「2」の初期化パケットをDU2A3に送信する。
初期化パケットを受信したDU2A3は、初期化コマンドに従いユニット設定を初期化、すなわち、記憶部23のユニット設定情報を初期値に更新する。初期化パケットを受信したDU2A3の制御部26は、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S14a)。DU2A3の通信部21は、カウンタフラグのカウント値が「3」の初期化パケットをDU2A4に送信する。
初期化パケットを受信したDU2A4は、初期化コマンドに従いユニット設定を初期化、すなわち、記憶部23のユニット設定情報を初期値に更新する。初期化パケットを受信したDU2A4の制御部26は、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S15a)。DU2A4の通信部21は、カウンタフラグのカウント値が「4」の初期化パケットをCU1Aの第2端子に送信する。
通信部11は、第2端子を介してDU2A4から初期化パケットを受信する(S16a)。
前述のとおり、リング接続の場合、初期化パケット(カウンタフラグの初期値が「0」)は、第2端子から逆方向にも送信される。
図14は、初期化処理(S1)における会議システムSの情報処理を示す別のシーケンス図である。
初期化パケットは、CU1Aの第2端子からDU2A4、DU2A3、DU2A2、DU2A1、CU1の第1端子の順に、逆方向に伝送される。
通信部11は、初期化コマンドを乗せた初期化パケットを、第2端子からDU2A4に送信する(S11b)。
DU2A4は、ユニット設定を初期化すると共に、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S12b)。DU2A3は、ユニット設定を初期化すると共に、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S13b)。DU2A2は、ユニット設定を初期化すると共に、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S14b)。DU2A1は、ユニット設定を初期化すると共に、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S15b)。
通信部11は、第1端子を介してDU2A1から初期化パケットを受信する(S16b)。
制御部16は、通信部11が受信した初期化パケットに含まれるカウンタフラグのカウント値などの情報を記憶部13に記憶する。
図15は、初期化処理(S1)における会議システムSの初期化パケット受信後の情報処理を示すシーケンス図である。
制御部16は、端子ごとのDU2の接続状態、すなわち、DU2の接続方式と接続台数とを認識する(S17)。DU2の接続方式の認識は、例えば、パケットを送受信したユニット接続部12bの端子が一致するか否か(端子番号の異同)により行われる。すなわち、パケットを送信した端子と受信した端子とが一致するとき、DU2の接続方式は、デイジー接続である。一方、パケットを送信した端子と受信した端子とが一致しないとき、DU2の接続方式は、リング接続である。例えば、前述のとおり、DU2A1−2A4に対する順方向の初期化パケットは、CU1Aの第1端子から送信されて、第2端子で受信される。つまり、CU1Aが初期化パケットを送信した端子番号は、CU1Aが初期化パケットを受信した端子番号と一致しない(異なる)。一方、逆方向の初期化パケットの送受信においても、CU1Aが初期化パケットを送信した端子(第2端子)番号は、CU1Aが初期化パケットを受信した端子(第1端子)番号と一致しない(異なる)。そのため、制御部16は、DU2A1−2A4の接続方式がリング接続である、と認識する。
DU2の接続台数は、全ての端子が送受信した初期化パケットのカウンタフラグのカウント値により認識される。すなわち、例えば、CU1Aの第1端子と第2端子との間を送信された初期化パケットは、カウンタフラグのカウント値が「4」でCU1Aに戻る。そのため、制御部16は、第1端子と第2端子との間に接続されたDU2の数が「4」である、と認識する。このように、パケットに含まれるカウンタフラグは、CU1に接続されたDU2の数のカウントに用いられる。
制御部16は、DU2の接続方式と接続台数とを認識したとき、各DU2のID(以下「相対ID」という。)を生成する(S18)。相対IDは、例えば、ユニット接続部12bの端子番号の小さい側に接続されたDU2から順に採番されて、各DU2に割り当てられる。すなわち、例えば、DU2A1の相対IDは「1」であり、DU2A4の相対IDは「4」である。
制御部16は、認識したDU2の接続方式と接続台数と、割り当てられた相対IDと、を関連付けて記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S19)。
図16は、初期化処理(S1)後のCU1の記憶部13に記憶される情報を示す模式図である。
同図は、CU1の第3端子と第4端子とが、DU2と接続していない非接続の状態であることを示す。
なお、DU2の接続方式がデイジー接続の場合、末端のDU2は、同DU2の2つの端子のうち、一方の端子からの受信が無いことを理由に、自己が末端であると判断する。末端のDU2は、折り返しである旨のフラグ(以下「折返しフラグ」という。)を初期化パケットに付与して、初期化パケットを折り返す。すなわち、DU2は、接続方式に関わらず、双方向に情報の送受信を行う。DU2は、折返しフラグが付与された初期化パケットのカウンタフラグのカウント値のインクリメントは行わない。
このとき、制御部16は、カウンタフラグのカウント値により、DU2の接続台数を認識する。制御部16は、初期化パケットを送受信したユニット接続部12bの端子番号が一致するため、DU2の接続方式がデイジー接続であると認識する。
●DU情報取得処理
図11に戻る。
次いで、会議システムSは、DU情報取得処理(S2)を実行する。DU情報取得処理(S2)は、DU2のユニット情報を取得する処理である。ユニット情報は、DU2のシリアルナンバー(絶対ID)やMAC(Media Access Control)アドレスなどである。以下の説明において、順方向の処理は逆方向の処理と同じであるため、逆方向の処理については、説明を省略する。
図17は、DU情報取得処理(S2)におけるCU1Aの情報処理を示すフローチャートである。
図18は、DU情報取得処理(S2)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
制御部16は、DU2A1−2A4のユニット情報を取得する情報取得コマンドを通信部11に送信する。通信部11は、情報取得コマンドを乗せた情報取得パケットを各DU2A1−1A4に送信する(S21a−S21d)。情報取得パケットは、相対IDによりアドレス指定される。そのため、アドレス指定されたDU2のみが情報取得パケットを受信する。
情報取得コマンドを受信した各DU2A1−2A4は、情報取得コマンドに従い、ユニット情報を乗せた情報取得パケットをCU1Aに送信する(S22a−S22d)。
通信部11は、各DU2A1−2A4からの情報取得パケットを受信する(S23a−S23d)。
制御部16は、通信部11が受信した情報取得パケットからユニット情報を読み出す。制御部16は、ユニット情報から絶対IDを取得する(S24)。制御部16は、取得した絶対IDと、相対IDと、を関連付けて記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S25)。制御部16が絶対IDを取得したことで、DU情報取得処理(S2)より後の処理について、絶対IDを用いたDU2のアドレス指定が可能となる。
なお、DU情報取得処理(S2)において、新たに接続されたDU2が存在するときは、制御部16がユニット設定情報DBを記憶部13から読み出して、そのDU2の絶対IDと、設定情報(初期値)と、を関連付けてユニット設定情報DBに記憶させる。
図19は、DU情報取得処理後のCU1の記憶部13に記憶される情報を示す模式図である。
同図は、端子番号「1」「2」にリング接続された4台のDU2の相対ID「1」「2」「3」「4」が、絶対ID「A」「B」「C」「D」と関連付けられていることを示す。
絶対IDと相対IDとが関連付けられることで、CU1は、どの相対IDにどの絶対IDのDU2が接続されているかを示す情報を、例えば、システム管理者などに操作端末4などを介して報知可能となる。そのため、システム管理者は、例えば、操作端末4を操作して、絶対IDと、DU2の使用者名(固有名詞)と、を関連付けて記憶部13に記憶させることができ、固有名詞でDU2を管理できる。また、システム管理者は、例えば、相対IDと、DU2の使用者名と、を関連付けて記憶部13に記憶させることで、会議室の座席ごとの固有名詞を操作端末4の表示部44などに表示できる。
●DU設定処理
図11に戻る。
次いで、会議システムSは、DU設定処理(S3)を実行する。DU設定処理(S3)は、ユニット設定情報DBに基づいて、DU2の設定を行う処理である。以下の説明において、順方向の処理は逆方向の処理と同じであるため、逆方向の処理については、説明を省略する。
図20は、DU設定処理(S3)におけるCU1Aの情報処理を示すフローチャートである。
図21は、DU設定処理(S3)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
制御部16は、記憶部13からユニット設定情報DBを読み出して(S31)、DU2の設定を行うユニット設定コマンドを通信部11に送信する。通信部11は、ユニット設定コマンドを乗せた設定パケットを、各DU2A1−2A4に送信する(S32a−S32d)。設定パケットは、DU2の絶対IDをパケットの送信先として含む。すなわち、設定パケットの送信先は、絶対IDによりアドレス指定される。そのため、CU1に接続されたDU2のうち、アドレス指定されたDU2のみが設定パケットを受信する。
設定パケットを受信した各DU2A1−2A4は、ユニット設定コマンドに従い、ユニット設定を変更する(S33a−S33d)。各DU2A1−2A4は、記憶部23のユニット設定情報を更新する。ユニット設定は、例えば、プライオリティの設定や、後述するマイクオントリガーの設定、発光部28の発光色の設定など、DU2ごとの動作を規定する情報である。
通信部11は、ユニット設定を変更した各DU2A1−2A4から設定パケットを受信する(S34a−S34d)。このとき、設定パケットは、各DU2A1−2A4がコマンドを正しく取得したことを示す情報を含む。
DU設定処理(S3)が完了すると、会議システムSの運用(例えば、各DU2からの音声情報の取得など)が可能となる。
●運用処理
図11に戻る。
次いで、会議システムSは、運用処理(S4)を実行する。運用処理(S4)は、定期的(例えば、166μ秒ごと)に運用パケットをCU1からDU2に送信して、運用パケットに乗せられた各種コマンドを実行すると共に、カウンタフラグによりDU2の接続状態を監視する処理である。
