JP6721756B2 - 電子機器、従属変数の算出方法、およびプログラム - Google Patents

電子機器、従属変数の算出方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電子機器、従属変数の算出方法、およびプログラムに関する。
従来、温度を検出して比較することにより温度上昇による異常の原因を判別する電子機器が知られている。
特開2008−034715号公報
例えば、電子機器若しくは環境の異常またはその兆候をより都合良く知ることが可能な電子機器が得られれば、有意義である。
実施形態の電子機器は、例えば、筐体と、発熱体と、三つ以上のセンサと、算出部と、を備える。発熱体は、筐体内に収容される。算出部は、三つ以上のセンサの検出値のそれぞれに対応した三つ以上の独立変数を含む多項式により従属変数を算出する。
図1は、第1実施形態の電子機器の模式的かつ例示的な正面図である。 図2は、第1実施形態の電子機器の筐体内の構成が示された模式的かつ例示的な平面図である。 図3は、第1実施形態の電子機器の例示的かつ模式的なブロック図である。 図4は、第1実施形態の電子機器による演算処理の手順が示された例示的なフローチャートである。 図5は、第1実施形態の電子機器によって算出されたインデックスの表示出力部における表示態様の一例を示す模式図である。 図6は、第1実施形態の電子機器によって算出されたインデックスの表示出力部における表示態様の図5とは異なる一例を示す模式図である。 図7は、第1実施形態の電子機器によって算出されたインデックスの表示出力部における表示態様の図5,6とは異なる一例を示す模式図である。 図8は、第1実施形態の電子機器によって算出されたインデックスの表示出力部における表示態様の図5〜7とは異なる一例を示す模式図である。 図9は、第1実施形態の電子機器によって算出されたインデックスの表示出力部における表示態様の図5〜8とは異なる一例を示す模式図である。 図10は、第1実施形態の電子機器によって算出されたインデックスの表示出力部における表示態様の図5〜9とは異なる一例を示す模式図である。 図11は、第2実施形態の電子機器の筐体内の構成が示された模式的かつ例示的な平面図である。 図12は、第2実施形態の電子機器による二つの温度センサの検出値、温度センサの検出値に基づいて算出された推定値、および実測値の一例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成や制御(技術的特徴)、ならびに当該構成や制御によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。また、以下に例示される複数の実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。以下、同様の構成要素には共通の符号が付与され、重複する説明が省略される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の電子機器1の模式的かつ例示的な正面図である。図2は、電子機器1の筐体2内の構成が示された模式的かつ例示的な平面図である。電子機器1は、サーバ装置である。電子機器1は、扁平な直方体状の筐体2を備えている。筐体2は、面2aとこの反対側の面2bと、を有する。面2aおよび面2bは、いずれも、筐体2の厚さ方向と直交する方向または交叉する方向に沿って広がっている。面2aと面2bとは略平行である。筐体2は、面2aと面2bとの間に渡った四つの面2pを有している。四つの面2pは、いずれも、面2a,2bと、交叉するかあるいは直交している。面2aは天面とも称され、面2bは底面とも称され、面2pは側面または周面とも称されうる。また、筐体2は、面2aに対する正面視では、四つの端部2c〜2fを有する。端部2c〜2fは、縁部や、辺部等とも称されうる。端部2c,2eは、短辺部の一例である。端部2d,2fは、長辺部の一例である。
筐体2は、面2aを有する壁部2kと、面2bを有する壁部2mと、面2pを有する壁部2nと、を有する。壁部2kおよび壁部2mは、いずれも、筐体2の厚さ方向と直交する方向または交叉する方向に沿って広がっている。壁部2kと壁部2mとは略平行である。また、筐体2は、壁部2kと壁部2mとの間に渡って設けられた四つの壁部2nを有している。四つの壁部2nは、いずれも、壁部2k,2mと、交叉するかあるいは直交している。壁部2kは天壁とも称され、壁部2mは底壁とも称され、壁部2nは側壁または周壁とも称されうる。
筐体2の端部2c側、すなわち図2では左側の壁部2nは、隙間Gをあけて、着脱可能なカバー部材23で覆われている。カバー部材23には、開口部2tが設けられている。カバー部材23は、外カバーとも称されうる。カバー部材23で覆われた壁部2nとは反対側、すなわち図2では右側の壁部2nには、開口部2sが設けられている。
壁部2nには、開口部2tに面してフィルタ14が設けられている。ファン10iおよびフィルタ14は、カバー部材23が取り外された状態で、筐体2に対して着脱可能に設計されている。よって、ユーザは、ファン10iおよびフィルタ14をより容易にメンテナンスすることができる。なお、本実施形態では、フィルタ14が、壁部2nを構成している。ただし、壁部2nとフィルタ14とは別個に設けられても良い。なお、筐体2は、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されうる。筐体2には、筐体2のシェルを構成する部材の他、筐体2内に設けられた部材が含まれてもよい。
