JP6720570B2 - ダンパー - Google Patents
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Description
相対変位可能に設けられた二部材同士の間の振動を減衰するダンパーであって、
液体が封入されたシリンダと、
前記シリンダ内に所定方向に摺動自在に配置されて、前記シリンダ内を前記所定方向に関して一方側の第1室と他方側の第2室とに区画するピストンであって、前記シリンダの前記所定方向の中央に位置する中央側摺動範囲と、前記中央側摺動範囲の一方側に位置する一方側の外側摺動範囲と、前記中央側摺動範囲の他方側に位置する他方側の外側摺動範囲と、を移動可能なピストンと、
前記液体が流路を流れることによって所定の減衰係数で前記振動を減衰する低減衰回路と、
前記液体が流路を流れることによって前記所定の減衰係数よりも高い減衰係数で前記振動を減衰する高減衰回路と、
を備え、
前記高減衰回路の前記流路は、前記ピストンが前記中央側摺動範囲に位置する場合、前記一方側の外側摺動範囲に位置する場合、及び前記他方側の外側摺動範囲に位置する場合のいずれの場合も、前記第1室と前記第2室とを連通し、
前記低減衰回路の前記流路は、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第1室の前記一方側の外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第1室の前記一方側の外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第1流路と、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第2室の前記他方側の外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第2室の前記他方側の外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第2流路と、
を有し、
前記ピストンの前記第1室側及び前記第2室側にそれぞれロッドが設けられており、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲に位置する場合には、
前記第1流路の一端は前記第1室に位置し、且つ、前記第1流路の他端は前記第2室に位置し、
前記第2流路の一端は前記第1室に位置し、且つ、前記第2流路の他端は前記第2室に位置し、
前記第1流路は、前記一方側の外側摺動範囲の前記一方側の端と、前記他方側の外側摺動範囲の前記一方側の端との間に設けられており、
前記第2流路は、前記一方側の外側摺動範囲の前記他方側の端と、前記他方側の外側摺動範囲の前記他方側の端との間に設けられていることを特徴とするダンパーである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
相対変位可能に設けられた二部材同士の間の振動を減衰するダンパーであって、液体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に所定方向に摺動自在に配置されて、前記シリンダ内を前記所定方向に関して第1室と第2室とに区画するピストンであって、前記シリンダの前記所定方向の中央に位置する中央側摺動範囲と、前記中央側摺動範囲の両側に位置する各外側摺動範囲と、を移動可能なピストンと、前記液体が流路を流れることによって所定の減衰係数で前記振動を減衰する低減衰回路と、前記液体が流路を流れることによって前記所定の減衰係数よりも高い減衰係数で前記振動を減衰する高減衰回路と、を備え、前記高減衰回路の前記流路は、前記ピストンが前記中央側摺動範囲に位置する場合及び前記外側摺動範囲に位置する場合のどちらの場合も、前記第1室と前記第2室とを連通し、前記低減衰回路の前記流路は、前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第1室の前記外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第1室の前記外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第1流路と、前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第2室の前記外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第2室の前記外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第2流路と、を有することを特徴とするダンパーが明らかとなる。
このようなダンパーによれば、変位の増大に伴いダンパーの荷重(減衰力)が減少するようにできる。免震建物の加速度は免震層の荷重(免震装置とダンパーの荷重の合計値)が増大するほど大きくなり、免震装置の荷重は変位に比例して増大する。よって、このような特性のダンパーを用いることにより、パッシブな機構で免震層の最大荷重を減少させることができ、最大加速度の低減を図ることができる。
このようなダンパーによれば、高減衰回路をシリンダの外に設けずに済み、全体として装置構成の簡素化を図れる。
このようなダンパーによれば、液体の圧力が一定値を超えないようにすることができる。
このようなダンパーによれば、ピストンの移動に関わらず、シリンダ内の液体の量が変化しないので、液体用タンクを設置しなくてよい。
<ダンパーの構成について>
図1は、第1実施形態のダンパー10の適用例の概略図である。また、図2は、ダンパー10の概略断面図である。
なお、以下の説明では、図2に示すように、水平方向の一方側のことを「左側」とも言い、他方側のことを「右側」とも言う。また、シリンダ20内の第1室21Lは左側に位置していることから当該第1室のことを「左室21L」とも言い、第2室21Rは右側に位置していることから当該第2室21Rのことを「右室21R」とも言う。
図3Aは、ダンパー10のF−V線図であり、図3Bは、ダンパー10のF−D線図である。図3Aの横軸は速度V(m/sec)、縦軸は荷重F(N)を示しており、図3Bの横軸は変位D(m)、縦軸は荷重F(N)を示している。図4A〜図4Fは、ピストン30が右側から左側に移動する場合のダンパー10の状態を示す概略断面図であり、図5A〜図5Fは、ピストン30が左側から右側に移動する場合のダンパー10の状態を示す概略断面図である。図において、シリンダ20内の左室21Lと右室21R、及び、各流路内のうち、圧力が高い部分を濃いグレーで示し、圧力が低い部分を淡いグレーで示している。シリンダ20内のオイルは圧力の高い側から低い側に流れることになる。
図6Aは、比較例における免震層の荷重と変形量との関係の説明図であり、図6Bは、本実施形態における免震層の荷重と変形量との関係の説明図である。なお、免震層の荷重とは、免震装置5とダンパー10の荷重の合計値であり、建物1と基礎3との間に働く荷重(せん断力)のことである。
第2実施形態では低減衰回路の構成が第1実施形態と異なる。
