JP6724203B2 - 壁面緑化パネル - Google Patents
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Description
また、水やりの頻度を少なくすることができる壁面緑化パネルに関するものである。
さらに、施工中および施工後における土壌の飛散やパネル間における水漏れなど、従前の壁面緑化パネルにおいて発生する各種のトラブルを防止することができる壁面緑化パネルに関するものである。
ここで、壁面緑化を行う際には、どうしても水が上方から下方に流れる水勾配が生じることから、緑化装置の上部は乾燥し易く、逆に緑化装置の下部は水が溜まり易くなってしまうという課題がある。
また、壁面緑化装置やこのような装置に用いられる部材には、壁面に対する負荷を軽減するために軽量化・薄型化が要求されるが、軽量化・薄型化を実現しようとすると水勾配が生じ易くなってしまうという課題がある。
従って、特許文献2の図5に示されているような形態を採用すれば、上段に位置する培土パネル20からの排水が支持部材内を通過する際に、同排水を下段に位置する培土パネル20の培土基盤21に通過させることが可能となる。
従って、特許文献2の図5の形態においても、下段に位置する培土パネル20の下部(底部)が一時的に水によって濡れることはあっても、上段に位置する培土パネル20からの排水によって下段に位置する培土パネル20の全体が保水されるような構造とはなっておらず、特許文献1に記載の壁面緑化構造と同様に水勾配が発生する構造となっており、保水材が常に水を保水しているように上方から水を供給し続けることが必要となるのである。
また、水やりの頻度を少なくすることができる壁面緑化パネルの提供を目的とするものである。
さらに、施工中および施工後における土壌の飛散やパネル間における水漏れなど、従前の壁面緑化パネルにおいて発生する各種のトラブルを防止することができる壁面緑化パネルの提供を目的とするものである。
1)軽量、薄型でありながら良好な保水性を発現することができる。また、水やりの頻度を少なくすることができる。
2)植栽部内における水勾配を解消することができるので、植物の乾燥による枯死や水が溜まることによる根腐れを防止することができる。またパネル間における水漏れなどのトラブルを防止することができる。
3)植栽部材を筐体部材に収納することから、植栽部材が破損した場合や別の植物を植えたい場合でも当該植栽部材のみを交換するだけで済み、交換する部材の削減や作業性の向上を図ることができる。
4)専用苗ではなく、一般的に流通している3号ポット苗をそのまま植栽することができる。
5)軽量、薄型であることから、パネルを水平に置いた状態で植物を植栽して根付かせた後、施工する壁面(現場)に運搬して設置するような施工方法を採用することができる。従って、植物を枯らすことをより有効に防止しつつ、壁面の緑化を行うことができる。また、施工中および施工後の土壌の飛散も防止することができる。
6)施工してすぐに、ボリュームがあり見栄えの良い壁面の緑化を行うことができる。
7)植物を植栽して根付かせた状態で施工することができるため、工期や人員を削減することができる。
8)貯留部と保水マットにより水みちができ難く、各ポットを均一に湿らすことができる。
図1は本発明に係る壁面緑化パネルの一の実施形態を示す斜視図であり、図2は図1の壁面緑化パネルを構成する筐体部材を示す斜視図であり、図3は図1の壁面緑化パネルを構成する植栽部材を示す斜視図であり、図4は図1の壁面緑化パネルに用いるカバー部材を示す斜視図であり、図5は図1の壁面緑化パネルに図5のカバー部材を取り付けた状態を示す斜視図であり、図6は図5を上方から見た状態を示す平面図であり、図7は図5を右方向から見た状態を示す側面図であり、図8は図1の壁面緑化パネルの植栽部材(植栽空間)に培地を収納するとともに、灌水ホースを設置した状態を示す断面模式図である。
まず、本発明に係る壁面緑化パネル1は、図1〜3に示すように、筐体部材2と植栽部材3を主要部品としており、植栽部材3を筐体部材2の収納空間4に収納した構造となっている。
次に、筐体部材2および植栽部材3を説明する。
本発明に係る壁面緑化パネル1を構成する筐体部材2は、図2に示すように、枡形の構造となっているものであって、枡状となっていることによって正面に開口を有する直方体状の収納空間4を形成した構造となっているものである。
また、筐体部材2の上部には水または/および養液を収納空間4内に供給するための供給口5が設けられており、筐体部材2の下部には水または/および養液を排出するための排出口6が設けられている構造となっている。
さらに、筐体部材2の左右の側面には、後記する植栽部材3に設けた係止部19と係止する係止孔7が設けられており、植栽部材3を収納した際に係止部19が係止孔7に係止されることによって植栽部材3が収納空間4内に保持される構造となっている。