電子機器1は、複数のファン10(ファン10i,10e)を備えている。ファン10は、筐体2内に空気流を生じさせる。図2の例では、三つのファン10は、いずれも図2の左側から右側に向けて流れる空気流を生じさせる。ファン10iは、筐体2内で、端部2eよりも端部2cの近くに、端部2cおよびフィルタ14と面して設けられている。ファン10iは、吸気ファンとも称されうる。ファン10eは、筐体2内で、端部2cよりも端部2eの近くに、端部2eおよび開口部2sと面して設けられている。ファン10eは、排気ファンとも称されうる。このような構成により、筐体2内には、図2の左側から右側へ向かう空気流Fが生じる。空気流Fは、開口部2tおよびフィルタ14を経て筐体2内に導入され、筐体2内から開口部2sを経て筐体2外へ排出される。
筐体2内には、基板アセンブリ6が収容されている。基板アセンブリ6は、基板61や、部品62,12等を含む。部品62,12は、基板61に設けられている。部品62は、発熱体である。部品62は、例えば、CPU(central processing unit)や、コントローラ等の電子部品である。部品62の、基板61とは反対側には、冷却部品63が設けられている。冷却部品63は、ヒートシンクや、放熱部材等とも称されうる。冷却部品63は、例えば、熱伝導性が高い金属材料で構成されうる。冷却部品63には、表面積を増大するための凹部または凸部(凹凸形状)が設けられてもよい。冷却部品63には、冷媒が封入されたヒートパイプ等の熱輸送機構が熱的に接続されてもよい。冷却部品63と部品62との間には、密着性ひいては熱伝導性を向上させるため、柔軟性を有するとともに熱伝導性が高い伝熱部材(不図示)が介在してもよい。部品12は、通電される電子部品であってもよいし、通電されない熱伝導性の高い金属材料であってもよい。また、例えば、電気抵抗等の加熱機構やペルチェ素子等の冷却機構によって部品12の発熱量や部品12における熱流束等が一定になるかあるいは規定に従って変化するように制御されてもよい。
筐体2には、複数のセンサ101が設けられている。複数のセンサ101による検出値は、現象を示す物理量に対応したインデックス、または性能を示すインデックスの算出に用いられる。本実施形態では、例えば、四つのセンサ101(101a〜101d)は、全て温度センサである。四つのセンサ101は、基板61に直接的または間接的に支持されうる。ここで、間接的な支持とは、基板61とは別の部品を介して支持されていることを言う。なお、センサ101は、例えば、電流センサや、湿度センサ、加速度センサ、流量センサ、圧力センサ等、温度センサ以外のセンサであってもよい。また、複数のセンサ101には、相異なる物理量を検出するセンサが含まれてもよい。
センサ101aは、基板61の面に、部品を介さずに直接的に実装されている。センサ101aは、部品62,12から離れて位置されるとともに、吸気側のファン10iに面して位置されている。センサ101aは、他のセンサ101よりも発熱体である部品62から離れて、あるいは全てのセンサ101の中で最も部品62から離れて位置されている。センサ101aは、部品62よりも空気流Fの上流側に位置されている。また、センサ101aは、他のセンサ101よりもファン10iの近く、あるいは全てのセンサ101の中で最もファン10iの近くに位置されている。すなわち、本実施形態では、センサ101aによる検出値が他のセンサ101による検出値よりも環境温度の影響を受けるよう、センサ101aによる検出値が全てのセンサ101による検出値の中で最も環境温度の影響を受けるよう、あるいは、センサ101aによる検出値がほぼ筐体2外の環境温度を示すよう、センサ101aが設けられている。環境温度とは、発熱体の発熱の影響を受けない雰囲気温度であり、外気温度とも称されうる。
なお、センサ101aは、上述した基板61上の位置P1の他、筐体2内であって壁部2nに接した位置P2や、カバー部材23とフィルタ14(壁部2n)との間の隙間G内の位置P3、筐体2外の位置P4等に、設けられてもよい。位置P2は、壁部2nとは異なる壁部の内側であってもよい。
センサ101bは、部品12に取り付けられている。センサ101bは、発熱体である部品62とは離れて位置されている。センサ101bは、部品62よりも空気流Fの上流側に位置されている。また、センサ101bは、吸気側のファン10iに面して位置されている。部品12が発熱体である場合、ファン10iの風量(空気流Fの流量)が大きいほど部品12から空気流Fに伝達される熱量が大きくなる。よって、ファン10iの風量に応じて部品12からセンサ101bに伝わる熱伝導量が変化するため、センサ101bによる検出値は、ファン10iの風量の影響を受けやすくなる。本実施形態では、センサ101bによる検出値が他のセンサ101による検出値よりもファン10iの風量(空気流Fの流量)の影響を受けるよう、あるいはセンサ101bによる検出値が全てのセンサ101による検出値の中で最もファン10iの風量(空気流Fの流量)の影響を受けるよう、センサ101bが設けられている。なお、センサ101bは、部品12の近傍の基板61に取り付けられてもよい。また、センサ101bは、部品62よりも空気流Fの下流側に位置されてもよい。
センサ101cは、冷却部品63に取り付けられている。センサ101cによる検出値は、冷却部品63の冷却性能の変化の影響を受けやすくなる。冷却部品63の冷却性能は、例えば、埃の付着や、腐食、冷却部品との接触性の低下等によって低下する。冷却部品との接触性は、例えば、外部からの衝撃や、加熱、伝熱部材(接合部材)の蒸発等によって、低下しうる。本実施形態では、センサ101cによる検出値が、他のセンサ101による検出値よりも冷却部品63による冷却性能の影響を受けるよう、あるいはセンサ101cによる検出値が全てのセンサ101による検出値の中で最も冷却部品63による冷却性能の影響を受けるよう、センサ101cが設けられている。
