JP6719369B2 - 2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンの製造方法及びその一部の工程を含む方法 - Google Patents

2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンの製造方法及びその一部の工程を含む方法 Download PDF

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Description

本発明は、チオアラビノースと保護基を有するチミンとの反応を含む保護された2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンの製造方法に関する。本発明は、保護された2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンを再結晶し、脱保護することを含む、2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンの製造方法に関する。さらに本発明は、保護された2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンを再結晶する方法にも関する。
2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジン(以下、化合物Aとも言う)は抗エプスタイン・バール(EB)ウイルス活性を発揮し、EBウイルス関連疾患の予防もしくは治療剤として有効である(特許文献1)。化合物Aの製造方法として、非特許文献1には、アセチル基を有するチオアラビノースと保護基を有するチミンとを反応させることによってグリコシル化体を製造する方法が記載されている。
一方、非特許文献2には、臭素原子で置換されたチオアラビノースと、シリル化されたN−アセチルシトシンとを反応させてグリコシル化体を製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、ハロゲンで置換されたチオアラビノースと、保護されたシトシンまたは保護されたN4−アシルシトシンとを反応させることを含む1−(2−デオキシ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−アラビノフラノシル)シトシンの製造方法が記載されている。
国際公開WO2009/034945号公報 国際公開WO2014/027658号公報
Jonathan K et al., J.Org.Chem. 2006, 71, 921-925 Yuichi Yoshimura et al., J.Org.Chem. 1999. 64, 7912-7920
非特許文献1に記載されているグリコシル化体の製造方法では、アセチル基で置換されたチオアラビノースと、保護基を有するチミンとを反応させており、また触媒としてTMSOTf(トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル)を使用している。非特許文献1におけるβグリコシル化体の選択性は低く、βグリコシル化体を高い選択性で製造できる方法が望まれている。また、1−(2−デオキシ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−アラビノフラノシル)シトシンについてはαグリコシル化体とβグリコシル化体の溶解度の差異が小さいことから、カラムクロマトグラフィーを用いてβグリコシル化体を分離精製することが一般的であったが、工業的な製造方法としてはカラムクロマトグラフィーを用いることなくβグリコシル化体を分離精製する方法が望まれている。
非特許文献2には、臭素原子で置換されたチオアラビノースと、シリル化されたN−アセチルシトシンとを反応させてグリコシル化体を製造することが記載されているが、チオアラビノースと保護基を有するチミンとの反応については記載がない。特許文献1には、1−(2−デオキシ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−アラビノフラノシル)シトシンの製造に有用な化合物及びそれらの製造方法が記載されているが、チオアラビノースと保護基を有するチミンとの反応については記載がない。
本発明は、チオアラビノースと保護基を有するチミンとの反応を含むグリコシル化工程においてβグリコシル化体を高い選択性で製造できるグリコシル化体の製造方法を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、上記のグリコシル化体の製造方法を含む化合物Aの製造方法を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、αグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物からβグリコシル化体を再結晶により分離精製する方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、臭素原子で置換されたチオアラビノースと保護基を有するチミンとを溶媒としてのクロロホルムを含む溶媒中で反応させることによって、βグリコシル化体を高い選択性で製造できることを見出した。さらに本発明者らは、保護された2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンについてβグリコシル化体とαグリコシル化体の混合物(以下、混合物とも言う)を再結晶して、βグリコシル化体を分離精製する際に、溶媒としてメチルエチルケトンを使用することによって、βグリコシル化体を高純度に分離精製できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] クロロホルムを含む溶媒中において、下記式(1):
Figure 0006719369
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す:
で示される化合物と、下記式(2):
Figure 0006719369
式中、R3及びR4はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す:
で示される化合物とを反応させる工程を含む、下記式(3):
Figure 0006719369
式中、R1及びR2は上記と同義である:
で示される化合物の製造方法。
[2] 上記式(1)で示される化合物と、上記式(2)で示される化合物との反応の反応温度が40〜100℃である、[1]に記載の方法。
[3] 上記式(1)で示される化合物と、上記式(2)で示される化合物との反応の反応温度が55〜80℃である、[1]に記載の方法。
[4] 上記式(1)で示される化合物と、上記式(2)で示される化合物との反応を、窒素雰囲気下で行う、[1]から[3]の何れか一に記載の方法。
[5] [1]から[4]の何れか一に記載の方法により、式(3):
Figure 0006719369
式中、R1及びR2は[1]と同義である:
で示される化合物をαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物として製造するグリコシル化反応工程:
上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において再結晶化し、αグリコシル化体を除去する分離精製工程:及び、
上記のβグリコシル化体を脱保護する脱保護工程:
を含む2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンの製造方法。
[6] 上記分離精製工程のメチルエチルケトンを含む溶媒の使用量が、上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物の質量の40倍量以下である、[5]に記載の方法。
[7] 上記分離精製工程のメチルエチルケトンを含む溶媒の使用量が、上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物の質量の20倍量以下である、[5]又は[6]に記載の方法。
[8] 上記分離精製工程において、上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において60℃以上の温度で溶解した後、得られた溶液を冷却することによって、再結晶化を行う、[5]から[7]の何れか一に記載の方法。
