JP6724203B2 - 壁面緑化パネル - Google Patents

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Description

本発明は、壁面緑化に用いるパネル材に関するものであり、詳しくは軽量、薄型でありながら、壁面に施工しても、植物の乾燥・水勾配による枯死・水が溜まることによる根腐れなどを起こすことなく良好な保水性を発現することができ、植物を良好な状態で維持することができる壁面緑化パネルに関するものである。
また、水やりの頻度を少なくすることができる壁面緑化パネルに関するものである。
さらに、施工中および施工後における土壌の飛散やパネル間における水漏れなど、従前の壁面緑化パネルにおいて発生する各種のトラブルを防止することができる壁面緑化パネルに関するものである。
従前から壁面緑化を行うための装置やこのような壁面緑化装置に用いられる部材が各種開発されている。
ここで、壁面緑化を行う際には、どうしても水が上方から下方に流れる水勾配が生じることから、緑化装置の上部は乾燥し易く、逆に緑化装置の下部は水が溜まり易くなってしまうという課題がある。
また、壁面緑化装置やこのような装置に用いられる部材には、壁面に対する負荷を軽減するために軽量化・薄型化が要求されるが、軽量化・薄型化を実現しようとすると水勾配が生じ易くなってしまうという課題がある。
例えば、特許文献1には、2枚の保水材(内側保水材122と外側保水材126)の間に樹脂製のネットである第一鋼材124を挟んだ保水部材120を、パネル材110とともに壁面に施工し、外側保水材126の一部に切れ目を入れて外側保水材126を突出させることで植物を植える部分を設けた壁面緑化構造が開示されている(特許文献1の図1参照)。
また、特許文献2には、培土基盤21を備えた培土パネル20の上方に灌水チューブ25を設けることによって灌水を培土基盤21に供給し、培土基盤21からの排水を培土パネル20の下部に設けた排水ヒモ23に伝達させることによって培土パネル20の下方に設置した支持部材11に排水する壁面緑化ユニットが開示されている(特許文献2の図1(b)、図5、図9参照)。
特開2014−128228号公報 特開2013−192516号公報
しかしながら、特許文献1に記載の壁面緑化構造は、植栽基盤を軽量化することができるという利点はあるものの、上記のような構造となっていることから、2枚の保水材が保水する(抱き込む)水以外は上方から供給した水が下方に流れてしまう構造、すなわち水勾配が発生する構造となっているのである。つまり、特許文献1に記載の壁面緑化構造においては、保水材が常に水で保水されているように水を供給することが必要であり、水の供給を怠ると植物の乾燥による枯死が発生し、逆に水の供給が過剰になると根腐れが発生してしまうという課題があるのである。
また、特許文献1に示す壁面緑化構造においては、外側保水材126を突出させることで植物を植える部分を設ける構造となっていることから、切り込みを入れて突出させた部分の外側保水材126(特許文献1の図1の左方に張り出している外側保水材126)には水が保水されず、係る突出部分(植物が植栽されている部分)については内側保水材122によって保水されている水だけが植物の生育に使われることになってしまうという課題がある。なお、切れ目を入れて突出させた外側保水材126の上方に位置する外側保水材126には水が保水されることになるが、この場合においても水は上方に位置する外側保水材126内に保水されたままであることから、上方に位置する外側保水材126から水が突出部分に滴下することもなく、やはり突出部分(植物が植栽されている部分)については内側保水材122によって保水されている水だけが植物の生育に使われることになってしまうのである。
さらに、突出部分より下方に位置する外側保水材126については、内側保水材122と接触している部分から水が伝達されることによってのみ保水が行われることになることから、外側保水材126の保水状態に合わせて水を供給すると内側保水材122の保水状態が過剰になり、根腐れが発生し易くなってしまうという課題もあるのである。
一方、特許文献2に記載の壁面緑化ユニットについては、上方から供給した水が培土パネル20を通過した後、支持部材11内に集められる構造となっている。
従って、特許文献2の図5に示されているような形態を採用すれば、上段に位置する培土パネル20からの排水が支持部材内を通過する際に、同排水を下段に位置する培土パネル20の培土基盤21に通過させることが可能となる。
しかしながら、特許文献2に記載の壁面緑化ユニットに用いられる支持部材11はあくまでも排水を促す部材であり、また特許文献2の[0031]にも記載されているとおり、培土パネル20の底面部22bは水勾配が設けられている構造となっている。
従って、特許文献2の図5の形態においても、下段に位置する培土パネル20の下部(底部)が一時的に水によって濡れることはあっても、上段に位置する培土パネル20からの排水によって下段に位置する培土パネル20の全体が保水されるような構造とはなっておらず、特許文献1に記載の壁面緑化構造と同様に水勾配が発生する構造となっており、保水材が常に水を保水しているように上方から水を供給し続けることが必要となるのである。
以上のとおり、従前の壁面緑化装置においては、保水材を保水状態に保つように水を常時または一定の間隔で供給することが不可欠となっており、その結果、植物の乾燥や水勾配による枯死や水が溜まることによる根腐れを起こし易いという課題があるのである。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、軽量、薄型でありながら、壁面に施工しても植物の乾燥や水勾配による枯死や水が溜まることによる根腐れなどを起こすことなく良好な保水性を発現することができ、植物を良好な状態で維持することができる壁面緑化パネルの提供を目的とするものである。
また、水やりの頻度を少なくすることができる壁面緑化パネルの提供を目的とするものである。