センサ101dは、発熱体である部品62の近傍に、より詳しくは、センサ101cを除く他のセンサ101a,101bよりも部品62の近く、あるいはセンサ101cを除く全てのセンサ101a,101b,101dの中で最も部品62の近くに位置されている。センサ101dによる検出値は、部品62の発熱量の変化の影響を受けやすくなる。本実施形態では、センサ101dによる検出値が、他のセンサ101による検出値よりも部品62の発熱量の影響を受けるよう、あるいはセンサ101dによる検出値が全てのセンサ101による検出値の中で最も部品62による発熱量の影響を受けるよう、センサ101dが設けられている。
センサ101c,101dは、空気流Fが直接的に当たらない位置、すなわち、空気流Fの流量の影響がより小さい位置に設けられてもよい。この場合、筐体2内や、基板61上、センサ101c,101dの周囲等には、空気流Fを遮る遮蔽物や、センサ101c,101dを覆うカバー等(不図示)が設けられてもよいし、取り付けられる対象としての冷却部品63や基板61等が、空気流Fを遮る遮蔽物として用いられてもよい。また、センサ101c,101dのみならず、センサ101a,101bについても、熱や空気流Fの影響を減らすための構成が設けられてもよい。
ここで、複数のセンサ101による検出値を用いた、インデックスの算出方法について説明する。インデックス(指標、指数)は、種々の現象を示す物理量に対応した数値や、電子機器1の種々の性能を示す数値でありうる。ユーザは、数値や段階等として示されたインデックスによって、電子機器1内外で生じている現象や、電子機器1の各種性能の変化等を把握することができる。インデックスで示される物理量は、例えば、温度や、流量、電力、電力量、電流値、電圧等、種々の物理量であることができる。また、インデックスによって示される性能は、例えば、フィルタ14の目詰まり状態や、冷却部品63の不具合状態等、種々の性能の程度を示す数値や、比率、度数、ランク、レベル等であることができる。インデックスは、無次元化されることができる。また、算出されたインデックスは、ユーザが表示あるいは音声によって識別あるいは判別可能な形態で出力されればよく、算出されたインデックスの値そのものが出力される必要は無い。
一つのインデックスIは、例えば、次の式(1)で定義されうる。
I=a0+a1・x1+a2・x2+・・・+an・xn
・・・ (1)
ここに、添え字0,1,2,・・・,nは、センサ101の識別子であり、nは、センサ101の数であり、x1,x2,・・・,xnは、センサ101による検出値であり、a0,a1,a2,・・・,anは、センサ101による検出値のそれぞれに対応して設定された係数である。係数a0,a1,a2,・・・,anは、センサ101による検出値とインデックスIとの相関関係を示す係数であって、実験やシミュレーションによって、予め取得され、設定される。センサ101による検出値とインデックスIとの相関関係(係数)は、機械学習の技法、例えば、ベイジアンネットワークや、サポートベクターマシン、構造方程式モデリング、回帰分析等で求めてもよい。インデックスIは、センサ101による検出値x1,x2,・・・,xnを独立変数とした、従属変数であると言うことができる。式(1)から明らかなように、インデックスIは、複数のセンサ101による検出値に基づいて算出される。すなわち、インデックスIは、複数のセンサ101による検出値x1,x2,・・・,xnと、インデックスIとの相関関係に基づいて、算出される。発明者らの鋭意研究によって、インデックスIは、複数、好ましくは少なくとも三つ以上のセンサ101による検出値に基づいて算出されるのが望ましいことが判明した。すなわち、一つのセンサ101の検出値に基づいて数値化されたインデックスの精度よりも、二つのセンサ101の検出値に基づいて数値化されたインデックスの精度がより高く、三つ以上のセンサ101の検出値に基づいて数値化されたインデックスの精度がより一層高いことが判明した。その三つは、例えば、環境温度に対応した検出値、空気流Fの流量に対応した検出値、および発熱体の発熱量に対応した検出値である。センサ101aによる検出値は、環境温度に対応した検出値の一例である。センサ101bによる検出値は、空気流Fの流量(ファン10iの風量)に対応した検出値の一例である。また、センサ101dによる検出値は、発熱体の発熱量に対応した検出値である。
センサ101による検出値は、複数のインデックスIiの算出に用いられうる。すなわち、複数(m個)のインデックスIiは、例えば、次の式(2)で定義されうる。
Ii=ai0+ai1・x1+ai2・x2+・・・+ain・xn
・・・ (2)
ここに、添え字i(i=1〜m)は、インデックスの識別子であり、ai0,ai1,ai2,・・・,ainは、係数である。インデックスIi毎の係数ai0,ai1,ai2,・・・,ainは、センサ101による検出値とインデックスIiとの相関関係を示す係数であって、実験やシミュレーションによって、予め取得され、設定される。センサ101による検出値とインデックスIiとの相関関係(係数)は、機械学習の技法、例えば、ベイジアンネットワークや、サポートベクターマシン、構造方程式モデリング、回帰分析等で求めてもよい。複数のインデックスIiは、それぞれ、センサ101による検出値x1,x2,・・・,xnを独立変数とした、従属変数であると言うことができる。センサ101の数nと、インデックスIiの数mとは、同じであってもよいし、異なってもよい。なお、インデックスIiの多項式の各項には、センサ101による検出値x1,x2,・・・,xnに替えて、センサ101による検出値x1,x2,・・・,xnの累乗(例えば2乗)等が含まれてもよい。この場合、検出値x1,x2,・・・,xnの累乗が独立変数となる。すなわち、インデックスは、上記の例に限らず、センサ101による検出値x1,x2,・・・,xnに対応した独立変数に基づく従属変数であってもよい。
