A.実施形態:
A−1.画像処理システム10の構成:
図1は、本実施形態における画像処理システム10の構成を示す説明図である。画像処理システム10は、プリンタ20と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)30と、例えばスマートフォンやタブレット型端末装置等の携帯端末装置40とを備える。プリンタ20は、例えば有線のLANや無線LANアクセスポイント50により提供される無線LAN(WLAN)を介して、PC30や携帯端末装置40と通信可能である。プリンタ20は、画像記録装置の一例であり、PC30や携帯端末装置40は、情報処理装置の一例である。
A−2.プリンタ20の機械的構成:
プリンタ20は、インクジェット方式により紙等のシートWに画像を記録する装置である。図2は、プリンタ20の機械的構成を概略的に示す説明図である。図2に示すように、本実施形態におけるプリンタ20は、主装置100と、主装置100に対して着脱可能に構成された3つの増設装置200とを備えている。3つの増設装置200は、主装置100の下方に、上下方向に並べて配置されている。以下の説明では、3つの増設装置200のそれぞれを区別するときには、最も上側に配置された増設装置200を上段増設装置200aといい、最も下側に配置された増設装置200を下段増設装置200cといい、残り1つの増設装置200を中段増設装置200bという。また、3つの増設装置200のそれぞれを区別しないときには、単に増設装置200という。
主装置100は、各構成を内部に収容する筐体102と、シートWが保持される供給トレイ110と、シートWに画像を記録する記録部120と、筐体102の外部に設けられた排出トレイ150と、シートWを記録部120に向けて搬送する供給側搬送機構130と、記録部120を通過したシートWを排出トレイ150に向けて搬送する排出側搬送機構140とを備える。供給側搬送機構130および排出側搬送機構140は、搬送機構の一例である。
主装置100の供給側搬送機構130は、供給ローラ132と、個別搬送路131と、下流連結搬送路133と、第1のローラ対135と、第2のローラ対136と、第1のシートセンサ137と、第2のシートセンサ138と、上流連結搬送路139とを備える。
供給ローラ132は、供給トレイ110に保持されたシートWを1枚ずつ個別搬送路131および下流連結搬送路133へと送り出す。個別搬送路131は、供給トレイ110と下流連結搬送路133とを接続しており、供給トレイ110から送り出されたシートWが通る搬送路である。下流連結搬送路133は、個別搬送路131の端部から搬送方向下流側に向けて記録部120まで延びており、供給トレイ110から送り出されたシートWに加えて、搬送方向上流側に位置する他の供給トレイ(後述する増設装置200に設けられた供給トレイ210)から送り出されたシートWが通る搬送路である。上流連結搬送路139は、個別搬送路131と下流連結搬送路133との接続点から搬送方向上流側に向けて筐体102の下面に形成された開口104まで延びており、上記他の供給トレイから開口104を介して筐体102内に搬送されたシートWが通る搬送路である。
第1のローラ対135および第2のローラ対136は、下流連結搬送路133上に設けられ、シートWを挟持して搬送する。第1のローラ対135は、個別搬送路131と下流連結搬送路133との接続点付近に配置され、第2のローラ対136は、第1のローラ対135より搬送方向下流側(記録部120側)に配置される。第1のシートセンサ137は、第1のローラ対135の搬送方向下流側に設けられ、下流連結搬送路133上におけるシートWの有無を検知する。第1のシートセンサ137によってシートWが検知されている時間が所定時間以上である場合には、供給トレイ110付近でシート詰まりが発生したと判定される。第2のシートセンサ138は、第2のローラ対136の搬送方向下流側の記録部120付近に設けられ、下流連結搬送路133上におけるシートWの有無を検知する。第2のシートセンサ138によってシートWが検知されている時間が所定時間以上である場合には、記録部120付近でシート詰まりが発生したと判定される。
記録部120は、ヘッド121と、ベルトユニット122とを備える。ベルトユニット122は、2つのベルトローラ123,124と、搬送ベルト125と、テンションローラ126と、プラテン128と、ニップローラ127とを備える。搬送ベルト125は、2つのベルトローラ123,124の間に巻回されたエンドレスのベルトであり、テンションローラ126によってテンションが付加されている。プラテン128は、ヘッド121に対向して配置され、搬送ベルト125の上側ループを内側から支える。ベルトローラ124は、時計回りに回転する駆動ローラであり、搬送ベルト125を走行させる。ベルトローラ123は、搬送ベルト125が走行すると回転する従動ローラである。搬送ベルト125のヘッド121に対向する表面には、弱粘着性のシリコン層が形成されている。ニップローラ127は、供給側搬送機構130により搬送されてきたシートWを搬送ベルト125の表面に押さえ付ける。押さえ付けられたシートWは、シリコン層によって搬送ベルト125に保持され、搬送ベルト125の走行に伴い搬送される。
ヘッド121は、主走査方向(図2における紙面垂直方向)に延びるラインヘッドであり、その下面は、図示しない多数の吐出口が形成された吐出面を構成している。ベルトユニット122により搬送されるシートWがヘッド121の下方を通過する際に、ヘッド121の吐出面からシートWに向けてインク滴が吐出され、シートW上に画像が形成される。ヘッド121の下を通過したシートWは、ベルトユニット122によってさらに搬送され、排出側搬送機構140に送り出される。
排出側搬送機構140は、搬送路143と、搬送路143上に設けられたローラ対145,146,147を備えている。搬送路143は、記録部120と排出トレイ150とを接続する搬送路である。記録部120から搬送路143に送り出されたシートWは、ローラ対145,146,147により搬送され、排出トレイ150に排出される。
次に、増設装置200の構成について説明する。増設装置200は、各構成を内部に収容する筐体202と、シートWが保持される供給トレイ210と、シートWを搬送する増設装置搬送機構230とを備える。230は、供給ローラ232と、個別搬送路231と、下流連結搬送路233と、ローラ対235と、シートセンサ237と、上流連結搬送路239とを備える。