供給口5の構造としては、筐体部材2の上方から収納空間4内に水または/および養液を供給することができ、供給された水または/および養液が収納空間4内(植栽部材3が収納された際には植栽空間10内)において上方から下方に向かって流れる構造となるものであれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図2に示すように、筐体部材2の上部を骨組み(骨格)だけにした形態とし、開いた部分を供給口5とする構造とすれば、水または/および養液を漏れなく、かつ万遍なく(偏りなく)収納空間4内(植栽部材3が収納された際には植栽空間10内)に供給することができるので好適である。また、壁面緑化パネル1自体の軽量化も行うことができるので好適である。
排出口6の構造としては、収納空間4内(植栽部材3が収納された際には植栽空間10内)において上方から下方に向かって流れてきた水または/および養液を筐体部材2の下方から筐体部材2の外に排出することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図2に示すように、筐体部材2の底面の一部を背面とともに開口するような構造とすれば、上方から流れてきた水または/および養液を壁面緑化パネル1の正面方向に溢れさせることなく筐体部材2の背面側から外部に排出することができるので好適である。また、このような構造を採用すれば、壁面全体を覆うように壁面緑化パネル1を上下に多段に施工するような場合に、上段の壁面緑化パネル1の排出口6から排出された水または/および養液を、壁面緑化パネル1の正面方向に溢れさせることなく下段の壁面緑化パネル1の供給口5に供給し易くすることができるので好適である。
また、本発明に用いられる筐体部材2は、上部に供給口5が設けられていれば足りるものであるが、図2に示すように、溝部9を設ける構造とすれば、後記する灌水ホース32等の灌水設備の施工を容易にすることができるとともに、施工後における灌水ホース32等の灌水設備の交換を容易にすることができるので好適である。また、従前の壁面緑化パネルのように、施工後にパネル間に灌水ホース32等の灌水設備を設けるための隙間を設けなくて済むことから施工後の見栄えを良くすることができることからも好適である。
本発明に係る壁面緑化パネル1を構成する植栽部材3は、収納空間4に収納可能なものであり、かつ植栽する植物や後記する培地28を収納することができる植栽空間10を形成した構造となっているものである。
なお、植栽部材3の構造としては、上記の構造を有しているものであれば特に限定されるものではなく各種の構造を採用することができるが、各種の構造の中でも、図3に示すように、4つの側面のうちの1つの側面(図3においては上方の側面)がない、上方と正面に開口を有する枡状とし、正面に開口を有する直方体状の植栽空間10を形成した構造とすれば、花や観葉植物や芝生等、様々な植栽を行う際において柔軟に対応することができるので好適である。
また、植栽部材3の上部には供給口5から収納空間4内に供給された水または/および養液を、植栽空間10内に導入するための導入口11が設けられており、植栽空間10の下部には水または/および養液を貯留するための貯留部17と貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を植栽空間10の外に放出するための放出口18が設けられている構造となっている。このように本発明に係る壁面緑化パネル1は、植栽空間10の下部に植栽空間10内に供給された水または/および養液を貯留する貯留部17を設けているので、後記する培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって絶えず保水することができることになり、植物の乾燥による枯死を有効に防止することができるのである。また、培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって保水することができることから、培地28が適度な保水状態を維持することができ、導入口11から頻繁に水または/および養液を導入(供給)する必要が無く、水やりの頻度を少なくすることができるのである。さらに、筐体部材2とは別に植栽部材3を収納空間4に収納する構造とすることによって、植栽部材3が破損した場合や別の植物を植えたい場合でも該当する植栽部材3のみを交換するだけで済むことから、交換する部材の削減や作業性の向上を図ることができるのである。
なお、係止部19の構造としては、係止孔7に係止される構造であれば特に限定されるものではないが、図3に示すように、植栽部材3の左右の外側面に矩形状の係止板20を突設するとともに、収納方向に向かって高さが低くなるように傾斜した側板21を係止板20の両端に係止板20に直交するように連結する構造とすれば、植栽部材3をスムースに収納空間4に挿入することができるとともに、係止状態をより強固なものとすることができる(植栽部材3を収納空間4内により確実に保持することができる)ので好適である。
