JP6720711B2 - ケーブル - Google Patents

ケーブル Download PDF

Info

Publication number
JP6720711B2
JP6720711B2 JP2016118278A JP2016118278A JP6720711B2 JP 6720711 B2 JP6720711 B2 JP 6720711B2 JP 2016118278 A JP2016118278 A JP 2016118278A JP 2016118278 A JP2016118278 A JP 2016118278A JP 6720711 B2 JP6720711 B2 JP 6720711B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheath
silane
rubber
layer
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016118278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017224454A (ja
Inventor
新吾 芦原
新吾 芦原
浩貴 矢▲崎▼
浩貴 矢▲崎▼
貴 青山
貴 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2016118278A priority Critical patent/JP6720711B2/ja
Priority to CN201710414889.1A priority patent/CN107501836B/zh
Publication of JP2017224454A publication Critical patent/JP2017224454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6720711B2 publication Critical patent/JP6720711B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/06Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to homopolymers or copolymers of aliphatic hydrocarbons containing only one carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F255/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of hydrocarbons as defined in group C08F10/00
    • C08F255/02Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of hydrocarbons as defined in group C08F10/00 on to polymers of olefins having two or three carbon atoms
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B7/00Insulated conductors or cables characterised by their form
    • H01B7/17Protection against damage caused by external factors, e.g. sheaths or armouring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2312/00Crosslinking
    • C08L2312/08Crosslinking by silane

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

本発明は、ケーブルに関する。
ケーブルには、その表面にシースが設けられている。シースの形成材料としてはケーブルの用途によって異なっており、特に可とう性が求められる場合にはゴムが用いられる。
一般に、ゴムを用いてシースを形成する場合、シースにおいてゴム弾性や耐熱性を発現させるため、ゴムに架橋処理が施される。架橋処理としては、例えば、シラン化合物(いわゆるシランカップリング剤)を用いるシラン架橋が行われている(例えば、特許文献1を参照)。
例えば、ゴムをシラン架橋させてシースを形成する場合、まず、ゴムにシラン化合物(例えば、シランカップリング剤など)を配合してグラフト重合させることにより、シラングラフトゴムを得る。続いて、シラングラフトゴムを絶縁電線の外周に押し出してシースを成形し、その後、シースを水分に曝すことによりシラン架橋を施す。
特公昭50−35540号公報
シースをシラン架橋させる場合、シース表面には水分を十分に浸透できるので良好にシラン架橋できるが、シース表面から深い位置にあるシース内部には水分を十分に浸透できず、うまくシラン架橋できないことがある。このようにシースの厚さ方向でシラン架橋が均一でないと、ゴム弾性や耐熱性を十分に発現できないおそれがある。この傾向は、シースが厚くなるほど顕著となる。
シースを厚さ方向に均一にシラン架橋させる方法としては、シラン架橋を高温環境下で行い、分子運動を高めて水分を浸透させやすくしたり、シラン架橋の処理時間を長くしたりすることが考えられる。ただし、一般に、シースのシラン架橋は、シラングラフトゴムを押し出して未架橋のままのケーブルをドラム状に巻き取り、水分に曝して行うため、高温環境下でシラン架橋を行う場合、未架橋のシースが、架橋によりゴム弾性を発現する前に、ケーブルの自重や張力によって潰れて変形してしまうことがある。また、シラン架橋の処理時間を長くする場合、製造リードタイムが長くなり、ケーブルの生産性が低下してしまう。