供給ローラ232は、供給トレイ210に保持されたシートWを1枚ずつ個別搬送路231および下流連結搬送路233へと送り出す。個別搬送路231は、供給トレイ210と下流連結搬送路233とを接続しており、供給トレイ210から送り出されたシートWが通る搬送路である。下流連結搬送路233は、個別搬送路231の端部から搬送方向下流側に向けて筐体202の上面に形成された開口206まで延びており、供給トレイ210から送り出されたシートWに加えて、搬送方向上流側に位置する他の供給トレイ(自装置より下側に配置された他の増設装置200に設けられた供給トレイ210)から送り出されたシートWが通る搬送路である。上流連結搬送路239は、個別搬送路231と下流連結搬送路233との接続点から搬送方向上流側に向けて筐体202の下面に形成された開口204まで延びており、上記他の供給トレイから開口204を介して筐体202内に搬送されたシートWが通る搬送路である。なお、下段増設装置200cに関しては、搬送方向上流側に位置する他の供給トレイが存在しないため、下流連結搬送路233は下段増設装置200cの供給トレイ210から送り出されたシートWのみが通る搬送路となり、また、上流連結搬送路239は使用されない。
ローラ対235は、下流連結搬送路233上に設けられ、シートWを挟持して搬送する。シートセンサ237は、ローラ対235の搬送方向下流側に設けられ、下流連結搬送路233上におけるシートWの有無を検知する。シートセンサ237によってシートWが検知されている時間が所定時間以上である場合には、供給トレイ210付近でシート詰まりが発生したと判定される。
本実施形態のプリンタ20は、上述した構成であるため、主装置100に設けられた1つの供給トレイ110(以下、「トレイ1」ともいう)と、3つの増設装置200のそれぞれに設けられた供給トレイ210(以下、主装置100に近い側から順に「トレイ2〜4」ともいう)とを合わせて、合計4つの供給トレイを備える。
また、各供給トレイ110,210から記録部120までの搬送経路は、一部が互いに重複している。例えば、主装置100に設けられた供給トレイ110(トレイ1)から記録部120までのシートWの搬送経路(以下、「搬送経路1」という)は、主装置100内に設けられた個別搬送路131および下流連結搬送路133から構成される。一方、上段増設装置200aに設けられた供給トレイ210(トレイ2)から記録部120までのシートWの搬送経路(以下、「搬送経路2」という)は、上段増設装置200a内に設けられた個別搬送路231および下流連結搬送路233と、主装置100内に設けられた上流連結搬送路139および下流連結搬送路133から構成される。すなわち、搬送経路2は、主装置100内に設けられた下流連結搬送路133から構成される部分が、搬送経路1と重複している。
また、中段増設装置200bに設けられた供給トレイ210(トレイ3)から記録部120までのシートWの搬送経路(以下、「搬送経路3」という)は、中段増設装置200b内に設けられた個別搬送路231および下流連結搬送路233と、上段増設装置200a内に設けられた上流連結搬送路239および下流連結搬送路233と、主装置100内に設けられた上流連結搬送路139および下流連結搬送路133とから構成される。すなわち、搬送経路3は、主装置100内に設けられた下流連結搬送路133から構成される部分が、搬送経路1と重複しており、かつ、この部分に加えてさらに、主装置100内に設けられた上流連結搬送路139と上段増設装置200a内に設けられた下流連結搬送路233とから構成される部分が、搬送経路2と重複している。下段増設装置200cに設けられた供給トレイ210(トレイ4)から記録部120までのシートWの搬送経路(以下、「搬送経路4」という)も同様に、主装置100内に設けられた下流連結搬送路133から構成される部分が、搬送経路1と重複しており、かつ、この部分に加えてさらに、主装置100内に設けられた上流連結搬送路139と上段増設装置200a内に設けられた下流連結搬送路233とから構成される部分が、搬送経路2と重複しており、かつ、これらの部分に加えてさらに、上段増設装置200a内に設けられた上流連結搬送路239と中段増設装置200b内に設けられた下流連結搬送路233とから構成される部分が、搬送経路3と重複している。
A−3.プリンタ20の電気的構成:
図3は、プリンタ20の電気的構成を概略的に示す説明図である。図3に示すように、プリンタ20は、CPU22と記憶部23とを含む制御部21と、操作部24と、表示部25と、通信部26と、印刷機構27とを備える。操作部24は、例えばタッチパネル付液晶ディスプレイやボタン、スイッチ等により構成され、ユーザによる操作を受け付ける。表示部25は、例えば上記タッチパネル付液晶ディスプレイ等により構成され、各種の画像や情報を表示する。通信部26は、例えば有線LANインターフェースや無線LANインターフェース等により構成され、他の装置との通信を行う。印刷機構27は、上述した供給トレイ110や供給側搬送機構130、記録部120、排出側搬送機構140、排出トレイ150等の画像記録を行うための各機構である。
プリンタ20の記憶部23は、例えばROMやRAM等により構成され、各種のデータやプログラムを記憶したり、各種のプログラムを実行する際の作業領域やデータの一時的な記憶領域として利用されたりする。CPU22は、記憶部23から読み出したプログラムを実行することにより、プリンタ20の各部を制御する。例えば、CPU22は、供給側搬送機構130や排出側搬送機構140を制御してシートWを搬送させると共に、記録部120を制御してシートWに画像を記録させる記録制御処理を実行する。また、CPU22は、プリンタ20の各部を制御して、後述するエラー等表示処理を実行する。
A−4.エラー等影響画面:
