JP6721263B1 - 測定装置及び測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型及び加工機械の金型取付部材の各たわみ量を考慮した金型を提供し、当該金型を提供するための測定装置及び測定方法を提供する。【解決手段】測定装置10は、金型80又は加工機械であるプレス機械1の金型取付部材であるスライド3やボルスタ7に形成されるセンサ取付部としてのT溝8と、T溝8に挿通されるセンサ支持部材15と、センサ支持部材15に設けられる第1のセンサ21及び第2のセンサ22を備え、所定の間隔で3箇所以上設けられるセンサユニット20と、センサ支持部材15を保持する保持装置としてのマグネットベース50と、を有し、第1のセンサ21は、第1のセンサ21から金型取付部材であるスライド3までの距離を測定可能に設けられ、第2のセンサ22は、第2のセンサ22から金型80までの距離を測定可能に設けられる。【選択図】 図2

Description

本発明は、金型を用いて加工を行う加工機械の金型取付部材及び金型のたわみ量や、加工時における金型取付部材と金型との間の隙間量を測定するための測定装置及び測定方法関する。
従来から、加工機械の加工時における金型のたわみ量を考慮した金型設計を行って、金型トライアウトの削減が試みられている。例えば、特許文献1に開示されるプレス機械用の金型作成法では、金型の加工前に、金型素材を分析し、金型の使用時の変形量(すなわち、たわみ量)及び方向を予測して、予測された変形量及びその方向に基づいて、金型作成用の加工データを修正する。
特開2011−145876号公報
金型は、加工機械(特許文献1においてはプレス機械)に取り付けて製品の加工が行われる。そして、加工時には、加工機械の金型取付部材も変形する。すると、金型のたわみ量を予測して金型を設計しても、加工機械の金型取付部材の変形が製品の加工に影響を与える場合がある。
本発明は、金型及び加工機械の金型取付部材の各たわみ量を考慮した金型を提供し、当該金型を提供するための測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る測定装置は、金型又は加工機械の金型取付部材に形成されるセンサ取付部と、前記センサ取付部に挿通されるセンサ支持部材と、前記センサ支持部材に設けられる第1のセンサ及び第2のセンサを備え、所定の間隔で3箇所以上設けられるセンサユニットと、前記センサ支持部材を保持する保持装置と、を有し、前記第1のセンサは、該第1のセンサから前記金型取付部材までの距離を測定可能に設けられ、前記第2のセンサは、該第2のセンサから前記金型までの距離を測定可能に設けられる、ことを特徴とする。
本発明に係る測定方法は、金型又は加工機械の金型取付部材に形成されるセンサ取付部に挿通され、第1のセンサ及び第2のセンサをセンサユニットとして所定の間隔で3箇所以上設けられるセンサ支持部材を備える測定装置により、前記加工機械の静止状態において、各前記センサユニットの前記第1のセンサにより該第1のセンサから前記金型取付部材までの距離を測定し、各前記センサユニットの前記第2のセンサにより該第2のセンサから前記金型までの距離を測定する第1工程と、前記加工機械の加工時に、各前記センサユニットの前記第1のセンサにより該第1のセンサから前記金型取付部材までの距離を測定し、各前記センサユニットの前記第2のセンサにより該第2のセンサから前記金型までの距離を測定する第2工程と、前記第1工程及び前記第2工程の測定結果に基づいて、前記金型取付部材及び前記金型のたわみ量、又は加工時における前記金型取付部材と前記金型との間に生じる隙間量を算出する第3工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、金型及び加工機械の金型取付部材の各たわみ量を考慮した金型を提供し、当該金型を提供するための測定装置及び測定方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る測定装置が取り付けられるプレス機械の正面模式図である。 本発明の実施形態に係る測定装置が取り付けられるプレス機械の測定装置をスライド側面から見た一部断面模式図である。 本発明の実施形態に係る測定装置が取り付けられたプレス機械における測定装置を示す、図2のセンサ支持部材の端部を拡大して示す模式図である。 