以下、本発明の一実施形態にかかるハンガー1を、図面を参照しながら説明する。
(従来例の実施形態)
図1は本実施形態のハンガー1のアーム11を開いた状態を示す正面図、図2はハンガー1のアーム11を閉じた状態を示す正面図、図3はハンガー1の分解斜視図である。
図1から図3までに示すように、ハンガー1は、フック13と、本体部14と、一対のアーム11と、を備える。
本体部14は、フック13の図1正面視下端部(以下、上下、左右、縦横は図1正面視に基づくものとする。)に設けられる。本体部14は、本体部の中央部に本体部14の上方から下方に向かって延びる貫通溝であるメインスリット14Aと、メインスリット14Aの両側に設けられる一対のサイドスリット14Bと、を備える。
サイドスリット14Bは、メインスリット14Aの上端部に対応する位置において、本体部14の左右の端部付近からメインスリット14Aの方向に向かって延び、メインスリット14Aの手前において湾曲しながら向きを変えて、メインスリット14Aの長手方向の長さの半分程度まで下方に延びる。
サイドスリット14Bは、湾曲する部分の下端からメインスリット14Aに沿って延びる部分が、メインスリット14Aと平行に下方に延びる。サイドスリット14Bのこのメインスリット14Aに沿って延びる部分は、サイドスリット14Bの湾曲部分を弧とする円の周から外れれば、メインスリット14Aと平行でなともよく、外側向きまたは内側向きに下方に延びていてもよい。
メインスリット14Aと二つのサイドスリット14Bは、メインスリット14Aの上端部と、二つのサイドスリット14Bの上端部とが略横一列に並ぶように設けられる。
一対のアーム11は互いに同形状に形成されることが、金型の種類を少なくするという点において望ましい。アーム11は、本体部14方向の端部において下方に屈曲する屈曲部11Kを有し、屈曲部11Kの先端部に設けられる貫通孔であるメイン孔11Aと、屈曲部11Kの根元に設けられる貫通孔であるサイド孔11Bと、を備える。メイン孔11Aとサイド孔11Bとは、メイン孔11Aとサイド孔11Bを結ぶ直線が、アーム11の軸、つまりアーム11の伸延方向に延びる直線と交差するように配置される。
一対のアーム11は、アーム11の長さ、開いたときの上端部がなす角度など、基本的な部分が共通していれば、細部の形状が互いに異なっていてもよい。
本体部14と、一対のアーム11とは、メインピン12がメイン孔11A及びメインスリット14Aに、サイドピン15がサイド孔11B及びサイドスリット14Bに、それぞれ挿通されることにより、回動可能に係止される。
メインピン12にはメインワッシャ12Aと、メインナット12Bとが取り付けられる。メインピン12及びメインナット12Bは軸方向に延びるつまみ部を有する。つまみ部は本体部14の表面から指がかかる程度にメインピン12の軸方向に突出する。
サイドピン15にはサイドワッシャ15Aと、サイドナット15Bとが取り付けられる。
なお、メインワッシャ12A及びサイドワッシャ15Aは省略できる。この場合、メインピン12及びサイドピン15は嵌め込むと抜けなくなる形状のピンを用いることができる。また、サイドピン15はアーム11と一体に形成されていてもよい。
本体部14は、一対のアーム11の間に位置していても、一対のアーム11の外側に位置していてもよい。
以上述べたように、従来例の実施形態のハンガー1は、フック13と、フック13の下方に設けられ、上下方向に延びるメインスリット14A及びメインスリット14Aの両脇にメインスリット14Aに向かって横方向に延び、メインスリット14Aの手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット14Aに沿って延びる一対のサイドスリット14Bを有する本体部14と、付け根に下方に屈曲する屈曲部11Kを有する一対のアーム11と、屈曲部11Kの先端部に設けられるメイン孔11A、及びメインスリット14Aに挿通されるメインピン12と、屈曲部11Kの根元に設けられるサイド孔11B及びサイドスリット14Bに、アーム11毎に挿通される一対のサイドピン15と、を備える。
しかし、従来例の実施形態に係るハンガー1は、片手かつワンタッチによってアーム11を開閉することは、容易にはできないという問題点があった。
(第1の実施形態)
図4は本実施形態のハンガー2のアーム51が開いた状態の正面図、図5は本実施形態のハンガー2のアーム51が閉じた状態の正面図、図6は本実施形態のハンガー2の分解斜視図、図7は作動部30の斜視図、図8はアーム51の斜視図、図9は本体部41の斜視図である。
図4から図9までに示すように、本実施形態のハンガー2は、作動部30と、本体部41と、一対のアーム51と、ピン33と、を備える。
作動部30は、フック31と、フック31の根元に設置され、図1の手前側と奥側とに二股に分かれる分岐部32と、中央部分に挿通孔33Aを有し、分岐部32の下端に配置されるツマミ34と、各ツマミ34の対向する面に設けられる一対の突起部35と、を備える。
分岐部32は、弾性力を有し、本体部41の厚さの分程度にツマミ34を離間させるように広げることが可能である。
本体部41は、上下方向に延びるメインスリット43Bと、メインスリット43Bの上端部に対応する位置において、メインスリット43Bの両脇に本体部41の両端部からメインスリット43Bに向かって湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット43Bに沿って延びる一対のサイドスリット43Aと、本体部41の上端部に配置される第1取手42と、本体部41の下端部に配置される第2取手44と、を有する。サイドスリット43Aの上側の端部は本体部41の両脇の縁にそれぞれ開放していてもよいし、開放していなくてもよい。
