次に、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。
なお、添付の全図面の中の記載で、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、特に指定しない限り、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。
また、以下説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1〜図6は、一実施形態によるプリンタ1Aを説明する図である。
図1はホルダカバー20Aを開いた状態のプリンタ1Aの外観を示し、図2はホルダカバー20Aを閉じた状態のプリンタ1Aの外観を示している。図3はホルダカバー20Aを平面視した状態を示している。図4はホルダカバー20Aを閉じた状態のプリンタ1Aの断面を示し、図5はホルダカバー20Aを開いた状態のプリンタ1Aの断面を示しており、図6はプリンタ本体10からホルダカバー20Aを取り外した状態を示している。なお、以下の各実施例の説明において、重力方向を下方、これと反対方向を上方という。
プリンタ1Aは、落とし込み方式のプリンタであり、記録紙100に軸を通すことなく、記録紙100を装置内にそのまま装着できる。なお、プリンタ1Aは小型軽量化及び高速駆動化が図られたプリンタであるものとし、よって記録紙100は高速で引き出される。
プリンタ1Aは、プリンタ本体10、ホルダカバー20A、軸承機構50、接触部材60A、離脱防止機構70Aを有している。
プリンタ本体10は、記録紙100を内部に収納すると共に記録紙100に対して印刷処理を行う印刷機構の一部が搭載されている。プリンタ本体10には、記録紙ホルダ11、回路基板12、モータ13,14、サーマルヘッド40、固定刃41が配設されている。
記録紙ホルダ11は、プリンタ本体10の内部にプリンタ本体と一体的に形成されている。記録紙100は、記録紙ホルダ11の内部に装着される。このため、記録紙ホルダ11のホルダカバー20Aが装着される側は、大きく開口している。
記録紙100は感熱紙であり、ロール状に巻かれた状態で記録紙ホルダ11に収納される。なお以下の説明において、ロール状に巻かれた記録紙100をロール紙100aという。
記録紙ホルダ11は、内壁に複数のリブ16が形成されている。記録紙ホルダ11内にロール紙100aが装着された際、リブ16によりロール紙100aと記録紙ホルダ11の内壁との接触面積を小さくでき、ロール紙100aと内壁との間に発生する摩擦を低減することができる。
図4に示すように、回路基板12は、プリンタ本体10の上部背面側に配置されている。回路基板12には、プリンタ1Aの各種制御を行うための制御回路が搭載されている。またモータ13、14は、一方が記録紙100を搬送するために用いられ、他方が可動刃42を駆動するために用いられる。
記録紙ホルダ11の左右の内壁には、図6に示すように、軸承機構50の一部を構成する、ホルダカバー20Aが取り付けられる軸孔17が形成されている(図6では、一方の軸孔17のみが示されている)。ホルダカバー20Aは、軸承機構50により回転可能にプリンタ本体10に取り付けられる。なお、図6ではカバー本体23及びプリンタ本体10のみを示し、モータ13,14及びプラテンローラ45等の図示は省略している。
サーマルヘッド40は、感熱紙である記録紙100に対して印刷を行う。サーマルヘッド40は、プリンタ本体10の上部に配設されている。
記録紙100は、印刷が行われた後にカッターにより切断される。カッターは、固定刃41と可動刃42とを有する。固定刃41は、プリンタ本体10の上部で、サーマルヘッド40の配設位置よりも下流側に設置されている。
ホルダカバー20Aは、オープンレバー21、カバー本体23、可動刃42、プラテンローラ45を有している。
オープンレバー21は、ホルダカバー20Aを開くためのレバーである。オープンレバー21は、カバー本体23の表面に設けられた溝22内を移動可能な構成とされている。ホルダカバー20Aは、プリンタ本体10に閉じられた状態でロック機構によりロックされる。以下の説明において、ホルダカバー20Aが閉じられた状態を閉状態という。
ホルダカバー20Aを開く際には、オープンレバー21を下方にスライドさせる。オープンレバー21の操作によりロック機構によるロックは解除され、ホルダカバー20Aをプリンタ本体10に対して開くことができる。以下の説明において、ホルダカバー20Aが開かれた状態を開状態という。
カバー本体23は、ホルダカバー20Aの基部となる。可動刃42、プラテンローラ45、接触部材60A、ストッパ80Aは、カバー本体23に配設される。カバー本体23は、樹脂により一体成型されている。
カバー本体23のプリンタ本体10と対向する側の面である背面の両側には、側板24がカバー本体と一体的に形成されている。側板24は、カバー本体23の背面に対して直立するよう形成されている。各側板24の外側には、軸承機構50の一部を構成する軸部28が形成されている。軸部28は、側板24の側面から外方に突出するよう形成されている。
