以下、駐車情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素、ステップは同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
図1は、本実施の形態における駐車システムのブロック図である。この駐車システムは、駐車情報処理装置1、通信端末2、発券機3、精算機4、事前精算機5、センサ6を備える。なお、センサ6が複数在り、複数のセンサ6を区別する場合は、センサ6a,6b,…のように、夫々が識別できるように符号を記す。
駐車情報処理装置1、通信端末2、発券機3、精算機4、事前精算機5、センサ6は、例えば、インターネット、無線LANなどのネットワークを介して、通信可能に接続される。ただし、本接続では、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線または有線によるP2P接続でもよく、接続方式は問わない。
なお、図1の駐車システムは、例示に過ぎず、例えば、発券機3、精算機4、事前精算機5、センサ6、のうち少なくとも一部は、省略してよい場合がある。また、例えば、路上の有料パーキングに用いられる駐車システムの場合、発券機3と精算機4は一体型であってもよい。ここでいう一体型の精算機4は、事前に精算するという概念を含む。また、駐車システムには、例えば、入口のゲート、出口のゲート、監視カメラなど、図示している以外の構成要素が追加されても構わない。
図2は、図1の駐車システムを用いた施設の一例に関する概念図である。この施設は、店舗と、駐車場と、管理室とを有する。なお、図2の施設は、例示に過ぎず、店舗、管理室のうち少なくとも一部は、省略してよい場合がある。また、管理室は、例えば、複数の店舗、複数の駐車場を管理する本部の管理室などであってもよい。
駐車場は、1以上の駐車スペース(例えば、駐車スペースP1,P2,P3,…)を有し、図2に示す形態では、各駐車スペースには、移動体(例えば、移動体M1,M2,M3,…)が駐車されている。なお、移動体とは、通常、自動車、バイクなどであるが、自転車などでもよく、人を運ぶものであれば種類は問わない。
駐車情報処理装置1は、出庫情報を取得し、出力する装置である。出庫情報とは、出庫の予定を示す情報であり、例えば、もうすぐ空きそうな駐車スペースの有無、いつ駐車スペースが空くか、どの駐車スペースが空くか、どの駐車スペースがいつ空くか、といった情報である。ただし、出庫情報は、もうすぐ空くか否か、空く予定の場所、空く予定の時間、のうち少なくとも1つを明示する情報であればよい。また、駐車情報処理装置1は、例えば、管理室に設けられたサーバ(後述するコンピュータシステム900等)であるが、ネットワーク上のクラウドサーバなどでもよく、設置場所は問わない。
通信端末2は、例えば、移動体に搭載される車載通信端末(例えば、カーナビ、ETC装置等)であり、駐車情報処理装置1と通信を行うことで、出庫の予定を提示する。または、通信端末2は、例えば、移動体に乗る(移動体を運転する)ユーザによって携帯される携帯通信端末(スマートフォン、タブレット端末等)であってもよく、タイプは問わない。なお、この種のサーバ(上記参照)、車載通信端末または携帯通信端末のハードウェア構成は公知であり、本発明は公知のハードウェア構成で実現可能なので、実施の形態の最後に一例を記すに止める。
また、駐車場とは、移動体を駐車するための1または2以上の駐車スペースを有する場所であり、例えば、ショッピングセンターや公園といった施設のパーキング、街中のコインパーキング、路上のパーキングなどである。この実施の形態でいう駐車場は、通常、有料の駐車場であるが、無料の駐車場でもよい。
発券機3は、通常、駐車場の入口付近に設けられ、駐車スペースに入庫しようとしている移動体(例えば移動体M4)に対し、入庫情報が記録された駐車券を発券する。ただし、2以上の発券機3が、2以上の駐車スペースに対応して設けられて、当該駐車スペースに入庫した移動体に対し発券を行ってもよい。
入庫情報とは、当該移動体の駐車スペースへの入庫に関する情報であり、例えば、当該移動体を識別する移動体識別子(駐車券の発券番号、ナンバープレートの車両番号など)、当該移動体が駐車スペースに入庫した(または入庫するであろう)時刻である入庫時刻などを有する。なお、入庫時刻は、当該移動体が駐車場に入った時刻(入場時刻)でもよいし、入場時刻に一定時間(例えば1分、2分など)を加算した時刻でもよい。
発券機3は、例えば、赤外線センサやイメージセンサ等の検知部と、時計とを有し、駐車場に入ろうとしている移動体を検知部で検知すると、時計から現在時刻を取得し、これに対応する入庫時刻と移動体識別子とを記録した駐車券を発券する。なお、移動体識別子として車両番号を用いる場合、発券機3の検知部として、移動体のナンバープレートを撮影するイメージセンサが用いられ、発券機3は、イメージセンサからの画像を基に、ナンバープレートの車両番号を認識する文字認識機能を有する。
精算機4は、駐車場を出ようとしている移動体に対し駐車券を回収して、駐車券に記録されている入庫情報を基に、駐車料金を計算する。この際、精算情報を作成する。精算機4は、通常、駐車場の出口付近や、駐車スペースから出口に向かう経路沿いに設けられているが、設置場所は問わない。精算情報とは、駐車料金の精算に関する情報であり、例えば、精算が行われた時刻である精算時刻、精算が済んだ駐車料金を示す精算済み駐車料金、移動体識別子などを有する。
事前精算機5は、駐車場に停めてある移動体に対し、ユーザが移動体に乗る前(出庫前)に駐車券を回収し、それに記録されている入庫情報を基に駐車料金を計算し、駐車料金の事前精算を行うものである。この際、事前に料金精算が行われたことに関する事前精算情報を作成する。事前精算機5は、通常、施設内の所定の位置、例えば、駐車場内、店舗内、店舗と駐車場との間の通路などに設けられるが、設置場所は問わない。
なお、事前精算情報は、例えば、事前精算が行われた時刻を示す事前精算時刻、移動体識別子などを有する。ただし、事前精算情報は、事前精算時刻に代えて、またはこれに加えて、当該移動体が駐車スペースから出庫する予定の時刻を示す出庫予定時刻を有してもよいし、事前精算が済んだ駐車料金を示す事前精算済み駐車料金をさらに有していてもよい。
