以下の説明では、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)として、内視鏡装置について説明する。また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡装置の概略構成を示す模式図である。内視鏡装置1は、医療分野において用いられ、人等の観察対象物の内部(生体内)を観察する装置である。この内視鏡装置1は、図1に示すように、内視鏡2と、伝送ケーブル7と、制御装置8と、表示装置9とを備える。なお、本実施の形態では、内視鏡装置1として、内視鏡2に硬性鏡(挿入部3(図1))を用いた内視鏡装置を説明するが、これに限られず、内視鏡2に軟性鏡(図示略)を用いた内視鏡装置としても構わない。また、本実施の形態1では、内視鏡装置1として、内視鏡2にカメラヘッド6(図1)を用いた内視鏡装置を説明するが、これに限られず、内視鏡2を超音波検査のプローブで構成した内視鏡装置(超音波内視鏡)としても構わない。
内視鏡2は、生体内(被検体内部)を検査して当該検査結果を出力する。この内視鏡2は、図1に示すように、挿入部3と、光源装置4と、ライトガイド5と、カメラヘッド6とを備える。
挿入部3は、硬質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この挿入部3内には、1または複数のレンズを用いて構成され、被写体像を集光する光学系が設けられている。
光源装置4は、ライトガイド5の一端が接続され、当該ライトガイド5の一端に生体内を照明するための光を供給する。
ライトガイド5は、一端が光源装置4に着脱自在に接続されるとともに、他端が挿入部3に着脱自在に接続される。そして、ライトガイド5は、光源装置4から供給された光を一端から他端に伝達し、挿入部3に供給する。挿入部3に供給された光は、当該挿入部3の先端から出射され、生体内に照射される。そして、生体内に照射された光(被写体像)は、挿入部3内の光学系により集光される。
カメラヘッド6は、挿入部3の基端に着脱自在に接続される。そして、カメラヘッド6は、制御装置8による制御の下、挿入部3にて集光された被写体像を撮像し、撮像による画像信号を出力する。カメラヘッド6は、画像信号を光信号に光電変換し、画像信号を光信号で出力する。なお、カメラヘッド6の詳細な構成については、後述する。
伝送ケーブル7は、一端が制御装置8に着脱自在に接続され、他端がカメラヘッド6に接続される。具体的に、伝送ケーブル7は、最外層である外被の内側に複数の電気配線(図示略)および複数の光ケーブル(図示略)が配設される。複数の電気配線は、制御装置8から出力される制御信号、同期信号、クロック、および電力をカメラヘッド6にそれぞれ伝送するための電気配線である。複数の光ケーブルは、カメラヘッド6から出力される画像信号(光信号)を制御装置8に伝送する。なお、実施の形態1の伝送ケーブル7は、後述するように、4本の光ケーブル71a〜71dで構成される光ケーブル群71を用いて光信号を伝送するとともに、複数の電気配線72を用いて電気信号を伝送する。
制御装置8は、CPU等を含んで構成され、カメラヘッド6および表示装置9の動作を統括的に制御する。制御装置8は、カメラヘッド6が撮像した画像信号に対して、所定の画像処理を施す。なお、制御装置8の詳細な構成については、後述する。
表示装置9は、制御装置8による制御のもと、制御装置8によって所定の画像処理が施された画像を含む各種情報を表示する。これにより、操作者は、表示装置9が表示する画像(体内画像)を見ながら内視鏡2を操作することにより、被検体内の所望の位置の観察および性状を判定することができる。表示装置9は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示ディスプレイ等を用いて構成される。
次に、カメラヘッド6、4本の光ケーブル71a〜71d(複数の光伝送路)で構成される光ケーブル群71と複数の電気配線72とを有する伝送ケーブル7、および、制御装置8の構成について説明する。図2は、内視鏡2のカメラヘッド6、伝送ケーブル7および制御装置8の構成を示すブロック図である。
カメラヘッド6は、図2に示すように、レンズユニット61と、撮像素子62と、駆動部63と、送信信号処理部64(シリアル変換部)と、E/O変換部65(光信号変換部)とを備える。
レンズユニット61は、1または複数のレンズを用いて構成され、挿入部3にて集光された被写体像を、撮像素子62の撮像面に結像する。1または複数のレンズは、光軸に沿って移動可能に構成されている。そして、レンズユニット61には、1または複数のレンズを移動させて、画角を変化させる光学ズーム機構(図示略)や焦点を変化させるフォーカス機構(図示略)が設けられている。
撮像素子62は、制御装置8による制御のもと、被検体内部を撮像する。撮像素子62は、光が照射された被写体からの光を受光し、受光した光を光電変換して画像信号を生成する複数の画素が行列状に配置された受光部(不図示)と、複数の画素が生成した画像信号(電気信号)を読み出す読み出し部(不図示)と、読み出し部が読み出した画像信号(アナログ)に対してノイズ除去やA/D変換などを行うAFE部(不図示)と、制御装置8から受信した制御信号にしたがって撮像素子62の動作を制御する制御部(不図示)とを有し、画像信号(デジタル)をシリアルに出力する。撮像素子62は、たとえば、水平ラインごとの露光かつ読み出しが可能であるCMOS撮像素子である。また、撮像素子62は、CCD撮像素子であってもよい。撮像素子62が生成した画像信号は、RAW形式のライブ画像信号、あるいは、圧縮率の低い所定形式の画像信号として、送信信号処理部64にシリアルに出力される。なお、撮像素子62から出力される画像信号(電気信号)は、シリアルではなくパラレルに出力されてもよい。
駆動部63は、制御装置8による制御のもと、光学ズーム機構やフォーカス機構を動作させ、レンズユニット61の画角や焦点を変化させる。
送信信号処理部64は、撮像素子62から出力された画像信号である電気信号を複数のシリアル電気信号に変換する処理を行う。送信信号処理部64は、第1送信側信号変換部641、第2送信側信号変換部642、切替部64e(第1の切替部)、並びに、符号化部64fを備える。送信信号処理部64は、例えば、FPGA等のプログラマブル集積回路によって構成される。
第1送信側信号変換部641は、第1パラレル(P)変換部64aおよび第1分配部64bを備え、撮像素子62から出力された電気信号を、後述する伝送ケーブル7における複数の光ケーブルの数と同数の第1の群数のパラレル電気信号に変換する。図2の例では、伝送ケーブル7における光ケーブル群71は、4本の光ケーブル71a〜71dで構成されるため、第1P変換部64aは、撮像素子62から出力された電気信号を4つの群のパラレル電気信号に変換する。第1分配部64bは、第1P変換部64aによって変換された4つの群のパラレル電気信号を所定バイト単位で揃え、光ケーブル71a〜71dの4本にそれぞれ対応するように分配する。第1分配部64bは、4本の光ケーブル71a〜71dに4つの群のパラレル信号が分配できるように信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えたパラレル電気信号を出力することによって、4本のケーブルに対応させ各群のパラレル電気信号を分配する。