サイドスリット43Aは、湾曲する部分の下端からメインスリット43Bに沿って延びる部分が、メインスリット43Bと平行に下方に延びる。サイドスリット43Aのこのメインスリット43Bに沿って延びる部分は、サイドスリット43A湾曲部分を弧とする円の周から外れれば、メインスリット14Aと平行でなともよく、外側向きまたは内側向きに下方に延びていてもよい。
作動部30は本体部41に変位可能に連結する。つまり、上述の従来例の実施形態においては、フック13と本体部14が一体に形成されることにより連結されていたが、本実施形態においては作動部30と本体部41は別体に形成されて変位可能に連結される。
メインスリット43Bと二つのサイドスリット43Aは、メインスリット43Bの上端部と、二つのサイドスリット43Aの上端部とが略横一列に並ぶように設けられる。サイドスリット43Aは、それぞれ円弧状に形成されていてもよいし、直線部分を端部に含んでいてもよい。サイドスリット43Aは、メインスリット43Bの伸延方向の途中まで延びる。
アーム51は、根元にアーム51の根元側伸延方向に端部まで切り欠いた切り欠きを有し、先端付近にピン穴54を有する根元部53と、根元部53に切り欠きを渡されるように設けられる作動ピン52と、を備える。
なお、作動ピン52はアーム11と一体に形成されていても、根元部53に穴を設け、この穴にアーム11とは別体に形成されるピンを挿通してもよい。
次に、ハンガー2の組み立て方法について説明する。
本体部41のサイドスリット43Aに開放端からアーム51の作動ピン52を嵌め込む。
作動部30のツマミ34を開いて突起部35をメインスリット43Bに嵌め込む。
挿通孔33Aと各アーム51のピン穴54にピン33を挿通する。
次に、ハンガー2の動作について説明する。
アーム51が閉じた状態から開いた状態にするには、ピン33とメインスリット43Bの最下底との距離を近づける。つまり、アーム51が閉じた状態から開いた状態にするには、ツマミ34と第2取手44を指によってつまみ、ツマミ34を第2取手の方向、すなわち下方に変位させる。
アーム51が閉じた状態においては、ピン33と、二つの作動ピン52が略横一列に並ぶ。この状態においてツマミ34を下方に変位させることによりピン33に下方に向かう力を加えると、その横方向の分力はアーム51を開くのに十分に大きいものとなる。
他の説明をすれば、作動ピン52が力点、サイドスリット43Aを円周とした場合の中心に相当する位置が支点(仮想支点)、アーム51の先端が作用点となる。この場合、支点と力点との間の距離は、支点と作用点との間の距離に対して十分に長いものとなる。従って、片手による比較的小さな力によってもアーム11を開くことが可能となる。
従って、片手かつワンタッチによってアーム51を開くことができる。
アーム51が完全に開くと、アーム51を閉じる方向の力は作動ピン52を互いの方に向かう力となるため、アーム51に衣類を掛けてもアーム51は閉じない。
アーム51が開いた状態から閉じた状態にするには、ピン33とメインスリット43Bの最下底との距離を遠ざける。つまり、アーム51が開いた状態から閉じた状態にするには、ツマミ34と第1取手42とを指によってつまみ、ツマミ34を第1取手の方向に変位させる。
ハンガー2は、フック31を物干し竿等に掛け、第1取手42を指によって下方に変位させるだけのワンタッチによってアーム11を閉じることができるという効果がある。
作動ピン52はサイドスリット43Aに沿って上方に変位し、アーム51は自重によって閉じる。
従って、片手かつワンタッチによってアーム51を閉じることができる。
なお、図10は本実施形態のハンガー2の変形例に係るハンガー3の斜視図、図11は本変形例のハンガー3の分解斜視図である。図10及び図11に示すように、ハンガー2においては、作動部30が二股に分かれた形状をなし、本体部41が二股には分かれていない板状の形状をなしているが、本変形例のハンガー3においては作動部62が二股に分かれず、本体部70が二股に分かれた形状をなしている。なお、更なる変形例においては作動部30及び本体部41がともに二股に分かれていない形状をなしていてもよい。
図10及び図11に示すように、ハンガー3は、フック部60と、上端において連結する一対の本体部70と、一対のアーム80と、を備える。
フック部60は、フック61と、フック61の下端に配置され、下端部に挿通孔63を有する作動部62と、を備える。
本体部70は、上下方向に延びるメインスリット71と、メインスリット71の両脇に設けられ、両脇からメインスリット71に向かって延び、メインスリット71の手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット71に沿って延びる一対のサイドスリット72と、を有する。また、本体部70は連結部分に挿入孔73を有する。挿入孔73にはフック61の作動部62が上下変位可能に挿入される。
アーム80は、アーム80の根元に配置され、アーム80の伸延方向上に設けられるサイドピン穴83と、サイドピン穴83の図11の正面視下方に配置されるメインピン穴84と、を有する根元部82を備える。