また、均一にシラン架橋させる別の方法として、シラングラフトゴムにシラノール縮合触媒(以下、架橋触媒ともいう)を配合する方法がある。架橋触媒によれば、架橋速度を速めて、架橋反応が進みにくいシース内部でのシラン架橋を促進できるので、シース表面とシース内部とを均一にシラン架橋させることができる。シースを厚く形成する場合、シースの厚さに応じて、シラン化合物に対するシラノール縮合触媒の質量比(以下、触媒濃度ともいう)を高くするとよい。
しかしながら、シースの厚さを例えば2mm以上に形成する場合、触媒濃度を高くする必要があるため、架橋触媒をシラングラフトゴムに配合して押出成形するまでの間に架橋反応が意図せずに進行するおそれがある。押出成形前に架橋反応が進行してしまうと、シラングラフトゴムの流動性が低下することによって、シースの厚さを設計値のとおりに形成できず、ケーブルに外径変動が生じたり、架橋成分の塊であるツブが異物として生成し、シースの表面外観が悪くなったりすることがある。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、シースを厚く形成した場合であっても、外径変動や表面外観の不良を抑制しつつ、シースを厚さ方向に均一にシラン架橋させる技術を提供する。
本発明の一態様によれば、
導体の外周に絶縁層が形成される絶縁電線と、
前記絶縁電線の外周に形成されるシースと、を備え、
前記シースは、ゴムにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトゴムおよびシラノール縮合触媒を含有するシラングラフト材料から形成され、前記シラン化合物に対する前記シラノール縮合触媒の配合量の比率として求められる触媒濃度が、表面から内部に向かって厚さ方向に高くなるように形成されている、ケーブルが提供される。
本発明によれば、シースを厚く形成した場合であっても、外径変動や表面外観の不良を抑制しつつ、シースを厚さ方向に均一にシラン架橋させることができる。
本発明の一実施形態にかかるケーブルの長さ方向に垂直な断面図である。
上述したように、シースにおいては表面と内部とでシラン架橋が均一とはならない。これは、シース表面では水分が十分に供給されてシラン架橋の架橋速度が速くなり、シース内部では水分が十分に供給されにくく、その架橋速度が遅くなるためである。この架橋速度の差を補うべく、シラノール縮合触媒(以下、架橋触媒ともいう)を配合することが考えられるが、厚いシースを均一にシラン架橋させるために架橋触媒の濃度(触媒濃度)を高くすると、外径変動や表面外観の悪化など別の問題が生じるおそれがある。つまり、シースにおける触媒濃度を調整するだけでは、外径変動や表面外観の悪化を生じさせることなく、シラン架橋を均一に行えない。
この課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討を行ったところ、シースの厚さ方向で触媒濃度を一様とするのではなく、水分が浸透しにくく、架橋反応の遅いシース内部は触媒濃度が高くなるようにする一方、水分が浸透しやすく、架橋反応の速いシース表面は触媒濃度が低くなるように、シースの厚さ方向で触媒濃度を変えるとよいことを見出した。
具体的には、シースを、ゴムをシラン架橋させた触媒濃度の異なる複数のゴム層をシースの厚さ方向のシース表面からシースの内側のシース内部に向かって触媒濃度が段階的に高くなるように積層させて形成するとよい。
このようにシースを形成することにより、触媒濃度を高くしたシース内部は少ない水分量でも十分に架橋反応が進む一方、触媒濃度を低くしたシース表面は十分に供給される水分で過剰に架橋反応が進行しないようにすることができる。すなわち、シース内部とシース表面との間でのシラン架橋のばらつきを抑制し、シースを厚さ方向で均一にシラン架橋することができる。
しかも、触媒濃度の低いゴム層では、意図しない架橋反応が進行しにくく、異物としてのツブが生じにくいので、このようなゴム層をシース表面に設けることで、シースの表面外観を良好にすることができる。
また、触媒濃度の高いゴム層上に触媒濃度の低いゴム層を積層させてシースを形成するときに、触媒濃度が高く、流動性の低い(成形性の良くない)材料の上に、触媒濃度が低く、成形性の良い材料を積層させているため、触媒濃度の高い材料により外径変動が生じたとしても、その変動分を触媒濃度の低い材料で吸収してシース全体での外径変動を抑制することができる。
本発明は、上記知見に基づいて成されたものである。
〔本発明の一実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<ケーブルの構成>
まず、本発明の一実施形態にかかるケーブルについて図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるケーブルの長さ方向に垂直な断面図である。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
図1に示すように、本実施形態のケーブル1は、絶縁電線10を3本撚り合わせたコア30と、シース20とを備えて構成されている。
(絶縁電線)
コア30は3本の絶縁電線10で形成され、絶縁電線10は導体11とその外周に形成される絶縁層12とを備えている。
導体11としては、低酸素銅や無酸素銅等からなる銅線、銅合金線、アルミニウムや銀等からなる金属線、又は金属線を撚り合わせた撚り線を用いることができる。導体11の外径は、ケーブル1の用途に応じて適宜変更することができる。
導体11の外周を被覆するように、電気絶縁性の絶縁層12が設けられている。絶縁層12は、従来公知のゴム組成物、例えばエチレンプロピレンゴムを含むゴム組成物で形成されている。絶縁層12の厚さは、ケーブル1の用途に応じて適宜変更することができる。
(シース)
コア30の外周を被覆するように、電気絶縁性のシース20が設けられている。本実施形態では、シース20は、2つのゴム層を積層させて形成されており、厚さ方向に向かって内側に位置するゴム層として最内層21を、最内層21の外周に設けられて表面に位置するゴム層として最外層22を、備えている。
最内層21は、後述するシラングラフト材料を絶縁層12の外周に押し出してシラン架橋させることで形成されており、シラン架橋物からなる。
