JP6717638B2 - 開孔部を有する微細中空突起具の製造方法 - Google Patents

開孔部を有する微細中空突起具の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、開孔部を有する微細中空突起具の製造方法に関する。
近年、医療分野或いは美容分野において、マイクロニードルによる剤の供給が注目されている。マイクロニードルは、微小サイズの針を皮膚の浅い層に穿刺することで、痛みを伴わずに、注射器による剤の供給と同等の性能を得ることができる。マイクロニードルの中でも、特に開孔部を有する中空型マイクロニードルは、マイクロニードルの内部に配される剤の選択肢を広げることができ有効である。しかし、開孔部を有する中空型マイクロニードルは、特に医療分野或いは美容分野にて使用される場合に、マイクロニードルの形状の精度が求められ、開孔部を通して皮膚の内部に剤を安定的に供給する安定性が求められる。
開孔部を有する中空型マイクロニードルは、例えば、特許文献1〜3に開示されている製造方法により製造することができる。特許文献1には、予め形成されている複数の凹部を備えた型と予め形成されている複数の凸部を備えた型とを用い、各凸部を各凹部内に挿入して、中空マイクロニードルアレイを射出成型により製造する方法が記載されている。
また、特許文献2には、熱インプリント法により基板上に複製された微細なマイクロニードルに、短パルスレーザー法によって開孔部を形成して、微細な開孔部を有する微細なマイクロニードルを製造する方法が記載されている。
また、特許文献3には、熱サイクル射出成形によって中実のマイクロニードルを作製した後、レーザードリルでチャネル孔を形成して、1mm未満の長さを有し且つ断面積が20〜50平方μmの平均チャネル孔を有する中空のマイクロニードルを製造する方法が記載されている。
特表2012−523270号公報 特開2011−72695号公報 特表2012−509106号公報
しかし、特許文献1に記載の製造方法は、射出成型により製造するため、使用する凹部の型と凸部の型との間に、温度のバラつき、或いは摩耗による型の変形が生じ易く、マイクロニードルの形状を精度良く製造することが難しく、開孔部を通して皮膚の内部に剤を安定的に供給することが難しい。
また、特許文献2及び特許文献3に記載の製造方法は、マイクロニードルの開孔部を、後加工でレーザー法を用いて形成しているので、先に形成されたマイクロニードルにダメージを与えてしまい、開孔部を有するマイクロニードルの形状を精度良く製造することが難しく、開孔部を通して皮膚の内部に剤を安定的に供給することが難しい。また、別工程でマイクロニードルを形成した後、後加工でレーザー法を用いて開孔部を形成しているので、別工程の成形型に形成されたマイクロニードルを該成形型から取り出す必要があり、位置合わせがリセットされてしまい、精度良くレーザー光を照射することが難しく、開孔部を有するマイクロニードルの形状を精度良く製造することが難しい。また、レーザー法を用いる製造方法は、装置が複雑で、コストアップに繋がり易い。
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る開孔部を有する微細中空突起具の製造方法を提供することにある。
本発明は、開孔部を有する基材シートの一面側から、加熱手段を備える凸型部を、その先端が該開孔部の中心からずれた位置となるようにして前記基材シートに当接させて、該基材シートにおける該凸型部との当接部分を熱により軟化させながら、該基材シートの他面側に向かって該凸型部を該基材シートに刺してゆき、該基材シートの他面側から突出する微細中空突起部を形成する突起部形成工程と、前記微細中空突起部の内部に前記凸型部を刺した状態で該微細中空突起部を冷却する冷却工程と、前記冷却工程の後工程に、前記微細中空突起部の内部から前記凸型部を抜いて内部が中空の前記微細中空突起部を形成するリリース工程とを備える、開孔部を有する微細中空突起具の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、先端部からずれた位置に開孔部を有する微細中空突起具の形状を精度良く製造することができる。
図1は、本発明の開孔部を有する微細中空突起具の製造方法で製造される、開孔部を有する微細中空突起部が配列された微細中空突起具の一例の模式斜視図である。 図2は、図1に示す1個の微細中空突起部に着目した微細中空突起具の斜視図である。 図3は、図2に示すIII−III線断面図である。 図4は、図1に示す微細中空突起具を製造する製造装置の本実施態様の全体構成を示す図である。 図5は、凸型部の凸型の先端径及び先端角度の測定方法を示す説明図である。 図6(a)〜(h)は、図4に示す製造装置を用いて開孔部を有する微細中空突起具を製造する工程を説明する図である。 図7(a)〜(f)は、図1に示す微細中空突起具の他の形態を製造する第2実施態様の製造方法を説明する図である。 図8(a)及び(b)は、図1に示す微細中空突起具を製造する他の実施形態の製造方法を説明する図である。 図9は、図1に示す微細中空突起具を製造する他の実施形態の製造方法を説明する図である。 図10(a)〜(c)は、図1に示す微細中空突起具を製造する別の実施形態の製造方法を説明する図である。
以下、本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の製造方法は、開孔部を有する微細中空突起具の製造方法である。図1には、本実施態様の微細中空突起具1の製造方法で製造される一実施態様の微細中空突起具としてのマイクロニードルアレイ1Mの斜視図が示されている。本実施態様のマイクロニードルアレイ1Mは、先端側に開孔部3hを有し内部に開孔部3hに繋がる内部空間の形成された微細中空突起部3が、基底部材2から突出する形態となっている。本実施態様のマイクロニードルアレイ1Mは、シート状の基底部材2と複数の微細中空突起部3とを有している。
微細中空突起部3の数、微細中空突起部3の配置及び微細中空突起部3の形状には、特に制限はないが、本実施態様のマイクロニードルアレイ1Mは、好適には、シート状の基底部材2の上面に、9個の円錐台状の微細中空突起部3が配列されている。配列された9個の微細中空突起部3は、後述する基材シート2Aを搬送する方向(基材シート2Aの縦方向)であるY方向に3行、搬送する方向と直交する方向及び搬送される基材シート2Aの横方向であるX方向に3列に配されている。尚、図2は、マイクロニードルアレイ1Mの有する配列された微細中空突起部3の内の1個の微細中空突起部3に着目したマイクロニードルアレイ1Mの斜視図であり、図3は、図2に示すIII−III線断面図である。
マイクロニードルアレイ1Mは、図2に示すように、開孔部3hを有している。本実施態様のマイクロニードルアレイ1Mは、開孔部3hが微細中空突起部3の先端からずれた位置に配されている。このように開孔部3hが微細中空突起部3の先端からずれた位置に配されていると、マイクロニードルアレイ1Mの微細中空突起部3を皮膚に穿刺する際に開孔部3hが潰れ難く、開孔部3hを通して皮膚の内部に剤を安定的に供給することができる。また、マイクロニードルアレイ1Mは、図3に示すように、各微細中空突起部3の内部に、基底部材2から開孔部3hに亘る空間が形成されている。各微細中空突起部3の内部の空間は、マイクロニードルアレイ1Mにおいては、微細中空突起部3の外形形状に対応した形状に形成されており、本実施態様では、円錐状の微細中空突起部3の外形形状に対応した円錐状に形成されている。尚、微細中空突起部3は、本実施態様においては、円錐状であるが、円錐状の形状以外に、角錐状等であってもよい。
マイクロニードルアレイ1Mは、微細中空突起部3の頂点と開孔部3hの中心とを通る縦断面を視た際(図3参照)に、開孔部3hを有する側の一壁部3aを構成する下方側の下方壁部分30bにおいて、頂点側の頂点側部位TBにおける肉厚T1(頂点側部位TBにおける内壁31と外壁32との間隔)が、頂点側部位TBよりも基底部材2側の下方側部位BPにおける肉厚T2(下方側部位BPにおける内壁31と外壁32との間隔)よりも薄くなっている。好適に、本実施態様のマイクロニードルアレイ1Mでは、図3に示すように、下方壁部分30bの内壁31及び外壁32が、それぞれ、直線状に形成されており、下方壁部分30bの肉厚(内壁31と外壁32との間隔)が、基底部材2側の根本から先端に向かって、漸次減少している。このように、下方壁部分30bにおいて、頂点側部位TBの肉厚T1が下方側部位BPの肉厚T2よりも薄ければ、マイクロニードルアレイ1Mの微細中空突起部3を皮膚に穿刺する際に皮膚への抵抗を抑制し、内壁31が直線状に形成されているので、開孔部3hを通して皮膚の内部に剤を更に安定的に供給することができる。