さらに、施工中および施工後における土壌の飛散やパネル間における水漏れなど、従前の壁面緑化パネルにおいて発生する各種のトラブルを防止することができる壁面緑化パネルの提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る壁面緑化パネルは、上部に水または/および養液を供給するための供給口と、正面に植物を植えるための複数の植栽空間を設けた壁面緑化パネルであって、植栽空間には、上部の奥面水または/および養液を植栽空間内に導入するための長方形状の横長の開口とした導入口を設けるとともに、下部に水または/および養液を貯留するための貯留部貯留部からオーバーフローする水または/および養液を排出するための横長の放出口を設け、さらに、供給口と植栽空間の内の一の植栽空間の導入口を繋ぐ第1配水経路と、植栽空間の放出口と他の植栽空間の導入口とを繋ぐ第2配水経路を設けたものであることを特徴とする。

本発明の請求項2に係る壁面緑化パネルは、貯留部は、植栽部材の開口の下部に設けた板状部材と、植栽空間を構成する底面と側面と背面によって形成された、上方に開口を有する直方体の空間であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る壁面緑化パネルは、放出口を、植栽空間の背面に設けるとともに、放出口の下端部を板状部材の上端部よりも低い位置に設けたことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る壁面緑化パネルは、筐体空間および植栽空間の背面に、通風孔を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る壁面緑化パネルは、筐体部材の上部に、灌水ホースを設置する溝部を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項6に係る壁面緑化パネルは、複数の植栽部材を、収納空間内に上下方向に多段に収納したことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る壁面緑化パネルは、一の植栽部材の放出口から放出される水または/および養液が、一の植栽部材の下段に収納された他の植栽部材の導入口に導入されるように複数の植栽部材を収納空間内に上下方向に多段に収納したことを特徴とする。
本発明の請求項8に係る壁面緑化パネルは、さらに、植栽空間に吸水性を有する培地を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項9に係る壁面緑化パネルは、培地は、植栽空間内に敷設し、かつ一部を貯留部内に挿入するように配置したものであることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る壁面緑化パネルは、培地は、植栽空間内において、導入口と貯留部との間に渡って敷設されていることを特徴とする。
本発明の請求項11に係る壁面緑化パネルは、培地を、貯留部の開口を覆うように配置したことを特徴とする。
本発明の請求項12に係る壁面緑化パネルは、培地は、通気性シートと吸水性シートの積層物であり、吸水性シートを内層に配置したものであることを特徴とする。
本発明の請求項13に係る壁面緑化パネルは、培地の植物を植える部分に位置する吸水性シートを露出させたことを特徴とする。
本発明に係る壁面緑化パネルによれば特定の形態を有しているので以下に示す技術的効果を発現させることができる。また、特定の構造を有する培地を特定の形態で用いることによって、以下に示す技術的効果をより効率的に発現させることができる。
1)軽量、薄型でありながら良好な保水性を発現することができる。また、水やりの頻度を少なくすることができる。
2)植栽部内における水勾配を解消することができるので、植物の乾燥による枯死や水が溜まることによる根腐れを防止することができる。またパネル間における水漏れなどのトラブルを防止することができる。
3)植栽部材を筐体部材に収納することから、植栽部材が破損した場合や別の植物を植えたい場合でも当該植栽部材のみを交換するだけで済み、交換する部材の削減や作業性の向上を図ることができる。
4)専用苗ではなく、一般的に流通している3号ポット苗をそのまま植栽することができる。
5)軽量、薄型であることから、パネルを水平に置いた状態で植物を植栽して根付かせた後、施工する壁面(現場)に運搬して設置するような施工方法を採用することができる。従って、植物を枯らすことをより有効に防止しつつ、壁面の緑化を行うことができる。また、施工中および施工後の土壌の飛散も防止することができる。
6)施工してすぐに、ボリュームがあり見栄えの良い壁面の緑化を行うことができる。
7)植物を植栽して根付かせた状態で施工することができるため、工期や人員を削減することができる。
8)貯留部と保水マットにより水みちができ難く、各ポットを均一に湿らすことができる。
本発明の請求項2、3に係る壁面緑化パネルによれば、特定の形状の貯留部と放出口を備えることによって、上記1)、2)の効果をより向上させることができる。
本発明の請求項4に係る壁面緑化パネルによれば、通風孔を設けているので、根腐れの発生をより有効に防止することができる。また、本壁面側にファンなどの吸引もしくは送風装置を設けて、通気させた空気を植物および植栽空間内の培地や土壌によって浄化することができる。
本発明の請求項5に係る壁面緑化パネルによれば、筐体部材の上部に灌水ホースを設置する溝部を設けているので、施工が容易で、施工後も灌水ホースの交換が容易となる。また、パネル間に灌水ホースを設けるための隙間を設けなくて済むことから施工後の見栄えを良くすることができる。
本発明の請求項6、7に係る壁面緑化パネルによれば、植栽部材を上下方向に配置しているので、筐体部材および植栽部材の大きさを変更することで、施工する壁面に応じた壁面緑化パネルを容易に得ることができる。