本発明の実施形態に係る測定装置が取り付けられたプレス機械における測定装置を示す、図3を正面側から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る測定装置の測定方法についての模式図であり、(a)は静止状態を示し、(b)は加圧状態を示し、(c)は算出式の説明のための図である。 本発明の実施形態に係る金型が取り付けられたプレス機械の要部を正面から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る金型が取り付けられたプレス機械の要部を側面から見た一部断面模式図である。 本発明の実施形態に係る金型における下型を上面から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る金型における下型を示し、(a)は正面模式図であり、(b)は底面模式図であり、(c)は側面模式図である。 本発明の実施形態に係る金型に関する図であり、(a)は成形される製品の概略を示す斜視図であり、(b)は下型の挙動を示す説明図である。
次に、本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図1に示すプレス機械1は、クラウン2、スライド3、ベッド4、コラム5を備えて、コンロッド6に連結されたスライド3が上下に動作する、金属材料の加工機械である。なお、以下の説明においては、プレス機械1の図1で示す正面側から見た左側を左、右側を右として、図1の上側を上、下側を下、プレス機械1の正面側を前、背面側を後として説明する。
ベッド4の上面にはボルスタ7が設けられる。スライド3には、金型80の上型81を取り付けるためのT溝8が複数設けられる。同様に、ボルスタ7にも、金型80の下型82を取り付けるためのT溝8が複数設けられる。本実施形態においては、各T溝8は、前後方向に貫通して形成される。
また、スライド3及びボルスタ7は、金型80が取り付けられる金型取付部材である。スライド3の下面は金型取付面3aとされ、ボルスタ7の上面は金型取付面7aとされる。スライド3の金型取付面3aには、上型81の上面である被取付面81aが接触して、スライド3に上型81が設けられる。同様に、ボルスタ7の金型取付面7aには、下型82の被取付面82aが接触して、ボルスタ7に下型82が設けられる。そして、金型80やスライド3、ボルスタ7の金型取付面3a,7aのたわみ量等を測定する測定装置10は、スライド3やボルスタ7における任意のT溝8をセンサ取付部として設けられる。
図2〜4に示すように、センサ取付部としてのT溝8には、測定装置10のセンサ支持部材15が挿通されている。センサ支持部材15は、角柱状に形成されて、両端部がスライド3の前後端から突出するよう長尺状に形成される。センサ支持部材15の両端には、保持孔部15aが形成される。一方、スライド3の前面及び背面における測定装置10が設けられるT溝8の脇には、保持装置とされるマグネットベース50が設けられる。マグネットベース50からは円柱状の保持ロッド51が立設し、センサ支持部材15の保持孔部15aと遊嵌する。従って、保持孔部15aと保持ロッド51との間は所定の隙間を有する。該隙間により、スライド3が加工時に変形して保持ロッド51の立設する方向が変化しても、追随してセンサ支持部材15が変形してしまうことを低減することができる。すなわち、センサ支持部材15は、スライド3の変形の影響を受けない様に保持される。
なお、保持装置であるマグネットベース50は、本形態に限られず、金型取付部材の変形に追随しない形態であればよい。また、保持孔部15aの両側面側の保持ロッド51には、ウレタンワッシャー52が設けられる。ウレタンワッシャー52により、センサ支持部材15の左右方向のズレが防止される。
センサ支持部材15には、3箇所にセンサユニット20が設けられる。センサユニット20には、センサ支持部材15の上面側に第1のセンサ21が設けられ、センサ支持部材15の下面側における第1のセンサ21の反対側の位置に第2のセンサ22が設けられる。第1のセンサ21及び第2のセンサ22は、共に渦電流センサにより構成される。第1のセンサ21は、第1のセンサ21から、第1のセンサ21に対向する面であるT溝8の底面8a(図3,4参照)までの距離を測定することができる。第2のセンサ22は、第2のセンサ22から、第2のセンサ22に対向する面である上型81の被取付面81aまでの距離を測定することができる。なお、第1のセンサ21と第2のセンサ22は、本実施形態においては互いに反対側に位置しているが、適宜長手方向にずらして配置することもできる。