可動刃42は、ホルダカバー20Aを閉じた状態で、プリンタ本体10に設けられた固定刃41と対向する位置に設けられる。プリンタ1Aに装着された記録紙100は、固定刃41と可動刃42との間に位置する。可動刃42をモータで固定刃41に向け移動させることにより、固定刃41と可動刃42との間に存在している記録紙100が切断される。
プラテンローラ45は、ホルダカバー20Aの上部に配設されている。ホルダカバー20Aを閉じた状態において、記録紙100はサーマルヘッド40とプラテンローラ45との間に挟持される。記録紙100がサーマルヘッド40とプラテンローラ45との間に挟持された状態で印刷が行われる。
ホルダカバー20Aが閉じられた状態で、ホルダカバー20Aの内壁と記録紙ホルダ11の内壁との間に空間が形成される。以下の説明において、ホルダカバー20Aと記録紙ホルダ11との間に形成される空間を記録紙収納室15という。
閉状態においてオープンレバー21が操作されると、軸承機構50によりプリンタ本体10に軸承されたホルダカバー20Aが回転して図1及び図5に示す開状態になる。開状態では、記録紙ホルダ11(記録紙収納室15)は開口した状態となり、図5に示すようにロール紙100aを記録紙ホルダ11内に装着することができる。そして、再びホルダカバー20Aを閉じることにより、ロール紙100aは記録紙収納室15に収納される。
図4は、ロール紙100aを記録紙収納室15に収納した状態を示している。印刷処理に応じてロール紙100aの回転に伴い搬送される記録紙100は図4図示上方に進行し、サーマルヘッド40とプラテンローラ45の間を通過する際に印刷処理が行われ、続いて固定刃41と可動刃42の間を通過した後、図4に示ようにプリンタ1Aの排出口から矢印B方向に排出される。
プリンタ1Aは落とし込み方式のプリンタであるため、記録紙収納室15の内部でロール紙100aが図4図示左右方向に移動する。記録紙100がプリンタ1Aの上方から引き出されることにより、ロール紙100aは15内で回転し、ホルダカバー20Aに押し付けられる方向に移動する。図4に、ロール紙100aの回転方向を矢印Aで示し、移動方向を矢印Cで示す。
図26及び図27は、参考例であるプリンタ200を示している。
図26はプリンタ200のホルダカバー220の平面図であり、図27はプリンタ200のホルダカバー220を閉じた状態を示す断面図である。
参考例であるプリンタ200も、落とし込み方式のプリンタである。図26に示す例では、プリンタ200はホルダカバー220の内壁に4本のリブ225が形成されている。リブ225は、ホルダカバー220の内壁に図26図示上下方向に延出するよう形成されている。
プリンタ200の高速印字への対応に伴い、記録紙100の引き出し速度が向上することにより、記録紙搬送時におけるロール紙100a自体の移動と回転は速くなってきている。また、装置の小型化に伴いロール紙100aを収納するスペースは減少している。
これらの理由により、記録紙100が高速で引き出されると、ロール紙100aが急激に移動して、ホルダカバー220のリブ225とロール紙100aの表面が瞬間的に引っ掛かるような挙動を示し、これによりロール紙100aとリブ225が衝突し、また擦れて音が発生する(以下、このように発生する音を擦れ音という)。
リブ225とロール紙100aの表面との接触は、図26に斜線で示すリブ225の中央から下の位置(以下、用紙表面接触位置という)において発生する。よって擦れ音は、図26に斜線で示す用紙表面接触位置において多く発生する。擦れ音の発生は、プリンタ200の静粛性からは望ましくない。
またプリンタ200では複数のリブ225が上下方向に且つ平行に延在している。記録紙の引き出しに伴いロール紙の径が小さくなっても、ロール紙100aは幅方向(軸方向)に対しては移動しない。よって、リブ225はロール紙100aの幅方向に対する同じ位置に圧接する。
このようにプリンタ200では、リブ225がロール紙100aの幅方向の同一位置に圧接するため、引き出されるロール紙100aに圧接跡が発生してしまう。
一方、本実施形態に係るプリンタ1Aは、ホルダカバー20Aに接触部材60Aを設けている。
次に、接触部材60Aについて説明する。
接触部材60Aは、図3及び図4に示すように、ホルダカバー20Aの内壁と対向するよう配設されている。接触部材60Aは断面が円形の金属ワイヤにより一体的に形成され、山形状部61A、取り付け部62A、支持部63Aを有している。また金属ワイヤの材質としては、バネ性を有する材料を選定することができる。
なお、接触部材60Aの材質は金属に限定されるものではなく、樹脂を用いることも可能である。また、接触部材60Aの断面形状も必ずしも円形に限定されるものではなく、ロール紙100aと滑らかに接触できる形状であれば他の形状とすることも可能である。
山形状部61Aは、図3に示すように略への字形状を有しており、本実施形態では単数設けられている。また山形状部61Aは、幅方向(図3の左右方向)の中央に上方に向け突出した頂部64Aと、頂部64Aを中心として図3図示の左右外側に斜め方向に延出する傾斜部61A−1,61A−2を有している。頂部64Aの記録紙収納室15の底面からの高さは、記録紙収納室15に装着されたロール紙100aの最大時の半径よりも大きく設定されている。
