JP6720322B2 - タイヤバランス測定装置、タイヤバランス測定装置の評価方法、タイヤバランス測定装置の校正方法、タイヤバランス測定装置の校正プログラム - Google Patents
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Description
タイヤの動バランスを検査するタイヤバランス測定装置は、タイヤを挟み込む下リム及び上リムと、下リムと一体に設けられた主軸と、主軸を回転駆動させる回転駆動機構と、主軸に生じる偏心量を検出する偏心量検出センサと、を備える。タイヤバランス測定装置は、下リムと上リムとで挟み込んだタイヤに空気を充填した状態で、回転駆動機構により主軸を回転させる。主軸の回転により、下リムと上リムとに挟み込まれたタイヤが主軸と一体に回転する。タイヤバランス測定装置は、タイヤを回転させたときの主軸に生じる偏心量を検出することで、タイヤの動バランス(アンバランス量)を測定する。
この発明は、タイヤバランス測定装置の定期的な校正を容易に行い、タイヤの製造工程の生産効率の低下を抑え、品質管理をより高精度に行うことのできるタイヤバランス測定装置、タイヤバランス測定装置の評価方法、タイヤバランス測定装置の校正方法、タイヤバランス測定装置の校正プログラムを提供することを目的とする。
このような構成によれば、一対のリムでタイヤを挟み込んだ状態で、回転駆動部によって主軸とともにタイヤを回転させ、偏心力計測部で主軸の偏心力を計測すると、演算部によってタイヤのアンバランス量を得ることができる。
また、一対のリムにタイヤを挟み込まない状態で、回転駆動部によって一対のリムの少なくとも一方を支持する主軸を回転させ、偏心力計測部で主軸の偏心力を計測すると、演算部によって主軸自体の偏心量を得ることができる。例えば温度変化等をはじめとする何らかの原因で主軸自体の偏心量が変化した場合、偏心量の変化が生じる前後で、同一回転数で主軸を回転させれば、その変化を容易に把握することができる。したがって、評価部において、回転駆動部により予め定めた回転数で主軸を回転させたときに演算部で演算される偏心量と、前記回転数との相関に基づいて、主軸の偏心量を評価することで、主軸の偏心量に変化が生じたか否かを把握することができる。
このようにして、主軸に錘を装着することなく、主軸の偏心量の変化を把握することができる。したがって、主軸の偏心量のチェックを、容易かつ短時間で行うことができる。
さらに、主軸の回転数が大きくなると、主軸に生じる遠心力が大きくなり、主軸のアンバランスに起因して生じる偏心量も大きくなる。したがって、互いに異なる複数の回転数で主軸を回転させ、それぞれの回転数で偏心力を計測すれば、主軸の偏心量の変化を、より高精度に評価することが可能となる。
これにより、主軸の偏心量が変化していた場合に、補正部によって、演算部で演算に用いる演算式を補正することで、タイヤバランス測定装置の校正を行うことができる。
このようなタイヤバランス測定装置の評価方法を用いることによって、タイヤバランス測定装置の主軸自体の偏心量の変化を、主軸に錘を装着することなく把握することができる。したがって、主軸の偏心量のチェックを、容易かつ短時間で行うことができる。
このようなタイヤバランス測定装置の校正方法を用いることによって、タイヤバランス測定装置の主軸の偏心量が変化していた場合に、補正部によって演算部で演算に用いる演算式を補正することで、タイヤバランス測定装置の校正を行うことができる。
このようなタイヤバランス測定装置の校正プログラムをタイヤバランス測定装置に導入することで、タイヤバランス測定装置の主軸の偏心量が変化していた場合に、補正部によって演算部で演算に用いる演算式を補正することで、タイヤバランス測定装置の校正を行うことができる。
図1に示すように、タイヤバランス測定装置1は、装置本体10と、制御部20と、を備えている。
主軸12は、上下方向に延び、基台11に、主軸支持部材19を介して支持されている。主軸支持部材19は、基台11に取付部材19hを介して取り付けられている。主軸支持部材19は、円筒状で、その内部に主軸12が回転自在に支持されている。
主軸12は、基台11内に設けられたモータ等の回転駆動部17によって、その中心軸回りに回転駆動される。主軸12の上端部12aは、基台11の上面11aから鉛直上方に突出している。
上リム14は、下リム13の上方に間隔を空けて対向配置されている。上リム14には、タイヤTの内周部に上方から密着するリム接触面14fが形成されている。
図3に示すように、制御部20は、回転制御部21と、演算部22と、評価部23と、校正部(補正部)24と、記憶部25と、を備えている。
演算部22は、ロードセル16L,16Hで検出された偏心力の信号に基づき、偏心量を演算する。この実施形態では、演算部22は、下リム13と上リム14との間に保持されたタイヤTのアンバランス量、主軸12の偏心量を算出することができる。
評価部23は、演算部22で算出されたアンバランス量、主軸12の偏心量に基づき、タイヤTのアンバランス量、主軸12の偏心量を評価する。