出庫予定時刻は、例えば、入庫時刻に対し、事前精算済み駐車料金で駐車可能な最大時間(駐車可能時間)を加算した時刻であってもよい。この場合、例えば、駐車可能時間(駐車料金)が400円/2時間に設定されているとする。そして、入庫時刻が10:30とすると、駐車可能な最大時間である2時間を加算した12:30が出庫予定時刻となる。または、出庫予定時刻が、事前精算時刻に一定の時間を加算した時刻であってもよい。加算される一定の時間(加算時間)は、例えば、15分や30分、1時間などといった固定値であってもよい。この場合、例えば、加算時間が30分に設定されているとする。そして、事前精算時刻が12:30とすると、事前精算機5は、12:30に30分を加算した13:00が出庫予定時刻となる。また、加算時間は、駐車場における事前精算機5の設置位置によって異なる値であってもよい。例えば、駐車場内に位置する事前精算機5は、事前精算時刻に、短い第一加算時間を加算した時刻を出庫予定時刻に設定し、駐車場の外(例えば、駐車場と店舗との間の通路)に位置する事前精算機5は、事前精算時刻に第一加算時間より長い第二加算時間を加算した時刻を出庫予定時刻に設定してもよい。なお、かかる駐車可能時間や加算時間など出庫予定時刻に関する計算は、駐車情報処理装置1で設定されている。
なお、精算機4や事前精算機5は、例えば、通信端末2、スマートフォン、タブレット端末、POS端末等の端末を介して、クレジットカード、プリペイドカード等のカード情報を受け付け、駐車料金の電子決済を行う決済サーバなどでも構わない。決済サーバは、例えば、発券機3が作成した入庫情報と、端末を介して受け付けたカード情報と、精算機4や事前精算機5が用いるものと同じ料金情報とを用いて、駐車料金の事前精算を行い、事前精算情報を作成する。
センサ6は、当該駐車スペースに存在する移動体を検知して、検知結果を示す信号を出力するものであり、駐車スペースごとに設けられ、例えば、イメージセンサや赤外線センサなどが用いられる。駐車スペースごとのセンサ6の数は、用途に合わせて任意に設定される。例えば、駐車スペースP1に対応して設けられたセンサ6aは駐車スペースP1に存在する移動体を検知(イメージセンサの場合は、さらに車両番号を認識)して、駐車スペースP1を識別するスペース識別子“P1”と、駐車スペースP1に移動体が存在するか否かを示す情報である有無情報(イメージセンサの場合は、さらに車両番号)とを有する信号を出力する。有無情報は、例えば、駐車スペースを識別するスペース識別子と、移動体の有無を示すフラグとの対を有する。このように、センサ6a,6b,…は、移動体識別子として車両番号を用いる場合はイメージセンサであるが、移動体識別子として発券番号を用いる場合は赤外線センサでもよく、種類は問わない。
駐車情報処理装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、出力部14、送信部15を備える。
駐車情報処理装置1を構成する格納部11には、駐車情報処理装置1を識別する識別子、各通信端末2を識別する識別子、発券機3を識別する識別子、精算機4を識別する識別子、事前精算機5を識別する識別子などが格納される。また、端末格納部21(後述参照)には、通信端末2を識別する識別子、駐車情報処理装置1を識別する識別子などが格納される。なお、発券機3、精算機4、事前精算機5もまた、当該機器を識別する識別子、駐車情報処理装置1を識別する識別子などが格納された記録媒体を有する。こうした識別子は、例えば、装置間でネットワークを介して情報を送受信する際のアドレスとして用いられる。こうした識別子は、通常、IPアドレス、MACアドレスなどであるが、種類は問わない。なお、以下では特に言及しないが、装置間で送受信される情報には、通常、こうした識別子が、送信元識別子または送信先識別子として付加される。
また、格納部11には、地図情報が格納される。地図情報とは、全国や地域、施設、駐車場内の地図に関する情報を含み、例えば、地図の背景を構成する幾何データ、経路の案内や探索のための位相データなどを有する。幾何データは、例えば、道路などの線を表現する線データ、公園などの面を表現する面データ等である。位相データは、例えば、道路ネットワークなどのデータであり、交差点(ノード)と道路(エッジ)の集合で構成される。ただし、地図情報のデータ構造は問わない。また、駐車場内の地図に関する情報は、例えば、当該駐車場が有する駐車スペースのレイアウトを示すレイアウト情報などを含む。ここでいうレイアウトとは、例えば、駐車スペースの形状、位置、サイズなどである。駐車スペースの形状は、通常、矩形であるが、円形など、矩形以外の形状でもよい。レイアウト情報は、通常、駐車スペースに対応する矩形を定義する2点の座標(互いに対向する2つの頂点の座標)で表現されるが、例えば、矩形の重心の座標と縦横サイズ、円の中心点の座標と半径などで表現されてもよく、表現形式は問わない。座標は、例えば、緯度・経度による絶対座標でも、空車場内の相対座標(例えば、入り口や出口等の代表点を原点とする座標)でもよく、表現形式は問わない。
また、格納部11には、駐車スペースへの駐車車両(移動体)の有無情報の集合である駐車情報が格納されている(もしくは格納できる)。なお、格納部11には、後述する通知先情報や、後述する予約情報、その他の情報が格納されている。
受付部12は、通信端末2から送信された予約情報を受信したり、通信端末2から駐車車両の有無情報の要求を受信したり、事前精算機5等から送信された事前精算情報を受信したりする。具体的には、受付部12は、駐車情報処理装置1が有するキーボードやタッチパネルなどの他の入力デバイスから入力された各種情報(予約情報や有無情報等)の受け付け、通信回線を介して送信された各種情報の受信、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された各種情報の受け付けなどを行ってもよい。
予約情報とは、駐車スペースの予約に関する情報であり、駐車スペースを識別するスペース識別子と、駐車スペースでの駐車時間に関する駐車時間情報とを有する。駐車時間情報は、例えば、入庫する予定の時刻を示す入庫予定時刻と、駐車する時間の長さを示す駐車時間(駐車可能時間含む)または出庫する予定の時刻を示す出庫予定時刻(駐車可能時間や加算時間に関係)とを有する。予約情報は、通常、駐車しようとする移動体を識別する移動体識別子をさらに有する。移動体識別子は、例えば、ナンバープレートの車両番号であるが、移動体を利用するユーザを識別するユーザ識別情報(通信端末2のアドレス、電話番号等)でもよく、種類は問わない。
処理部13は、取得部130、誘導部131、制御部132を備え、後述する各種の処理(判断、蓄積など)を行う。処理部13は、好ましくは、文字認識機能を有しており、センサ6からの画像を基に、駐車スペース内の移動体が有するナンバープレートの番号を認識する。
