以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F及び矢印Bで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向及び後方向と定義して説明を行う。
以下では、本発明の一実施形態に係るバルブ装置100について説明する。
まず、図1を参照してバルブ装置100が設けられるエンジン1の構成及びエンジン1におけるオイルの流れについて簡単に説明する。
エンジン1は、4つの気筒を具備する直列4気筒型である。エンジン1は、オイルポンプ11、オイルフィルタ12、メインギャラリ13、メインメタル/コンロッドメタル14、オイル通路15、ピストンジェット16、チェーンジェット17、チェーンテンショナー18、可変バルブタイミング機構(VVT)19、ラッシュアジャスタ(HLA)20、カムジャーナル21、カムシャワー22及びバルブ装置100を具備する。
オイルポンプ11は、オイルパン(不図示)に貯溜されたオイルを吸入すると共に、当該オイルを下流側へ圧送する。オイルポンプ11は、エンジン1によって当該エンジン1の回転数に応じた回転数で駆動される。オイルポンプ11の下流側には、オイルフィルタ12が配置される。オイルフィルタ12は、オイルから異物や不純物等を取り除く。
オイルフィルタ12を流通したオイルは、メインギャラリ13を流通する。メインギャラリ13を流通したオイルは、メインメタルやコンロッドメタル(メインメタル/コンロッドメタル14)へと送られる。メインメタル/コンロッドメタル14は、クランク軸(不図示)を支持する。
また、オイルフィルタ12を流通したオイルは、オイル通路15を流通する。オイル通路15を流通したオイルは、ピストンジェット16へと送られる。ピストンジェット16は、ピストン(不図示)にオイルを噴射する。また、オイル通路15におけるピストンジェット16の上流側には、バルブ装置100が配置される。バルブ装置100は、ピストンジェット16へのオイルの供給と停止を切り替え制御する。
また、オイルフィルタ12を流通したオイルは、適宜のオイル通路を流通して、チェーンジェット17、チェーンテンショナー18、可変バルブタイミング機構19、ラッシュアジャスタ20、カムジャーナル21及びカムシャワー22へと送られる。
以下では、図2から図4を用いて、バルブ装置100の構成について説明する。
バルブ装置100は、下流側(本実施形態においては、ピストンジェット16)へと送られるオイルの供給と停止を切り替え制御するものである。バルブ装置100は、主としてハウジング110、流入部120、隔壁部130、バルブ140、スプリング150、ソレノイド部160及びプラグ170を具備する。
なお、バルブ装置100は、オイルが下流側へと送られるのを許可する開弁状態と、オイルが下流側へと送られるのを規制する閉弁状態と、を切り替え可能に構成される。以下では、バルブ装置100が開弁状態であるものとして、各部材の配置や構成等の説明を行う。
図2から図4に示すハウジング110は、バルブ装置100を構成する種々の部材を収容するものである。ハウジング110は、略円筒状に形成される。ハウジング110は、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。ハウジング110は、貫通孔111、流出孔112及びドレイン孔113を具備する。
図3及び図4に示す貫通孔111は、ハウジング110を軸線方向(前後方向)に貫通する孔である。貫通孔111は、ハウジング110と軸線が重複するように形成される。貫通孔111は、段差部114、段差部115、絞り部116及び貫通孔テーパ部117を具備する。
図3に示す段差部114は、段になっている部分(段差部分)である。段差部114は、貫通孔111の前後方向略中央部よりも前方(後述する段差部115よりも前方であって、貫通孔111の前端部)に形成される。段差部114は、貫通孔111の前端部を拡径させることで形成される。段差部114は、貫通孔111の周方向に沿って形成される。
図3に示す段差部115は、段になっている部分(段差部分)である。段差部115は、貫通孔111の前後方向略中央部よりも若干前方に形成される。段差部115は、その壁面を前方へ向けて形成される。
図4に示す絞り部116は、内径が小さく形成された部分である。絞り部116は、貫通孔111の前後方向略中央部よりも若干後方に形成される。絞り部116は、その他の部分(当該絞り部116よりも前後方の部分)よりも内径が小さくなるように形成される。絞り部116は、貫通孔111と軸線が重複するように形成される。
図4に示す貫通孔テーパ部117は、テーパ状に形成された部分である。貫通孔テーパ部117は、貫通孔111の後部(絞り部116よりも後方)に形成される。貫通孔テーパ部117は、後方から前方に行くに従って(絞り部116に近接するに従って)縮径することにより先細り状に形成される。貫通孔テーパ部117は、貫通孔111と軸線が重複するように形成される。