校正部24は、評価部23における主軸12の偏心量が、予め定められた基準から外れた場合に、後に詳述するようにして校正処理を行う。
記憶部25は、演算部22で算出したアンバランス量や偏心量、評価部23における評価結果等を記憶する。
図4は、この発明の実施形態のタイヤバランス測定装置におけるタイヤのアンバランス量の測定処理の流れを示すフローチャートである。
タイヤバランス測定装置1は、タイヤTを下リム13と上リム14との間に挟み込んだ状態で、タイヤTのアンバランス量を測定する。
これには、図4に示すように、まず、タイヤTをタイヤバランス測定装置1に装着する(ステップS101)。これには、上リム14を昇降装置によって上昇させて下リム13から離間させた状態で、タイヤTの下面側の内周縁部t1(図1参照)を下リム13上にセットする。次いで、昇降装置によって上リム14を下降させ、タイヤTの上面側の内周縁部t2(図1参照)上に密着させる。次に、下リム13に備えた空気充填機構(図示無し)によってタイヤTに空気を充填する。
演算部22は、ロードセル16L,16Hから転送された出力信号に基づき、タイヤTのアンバランス量を演算する(ステップS104)。
このようにしてアンバランス量の演算及び評価を終えたタイヤTは、空気を抜いた後、上リム14を上昇させて下リム13から離間させ、上リム14上から取り外す(ステップS106)。
図5は、この発明の実施形態のタイヤバランス測定装置における主軸の偏心量の測定処理の流れを示すフローチャートである。
タイヤバランス測定装置1は、タイヤTを装着しない状態で、主軸12の偏心量を測定することができる。主軸12の偏心量を測定するには、まず、上リム14を昇降装置によって下降させ、下リム13と対向した状態で組み合わせる。
ここで、ロードセル16L,16Hで検出した偏心力FL,FH、FL,FHに基づいて、演算部22でタイヤTのアンバランス量又は主軸12の偏心量を演算する方法については、何ら限定するものではなく、既知の演算手法を適宜用いることができる。
例えば、演算部22は、タイヤT又は主軸12を回転させたときにロードセル16L,16Hで検出される偏心力FL,FHから、アンバランス量(又は偏心量)Pを、下記の演算式(1)で求める。
図6は、この発明の実施形態のタイヤバランス測定装置の運用方法の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、タイヤバランス測定装置1は、設置後、主軸12の偏心量の初期値を測定する(ステップS1)。これには、上記主軸12の偏心量の測定処理(ステップS201〜S205)を実行する。このとき、主軸12を第一回転数r1で回転させたときの偏心力FL,FHから算出される偏心量P1と、主軸12を第二回転数r2で回転させたときの偏心力FL,FHから算出される偏心量P2とを、初期値P1,P2として測定する。
測定工程の実行回数が規定回数に到達した場合、主軸12の偏心量の測定を行う(ステップS5)。ステップS5における主軸12の偏心量の測定を行うには、上記主軸12の偏心量の測定処理(ステップS201〜S205)を実行する。
このとき、主軸12を第一回転数r1で回転させたときの偏心力FL’,FH’から得られる偏心量の測定値P1’と、主軸12を第二回転数r2で回転させたときの偏心力FL’,FH’とから得られる偏心量の測定値P2’とを、記憶部25に記憶させる。
ここで、主軸12の偏心量を対比するには、具体的には、以下のようにする。
図7に示すように、例えば、上述したステップS2において、主軸12を第一回転数r1で回転させたときの偏心量の初期値P1と主軸12を第二回転数r2で回転させたときの偏心量の初期値P2とから、主軸12の回転数rと偏心量Pとの相関を示す関係式P=k×rを定める。
また、上述したステップS5において、主軸12を第一回転数r1で回転させたときの偏心力FL’,FH’から得られる偏心量の測定値P1’と、主軸12を第二回転数r2で回転させたときの偏心力FL’,FH’から得られる偏心量の測定値P2’とから、主軸12の回転数rと偏心量P’との相関を示す関係式P’=k’×rを定める。
これには、ステップS5で測定された測定値P1’,P2’に基づく現状の係数k’を、ステップS2に記憶された初期値P1,P2に基づく係数kとなるように、補正係数k”を「k”=k/k’」により得る。
なお、ステップS1、S2における、主軸12の偏心量の初期値の測定及び記憶処理は、タイヤバランス測定装置1の設置時のみ実行し、その後、タイヤバランス測定装置1を起動してタイヤTのアンバランス量の測定を開始する際には、ステップS9で記憶された補正値を用いてもよい。もちろん、タイヤバランス測定装置1を起動するたびに、ステップS1、S2における、主軸12の偏心量の初期値の測定及び記憶処理を実行してもよい。
このようにして、主軸12自体の偏心量の変化を、主軸12に錘を装着することなく把握することができる。したがって、主軸12の偏心量のチェックを、容易かつ短時間で行うことができる。