最内層21を形成するシラングラフト材料(以下、内層材料ともいう)は、ゴムにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトゴムおよびシラノール縮合触媒(架橋触媒)を含有する。シラングラフトゴムは、例えば、ゴムとシラン化合物と過酸化物とを加熱しながら混練することにより、過酸化物の熱分解で生じるラジカルによりゴムにシラン化合物をグラフト重合させて得られる。シラングラフトゴムは、シラン化合物に由来するシラン基を分子鎖中に有し、シラン基が水分との接触により加水分解してシラノール基となり、このシラノール基同士が脱水縮合することで架橋構造を形成する。
最外層22は、内層材料と同様のシラングラフト材料を最内層21の外周に押し出してシラン架橋させることで形成されており、シラン架橋物からなる。
最外層22を形成するシラングラフト材料(以下、外層材料ともいう)は、内層材料と同様にシラングラフトゴムおよびシラノール縮合触媒を含有する。
上述したように、本実施形態では、シース20を厚さ方向に均一にシラン架橋させるため、シース20の内部に位置して水分が浸透しにくい最内層21を触媒濃度が高くなるように形成しつつ、シース20の表面に位置して水分が浸透しやすい最外層22を触媒濃度が小さくなるように形成している。そのため、最内層21を、触媒濃度が比較的高い内層材料で形成しつつ、最外層22を、内層材料よりも触媒濃度の低い外層材料で形成している。このようにシース20において、表面から内部に向かって厚さ方向に触媒濃度を高くすることにより、水分が浸透しやすい表面(最外層22)では過剰な架橋反応を抑制し、水分が浸透しにくい内部(最内層21)では少ない水分でも十分に架橋反応を進めることができる。これにより、最内層21および最外層22を均一にシラン架橋することができ、シース20全体として均質化することができる。
本発明において、触媒濃度とは、シース20を形成するゴム層(最内層21や最外層22など)に含まれるシラン化合物に対するシラノール縮合触媒の配合量の比率であり、シラン化合物の配合量をx、シラノール縮合触媒の配合量をyとしたとき、触媒濃度はy/xで求められる。触媒濃度が高いと、シラノール縮合触媒の配合量がシラン化合物に対して多く、架橋反応の速度が速くなる。
最内層21および最外層22における触媒濃度は、最外層22よりも最内層21が高ければ特に限定されないが、最内層21における触媒濃度が3.4×10−2以上8.4×10−2以下であり、最外層における触媒濃度が0.05×10−2以上2.4×10−2以下であることが好ましい。このような触媒濃度とすることにより、シース20において、外径変動や表面外観の不良を抑制しつつ、最内層21および最外層22でのシラン架橋のばらつきをより小さくすることができる。
シース20の厚さは、ケーブル1に求められる機械的特性や電気絶縁性に応じて適宜変更することができる。本実施形態によれば、シース20の厚さを、例えば2mm以上に形成した場合であっても、シース20を均一にシラン架橋させることができる。シース20の厚さとしては2mm以上7.5mm以下であることが好ましい。
また、最内層21および最外層22の厚さもシース20の厚さに応じて適宜変更するとよい。最内層21の厚さとしては1.5mm以上7mm以下であることが好ましく、最外層22の厚さとしては0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。なお、最内層21および最外層22の厚さは、それぞれにおける厚さが最も薄い部分(最薄部)での厚さを示す。
本実施形態では、最内層21および最外層22が均一にシラン架橋されているので、シース20全体としての架橋度をゲル分率で60%以上とすることができる。
最内層21および最外層22のそれぞれを形成するシラングラフト材料は、各ゴム層における触媒濃度が上記範囲となるように、シラン化合物およびシラノール架橋触媒を含有するとよい。シラン化合物の配合量は、各ゴム層の架橋度に応じて適宜変更することができ、例えば、ゴム100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下とすることができる。シラノール縮合触媒の配合量は、シラン化合物の配合量や触媒濃度に応じて適宜変更するとよい。このような配合量とすることにより、触媒濃度を適度な範囲とすることができ、シース20において、外径変動や表面外観の不良を抑制しつつ、最内層21および最外層22でのシラン架橋のばらつきをより小さくすることができる。
最内層21および最外層22のそれぞれを形成する内層材料および外層材料の調製方法は、特に限定されない。例えば、ゴム、シラン化合物および過酸化物を混合して加熱しながら混練することにより、ゴムにシラン化合物をグラフト重合させ、シラングラフトゴムを調製する。そして、シラングラフトゴムにシラノール縮合触媒、必要に応じて、その他の添加剤を含有することで、シラングラフト材料を得る。各成分は、特に限定されず、従来公知の成分を用いることができる。
ゴムとしては、例えば、塩素化ポリエチレンやクロロプレンゴムおよびクロロスルホン化ポリエチレンなどの塩素基含有ゴムを用いることができ、特に機械的特性や耐油性に優れることから、塩素化ポリエチレンを用いることが好ましい。
ゴムにグラフト重合されるシラン化合物は、いわゆるシランカップリング剤として機能しうるものであり、過酸化物の分解で生じるラジカルにより塩素系ポリマにグラフト重合されることで、塩素系ポリマにシラン基を導入する。シラン化合物としては、例えばビニル基やメタクリル基、アクリル基などを有する化合物を用いることができるが、メタクリル基を有するメタクリルシランが好ましい。メタクリルシランは、その他のシラン化合物と比べてゴム(特に塩素化ポリエチレン)との相溶性が高く、ゴム中に微細に分散しやすいことから、最内層21および最外層22を均一にシラン架橋させるだけでなく、これらの層間での密着性を高めることができる。メタクリルシランとしては、具体的には、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランや3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が好ましく、これらを単独で用いてもよく、併用してもよい。