取得部130は、料金精算を事前に行える事前精算機において料金精算が行われたことに関する事前精算情報に基づいて、出庫情報を取得する。出庫情報とは、駐車場の駐車スペースに存在する移動体が、当該駐車スペースから、予め設定した時間(加算時間)以降に出庫することを示す情報である。取得部130は、通常、駐車スペースを識別するスペース識別子と、加算時間との対を有する。出庫情報は、例えば、事前精算が行われたことを示す情報でもよいし、加算時間後に出庫することを示す情報でもよいし、もうすぐ出庫することを示す情報でもよいし、出庫する予定の時刻(出庫予定時刻)を有する情報でもよいし、駐車時間(入庫からの経過時間、次回の料金加算までの残り時間等)の情報などでもよく、出庫の予定に関する情報であれば何でもよい。
また、取得部130は、駐車車両の有無情報をさらに取得してもよい。取得部130は、例えば、1以上の駐車スペースに対応して配置された1以上のセンサ6a,6b,…からの信号を基にして駐車車両の有無情報を取得する。
誘導部131は、出庫情報に基づく移動体の出庫と入庫(出入庫)の誘導を行う。なお、誘導部131は、出庫と入庫のうちいずれか一方の誘導だけを行っても構わない。詳しくは、誘導部131は、取得部130が取得した出庫情報を基に、駐車場または駐車スペースから出庫しようとする移動体に対し、出庫の誘導を行う。出庫の誘導とは、移動体を手動運転または自動運転で出庫させるための誘導をいい、例えば、駐車スペースに停まっている移動体を、他の移動体や歩行者や壁面などとの接触を避けながら、駐車場の出口への誘導を行う。他方、誘導部131は、空きが出る空き駐車場または空き駐車スペースに入庫しようとする移動体に対し、入庫の誘導を行う。入庫の誘導とは、移動体を手動運転または自動運転で入庫させるための誘導をいい、例えば、空き駐車場の外部に存在する移動体を、他の移動体や歩行者や壁面などとの接触を避けながら、空き駐車場の入口まで誘導してもよく、空き駐車場の入口に入った移動体を、空き駐車スペースまで誘導してもよく、空き駐車スペースの近くまで来た移動体を、空き駐車スペース内に入庫させてもよい。
誘導部131は、通常、地図情報を基に、移動体の出庫や入庫の誘導を行うための誘導情報を作成し、送信部15が、移動体に搭載された通信端末2に、その誘導情報を送信する。出庫のための誘導情報は、例えば、当該駐車スペースから出口に至る経路を示す経路情報を有する。入庫のための誘導情報は、例えば、駐車場を識別する駐車場識別子と、空き駐車スペースを識別する駐車スペース識別子と、現在位置から駐車場の入口を経て空き駐車スペースに至る経路を示す経路情報とを有する。経路情報は、例えば、2以上のノードと、ノード間の結合を示す1以上のエッジとで構成される。ノードは、例えば、交差点、曲がり角、入口、出口などに対応し、エッジは、道路、通路などに対応する。ただし、誘導情報のデータ構造は問わない。
制御部132は、誘導部131による誘導情報に基づき駐車場内での移動体の走行支援情報を、移動体に送るための制御を行っている。ここでいう走行支援とは、例えば、移動体の移動方向(回転や前後動)、移動速度(速度に限らず、速度の時間変化である加速度も含んでよい)などの走行に関するものである。そのため、制御部132では、誘導情報を基に、移動体へ送るための走行支援情報を作成する。そして、送信部15が、移動体に搭載された通信端末2に、その誘導情報を走行支援情報と対に送信する。
出力部14は、取得部130が取得した出庫情報を出力する。出力部14は、取得部130が取得した有無情報をさらに出力してもよい。出力とは、例えば、ディスプレイへの表示、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。出力部14は、出庫情報等を、例えば、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力してもよいし、通信端末2や、駐車場内または駐車場周辺の通信端末(電光掲示板等)などに送信してもよい。
出力部14は、通常、予め格納された通知先情報が示す通知先に、出庫情報等を送信する。通知先情報とは、出庫情報等の通知先を示す情報であり、通常、出庫情報等の送信先として予め設定登録した通信端末2を識別する識別子(例えばアドレス)である。また、通知先は、通常、格納部11に格納されるが、例えば、クラウドサーバなど他の装置の格納部に格納されてもよく、どこに格納されるかは問わない。そのため、通知先は、予め設定登録した通信端末2に限らず、駐車場内または駐車場周辺の通信端末であり、動的に取得された通知先情報が示す通知先でもよい。動的に取得とは、例えば、時間帯、曜日等によって異なる通知先情報を取得することである。または、通知先は、駐車スペース毎に管理された通知先情報が示す通知先でもよい。駐車スペース毎に管理とは、駐車スペースによって異なる通知作情報を格納していることである。
送信部15は、誘導部131が作成した誘導情報と、制御部132が作成した走行支援情報を移動体に送信する。移動体は、駐車情報処理装置1から受信した誘導情報と走行支援情報を基にして駐車場内において自動運転を行うことができる。また、送信部15から移動体に送る情報によって、駐車場内において他の物体(建物や人、移動体等)に衝突することなく、入出庫を行うことができる。また、通信端末2が駐車情報処理装置1から受信した誘導情報を出力(例えば、ディスプレイに表示したり、スピーカーから音声出力したり)することで、ユーザは、移動体を手動で運転しながら容易に入出庫を行うことができる。
通信端末2は、端末格納部21、端末受信部22、端末処理部23、端末出力部24、端末受付部25、端末送信部26を備える。
端末格納部21には、地図情報が格納される。地図情報は、格納部11に格納されているものと同じ情報(全国の地図、地域の地図、駐車場内の地図などに関する情報)でよい。
端末受信部22は、駐車情報処理装置1から送信された情報、例えば、出力部14が送信した出庫情報、有無情報、送信部15が送信した誘導情報、走行支援情報などを受信する。
端末処理部23は、ナビゲーション部231を備え、後述する各種の処理(判断処理など)を実行する。
ナビゲーション部231は、ナビ出力部2311、ナビ設定部2312を備え、例えばGPS受信機からの信号を基に、位置情報を取得し、目的地への経路案内(ナビゲーション)を行う。ただし、位置情報は、ネットワークの位置検出機能を利用して取得されてもよく、位置情報の取得手法は問わない。また、ナビゲーション部231は、位置情報が示す現在位置から、例えば後述のように設定された目的地への経路の探索をも行ってよい。
