JP2016104999A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両への搭載性を向上させるとともに、フリーピストンがストロークエンドに達した時の打音を搭乗者が異音として知覚することを防ぐことが可能な緩衝器を提供する。
【解決手段】 車両のばね下部材に連結されるシリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路3と、一端がピストン2に連結されるとともに他端が前記シリンダ1外に延びるロッド20と、シリンダ1内に膨縮可能な気室Gを区画する可動隔壁4と、シリンダ1の外側に設けられるハウジング5内に摺動自在に挿入されてハウジング5内を伸側圧力室R30と圧側圧力室R31とに区画するフリーピストン6と、フリーピストン6の変位を抑制する附勢力を発生するばね要素7と、伸側室R1と伸側圧力室R30とを連通する伸側通路8と、圧側室R2と圧側圧力室R31とを連通する圧側通路9とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、緩衝器に関するものである。
従来、この種の緩衝器にあっては、車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されてばね上部材の振動を抑制する目的で使用される。当該緩衝器は、例えば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内をロッド側の伸側室とピストン側の圧側室に区画するピストンと、ピストンに設けられて伸側室と圧側室を連通する第1通路と、ロッドの先端から側部に開通して伸側室と圧側室を連通する第2通路と、第2通路の途中に接続される圧力室を備えてロッドの先端に取り付けられたハウジングと、圧力室内に摺動自在に挿入され圧力室を伸側圧力室と圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンを附勢するコイルばねとを備えて構成されている。すなわち、伸側圧力室は第2通路を介して伸側室に連通されるとともに、圧側圧力室は第2通路を介して圧側室に連通されるようになっている。
このように構成された緩衝器は、圧力室がフリーピストンによって伸側圧力室と圧側圧力室とに区画されており、第2通路を介しては伸側室と圧側室とが直接的に連通されてはいないが、フリーピストンが移動すると伸側圧力室と圧側圧力室の容積比が変化し、フリーピストンの移動量に応じて圧力室内の液体が伸側室と圧側室へ出入りするため、見かけ上、伸側室と圧側室とが第2通路を介して連通されているが如くに振舞う。
ここで、圧側室の圧力を基準として、緩衝器の伸長作動時における伸側室と圧側室との差圧をPとし、伸側室から流出する液体の流量をQとし、上記差圧Pと第1通路を通過する液体の流量Q1との関係である係数をC1とし、伸側室と伸側圧力室内の差圧をP1とし、差圧P1と伸側室から伸側圧力室内に流入する液体の流量Q2との関係である係数をC2とし、圧側室と圧側圧力室の差圧をP2とし、この差圧P2と圧側圧力室から圧側室に流出する液体の流量Q2との関係である係数をC3とし、フリーピストンの受圧面積である断面積をAとし、フリーピストンの圧力室に対する変位をXとし、コイルばねのばね定数をKとして、流量Qに対する差圧Pの伝達関数を求めると、式(1)が得られる。なお、式(1)中、sはラプラス演算子を示している。
Figure 2016104999
さらに、上記式(1)で示された伝達関数中のラプラス演算子sにjωを代入して、周波数伝達関数G(jω)の絶対値を求めると、以下の式(2)が得られる。
Figure 2016104999
上記各式から理解できるように、この緩衝器における流量Qに対する差圧Pの伝達関数の周波数特性は、Fa=K/{2・π・A・(C1+C2+C3)}とFb=K/{2・π・A・(C2+C3)}の2つの折れ点周波数を持ち、また、F<Faの領域においては、伝達ゲインは略C1となり、Fa≦F≦Fbの領域においてはC1からC1・(C2+C3)/(C1+C2+C3)まで漸減するように変化して、F>Fbの領域においては一定となる。すなわち、流量Qに対する差圧Pの伝達関数の周波数特性は、低周波数域では伝達ゲインが大きくなり、高周波数域では伝達ゲインが小さくなる。
したがって、この緩衝器では、低周波数の振動の入力に対しては大きな減衰力を発生し、他方、高周波数の振動の入力に対しては小さな減衰力を発生することができるので、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を確実に発生可能であるとともに、車両が路面の凹凸を通過するような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させて、車両における乗り心地を向上させることができる(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2006−336816号公報 特開2008−215459号公報
ここで、特開2006−336816号公報及び特開2008−215459号公報に開示の緩衝器において、上記した減衰特性を得るための周波数感応部がフリーピストン、ハウジング及びコイルばねを含み、ロッドの先端部に取り付けられている。そして、周波数感応部がピストンから軸方向圧側室側に突出した形状となり、当該緩衝器のストローク長を確保しようとすると、緩衝器をばね上部材に取り付けるための上側取付部から、緩衝器をばね下部材に取り付けるための下側取付部までの長さ(以下、基本長という)が長くなり、車両への搭載性が悪化する。
さらには、ロッドがばね上部材に連結されて緩衝器が正立型に設定される場合、フリーピストンがストロークエンドに達してハウジングに衝突すると、ハウジングがロッドに固定されているので、フリーピストンが衝突したときの打音がロッドを介してばね上部材に伝播され易く、搭乗者が車室内で打音を異音として知覚する虞がある。