プリンタ20において、ある箇所で発生したエラーや警告(以下、まとめて「エラー等」という)が、他の箇所に影響を与える場合がある。例えば、中段増設装置200b(図2)内に設けられた供給トレイ210(トレイ3)において「シート詰まり」のエラーが発生した場合(中段増設装置200bのシートセンサ237により「シート詰まり」のエラーが検出された場合)には、該供給トレイ210(トレイ3)から記録部120に向けたシートWの搬送ができなくなる。さらに、この場合には、下段増設装置200cに設けられた供給トレイ210(トレイ4)から記録部120に向けたシートWの搬送もできなくなる。これは、供給トレイ210(トレイ4)から記録部120に至る搬送経路(搬送経路4)が、上記エラーの発生箇所を通る経路であるからである。すなわち、中段増設装置200bに設けられた供給トレイ210(トレイ3)において発生した「シート詰まり」のエラーは、下段増設装置200cに設けられた供給トレイ210(トレイ4)から記録部120への搬送経路の内の、上記エラー発生箇所より上流側の部分に影響を与える。このように、プリンタ20において発生したエラー等は、搬送経路で該エラー等の発生箇所とつながっており、かつ、該エラー等の発生箇所より搬送方向上流側に位置する箇所(以下、「第1の関連箇所」という)に影響を与える。なお、上記の場合において、上段増設装置200aに設けられた供給トレイ210(トレイ2)や主装置100に設けられた供給トレイ110(トレイ1)から記録部120に向けたシートWの搬送は可能である。
また、例えば、記録部120において「シート詰まり」のエラーが発生した場合(主装置100の第2のシートセンサ138により「シート詰まり」のエラーが検出された場合)には、すべての供給トレイ110,210(トレイ1〜4)から記録部120に向けたシートWの搬送ができなくなり、また、記録部120から排出トレイ150へのシートWの搬送もできなくなる。すなわち、記録部120において発生した「シート詰まり」のエラーは、すべての供給トレイ110,210(トレイ1〜4)から記録部120への搬送経路と、記録部120から排出トレイ150への搬送経路とに影響を与える。このように、プリンタ20において発生したエラー等の内、記録部120において発生した「シート詰まり」のエラーは、搬送経路で該エラーの発生箇所とつながっており、かつ、該エラーの発生箇所より搬送方向上流側に位置する箇所(第1の関連箇所)に加えて、搬送経路で該エラーの発生箇所とつながっており、かつ、該エラーの発生箇所より搬送方向下流側に位置する箇所(以下、「第2の関連箇所」という)にも影響を与える。
本実施形態では、エラー等が発生した場合に、CPU22は、エラー等の発生箇所と、該エラー等によって影響を受ける箇所(以下、「関連箇所」という)とを示すエラー等影響画面EIを、表示部25に表示させる。図4は、エラー等影響画面EIの一例を示す説明図である。図4に示すように、エラー等影響画面EIは、主装置100および増設装置200に設けられた各供給トレイ110,210(トレイ1〜4)を表す供給トレイセルTC(TC1〜4)と、排出トレイ150を表す排出トレイセルDCと、記録部120を表す記録部セルRCと、制御部21を表す制御部セルCCとを含む。なお、本実施形態では、記録部120と制御部21とを合わせて本体部ともいう。
エラー等影響画面EIは、さらに、各供給トレイ110,210や記録部120、排出トレイ150を接続する搬送経路を表す経路ラインPLを含む。具体的には、エラー等影響画面EIは、個別搬送路131,231により構成される搬送経路を表す個別経路ラインIPL(IPL1〜4)と、連結搬送路(下流連結搬送路133、上流連結搬送路139、下流連結搬送路233、上流連結搬送路239)により構成される搬送経路を表す連結経路ラインCPL(CPL1〜4)と、記録部120と排出トレイ150とを結ぶ搬送路143を表す排出経路ラインDPLとを含む。より詳細には、個別経路ラインIPL1〜4は、それぞれ、トレイ1〜4に接続された個別搬送路131,231により構成される搬送経路を表す。また、連結経路ラインCPL1は、主装置100に設けられた下流連結搬送路133により構成される搬送経路を表す。また、連結経路ラインCPL2は、主装置100に設けられた上流連結搬送路139と上段増設装置200aに設けられた下流連結搬送路233とから構成される搬送経路を表す。同様に、連結経路ラインCPL3は、上段増設装置200aに設けられた上流連結搬送路239と中段増設装置200bに設けられた下流連結搬送路233とから構成される搬送経路を表し、連結経路ラインCPL4は、中段増設装置200bに設けられた上流連結搬送路239と下段増設装置200cに設けられた下流連結搬送路233とから構成される搬送経路を表す。
CPU22は、エラー等影響画面EIを構成する各部(各セルや各ライン)の内、エラー等の発生箇所を表す部分、および、エラー等の関連箇所を表す部分の表示色を、エラーであれば赤色に、警告であれば黄色に設定する。図5は、エラー等の発生状態に応じたエラー等影響画面EIの一例を示す説明図である。図4,5(および後述の図11,12)において、シングルハッチングが付された箇所は、表示色が黄色に設定されていることを示しており、クロスハッチングが付された箇所は、表示色が赤色に設定されていることを示している。
図5に示すエラー等影響画面EI(1)は、エラー等が発生していない状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、エラー等影響画面EIの各部の表示色が、正常を意味する無色(背景色)に設定される。なお、本実施形態では、エラー等が発生していない状態では、エラー等影響画面EIが表示されることはない。
図5に示すエラー等影響画面EI(2)は、中段増設装置200bに設けられた供給トレイ210(トレイ3)において「シート詰まり」のエラーが発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である(図4も同様)。この状態では、エラー等影響画面EIの各部の内、エラー発生箇所であるトレイ3を表す供給トレイセルTC3、トレイ3に接続された個別搬送路231を表す個別経路ラインIPL3、および、中段増設装置200bに設けられた下流連結搬送路233を表す連結経路ラインCPL3の表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。また、供給トレイセルTC3には、エラーの内容(シート詰まり)が表示される。