[9] 式(3):
Figure 0006719369
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す:
で示される化合物であるαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において再結晶化する工程を含む、上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物からαグリコシル化体を除去する方法。
[10] メチルエチルケトンを含む溶媒の使用量が、上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物の質量の40倍量以下である、[9]に記載の方法。
[11] メチルエチルケトンを含む溶媒の使用量が、上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物の質量の20倍量以下である、[9]又は[10]に記載の方法。
[12] 上記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において60℃以上の温度で溶解した後、得られた溶液を冷却することによって、再結晶化を行う、[9]から[11]の何れか一に記載の方法。
本発明によるグリコシル化体の製造方法によれば、チオアラビノースと保護基を有するチミンとの反応を含むグリコシル化工程においてβグリコシル化体を高い選択性で製造することができる。本発明によれば、グリコシル化工程においてβグリコシル化体を高い選択性で製造できることにより、効率よく化合物Aを製造することができる。さらに本発明によれば、αグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物からβグリコシル化体を再結晶により分離精製することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、特にことわらない限り、各用語は、次の意味を有する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
1-6アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルキル基を意味する。
2-6アルケニル基とは、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、1,3−ブタジエニル、ペンテニル及びヘキセニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-6アルケニル基を意味する。
2-6アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-6アルキニル基を意味する。
3-8シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基などのC3-8シクロアルキル基を意味する。
アリール基とは、フェニル又はナフチル基などを意味する。
アルC1-6アルキル基とは、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、フェネチル及びナフチルメチル基などのアルC1-6アルキル基を意味する。
1-6アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ及びヘキシルオキシ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルキルオキシ基を意味する。
アリールオキシ基とは、フェノキシ又はナフチルオキシ基などを意味する。
1-6アルコキシC1-6アルキル基とは、メトキシメチル及び1−エトキシエチル基などのC1-6アルキルオキシC1-6アルキル基を意味する。
2-6アルカノイル基とは、アセチル、プロピオニル、バレリル、イソバレリル及びピバロイル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-6アルカノイル基を意味する。
アロイル基とは、ベンゾイル又はナフトイル基などを意味する。
複素環式カルボニル基とは、ニコチノイル、テノイル、ピロリジノカルボニル又はフロイル基などを意味する。
(α−置換)アミノアセチル基とは、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン及びヒドロキシプロリンなどのアミノ酸が挙げられる。)から誘導されるN末端が保護されていてもよい(α−置換)アミノアセチル基を意味する。
アシル基とは、ホルミル基、スクシニル基、グルタリル基、マレオイル基、フタロイル基、C2-6アルカノイル基、アロイル基、複素環式カルボニル基又は(α−置換)アミノアセチル基などを意味する。
2-6アルカノイルオキシ基とは、アセチルオキシ及びプロピオニルオキシ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-6アルカノイルオキシ基を意味する。
アロイルオキシ基とは、ベンゾイルオキシ又はナフトイルオキシ基などを意味する。
アシルオキシ基とは、C2-6アルカノイルオキシ基又はアロイルオキシ基を意味する。
1-6アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル及び1,1−ジメチルプロポキシカルボニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
アリールオキシカルボニル基とは、フェニルオキシカルボニル又はナフチルオキシカルボニル基などを意味する。
アルC1-6アルコキシカルボニル基とは、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル及びナフチルメチルオキシカルボニル基などのアルC1-6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
1-6アルコキシカルボニルオキシ基とは、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、イソプロポキシカルボニルオキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシ及び1,1−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルキルオキシカルボニルオキシ基を意味する。
1-6アルキルアミノ基とは、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノ及びヘキシルアミノ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルキルアミノ基を意味する。
ジ(C1-6アルキル)アミノ基とは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ(tert−ブチル)アミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、(エチル)(メチル)アミノ及び(メチル)(プロピル)アミノ基などの直鎖状又は分枝鎖状のジ(C1-6アルキル)アミノ基を意味する。
1-6アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ及びプロピルチオ基などのC1-6アルキルチオ基を意味する。
1-6アルキルスルホニル基とは、メチルスルホニル、エチルスルホニル及びプロピルスルホニル基などのC1-6アルキルスルホニル基を意味する。
アリールスルホニル基とは、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル又はナフタレンスルホニル基などを意味する。
1-6アルキルスルホニルオキシ基とは、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ及びプロピルスルホニルオキシ基などのC1-6アルキルスルホニルオキシ基を意味する。
単環の含窒素複素環式基とは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、ピペリジル、テトラヒドロピリジル、ピリジル、ホモピペリジニル、オクタヒドロアゾシニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリル及びテトラゾリル基などの環を形成する異項原子として窒素原子のみを含む単環の含窒素複素環式基を意味する。