各種コマンドは、例えば、音声取得コマンドなどである。音声取得コマンドは、CU1が音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2からの音声情報の取得を行うコマンドである。
なお、前述のとおり、運用パケットは、制御コマンドを乗せない(含まない)場合がある。この場合であっても、運用パケットは、CU1とDU2との間で繰り返し送受信される。すなわち、CU1は、制御コマンドの有無に関わらず、運用パケットに含まれるカウンタフラグを用いて、DU2の接続状態を監視する。
図22は、運用処理(S4)におけるCU1Aの情報処理を示すフローチャートである。
図23は、運用処理(S4)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
以下、運用処理(S4)について、音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2A2からの音声情報の取得を例に説明する。音声スロットと音声領域との割り当てについては、後述する。
制御部16は、音声取得コマンドを通信部11に送信する。通信部11は、音声取得コマンドを乗せた運用パケットを、音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2A2に送信する(S41)。
運用パケットを受信したDU2A2の通信部21は、音声取得コマンドに従い、運用パケットの音声領域のうち、自らに割り当てられた番号の音声領域に音声情報を乗せて、CU1Aに送信する(S42)。
ここで、図示しないが、カウンタフラグのカウント値は、初期化処理(S1)と同様に、CU1Aにおいてリセットされて、各DU2A1−2A4においてインクリメントされる。
CU1Aは、DU2A2からの運用パケットを受信する(S43)。通信部11は、ユニット接続部12bの全ての端子が受信したカウンタフラグのカウント値や音声情報などの情報を制御部16へ送信する。音声情報は、音声情報が格納されていた音声領域の番号と同一の番号の音声スロットが受信する。音声情報の処理については、後述する。制御部16は、カウンタフラグのカウント値と、運用パケットを送受信した端子番号と、からDU2の接続状態(接続方式と接続台数)を確認(特定)する(S44)。この確認は、通信部11が運用パケットを受信するごとに実行される。
DU2の接続台数の確認は、新たに取得したカウンタフラグのカウント値(以下「新DUカウント値」という。)と、記憶部13に記憶されているカウント値(以下「旧DUカウント値」という。)と、を比較することにより実行される。すなわち、新DUカウント値と旧DUカウント値とが一致するとき、制御部16は、DU2の接続台数に変更が無いと判定する。一方、新DUカウント値と旧DUカウント値とが一致しないとき(不一致のとき)、制御部16は、DU2の接続台数に変更が有ると判定する。
前述のとおり、DU2の接続方式の確認は、運用パケットを送信した端子の端子番号と、運用パケットを受信した端子の端子番号と、を比較することにより実行される。すなわち、運用パケットを送受信した端子の端子番号が一致するとき、制御部16は、DU2の接続方式がデイジー接続であると判定する。一方、運用パケットを送受信した端子の端子番号が一致しないとき(不一致のとき)、制御部16は、DU2の接続方式がリング接続であると判定する。
制御部16は、ユニット接続情報DBを記憶部13から読み出して、ユニット接続情報DBに記憶されたDU2の接続方式と、新たに取得したDU2の接続方式と、を比較する。制御部16は、両接続方式が一致する(同じ)ときDU2の接続方式に変更が無いと判定し、両接続方式が一致しない(異なる)ときDU2の接続方式に変更が有ると判定する。
制御部16は、DU2の接続台数と、DU2の接続方式と、のいずれかに変更が有ると判定したとき、DU2の接続状態に変更が有ると判定する。すなわち、制御部16は、新DUカウント値と旧DUカウント値とが不一致のとき、DU2の接続状態に変更が有ると判定する。一方、制御部16は、いずれにも変更が無いと判定したとき、DU2の接続状態に変更が無いと判定する。
DU2の接続状態に変更が有るとき(S44の「はい」)、会議システムSは、変更処理(S5)を実行する。変更処理(S5)については、後述する。
図24は、DU2の接続状態に変更が有るときの会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
同図は、DU2A3が故障や取り外しなどにより接続異常となった例を示す。同図は、説明の便宜上、コマンドを乗せていない運用パケットの順方向の処理のみを示す。
CU1Aの通信部11は、第1端子を介してDU2A1に運用パケットを送信する(S41a)。DU2A1は、受信した運用パケットのカウンタフラグのカウント値をインクリメントして(S42a)、DU2A2に運用パケットを送信する。DU2A2は、受信した運用パケットのカウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S42b)。
DU2A3に接続異常が発生した場合、DU2A2は、一方の端子(逆方向)からの運用パケットの受信が無いことを理由に、自身が末端のDU2になったことを認識する。そのため、DU2A2は、運用パケットに折返しフラグを付与する(乗せる)(S42c)。DU2A2は、DU2A1を介して、折返しフラグが付与された運用パケットをCU1Aに送信する。このとき、DU2A1は、運用パケットに折返しフラグが付与されているため、前述のとおり、カウンタフラグのカウント値をインクリメントせずに、運用パケットの送受信のみを行う。
一方、DU2A4は、逆方向の処理において、DU2A2と同様に、折返しフラグが付与された運用パケットをCU1Aに送信する(不図示)。
CU1Aの制御部16は、運用パケットが送受信された端子の端子番号が同じとなっていることを理由に、DU2A1−2A4の接続方式の変更(リング接続からデイジー接続への変更)を認識する。制御部16は、運用パケットのカウンタフラグのカウント値の比較結果から同端子に接続されたDU2の接続台数の変更を認識する。制御部16は、この認識結果と、ユニット接続情報DBと、を照合して、DU2A1−2A4の接続状態の変更を認識する(S44)。
このとき、制御部16は、第1端子が受信した運用パケットのカウンタフラグのカウント値「2」と、第2端子が受信した運用パケットのカウンタフラグのカウント値「1」と、からDU2A3に接続異常が発生したことを認識する。このように、CU1Aは、接続異常が発生した場合に、即座に接続異常の発生を認識すると共に、接続異常箇所を特定する。
図22と図23とに戻る。
DU2の接続状態に変更が無いとき(S44の「いいえ」)、制御部16は、音声スロットにおいて全ての端子が受信した音声情報と、DU2の絶対IDに関連付けて記憶部13に記憶された情報と、を合成(処理)して、合成音声情報を生成する(S45)。音声情報の合成は、全ての端子が受信した各運用パケットの音声領域において、同じ番号の音声領域に格納された音声情報同士を合成することで実行される。
合成音声情報は、例えば、絶対IDに関連付けられたDU2の使用者(話者)の情報、時間情報、グループ情報などの情報を含む。合成音声情報は、例えば、CU1Aの外部機器接続部12aに接続されたUSBメモリなどに記憶されると共に、各DU2A1−2A4に送信される。各DU2A1−2A4に送信された合成音声情報は、各DU2A1−2A4の制御部26により処理された後、スピーカ27により音波に変換されて、スピーカ27から出力される。
合成音声情報の生成の際に、制御部16は、運用パケットのリクエストフラグの付与の有無を確認する(S46)。リクエストフラグについては、後述する。
リクエストフラグが付与されているとき(S46の「はい」)、会議システムSは、リクエスト処理(S6)を実行する。リクエストフラグが付与されていないとき(S46の「いいえ」)、会議システムSは、運用処理(S4)を繰り返す。
●変更処理
DU2の接続状態に変更が有るとき、会議システムSは、変更処理(S5)を実行する。変更処理(S5)は、DU2の接続状態の変更後に、ユニット接続情報DBに記憶されているユニット接続情報を更新して、音声情報の欠落や音声情報の合成処理の不具合を防ぐ処理である。
図25は、変更処理(S5)におけるCU1Aの情報処理を示すフローチャートである。
変更処理(S5)は、ユニット接続情報DBに記憶されているユニット接続情報を更新するため、初期化処理(S1)と、DU情報取得処理(S2)と、DU設定処理(S3)と、を改めて実行する処理である。
図26は、変更処理(S5)における初期化処理(S1)の一例としての会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。同図は、DU2A3が故障や取り外しなどにより接続異常となった状態を示す。同図は、説明の便宜上、順方向の処理のみを示す。
初期化処理(S1)において、CU1Aの通信部11は、第1端子を介して初期化パケットをDU2A1に送信すると共に、第2端子を介して初期化パケットをDU2A4に送信する。第1端子からの初期化パケットは、DU2A2において折り返される。このとき、DU2A2は、初期化パケットに折返しフラグを付与する(S131a)。一方、第2端子からの初期化パケットは、DU2A4において折り返される(不図示)。このとき、DU2A4は、初期化パケットに折返しフラグを付与する(不図示)。
通信部11は、第1端子を介してDU2A1から初期化パケットを受信する(S16a)と共に、第2端子を介してDU2A4から初期化パケットを受信する。制御部16は、新DUカウント値を記憶部13に記憶する。このとき、制御部16は、新DUカウント値で旧DUカウント値を更新する。
制御部16は、CU1の端子ごとのDU2の接続状態、すなわち、DU2の接続方式と接続台数とを認識する(S17)。CU1の第1端子に接続されたDU2A1、DU2A2の接続方式と、同第2端子に接続されたDU2A4の接続方式とは、初期化パケットを送受信した端子が同じであるため、デイジー接続である。一方、第1端子に接続されたDU2の接続台数は2台であり、第2端子に接続されたDU2の接続台数は1台である。
制御部16は、DU2の接続方式と接続台数とを認識したとき、各DU2の相対IDを生成する(S18)。
制御部16は、DU2の接続方式と接続台数と相対IDとを関連付けて記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S19)。その結果、記憶部13のユニット接続情報DBに記憶されるDU2の接続状態と、相対IDと絶対IDとの関連付けとは、更新される。このように、新DUカウント値と旧DUカウント値とが不一致のとき、制御部16は、相対IDと絶対IDとの関連付けを更新する。両接続方式が異なるとき、制御部16は、記憶部13に記憶されているDU2の接続方式を更新する。