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ストローク長を確保しながら基本長を短くして車両への搭載性を向上させるとともに、フリーピストンがストロークエンドに達した時の打音を搭乗者が異音として知覚することを防ぐことである。
上記課題を解決するための手段は、車両のばね下部材に連結されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、前記伸側室と前記圧側室とを連通する通路と、一端が前記ピストンに連結されるとともに他端が前記シリンダ外に延びて前記車両のばね上部材に連結されるロッドと、前記シリンダ内に膨縮可能な気室を区画する可動隔壁と、前記シリンダの外側に設けられて内部に圧力室が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に摺動自在に挿入されて前記圧力室を伸側圧力室と圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、前記フリーピストンの前記圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素と、前記伸側室と前記伸側圧力室とを連通する伸側通路と、前記圧側室と前記圧側圧力室とを連通する圧側通路とを備えることである。
本発明によれば、ストローク長を確保しながら基本長を短くして車両への搭載性を向上させるとともに、フリーピストンがストロークエンドに達した時の打音を搭乗者が異音として知覚することを防ぐことができる。
本発明の第一の実施の形態に係る緩衝器の縦断面図である。 図1の緩衝器の使用状態を簡略化して示した斜視図である。 図1中主要部の拡大図である。 本発明の第二の実施の形態に係る緩衝器の縦断面図である。 図4中主要部の拡大図である。 本発明の第三の実施の形態に係る緩衝器の縦断面図である。 本発明の第四の実施の形態に係る緩衝器の縦断面図である。 図7中主要部の拡大図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部位か対応する部位を示す。
<第一の実施の形態>
図1,2に示すように、本発明の第一の実施の形態に係る緩衝器D1は、車両VEのばね下部材Lに連結されるシリンダ1と、前記シリンダ1内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、前記伸側室R1と前記圧側室R2とを連通する通路3と、一端が前記ピストン2に連結されるとともに他端が前記シリンダ1外に延びて前記車両VEのばね上部材Uに連結されるロッド20と、前記シリンダ1内に膨縮可能な気室Gを区画する可動隔壁4と、前記シリンダ1の外側に設けられて内部に圧力室R3が形成されるハウジング5と、前記ハウジング5内に摺動自在に挿入されて前記圧力室R3を伸側圧力室R30と圧側圧力室R31とに区画するフリーピストン6と、前記フリーピストン6の前記圧力室R3に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素7と、前記伸側室R1と前記伸側圧力室R30とを連通する伸側通路8と、前記圧側室R2と前記圧側圧力室R31とを連通する圧側通路9とを備えている。
以下、詳細に説明すると、図2に示すように、本実施の形態に係る緩衝器D1は、車両VEにおけるばね上部材Uである車体と、ばね下部材Lである車輪との間に介装されて、ばね上部材Uの振動を抑制する目的で使用されている。
図1に示すように、緩衝器D1は、縦置きに配置される有底筒状のシリンダ1と、このシリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、図1中下端がピストン2に連結されるとともに図1中上端がシリンダ1外に延びるロッド20と、シリンダ1内における反ロッド側に摺動自在に挿入される可動隔壁4と、シリンダ1の図1中上側開口を塞ぐとともにロッド20を摺動自在に軸支する環状のヘッド部材10と、シリンダ1の外側に固定されるハウジング5と、このハウジング5内に摺動自在に挿入されるフリーピストン6と、このフリーピストン6の図1中上下に配置されるコイルばね70,71からなるばね要素7と、フリーピストン6のハウジング5への衝突を防止するクッション53,54と、シリンダ1とハウジング5とを接続する管Tとを備えている。
そして、シリンダ1から突出するロッド20の突端部には、ばね上部材Uに連結される上側取付部J1(図2)が設けられており、シリンダ1の底部の図1中下側には、ばね下部材Lに連結される下側取付部J2が設けられている。このため、振動入力時にロッド20とともにピストン2がシリンダ1内を軸方向に移動して、緩衝器D1が伸縮作動する。
シリンダ1内には、ピストン2で区画されるロッド20側の伸側室R1とピストン2側の圧側室R2が形成されるとともに、この圧側室R2と可動隔壁4で区画される気室Gが形成されている。また、ハウジング5内には、圧力室R3が形成されており、この圧力室R3がフリーピストン6で図1中上側の伸側圧力室R30と、図1中下側の圧側圧力室R31とに区画されている。伸側室R1、圧側室R2、伸側圧力室R30及び圧側圧力室R31には作動油等の液体が充填されており、気室Gには気体が圧縮されて封入されている。
シリンダ1には、伸側室R1に臨む位置と、圧側室R2に臨む位置に、それぞれ、シリンダ1の肉厚を貫通する孔1a,1bが形成されている。そして、管Tのシリンダ1側の接続端が、伸側室R1に臨む図1中上側の孔1aを囲うように、シリンダ1の外周面に密着した状態で固定されている。また、シリンダ1において、圧側室R2に臨む図1中下側の孔1bが形成される部分は、厚く形成されて外側に突出しており、ハウジング5に接続される接続部1c(図3)となっている。