単環の含酸素複素環式基とは、テトラヒドロフラニル、フラニル、テトラヒドロピラニル又はピラニル基などを意味する。
単環の含硫黄複素環式基とは、チエニル基などを意味する。
単環の含窒素・酸素複素環式基とは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル及びモルホリニル基などの環を形成する異項原子として窒素原子及び酸素原子のみを含む単環の含窒素・酸素複素環式基を意味する。
単環の含窒素・硫黄複素環式基とは、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、チオモルホリニル、1−オキシドチオモルホリニル及び1,1−ジオキシドチオモルホリニル基などの環を形成する異項原子として窒素原子及び硫黄原子のみを含む単環の含窒素・硫黄複素環式基を意味する。
単環の複素環式基とは、単環の含窒素複素環式基、単環の含酸素複素環式基、単環の含硫黄複素環式基、単環の含窒素・酸素複素環式基又は単環の含窒素・硫黄複素環式基などを意味する。
二環式の含窒素複素環式基とは、インドリニル、インドリル、イソインドリニル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、テトラヒドロキノリニル、キノリル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ジヒドロキノキサリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル及びキヌクリジニル基などの環を形成する異項原子として窒素原子のみを含む二環式の含窒素複素環式基を意味する。
二環式の含酸素複素環式基とは、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、クロメニル、イソクロマニル、1,3−ベンゾジオキソリル、1,3−ベンゾジオキサニル及び1,4−ベンゾジオキサニル基などの環を形成する異項原子として酸素原子のみを含む二環式の含酸素複素環式基を意味する。
二環式の含硫黄複素環式基とは、2,3−ジヒドロベンゾチエニル及びベンゾチエニル基などの環を形成する異項原子として硫黄原子のみを含む二環式の含硫黄複素環式基を意味する。
二環式の含窒素・酸素複素環式基とは、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾモルホリニル、ジヒドロピラノピリジル、ジヒドロジオキシノピリジル及びジヒドロピリドオキサジニル基などの環を形成する異項原子として窒素原子及び酸素原子のみを含む二環式の含窒素・酸素複素環式基を意味する。
二環式の含窒素・硫黄複素環式基とは、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル及びベンゾチアジアゾリル基などの環を形成する異項原子として窒素原子及び硫黄原子を含む二環式の含窒素・硫黄複素環式基を意味する。
二環式の複素環式基とは、二環式の含窒素複素環式基、二環式の含酸素複素環式基、二環式の含硫黄複素環式基、二環式の含窒素・酸素複素環式基又は二環式の含窒素・硫黄複素環式基などを意味する。
複素環式基とは、単環の複素環式基又は二環式の複素環式基を意味する。
シリル基とは、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル又はtert−ブチルジフェニルシリル基などC1-18シリル基を意味する。
脂肪族炭化水素類としては、ペンタン、ヘキサン又はシクロヘキサンなどが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素類としては、塩化メチレン、クロロホルム又は1,2−ジクロロエタンなどが挙げられる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール又は2−メチル−2−プロパノールなどが挙げられる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル又は酢酸ブチルなどが挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、2−ブタノン又は4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。
ニトリル類としては、アセトニトリルなどが挙げられる。
アミド類としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチルピロリドンなどが挙げられる。
スルホキシド類としては、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
カルボン酸としては、酢酸などが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン又はキシレンなどが挙げられる。
尿素類としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
本発明における式(1)、式(2)及び式(3)において、R1及びR2はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す。
水酸基の保護基としては、通常の水酸基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、W.グリーン(W.Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、16〜366頁、2007年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。
具体例としては、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、アルC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アシル基、C1-6アルコキシカルボニル基、アルC1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基又はシリル基などが挙げられる。これらの基は、下記の置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
置換基群A:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよい水酸基、保護されてもよいカルボキシル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいスルファモイル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルキル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC2-6アルケニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC2-6アルキニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC3-8シクロアルキル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリール基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルコキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリールオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアシル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アシルオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルコキシカルボニルオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルキルアミノ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいジ(C1-6アルキル)アミノ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルキルチオ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-18シリル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい複素環式基、オキソ基。