過酸化物としては、ゴムにシラン化合物をグラフト重合できるようなものであれば特に限定されない。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5ジメチル2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートなどを用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シラノール縮合触媒としては、例えば、マグネシウムやカルシウム等のII族元素、コバルトや鉄等のVIII族元素、錫、亜鉛およびチタン等の金属元素やこれらの元素を含む金属化合物を用いることができる。また、オクチル酸やアジピン酸の金属塩、アミン系化合物、酸などを用いることができる。具体的には、金属塩として、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクタエート、酢酸第一錫、カブリル酸第一錫、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト等を用いることができる。アミン系化合物として、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン等を用いることができる。酸として、硫酸や塩酸などの無機酸、トルエンスルホン酸や酢酸、ステアリン酸、マレイン酸などの有機酸を用いることができる。
その他の添加剤としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤(老化防止剤を含む)、カーボンブラック等の充填剤、難燃剤、滑剤、銅害変色防止剤、架橋助剤、安定剤など配合してもよい。
なお、内層材料に含まれるゴムやシラン化合物などは、外層材料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
<ケーブルの製造方法>
本実施形態のケーブル1の製造方法は、コア30を準備する準備工程と、コア30の外周上に内層材料と外層材料を積層させて押し出す押出被覆工程と、各材料を水分に曝して同時にシラン架橋させる架橋工程と、を有する。
まず、ケーブル1のコア30を準備する。本実施形態では、導体11の外周に、例えばエチレンプロピレンゴムからなる絶縁層12を備える絶縁電線10を3本撚り合わせた撚り線をコア30として形成した。
続いて、コア30の外周上に、内層材料および外層材料をこの順に押出被覆する。このとき、内層材料としては、外層材料よりも触媒濃度が高いものを用いる。例えば、内層材料としては、触媒濃度が3.4×10−2以上8.4×10−2以下のシラングラフト材料を用いて、外層材料としては、触媒濃度が0.05×10−2以上2.4×10−2以下のシラングラフト材料を用いることが好ましい。
続いて、押し出した内層材料および外層材料を、例えば大気中に曝して水分に接触させる。これにより、内層材料および外層材料のそれぞれに含まれるシラングラフトゴムは、分子鎖中のシラン基が加水分解によりシラノール基となり、このシラノール基同士が脱水縮合して架橋構造を形成することで、シラン架橋されることになる。
このとき、内層材料は、外層材料に被覆されているため、外層材料に比べて水分が浸透しにくく、架橋反応が進行しにくい条件となっているが、本実施形態では、内層材料の触媒濃度が外層材料よりも高くなるようにすることで、少ない水分であっても十分に架橋させることができる。
一方、外層材料は、表面に位置するため、内層材料に比べて水分が浸透しやすく、架橋反応が進行しやすい条件となっているが、本実施形態では、外層材料の触媒濃度を内層材料よりも低くなるようにすることで、外層材料が過剰に架橋反応しないようにしている。
これにより、内層材料と外層材料との架橋速度を同程度とし、最内層21と最外層22との間でのシラン架橋のバラつきを小さく抑制し、シース20全体で厚さ方向に均一にシラン架橋させることができる。
このように、本実施形態では、シース20の厚さ方向で架橋条件が異なるような場合であっても、触媒濃度を厚さ方向で変動させることにより、シース20を厚さ方向に均一にシラン架橋させることができる。
また、本実施形態では、触媒濃度の高い最内層21の上に触媒濃度の低い最外層22を積層させてシース20を形成している。そのため、仮に、触媒濃度の高い最内層21の表面に高い触媒濃度に起因するツブが生じたとしても、触媒濃度が低く、ツブの生成が少ない最外層22で積層させているので、シース20の表面外観を良好なものとすることができる。
また、本実施形態では、最内層21および最外層22を積層させてシース20を形成するときに、触媒濃度が高い内層材料の上に触媒濃度が低い外層材料を押し出して成形している。触媒濃度の高い内層材料は流動性が高くて成形性が低いため、最内層21の外径変動を生じさせることがあるが、内層材料の上に、触媒濃度が低く、成形性が高い外層材料を押し出しているので、最内層21での外径変動を吸収し、シース20全体での外径変動を抑制することができる。
〔本発明の他の実施形態〕
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上述の実施形態では、シース20が最内層21および最外層22の2つのゴム層を積層させて形成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、シースは3つ以上のゴム層を積層させて形成することも可能である。この場合、シースは、内部から表面に向かって、最内層となるゴム層1、ゴム層2、ゴム層3、・・・、ゴム層n−1、最外層となるゴム層n(nは3以上)の順に積層させて形成される。そして、各ゴム層の触媒濃度が最外層から最内層に向かって段階的に高くなるように構成される。つまり、各ゴム層1〜nの触媒濃度をα〜αとしたとき、α>α>α>・・・αn−1>αとなる。最内層の触媒濃度αを3.4×10−2以上8.4×10−2以下、最外層の触媒濃度αを0.05×10−2以上2.4×10−2以下とすると、触媒濃度α〜αn−1はこの間の数値範囲となる。
