JP6715029B2 - 切断片の吸着搬出方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

切断片の吸着搬出方法及びレーザ加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ切断加工によって板状のワークから切断分離された切断片を吸着して搬出する方法、ワーク搬出装置及びレーザ加工装置に関する。より詳細には、切断片を吸着して搬出する際に、吸着ミスが発生した場合に再度吸着動作を行って切断片の吸着搬出を行う方法、この吸着搬出方法に使用するワーク搬出装置及びレーザ加工装置に関する。
レーザ切断加工によって板状のワークから切断片を切断分離した後、例えば吸着パッド等によって切断片を上側から吸着し持上げて搬出することがある。レーザ加工装置として、近年はファイバーレーザ加工装置の使用が多くなっている。ファイバーレーザの場合の切断溝幅は、CO2レーザの場合における切断溝幅よりも狭くなる。したがって、レーザ切断加工時に発生したドロスがワーク及び切断片側にそれぞれ付着し、ドロスが互に干渉し、吸着搬出時に吸着ミスを生じることがある。
また、ワークから切断片を切断分離し、吸着パッド等によって吸着し搬出しようとするときに、ワークに対して切断片が僅かに沈み込み、かつ僅かに傾斜してワークの閉じた切断面(内周面)と切断片の外周面とが干渉してかじり現象を生じ、切断片の搬出時に吸着ミスを生じることがある。なお、本発明に関係あると思われる先行技術文献として特許文献1,2がある。
特開2005−34928号公報 特開2005−81409号公報
前記特許文献1には、レーザ切断加工によって板状のワークから素材を切断分離したときに、素材を支持したカッティングプレートを下降する構成が記載されている。この構成は、ワークと素材との間に隙間を形成して、シュータの色を検出するためのものである。
また、前記特許文献2にも、カッティングプレートを下降する構成が記載されている。すなわち、特許文献2に記載の構成は、ワークに形成した下向きの成形部を通過するためにカッティングプレートを下降する構成である。
すなわち、前記特許文献1,2に記載の構成は、板状のワークから切断片を切断分離し、切断片を吸着して搬出する際に、吸着ミスが生じた場合に吸着ミスを解消しようとするものではない。
本発明は、レーザ切断加工によって板状のワークから切断分離された切断片を、吸着手段によって吸着し搬出する際に、吸着ミスを生じた場合に、上記吸着ミスを解消すべくなされたものである。
発明は、レーザ切断加工機によって板状のワークから切断分離された切断片を、吸着手段を備えた搬出装置によって吸着し搬出する方法であって、
(a)ワークから切断分離された切断片の上方位置へ前記吸着手段を位置決めし、前記吸着手段を下降して切断片を吸着する吸着動作を行う工程と、
(b)前記吸着手段を上昇して切断片を持上げる工程と、
(c)前記切断片を吸着して持上げる際に、吸着ミスが発生した場合には吸着手段を再度下降して切断片を再び吸着する吸着動作を行う工程と、
(d)切断片の再吸着動作時には、前記吸着手段を下降位置に一時停止する工程と、
(e)前記切断片の下側に位置する切断片支持部材を下降して切断片の下面から離す工程と、
(f)前記切断片支持部材を元の位置に上昇して、切断片を押し上げる工程と、
(g)前記切断片を、一時停止状態にある前記吸着手段によって吸着し搬出する工程と、
含む
本発明は、板状のワークから切断分離された切断片を、ワーク搬送装置に備えた吸着手段によって吸着し搬出する際に、前記切断片を支持する切断片支持部材を上下動自在に備えたレーザ加工装置であって、前記レーザ加工装置の動作を制御する制御装置は、切断片を吸着して持上げる際に吸着ミスが検出されたときに、前記切断片の下面から前記切断片支持部材を離隔すべく下降し、かつ前記切断片を僅かに押し上げるべく上昇する動作を制御するためのリトライ動作制御手段を備えている。
上記のレーザ加工装置において、前記リトライ動作制御手段は、前記切断片支持部材を下降する前に、前記吸着手段を再度吸着位置に下降して一時停止する動作を制御する。
また、上記のレーザ加工装置において、記切断片支持部材は、前記ワークの面と平行なX軸及びY軸のうち、レーザ加工ヘッドのY軸方向への移動経路に対応してワークテーブルにY軸方向に形成されたスリットに沿って備えられており、Y軸方向の両端側に備えた昇降部材に支持されている。