メインスリット71、各アーム80のメインピン穴84、及び挿通孔63には、1本のメインピン81が挿通される。メインピン81はメインピン穴84に装着された状態において、一端部又は両端部が本体部41の表面から指がかけられる程度に軸方向に突出する。また、サイドピン穴83にはサイドピン64がそれぞれ挿通され、挿通されたサイドピン64はサイドスリット72に嵌め込まれる。
なお、サイドピン64はサイドピン穴83の位置にアーム80と一体に形成することもできる。この場合、サイドピン穴83は設けなくてよい。また、サイドピン64がアーム80に対して別体に設け有れる場合には、サイドスリット72は上端が開放していなくてもよい。
本変形例のハンガー3は、フックを竿に掛けたままでも指によって本体部70を下方に押し下げるだけにより、小さな力でも1回の動作によってアーム80を開くことができる。また、本変形例のハンガー3は、メインピン81を指によって上方に変位させるだけの1回の動作によってアーム80を閉じることができる。
以上述べたように、本実施形態のハンガー2は、フック31と、上下方向に延び、突起部35が嵌め込まれるメインスリット43B、及びメインスリット43Bの両脇に両脇の端部からメインスリット43Bに向かって横方向に延び、メインスリット43Bの手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット43Bに沿って延びる一対のサイドスリット43Aを有し、フック31に連結される本体部と、先端付近にピン穴54を有する根元部53、及び根元部53にサイドスリット43Aに挿通される作動ピン52を備える一対のアーム51と、本体部41にアーム51を変位可能に係止するピン33と、を備える。
具体的には、本実施形態のハンガー2は、フック31と、フック31の根元に設置され、正面視の手前側と奥側とに二股に分かれる分岐部32と、中央部分に挿通孔33Aを有し、分岐部32の下端に配置されるツマミ34と、各ツマミ34の対向する面に設けられる一対の突起部35と、を備える作動部30と、上下方向に延び、突起部35が嵌め込まれるメインスリット43Bと、メインスリット43Bの両脇に設けられ、両脇の端部からメインスリット43Bに向かって横方向に延び、メインスリット43Bの手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット43Bに沿って延びる一対のサイドスリット43Aと、メインスリット43Bの上方に配置される第1取手42と、メインスリット43Bの下方に配置される第2取手44と、を有する本体部41と、根元に根元側伸延方向に端部まで切り欠いた切り欠きを有し、先端付近にピン穴54を有する根元部53と、根元部53に切り欠きを渡されるように設けられ、サイドスリット43Aに挿通される作動ピン52と、を備える一対のアーム51と、挿通孔33Aとピン穴54に挿通されるピン33と、を備える。
また更に、本実施形態のハンガー3は、フック61と、フック61の根元から下方に延び、下端部に挿通孔63を備える作動部62と、上下方向に延びるメインスリット71と、メインスリット71の両脇に設けられ、両脇からメインスリット71に向かって延び、メインスリット71の手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット71に沿って延びる一対のサイドスリット72と、を有し、上端部において互いに連結する一対の本体部70と、根元の先端付近にサイドピン穴83及びサイドピン穴83の正面視下方に配置されるメインピン穴84を有する根元部82と、サイドピン穴83及びサイドスリット72に挿通される一対のサイドピン64と、を備える一対のアーム80と、挿通孔63、メインスリット71、及びメインピン穴84に挿通されるメインピン81と、を備えるように構成することも可能である。
従って、安価に製造することができ、片手かつワンタッチによってアーム51を開閉でき、迅速に衣類に装着できるハンガーを提供することができるという効果がある。
また、本実施形態のハンガー2は、フック31を物干し竿等に掛け、第1取手42を指によって下方に変位させるだけのワンタッチによってアーム11を閉じることができるという効果がある。
(第2の実施形態)
図12は本実施形態のハンガー4のアーム80を開いた状態を示す正面図、図13はハンガー4の分解斜視図である。
図12及び図13に示すように、本実施形態のハンガー4は、フック部60と、本体部41と、一対のアーム80と、メインピン81と、を備える(以下、上下、左右、縦横は図12正面視に基づくものとする。)。
フック部60は、フック61と、フック61の根元に設置され、下端部に挿通孔63を有する作動部62と、を備える。
本体部41は、フック部60とは別体に、かつ、1枚の板状に設けられる。本体部41は、上下方向に延びるメインスリット43Bと、メインスリット43Bの上端部に対応する位置において、メインスリット43Bの両脇に本体部41の両端部からメインスリット43Bに向かって湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット43Bに沿って延びる一対のサイドスリット43Aと、本体部41の上端部に配置される第1取手42と、本体部41の下端部に配置される第2取手44と、を有する。サイドスリット43Aの上側の端部は本体部41の両脇の縁にそれぞれ開放していてもよいし、開放していなくてもよい。
サイドスリット43Aは、湾曲する部分の下端からメインスリット43Bに沿って延びる部分が、メインスリット43Bと平行に下方に延びる。サイドスリット43Aのこのメインスリット43Bに沿って延びる部分は、サイドスリット43Aの湾曲部分を弧とする円の周から外れれば、メインスリット43Bと平行でなともよく、外側向きまたは内側向きに下方に延びていてもよい。
