JP3923601B2 - 内視鏡システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡システム、更に詳しくはシステムの各装置の履歴情報作成部分に特徴のある内視鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内視鏡装置においては、内視鏡により得られた観察用の画像には、VTRや写真に記録したときに内視鏡画像の識別や検索を容易に行えるようにするために、患者のID.NOや名前等の文字情報を入力できるようになっている。
【0003】
これらの文字情報の入力手段としては、キーボードを用いる方法、出願人が先に出願した特願平8−176678号に示した内視鏡画像中から文字情報を抽出、認識する方法がある。
【0004】
一方、従来の内視鏡装置では、内視鏡は1台のビデオプロセッサについて、施設の状況、検査の内容、手技に応じて視野角度や視野方向や解像度の異なる複数種類が複数本数準備されている。
【0005】
視野角度、視野方向、解像度が異なると、同じ病変部を撮影しても当然の如く見え方が異なった内視鏡画像となる。使用者は、後で記録した画像を元に病変部の位置を特定する際に役立つように、使用した時の内視鏡の型名やシリアルナンバをカルテなどに記載するようにしていた。この情報は、後で第三者が記録した画像中に異常を認めた場合には、故障している内視鏡の特定にも役立っていた。
【0006】
また、内視鏡を替えると、最適な色調を得るためにホワイトバランスを取り直す必要があるが、例えば特開昭62−183293号公報に開示されているように、内視鏡自体に不揮発性のメモリ等を利用してシリアルナンバを保持し、前記シリアルナンバを認識して色調を切り換えることにより、毎回ホワイトバランスを取り直すことを省略可能としたり、特開平3−4831号公報に開示されているように内視鏡の使用時間を記録、表示するようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開昭62−183293号公報の場合、内視鏡のIDによって、自動的にホワイトバランス等の色調整を行っているが、ID自体の表示はどこにもされないし、内視鏡の型名も表示、記憶されない。従って、記録済みの画像をチェックして、故障している内視鏡の特定を行うことはできないし、視野角度、視野方向、解像度が異なる内視鏡を用いた場合に生じる病変部の見え方の差に対応できないといった問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、記録済みの画像より故障している内視鏡を特定すると共に、視野角度、視野方向、解像度が異なる内視鏡を用いた場合に生じる病変部の見え方や鉗子孔位置の差に対応できる内視鏡システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡システムは、体腔内に挿入し被写体を撮像するための内視鏡と、前記内視鏡が撮像した前記被写体像に係る撮像信号を通常の撮影モードとして信号処理する第1の信号処理手段と、前記内視鏡固有の情報を含む情報が、文字情報もしくはコード化された情報として明記された、当該内視鏡に付随したタグと、前記内視鏡が撮像した前記タグに明記された文字情報もしくはコード化された情報を含む画像信号を2値化モードとして信号処理する第2の信号処理手段と、前記第2の信号処理手段において信号処理した前記タグに明記された文字情報もしくはコード化された情報を含む画像信号を2値化した情報から前記内視鏡に関連する情報を抽出する情報抽出手段と、前記情報抽出手段により抽出された情報に基づいて前記内視鏡に係る履歴情報を作成する履歴情報手段と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
本発明の内視鏡システムでは、内視鏡が撮像したタグに明記された文字情報もしくはコード化された情報を含む画像信号から当該内視鏡に関連する情報を抽出し、履歴情報を作成することで、記録済みの画像より故障している内視鏡を特定すると共に、視野角度、視野方向、解像度が異なる内視鏡を用いた場合に生じる病変部の見え方や鉗子孔位置の差に対応することを可能とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0012】
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は内視鏡システムの構成を示す構成図、図2は図1の観察モニタの表示例を示す図である。