また、式(1)における独立変数と係数との積a1・x1,a2・x2,・・・,an・xn、および式(2)における独立変数と係数との積ai1・x1,ai2・x2,・・・,ain・xnの値が大きいほど、すなわち、式(1)および(2)における項の値が大きいほど、インデックスの値も大きくなる。したがって、インデックスの値に対する独立変数と係数との積(項)の値の比率(割合)によって、独立変数(センサ101による検出値)のインデックスにおける影響度を把握できる。
また、センサ101による検出値を複数のインデックスIiの算出に用いる場合の、独立変数と係数との積に関しては、発明者らの鋭意研究により、以下の知見が得られた。すなわち、一つのインデックス(例えばインデックスI1)において積が最大となる独立変数に対応したセンサ101と、他のインデックス(例えばインデックスI2)において積が最大となる独立変数に対応したセンサ101とが、異なる場合に、インデックスIiの精度がより高まる。上述した複数のセンサ101(101a〜101d)の配置は、この知見を踏まえたものである。すなわち、本実施形態では、環境温度に対応したインデックスの多項式において、独立変数と係数との複数の積(項)のうち、センサ101aの検出値に対応した独立変数と係数との積(項)が最大となるよう、センサ101aの配置が調整され、設定される。また、ファン10iの風量に対応したインデックスの多項式において、独立変数と係数との複数の積(項)のうち、センサ101bの検出値に対応した独立変数と係数との積(項)が最大となるよう、センサ101bの配置が調整され、設定される。また、冷却部品63の冷却性能を示すインデックスの多項式において、独立変数と係数との複数の積(項)のうち、センサ101cの検出値に対応した独立変数と係数との積(項)が最大となるよう、センサ101cの配置が調整され、設定される。そして、発熱体である部品62の発熱量を示すインデックスの多項式において、独立変数と係数との複数の積(項)のうち、センサ101dの検出値に対応した独立変数と係数との積(項)が最大となるよう、センサ101dの配置が調整され、設定される。インデックスI1は、第一のインデックスの一例であり、インデックスI2は、第二のインデックスの一例である。
図3は、上述したセンサ101による検出値に基づくインデックスの算出や当該算出したインデックスに基づく各部の制御を実行する制御部100のブロック図である。制御部100は、検出部100a、演算部100b、出力情報生成部100c、表示制御部100d、および音声制御部100eを有する。制御部100は、CPUや、コントローラ等によって、具現化されうる。
制御部100による演算処理や制御は、ソフトウエアによって実行されてもよいし、ハードウエアによって実行されてもよい。また、制御部100による演算処理や制御には、ソフトウエアによる演算処理や制御とハードウエアによる演算処理や制御とが含まれてもよい。ソフトウエアによる処理の場合にあっては、制御部100は、ROM(read only memory)や、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。制御部100は、プログラムにしたがって動作することにより、検出部100aや、演算部100b、出力情報生成部100c、表示制御部100d、音声制御部100e等として機能する。この場合、プログラムには、検出部100aや、演算部100b、出力情報生成部100c、表示制御部100d、音声制御部100e等に対応するモジュールが含まれる。プログラムは、それぞれインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROMや、FD、CD−R、DVD等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されうる。また、プログラムは、通信ネットワークに接続されたコンピュータの記憶部に記憶され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって導入されうる。また、プログラムは、ROM等に予め組み込まれてもよい。制御部100の全部あるいは一部がハードウエアによって構成される場合、制御部100には、FPGA(field programmable gate array)やASIC(application specific integrated circuit)等が含まれうる。
検出部100aは、センサ101の検出結果に応じた検出値を取得する。演算部100bは、検出部100aによって取得された検出値に基づくインデックスの算出や、インデックスに含まれる各項(独立変数と係数との積)の算出、インデックスとインデックスに対応した閾値との比較、それらの演算に関連する各種演算処理等を、実行する。出力情報生成部100cは、所定の出力を実行する場合における当該出力情報を生成する。出力情報には、演算処理結果に対応した出力情報や、演算処理結果を出力するための付随的な出力情報等が含まれうる。表示制御部100dは、生成された出力情報に対応する画像が表示されるよう、ディスプレイ4を制御する。音声制御部100eは、生成された出力情報に対応する音声が出力されるよう、スピーカ5を制御する。表示出力に関しては、出力情報生成部100cおよび表示制御部100dが出力制御部の一例であり、音声出力に関しては、出力情報生成部100cおよび音声制御部100eが出力制御部の一例である。なお、演算部100bによる演算処理結果は、RAS(reliability availability and serviceability)機能の一部として用いられうる。演算部100bは、インデックス算出部の一例である。