導入口11の構造としては、収納空間4内に供給された水または/および養液を植栽空間10に導入することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。そして、各種の構造の中でも、図3に示すように、上方と正面に横長の開口を有する形状とし、さらに係る形状の導入口11を植栽部材3の上部で、かつ植栽部材3の背面よりもさらに後方に張り出した位置に設ける構造とすれば、供給口5から収納空間4内に供給された水または/および養液を漏れなく、かつ万遍なく(偏りなく)植栽空間10内に供給することができるので好適である。また、導入口11の構造を上記の構造とすれば、植栽部材3を収納空間4内に上下方向に多段に収納した場合に、上段に位置する植栽部材3(3a)の放出口18から植栽空間10(10a)の外に放出されて流下した水または/および養液を、中段や下段に収納した植栽部材3(3b、3c)の導入口11(11b、11c)が漏れなく回収することができることになり、水または/および養液をより効率的に使用することができることになるので好適である。
貯留部17の構造としては、植栽空間10に導入された水または/および養液を貯留することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図3に示すように、植栽部材3の前記開口の下部に設けた板状部材12と、植栽空間10を構成する底面13と側面14と背面15によって形成された、上方に開口を有する直方体の空間構造16とすれば、導入された水または/および養液を漏れなく貯留することができるので好適である。また、後記する培地28を植栽空間10内に設ければ、培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって絶えず保水することができることになり、水または/および養液を無駄にすることなく用いることができるので好適である。
放出口18の構造としては、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を植栽部材3の背面側から植栽部材3の外部(収納空間4)に放出することができる、すなわち、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を正面方向に溢れさせないようにすることができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図3に示すように、横長の開口として、係る開口を植栽部材3の背面下部に設けた構造とすれば、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を正面方向に溢れさせずに、少しずつ植栽部材3の背面側から植栽部材3の外部(収納空間4)に放出することができるので好適である。
なお、貯留部17および放出口18の構造として図3に示す構造を採用する場合は、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を壁面緑化パネル1の正面方向に溢れさせないようにするために、後記する図8に示すように、放出口18の開口の下端が貯留部17を構成する板状部材12の上端よりも低い位置とすることが好ましい。
さらに、放出口18の構造として図3に示す横長の開口構造を採用する場合には、植栽部材3を上下方向に多段に収納した際に上段の植栽部材3aの放出口18から放出された水または/および養液を中段の植栽部材3bの導入口11bや下段の植栽部材3cの導入口11cに漏れなく導くために、放出口18の横方向の開口長さを導入口11の横方向の開口長さと同じとするかもしくは放出口18の横方向の開口長さを導入口11の横方向の開口長さよりも短くすることが好ましい。
また、本発明に係る壁面緑化パネル1には、植栽する植物に応じて、植物の脱落を防止するカバー部材23を用いることができる。
具体的には、育苗ポットで育てた植物などを植栽するような場合には、図1〜3に示す筐体部材2と植栽部材3だけで壁面緑化パネル1を構成してしまうと、植栽空間10内に植物が保持されず、脱落してしまうことになる。そこで、このような場合には、カバー部材23を植栽部材3の前面を覆うように設置することによって、育苗ポットで育てた植物なども植栽空間10内から脱落させることなく植栽することを可能にすることになる。
そして、このようなカバー部材としては、例えば図4に示すような、開口24を有する植物の脱落を防止するポケット部25を正面に複数個設けた構造となっているものが挙げられる。また、図4に示すカバー部材23は、端部に係止部26が設けられた構造となっており、係止部26を筐体部材2の係止孔27aに係止するとともに、各ポケット部25の背面の下部に設けた係止部(図示せず)を植栽部材3の係止孔27bに係止することによって図5〜7に示す壁面緑化パネル1aとすることになる。
上記したとおり、筐体部材2および植栽部材3には、通風孔8、22を設けることができる。なお、通風孔8、22の形状、数については特に限定されるものではないが、図1〜3に示すように、筐体部材2および植栽部材3の背面に複数設ける形態とすれば、空気の通過をより促進させることができ、根腐れの発生をより有効に防止することができるので好適である。
また、壁面緑化パネル1の背面側にファンなどの吸引装置を設けて、外部の空気を吸引して壁面緑化パネル1の正面から背面に空気を通過させるようにすれば、壁面緑化を行いつつ、植栽部材3内に植栽した植物、土壌、後記する培地などによって外部の空気を浄化することもできる。