図3に示す流出孔112は、ハウジング110の周壁を径方向に貫通する孔である。流出孔112は、ハウジング110の前側端部(軸線方向の一側端部)に形成される。より詳細には、流出孔112は、前後方向における段差部114と段差部115との間に配置される。流出孔112は、ハウジング110の内部と外部とを連通する。流出孔112は、ハウジング110の上部、下部、左部(図3の紙面手前側)及び右部(図3の紙面奥側)に4つ設けられる。流出孔112は、後述するように、ハウジング110の内部のオイルを外部(より詳細には、オイル通路15の下流側)へと流出させる。なお、4つの流出孔112は、ハウジング110の外周面に周方向に沿って形成された鉢巻溝112aを介して、当該ハウジング110の外部において連通される。
図3に示すドレイン孔113は、ハウジング110の周壁を径方向に貫通する孔である。ドレイン孔113は、ハウジング110の前後方向略中央部に配置される。より詳細には、ドレイン孔113は、前後方向における段差部115と絞り部116との間に配置される。ドレイン孔113は、ハウジング110の内部と外部とを連通する。ドレイン孔113は、ハウジング110の上部と下部とに2つ設けられる。ドレイン孔113は、後述するように、ハウジング110の内部のオイルを外部(より詳細には、前記オイルパン)へと流出(ドレイン)させる。なお、2つのドレイン孔113は、ハウジング110の外周面に周方向に沿って形成された鉢巻溝113aを介して、当該ハウジング110の外部において連通される。
図2及び図3に示す流入部120は、略円環状に形成された板状の部材である。流入部120の外径は、貫通孔111の段差部114の内径と略同一に形成される。流入部120は、段差部114に圧入されて取り付けられる。こうして、流入部120は、板面を前後方向へ向けた状態でハウジング110に取り付けられる。また、流入部120は、貫通孔111(ハウジング110)の前端部に配置される。流入部120は、流入孔121を具備する。
図3に示す流入孔121は、流入部120を前後方向に貫通する孔である。流入孔121は、側面断面視で流入部120の略中央に形成される。流入孔121は、ハウジング110の内部と外部とを連通する。流入孔121の径は、後述するバルブ140の前壁部142の外径よりも小さく形成される。流入孔121は、貫通孔111と軸線が重複するように形成される。流入孔121は、後述するように、ハウジング110の外部のオイルを内部(後述する空間R1)へと流入させる。
こうして、貫通孔111の前部には、流入部120と後述する隔壁部130とにより前後方向に区画された所定の空間(空間R1)が形成される。空間R1には、流出孔112の一端部(上流側端部)が接続されている。また、貫通孔111の前後方向略中央部には、隔壁部130と絞り部116とにより前後方向に区画された所定の空間(空間R2)が、空間R1の後方に隣接するように形成される。空間R2には、ドレイン孔113の一端部(上流側端部)が接続されている。
図2及び図3に示す隔壁部130は、ハウジング110の内部を区画する部材である。具体的には、隔壁部130は、ハウジング110の内部を、上述の如く前後方向に隣接する空間R1と空間R2とに区画する。隔壁部130は、略円筒状に形成される。隔壁部130は、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。隔壁部130の後部は、前部よりも外径が大きくなるように形成される。隔壁部130の後部の外径は、貫通孔111の段差部115の直ぐ前方の内径と略同一に形成される。隔壁部130は、段差部115の前方に配置され、当該段差部115と前後方向に当接した状態でハウジング110に固定される。隔壁部130は、隔壁貫通孔131を具備する。
図3に示す隔壁貫通孔131は、隔壁部130を前後方向に貫通する孔である。隔壁貫通孔131は、側面断面視で隔壁部130の略中央に形成される。隔壁貫通孔131は、隔壁部130の前側と後側と(すなわち、空間R1と空間R2と)を連通する。隔壁貫通孔131は、隔壁テーパ部132を具備する。
なお、隔壁貫通孔131の構成についての詳細な説明は後述する。
図3に示す隔壁テーパ部132は、隔壁貫通孔131のうち、テーパ状に形成された部分である。隔壁テーパ部132は、隔壁貫通孔131の後部に形成される。隔壁テーパ部132は、後端部から前方に行くに従って縮径することにより先細り状に形成される。隔壁テーパ部132は、貫通孔111と軸線が重複するように形成される。
図2及び図3に示すバルブ140は、前後方向へ往復動自在に形成されるものである。バルブ140は、筒状部141及び前壁部142を具備する。
図3に示す筒状部141は、略円筒状に形成された部材である。筒状部141は、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。筒状部141の外径は、貫通孔111(具体的には、空間R1を区画する部分)の内径と略同一に形成される。筒状部141の内径は、流入孔121の内径よりも若干大きく形成される。筒状部141の前後方向の長さは、前後方向において流出孔112と隔壁部130との間の長さよりも若干短く形成される。筒状部141は、外周溝143を具備する。
図3に示す外周溝143は、筒状部141の外周面から内径方向に凹状に形成された部分(溝)である。外周溝143は、筒状部141の前部に形成される。外周溝143の前後方向の長さ(幅)は、流出孔112の前後方向の長さ(径)よりも若干長く形成される。外周溝143は、筒状部141の周方向に沿って、略円環状に形成される。