記憶部102には、例えば、RAM(random access memory)や、ROM、HDD、SSD、フラッシュメモリ等の記憶部品や記憶装置が含まれうる。プログラムは、ROMや、HDD、SSD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部品や記憶装置に記憶される。また、記憶部102には、制御部100による制御に用いられるデータや、演算部100bによる演算に用いられるデータ、演算処理結果、出力情報等が記憶される。インデックスの算出に用いられる係数は、プログラムに記述されてもよいし、プログラムとは別に記憶部102に記憶されてもよい。係数は、可変に設定可能であってもよい。
ディスプレイ4は、表示部の一例であり、例えば、LCD(liquid crystal display)である。スピーカ5は、音声出力部の一例である。ディスプレイ4およびスピーカ5は、出力装置の一例である。ディスプレイ4およびスピーカ5は、電子機器1に含まれてもよいし、電子機器1とは別の所謂外付けの装置であってもよい。
図4には、制御部100による演算処理の手順の一例が示されている。まず、検出部100aはセンサ101の検出結果から検出値を取得する(S1)。次に、演算部100bは、複数のセンサ101による検出値に基づいて、独立変数と係数との積を算出し(S2)、複数の積の和をインデックスとして算出する(S3)。
次に、出力情報生成部100cは、S2やS3で算出した積やインデックスを出力するための出力情報を生成する。表示制御部100dは、当該出力情報を表示するようディスプレイ4を制御し、音声制御部100eは、当該出力情報を音声出力するようスピーカ5を制御する。すなわち、情報出力(1)が実行される(S4)。
次に、演算部100bは、インデックスとインデックスに対応して設定された所定の閾値とを比較する(S5)。S5において、インデックスが閾値以上であった場合(S5でYes)、出力情報生成部100cは、インデックスの属性や値に応じて、異常が生じていることや改善を促すことを出力するための出力情報を生成する。表示制御部100dは、当該情報を表示するようディスプレイ4を制御し、音声制御部100eは、当該情報を音声出力するようスピーカ5を制御する。すなわち、情報出力(2)が実行される(S6)。S5でNoの場合、S6は実行されない。
図5には、インデックスとしての部品62の温度の表示例が示されている。図5の場合、対象となる電子機器1では、発熱体である部品62の近傍に位置され当該部品62の発熱量の変化の影響を受けやすいセンサ101dが二つ設けられ、一つのセンサ101dは、部品62としてのCPUの近傍に設けられ、もう一つのセンサ101dは、部品62としての記憶部102(RAID)の近傍に設けられている。インデックスとしては、CPUの温度に対応したインデックスと、RAIDの温度に対応したインデックスとが、採用されている。インデックスの値V1,V2および積(項)の値Vp1〜Vp6が、温度計を模式化した棒グラフ(積み上げ棒グラフ)の画像Im51,Im52中に含まれている。Vp1は、部品62としてのCPUの発熱量の影響が大きいセンサ101dによる検出値と対応する係数との積の値である。Vp2は、部品62としてのRAIDの発熱量の影響が大きいセンサ101dによる検出値と対応する係数との積の値である。Vp3は、室内温度(環境温度)の影響が大きいセンサ101aによる検出値と対応する係数との積の値である。Vp4は、ヒートシンクA(冷却部品63)による冷却性能の影響が大きいセンサ101cによる検出値と対応する係数との積の値である。Vp5は、ヒートシンクB(冷却部品63)による冷却性能の影響が大きいセンサ101cによる検出値と対応する係数との積の値である。Vp6は、流入風量(ファン10iの風量)の影響が大きいセンサ101bによる検出値と対応する係数との積の値である。図5のような表示によれば、ユーザは、インデックスの値によって、発熱体としての部品62の温度を把握しやすい。また、ユーザは、インデックスの値とともに表示される積(項)の値により、部品62の温度上昇における各要素の影響度を把握しやすい。また、図5では、インデックスとともに、温度や、電力(消費電力)、負荷(比率)等も表示されているため、ユーザは、部品62の温度上昇が生じた場合に、その状況や原因を、より一層把握しやすい。
図6には、ファン10iの性能(流入風量)、ヒートシンクA(冷却部品63)の冷却性能、およびヒートシンクB(冷却部品63)の冷却性能を示すインデックスとともに、室内温度に対応したインデックスが、示されている。図6では、各インデックスが、タコメータを模式化した画像Im61〜Im64によって示されている。画像Im61〜Im64のそれぞれには、インデックスの値を示す針65の画像と、スケール66を示す画像が含まれている。図6の例では、針65が略10時の位置にある状態で正常であり、針65が当該正常である位置から時計回り方向に離れるほど、異常あるいは性能低下であることが示されている。図6のような表示によれば、ユーザは、インデックスの値によって、現象を示す物理量の現在の状況や、各種性能の現在の状況を、把握しやすい。