支持部63Aは取り付け部62Aに対して山形状部61Aを支持するものであり、山形状部61Aの両端部から下方に延出している。支持部63Aは、側板24に形成された溝部内に位置している。また支持部63Aの下端部は、接触部材60Aをホルダカバー20Aに取り付ける取り付け部62Aと接続している。取り付け部62Aは、リブ25の図3図示下方に形成された装着突起26に着脱可能に係合する。
取り付け部62Aが装着突起26に係合することにより接触部材60Aはホルダカバー20Aに装着され、取り付け部62Aが装着突起26から離脱することにより接触部材60Aはホルダカバー20Aから取り外される。このように接触部材60Aをホルダカバー20Aに対して着脱可能にすることにより、接触部材60Aのメンテナンスを容易に行うことができる。
なお、取り付け部62Aのホルダカバー20Aの取り付け位置は装着突起26に限定されるものではなく、他の部位に取り付けることとしてもよい。また、取り付け部62Aをホルダカバー20Aに完全に固定し、接触部材60A着脱が不能な構成とすることも可能である。
次に、接触部材60Aの動作について説明する。
プリンタ1Aにおいて記録紙100が引き出されると、ロール紙100aはホルダカバー20Aの内壁に向け、図4に矢印Cで示す方向に移動する。接触部材60Aは、ホルダカバー20Aの内壁に配設されている。よって、ロール紙100aが装着後の大径である場合にはロール紙100aの装着により、また記録紙100の引き出しに伴いロール紙100aが小径になった場合にはロール紙100aがホルダカバー20Aに向けて移動することにより、ロール紙100aは接触部材60Aに接触する。
接触部材60Aの山形状部61Aは、ロール紙100aが接触していない状態では、図4及び図5に示すようにホルダカバー20Aの内壁に対して斜め前方に傾いた状態になっている。
ロール紙100aがホルダカバー20Aに向け移動することにより、ロール紙100aは山形状部61Aと接触する。
更にロール紙100aがホルダカバー20Aに向けて移動すると、またロール紙100aの径が大きい場合にはロール紙100aを装着することにより、山形状部61Aは、ロール紙100aに押圧されてホルダカバー20Aに向けて弾性変形する。図4に矢印Dで示す方向は、山形状部61Aが弾性変形する方向を示している。
このように山形状部61Aがロール紙100aの移動に応じて弾性変形するため、変形した61Aの弾性によってロール紙が図4図示右側方向に付勢され、この付勢力によりロール紙100aのホルダカバー20Aに向かう移動力は減衰される。よって、ロール紙がホルダカバーに向けて急激に移動することを防止でき、ロール紙100aが山形状部61A(接触部材60A)と接触する際、擦れ音が発生することを抑制することができ、プリンタ1Aの静粛性を高めることができる。
ロール紙100aと山形状部61Aとが接触した状態でロール紙100aが引き出されると、ロール紙100aは山形状部61Aと接触した状態で回転する。よって、ロール紙100aと山形状部61Aとの間で摩擦が発生する。
ここで、ロール紙100aと山形状部61Aとの接触状態に注目する。
なお以下の説明において、ホルダカバー20Aのプラテンローラ45が配設されている側を上方といい、軸部28が設けられている側を下方というものとする。
本実施形態では、カバー本体23には上方に頂点を有する上に凸の山形状の接触部材60Aが設けられている。図3の例では、設けられている接触部材60Aは単数である。また、接触部材60Aの中央に設けられた頂部64Aの高さは、記録紙収納室15に装着されているロール紙100aの最大時の半径よりも大きく設定されている。従って山形状部61Aは、ロール紙100aに2箇所で接触することになる。
また、接触部材60Aは、断面が円形の金属ワイヤで形成されている。またロール紙100aの軸方向に対して傾斜した山形状部61Aがロール紙100aと接触する。よって、山形状部61Aとロール紙100aとの接触は実質的に点接触となる。
ここで実質的な点接触とは、厳密な意味での「点接触」ばかりでなく、点接触とみなせる接触も含むものとする。「点接触とみなせる接触」とは、図26及び図27を用いて説明した参考例におけるロール紙100aとリブ225との接触面積よりも小さい面積での点接触及び線接触とする。
また、山形状部61Aとロール紙100aとの接触面積は、ロール紙100aが接触部材60Aに押圧される押圧力の大きさにより変化するが、「点接触とみなせる接触」は、この押圧力の変化に伴い変化する接触面積の範囲での接触も含むものとする。
ロール紙100aと山形状部61Aは実質的に点接触するため、ロール紙100aと山形状部61Aとの接触面積は、参考例で示したロール紙とリブとの接触面積に比べて小さい。従って、接触部材60Aとロール紙100aとの間に発生する摩擦力は参考例と比較して小さく、ロール紙100aは円滑に回転する。このため、ロール紙100aと山形状部61Aとの接触位置において擦れ音が発生することを抑制でき、静粛性の高いプリンタ1Aを実現することができる。
更に、ロール紙100aの直径は、記録紙100が引き出されることにより小さくなるが、ロール紙100aの直径が小さくなるに従って、山形状部61Aと接触するロール紙の幅方向の位置は移動する。
上記のロール紙100aと山形状部61Aとの接触位置の変化の具体例を図3及び図4を用いて説明する。