さらに、この場合には、該エラーの関連箇所、すなわち、下段増設装置200cに設けられた供給トレイ210(トレイ4)から中段増設装置200bに設けられた下流連結搬送路233までの搬送経路を表すライン(連結経路ラインCPL4および個別経路ラインIPL4)の表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(3)は、中段増設装置200bに設けられた供給トレイ210(トレイ3)においてシートWが無くなった「シート無し」のエラーが発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、エラー等影響画面EIの各部の内、エラー発生箇所であるトレイ3を表す供給トレイセルTC3、および、トレイ3に接続された個別搬送路231を表す個別経路ラインIPL3の表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。また、供給トレイセルTC3には、エラーの内容(シート無し)が表示される。この場合には、該エラーが影響を与える関連箇所は存在しないため、他の部分の表示色は無色(背景色)に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(4)は、中段増設装置200bに設けられた供給トレイ210(トレイ3)においてシートWが少なくなった「シート少」の警告が発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、警告発生箇所であるトレイ3を表す供給トレイセルTC3、および、トレイ3に接続された個別搬送路231を表す個別経路ラインIPL3の表示色が、警告を意味する黄色に設定される。また、供給トレイセルTC3には、警告の内容(シート少)が表示される。この場合には、該警告が影響を与える関連箇所は存在しないため、他の部分の表示色は無色(背景色)に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(5)は、制御部21においてネットワーク接続ができない「ネットワークエラー」が発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、エラー発生箇所である制御部21を表す制御部セルCCの表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。また、制御部セルCCには、エラーの内容(ネットワークエラー)が表示される。この場合には、該エラーが影響を与える関連箇所は存在しないため、他の部分の表示色は無色(背景色)に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(6)は、記録部120において少なくとも1色のインクが切れた「インクなし」のエラーが発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、エラー発生箇所である記録部120を表す記録部セルRCの表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。また、記録部セルRCには、エラーの内容(インクなし)が表示される。さらに、この場合には、該エラーの関連箇所、すなわち、各供給トレイ110,210から記録部120までの搬送経路を表すライン(連結経路ラインCPL1〜4および個別経路ラインIPL1〜4)の表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(7)は、記録部120において少なくとも1色のインクが少なくなった「インク少」の警告が発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、警告発生箇所である記録部120を表す記録部セルRCの表示色が、警告を意味する黄色に設定される。また、記録部セルRCには、警告の内容(インク少)が表示される。さらに、この場合には、該警告の関連箇所、すなわち、各供給トレイ110,210から記録部120までの搬送経路を表すライン(連結経路ラインCPL1〜4および個別経路ラインIPL1〜4)の表示色が、警告を意味する黄色に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(8)は、記録部120において「シート詰まり」のエラーが発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、エラー発生箇所である記録部120を表す記録部セルRCの表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。また、記録部セルRCには、エラーの内容(シート詰まり)が表示される。さらに、この場合には、該エラーの関連箇所、すなわち、各供給トレイ110,210から記録部120までの搬送経路を表すライン(連結経路ラインCPL1〜4および個別経路ラインIPL1〜4)と、記録部120から排出トレイ150までの搬送経路を表すライン(排出経路ラインDPL)との表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(9)は、本体部(制御部21および記録部120)において、印刷指示において要求されたサイズ(例えばA6)のシートWがいずれの供給トレイ110,210にも保持されていない「シートサイズエラー」が発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、エラー発生箇所である制御部21および記録部120を表す制御部セルCCおよび記録部セルRCの表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。また、制御部セルCCおよび記録部セルRCには、エラーの内容(シートサイズエラー)と印刷指示において要求されたシートサイズ(例えばA6)が表示され、また、各供給トレイセルTCには、各供給トレイに実際に保持されているシートサイズが表示される。さらに、この場合には、該エラーの関連箇所、すなわち、各供給トレイ110,210から記録部120までの搬送経路を表すライン(連結経路ラインCPL1〜4および個別経路ラインIPL1〜4)の表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(10)は、排出トレイ150において保持されたシートWの枚数が許容量に近づいた「シートニアフル」の警告が発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、警告発生箇所である排出トレイ150を表す排出トレイセルDCの表示色が、警告を意味する黄色に設定される。また、排出トレイセルDCには、警告の内容(シートニアフル)が表示される。さらに、この場合には、該警告の関連箇所、すなわち、各供給トレイ110,210から記録部120までの搬送経路を表すライン(連結経路ラインCPL1〜4および個別経路ラインIPL1〜4)と、記録部120から排出トレイ150までの搬送経路を表すライン(排出経路ラインDPL)との表示色が、警告を意味する黄色に設定される。