置換基群B:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよい水酸基、保護されてもよいカルボキシル基、C1-6アルキル基、アリール基、C1-6アルコキシ基、複素環式基、オキソ基。
1又はR2が示す水酸基の保護基としては、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアシル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシリル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシンナモイル基、テトラヒドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基が好ましい。
1又はR2が示す水酸基の保護基としては、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアシル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシリル基又は置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシンナモイル基がより好ましい。
1又はR2が示す水酸基の保護基としては、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC2-6アルカノイル基又は置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアロイル基がさらに好ましい。
1又はR2が示す水酸基の保護基としては、アセチル基、ピバロイル基又は置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいベンゾイル基が一層好ましい。
1又はR2が示す水酸基の保護基としては、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいベンゾイル基がより一層好ましい。
1又はR2が示す水酸基の保護基としては、ベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、2,4−ジクロロベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル基、4−フェニルベンゾイル基、3,5ジメチルベンゾイル基又は4−メチルベンゾイル基が特に好ましく、ベンゾイル基が最も好ましい。
水酸基の保護基としてのベンゾイル基は、脱保護が容易であり、本発明の製造方法の反応条件に耐えるという利点を有する。
3又はR4が示す水酸基の保護基としては、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアシル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシリル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシンナモイル基、テトラヒドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基が好ましい。
3又はR4が示す水酸基の保護基としては、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアシル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1-6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシリル基又は置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシンナモイル基がより好ましい。
3又はR4が示す水酸基の保護基としては、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシリル基がさらに好ましく、シリル基が一層好ましい。
3又はR4が示す水酸基の保護基としては、トリメチルシリル基が特に好ましい。
次に本発明の製造方法について説明する。
[1]チオアラビノースと保護基を有するチミンとの反応を含む保護された2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンの製造
本発明においては、クロロホルムを含む溶媒中において、下記式(1):
Figure 0006719369
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す)
で示される化合物と、下記式(2):
Figure 0006719369
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す)
で示される化合物とを反応させることによって、下記式(3):
Figure 0006719369
(式中、R1及びR2は上記と同義である)
で示される化合物を製造する。
上記式(3)で示される化合物は、αグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物として製造されるが、本発明の方法によれば、βグリコシル化体を高い選択性で製造することができる。
式(3)で示される化合物をαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物として製造する工程をグリコシル化反応工程とも言う。
クロロホルムを含む溶媒とは、クロロホルムを主成分とする溶媒であればよく、クロロホルム以外の他の溶媒が含まれていてもよいことを意味する。クロロホルムを含む溶媒におけるクロロホルムの含有量は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、より一層好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、さらに一層好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。
クロロホルムを含む溶媒に、クロロホルム以外の他の溶媒が含まれる場合、他の溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルムを除く)、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、カルボン酸、芳香族炭化水素類及び尿素類などが挙げられる。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、式(2)で示される化合物に対して、1.0〜50倍量(v/w)であればよく、1.0〜15倍量(v/w)が好ましい。
式(1)で示される化合物は、下記式(10):
Figure 0006719369
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水酸基の保護基を示し、Acはアセチル基を示す)で示される化合物に、HBrを反応させることにより製造することができる。上記反応により得られる式(1)で示される化合物は、反応後そのまま精製せずに次の反応に使用してもよいし、精製後に次の反応に使用してもよい。
式(2)で示される化合物は、適当な溶媒(例えば、トルエン)及び(NH42SO4の存在下において、チミンと、シリル化剤(例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)とを反応させることにより製造することができる。上記反応により得られる式(2)で示される化合物は、反応後そのまま精製せずに次の反応に使用してもよいし、精製後に次の反応に使用してもよい。
式(2)で示される化合物の使用量は、式(1)で示される化合物に対して、1〜10倍モル量であればよく、1〜5倍モル量が好ましく,1〜3倍モル量がより好ましい。
式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物との反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されないが、40℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましい。反応温度は、より具体的には、好ましくは40〜100℃であり、より好ましくは50〜100℃であり、より一層好ましくは55〜100℃であり、さらに好ましくは55〜85℃であり、特に好ましくは55〜80℃である。