図7には、1日における環境温度に対応したインデックスの経時変化が示されるとともに、図8には、1日におけるCPU(部品62、発熱体)による負荷の影響を示すインデックスの経時変化が示されている。図8におけるCPU負荷の影響を示すインデックスは、例えば、CPUの温度である。図7,8では、横軸が経過時間(時間)、縦軸が各インデックスの値であり、各グラフに、月曜日、火曜日、および水曜日のインデックスが示されている。図7,8のような表示によれば、ユーザは、インデックスの値の経時変化によって、現象や性能の経時変化を把握しやすい。よって、ユーザは、現象や性能が悪化する時間帯を把握しやすい。また、図7,8には、異なる条件での複数の経時変化が含まれているため、ユーザは、現象や性能の変化の状態や原因を、把握しやすい。
図9には、2年におけるフィルタ目詰まり状況に対応したインデックスの経時変化が示されるとともに、図10には、2年におけるヒートシンクの不具合状態を示すインデックスの経時変化が示されている。図9におけるフィルタ目詰まり状態を示すインデックスは、例えば、ファン10iの風量に基づいて、目詰まりが無い状態を0、完全に目詰まりした状態を1とした、比率として定義される。図10におけるヒートシンクの不具合状態を示すインデックスは、例えば、ヒートシンクの温度に基づいて、温度が第一の値であるときに0、温度が第一の値よりも高い第二の状態であるときに1となる、無次元化された線形的な関数の値として定義される。図9,10では、横軸が経過時間(月)、縦軸が各インデックスの値である。また、図9,10には、それぞれ、二段階の閾値、すなわち、メンテナンスが推奨される第一の閾値と、空冷困難、放熱困難等のため部品交換が推奨される第二の閾値とが、示されている。図9,10のような表示によれば、ユーザは、インデックスの値の経時変化によって、現象や性能の経時変化を把握しやすい。また、図9,10には、閾値が含まれているため、ユーザは、現象や性能の可否の状態や、対策の緊急度、対策が必要となる時期までの余裕等を把握しやすい。また、システム(制御部100)からユーザへは、例えば、ユーザによる利用形態や利用環境等のユーザの特徴に応じて、電子機器1のメンテナンスの仕方や、タイミング、メンテナンスに用いる部品の適切な配置(準備態様)等を、提案することも可能となる。また、インデックスや、取得されたデータ、それらの分析結果等を、電子機器1の新機種の企画や設計に反映させたり参考にさせたりするようなことも可能となる。なお、図9には、インデックスが閾値を超えているため、異常が生じていることや改善を促すことを示す画像Im9(文字、情報)が含まれている。
以上、説明したように、本実施形態では、演算部100b(インデックス算出部)は、物理量に対応したインデックスまたは電子機器1の性能を示すインデックスを、複数のセンサ101による検出値とインデックスとの相関関係に基づいて算出する。よって、本実施形態によれば、インデックスによって現象や性能の変化が数値的あるいは段階的に示される。よって、例えば、電子機器1や電子機器1の環境の異常やその兆候が、より早期にあるいはより精度良く認識されやすくなる。
また、本実施形態では、演算部100bは、三つ以上のセンサ101による検出値とインデックスとの相関関係に基づいてインデックスを算出する。よって、本実施形態によれば、インデックスがより精度よく算出されやすい。よって、例えば、電子機器1の異常やその兆候がより精度良く認識されやすくなる。
また、本実施形態では、演算部100bは、インデックスとして、センサ101の検出値に対応した独立変数と係数との積の、和を算出する。よって、本実施形態によれば、インデックスに対する独立変数と係数との積の比率によって、現象や性能の変化の要因がより認識されやすくなる。
また、本実施形態では、インデックスI1(第一のインデックス)において積が最大となる独立変数に対応したセンサ101と、インデックスI2(第二のインデックス)において積が最大となる独立変数に対応したセンサ101と、が、相異なる。よって、本実施形態によれば、インデックスがより精度よく算出されやすい。よって、例えば、電子機器1の異常やその兆候がより精度良く認識されやすくなる。
また、本実施形態では、インデックスは、例えば、温度に対応したインデックスや、発熱体の温度に対応したインデックス、環境温度に対応したインデックス等の、物理量に対応したインデックスでありうる。また、インデックスは、例えば、冷却部品63の冷却性能を示すインデックス、フィルタ14の目詰まりを示すインデックス等の、性能を示すインデックスである。よって、本実施形態によれば、種々の現象や性能の現状や経時変化が認識されうる。
また、本実施形態では、例えば、インデックスの算出に関わる複数のセンサ101の全ては、温度を検出するセンサである。よって、本実施形態によれば、インデックスを算出する装置構成が、より簡素な構成によって具現化されうる。
また、本実施形態では、例えば、インデックスの算出に関わる複数のセンサ101は、相異なる物理量を検出するセンサを含む。よって、本実施形態によれば、例えば、種々のセンサを、インデックスの算出に利用できる。また、例えば、インデックスと相関関係の強い検出値に基づいて、インデックスがより精度良く算出されうる。
また、本実施形態では、例えば、センサ101は、筐体2に収容された基板61に設けられている。よって、本実施形態によれば、インデックスを算出する装置構成が、より簡素な構成によって具現化されうる。
また、本実施形態では、電子機器1は、インデックスを出力するようディスプレイ4やスピーカ5(出力装置)を制御する表示制御部100dや音声制御部100e(出力制御部)を備える。よって、本実施形態によれば、ユーザは、インデックスおよびインデックスによって示される現象や性能の現状および経時変化を、表示あるいは音声によって知ることができる。