センサユニット20は、センサ支持部材15の長手方向に沿って直線上に3箇所に設けられる。センサユニット20は、何れも上型81の被取付面81aの範囲内に配置されている。センサユニット20は、センサ支持部材15の両端側にセンサユニット20−1,20−3が設けられ、センサユニット20−1,20−3との間の中間位置にセンサユニット20−2が設けられる。なお、本実施形態においては、センサユニット20は3箇所に設けたが、これに限られず、3箇所以上設けてもよい。
次に、測定装置10を用いた金型80の上型81及びスライド3のたわみ量εS,εUD及び金型80の上型81とスライド3の加工時における隙間量λSの測定方法について図5を用いて説明する。なお、図5(a),(b)は、説明を分かりやすくするために、各部材との関係を微視的に見た場合について模式的に示している。
第1工程;図5(a)に示すように、起動していないプレス機械1の無負荷状態(静止状態)における各センサと対向する面との距離を測定する。すなわち、センサユニット20−1,20−2,20−3において、各第1のセンサ21は、第1のセンサ21とT溝8の底面8aとの距離Sa11,Sb11,Sc11を測定し、各第2のセンサ22は、第2のセンサ22と被取付面81aとの距離Sa12,Sb12,Sc12を測定する。
第2工程;図5(b)に示すように、プレス機械1に負荷が掛かる加工時(加圧状態)における各センサと対向する面との距離を測定する。センサユニット20−1,20−2,20−3において、各第1のセンサ21は、第1のセンサ21とT溝8の底面8aとの距離Sa21,Sb21,Sc21を測定し、各第2のセンサ22は、第2のセンサ22と被取付面81aとの距離Sa22,Sb22,Sc22を測定する。
第3工程(1);各センサユニット20の測定結果に基づいて、スライド3及び上型81のたわみ量εS,εUDを算出する。たわみ量εS,εUDの算出は、以下のように行う。
スライド3のたわみ量εSは、各センサユニット20における第1のセンサ21の測定値について、加圧状態の測定値と無負荷状態(静止状態)の時の測定値の差を求めて、これらの値からたわみ量εSを算出する。図5(c)において、
Xa=Sa21−Sa11,Xb=Sb21−Sb11,Xc=Sc21−Sc11
とすれば、
ε=εS=Xb−{Xa+(Xc−Xa)/2}・・・(式1)
=Xb−(Xa+Xc)/2・・・(式2)
により、たわみ量εSが算出できる。
このように、センサ支持部材15における両端側のセンサユニット20−1,20−3のセンサを基準として、中央のセンサユニット20−2が測定した変化量に基づいて、たわみ量εSを算出することができる。図5(a)に示すように、センサ支持部材15を水平に配置していなくても、測定装置10の測定を行うことができる。
なお、本実施形態においては、センサユニット20−2はセンサユニット20−1,20−3間の中央に位置しているため、(式1)において(Xc−Xa)を「2」で除しているが、センサユニット20−3の配置位置に応じて除数を設定することができる。従って、センサユニット20−2は、センサユニット20−1,20−3間であれば任意の位置に設けることができる。
同様に、金型80の上型81のたわみ量εUDは、図5(c)において、
Xa=Sa22−Sa12,Xb=Sb22−Sb12,Xc=Sc22−Sc12
とすれば、
ε=εUD=Xb−(Xa+Xc)/2
により、たわみ量εUDが算出できる。
たわみ量εS,εUDを算出する場合には、センサ支持部材15は静止状態と加圧状態において同じ位置である必要がある。従って、特に第2工程の測定においては、センサ支持部材15が振動等で動かないように、スライド3をゆっくりと動かしたり、スライド3の下死点付近(すなわち、荷重が最もかかるスライド3の位置)にてスライド3を停止させて測定を行うことが好ましい。
第3工程(2);また、各センサユニット20の測定結果に基づいて、スライド3の金型取付面3aと上型81の被取付面81aとの加工状態における隙間量λS(λSa,λSb,λSc)を算出する。