DU情報取得処理(S2)とDU設定処理(S3)の各処理内容は、前述したDU情報取得処理(図17)とDU設定処理(図20)の各処理内容と、同様である。
図27は、変更処理後のユニット接続情報DBに記憶されている情報の一例を示す図である。
同図は、図19と比較して、DU2A3が無くなり、DU2A4の相対IDが「4」から「3」に変更されたことを示す。このように、相対IDに変更が生じたとき、絶対IDと相対IDとの関連付けが更新されるため、DU2の接続状態の変更の前後における音声情報の合成処理の不具合などは生じない。
なお、変更処理は、DU2の接続台数に変更が無いとき、DU2の相対IDを更新せず、DU2の接続方式のみ更新してもよい。
●リクエスト処理
図11に戻る。
運用処理(S4)において、運用パケットにリクエストフラグが付与された場合、会議システムSは、リクエスト処理(S6)を実行する。リクエスト処理(S6)は、DU2から発話要求があった場合に、音声スロットへのDU2の割り当てまでのコマンド管理を実行する処理である。
リクエストフラグは、コマンドそのものではなく、DU2の使用者が発話要求をする際に、使用者の操作により運用パケットに付与される固定長のビットのオン・オフである。リクエストフラグは、DU2の制御部26により運用パケットに付与される。リクエストフラグの付与は、DU2の制御部26がリクエストフラグのビットを処理する(例えば、オンのときはビットを「1」にし、オフのときはビットを「0」にする)ことにより実行される。リクエストフラグを付与したDU2は、CU1からのコマンド待ち状態(リクエスト待ち状態)となる。リクエストフラグが付与された運用パケットは、DU2の通信部21からCU1Aに送信される。使用者の操作は、操作ボタン25aの押下による操作(以下「手動トリガー」という。)と、使用者の声による操作(以下「自動トリガー」という。)と、のいずれかにより実行される。すなわち、手動トリガーと自動トリガーとは、マイクロホン3を「オン」にするためのトリガーである。
リクエスト待ち状態のDU2は、通信部21による音声情報のCU1への送信ができない状態(以下「送信不可状態」という。)である。一方、CU1に発話要求(リクエスト)が許可された状態(以下「発話可能状態」という。)のDU2は、通信部21による音声情報のCU1への送信ができる状態(以下「送信可能状態」という。)である。
図28は、リクエスト処理(S6)におけるCU1Aの情報処理を示すフローチャートである。
図29は、リクエスト処理(S6)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。同図は、説明の便宜上、CU1AとDU2A1とのシーケンスのみを示す。
CU1Aの制御部16は、CU1Aが受信した運用パケットにリクエストフラグが付与されているとき、リクエストフラグをリクエストフラグレジスタ(記憶部13)に取り込む(S61)。このとき、制御部16は、リクエストフラグの取り込みは行うが、DU2に対してコマンドの送信は行わない。この処理により、リクエストフラグがレジスタ(記憶部13)内に取り込まれるため、発話要求のハードウェア上の受信漏れ(取りこぼし)が無くなる。
次いで、制御部16は、取り込んだリクエストフラグに該当するビットにマスク処理を実行する(S62)。この処理により、リクエストフラグレジスタ内のリクエストフラグが保護、つまり、リクエストフラグが書き替え不可能となる。その結果、リクエストフラグの誤検出が防止される。
次いで、制御部16は、例えば、議長やシステム管理者などからのリクエストの拒否の有無を確認する(S63)。リクエストが拒否された場合(S63の「はい」)、制御部16は、マスクを解除する(S71)。
リクエストが拒否されない場合(S63の「いいえ」)、制御部16は、音声スロットと音声領域との空きの有無を確認する(S64)。音声スロットと音声領域とに空きがある場合(S64の「はい」)、制御部16は、リクエストの内容を取得する取得コマンドを通信部11に送信する。通信部11は、取得コマンドを乗せた内容取得パケットをDU2A1に送信する(S65)。
内容取得パケットを受信したDU2A1の通信部21は、リクエストの内容(発話要求)を内容取得パケットに乗せてCU1Aに送信する(S67)。DU2A1は、リクエストの内容をCU1Aに送信すると共に、リクエストフラグをクリアする(リクエストフラグ用のビットをオフにする)(S66)。
なお、リクエストフラグのクリアはDU2ではなく、CU1が行ってもよい。
通信部11は、内容取得パケットを受信して(S68)、リクエストの内容を制御部16に送信する。制御部16は、リクエストの内容を取得後にマスクを解除して(S69)、DU2A1に音声スロットと音声領域とを割り当てる(S70)。その後、DU2A1からの発話要求は、許可される。DU2A1の制御部26は、通信部21の状態を送信不可状態から送信可能状態に切換える。すなわち、DU2A1は、発話可能状態となる。
一方、制御部16は、音声スロットと音声領域とに空きがない場合(S64の「いいえ」)、音声スロットと音声領域とが空くのを待つ(DU2A1に対して何ら処理を行わない)。このとき、DU2A1は、自動的にリクエスト待ち状態となる。DU2A1の通信部21の状態は、送信不可状態である。
会議システムSは、音声スロットと音声領域とにDU2を割り当てた場合(S70)と、マスクを解除した場合(S71)と、のいずれかの処理の後、運用処理(S4)に戻る。
このように、会議システムSは、DU2からの発話要求を定期的なリクエストフラグの処理により取り込み、音声スロットと音声領域とが空いているときにのみCU1に内容取得コマンドをDU2に送信させる。すなわち、会議システムSは、発話要求のたびにコマンドを送信しない。そのため、会議システムSは、一度に複数のDU2から発話要求があっても情報処理の負荷が過剰とならない。
また、音声スロットと音声領域とに空きがないとき、発話要求をしたDU2は自動的にリクエスト待ち状態になる。そのため、会議システムSは、DU2からの全ての発話要求に応じる必要がなく、情報処理の負荷が軽減される。
さらに、DU2からの発話要求は、コマンドではなく、リクエストフラグのビットの処理により行われる。そのため、パケットにおけるリクエストフラグの占める領域を、例えば、数バイトとすることが可能となる。その結果、発話要求に対する会議システムSの情報処理の負荷は軽減される。
なお、本発明におけるリクエスト処理の流れは、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、音声スロットと音声領域との空きの確認(S64)は、内容取得パケットの送受信後に実行してもよい。
図30は、リクエスト処理におけるCU1Aの別の情報処理を示すフローチャートである。
同図に示すリクエスト処理(S6a)は、音声スロットと音声領域との空きの確認(S64a)が音声スロットと音声領域との割り当て(S70)の直前に実行される点を除き、図28に示すリクエスト処理と同じである。すなわち、同図に示すリクエスト処理(S6a)において、リクエストフラグの取り込み処理(S61)、マスク処理(S62)、リクエストの拒否の有無の確認処理(S63)、リクエストが拒否された場合(S63の「はい」)の処理(S71)、音声スロットと音声領域との割り当て処理(S70)は、図28に示すリクエスト処理(S6)と同じである。
リクエストが拒否されない場合(S63の「いいえ」)、制御部16は、取得コマンドを通信部11に送信する。通信部11は、取得コマンドを乗せた内容取得パケットをDU2A1に送信する(S65a)。
内容取得パケットを受信したDU2A1は、リクエストフラグをクリアして(S66)、リクエストの内容(発話要求)を内容取得パケットに乗せてCU1Aに送信する(S67)。
通信部11は、内容取得パケットを受信して(S68a)、リクエストの内容を制御部16に送信する。制御部16は、リクエストの内容を取得後にマスクを解除して(S69a)、音声スロットと音声領域との空きを確認する(S64a)。音声スロットと音声領域とに空きがある場合(S64aの「はい」)、制御部16は、音声スロットと音声領域とにDU2A1を割り当てる(S70)。このとき、DU2A1は、発話可能状態となる。一方、音音声スロットと声領域とに空きがない場合(S64aの「いいえ」)、制御部16は、音声スロットと音声領域とが空くのを待つ。
なお、本発明にかかる会議システムの各処理の流れは、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、会議システムSは、各処理をシリーズ処理ではなく、適切なパラレル処理で実行してもよい。
また、前述のとおり、CU1からDU2に送信される各種パケットは、カウンタフラグとリクエストフラグとを含む。すなわち、カウンタフラグのインクリメントによるDU2の接続状態の監視は、CU1からDU2に送信される各種パケットにおいて、コマンドの有無に関わらず常に行われる。また、リクエストフラグは、CU1からDU2に送信される各種パケットにおいて、常に付与可能である。
●リクエスト処理におけるDU2の発光部の動作
DU2の発光部28の発光状態は、リクエスト処理(S6)の間のDU2の動作状態に応じて変化する。すなわち、例えば、発光部28の発光パターンは、DU2がリクエスト待ち状態(送信不可状態)のときに点滅パターンとなり、DU2が発話可能状態(送信可能状態)のときに点灯パターンとなる。また、DU2のリクエストが拒否されたとき、発光部28の第1発光部28aのみがリクエスト待ち状態の点滅パターンよりも短い間隔で点滅し、使用者のみにリクエストが拒否されたことを報知する。リクエストフラグを付与していないDU2の発光部28の発光パターンは、消灯パターンやディマー点灯パターンを示す。このように、発光部28は、DU2の動作状況を視覚的に報知する報知部として機能する。
●複数のCUを備える会議システムの動作●
次に、複数のCU1を備える会議システムの動作について説明する。
図31は、複数のCU1を備える会議システムSの情報処理を示すフローチャートである。
会議システムSは、会議システムSの起動後に、初期化処理(S1)と、CU接続状態確認処理(S101)と、DU情報取得処理(S2)と、スレーブCU情報取得処理(S102)と、スレーブDU初期化処理(S103)と、スレーブDU情報取得処理(S104)と、スレーブCUのDB情報取得処理(S105)と、DU設定処理(S3)と、スレーブDU設定処理(S106)と、プライオリティ再設定処理(S107)と、運用処理(S4)と、を実行する。スレーブCUは、スレーブとして設定されたCU1である。スレーブDUは、スレーブとして設定されたCU1に接続されたDU2である。
なお、本発明にかかる会議システムの各処理の流れは、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、会議システムSは、各処理をシリーズ処理ではなく、適切なパラレル処理で実行してもよい。