このようにして、タイヤTのアンバランス量の測定、評価を連続的に行っている途中であっても、短時間で主軸12の偏心量のチェック及び校正を行うことができる。その結果、タイヤバランス測定装置1の校正を容易に行い、タイヤTの製造工程の生産効率の低下を抑えることができる。また、主軸12の偏心量のチェックを、容易かつ短時間で行うことができるので、従来よりも高い頻度で主軸12の偏心量のチェックを行うことが可能となり、品質管理をより高精度に行うことが可能となる。
さらに、主軸12の偏心量が変化していた場合に、演算部22で演算に用いる演算式(1)を校正部24によって補正することで、タイヤバランス測定装置1の校正を行うことができる。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、設計変更可能である。
例えば、上記実施形態では、主軸12の偏心量を測定するときに、上リム14を下降させて下リム13と対向させた状態で主軸12を回転させるようにしたが、これに限らない。例えば、主軸12と下リム13のみを一体に回転させ、主軸12の偏心量を測定してもよい。
10 装置本体
11 基台
11a 上面
12 主軸
12a 上端部
12h 挿入孔
13 下リム
13f リム接触面
14 上リム
14f リム接触面
14p 被保持部
15 シャフト
15b 下端部
16H,16L ロードセル(偏心力計測部)
17 回転駆動部
18 チャック部材
19 主軸支持部材
19h 取付部材
19r 外周面
20 制御部
21 回転制御部
22 演算部
23 評価部
24 校正部(補正部)
25 記憶部
FL、FL’ 偏心力
T タイヤ
t1、t2 内周縁部
Claims (5)
- タイヤを挟み込み可能な一対のリムのうち少なくとも一方を支持する主軸を回転させる回転駆動部と、
前記主軸を回転させたときに前記主軸に発生する偏心力を計測する偏心力計測部と、
前記偏心力計測部で計測された前記偏心力に基づいて前記主軸の偏心量を演算する演算部と、
前記タイヤが前記リムに装着されていない前記主軸を、前記回転駆動部により予め定めた回転数で回転させたときに計測される前記偏心力に基づいて前記演算部で演算される前記偏心量と、前記回転数との相関に基づいて、前記主軸の偏心量を評価する評価部と、
を備え、
前記評価部は、互いに異なる複数の前記回転数で前記主軸を回転させ、それぞれの前記回転数で前記主軸を回転させたときに計測される複数の偏心力に基づいて、前記演算部で演算される偏心量と前記回転数との相関を求め、この相関に基づいて前記主軸の偏心量を評価するタイヤバランス測定装置。 - 前記評価部による前記偏心量の評価結果に基づいて、前記演算部で演算に用いる演算式を補正する補正部を備える請求項1に記載のタイヤバランス測定装置。
- タイヤを挟み込む一対のリムと、
一対の前記リムを回転させる回転駆動部と、
一対の前記リムの少なくとも一方を支持する主軸を回転させたときに前記主軸に発生する偏心力を計測する偏心力計測部と、
前記偏心力計測部で計測された前記偏心力に基づいて前記主軸の偏心量を演算する演算部と、を備えるタイヤバランス測定装置の評価方法であって、
前記タイヤが前記リムに装着されていない前記主軸を、前記回転駆動部により予め定めた複数の回転数で回転させたときに計測される複数の偏心力に基づいて、前記演算部で演算される前記偏心量と、前記回転数との相関を求め、この相関に基づいて、前記主軸の偏心量を評価するタイヤバランス測定装置の評価方法。 - タイヤを挟み込む一対のリムと、
一対の前記リムを回転させる回転駆動部と、
一対の前記リムの少なくとも一方を支持する主軸を回転させたときに前記主軸に発生する偏心力を計測する偏心力計測部と、
前記偏心力計測部で計測された前記偏心力に基づいて前記主軸の偏心量を演算する演算部と、を備えるタイヤバランス測定装置の校正方法であって、
前記タイヤが前記リムに装着されていない前記主軸を、前記回転駆動部により予め定めた複数の回転数で回転させたときに計測される複数の偏心力に基づいて、前記演算部で演算される前記偏心量と、前記回転数との相関を求め、この相関に基づいて、前記主軸の偏心量を評価する工程と、
前記主軸の偏心量を評価する工程による前記偏心量の評価結果に基づいて、前記演算部で演算に用いる演算式を補正する工程と、
を備えるタイヤバランス測定装置の校正方法。 - タイヤを挟み込む一対のリムと、
一対の前記リムを回転させる回転駆動部と、
一対の前記リムの少なくとも一方を支持する主軸を回転させたときに前記主軸に発生する偏心力を計測する偏心力計測部と、
前記偏心力計測部で計測された前記偏心力に基づいて前記主軸の偏心量を演算する演算部と、を備えるタイヤバランス測定装置の校正プログラムであって、
前記タイヤが前記リムに装着されていない前記主軸を、前記回転駆動部により予め定めた複数の回転数で回転させたときに計測される複数の偏心力に基づいて前記演算部で演算される前記偏心量と、前記回転数との相関を求め、この相関に基づいて、前記主軸の偏心量を評価する処理と、
前記主軸の偏心量を評価する処理による前記偏心量の評価結果に基づいて、前記演算部で演算に用いる演算式を補正する処理と、
を備えるタイヤバランス測定装置の校正プログラム。
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