ナビ出力部2311は、端末受信部22が受信した出庫情報に基づいて、空きが出る空き駐車場または空き駐車スペースに関する空き情報を、出力デバイス(ディスプレイやスピーカー等)を介して出力する。なお、ナビ出力部2311は、空き情報に代えて、またはこれに加えて、端末受信部22が受信した出庫情報を出力してもよい。
ナビ設定部2312は、ナビ出力部2311の出力に対応して、例えば、端末格納部21に格納されている地図情報を基に、空き駐車場または空き駐車スペースを目的地に設定する。出力に対応した目的地の設定とは、通常、空き情報を出力した時に目的地の設定を行うことであるが、例えば、空き情報を出力した後、当該空き情報の示す駐車スペースが空いた時に、目的地の設定を行ってもよく、目的地の設定のタイミングは問わない。これに応じて、ナビゲーション部231は、空き駐車場または空き駐車スペースへの案内を行う。なお、ナビ設定部2312は、ナビ出力部2311の出力に対応して、まず、空き駐車場を目的地に設定し、次に、移動体の当該空き駐車場への到着に対応して、空き駐車スペースを目的地に設定してもよい。
端末出力部24は、端末受信部22が受信した出庫情報、有無情報を出力デバイスを介して出力する。
端末受付部25は、例えば、タッチパネル等の入力デバイスを介して、各種の要求、指示、予約情報などを受け付ける。
端末送信部26は、端末受付部25が受け付けた各種の要求、指示、予約情報、さらには各種の通知などを、駐車情報処理装置1に送信する。
ところで、本実施の形態では、格納部11、端末格納部21が、例えば、不揮発性の記録媒体、または揮発性の記録媒体で実現される。格納部11等に通知先等の情報が記憶される過程は問わない。例えば、メモリカードなどの着脱可能な記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。受付部12、端末受付部25は入力デバイスを含むか否かは問わない。受付部12等は、入力デバイスのドライバーソフトまたは、入力デバイスのドライバーソフトと入力デバイスとで実現され得る。なお、受付部12は、通信モジュールをさらに含んでいてもよい。また、処理部13、取得部130、誘導部131、制御部132、端末処理部23、ナビゲーション部231、ナビ出力部2311、ナビ設定部2312は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。なお、ナビゲーション部231は、MPUやメモリとGPS受信機とで実現されてもよい。また、処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアは記録媒体に記録されている。但し、処理部13等は、ハードウェアで実現してもよい。また、出力部14、端末出力部24、ナビ出力部2311は、出力デバイスを含むと考えても含まないと考えてもよい。出力部14等は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイスとで実現され得る。また、送信部15、端末送信部26は、通常、通信モジュールで実現されるが、ブロードキャストを行う放送モジュールで実現されてもよい。また、端末受信部22は、通常、通信モジュールで実現されるが、ブロードキャストを受信する放送受信モジュールで実現されてもよい。
次に、駐車システムの動作について図3,図4のフローチャートを用いて説明する。なお、以下では、各部の詳細な動作、既出の事項に関する説明は、省略または簡略化する場合がある。
図3は、駐車情報処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに従う処理は、例えば、駐車情報処理装置1の電源オンに応じて開始し、電源オフや他の処理の割り込みなどに応じて終了する。
(ステップS301)処理部13は、受付部12が、有無情報の要求を受信したか否かを判別する。受付部12が有無情報の要求を受信したと判別された場合はステップS302に進み、受信していないと判別された場合はステップS304に進む。
(ステップS302)取得部130は、例えば、駐車スペース(P1,P2,…)に対応して設けられたセンサ(6a,6b,…)からの信号を基に、各駐車スペースに移動体が存在するか否かを示す有無情報を取得する。
(ステップS303)出力部14は、取得部130が取得した有無情報を通知先に送信する。その後、ステップS301に戻る。
(ステップS304)処理部13は、受付部12が事前精算情報を受信したか否かを判別する。受付部12が事前精算情報を受信したと判別された場合はステップS305に進み、受信していないと判別された場合はステップS309に進む。
(ステップS305)取得部130は、受付部12が受信した事前精算情報を基に、出庫情報を取得する。
(ステップS306)処理部13は、格納部11に当該出庫情報が有するスペース識別子に対応する予約情報が格納されているか否かを判別する。格納部11に当該出庫情報が有するスペース識別子に対応する予約情報が格納されていると判別された場合はステップS307に進み、格納されていないと判別された場合はステップS308に進む。
(ステップS307)出力部14は、取得部130が取得した出庫情報を、予約を行った通信端末2(すなわち、格納部11に格納されている予約情報が有する端末識別子で識別される通信端末2)に送信する。その後、ステップS301に戻る。
(ステップS308)出力部14は、取得部130が取得した出庫情報を通知先に送信する。その後、ステップS301に戻る。
(ステップS309)処理部13は、受付部12が予約情報を受信したか否かを判別する。受付部12が予約情報を受信したと判別されるとステップS310に進み、受信していないと判別されるとステップS311に進む。
(ステップS310)処理部13は、受付部12が受信した予約情報をチェックした後、格納部11に蓄積する。チェックとは、受付部12が受信した予約情報と重複する予約情報が、格納部11に格納されていないことの確認である。なお、重複する予約情報が格納部11に格納されている場合、処理部13は、通信端末2に対し、先約がある旨の通知を行ってもよい。その後、ステップS301に戻る。
(ステップS311)処理部13は、受付部12が入庫の誘導指示と位置情報を受信したか否かを判別する。受付部12が入庫の誘導指示と位置情報を受信したと判別されるとステップS312に進み、受信していないと判別されるとステップS315に進む。
(ステップS312)誘導部131は、受付部12が受信した入庫の誘導指示と位置情報を基に、入庫の誘導情報を作成する。また、制御部132は、走行支援情報を作成する。