図4に符号100a−1で示すロール紙は、まだ記録紙100が引き出されてない、最大直径を有した状態のものである(以下、大ロール紙100a−1という)。また図4に符号100a−2で示すロール紙は、記録紙100が使用されることにより直径が最大直径の2/3程度になった状態のものである(以下、中ロール紙100a−2という)。更に、図4に符号100a−3で示すロール紙は、記録紙100が使用されることにより直径が最大直径の1/3程度になったものである(以下、小ロール紙100a−3という)。
大ロール紙100a−1は直径が大きいため、頂部64Aの近い山形状部61Aの上方の2箇所、図3にP1で示す位置で山形状部61Aと接触する。図3に示すように、大ロール紙100a−1が接触する2箇所の接触位置P1は互いに近接している。
記録紙100が引き出されることによりロール紙の直径が小さくなり、中ロール紙100a−2の状態になると、接触位置P1よりも下方且つ図3図示外側の接触位置P2において中ロール紙100a−2は山形状部61Aと接触する。
更に記録紙100が引き出されることによりロール紙の直径が小さくなり、小ロール紙100a−3の状態になると、接触位置P2よも更に下方且つ図3図示外側の接触位置P3おいて小ロール紙100a−3は山形状部61Aと接触する。
このように、山形状部61Aが山形で、またロール紙100aは記録紙100の使用に伴い直径が小さくなるため、山形状部61Aと接触するロール紙100aの幅方向の位置は記録紙100の引き出しに伴い変化して、次第に外側に移動する。よって、ロール紙100aが山形状部61Aに圧接しても、ロール紙100aの直径が小さくなるにつれて山形状部に接触するロール紙の幅方向の位置が変化するため、引き出される記録紙100に圧接跡が発生することを防止できる。
次に、図6〜図14を用いて、離脱防止機構70Aについて説明する。
ホルダカバー20Aは、軸部28が軸孔17に軸承されることにより、プリンタ本体10に回転可能に装着される。
しかしながら、ロール紙100aの記録紙収納室15への装着時におロール紙100aを落とす等によりホルダカバー20Aに外力が加わった場合、側板24が内側に変位し、軸部28が軸孔17から離脱するおそれがある。本実施形態による離脱防止機構70Aは、ホルダカバー20Aに外力が加わった際にホルダカバー20Aがプリンタ本体10から離脱するのを防止する。
以下、離脱防止機構70Aについて説明する。
離脱防止機構70Aは、凹部29、装着溝27、ストッパ80Aを有している。
凹部29は、カバー本体23の両側に設けられた側板24の内壁に形成された有底孔である。また凹部29の外周には、側板24に対して内側に突出した突出面29aが形成されている(図6(B)参照)。
本実施形態では、凹部29は軸部28の形成位置に対してずらした位置に配置されている。しかしながら、軸部28の軸孔17からの離脱防止を図るためには、軸部28と凹部29は近接していることが望ましく、凹部29と軸部28とを同軸上に配置してもよい。
装着溝27は、ストッパ80Aが装着される溝である。装着溝27は、カバー本体23の内側に形成されているリブ25に設けられている。装着溝27の上下には、装着突起26が形成されている。言い換えると、一対の装着突起26を設けることによって、一対の装着突起26の間に、その底面がカバー本体23の内壁と略面一の高さとなる装着溝27が形成される。また各装着溝27は、両側の凹部29を結ぶ線分上に位置するよう配置されている。
なお、装着溝27は必ずしもリブ25の延長線上に設ける必要はなく、リブ25の形成位置以外のカバー本体23の内面に形成する構成としてもよい。
ストッパ80Aは、ストッパ本体81A、凸部82、ストッパ面83を有している。ストッパ本体81Aは、断面が蒲鉾形の棒状形状を有している。ストッパ本体81Aの内部には空間が設けられ、複数の補強リブ84が空間内に形成されている。補強リブ84の配設数及び配設位置を適宜調整することにより、ストッパ80Aの強度を調整することができる。
なお、ストッパ本体81Aの断面形状は蒲鉾形に限定されるものではなく、円形、矩形、楕円形等の他の断面形状としてもよい。また、補強リブ84は必ずしも設ける必要はなく、ストッパ80Aの強度調整が必要な場合に設ければよい。
凸部82及びストッパ面83は、ストッパ本体81Aの両端にそれぞれ形成されている。凸部82は円柱形であり、凹部29と係合する。ストッパ面83は、凸部82に対して底面87側にずれた位置に形成されている。
次に、ストッパ80Aをホルダカバー20Aに装着する方法について説明する。
図6(A)は、ホルダカバー20Aがプリンタ本体10から取り外されている状態を示している。ストッパ80Aをホルダカバー20Aに装着する前に、ホルダカバー20Aをプリンタ本体10に装着する。ホルダカバー20Aをプリンタ本体10に装着するには、側板24の外壁に形成されている軸部28を、記録紙ホルダ11の内壁に形成されている軸孔17に装着する。図6(A)に矢印Gで示す一点鎖線は、軸部28の軸孔17への装着を示している。
図8は、ホルダカバー20Aがプリンタ本体10に取り付けられた状態を示している。ホルダカバー20Aがプリンタ本体10に取り付けられた後、ストッパ80Aをホルダカバー20Aに装着する。具体的には、図8に一点鎖線で示すように、ストッパ80Aの凸部82を側板24に形成されている凹部29に挿入する。