シリンダ1内に摺動自在に挿入されて伸側室R1と圧側室R2とを区画するピストン2は、環状に形成されており、シリンダ1内に挿入されるロッド20の図1中下端部外周にナット21で保持されている。そして、このピストン2には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路3が形成されており、この通路3は、伸側ピストン通路2aと圧側ピストン通路2bからなる。伸側ピストン通路2aは、ピストン2の図1中下側に積層される伸側バルブ22で開閉される。また、圧側ピストン通路2bは、ピストン2の図1中上側に積層される圧側バルブ23で開閉される。これら伸側バルブ22及び圧側バルブ23は、共に、リーフバルブからなり、環状に形成されて内周側にロッド20が挿入されている。そして、伸側バルブ22及び圧側バルブ23は、内周側がロッド20に固定されるとともに、外周側の撓みが許容された状態でピストン2に積層されている。
伸側バルブ22は、緩衝器D1の伸長作動時に伸側室R1と圧側室R2の差圧によって撓んで開弁し、伸側ピストン通路2aを開放して伸側室R1から圧側室R2へ移動する液体の流れに抵抗を与える。さらに、伸側バルブ22は、緩衝器D1の収縮作動時には伸側ピストン通路2aを閉塞するようになっている。つまり、伸側バルブ22は、伸側ピストン通路2aを一方通行に設定している。他方の圧側バルブ23は、伸側バルブ22とは反対に、緩衝器D1の収縮作動時に伸側室R1と圧側室R2の差圧によって開弁し、圧側ピストン通路2bを開放して圧側室R2から伸側室R1へ移動する液体の流れに抵抗を与える。さらに、圧側バルブ23は、緩衝器D1の伸長作動時には圧側ピストン通路2bを閉塞するようになっている。つまり、圧側バルブ23は、圧側ピストン通路2bを一方通行に設定している。
前述のように、伸側バルブ22及び圧側バルブ23がリーフバルブからなり、リーフバルブは薄い環板状であるので、ロッド20に組み付けた際の軸方向長さを短くできる。このため、伸側バルブ22及び圧側バルブ23をリーフバルブとすることで、緩衝器D1のストローク長を確保しやすい。なお、伸側バルブ22及び圧側バルブ23を構成するリーフバルブの積層枚数や厚みは、望む減衰特性に応じて任意に変更することができる。また、伸側バルブ22及び圧側バルブ23は、リーフバルブ以外のバルブとされてもよい。
つづいて、圧側室R2と気室Gとを区画する可動隔壁4は、本実施の形態において、シリンダ1の内周面に摺接し、シリンダ1内を図1中上下に移動する摺動部材からなる。この可動隔壁4は、図1中上側に移動することで気室Gを拡大し、図1中下側に移動することで気室Gを圧縮する。このため、緩衝器D1の伸縮作動時におけるロッド出没体積分のシリンダ内容積変化を気室Gで補償できる。
シリンダ1の外側に固定されるハウジング5は、管Tのハウジング5側端部に接続される鍔付キャップ50と、この鍔付キャップ50の鍔部50aに連結される有底筒状のケース部51と、このケース部51をシリンダ1に固定する連結部52とを備えている。本実施の形態において、ハウジング5で区画される圧力室R3は、鍔付キャップ50とケース部51とで囲われる空間に形成されている。
図3に示すように、ケース部51は、先端が鍔付キャップ50の鍔部50aの外周に加締め固定されて図3中下側に延びる筒状の大内径部51aと、この大内径部51aの図3中下側に連結されて大内径部51aよりも小さい内径を有する小内径部51bと、この小内径部51bの図3中下側開口を塞ぐ底部51cとを備えている。大内径部51aと小内径部51bとの境界には、環状の段差面51dが形成されている。そして、大内径部51aの内周面にフリーピストン6が摺接し、当該フリーピストン6で圧力室R3を管T側の伸側圧力室R30と、底部51c側の圧側圧力室R31とに区画している。また、小内径部51bの側部には、シリンダ1における接続部1cが挿入される接続穴51eと、この接続穴51eの底から圧側圧力室R31にかけて貫通する孔51fが形成されている。この孔51fは、シリンダ1に形成される孔1bとともに、圧側室R2と圧側圧力室R31とを連通する圧側通路9を構成する。本実施の形態において、孔1bは絞りとなっており、圧側通路9を通って圧側室R2と圧側圧力室R31との間を行き交う液体の流れに抵抗を与えるようになっている。
鍔付キャップ50は、有底筒状に形成されて内側に管Tのハウジング5側端部が挿入されるキャップ部50bと、このキャップ部50bの開口側端部から外側に張り出す環状の鍔部50aとを備えている。キャップ部50bの筒状の側部には、管Tから突出する位置に、径方向に貫通する孔50cが形成されている。この孔50cは、管Tとキャップ部50bの底部との間の隙間(符示せず)と、管Tと、シリンダ1に形成される図1中上側の孔1aとともに、伸側室R1と伸側圧力室R30とを連通する伸側通路8を構成する。本実施の形態において、伸側通路8には、抵抗となる絞りが設けられていないが、伸側通路8に絞り等の減衰力発生要素を設けるようにしてもよい。
このように、伸側室R1と伸側圧力室R30が伸側通路8によって連通され、圧側室R2と圧側圧力室R31が圧側通路9によって連通され、伸側圧力室R30と圧側圧力室R31の容積は、フリーピストン6がハウジング5内で移動することによって変化するので、この緩衝器D1においては、伸側通路8、伸側圧力室R30、圧側圧力室R31及び圧側通路9からなる流路が、見かけ上、伸側室R1と圧側室R2とを連通するようになっている。このため、伸側室R1と圧側室R2は、ピストン2部分の通路3の他にも、上記した見かけ上の流路によっても連通されることになる。
つづいて、伸側圧力室R30と圧側圧力室R31とを区画するフリーピストン6は、筒状に形成されてハウジング5の大内径部51aの内周面に摺接する筒部6aと、この筒部6aの図3中下側開口を塞ぐ底部6bと、この底部6bの中心部分から図3中下側に延びる軸部6cとを備えている。本実施の形態において、シリンダ1の軸心線とハウジング5の軸心線が略平行になっているので、緩衝器D1の図1中左右方向の幅を小さくできる。なお、シリンダ1の軸心線とハウジング5の軸心線とを交差(立体交差を含む)させるとしてもよい。このようにすることで、緩衝器D1全体が図1中上下に移動することに起因して、フリーピストン6のハウジング5に対する上下方向の振動が励起されることを避けることができる。