【0013】
(構成)
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡システム1は、体腔内に挿入する細長な挿入部2及びこの挿入部2の基端側に設けられた操作部3とを有し被検部位の内視鏡画像を得るために挿入部2の先端部に図示しないCCD等からなる撮像素子を内蔵した電子内視鏡4と、操作部3から延出する図示しないユニバーサルケーブルにより接続される電子内視鏡4の図示しない撮像素子の駆動と出力信号の処理及び後述する文字情報の符号化、履歴情報の作成を行うビデオプロセッサ5と、ビデオプロセッサ5により処理された電子内視鏡4で撮像した画像を観察するための観察モニタ6と、観察モニタ6で観察した画像を撮影するための写真撮影装置7とから構成され、電子内視鏡4には、機種名とシリアルナンバが明記されたタグ8がチェーン9によって操作部3に接続されている。
【0014】
ここで、図1においては、タグ8に機種名とシリアルナンバが文字により明記された例を示しているが、コード化した状態、例えばバーコードにより機種名とシリアルナンバを明記してもよい。
【0015】
なお、電子内視鏡4は、操作部3から延出する図示しないユニバーサルケーブルを介して光源装置10が接続され、この光源装置10から電子内視鏡4に照明光が供給されるようになっている。
【0016】
ビデオプロセッサ5は、電子内視鏡4の図示しない撮像素子の駆動と入力される画像信号の各種信号処理を行う画像信号処理部11と、図示しない指示手段により通常撮影モードから2値化モードになった場合に画像信号処理部11から入力されるタグ8による文字情報を含む画像を2値化し文字コードに変換し文字データを認識する文字認識部12と、内視鏡画像モード時の画像信号処理部11の出力である内視鏡画像に文字認識部12が認識した文字データを重畳する画像重畳部13と、患者名等の任意文字を入力するためのキーボード14と、キーボード14から入力される患者のI.D.No.や名前等の患者データや文字認識部12が認識した文字データの各種入出力制御やタイミングの制御を行うCPU15とから構成される。
【0017】
なお、CPU15には、さらに文字認識部12が認識した文字データを基にして履歴情報を発生するための履歴ファイル形成部16が設けられており、形成された履歴情報は、CPU15に接続されたデータ記憶部17に記憶されるようになっている。
【0018】
また、データ記憶部17には、前記患者データが記憶されると共にビデオプロセッサ5の色調、輪郭強調量等の各種設定値がキーボード14から入力した使用者の名前毎に複数パターン記憶できるようになっている。
【0019】
(作用)
次に、このように構成された本実施の形態の作用について説明する。
【0020】
電子内視鏡4で得られたアナログの画像信号は、ビデオプロセッサ5の画像信号処理部11に入力されてビデオ信号に変換された後、ディジタル化されて出力され、画像重畳部13にディジタルの内視鏡画像データとして保持される。
【0021】
操作者がキーボード14より入力した患者名やI.D.No.など患者データとコメントなどの任意の文字列は、CPU15を介しデータ記憶部17に保持されると共に画像重畳部13の内視鏡画像中にキーボード14で指示した任意の場所に任意の大きさが重畳される。
【0022】
なお、患者データがデータ記憶部17で記憶済みのI.D.No.と同じ場合には、I.D.No.の入力を終了した時点で、名前や生年月日の他の患者データが呼び出されて内視鏡画像中に重畳されるようになっている。
【0023】
また、操作者が内視鏡検査を始める前に、データ記憶部17に登録済みのビデオプロセッサ5の各種設定値を自分の名前を選択することにより呼び出した後、前述の2値化モードを選択し、タグ8を撮像する。文字認識部12はタグ8に描かれている文字列を認識して、文字列は一般的に知られている光学的文字読み取り装置(OCR)の技術を用いて2値化し文字コードに変換され、CPU15を介して画像重畳部13にて内視鏡画像中に重畳される。タグ8を読み込ませた後は、2値化モードを通常撮影モードに戻す。
【0024】
CPU15の履歴ファイル形成部16では、CPU15に送られてきた文字コードが、予め記憶している電子内視鏡4の機種名とシリアルナンバを表すS/Nに合致したと認識し、かつデータ記憶部17に同じデータが無い場合に履歴情報ファイルを形成して、データ記憶部17に保存させる。
【0025】
図1の例では、電子内視鏡4の機種が「ABC−TYPE1」、シリアルナンバが「0123」であることを示す。