図9は、ストッパ80Aの凸部82が側板24の凹部29に係合した状態を示している。凸部82が凹部29に係合することにより、ストッパ80Aは装着溝27の内部に位置した状態となる。また、凸部82に対してオフセットしているストッパ面83は、凹部29の外周に形成された突出面29aと対向した状態となる。
なお、図9では、ストッパ80Aの底面87(図7参照)が上を向いた状態でストッパ80Aがホルダカバー20Aに取り付けられている。図9は、ストッパ80Aが適正な向きでホルダカバー20Aに装着されていない状態を示している。
ストッパ80Aが適正な向きで装着されていない場合は、図9に矢印で示すようにストッパ80Aを回転させ、ストッパ80Aの底面87がオープンレバー21の内壁と対向するよう位置調整を行う。
図10は、ストッパ80Aがホルダカバー20Aに適正に装着された状態を示している。ストッパ80Aがホルダカバー20Aに適正に装着されることにより、ストッパ80Aの曲面部分が上を向くため、プリンタの意匠性を向上させることができる。また、記録紙収納室15に装着されるロール紙100aに、ストッパ80Aに起因して傷がつくことを防止することができる。
また、ストッパ80Aをホルダカバー20Aに適正に装着することにより、ストッパ本体81Aが装着溝27の側壁(装着突起26)に嵌合し、底面87はカバー本体23の内壁と当接した状態となる。よって、ストッパ80Aは装着溝27及びカバー本体23の内壁により位置決めされた状態となる。
図11は、ストッパ80Aがホルダカバー20Aに装着された状態の軸承機構50及び離脱防止機構70Aを示している。図11は、図10に矢印Cで示す一点鎖線で囲う部分を拡大して示す断面図である。
ホルダカバー20Aがプリンタ本体10に装着され、ストッパ80Aがホルダカバー20Aに装着された状態では、軸孔17と軸部28が係合し、ストッパ80Aの凸部82が凹部29に係合する。また図11には現れないが、ストッパ面83は突出面29aと対向した状態となっている。なお本実施形態では、軸承機構50の中心軸(図11に矢印Hで示す一点鎖線)と離脱防止機構70Aの中心軸(図11に矢印Kで示す一点鎖線)は、寸法ΔHだけずれている。
次に、開状態のホルダカバー20Aに外力が印加された場合の離脱防止機構70Aの動作について説明する。
図12は、開状態のホルダカバー20Aに上方かにら外力F1が印加された状態を示している。ホルダカバー20Aに外力F1が印加される理由としては、ロール紙100aの交換時にホルダカバー20Aの上部に誤ってロール紙100aを落下させた場合や、操作者が誤ってホルダカバー20Aを押してしまった場合等が考えられる。
ホルダカバー20Aに外力F1が印加され下方に押圧されると、ホルダカバー20Aの側板24は記録紙ホルダ11に対し内倒れする。
即ち、ホルダカバー20Aが下方に押圧されることにより、記録紙ホルダ11の内壁と側板24との間には、軸孔17と軸部28とを離脱させる力(図12に矢印F2で示す)が作用する。この際、側板24の肉厚は記録紙ホルダ11の内壁の厚さに対して薄く強度が弱いため、側板24は内側に変位する。
しかしながら、対向する側板24の間にはストッパ80Aが配設されている。このため、力F2により側板24が内側に移動しようとしても、側板24はストッパ80Aの両端に設けられたストッパ面83と当接するので、側板24の内側への移動が規制される。また側板24が内側に移動することにより、凹部29は凸部82に向けて付勢されるため、側板24に矢印F2方向に力が加わっても凸部82が凹部29から離脱するようなことはない。
このように、離脱防止機構70Aを設けることにより、側板24の移動は規制され、軸部28が軸孔17から離脱することを防止することができる。これにより、ホルダカバー20Aに外力が印加されても、ホルダカバー20Aがプリンタ本体10から離脱することを防止でき、プリンタ1Aの信頼性を向上させることができる。
一方、ストッパ80Aでは支持できない非常に大きな外力がプリンタに印加されることが考えられる。このような大きな外力がホルダカバー20Aに印加された場合にストッパ80Aが側板24を支持し続ける構成では、かえって側板24が破損したり、ストッパ80Aが折れたり、凸部82が潰れてしまったりする等の損傷が発生するおそれがある。
このように大きな外力が印加された場合には、ストッパ80Aによる側板24の支持を解除してホルダカバー20Aをプリンタ本体10から離脱させた方が、プリンタの損傷を防止できるなどプリンタ1A全体としては利益が大きい。よって本実施形態では、大きな外力がホルダカバーに印加された場合に、ストッパ80Aがホルダカバー20Aから離脱するよう離脱防止機構70Aを構成している。
図13及び図14を用いて、ホルダカバー20Aに大きな外力が印加された時における離脱防止機構70Aの動作について説明する。
図13は、外力がホルダカバー20Aに印加した時に、ストッパ80Aの両端に矢印F3で示す力が作用した状態を示している(以下、この力を外力F3という)。
外力がホルダカバー20Aに印加されて側板24が内倒れした場合、側板24はストッパ80Aのストッパ面83に当接する。よって、外力F3は、ストッパ面83に印加される。