フリーピストン6の底部6bと鍔付キャップ50との間と、フリーピストン6の底部6bとハウジング5の底部51cとの間には、コイルばね70,71がそれぞれ介装されている。本実施の形態において、ばね要素7はこれらコイルばね70,71からなる。フリーピストン6は、このばね要素7により、圧力室R3内の所定の中立位置に位置決められた上で弾性支持されている。なお、ばね要素7の構成は、任意に変更可能であり、一つのコイルばねや、三以上のコイルばねからなるとしてもよく、コイルばねに替わるゴム等の弾性体からなるとしてもよく、コイルばねと弾性体の組み合わせからなるとしてもよい。
本実施の形態において、図3中上側のコイルばね70は、図3中上端が鍔付キャップ50の鍔部50aに形成される環状の窪み(符示せず)に挿入され、図3中下端部がフリーピストン6の筒部6a内に挿入されるようになっている。また、図3中下側の他方のコイルばね71は、図1中上端がフリーピストン6の底部6bにおける軸部6cの外周に形成される環状の窪み(符示せず)に挿入され、図1中下端部がハウジング5の小内径部51b内に挿入されるようになっている。これらの構成によれば、コイルばね70,71の著しい位置ずれが防止される。したがって、コイルばね70,71で安定的にフリーピストン6に附勢力を作用させ、フリーピストン6がハウジング5に対して軸ぶれ等を起こして摺動抵抗が大きくなることを防止できる。また、フリーピストン6が筒部6aを備え、この筒部6aから底部6bにかけてハウジング5に摺接する摺動部としている。このため、当該摺動部の軸方向長さの確保が容易となり、当該構成によってもフリーピストン6の軸ぶれが抑制される。
また、本実施の形態において、鍔付キャップ50の鍔部50aがフリーピストン6の図3中上方への移動を規制するストッパとして機能し、ケース部51の段差面51dがフリーピストン6の図3中下方への移動を規制するストッパとして機能するようになっている。そして、鍔付キャップ50におけるキャップ部50bの底部と、フリーピストン6の軸部6cの先端には、それぞれクッション53,54が取り付けられている。図3中上側のクッション53は、フリーピストン6の筒部6aが鍔部50aに接触する前に、フリーピストン6の底部6bに当接して弾性変形し、その反発力でフリーピストン6とハウジング5との衝突を防止する。同様に、図3中下側のクッション54は、フリーピストン6の底部6bが段差面51dに接触する前に、ハウジング5の底部51cに当接して弾性変形し、その反発力でフリーピストン6とハウジング5との衝突を防止する。なお、クッション53,54の取り付け方法や位置は、任意に変更することが可能であり、例えば、図3中上側のクッション53がフリーピストン6に取り付けられたり、図3中下側のクッション54がハウジング5の底部51cに取り付けられたりしてもよい。
以下、本実施の形態に係る緩衝器D1の動作について説明する。
ロッド20がシリンダ1から退出する緩衝器D1の伸長作動時には、ピストン2で伸側室R1が圧縮されて圧側室R2が拡大するので、伸側室R1の圧力が高まると同時に圧側室R2の圧力が低下して、伸側室R1と圧側室R2との間に差圧が生じる。そして、伸側室R1の液体が、伸側バルブ22を開いて伸側ピストン通路2aを通過するとともに、伸側通路8、伸側圧力室R30、圧側圧力室R31及び圧側通路9からなる見かけ上の流路を通過して圧側室R2に移動する。また、緩衝器D1の伸長作動時には、シリンダ1から退出したロッド20の体積分シリンダ内容積が増加するので、可動隔壁4が図1中上側に移動して気室Gが拡大し、上記したシリンダ内容積変化を補償する。
反対に、ロッド20がシリンダ1内に進入する緩衝器D1の圧縮作動時には、ピストン2で圧側室R2が圧縮されて伸側室R1が拡大するので、圧側室R2の圧力が高まると同時に伸側室R1の圧力が低下して、伸側室R1と圧側室R2との間に差圧が生じる。そして、圧側室R2の液体が、圧側バルブ23を開いて圧側ピストン通路2bを通過するとともに、伸側通路8、伸側圧力室R30、圧側圧力室R31及び圧側通路9からなる見かけ上の流路を通過して伸側室R1に移動する。また、緩衝器D1の収縮作動時には、シリンダ1内に進入したロッド20の体積分シリンダ内容積が減少するので、可動隔壁4が図1中下側に移動して気室Gが圧縮され、上記したシリンダ内容積変化を補償する。
つまり、伸縮作動時において緩衝器D1は、液体が通路3を構成する伸側ピストン通路2aや圧側ピストン通路2bを通過する際の抵抗に起因する減衰力を発生する。また、伸側室R1と圧側室R2は、通路3の他に、伸側通路8、伸側圧力室R30、圧側圧力室R31及び圧側通路9からなる見かけ上の流路を介しても連通している。このため、見かけ上の流路を通過する液体の流量が変化すると、通路3を通過する液体の流量が変化するので、見かけ上の流路を通過する液体の流量の変化により緩衝器D1の減衰力が変化する。
詳述すると、緩衝器D1の伸縮作動時におけるピストン速度が同じである場合、低周波振動入力時の緩衝器D1の振幅は、高周波振動入力時の緩衝器D1の振幅よりも大きくなる。このように緩衝器D1に入力される振動の周波数が低い場合、振幅が大きいため、伸縮1周期で伸側室R1と圧側室R2を行き交う液体の流量が大きくなり、この流量に略比例して、フリーピストン6が動く変位も大きくなる。このフリーピストン6はばね要素7で附勢されているため、フリーピストン6の変位が大きくなると、フリーピストン6が受けるばね要素7からの附勢力も大きくなり、その分、伸側圧力室R30の圧力と圧側圧力室R31の圧力に差圧が生じて、伸側室R1と伸側圧力室R30の差圧及び圧側室R2と圧側圧力室R31の差圧が小さくなり、上記の見かけ上の流路を通過する流量が小さくなる。この見かけ上の流路を通過する流量が小さい分、通路3を通過する液体の流量が大きくなるので、緩衝器D1が発生する減衰力が大きいまま維持される。