図3に示す前壁部142は、略円環状に形成された板状の部材である。前壁部142は、筒状部141の前側を覆うように形成される。前壁部142は、板面を前後方向へ向けて配置される。前壁部142は、前壁流入孔144を具備する。
図3に示す前壁流入孔144は、前壁部142を前後方向に貫通する孔である。前壁流入孔144は、バルブ140(より詳細には、前壁部142)の前側と後側とを連通する。すなわち、前壁流入孔144は、空間R1内における後述するオイル流通空間R1bと油圧制御空間R1aとを連通する。
なお、前壁流入孔144の構成についての詳細な説明は後述する。
こうして、バルブ140は、筒状部141及び前壁部142により、前側が閉塞されると共に後側が開口された有底筒状に形成される。バルブ140は、軸線方向を前後方向へ向けて、空間R1に配置される。バルブ140は、貫通孔111と軸線が重複するよう形成される。バルブ140は、空間R1に対して前後方向に往復動自在に構成される。
なお、開弁状態である場合、図3に示すように、バルブ140は、最も後方へ移動した位置に配置される。バルブ140が最も後方に配置されると(開弁状態であると)、当該バルブ140は隔壁部130と当接される。また、バルブ140の前端部(前壁部142)は、前後方向において流出孔112の後方に配置される。
また、バルブ140は、空間R1の内部を、前壁部142よりも後方の空間(バルブ140の内部の空間)と、前壁部142よりも前方の空間(バルブ140の外部の空間)と、に区画する。以下では、空間R1のうちバルブ140の内部の空間を、「油圧制御空間R1a」と称する。また、空間R1のうちバルブ140の外部の空間を、「オイル流通空間R1b」と称する。このように、オイル流通空間R1bと油圧制御空間R1aとは、バルブ140の前壁部142を介して前後方向に隣接して形成される。
なお、オイル流通空間R1bは、流出孔112と接続された空間である。また、油圧制御空間R1aは、流出孔112と接続されない空間である。
図2及び図3に示すスプリング150は、金属製の圧縮コイルスプリングである。スプリング150は、圧縮された状態で、バルブ140の内側(油圧制御空間R1aの内部)に配置される。より詳細には、スプリング150は、バルブ140の前壁部142と隔壁部130との間に配置される。こうして、スプリング150は、バルブ140を常に前方へ付勢している。
図2及び図4に示すソレノイド部160は、バルブ140を移動させるためのものである。ソレノイド部160は、ハウジング110の後部に形成される。ソレノイド部160は、ケース161、ボビン162、コイル163、プランジャ164、シャフト165及びスプリング166を具備する。
図4に示すケース161は、ソレノイド部160を構成する種々の部材を収容するものである。ケース161は、第一ケース161a及び第二ケース161bを具備する。第一ケース161aは、後端部が閉塞された略円筒状に形成される。第二ケース161bは、第一ケース161aの外側で、略円筒状に形成される。第一ケース161a及び第二ケース161bは、互いに接続されて一体的に形成される。
図4に示すボビン162は、略円筒状に形成される部材である。ボビン162は、ケース161の第二ケース161bの内部に収容される。ボビン162は、前端部及び後端部に外径方向に延びるフランジを具備する。
図4に示すコイル163は、銅線によって構成される。コイル163は、ボビン162の外周面に嵌装される。コイル163は、図示せぬ電源と接続される。コイル163は、前記電源からの電流によって磁界を発生させることができる。
図4に示すプランジャ164は、略円筒状に形成される部材である。プランジャ164は、貫通孔111の後部(より詳細には、絞り部116よりも後方の部分)であって、コイル163の内側に配置される。プランジャ164の後部は、ケース161の第一ケース161aの内部に収容される。プランジャ164は、貫通孔111と軸線が重複するように形成される。プランジャ164は、前後方向に往復動自在に配置される。プランジャ164は、コイル163によって磁界が発生すると、吸引されて貫通孔111の後部を前方へ摺動する。プランジャ164は、プランジャテーパ部167を具備する。
図4に示すプランジャテーパ部167は、テーパ状に形成された部分である。プランジャテーパ部167は、プランジャ164の前部の外周面に形成される。プランジャテーパ部167は、後方から前方(前端部)に行くに従って縮径することにより先細り状に形成される。プランジャテーパ部167は、側面断面視において貫通孔テーパ部117と略同一の方向に沿って延びる傾斜面となるように形成される。
なお、開弁状態である場合、図4に示すように、プランジャ164は、貫通孔111の後部において、最も後方へ移動した位置に配置される。プランジャ164が最も後方に配置されると(開弁状態であると)、当該プランジャ164の後端部は第一ケース161aの後端部と当接される。なお、この状態においては、プランジャ164のプランジャテーパ部167は、貫通孔111の貫通孔テーパ部117と離間した状態となる。