図5に示すエラー等影響画面EI(11)は、排出トレイ150において保持されたシートWの枚数が許容量に達した「シートフル」のエラーが発生している状態におけるエラー等影響画面EIの一例である。この状態では、エラー発生箇所である排出トレイ150を表す排出トレイセルDCの表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。また、排出トレイセルDCには、エラーの内容(シートフル)が表示される。さらに、この場合には、該エラーの関連箇所、すなわち、各供給トレイ110,210から記録部120までの搬送経路を表すライン(連結経路ラインCPL1〜4および個別経路ラインIPL1〜4)と、記録部120から排出トレイ150までの搬送経路を表すライン(排出経路ラインDPL)との表示色が、エラーを意味する赤色に設定される。
本実施形態では、エラー等が発生した場合に、上述したエラー等影響画面EIが表示部25に表示されるため、ユーザは、エラー等の発生箇所に加えて、発生したエラー等が影響を与える箇所を把握することができる。
A−5.エラー等表示処理:
次に、上述したエラー等影響画面EIの表示を実現するための具体的処理を説明する。図6は、エラー等表示処理を示すフローチャートである。プリンタ20においてエラー等が発生すると、CPU22は図6に示すエラー等表示処理を開始する。
はじめに、CPU22は、エラー等に関するエラー等情報を取得する(S110)。エラー等情報は、例えば、エラー等の発生箇所および内容を示す情報を含む。次に、CPU22は、エラー等情報を参照して、エラー等の発生箇所が、供給トレイ110,210と、本体部(制御部21または記録部120)と、排出トレイ150とのいずれであるかを判定する(S120,S130)。CPU22は、エラー等の発生箇所が供給トレイ110,210であると判定した場合には(S120:YES)、供給トレイ用表示設定処理を実行する(S140)。また、CPU22は、エラー等の発生箇所が、本体部(制御部21または記録部120)であると判定した場合には(S120:NO、S130:YES)、本体部用表示設定処理を実行する(S150)。また、CPU22は、エラー等の発生箇所が、排出トレイ150であると判定した場合には(S120:NO、S130:NO)、排出トレイ用表示設定処理を実行する(S160)。
図7は、供給トレイ用表示設定処理(図6のS140)を示すフローチャートである。上述したように、供給トレイ用表示設定処理は、エラー等の発生箇所が供給トレイ110,210である場合に実行される(例えば、図5のEI(2)〜EI(4)参照)。
はじめにCPU22は、エラー等の発生箇所、すなわち、供給トレイ110,210を表す供給トレイセルTCに、エラー等の内容を表示する(S402)。次に、CPU22は、エラーか警告かを判定し(S404)、警告であると判定した場合には(例えば、図5のEI(4)参照)、警告の発生箇所の供給トレイ110,210を表す供給トレイセルTCの表示色を、警告を意味する黄色に設定すると共に(S406)、該供給トレイ110,210に接続された個別搬送路131,231を表す個別経路ラインIPLの表示色を、警告を意味する黄色に設定する(S408)。その後、CPU22は、該警告が影響を与える関連箇所が存在するか否かを判定し(S410)、関連箇所が存在する場合には(S410:YES)、関連箇所の表示色を、警告を意味する黄色に設定する(S412)。なお、関連箇所が存在しない場合には(S410:NO)、S412の処理はスキップされる。
また、CPU22は、S404においてエラーであると判定した場合には(例えば、図5のEI(2),EI(3)参照)、エラーの発生箇所の供給トレイ110,210を表す供給トレイセルTCの表示色を、エラーを意味する赤色に設定すると共に(S414)、該供給トレイ110,210に接続された個別搬送路131,231を表す個別経路ラインIPLの表示色を、エラーを意味する赤色に設定する(S416)。その後、CPU22は、該エラーが影響を与える関連箇所が存在するか否かを判定し(S418)、関連箇所が存在する場合には(S418:YES)、関連箇所の表示色を、エラーを意味する赤色に設定する(S420)。なお、関連箇所が存在しない場合には(S418:NO)、S420の処理はスキップされる。
以上のような供給トレイ用表示設定処理により、図5のEI(2)〜EI(4)に例示するようなエラー等影響画面EIが設定される。
また、図8は、本体部用表示設定処理(図6のS150)を示すフローチャートである。上述したように、本体部用表示設定処理は、エラー等の発生箇所が本体部(制御部21または記録部120)である場合に実行される(例えば、図5のEI(5)〜EI(9)参照)。
はじめにCPU22は、エラー等の発生箇所、すなわち、制御部21を表す制御部セルCCや記録部120を表す記録部セルRCに、エラー等の内容を表示する(S502)。次に、CPU22は、エラーか警告かを判定し(S504)、警告であると判定した場合には(例えば、図5のEI(7)参照)、警告の発生箇所を表す制御部セルCCや記録部セルRCの表示色を、警告を意味する黄色に設定する(S506)。その後、CPU22は、該警告が影響を与える関連箇所が存在するか否かを判定し(S510)、関連箇所が存在し(S510:YES)、かつ、該警告が記録部120による記録にのみ影響を与えるものである場合(例えば、図5のEI(7)参照)には(S511:YES)、記録部120より上流側の搬送経路を表す経路ラインの表示色を、警告を意味する黄色に設定する(S512)。また、CPU22は、関連箇所が存在し(S510:YES)、かつ、該警告が記録部120による記録以外にも影響を与えるものである場合には(S511:NO)、すべての搬送経路を表す経路ラインの表示色を、警告を意味する黄色に設定する(S513)。なお、関連箇所が存在しない場合には(S510:NO)、S511〜S513の処理はスキップされる。