一般に、金型80は、金型取付部材(スライド3やボルスタ7)よりも曲げ剛性が高い。従って、プレス加工時における金型取付部材(スライド3、ボルスタ7)と金型80(上型81、下型82)のたわみ量εS,εB,εUD,εLDは異なると考えられる。そして、金型取付部材(スライド3やボルスタ7)のたわみ量εS,εBは金型80(上型81、下型82)のたわみ量εUD,εLDよりも大きいと考えられる。すると、各たわみ量εS,εB,εUD,εLDの相違により、スライド3の金型取付面3aと上型81の被取付面81aとの間や、ボルスタ7の金型取付面7aと下型82の被取付面82aとの間には、隙間(隙間量λS,λB)が生じることが予測される。この隙間(隙間量λS,λB)がパンチに対応する箇所(例えば、パンチからの圧力伝達角の範囲内)に生じると、製品の加工時にパンチを支持することができず、製品の精度に悪影響を及ぼすことが考えられる。
スライド3の金型取付面3aと上型81の被取付面81aとの間の隙間量λSは、センサユニット20−1,20−2,20−3が取り付けられている3箇所の隙間量λSa,λSb,λScとして、第1のセンサ21と第2のセンサ22の測定値の和の変化量(プレス機械1の加工状態における第1のセンサ21と第2のセンサ22の測定値の和とプレス機械1の静止状態における第1のセンサ21と第2のセンサ22の測定値の和との差)から算出することができる。
λSa=(Sa21+Sa22)−(Sa11+Sa12),
λSb=(Sb21+Sb22)−(Sb11+Sb12),
λSc=(Sc21+Sc22)−(Sc11+Sc12)
プレス機械1の静止状態においては、スライド3の金型取付面3aと上型81の被取付面81aとの間の隙間(隙間量λSa,λSb,λSc)は0(すなわち隙間が無い状態)であり、本来はプレス加工を行っても当該隙間は生じていない。しかしながら、上記の隙間量λSa,λSb,λScが0より大きい値が算出された場合には、当該隙間が生じていることとなる。なお、プレス機械1が連続して振動を伴うプレス加工を行っている場合にセンサ支持部材15が上下に振動しても第1のセンサ21と第2のセンサ22の測定値の和は変化しない。従って、隙間量λSa,λSb,λScの算出は、プレス機械1の振動を伴う連続プレス加工中においても行うことができる。
そして、たわみ量εS,εUDや隙間量λSの算出(上記の第3工程(1),(2))の処理は、各センサユニット20の測定値を取得する図2に示す処理装置150(例えばPC等)により行うことができる。この場合、第3工程(1),(2)の算出を行うプログラムを予め処理装置150にインストールしておくことができる。
また、センサ支持部材15における両端部のセンサユニット20−1,20−3間距離を短くして、各たわみ量εS,εUD,εB,εLDや隙間量λS,λBをセンサユニット20−1,20−3間距離で除した値に基づいて、スライド3やボルスタ7の金型取付面3a,7aのエリアに適合したたわみ量εS,εUD,εB,εLDや隙間量λS,λBを算出することもできる。
また、上記の説明では、スライド3と上型81についてのたわみ量εS,εUDや隙間量λS(λSa,λSb,λSc・・・)を算出したが、ボルスタ7に測定装置10を取り付けて、ボルスタ7と下型82についてのたわみ量εB,εLDや隙間量λB(λBa,λBb,λBc・・・)を算出することもできる。
また、測定装置10は、前後方向に貫通するT溝8に設けた1本の長尺状のセンサ支持部材15の例を示したが、隙間量λS,λBを算出する場合には、貫通していない適宜の凹部等の位置にセンサユニット20を備える分割して形成されるセンサ支持部材を配置するようにしてもよい。センサ支持部材を保持する保持装置は、防振マット等適宜の構造を採用することができる。また、T溝8は、前後方向に貫通するT溝8に限られず、左右方向に設けたT溝であってもよい。さらにまた、金型80側にセンサ取付部としての溝を形成してもよい。
次に、本発明の実施形態における金型80について、図6〜10に基づいて説明する。図6及び図7は、図1のプレス機械1に金型80を取り付けた状態を示す要部拡大図である。図6,7に示すプレス機械1では、測定装置10は、図示しないが、ボルスタ7の所定箇所に取り付けられている。
図6,7に示すように、プレス機械1は、ベッド4の内部にクッションパッド40及び複数のクッションピン41を備える。下型82は、左右方向に長いパンチ82bが形成される。パンチ82bの周囲には、ブランクホルダ83が設けられる。ブランクホルダ83は、クッションピン41が突き当てられる。