マイクロニードルアレイ1Mの各微細中空突起部3は、その突出高さH1が、その先端を最も浅いところでは角層まで、深くは真皮まで刺入するため、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上5mm以下である。
マイクロニードルアレイ1Mの各微細中空突起部3の先端径L(先端における外壁32、32どうしの間隔)は、その直径が、好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、具体的には、好ましくは1μm以上500μm以下であり、更に好ましくは5μm以上300μm以下である。微細中空突起具1の先端径Lは、微細中空突起部3の先端における最も広い位置での長さである。当該範囲であると、マイクロニードルアレイ1Mを皮膚に刺し入れた際の痛みが殆どない。前記先端径Lは、以下のようにして測定する。
〔マイクロニードルアレイ1Mの微細中空突起部3先端径の測定〕
微細中空突起部3の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて、図3(a)に示すように所定倍率拡大した状態で観察する。
次に、図3(a)に示すように、外壁32を形成する両側辺1a,1bの内の一側辺1aにおける直線部分に沿って仮想直線ILaを延ばし、他側辺1bにおける直線部分に沿って仮想直線ILbを延ばす。次に、先端側にて、一側辺1aが仮想直線ILaから離れる箇所を第1先端点1a1として求め、他側辺1bが仮想直線ILbから離れる箇所を第2先端 点1b1として求める。このようにして求めた第1先端点1a1と第2先端点1b1とを結ぶ直線の長さLを、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、微細中空突起部3の先端径とする。
微細中空突起具1は、図3に示すように、各微細中空突起部3の先端からずれた位置に配された開孔部3hと、各微細中空突起部3に対応する基底部材2の下面に位置する基底側開孔部2hとを有している。
開孔部3hは、その開孔面積S1が、好しくは0.7μm2以上、更に好ましくは20μm2以上であり、そして、好ましくは200000μm2以下であり、更に好ましくは70000μm2以下であり、具体的には、好ましくは0.7μm2以上200000μm2以下であり、更に好ましくは20μm2以上70000μm2以下である。
基底側開孔部2hは、その開孔面積S2が、好しくは0.007mm2以上、更に好ましくは0.03mm2以上であり、そして、好ましくは20mm2以下であり、更に好ましくは7mm2以下であり、具体的には、好ましくは0.007mm2以上20mm2以下であり、更に好ましくは0.03mm2以上7mm2以下である。
シート状の基底部材2の上面に配列された9個の微細中空突起部3は、縦方向(Y方向)の中心間距離が均一で、横方向(X方向)の中心間距離が均一であることが好ましく、縦方向(Y方向)の中心間距離と横方向(X方向)の中心間距離とが同じ距離であることが好ましい。好適には、微細中空突起部3の縦方向(Y方向)の中心間距離が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.05mm以上5mm以下である。また、微細中空突起部3の横方向(X方向)の中心間距離が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.05mm以上5mm以下である。
次に、本発明の微細中空突起具の製造方法を、前述した微細中空突起具1としてのマイクロニードルアレイ1Mの製造方法を例にとり図4〜図6を参照して説明する。図4には、本実施態様の製造方法の実施に用いる一実施態様の製造装置100の全体構成が示されている。尚、上述したように、マイクロニードルアレイ1Mの各微細中空突起部3は非常に小さなものであるが、説明の便宜上、図4においてはマイクロニードルアレイ1Mの各微細中空突起部3が非常に大きく描かれている。
図4に示す本実施態様の製造装置100は、基材シート2Aに貫通する開孔部3hを形成する開孔部形成部9、基材シート2Aに微細中空突起部3を形成する突起部形成部10、冷却部20、後述する凸型部11を抜き出すリリース部30を備えている。
以下の説明では、基材シート2Aを搬送する方向(基材シート2Aの縦方向)をY方向、搬送する方向と直交する方向及び搬送される基材シート2Aの横方向をX方向、搬送される基材シート2Aの厚み方向をZ方向として説明する。
基材シート2Aは、製造するマイクロニードルアレイ1Mの有する基底部材2となるシートであり、熱可塑性樹脂を含んでいる。基材シート2Aとしては、熱可塑性樹脂を主体とする、即ち50質量%以上含むものであることが好ましく、熱可塑性樹脂を90質量%以上含むものであることが更に好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリ脂肪酸エステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート類、ポリ塩化ビニル、ナイロン樹脂、アクリル樹脂等又はこれらの組み合わせが挙げられ、生分解性の観点から、ポリ脂肪酸エステルが好ましく用いられる。ポリ脂肪酸エステルとしては、具体的に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。尚、基材シート2Aは、熱可塑性樹脂以外に、ヒアルロン酸、コラーゲン、でんぷん、セルロース等を含んだ混合物で形成されていても良い。基材シート2Aの厚みは、製造するマイクロニードルアレイ1Mの有する基底部材2の厚みと同等である。
開孔部形成部9及び突起部形成部10は、図4に示すように、加熱手段(不図示)を有した凸型部11を備えている。凸型部11は、製造するマイクロニードルアレイ1Mの微細中空突起部3の個数、配置、各微細中空突起部3の略外形形状に対応した凸型110を有しており、本実施態様の製造装置100においては、9個の円錐状の微細中空突起部3に対応して、9個の円錐状の凸型110を有している。本明細書において凸型部11とは基材シート2Aに刺さる部分である凸型110を備えた部材のことであり、凸型部11は、本実施態様の製造装置100では、円盤状の土台部分の上に配された構造となっている。ただし、これに限られず凸型110のみからなる凸型部であっても良いし、複数の凸型110を台状支持体の上に配した凸型部11であっても良い。
本実施態様の製造装置100では、図4に示すように、凸型部11に、9個の尖鋭な先端の円錐状の凸型110が、その先端を上方に向けて配置されており、凸型部11が、少なくとも厚み方向(Z方向)の上下に移動可能となっている。なお、本実施態様においては、凸型部11が開孔部形成工程における開孔用凸型部と突起部形成工程における凸型部とを兼ねている。言い換えれば、開孔部形成工程における開孔用凸型部と突起部形成工程における凸型部は同じ凸型部11である。したがって、本実施態様では、開孔用凸型部と突起部形成工程における凸型部は区別せずに凸型部11と呼ぶ。本実施態様の製造装置100では、凸型部11は、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向(Z方向)の上下に移動可能となっている。凸型部11の動作(電動アクチュエータ)の制御は、本実施態様の製造装置100に備えられた、制御手段(不図示)により制御されている。なお、凸型部11の加熱手段(不図示)の作動は、基材シート2Aに凸型部11が当接する直前から、後述する冷却工程に至る直前まで行われることが好ましい。
凸型部11の動作、凸型部11の加熱手段(不図示)の作動等の凸型部11の備える加熱手段(不図示)の加熱条件の制御は、本実施態様の製造装置100に備えられた、制御手段(不図示)により制御されている。