また、CPU22は、S504においてエラーであると判定した場合には(例えば、図5のEI(5),EI(6),EI(8),EI(9)参照)、エラーの発生箇所を表す制御部セルCCや記録部セルRCの表示色を、エラーを意味する赤色に設定する(S514)。その後、CPU22は、該エラーが影響を与える関連箇所が存在するか否かを判定し(S518)、関連箇所が存在し(S518:YES)、かつ、該エラーが記録部120による記録にのみ影響を与えるものである場合(例えば、図5のEI(6),EI(9)参照)には(S519:YES)、記録部120より上流側の搬送経路を表す経路ラインの表示色を、エラーを意味する赤色に設定する(S521)。また、この場合において、該エラーがシートサイズエラーである場合(例えば、図5のEI(9)参照)には(S524:YES)、CPU22は、さらに、各供給トレイ110,210を表す供給トレイセルTCに、各供給トレイに保持されるシートサイズを表示する(S526)。また、CPU22は、関連箇所が存在し(S518:YES)、かつ、該エラーが記録部120による記録以外にも影響を与えるものである場合(例えば、図5のEI(8)参照)には(S519:NO)、すべての搬送経路を表す経路ラインの表示色を、エラーを意味する赤色に設定する(S520)。なお、関連箇所が存在しない場合(例えば、図5のEI(5)参照)には(S518:NO)、S519〜S526の処理はスキップされる。
以上のような本体部用表示設定処理により、図5のEI(5)〜EI(9)に例示するようなエラー等影響画面EIが設定される。
また、図9は、排出トレイ用表示設定処理(図6のS160)を示すフローチャートである。上述したように、排出トレイ用表示設定処理は、エラー等の発生箇所が排出トレイ150である場合に実行される(例えば、図5のEI(10),EI(11)参照)。
はじめにCPU22は、エラー等の発生箇所、すなわち、排出トレイ150を表す排出トレイセルDCに、エラー等の内容を表示する(S602)。次に、CPU22は、エラーか警告かを判定し(S604)、警告であると判定した場合には(例えば、図5のEI(10)参照)、排出トレイセルDCの表示色を、警告を意味する黄色に設定すると共に(S606)、すべての経路ラインの表示色を、警告を意味する黄色に設定する(S608)。また、CPU22は、S604においてエラーであると判定した場合には(例えば、図5のEI(11)参照)、排出トレイセルDCの表示色を、エラーを意味する赤色に設定すると共に(S614)、すべての経路ラインの表示色を、エラーを意味する赤色に設定する(S616)。
以上のような排出トレイ用表示設定処理により、図5のEI(10),EI(11)に例示するようなエラー等影響画面EIが設定される。
上述した表示設定処理(図6のS140〜S160のいずれか)の終了後、CPU22は、未解消の他のエラー等が存在するか否かを判定し(S170)、未解消の他のエラー等が存在する場合には(S170:YES)、複数のエラー等についてのエラー等影響画面EI(個別のエラー等影響画面EI)を統合して、統合エラー等影響画面EIcを作成する統合処理を実行する(S180)。
図10は、統合処理(図6のS180)を示すフローチャートである。また、図11は、統合処理により作成される統合エラー等影響画面EIcの一例を示す説明図である。図11には、記録部120において「シート詰まり」のエラー(図5のエラー等影響画面EI(8)参照)が発生し、かつ、中段増設装置200bに設けられた供給トレイ210(トレイ3)において「シート無し」のエラー(図5のエラー等影響画面EI(3)参照)が発生している状態における統合エラー等影響画面EIcの一例が示されている。
はじめにCPU22は、複数のエラー等に対応するエラー等影響画面EIを参照して、各セルについてのエラー等を集計する(S702)。次に、CPU22は、複数のエラー等に、シートサイズエラー(図5のEI(9)参照)が含まれているか否かを判定し(S704)、シートサイズエラーが含まれている場合には(S704:YES)、各供給トレイセルTCにシートサイズを表示する(S706)。シートサイズエラーが含まれていない場合には(S704:NO)、S706の処理はスキップされる。
次に、CPU22は、各セルについて、優先度が最も高いエラー等を選択する(S708)。例えば、1つのセルに1つのエラーと1つの警告が発生している場合には、該エラーが選択される。また、例えば、1つのセルに複数のエラーが発生している場合には、予め設定され記憶部23に記憶された優先度に関する情報に従い、優先度の高いエラーが選択される。なお、1つのセルに1つのエラー等のみが発生している場合には、該エラー等が選択される。CPU22は、選択したエラー等の内容を該エラー等の発生箇所のセルに表示すると共に(S710)、該セルの色を該エラー等に対応する色に設定する(S712)。
次に、CPU22は、複数のエラー等に対応するエラー等影響画面EIを参照して、各経路ラインについての色を集計する(S714)。CPU22は、各経路ラインについて、少なくとも1つのエラー等影響画面EIにおいてエラーに対応する赤色が設定されているか否かを判定し(S716)、赤色が設定されている場合には(S716:YES)、該経路ラインをエラーに対応する赤色に設定する(S718)。また、CPU22は、各経路ラインについて、赤色が設定されていない場合には(S716:NO)、少なくとも1つのエラー等影響画面EIにおいて警告に対応する黄色が設定されているか否かを判定し(S720)、黄色が設定されている場合には(S720:YES)、該経路ラインを警告に対応する黄色に設定する(S722)。また、CPU22は、各経路ラインについて、黄色が設定されていない場合には(S720:NO)、該経路ラインを正常色である無色(背景色)に設定する(S724)。
以上のような統合処理により、図11に例示するような統合エラー等影響画面EIcが設定される。
上述した統合処理(図6のS180)の終了後、または、S170において未解消の他のエラー等が存在しないと判定された場合には(S170:NO)、CPU22は、S110において取得されたエラー等情報が示すエラー等の発生箇所のエラー等の詳細を表すエラー等詳細画面DIと、該エラー等についての個別のエラー等影響画面EIと、(統合処理が実行された場合には)統合エラー等影響画面EIcとを、表示部25に表示させる(S190、S200、S210)。