第2送信側信号変換部642は、第2P変換部64cおよび第2分配部64dを備え、撮像素子62から出力された電気信号を圧縮して、複数の光ケーブルの数と同数の第1の群数よりも少ない第2の群数のパラレル電気信号に変換して分配する。第2P変換部64cは、図2の例では、撮像素子62から出力された電気信号を圧縮して、光ケーブル71a〜71dの本数よりも1少ない3つの群のパラレル電気信号に変換する。第2分配部64dは、第2P変換部64cによって変換された3つの群のパラレル電気信号を所定バイト単位で揃え、光ケーブル71a〜71dのうちの所定の3本にそれぞれ対応するように分配する。一般的に、光ケーブル群71のうちの最も外側に位置する光ケーブル(たとえば、光ケーブル71a)は、伝送ケーブル7の使用時における屈曲等の影響を受けやすく、他の伝送ケーブル71b〜71dよりも断線等が生じやすい。このため、第2分配部64dは、第2P変換部64cによって変換された3つの群のパラレル電気信号を、光ケーブル71b〜71dの3本に対応するように分配させる。第2分配部64dは、3本の光ケーブル71b〜71dに3つの群のパラレル信号が分配できるように信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えたパラレル電気信号を出力することによって、3本のケーブルに対応させ各群のパラレル電気信号を分配する。たとえば、第1送信側信号変換部641と同じ外部クロックを使用する場合には、第2送信側信号変換部642の伝送レートは、PLL回路等を用いて外部クロックの逓倍の圧縮率とする。
切替部64eは、後述する制御装置8の伝送不良検出部83dの制御のもと、符号化部64fに入力されるパラレル電気信号を、第1分配部64bから出力された第1の群数のパラレル電気信号と、第2分配部64dから出力された第2の群数のパラレル電気信号との間で切り替え可能である。言い換えると、切替部64eは、符号化部64fを介してE/O変換部65に入力される電気信号を、第1の群数のパラレル電気信号と第2の群数のパラレル電気信号との間で切り替える。切替部64eは、例えば、マルチプレクサによって構成される。
符号化部64fは、切替部64eから入力された各群のパラレル電気信号に対し、Nビット/Mビット符号化(N<M、以下、ビットを「b」と表記する)の処理を行う。符号化部64fは、入力されたパラレル電気信号に対し、記憶されている変換テーブルをもとに、8b/10b符号化の処理を施して、8bの電気信号を10bの電気信号に変換する。或いは、符号化部64fは、入力されたパラレル電気信号に対し、記憶されている変換テーブルをもとに、64b/66b符号化の処理を施して、64bの電気信号を66bの電気信号に変換する。或いは、符号化部64fは、入力されたパラレル電気信号に対し、64b/67b符号化の処理を施して、64bの電気信号を67bの電気信号に変換する。或いは、符号化部64fは、入力されたパラレル電気信号に対し、128b/130b符号化の処理を施して、128bの電気信号を130bの電気信号に変換する。その後、符号化部64fは、各群のパラレル電気信号の各々をシリアル電気信号に変換する。送信信号処理部64は、符号化部64fで処理された後の各々のシリアル電気信号に対し、クロック信号の重畳処理、有効データの開始位置および終了位置へのKコード挿入処理などの処理を施して、E/O変換部65に入力する。
なお、符号化部64fに入力される画像信号を、パラレル電気信号ではなくシリアル電気信号として入力してもよい。この場合は、第1送信側信号変換部641および第2送信側信号変換部642において、各画像信号をパラレル電気信号に変換することなく、シリアル電気信号として出力する。
E/O変換部65は、符号化部64fから入力された複数のシリアル電気信号のそれぞれを光信号に変換して、変換した各光信号を、それぞれ対応する光ケーブル71a〜71dのいずれかに入力する。E/O変換部65は、符号化部64fから、4つのシリアル電気信号が入力された場合には、変換後の4つの光信号を、各光信号がそれぞれ対応する4本の光ケーブル71a〜71dに入力する。E/O変換部65は、符号化部64fから、3つのシリアル電気信号が入力された場合には、変換後の3つの光信号を、各光信号がそれぞれ対応する3本の光ケーブル、たとえば、光ケーブル71b〜71dに入力する。
埃検知部66は、後述する制御装置8内部の埃の蓄積を検知して、検知結果を電気配線72を介して、制御装置8の制御部86に出力する。制御部86は、埃検知部66によって検知された埃の蓄積量が一定の閾値を超えた場合には、ファンロックが発生したおそれや、埃の蓄積による回路のショートや風量の減少によって機内温度の異常上昇が発生するおそれがある旨を示すアラーム情報を、表示装置9または後述する出力部88に出力させる。
図3は、制御装置8の内部の一部を示す斜視図である。図3に示すように、例えば、埃検知部66は、フローセンサ66aであり、制御装置8のファン67aの吹き出し口側のフィルタ68外側に設けられる。図4は、図3に示す制御装置8の右側面図ある。図4に示すように、矢印のようにファン67aから吹き出された風は、フィルタ68を経由して、排出される。フローセンサ66aは、フィルタ68外への風量を検知する。フィルタ68に埃が蓄積すると、風量も減るため、フローセンサ66aが検知した風量値が一定の閾値を下回った場合には、制御部86は、アラーム情報の出力処理を行う。また、埃検知部66は、光学的に埃を検知する光学センサでもよく、埃がたまりやすいところに設置し、検知した埃量が一致の閾値を上回った場合には、制御部86は、アラーム情報の出力処理を行う。埃検知部66は、埃検知専用の回路でもよく、この回路が埃によってショートした場合には、制御部86は、アラーム情報の出力処理を行う。埃検知部66は、ファン、フィルターの少なくともいずれかの一方の近くに設けるほか、埃が溜まりやすい筐体の角部等に設けてもよい。なお、図3および図4では、フローセンサ66aを、複数設置した例を示すが、もちろん設置数は単数でもよい。
伝送ケーブル7は、後述する制御装置8のコネクタ80と着脱自在に接続されるコネクタ70(送信側コネクタ)と、4本の光ケーブル71a〜71d(複数の第1の光伝送路)で構成される光ケーブル群71と、複数の電気配線72とを有する。伝送ケーブル7は、カメラヘッド6とともに撮像装置を構成する。
光ケーブル71a〜71dは、各先端がそれぞれE/O変換部65に接続するとともに、各基端に光接続部73a〜73d(送信側光接続部)がそれぞれ設けられる。各光接続部73a〜73dは、コネクタ70に設けられる。各光接続部73a〜73dは、それぞれ対応する各光ケーブル71a〜71dの光ファイバ端面と接続するGRINレンズと、このGRINレンズ表面を覆うカバーガラスとを有する。
制御装置8は、コネクタ80(受信側コネクタ)と、複数の光ケーブル81a〜81d(複数の第2の光伝送路)で構成される光ケーブル群81と、O/E変換部82(電気信号変換部)と、受信信号処理部83と、表示制御部85と、制御部86と、入力部87と、出力部88と、記憶部89と、前述した埃検知部66とを備え、伝送ケーブル7を介してカメラヘッド6に接続される。
コネクタ80は、光接続部80a〜80d(受信側光接続部)を有し、各光接続部80a〜80dからは、それぞれ対応する光ケーブル81a〜81dが延伸する。光接続部80a〜80dは、それぞれ対応する光ケーブル81a〜81dcの入力側端部である先端に設けられ、外部部材である伝送ケーブル7のコネクタ部70における光接続部73a〜73dと分離可能に接続する。各光接続部80a〜80dは、光ケーブル81a〜81ddの光ファイバ端面と接続するGRINレンズと、このGRINレンズ表面を覆うカバーガラスとを有する。光接続部80aと伝送ケーブル7側の光接続部73aとは、互いの接続面同士が接触することによって、光ケーブル71aと光ケーブル81aとを接続する。光接続部80bと伝送ケーブル7側の光接続部73bとは、互いの接続面同士が接触することによって、光ケーブル71bと光ケーブル81bとを接続する。光接続部80cと伝送ケーブル7側の光接続部73cとは、互いの接続面同士が接触することによって、光ケーブル71cと光ケーブル81cとを接続する。光接続部80dと伝送ケーブル7側の光接続部73dとは、互いの接続面同士が接触することによって、光ケーブル71dと光ケーブル81dとを接続する。