本実施態様では、開孔部形成部9で用いる凸型部11の加工条件と、突起部形成部10で用いる凸型部11の加工条件とが異なっており、製造装置100では、開孔部形成部9及び突起部形成部10で用いる凸型部11は共通であるが、突起部形成部10にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量が、開孔部形成部9にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量よりも大きくなっている。ここで、基材シート2Aに与える熱量とは、基材シート2Aに与える単位刺入高さ当たりの熱量のことを意味する。具体的に、突起部形成部10にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量が、開孔部形成部9にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量よりも大きくなる条件としては、(条件a)基材シート2Aへの凸型部11の刺入速度に関し、突起部形成部10の該刺入速度の方が開孔部形成部9の該刺入速度よりも遅いこと、(条件b)凸型部11の加熱手段(不図示)が超音波振動装置である場合に、突起部形成部10の凸型部11の超音波の周波数の方が開孔部形成部9の凸型部11の超音波の周波数よりも高いこと、及び(条件c)凸型部11の加熱手段(不図示)が超音波振動装置である場合に、突起部形成部10の凸型部11の超音波の振幅の方が開孔部形成部9の凸型部11の超音波の振幅よりも大きいこと、(条件d)凸型部11の加熱手段(不図示)が加熱ヒーターである場合に、突起部形成部10の凸型部11のヒーター温度の方が開孔部形成部9の凸型部11のヒーター温度よりも高いこと、の少なくとも1つの条件を満たしていることを意味する。
尚、本発明の微細中空突起具の製造方法に用いる製造装置においては、凸型部11の加熱手段(不図示)以外に加熱手段を設けていない。なお、本明細書で「凸型部11の加熱手段以外に加熱手段を設けていない」とは、他の加熱手段を一切排除する場合を指すだけではなく、基材シート2Aの軟化温度未満、好ましくはガラス転移温度未満に加熱する手段を備える場合も含む。具体的には、凸型部11の加熱手段で加えられる基材シート2Aの温度が該基材シート2Aの軟化温度以上であれば、他に軟化温度未満の加熱が存在しても良い。また、凸型部11の加熱手段で加えられる基材シート2Aの温度がガラス転移温度以上軟化温度未満であれば、他にガラス転移温度未満の加熱が存在していても良い。但し、各凸型部11A,11Bに設けられた加熱手段以外の、他の加熱手段を一切含まないことが好ましい。
本実施態様の製造装置100においては、凸型部11の加熱手段(不図示)は、超音波振動装置である。
凸型部11の凸型110は、その外形形状が、マイクロニードルアレイ1Mの有する微細中空突起部3の外形形状よりも尖鋭な形状である。凸型部11の凸型110は、その高さH2(図4参照)が、製造されるマイクロニードルアレイ1Mの高さH1に比べて高く形成されており、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上30mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上20mm以下である。
凸型部11の凸型110は、その先端径D1(図5参照)が、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.005mm以上であり、そして、好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上1mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上0.5mm以下である。凸型部11の凸型110の先端径D1は、以下のようにして測定する。
凸型部11の凸型110は、その根本径D2(図5参照)が、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上であり、そして、好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm以上5mm以下であり、更に好ましくは0.2mm以上3mm以下である。
凸型部11の凸型110は、十分な強度が得られ易くなる観点から、その先端角度α(図5参照)が、好ましくは1度以上、更に好ましくは5度以上である。そして、先端角度αは、適度な角度を有する微細中空突起部3を得る観点から、好ましくは60度以下であり、更に好ましくは45度以下であり、具体的には、好ましくは1度以上60度以下であり、更に好ましくは5度以上45度以下である。凸型部11の凸型110の先端角度αは、以下のようにして測定する。
〔凸型部11の凸型110の先端径の測定〕
凸型部11の凸型110の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率に拡大した状態で観察する。次に、図5に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、先端側にて、一側辺11aが仮想直線ILcから離れる箇所を第1先端点11a1として求め、他側辺11bが仮想直線ILdから離れる箇所を第2先端点11b1として求める。このようにして求めた第1先端点11a1と第2先端点11b1とを結ぶ直線の長さD1を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定し、測定した該直線の長さを、凸型110の先端径とする。
〔凸型部11の凸型110の先端角度αの測定〕
凸型部11の凸型110の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率に拡大した状態で観察する。次に、図5に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、仮想直線ILcと仮想直線ILdとのなす角を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定し、測定した該なす角を、凸型部11の凸型110の先端角度αとする。
凸型部11は、折れ難い高強度の材質で形成されている。凸型部11の材質としては、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、ベリリウム銅、ベリリウム銅合金等の金属、又はセラミック等が挙げられる。
開孔部形成部9は、本実施態様の製造装置100では、図4に示すように、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく際に基材シート2Aを支持する支持部材12を有している。本実施態様では、支持部材12として、凸型部11における凸型110を挿通可能な開口部12aを複数有する開口プレート12Uを用いている。開口プレート12Uは、基材シート2Aの他面2U側に配されており、凸型部11を一面2Dから刺し込んだ際に基材シート2Aが撓みにくくする役目を担っている。したがって、開口プレート12Uは、基材シート2Aの凸型部11が刺し込まれる領域以外の部分に配置されている。開口プレート12Uは、開孔部形成部9、突起部形成部10、冷却部20、及びリリース部30に至るまで配されている。開口プレート12Uは、搬送方向(Y方向)に平行に延在する板状部材から形成されている。開口プレート12Uでは、開口部12a以外の領域で基材シート2Aを支持している。
開口プレート12Uは、1個の開口部12aに対して凸型部11における凸型110が複数個挿通できるように、凸型110の断面積よりも大きな開口面積で形成されていてもよいが、本実施態様の製造装置100では、図4に示すように、1個の開口部12aに対して1個の凸型110が挿通されるように形成されている。
開口プレート12Uは、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。本実施態様の製造装置100では、開口プレート12Uは、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向(Z方向)の上下に移動可能となっている。
開口プレート12Uの動作の制御は、本実施態様の製造装置100に備えられた、制御手段(不図示)により制御されている。
なお、図4に示す実施態様では、基材シート2Aの他面2U側にのみ開口プレート12Uを配置した形態を示したが、基材シート2Aの一面2D側にも開口プレート12Uを配置しても良い。そうすることによって、凸型部11の刺し込み操作時及び抜出し操作時に、基材シート2Aが安定する。開口プレート12Uとしては、開口プレート12Uと同様の形状で、開口部12aが一対一で対向する形態であることが好ましい。
開口プレート12Uを形成する材質としては、凸型部11の材質と同じ材質でもよく、合成樹脂等から形成されていてもよい。