【0026】
また、履歴ファイル形成部16では、電子内視鏡4がビデオプロセッサ5に接続されている時間を検知し履歴情報ファイルに書き込む。履歴情報ファイルが既にデータ記憶部17にある場合には、前データの時間に新たな時間を累積するようになっている。この累積時間も他の文字データと同様に画像重畳部13にて文字情報として重畳される。
【0027】
なお、電子内視鏡4の接続検知の方法は具体的には提示していないが、従来からある方法、例えば、電子内視鏡4側に設けられているCCD種別判定用の抵抗値を検出してもよいし、CCD駆動時の負荷の有無を検出してもよい。
【0028】
画像重畳部13に保持された各種文字データを含む内視鏡画像は、例えば、図2に示すような患者データ21、電子内視鏡機種名22、シリアルナンバ23、内視鏡画像24、累積使用時間25のような形態で、観察モニタ6に出力されて表示されると共に写真撮影装置7にも出力されて表示される。もちろん、写真撮影装置7でなくても、VTR等の画像記録装置でもよい。
【0029】
ここで、図2に示すように、観察モニタ6では、認識した電子内視鏡機種名22に応じて鉗子孔の出現位置を示す鉗子孔位置指示マーカ26が図示しない操作パネルからの指示により表示したり、消したりできる。
【0030】
(効果)
このように本実施の形態では、特に他の外部入力装置を用いることなく、現在使用している電子内視鏡4の機種名やシリアルナンバ、累積使用時間を入力し、表示、記録することができるので、後で現像した写真から故障している電子内視鏡4の特定を行ったり、視野角度、視野方向、解像度が異なる電子内視鏡4を用いた場合に生じる病変部の見え方や鉗子孔位置の差に対応できる。
【0031】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡システムの構成を示す構成図である。
【0032】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0033】
(構成)
第2の実施の形態は、図3に示すように、第1の実施の形態の構成に加えて、内視鏡システムが単体でなく、複数存在した場合に相互の内視鏡システム間でデータ通信を行うためのネットワークI/F部31がビデオプロセッサ5内部に追加した構成となっている。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0034】
(作用)
本実施の形態のおいては、ネットワークI/F部31により、データ記憶部17に記憶されている患者データ、履歴情報ファイル及びビデオプロセッサ5の使用者毎の各種設定値を、図示しない他の内視鏡システムと相互に通信し、登録済みの履歴情報ファイルや使用者毎の各種設定値が更新された場合には、他の内視鏡システムのデータも更新するようになっている。その他の作用は第1の実施の形態と同じである。
【0035】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、複数の内視鏡システムが存在している場合においても、電子内視鏡4自体に記憶手段を設けることなく、履歴情報も管理できると共に、ビデオプロセッサ5の各種設定値も1カ所で一度登録するだけでよい。
【0036】
図4及び図5は本発明の第3の実施の形態に係わり、図4は内視鏡システムの構成を示す構成図、図5は図4の内視鏡システムの各装置に設けられたデータ処理部の構成を示す構成図である。
【0037】
第3の実施の形態は、第2の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0038】
(構成)
図4においては、複数の内視鏡システム1を3台接続した例として、内視鏡システム1a、1b、1cの接続関係を示している。また、各内視鏡システム1には、第2の実施の形態では特に図示しなかったが、高周波を用いて病変部を焼勺する電気メス40と、ダイオードの発熱を利用して病変部の焼勺と止血を行うヒートプローブ41が備えてある例を示している。なお、電気メス40とヒートプローブ41は、必ずしも備える必要性はない。
【0039】
また、第3の実施の形態では、図5に示すように、各々がデータバスで接続されたデータ記憶部17とCPU15とネットワークI/F部31及び履歴情報ファイルの内容に応じてデータを補正するデータ補正部42とからなるデータ処理部43が、電子内視鏡4を除く内視鏡システム1の各装置、すなわち、観察モニタ6、ビデオプロセッサ5、光源装置10、写真撮影装置7、電気メス40、ヒートプローブ41の全てにそれぞれ設けられている点が第2の実施の形態と比べて追加となっている。