ストッパ面83はストッパ80Aの中心からオフセットしているので、外力F3がストッパ面83に印加されることによりストッパ80Aに対するモーメントが発生し、図13に一点鎖線で示すようにストッパ80Aは弓状に変形する。
ストッパ80Aが弓状に変形することにより、凸部82と凹部29は離間し、ストッパ80Aのホルダカバー20Aに対する係合が解除される。これにより、ストッパ80Aは、ホルダカバー20Aから離脱可能な状態となる。なお、図14は、ストッパ80Aがホルダカバー20Aから離脱した状態を示している。
また、凸部82と凹部29の係合が解除されると、弓状に変形したストッパ80Aはその弾性により元の形状に復元しようとする。凸部82が凹部29から外れたストッパ80Aは、この復元力によりホルダカバー20Aから飛び出す。このように、離脱防止機構70Aによれば、大きな外力が印加された際に、ストッパ80Aが自動的にホルダカバー20Aから離脱するため、側板24の破損、ストッパ80Aの折れや、凸部82の潰れ等の発生を防止することができる。
なお、外力F3が印加された時にストッパ80Aに発生する変形量は、ストッパ本体81Aへの補強リブ84の配設数を変化させること等により調整できる。
次に、他の例によるプリンタ1B〜1Eについて説明する。
図15〜図22は、他の例によるプリンタ1B〜1Eを説明するための図である。なお図15〜図22において、図1〜図14に示した一実施形態であるプリンタ1Aの構成と対応する構成については、同一符号を付して適宜その説明を省略する。
図15及び図16は、他の例によるプリンタ1Bを示している。図15はプリンタ1Bのホルダカバー20Aの平面図であり、図16はプリンタ1Bのホルダカバー20Aを閉じた状態の断面図である。
図15及び図16に示すプリンタ1Bにおいても、山形状部61Bが単数設けられている。図15の山形状部61Bは、頂部64Bが下方向に突出した形状とされている。
また山形状部61Bの両端部は、取り付け部62Bから上方に延出した支持部63Bの上端部に接続されている。
山形状部61Bは、ロール紙100aが接触する前は、図16に破線で示すようにホルダカバー20Aの内壁に対して斜め前方に傾いた形状とされている。よって本実施形態においても、ロール紙100aが山形状部61Bと接触することにより、山形状部61Bはホルダカバー20Aに向けて、矢印D方向に弾性変形する。
よってロール紙100aのホルダカバー20Aに向かう移動力は、山形状部61Bが弾性変形することにより生じる弾力で減衰され、ロール紙がホルダカバーに急激に移動することを防止すると共に、ロール紙100aが山形状部61Bと接触する際に擦れ音が発生することを抑制することができる。これにより、プリンタ1Bの静粛性を高めることができる。
また図15及び図16の例においても、接触部材60Bはワイヤであり、ロール紙100aとの接触は実質的に点接触となる。従って、接触部材60Bとロール紙100aとの間に発生する摩擦力は小さくなり、ロール紙100aと山形状部61Aとの接触位置における擦れ音の発生を抑制することができる。
図17及び図18は、更に他の例のプリンタ1Cを示している。図17はプリンタ1Cのホルダカバー20Aの平面図であり、図18はプリンタ1Cのホルダカバー20Aを閉じた状態の断面図である。
図3及び図15に示した接触部材60A,60Bが断面円形の金属ワイヤであったのに対し、図17及び図18に示すプリンタ1Cの接触部材60Cは、金属材よりなる平板材をブレス加工することにより山形状に成形したものである。
接触部材60Cも山形状部61Cが設けられており、山形状部61Cの両端部は取り付け部62Cによりホルダカバー20Aに取り付けられている。また、取り付け部62Cの中央の頂部64Cの上辺の高さは、記録紙収納室15に装着されたロール紙100aの最大径時の半径よりも大きく設定されている。
山形状部61Cは、ロール紙100aが接触する前は、図18に破線で示すようにホルダカバー20Aの内壁に対して斜め前方に傾いた形状とされている。よって本実施形態においても、ロール紙100aが山形状部61Cと接触することにより山形状部61Cは弾性変形し、ロール紙100aの移動力は減衰される。このため、ロール紙100aが山形状部61Bに接触する際の擦れ音の発生は抑制され、プリンタ1Cの静粛性を高めることができる。
本実施形態では、山形状部61Cがロール紙100aに接触する際、山形状部61Cのプラテンローラ45に近い側である上側外周縁のエッジ65が、ロール紙100aと接触するよう構成されている。このエッジ65は、頂部64Cから左右に広がるように下る傾斜を有している。
エッジ65がロール紙100aと接触することにより、山形状部61Cとロール紙100aとの接触は、実質的に点接触と同等の接触状態となる。このため、接触部材60Cとロール紙100aとの間に発生する摩擦力は小さくなり、ロール紙100aと接触部材60Cとの接触による擦れ音の発生を抑制することができる。
また、山形状部61Cは山形状であるため、ロール紙100aと接触するエッジ65も山形状となる。よって記録紙100の引き出しに伴いロール紙100aの直径が小さくなると、エッジ65と接触するロール紙100aの幅方向の位置は変化する。よってプリンタ1Cによっても、引き出される記録紙100に圧接跡が生じることを防止できる。