反対に、緩衝器D1に高周波振動が入力される場合、振幅が低周波振動入力時よりも小さいため、伸縮1周期で伸側室R1と圧側室R2を行き交う液体の流量は小さく、フリーピストン6の動く変位も小さくなる。その分、伸側圧力室R30の圧力と圧側圧力室R31の圧力が略同圧となり、伸側室R1と伸側圧力室R30の差圧及び圧側室R2と圧側圧力室R31の差圧は低周波振動入力時よりも大きくなって、上記の見かけ上の流路を通過する液体の流量が低周波振動入力時よりも増大する。この見かけ上の流路を通過する流量が増大した分は、通路3を通過する流体の流量が減少することになるので、緩衝器D1が発生する減衰力は低周波振動入力時の減衰力よりも小さくなる。
ここで、圧側室R2の圧力を基準として、緩衝器D1の伸長作動時における伸側室R1と圧側室R2の差圧をPとし、伸側室R1から流出する液体の流量をQとし、上記差圧Pと通路3を通過する液体の流量Q1との関係である係数をC1とし、伸側室R1と伸側圧力室R30の差圧をP1とし、差圧P1と伸側室R1から伸側圧力室R30に流入する液体の流量Q2との関係である係数をC2とし、圧側室R2と圧側圧力室R31の差圧をP2とし、この差圧P2と圧側圧力室R31から圧側室R2に流出する液体の流量Q2との関係である係数をC3とし、フリーピストン6の受圧面積である断面積をAとし、フリーピストン6の圧力室R3に対する変位をXとし、ばね要素7のばね定数をKとすると、流量Qに対する差圧Pの周波数伝達関数の周波数に対するゲイン特性は、従来例と同じく式(2)で示される特性となり、緩衝器D1は、低周波数域の振動に対しては大きな減衰力を発生し、高周波数域の振動に対しては減衰力を小さくすることができ、緩衝器D1の減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができる。なお、緩衝器D1の収縮作動時においても上述の伸長作動時と同様に、低周波数域の振動に対しては大きな減衰力を発生し、高周波数領域の振動に対しては減衰力を小さくすることができ、緩衝器D1の減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができる。また、緩衝器D1の減衰特性の設定は、従来の緩衝器と同様に係数C1、C2、C3、ばね要素7のばね定数K、フリーピストン6の受圧面積Aで設定されるが、各係数C1、C2、C3、ばね定数Kおよびフリーピストン6の受圧面積Aの設定いかんで伸側通路8や圧側通路9に設けられる絞りの有無も任意である。
また、本実施の形態において、フリーピストン6がストロークエンド近傍まで変位すると、何れかのクッション53,54がフリーピストン6、或いは、ハウジング5に衝合し、クッション53,54が弾性変形して反発力を発揮する。このため、フリーピストン6のそれ以上のストロークエンド側への移動速度が徐々に減速して変位が抑制されるので、フリーピストン6とハウジング5が勢いよく衝突することを防止することができる。
このように、何れかのクッション53,54がフリーピストン6或いはハウジング5に衝合してからは、フリーピストン6のストロークエンド側への移動を徐々に減少させるように機能するので、徐々に伸側通路8、伸側圧力室R30、圧側圧力室R31及び圧側通路9からなる見かけ上の流路を介しての液体の移動が抑制されることになる。したがって、フリーピストン6がストロークエンドに達した時を境にした低い減衰力から高い減衰力への急激な変化を抑制することができる。特に、振動周波数が高周波である場合において、低い減衰力を発生しているので、発生減衰力の急激な変化を効果的に緩和することができる。
さらに、本実施の形態において、緩衝器D1は、フリーピストン6、ハウジング5及びばね要素7を含む周波数感応部F1を備え、当該周波数感応部F1を伸側通路8と圧側通路9に接続することで、上記したように減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができる。そして、本実施の形態においては、周波数感応部F1がシリンダ1の外側に配置されているので、周波数感応部F1を備えていても、基本長(ストローク基準位置にあるときの上側取付部J1から下側取付部J2までの長さ)を短くすることができ、ストローク長を確保しながら車両VEへの搭載性を向上できる。
また、本実施の形態において、フリーピストン6を収容するハウジング5が、ばね下部材Lに連結されるシリンダ1に取り付けられている。このため、フリーピストン6がストロークエンドに達した時の打音がシリンダ1に伝播されても、シリンダ1と、ばね上部材Uに連結されるロッド20が相対移動可能な関係にあり、摺動隙間が介在するので、上記打音がロッド20に伝播され難い。つまり、上記打音がロッド20を介してばね上部材Uに伝播され難くなるので、フリーピストン6がストロークエンドに達した時の打音を搭乗者が異音として知覚することを防ぐことができる。
また、本実施の形態において、緩衝器D1は、クッション53,54を備えている。このため、フリーピストン6がストロークエンドに達した時を境にした低い減衰力から高い減衰力への急激な変化を抑制するとともに、上記打音の発生自体を抑制することができ、搭乗者が上記打音を異音として知覚することを、より確実に抑制できる。
また、上記したように、緩衝器D1の性能向上を目的として、周波数感応部F1にクッション53,54等の付加機能部品を取り付ける場合、周波数感応部F1の軸方向長さが長くなる傾向にある。このため、付加機能部品付きの周波数感応部F1をシリンダ1内に設けると、緩衝器D1の基本長が長くなり、車両VEへの搭載性が悪化する。しかし、本実施の形態においては、周波数感応部F1がシリンダ1外に設けられているので、周波数感応部F1に付加機能部品を追加しても、基本長が長くなることを防ぎ、車両への搭載性の悪化を防ぐことができる。
以下、本実施の形態の緩衝器D1の作用効果について説明する。