【0040】
前記各装置毎のデータ記憶部17には、装置の各種設定値としてメーカが設定した基準値と複数のユーザの好みに応じて調節された複数パターンの設定値が記憶されていると共に、各装置の累積使用時間等を履歴情報ファイルとして記憶している。なお、累積使用時間の算出方法は特に記述していないが、一般的はCPUの動作クロックを基に構成した時計、カウンタ、加算器によりCPUが動作状態にある時間を累積してもよい。
【0041】
ここで、光源装置10内のデータ記憶部17に記憶される履歴情報ファイルには、少なくてもランプの点灯時間の累積と点灯回数から求めたランプの残り寿命が保存されていることとする。
【0042】
また、観察モニタ6と写真撮影装置7の各データ記憶部17に記憶される履歴情報ファイルには、少なくとも基準値に於ける装置内部のブラウン管の輝度と色度が保存されていることとする。なお、輝度と色度を求める方法は、業務用のTVモニタ等に設けられているカラーセンサを用いる方法で構わない。
【0043】
その他の構成は第2の実施の形態と同じである。
【0044】
(作用)
使用者は、最初に内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5に接続されているキーボード14より自動の名前を入力すると、ビデオプロセッサ5のデータ記憶部17に記憶される。
【0045】
次に、各種装置全ての設定を自分の好みに応じて内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5に図示しない操作パネルから入力すると、内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5の各種設定値は使用者の名前に対応づけてデータ記憶部17に記憶される。記憶された内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5の各種設定値は、内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5のネットワークI/F部31と他の内視鏡システム1bと内視鏡システム1c内の各ビデオプロセッサ5のネットワークI/F部31とを経由して他の内視鏡システム1bと内視鏡システム1c内の各ビデオプロセッサ5のデータ記憶部17にも転送され記憶される。
【0046】
また、内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5の各種設定値は、同様にして内視鏡システム1a〜1c内の各ビデオプロセッサ5以外の各種装置、すなわち、内視鏡システム1a〜1c内の各観察モニタ6、各光源装置10、各電気メス40、各ヒートプローブ41へも各種装置の各ネットワークI/F部31を経由して各種装置の各データ記憶部17に記憶される。
【0047】
さらに、各種装置の何れかで各種装置の操作パネルから入力された各種装置の設定値も同様にして自分以外の他の各種装置の各データ記憶部17に転送され、最初に内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5で登録した使用者の名前毎にデータが記憶されるようになっている。
【0048】
なお、前記各種装置の設定値とは、使用者の名前毎に登録した各種設定値を含むことは当然であるが、メーカが決めた基準値の設定値も含んでいる。
【0049】
以上のようにして、各種装置の設定値がネットワーク接続された全ての装置のデータ記憶部17に記憶された後、装置の累積使用時間等の履歴情報ファイルの内容に応じて、各装置では、記憶済みの各種設定値をデータ補正部42を用いて補正する。この補正方法は、オリジナルの設定値を補正後の設定値に書き換えて記憶しても良いし、オリジナルの設定値と補正値の両方を記憶するようにしても良いし、オリジナルの設定値とそれに対応する補正量だけを記憶するようにしても良い。
【0050】
前記の装置の履歴情報ファイルの内容に応じて各種装置の設定値を補正することとは、使用条件が膨大で全てを網羅して説明することは割愛するが、以下に一例を挙げて説明する。
【0051】
一番最初に使用者は、内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5に自分の名前を登録して各種設定値を操作パネルから入力したとする。次にこの使用者は内視鏡システム1b内のビデオプロセッサ5を内視鏡システム1a内のビデオプロセッサ5と同じ設定で使おうとした場合、内視鏡システム1bに接続されている各種装置の設定値をこの使用者の名前で登録されている各種設定値に切り換える。