一方、上型81には、パンチ82bに対応するダイス84が設けられる。ダイス84は、パンチ82bの長手方向(プレス機械1の左右方向)に複数設けられるガススプリング85のロッド85aが挿通されて、成形時に製品のノックアウトが行われる。上型81は、金型80の四隅に配置されるガイドポスト86により、下型82に対して上下方向にガイドされる。
金型80は、鋼板材を用いてプレス加工を行って、図10(a)に示すような凹溝状の製品100を製造することができる。
図8は、ブランクホルダ83を備える下型82を上面から見た平面図である。下型82についてより詳細に説明する。パンチ82bは、長手方向を左右方向とする略長矩形板状の下型ベース部82cから立設する。下型ベース部82cは、下型ベース部82cの四隅において、左右方向外方にそれぞれ突出するように形成される型設置部82dと接続される。下型82は、型設置部82dのU字状切欠き部に係合されるTボルト88により、ボルスタ7に形成されるT溝8(図6,7では不図示)に固定される。
型設置部82dは、望ましくは、下型ベース部82cに対して、上下方向は可動自在とし、前後方向及び左右方向は規制するように接続する。型設置部82dと下型ベース部82cとの接続は、例えば、剛性が比較的低い構造としたり、所定の継手部材を用いたりして構成することができる。
ブランクホルダ83には、取付ボルト(スプールリテーナー)83aに対応する孔部83a1が形成され、孔部83a1に対応する下型ベース部82a1には、ねじ部が形成される。また、下型ベース部82cには、クッションピン41が挿通される孔部41aが複数形成される。
図9(a)は下型82の正面図、(b)は下型82の下面図、(c)は下型82の側面図である。下型82のパンチ82b及び下型ベース部82cは、鋳物により一体的に形成される。下型ベース部82cの下面82c1には、複数の長矩形凹状の肉盗み部82c2が形成される。また、図9(b)に示すハッチング部分は、ボルスタ7の金型取付面7aに接触(設置)される部分である。下型ベース部82cの下面82c1の略中央には、パンチ82bに対応した略長矩形状に形成される受圧部82eが設けられる。受圧部82eは、薄板状に形成されて、下型ベース部82cの下面82c1に対して、適宜の構造(例えばねじ構造等)により着脱自在に形成される。または、シムのように、載置するのみでもよい。ここで、型設置部82dは、下型ベース部82cに対して上下方向に可動自在であるので、受圧部82eの下面82e1と型設置部82dの下面82d1は、同一平面上に設定することができる。
そして、受圧部82eの下面82e1と下型ベース部82cの下面82c1との間は、逃がし部82f(図9(c)の拡大図参照)とされる空間が形成される。逃がし部82fの高さ(本実施形態においては受圧部82eの厚み)は、逃がし量Qで設定される。このように、下型82がボルスタ7の金型取付面7aに取り付けられる被取付面82aは、受圧部82eと、逃がし部82fを備える。
ここで、一般的な金型設計がなされた金型について述べる。以下の説明では参照のため、本実施形態の下型82に相当する部位の符号を括弧で括った符号で記載する。
一般的には、型設置部(82d)は下型ベース部(82c)に対して固定されて一体的に形成され、型設置部(82d)の下面(82d1)は、下型ベース部(82c)の下面(82c1)と同一平面とされる。従って、型設置部(82d)の下面(82d1)と下型ベース部(82c)の下面(82c1)とがボルスタ(7)の金型取付面(7a)に設置される。すると、プレス機械1の加工時において、下型(82)は、図10(b)の二点鎖線R1に示すように、型設置部(82d)を支点として下方に撓むよう変形する。(下型82の変形の様子を示す、図6の二点鎖線LR、図7の二点鎖線FBを参照。)
本実施形態の金型80(下型82)においては、型設置部82dの下面82d1と受圧部82eの下面82e1がボルスタ7の金型取付面7aに接触している。しかしながら、加圧時には、型設置部82dと下型ベース部82cは上下方向に稼働するため、下型ベース部82cのみが下方に押圧される。すると、下型82の撓みは、図10(b)に示すように、受圧部82eの端縁を支点とした実線R2のように変形する。受圧部82eは、型設置部82dよりも内側に配置されるため、支点間距離が短くなったことにより、一般的な金型のたわみ量(二点鎖線R1)よりも少ないたわみ量(実線R2)となる。このとき、型設置部82dは、下型ベース部82cと上下方向は可動自在に接続されるので、下型82の撓みにおいて型設置部82dが支点となることは無く、よって上記説明の通り、図10(b)の実線R2で示す支点は受圧部82eの縁部により形成される。