メインスリット43Bと二つのサイドスリット43Aは、メインスリット43Bの上端部と、二つのサイドスリット43Aの上端部とが略横一列に並ぶように設けられる。サイドスリット43Aは、それぞれ円弧状に形成されていてもよいし、直線部分を端部に含んでいてもよい。サイドスリット43Aは、メインスリット43Bの伸延方向の途中まで延びる。
第1取手42は、メインスリット43Bの上端部に対応する位置に作動部62が嵌まり込む幅を有する切り欠きを有する。
一対のアーム80は互いに同形状に形成されることが、金型の種類を少なくするという点において望ましい。アーム80は、先端部に配置される根元部82に貫通孔であるサイドピン穴83と、アーム80の伸延方向に対して下方に約120℃の方向に配置される貫通孔であるメインピン穴84と、を備える。
一対のアーム80は、アーム80の長さ、開いたときの上端部がなす角度など、基本的な部分が共通していれば、細部の形状が互いに異なっていてもよい。
本体部41と、一対のアーム80とは、メインピン81がメインピン穴84及びメインスリット43Bに、サイドピン64がサイドピン穴83及びサイドスリット43Aに、それぞれ挿通されることにより、回動可能に係止される。
メインスリット43B、各アーム80のメインピン穴84、及び挿通孔63には、1本のメインピン81が挿通される。メインピン81はメインピン穴84に装着された状態において、一端部又は両端部が本体部41の表面から指がかけられる程度に軸方向に突出する。また、サイドピン穴83にはサイドピン64がそれぞれ挿通され、挿通されたサイドピン64はサイドスリット43Aに嵌め込まれる。
サイドスリット43Aは、湾曲しているためサイドピン64の移動がスムーズとなる。従って、ハンガー4を両手によって操作する必要がなく、片手かつワンタッチによってアーム80の開閉を可能にするという効果がある。
なお、サイドピン64はサイドピン穴83の位置にアーム80と一体に形成することもできる。この場合、サイドピン穴83は設けなくてよい。また、サイドピン64がアーム80に対して別体に設け有れる場合には、サイドスリット43Aは上端が開放していなくてもよい。
メインピン81と、サイドピン64とは、先端部の幅が広くなった割ピンでも、ボルトとナットのような二つ以上の部材を有するピンであってもよい。なお、ハンガー4の材質は、特に制約はなく、例えば樹脂、金属、木材、及び紙から1種類以上選ばれる材質によって形成されることができるが、これらに限られるものではない。このうち紙については、通常の紙のほか、段ボール、再生紙、樹脂コーティング紙などを使用することができる。材質に紙を含む場合、紙の部分はリサイクルできるという効果がある。
次に、ハンガー4の組み立て方法について説明する。
本体部41のサイドスリット43Aと、アーム80のサイドピン穴83とに、サイドピン64を挿通する。
本体部41のメインスリット43Bと、一対のアーム80のメインピン穴84と、作動部62の挿通孔63とに、メインピン81を挿通する。
次に、ハンガー4の動作について説明する。
アーム80が閉じた状態から開いた状態にするには、メインピン81とメインスリット43Bの最下底との距離を近づける。つまり、アーム80が閉じた状態から開いた状態にするには、メインピン81と第2取手44を指によってつまみ、メインピン81を第2取手の方向、すなわち下方に変位させる。
アーム80が閉じた状態においては、メインピン81と、二つのサイドピン穴83が略横一列に並ぶ。この状態においてメインピン81を下方に変位させることによりメインピン81に下方に向かう力を加えると、その横方向の分力はアーム80を開くのに十分に大きいものとなる。
他の説明をすれば、サイドピン穴83が力点、サイドスリット43Aを円周とした場合の中心に相当する位置が支点(仮想支点)、アーム80の先端が作用点となる。この場合、支点と力点との間の距離は、支点と作用点との間の距離に対して十分に長いものとなる。従って、片手による比較的小さな力によってもアーム80を開くことが可能となる。
従って、片手かつワンタッチによってアーム80を開くことができる。
アーム80が完全に開くと、アーム80を閉じる方向の力はサイドピン穴83を互いの方に向かう力となるため、アーム80に衣類を掛けてもアーム80は閉じない。
アーム80が開いた状態から閉じた状態にするには、メインピン81とメインスリット43Bの最下底との距離を遠ざける。つまり、アーム80が開いた状態から閉じた状態にするには、メインピン81と第1取手42とを指によってつまみ、メインピン81を第1取手42の方向に変位させる。
ハンガー4は、フック61を物干し竿等に掛け、第1取手42を指によって下方に変位させるだけのワンタッチによってアーム80を閉じることができるという効果がある。
サイドピン穴83はサイドスリット43Aに沿って上方に変位し、アーム80は自重によって閉じる。
従って、片手かつワンタッチによってアーム80を閉じることができる。
また、ハンガー4はフックを竿に掛けたままでも指によって本体部41を下方に押し下げるだけにより、小さな力でも1回の動作によってアーム80を閉じることができる。また、ハンガー4は、メインピン81を指によって上方に変位させるだけの1回の動作によってアーム80を開くことができる。