以下、図1のCU1A(以下「マスターCU」という。)と、マスターCUに接続されたDU2A1−2A4(以下「マスターDU」という。)と、マスターCUに接続されたCU1B(以下「スレーブCU」という。)と、スレーブCUに接続されたDU2B1−2B4(以下「スレーブDU」という。)と、を例に説明する。
マスターDUは、マスターCUの第1端子と第2端子とに通信回線を介してリング接続される。スレーブDUは、スレーブCUの第1端子と第2端子とに通信回線を介してリング接続される。スレーブCUはマスターCUの第3端子に接続される。
マスターCU(CU1A)は、例えば、システム管理者などが後述するCUユニット情報を変更することによりマスターとして設定される。スレーブCU(CU1B)は、例えば、システム管理者などが後述するCUユニット情報を変更することによりスレーブとして設定される。複数のCUを備える会議システムSの制御は、マスターCUにより行われる。
●初期化処理
先ず、会議システムSは、マスターCUに接続されたマスターDUの初期化処理(S1)を実行する。初期化処理(S1)は、前述した初期化処理(図12)と同じである。
●CU接続状態確認処理
次いで、会議システムSは、CU接続状態確認処理(S101)を実行する。CU接続状態確認処理(S101)は、CU1に接続されている別のCU1の接続方式と接続台数とを認識する処理である。CU接続状態確認処理(S101)は、会議システムSの動作中、繰り返し実行される。
図32は、CU接続状態確認処理における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
マスターCUの制御部16は、CUの接続状態を確認するCU接続状態確認コマンドをマスターCUの通信部11に送信する。マスターCUの通信部11は、CU接続状態確認コマンドを乗せたCU接続状態確認パケットを第3端子からスレーブCUに送信する(S1011)。マスターCUの制御部16は、スレーブCUに対して送信するパケットに含まれるカウンタフラグのカウント値をリセットする。すなわち、CU1AからCU1Bに送信されるパケットに含まれるカウンタフラグのカウント値は、「0」である。CU1AからCU1Bに送信されるパケットに含まれるカウンタフラグは、マスターCUに接続されたスレーブCUの数のカウントに用いられる。
CU接続状態確認パケットを受信したスレーブCUの制御部16は、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S1012)。スレーブCUの通信部11は、インクリメントされたカウンタフラグを含むCU接続状態確認パケットをマスターCUに送信する。
マスターCUの通信部11は、第3端子を介してスレーブCUからCU接続状態確認パケットを受信する(S1013)。
マスターCUの制御部16は、マスターCUの通信部11が受信したCU接続状態確認パケットに含まれるカウンタフラグのカウント値などの情報を、マスターCUの記憶部13に記憶する。
マスターCUの制御部16は、前述したDU2の接続状態の認識(S17)と同様に、CU1の接続状態を認識する(S1014)。すなわち、例えば、マスターCUの制御部16は、カウンタフラグのカウント値に基づいて、1台のスレーブCUがデイジー接続されていることを認識する。
マスターCUの制御部16は、CU1の接続状態を認識したとき、各CU1の相対IDを生成する(S1015)。
マスターCUの制御部16は、CU1の接続方式と接続台数と相対IDとをマスターCUの記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S1016)。
CU接続状態確認処理(S101)は、会議システムSの動作中、定期的に繰り返し実行される。すなわち、CU接続状態確認パケットは、マスターCUとスレーブCUとの間で定期的に繰り返し送受信される。マスターCUの制御部16は、スレーブCUから接続状態確認パケットを受信するごとに、新たに取得したカウンタフラグのカウント値(以下「新CUカウント値」という。)と、マスターCUの記憶部13に記憶されているカウント値(以下「旧CUカウント値」という。)と、を比較する。新CUカウント値と旧CUカウント値とが一致するとき、マスターCUの制御部16は、CU1の接続状態に変更が無いと判定する。一方、新CUカウント値と旧CUカウント値とが一致しないとき(不一致のとき)、マスターCUの制御部16は、CU1の接続状態に変更が有ると判定する。マスターCUの制御部16は、新CUカウント値をマスターCUの記憶部13に記憶する。すなわち、マスターCUの制御部16は、新CUカウント値で旧CUカウント値を更新する。
スレーブCUに接続異常が発生したときや、新たなスレーブCUが接続されたときのように、スレーブCUの接続状態が変わったとき、新CUカウント値と旧CUカウント値との比較結果は、不一致となる。比較結果が不一致のとき、マスターCUの制御部16は、新たに認識したスレーブCUの接続状態で、記憶部13に記憶されているユニット接続情報DBに記憶されている情報を更新する。そのため、マスターCUは、スレーブCUに接続異常が発生した場合に、即座に接続異常の発生を認識すると共に、接続異常箇所を特定する。また、スレーブCUの接続状態の変更が発生したときに、マスターCUがユニット接続情報DBに記憶されている情報を更新することで、接続状態の変更の前後での音声情報の合成処理などの不具合は生じない。
●DU情報取得処理
次いで、会議システムSは、マスターDUのDU情報取得処理(S2)を実行する。DU情報取得処理(S2)は、前述したDU情報取得処理(図17)と同じである。
●スレーブCU情報取得処理
次いで、会議システムSは、スレーブCU情報取得処理(S102)を実行する。スレーブCU情報取得処理は、スレーブCUのCUユニット情報を取得する処理である。CUユニット情報は、CU1のシリアルナンバー(絶対ID)やMACアドレスなどである。
図33は、スレーブCU情報取得処理(S102)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
マスターCUの制御部16は、スレーブCUのCUユニット情報を取得する情報取得コマンドをマスターCUの通信部11に送信する。マスターCUの通信部11は、情報取得コマンドを乗せた情報取得パケットをスレーブCUに送信する(S1021)。
情報取得コマンドを受信したスレーブCUは、情報取得コマンドに従い、CUユニット情報を情報取得パケットに乗せてマスターCUに送信する(S1022)。
マスターCUの通信部11は、スレーブCUからの情報取得パケットを受信する(S1023)。マスターCUの通信部11は、CUユニット情報をマスターCUの制御部16に送信する。
制御部16は、CUユニット情報からスレーブCUの絶対IDを取得する(S1024)。制御部16は、ユニット接続情報DBを読み出して、絶対IDと相対IDとを関連付けてユニット接続情報DBに記憶する(S1025)。
●スレーブDU初期化処理
次いで、会議システムSは、スレーブDU初期化処理(S103)を実行する。スレーブDU初期化処理(S103)は、スレーブCUに接続されたスレーブDUのユニット設定を初期化すると共に、スレーブDUの接続状態を認識する処理である。
図34は、スレーブDU初期化処理(S103)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
マスターCUの制御部16は、スレーブDUの初期化を行う初期化コマンドをマスターCUの通信部11に送信する。マスターCUの通信部11は、初期化コマンドを乗せた初期化パケットを、第3端子からスレーブCUに送信する(S1031a)。
初期化パケットを受信したスレーブCUは、初期化パケットを第1端子と第2端子との双方向からスレーブDUに送信する(S1031b)。スレーブDUは、初期化コマンドに従いユニット設定を初期化すると共に、カウンタフラグのカウント値をインクリメントする(S1032)。スレーブDUは、カウンタフラグのカウント値をインクリメントした初期化パケットをスレーブCUに送信する。初期化パケットは、初期化処理(図12)と同様にスレーブDU間を伝送される。
スレーブCUの通信部11は、第1端子と第2端子とを介して、スレーブDUから初期化パケットを受信する(S1033b)。スレーブCUの制御部16は、スレーブCUの通信部11が受信した初期化パケットに含まれるカウンタフラグのカウント値などの情報をスレーブCUの記憶部13に記憶する。
スレーブCUの制御部16は、スレーブDUの接続状態を認識して(S1035b)、スレーブDUの相対IDを生成する(S1036b)。この相対IDは、スレーブCUがスレーブDUの制御に用いるIDである。
スレーブCUの制御部16は、スレーブDUの接続方式と接続台数と相対IDとを関連付けてスレーブCUの記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S1037b)。
スレーブCUの通信部11は、受信した初期化パケットをマスターCUに送信する(S1034b)。
マスターCUの通信部11は、第3端子を介して、スレーブCUから初期化パケットを受信する(S1033a)。マスターCUの通信部11は、受信した初期化パケットから得たカウンタフラグのカウント値などの情報をマスターCUの制御部16に送信する。マスターCUの制御部16は、カウンタフラグのカウント値などの情報をマスターCUの記憶部13に記憶する。
マスターCUの制御部16は、スレーブDUの接続状態を認識して(S1035a)、スレーブDUの相対IDを生成する(S1036a)。この相対IDは、マスターCUがスレーブDUの制御に用いるIDである。
マスターCUの制御部16は、スレーブDUの接続方式と接続台数と相対IDとを関連付けてマスターCUの記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S1037a)。
●スレーブDU情報取得処理
次いで、会議システムSは、スレーブDU情報取得処理(S104)を実行する。スレーブDU情報取得処理(S104)は、スレーブCUに接続されたスレーブDUのユニット情報を取得する処理である。
図35は、スレーブDU情報取得処理(S104)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
マスターCUの制御部16は、スレーブDUのユニット情報を取得する情報取得コマンドをマスターCUの通信部11に送信する。マスターCUの通信部11は、情報取得コマンドを乗せた情報取得パケットを、第3端子を介してスレーブCUに送信する(S1041a)。
情報取得パケットを受信したスレーブCUは、情報取得パケットを第1端子と第2端子との双方向からスレーブDUに送信する(S1041b)。スレーブDUは、情報取得コマンドに従いユニット情報を情報取得パケットに乗せてスレーブCUに送信する(S1042)。情報取得パケットは、DU情報取得処理(図17)と同様にスレーブDU間を伝送される。