図12は、表示部25に表示された各画面の一例を示す説明図である。図12のS1には、記録部120において「シート詰まり」のエラーが発生した場合に、該エラーの詳細を表すエラー等詳細画面DIが表示部25に表示された状態が示されている。また、図12のS2には、記録部120において「シート詰まり」のエラーが発生した場合に、該エラーについての(個別の)エラー等影響画面EIが表示部25に表示された状態が示されている。また、図12のS3には、記録部120において「シート詰まり」のエラーが発生し、かつ、中段増設装置200bに設けられた供給トレイ210(トレイ3)において発生した「シート無し」のエラーが未解消である場合に、これらのエラーについてのエラー等影響画面EIを統合した統合エラー等影響画面EIcが表示部25に表示された状態が示されている。
なお、エラー等詳細画面DIとエラー等影響画面EIと統合エラー等影響画面EIcとは、表示部25に同時に(1画面内に)表示されるとしてもよいし、それらの画像の内の1つが表示部25に表示され、操作部24を介して所定の指示(スクロール指示や画面切り替え指示)が入力されることによって表示される画像が切り替えられるとしてもよい。
各画面(エラー等詳細画面DI、エラー等影響画面EI、統合エラー等影響画面EIc)の表示処理(S190、S200、S210)の後、CPU22は、操作部24を介して最小化指示が入力されたか否かを判定し(S220)、最小化指示が入力されたと判定した場合には(S220:YES)、上記各画面の表示を中止し、最小化画面MIを表示部25に表示させる(S230)。図12のS4には、最小化画面MIが表示部25に表示された状態が示されている。この状態において、操作部24を介して再表示指示が入力されたか否かを判定し(S240)、再表示指示が入力されたと判定した場合には(S240:YES)、上記各画面(エラー等詳細画面DI、エラー等影響画面EI、統合エラー等影響画面EIc)を再度、表示部25に表示させる(S250)。その後、処理はS220に戻る。
CPU22は、S220において最小化指示が入力されなかったと判定した場合には(S220:NO)、操作部24を介してエラー等の発生箇所を選択する指示が入力されたか否かを判定し(S260)、該指示が入力されたと判定した場合には(S260:YES)、S190に戻り、上述したエラー等詳細画面DIの表示処理を行う(図12のS1参照)。なお、エラー等の発生箇所を選択する指示は、例えば、表示部25に表示されたエラー等影響画面EIにおける該当するセルをタッチすることにより行われる。
S260においてエラー等の発生箇所を選択する指示が入力されなかったと判定した場合には(S260:NO)、CPU22は、発生しているエラー等の少なくとも1つが解消されたか否かを判定し(S270)、解消されたエラーが無いと判定した場合には(S270:NO)、上述したS220の処理に戻る。また、CPU22は、エラー等の少なくとも1つが解消されたと判定した場合には(S270:YES)、すべてのエラーが解消したか否かを判定し(S280)、未解消のエラーが存在すると判定した場合には(S280:NO)、上述した統合処理(S180)に戻って統合エラー等影響画面EIcを再作成する。CPU22は、すべてのエラーが解消したと判定した場合には(S280:YES)、各画面(エラー等詳細画面DI、エラー等影響画面EI、統合エラー等影響画面EIc)を閉じて(S290)、エラー等表示処理を終了する。
A−6.本実施形態の効果:
本実施形態のプリンタ20では、CPU22が、供給側搬送機構130や排出側搬送機構140を制御してシートWを搬送させると共に、記録部120を制御してシートWに画像を記録させる記録制御処理を実行する。また、CPU22は、プリンタ20において発生したエラーに関するエラー情報を取得する取得処理を実行すると共に(図6のS110)、エラー等影響画面EIを表示部25に表示させる表示処理を実行する(同S200)。ここで、エラー等影響画面EIは、取得されたエラー情報が示すエラーの発生箇所と、搬送経路でエラーの発生箇所とつながっており、かつ、エラーの発生箇所より搬送方向上流側に位置する第1の関連箇所とを、識別可能に示す画像である(図5参照)。搬送経路でエラーの発生箇所とつながっており、かつ、エラーの発生箇所より搬送方向上流側に位置する第1の関連箇所は、発生したエラーが影響を与える箇所である。そのため、本実施形態のプリンタ20によれば、エラーの発生箇所に加えて、発生したエラーが影響を与える箇所をユーザに把握させることができる。
また、本実施形態のプリンタ20では、ある供給トレイ110,210(上流側供給トレイ)から記録部120までの搬送経路の一部は、それより搬送方向下流側(上側)に位置する供給トレイ110,210(下流側供給トレイ)から記録部120までの搬送経路の少なくとも一部と重複しているため、下流側供給トレイから記録部120までの搬送経路において発生したエラーが、上流側供給トレイから記録部120までの搬送経路に影響を与える。本実施形態のプリンタ20によれば、このような構成においても、CPU22が、取得されたエラー情報が示すエラーの発生箇所と、搬送経路でエラーの発生箇所とつながっており、かつ、エラーの発生箇所より搬送方向上流側に位置する関連箇所(第1の関連箇所)とを、識別可能に示すエラー等影響画面EIを表示部25に表示させる表示処理を実行するため(図6のS200)、エラーの発生箇所に加えて、発生したエラーが影響を与える箇所をユーザに把握させることができる。
また、本実施形態のプリンタ20では、CPU22は、少なくともシート詰まりのエラーに関するエラー情報が取得されたときに、上記表示処理を実行する(図5のEI(2)およびEI(8)参照)。そのため、本実施形態のプリンタ20によれば、シート詰まりの発生箇所に加えて、発生したシート詰まりが影響を与える箇所をユーザに把握させることができる。