図3及び図4に示すシャフト165は、略円柱状の部材である。シャフト165は、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。シャフト165の前後方向略中央部は、貫通孔111の絞り部116の内側に配置される。シャフト165の外径は、貫通孔111の絞り部116の内径と略同一に形成される。こうして、シャフト165は、絞り部116により前後方向に摺動自在に支持される。シャフト165の後端部は、貫通孔111の後部に配置され、プランジャ164に固定される。こうして、シャフト165は、プランジャ164の摺動と共に前後方向に摺動可能に構成される。
また、シャフト165の前端部は、前方へ向けて凸となる曲面状に形成される。シャフト165の前端部は、当該シャフト165の摺動にかかわらず常に空間R2に配置される。シャフト165の前端部は、隔壁部130の隔壁テーパ部132と前後方向に対向するように形成される。なお、開弁状態である場合、シャフト165の前端部は、隔壁部130の隔壁テーパ部132と前後方向に離間した状態(開放状態)で配置される。
図4に示すスプリング166は、金属製の圧縮コイルスプリングである。スプリング166は、圧縮された状態で、絞り部116とプランジャ164との間に配置される。こうして、スプリング166は、プランジャ164を常に後方へ付勢する。なお、開弁状態である場合、スプリング166の付勢力によって、プランジャ164は最も後方へ移動した位置(プランジャ164の後端部が第一ケース161aの後端部と当接された状態)に配置される。
図2及び図4に示すプラグ170は、略円環状に形成される部材である。プラグ170は、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。プラグ170は、ハウジング110に後方から圧入され、当該ハウジング110によってかしめられて固定される。これによって、プラグ170は、ハウジング110に取り付けられる。プラグ170は、ハウジング110に取り付けられると、ソレノイド部160を後方から支持すると共に、貫通孔111を後方から閉塞する。
上述の如く構成されたバルブ装置100は、図2に示すように、オイル通路15に配置される。具体的には、バルブ装置100は、その前部がオイル通路15の中途部に挿入された状態で、当該オイル通路15が設けられている所定の壁部(以下では「壁部200」と称する)に取り付けられる。なお以下では、オイル通路15のうち、バルブ装置100よりも上流側に配置される部分を、上流側通路15aと称する。また、オイル通路15のうち、バルブ装置100よりも下流側(ピストンジェット16側)に配置される部分を、下流側通路15bと称する。
バルブ装置100がオイル通路15に配置されると、上流側通路15aの下流側(後側)端部が当該バルブ装置100のハウジング110の前端部と接続される。なお、ハウジング110の前端部には、流入部120が配置されている。ここで、流入部120の流入孔121は、上述の如くハウジング110の内部(より詳細には、空間R1)と外部とを連通するものである。すなわち、上流側通路15aと空間R1とは、流入部120の流入孔121を介して連通されている。
また、バルブ装置100がオイル通路15に配置されると、下流側通路15bの上流側(下側)端部が当該バルブ装置100のハウジング110の前上部と接続される。なお、ハウジング110の前上部には、合計4つ設けられた流出孔112のうち1つ(上側)の流出孔112が配置されている。ここで、流出孔112は、上述の如くハウジング110の内部(空間R1)と外部とを連通するものである。すなわち、下流側通路15bと空間R1とは、流出孔112を介して連通されている。
このように、上流側通路15a(オイル通路15)と、バルブ装置100の空間R1と、下流側通路15b(オイル通路15)とは、互いに連通されている。
また、バルブ装置100がオイル通路15に配置されると、壁部200に形成されたドレイン通路210の上流側(上側)端部が、当該バルブ装置100のハウジング110の前後方向略中央下部と接続される。なお、ハウジング110の前後方向略中央下部には、2つ設けられたドレイン孔113のうち一方(下側)のドレイン孔113が配置されている。ここで、ドレイン孔113は、上述の如くハウジング110の内部(空間R2)と外部とを連通するものである。すなわち、バルブ装置100の空間R2とドレイン通路210とは、ドレイン孔113を介して連通されている。
なお、バルブ装置100がオイル通路15に配置されると、4つ設けられた流出孔112のうち他(下側、左側及び右側)の流出孔112、及び2つ設けられたドレイン孔113のうち他方(上側)のドレイン孔113と対向する部分には、壁部200の壁面が配置される。
こうして、下側、左側及び右側の流出孔112からハウジング110の外部へと流出されたオイルは、鉢巻溝112aを介して、上側の流出孔112側へと流通される。これによって、下側、左側及び右側の流出孔112から流出されたオイルは、上側の流出孔112から流出されたオイルと共に、下流側通路15bへと流通される。また、上側のドレイン孔113からハウジング110の外部へと流出されたオイルは、鉢巻溝113aを介して、一方の(下側)のドレイン孔113側へと流通される。これによって、上側のドレイン孔113から流出されたオイルは、下側のドレイン孔113から流出されたオイルと共に、ドレイン通路210へと流通される。