本発明によれば、吸着手段によって切断片を吸着して搬出する際に、吸着ミスが生じた場合、吸着手段を下降して再度吸着する動作を行う。この際、吸着手段を下降位置に一時停止した状態において、切断片を支持した切断片支持部材を下降して切断片から離した後、元の位置に切断片支持部材を上昇して切断片を僅かに持上げるものである。
したがって、ワークと切断片とに付着したドロスが干渉した状態にあると、上記ドロスが落下されて、吸着手段による吸着ミスが解消されるものである。また、ワークの切断内周面と切断片の外周面とが干渉してかじり現象が生じた場合には、切断片が僅かに押し上げられることによってかじり現象が解消されて、吸着ミスが解消されるものである。
本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の概略的な正面説明図である。 本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の主要部を示す概略的な平面説明図である。 レーザ加工装置における切断片支持部材の部分の平面説明図である。 切断片支持部材を上下動する部分の構成を、概略的、概念的に示した側面説明図で、図2におけるIV−IV部分の切断面に相当し、切断片支持部材が上昇している場合が示されている。 切断片支持部材を上下動する部分の構成を、概念的、概略的に示した側面説明図で、切断片支持部材が下降している場合を示している。 レーザ加工装置及び搬送装置における制御装置の機能ブロック図である。 フローチャートである。
図1,2を参照するに、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1はフレーム3を備えている。このフレーム3における上部フレーム3Uには、上部タレット5Uが回転自在に備えられている。前記フレーム3における下部フレーム3Lには、前記上部タレット5Uに対応した下部タレット5Lが回転自在に備えられている。前記上部タレット5Uには、複数のパンチPが備えられており、下部タレット5Lには、パンチPに対応する複数のダイDが備えられている。そして、加工位置に割出し位置決めされたパンチPを打圧するストライカ7が前記上部フレーム3Uに上下動自在に備えられている。
前記フレーム3における下部フレーム3Lには、前記加工位置に割出し位置決めされたパンチP、ダイDによってプレス加工される板状のワークWをX,Y軸方向へ移動自在に支持するワークテーブル9が備えられている。そして、このワークテーブル9上には、ワークWをX軸、Y軸方向に移動位置決めするためのワーク移動位置決め装置11が備えられている。なお、前記上下のタレット5U,5Lやストライカ7及び前記ワーク移動位置決め装置11の構成は、既に良く知られた構成であるから、構成、作用についてのより詳細な説明は省略する。
前記フレーム3における上部フレーム3Uには、前記ワークWのレーザ加工を行うレーザ加工ヘッド13がY軸方向へ移動自在かつ上下動自在に備えられている。そして、前記レーザ加工ヘッド13がY軸方向に往復移動する移動経路の下方位置であって、前記ワークテーブル9の上面には、レーザ加工時に生じたヒューム等を吸引除去するためのスリット15(図2参照)がY軸方向に長く形成してある。このスリット15のX軸方向の両側には、前記ワークWから切断分離される切断片WPを支持する一対の切断片支持部材17が上下動自在に備えられている。この一対の切断片支持部材17は、Y軸方向に長く形成してある。
より詳細には、前記スリット15の下方位置には、前記下部フレーム3Lの一部に一体的に支持された吸引ダクト19(図4参照、図4は、図2におけるIV−IV部分の断面図に相当する)が備えられている。この吸引ダクト19は上方向に開口してあり、この開口部19Aは、前記スリット15に対応してY軸方向に長く形成してある。そして、前記吸引ダクト19の上方位置において、前記ワークテーブル9には、ブラシ21Aを備えたブラシテーブル21がX軸方向に互に対向して備えられている。この互に対向したブラシテーブル21の間に前記一対の切断片支持部材17が上下動自在に配置してある。そして、この一対の切断片支持部材17の間に前記スリット15が形成してある。なお、切断片支持部材17の上面には、ワークWを支持するブラシ17Aが備えられている。