上述の実施形態では、ケーブル1が、絶縁電線10を3本撚り合わせて形成されたコア30の外周にシース20を備える場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、絶縁電線は1本でもよく、また絶縁電線を撚り合わせる本数は2本又は4本以上とすることもできる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例および比較例では、以下の材料を用いた。
ゴムとして以下を用いた。
・塩素化ポリエチレン(121℃でのムーニー粘度(ML1+4):55):杭州科利化工株式会社製「CM352L」
シラン化合物として以下を用いた。
・シラン化合物(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン):信越化学工業株式会社製「KBM−503」
シラノール縮合触媒として以下を用いた。
・シラノール縮合触媒(ジオクチル錫ジネオデカノエート):日東化学株式会社製「ネオスタンU−830」
過酸化物として以下を用いた。
・ジクミルパーオキサイド:日本油脂株式会社製「DCP」
その他の添加剤として以下を用いた。
・安定剤(ハイドロタルサイト):協和化学工業株式会社製「マグセラー1」
・安定剤(エポキシ化大豆油):日本油脂株式会社製「ニューサイザー510R」
・滑剤(ポリエチレンワックス):三井化学株式会社製「ハイワックスNL200」
・可塑剤(フタル酸ジイソノニル):新日本理化株式会社製「DINP」
・カーボン(FEFカーボンブラック):旭カーボン株式会社製「旭60G」
・酸化防止剤(4,4´−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)):大内新興化学工業株式会社製「ノクラック300R」
・酸化防止剤(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物):大内新興化学工業株式会社製「ノクラック224」
(1)シラングラフトゴムを含むグラフト材料の調製
本実施例では、まず、グラフト処理の前処理を行い、ゴムにシラン化合物をグラフト重合させてシラングラフトゴムを得た後、その他の添加剤を配合することにより、シラングラフトゴムを含むグラフト材料を得た。
(グラフト処理の前処理)
まず、グラフト重合の前処理を行った。
表1に示すように、粉末状の塩素化ポリエチレン100質量部に対して、過酸化物を0.65質量部と、安定剤(ハイドロタルサイト)を6質量部と、安定剤(エポキシ化大豆油)を6質量部と、滑剤(ポリエチレンワックス)を3質量部と、を添加し、8インチロール機を用いて混練した。このとき、過酸化物を熱分解させずにポリマ中に分散させるために、ロールの表面温度を100℃とし、混練時間を、安定剤等を添加し終えてから5分とした。その後、混練して得られたシートを5mm角の形状にペレタイズし、塩素化ポリエチレンを含むペレットを得た。
(グラフト処理)
続いて、前処理で得られたペレットにグラフト処理を施した。
表1に示すように、まず、得られたペレットにシラン化合物としてのメタクリルシランを、塩素化ポリエチレン100質量部に対してメタクリルシランが5質量部となるように、含浸させた。その後、メタクリルシランを含浸させたペレットを単軸押出機にて加熱しながら混練し、塩素化ポリエチレンにメタクリルシランをグラフト重合させることで、シラングラフト塩素化ポリエチレンを生成した。そして、単軸押出機からシラングラフト塩素化ポリエチレンをストランドとして押し出し、長さ150cmの水槽に導入して水冷した後、ペレタイズした。
なお、グラフト処理では、スクリュ径40mmの単軸押出機を用いた。また、スクリュ直径Dとスクリュ長さLとの比率L/Dを25とした。また、設定温度は、シリンダをホッパー側から80℃、200℃、ヘッドを200℃、ダイスを200℃とした。また、スクリュの回転数を20rpm(押出量約120g/分)、スクリュの形状をフルフライト形状とした。また、ダイスとして、穴径直径5mm、穴数3つのストランド用ダイスを用いた。また、圧縮比は2.0とした。
(その他の添加剤の配合)
続いて、シラングラフト塩素化ポリエチレンを含むペレットに可塑剤、酸化防止剤、カーボンブラックおよび滑剤を、表1に示す配合で添加し、8インチロール機を用いて混練した。このとき、ロールの表面温度を100℃とし、混練時間を、安定剤等を添加し終えてから5分間とした。混練後のシートは約5mm角の形状にペレタイズした。以上により、メタクリルシランがグラフト重合されたシラングラフト塩素化ポリエチレンを含むグラフト材料を調製した。
Figure 0006720711
(2)触媒マスターバッチB1〜B10の調製
続いて、グラフト材料にシラノール縮合触媒を配合するための触媒マスターバッチを調製した。本実施例では、シラノール縮合触媒の配合量が異なる複数の触媒マスターバッチB1〜B10を調製した。
具体的には、下記表2に示すように、粉末状の塩素化ポリエチレン100質量部に対してシラノール縮合触媒を0.05質量部〜25質量部の範囲で添加し、8インチロール機を用いて混練した。このとき、ロールの表面温度を100℃とし、シラノール縮合触媒を添加してから3分間混練した。その後、混練物からなるシートを5mm角の形状にペレタイズすることで、シラノール縮合触媒の配合量が異なる複数の触媒マスターバッチB1〜B10を調製した。
Figure 0006720711
(3)ケーブルの作製
下記表3に示すように、グラフト材料と触媒マスターバッチB1〜B7とを適宜組み合わせて混合し、内層材料および外層材料を調製した。
<実施例1>
内層材料は、グラフト材料のペレットに触媒マスターバッチB7のペレットを、グラフト材料に含まれる塩素化ポリエチレン100質量部に対して2.5質量部となるように配合してドライブレンドすることで調製した。内層材料に含まれるシラノール縮合触媒の量は塩素化ポリエチレン100質量部に対して0.23質量部であり、その触媒濃度は4.6×10−2であった。
外層材料は、グラフト材料のペレットに触媒マスターバッチB2のペレットを、グラフト材料に含まれる塩素化ポリエチレン100質量部に対して2.5質量部となるように配合してドライブレンドすることで調製した。外層材料に含まれるシラノール縮合触媒の量は塩素化ポリエチレン100質量部に対して2.5×10−3質量部であり、その触媒濃度は0.05×10−2であった。