光ケーブル81a〜81dは、それぞれ対応する光接続部80a〜80dに入力された光信号を伝送し、伝送した光信号をO/E変換部82に入力する。
O/E変換部82は、光ケーブル81a〜81dによって伝送された複数の光信号のそれぞれを複数のシリアル電気信号に変換し、受信信号処理部83に入力する。
受信信号処理部83は、O/E変換部82によって変換された複数のシリアル電気信号をパラレル電気信号に変換する処理を行う。受信信号処理部83は、クロックリカバリー(CDR)部83a、Kコード検出部83b、ビットエラーレート(BER)検出部83c、伝送不良検出部83d、デコード部83e、第1受信側信号変換部831(第1のシリアル変換部)、第2受信側信号変換部832(第2のシリアル変換部)、切替部83j(第2の切替部)、並びに、画像処理部83rと、を備える。受信信号処理部83は、例えば、FPGA等のプログラマブル集積回路によって構成される。
CDR部83aは、入力された各シリアル電気信号から、重畳されたクロック信号を再生するCDR処理を行う。CDR部83aは、CDR処理の実行結果を伝送不良検出部83dに出力する。CDR部83aは、入力されるべきシリアル電気信号の全てが入力され、全てのシリアル電気信号に対してCDR処理を実行できた場合には、その旨を伝送不良検出部83dに出力する。CDR部83aは、入力されるべきシリアル電気信号のいずれかが入力されず、全てのシリアル電気信号に対してCDR処理を実行できない場合には、CDR処理を実行できなかったシリアル電気信号が伝送された光ケーブルを識別する情報を対応づけて、CDR処理不実行である旨を伝送不良検知部83dに出力する。
Kコード検出部83bは、クロック再生後のシリアル電気信号のそれぞれから、Kコードを検出して、データのタイミング検出を行い有効データを取得するKコード検出処理を行う。Kコード検出部83bは、Kコード検出処理結果を伝送不良検知部83dに出力する。Kコード検出部83bは、全ての入力信号に対してKコード検出処理を実行できた場合には、その旨を伝送不良検出部83dに出力する。Kコード検出部83bは、全ての入力信号に対してKコード検出処理を実行できない場合には、Kコード検出処理を実行できなかったシリアル電気信号が伝送された光ケーブルを識別する情報を対応づけて、Kコード検出処理不実行である旨を伝送不良検知部83dに出力する。
BER検出部83cは、Kコード検出部83bが検出した各シリアル電気信号(デジタルデータ)の有効データのうち、誤ったデータを受信する確率を算出するBER検出処理を行う。BER検出部83cは、入力されたシリアル電気信号のそれぞれに対して、誤ったビット数を、受信した総ビット数で割った値を算出し、算出した結果を伝送不良検出部83dに出力する。
伝送不良検出部83dは、複数の光ケーブル71a〜71dにおける光信号の伝送不良を検出する。伝送不良検出部83dは、複数の光ケーブル71a〜71dのうち伝送不良を生じた光ケーブルを特定する。伝送不良検出部83dは、O/E変換部82によって変換された複数のシリアル電気信号をもとに複数の光ケーブル71a〜71dにおける光信号の伝送不良を検出する。伝送不良検出部83dは、O/E変換部82によって変換された複数のシリアル電気信号に対する、CDR部83aによるCDR処理結果、Kコード検出部83bによるKコード検出結果、或いは、BER検出部83cによるBER検出結果をもとに複数の光ケーブル71a〜71dにおける光信号の伝送不良の有無を検出するとともに、伝送不良を生じた光ケーブルを特定する。
デコード部83eは、BER検出部83cから入力された複数のシリアル電気信号の各々を、パラレル電気信号の群に変換した後、変換された各群のパラレル電気信号のそれぞれに対して、Mb/Nb復号の処理を施して、第1受信側信号変換部831および第2受信側信号変換部832に出力する。
第1受信側信号変換部831は、第1シリアル(S)変換部83fおよび第1整形部83gを備え、デコード部83eから出力されたパラレル電気信号であって、伝送ケーブル7における複数の光ケーブルの数と同数の第1の群数のパラレル電気信号を第1のシリアル電気信号に変換する。言い換えると、第1受信側信号変換部831は、O/E変換部82によって変換された第1の群数のパラレル電気信号を同数の第1のシリアル電気信号に変換する。図2の例では、伝送ケーブル7における光ケーブル群71は、4本の光ケーブル71a〜71dで構成されるため、第1S変換部83fは、デコード部83eから出力された4つの群のパラレル電気信号を4つのシリアル電気信号に変換する。第1整形部83gは、第1S変換部83fが変換した4つのシリアル電気信号に対し、第1分配部64bによる区切れを外して元の画像信号の形式、すなわち、撮像素子62から出力される画像信号の形式に整形し、1つの第1のシリアル電気信号として出力する。
第2受信側信号変換部832は、第2S変換部83hおよび第2整形部83iを備え、デコード部83eから出力されたパラレル電気信号であって、第1の群数よりも少ない第2の群数のパラレル電気信号を伸長して、第2のシリアル電気信号に変換する。言い換えると、第2受信側信号変換部832は、O/E変換部82によって変換された第2の群数のパラレル電気信号を伸長して同数の第2のシリアル電気信号に変換する。図2の例では、伝送ケーブル7の光ケーブル71a〜71dの本数よりも1少ない3つの群のパラレル電気信号がデコード部83eから出力されるため、第2S変換部83hは、デコード部83eから出力された3つの群のパラレル電気信号を伸長した上で、3つのシリアル電気信号に変換する。第2整形部83iは、第2S変換部83hが変換した3つのシリアル電気信号に対し、第2分配部64dによる区切れを外して元の画像信号の形式に整形し、1つの第2のシリアル電気信号として出力する。第2受信側信号変換部832は、第2送信側信号変換部642における圧縮率に対応させて分周する。
切替部83jは、伝送不良検出部83dの制御のもと、後述する画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を、第1のシリアル電気信号と第2のシリアル電気信号との間で切り替え可能である。切替部83jは、例えば、マルチプレクサによって構成される。
なお、切替部83jに入力される画像信号を、シリアル電気信号ではなくパラレル電気信号として入力してもよい。この場合は、第1受信側信号変換部831および第2受信側信号変換部832において、各画像信号をシリアル電気信号に変換することなく、パラレル電気信号として出力する。
画像処理部83rは、後述する制御部86の制御のもと、切替部83jから出力された画像信号、すなわち、撮像素子62によって生成されたRAW形式あるいは圧縮率の低い所定形式の画像信号に対し、所定の信号処理を行う。画像処理部83rは、この画像信号に対して、オプティカルブラック減算処理、ゲイン調整処理、画像信号の同時化処理、ガンマ補正処理、ホワイトバランス(WB)調整処理、カラーマトリクス演算処理、色再現処理およびエッジ強調処理等を含む各種画像処理を行う。
表示制御部85は、画像処理部83rが処理した画像信号から、表示装置9に表示させるための表示用画像信号を生成する。表示装置9に出力される表示用画像信号は、例えば、SDI,DVI,HDMI(登録商標)形式等のデジタル信号である。表示制御部85は、制御部86の制御の基、伝送不良検出部83dが光ケーブル71a〜71dの伝送不良や不良が生じた光ケーブルを検出した場合には、光ケーブルに伝送不良が生じた旨を示すアラーム画像信号を生成し、表示装置9に表示出力させる。また、表示制御部85は、制御部86の制御の基、埃検知部66によって検知された埃の蓄積量が一定の閾値を超えた場合には、機内温度の異常上昇が発生するおそれがある旨を示すアラーム画像信号を生成し、表示装置9に表示出力させる。