(ステップS313)送信部15は、誘導部131が作成した入庫の誘導情報、および、制御部132が作成した走行支援情報を通信端末2に送信する。
(ステップS314)処理部13は、受付部12が入庫完了通知を受信したか否かを判別する。受付部12が入庫完了通知を受信したと判別されるとステップS301に戻り、受信していないと判別されるとステップS312に戻る。
(ステップS315)処理部13は、受付部12が出庫の誘導指示と位置情報を受信したか否かを判別する。受付部12が出庫の誘導指示と位置情報を受信したと判別されるとステップS316に進み、受信していないと判別されるとステップS301に戻る。
(ステップS316)誘導部131は、受付部12が受信した出庫の誘導指示と位置情報を基に、出庫の誘導情報を作成する。また、制御部132は、走行支援情報を作成する。
(ステップS317)送信部15は、誘導部131が作成した出庫の誘導情報、および、制御部132が作成した走行支援情報を通信端末2に送信する。
(ステップS318)処理部13は、受付部12が出庫完了通知を受信したか否かを判別する。受付部12が出庫完了通知を受信したと判別されるとステップS301に戻り、受信していないと判別されるとステップS316に戻る。
なお、図3では省略しているが、格納部11に格納されている駐車情報は、駐車スペースへの移動体の入庫、駐車スペースからの移動体の出庫の度に、処理部13によって更新される。例えば、ステップS312で、受付部12が入庫完了通知を受信した後、処理部13は、駐車情報が有する有無情報のうちの1つであり、入庫完了通知が有するスペース識別子に対応する有無情報のフラグを、無から有に更新する。また、ステップS316で、受付部12が出庫完了通知を受信した後、処理部13は、駐車情報が有する有無情報のうちの1つであり、出庫完了通知が有するスペース識別子に対応する有無情報のフラグを、有から無に更新する。
なお、図3のフローチャートにおいては、処理部13は、受付部12が有無情報の要求を受信したか否かを判別しているが、有無情報を送信すべきタイミングか否かの判断を行ってもよい。つまり、駐車情報処理装置1は、例えば、有無情報を放送してもよい。また、ステップS310で、誘導情報および走行支援情報を作成しているが、走行支援情報は作成せず、誘導情報のみを作成してもよい。ステップS311では、走行支援情報は送信せず、誘導情報のみを送信してもよい。同様に、ステップS314では、走行支援情報は作成せず、誘導情報のみを作成してよいし、ステップS315では、走行支援情報は送信せず、誘導情報のみを送信してもよい。
図4は、通信端末2の動作を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに従う処理は、例えば、通信端末2の電源オンに応じて開始し、電源オフや他の処理の割り込みなどに応じて終了する。
(ステップS401)端末処理部23は、端末受付部25が有無情報の要求を受け付けたか否かを判別する。端末受付部25が有無情報の要求を受け付けたと判別されるとステップS402に進み、受け付けていないと判別されるとステップS405に進む。
(ステップS402)端末送信部26は、端末受付部25が受け付けた要求を駐車情報処理装置1に送信する。なお、以下では、特に言及しない限り、端末送信部26が各種の要求、指示等を送信する送信先は、駐車情報処理装置1である。
(ステップS403)端末処理部23は、端末受信部22が有無情報を受信したか否かを判別する。端末受信部22が有無情報を受信したと判別されるとステップS404に進み、受け付けていないと判別されると、ステップS403に戻る。
(ステップS404)端末出力部24は、端末受信部22が受信した有無情報を、出力デバイスを介して出力する。その後、ステップS401に戻る。
(ステップS405)端末処理部23は、端末受信部22が出庫情報を受信したか否かを判別する。端末受信部22が出庫情報を受信したと判別されるとステップS406に進み、受け付けていないと判別されると、ステップS426に進む。
(ステップS406)ナビ出力部2311は、端末受信部22が受信した出庫情報を基に、空きが出る空き駐車場または空き駐車スペースに関する空き情報を、出力デバイスを介して出力する。
(ステップS407)端末処理部23は、空き駐車場または空き駐車スペースへの入庫の誘導指示を、端末受付部25が受け付けたか否かを判別する。空き駐車場または空き駐車スペースへの入庫の誘導指示を端末受付部25が受け付けたと判別されるとステップS408に進み、受け付けていないと判別されるとステップS407に戻る。なお、図示は省略しているが、端末受付部25がキャンセル操作を受け付けると、ステップS401に戻る。
(ステップS408)端末送信部26は、端末受付部25が受け付けた入庫の誘導指示を送信する。
(ステップS409)ナビ設定部2312は、空き駐車場または空き駐車スペースを目的地に設定する。
(ステップS410)ナビゲーション部231は、例えばGPS受信機からの信号を基に、位置情報を取得する。
(ステップS411)端末送信部26は、ナビゲーション部231が取得した位置情報を送信する。
(ステップS412)端末処理部23は、端末受信部22が入庫の誘導情報および走行支援情報を受信したか否かを判別する。端末受信部22が入庫の誘導情報および走行支援情報を受信したと判別されるとステップS413に進み、受け付けていないと判別されるとステップS410に戻る。
(ステップS413)通信端末2は、端末受信部22が受信した入庫の誘導情報および走行支援情報と、端末格納部21に格納されている地図情報とを基に、空き駐車場または空き駐車スペースへの入庫の誘導を行いつつ、移動体の移動速度および移動方向を制御する情報を移動体の走行制御機構(図示省略)に送信する。
(ステップS414)ナビゲーション部231は、位置情報を取得する。
(ステップS415)ナビゲーション部231は、位置情報と地図情報とを基に、当該移動体が空き駐車場または空き駐車スペースに入庫したか否かを判別する。当該移動体が空き駐車場または空き駐車スペースに入庫したと判別されるとステップS416に進み、入庫していないと判別されるとステップS410に戻る。
(ステップS416)端末送信部26は、入庫が完了したことの通知である入庫完了通知を送信する。