以上述べたように、ハンガー4は、フック61と、フック61の根元から下方に延び、下端部に挿通孔63を備える作動部62と、作動部62とは別体、かつ、1枚の板状に形成され、上下方向に延びるメインスリット43Bと、メインスリット43Bの両脇に設けられ、メインスリット43Bに向かって延び、メインスリット43Bの手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット43Bに沿って延びる一対のサイドスリット43Aと、を有する本体部41と、根元の先端付近にメインピン穴84を有する根元部82と、根元部82に設けられ、サイドスリット43Aに挿通される一対のサイドピン64と、を備える一対のアーム80と、挿通孔63、メインスリット43B、及びメインピン穴84に挿通されるメインピン81と、を備える。
従って、片手かつワンタッチによってアーム80を開閉でき、衣類を容易に着脱できるハンガーを提供することができるという効果がある。
(第3の実施形態)
図14は本実施形態のハンガー5の分解斜視図、図15はハンガー5のアーム110を開いた状態を示す斜視図、図16はハンガー5のアーム110を閉じた状態を示す斜視図である(以下、上下、左右、縦横は図3正面視に基づくものとする。)。
図14から図16に示すように、本実施形態のハンガー5は、フック部90と、本体部120と、一対のアーム110と、メインピン81と、を備える。
フック部90は、フック91と、フック91の根元に配置され、第1指孔95及び第1指孔95の下方に配置される挿通孔96を有する作動部92と、を備える。第1指孔95は、指を入れるのに十分な横幅と、後述するメインスリット121の上下方向の長さと等しいかより長い縦幅を有する。
本体部120は、フック部90とは別体に、かつ、1枚の板状に設けられる。本体部120は、上下方向に延びるメインスリット121と、メインスリット121の上端部に対応する位置において、メインスリット121の両脇に本体部120の両端部からメインスリット121に向かって湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット121に沿って延びる一対のサイドスリット122と、本体部120の上端部に配置される第2指孔125を有する第1取手123と、を有する。サイドスリット122の上側の端部は本体部120の両脇の縁にそれぞれ開放していてもよいし、開放していなくてもよい。
サイドスリット122は、湾曲する部分の下端からメインスリット121に沿って延びる部分が、メインスリット121と平行に下方に延びる。サイドスリット122のこのメインスリット121に沿って延びる部分は、サイドスリット122の湾曲部分を弧とする円の周から外れれば、メインスリット121と平行でなともよく、外側向きまたは内側向きに下方に延びていてもよい。
メインスリット121と二つのサイドスリット122は、メインスリット121の上端部と、二つのサイドスリット122の上端部とが略横一列に並ぶように設けられる。サイドスリット122は、それぞれ円弧状に形成されていてもよいし、直線部分を端部に含んでいてもよい。サイドスリット122は、メインスリット121の伸延方向の途中まで延びる。
一対のアーム110は互いに同形状に形成されることが、金型の種類を少なくするという点において望ましい。アーム110は、先端部に配置される根元部112に本体部120の方向に突出するアーム110と一体成型されたサイドピン113と、アーム110の伸延方向に対して下方に約120℃の方向に配置される貫通孔であるメインピン穴114と、を備える。
一対のアーム110は、アーム110の長さ、開いたときの上端部がなす角度など、基本的な部分が共通していれば、細部の形状が互いに異なっていてもよい。
本体部120と、一対のアーム110とは、メインピン81がメインピン穴114及びメインスリット121に、サイドピン113がサイドスリット122に、それぞれ挿通されることにより、回動可能に係止される。
メインスリット121、各アーム110のメインピン穴114、及び挿通孔96には、1本のメインピン81が挿通される。また、サイドピン113はサイドスリット122に嵌め込まれる。
サイドスリット122は、湾曲しているためサイドピン113の移動がスムーズとなる。従って、ハンガー4を両手によって操作する必要がなく、片手かつワンタッチによってアーム110の開閉を可能にするという効果がある。
なお、アーム110の代わりに第1の実施形態において示したアーム80とサイドピン64を用いてもよい。この場合のサイドピン64の挿通箇所は第1の実施形態と同様である。
メインピン81は、先端部の幅が広くなった割ピンでも、ボルトとナットのような二つ以上の部材を有するピンであってもよい。なお、ハンガー5の材質は、特に制約はなく、例えば樹脂、金属、木材、及び紙から1種類以上選ばれる材質によって形成されることができるが、これらに限られるものではない。このうち紙については、通常の紙のほか、段ボール、再生紙、樹脂コーティング紙などを使用することができる。材質に紙を含む場合、紙の部分はリサイクルできるという効果がある。
次に、ハンガー5の組み立て方法について説明する。
本体部120のサイドスリット122に、アーム110のサイドピン113を挿通する。
本体部120のメインスリット121と、一対のアーム110のメインピン穴114と、作動部92の挿通孔96とに、メインピン81を挿通する。
次に、ハンガー5の動作について説明する。