次に、得られた内層材料および外層材料を用いてケーブルを作製した。
具体的には、エチレンプロピレンゴム(EPゴム)からなる絶縁層が導体の表面に形成された絶縁電線(導体断面積38mm、導体外径9.1mm、EPゴム絶縁層の厚さ1.2mm)を3本撚り合わせ、コア(最大外径24.4mm)を形成した。このコアの外周に、内層材料を厚さ(最薄部厚さ)が4mmとなるように押出被覆した後、外層材料を厚さが1.5mmとなるように押出被覆した。その後、温度50℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽中に24時間保管して、内層材料および外層材料をシラン架橋させることにより、内層および外層を有するシースを備えるケーブルを作製した。
なお、内層材料および外層材料の押出成形は、スクリュ径90mm、比率L/D20の単軸押出機を用いて行った。押出条件は以下のようにした。シリンダ内の温度をホッパー側からネック側に向かって20℃、100℃、110℃、115℃、120℃、130℃とし、ネックの温度を130℃、クロスヘッドの温度を130℃、ダイスの温度を130℃とした。スクリュの回転数を32rpm、スクリュの形状をフルフライト形状とした。
Figure 0006720711
<実施例2〜4、比較例1,2>
実施例2〜4、比較例1,2では、外層材料を調製するときに、グラフト材料に配合する触媒マスターバッチの種類をB2からB1,B3〜B6に適宜変更し、外層材料の触媒濃度を変化させた以外は、実施例1と同様にケーブルを作製した。
<実施例5〜8、比較例3,4>
実施例5〜8、比較例3,4では、下記表4に示すように、グラフト材料と触媒マスターバッチB1,B5〜B10とを適宜組み合わせて混合し、内層材料および外層材料を調製した以外は、実施例1と同様にケーブルを作製した。
Figure 0006720711
(5)ケーブルの評価方法
作製したケーブルを、以下の方法により評価した。
(ケーブル外観)
外層材料を押し出した後、その外観を目視にて評価した。本実施例では、ツブ(径が0.5mm以上のもの)、その他の異物が存在せず、ケーブルの外観上に問題がない(おおむね平滑)と判断したものを合格(○)、ツブ(径が0.5mm以上のもの)、その他の異物が発生し、外観上に問題があると判断したものを不合格(×)とした。
(押出安定性(外径変動))
内層材料および外層材料をそれぞれ押し出した後のケーブルについて外径を測定し、実際の外径と設計値との対応を評価した。本実施例では、内層材料を押出被覆した後の外径について、実際の測定値が設計値(32.4mm)に対して±1.0%以内であり、かつ、外層材料を押出被覆した後の外径について、実際の測定値が設計値(35.4mm)に対して±0.5%以内であったものを合格、そうでないものを不合格とした。
(架橋処理後のゲル分率)
架橋処理後の最内層および最外層について架橋度を評価するため、それぞれのゲル分率を測定した。具体的には、架橋処理後の最内層および最外層からそれぞれ、試料0.5gを採取し、これらの試料を40メッシュの真鍮製金網に入れた。続いて、各試料を110℃のオイルバス中でキシレンにより抽出処理した。抽出処理後、残存した試料をキシレンから取り出して80℃で4時間真空乾燥した。そして、残存した試料の乾燥後の質量を秤量し、キシレン抽出前の試料の質量aとキシレン抽出後の残存した試料の質量bとから、下記式により試料のゲル分率Rを算出した。
R(%)=b/a×100
本実施例では、最内層および最外層ともに架橋処理後のゲル分率が60%以上である場合を十分な架橋度を有していると判断して合格「○」、そうでなければ不合格「×」とした。
(総合判定)
すべての評価項目にて合格であったものを合格(○)、一項目でも不合格があれば不合格(×)とした。
(6)評価結果
各実施例、比較例の評価結果を表3,4にまとめた。
実施例1〜8によれば、シース内部に位置する最内層の触媒濃度を高く、シース表面に位置する最外層の触媒濃度を低くすることにより、ケーブル外観の悪化や外径変動を抑制しつつ、最内層および最外層を均一にシラン架橋できることが確認された。具体的には、最内層に含まれるシラノール縮合触媒の量を、塩素化ポリエチレン100質量部に対して0.17質量部〜0.42質量部として、触媒濃度を3.4×10−2以上8.4×10−2以下とするとよく、最外層に含まれるシラノール縮合触媒の量を、塩素化ポリエチレン100質量部に対して2.5×10−3質量部〜0.12質量部として、触媒濃度を0.05×10−2以上2.4×10−2以下とするとよいことが確認された。
また、実施例5〜8によれば、最内層に含まれるシラノール縮合触媒の量を増やすほど、最外層のゲル分率が高くなることが確認された。これは、架橋処理をする前の内層材料に含まれるシラノール縮合触媒が外層材料へと移行するため、と考えられる。
一方、比較例1では、最内層の触媒濃度を最外層よりも高くなるように形成したが、最外層に含まれるシラノール縮合触媒の量が過度に少なすぎるため、最外層のゲル分率が60%未満となり、十分に架橋できないことが確認された。
比較例2では、最外層に含まれるシラノール縮合触媒の量が多すぎるためか、最外層においてツブが発生し、ケーブル外観が悪化することが確認された。
比較例3では、最内層の触媒濃度を最外層よりも高くなるように形成したが、最内層に含まれるシラノール縮合触媒の量が過度に少なすぎるため、最内層のゲル分率が60%未満となり、十分に架橋できないことが確認された。
比較例4では、最内層に含まれるシラノール縮合触媒の量が多すぎるためか、最内層において外径変動が大きくなることが確認された。
以上により、本発明によれば、シース内部を触媒濃度が高くなるように形成し、シース表面を触媒濃度が低くなるように形成することで、シースを厚く形成する場合であっても、外径変動や表面外観の不良を抑制しつつ、シースを厚さ方向に均一にシラン架橋できることが確認された。
〔本発明の好ましい態様〕
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
<付記1>
本発明の一態様によれば、
導体の外周に絶縁層が形成される絶縁電線と、