図19及び図20は、更に他のプリンタ1Dを示している。図19はプリンタ1Dのホルダカバー20Aの平面図であり、図20はプリンタ1Dのホルダカバー20Aを閉じた状態の断面図である。
図19及び図20に示すプリンタ1Dは、接触部材60Dの材料として吸音材を用いている。本実施形態では、接触部材60Dの材料としてスポンジを用いている。しかしながら、所定の形状を維持でき、且つ吸音の機能を持つ材料であれば、接触部材の材料はスポンジに限定されるものではない。
スポンジからなる接触部材60Dも単数の山形状部61Dを有し、山形状部61Dの両端部は取り付け部62Dによりホルダカバー20Aに取り付けられている。また頂部64Dの高さは、記録紙収納室15に装着された直後の最大径であるロール紙100aの半径よりも大きく設定されている。
接触部材60Dは所定の厚さを有しており、ロール紙100aが接触する前は、図20に破線で示すようにホルダカバー20Aの内壁に対して突出した状態となっている。ロール紙100aの引き出しに伴い、ロール紙100aがホルダカバー20Aに向け移動すると、ロール紙100aは山形状部61Dと接触して、スポンジよりなる山形状部61Dは押圧されて変形する。
このように山形状部61Dが変形することによりロール紙が図20図示右側に付勢されてロール紙100aの移動力は減衰され、ロール紙100aが山形状部61Dに接触する際に発生する擦れ音を低減することができる。また接触部材60Dは吸音材として機能するスポンジから形成されているため、ロール紙100aが山形状部61Dに接触する際に若干発生する擦れ音は接触部材60Dで吸音される。これにより、プリンタ1Dの静粛性を高めることができる。
なお、接触部材60Dを構成するスポンジの硬さ、及び接触部材60Dとロール紙100aとの圧接力は、圧接跡が生じない高度及び大きさとなるよう設定されている。
図21及び図22は、更にその他のプリンタ1Eを示している。図21はプリンタ1Dのホルダカバー20Aの平面図であり、図22はプリンタ1Dのホルダカバー20Aを閉じた状態の断面図である。
図21及び図22に示すプリンタ1Eは、接触部材60Eが複数の山形状部61Eを有している。具体的には、接触部材60Eは5個の山形状部61Eを有した構成とされている。本実施形態では、各山形状部61Eは頂部64Eが上方向に突出した形状とされている。各山形状部61Eの頂部64Eの高さは、記録紙収納室15に装着されたロール紙100aの最大径の時の半径よりも大きく設定されている。
なお、各山形状部61Eは必ずしも頂部64Eを上方向に突出した形状とする必要はなく、各山形状部61Eの頂部64Eを下方向に突出した構成としてもよく、また頂部64Eが上方向に突出した山形状部61Eと、頂部64Eが下方向に突出した山形状部61Eを混在させた構成としてもよい。
各山形状部61Eは、ロール紙100aが接触する前は、図22に破線で示すようにホルダカバー20Aの内壁に対して斜め前方に傾いた形状とされている。よって本実施形態においても、ロール紙100aがホルダカバー20Aに向け移動し山形状部61Eと接触することにより、山形状部61Eはホルダカバー20Aに向けて、矢印D方向に弾性変形する。
よって、ロール紙100aのホルダカバー20Aに向かう移動力は、山形状部61Eが弾性変形することによりその弾性によって減衰され、ロール紙100aが山形状部61Eと接触する際に擦れ音が発生することを抑制することができる。これにより、プリンタ1Eの静粛性を高めることができる。
また本実施形態においても、各山形状部61Eはワイヤにより形成されているため、各山形状部61Eとロール紙100aとの接触は実質的に点接触となる。従って、接触部材60Eとロール紙100aとの間に発生する摩擦力は小さくなり、ロール紙100aと山形状部61Eとの接触位置における擦れ音の発生を抑制することができる。
また、各山形状部61Eは山形状であるため、記録紙100の引き出しに伴いロール紙100aの直径が小さくなると、山形状部61Eと接触するロール紙100aの幅方向の位置は変化する。よってプリンタ1Eによっても、引き出される記録紙100に圧接跡が生じることを防止できる。
更に、プリンタ1Eは複数の山形状部61Eを有しているため、山形状部61Eとロール紙100aは多数箇所で点接触する。山形状部61Eが5個設けられた本実施形態のプリンタ1Eでは、10箇所において山形状部61Eとロール紙100aが接触する。このように多数箇所で山形状部61Eとロール紙100aが接触することにより、記録紙100を高速で記録紙収納室15から引き出しても、ロール紙100aの安定性を高めることができ、これによってもプリンタ1Eの静粛性を高めることができる。
なお、ロール紙100aと接触部材60Eの接触点が多くなっても、ロール紙100aと山形状部61Eの接触は実質的に点接触であり、その接触面積は参考例で示した面接触や線接触に比べて小さい。従って、多数箇所で山形状部61Eとロール紙100aが接触しても、接触位置で発生する摩擦力は小さく、よって擦れ音が増大するようなことはない。
図23は、離脱防止機構70Bの一例を示している。図23は、離脱防止機構70Bを搭載するホルダカバー20Bの平面図である。