本実施の形態の緩衝器D1は、車両VEのばね下部材Lに連結されるシリンダ1と、前記シリンダ1内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、前記伸側室R1と前記圧側室R2とを連通する通路3と、一端が前記ピストン2に連結されるとともに他端が前記シリンダ1外に延びて前記車両VEのばね上部材Uに連結されるロッド20と、前記シリンダ1内に膨縮可能な気室Gを区画する可動隔壁4と、前記シリンダ1の外側に設けられて内部に圧力室R3が形成されるハウジング5と、前記ハウジング5内に摺動自在に挿入されて前記圧力室R3を伸側圧力室R30と圧側圧力室R31とに区画するフリーピストン6と、前記フリーピストン6の前記圧力室R3に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素7と、前記伸側室R1と前記伸側圧力室R30とを連通する伸側通路8と、前記圧側室R2と前記圧側圧力室R31とを連通する圧側通路9とを備えている。
上記構成によれば、フリーピストン6、ハウジング5及びばね要素7を備えて構成される周波数感応部F1をシリンダ1外に配置しているので、緩衝器D1のストローク長を確保しながら基本長を短くできる。したがって、緩衝器D1の車両VEへの搭載性を向上できる。
また、上記構成によれば、フリーピストン6を収容するハウジング5をばね下部材Lに連結されるシリンダ1に取り付けているので、フリーピストン6がストロークエンドに達した時の打音を搭乗者が異音として知覚することを防ぐことができる。
さらに、本実施の形態において、緩衝器D1は、フリーピストン6の摺動方向の両側に配置され、フリーピストン6とハウジング5の衝突を防止するクッション53,54を備えている。
上記構成によれば、フリーピストン6がストロークエンドに達した時を境にした急激な減衰力の変化を抑制して、車両VEの乗り心地を向上させることができる。加えて、フリーピストン6がストロークエンドに達したときの打音の発生自体を抑制できるので、フリーピストン6がストロークエンドに達した時の打音を搭乗者が異音として知覚することをより確実に防ぐことができる。
なお、緩衝器D1がクッション53,54を備えていなくてもよい。また、緩衝器D1がクッション53,54以外の付加機能部品を備えるとしてもよく、クッション53,54と他の付加機能部品を併用するとしてもよい。
<第二の実施の形態>
次に、本発明の第二の実施の形態の緩衝器D2について説明する。本実施の形態の緩衝器D2の基本的な構成は第一の実施の形態の緩衝器D1と同様であるので、第一の実施の形態の緩衝器D1と同じ部位または対応する部位については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
車両の乗り心地を良好にする都合上、緩衝器D2の伸長作動時に発生する伸側減衰力を収縮作動時に発生する圧側減衰力よりも高く設定する場合がある。この場合、伸側室R1の圧力が圧側室R2の圧力よりも高くなる傾向にある。伸側室R1の圧力は伸側圧力室R30に伝播し、圧側室R2の圧力は圧側圧力室R31に伝播するようになっている。このため、高周波で伸縮を繰り返すと、伸側圧力室R30の圧力の方が圧側圧力室R31の圧力よりも高くなって、フリーピストン6が圧側圧力室R31側へ偏って変位した状態となる。このようにフリーピストン6の変位に偏りが生じると、フリーピストン6の圧側圧力室R31側へのストローク余裕が小さくなり、フリーピストン6がハウジング5に当接して圧側圧力室R31側への変位ができなくなる場合がある。
また、フリーピストン6がストロークエンドに達した時を境にした減衰力の急変を回避するため、本実施の形態のように緩衝器D2がクッション53,54を備える場合、フリーピストン6の変位に偏りが生じて、常に一方のクッション(53または54)が圧縮された状態に置かれると、フリーピストン6が動きづらい状況下でそれ以上変位をしなくてはならない。
つまり、フリーピストン6に偏りが生じると、高周波振動入力時の減衰力低減効果を充分に得られなくなる虞がある。
そこで、本実施の形態の緩衝器D2は、このような不具合を解消できるようになっている。図4,5に示すように、本実施の形態の緩衝器D2は、伸側室R1と伸側圧力室R30とを区画する環状の隔壁80と、この隔壁80に形成されて伸側室R1と伸側圧力室R30とを連通する伸側連通路80a及び圧側連通路80bと、隔壁80の図5中下側に積層されて伸側連通路80aを開閉するリーフバルブからなる伸側サブバルブ81と、隔壁80の図5中上側に積層されて圧側通路80bを開閉するリーフバルブからなる圧側サブバルブ82と、外周に隔壁80を保持する固定ロッド83とを備えている。
さらに、本実施の形態において、内部に圧力室R3が形成されるハウジング5Aは、管Tのハウジング5A側端部に接続される鍔付キャップ50Aと、この鍔付キャップ50Aの鍔部50aに連結されるケース部51と、このケース部51をシリンダ1に固定する連結部52とを備えている。そして、上記鍔付キャップ50Aは、上記した固定ロッド83を固定して、隔壁80、伸側サブバルブ81及び圧側サブバルブ82を内部に収容するバルブ収容部50dを備えている。バルブ収容部50d内部における隔壁80の図5中上側は、管T及び孔1aを介して伸側室R1に連通されている。他方、バルブ収容部50d内部における隔壁80の図5中下側は、鍔付キャップ50Aに形成される孔50eを介して伸側圧力室R30に連通されている。つまり、本実施の形態において、伸側室R1と伸側圧力室R30とを連通する伸側通路8Aは、孔1a、管T、伸側連通路80a、圧側連通路80b及び孔50eを備えて構成されている。
隔壁80に積層される伸側サブバルブ81は、緩衝器D2の伸長作動時に伸側連通路80aを開放して伸側室R1から伸側圧力室R30に移動する液体の流れに抵抗を与える。さらに、伸側サブバルブ81は、緩衝器D2の圧縮作動時には伸側連通路80aを閉塞するようになっている。つまり、伸側サブバルブ81は、伸側連通路80aを一方通行に設定している。
隔壁80に積層される圧側サブバルブ82は、伸側サブバルブ81とは反対に、緩衝器D2の圧縮作動時に圧側連通路80bを開放して伸側圧力室R30から伸側室R1に移動する液体の流れに抵抗を与える。さらに、圧側サブバルブ82は、緩衝器D2の伸長作動時には圧側連通路80bを閉塞するようになっている。つまり、圧側サブバルブ82は、圧側連通路80bを一方通行に設定している。そして、この圧側サブバルブ82による抵抗は、伸側サブバルブ81による抵抗よりも小さくなるように設定されている。