本発明の請求項8、9に係る壁面緑化パネルによれば、吸水性を有する培地を植栽空間に設け、また培地を導入口と貯留部との間に渡るように敷設しているので、水勾配をより有効に解消することができる。
本発明の請求項10、11に係る壁面緑化パネルによれば、貯留部が空気と接触しないので、害虫などの発生を有効に防止することができる。
本発明の請求項12、13に係る壁面緑化パネルによれば、培地を特定の形態としているので、より保水性を向上させることができるとともに、より植物を根付かせることができる。
本発明に係る壁面緑化パネルの一の実施形態を示す斜視図である。 図1の壁面緑化パネルを構成する筐体部材を示す斜視図である。 図1の壁面緑化パネルを構成する植栽部材を示す斜視図である。 図1の壁面緑化パネルに用いるカバー部材を示す斜視図である。 図1の壁面緑化パネルに図4のカバー部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 図5を上方から見た状態を示す平面図である。 図5を右方向から見た状態を示す側面図である。 図1の壁面緑化パネルの植栽部材(植栽空間)に培地を収納するとともに、灌水ホースを設置した状態を示す断面模式図である。 本発明に係る壁面緑化パネルの別の実施形態を示す斜視図である。 図9の正面図である。 図9の背面図である。 図10のA−A‘断面模式図である。 図10をB矢印方向から見た拡大図である。 図10をC矢印方向から見た拡大図である。 図9の壁面緑化パネルに培地を敷設する状態を示す模式図である。 図9の壁面緑化パネルに培地を敷設した状態の断面模式図である。 図9の壁面緑化パネルにカバー部材を装着した状態を示す斜視図である。 図17の正面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
図1は本発明に係る壁面緑化パネルの一の実施形態を示す斜視図であり、図2は図1の壁面緑化パネルを構成する筐体部材を示す斜視図であり、図3は図1の壁面緑化パネルを構成する植栽部材を示す斜視図であり、図4は図1の壁面緑化パネルに用いるカバー部材を示す斜視図であり、図5は図1の壁面緑化パネルに図5のカバー部材を取り付けた状態を示す斜視図であり、図6は図5を上方から見た状態を示す平面図であり、図7は図5を右方向から見た状態を示す側面図であり、図8は図1の壁面緑化パネルの植栽部材(植栽空間)に培地を収納するとともに、灌水ホースを設置した状態を示す断面模式図である。
(基本構成)
まず、本発明に係る壁面緑化パネル1は、図1〜3に示すように、筐体部材2と植栽部材3を主要部品としており、植栽部材3を筐体部材2の収納空間4に収納した構造となっている。
次に、筐体部材2および植栽部材3を説明する。
(筐体部材)
本発明に係る壁面緑化パネル1を構成する筐体部材2は、図2に示すように、枡形の構造となっているものであって、枡状となっていることによって正面に開口を有する直方体状の収納空間4を形成した構造となっているものである。
また、筐体部材2の上部には水または/および養液を収納空間4内に供給するための供給口5が設けられており、筐体部材2の下部には水または/および養液を排出するための排出口6が設けられている構造となっている。
さらに、筐体部材2の左右の側面には、後記する植栽部材3に設けた係止部19と係止する係止孔7が設けられており、植栽部材3を収納した際に係止部19が係止孔7に係止されることによって植栽部材3が収納空間4内に保持される構造となっている。
なお、本発明に用いられる筐体部材2は植栽部材3を収納することができる収納空間4を形成していればよく、強度を確保することができれば図2に示すように強度確保に必要な骨組み(骨格)だけにした形態とすることもできる。このような骨格だけの形態を採用すれば、壁面緑化パネル1自体の軽量化を行うことができるとともに、開いた部分を後記する通風孔8としても活用することができることから好適である。
(供給口)
供給口5の構造としては、筐体部材2の上方から収納空間4内に水または/および養液を供給することができ、供給された水または/および養液が収納空間4内(植栽部材3が収納された際には植栽空間10内)において上方から下方に向かって流れる構造となるものであれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図2に示すように、筐体部材2の上部を骨組み(骨格)だけにした形態とし、開いた部分を供給口5とする構造とすれば、水または/および養液を漏れなく、かつ万遍なく(偏りなく)収納空間4内(植栽部材3が収納された際には植栽空間10内)に供給することができるので好適である。また、壁面緑化パネル1自体の軽量化も行うことができるので好適である。
(排出口)
排出口6の構造としては、収納空間4内(植栽部材3が収納された際には植栽空間10内)において上方から下方に向かって流れてきた水または/および養液を筐体部材2の下方から筐体部材2の外に排出することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図2に示すように、筐体部材2の底面の一部を背面とともに開口するような構造とすれば、上方から流れてきた水または/および養液を壁面緑化パネル1の正面方向に溢れさせることなく筐体部材2の背面側から外部に排出することができるので好適である。また、このような構造を採用すれば、壁面全体を覆うように壁面緑化パネル1を上下に多段に施工するような場合に、上段の壁面緑化パネル1の排出口6から排出された水または/および養液を、壁面緑化パネル1の正面方向に溢れさせることなく下段の壁面緑化パネル1の供給口5に供給し易くすることができるので好適である。
(溝部)
また、本発明に用いられる筐体部材2は、上部に供給口5が設けられていれば足りるものであるが、図2に示すように、溝部9を設ける構造とすれば、後記する灌水ホース32等の灌水設備の施工を容易にすることができるとともに、施工後における灌水ホース32等の灌水設備の交換を容易にすることができるので好適である。また、従前の壁面緑化パネルのように、施工後にパネル間に灌水ホース32等の灌水設備を設けるための隙間を設けなくて済むことから施工後の見栄えを良くすることができることからも好適である。