制御部86は、例えば、CPU等を用いて実現される。制御部86は、制御装置8の各部の処理動作を制御する。制御部86は、制御装置8の各構成に対する指示情報やデータの転送等を行うことによって、制御装置8の動作を制御する。制御装置8は、各ケーブルを介してカメラヘッド6の各構成部位に接続されており、撮像素子62、駆動部63等の動作についても制御を行う。制御部86は、カメラヘッド6の切替部64eと受信信号処理部83の切替部83jとの切り替え処理も制御する。
制御部86は、伝送不良検出部83dにおける検出結果に応じて、送信信号処理部64が変換し出力するシリアル電気信号の数および出力先を変更する。制御部86は、伝送不良検出部83dによって複数の光ケーブル71a〜71dのうち伝送不良を生じた光ケーブルを特定され場合、伝送不良を生じた光ケーブル以外の光ケーブルに複数の光信号が分配されるように、送信信号処理部64が変換するシリアル電気信号の数と出力先を変更する。
伝送不良検出部83dが伝送不良を検出しない場合には、4本の光ケーブル71a〜71d全てが正常に伝送可能である。この場合には、制御部86は、切替部64eに、第1送信側信号変換部641を経由するルートR1で処理された電気信号を出力信号として選択させる。これとともに、制御部86は、切替部83jに、第1受信側信号変換部831を経由するルートR3で処理された電気信号を出力信号として選択させる。切替部64eによる電気信号の選択および切替部83jによる電気信号の選択は、デフォルトで設定されている。ルートR1およびルートR3は、正常時におけるルートであるため、以降においては、ルートR1,R3を正常ルートと言う。
一方、伝送不良検出部83dが、4本の光ケーブル71a〜71dに対して伝送不良を検出した場合、制御部86は、切替部64eに、出力信号を、第2送信側信号変換部642を経由するルートR2で処理された電気信号に切り替えさせる。これとともに、制御部86は、切替部83jに、出力信号を、第2受信側信号変換部832を経由するルートR4で処理された電気信号に切り替えさせる。ルートR2は、入力した電気信号を圧縮して分配するルートと言え、ルートR4は、圧縮された電気信号を伸長して集約するルートと言えるため、以降においては、ルートR2,R4を圧縮ルートと言う。
入力部87は、マウス、キーボードおよびタッチパネル等の操作デバイスを用いて実現され、内視鏡装置1の各種指示情報の入力を受け付ける。具体的には、入力部87は、被検体情報(例えばID、生年月日、名前等)、内視鏡2の識別情報(例えばIDや検査対応項目)および検査内容等の各種指示情報の入力を受け付ける。
出力部88は、たとえば、スピーカーやプリンタ等を用いて実現され、体内観察に関する各種情報を出力する。出力部88は、制御部86の制御のもと、伝送不良検出部83dが光ケーブル71a〜71dの伝送不良や不良が生じた光ケーブルを検出した場合には、光ケーブルに伝送不良が生じた旨を示すアラーム音声を出力する。また、出力部88は、制御部86の制御のもと、埃検知部66によって検知された埃の蓄積量が一定の閾値を超えた場合には、機内温度の異常上昇が発生するおそれがある旨を示すアラーム音声を出力する。
記憶部89は、揮発性メモリや不揮発性メモリを用いて実現され、カメラヘッド6や制御装置8等を動作させるための各種プログラムを記憶する。記憶部89は、制御装置8の処理中の情報を一時的に記録する。記憶部89は、撮像素子62によって撮像された画像信号、および、画像処理部83rによって画像処理が行われた画像信号を記憶する。記憶部89は、制御装置8の外部から装着されるメモリカード等を用いて構成されてもよい。
次いで、図2に示す制御装置8における伝送不良検出処理について説明する。図5は、図2に示す制御装置8における伝送不良検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、伝送不良検出部83dは、CDR部83aに入力されたシリアル電気信号に対するCDR処理結果を取得し(ステップS1)、CDR部83aにおいて入力されるべき全てのシリアル電気信号に対しCDR処理が実行できたか否かを判断する(ステップS2)。光ファイバ断線時には、該断線した光ファイバを有する光ケーブルからは、受信側の制御装置8に光信号自体が入力されないため、CDR処理も実行されない。このため、伝送不良検出部83dは、全てのシリアル電気信号に対しCDR処理が実行できなかったと判断した場合には(ステップS2:No)、光ケーブルのいずれかの光ファイバにおける断線等に起因する伝送不良が生じたことを検出する(ステップS3)。
伝送不良検出部83dは、全てのシリアル電気信号に対しCDR処理が実行できたと判断した場合には(ステップS2:Yes)、Kコード検出部83bから、Kコード検出処理結果を取得する(ステップS4)。伝送不良検出部83dは、取得したKコード検出処理結果において、全ての入力信号に対してKコードを検出できたか否かを判断する(ステップS5)。光ファイバ断線時には、該断線した光ファイバを有する光ケーブルからは、受信側の制御装置8に光信号自体が入力されないため、Kコードの検出やデータのタイミング検出も実行されない。このため、伝送不良検出部83dは、全てのシリアル電気信号に対しKコードを検出できなかったと判断した場合には(ステップS5:No)、光ケーブルのいずれかの光ファイバにおける断線等に起因する伝送不良が生じたことを検出する(ステップS3)。
伝送不良検出部83dは、全てのシリアル電気信号に対しKコードを検出できたと判断した場合には(ステップS5:Yes)、BER検出部83cからBER検出処理結果を取得する(ステップS6)。伝送不良検出部83dは、取得したBER検出処理結果において、いずれかの入力信号において所定の閾値を超えた高ビットエラーレートが検出されたか否かを判断する(ステップS7)。光ケーブルに伝送不良および伝送劣化が生じた場合には、O/E変換部82に入力される光信号の光強度が弱くなり、BER検出処理ではビットエラーレートも高くなる。このため、伝送不良検出部83dは、いずれかの入力信号においても所定の閾値を超えた高ビットエラーレートが検出されなかったと判断した場合には(ステップS7:No)、光ケーブルのいずれかにおいても伝送不良はないと判断し(ステップS8)、この伝送不良検出処理を終了する。
これに対し、伝送不良検出部83dは、いずれかの入力信号において所定の閾値を超えた高ビットエラーレートが検出されたと判断した場合には(ステップS7:Yes)、光ケーブルのいずれかの光ファイバにおける断線等に起因する伝送不良が生じたことを検出する(ステップS3)。続いて、伝送不良検出部83dは、複数の光ケーブル71a〜71dのうち伝送不良を生じた光ケーブルを検出する(ステップS9)。ステップS9において、伝送不良検出部83dは、CDR処理結果において示されたCDR処理を実行できなかったシリアル電気信号が伝送された光ケーブルを、伝送不良を生じた光ケーブルであると特定する。また、ステップS9において、伝送不良検出部83dは、Kコード検出処理おいて示されたKコード検出処理を実行できなかったシリアル電気信号が伝送された光ケーブルを、伝送不良を生じた光ケーブルであると特定する。伝送不良検出部83dは、BER検出部83cから高ビットエラーレートを含むBER検出結果を取得した場合には、該高ビットエラーレートを示すシリアル電気信号が伝送された光ケーブルが、伝送不良を生じた光ケーブルであると特定する。