上述した製造装置100を用いる本実施態様は、開孔部3hを有する基材シート2Aの一面2D側(下面側)から、加熱手段を備える凸型部11を、その先端が該開孔部3hの中心3hcからずれた位置となるようにして前記基材シート2Aを当接させて、該基材シート2Aにおける該凸型部11との当接部分TPを熱により軟化させながら、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に向かって凸型部11を基材シート2Aに刺してゆき、基材シート2Aの他面2U側(上面側)から突出する微細中空突起部3を形成する突起部形成工程を備えている。また、本実施態様においては、突起部形成工程の前工程に、基材シート2Aの一面2D(下面)から、凸型部11を当接させて、基材シート2Aにおける当接部分TPを熱により軟化させながら凸型部11を基材シート2Aに刺してゆき、基材シート2Aを貫通する開孔部3hを形成する開孔部形成工程と、微細中空突起部3の内部に凸型部11を刺した状態で微細中空突起部3を冷却する冷却工程と、冷却工程の後工程に、微細中空突起部3の内部から凸型部11を抜いて内部が中空の微細中空突起部3を形成するリリース工程とを備えている。以下、具体的に図面を参照しながら説明する。
上述した製造装置100を用いる本実施態様の製造方法においては、先ず、熱可塑性樹脂を含む基材シート2Aの原反ロールから帯状の基材シート2Aを繰り出し、Y方向に搬送する。本実施形態の基材シート2Aは開孔を有しない非開孔基材シートである。そして、基材シート2Aが所定位置まで送られたところで、基材シート2Aの搬送を止める。このように、本実施態様では、帯状の基材シート2Aの搬送を間欠的に行うようになっている。
次いで、本実施態様では、図6(a)に示すように、Y方向に搬送された帯状の基材シート2Aの一面2D側(下面側)から凸型部11を当接させて、基材シート2Aにおける当接部分TPを熱により軟化させながら、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆき、基材シート2Aを貫通する開孔部3hを形成する(開孔部形成工程)。製造装置100を用いる本実施態様の開孔部形成工程では、図4に示すように、原反ロールから繰り出されてY方向に搬送された帯状の基材シート2Aの他面2U側(上面側)に配された開口プレート12Uで、基材シート2Aを支持する。そして、基材シート2Aにおける開口プレート12Uで支持されていない部分、即ち、基材シート2Aにおける開口プレート12Uの開口部12aに対応する一面2D(下面)に、電動アクチュエータ(不図示)によって凸型部11を厚み方向(Z方向)の上方に移動させ、凸型部11の各凸型110の先端部を当接させる。このように、開孔部形成工程では、凸型部11の各凸型110を当接させた基材シート2Aの当接部分TPに対応する他面2U(上面)が、突起部を形成する為の、凸型部11に嵌合する凹部等を設けておらず、浮いた状態となっている。
本実施態様では、図6(a)に示すように、各当接部分TPにおいて、超音波振動装置により凸型部11の超音波振動を発現させ、当接部分TPに摩擦による熱を発生させて当接部分TPを軟化させる。そして、本実施態様の開孔部形成工程では、各当接部分TPを軟化させながら、図6(b)に示すように、基材シート2Aの一面2D(下面)から他面2U(上面)に向かって凸型部11を上昇させて基材シート2Aに凸型110の先端部を刺してゆき、基材シート2Aを貫通する開孔部3hを形成する。
本実施態様の開孔部形成工程では、凸型部11の超音波振動装置による超音波振動に関し、その振動周波数(以下、周波数という)は、基材シート2Aを貫通する開孔部3hの形成の観点から、好ましくは10kHz以上、更に好ましくは15kHz以上であり、そして、好ましくは50kHz以下であり、更に好ましくは40kHz以下であり、具体的には、好ましくは10kHz以上50kHz以下であり、更に好ましくは15kHz以上40kHz以下である。
また、凸型部11の超音波振動装置による超音波振動に関し、その振幅は、基材シート2Aを貫通する開孔部3hの形成の観点から、好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは60μm以下であり、更に好ましくは50μm以下であり、具体的には、好ましくは1μm以上60μm以下であり、更に好ましくは5μm以上50μm以下である。本実施態様のように超音波振動装置を用いる場合には、開孔部形成工程では、凸型部11の超音波振動の周波数及び振幅を上述した範囲で調整すればよい。
本実施態様の開孔部形成工程では、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく刺入速度は、遅過ぎると樹脂を過剰に軟化させ開孔部3hの大きさが大きくなり過ぎ、速過ぎると軟化不足となり開孔部3hが形成されないので、開孔部3hを効率的に形成する観点から、好ましくは0.1mm/秒以上、更に好ましくは1mm/秒以上であり、そして、好ましくは1000mm/秒以下であり、更に好ましくは800mm/秒以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm/秒以上1000mm/秒以下であり、更に好ましくは1mm/秒以上800mm/秒以下である。
本実施態様の開孔部形成工程では、基材シート2Aに刺す凸型部11の刺入高さは、基材シート2Aを貫通する開孔部3hの形成の観点から、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.01mm以上であり、そして、好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上1mm以下であり、更に好ましくは0.01mm以上0.5mm以下である。ここで、「刺入高さ」とは、基材シート2Aに凸型部11の凸型110を刺し込んだ状態において、凸型部11の凸型110の頂点と、基材シート2Aの他面2Uとの間の距離を意味する。したがって、開孔部形成工程における刺入高さとは、開孔部形成工程で凸型110が最も深く刺し込まれて基材シート2Aの他面2Uから凸型110が出てきた状態における、該他面2Uから垂直方向に測定した凸型110頂点までの距離のことである。
次いで、図6(c)に示すように、凸型部11の超音波振動装置による超音波振動を停止し、電動アクチュエータ(不図示)によって凸型部11を厚み方向(Z方向)の下方に移動させ、基材シート2Aの一面2D側(下面側)から凸型部11を抜き出す。
次いで、図6(d)に示すように、開孔部3hを有する基材シート2Aを、Y方向に搬送し、該開孔部3hの中心3hcと凸型部11の凸型110の先端部の中心11tとをずらす。ここで、開孔部3hの中心3hcと凸型部11の先端部の中心11tとのずれ量M1は、先端からずれた位置に開孔部3hを有する微細中空突起部3を備えるマイクロニードルアレイ1Mを効率的に製造する観点から、凸型110の根本径D2(図5参照)の半分以内であることが好ましく、好適には、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.005mm以上であり、そして、好ましくは1.5mm以下であり、更に好ましくは1.0mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上1.5mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上1.0mm以下である。
次いで、本実施態様では、開孔部形成工程の後、図6(e)及び図6(f)に示すように、電動アクチュエータ(不図示)によって凸型部11を厚み方向(Z方向)の上方に移動させ、開孔部3hを有する基材シート2Aの一面2D側(下面側)から、該開孔部3hの中心3hcからずれ量M1だけずれた位置に凸型部11を当接させて、該基材シート2Aにおける当接部分TPを熱により軟化させながら、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に向かって凸型部11を基材シート2Aに刺してゆき、基材シート2Aの他面2U側(上面側)から突出する微細中空突起部3を形成する(突起部形成工程)。突起部形成工程においては、凸型部11を基材シート2Aに刺しながら開孔部3hを微細中空突起部3の先端からずれた位置に成形させるようになっている。
好適に、本実施態様の突起部形成工程では、図6(e)及び図6(f)に示すように、電動アクチュエータ(不図示)によって、凸型部11を厚み方向(Z方向)の上方に移動させ、開孔部3hを有する基材シート2Aにおける開孔部3hの中心3hcからずれた位置に凸型部11を当接させる。そして、該基材シート2Aにおける当接部分TPを、超音波振動装置により凸型部11の超音波振動を発現させ、当接部分TPに摩擦による熱を発生させて軟化させながら凸型部11の凸型110を基材シート2Aに刺してゆき、開孔部3hを微細中空突起部3の先端からずれた位置に成形させ、基材シート2Aの他面2Uから突出する微細中空突起部3を形成する。このようにして、基材シート2Aを貫通する開孔部3hを先端からずれた位置に有し、且つ基材シート2Aの他面2U側から突出する微細中空突起部3が形成できる。尚、本実施態様の突起部形成工程では、図4に示すように、帯状の基材シート2Aの他面2U側(上面側)に配された開口プレート12Uにより、基材シート2Aが支持されている。