(植栽部材)
本発明に係る壁面緑化パネル1を構成する植栽部材3は、収納空間4に収納可能なものであり、かつ植栽する植物や後記する培地28を収納することができる植栽空間10を形成した構造となっているものである。
なお、植栽部材3の構造としては、上記の構造を有しているものであれば特に限定されるものではなく各種の構造を採用することができるが、各種の構造の中でも、図3に示すように、4つの側面のうちの1つの側面(図3においては上方の側面)がない、上方と正面に開口を有する枡状とし、正面に開口を有する直方体状の植栽空間10を形成した構造とすれば、花や観葉植物や芝生等、様々な植栽を行う際において柔軟に対応することができるので好適である。
また、植栽部材3の上部には供給口5から収納空間4内に供給された水または/および養液を、植栽空間10内に導入するための導入口11が設けられており、植栽空間10の下部には水または/および養液を貯留するための貯留部17と貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を植栽空間10の外に放出するための放出口18が設けられている構造となっている。このように本発明に係る壁面緑化パネル1は、植栽空間10の下部に植栽空間10内に供給された水または/および養液を貯留する貯留部17を設けているので、後記する培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって絶えず保水することができることになり、植物の乾燥による枯死を有効に防止することができるのである。また、培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって保水することができることから、培地28が適度な保水状態を維持することができ、導入口11から頻繁に水または/および養液を導入(供給)する必要が無く、水やりの頻度を少なくすることができるのである。さらに、筐体部材2とは別に植栽部材3を収納空間4に収納する構造とすることによって、植栽部材3が破損した場合や別の植物を植えたい場合でも該当する植栽部材3のみを交換するだけで済むことから、交換する部材の削減や作業性の向上を図ることができるのである。
また、植栽部材3の左右の外側面には、前記した筐体部材2に設けた係止孔7と係止する係止部19が設けられており、植栽部材3を収納した際に係止部19が係止孔7に係止されることによって植栽部材3が収納空間4内に保持される構造となっている。
なお、係止部19の構造としては、係止孔7に係止される構造であれば特に限定されるものではないが、図3に示すように、植栽部材3の左右の外側面に矩形状の係止板20を突設するとともに、収納方向に向かって高さが低くなるように傾斜した側板21を係止板20の両端に係止板20に直交するように連結する構造とすれば、植栽部材3をスムースに収納空間4に挿入することができるとともに、係止状態をより強固なものとすることができる(植栽部材3を収納空間4内により確実に保持することができる)ので好適である。
さらに、植栽部材3については、図1に示すように、収納空間4内において上下方向に多段に収納すれば、後記するように水または/および養液を上方から下方に流下させることによって、水または/および養液をより効率的に使用することができることになるので好適である。
なお、本発明に用いられる植栽部材3は植栽空間10に後記する培地28を収納することができる植栽空間10を形成していればよいものであるが、図3に示すように、背面に通風孔22を設ければ、壁面緑化パネル1自体の軽量化を行うことができるとともに、培地28に対して空気の通過をより促進させることができ、根腐れの発生をより有効に防止することができるので好適である。
(導入口)
導入口11の構造としては、収納空間4内に供給された水または/および養液を植栽空間10に導入することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。そして、各種の構造の中でも、図3に示すように、上方と正面に横長の開口を有する形状とし、さらに係る形状の導入口11を植栽部材3の上部で、かつ植栽部材3の背面よりもさらに後方に張り出した位置に設ける構造とすれば、供給口5から収納空間4内に供給された水または/および養液を漏れなく、かつ万遍なく(偏りなく)植栽空間10内に供給することができるので好適である。また、導入口11の構造を上記の構造とすれば、植栽部材3を収納空間4内に上下方向に多段に収納した場合に、上段に位置する植栽部材3(3a)の放出口18から植栽空間10(10a)の外に放出されて流下した水または/および養液を、中段や下段に収納した植栽部材3(3b、3c)の導入口11(11b、11c)が漏れなく回収することができることになり、水または/および養液をより効率的に使用することができることになるので好適である。
(貯留部)
貯留部17の構造としては、植栽空間10に導入された水または/および養液を貯留することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図3に示すように、植栽部材3の前記開口の下部に設けた板状部材12と、植栽空間10を構成する底面13と側面14と背面15によって形成された、上方に開口を有する直方体の空間構造16とすれば、導入された水または/および養液を漏れなく貯留することができるので好適である。また、後記する培地28を植栽空間10内に設ければ、培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって絶えず保水することができることになり、水または/および養液を無駄にすることなく用いることができるので好適である。
(放出口)