式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物との反応の反応時間は、10分間〜50時間であればよく、1時間〜24時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
反応温度は、反応時間中で変化させてもよい。低温(例えば、45℃)で反応を開始し、徐々に昇温して所定の温度(例えば、70〜80℃の所定の温度)で維持して反応を完結させてもよい。
式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物との反応は、不活性気体(たとえば、窒素、アルゴン)雰囲気下で行うことが好ましく、窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
[2]αグリコシル化体を除去する分離精製
上記[1]の方法において、式(3)で示される化合物は、αグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物として得られる。本発明においては、上記混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において再結晶化する工程によって、上記混合物からαグリコシル化体を除去することができる。上記の通りαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において再結晶化し、αグリコシル化体を除去する工程のことを、分離精製工程とも言う。
メチルエチルケトンを含む溶媒とは、メチルエチルケトンを主成分とする溶媒であればよく、メチルエチルケトン以外の他の溶媒が含まれていてもよいことを意味する。メチルエチルケトンを含む溶媒におけるメチルエチルケトンの含有量は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、より一層好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、さらに一層好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。
メチルエチルケトンを含む溶媒に、メチルエチルケトン以外の他の溶媒が含まれる場合、他の溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類(メチルエチルケトンを除く)、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、カルボン酸、芳香族炭化水素類及び尿素類などが挙げられる。
メチルエチルケトンを含む溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、αグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物の質量の40倍量以下であり、より好ましくは上記混合物の質量の30倍量以下であり、さらに好ましくは上記混合物の質量の20倍量以下であり、さらに一層好ましくは上記混合物の質量の15倍量以下であり、特に好ましくは上記混合物の質量の10倍量以下である。メチルエチルケトンを溶媒として使用することによって、少ない溶媒の使用量であっても、αグリコシル化体を除去することができ、高純度のβグリコシル化体を得ることができる。
本発明においては、αグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において溶解した後、得られた溶液を冷却することによって、再結晶化を行うことができる。
αグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において溶解させるため、上記混合物と溶媒の温度を上げることが好ましい。本発明においては、上記混合物を、好ましくは60℃以上100℃以下(より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上)の温度で溶解した後、得られた溶液を冷却することによって、再結晶化を行うことが好ましい。溶液を冷却する際には、溶液を、好ましくは25℃以下の温度、例えば5〜10℃の温度まで冷却することができる。
上記の再結晶により得られる式(3)で示される化合物は、そのまま精製せずに次の反応に使用してもよいし、精製後に次の反応に使用してもよい。
[3]βグリコシル化体の脱保護
上記の[2]において得られるβグリコシル化体は、式(3)で示される化合物であり、水酸基が保護されている化合物である。
本発明においては、上記のβグリコシル化体の脱保護を行うことにより、化合物Aを製造することができる。βグリコシル化体を脱保護する工程を、脱保護工程とも言う。
脱保護の方法は、例えば国際公開WO1997/038001号又はプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、696〜926頁、2007年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,INC.)に記載された方法に準じて行えばよい。
好ましい脱保護としては、塩基を用いる方法が挙げられる。
この反応に使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類及び水が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、アルコール類及び水が挙げられ、アルコール類がより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、式(3)で示される化合物に対して、1.0〜50倍量(v/w)であればよく、1.0〜15倍量(v/w)が好ましい。
この反応に使用される塩基としては、アンモニア、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの無機塩基、及びアミン類などの有機塩基が挙げられる。
好ましい塩基としては、ジエチルアミン又はジメチルアミン等のアミン類が挙げられる。
塩基の使用量は、特に限定されないが、式(3)で表される化合物に対して、0.1〜50倍モルであればよく、1.0〜20倍モルがより好ましい。
反応温度は、0〜100℃であればよく、10〜70℃が好ましい。
反応時間は、5分間〜7日間であればよく、1〜24時間が好ましい。
上記の製造方法によって得られる化合物Aは、抽出、晶出などの通常の方法によって、単離精製することができる。
本発明による化合物Aの製造方法は、特に、工業的な大規模の合成に適している。
上記の方法によって得られる化合物には、水加物又はアルコール付加体が存在する場合があるが、本発明における化合物は、それらの何れでもよい。
上記の方法によって得られる化合物には、互変異性体又は鏡像異性体が存在する場合があるが、本発明における化合物は、それらの何れでもよい。
また、本発明における化合物について、結晶多形、塩、水和物又は溶媒和物が存在する場合、本発明における化合物は、それらの何れでもよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
略号は以下を示す。
TMS:トリメチルシリル
Ac:アセチル
Bz:ベンゾイル
MEK:メチルエチルケトン
Cat:触媒
Ca:約
AcOH:酢酸
AcOEt:酢酸エチル
MeOH:メタノール
Et2NH:ジエチルアミン
NMR:核磁気共鳴
CDCl3:重クロロホルム
DMSO:ジメチルスルホキシド
v/w:容量/重量
本実施例における化合物Aの合成経路をスキーム1に示す。化合物1及び化合物3を出発原料として全5工程で化合物Aを合成した。化合物2と化合物4のグリコシル化反応により生成する化合物5はβ/α混合物となる。β/α混合物を精製してαグリコシル化体を除去して化合物6を得た後、脱保護を行って化合物Aを得た。
スキーム1:
Figure 0006719369
(使用分析機器及び分析条件)
<化合物5及び化合物6の合成>
(1)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定装置:LC−10(島津製作所)