(ステップS417)端末処理部23は、当該駐車場または当該駐車スペースからの出庫の誘導指示を、端末受付部25が受け付けたか否かを判別する。当該駐車場または当該駐車スペースからの出庫の誘導指示を端末受付部25が受け付けたと判別されるとステップS418に進み、受け付けていないと判別されるとステップS417に戻る。なお、図示は省略しているが、端末受付部25がキャンセル操作を受け付けると、ステップS401に戻る。
(ステップS418)端末送信部26は、端末受付部25が受け付けた出庫の誘導指示を送信する。
(ステップS419)ナビゲーション部231は、位置情報を取得する。
(ステップS420)端末送信部26は、位置情報を送信する。
(ステップS421)端末処理部23は、端末受信部22が出庫の誘導情報および走行支援情報を受信したか否かを判別する。端末受信部22が出庫の誘導情報および走行支援情報を受信したと判別されるとステップS422に進み、受信していないと判別されるとステップS419に戻る。
(ステップS422)通信端末2は、端末受信部22が受信した出庫の誘導情報と、端末格納部21に格納されている地図情報とを基に、当該駐車場または当該駐車スペースからの出庫の誘導を行いつつ、移動体の移動速度および移動方向を制御する情報を移動体の走行制御機構(図示省略)に送信する。
(ステップS423)ナビゲーション部231は、位置情報を取得する。
(ステップS424)ナビゲーション部231は、位置情報と地図情報とを基に、当該移動体が当該駐車場または当該駐車スペースから出庫したか否かを判別する。当該移動体が当該駐車場または当該駐車スペースから出庫したと判別されるとステップS425に進み、出庫していないと判別されるとステップS419に戻る。
(ステップS425)端末送信部26は、出庫が完了したことの通知である出庫完了通知を送信する。その後、ステップS401に戻る。
(ステップS426)端末処理部23は、端末受付部25が駐車スペースの予約に関する予約情報を受け付けたか否かを判別する。端末受付部25が予約情報を受け付けたと判別されるとステップS427に進み、受け付けていないと判別されるとステップS401に戻る。
(ステップS427)端末送信部26は、端末受付部25が受け付けた予約情報を送信する。その後、ステップS401に戻る。
なお、図4のフローチャートにおいては、端末受付部25は、先に、空き駐車場または空き駐車スペースへの入庫の誘導指示を受け付け、それに基づく入庫が完了した後に、当該駐車場または当該駐車スペースからの出庫の誘導指示を受け付けているが、先に、駐車場または駐車スペースからの出庫の誘導指示を受け付け、それに基づく出庫が完了した後に、空いた空き駐車場または空き駐車スペースへの入庫の誘導指示を受け付けてもよい。また、入庫の誘導指示の受け付けと、出庫の誘導指示の受け付けとは、一連の処理とは限らず、独立した処理であってもよい。
なお、図4のフローチャートにおいては、端末処理部23が、有無情報の要求を受け付けたか否かを判別し(S401)、端末送信部26が、受け付けた要求を駐車情報処理装置1に送信している(S402)が、かかる要求の受け付けおよび送信は省略してもよい。つまり、通信端末2は、例えば、駐車情報処理装置1から放送されている有無情報を受信してもよい。また、ステップS412で、入庫の誘導情報および走行支援情報を受信したか否かを判別しているが、走行支援情報は対象外とし、誘導情報を受信したか否かを判別してもよい。ステップS413では、入庫の誘導および制御を行っているが、制御は行わず、入庫の誘導のみを行ってもよい。同様に、ステップS421では、走行支援情報は対象外とし、誘導情報を受信したか否かを判別し、ステップS422では、制御は行わず、出庫の誘導のみを行ってもよい。
以下、本実施の形態における駐車システムの具体的な動作例について図面を用いて説明する。以下の説明は、例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
いま、図2に示すように、通信端末2を搭載した移動体M4が、ユーザの運転により、ショッピングセンターに向かって走行している。このショッピングセンターの駐車場は、現在、満車であるとする。空き駐車スペースの有無を知りたいユーザは、通信端末2の入力デバイスを操作して、有無情報の要求を入力する。
通信端末2において、端末受付部25が有無情報の要求を受け付けると(ステップS401:YES)、端末送信部26は、これを駐車情報処理装置1に送信する(ステップS402)。
駐車情報処理装置1において、受付部12が有無情報の要求を受信すると(ステップS301:YES)、取得部130は、駐車スペースP1,P2,…に対応して設けられたセンサ6a,6b,…からの信号を基に、どの駐車スペースにも移動体が存在する(空き駐車スペースがない)ことを示す有無情報を取得し(ステップS302)、出力部14は、その有無情報を送信する(ステップS303)。
通信端末2において、端末受信部22が有無情報を受信すると(ステップS403:YES)、端末出力部24は、有無情報を出力する(ステップS404)。これによって、例えば、図5に示すような画面が、ディスプレイに表示される。
図5は、通信端末2の画面の一例を示す図である。この画面には、駐車スペースP1,P2,P3,…を識別するスペース識別子“P1”,“P2”,“P3”,…と、スペース識別子“P1”,“P2”,“P3”,…に対応して配置された満車マーク“満”,“満”,“満”,…とを有する有無情報が表示されている。移動体が存在しない駐車スペースがあれば、その駐車スペースに対応して、例えば、空車マーク“空”が表示される。ただし、例えば、空いているか否かで、駐車スペースP1,P2,P3,…に対応する枠の着色を変えたり、満車の駐車スペースの枠をグレーアウトしたりしてもよく、有無情報の表示態様は問わない。
図5の画面を見たユーザは、目的の駐車場が満車であるため、空き駐車スペースが出るまで待つべきか、別の駐車場を探したほうがよいかを思案している。
このとき、駐車スペースP3に停めてある移動体M3のユーザが、事前精算機5で事前精算を行ったとする。事前精算機5は、移動体識別子“M3”、事前精算時刻等を有する事前精算情報を作成し、送信する。
駐車情報処理装置1において、受付部12が事前精算情報を受信すると(ステップS304:YES)、取得部130は、格納部11に格納されている駐車情報を基に、駐車スペースP3に存在する移動体M3が、当該駐車スペースP3から、予め設定した時間以降(例えば、事前精算情報が有する事前精算時刻から15分後)に出庫することを示す出庫情報を取得する(ステップS305)。出力部14は、その出庫情報を通信端末2に送信する(ステップS308)。