このようにして、本実施形態の金型80(下型82)は、加圧時における変形量(たわみ量)を少なくすることができる。なお、型設置部82dと下型ベース部82cとが固定的に接続していても、当該接続部分の下方にボルスタ7の金型取付面7aとの隙間が存在すれば、上記の効果を得ることができるが、型設置部82dと下型ベース部82cとが上下方向に可動自在に接続していれば好適である。
また、逃がし量Qは、以下のように設定することができる。先ず、型設置部82dの下面82d1と高さが揃えられた下面82e1を備える受圧部82eを下型82に取り付ける。すると、プレス機械1の静止状態において、ボルスタ7の金型取付面7aに対して、型設置部82dの下面82d1及び受圧部82eの下面82e1が接触する。次に、前述の測定装置10にて、プレス加工中におけるボルスタ7のたわみ量εBを測定する。そして、逃がし量Qは、ボルスタ7のたわみ量εB以上とすればよい。
このように、逃がし量Qを金型取付部材であるボルスタ7のたわみ量εB以上としておけば、プレス機械1の加工時において、ボルスタ7が撓んでも、ボルスタ7の金型取付面7aが逃がし部82fに対応する下型ベース部82cの下面82c1に当接することがなく、受圧部82eでの受圧状態が保たれる。従って、受圧部82eによる下型82の撓みを低減したプレス加工を実現することができる。
そして、受圧部82eは、下型ベース部82cに対して着脱自在に形成されるので、種々の厚みの受圧部82eを作成しておくことができる。一般的に、異なるプレス機械(金型取付部材)同士は、それぞれのたわみ量も異なる。従って、金型80を異なるプレス機械(金型取付部材)に取り付けた場合には、金型取付部材のたわみ量と金型80の撓み量との差により生じる隙間量λも変化して、製品精度にも影響が及ぶ。従って、一般的には、金型80を異なるプレス機械に取り付けた場合には、再度金型80のパンチ82bの再加工等の修正を行う必要がある。
しかしながら、本実施形態の金型80をプレス機械1とは異なるプレス機械に取り付けた場合には、測定装置10で金型取付部材のたわみ量を測定して所定の受圧部82eを下型ベース部82cに取り付けることで製品精度を同様とすることができる。従って、パンチ82bの再加工等の修正無く、金型80を異なるプレス機械に取り付けることができる。
また、測定装置10により、下型82とボルスタ7との隙間量λBをプレス加工を継続しながら測定して、経時的に隙間量λBが変化した場合であっても、受圧部82eを差し替えて調整を行うことができる。これにより、安定した精度で製品100を生産することができる。
なお、受圧部82eの大きさは、パンチ82bの基端部から所定の圧力伝達角(例えば30度)の範囲内の大きさであれば好ましい。そして、逃がし部82fは、受圧部82eの外側に形成されていればよい。また、上記は下型82に逃がし部82fを設けたが、逃がし部82fは上型81に設けてもよいし、上型81と下型82の両者に設けてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態により限定されることは無く、種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態においてはプレス機械1によるプレス加工を行う金型80について説明したが、これに限られず、例えば、加工機械を射出成形機として、射出成形用の金型について本発明を適用することもできる。また、測定装置10が取り付けられるセンサ取付部は、T溝8に限られず、スライド3、ボルスタ7に溝状や孔状等の形態で専用のセンサ取付部を形成して当該センサ取付部に取り付けることもできる。
さらにまた、本実施形態においては測定装置10のマグネットベース50を保持装置としたが、これに限られず、適宜の形式の装置を採用することができる。例えば、ボルスタ7に取り付ける場合には、接地フロアから立設する支持部材を保持装置とすることができる。センサ支持部材15は、金型取付部材の変形の影響を受けないように保持されることが肝要である。また、第1のセンサ21、第2のセンサ22は、それぞれ渦電流センサに限られず、適宜のセンサを採用することができる。