制御部86は、伝送不良検出部83dが伝送不良と特定した光ケーブル以外の光ケーブルに複数の光信号が振り分けられるように、正常ルート(ルートR1,R3)から圧縮ルート(ルートR2,R4)への切替処理を行う(ステップS10)。具体的には、伝送不良検出部83dは、切替部64eに、出力信号を、第2送信側信号変換部642を経由するルートR2で処理された電気信号に切り替えさせ、切替部83jに、出力信号を、第2受信側信号変換部832を経由するルートR4で処理された電気信号に切り替えさせる。この結果、第2送信側信号変換部642において圧縮された上で3つに分配されたシリアル電気信号が、E/O変換部65を経由して、伝送不良のない3本の光ケーブルによってO/E変換部82に伝送され、第2受信側信号変換部832において、3つのシリアル電気信号が伸長、変換された電気信号が画像処理部83rに入力される。したがって、伝送不良が生じていない3本の光ケーブルを経由して、画像信号の伝送が継続される。
制御部86は、伝送不良が生じたことを示すアラーム情報を、表示装置9、出力部88に出力させる伝送不良出力処理を行う(ステップS11)。このアラーム情報は、伝送不良が生じた光ケーブルを特定して示すとともに、伝送不良の回復方法についても示す。たとえば、CDR処理不実行或いはKコード検出不実行であった光ケーブルについては、光ファイバが断線している可能性が高いため、検査終了後に光ケーブルの交換等のメンテナンスを推奨するメッセージを出力する。また、高ビットエラーレートが検出された光ケーブルについては、コネクタの光接続部に汚れや曇りがある可能性あるため、検査終了後に光接続部の清掃を推奨するメッセージを出力する。そして、この場合には、光接続部の光軸ずれが生じた場合も考えられるため、光軸修正を推奨するメッセージも出力する。
例えば、制御装置8では、内視鏡装置1では、検査中においても、ステップS1〜ステップS11の処理を行うほか、使用前点検時および検査終了時にステップS1〜ステップS11の処理を行ってもよい。
このように、実施の形態1では、手技中に光ケーブルのいずれかに伝送不良が生じた場合であっても、伝送不良が生じていない他の3本の光ケーブルを経由する伝送経路(ルートR2,R4)に切り替えられるため、制御装置8への光信号(画像信号)の伝送はそのまま継続される。このため、実施の形態1では、例えば、手技中に光ケーブルの光ファイバが破断した場合であっても、手技中における突然の画像消失を確実に回避でき、手技を適切に継続することができる。また、実施の形態1では、光接続部の汚れや、光軸ずれ、経年劣化による通信不良があった場合であっても、伝送不良による画像ノイズを防止し、ノイズのない明確な画像表示を継続できる。また、実施の形態1では、光接続部の伝送不良を検出した場合にはアラーム情報が出力されるため、伝送不良が放置されることもない。
図6は、制御装置8の筐体内部の要部における平面図の一例である。図7は、図6に示す筐体を筐体内の基板の基板面に鉛直な面で切断した図である。図6および図7に示すように、制御装置8内に設けられる基板69aには、撮像等の種々の処理を実行するためのデバイスが接続しており、各デバイスは、駆動すると熱を発するのが一般的である。このため、通常は、ファン等を設けて発熱デバイスを冷却しているものの、ファンロックが発生した場合には、基板上のデバイスが発熱で故障するおそれがある。そこで、実施の形態1では、チップごとに専用のファンを持つのではなく、発熱する複数のデバイス69b,69c同士をヒートシンク69dのような熱伝導性の高い部材で接続し、ヒートシンク69dを、ヒートシンク69d上に設けられたファン67aおよび筐体69内の複数のファン67b〜67dで冷却することによって、ファンロックのような冷却手段の単一故障のリスクを回避している。また、ファンロック等の単一故障が発生した場合には、その旨をカメラヘッド6から制御装置8に報知し、アラーム情報として表示装置9、出力部88に出力する。
(実施の形態1の変形例1)
実施の形態1の変形例1では、光ケーブル群71を構成する4本の光ケーブル71a〜71dのうちの2本以上に伝送不良が生じた場合にも、対応可能である場合について説明する。図8は、実施の形態1の変形例1にかかる内視鏡のカメラヘッド、伝送ケーブルおよび制御装置の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、実施の形態1の変形例1にかかるカメラヘッド6Aは、送信信号処理部64Aとして、図2に示す第1送信側信号変換部641および第2送信側信号変換部642に加えて、第3送信側信号変換部643および第4送信側信号変換部644を備える。
第3送信側信号変換部643は、撮像素子62から出力された電気信号を圧縮して2つの群のパラレル信号に変換する第3P変換部64gと、第3P変換部64gによって変換さえた2つの群のパラレル電気信号を信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えて、光ケーブル71a〜71dのうちのいずれか2本にそれぞれ対応するように分配し出力させる第3分配部64hとを備える。第4送信側信号変換部644は、撮像素子62から出力された電気信号を圧縮して、光ケーブル71a〜71dの本数よりも3少ない1つの群のパラレル信号に変換する第4P変換部64iと、第4P変換部64iによって圧縮された1つの群のパラレル信号を信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えて、光ケーブル71a〜71dのうちのいずれか1本に対応するように出力させる第4分配部64jを備える。
そして、実施の形態1の変形例1にかかる制御装置8Aは、受信信号処理部83Aとして、図2に示す第1受信側信号変換部831および第2受信側信号変換部832に加えて、第3受信側信号変換部833および第4受信側信号変換部834を備える。
第3受信側信号変換部833は、デコード部83eから出力された2つの群のパラレル電気信号を伸長して2つのシリアル電気信号に変換する第3S変換部83kと、第3S変換部83kが変換した2つのシリアル電気信号に対し、第3分配部64hによる区切れを外して元の画像信号の形式に整形し1つの第3シリアル電気信号として出力する第3整形部83mと、を備える。第4受信側信号変換部834は、デコード部83eから出力された1つの群のパラレル電気信号を伸長して1つのシリアル電気信号である元の画像信号の形式に変換する第4S変換部83nと、第4S変換部83nが変換したシリアル電気信号に対し、第4分配部64jによる区切れを外して元の画像信号の形式に整形する第4整形部83oを備える。
実施の形態1の変形例1において、伝送不良検出部83dは、4本の光ケーブル71a〜71dのうちの1本に対して伝送不良を検出した場合には、実施の形態1と同様に、切替部64eに、符号化部64fに出力する信号を、第2送信側信号変換部642を経由するルートR2で処理されたパラレル電気信号に切り替えさせる。そして、伝送不良検出部83dは、切替部83jに、画像処理部83rに出力する信号を、第2受信側信号変換部832を経由するルートR4で処理されたシリアル電気信号に切り替えさせる。
一方、伝送不良検出部83dは、4本の光ケーブル71a〜71dのうちの2本に対して伝送不良を検出した場合には、切替部64eに、符号化部64fに出力する信号を、第3送信側信号変換部643を経由するルートR5で処理されたパラレル電気信号に切り替えさせる。そして、伝送不良検出部83dは、切替部83jに、画像処理部83rに出力する信号を、第3受信側信号変換部833を経由するルートR7で処理されたシリアル電気信号に切り替えさせる。また、伝送不良検出部83dは、4本の光ケーブル71a〜71dのうちの3本に対して伝送不良を検出した場合には、切替部64eに、符号化部64fに出力する信号を、第4送信側信号変換部644を経由するルートR6で処理されたパラレル電気信号に切り替えさせる。そして、伝送不良検出部83dは、切替部83jに、画像処理部83rに出力する信号を、第4受信側信号変換部834を経由するルートR8で処理されたシリアル電気信号に切り替えさせる。