上記構成によれば、伸側室R1の圧力が高まる緩衝器D2の伸長作動時にあっては、伸側室R1の圧力が伸側通路8Aを介して伸側圧力室R30に伝播され難い。反対に、フリーピストン6で伸側圧力室R30が縮小される緩衝器D2の収縮作動時にあっては、伸側圧力室R30の圧力が伸側通路8Aを介して伸側室R1に伝播されやすい構造となっている。つまり、この緩衝器D2にあっては、高周波振動が入力される場合、伸長作動時には、伸側室R1の圧力を伸側圧力室R30へ逃げにくくし、伸側圧力室R30と圧側圧力室R31の差圧を低減してフリーピストン6が圧側圧力室R31側に偏って変位することを抑制できる。反対に、高周波振動が入力される場合の圧縮作動時には、伸側圧力室R30の圧力を伸側室R1に速やかに逃がすことができる。したがって、上記構成によれば、高周波振動が継続して入力される状況下においても、フリーピストン6の偏りを抑制でき、高周波振動入力時の減衰力低減効果を充分に得られなくなる心配がない。
また、本実施の形態において、周波数感応部F2は、フリーピストン6、ハウジング5A及びばね要素7を備えて構成されており、当該周波数感応部F2には、付加機能部品として、クッション53,54に加えて、フリーピストン6の偏りを抑制するための伸側サブバルブ81及び圧側サブバルブ82が追加されている。このため、周波数感応部F2の軸方向長さが長くなり、このような周波数感応部F2をシリンダ1内に設けると、緩衝器D2の基本長が長くなって車両への搭載性を悪化させる。しかし、上記構成によれば、周波数感応部F2をシリンダ1の外側に設けているので、緩衝器D2の基本長が長くなることを防ぎ、車両への搭載性の悪化を防ぐことができる。なお、本実施の形態において、伸側通路8Aの途中に伸側サブバルブ81及び圧側サブバルブ82を設けているが、これらを圧側通路9の途中に設けるようにしてもよい。
<第三の実施の形態>
次に、本発明の第三の実施の形態の緩衝器D3について説明する。本実施の形態の緩衝器D3の基本的な構成は第一の実施の形態の緩衝器D1と同様であるので、第一の実施の形態の緩衝器D1と同じ部品又は対応する部品については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態において、気室Gを区画する可動隔壁4Aは、ベローズからなり、蛇腹状で折り畳み可能な筒状の伸縮部4aを備えている。そして、可動隔壁4Aは、伸縮部4aの内側に気体を封入できるようになっており、伸縮部4aを伸縮させることで気室Gを膨縮させることができる。可動隔壁4Aの外径は、この可動隔壁4Aを収容する部分のシリンダ1の内径よりも小さく設定されている。これにより、圧側室R2が可動隔壁4Aの外周とシリンダ1との間にできる隙間まで延びている。つまり、上記構成によれば、圧側室R2をシリンダ1の図6中下側まで延ばすことができるので、圧側室R2に臨む孔1bを図6中下側に寄せて配置できる。したがって、ハウジング5を緩衝器D3の図6中下側に寄せて配置させることができるので、周波数感応部F1をシリンダ1外に設けたとしても、当該周波数感応部F1と緩衝器D3の周辺部品との干渉を避けやすい。
なお、可動隔壁4Aの構成は、上記の限りではなく、任意に変更できる。例えば、図示しないが、シリンダ1の内径よりも小さい外径を有する筒部と、この筒部の内側に摺動自在に挿入されて上下に移動する摺動部材とを備えるとしてもよい。この場合、第一の実施の形態の摺動部材からなる可動隔壁4と同様の構成を利用しつつ、筒部の外周とシリンダ1との間にできる隙間まで圧側室R2を延長できる。このため、可動隔壁が筒部と摺動部材とを備えて構成される場合にも、上記可動隔壁4Aと同様の効果を得ることができる。また、可動隔壁が膨縮可能なブラダを備えて構成されるとしてもよい。このブラダを利用する場合であって上記した可動隔壁4Aと同様の効果を得るには、ブラダが膨縮しても、ブラダとシリンダ1とが周方向全域に渡って密着したり、孔1bを塞いだりすることを防止する部材を備えればよい。
また、図6中、第一の実施の形態と同様の周波数感応部F1を示しているが、第二の実施の形態と同様の周波数感応部F2に替えてもよい。
<第四の実施の形態>
次に、本発明の第四の実施の形態の緩衝器D4について説明する。本実施の形態の緩衝器D4の基本的な構成は第一の実施の形態の緩衝器D1と同様であるので、第一の実施の形態の緩衝器D1と同じ部品又は対応する部品については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示すように、本実施の形態において、緩衝器D4は、シリンダ1の外周に配置され、シリンダ1との間に筒状隙間R4を形成する外筒11と、筒状隙間R4を伸側隙間R40と圧側隙間R41とに区画する隔壁部材12とを備えている。そして、外筒11の外側に圧力室R3を区画するハウジング5Bが固定されている。
隔壁部材12は、環状に形成されて筒状隙間R4を図7中上下に区画しており、図7中上側に形成される伸側隙間R40が伸側室R1に臨む図7中上側の孔1aに連通し、図7中下側に形成される圧側隙間R41が圧側室R2に臨む図7中下側の孔1bに連通する。上記したように、本実施の形態においては、シリンダ1にハウジング5Bが直接取り付けられていないので、第一の形態における接続部1cを廃している。
図8に示すように、外筒11には、伸側隙間R40に臨む位置と、圧側隙間R41に臨む位置に、それぞれ、外筒11の肉厚を貫通する孔11a,11bが形成されている。この外筒11において、孔11a,11bが形成される部分は、それぞれ、厚く形成されて外側に突出しており、ハウジング5Bに接続される接続部11c,11dとなっている。
ハウジング5Bは、有底筒状のケース部55と、このケース部55の開口を塞ぐキャップ部56と、ケース部55を外筒11に固定する連結部52とを備えている。そして、本実施の形態において、キャップ部56とケース部55とで囲われる空間に圧力室R3が形成されている。