スレーブCUの通信部11は、スレーブDUからの情報取得パケットを受信する(S1043b)。
スレーブCUの制御部16は、スレーブCUの通信部11が受信した情報取得パケットに含まれるユニット情報からスレーブDUの絶対IDを取得する(S1045b)。制御部16は、絶対IDと相対IDとを関連付けてスレーブCUの記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S1046b)。すなわち、スレーブCUの制御部16は、スレーブCUにおける相対IDと絶対IDとの関連付けを更新する。そのため、マスターCUとスレーブCUとの接続状態に変更が生じても、スレーブCUは、スタンドアローンで動作可能である。その結果、スレーブCUの接続状態の変更の前後において、音声情報の合成処理などの情報の不具合は生じない。
スレーブCUの通信部11は、情報取得パケットをマスターCUに送信する(S1044b)。
マスターCUの通信部11は、第3端子を介して、スレーブCUから情報取得パケットを受信する(S1043a)。
マスターCUの制御部16は、マスターCUの通信部11が受信した情報取得パケットに含まれるユニット情報から絶対IDを取得する(S1045a)。マスターCUの制御部16は、絶対IDと相対IDとを関連付けてマスターCUの記憶部13のユニット接続情報DBに記憶する(S1046a)。
図36は、スレーブDU情報取得処理後のマスターCUの記憶部13に記憶される情報の例を示す図である。同図は、スレーブCU(ID「2」)の端子番号「1」「2」にリング接続された4台のDU2の相対ID「5」「6」「7」「8」がそれぞれ絶対ID「E」「F」「G」「H」と関連付けられていることを示す。同図は、端子番号「3」にデイジー接続された1台のCU1の相対ID「1」が絶対ID「β」と関連付けられていることを示す。
●スレーブCUのDB情報取得処理
次いで、会議システムSは、スレーブCUのDB情報取得処理(S105)を実行する。スレーブCUのDB情報取得処理(S105)は、マスターCUが、スレーブCUの保有するユニット設定情報DBに記憶されたスレーブDUのユニット設定情報を取得する処理である。
図37は、スレーブCUのDB情報取得処理(S105)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
マスターCUの制御部16は、スレーブCUのユニット設定情報を取得するDB情報取得コマンドをマスターCUの通信部11に送信する。マスターCUの通信部11は、DB情報取得コマンドを乗せたDB情報取得パケットを、第3端子を介してスレーブCUに送信する(S1051)。
スレーブCUの制御部16は、スレーブCUの記憶部13からユニット設定情報DBを読み出して、マスターCUに指定されたスレーブDUのユニット設定情報をスレーブCUの通信部11に送信する。スレーブCUの通信部11は、スレーブDUのユニット設定情報を乗せたDB情報取得パケットをマスターCUに送信する(S1052)。
マスターCUの通信部11は、第3端子を介して、スレーブCUからDB情報取得パケットを受信する(S1053)。マスターCUの通信部11は、受信したDB情報取得パケットから得たスレーブDUのユニット設定情報をマスターCUの制御部16に送信する。
マスターCUの制御部16は、マスターCUの通信部11が受信したDB情報取得パケットに含まれるスレーブDUのユニット設定情報を、マスターCUの記憶部13のユニット設定情報DBに記憶する(S1054)。この処理により、マスターCUは、スレーブCUの保有するスレーブDUのユニット設定情報を特定することができる。
●DU設定処理
次いで、会議システムSは、マスターCUに接続されたマスターDUのDU設定処理(S3)を実行する。DU設定処理(S3)は、前述したDU設定処理(図20)と同じである。
●スレーブDU設定処理
次いで、会議システムSは、スレーブDU設定処理(S106)を実行する。スレーブDU設定処理(S106)は、スレーブCUに接続されたスレーブDUの設定を行う処理である。
図38は、スレーブDU設定処理(S106)における会議システムSの情報処理を示すシーケンス図である。
マスターCUの制御部16は、マスターCUの記憶部13からユニット設定情報DBを読み出して(S1061)、スレーブDUの設定を行うユニット設定コマンドをマスターCUの通信部11に送信する。マスターCUの通信部11は、ユニット設定コマンドを乗せた設定パケットを、スレーブCUに送信する(S1062a)。
設定パケットを受信したスレーブCUは、設定パケットをスレーブDUに送信する(S1062b)。設定パケットを受信したスレーブDUは、ユニット設定コマンドに従い、ユニット設定を変更する(S1063)。
スレーブCUの通信部11は、ユニット設定の変更を実行したスレーブDUから設定パケットを受信する(S1064b)。
スレーブCUの通信部11は、受信した設定パケットをマスターCUに送信する(S1065b)。
マスターCUの通信部11は、スレーブCUから設定パケットを受信する(S1064a)。
●プライオリティ再設定処理
次いで、会議システムSは、プライオリティ再設定処理(S107)を実行する。プライオリティ再設定処理(S107)は、CU1同士の接続状態に変更が生じた(新CUカウント値と旧CUカウント値とが不一致となった)場合に、各CU1のプライオリティの設定と、会議システムS全体のプライオリティの設定と、の間に生ずる矛盾状態の解消を自動的に行う処理である。矛盾状態は、プライオリティが設定されたDU2の数が、発話可能最大数と同じ、もしくは発話可能最大数よりも多い状態である。すなわち、例えば、矛盾状態は、会議システムS全体の発話可能最大数が5台のとき、会議システムS全体のプライオリティが設定されたDU2の数が7台となるような状態である。この矛盾状態は、例えば、4台のDU2にプライオリティが設定されたCU1に、3台のDU2にプライオリティが設定されたCU1を接続した場合に生じ得る。
図39は、会議システムSが備えるCU1のプライオリティ再設定処理におけるCU1の情報処理を示すフローチャートである。
マスターCUの制御部16は、マスターCUの記憶部13からユニット設定情報DBを読み出す(S1071)。マスターCUの制御部16は、ユニット設定情報DBを参照して、プライオリティが設定されているDU2の数(以下「プライオリティ設定数」という。)と、マスターCUに設定される会議システムS全体の最大話者設定数と、を比較する(S1072)。
プライオリティ設定数が最大話者設定数以上のとき(S1072の「はい」)、マスターCUの制御部16は、ユニット設定情報DBにユニット設定情報が記憶されているDU2のうち、現在接続されていないDU(以下「非接続DU」という。)2のプライオリティの設定を1台ずつオフにする(S1073)。非接続DU2のプライオリティの設定をオフにする処理は、相対IDの数値の大きいCU1(本実施の形態ではCU1B)のユニット設定情報DBにユニット設定情報が記憶されているDU2から順に実行される。すなわち、スレーブCUに接続されているスレーブDUの処理(プライオリティの更新)は、マスターCUに接続されているマスターDUの処理(プライオリティの更新)よりも、優先される。
プライオリティ設定数が最大話者設定数よりも小さいとき(S1072の「いいえ」)、会議システムSは、プライオリティ再設定処理(S107)を終了する。
次いで、マスターCUの制御部16は、プライオリティ設定数と最大話者設定数とを比較する(S1074)。プライオリティ設定数が最大話者設定数以上のとき(S1074の「はい」)、マスターCUの制御部16は、非接続DU2の残数を確認(特定)する(S1075)。非接続DU2の残数が有るとき(S1075の「はい」)、マスターCUの制御部16は、非接続DU2のプライオリティの設定をオフにする処理を続ける(S1073)。
非接続DU2の残数が無いとき(S1075の「いいえ」)、マスターCUの制御部16は、現在接続されているDU(以下「接続DU」という。)2のプライオリティの設定を1台ずつオフにする(S1076)。接続DU2のプライオリティの設定をオフにする処理は、相対IDの数値の大きいCU1に接続されているDU2のうち、相対IDの大きいDU2から順に実行される。
次いで、マスターCUの制御部16は、プライオリティ設定数と最大話者設定数とを比較する(S1077)。プライオリティ設定数が最大話者設定数以上のとき(S1077の「はい」)、マスターCUの制御部16は、接続DU2のプライオリティの設定をオフにする処理を続ける(S1076)。
プライオリティ設定数が最大話者設定数よりも小さくなったとき(S1074の「いいえ」、S1077の「いいえ」)、マスターCUの制御部16は、マスターCUの記憶部13のユニット設定情報DBに記憶されているユニット設定情報を更新する。スレーブCUの制御部16は、マスターCUの記憶部13のユニット設定情報DBに記憶されているユニット設定情報の更新に連動して、スレーブCUの記憶部13のユニット設定情報DBに記憶されているユニット設定情報を更新する。その結果、各CU1の記憶部13に記憶されるDU2ごとのプライオリティの設定は、更新される。会議システムSは、プライオリティ再設定処理(S107)を終了する。
このように、会議システムSは、CU1同士の接続状態の変更があった場合に、自動的にDU2のプライオリティの設定を変更する。換言すれば、会議システムSは、新CUカウント値と旧CUカウント値とが不一致のとき、発話可能なDU2ごとのプライオリティの設定を更新する。そのため、本発明にかかる会議システムでは、前述した矛盾状態が生じない。また、会議システムSは、システム管理者による、CU1同士の接続状態に応じたプライオリティの設定を不要にする。そのため、システム管理者のプライオリティ再設定の負担は軽減される。
なお、プライオリティ再設定処理は、CU接続状態確認処理においてスレーブCUの接続台数が減少したとき、すなわち、マスターCUの記憶部13に記憶されているスレーブCUの接続台数(旧CUカウント値)が新たに認識されたスレーブCUの接続台数(新CUカウント値)よりも大きいとき(不一致のとき)、実行される態様でもよい。すなわち、例えば、プライオリティ再設定処理は、スレーブCUの接続台数が減少したとき、接続台数の変更前後でのプライオリティが設定されたDU2の数が同じとなるように処理してもよい。具体的には、プライオリティ再設定処理は、マスターCUの記憶部13に記憶されているマスターDUの優先権限のうち、一部のマスターDUの優先権限の優先順位を上げる(または、プライオリティの設定をオンにする)ように処理してもよい。