【0052】
しかしながら、内視鏡システム1aと同じ設定値を使用者名で呼び出しても、内視鏡システム1bの各種装置が内視鏡システム1a内の各種装置とは、累積使用時間も異なるし、製品のばらつき等により経時変化の出方にも差があるので、メーカの基準値に於いても完全に同じ値に設定できない場合が存在する(当然、使用者毎の設定値も同じ値には出来ない)。
【0053】
すなわち、観察モニタ6や写真撮影装置7の内部ブラウン管の輝度や色度は、累積使用時間が長くなるとブラウン管が劣化して輝度が低下して、色度も変化する。また、光源装置10のランプの残り寿命に応じて、ランプの明るさも変化する。
【0054】
従って、内視鏡システム1b内の観察モニタ6が内視鏡システム1a内の観察モニタ6より基準値での輝度が低下していたら、内視鏡システム1b内の観察モニタ6の輝度を増加するように内視鏡システム1b内の観察モニタ6のデータ補正部42にてい基準値での輝度を補正するようになっている。
【0055】
同様に、内視鏡システム1b内の写真撮影装置7が内視鏡システム1a内の写真撮影装置7より基準値での色度が(x,y)の色度座標上でズレていたら、内視鏡システム1b内の写真撮影装置7の色度を合わせ込むように内視鏡システム1b内の写真撮影装置7のデータ補正部42にて基準値での色度を補正するようになっている。
【0056】
また同様に、内視鏡システム1b内の光源装置10が内視鏡システム1a内の光源装置10より基準値でのランプの明るさが低下していたら、内視鏡システム1b内の光源装置10のランプの明るさを増加するように内視鏡システム1b内の光源装置10のデータ補正部42にて基準値でのランプの明るさを補正するようになっている。
【0057】
その他の作用は第2の実施の形態と同じである。
【0058】
(効果)
従って、本実施の形態では、第1及び第2の実施の形態の効果に加えて、累積使用時間が異なったり、製品固有のばらつき等によって経時変化の出方に差が生じていても、一度登録した設定条件と全て同一の条件で複数の内視鏡システムを使用できる。
【0059】
なお、本実施の形態においては、各種設定値を自分以外の他の装置に転送するに当たって、転送するデータの内容を言及してはいないが、全てのデータを転送しても良いし、転送データの内、送信先の装置で必要としないデータを送る必要性はないので、データを間引いて送信先で必要とするデータだけを送る、もしくは、受信先で必要なデータだけを選択して記憶するようにすれば、データ記憶部6の容量を必要最小限にできる。
【0060】
また、各種設定値は使用者毎に名前で登録する例を挙げて説明したが、これに限るものではなく、使用者を識別できるならば、使用者毎のI.D.No.でも良いし、I.D.No.等を記憶した磁気カード等を読み込めるようにしておいてもよい。
【0061】
図6及び図7は本発明の第4の実施の形態に係わり、図6は内視鏡総合システムの構成を示す構成図、図7は図6の内視鏡総合システムを複数接続した状態を示す図である。
【0062】
第4の実施の形態は、第3の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0063】
(構成)
図6に示すように、本実施の形態の内視鏡総合システム51は、例えば第3の実施の形態の内視鏡システム1aの各種装置(すなわち、観察モニタ6、ビデオプロセッサ5、光源装置10、写真撮影装置7、電気メス40、ヒートプローブ41)が台車等に載せられた別ユニットとして存在していたのに対し、各種装置(すなわち、観察モニタ6、ビデオプロセッサ5、光源装置10、写真撮影装置7、電気メス40、ヒートプローブ41)を一体形式とし、各種装置を集中操作を行うためのタッチパネル52を設け、タッチパネル52で入力された操作内容が集中制御を行うための制御装置53で解釈され、内視鏡システム1の各種装置(すなわち、観察モニタ6、ビデオプロセッサ5、光源装置10、写真撮影装置7、電気メス40、ヒートプローブ41)に伝達されるようになっている点が変更されている。
【0064】
内視鏡総合システム51が例えば3台接続されている場合、各内視鏡総合システム51a〜51cの各装置のネットワークI/F部31は、図7に示すように接続される。
【0065】