通信端末2において、端末受信部22が出庫情報を受信すると(ステップS405:YES)、ナビ出力部2311は、その出庫情報に基づいて、駐車スペースP3に関する空き情報を出力する(ステップS406)。これによって、例えば図6に示すような画面が、ディスプレイに表示される。
図6は、通信端末2の画面の他の例を示す図である。この画面には、図5に示したものと同様の有無情報に加え、駐車スペースP3を識別するスペース識別子“P3”に対応付けて、空き情報“15分後には空きそうです”が表示されている。ただし、例えば、砂時計のアイコンと対に“15分”を表示してもよく、空き情報の表示態様は問わない。
図6の画面を見たユーザは、もうすぐ空き駐車スペースが出そうなので、待つことにし、その空きそうな駐車スペースP3への入庫の誘導指示を、通信端末2の入力デバイスを介して入力する。
通信端末2では、端末受付部25が入庫の誘導指示を受け付けると(ステップS407:YES)、端末送信部26は、受け付けた入庫の誘導指示を駐車情報処理装置1に送信し(ステップS408)、ナビ設定部2312は、空き駐車スペースP3を目的地に設定する(ステップS409)。これに応じて、ナビゲーション部231が、GPS受信機からの信号を基に位置情報を取得し(ステップS410)、端末送信部26は、その位置情報を送信する(ステップS411)。かかる位置情報の取得および送信は、通常、一定間隔で繰り返されるが、例えば、不定期に行われても、1回だけ行われてもよい。
駐車情報処理装置1において、受付部12が入庫の誘導指示と位置情報を受信すると(ステップS311:YES)、誘導部131は、受信した入庫の誘導指示と位置情報を基に、入庫の誘導情報を作成し、制御部132は走行支援情報を作成する(ステップS312)。送信部15は、作成した入庫の誘導情報および走行支援情報を通信端末2に送信する(ステップS313)。
通信端末2において、端末受信部22が入庫の誘導情報および走行支援情報を受信すると(ステップS412:YES)、通信端末2は、受信した入庫の誘導情報および走行支援情報と、格納されている地図情報とを基に、当該空き駐車スペースP3への入庫の誘導を行いつつ、移動体の移動速度および移動方向を制御する情報を移動体の走行制御機構(図示省略)に送信する(ステップS413)。このとき、例えば図7に示すような画面が、ナビ出力部2311によってディスプレイに表示されてもよい。
図7は、通信端末2の画面のその他の例を示す図である。この画面は、入庫の誘導を行うための画面であり、駐車場内の駐車スペースP1,P2,P3,…のレイアウトと共に、入口から空き駐車スペースP3に至る経路が実線の矢印で示されている。なお、点線の矢印は、駐車スペースP3から駐車場の出口に至る経路であり、省略されてもよい。
これによって、移動体は、駐車スペースP3に向かって移動し、駐車スペースP3内に入っていく。
上記のような誘導および制御と並行して、ナビゲーション部231は、直近に取得した位置情報と、格納されている地図情報とを基に、移動体M4が空き駐車スペースP3に入庫したか否かの判別をも行っており(ステップS414,S415)、移動体M4が空き駐車スペースP3に入庫したと判別されると、端末送信部26は、駐車情報処理装置1に入庫完了通知を送信する(ステップS416)。
駐車情報処理装置1において、受付部12が入庫完了通知を受信すると(ステップS312:YES)、ナビゲーション部231は、入庫の誘導および制御(自動運転)を終了する。
その後、ユーザは、移動体M4を降りて、店舗に入り、買い物をする。買い物を終えたユーザは、駐車場に戻る途中、事前精算機5で駐車料金の事前精算をする。事前精算が終わると、事前精算機5から駐車情報処理装置1に、事前精算時刻等を有する事前精算情報が送信される。
駐車情報処理装置1において、受付部12が事前精算情報を受信すると(ステップS304:YES)、取得部130は、その事前精算情報を基に、出庫予定時刻等を有する出庫情報を取得し(ステップS305)、出力部14は、その出庫情報を、駐車スペースP3と対になる予約情報が格納部11に格納されている場合は、その予約情報が有する端末識別子で識別される通信端末2に送信し(ステップS306:YES→S307)、駐車スペースP3と対になる予約情報が格納されていない場合は、格納部11に格納されている通知先に送信する(ステップS306:NO→S308)。出庫情報を受信した別の通信端末2において、もうすぐ空く駐車スペースP3に関する空き情報が出力される(ステップS406)。
その後、ユーザは、移動体M4に乗り込み、駐車スペースP3からの出庫の誘導指示を、通信端末2の入力デバイスを介して入力する。
通信端末2において、端末受付部25が出庫の誘導指示を受け付けると(ステップS417:YES)、端末送信部26は、受け付けた出庫の誘導指示を送信する(ステップS418)。ナビゲーション部231と端末送信部26は、位置情報を取得し、駐車情報処理装置1に送信する動作(ステップS419,S420)を開始する。位置情報の取得および送信は、通常、一定間隔で繰り返されるが、例えば、不定期に行われても、1回だけ行われてもよい。
駐車情報処理装置1において、受付部12が出庫の誘導指示と位置情報を受信すると(ステップS315:YES)、誘導部131は、受信した出庫の誘導指示と位置情報を基に、出庫の誘導情報を作成し、制御部132は走行支援情報を作成する(ステップS316)。送信部15は、作成した出庫の誘導情報および走行支援情報を通信端末2に送信する(ステップS317)。
通信端末2において、端末受信部22が出庫の誘導情報および走行支援情報を受信すると(ステップS421:YES)、通信端末2は、受信した出庫の誘導情報および走行支援情報と、格納されている地図情報とを基に、当該空き駐車スペースP3からの出庫、さらには駐車場の出口への誘導を行いつつ、移動体の移動速度および移動方向を制御する情報を移動体の走行制御機構(図示省略)に送信する(ステップS422)。このとき、例えば、図7に示した画面において、入口から空き駐車スペースP3に至る経路を省略し、駐車スペースP3から駐車場の出口に至る経路を実線で示した画面が、ナビ出力部2311によってディスプレイに表示されてもよい。これによって、移動体は、駐車スペースP3から出庫し、出口に向かって走行していく。
上記のような誘導および制御と並行して、ナビゲーション部231は、直近に取得した位置情報と、格納されている地図情報とを基に、移動体M4が駐車スペースP3を入庫したか否か(または駐車場の出口に到達したか否か)の判別をも行っており(ステップS423,S424)、移動体M4が駐車スペースP3から入庫した(または駐車場の出口に到達した)と判別されると、端末送信部26は、駐車情報処理装置1に出庫完了通知を送信する(ステップS425)。