このように、実施の形態1の変形例1では、4本の光ケーブルのうち2本の光ケーブルを用いた光伝送処理に対応させた第3送信側信号変換部643および第3受信側信号変換部833と、1本の光ケーブルを用いた光伝送処理に対応させた第4送信側信号変換部644および第4受信側信号変換部834とをさらに設け、4本の光ケーブル71a〜71dのうち2本以上に伝送不良が生じた場合にも、光信号の伝送継続を可能としている。
なお、伝送不良検出部83dは、4本の光ケーブル71a〜71dのうちの1本に対して伝送不良を検出した場合には、残りの3本の光ケーブル全てを使用せずとも、所定の2本の光ケーブルの使用するルートR5およびルートR7での信号処理および伝送処理に固定して制御してもよい。
また、図9は、実施の形態1の変形例1にかかる内視鏡のカメラヘッド、伝送ケーブルおよび制御装置の他の構成を示すブロック図である。図9に示すカメラヘッド6Bにおいて、送信処理部64Bは、図8に示す第1送信側信号変換部641〜第4送信側信号変換部644および切替部64eに代えて、送信側信号変換部641Bを有する。
送信側信号変換部641Bは、撮像素子62から入力された電気信号に対する圧縮率、および、変換した後のパラレル電気信号の群数、各群のパラレル電気信号の分配先が可変であり、P変換部64kと分配部64mとを有する。P変換部64kは、伝送不良検出部83dの制御のもと、撮像素子62から入力された電気信号に対する圧縮率、および、変換した後のパラレル電気信号の群数を変更する。分配部64mは、P変換部64kによって変換された各群のパラレル電気信号を、所定バイト単位で揃え、整形処理を行った後、各群のパラレル電気信号の各々をシリアル電気信号に変換し、光ケーブル71a〜71dのうちP変換部64kにおける変換数に対応した数の光ケーブルであって制御部86に指示された光ケーブルに、シリアル電気信号を分配する。
また、図9に示す制御装置8Bにおいて、受信信号処理部83Bは、第1受信側信号変換部831〜第4受信側信号変換部834および切替部83jに代えて、受信側信号変換部831Bを備える。
受信側信号変換部831Bは、デコード部83eから出力されたパラレル電気信号に対する伸長率、および、シリアル電気信号に変換する前のパラレル信号の群数が可変であり、S変換部83pと整形部83qとを有する。S変換部83pは、伝送不良検出部83dの制御のもと、送信側信号変換部641Bにおけるシリアル電気信号の変換数および分配先に対応させて、デコード部83eから出力されたパラレル電気信号を伸長し、シリアル電気信号に変換する。整形部83qは、S変換部83pが変換したシリアル電気信号に対し、分配部64mによる区切れを外して元の画像形式に整形して、画像処理部83rに出力する。
制御部86は、伝送不良検出部83dによる伝送不良検出結果に応じて、送信側信号変換部641Bにおける電気信号に対する圧縮率およびパラレル電気信号への変換群数、分配先と、受信側信号変換部831Bにおけるパラレル電気信号に対する伸長率およびパラレル電気信号からシリアル電気信号への整形方法とを変更する。
実施の形態1の変形例1では、制御部86が、伝送不良が生じた光ケーブルの本数に応じて、変換するパラレル電気信号の群数とシリアル電気信号に変換する前のパラレル信号の群数とを適宜変更できる図9の構成を採用することも可能である。
(実施の形態1の変形例2)
図10は、実施の形態1の変形例2にかかる内視鏡のカメラヘッド、伝送ケーブルおよび制御装置の構成を示すブロック図である。図10では、図2に示す構成と比して、伝送ケーブル7Cのコネクタ70CにO/E変換部82を設け、制御装置8CからO/E変換部82を削除した構成を有する。光ケーブル71a〜71dによってそれぞれ伝送された光信号は、コネクタ70CのO/E変換部82において電気信号に変換されて、4本の電気配線81Cを介して受信信号処理部83に出力される。したがって、図10に示す構成によれば、コネクタ70Cおよび制御装置8C側のコネクタ80Cに、光接続部73a〜73d,80a〜80dを設けずともよい。
この図10に示す構成のように、伝送ケーブル7C側のコネクタ70CにO/E変換部82を設けた場合には、伝送ケーブル7Cから制御装置8Cに対して、電気配線を用いて信号を伝送できるため、光接続部の光軸ずれや、光接続部の接続面の汚れや曇り等に起因する伝送不良、画像ノイズを抑制することが可能になる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、光ケーブル群に、予備の光ケーブルを設け、通常使用する光ケーブルのいずれかに伝送不良が生じた場合には、伝送不良が生じた光ケーブルに代えて、予備の光ケーブルを用いて光信号の伝送処理を行う。
図11は、実施の形態2にかかる内視鏡のカメラヘッド、伝送ケーブルおよび制御装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、実施の形態2における伝送ケーブル207は、光ケーブル群271として、通常使用する3本の光ケーブル71a〜71cに加え、予備の光ケーブル271dを有する。予備の光ケーブル271dは、E/O変換部65が変換した複数の光信号の少なくともいずれかを一つを伝送可能である。伝送ケーブル207では、従来使用されていた支持材の代わりに、予備の光ケーブル271dを通して他の光ケーブル71a〜71c間の隙間を埋めている。そして、制御装置208側の光ケーブル群281も、通常使用する3本の光ケーブル81a〜81cに加え、予備の光ケーブル281dを有する。
実施の形態2におけるカメラヘッド206は、送信信号処理部264を有する。送信信号処理部264は、図2に示す第1送信側信号変換部641および第2送信側信号変換部642に代えて、送信側信号変換部2641(パラレル変換部)を備える。
送信側信号変換部2641は、P変換部264a(第1の変換部)と第1分配部264b(第1の分配部)と第2分配部264c(第2の分配部)とを備え、撮像素子62から出力された電気信号を、複数の光ケーブルの数と同数である第1の群数のパラレル電気信号に変換する。図11の例では、送信側信号変換部2641は、撮像素子62から出力された電気信号を、通常使用される光ケーブル71a〜71cの本数と同数の3つの群のパラレル電気信号に変換する。
P変換部264aは、撮像素子62から出力された電気信号を3つの群のパラレル電気信号に変換する。第1分配部264bは、P変換部264aが変換した各群のパラレル電気信号を、光ケーブル71a〜71cにそれぞれ対応するように分配するための信号形式にする。第1分配部264bは、P変換部264aによって変換された3つの群のパラレル電気信号を所定バイト単位で揃え、3本の光ケーブル71a〜71cに3つのパラレル信号が対応できるように信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えた各群のパラレル電気信号を出力する。第2分配部264cは、P変換部264aが変換した各群のパラレル電気信号を、光ケーブル71a〜71cの伝送不良を生じた光ケーブル以外の光ケーブルと、予備の光ケーブル271dとにそれぞれ対応するための信号形式にする。第2分配部264cは、P変換部264aが変換した各群のパラレル電気信号を、所定バイト単位で揃え、予備の光ケーブル271dを含む3本の光ケーブルに3つのパラレル信号が対応できるように信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えたパラレル電気信号を出力する。一般的に、光ケーブル群271のうちの最も外側に位置する光ケーブル(たとえば、光ケーブル71a)は、伝送ケーブル207の使用時における屈曲等の影響を受けやすく、他の伝送ケーブル71b,71cよりも断線等が生じやすい。このため、実施の形態2では、第2分配部264cは、P変換部264aによって3分割された各群のパラレル電気信号を、光ケーブル71b,71c,271dの3本に対応するように信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えたパラレル電気信号を出力する。そして、上述した実施の形態1と同様に、切替部64eおよび符号化部64fを介して、複数のシリアル電気信号がE/O変換部65に出力される。