なお、本実施の形態の場合、第3の実施の形態で各種装置に設けられていた図5に示したデータ記憶部17とデータ補正部42は、各種装置(すなわち、観察モニタ6、ビデオプロセッサ5、光源装置10、写真撮影装置7、電気メス40、ヒートプローブ41)の中からは除かれており、制御装置53内だけに図5に示した構成用件が全て内包されている。
【0066】
その他の構成は第3の実施の形態と同じである。
【0067】
(作用)
本実施の形態の内視鏡総合システム51に於いては、各種装置(すなわち、観察モニタ6、ビデオプロセッサ5、光源装置10、写真撮影装置7、電気メス40、ヒートプローブ41)は、制御装置53の指示に従って動作するので、データの記憶、データの補正、他の内視鏡総合システム51との通信は制御装置53だけで行なわれる。
【0068】
その他の作用は第3の実施の形態と同じである。
【0069】
(効果)
従って、本実施の形態では、各種装置(すなわち、観察モニタ6、ビデオプロセッサ5、光源装置10、写真撮影装置7、電気メス40、ヒートプローブ41)内にデータ記憶部17やデータ補正部42を設けなくても第3の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0070】
[付記]
(付記項1) 体腔内に挿入し被写体を撮像する内視鏡と、
前記内視鏡に照明光を供給する光源装置と、
前記内視鏡が撮像した前記被写体の撮像信号を信号処理する信号処理装置と
を具備した内視鏡システムにおいて、
前記内視鏡で撮像した文字情報もしくはコード化された情報を含む画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された前記文字情報もしくは前記コード化された情報を符号化する符号化手段と、
前記符号化された文字情報もしくはコード化された情報を表示するための表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記符号化された文字情報もしくはコード化された情報を基づいて前記内視鏡、前記光源装置及び前記信号処理装置の履歴情報を作成する履歴情報手段と
を備えたことを特徴とする内視鏡システム。
【0071】
(付記項2) 前記符号化された文字情報もしくはコード化された情報は、
少なくとも前記内視鏡の型名とシリアルNO.を含む
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡システム。
【0072】
(付記項3) 前記履歴情報は、少なくとも前記内視鏡の使用時間情報を含む
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡システム。
【0073】
(付記項4) 前記表示データ生成手段が生成した表示データを前記内視鏡の内視鏡画像に選択的に重畳させる重畳手段を備えた
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡システム。
【0074】
(付記項5) 前記履歴情報は、少なくとも前記光源装置の照診ランプの点灯時間と点灯回数を含む
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡システム。
【0075】
照診ランプに用いられているキセノンランプの場合、明るさが低下する原因として、使用時間が大である以上に点灯回数が大となることがあった。しかしながら、従来の内視鏡システムでは、使用時間の記録しかされていないので、本当のランプ寿命が判定しにくいといった問題があるが、付記項5の内視鏡システムではこのような問題を解決する。
【0076】
(付記項6) 少なくても前記履歴情報を含むシステム情報を送受信できる
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡システム。
【0077】
(付記項7) 前記システム情報は、前記内視鏡、前記光源装置及び前記信号処理装置の各種設定値を含む
ことを特徴とする付記項6に記載の内視鏡システム。
【0078】
例えば特開平3−4831号公報の場合、各部材の使用時間等の履歴情報の記憶手段は、内視鏡スコープ自体に設けられている。従って、履歴が必要となる構成部材の個数が増加するにつれて、大容量の記憶手段を内視鏡スコープの様にスペースに余裕がないものに組み込まなければならないといった問題がある。また、特開平6−70878号公報の場合、複数の使用者が任意に設定した機器の設定を使用者毎に選択して呼び出す事が出来るようになっている。しかしながら、内視鏡システムが1台しかない場合は良いが、大きな施設の場合には、複数のシステムを備えており、使用者はいつも特定のシステムを使用する訳でないから、結局全てのシステムに設定をいちいち記憶させるか、特開平3−4831号公報のように全ての設定値を内視鏡スコープに記憶させる必要があるといった問題もある。付記項6及び7の構成の内視鏡システムでは、これら問題を解決する。