放出口18の構造としては、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を植栽部材3の背面側から植栽部材3の外部(収納空間4)に放出することができる、すなわち、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を正面方向に溢れさせないようにすることができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。
そして、各種の構造の中でも、図3に示すように、横長の開口として、係る開口を植栽部材3の背面下部に設けた構造とすれば、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を正面方向に溢れさせずに、少しずつ植栽部材3の背面側から植栽部材3の外部(収納空間4)に放出することができるので好適である。
なお、貯留部17および放出口18の構造として図3に示す構造を採用する場合は、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を壁面緑化パネル1の正面方向に溢れさせないようにするために、後記する図8に示すように、放出口18の開口の下端が貯留部17を構成する板状部材12の上端よりも低い位置とすることが好ましい。
さらに、放出口18の構造として図3に示す横長の開口構造を採用する場合には、植栽部材3を上下方向に多段に収納した際に上段の植栽部材3aの放出口18から放出された水または/および養液を中段の植栽部材3bの導入口11bや下段の植栽部材3cの導入口11cに漏れなく導くために、放出口18の横方向の開口長さを導入口11の横方向の開口長さと同じとするかもしくは放出口18の横方向の開口長さを導入口11の横方向の開口長さよりも短くすることが好ましい。
(カバー部材)
また、本発明に係る壁面緑化パネル1には、植栽する植物に応じて、植物の脱落を防止するカバー部材23を用いることができる。
具体的には、育苗ポットで育てた植物などを植栽するような場合には、図1〜3に示す筐体部材2と植栽部材3だけで壁面緑化パネル1を構成してしまうと、植栽空間10内に植物が保持されず、脱落してしまうことになる。そこで、このような場合には、カバー部材23を植栽部材3の前面を覆うように設置することによって、育苗ポットで育てた植物なども植栽空間10内から脱落させることなく植栽することを可能にすることになる。
そして、このようなカバー部材としては、例えば図4に示すような、開口24を有する植物の脱落を防止するポケット部25を正面に複数個設けた構造となっているものが挙げられる。また、図4に示すカバー部材23は、端部に係止部26が設けられた構造となっており、係止部26を筐体部材2の係止孔27aに係止するとともに、各ポケット部25の背面の下部に設けた係止部(図示せず)を植栽部材3の係止孔27bに係止することによって図5〜7に示す壁面緑化パネル1aとすることになる。
(通風孔)
上記したとおり、筐体部材2および植栽部材3には、通風孔8、22を設けることができる。なお、通風孔8、22の形状、数については特に限定されるものではないが、図1〜3に示すように、筐体部材2および植栽部材3の背面に複数設ける形態とすれば、空気の通過をより促進させることができ、根腐れの発生をより有効に防止することができるので好適である。
また、壁面緑化パネル1の背面側にファンなどの吸引装置を設けて、外部の空気を吸引して壁面緑化パネル1の正面から背面に空気を通過させるようにすれば、壁面緑化を行いつつ、植栽部材3内に植栽した植物、土壌、後記する培地などによって外部の空気を浄化することもできる。
(培地)
本発明に係る壁面緑化パネル1は、植栽空間10内に培地28を敷設し、係る培地28に植物を植栽して用いることができる。ここで、このような培地28は、図8に示すように、植栽空間10内に敷設されるとともにその一部(図8においては培地28の下端部)を貯留部17内に挿入するようにして配置することができる。
このように本発明に係る壁面緑化パネル1は、培地28を植栽空間10内において特定の形態で配置することができるので、[0047]において記載したとおり、培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げることによって保水することができ、培地28が適度な保水状態を維持することができるのである。また、培地28の植栽空間10内における敷設の形態については、上記の形態に加えて図8に示すように、導入口11と植栽空間10との間に渡って敷設する形態を採用すれば、貯留部17から吸い上げられる水または/および養液だけでなく、導入口11から導入(供給)される水または/および養液も保水させることができるので好適である。
(通気性シート、吸水性シート)
培地28の素材や形状については、保水性があり、植物が根を張ることができるものであれば特に限定されるものではなく、各種の材質のものを用いることができる。具体的には、吸水性樹脂を主成分とした吸水性シート29や、フェルトやスポンジなどを用いた通気性シート30などを挙げることができる。また、これらの吸水性シート29や通気性シート30は単独で用いることも複数で用いることも併用することもできる。そして各種の材質や形態の中でも、1)培地が水受け部から水または/および養液を吸い上げ易くなること、2)水勾配をより有効に解消できること、3)水受け部が空気と接触することを防止できることなどの点から、図8に示すように、吸水性シート29を内層に配置した吸水性シート29と通気性シート30との積層物31を用いることが好ましい。
このように吸水性シート29を内層に配置することによって、培地28の一部を貯留部17内に挿入した際に培地28が貯留部17から水または/および養液を吸い上げ易くなるのである。また、係る吸水性シート29を通気性シート30で挟むことによって、吸水性シート29内の水分が通気性シート30を通じて適度に蒸発して吸水性シート29が貯留部17から新たな水または/および養液を吸い上げることになることから、常に新鮮な水または/および養液が培地28内に保持されることになり、特許文献1や特許文献2のような水勾配の発生をより有効に防止することができることになるのである。