以下では、図1、図4及び図5を用いて、開弁状態である場合の、バルブ装置100におけるオイルの流通態様、及びバルブ140に作用する荷重について説明する。
開弁状態である場合、上流側通路15aを流通するオイルは、流入部120の流入孔121を介してバルブ装置100の内部(空間R1)に流入する。なお、開弁状態である場合、流入部120と隣接する空間(空間R1)は、前壁部142よりも前方の空間(バルブ140の外部の空間)である。すなわち、流入孔121を介して空間R1に流入したオイルは、当該空間R1のうち、オイル流通空間R1bに流入することとなる。
また、オイル流通空間R1bに流入したオイルの一部は、前壁流入孔144を介してバルブ140の内部(油圧制御空間R1a)に流入する。ここで、開弁状態である場合、シャフト165は、隔壁テーパ部132と離間した状態で配置されている。すなわち、油圧制御空間R1aと空間R2とは、シャフト165と隔壁テーパ部132との間を介して、連通されている。したがって、油圧制御空間R1aに流入したオイルは、空間R2に流入する。空間R2に流入したオイルは、ドレイン孔113を介して外部へドレインされる。
このように、開弁状態である場合、油圧制御空間R1aに流入したオイルはドレインされることになるため、当該油圧制御空間R1aの内部の油圧は上昇し難い。具体的には、開弁状態である場合、油圧制御空間R1aの内部の油圧(後述する油圧P2)は、上流側通路15aから供給される油圧(後述する油圧P1)よりも小さくなる。
なお、以下では、上流側通路15aから供給される油圧(供給油圧)を油圧P1と称し、当該油圧P1によりバルブ140に作用する荷重を荷重Fp1と称する。荷重Fp1は、バルブ140を後方へ押圧するように作用する。また、油圧制御空間R1aの内部のオイルの圧力(制御空間内圧力)を油圧P2と称し、当該油圧P2によりバルブ140に作用する荷重を荷重Fp2と称する。荷重Fp2は、バルブ140を前方へ押圧するように作用する。また、スプリング150によりバルブ140に作用する荷重を荷重Fspと称する。荷重Fspは、バルブ140を前方へ押圧するように作用する。
こうして、開弁状態である場合、油圧P1によりバルブ140に作用する荷重Fp1と、油圧P2によりバルブ140に作用する荷重Fp2と、スプリング150によりバルブ140に作用する荷重Fspとは、以下の数式1の関係を満たすこととなる。
(数1)
荷重Fp1>荷重Fp2+荷重Fsp
この数式1の関係を満たした状態において、バルブ140は、摺動可能な範囲の最も後方に位置すると共に、この位置が維持される。
また、開弁状態である場合、流出孔112がオイル流通空間R1bと連通した状態であるため、オイル流通空間R1bに流入したオイルの一部(油圧制御空間R1aに流入するオイル以外のオイル)は、流出孔112を介して下流側通路15bに流出する。
以上のように、開弁状態である場合、バルブ装置100は、供給された一部のオイルをドレインする一方で、残りのオイルを下流側(ピストンジェット16)へと送る。
以下では、図6から図8を用いて、開弁状態から閉弁状態へと切り替える場合の、バルブ装置100におけるバルブ140の動作、オイルの流通態様、及びバルブ140に作用する荷重について説明する。
開弁状態から閉弁状態へと切り替える場合、前記電源からソレノイド部160のコイル163に電流が供給される。コイル163に電流が供給されると、コイル163は磁界を発生させる。図6に示すように、磁界が発生すると、プランジャ164は、前方へ吸引され、スプリング166の付勢力に抗って貫通孔111の後部を前方へ摺動する。なお、プランジャ164の前方への摺動は、後述するように、シャフト165が隔壁部130の隔壁テーパ部132に当接すると終了する。
また、図7に示すように、プランジャ164が前方へ摺動すると、当該プランジャ164に固定されたシャフト165も同様に前方へ摺動する。シャフト165の前方への摺動は、当該シャフト165が隔壁部130の隔壁テーパ部132に当接した状態(閉鎖状態)になると終了する。こうして、シャフト165が隔壁部130の隔壁テーパ部132に当接すると、隔壁貫通孔131がシャフト165によって閉塞される。すなわち、油圧制御空間R1a(空間R1)と空間R2との連通が解消される。
このように、油圧制御空間R1aと空間R2との連通が解消されると、油圧制御空間R1aに流入したオイルはドレインされない。こうして、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2は上昇し易くなる。具体的には、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2は、上流側通路15aから供給される油圧P1と略同一となる。