また、プライオリティ再設定処理は、CU接続状態確認処理においてスレーブCUの接続台数の増加が確認されたとき、マスターCUの記憶部13に記憶されているマスターDUの優先権限のうち、一部のマスターDUの優先権限の優先順位を下げる(または、プライオリティの設定をオフにする)ように処理してもよい。すなわち、マスターCUの記憶部13に記憶されているスレーブCUの接続台数(旧CUカウント値)が新たに認識したスレーブCUの接続台数(新CUカウント値)よりも小さいとき(不一致のとき)、プライオリティ再設定処理は、前述のスレーブDUから優先権限の優先順位を下げるのではなく、一部のマスターDUの優先権限の優先順位を下げる(または、プライオリティの設定をオフにする)ように処理してもよい。
●運用処理
次いで、会議システムSは、運用処理(S4)を実行する。運用処理(S4)は、マスターCUがスレーブCUやスレーブDUの接続状態やスレーブDUの音声情報などを管理する点を除き、前述した運用処理(図22)と同じである。すなわち、マスターCUは、マスターDUとの間で運用パケットを繰り返し送受信すると共に、スレーブCUを介してスレーブDUとの間で運用パケットを繰り返し送受信する。このとき、スレーブCUは、スレーブDUとの間で運用パケットを繰り返し送受信する。
●会議モード●
会議システムSは、会議モードを備える。会議モードは、会議システムSの動作を規定する各種の設定項目のうち、設定項目「オーバーライド」「マイクオントリガー(プライオリティ設定)」「マイクオントリガー(プライオリティ非設定)」の各設定内容の組合せを特定する情報(組合情報)である。換言すれば、会議システムSは、会議モードに基づいて、オーバーライド、マイクオントリガー(プライオリティ設定)、マイクオントリガー(プライオリティ非設定)の各設定内容の組合せを特定する。設定項目のそれぞれについては、後述する。
図40は、会議モードの例を示す模式図である。
同図は、会議システムSが3つの会議モード「フリートークモード」と、「リクエストトークモード」と、「フルリモートモード」と、を備えることを示す。同図は、会議モードごとのオーバーライド、マイクオントリガー(プライオリティ設定)、マイクオントリガー(プライオリティ非設定)の各設定内容の組合せを示す。
同図は、例えば、会議モード「フリートークモード」の場合、設定項目「オーバーライド」の設定内容として、「オフ」「オン/FIFO」「オフ/LIFO」のいずれかが選択可能であることを示す。また、同図は、例えば、会議モード「リクエストトークモード」の場合、設定項目「マイクオントリガー(プライオリティ設定)」の設定内容として、「手動トリガー」「自動トリガー」のいずれかが選択可能であることを示す。さらにまた、同図は、例えば、会議モード「フルリモートモード」の場合、設定項目「マイクオントリガー(プライオリティ非設定)」は、設定不可であることを示す。同図に示される設定項目ごとの各設定内容については、後述する。
会議システムSは、会議モードが選択される前に、予め、図40に示される会議モードを特定する情報と各設定項目の設定内容との組合せを示す情報を、CU1の記憶部13に記憶する。会議システムSは、システム管理者などが操作して操作端末4から入力された会議モードを特定する情報、すなわち、組合情報に基づいて記憶部13を参照し、同会議モードに対応する「オーバーライド」「マイクオントリガー(プライオリティ設定)」「マイクオントリガー(プライオリティ非設定)」の各設定内容を特定する。すなわち、記憶部13は、組合情報と、設定項目ごとの設定内容を特定する情報と、を関連付けて記憶する。
●設定項目「オーバーライド」
オーバーライドは、リクエストフラグを付与したDU2に対する、音声スロットと音声領域との割り当てにおいて、オーバーライドの「オン」・「オフ」を決定する割当方式に関する設定項目である。
オーバーライドは、音声スロットと音声領域とに空きのない状態で発話要求があった(運用パケットにリクエストフラグが付与された)ときに、すでに音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2の発話の終了を待たずに、発話要求があったDU2に音声スロットと音声領域とを割り当てる処理である。オーバーライドは、「オン」のときの割当方式と、「オフ」のときの割当方式と、含む。オーバーライドが「オン」のとき、オーバーライドは、FIFO(First In First Out)と、LIFO(Last In First Out)のいずれか一方の割当方式に応じた処理を行う。
FIFOは、すでに音声スロットと音声領域とが割り当てられているDU2のうち、最初に発話が許可されたDU2の音声スロットと音声領域との割り当てが外される割当方式である。FIFOでは、音声スロットと音声領域とが割り当てられているDU2は、ところてん式に音声スロットと音声領域との割り当てが外される。
LIFOは、すでに音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2のうち、最後に発話が許可されたDU2の音声スロットと音声領域との割り当てが外される割当方式である。LIFOでは、音声スロットと音声領域とのうち、最後の空き音声スロットと音声領域とが割り当てられた(1つ前のタイミングで発話が許可された)DU2のみが入れ替わる。
一方、オーバーライドが「オフ」のときの割当方式は、すでに音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2のうち、発話が終了したDU2の音声スロットと音声領域の割り当てが外される割当方式である。すなわち、発話要求があったDU2には、すでに音声スロットと音声領域とが割り当てられたDU2(aとする)の発話の終了を待って、発話の終了したDU2(a)に割り当てられていた音声スロットと音声領域とが割り当てられる。つまり、前述したリクエスト処理(図28)は、オーバーライドが「オフ」のときに実行される処理である。
複数の割当方式のうちのいずれかの割当方式を特定する情報(以下「割当方式情報」という。)は、組合情報と関連付けられて、記憶部13に記憶される。例えば、会議モード「フリートークモード」は、設定項目「オーバーライド」の設定内容「オフ」「オン/FIFO」「オン/LIFO」それぞれに対応する割当方式と関連付けられる。割当方式情報は、前述した制御情報に含まれる情報である。すなわち、例えば、設定項目「オーバーライド」において設定内容「オン/FIFO」が選択された場合、会議システムSは、音声スロットと音声領域との割り当てがところてん式に外される割当方式に従って、発話要求のあったDU2に音声スロットと音声領域とを割り当てる。
●設定項目「マイクオントリガー」
マイクオントリガーは、運用パケットにリクエストフラグを付与(発話要求)するためのトリガーの設定、すなわち、リクエストフラグの付与方式に関するモードである。マイクオントリガーは、プライオリティが設定されたDU(以下「プライオリティ設定DU」という。)2pに対する設定項目「マイクオントリガー(プライオリティ設定)」と、プライオリティが設定されていないDU(以下「プライオリティ非設定DU」という。)2nに対する設定項目「マイクオントリガー(プライオリティ非設定)」と、を含む。マイクオントリガーは、DU2に取り付けられたマイクロホン3をオンにするためのトリガーであり、前述した「手動トリガー」と「自動トリガー」との2つの付与方式を含む。マイクオントリガーでは、「手動トリガー」と「自動トリガー」いずれか一方の付与方式が選択される。
複数の付与方式のうちのいずれかの付与方式を特定する情報(以下「付与方式情報」という。)は、組合情報と関連付けられて、記憶部13に記憶される。例えば、会議モード「リクエストトークモード」は、設定項目「マイクオントリガー(プライオリティ設定)」の設定内容「手動トリガー」に対応する付与方式と関連付けられる。付与方式情報は、前述した制御情報に含まれる情報である。付与方式情報は、割当方式情報と関連付けられて記憶部13に記憶される。
●会議モード「フリートークモード」
フリートークモードは、音声スロットが割り当てられたDU2の使用者が自由に発言可能な会議モードである。プライオリティ設定DU2pには、常時、音声スロットと音声領域とが割り当てられる。プライオリティ非設定DU2nには、選択される割当方式に応じて音声スロットと音声領域とが割り当てられる。フリートークモードでは、音声スロットと音声領域とが自動的に割り当てられるため、発話要求の拒否という状況が発生しない。そのため、操作端末4は、フリートークモードにおいては必ずしも必要ではない。
フリートークモードにおける設定項目「オーバーライド」は、「オフ」と、「オン/FIFO」と、「オン/LIFO」と、の3つの設定内容のうち、いずれか1つ選択される。
フリートークモードにおける設定項目「マイクオントリガー」は、各DU2に個別に設定される。すなわち、例えば、手動トリガーが選択されたDU2と、自動トリガーが選択されたDU2とが混在してもよい。
●会議モード「リクエストトークモード」
リクエストトークモードは、プライオリティ非設定DU2nの発話要求が手動トリガーにて行われる会議モードである。プライオリティ設定DU2pには、常時、音声スロットと音声領域とが割り当てられる。プライオリティ非設定DU2nには、操作端末4からの要求に基づいて、発話要求の許可と拒否との選択が行われる。
リクエストトークモードにおける設定項目「オーバーライド」では、設定内容「オフ」が選択できない。すなわち、リクエストトークモードでは、オーバーライドの設定内容として、「オン/FIFO」と「オン/LIFO」のいずれか1つが選択される。
リクエストトークモードにおける設定項目「マイクオントリガー」では、プライオリティ非設定DU2nの設定は、手動トリガーのみ選択される。
●会議モード「フルリモートモード」
フルリモートモードは、操作端末4からの操作によりプライオリティ非設定DU2nの発話が可能となる会議モードである。プライオリティ設定DU2pでは、常時、音声スロットと音声領域とが割り当てられる。プライオリティ非設定DU2nでは、操作端末4からの要求に基づいて、発話の許可が行われる。
フルリモートモードにおける設定項目「オーバーライド」では、設定内容「オフ」が選択できない。すなわち、フルリモートモードでは、オーバーライドの設定内容として、「オン/FIFO」と「オン/LIFO」のいずれか1つが選択される。
フルリモートモードにおける設定項目「マイクオントリガー」では、プライオリティ非設定DU2nのトリガーの設定ができない。
●会議モードに基づく会議システムの動作●
次に、会議モードに基づく会議システムの動作について説明する。会議システムSは、複数の会議モードの中から選択された会議モードに応じて定まる、各DU2の音声スロットと音声領域との割当方式や、リクエストフラグの付与方式に基づいて動作する。
図41は、会議モードの選択(S200)の情報処理を示すフローチャートである。
会議モードの選択(S200)は、例えば、前述の会議システムSにより実行される情報処理において、DU情報取得処理(図17、図18)とDU設定処理(図20、図21)との間に実行される。