【0079】
(付記項8) 前記各種設定値は、前記履歴情報に応じて補正される
ことを特徴とする付記項7に記載の内視鏡システム。
【0080】
従来、観察モニタや写真撮影装置の輝度や色度が変化した場合にビデオプロセッサの設定を変化させて補正することは、使用者の主観的判断で行われているから、内視鏡画像による診断のように過去の症例の蓄積結果を客観的に判断する場合には、正確な判断に熟練を要すると共に、操作が煩雑で面倒であるといった問題があるが、付記項8の内視鏡システムではこのような問題を解決する。
【0081】
(付記項9) 前記符号化された文字情報もしくはコード化された情報に基づき、前記内視鏡の機種を判別して、前記内視鏡の先端より突出する生検鉗子の位置を指示する
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡システム。
【0082】
従来、内視鏡スコープの機種が異なった場合、鉗子チャンネルの位置と視野角度が異なるので、生検鉗子がどの場所から視野内に出てくるかを認識するためには熟練を要するといった問題があるが、付記項9の内視鏡システムではこのような問題を解決する。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の内視鏡システムによれば、内視鏡が撮像したタグに明記された文字情報もしくはコード化された情報を含む画像信号から当該内視鏡に関連する情報を抽出し、履歴情報を作成することで、記録済みの画像より故障している内視鏡を特定すると共に、視野角度、視野方向、解像度が異なる内視鏡を用いた場合に生じる病変部の見え方や鉗子孔位置の差に対応することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡システムの構成を示す構成図
【図2】図1の観察モニタの表示例を示す図
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡システムの構成を示す構成図
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡システムの構成を示す構成図
【図5】図4の内視鏡システムの各装置に設けられたデータ処理部の構成を示す構成図
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る内視鏡総合システムの構成を示す構成図
【図7】図6の内視鏡総合システムを複数接続した状態を示す図
【符号の説明】
1…内視鏡システム
2…挿入部
3…操作部
4…電子内視鏡
5…ビデオプロセッサ
6…観察モニタ
7…写真撮影装置
8…タグ
10…光源装置
11…画像信号処理部
12…文字認識部
13…画像重畳部
14…キーボード
15…CPU
16…履歴ファイル形成部
17…データ記憶部

Claims (2)

  1. 体腔内に挿入し被写体を撮像するための内視鏡と、
    前記内視鏡が撮像した前記被写体像に係る撮像信号を通常の撮影モードとして信号処理する第1の信号処理手段と、
    前記内視鏡固有の情報を含む情報が、文字情報もしくはコード化された情報として明記された、当該内視鏡に付随したタグと、
    前記内視鏡が撮像した前記タグに明記された文字情報もしくはコード化された情報を含む画像信号を2値化モードとして信号処理する第2の信号処理手段と、
    前記第2の信号処理手段において信号処理した前記タグに明記された文字情報もしくはコード化された情報を含む画像信号を2値化した情報から前記内視鏡に関連する情報を抽出する情報抽出手段と、
    前記情報抽出手段により抽出された情報に基づいて前記内視鏡に係る履歴情報を作成する履歴情報手段と、
    を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
  2. 前記内視鏡固有の情報は、少なくとも前記内視鏡の型名およびシリアルナンバを含むことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
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