ケース部55は、先端を内側に加締めることでキャップ部56に固定されてキャプ部56から図8中下側に延びる筒状の大内径部55aと、この大内径部55aの図8中下側に連結されて大内径部55aよりも小さい内径を有する小内径部55bと、小内径部55bの図8中下側開口を塞ぐ底部55cとを備えている。大内径部55aと小内径部55bとの境界には、一実施の形態と同様に、環状の段差面55dが形成されている。そして、大内径部55aの内周面にフリーピストン6が摺接し、当該フリーピストン6で圧側室R3をキャップ部56側の伸側圧力室R30と、底部55c側の圧側圧力室R31とに区画している。また、大内径部55aには、この大内径部55aを貫通して外筒11における図8中上側の接続部11cが挿入される接続孔55eが形成されている。他方、小内径部55bの側部には、外筒11における図8中下側の接続部11dが挿入される接続穴55fと、この接続穴55fの底から圧側圧力室R31にかけて貫通する孔55gが形成されている。この孔55gは、外筒11に形成される孔11b、圧側隙間R41及びシリンダ1に形成される孔1bとともに、圧側室R2と圧側圧力室R31とを連通する圧側通路9Aを構成する。
つづいて、キャップ部56は、頂部56aと、この頂部56aの中心から図8中下側に延びる軸部56bとを備えており、この軸部56bの図8中下側にクッション53が取り付けられている。頂部56aの外周には、周方向に沿う環状の溝56cが形成されている。また、頂部56aには、径方向に貫通して両端が溝56cの内側に開口する横孔56dが形成されている。軸部56bにも、この軸部56bを径方向に貫通する横孔56eが形成されており、この横孔56eは伸側圧力室R30に開口する。さらに、キャップ部56には、頂部56aから軸部56bにかけて、その中心を通る縦穴56fが形成されており、この縦穴56fを介して頂部56aの横孔56dと、軸部56bの横孔56eが連通する。溝56cは、大内径部55aの接続孔55eと対向する位置に形成されており、シリンダ1に形成される孔1a、伸側隙間R40、外筒11に形成される孔11a、横孔56d、縦穴56f及び横孔56eとともに、伸側室R1と伸側圧力室R30とを連通する伸側通路8Bを構成する。縦穴56fの図8中上側は、栓57で塞がれているので、伸側通路8Bを通る液体が縦穴56fから漏れ出ないようになっている。
このように、本実施の形態において、伸側室R1と伸側圧力室R30とを連通する伸側通路8Bが伸側隙間R40を備えて構成され、圧側室R2と圧側圧力室R31とを連通する圧側通路9Aが圧側隙間R41を備えて構成される。このため、第一〜第三の実施の形態のような、シリンダ1とハウジング5とを接続する管Tを廃することができ、管Tと緩衝器D4の周辺部品との干渉を避けることができる。
なお、伸側通路8Bや圧側通路9Aの構成は、任意に変更することが可能である。また、本実施の形態において、可動隔壁4は、第一の実施の形態と同様に摺動部材からなるが、第三の実施の形態で示すように、ブラダからなるとしてもよく、可動隔壁4の構成も任意に変更できる。さらに、本実施の形態において、緩衝器D4は、フリーピストン6、ハウジング5B及びばね要素7含む周波数感応部F3を備え、この周波数感応部F3に付加機能部品としてクッション53,54のみを取り付けている。しかし、第二の実施の形態と同様に、周波数感応部F3に、クッション53,54に加えて、伸側サブバルブ81及び圧側サブバルブ82を取り付けるとしてもよく、付加機能部材は、任意に変更可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
D1,D2,D3,D4 緩衝器
G 気室
L ばね下部材
R1 伸側室
R2 圧側室
R3 圧力室
R4 筒状隙間
R30 伸側圧力室
R31 圧側圧力室
R40 伸側隙間
R41 圧側隙間
U ばね上部材
VE 車両
1 シリンダ
2 ピストン
3 通路
4,4A 可動隔壁
5,5A,5B ハウジング
6 フリーピストン
7 ばね要素
8,8A,8B 伸側通路
9,9A 圧側通路
11 外筒
12 隔壁部材
20 ロッド

Claims (3)

  1. 車両のばね下部材に連結されるシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、
    前記伸側室と前記圧側室とを連通する通路と、
    一端が前記ピストンに連結されるとともに他端が前記シリンダ外に延びて前記車両のばね上部材に連結されるロッドと、
    前記シリンダ内に膨縮可能な気室を区画する可動隔壁と、
    前記シリンダの外側に設けられて内部に圧力室が形成されるハウジングと、
    前記ハウジング内に摺動自在に挿入されて前記圧力室を伸側圧力室と圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、
    前記フリーピストンの前記圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素と、
    前記伸側室と前記伸側圧力室とを連通する伸側通路と、
    前記圧側室と前記圧側圧力室とを連通する圧側通路とを備えることを特徴とする緩衝器。
  2. 前記可動隔壁の外周と前記シリンダとの間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記シリンダの外周に配置され、前記シリンダとの間に筒状隙間を形成する外筒と、
    前記筒状隙間を伸側隙間と圧側隙間とに区画する隔壁部材とを備え、
    前記伸側通路は前記伸側隙間を備えて構成され、前記圧側通路は前記圧側隙間を備えて構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緩衝器。
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