先ず、操作端末4は、システム管理者などの操作により、操作端末4に接続されているCU1(マスターCU)の記憶部13から組合情報を読み出して、記憶部43に記憶する(S2001)。
次いで、会議モードが選択される(S2002)。すなわち、例えば、操作端末4は、後述する準備画面を介して、システム管理者などにフリートークモード(S201)と、リクエストトークモード(S202)と、フルリモートモード(S203)と、の中から会議内容などに基づいて、1の会議モードを選択させる。操作端末4の制御部46は、記憶部43に記憶されている複数の組合情報の中から、選択された会議モードに応じた組合情報を特定する(S2003)。ここで、例えば、図40に示す会議モード「フリートークモード」が選択されたとき、操作端末4の制御部46は、各DU2の設定項目「オーバーライド」の設定内容として、システム管理者などに「オフ」「オン/FIFO」「オン/LIFO」の中から選択させる画面を表示部44に表示させる。同様に、操作端末4の制御部46は、各DU2の設定項目「マイクオントリガー(プライオリティ設定)」と「マイクオントリガー(プライオリティ非設定)」との設定内容として、システム管理者などに「手動トリガー」「自動トリガー」の中から選択させる画面を表示部44に表示させる。表示部44に表示された画面が操作されることで、DU2ごとの音声スロットと音声領域との割当方式やリクエストフラグの付与方式が決定される。操作端末4の通信部41は、決定されたDU2ごとの音声スロットと音声領域との割当方式と、リクエストフラグの付与方式とを、特定された組合情報として、CU1に送信する(S2004)。CU1は、操作端末4から受信した組合情報をDU2ごとのユニット設定情報として記憶部13に記憶する(すでにユニット設定情報が記憶されているDU2に関しては、記憶部13に記憶されているユニット設定情報が更新される)。CU1は、更新されたユニット設定情報に基づいて、前述のDU設定処理(図20、21)を実行し、DU2ごとのユニット設定を変更する。その結果、会議システムSは、選択された会議モードに基づいて動作する。
●会議モード「フリートークモード」のとき
前述したとおり、DU2は、個別に設定されたマイクオントリガーに基づいて発話要求を行う。
図42は、フリートークモードにおけるCU1の情報処理を示すフローチャートである。
先ず、CU1の制御部16は、DU2からの発話要求を待つ(S2011の「いいえ」)。DU2から発話要求があったとき(S2011の「はい」)、CU1の制御部16は、発話要求を行ったDU2がプライオリティ設定DU2pか、プライオリティ非設定DU2nか、を確認する(S2012)。
発話要求を行ったDU2がプライオリティ設定DU2pのとき(S2012の「はい」)、CU1の制御部16は、プライオリティ設定DU2pに、既定の音声スロットと音声領域とを割り当てる(S2013)。
発話要求を行ったDU2がプライオリティ非設定DU2nのとき(S2012の「いいえ」)、CU1の制御部16は、音声スロットと音声領域との空きを確認する(S2014)。
音声スロットと音声領域とに空きがあるとき(S2014の「はい」)、CU1の制御部16は、プライオリティ非設定DU2nに、空いている音声スロットと音声領域とを割り当てる(S2015)。
音声スロットと音声領域とに空きがないとき(S2014の「いいえ」)、CU1の制御部16は、プライオリティ非設定DU2nのオーバーライドの設定内容を確認する(S2016)。
オーバーライドの設定内容が「オン」のとき(S2016の「はい」)、CU1の制御部16は、FIFOとLIFOのいずれかの設定内容に応じて、プライオリティ非設定DU2nに音声スロットと音声領域とを強制的に割り当てる(オーバーライド)(S2017)。
オーバーライドの設定内容が「オフ」のとき(S2016の「いいえ」)、CU1の制御部16は、再度、音声スロットと音声領域との空きを確認する(S2014)。このとき、プライオリティ非設定DU2nは、音声スロットと音声領域とが空くまで発話待ち状態(リクエスト待ち状態)となる。
●会議モード「リクエストトークモード」のとき
前述したとおり、リクエストトークモードでは、プライオリティ非設定DU2nのマイクオントリガーは、予め手動モードに設定される。プライオリティ設定DU2pのマイクオントリガーは、予め、自動モードと手動モードのいずれか一方に設定される。
図43は、リクエストトークモードにおけるCU1の情報処理を示すフローチャートである。
CU1の制御部16は、DU2からの発話要求を待つ(S2021の「いいえ」)。DU2から発話要求があったとき(S2021の「はい」)、CU1の制御部16は、発話要求を行ったDU2がプライオリティ設定DU2pか、プライオリティ非設定DU2nか、を確認する(S2022)。
発話要求を行ったDU2がプライオリティ設定DU2pのとき(S2022の「はい」)、CU1の制御部16は、プライオリティ設定DU2pに既定の音声スロットと音声領域とを割り当てる(S2023)。
発話要求を行ったDU2がプライオリティ非設定DU2nのとき(S2022の「いいえ」)、CU1の制御部16は、プライオリティ非設定DU2nを発話要求リストにリストアップする(S2024)。発話要求リストは、例えば、発話要求を行ったDU2を要求順に並べた表である。
発話要求リストにリストアップされたプライオリティ非設定DU2nは、発話要求の許可と拒否のいずれか一方が選択されるまで、リクエスト待ち状態となる。発話要求の許可と拒否とは、例えば、議長などの操作端末4の操作により選択される。
発話要求の許可が選択されたとき(S2025の「はい」)、CU1の制御部16は、FIFOとLIFOのいずれかの設定内容に応じて、そのプライオリティ非設定DU2nに音声スロットと音声領域とを強制的に割り当てる(S2026)。このとき、CU1の制御部16は、発話要求が許可されたプライオリティ非設定DU2nを発話要求リストから削除する(S2027)。
発話要求が拒否されたとき(S2025の「いいえ」)、CU1の制御部16は、そのプライオリティ非設定DU2nを発話要求リストから削除する(S2028)。
●会議モード「フルリモートモード」のとき
前述のとおり、フルリモートモードでは、プライオリティ非設定DU2nのマイクオントリガーは、何も設定されない(オフ)。すなわち、プライオリティ非設定DU2nは、発話要求をすることができない。プライオリティ設定DU2pのマイクオントリガーは、予め、自動モードと手動モードのいずれか一方に設定される。
図44は、フルリモートモードにおけるCU1の情報処理を示すフローチャートである。
先ず、CU1の制御部16は、DU2からの発話要求と、操作端末4からの要求と、のいずれかの要求を待つ(S2031の「いいえ」)。要求があったとき(S2031の「はい」)、CU1の制御部16は、その要求がDU2からの発話要求と、操作端末4からの要求と、のどちらかの確認を行う(S2032)。前述のとおり、発話要求は、プライオリティ設定DU2pのみが行う。操作端末4からの要求は、プライオリティ非設定DU2nに対して行われる。
要求が発話要求であるとき(S2032の「発話要求」)、CU1の制御部16は、発話要求を行ったプライオリティ設定DU2pに既定の音声スロットと音声領域とを割り当てる(S2033)。
要求が操作端末4からの要求であるとき(S2032の「端末操作」)、CU1の制御部16は、音声スロットと音声領域との空きを確認する(S2034)。
音声スロットに空きがあるとき(S2034の「はい」)、CU1の制御部16は、操作端末4により発話が要求されているプライオリティ非設定DU2nに空いている音声スロットと音声領域とを割り当てる(S2035)。
音声スロットと音声領域とに空きがないとき(S2034の「いいえ」)、CU1の制御部16は、FIFOとLIFOのいずれかの設定内容に応じて、そのプライオリティ非設定DU2nに音声スロットと音声領域とを強制的に割り当てる(S2036)。
●会議モードのまとめ
このように、会議システムSは、マイクオントリガーモードと、オーバーライドモードと、の設定内容が組み合わされた選択可能な複数の会議モードを備える。そのため、例えば、総務部門の社員などであって、会議の開始直前に会議システムSの動作設定の準備を行う者は、複数の会議モードの中から最適な会議モードを適宜選択することで、容易に会議システムSの動作設定の準備を行うことができる。
●操作端末の入力画面●
会議システムSの動作を制御する各種の制御情報は、例えば、操作端末4の表示部44に表示される入力画面を介して入力されて、CU1の記憶部13に記憶される。入力画面は、制御情報の入力・変更の際に、システム管理者などに用いられる画面である。すなわち、例えば、入力画面は、CU1やDU2の設定の入力のための画面である。前述のとおり、制御情報は、例えば、会議システムSのシステム設定に関する情報や、プライオリティに関する情報、発話要求リストなどを含む。操作端末4の制御部46は、入力画面に対応した制御情報をCU1の記憶部13から読み出して、表示部44に表示させる。
入力画面は、例えば、会議システム初期設定画面(以下「初期画面」という。)と、会議準備画面(以下「準備画面」という。)と、会議進行画面(以下「進行画面」という。)と、を含む。操作端末4の制御部46により、後述する所定の条件に基づいて、1の入力画面が選択される。すなわち、例えば、制御部46は、所定の条件が成立したか否かを判定し、その判定の結果に基づいて、表示部44に表示される入力画面を、初期画面と準備画面と進行画面との中から選択する。所定の条件は、例えば、CU1とDU2と間の物理的・通信的な接続の状態(接続の有無など)、特定の項目の設定の完了、DU2の接続状態の異常の発生、特定のDU(例えば、通訳ユニットなど)の接続状態などである。すなわち、例えば、制御部46は、複数の制御情報のうち特定の制御情報がCU1の記憶部13に記憶されている否かを判定した結果や、ユニット接続部12bにDU2が接続しているか否かの判定の結果や、ユニット接続部12bに複数のDU2のうちの特定のDU2が接続しているか否かの判定の結果や、ユニット接続部12bに接続しているDU2の接続異常が発生しているか否かの判定の結果、などに基づいて、表示部44に表示される入力画面を選択する。
図45は、会議システムSが備える操作端末4の表示部44に表示される入力画面の選択画面を示す模式図である。
同図は、選択できる項目を実線で、選択できない項目を破線で示す。
会議システムSが起動すると、操作端末4の表示部44に選択画面が表示される。選択画面は、例えば、システム管理者や会議システムSの動作設定の準備を行う者などが、初期画面と、準備画面と、進行画面と、の中からいずれかの画面の選択を行う画面である。