なお、培地28に吸水性シート29と通気性シート30の積層物31を用いる場合には、図8に示すように、吸水性シート29と通気性シート30の積層物31を貯留部17の開口を覆うように配置すれば、貯留部17の水または/および養液が空気と接触しにくくなり、害虫などの発生を有効に防止することができるので好適である。また、図8の上段および中段の植栽空間10a、10bに示すように、吸水性シート29の下端部を水または/および養液に浸漬させるように吸水性シート29と通気性シート30の積層物31を配置すれば、効率よく貯留部17内の水または/および養液を吸収することができるので好適である。さらに、図8の下段の植栽空間10cに示すように、貯留部17の開口を吸水性シート29と通気性シート30の積層物31で覆うだけでなく、吸水性シート29の下端部を折り曲げて貯留部17の開口を覆うようにしつつ、水または/および養液に浸漬させるように配置すれば、害虫などの発生を有効に防止しつつ、貯留部17内の水または/および養液をより効率よく吸収しやすくすることができるので好適である。
さらに、培地28に吸水性シート29と通気性シート30の積層物31を用いる場合には、後記する図15の上段の植栽空間10に示すように、植物を植える部分に位置する吸水性シート29を露出させる形態(図15においては植物を植える部分に位置する最前面層の通気性シート30をくり抜き、吸水性シート29を円形状に露出させる形態)とすれば、植栽した植物の根がより水または/および養液を吸収しやすくなるので好適である。
なお、培地28に吸水性シート29と通気性シート30の積層物31を用いる場合においても、材質や形態については植物が根を張ることができるものであれば特に限定されるものではなく、各種の材質のものを用いることができるが、吸水性シート29に吸水性樹脂を主成分とする吸水シートを、通気性シート30にフェルトやスポンジなどを用いれば、上記1)〜3)の効果をより効果的に発現させることができるので好適である。また、積層する形態を採用する場合には、図8に示す3層構造だけでなく、2層以上の各種の積層構造を採用することもできる。
次に、上記のように構成された壁面緑化パネル1(1a)の動作(施工方法)および作用を説明する。図8は図1の壁面緑化パネルの植栽部材に培地を収納するとともに、灌水ホースを設置した状態を示す断面図である。
まず、筐体部材2の係止孔7に植栽部材3の係止部19を係止することによって、図1に示すように、筐体部材2の収納空間4に植栽部材3を収納(図1においては上下方向に3段となるように収納)し、壁面緑化パネル1とする。
次に、植栽空間10内に培地28を敷設する。この際、[0051]〜[0054]や図8に記載した形態となるように培地28を敷設すると好適である。
次に、カバー部材23の係止部26を筐体部材2の係止孔27aに係止するとともに、各ポケット部25の背面の下部に設けた係止部(図示せず)を植栽部材3の係止孔27bに係止することによって、図5に示すように、カバー部材23を植栽部材3の前面を覆うように設置し、壁面緑化パネル1(1a)とする。
次に、育苗ポットで育てた植物を育苗ポットから抜き取り、その状態のままポケット部25内に挿入することによって植栽を行う。
次に、カバー部材23を設置した壁面緑化パネル1を緑化したい壁面に施工し、筐体部材2の溝部9に灌水ホース32などの灌水設備を施工する。
最後に、全ての植栽部材3の貯留部17に水または/および養液が貯留されるように供給口5から水または/および養液を供給することによって壁面緑化作業(施工作業)を完了する。なお、必要に応じて、供給口5から水または/および養液を適宜供給することによって植物の育成を行う。
なお、植栽する植物に脱落の心配がない場合や、壁面緑化パネル1を寝かせた状態で予め培地28上で植物の育苗を行ってから(培地28などに根が張るまで植物の育苗を行ってから)壁面に施工する場合などにおいては、係るカバー部材23の使用を省略することもできる。
さらに、本発明に係る壁面緑化パネル1の動作(施工方法)は上記に限定されるものでなく、例えば、芝草など根が張りやすい植物で壁面緑化を行いたい場合には、壁面緑化パネル1を寝かせた状態で植栽部材3(植栽空間10)にまず通気性シート30を敷設し、その上に芝草を育苗したマット状の芝生などを敷設してそのままの状態で水または/および養液を与えて育成を行い、芝草の根が通気性シート30に根付いた時点で壁面に施工する方法を採用することもできる。
(別の実施形態)
次に、本発明に係る壁面緑化パネルの別の実施形態を説明する。本実施形態は、筐体部材2と植栽部材3が一体化した形態(図1の状態の形態を一体成型によって作製したもの)であり、上部に水または/および養液などを供給するための供給口5と、正面に植物を植えるための植栽空間10を有する構造となっている。以下、詳細を説明する。
図9は本発明に係る壁面緑化パネルの別の実施形態を示す斜視図であり、図10は図9の正面図であり、図11は図9の背面図であり、図12は図10のA−A‘断面模式図であり、図13は図10をB矢印方向から見た拡大図であり、図14は図10をC矢印方向から見た拡大図であり、図15は図9の壁面緑化パネルに培地を敷設する状態を示す模式図であり、図16は図9の壁面緑化パネルに培地を敷設した状態の断面模式図である。
(基本構成)
まず、本発明に係る壁面緑化パネル1(1b)は、図9〜12に示すように、上部に設けた水または/および養液などを供給するための供給口5と、植物を植えるための植栽空間10を正面に有する構造となっているものであり、具体的には、図2の筐体部材2の収納空間4の中に植栽空間10を設けた(図9においては、上下に3段となるように設けた)構造となっているものである。
次に、各部位について説明する。
(供給口)
本実施形態における供給口5は、図9〜12に示すとおり、壁面緑化パネル1の上端部全体に開口を設けたものであり、図12に示すように断面視凹状の樋型構造をしたものとなっている。なお、水または/および養液などを植栽空間10に供給できる形状であれば特に限定されるものではなく、上端部の一部のみを開口した形状などを採用することもできる。