前記切断片支持部材17は、上下動部材23上に一体的に備えられている。すなわち、前記切断片支持部材17は上下動自在に備えられている。前記上下動部材23を上下動するために、前記下部フレーム3Lの一部には、複数の支柱25を介してX軸方向に長い一対の支持部材27が支持されている。前記支持部材27は、前記吸引ダクト19の前記開口部19Aの上部側において、Y軸方向の両端付近にそれぞれ備えられている。そして、前記各支持部材27上には、X軸方向に離隔して支持ブラケット29が立設してある。この支持ブラケット29には、揺動リンク31の基端部が上下に回動自在に支持されている。
動リンク31の先端部は、上下動部23におけるY軸方向の端面に一体的に取付けてある。そして、各揺動リンク31の先端部には、Y軸方向に突出した突出ピン33が備えられている。この突出ピン33は、上下動自在に備えた昇降部材35に形成したX軸方向の長孔(スリット)37に移動自在に係合してある。昇降部材35は、取付部材39Aに一体的に取付けてある。この取付部材39Aは、上下動用のアクチュエータ39として下部フレーム3Lの一部に装着した流体圧シリンダにおける上下動自在なピストンロッド39Pの先端部に取付けてある。
前記取付部材39Aの下面には一対のガイドロッド39Bが垂直に取付けてある。そして、このガイドロッド39Bは、下部フレーム3Lの一部に取付けたガイドブッシュ39Cによって上下動自在に案内支持されている。したがって、前記昇降部材35は、水平を維持して上下動されるものである。
上記構成により、図4に示すように、前記ピストンロッド39Pが上昇された状態にあるときには、前記切断片支持部材17は前記ブラシテーブル21とほぼ同一高さに上昇される。そして、切断片支持部材17に備えたブラシ17AによってもワークWを水平に支持する状態にある。上述のごとき状態において、アクチュエータ39の作動によってピストンロッド39Pが下降されると、昇降部材35は、図5に示すように、水平を維持して一体的に下降される。
昇降部材35が下降されると、昇降部材35に備えたスリット37に沿って突出ピン33が移動されることとなり、揺動リンク31は、図5に示すように、下方向に回動(揺動)される。したがって、Y軸方向の両端部を、前記揺動リンク31の先端部に一体的に支持された前記切断片支持部材17は、図5に示すように、前記吸引ダクト19内に下降されることになる。そして、前記昇降部材35が元の位置に上昇復帰されると、図4に示すように、切断片支持部材17に備えたブラシ17AによってもワークWを支持することになる。
前記説明から理解されるように、アクチュエータ39の下降動作によって、切断片支持部材17に備えたブラシ17Aは、ワークWの下面から下方向へ離隔される。そして、アクチュエータ39の上昇動作によって、切断片支持部材17は元の位置に上昇復帰される。そして、切断片支持部材17に備えたブラシ17Aは、ワークWの下面に再び接触し、ワークWを支持する。
以上のごとき構成において、レーザ加工機1用の制御装置41(図6参照)の制御の元に、上下のタレット5U,5Lに備えられたパンチP、ダイDを加工位置に割出し位置決めする。また、ワーク移動位置決め装置11によって板状のワークWをX軸、Y軸方向へ移動位置決めし、ワークWの加工すべき位置を前記加工位置に位置決めする。そして、ストライカ7によってパンチPを打圧することにより、ワークWのプレス加工が行われる。
また、前述したように、前記ワーク移動位置決め装置11によってワークWのX軸、Y軸方向への移動位置決めを行い、かつレーザ加工ヘッド13からワークWへレーザ光を照射すると共にアシストガスを噴射しつつレーザ加工ヘッド13のY軸方向への移動制御を行うことにより、板状のワークWから製品などの切断片WP(図4参照)を切断分離することができる。そして、ワークWから切断片WPを切断分離すると、搬出装置(図示省略)に備えた吸着手段によって切断片WPが吸着され、持上げられて搬出されるものである。
レーザ切断加工によってワークWから切断分離した切断片WPを、吸着パッドなどの吸着手段によって吸着して搬出する構成は、例えば特開2001−62584号公報、特開2014−83568号公報及び特開2014−188547号公報等に記載されているように公知である。したがって、切断片WPを吸着して搬出する搬出装置及び搬出装置に備えた吸着手段等の構成、動作についての詳細な説明は省略する。
さて、前述したように、レーザ加工によって板状のワークWから切断片WPが切断分離されると、図1に概略的に示すように、搬出装置における吸着手段43が、搬送装置用の制御装置45(図6参照)の制御の下に、切断片WPの上方位置に位置決めされる。そして、前記吸着手段43に備えた吸着パッド43Pが切断片WPに接触するように下降され、切断片WPに対応した吸着パッド43Pによって切断片WPが吸着される。その後、前記吸着手段43が上昇され、切断片WPが持上げられて切断片WPの搬出が行われることになる。