本実施態様の突起部形成工程では、超音波振動装置による凸型部11の超音波振動の周波数及び振幅が、それぞれ、開孔部形成工程における超音波振動の周波数及び振幅と同じである。尚、突起部形成工程で形成された微細中空突起部3の開孔部3hの開孔面積は、開孔部形成工程で形成された微細中空突起部前駆体3bの開孔部3hの開孔面積S1以上の面積であるが、開孔面積S1と同じ面積であることが好ましい。
本実施態様の突起部形成工程では、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく刺入速度が、開孔部形成工程において凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく刺入速度よりも遅くなっている。本実施態様の突起部形成工程では、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく刺入速度は、遅過ぎると樹脂を過剰に軟化させ開孔部3hの大きさが大きく変化し過ぎ、速過ぎると軟化不足となり微細中空突起部3の高さが不足し易いので、先端からずれた位置に開孔部3hを有する微細中空突起部3を効率的に形成する観点から、好ましくは0.1mm/秒以上、更に好ましくは1mm/秒以上であり、そして、好ましくは1000mm/秒以下であり、更に好ましくは800mm/秒以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm/秒以上1000mm/秒以下であり、更に好ましくは1mm/秒以上800mm/秒以下である。
本実施態様では、凸型部11の加熱手段(不図示)が超音波振動装置の場合であるが、突起部形成部10の有する凸型部11の超音波振動の周波数及び振幅と開孔部形成部9の有する凸型部11の超音波振動の周波数及び振幅とが同じであり、前記(条件b)及び前記(条件c)を満たしていない。しかし、本実施態様では、基材シート2Aへの凸型部11の刺入速度に関し、突起部形成工程における刺入速度の方が、開孔部形成工程における刺入速度よりも遅くなっており、前記(条件a)を満たしている。その為、突起部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量が、開孔部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量よりも大きくなっている。このように、本実施態様では、開孔部形成工程で用いる凸型部11の加工条件と、突起部形成工程で用いる凸型部11の加工条件とが異なるので、先端からずれた位置に開孔部3hを有する微細中空突起部3が精度良く製造できる。
本実施態様の突起部形成工程では、加熱状態の凸型部11の上昇を停止させ、微細中空突起部3の内部に凸型部11の凸型110を刺した状態のまま次工程の冷却工程を施すまでの時間である軟化時間は、長過ぎると、基材シート2Aにおける各当接部分TPが過剰に軟化してしまう。軟化不足を補う観点から、好ましくは0秒以上、更に好ましくは0.1秒以上であり、そして、好ましくは10秒以下であり、更に好ましくは5秒以下であり、具体的には、好ましくは0秒以上10秒以下であり、更に好ましくは0.1秒以上5秒以下である。
本実施態様の突起部形成工程では、基材シート2Aに刺す凸型部11の刺入高さは、開孔部3hを有する微細中空突起部3を効率的に形成する観点から、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上5mm以下である。
次に、本実施態様の製造装置100では、図4に示すように、突起部形成部10の次に冷却部20が設置されている。冷却部20は、図4に示すように、冷風送風装置21を備えている。本実施態様では、微細中空突起部形成工程の後、冷風送風装置21を用いて、微細中空突起部3の内部に凸型部11を刺した状態で微細中空突起部3を冷却する(冷却工程)。本実施態様の製造装置100では、冷風送風装置21には、冷風送風する送風口22(図6(g)参照)が基材シート2Aの他面2U側(上面側)に配されており、送風口22から冷風を吹き付けて微細中空突起部3を冷却するようになっている。尚、冷風送風装置は、搬送される帯状の基材シート2Aの他面2U側(上面側)及び一面2D側(下面側)の全体を中空状に覆い、冷風送風装置の内部を帯状の基材シート2Aが搬送方向(Y方向)に搬送されるようにし、中空内に、例えば、冷風送風する送風口22を設けるようにしてもよい。冷風送風装置21の冷却温度、冷却時間の制御は、本実施態様の製造装置100に備えられた、制御手段(不図示)により制御されている。
本実施態様の冷却工程では、凸型部11の凸型110を微細中空突起部3の内部に刺し込んだ状態で、図6(g)に示すように、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に配された送風口22から冷風を吹き付けて、微細中空突起部3の内部に凸型部11の凸型110を刺した状態のまま冷却する。尚、冷却する際には、凸型部11の超音波装置による超音波振動は、継続状態でも止められた状態でも良いが、微細中空突起部3の形状を過度な変形をさせず一定に保つ観点から、止められていることが好ましい。
吹き付ける冷風の温度は、開孔部3hを有する微細中空突起部3の形成の観点から、好ましくは−50℃以上、更に好ましくは−40℃以上であり、そして、好ましくは26℃以下であり、更に好ましくは10℃以下であり、具体的には、好ましくは−50℃以上26℃以下であり、更に好ましくは−40℃以上10℃以下である。
冷風を吹き付けて冷却する冷却時間は、成形性と加工時間の両立性の観点から、好ましくは0.01秒以上、更に好ましくは0.5秒以上であり、そして、好ましくは60秒以下であり、更に好ましくは30秒以下であり、具体的には、好ましくは0.01秒以上60秒以下であり、更に好ましくは0.5秒以上30秒以下である。
次に、本実施態様の製造装置100では、図4に示すように、冷却部20の次にリリース部30が設置されている。本実施態様では、冷却工程の後に、微細中空突起部3の内部から凸型部11を抜いて内部が中空の微細中空突起部3を形成する(リリース工程)。具体的に、本実施態様のリリース工程では、図6(h)に示すように、基材シート2Aの一面2D(下面)から凸型部11を下降させて、各微細中空突起部3の内部に凸型部11の凸型110を刺し込んだ状態から、凸型部11の凸型110を抜いて、開孔部3hを有し且つ内部が中空の微細中空突起部3が配列されたマイクロニードルアレイ1Mとなる帯状の微細中空突起具の前駆体1Aを形成する。
以上のように形成されたマイクロニードルアレイ1Mの前駆体1Aは、その後、搬送方向(Y方向)下流側に搬送され、カット工程にて、所定の範囲でカットされ、図1に示すような、シート状の基底部材2と複数の微細中空突起部3とを有する実施態様の微細中空突起具1としてのマイクロニードルアレイ1Mが製造できる。以上の工程を繰り返すことによって、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に微細中空突起具1を連続的に効率良く製造できる。
なお、上述したように製造されたマイクロニードルアレイ1Mは、その後の工程において更に所定の形状に形成されても良いし、凸型部11を刺し込む工程の前に所望の形状に基材シート2Aを予め調整しておいても良い。
以上説明したように、マイクロニードルアレイ1Mを製造する本実施態様の製造方法によれば、突起部形成工程において、微細中空突起部3の先端からずれた位置に開孔部3hを形成するので、開孔部3hを有するマイクロニードルアレイ1Mの形状を精度良く効率的に製造することができる。また、このように製造されたマイクロニードルアレイ1Mは、微細中空突起部3の先端からずれた位置に開孔部3hを有するので、皮膚に穿刺する際に開孔部3hが潰れ難く、皮膚の内部に剤を安定的に供給できる。
また、本実施態様の製造方法は、突起部形成工程の前工程に、突起部形成工程で共通に用いる凸型部11を用いて開孔部3hを形成する開孔部形成工程を備えている。その為、一連の流れで、開孔部3hが形成でき、開孔部3hを有するマイクロニードルアレイ1Mが形成できる。このように、マイクロニードルアレイ1Mを更に効率的に製造することができる。