また、本実施形態では、表示制御部100dや音声制御部100eは、インデックスに対応した積を出力するよう、ディスプレイ4やスピーカ5を制御する。よって、本実施形態によれば、ユーザは、インデックスによって示される現象や性能の要因を認識しやすい。
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態の電子機器1Aの筐体2内の構成が示された模式的かつ例示的な平面図である。本実施形態の電子機器1Aは、上記第1実施形態の電子機器1と同様の構成を有する。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。
ただし、図11に示されるように、本実施形態の電子機器1Aの筐体2内には、発熱体64が設けられているもののセンサ101が設けられていない部品67が収容されている。なお、図11では、部品67は一つの発熱体64を有するが、複数の発熱体64を有してもよい。また、筐体2内には、発熱体64を有しセンサ101を有さない複数の部品67が収容されてもよい。基板61は、センサ101が設けられた第一の部品の一例であり、部品67はセンサ101が設けられない第二の部品の一例である。また、基板61に設けられた発熱体としての部品62は、第一の発熱体の一例であり、部品67に設けられた発熱体64は、第二の発熱体の一例である。
演算部100bは、センサ101が設けられていない部品67に設けられた発熱体64の温度に対応したインデックスを、式(2)により、複数のセンサ101の検出結果に基づいて算出することができる。式(2)により発熱体64の温度に対応したインデックスを算出するため、当該インデックスの係数は、実験やシミュレーションによって、予め取得され、設定される。なお、発熱体64の温度に対応したインデックスは、例えば、発熱体64の発熱による影響を受ける部位あるいは部品の温度などであってもよく、発熱体64の温度であることは必須ではない。また、インデックスは、温度以外の物理量であってもよい。
また、演算部100bは、式(2)によりセンサ101の検出値に基づいて算出した別のインデックスに基づいて、発熱体64の温度に対応したインデックスを算出してもよい。この場合、演算部100bは、発熱体64の温度に対応したインデックスを、以下の式(3)により、算出してもよい。
Isj=bj0+bj1・I1+bj2・I2+・・・+bjn・In
・・・ (3)
ここに、添え字j(j=1〜m)は、発熱体64の温度に対応したインデックスIsの識別子であり、bj0,bj1,bj2,・・・,bjnは、係数である。係数bj0,bj1,bj2,・・・,bjnは、別のインデックスI1,I2,・・・,Inと発熱体64の温度に対応したインデックスIsjとの相関関係を示す係数であって、実験やシミュレーションによって、予め取得され、設定される。別のインデックスI1,I2,・・・,InとインデックスIsjとの相関関係(係数)は、機械学習の技法、例えば、ベイジアンネットワークや、サポートベクターマシン、構造方程式モデリング、回帰分析等で求めてもよい。インデックスIsjは、インデックスI1,I2,・・・,Inを独立変数とした、従属変数であると言うことができる。インデックスI1,I2,・・・,Inは、温度を示すインデックスであってもよいし、温度に影響を与える温度以外(例えば、空気流の流量等)のインデックスであってもよい。インデックスIsjの多項式の各項には、インデックスI1,I2,・・・,Inに替えて、インデックスI1,I2,・・・,Inの累乗(例えば2乗)等が含まれてもよい。この場合、インデックスI1,I2,・・・,Inの累乗が独立変数となる。すなわち、インデックスIsjは、上記の例に限らず、インデックスI1,I2,・・・,Inに対応した独立変数に基づく従属変数であってもよい。筐体2内に、センサ101が設けられていない部品67に設けられた複数の発熱体64が収容されている場合、演算部100bは、複数の発熱体64のそれぞれの温度に対応したインデックスを算出することができる。
発熱体64を有するもののセンサ101を有さない部品67としては、例えば、電源ユニットや、記憶装置等が挙げられる。当該記憶装置は、例えば、HDD、SSD、RAIDカード、LAN(local area network)カード、グラフィックボード等である。また、部品67が、オプション部品や、後付部品、交換部品、他社部品、改変・開封禁止部品等である場合にも、当該部品67は、発熱体64を有するもののセンサ101を有さないことが多い。本実施形態によれば、このように、センサ101が設けられていない部品67や、センサ101が設けられ難い部品67が、発熱体64を有する場合、において、当該発熱体64の発熱による各部への影響を推定できるようになる。
製品の信頼性の確保には、出荷前の設計と出荷後の保守の両方が重要である。例えば、電子機器における発熱体の発熱による各部への影響を考慮し、出荷前の設計として、ファン等の冷却機構を装備することができる。出荷後の保守としては、時間をベースとした保守(TBM)と、状態をベースとした保守(CBM)と、がある。TBMは、実際の使用状態が反映されず、劣化を推定できない。このため、実際にはまだ十分に使える状態であるのに、新品に交換されてしまったり、逆に、劣化が進展し寿命に近付いてしまったりする虞もある。他方、従来のCBMとしては、温度の閾値によってシステムの動作速度を低下させたり、システムを停止したりする場合がある。しかし、このような場合には、代表値については閾値は超えていないものの、個々の部品等についてはエラーメッセージが出力されない所謂サイレント障害が進展し、結果的により早い時期に閾値を超える状況となってしまう虞がある。また、従来のCBMは、センサ101が設けられていない部品67に対しては、有効に機能し難かった。この点、本実施形態によれば、センサ101が設けられていない部品67や、当該部品67に設けられた発熱体64の発熱によって影響を受ける他の部品に対して、従来よりも精度の高いCBMを実行することができる。