駐車情報処理装置1において、受付部12が出庫完了通知を受信すると(ステップS318:YES)、出庫の誘導および制御(自動運転)を終了する。
ショッピングセンターの駐車場を出た移動体M4は、ユーザの運転により、公園に向かって走行している。この公園の駐車場の駐車スペースを予約したい場合、ユーザは、通信端末2の入力デバイスを操作して、当該駐車場に関する有無情報を要求し、駐車情報処理装置1から受信した有無情報を基に、スペース識別子を有する予約情報を入力すればよい。
通信端末2において、端末送信部26は、端末受付部25が予約情報を受け付けると(ステップS426:YES)、端末送信部26は、その予約情報を駐車情報処理装置1に送信する(ステップS427)。
駐車情報処理装置1において、受付部12が予約情報を受信すると(ステップS309:YES)、処理部13は、その予約情報を重複がないかチェックした後、格納部11に蓄積する(ステップS310)。その後、予約した駐車スペースが空きそうになると、出力部14が、前述のような手順で出庫情報を通信端末2に送信する(ステップS304〜S308)。
通信端末2において、端末受信部22が出庫情報を受信すると(ステップS405:YES)、ナビ出力部2311は、その出庫情報に基づいて、空きそうな駐車スペースに関する空き情報を出力する(ステップS406)。
公園の駐車場の入口に到着した後、ユーザが、その駐車スペースへの入庫の誘導指示を入力すると、移動体M4は、入庫のおよび制御(自動運転)により、駐車場内を走行し、その駐車スペースに入庫する。
なお、上述した出庫情報、精算情報、事前精算情報、有無情報、予約情報といった、駐車場の管理に関する情報を、“駐車場の管理情報”と記す場合がある。駐車場の管理情報は、駐車場の管理に関する情報であればよく、その種類は問わない。
以上、本実施の形態によれば、駐車場の駐車スペースに存在する移動体が当該駐車スペースから予め設定した時間以降に出庫することを示す出庫情報を取得する取得部130と、その出庫情報を出力する出力部14とを具備する駐車情報処理装置1により、駐車場の管理情報に基づいて出庫の予定を提示することができる。
その結果、例えば、ユーザは、その駐車場が空くまで待つべきか、別の駐車場を探すべきかについて、的確な判断が行える。
また、上記構成において、駐車場は、有料の駐車場であり、取得部130は、料金精算を事前に行える事前精算機5において料金精算が行われたことに関する事前精算情報に基づいて、出庫情報を取得することにより、精度の高い出庫情報を取得できる。
また、上記構成において、出力部14は、予め格納された通知先情報が示す通知先に出庫情報を送信することにより、所定の通知先への通知が可能になる。
また、上記構成において、通知先は、少なくともナビゲーション部231を有する通信端末であり、ナビゲーション部231は、出庫情報に基づいて、空きが出る空き駐車場または空き駐車スペースに関する空き情報を出力するナビ出力部2311と、ナビ出力部2311の出力に対応して、空き駐車場または空き駐車スペースを目的地に設定するナビ設定部2312と、を具備することにより、空き駐車場または空き駐車スペースへのナビゲーションが可能になる。
また、上記構成において、取得部130は、駐車スペースに移動体が存在するか否かを示す有無情報をさらに取得し、出力部14は、有無情報と出庫情報とを出力することにより、どの駐車スペースが空いているのか、塞がっている駐車スペースはいつ空くのか、等をユーザに知らせることで、駐車スペース探しが容易になる。
また、上記構成において、駐車スペースを識別するスペース識別子と、当該駐車スペースでの駐車時間に関する駐車時間情報とを有する予約情報を受け付ける受付部12と、予約情報を格納する格納部11とをさらに具備することにより、駐車スペースの予約が可能になる。
また、上記構成において、出庫情報に基づく移動体の出庫と入庫の誘導を行う誘導部131と、誘導部131による誘導情報に基づく駐車場内での移動体の走行を制御する制御部132と、制御部132の走行支援情報を移動体に送信する送信部15とをさらに具備することにより、駐車場内において移動体の出庫と入庫を自動的に行える。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアを記録媒体に記録して流布してもよい。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。
本実施の形態における駐車情報処理装置1を実現するソフトウェアは、例えば、コンピュータを、駐車場の駐車スペースに存在する移動体が当該駐車スペースから予め設定した時間以降に出庫することを示す出庫情報を取得する取得部130と、前記出庫情報を出力する出力部14として機能させるためのプログラムである。
図8は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の駐車情報処理装置1等を実現するコンピュータシステム900の構成例を示す図である。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。コンピュータシステム900は、コンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、ディスプレイ904と、CD−ROMドライブ905とを備える。コンピュータ901は、MPU911と、ROM912と、RAM913と、ハードディスク914と、バス915と、ネットワークカード916とを備える。CD−ROMドライブ905には、CD−ROM921が装着される。図8に示した各構成要素は、公知であるので、説明を省略する。
ただし、携帯型の通信端末2の場合は、上記構成において、ハードディスク914、CD−ROMドライブ905およびCD−ROM921は、例えば、フラッシュメモリ、メモリカードスロットおよびメモリカードにそれぞれ置き換えられてよく、また、キーボード902およびマウス903は、通常、タッチパネルに置き換えられる。こうした構成要素も公知であるので、説明を省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやネットワークカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(端末受信部22、端末送信部26など)は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。