カラム:ODS−100Z(4.6×150mm)(東ソー)
カラム温度:40℃
溶離液A:H2O/HCOOH=1000/1
溶離液B:アセトニトリル/HCOOH=1000/1
勾配条件:溶離液Bの濃度:0−0.01 分(60%),0.01−17.5分(60%→95%),17.5−22.5分(95%)
流速:1.0mL/分
波長:260nm
注入量:20μL
(2)超高速液体クロマトグラフィー 測定装置:ACQUITY UPLC (Waters)
カラム:BEH C18(2.1×30mm)(Waters)
カラム温度:40℃
溶離液A:H2O/HCOOH=1000/1
溶離液B:アセトニトリル/HCOOH=1000/1
勾配条件:溶離液Bの濃度:0−2 分(5%→95%),2−3分(95%)
流速:0.5mL/分
波長:254nm
注入量:1μL
(3)核磁気共鳴装置: AV400(BRUKER)
<化合物Aの合成>
(1)HPLC解析装置:LC−10(島津製作所)
UV検出器:LC−10AMT/SPD−M10A
カラム:ODS−100Z(4.6×150 mm)(東ソー)
カラム温度:40 ℃
溶離液A:H2O/HCOOH=1000/1
溶離液B:アセトニトリル/HCOOH=1000/1
勾配条件:溶離液B濃度:0−0.01分(60%)→17.50分(95%)→22.5分(95%)
流速:1.0mL/分
波長:260nm
注入量:20μL
(2)核磁気共鳴装置: AV30(BRUKER)
合成例1:化合物2の合成
5Lフラスコ中、メカニカルスターラーで撹拌しながら化合物1(国際公開WO2014/027658号公報の実施例22に記載)(350.0g、0.8365mol)をCH2Cl2(1400mL)に溶解させ、10℃以下に冷却した。この溶液に対し、30%HBr in AcOH(451.2g、1.673mol)を滴下漏斗から1時間以上かけて添加した後、15〜25℃で1時間反応を行った。1H NMRによる反応終点確認後、反応液を10℃以下に冷却し、水道水(2800mL)を加えた。反応液を5分間以上撹拌した後、5L分液ロートに移液、静置し、有機層(下層)を元の5Lフラスコに抜き取った。5L分液ロートに残った水層(上層)にCH2Cl2(700mL)を加えて再抽出を行い、有機層(下層)を抜き取って先の有機層と合わせた。この有機層に対してNaHCO3(123.0g、1.464mol)と水道水(2800mL)から調製した炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、5分間以上撹拌した後、5L分液ロートに移液、静置した後、有機層(下層)を元の5Lフラスコに抜き取った。この有機層に対し水道水(2800mL)を加え、5分間以上撹拌した後、5L分液ロートに移液、静置した。有機層(下層)を風袋重量1625.6gの3Lフラスコに抜き取り、この有機層を内温38℃以下を維持しながら液重量が704.4gになるまで減圧濃縮した。この濃縮液にCHCl3(1050mL)を加えた後、内温38℃以下を維持しながら液重量が905.4gになるまで再度減圧濃縮した。この濃縮液にCHCl3を適量加えることで、化合物2の淡黄褐色溶液(1040.8g)を得た(化合物2のα/β=82/18、1H NMR)。この化合物2の溶液はそのまま化合物5の合成に用いた。
合成例2:化合物4の合成
メカニカルスターラーと水冷コンデンサーを備えた3Lフラスコ中で、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS;486.0g、3.011mol)、チミン(化合物3)(Aldrich社)(189.9g、1.506mol)、トルエン(700mL)及び(NH42SO4(5.53g、41.8mmol)の懸濁液を窒素気流(140±70mL/分)下、外温120℃で透明溶液になるまで加熱撹拌した。透明溶液になってから更に0.5時間反応を行い、フラスコ内の残存物重量が420g以下になるまで減圧濃縮を行った後、室温に冷却することで、393.4g(収率96.6%)の化合物4(淡黄褐色油状物)を得た。
実施例A1:化合物5の合成(グリコシル化反応)
合成例2で合成した化合物4に対し、合成例1で合成した化合物2の溶液を添加し、更に化合物2の溶液が入っていたフラスコをCHCl3(70mL)で洗浄し、この洗浄液を添加した。この溶液を窒素気流(140±70mL/分)下、63℃で22時間反応を行った。なお、化合物2の合成では、CH2Cl2を用いることからそのような溶媒が僅かに入ることもあるが、63℃で加熱することでCH2Cl2は揮発することから、本発明のグリコシル化反応はCHCl3溶媒中で進行していると言える。反応終点の確認後、この反応液を冷却し、CH2Cl2(1750mL)を加え、内温15℃に冷却した。
反応終点の確認は、
(化合物2の面積値)/[(化合物2の面積値)+(化合物5の面積値)]≦2.0%(HPLC)
を満たすことを確認することで行った。
反応液に水道水(105mL)を滴下した後、加熱還流を5分間以上行い、化合物5を溶解させた。この溶液を30±5℃になるまで冷却し、185mmヌッチェにて不溶物を濾別した。この不溶物をCH2Cl2(700mL×2)で洗浄し、濾過母液と洗浄液をあわせ、化合物5のCH2Cl2溶液を得た。この濾過母液にCH2Cl2(700mL)及び水道水(945mL)を加えて固体の溶解を確認した後、5分間以上撹拌し、溶液を5L分液ロートに移液し、静置した。有機層(下層)を元の5Lフラスコに抜き取り、この有機層に水道水(2800mL)を加えた後、重曹水(NaHCO3(1.5g)と水道水(30mL)から調製)で水層のpHを6.0〜8.0に調整した。溶液を5分間以上撹拌し、5L分液ロートに移液し、静置した。有機層(下層)を元の5Lフラスコに抜き取り、この有機層に水道水(2800mL)を加え、5分以上撹拌し、溶液を5L分液ロートに移液し、静置した。有機層(下層)を晶析用の5Lフラスコに抜き取り、内温が50℃に到達するまで常圧濃縮した。この濃縮液にAcOEt(2100mL)を添加し(添加途中で結晶が析出)、フラスコ内の液重量が1505.2gになるまで常圧濃縮した後、適量のAcOEtを加え1664gの懸濁液を得た。この懸濁液を5分間以上加熱還流した後、1時間以上かけて内温10℃まで徐冷却し、氷浴上で更に1時間以上撹拌した。析出した結晶を150mmヌッチェにて濾取し、5℃以下に冷却したAcOEt(525mL)で洗浄して化合物5の湿固体328.4gを得た。この湿固体を減圧乾燥器(50℃)にて4時間以上乾燥することで、化合物5を白色粉末(325.7g)として得た(収率80.4%)。β体及びα体のHPLC面積比(260nm)は74:26であった。
上記した化合物5の合成を全部で5バッチ行い、1636gの化合物5を得た(収率80.8%)。
実施例B1:化合物6の生成(分離精製、脱保護)
冷却管を備えた5Lフラスコ中、メカニカルスターラーで撹拌しながら実施例A1で合成された化合物5(460g、0.949mol)に対し2−ブタノン(MEK(メチルエチルケトン)とも言う;4600mL、10v/w)を加え、80〜82℃で加熱還流して結晶を完全に溶解させた。この溶液を64℃まで冷却し、化合物6の種結晶(0.46g、0.1質量%)を加え、内温56〜64℃で20分間以上撹拌した。この晶析溶液を1時間以上かけて内温10℃まで徐冷却し、内温5〜10℃で更に1時間以上撹拌した。析出した結晶を150mmヌッチェを用いて濾取し、10℃以下に冷却したAcOEt(960ml)で結晶を洗浄することで、化合物6の湿結晶325.9gを得た。この湿結晶を4時間以上真空乾燥(50℃、≦20mmHg)(101325パスカル=760mmHg)することにより、化合物6を無色結晶(276.9g)として得た(収率60.2%)。本結晶中の化合物6のHPLC面積%(波長λ=260nm)は99.4%であった。
化合物6のデータ:
1H NMR (CDCl3) δ: 8.30 (br, 1H), 8.14-8.01 (m, 4H), 7.74-7.70 (m, 1H), 7.67-7.57 (m, 2H), 7.53-7.44 (m, 4H), 6.79 (dd, J1 = 24.6 Hz, J2 = 3.6 Hz, 1H), 5.91-5.84 (m, 1H), 5.29 (ddd,5.92 (1H, ddd, J1 = 49.5 Hz, J2 = 3.6 Hz, J3 = 2.1 Hz), 4.79-4.63 (m, 2H), 4.02 (dd, J1 = 7.5 Hz, J2 = 7.5 Hz, 1H), 1.96 (s, 3H).