(植栽空間)
本実施形態における植栽空間10は、図9〜12に示すとおり、植栽空間10が正面部分の略全面が開口されている直方体状の空間構造となっている。なお、植物を植栽できる開口および空間構造を有するものであればこれに限られるものではなく、開口を設けた円筒状や角筒状など各種の空間構造を採用することができる。
また、植栽空間10については、図9〜12においては、上下に3段となるように設けられているが、植栽空間の数や設置形態については特に限定されるものではなく、各種の形態を採用することができる。なお、図9〜12に示すように、上下方向に多段に配置すれば上部から供給した水または/および養液を上段の植栽空間10から下段の植栽空間10へ順番に供給することができ、水または/および養液を効率的に活用することができるので好適である。
(導入口、貯留部、放出口)
植栽空間10には上部に水または/および養液を植栽空間10内に導入するための導入口11と、下部に水または/および養液を貯留するための貯留部17と、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を排出するための放出口18を設けた構造となっている。
なお、導入口11の構造については、水または/および養液を植栽空間10に導入(供給)することができる構造を有するものであれば特に限定されるものではなく、各種の形状、構造を採用することができるが、図9〜13に示すように導入口11を長方形状の開口として植栽空間10の奥面に設ける構造とすれば、培地28に対して上方から万遍なく水または/および養液を導入(供給)することができるので好適である。
また、貯留部17の構造についても、導入口11から導入(供給)した水または/および養液を貯留することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の形状、構造を採用することができるが、図9〜12および図14に示すように、断面視が凹状の樋型構造とすれば上方から流れ落ちてくる水または/および養液をもれなく受け止めて貯留することができるので好適である。
さらに、放出口18の構造についても、貯留部17からオーバーフローする水または/および養液を排出することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の形状、構造を採用することができるが、図9〜12および図14に示すように、排出口6の下端の位置が貯留部17の上端の位置以下となる構造とすれば貯留部17から壁面緑化パネル1の正面方向にオーバーフローする前に水または/および養液を排水することができるので好適である。
(第1配水経路、第2配水経路)
本実施形態においては、筐体部材2と植栽部材3が一体化した形態となっていることから、図1〜8に示す壁面緑化パネル1とは異なり、植栽空間10の背面には供給口5と複数の植栽空間10の内の一の植栽空間10の導入口11(図9〜12に示す壁面緑化パネル1においては最上段に位置する植栽空間10aの導入口11a)を繋ぐ第1配水経路33と、植栽空間10の排出口6と他の植栽空間10の導入口11とを繋ぐ第2配水経路34とが設けられている構造となっている。このように本実施形態に係る壁面緑化パネル1は、第1配水経路33と第2配水経路34を設けているので、1箇所に設けた供給口5から供給した水または/および養液を無駄にすることなく壁面緑化パネル1内の全ての植栽空間10に供給することができるのである。また、水または/および養液を効率よく使用することができるので、この点からも水やりの頻度も少なくすることができるのである。
なお、図9〜12に示す壁面緑化パネル1(1b)においては、最下段に位置する植栽空間10cの排出口6から壁面緑化パネル1(1b)の外部に排出される構造となっているが、複数の壁面緑化パネル1(1b)を上下に連結すれば、上方に施工した壁面緑化パネル1(1b)の排出口6とその下方に施工した壁面緑化パネル1(1b)の供給口5とを連結させることができ、水または/および養液をより効率的に使用することができることになる。
第1配水経路33の構造については、供給口5に供給された水または/および養液を導入口11に配水することができる構造であれば特に限定されるものではなく、各種の形状、構造を採用することができる。そしてその中でも、図9〜12に示すように、供給口5の底部の一部に連通した溝構造(供給口5の底部の一部がさらに掘られた溝構造)、すなわち供給口5と第1配水経路33とによって断面視が略逆L字状の樋型構造が形成された構造として、係る構造を有する第1配水経路33の植栽空間10側の一の端部に長方形の導入口11を開口する構造とすれば、供給口5に供給された水または/および養液を万遍なく導入口11を通じて植栽空間10内に導入(供給)することができるので好適である。
第2配水経路34の構造についても、貯留部17からオーバーフローして排出口6から溢れ出た水または/および養液を他の植栽空間10の導入口11に配水することができる構造を有するものであれば特に限定されるものではなく、各種の形状、構造を採用することができる。そしてその中でも、図9〜13に示すように、排出口6の開口全部と導入口11の開口全部を繋ぐ、断面視が略コの字状の経路とすれば、排出口6から溢れ出た水または/および養液をもれなく他の植栽空間10の導入口11に配水することができるので好適である。
次に、上記のように構成された壁面緑化パネル1の動作(施工方法)および作用を説明する。
図15は本実施形態の壁面緑化パネルに培地を敷設する状態を示す模式図であり、図16は図15の壁面緑化パネルに培地を敷設した状態の断面模式図であり、図17は図15の壁面緑化パネルにカバー部材を装着した状態を示す斜視図であり、図18は図17の正面図である。
まず、本実施形態に係る壁面緑化パネル1(1b)の植栽空間10に培地28を敷設する。この際、[0051]〜[0054]や図15、16に記載した形態となるように培地28を敷設すると好適である。