こうして、図8に示すように、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2が、上流側通路15aから供給される油圧P1と略同一となり、油圧P1によりバルブ140に作用する荷重Fp1と、油圧P2によりバルブ140に作用する荷重Fp2と、スプリング150によりバルブ140に作用する荷重Fspとが、以下の数式2の関係を満たした場合に、バルブ140は、摺動可能な範囲の最も後方の位置から前方へと摺動を開始する。
(数2)
荷重Fp1<荷重Fp2+荷重Fsp
この数式2の関係を満たした状態において、バルブ140は、前方へと摺動した後、摺動可能な範囲の最も前方(バルブ140の前壁部142が流入部120と当接した位置)に位置すると共に、この位置が維持される。
このように、開弁状態から閉弁状態へと切り替えると、前壁部142よりも前方の空間(バルブ140の外部の空間)が無くなるため、流入部120と隣接する空間(空間R1)は、前壁部142よりも後方の空間(バルブ140の内部の空間)となる。すなわち、閉弁状態である場合、空間R1において、オイル流通空間R1bが無くなり、油圧制御空間R1aだけが存在することとなる。ここで、油圧制御空間R1aは、流出孔112と接続されない空間である。すなわち、上流側通路15aを流通するオイルは、下流側通路15bに流出しない。
以上のように、開弁状態から閉弁状態へと切り替えると(閉弁状態である場合)、バルブ装置100は、供給されたオイルをドレインせず、また下流側(ピストンジェット16)へも送らない。
以下では、閉弁状態から開弁状態へと切り替える場合の、バルブ装置100におけるバルブ140の動作、オイルの流通態様、及びバルブ140に作用する荷重について説明する。
閉弁状態から開弁状態へと切り替える場合、前記電源からソレノイド部160のコイル163への電流の供給が停止される。コイル163への電流の供給が停止されると、コイル163から発生されていた磁界が消失する。磁界が消失すると、プランジャ164は、スプリング166の付勢力に応じて貫通孔111の後部を後方へ摺動する。プランジャ164の後方への移動は、プランジャ164の後端部が第一ケース161aの後端部と当接すると終了する(図4参照)。
また、プランジャ164が後方へ摺動すると、当該プランジャ164に固定されたシャフト165も同様に後方へ摺動する。シャフト165が後方へ摺動すると、シャフト165が隔壁部130の隔壁テーパ部132から離間することとなる(図3参照)。こうして、シャフト165が隔壁部130の隔壁テーパ部132から離間すると、油圧制御空間R1a(空間R1)と空間R2とが連通される。したがって、油圧制御空間R1aの内部のオイルは、シャフト165と隔壁テーパ部132との間を介して、空間R2に流入する。空間R2に流入したオイルは、ドレイン孔113を介して外部へドレインされる。
このように、油圧制御空間R1a(空間R1)と空間R2とが連通されると、油圧制御空間R1aに流入したオイルはドレインされる。こうして、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2は下降し易くなる。具体的には、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2は、上流側通路15aから供給される油圧P1と略同一の状態から、当該油圧P1よりも小さくなる。
こうして、油圧制御空間R1aの内部のオイルの油圧P2が、上流側通路15aから供給される油圧P1よりも小さくなると、油圧P1によりバルブ140に作用する荷重Fp1と、油圧P2によりバルブ140に作用する荷重Fp2と、スプリング150によりバルブ140に作用する荷重Fspとは、上述の如き数式1の関係を満たすこととなる。
すなわち、この数式1の関係を満たした状態において、バルブ140は、後方へと摺動した後、摺動可能な範囲の最も後方に位置すると共に、この位置が維持される。
なお、バルブ140の後方への移動に伴って、流入部120と隣接する空間として、前壁部142よりも前方の空間(オイル流通空間R1b)が形成される。すなわち、バルブ140の後方への移動に伴って、流入孔121がオイル流通空間R1bを介して流出孔112と連通される。こうして、オイル流通空間R1bに流入したオイルの一部(油圧制御空間R1aに流入するオイル以外のオイル)は、流出孔112を介して下流側通路15bに流出する。
以上のように、閉弁状態から開弁状態へと切り替えると(開弁状態である場合)、バルブ装置100は、供給された一部のオイルをドレインする一方で、残りのオイルを下流側(ピストンジェット16)へと送る。
ここで、閉弁状態から開弁状態へと切り替える際、オイルの温度(粘度)によっては以下で述べるような問題が生じるおそれがある。
例えば、閉弁状態から開弁状態へと切り替えるためにソレノイド部160への電流の供給が停止され、シャフト165が隔壁部130の隔壁テーパ部132から離間した場合を想定する。
この場合、前述のように油圧制御空間R1aが隔壁貫通孔131を介して空間R2と連通され、当該油圧制御空間R1aの内部の油圧P2は低下する。また、当該油圧制御空間R1aには、前壁流入孔144を介してオイルが流入してくる。