上記した化合物6の合成を合計3バッチ行い、808gの化合物6を得た(収率59.0%)。
実施例C1:化合物Aの合成
メカニカルスターラーと冷却管を備えた3Lフラスコ中、化合物6(350g、0.722mol)、MeOH(2100mL)、Et2NH(528g、7.22mol)を混合し懸濁液とし、窒素気流下で5時間以上加熱還流させた。反応終点の確認後、均一となった反応液を28℃まで冷却し、125mmヌッチェにて除塵濾過を行った。
反応終点の確認は、
(化合物Aの面積値)/[(化合物Aの面積値)+(反応中間体の面積値)+(化合物6の面積値)]≧99.0%(HPLC)
を満たすことを確認することで行った。
反応に用いたフラスコ及びヌッチェをMeOH(175mL)で洗浄し、濾過母液と合わせた。この溶液重量が786.7gになるまで減圧濃縮を行った後、AcOEt(3500mL)を添加し、化合物Aの結晶の析出が始まるまで常圧濃縮を行った(結晶析出時の液重量は1464.7g)。この懸濁液を10分間加熱還流した後、1時間以上かけて内温10℃まで徐冷却を行い、内温が10℃に到達してから更に1時間撹拌した。析出した結晶を125mmヌッチェにて濾取し、10℃以下に冷却したAcOEt(350mL)で洗浄することで化合物Aの湿結晶(194.3g)を得た。この湿結晶を4時間真空乾燥(設定温度:50℃)することにより、化合物Aを淡黄褐色結晶(178.5g)として得た(収率89.4%)。
化合物Aのデータ:
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.41 (br, 1H), 8.09 (s, 1H), 6.24 (dd, J1 = 8.7 Hz, J2 = 5.7 Hz, 1H), 5.92 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.44 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 5.00 (ddd, J1 = 50.1 Hz, J2 = 6.9 Hz, J3 = 6.9 Hz, 1H), 4.30-4.18 (m, 1H), 3.76-3.66 (m, 2H), 3.17 (dd, J1 = 10.8 Hz, J2 = 5.4 Hz, 1H), 1.79 (s, 3H).
上記した化合物Aの合成を合計2バッチ行い、化合物Aを無色結晶として合計359.9g得た(収率90.2%)。
実施例A2(グリコシル化反応)
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の反応時間を22時間から15時間に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。
化合物5の収率は、48%であった。β体及びα体のHPLC面積比(260nm)は74:26であった。
実施例A3
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の反応温度を63℃から55℃に変更し,反応時間を48時間に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。
化合物5の収率は、100%であった。β体及びα体のHPLC面積比(254nm)は74:26であった。
実施例A4
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の反応温度を63℃から75℃に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。
化合物5の収率は、97%であった。β体及びα体のHPLC面積比(254 nm) は62:38であった。
実施例A5
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の反応温度を63℃から85℃に変更し、反応時間を14時間に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。
化合物5の収率は、97%であった。β体及びα体のHPLC面積比(254nm)は65:35であった。
実施例A6:化合物5の合成(グリコシル化反応)
実施例A1における化合物2と化合物4との反応において、反応条件を次のように変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。即ち、実施例A6においては、反応温度を段階的に昇温(50℃で3時間、60℃で3時間、70℃で4時間、75℃で6時間、80℃で5時間)して反応させた。反応終点をHPLCで確認し、実施例A1と同様の方法で後処理を行って化合物5を単離したところ、β体及びα体のHPLC面積比(260nm)は7:3であった。
実施例A7:化合物5の合成(グリコシル化反応)
実施例A1における化合物2と化合物4との反応において、反応条件を次のように変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。即ち、実施例A7においては、45℃から70℃まで徐々に昇温して14時間反応させた後、70〜75℃で更に8時間反応させた。反応終点をHPLCで確認し,実施例A1と同様の方法で後処理を行って化合物5を単離したところ,β体及びα体のHPLC面積比(260nm)は7:3であった。
比較例A1
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の溶媒をCHCl3からトルエンに変更し、反応温度を85℃、反応時間を14時間に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。
化合物5の収率は、27%であった。β体及びα体のHPLC面積比(260nm)は48:52であった。
比較例A2
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の溶媒をCHCl3からトルエンに変更し、反応温度を100℃、反応時間を8時間に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。
化合物5の収率は定量的であったが,β体及びα体のHPLC面積比(260nm)は33:67であった。
比較例A3
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の溶媒をCHCl3から1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)に変更し、反応温度を75℃、反応時間を9時間に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5を合成した。
化合物5の収率は、35%であった。β体及びα体のHPLC面積比(260nm)は57:43であった。
比較例A4
実施例A1において化合物2と化合物4との反応の溶媒をジクロロメタンに変更し、反応温度を42℃に変更したこと以外は、実施例A1と同様にして、化合物5の合成を試みたが、反応は進行しなかった。
比較例B1(分離精製、脱保護)
冷却管を備えたフラスコ中、磁気スターラーで撹拌しながら化合物5(2.00g,4.13mmol、β体:α体=74:26)に対しアセトン(20mL、10v/w)を加え、55℃で加熱還流したが、化合物5は完全には溶解しなかった。
比較例B2
冷却管を備えたフラスコ中、磁気スターラーで撹拌しながら化合物5(2.00g,4.13mmol、β体:α体=74:26)に対しアセトン(30mL、15v/w)を加え、55℃で加熱還流したが、化合物5は完全には溶解しなかった。
比較例B3