本発明に係る壁面緑化パネル1は、植栽空間10内に培地28を敷設し、係る培地28に植物を植栽して用いることができる。ここで、このような培地28は、図8に示すように、植栽空間10内に敷設されるとともにその一部(図8においては培地28の下端部)を貯留部17内に挿入するようにして配置することができる。
このように本発明に係る壁面緑化パネル1は、培地28を植栽空間10内において特定の形態で配置することができるので、[0047]において記載したとおり、培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって保水することができ、培地28が適度な保水状態を維持することができるのである。また、培地28の植栽空間10内における敷設の形態については、上記の形態に加えて図8に示すように、導入口11と植栽空間10との間に渡って敷設する形態を採用すれば、貯留部17から吸い上げられる水または/および養液だけでなく、導入口11から導入(供給)される水または/および養液も保水させることができるので好適である。
培地28の素材や形状については、保水性があり、植物が根を張ることができるものであれば特に限定されるものではなく、各種の材質のものを用いることができる。具体的には、吸水性樹脂を主成分とした吸水性シート29や、フェルトやスポンジなどを用いた通気性シート30などを挙げることができる。また、これらの吸水性シート29や通気性シート30は単独で用いることも複数で用いることも併用することもできる。そして各種の材質や形態の中でも、1)培地が水受け部から水または/および養液を吸い上げ易くなること、2)水勾配をより有効に解消できること、3)水受け部が空気と接触することを防止できることなどの点から、図8に示すように、吸水性シート29を内層に配置した吸水性シート29と通気性シート30との積層物31を用いることが好ましい。
このように吸水性シート29を内層に配置することによって、培地28の一部を貯留部17内に挿入した際に培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げ易くなるのである。また、係る吸水性シート29を通気性シート30で挟むことによって、吸水性シート29内の水分が通気性シート30を通じて適度に蒸発して吸水性シート29が貯留部17から新たな水または/および養液を吸い上げることになることから、常に新鮮な水または/および養液が培地28内に保持されることになり、特許文献1や特許文献2のような水勾配の発生をより有効に防止することができることになるのである。
なお、植栽する植物に脱落の心配がない場合や、壁面緑化パネル1を寝かせた状態で予め培地28上で植物の育苗を行ってから(培地28などに根が張るまで植物の育苗を行ってから)壁面に施工する場合などにおいては、係るカバー部材23の使用を省略することもできる。
次に、本発明に係る壁面緑化パネルの別の実施形態を説明する。本実施形態は、筐体部材2と植栽部材3が一体化した形態(図1の状態の形態を一体成型によって作製したもの)であり、上部に水または/および養液などを供給するための供給口5と、正面に植物を植えるための植栽空間10を有する構造となっている。以下、詳細を説明する。
図9は本発明に係る壁面緑化パネルの別の実施形態を示す斜視図であり、図10は図9の正面図であり、図11は図9の背面図であり、図12は図10のA−A‘断面模式図であり、図13は図10をB矢印方向から見た拡大図であり、図14は図10をC矢印方向から見た拡大図であり、図15は図9の壁面緑化パネルに培地を敷設する状態を示す模式図であり、図16は図9の壁面緑化パネルに培地を敷設した状態の断面模式図である。
まず、本発明に係る壁面緑化パネル1(1b)は、図9〜12に示すように、上部に設けた水または/および養液などを供給するための供給口5と、植物を植えるための植栽空間10を正面に有する構造となっているものであり、具体的には、図2の筐体部材2の収納空間4の中に植栽空間10を設けた(図9においては、上下に3段となるように設けた)構造となっているものである。
次に、各部位について説明する。
本実施形態における供給口5は、図9〜12に示すとおり、壁面緑化パネル1の上端部全体に開口を設けたものであり、図12に示すように断面視凹状の樋型構造をしたものとなっている。なお、水または/および養液などを植栽空間10に供給できる形状であれば特に限定されるものではなく、上端部の一部のみを開口した形状などを採用することもできる。
本実施形態における植栽空間10は、図9〜12に示すとおり、植栽空間10が正面部分の略全面が開口されている直方体状の空間構造となっている。なお、植物を植栽できる開口および空間構造を有するものであればこれに限られるものではなく、開口を設けた円筒状や角筒状など各種の空間構造を採用することができる。
植栽空間10には上部に水または/および養液を植栽空間10内に導入するための導入口11と、下部に水または/および養液を貯留するための貯留部17と、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を排出するための放出口18を設けた構造となっている。