また、本実施態様の製造方法によれば、凸型部11の加熱手段(不図示)として超音波振動装置を用いているので、冷風送風装置21を必ず備える必要はなく、超音波振動装置の振動を切るだけで、冷却することもできる。この点で、超音波振動を加熱手段として用いると、装置の簡便化とともに、高速で、開孔部3hを有するマイクロニードルアレイ1Mを製造することができる。また、基材シート2Aの凸型部11と当接していない部分では、より熱が伝わり難く、また、超音波振動付与のオフによって冷却が効率的に行われるので、成形部分以外の変形が生じ難く、精度の良いマイクロニードルアレイ1Mを製造することができる。
また、上述したように、本実施態様においては、図6(a)に示すように、凸型部11を当接させた基材シート2Aの当接部分TPにおいてのみ、超音波振動装置により凸型部11Bを振動させ、当接部分TPを軟化させるので、省エネルギーで、効率的に連続して開孔部3hを有するマイクロニードルアレイ1Mを製造することができる。
また、上述したように、本実施態様の製造装置100は、制御手段(不図示)により、突起部形成部10における、凸型部11の動作、凸型部11の加熱手段(不図示)の加熱条件、基材シート2Aの当接部分TPの軟化時間、凸型部11の基材シート2Aへの刺入速度が調整できるようになっている。また、制御手段(不図示)により、冷却部20における、冷風送風装置21の冷却温度、冷却時間が制御されている。その為、制御手段(不図示)により、例えば突起部形成工程における凸型部11の刺入速度を制御すれば、製造されるマイクロニードルアレイ1Mの微細中空突起部3の肉厚T1をコントロールできる。また、突起部形成工程における凸型部11の刺入高さを制御すれば、凸型部11の基材シート2Aへの刺入量が容易に変更でき、製造されるマイクロニードルアレイ1Mの微細中空突起部3の突出高さH1をコントロールできる。従って、突起部形成工程にける、凸型部11の備える加熱手段の条件、凸型部11の基材シート2Aへの刺入高さ、基材シート2Aの当接部分TPの軟化時間、凸型部11の基材シート2Aへの刺入速度、冷却工程における冷却条件、及び凸型部11の形状の少なくとも1つを制御すれば、マイクロニードルアレイ1Mを構成する微細中空突起部3の突出高さH1等を自由にコントロールすることができ、開孔部3hを有するマイクロニードルアレイ1Mの形状を自由にコントロールすることができる。
次に、本発明の微細中空突起具の製造方法を、第2実施形態の微細中空突起具1としてのマイクロニードルアレイ1Mの製造方法に基づき、図7を参照して説明する。図7(a)〜(f)は、図1に示す微細中空突起具の他の形態を製造する第2実施態様の製造方法を説明する図である。なお、本説明においては、上述した図6に示す実施態様の製造方法と異なる点をメインに説明する。
上述した実施態様の図6に示す製造方法では、基材シート2Aの一面2Dから他面2Uに向けて凸型部11を移動させる際の移動方向が、開孔部形成工程と突起部形成工程とで同じ方向(厚み方向(Z方向)の上下方向)であった。つまり、図6に示す製造方法では、基材シート2Aの一面2Dから他面2Uに向けて凸型部11を移動させる際の、開孔部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度と、突起部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度とが同じであった。一方、第2実施形態の製造方法では、図7に示すように、開孔部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aの刺込角度θ1と、突起部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ2とが異なっている。なお、刺込角度θ1,θ2とは、開孔部形成工程で用いる凸型部11の凸型110の先端部の中心11tを通る2等分線と基材シート2Aの一面2Dとのなす角をいう。以下、具体的に図面を参照しながら説明する。
上述した図6に示す実施態様の製造方法に用いられる製造装置100では、凸型部11は、厚み方向(Z方向)の上下のみに移動可能であったが、第2実施形態の製造装置100では、凸型部11は、厚み方向(Z方向)の上下に移動可能であることに加え、厚み方向(Z方向)に対して所定角度が得られるように回動可能になっている。これにより、例えば、凸型部11が厚み方向(Z方向)の上方を向いている状態では、凸型部11は、厚み方向(Z方向)の上下方向に移動可能であり、凸型部11を厚み方向(Z方向)に対して所定角度回動させた状態においては、所定角度回動した状態で基材シート2Aに対して傾斜して刺込可能になる。
第2実施形態の製造装置100の凸型部11は、電動アクチュエータ(不図示)により、前後方向に移動可能及び回動可能になっており、凸型部11の動作(電動アクチュエータ)は、第2実施形態の製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
第2実施形態の製造方法では、開孔部形成工程は、図7(a)及び(b)に示すように、上述した図6に示す実施形態の製造方法と同じであり、上述した実施形態及び第2実施形態の製造方法における開孔部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ1は、90度になっている(図7(a)参照)。
次に、突起部形成工程において、開孔部3hを有する基材シート2AをY方向に搬送した後、該開孔部3hの中心3hcと凸型部11の凸型110の先端部の中心11tとをずらす。そして、図7(c)に示すように、基材シート2Aに対する凸型部11の刺込角度θ2が開孔部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ1と異なるように、凸型部11を回動させる。好適に、基材シート2Aに対する凸型部11の刺込角度θ2が刺込角度θ1よりも小さくなる(θ2<θ1)ように、凸型部11を回動させる。
次いで、第2実施形態の製造方法では、図7(d)に示すように、凸型部11を開孔部形成工程と異なる刺込角度θ2で移動させる。そして、開孔部形成工程で形成された開孔部3hの中心3hcからずれた位置に凸型部11の中心11tが位置するように刺し込んでいく。本実施態様では、超音波振動装置により凸型部11の超音波振動を発現させて、凸型部11を開孔部3hの内壁3hwに凸型部11を当接させ、開孔部3hの内壁3hwの当接部分TPを熱により軟化させながらアクチュエータで上下方向に移動させ、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に向かって凸型部11を刺してゆく。これにより、微細中空突起部3の先端からずれた位置に開孔部3hが成形され、基材シート2Aの他面2U側から突出した微細中空突起部3が形成される。
次に、図7(e)に示すように、微細中空突起部3の内部に凸型部11を刺した状態で微細中空突起部3を冷却し(冷却工程)、冷却工程の後に、図7(f)に示すように、微細中空突起部3の内部から凸型部11を抜いて、マイクロニードルアレイ1Mの前駆体1Aを形成する(リリース工程)。
なお、第2実施形態の製造方法により製造されるマイクロニードルアレイ1Mの前駆体1Aの微細中空突起部3は、略円形状に形成された基底側開孔部2hの中心2hcからずれた位置に、先端が位置した形状になっている(図7(f)参照)。
以上説明したように、マイクロニードルアレイ1Mを製造する第2実施形態の製造方法によれば、開孔部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ1と、突起部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ2とを異ならせた場合においても、微細中空突起部3の先端からずれた位置に開孔部3hを形成可能になり、微細中空突起部3の先端からずれた位置に開孔部3hを有するマイクロニードルアレイ1Mの形状を精度良く効率的に製造することができる。
このように、開孔部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ1と、突起部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ2とを異ならせる、つまり、開孔部形成工程と突起部形成工程とで、凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度を相対的に異ならせることが可能となれば、開孔部3hの形状又は凸型部11の形状の自由度が向上すると共に、加工性を向上させることができる。