この際、オイルの温度(粘度)によっては、前壁流入孔144を介して当該油圧制御空間R1aに流入してくる際に縮流が発生する場合がある。当該縮流によって流速が増加したオイルが、その勢いのまま隔壁貫通孔131を介して空間R2へと流出してしまうと、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2は低下してしまう。油圧制御空間R1aの内部の油圧P2が低下すると、当該油圧P2によりバルブ140に作用する荷重Fp2も低下してしまう。
前記数式1から分かるように、荷重Fp2が低下すると、油圧P1によりバルブ140に作用する荷重Fp1が低くても当該数式1を満たすようになる。すなわち、油圧P1(荷重Fp1)が低くても、バルブ140が後方に摺動して開弁状態となる。
このように、油圧P1(荷重Fp1)が低くても開弁状態となる(開弁圧が低下する)と、バルブ装置100の開弁状態と閉弁状態の切り替えが適切に行われず、問題が生じる。
そこで、本実施形態においては、上述の如き問題が生じるのを回避するための構成を有している。なお、当該構成には、隔壁部130の隔壁貫通孔131、及びバルブ140の前壁流入孔144の構成が含まれる。
以下では、図9を用いて、隔壁部130の隔壁貫通孔131、及びバルブ140の前壁流入孔144の構成について詳細に説明する。
隔壁貫通孔131は、上述の如く隔壁部130を前後方向に貫通する孔である。隔壁貫通孔131は、貫通孔111と軸線が重複するように形成される。隔壁貫通孔131は、正面視で略円形状に形成される。隔壁貫通孔131は、正面視で隔壁部130の略中央に形成される。以下では、隔壁貫通孔131の孔径(直径)をDとする。
前壁流入孔144は、上述の如く前壁部142を前後方向に貫通する孔である。前壁流入孔144は、正面視で略円形状に形成される。以下では、前壁流入孔144の孔径(直径)をdとする。前壁流入孔144の孔径dは、隔壁貫通孔131の孔径D以下となるように形成される。すなわち、前壁流入孔144は、前後方向に垂直な断面における面積(断面積)が隔壁貫通孔131の断面積以下となるように形成される。前壁流入孔144は、前壁部142の中央(貫通孔111の軸線)から下方に偏った位置(オフセットした位置)に形成される。なお、本実施形態では、前壁流入孔144が下方に偏った(オフセットした)例を示しているが、当該前壁流入孔144が偏る方向は特に限定するものではなく、径方向(上下方向、左右方向、あるいは上下方向かつ左右方向(斜め方向))に偏って形成されていればよい。
具体的には、本実施形態の如く、隔壁貫通孔131の孔径Dが前壁流入孔144の孔径d以上である場合、当該前壁流入孔144は、隔壁貫通孔131に対して以下の数式3によって表されるオフセット量tだけオフセットした位置に形成される。
(数3)
オフセット量t≧孔径D/2
このように、前壁流入孔144を、隔壁貫通孔131に対してオフセット量tだけオフセットした位置に形成することで、前壁流入孔144を介して当該油圧制御空間R1aに流入してくるオイルの勢いを抑えることができる。具体的には、図10に示すように、前壁流入孔144を介して当該油圧制御空間R1aに流入してくるオイルの流速が大きかったとしても、当該オイルは後方へ直進し、隔壁部130(隔壁貫通孔131の縁)に一旦衝突し、流れの向きを変えて隔壁貫通孔131から空間R2へと流出することになる。
このように、前壁流入孔144を介して当該油圧制御空間R1aに流入してきたオイルの流通方向を変化させることで、当該オイルが大量に空間R2へと流出するのを防止することができる。これによって、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2の低下を抑制し、ひいては開弁圧の低下を抑制することができる。
以上の如く、本実施形態に係るバルブ装置100は、
前側(軸線方向の一側)に設けられてオイルを内部へ流入させる流入孔121と、前記流入孔121よりも後側(前記軸線方向の他側)に設けられてオイルを外部へと流出させる流出孔112と、を有する筒状のハウジング110と、
前記流入孔121から離間して当該流入孔121の後側に設けられ、前記流入孔121との間に前記流出孔112と接続される空間R1(第一空間)を区画すると共に、前記空間R1と外部とを連通可能な隔壁貫通孔131(区画部連通孔)を有する隔壁部130(区画部)と、
空間R1内に前後方向(前記軸線方向)へ往復動自在に設けられると共に前記隔壁部130との間に油圧制御空間R1a(第二空間)を区画し、前記流入孔121と前記油圧制御空間R1aとを連通可能であり前記隔壁貫通孔131に対して前後方向に垂直な方向にオフセットした位置に形成された前壁流入孔144(バルブ連通孔)を有するバルブ140と、
前記バルブ140を前側(前記軸線方向の一側)へ向けて付勢するスプリング150(付勢手段)と、
前記隔壁貫通孔131を開閉することにより前記バルブ140を前後方向へ移動させ、当該バルブ140によって前記流出孔112を開閉させるソレノイド部160(開閉手段)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、制御性を向上させることができる。すなわち、隔壁貫通孔131に対してオフセットした位置に前壁流入孔144を形成することで、当該前壁流入孔144から流入してくるオイルの勢いを抑え、隔壁貫通孔131から流出するオイルの量を抑制することができる。これによって、油圧制御空間R1aの内部の油圧P2の低下を抑制し、ひいては開弁圧の低下を抑制することができる。