また、測定装置10のセンサ支持部材15が挿通されるセンサ取付部は、T溝8に限られず、例えば凹状溝や孔状でもよい。すなわち、第1のセンサにより金型取付部材までの距離を測定し、第2のセンサにより金型までの距離を測定して、金型取付部材や金型のたわみ量が算出できる形態であればよい。
また、測定装置10は、本実施形態においては金型取付部材であるスライド3やボルスタ7に、T溝8をセンサ取付部としたが、金型80(上型81、下型82)にセンサ取付部を形成して測定装置10を金型80に設けることもできる。
1 プレス機械 2 クラウン
3 スライド 3a 金型取付面
4 ベッド 5 コラム
6 コンロッド 7 ボルスタ
7a 金型取付面 8 T溝
8a 底面 10 測定装置
15 センサ支持部材 15a 保持孔部
20,20−1,20−2,20−3 センサユニット
21 第1のセンサ 22 第2のセンサ
40 クッションパッド 41 クッションピン
41a 孔部 50 マグネットベース
51 保持ロッド 52 ウレタンワッシャー
80 金型 81 上型
81a 被取付面 82 下型
82a 被取付面 82a1 下型ベース部
82b パンチ 82c 下型ベース部
82c1 下面 82c2 肉盗み部
82d 型設置部 82d1 下面
82e 受圧部 82e1 下面
82f 逃がし部 83 ブランクホルダ
83a 取付ボルト 83a1 孔部
84 ダイス 85 ガススプリング
85a ロッド 86 ガイドポスト
88 Tボルト 100 製品
150 処理装置
Q 逃がし量
εS (スライドの)たわみ量 εUD (上型の)たわみ量
εB (ボルスタの)たわみ量 εLD (下型の)たわみ量
λSa,λSb,λSc (スライドと上型の)隙間量
λB (下型とボルスタの)隙間量

Claims (4)

  1. 金型又は加工機械の金型取付部材に形成されるセンサ取付部と、
    前記センサ取付部に挿通されるセンサ支持部材と、
    前記センサ支持部材に設けられる第1のセンサ及び第2のセンサを備え、所定の間隔で3箇所以上設けられるセンサユニットと、
    前記センサ支持部材を保持する保持装置と、
    を有し、
    前記第1のセンサは、該第1のセンサから前記金型取付部材までの距離を測定可能に設けられ、
    前記第2のセンサは、該第2のセンサから前記金型までの距離を測定可能に設けられる、
    ことを特徴とする測定装置。
  2. 前記センサ取付部は、溝状に形成されて、
    前記第1のセンサは、前記第1のセンサから前記センサ取付部の底面までの距離を測定可能に設けられ、
    前記第2のセンサは、前記第2のセンサから前記金型の被取付面までの距離を測定可能に設けられ、
    前記センサ支持部材は、長尺状に形成されて、前記金型又は前記金型取付部材の変形の影響を受けない様に保持されることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記センサ取付部は、前記金型取付部材に形成されるT溝であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測定装置。
  4. 金型又は加工機械の金型取付部材に形成されるセンサ取付部に挿通され、第1のセンサ及び第2のセンサをセンサユニットとして所定の間隔で3箇所以上設けられるセンサ支持部材を備える測定装置により、前記加工機械の静止状態において、各前記センサユニットの前記第1のセンサにより該第1のセンサから前記金型取付部材までの距離を測定し、各前記センサユニットの前記第2のセンサにより該第2のセンサから前記金型までの距離を測定する第1工程と、
    前記加工機械の加工時に、各前記センサユニットの前記第1のセンサにより該第1のセンサから前記金型取付部材までの距離を測定し、各前記センサユニットの前記第2のセンサにより該第2のセンサから前記金型までの距離を測定する第2工程と、
    前記第1工程及び前記第2工程の測定結果に基づいて、前記金型取付部材及び前記金型のたわみ量、又は加工時における前記金型取付部材と前記金型との間に生じる隙間量を算出する第3工程と、
    を有することを特徴とする測定方法。
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