選択画面に選択可能に表示される入力画面は、例えば、CU1とDU2との通信状態に応じて、変化する。すなわち、例えば、CU1とDU2とが通信不可能であるとき、選択画面に表示される入力画面のうち、初期画面のみが選択可能である。CU1とDU2とが通信不可能とは、例えば、CU1にDU2が接続されていない状態などをいう。CU1とDU2とが通信可能であるとき、選択画面に表示される入力画面のうち、準備画面と進行画面とが選択可能である。CU1とDU2とが通信可能とは、例えば、CU1にDU2が接続されている状態などをいう。選択画面に選択可能に表示される入力画面は、操作端末4の制御部46により決定される。このように、選択可能な入力画面が所定の条件に応じて変化することで、情報の入力を行う者の入力画面の選択が容易になると共に、所定の条件に基づいた各種の設定を行うことができるため、設定される内容同士が矛盾するなどの誤操作や誤入力が低減される。
なお、本実施の形態における選択画面では、例えば、ログイン画面に入力される認証情報などにより、選択できる入力画面が変化してもよい。
また、選択画面は、例えば、CU1と複数のDU2とが通信可能であるとき、プライオリティの設定に関する情報が入力される画面を表示してもよい。
さらに、選択画面は、例えば、CU1と複数のDU2とが通信不可能であるとき、初期画面に通信情報が入力される画面を表示してもよい。
さらにまた、選択画面は、例えば、通訳ユニットなどの特定の用途に対応したDUがCU1に接続されたとき、特定の用途に対応した設定に関する情報が入力される画面を表示する態様でもよい。
さらにまた、選択画面で選択可能な入力画面は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、選択画面で選択可能な入力画面は、メンテナンス画面などの他の入力画面を含んでもよい。
●初期画面
図46は、初期画面の模式図である。
初期画面は、例えば、システム管理者が会議システムSの設定を入力・変更する画面である。初期画面で表示される情報は、会議システムSのシステム設定に関する情報、例えば、サブネットマスクなどのCU1がDU2を特定するために(CU1とDU2とが通信するために)用いる通信情報や、ファームウェアに関する情報、CU1の端子設定情報、などの会議システムSの初期設定のための情報である。
初期画面において情報の入力が完了することで、CU1とDU2とは通信可能となる。初期画面において情報の入力が完了することで、選択画面において、準備画面と進行画面とが選択可能となる。
●準備画面
図47は、準備画面の模式図である。
準備画面は、例えば、会議システムSの動作設定の準備を行う者が、各DU2の設定を入力する画面である。準備画面で表示される情報は、各DU2のユニット設定情報、例えば、プライオリティの設定に関する情報や、マイクオントリガーの設定に関する情報、DU2の発光部28の発光色などの報知情報などである。これらの情報は、例えば、DU2の相対IDに関連付けられて準備画面内に表示される。
準備画面に表示されるユニット設定情報、例えば、CU1に過去に接続されたDU2のユニット設定情報は、ユニット設定情報DBに記憶されている情報である。一方、CU1に新たに接続されたDU2のユニット設定情報は、前述のとおり、DU2の出荷時の設定(初期値)である。
図48は、情報入力後の準備画面の模式図である。
同図は、図47に示す準備画面から新たに入力された情報をアンダーラインで示す。
●進行画面
図49は、進行画面の模式図である。
進行画面は、例えば、議長などの会議の進行を行う者が、各DU2の動作を制御する情報を入力する画面である。進行画面に表示される情報は、各DU2の制御に関する情報、例えば、発話要求リストや会議モードに関する情報などである。
進行画面は、例えば、前述した会議モードのリクエストトークモードやフルリモートモードが選択されたときに議長などに使用される。例えば、操作端末4は、進行画面に発話要求リストを表示して、発話要求に対する許可と拒否とを進行画面内で議長に選択させる。
●入力画面のまとめ
このように、会議システムSでは、所定の条件に基づいて、操作端末4の制御部46により1の入力画面が選択される。そのため、会議システムSは、入力された設定内容同士の矛盾を回避する。すなわち、本実施の形態にかかる会議システムは、簡易な構成で確実な設定作業を実現する。
なお、本発明における各入力画面は、画面に表示される項目に応じて、GUI(Graphic User Interface)の表示態様が異なっていてもよい。すなわち、例えば、会議システムSは、初期画面はアコーディオン形式、準備画面はウィザード形式、進行画面はタブ形式で表示してもよい。
また、本発明における各入力画面は、操作端末4を操作する者の権限に応じて、表示部44に表示される項目が異なっていてもよい。その結果、操作端末4を操作する者の権限に相違する情報の入力や変更は、防止される。
●まとめ
以上説明した実施の形態によれば、会議システムSは、CU1からDU2へカウンタフラグを含むパケットを定期的に伝送して、相対IDと絶対IDとを関連付けたデータベースに記憶された情報を更新する。会議システムSでは、DU2に接続異常が発生して相対IDに変更が生じても、相対IDと絶対IDとの関連付けが更新されるため、DU2の接続状態の変更の前後における音声情報などの情報の齟齬は生じない。すなわち、本発明にかかる会議システムは、CUとDU2の接続状態を確実に管理すると共に、接続異常が発生した場合にDUからの情報を継続的に取得可能である。
また、以上説明した実施の形態によれば、会議システムSは、CU1同士の接続や切断があった場合に、自動的にプライオリティの設定を変更する。そのため、本発明にかかる会議システムでは、前述した矛盾状態が生じない。また、本発明にかかる会議システムは、システム管理者による、CU同士の接続状態に応じたプライオリティの設定を不要とする。そのため、本発明にかかる会議システムは、システム管理者のプライオリティ再設定の負担を軽減する。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、会議システムSは、DU2からの発話要求を定期的なリクエストフラグの処理により取り込み、音声スロットと音声領域との空きに応じてCU1にコマンドを送信させる。すなわち、会議システムSは、発話要求のたびにDU2からCU1にコマンドを送信しない。そのため、本発明にかかる会議システムは、一度に複数のDUから発話要求があっても情報処理の負荷を過剰に受けない。その結果、本発明にかかる会議システムSは、発話要求のたびにDUがCUからコマンドを受信するシステムと比べて、高い処理能力を必要としない。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、発話要求をしたDU2は、音声スロットと音声領域とに空きがない場合に自動的にリクエスト待ち状態になる。そのため、本発明にかかる会議システムは、ソフトウェア上で全ての発話要求に応じる必要がなく、ソフトウェア上の情報処理の負荷が軽減される。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、会議システムSは、所定の条件に基づいて、操作端末4の制御部46により1の入力画面が選択される。そのため、本発明にかかる会議システムは、情報の入力を行う者が設定した内容同士の矛盾を回避することができる。すなわち、本発明にかかる会議システムは、簡易な構成で確実な設定作業を実現する。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、会議システムSは、オーバーライドと、マイクオントリガーと、が関連付けられた会議モードを選択させることで、各DU2の音声スロットと音声領域との割当方式やリクエストフラグの付与方式を設定する。そのため、例えば、オペレーターなどの専門知識を要する者でなくとも、複数の会議モードの中から会議の内容や参加者の構成などから最適な会議モードを適宜選択することで、容易に会議システムSの動作設定の準備を行うことができる。すわなち、本発明にかかる会議システムは、設定作業の利便性に優れる。
●本発明にかかる会議システムのまとめ●
以上説明した本発明にかかる会議システムの特徴について、以下にまとめて記載しておく。
(特徴1)
コントロールユニット(CU1)と、
ディスカッションユニット(DU2)と、
を有してなり、
前記ディスカッションユニットは、前記コントロールユニットに対して音声情報を送信し、
前記コントロールユニットは、前記ディスカッションユニットとの間で運用パケットを繰り返し送受信し、
前記ディスカッションユニットは、
DU制御部(制御部26)と、
DU通信部(通信部21)と、
を備え、
前記DU制御部は、前記運用パケットにリクエストフラグを付与し、
前記DU通信部は、前記コントロールユニットに対して、前記リクエストフラグが付与された前記運用パケットを送信し、
前記コントロールユニットは、
CU記憶部(記憶部13)と、
音声スロットと、
CU制御部(制御部16)と、
を備え、
前記CU記憶部は、前記コントロールユニットと前記ディスカッションユニットとの動作を制御する制御情報を記憶し、
前記音声スロットは、前記ディスカッションユニットからの前記音声情報を受信し、
前記CU制御部は、前記リクエストフラグが付与された前記運用パケットを送信した前記ディスカッションユニットに対して、前記音声スロットを割り当て、
前記制御情報は、
前記リクエストフラグを前記運用パケットに付与する複数の付与方式のうちのいずれかの付与方式を特定する付与方式(マイクオントリガー)情報と、
前記音声スロットに空いていないときに前記リクエストフラグが付与された前記運用パケットを送信した前記ディスカッションユニットに対して前記音声スロットを割り当てる複数の割当方式のうちのいずれかの割当方式を特定する割当方式(オーバーライド)情報と、
を含み、
前記付与方式情報は、前記割当方式情報と関連付けられて前記CU記憶部に記憶される、
ことを特徴とする会議システム。
(特徴2)
前記CU記憶部には、前記複数の付与方式のうちのいずれかの付与方式と、前記複数の割当方式のうちのいずれかの割当方式と、の組合せを特定する組合情報(会議モード)が、前記付与方式情報と前記割当方式情報とに関連付けられて記憶される、
特徴1記載の会議システム。
(特徴3)
操作端末(4)、
を備え、
前記操作端末は、前記コントロールユニットと通信回線を介して接続され、
前記操作端末は、
OP記憶部(記憶部43)と、
OP制御部(制御部46)と、
OP通信部(通信部41)と、
を備え、
前記OP記憶部には、前記複数の付与方式と前記複数の割当方式の組合せが異なる複数の前記組合情報が記憶され、
前記OP制御部は、前記OP記憶部に記憶されている複数の前記組合情報の中から1の前記組合情報を特定し、
前記OP通信部は、前記特定された前記組合情報を前記コントロールユニットに送信する、
特徴2記載の会議システム。
(特徴4)
前記ディスカッションユニットに取り付けられるマイクロホン、
を備え、
前記付与方式は、前記マイクロホンをオンにするためのトリガーの設定に関する方式であり、
前記割当方式は、前記音声スロットへのオーバーライドのオン・オフの設定に関する方式である、
特徴1記載の会議システム。