冷却管を備えたフラスコ中、磁気スターラーで撹拌しながら化合物5(2.00g、4.13mmol、β体:α体=74:26)に対し多量のアセトン(40mL、20v/w)を加え、55℃で加熱還流し、化合物5を完全に溶解させた。この溶液を氷浴上で冷却し,30分間熟成させた後に、得られた結晶を濾過して乾燥させることで,化合物6を無色結晶として0.88g得た(収率41%)。本結晶中の化合物6のHPLC面積%(波長λ=260nm)は99.6%であった。
比較例B4
冷却管を備えたフラスコ中、磁気スターラーで撹拌しながら化合物5(500mg、1.03mmol、β体:α体=74:26)に対しアセトニトリル(5.0mL、10v/w)を加え、82℃で加熱還流したが、化合物5は完全には溶解しなかった。
比較例B5
冷却管を備えたフラスコ中、磁気スターラーで撹拌しながら化合物5(500mg、1.03mmol、β体:α体=74:26)に対しアセトニトリル(5.5mL、11v/w)を加え、82℃で加熱還流し、化合物5を完全に溶解させた。この溶液を室温まで冷却し,一晩熟成させた後に析出した固体を濾過して乾燥させることで,化合物6を無色結晶として370mg得た。β体及びα体のHPLC面積比(254nm)は74:26であった。この場合、β体の純度を高めることができなかった。
比較例B6
冷却管を備えたフラスコ中、磁気スターラーで撹拌しながら化合物5(500mg、1.03mmol、β体:α体=74:26)に対し酢酸エチル(5.0mL、10v/w)を加え、77℃で加熱還流したが、化合物5は完全には溶解しなかった。
比較例B7
冷却管を備えたフラスコ中、磁気スターラーで撹拌しながら化合物5(500mg、1.03mmol、β体:α体=74:26)に対し酢酸エチル(9.5mL、19v/w)を加え、77℃で加熱還流し、化合物5を完全に溶解させた。この溶液を室温まで冷却し,一晩熟成させた後に析出した固体を濾過して乾燥させることで,化合物6を無色結晶として260mg得た(収率52%)。β体及びα体のHPLC面積比(254nm)は100:0であった。

Claims (8)

  1. クロロホルムを含む溶媒中において、下記式(1):
    Figure 0006719369
    式中、R及びRはそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す:
    で示される化合物と、下記式(2):
    Figure 0006719369
    式中、R及びRはそれぞれ独立に水酸基の保護基を示す:
    で示される化合物とを反応させる工程を含む、下記式(3):
    Figure 0006719369
    式中、R及びRは前記と同義である:
    で示される化合物の製造方法(但し、R、R、R及びRが示す水酸基の保護基は、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1−6アルキル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアシル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアルC1−6アルコキシカルボニル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシリル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいシンナモイル基、テトラヒドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基である。
    置換基群A:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいスルファモイル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC2−6アルケニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC2−6アルキニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリール基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリールオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアシル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アシルオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシカルボニルオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキルアミノ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいジ(C1−6アルキル)アミノ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキルチオ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−18シリル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい複素環式基、オキソ基;
    置換基群B:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、C1−6アルキル基、アリール基、C1−6アルコキシ基、複素環式基、オキソ基)。
  2. 前記式(1)で示される化合物と、前記式(2)で示される化合物との反応の反応温度が40〜100℃である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記式(1)で示される化合物と、前記式(2)で示される化合物との反応の反応温度が55〜80℃である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記式(1)で示される化合物と、前記式(2)で示される化合物との反応を、窒素雰囲気下で行う、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の方法により、式(3):
    Figure 0006719369
    式中、R及びRは請求項1と同義である:
    で示される化合物をαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物として製造するグリコシル化反応工程:
    前記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において再結晶化し、αグリコシル化体を除去する分離精製工程:及び、
    前記のβグリコシル化体を脱保護する脱保護工程:
    を含む2’−フルオロ−5−メチル−4’−チオアラビノウリジンの製造方法。
  6. 前記分離精製工程のメチルエチルケトンを含む溶媒の使用量が、前記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物の質量の40倍量以下である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記分離精製工程のメチルエチルケトンを含む溶媒の使用量が、前記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物の質量の20倍量以下である、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記分離精製工程において、前記のαグリコシル化体とβグリコシル化体との混合物を、メチルエチルケトンを含む溶媒中において60℃以上の温度で溶解した後、得られた溶液を冷却することによって、再結晶化を行う、請求項5から7の何れか一項に記載の方法。
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