図12は、電子機器1による四つのセンサ101の検出値に基づいて算出された筐体2の外側の所定位置における温度の推定値(温度推定値)および当該所定位置における温度の実測値(温度実測値)の一例を示すタイムチャートである。なお、図12中には、四つのセンサ101のうち二つの温度センサaおよび温度センサbの検出結果(独立変数)も含まれている。図12を参照すれば、上記実施形態の手法により、センサ101が設けられない部位の温度(インデックスの一例)を、比較的高精度に推定できることが、理解できるであろう。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
1,1A…電子機器、2…筐体、61…基板(第一の部品)、62…部品(第一の発熱体)、64…発熱体(第二の発熱体)、67…部品(第二の部品)、100b…演算部(インデックス算出部)、100c…出力情報生成部(出力制御部)、100d…表示制御部(出力制御部)、100e…音声制御部(出力制御部)、101,101a〜101d…センサ。

Claims (15)

  1. 電子機器であって、
    筐体と、
    前記筐体内に収容された発熱体と、
    三つ以上のセンサと、
    前記三つ以上のセンサの検出値のそれぞれに対応した三つ以上の独立変数を含む多項式により従属変数を算出する算出部と、
    を備えた、電子機器。
  2. 前記従属変数と閾値とを比較する比較部を備えた、請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記多項式は、前記三つ以上の独立変数のそれぞれと当該独立変数に対応する予め定められた係数との積、の和を含む、請求項1または2に記載の電子機器。
  4. 前記多項式は、前記独立変数と係数との積を含み、
    前記従属変数である第一の従属変数において前記積が最大となる前記独立変数に対応した前記センサと、
    前記従属変数であり前記第一の従属変数とは異なる第二の従属変数において前記積が最大となる前記独立変数に対応した前記センサと、
    が、相異なる、請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記従属変数は、温度に対応した従属変数である、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
  6. 前記発熱体を冷却する冷却部品を備え、
    前記従属変数は、前記冷却部品の冷却性能を示す従属変数である、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
  7. 前記三つ以上のセンサの全ては、温度を検出するセンサである、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
  8. 前記三つ以上のセンサは、相異なる物理量を検出するセンサを含む、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
  9. 前記従属変数を出力するよう出力装置を制御する出力制御部を備えた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
  10. 前記算出部は、前記従属変数として、前記センサの検出値に対応した独立変数と係数との積の和を含む従属変数を算出し、
    前記出力制御部は、前記従属変数に対応した前記積を出力するよう出力装置を制御する、請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記筐体には、前記センサが設けられた第一の部品と、前記センサが設けられない第二の部品と、が収容され、
    前記発熱体は、前記第一の部品に設けられた第一の発熱体と、前記第二の部品に設けられた第二の発熱体と、を含み、
    前記算出部は、三つ以上の前記センサの検出値に基づいて、前記第二の部品に含まれる前記発熱体の温度に対応した従属変数を算出する、請求項1〜10のうちいずれか一つに記載の電子機器。
  12. 前記算出部は、前記第二の部品に含まれる前記発熱体の温度に対応した従属変数を、前記センサの検出値に基づいて算出した別の従属変数と係数との積の和を含む多項式により算出する、請求項11に記載の電子機器。
  13. 電子機器が、
    三つ以上のセンサの検出値を取得し、
    前記三つ以上のセンサの検出値のそれぞれに対応した三つ以上の独立変数を含む多項式により従属変数を算出する、
    従属変数の算出方法。
  14. コンピュータに、
    三つ以上のセンサの検出値を取得させ、
    前記三つ以上のセンサの検出値のそれぞれに対応した三つ以上の独立変数を含む多項式により従属変数を算出させる、ためのプログラム。
  15. 電子機器であって、
    三つ以上のセンサの検出値のそれぞれに対応した三つ以上の独立変数を含む多項式により従属変数を算出する算出部と、
    前記算出部で算出された従属変数を出力するよう出力装置を制御する出力制御部と、
    を備えた、電子機器。
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