前記絶縁電線の外周に形成されるシースと、を備え、
前記シースは、ゴムにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトゴムおよびシラノール縮合触媒を含有するシラングラフト材料から形成され、前記シラン化合物に対する前記シラノール縮合触媒の配合量の比率として求められる触媒濃度が、表面から内部に向かって厚さ方向に高くなるように形成されている、ケーブルが提供される。
<付記2>
付記1のケーブルにおいて、好ましくは、
前記シースは、前記シラングラフト材料から形成される前記触媒濃度の異なる複数のゴム層を、前記シースの厚さ方向の表面から内側に向かって前記触媒濃度が段階的に高くなるように積層させて形成されている。
<付記3>
付記1のケーブルにおいて、好ましくは、
前記シースは、前記シラングラフト材料から形成される前記触媒濃度の異なる複数のゴム層を積層させてなり、厚さ方向の内側に位置するゴム層の前記触媒濃度が、それと隣接する外側のゴム層の前記触媒濃度よりも高くなるように構成されている。
<付記4>
付記2又は3のケーブルにおいて、好ましくは、
前記シースを形成する前記複数のゴム層のうち、厚さ方向の内側に位置するゴム層を最内層、表面に位置するゴム層を最外層としたとき、
前記最内層における前記触媒濃度が3.4×10−2以上8.4×10−2以下であり、
前記最外層における前記触媒濃度が0.05×10−2以上2.4×10−2以下である。
<付記5>
付記1〜4のいずれかのケーブルにおいて、好ましくは、
前記シースの厚さが2mm以上7.5mm以下である。
<付記6>
付記1〜5のいずれかのケーブルにおいて、好ましくは、
前記ゴムが塩素化ポリエチレンを含む。
<付記7>
付記1〜6のいずれかのケーブルにおいて、好ましくは、
前記シラン化合物がメタクリル基を有する。
<付記8>
付記1〜7のいずれかのケーブルにおいて、好ましくは、
前記シースの架橋度がゲル分率で60%以上である。
1 ケーブル
10 絶縁電線
11 導体
12 絶縁層
20 シース
21 最内層
22 最外層
30 コア

Claims (7)

  1. 導体の外周に絶縁層が形成される絶縁電線と、
    前記絶縁電線の外周に形成されるシースと、を備え、
    前記シースは、ゴムにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトゴムおよびシラノール縮合触媒を含有するシラングラフト材料から形成され、前記シラン化合物に対する前記シラノール縮合触媒の配合量の比率として求められる触媒濃度が、表面から内部に向かって厚さ方向に高くなるように形成されている、ケーブル。
  2. 前記シースは、前記シラングラフト材料から形成される複数のゴム層を、前記シースの厚さ方向の表面から内側に向かって前記触媒濃度が段階的に高くなるように積層させて形成されている、請求項1に記載のケーブル。
  3. 前記触媒濃度は、前記ゴム100質量部に対する前記シラン化合物の配合量(質量部)をx、前記シラノール縮合触媒の配合量(質量部)をyとしたときに、y/xで求められ、
    前記シースを形成する前記複数のゴム層のうち、厚さ方向の最も内側に位置するゴム層を最内層、表面に位置するゴム層を最外層としたとき、
    前記最内層における前記触媒濃度が3.4×10-2以上8.4×10-2以下であり、
    前記最外層における前記触媒濃度が0.05×10-2以上2.4×10-2以下である、請求項2に記載のケーブル。
  4. 前記シースの厚さが2mm以上7.5mm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のケーブル。
  5. 前記ゴムが塩素化ポリエチレンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のケーブル。
  6. 前記シラン化合物がメタクリル基を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のケーブル。
  7. 前記シースの架橋度がゲル分率で60%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載のケーブル。
JP2016118278A 2016-06-14 2016-06-14 ケーブル Active JP6720711B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016118278A JP6720711B2 (ja) 2016-06-14 2016-06-14 ケーブル
CN201710414889.1A CN107501836B (zh) 2016-06-14 2017-06-05 电缆

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016118278A JP6720711B2 (ja) 2016-06-14 2016-06-14 ケーブル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017224454A JP2017224454A (ja) 2017-12-21
JP6720711B2 true JP6720711B2 (ja) 2020-07-08

Family

ID=60679326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016118278A Active JP6720711B2 (ja) 2016-06-14 2016-06-14 ケーブル

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6720711B2 (ja)
CN (1) CN107501836B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7219414B2 (ja) * 2018-02-15 2023-02-08 株式会社プロテリアル ケーブル及びケーブルの製造方法