次に、壁面緑化パネル1正面の枠部35にカバー部材23をビス止めなどの方法によって設置し、壁面緑化パネル1(1c)とする。またこの際、培地28の植物を植える部分に位置する吸水性シート29を露出させる形態([0054]に記載しているような、植物を植える部分に位置する最前面層の通気性シート30をくり抜き、吸水性シート29を円形状に露出させる形態)を採用している場合には、係る露出部分にカバー部材23の開口24が位置するようにカバー部材23を設置する。
ここで図17、18に示すカバー部材23aは、逆T字状の切り込みを入れたシート36を設けた開口24を有するポケット部25を正面に複数個設けた構造となっているものであり、開口24部分に逆T字状の切り込みを入れたシート36を設けていることによって植物や土壌の脱落をさらに防止した構造となっているものである。
なお、植栽する植物に脱落の心配がない場合や予め培地28上で植物の育苗を行ってから壁面に施工する場合などにおいては係るカバー部材23は不要である。
次に、カバー部材23を設置した壁面緑化パネル1(1c)を緑化したい壁面に施工し、育苗ポットで育てた植物を育苗ポットから抜き取り、その状態のままポケット部25内に挿入することによって植栽を行う。
最後に、全ての植栽空間10の貯留部17に水または/および養液が貯留されるように供給口5から水または/および養液を供給することによって壁面緑化作業(施工作業)を完了する。なお、必要に応じて、供給口5から水または/および養液を適宜供給することによって植物の育成を行う。
なお、本実施形態に係る壁面緑化パネル1の動作(施工方法)は上記に限定されるものでなく、例えば、芝草など根が張りやすい植物で壁面緑化を行いたい場合には、壁面緑化パネル1を寝かせた状態で植栽空間10にまず通気性シート30を敷設し、その上に芝草を育苗したマット状の芝生などを敷設してそのままの状態で水または/および養液を与えて育成を行い、芝草の根が通気性シート30に根付いた時点で壁面に施工する方法を採用することもできる。
以上のとおり、本発明に係る壁面緑化パネルを用いれば、軽量、薄型でありながら良好な保水性を発現することができ、水やりの頻度を少なくすることができる。また、植栽部内における水勾配を解消することができ、植物の乾燥による枯死や水が溜まることによる根腐れを防止することができる。さらに、[0026]〜[0033]に記載のとおり、様々な技術的効果を発現させることができる。
本発明は壁面緑化に用いることができる。
1 壁面緑化パネル
1a 壁面緑化パネル
1b 壁面緑化パネル
1c 壁面緑化パネル
2 筐体部材
3 植栽部材
3a 植栽部材
3b 植栽部材
3c 植栽部材
4 収納空間
5 供給口
6 排出口
7 係止孔
8 通風孔
9 溝部
10 植栽空間
10a 植栽空間
10b 植栽空間
10c 植栽空間
11 導入口
11a 導入口
11b 導入口
11c 導入口
12 板状部材
13 底面
14 側面
15 背面
16 直方体の空間構造
17 貯留部
18 放出口
19 係止部
20 係止板
21 側板
22 通風孔
23 カバー部材
23a カバー部材
24 開口
25 ポケット部
26 係止部
27 係止孔
27a 係止孔
27b 係止孔
28 培地
29 吸水性シート
30 通気性シート
31 吸水性シートと通気性シートの積層物
32 灌水ホース
33 第1配水経路
34 第2配水経路
35 枠部
36 シート

Claims (9)

  1. 上部に水または/および養液を供給するための供給口と、正面に植物を植えるための複数の植栽空間を設けた壁面緑化パネルであって、
    前記植栽空間には、
    上部の奥面水または/および養液を前記植栽空間内に導入するための長方形状の横長の開口とした導入口を設けるとともに、
    下部に水または/および養液を貯留するための貯留部と前記貯留部からオーバーフローする水または/および養液を排出するための横長の放出口を設け、
    さらに、
    前記供給口と前記植栽空間の内の一の植栽空間の導入口を繋ぐ第1配水経路と、
    前記植栽空間の放出口と他の前記植栽空間の導入口とを繋ぐ第2配水経路を設けたものであることを特徴とする壁面緑化パネル。
  2. 前記植栽空間を、
    上下方向に多段に配置したことを特徴とする請求項1に記載の壁面緑化パネル。
  3. 前記植栽空間に、
    通風孔を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁面緑化パネル。
  4. 上部に、
    灌水ホースを設置する溝部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。
  5. さらに、
    前記植栽空間内に敷設し、かつ一部を前記貯留部内に挿入するように配置した培地を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。
  6. 前記培地は、
    前記植栽空間内において、前記導入口と前記貯留部との間に渡って敷設されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。
  7. 前記培地を、
    前記貯留部の開口を覆うように配置したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。
  8. 前記培地は、
    通気性シートと吸水性シートの積層物であり、
    前記吸水性シートを内層に配置したものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の壁面緑化パネル。
  9. 前記培地の植物を植える部分に位置する吸水性シートを露出させたことを特徴とする請求項8に記載の壁面緑化パネル。
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