そして、実施の形態2における制御装置208は、図2に示す制御部86と同様の機能を有する制御部286および受信信号処理部283を有する。受信信号処理部283は、図2に示す第1受信側信号変換部831および第2受信側信号変換部832に代えて、受信側信号変換部2831(シリアル変換部)を備える。
受信側信号変換部2831は、S変換部283f(第2の変換部)と第1整形部283g(第1の整形部)と第2整形部283h(第2の整形部)とを備え、デコード部83eから出力された第1の群数のパラレル電気信号をシリアル電気信号に変換する。図11の例では、送信側信号変換部2641は、撮像素子62から出力された電気信号を3つのシリアル電気信号に変換するため、受信側信号変換部2831は、デコード部83eから出力された3つの群のパラレル電気信号を3つのシリアル電気信号に変換する。
S変換部283fは、デコード部83eから出力された3つの群のパラレル電気信号を3つのシリアル電気信号に変換する。第1整形部283gは、S変換部283fが変換したシリアル電気信号を、第1分配部264bによる信号形式から、撮像素子62から出力された電気信号の信号形式に整形する。第1整形部283gは、S変換部283fが変換した3つのシリアル電気信号に対し、第1分配部264bによる区切れを外して元の画像信号の形式、すなわち、撮像素子62から出力される画像信号の形式に整形し、出力する。第2整形部283hは、S変換部283fが変換した3つのシリアル電気信号を、第2分配部264cによる信号形式から、撮像素子62から出力された電気信号の信号形式に整形する。第2整形部283hは、S変換部283fが変換したシリアル電気信号に対し、第2分配部264cによる区切れを外して元の画像信号の形式、すなわち、撮像素子62から出力される画像信号の形式に整形し、出力する。
実施の形態2において、制御部286は、伝送不良検出部83dが、通常使用する光ケーブル71a〜71cの光ケーブル71aに伝送不良を検出した場合、送信側信号変換部2641に、予備の光ケーブル271dを含む光ケーブル71b,71c,271dに光信号を振り分けさせるとともに、受信側信号変換部2831に、変換したシリアル電気信号を、受信側信号変換部2831におけるシリアル電気信号の振り分け方に応じて整形させる。
すなわち、制御部286は、伝送不良検出部83dが、通常使用される3本の光ケーブル71a〜71cに伝送不良を検出しなかった場合、第1分配部264bによって出力されたパラレル電気信号が符号化部64fに入力されるように、切替部64eを制御する。これとともに、制御部286は、第1分配部264bに対応する第1整形部283gによって整形処理が行われたシリアル電気信号が画像処理部83rに入力されるように、切替部83jを制御する。この切り替え制御は、デフォルトで設定されている。
また、制御部286は、伝送不良検出部83dが光ケーブル71aに伝送不良を検出した場合には、3つに分配されたシリアル電気信号が光ケーブル71b,71c,271dで伝送されるように、切替部64eに、符号化部64fに入力されるパラレル電気信号、すなわち、E/O変換部65に入力されるシリアル電気信号に対応するパラレル電気信号を、第1分配部264bによって出力されたパラレル電気信号から第2分配部264cによって出力されたパラレル電気信号に切り替えさせる。これに伴い、制御部286は、切替部83jに、画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を第1整形部283gによって整形された電気信号から第2整形部283hによって整形された電気信号に切り替えさせる。
図12は、図11に示す伝送不良検出部における伝送不良検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図12に示すステップS21〜ステップS28は、図5に示すステップS1〜ステップS8である。
伝送不良検出部83dがステップS23において伝送不良を検出した場合、制御部286は、3つの群に変換されたシリアル電気信号が予備の光ケーブル271dを含む3本の光ケーブル71b,71c,271dで伝送されるように、予備の光ケーブル271dへの切り替え処理を行う(ステップS29)。制御部286は、切替部64eに、符号化部64fに入力されるパラレル電気信号を、第1分配部264bによって出力されたパラレル電気信号から第2分配部264cによって出力されたパラレル電気信号に切り替えさせ、切替部83jに、画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を、第1整形部283gによって整形されたシリアル電気信号から第2整形部283hによって整形されたシリアル電気信号に切り替えさせる。図12に示すステップS30は、図5に示すステップS11である。
このように、実施の形態2では、手技中に、3本の光ケーブル71a〜71cのいずれかに伝送不良が生じた場合であっても、伝送不良が生じていない予備の光ケーブル271dを経由する伝送経路に切り替えられ、光信号の伝送はそのまま継続されるため、実施の形態1と同様の効果を奏する。
なお、実施の形態2では、予備の光ケーブルは、2本以上であってもよく、光ケーブルの物理的本数が、実際に伝送に使用する光ファイバの本数よりも多い条件であれば足りる。
(実施の形態2の変形例1)
実施の形態2の変形例1では、通常使用する3本の光ケーブル71a〜71cのうちのいずれに伝送不良が生じた場合にも対応可能である場合について説明する。図13は、実施の形態2の変形例1にかかる内視鏡のカメラヘッド、伝送ケーブルおよび制御装置の構成を示すブロック図である。
図13に示すように、実施の形態2の変形例1におけるカメラヘッド206Aにおいて、送信信号処理部264Aは、図11に示す送信側信号変換部2641に比して、さらに第3分配部264dおよび第4分配部264eを備えた送信側信号変換部2641Aを有する。第3分配部264dは、光ケーブル71bに伝送不良が生じた場合に対応させて、P変換部264aによって変換された3つの群のパラレル電気信号を所定バイト単位で揃え、3本の光ケーブル71a,71c,271dに3つのシリアル信号が分配できるように信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えたシリアル電気信号を出力する。第4分配部264eは、光ケーブル71cに伝送不良が生じた場合に対応させて、P変換部264aによって変換された3つの群のパラレル電気信号を所定バイト単位で揃え、3本の光ケーブル71a,71b,271dに3つのシリアル信号が分配できるように信号間の区切れが判別できる揃え方で揃えたシリアル電気信号を出力する。