なお、第2実施形態の製造方法では、開孔部形成工程で用いる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ1を90度とし、突起部形成工程で用いられる凸型部11の基材シート2Aに対する刺込角度θ2を90度よりも小さい角度の構成を用いて説明したが、刺込角度θ1と刺込角度θ2とが異なっていればよく、刺込角度θ2を、刺込角度θ1に対して相対的に角度をもたせた構成であればよい。
以上、本発明を、その好ましい本実施態様及び第2実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、上述した実施態様及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、突起部形成工程の前工程に、開孔部形成工程を備えているが、開孔部形成工程を備えていなくてもよい。このように開孔部形成工程を備えていない場合には、当初から開孔部3hが形成された基材シート2Aを用いればよい。
また、上述した実施態様及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、開孔部形成工程と突起部形成工程とで同じ凸型部11を用いて説明したが、開孔部形成工程で用いる開孔用凸型部と、突起部形成工程で用いる凸型部とが異なるものであってもよい。例えば、図8(a)及び(b)に示すように、開孔部形成工程で用いる開孔用凸型部11´の凸型110´先端角度が、突起部形成工程で用いる凸型部11の先端角度よりも小さいものであってもよい。また、開孔部形成工程で用いる開孔用凸型部11´の凸型110´先端角度が、突起部形成工程で用いる凸型部11の先端角度よりも大きいものであってもよい。このように、開孔部形成工程で用いる開孔用凸型部11´と、突起部形成工程で用いる凸型部11とが非相似形のものであってもよい。
また、開孔部形成工程で用いられる開孔用凸型部11´は、図8(a)に示すような円錐状に限らず、角錐状、円柱状及び角柱状等であってもよい。
更に、開孔部形成工程で用いる開孔用凸型部11´は、図8(a)に示すような縦断面視して左右対称な円錐状であったが、縦断面視して左右非対称な形状であってもよい。
開孔部形成工程に用いる開孔用凸型部が、非相似形、角錐状、円柱状及び角柱状や縦断面視して左右非対称な形状の場合においても、超音波振動装置により開孔用凸型部11´の超音波振動を発現させて当接部分TPを摩擦による熱で軟化させることで、基材シート2Aを貫通する開孔部3hを形成することができる。
また、上述した第2実施形態の製造方法では、開孔部形成工程及び突起部形成工程に用いる共通の凸型部11を回動させることで、突起部形成工程に用いる凸型部11の刺込角度θ2を、開孔部形成工程に用いた凸型部11の刺込角度θ1と異ならせる態様であったが、例えば、開孔部形成工程に用いられる開孔用凸型部11´の刺込角度θ1と異なる刺込角度θ2に形成された別の凸型部11を、突起部形成工程に用いる構成としてもよい。
このように、開孔部形成工程で用いる開孔用凸型部と、突起部形成工程で用いる凸型部とが別の凸型部11であれば、開孔部形成工程及び突起部形成工程で用いる凸型部の形状の自由度が向上すると共に、加工性を向上させることができる。
また、上述した実施形態及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、加熱手段を備える凸型部11を用いて開孔部3hを形成する開孔部形成工程を用いて説明したが、開孔部形成工程は、非接触式の熱加工手段を用いて、基材シート2Aを貫通する開孔部3hを形成する構成であってもよい。例えば、図9に示すようなレーザー照射装置13を用いて開孔部3hを形成する構成であってもよい。非接触式の熱加工手段としては、レーザー照射装置13以外にも、例えば、ホットエアーを発射するホットエアー発射装置等であってもよい。非接触式の熱加工手段を用いた場合においても、好適に、開孔部形成工程での基材シート2Aに開孔部3hを形成することができる。
非接触式の熱加工手段を用いることで、長期間使用しても、摩耗等による精度の低下がないため、開孔部3hを有するマイクロニードルアレイ1Mの形状を精度良く効率的に製造することができる。また、非接触式の熱加工手段を用いることで、開孔部3hの形状の自由度を向上させることができる。
また、上述した実施形態及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、凸型部11の各凸型110のそれぞれに1個の開孔部3hを形成させた基材シート2A(上述の実施形態では、開孔部形成工程で9個の開孔部3hが形成された基材シート2A)、即ち、1個の開孔部3hを形成させた基材シート2Aを用いて説明したが、例えば、図10(a)に示すように、複数の開孔部3h(図10においては4個の開孔部3h)が形成された基材シート2Aを用い、図10(b)に示すように、各開孔部3hの中心からずれた位置に凸型部11を当接させて、基材シート2Aの他面2U側に向かって凸型部11を基材シート2Aに刺してゆき、先端からずれた位置に複数の開孔部3hを有する、図10(c)に示す微細中空突起部3を形成する構成であってもよい。
図10(c)に示すように、複数の開孔部3hが形成された基材シート2Aは、開孔部形成工程において、開孔部形成工程に用いる凸型部11を上下方向、X方向及びY方向に複数回移動させて、開孔部形成工程に用いる凸型部11の各凸型110に、複数の開孔部3hを形成させる構成であってもよく、予め、複数の開孔部3hが形成された基材シート2Aを用いる構成であってもよい。尚、基材シート2Aに形成する複数の開孔部3hの数及び配置は、適宜、設定することができる。
このように、先端からずれた位置に複数の開孔部3hを有する微細中空突起部3を用いることで、剤を注入する際の微細中空突起部3の内部の液圧を低くすることが可能になり、開孔部閉塞のリスクを低減し、注液性を向上させることができる。なお、開孔部3hは、微細中空突起部3の先端部から、微細中空突起部3の高さH1の2%以上根本方向にずれた位置に配置することが好ましく、5%以上ずれていることが更に好ましく、10%以上ずれていることが特に好ましい。また、開孔部3hの位置は、微細中空突起部3の根本部から、微細中空突起部3の高さH1の2%以上先端部方向にずれた位置に配置することが好ましく、5%以上ずれていることが更に好ましく、10%以上ずれていることが特に好ましい。
また、上述した実施形態及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、開孔部形成工程に用いる凸型部11の超音波振動の周波数及び振幅と、突起部形成工程に用いる凸型部11の超音波振動の周波数及び振幅とが同じであり、前記(条件b)及び前記(条件c)を満たしていないが、基材シート2Aへの凸型部11の刺入速度に関し、突起部形成工程に用いる凸型部11の刺入速度の方が開孔部形成工程に用いる凸型部の刺入速度よりも遅く、前記(条件a)を満たしており、結果として、突起部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量が、開孔部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量よりも大きくなっている。
即ち、上述した実施態様及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法は、開孔部形成工程で用いる凸型部の加工条件と、突起部形成工程で用いる凸型部の加工条件との違いとして、開孔部形成工程にて凸型部11の備える加熱手段の条件と、突起部形成工程にて凸型部11の備える加熱手段の条件とが同じであり、突起部形成工程にて凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく速度が、開孔部形成工程にて凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく速度よりも遅くしている。
しかし、マイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、開孔部形成工程にて凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく速度と突起部形成工程にて凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく速度とが同じであり、突起部形成工程にて凸型部11の備える加熱手段の条件で基材シート2Aに付与する熱量が、開孔部形成工程にて凸型部11の備える加熱手段の条件で基材シート2Aに付与する熱量に比べて大きい製造方法であってもよい。具体的には、前記(条件a)を満たしていないが、突起部形成工程で用いる凸型部11の超音波振動の周波数又は振幅の方が、開孔部形成工程で用いる凸型部11の超音波振動の周波数又は振幅よりも大きく、前記(条件b)又は前記(条件c)を満たし、結果として、突起部形成工程で用いる凸型部11から基材シート2Aに与える熱量が、開孔部形成工程で用いる凸型部11から基材シート2Aに与える熱量よりも大きくなっていてもよい。