アーム110が閉じた状態から開いた状態にするには、メインピン81とメインスリット121の最下底との距離を近づける。つまり、アーム110が閉じた状態から開いた状態にするには、第1指孔95の上方に位置する第1指掛け部97と、第2指孔125の上端部を指によってつまみ、第1指掛け部97と第2指孔125の上端部を近づける。この動作により、メインピン81はメインスリット121の上方から下方に向かって移動するとともに、サイドピン113はサイドスリット122の上方から下方に向かって変位する。従って、アーム110は閉じた状態から開いた状態になる。
アーム110が閉じた状態においては、メインピン81と、二つのサイドピン113が略横一列に並ぶ。この状態においてメインピン81を下方に変位させる、つまりメインピン81に下方に向かう力を加えると、その横方向の分力はアーム110を開くのに十分に大きいものとなる。
他の説明をすれば、サイドピン113が力点、サイドスリット122を円周とした場合の中心に相当する位置が支点(仮想支点)、アーム110の先端が作用点となる。この場合、支点と力点との間の距離は、支点と作用点との間の距離に対して十分に長いものとなる。従って、片手による比較的小さな力によってもアーム110を開くことが可能となる。
従って、片手かつワンタッチによってアーム110を開くことができる。
アーム110が完全に開くと、アーム110を閉じる方向の力はサイドピン113を互いの方に向かう力となるため、アーム110に衣類を掛けてもアーム110は閉じない。
アーム110が開いた状態から閉じた状態にするには、メインピン81とメインスリット121の最下底との距離を遠ざける。つまり、アーム110が開いた状態から閉じた状態にするには、作動部92の下端部に相当する第2指掛け部98と本体部120の第2指孔125の下端部を指によってつまみ、第2指掛け部98と第2指孔125の下端部を近づける。この動作により、メインピン81はメインスリット121の下方から上方に向かって移動するとともに、サイドピン113はサイドスリット122の下方から上方に向かって変位する。従って、アーム110は開いた状態から閉じた状態になる。
ハンガー5は、第1指孔95と第2指孔125を有するため、本体部120に対して作動部92の挿通孔96に挿通されたメインピン81を、片手、かつ、ワンタッチによって変位させることができる。従って、片手、かつ、ワンタッチによってアーム110を開閉できるという効果がある。
また、ハンガー5はフックを竿に掛けたままでも指によって本体部120を下方に押し下げるだけにより、小さな力でも1回の動作によってアーム110を閉じることができる。また、ハンガー5は、メインピン81を指によって上方に変位させるだけの1回の動作によってアーム110を開くことができる。
以上述べたように、ハンガー5は、フック91と、フック91の根元から下方に延び、下端部に挿通孔96を備える作動部92と、作動部92とは別体、かつ、1枚の板状に形成され、上下方向に延びるメインスリット121と、メインスリット121の両脇に設けられ、メインスリット121に向かって延び、メインスリット121の手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメインスリット121に沿って延びる一対のサイドスリット122と、を有する本体部120と、根元の先端付近にメインピン穴114を有する根元部112と、根元部112に設けられ、サイドスリット122に挿通される一対のサイドピン113と、を備える一対のアーム110と、挿通孔96、メインスリット121、及びメインピン穴114に挿通されるメインピン81と、を備える。
そして、ハンガー5は、作動部92は、挿通孔96の上方に指を入れるのに十分な横幅と、メインスリット121の上下方向の長さと等しいかより長い縦幅を有する第1指孔95をさらに備え、本体部120は、メインスリット121の上方に指を入れるのに十分な大きさを有する第2指孔125をさらに備える。
従って、さらに容易に、片手かつワンタッチによってアーム80を開閉でき、衣類を容易に着脱できるハンガーを提供することができるという効果がある。
(第4の実施形態)
図17は本実施形態のハンガー6のアーム221を開いた状態を示す正面図、図18はハンガー6のアーム221を閉じた状態の正面図、図19はハンガー6のアーム221を閉じた状態の右側面図である。
図17から図19に示すように、本実施形態のハンガー6は、フック部201と、一対の本体部211と、一対のアーム221と、を備える(以下、上下、左右、縦横は図12正面視に基づくものとする。)。
図20は、フック部201を示す図である。図20(A)はフック部201の正面図、図20(B)はフック部201のX1矢視図である。
図20に示すように、フック部201は、指を通すのに十分な大きさを有する第1指孔202が下方に配置されるフック206と、第1指孔202の下方に配置され、指を通すのに十分な大きさを有する長孔204、及び長孔204の下方に配置され、正面と背面とにそれぞれ突出するメインピン205を有する作動部203と、を備える。
第1指孔202の横方向の直径の長さと、長孔204の横幅の長さとはほぼ等しい。作動部203の奥行き方向の厚さは、フック206の奥行き方向の厚さより薄い。
図21は、アーム221を示す図である。図21(A)はアーム221の平面図、図21(B)は左側のアーム221の正面図、図21(C)は左側のアーム221の背面図、図21(D)はアーム221のX4矢視図である。