また、前記前壁流入孔144の孔径d(径)は、
前記隔壁貫通孔131の孔径D(径)以下となるように形成され、
前記前壁流入孔144は、
前記数式3を満たすように形成されるものである。
このように構成することにより、制御性を効果的に向上させることができる。すなわち、孔径の大きい隔壁貫通孔131を基準として、オフセット量tを当該隔壁貫通孔131の孔径Dの1/2となるように設定することで、前壁流入孔144から流入してくるオイルの勢いを抑え易くなり、ひいては開弁圧の低下を抑制することができる。
なお、空間R1は、第一空間の実施の一形態である。
また、隔壁貫通孔131は、区画部連通孔の実施の一形態である。
また、隔壁部130は、区画部の実施の一形態である。
また、油圧制御空間R1aは、第二空間の実施の一形態である。
また、前壁流入孔144は、バルブ連通孔の実施の一形態である。
また、スプリング150は、付勢手段の実施の一形態である。
また、ソレノイド部160は、開閉手段の実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、図11に示す変形例のように、前壁流入孔144を複数形成することも可能である。この場合、複数の前壁流入孔144は、貫通孔111の軸線を中心として互いに対称な位置に形成されることが望ましい。
また、本実施形態では、前壁流入孔144の断面積は、隔壁貫通孔131の断面積よりも小さくなるように形成するものとしたが、図11に示す変形例のように、前壁流入孔144を複数形成した場合には、当該複数の前壁流入孔144の断面積の合計が、隔壁貫通孔131の断面積よりも小さくなるように形成することが望ましい。
また、本実施形態では、前壁流入孔144の孔径dが、隔壁貫通孔131の孔径D以下となるように形成するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、前壁流入孔144の孔径dが、隔壁貫通孔131の孔径Dより大きくなるように形成してもよい。この場合、前壁流入孔144は、隔壁貫通孔131に対して以下の数式4によって表されるオフセット量tだけオフセットした位置に形成されることが望ましい。
(数4)
オフセット量t>孔径d/2
このように構成することにより、制御性を効果的に向上させることができる。すなわち、孔径の大きい前壁流入孔144を基準として、オフセット量tを当該前壁流入孔144の孔径dの1/2となるように設定することで、前壁流入孔144から流入してくるオイルの勢いを抑え易くなり、ひいては開弁圧の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、隔壁貫通孔131を貫通孔111の軸線上に形成し、当該隔壁貫通孔131に対して前壁流入孔144をオフセットした位置に形成するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、前壁流入孔144を貫通孔111の軸線上に形成し、当該前壁流入孔144に対して隔壁貫通孔131をオフセットした位置に形成してもよい。また、隔壁貫通孔131及び前壁流入孔144の両方を貫通孔111の軸線上からオフセットした位置に形成してもよい。
また、本実施形態に係るバルブ装置100は、ピストンジェット16にオイルを供給するための通路(オイル通路15)に設けられるものとしたが、オイルによる潤滑を必要とするような他の潤滑部(例えば、カム等)にオイルを供給するための通路に設けられていてもよい。
また、本実施形態に係るバルブ装置100は、エンジン1のオイルの供給を制御するものとしたが、これに限定されない。バルブ装置100が制御する流体の種類は、オイル以外の水等の液体や蒸気等の気体であってもよい。
また、本実施形態に係るバルブ装置100は、コイル163に電流が供給されたとき(通電時)に閉弁状態とすると共に、コイル163に電流が供給されていないとき(非通電時)に開弁状態に切り替えるものとしたが、これに限定されるものでない。例えば、バルブ装置100は、コイル163に電流が供給されたとき(通電時)に開弁状態とすると共に、コイル163に電流が供給されていないとき(非通電時)に閉弁状態に切り替えるものであってもよい。
また、本実施形態に係るスプリング150は、金属製の圧縮コイルスプリングであるとしたが、これに限定されるものでない。スプリング150(付勢手段)は、バルブ140を付勢するものであれば、例えばゴム等の弾性体等であってもよい。
また、本実施形態に係るバルブ装置100(開閉手段)は、ソレノイド部160によって隔壁貫通孔131を開閉するものとしたが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態において、ハウジング110には流出孔112が4つ設けられるものとしたが、本発明はこれに限定するものではなく、流出孔112の数は任意に変更することが可能である。なお、流入孔121の断面積(開口面積)をS1、1つの流出孔112の断面積(開口面積)をS2、流出孔112の数(流出孔数)をNとすると、以下の数式5を満たすことが望ましい。
(数5)
断面積S1≦断面積S2×流出孔数N