また、上術した実施態様及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、凸型部11の加熱手段として超音波振動装置を用いて説明したが、凸型部11の加熱手段を加熱ヒーター装置としてもよい。
上述の凸型部11の加熱手段を加熱ヒーター装置とする実施態様の製造方法においては、突起部形成工程で用いる凸型部11のヒーター温度と、開孔部形成工程で用いる凸型部11のヒーター温度とを同じ温度にした場合、前記(条件d)を満たしていないが、突起部形成工程における凸型部11の刺入速度の方を開孔部形成工程における凸型部11の刺入速度よりも遅くすることで、前記(条件a)を満たし、結果として、突起部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量が、開孔部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量よりも大きくなっている。また、前記(条件a)を満たしていないが、突起部形成工程で用いる凸型部11のヒーター温度の方が、開孔部形成工程で用いる凸型部11のヒーター温度よりも高く、前記(条件d)を満たし、結果として、突起部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量が、開孔部形成工程にて凸型部11から基材シート2Aに与える熱量よりも大きくなっていてもよい。更に、前記(条件a)、前記(条件b)、前記(条件c)、及び前記(条件d)の全ての条件を満たしていてもよい。
凸型部11による基材シート2Aの加熱温度は、基材シート2Aのガラス転移温度以上溶融温度未満であることが好ましく、特に軟化温度以上溶融温度未満であることが好ましい。詳述すると前記加熱温度は、好ましくは30℃以上、更に好ましくは40℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下であり、更に好ましくは250℃以下であり、具体的には、好ましくは30℃以上300℃以下であり、更に好ましくは40℃以上250℃以下である。なお、基材シート2Aを、超音波振動装置を用いて加熱する場合においては、凸型110と接触した基材シート2Aの部分の温度範囲として適用される。一方、加熱ヒーター装置を用いる場合には、凸型部11の加熱温度を上述した範囲で調整すればよい。
ガラス転移温度(Tg)の測定方法は、以下の方法によって測定され、軟化温度の測定方法は、JIS K−7196「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法」に従って行う。
尚、前記「基材シート2Aのガラス転移温度(Tg)」は、基材シート2Aの構成樹脂のガラス転移温度(Tg)を意味し、該構成樹脂が複数種存在する場合においてそれら複数種のガラス転移温度(Tg)が互いに異なる場合、前記加熱手段による基材シート2Aの加熱温度は、少なくともそれら複数のガラス転移温度(Tg)のうち最も低いガラス転移温度(Tg)以上であることが好ましく、それら複数のガラス転移温度(Tg)のうち最も高いガラス転移温度(Tg)以上であることがさらに好ましい。
また、前記「基材シート2Aの軟化温度」についてもガラス転移温度(Tg)と同様であり、即ち、基材シート2Aの構成樹脂が複数種存在する場合においてそれら複数種の軟化温度が互いに異なる場合、前記加熱手段による基材シート2Aの加熱温度は、少なくともそれら複数の軟化温度のうち最も低い軟化温度以上であることが好ましく、それら複数の軟化温度のうち最も高い軟化温度以上であることがさらに好ましい。
また、基材シート2Aが融点の異なる2種以上の樹脂を含んで構成されている場合、前記加熱手段による基材シート2Aの加熱温度は、それら複数の融点のうち最も低い融点未満であることが好ましい。
〔ガラス転移温度(Tg)の測定方法〕
DSC測定器を使用して熱量の測定を行い、ガラス転移温度を求める。具体的に、測定器はPerkin Elmer社製の示差走査熱量測定装置(Diamond DSC)を使用する。基材シートから試験片10mgを採取する。測定条件は20℃を5分間等温した後に、20℃から320℃まで、5℃/分の速度で昇温させ、横軸温度、縦軸熱量のDSC曲線を得る。そして、このDSC曲線からガラス転移温度Tgを求める。
また、上述した本実施態様及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、シート状の基底部材2の上面に、9個の円錐台状の微細中空突起部3を配列したマイクロニードルアレイ1Mの製造方法を用いて説明したが、1個の微細中空突起部3を有するマイクロニードルアレイ1Mの製造方法に用いてもよい。
また、上述した実施態様のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、電動アクチュエータ(不図示)によって厚み方向(Z方向)の上下に凸型部11が移動可能な構成を用いて説明したが、凸型部11の厚み方向(Z方向)の上下への移動は無限軌道を描くボックスモーション式の凸型部11を用いる構成であってもよい。
また、上述した実施態様及び第2実施形態のマイクロニードルアレイ1Mの製造方法においては、凸型部11が基材シート2Aの一面2Dから他面2Uに向かって刺入しているが、基材シート2Aに対する凸型部11や開口プレート12Uの位置関係、刺入方向はこれに限定されず、凸型部11の刺入方向を、基材シート2Aの他面2Uから一面2Dに向かう方向としてもよく、開孔部形成工程で用いる凸型部の刺入方向と、突起部形成工程で用いる凸型部の刺入方向とを異ならせる構成であってもよい。
1 微細中空突起具
2 基底部材
2A 基材シート
2D 一面
2U 他面
3 微細中空突起部
3h 開孔部
3hc 中心
10 突起部形成部
11、11´ 凸型部
110、110´ 凸型
13 レーザー照射装置
TP 当接部分
θ1、θ2 刺込角度

Claims (4)

  1. 開孔部を有する基材シートの一面側から、加熱手段を備える凸型部を、その先端が該開孔部の中心からずれた位置となるようにして前記基材シートに当接させて、該基材シートにおける該凸型部との当接部分を熱により軟化させながら、該基材シートの他面側に向かって該凸型部を該基材シートに刺してゆき、該基材シートの他面側から突出する微細中空突起部を形成する突起部形成工程と、
    前記微細中空突起部の内部に前記凸型部を刺した状態で該微細中空突起部を冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後工程に、前記微細中空突起部の内部から前記凸型部を抜いて内部が中空の前記微細中空突起部を形成するリリース工程とを備え、
    前記突起部形成工程を行う前に、前記開孔部が形成される前の非開孔基材シートの一面から、加熱手段を備える開孔用凸型部を当接させて、該非開孔基材シートにおける該当接部分を熱により軟化させながら該開孔用凸型部を該非開孔基材シートに刺してゆき、該非開孔基材シートを貫通する前記開孔部を形成する開孔部形成工程を備え、
    前記開孔用凸型部として前記突起部形成工程で用いる前記凸型部を用い、
    突起部形成工程において前記凸型部から前記基材シートに与える熱量を、前記開孔部形成工程において前記開孔用凸型部から前記基材シートに与える熱量よりも大きくする、開孔部を有する微細中空突起具の製造方法。
  2. 前記開孔部形成工程で用いる前記開孔用凸型部の加工条件と、前記突起部形成工程で用いる前記凸型部の加工条件とが異なる請求項1に記載の開孔部を有する微細中空突起具の製造方法。
  3. 前記開孔部形成工程で用いる前記開孔用凸型部の前記基材シートに対する刺込角度と、前記突起部形成工程で用いる前記凸型部の前記基材シートに対する刺込角度とが異なる請求項2に記載の開孔部を有する微細中空突起具の製造方法。
  4. 前記基材シートが前記開孔部を複数備え、
    前記突起部形成工程においては、各前記開孔部の中心からずれた位置に凸型部を当接させて、該基材シートの他面側に向かって該凸型部を該基材シートに刺してゆき、先端からずれた位置に複数の前記開孔部を有する前記微細中空突起部を形成する請求項1〜の何れか1項に記載の開孔部を有する微細中空突起具の製造方法。
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