図21に示すように、アーム221は、衣類を掛けるのに適した長さと幅を有し、根元に正面と背面とにそれぞれ突出するサイドピン222、及び開いた状態においてサイドピン222の下方に来るように配置される貫通孔であるメインピン穴225を有する根元部224を備える。
根元部224は、アーム221の伸延方向端部に溝部223を有し、奥側の根元部224は手前側の根元部224より、メインピン穴225が視認できる程度に短く切り欠かれる。
アーム221の断面221Aは、アーム221が開いた状態において下側の幅が短くなるように形成される。
一対のアーム221は、互いに同形状に形成されても、異なる形状に形成されてもよい。
図22は、本体部211を示す図である。図22(A)は本体部211の背面図、図22(B)は本体部211の正面図、図22(C)は本体部211の左側面図、図22(D)は一対の本体部211を組み合わせた様子を示す図である。
図22に示すように、本体部211は、上半分がほぼ矩形をなし、下半分が略逆三角形をなす。本体部211は、上方に指を通すのに十分な大きさを有する第2指孔212を備える。
本体部211は、フック部201とは別体に、かつ、1枚の板状に設けられる。本体部211は、上下方向に延びる溝であるメイン溝部213Aと、メイン溝部213Aの上端部に対応する位置において、メイン溝部213Aの両脇に本体部211の両端部からメイン溝部213Aに向かって湾曲しながら下方に向きを変えてメイン溝部213Aに沿って延びる溝である一対のサイド溝部213Bと、を有する。サイド溝部213Bの上側の端部は本体部211の両脇の縁にそれぞれ開放していてもよいし、開放していなくてもよい。
サイド溝部213Bは、湾曲する部分の下端からメイン溝部213Aに沿って延びる部分が、メイン溝部213Aと平行に下方に延びる。サイド溝部213Bのこのメイン溝部213Aに沿って延びる部分は、サイド溝部213Bの湾曲部分を弧とする円の周から外れれば、メイン溝部213Aと平行でなともよく、外側向きまたは内側向きに下方に延びていてもよい。
メイン溝部213Aと二つのサイド溝部213Bは、メイン溝部213Aの上端部と、二つのサイド溝部213Bの上端部とが略横一列に並ぶように設けられる。サイド溝部213Bは、それぞれ円弧状に形成されていてもよいし、直線部分を端部に含んでいてもよい。サイド溝部213Bは、メイン溝部213Aの伸延方向の途中まで延びる。
一対の本体部211の一方には、本体部211の縁にフック部201とアーム221を挿通する部分を除いて、他方の本体部211と嵌合する嵌合部214が設けられる。図22においては、嵌合部214が凸部として表されているが、他方の本体部211は嵌合部214が凹部となる。
一対の本体部211は、嵌合部214を除いて互いに同形状に形成される。本体部211は装飾が施されていてもよく、この装飾は一方の本体部211と他方の本体部211とにおいて異なっていてもよい。
次に、ハンガー6の組み立て方について説明する。まず、一方の本体部211に、一方のアーム221をサイドピン222がサイド溝部213Bに嵌まるように載置する。
次に、フック部201を、メインピン205がメインピン穴225に嵌まり、かつ、メイン溝部213Aに嵌まるように載置する。
次に、他方のアーム221をサイドピン222が他方のサイド溝部213Bに嵌まり、メインピン205がメインピン穴225に嵌まるように載置する。
最後に、他方の本体部211を、メインピン205がメイン溝部213Aに、サイドピン222がサイド溝部213Bに、それぞれ嵌まるように載置し、嵌合部214を互いに嵌合させる。
図23は、ハンガー6の開閉の様子を示す図である。図23においては、手前側の本体部211を外した状態を図示してある。図23(A)はアーム221が閉じた状態を、図23(B)はアーム221が開いた状態を示す。
アーム221を閉じた状態から開いた状態にするには、第1指孔202と第2指孔212にそれぞれ指を入れ、第1指孔202の底部を矢印Y1の方向に、第2指孔212の上部を矢印Y2の方向に、それぞれ押圧して互いに近づける。
上述のように押圧すると、メインピン205はメイン溝部213Aの上方から下方に移動し、サイドピン222はサイド溝部213Bの上方から下方に移動する。
サイドピン222同士の距離が短くなり、一対のアーム221は閉じた状態から開いた状態になる。この際、サイド溝部213Bが湾曲しているため、スムーズに、片手のみによって、かつ、1回の動作(ワンタッチ)によってアーム221を開くことができる。
アーム221を開いた状態から閉じた状態にするには、第1指孔202と第2指孔212にそれぞれ指を入れ、第1指孔202の上部を矢印Y3の方向に、第2指孔212の底部を矢印Y4の方向に、それぞれ押圧して互いに遠ざける。
上述のように押圧すると、メインピン205はメイン溝部213Aの下方から上方に移動し、サイドピン222はサイド溝部213Bの下方から上方に移動する。
サイドピン222同士の距離が遠くなり、一対のアーム221は開いた状態から閉じた状態になる。この際、サイド溝部213Bが湾曲しているため、スムーズに、片手のみによって、かつ、1回の動作によってアーム221を閉じることができる。
図24は第4の実施形態の応用例に係るハンガー7のアーム221を開いた状態の正面図、図25は本応用例に係るハンガー7のアーム221を閉じた状態の正面図、図26は本応用例に係るハンガー7のアーム221を閉じた状態の右側面図である。
図24から図26に示すように、本実施形態のハンガー7は、脚付きフック部301と、一対の本体部211と、一対のアーム221と、を備える(以下、上下、左右、縦横は図12正面視に基づくものとする。)。