KR102229141B1 (ko) * 2019-09-13 2021-03-17 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 케이블 및 의료용 중공관
CN113185948B (zh) * 2021-06-18 2023-06-02 隆基乐叶光伏科技有限公司 一种结构胶及光伏系统

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5611248A (en) * 1979-07-10 1981-02-04 Mitsui Petrochemical Ind Silane bridging polyolefin laminate
JPS58210927A (ja) * 1982-06-01 1983-12-08 Furukawa Electric Co Ltd:The シラン架橋ポリオレフイン成形体
JPH0616745A (ja) * 1992-06-29 1994-01-25 Hitachi Cable Ltd 電線・ケーブル
JP3599308B2 (ja) * 1998-02-06 2004-12-08 東京特殊電線株式会社 セミリジッド同軸ケーブル及びその製造方法
JPH11320779A (ja) * 1998-05-20 1999-11-24 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd 架橋ポリオレフィン樹脂押出成形物および電気ケーブル
CN102751012B (zh) * 2012-07-09 2015-06-10 中利科技集团股份有限公司 低烟无卤阻燃电缆及其制备方法
JP2014096252A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Hitachi Metals Ltd シラン架橋ポリエチレンを用いた電線・ケーブル及びその製造方法
JP5972836B2 (ja) * 2013-06-14 2016-08-17 日立金属株式会社 ノンハロゲン難燃性電線ケーブル
JP6187368B2 (ja) * 2014-04-04 2017-08-30 日立金属株式会社 シラングラフト塩素化ポリエチレンの製造方法、絶縁電線の製造方法及びケーブルの製造方法
JP6379776B2 (ja) * 2014-07-15 2018-08-29 日立金属株式会社 非ハロゲン難燃性熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法、並びに電線及びケーブル
JP6424767B2 (ja) * 2015-08-03 2018-11-21 日立金属株式会社 絶縁電線およびケーブル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017224454A (ja) 2017-12-21
CN107501836A (zh) 2017-12-22
CN107501836B (zh) 2020-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5907079B2 (ja) シラングラフト塩素化ポリエチレンを用いた電線及びケーブル
US9127110B2 (en) Resin composition, and wire and cable using the same
JP6858139B2 (ja) 耐熱性架橋フッ素ゴム成形体及びその製造方法、シランマスターバッチ、マスターバッチ混合物及びその成形体、並びに、耐熱性製品
JP6762341B2 (ja) 耐熱性架橋フッ素ゴム成形体及びその製造方法、シランマスターバッチ、マスターバッチ混合物、並びに、耐熱性製品
JP6720711B2 (ja) ケーブル
WO2017138640A1 (ja) 耐熱性架橋樹脂成形体及びその製造方法、シランマスターバッチ、マスターバッチ混合物及びその成形体、並びに、耐熱性製品
JP6152724B2 (ja) 塩素化ポリエチレン組成物を用いた電線、ケーブルの製造方法
WO2016021611A1 (ja) シラングラフト組成物およびその製造方法、並びにその組成物を用いた電線およびケーブル
JP6549928B2 (ja) 電線ケーブル
RU2440633C1 (ru) Электроизоляционная сшивающаяся композиция
JP6720565B2 (ja) 絶縁電線およびケーブル
JP6187368B2 (ja) シラングラフト塩素化ポリエチレンの製造方法、絶縁電線の製造方法及びケーブルの製造方法
CN108997664A (zh) 护套材料和电缆
JP7426876B2 (ja) 架橋フッ素ゴム組成物、並びに、これを用いた配線材及びその製造方法
CN112831139A (zh) 一种电线外皮及其制备工艺
JP6424767B2 (ja) 絶縁電線およびケーブル
KR101002708B1 (ko) 절연재 제조용 수지 조성물 및 이의 제조방법
JP7214677B2 (ja) 架橋フッ素ゴム組成物、並びに、これを用いた配線材及びその製造方法
JP6504484B2 (ja) 電線ケーブル及びシラン架橋物の製造方法、電線の製造方法、ケーブルの製造方法
CN113354905B (zh) 热塑性橡胶组合物、热塑性橡胶组合物的制造方法、电线和电缆
JP2005206763A (ja) シラン架橋ポリマを用いた成形物及び電線・ケーブル
JP6657971B2 (ja) シランカップリング剤含有クロロプレンゴム組成物とその製造方法及びケーブル・電線の製造方法並びにシラン架橋用クロロプレンゴム組成物
JP2023121558A (ja) シラン架橋ゴム組成物、その製造方法および電線・ケーブル
JP2021138846A (ja) 熱可塑性ゴム組成物、熱可塑性ゴム組成物の製造方法、電線およびケーブル
JP2017088660A (ja) クロロプレンゴム組成物、絶縁電線またはケーブル、および、クロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6720711

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350