図7は、第2実施形態のダンパー10´の概略断面図である。なお、第1実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
図8Aは、ダンパー10´のF−V線図であり、図8Bは、ダンパー10´のF−D線図である。図8Aの横軸は速度V(m/sec)、縦軸は荷重F(N)を示しており、図8Bの横軸は変位D(m)、縦軸は荷重F(N)を示している。また、図9A〜図9Fは、ピストン30が右側から左側に移動する場合のダンパー10´の状態を示す概略断面図であり、図10A〜図10Fは、ピストン30が左側から右側に移動する場合のダンパー10´の状態を示す概略断面図である。図9A〜図9F及び図10A〜図10Fでは、第1実施形態と同様に、シリンダ20内の左室21Lと右室21R、及び、各流路内のうち、圧力が高い部分を濃いグレーで示し、圧力が低い部分を淡いグレーで示している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
3 基礎(二部材のうちのもう一方の部材)
5 免震装置
10 ダンパー
20 シリンダ
21L 左室(第1室)
21R 右室(第2室)
30 ピストン
32a ロッド
32b ロッド
33a 逆止弁
33b 逆止弁
34a 流路
34b 流路
50 低減衰回路
53a 逆止弁
53b 逆止弁
54 流路
54a 第1流路
54b 第2流路
70 高減衰回路
RC 中央側摺動範囲
RS 外側摺動範囲
Claims (4)
- 相対変位可能に設けられた二部材同士の間の振動を減衰するダンパーであって、
液体が封入されたシリンダと、
前記シリンダ内に所定方向に摺動自在に配置されて、前記シリンダ内を前記所定方向に関して一方側の第1室と他方側の第2室とに区画するピストンであって、前記シリンダの前記所定方向の中央に位置する中央側摺動範囲と、前記中央側摺動範囲の一方側に位置する一方側の外側摺動範囲と、前記中央側摺動範囲の他方側に位置する他方側の外側摺動範囲と、を移動可能なピストンと、
前記液体が流路を流れることによって所定の減衰係数で前記振動を減衰する低減衰回路と、
前記液体が流路を流れることによって前記所定の減衰係数よりも高い減衰係数で前記振動を減衰する高減衰回路と、
を備え、
前記高減衰回路の前記流路は、前記ピストンが前記中央側摺動範囲に位置する場合、前記一方側の外側摺動範囲に位置する場合、及び前記他方側の外側摺動範囲に位置する場合のいずれの場合も、前記第1室と前記第2室とを連通し、
前記低減衰回路の前記流路は、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第1室の前記一方側の外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第1室の前記一方側の外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第1流路と、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第2室の前記他方側の外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第2室の前記他方側の外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第2流路と、
を有し、
前記ピストンの前記第1室側及び前記第2室側にそれぞれロッドが設けられており、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲に位置する場合には、
前記第1流路の一端は前記第1室に位置し、且つ、前記第1流路の他端は前記第2室に位置し、
前記第2流路の一端は前記第1室に位置し、且つ、前記第2流路の他端は前記第2室に位置し、
前記第1流路は、前記一方側の外側摺動範囲の前記一方側の端と、前記他方側の外側摺動範囲の前記一方側の端との間に設けられており、
前記第2流路は、前記一方側の外側摺動範囲の前記他方側の端と、前記他方側の外側摺動範囲の前記他方側の端との間に設けられていることを特徴とするダンパー。 - 相対変位可能に設けられた二部材同士の間の振動を減衰するダンパーであって、
液体が封入されたシリンダと、
前記シリンダ内に所定方向に摺動自在に配置されて、前記シリンダ内を前記所定方向に関して第1室と第2室とに区画するピストンであって、前記シリンダの前記所定方向の中央に位置する中央側摺動範囲と、前記中央側摺動範囲の両側に位置する各外側摺動範囲と、を移動可能なピストンと、
前記液体が流路を流れることによって所定の減衰係数で前記振動を減衰する低減衰回路と、
前記液体が流路を流れることによって前記所定の減衰係数よりも高い減衰係数で前記振動を減衰する高減衰回路と、
を備え、
前記高減衰回路の前記流路は、前記ピストンが前記中央側摺動範囲に位置する場合及び前記外側摺動範囲に位置する場合のどちらの場合も、前記第1室と前記第2室とを連通し、
前記低減衰回路の前記流路は、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第1室の前記外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第1室の前記外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第1流路と、
前記ピストンが前記中央側摺動範囲の位置から前記第2室の前記外側摺動範囲に摺動する場合に、前記第1室と前記第2室を連通し、前記ピストンが前記第2室の前記外側摺動範囲の位置から前記中央側摺動範囲に摺動する場合には、前記第1室と前記第2室とを遮断する第2流路と、
を有し、
前記ピストンの前記第1室側及び前記第2室側にそれぞれロッドが設けられており、
前記第1流路は、前記第1室側の前記外側摺動範囲の前記所定方向の一方側端と他方側端との間に設けられ、
前記第2流路は、前記第2室側の前記外側摺動範囲の前記所定方向の一方側端と他方側端との間に設けられている、
ことを特徴とするダンパー。 - 請求項1又は2に記載のダンパーであって、
前記高減衰回路が有する前記流路は、前記ピストンに形成されていることを特徴とするダンパー。 - 請求項1乃至3の何れかに記載のダンパーであって、
前記高減衰回路が有する前記流路にはリリーフ弁が設けられており、
前記所定の減衰係数よりも高い減衰係数は、前記リリーフ弁が開放する前の減衰係数である
ことを特徴とするダンパー。
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JP2016028852A JP6720570B2 (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | ダンパー |
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JP2016028852A Active JP6720570B2 (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | ダンパー |
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