ところで、レーザ加工として、ファイバーレーザやダイレクトダイオードレーザを用いてワークの切断加工を行うと、CO2レーザの場合に比較して、切断溝(カーフ幅)は、小さなものである。したがって、ワークWから切断片WPを持上げて搬出しようとすると、ワーク側及び切断片WP側の下面に発生し付着したドロスが干渉することがある。上記ドロスは、切断片WPの全周に発生するので、ときとして切断片WPから吸着パッド43Pが外れて吸着ミスを生じることがある。
また、吸着パッド43Pによって切断片WPを吸着しようとして、ワークに接触するとき、吸着パッド43Pによって切断片WPを僅かに押し下げることがある。この場合、ワークWに対して切断片WPが僅かに傾斜して、ワークWの切断内周面と切断片WPの外周面とが干渉し、かじり現象を生じることがある。このようなかじり現象が生じると、ワークWから切断片WPを持上げることができず、切断片WPから吸着パッド43Pが外れて吸着ミスを生じることがある。
そこで、本実施形態においては、前記吸着ミスを解消するための手段が講じられている。すなわち、図6に示すように、搬出装置用の制御装置45は、例えばNC装置などから構成してあり、この制御装置45には、吸着ミス検出手段47が備えられている。この吸着ミス検出手段47には、吸着パッド43Pが切断片WPを吸着したときの圧力変化を検出する圧力センサ49が接続してある。すなわち、吸着パッド4P内の負圧が解消されたことを圧力センサ49が検出すると、この圧力センサ49の検出信号に基づいて、吸着ミス検出手段47は、吸着パッド43Pによる切断片WPの吸着にミスを生じたものとして検出する。
着ミス検出手段47によって吸着ミスが検出されると、制御装置45に備えたリトライ動作制御手段51の制御の下に吸着パッド動作制御手段53が制御される。そして、吸着パッド43Pによって切断片WPを再度吸着すべく、吸着パッド43Pの動作が制御される。
より詳細には、リトライ動作制御手段51にはプログラムメモリ51Mが備えられている。このプログラムメモリ51Mには、吸着パッド43Pによる吸着ミスが発生したときに、吸着パッド43Pを吸着位置まで下降して、予め設定した一定時間停止する動作を行うプログラムが格納されている。
着パッド動作制御手段53は、リトライ動作制御手段51におけるプログラムメモリ51Mに格納された動作プログラムに従って、吸着パッド43Pの上下動作、一時停止の動作及び吸着動作等を制御する機能を有する。さらに、制御装置45には、通信手段55が備えられている。この通信手段55は、レーザ加工機用の制御装置41と各種情報の通信を行うもので、例えば吸着ミス検出手段47によって、吸着パッド43による切断片WPの吸着ミスを検出したときに、レーザ加工機用の制御装置41に吸着ミスを通信する機能を有する。
レーザ加工機用の制御装置41には、レーザ加工機用のリトライ動作制御手段57が備えられている。このリトライ動作制御手段57には、プログラムメモリ57Mが備えられている。このプログラムメモリ57Mには、アクチュエータ39の上下動動作を制御して、切断片支持部材17の上下動作を制御するためのプログラムが格納されている。また、制装置41には、前記プログラムに従ってアクチュエータ39の上下動作を制御する動作制御手段59が備えられている。
さらに、制装置41には、計数手段61が備えられている。この計数手段61は、リトライ動作制御手段57の制御の下に繰り返されたリトライ動作回数を計数する機能を有するものである。また、制御装置41には、比較手段63が備えられている。この比較手段63は、計数手段61の計数値Aと予め設定した設定値Nとを比較する。そして、A=Nになると、吸着ミスの解消失敗の信号をアラーム報知手段65へ入力する機能を有する。アラーム報知手段65は、例えばランプやブザーなどの適宜の報知器から構成してあって、吸着ミスの解消失敗を、作業者に報知する機能を有する。
さらに、前記制御装置41には、通信手段67が備えられている。この通信手段67は、搬送装置用の前記制御装置45と各種情報の通信を行うものである。すなわち、例えば、レーザ加工機側においてのリトライ動作が行われたこと等を、搬出装置用の前記制御装置45側へ通信する機能を有するものである。