本実施形態においては、筐体部材2と植栽部材3が一体化した形態となっていることから、図1〜8に示す壁面緑化パネル1とは異なり、植栽空間10の背面には供給口5と複数の植栽空間10の内の一の植栽空間10の導入口11(図9〜12に示す壁面緑化パネル1においては最上段に位置する植栽空間10aの導入口11a)を繋ぐ第1配水経路33と、植栽空間10の排出口6と他の植栽空間10の導入口11とを繋ぐ第2配水経路34とが設けられている構造となっている。このように本実施形態に係る壁面緑化パネル1は、第1配水経路33と第2配水経路34を設けているので、1箇所に設けた供給口5から供給した水または/および養液を無駄にすることなく壁面緑化パネル1内の全ての植栽空間10に供給することができるのである。また、水または/および養液を効率よく使用することができるので、この点からも水やりの頻度も少なくすることができるのである。
なお、図9〜12に示す壁面緑化パネル1(1b)においては、最下段に位置する植栽空間10cの排出口6から壁面緑化パネル1(1b)の外部に排出される構造となっているが、複数の壁面緑化パネル1(1b)を上下に連結すれば、上方に施工した壁面緑化パネル1(1b)の排出口6とその下方に施工した壁面緑化パネル1(1b)の供給口5とを連結させることができ、水または/および養液をより効率的に使用することができることになる。
図15は本実施形態の壁面緑化パネルに培地を敷設する状態を示す模式図であり、図16は図15の壁面緑化パネルに培地を敷設した状態の断面模式図であり、図17は図15の壁面緑化パネルにカバー部材を装着した状態を示す斜視図であり、図18は図17の正面図である。
ここで図17、18に示すカバー部材23aは、逆T字状の切り込みを入れたシート36を設けた開口24を有するポケット部25を正面に複数個設けた構造となっているものであり、開口24部分に逆T字状の切り込みを入れたシート36を設けていることによって植物や土壌の脱落をさらに防止した構造となっているものである。
なお、植栽する植物に脱落の心配がない場合や予め培地28上で植物の育苗を行ってから壁面に施工する場合などにおいては係るカバー部材23は不要である。
1a 壁面緑化パネル
1b 壁面緑化パネル
1c 壁面緑化パネル
2 筐体部材
3 植栽部材
3a 植栽部材
3b 植栽部材
3c 植栽部材
4 収納空間
5 供給口
6 排出口
7 係止孔
8 通風孔
9 溝部
10 植栽空間
10a 植栽空間
10b 植栽空間
10c 植栽空間
11 導入口
11a 導入口
11b 導入口
11c 導入口
12 板状部材
13 底面
14 側面
15 背面
16 直方体の空間構造
17 貯留部
18 放出口
19 係止部
20 係止板
21 側板
22 通風孔
23 カバー部材
23a カバー部材
24 開口
25 ポケット部
26 係止部
27 係止孔
27a 係止孔
27b 係止孔
28 培地
29 吸水性シート
30 通気性シート
31 吸水性シートと通気性シートの積層物
32 灌水ホース
33 第1配水経路
34 第2配水経路
35 枠部
36 シート
Claims (9)
- 上部に水または/および養液を供給するための供給口と、正面に植物を植えるための複数の植栽空間を設けた壁面緑化パネルであって、
前記植栽空間には、
上部の奥面に、水または/および養液を前記植栽空間内に導入するための長方形状の横長の開口とした導入口を設けるとともに、
下部に、水または/および養液を貯留するための貯留部と前記貯留部からオーバーフローする水または/および養液を排出するための横長の放出口を設け、
さらに、
前記供給口と前記植栽空間の内の一の植栽空間の導入口を繋ぐ第1配水経路と、
前記植栽空間の放出口と他の前記植栽空間の導入口とを繋ぐ第2配水経路を設けたものであることを特徴とする壁面緑化パネル。 - 前記植栽空間を、
上下方向に多段に配置したことを特徴とする請求項1に記載の壁面緑化パネル。 - 前記植栽空間に、
通風孔を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁面緑化パネル。 - 上部に、
灌水ホースを設置する溝部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。 - さらに、
前記植栽空間内に敷設し、かつ一部を前記貯留部内に挿入するように配置した培地を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。 - 前記培地は、
前記植栽空間内において、前記導入口と前記貯留部との間に渡って敷設されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。 - 前記培地を、
前記貯留部の開口を覆うように配置したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。 - 前記培地は、
通気性シートと吸水性シートの積層物であり、
前記吸水性シートを内層に配置したものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。 - 前記培地の植物を植える部分に位置する吸水性シートを露出させたことを特徴とする請求項8に記載の壁面緑化パネル。
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