そして、実施の形態2の変形例1にかかる制御装置208Aにおいて、受信信号処理部283Aは、図11に比して、さらに、第3分配部264dによる信号形式から撮像素子62から出力された電気信号の信号形式に整形する第3整形部283i、および、第4分配部264eによる信号形式から撮像素子62から出力された電気信号の信号形式に整形する第4整形部283jを有する。第3整形部283iは、S変換部283fが変換したシリアル電気信号に対し、第3分配部264dによる区切れを外して元の画像信号の形式、すなわち、撮像素子62から出力される画像信号の形式に整形し、出力する。第4整形部283jは、S変換部283fが変換したシリアル電気信号に対し、第4分配部264eによる区切れを外して元の画像信号の形式に整形し、出力する。
制御部286は、通常使用する光ケーブル71a〜71cのうちのいずれか1本に伝送不良を検出した場合、送信側信号変換部2641Aに、伝送不良を生じた光ケーブルに代えて予備の光ケーブル271dに光信号を振り分けさせ、受信側信号変換部2831Aに、入力した電気信号を送信側信号変換部2641Aの光信号の振り分け方に応じて整形させる。
図14は、図13に示す伝送不良検出部における伝送不良検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図14に示すステップS31〜ステップS38は、図12に示すステップS21〜ステップS28である。図14に示すステップS39は、図5に示すステップS9である。
伝送不良検出部83dは、ステップS39において伝送不良を生じた光ケーブルを検出した後、3つに分配されたシリアル電気信号が予備の光ケーブル271dを含む3本の光ケーブルで伝送されるように、予備の光ケーブル271dへの切り替え処理を行う(ステップS40)。
具体的には、制御部286は、伝送不良検出部83dが光ケーブル71aに伝送不良を検出した場合には、切替部64eに、符号化部64fに入力されるパラレル光信号を第2分配部264cによって出力されたパラレル電気信号に切り替えさせるとともに、切替部83jに、画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を第2整形部283hによって整形されたシリアル電気信号に切り替えさせる。制御部286は、伝送不良検出部83dが光ケーブル71bに伝送不良を検出した場合には、切替部64eに、符号化部64fに入力されるパラレル電気信号を第3分配部264dによって出力されたパラレル電気信号に切り替えさせるとともに、切替部83jに、画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を第3整形部283iによって整形されたシリアル電気信号に切り替えさせる。伝送不良検出部83dは、光ケーブル71cに伝送不良を検出した場合には、切替部64eに、符号化部64fに入力されるパラレル光信号を第4分配部264eによって出力されたパラレル電気信号に切り替えさせるとともに、切替部83jに、画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を第4整形部283jによって整形されたシリアル電気信号に切り替えさせる。図14も示すステップS41は、図12に示すステップS30である。
このように、実施の形態2の変形例1においては、送信側信号変換部2641Aに第3分配部264dおよび第4分配部264eを設け、これに対応させて受信側信号変換部2831Aに第3整形部283iおよび第4整形部283jを設けることによって、通常使用する3本の光ケーブル71a〜71cのうちのいずれに伝送不良が生じた場合にも、対応可能であるため、光信号の伝送の継続をさらに確実化できる。
(実施の形態2の変形例2)
実施の形態2の変形例2では、予備の光ケーブルの本数よりも多い本数の光ケーブルに伝送不良が生じた場合でも対応可能である場合について説明する。図15は、実施の形態2の変形例2にかかる内視鏡のカメラヘッド、伝送ケーブルおよび制御装置の構成を示すブロック図である。
図15に示すように、実施の形態2の変形例2におけるカメラヘッド206Bにおいては、送信信号処理部264Bは、図11に示す送信信号処理部264と比して、図9に示す送信側信号変換部641Bをさらに備えた構成を有する。また、実施の形態2の変形例2における制御装置208Bにおいては、受信信号処理部283Bは、図11に示す受信信号処理部283と比して、図9に示す送信側信号変換部831Bをさらに備えた構成を有する。
通常使用する光ケーブル71a〜71cの光ケーブル71aに伝送不良が生じた場合には、制御部286は、実施の形態2の場合と同様に、切替部64eに、符号化部64fに入力されるパラレル光信号を第2分配部264cによって出力されたパラレル電気信号に切り替えさせるとともに、切替部83jに、画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を第2整形部283hによって整形されたシリアル電気信号に切り替えさせる。
そして、例えば通常使用する光ケーブル71a〜71cのうち2本に伝送不良が生じた場合には、制御部286は、光ケーブル71a〜71cのうちの正常である光ケーブルと予備の光ケーブル271dとの2本を用いて光信号を伝送するように送信側信号変換部641Bおよび受信側信号処理部831Bを制御する。
具体的には、制御部286は、送信側信号変換部641Bから2つのパラレル電気信号が正常である光ケーブルと予備の光ケーブル271dとの2本に分配されるように、P変換部64k(第3の変換部)における電気信号に対する圧縮率を変更し、分配部64m(第3の分配部)の分配先を制御し、切替部64eに、符号化部64fに入力されるパラレル光信号を分配部64mによって出力されたパラレル電気信号に切り替えさせる。制御部286は、送信側信号変換部641Bにおけるパラレル電気信号の変換群数および分配先に対応させて、受信側信号変換部831Bに対し、S変換部83p(第4の変換部)のパラレル電気信号に対する伸長率、および、シリアル電気信号に変換される前のパラレル電気信号の数、整形部83q(第3の整形部)による変換後のシリアル電気信号の整形内容を変更し、切替部83jに、画像処理部83rに入力されるシリアル電気信号を整形部83qによって整形されたシリアル電気信号に切り替えさせる。
このように、実施の形態2に実施の形態1を組み合わせて、伝送不良が生じた光ケーブルの本数に応じて、変換するパラレル電気信号の数とシリアル電気信号に変換する前のパラレル信号の数とを適宜変更できるようにし、光信号の伝送の継続をさらに確実化してもよい。
(実施の形態2の変形例3)
図16は、実施の形態2の変形例3にかかる内視鏡のカメラヘッド、伝送ケーブルおよび制御装置の構成を示すブロック図である。図16に示すように、実施の形態2の変形例3においては、実施の形態1の変形例2に示す構成と同様に、伝送ケーブル207Cのコネクタ70CにO/E変換部82を設け、制御装置208CからO/E変換部82を削除した構成を有する。そして、コネクタ70Cおよび制御装置208C側のコネクタ80Cから、光接続部73a〜73d,80a〜80dが削除される。この場合も、実施の形態1の変形例2と同様に、伝送ケーブル207Cから制御装置208Cに対して、電気配線を用いて信号を伝送できるため、光接続部の光軸ずれや、光接続部の接続面の汚れや曇り等に起因する伝送不良、画像ノイズを抑制することが可能になる。
本実施の形態1,2は、内視鏡装置の他、被写体の微小部位の拡大画像を撮像して動画の画像データを生成する手術用顕微鏡等の医療用観察装置に適用可能である。もちろん、本実施の形態1,2は、医療分野に限られず、工業分野において用いられ、機械構造物等の観察対象物の内部を観察する内視鏡装置としても構わない。
また、本実施の形態にかかる制御装置8,8A,8B,8C,208,208A,208B,208C、並びに、他の構成部で実行される各処理に対する実行プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。