また、本実施形態のプリンタ20では、CPU22は、取得されたエラー情報が示すエラーの発生箇所が記録部120である場合には、エラー等影響画面EIにおいて、搬送経路でエラーの発生箇所(記録部120)とつながっており、かつ、エラーの発生箇所(記録部120)より搬送方向下流側に位置する第2の関連箇所(搬送路143を表す排出経路ラインDPL)を、識別可能に設定する(図5のEI(8)参照)。エラーの発生箇所が記録部120である場合には、搬送経路でエラーの発生箇所とつながっており、かつ、エラーの発生箇所より搬送方向下流側に位置する第2の関連箇所も、発生したエラーが影響を与える箇所となり得る。そのため、本実施形態のプリンタ20によれば、記録部120において発生したエラーが影響を与える箇所をユーザに把握させることができる。
また、本実施形態のプリンタ20では、エラー等影響画面EIが表示部25に表示された状態において、エラー等影響画面EIにおけるエラーの発生箇所が操作部24を介して指定された場合には、CPU22は、エラー情報が示すエラーの発生箇所のエラーの詳細を表すエラー等詳細画面DIを表示部25に表示させる詳細表示処理(図6のS190)を実行する。そのため、本実施形態のプリンタ20によれば、エラーの詳細をユーザに把握させることができる。
また、本実施形態のプリンタ20では、複数のエラー情報が取得された場合には、CPU22は、少なくとも1つのエラーについての個別のエラー等影響画面EIを表示部25に表示させると共に(図6のS200)、統合エラー等影響画面EIcを表示部25に表示させる(同S210)。統合エラー等影響画面EIcは、すべてのエラー情報により特定されるすべてのエラーついて、エラーの発生箇所と第1の関連箇所とを合わせて示す画像である。そのため、本実施形態のプリンタ20によれば、複数のエラーが発生した場合に、すべてのエラーについての発生箇所と第1の関連箇所とをまとめて把握することができると共に、少なくとも1つのエラーについての発生箇所と第1の関連箇所とを個別に把握することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、本実施形態のプリンタ20では、エラー等影響画面EIにおいて、エラーの発生箇所と第1の関連箇所との表示色が赤色に設定される。そのため、本実施形態のプリンタ20によれば、エラーの発生箇所とエラーが影響を与える箇所とをユーザにより確実に把握させることができる。なお、エラー等影響画面EIにおいて、エラーの発生箇所と第1の関連箇所との表示色は、赤色に限られず、プリンタ20が使用される国における交通信号機の停止指示に対応する色に設定されればよい。このようにすれば、エラーの発生箇所とエラーが影響を与える箇所とをユーザにより確実に把握させることができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における画像処理システム10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、画像処理システム10を構成する各装置間の通信は、有線LANや無線LAN等に限られず、NFCやUSB、Bluetooth(登録商標)等の他の通信方式により行われてもよい。
また、上記実施形態では、プリンタ20が、1つの主装置100と、主装置100に対して着脱可能な3つの増設装置200とから構成されるとしているが、プリンタ20が、着脱不可能な一体の構成であるとしてもよい。また、いずれの構成であっても、プリンタ20が備える供給トレイの数は4つに限られず、複数であれば3つ以下でも5つ以上でもよい。
また、上記実施形態では、プリンタ20は、インクジェット方式のプリンタであるとしたが、プリンタ20は、他の方式(電子写真方式やサーマル方式等)のプリンタであってもよい。
また、上記実施形態におけるエラー等表示処理(図6)の内容は、あくまで一例であり、一部のステップを省略したり、内容を変更したり、他のステップと順番を入れ替えたりしてもよい。例えば、上記実施形態におけるエラー等表示処理は、プリンタ20において発生する上述した種々のエラーおよび警告を対象に実行されるとしているが、上述した種々のエラーおよび警告の一部のみを対象に実行されるとしてもよい。例えば、プリンタ20において発生するエラーのみを対象に、上記エラー等表示処理が実行されるとしてもよい。また、上述したエラーおよび警告以外のエラーや警告を対象に、上記エラー等表示処理が実行されるとしてもよい。
また、上記実施形態のエラー等影響画面EI等の各画面の態様は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、エラー等影響画面EIにおいて、エラー発生箇所およびその関連箇所の表示色は、赤色に設定されるが、赤色以外の色に設定されるとしてもよい。警告発生箇所およびその関連箇所の表示色についても、黄色以外の色に設定されてよい。また、エラー等影響画面EIにおいて、エラー発生箇所およびその関連箇所は、必ずしも色によって識別される必要はなく、線種や線の太さ、点滅や点灯表示、文字による表示等の他の方法によって識別可能に表示されるとしてもよい。
また、エラー等影響画面EIにおいて、例えば、エラーの発生箇所の表示色と関連箇所の表示色とを互いに異なる色に設定するなどして、エラーの発生箇所と関連箇所とを互いに区別可能に表示させるとしてもよい。このようにすれば、エラーの発生箇所とエラーが影響を与える箇所とを、ユーザに区別可能に把握させることができる。
また、エラー等影響画面EIにおいて、プリンタ20におけるエラーの発生箇所および関連箇所以外の箇所を、プリンタ20が使用される国における交通信号機の進行可に対応する色(例えば緑色)で表示するとしてもよい。このようにすれば、エラーの発生箇所およびエラーが影響を与える箇所以外の箇所をユーザにより確実に把握させることができる。
また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されている構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、反対に、ソフトウェアによって実現されている構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
上記実施形態のエラー等表示処理における各ステップは、プリンタ20に対して通信可能に接続されるPC30にインストールされたプリンタドライバ等のプログラムの機能によって実現されるとしてもよいし、プリンタ20に対して通信可能に接続される携帯端末装置40にインストールされたアプリケーションプログラムの機能によって実現されるとしてもよい。