本応用例に係るハンガー7の構成は、第4の実施形態に係るハンガー6の構成のうちフック部201が脚付きフック部301に代わった点が異なるだけであり、他の構成は第4の実施形態に係るハンガー6の構成と同様である。従って、脚付きフック部301についてのみ説明する。
図27は、脚付きフック部301を示す図である。図27(A)は脚付きフック部301の正面図、図27(B)は脚付きフック部301のX2矢視図である。
図27に示すように、脚付きフック部301は、フック306と、フック306の下方に配置され、指を通すのに十分な大きさを有する長孔304、及び長孔304の下方に配置され、正面と背面とにそれぞれ突出するメインピン305を有する作動部303と、メインピン305の下方に配置され、下方に伸びる脚部302と、を備える。
脚付きフック部301は、本体部211とは別体に形成される。
次に、ハンガー7の組み立て方について説明する。まず、一方の本体部211に、一方のアーム221をサイドピン222がサイド溝部213Bに嵌まるように載置する。
次に、脚付きフック部301を、メインピン305がメインピン穴225に嵌まり、かつ、メイン溝部213Aに嵌まるように載置する。
次に、他方のアーム221をサイドピン222が他方のサイド溝部213Bに嵌まり、メインピン305がメインピン穴225に嵌まるように載置する。
最後に、他方の本体部211を、メインピン305がメイン溝部213Aに、サイドピン222がサイド溝部213Bに、それぞれ嵌まるように載置し、嵌合部214を互いに嵌合させる。
図28は、ハンガー7のアーム221の開閉の様子を示す図である。図28においては、手前側の本体部211を外した状態を図示してある。図28(A)はアーム221が閉じた状態を、図28(B)はアーム221が開いた状態を示す。
アーム221を閉じた状態から開いた状態にするには、第2指孔212に指を入れ、フック306の下端部の上面に他の指をかけ、フック306の下端部の上面を矢印Y5の方向に、第2指孔212の上部を矢印Y6の方向に、それぞれ押圧して互いに近づける。
上述のように押圧すると、メインピン305はメイン溝部213Aの上方から下方に移動し、サイドピン222はサイド溝部213Bの上方から下方に移動する。
サイドピン222同士の距離が短くなり、一対のアーム221は閉じた状態から開いた状態になる。この際、サイド溝部213Bが湾曲しているため、スムーズに、片手のみによって、かつ、1回の動作(ワンタッチ)によってアーム221を開くことができる。
アーム221を開いた状態から閉じた状態にするには、脚部302の下端に指を掛け、第2指孔212に他の指を入れ、脚部302を矢印Y7の方向に、第2指孔212の底部を矢印Y8の方向に、それぞれ押圧して互いに近づける。
上述のように押圧すると、メインピン205はメイン溝部213Aの下方から上方に移動し、サイドピン222はサイド溝部213Bの下方から上方に移動する。
サイドピン222同士の距離が遠くなり、一対のアーム221は開いた状態から閉じた状態になる。この際、サイド溝部213Bが湾曲しているため、スムーズに、片手のみによって、かつ、1回の動作によってアーム221を閉じることができる。
そして、本応用例においては、アーム221を開くときも閉じるときも指をつまむように動作すればよいため、開閉動作がさらに容易になるという効果がある。
なお、全ての実施形態において、メインスリット(14A、43B、71、121)の上端部はサイドスリット(14B、43A、72、122)の上端部と同じ高さに揃っていなくてもよいし、メイン溝部213Aの上端部はサイド溝部213Bの上端部と同じ高さに揃っていなくてもよい。
最後に、ハンガー6及びハンガー7の材質について説明する。ハンガー6及びハンガー7の材質は、衣類を掛けておくのに十分な強度を有していれば、その材質を問わない。例えば、材質は樹脂、金属、木材、紙から1種類以上えらばれる材質を用いることができる。特に紙を用いた部分については、リサイクルできるという効果がある。
なお、他の実施形態についても、材質については本実施形態と同じである。
以上述べたように、本実施形態のハンガー6は、下方に指を通すのに十分な大きさを有する第1指孔202を有するフック206と、第1指孔202の下方に配置され、指を通すのに十分な大きさを有する長孔204、及び長孔204の下方に配置される前後一対のメインピン205を有する作動部203と、作動部203とは別体、かつ、一対の板状に形成され、上方に指を通すのに十分な大きさを有する第2指孔212と、第2指孔212の下方に配置され、上下方向に延び、メインピン205が嵌め込まれるメイン溝部213Aと、メイン溝部213Aの両脇に設けられ、メイン溝部213Aに向かって延び、メイン溝部213Aの手前において湾曲しながら下方に向きを変えてメイン溝部213Aに沿って延びる一対のサイド溝部213Bと、を有する本体部211と、根元の先端付近にメインピン205が挿通されるメインピン穴225を有する根元部224と、根元部224に設けられ、サイド溝部213Bに嵌め込まれる一対のサイドピン222と、を備える一対のアーム221と、を備える。
従って、さらに容易に、片手かつワンタッチによってアーム80を開閉でき、衣類を容易に着脱できるハンガーを提供することができるという効果がある。
また、一対の本体部211が内側に作動部203及び根元部224を収容するため、指を挟んだり埃がたまったりすることを防止することが可能となるという効果がある。