離脱防止機構70Bは、弓状に湾曲したストッパ80Bを有している。また、ホルダカバー20Bに形成され、ストッパ80Bが嵌着される装着溝27も、ストッパ80Bの形状に対応して弓状に配置されている。
本実施形態において、外力がホルダカバー20Bに印加されて側板24が内倒れすると、外力F3がストッパ80Bの両端に印加される。ストッパ80Bは予め弓形状に湾曲しているため、外力F3が印加された際のストッパ80Bの変形方向は定まる。
このため、瞬間的に外力F3が印加されたような場合でも、ストッパ80Bが所定の方向に変形し、ホルダカバー20Bから離脱する。よって、ストッパ80Bを弓形状とすることにより、側板24の破損、ストッパ80Aの折れ、凸部82の潰れ等の発生を防止することができる。なお、ストッパ80Bのホルダカバー20Bからの離脱が円滑に行われるよう、装着溝27のストッパ80Aと接する面に傾斜を設ける構成としてもよい。
図24は、離脱防止機構70Cの他の例を示している。図24(A)は、離脱防止機構70Cを搭載するホルダカバー20Bの平面図であり、図24(B)はホルダカバー20Bの側面図である。
離脱防止機構70Cは、弓状に湾曲したストッパ80Cを有している。また、ホルダカバーに形成された装着溝27も、ストッパ80Cの形状に対応した位置に配設されている。
ストッパ80Cの両端に形成された凸部82は、側板24の内壁に形成された凹部29に回転可能に係合している。よってストッパ80Cは、ホルダカバー20Bに対して回転可能な構成となっている。
図24の場合にも、ストッパ80Bは予め弓形状に湾曲しているので、外力F3が加わった時の変形方向が定まる。そのため、瞬間的に外力F3が印加された場合にはストッパがホルダカバー20Bから離脱し、よって側板24の破損、ストッパ80Aの折れ、凸部82の潰れ等の発生を防止することができる。
ストッパ80Cをホルダカバー20Bに装着するには、先ず凸部82を凹部29に係合させる。この際、凸部82と凹部29との係合処理は、ストッパ80Cを装着溝27に嵌めていない状態で行う。図24に示す矢印P1は装着溝27に嵌っていない状態のストッパ80Cを示し、矢印P2は装着溝27に嵌った状態のストッパ80Cを示している。
凸部82が凹部29に係合することにより、ストッパ80Cはホルダカバー20Bに対して回転可能に取り付けられる。よって、ストッパ80Cを装着溝27に嵌入させるには、ストッパ80Cを装着溝27に向けて、一点鎖線で図示する状態から実線で図示する状態になるように矢印I方向に回転させる。
ストッパ80Cは両端が軸承されることにより位置決めされているため、湾曲形状であってもストッパ80Cは容易に装着溝27に嵌入する。このように本実施形態の離脱防止機構70Cによれば、湾曲した形状のストッパ80Cを容易にホルダカバー20Bに装着することができる。
またストッパ80Cは、ホルダカバー20Bに対して凸部82を中心として回転可能である。このため、図24に矢印PS1で示すように装着溝27から離脱した状態でストッパ80Cをホルダカバー20Bに装着した後、図24(B)に矢印Iで示す方向にストッパ80Cを回転させることにより装着溝27に装着することができる。また、ストッパ80Cをホルダカバー20Bから取り外すには、上記の操作と逆の操作を行えばよい。よって、ストッパ80Cのホルダカバー20Bに対する装着脱を容易に行うことができる。
図25は、更に他の離脱防止機構70Dを示している。図25は、離脱防止機構70Dが搭載されるホルダカバー20Aの平面図である。
離脱防止機構70Dのストッパ80Dは、ストッパ本体81D、軸85、コイルバネ86を有している。
ストッパ本体81Dは、断面がU字状とされており、ホルダカバー20Aの幅方向に延在している。また軸85がストッパ本体81D内に挿通されている。断面U字状のストッパ本体81Dは、内部に空間を有しており、軸85はこの空間内に挿入される。
なお、ストッパ本体81Dの断面形状はU字形状に限定されるものではなく、内部を軸85が貫通可能な構成であれば他の断面形状、例えば、断面円形状としてもよい。
軸85の長さは、図25に実線で示す一対の側板24の離間距離よりも短く設定されている。またストッパ本体81Dの長さは、軸85の長さよりも短く設定されている。
ストッパ本体81Dと軸85とは、軸85をストッパ本体81Dに挿通することで互いに固定される。この際、軸85の両端はストッパ本体81Dの両端から突出する。
軸85のストッパ本体81Dから突出した部分には、コイルバネ86が装着される。コイルバネ86の内側端部は、ストッパ本体81Dの端部に溶接等により固定される。
ストッパ80Dをホルダカバー20Aに装着すると、ストッパ本体81Dはホルダカバー20Aに設けられた装着溝27に嵌着する。またストッパ80Dがホルダカバー20Aに装着された状態で、コイルバネ86の外側の端部は側板24の内壁と当接する。
本実施形態において、側板24が内倒れして外力F3がストッパ80Dの両端部に内側に向けて印加されると、側板24と当接しているコイルバネ86は圧縮される。図25に、内倒れした側板24を破線で示している。
本実施形態では、瞬間的に外力F3が印加された際にコイルバネ86が圧縮することにより、側板24及びストッパ80Aの損傷を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。