以上のごとき構成において、レーザ加工装置1におけるワーク移動位置決め装置11によって板状のワークWをX,Y軸方向へ移動位置決めすると共に、レーザ加工ヘッド13をY軸方向へ移動位置決めして、レーザ加工を行うことによりワークWから切断片WPを切断分離することができる。その後、搬出装置における吸着手段43を切断片WPの上方に位置決めする。そして、吸着手段43を下降し、切断片WPに対応した吸着パッド43Pによって切断片WPを吸着することにより、切断片WPを吸着し持上げて搬出することができるものである。
上述にように、吸着パッド43Pによって切断片WPを吸着して搬出するとき、前述したように、吸着ミスを生じることがある。したがって、搬出装置及びレーザ加工装置1において、前記吸着ミスを解消するための動作が行われるものである。
図7は、前記吸着ミス解消動作を示すフローチャートである。すなわち、図7に示すステップS1において切断片WPの切断分離が行われると、ステップS2において、前述したように、吸着手段43の下降が行われる。そして、吸着手段43に備えた吸着パッド43Pによって切断片WPの吸着が行われる。この際、圧力センサ49によって吸着パッド43Pの負圧を検出することによって、切断片WPの吸着を検出することができるものである。ステップS3においては、吸着パッド43Pに所定の負圧が発生したか否かが判別される。
上記ステップS3において、NOと判別されたときには、前記吸着手段43の下降が継続される。前記ステップS3において、吸着パッド43Pに所定の負圧が発生すると、切断片WPの吸着が行われたものと判別される。したがって、ステップS4において吸着手段43の上昇が行われる。この際、圧力センサ49によって吸着パッド43Pの負圧状態が監視される。すなわち、ステップS5において、吸着ミスが発生したか否かの判別が行われる。ステップS5において、NOと判別されたときには、ステップS13に移行して切断片WPの搬出が行われる。
前記ステップS5において、吸着ミス発生と判別されたときには、ステップS6へ移行して、搬送装置のリトライ動作が行われる。すなわち、搬送装置においては、切断片WPを吸着すべく吸着手段43を最初に下降した下降位置に吸着手段43を再度下降する(ステップS7)。そして、この下降位置に吸着手段43を一時停止する。この際、吸着パッド43Pによる吸着動作(吸引動作)は継続されるものである。
前述したように、搬送装置における吸着手段43が下降して一時停止した状態にあるときに、ステップS8において、レーザ加工装置1のリトライ動作が行われる。すなわち、ステップS9においてアクチュエータ39の下降動作が行われ、切断片支持部材17が、図4に示す上昇状態から図5に示す下降状態に下降される。したがって、切断片支持部材17の上面に備えられたブラシ17Aは、ワークW及び切断片WPの下面から下方向へ離隔することになる。
そして、ステップS10において、前記アクチュエータ39の上昇動作を行うと、切断片支持部材17が、図5に示す下降状態から図4に示す上昇状態に上昇される。この際、切断片支持部材17に備えた前記ブラシ17AがワークW及び切断片WPの下面に衝撃的に当接するように、切断片支持部材17を高速で上昇するものである。
上述のように、ワークW、切断片WPの下面にブラシ17Aを衝撃的に当接すると、ワークW及び切断片WPに発生して干渉していたドロスが除去されるものである。また、ワークWの切断内周面と切断片WPの外周面が干渉してかじり現象が生じているような場合には、前記かじり現象が解消されるものである。
上述のように、切断片支持部材17が上昇されると、計数手段61によって切断片支持部材17の上下動の繰り返し回数Aが計数される。そして、ステップS11において、上記繰り返し回数Aと予め設定した設定値Nが比較手段63によって比較される。上記繰り返し回数Aが設定値Nと等しくなると、ステップS12において、アラーム報知手段65からアラームが報知される。前記アラーム報知手段65からアラームが報知されると、レーザ加工装置1及び搬送装置の動作が停止されるものである。
以上のごとき実施形態の説明から理解されるように、レーザ加工によって、板状のワークWから切断片WPを切断分離し、吸着手段43によって切断片WPを吸着して搬出するとき、吸着ミスが生じた場合には、切断片支持部材17を下降した後、切断片WPの下面に衝撃的に当接するように上昇するものである。したがって、ワークW及び切断片WPの下面にドロスが発生して、当該ドロスが互に干渉するような場合には、ドロスを剥離して除去できることとなり、前記吸着ミスを解消し得るものである。
また、ワークWの閉じた切断面と切断片WPの外周面とが干渉してかじり現象を生じているような場合には、上記かじり現象を解消して、吸着ミスを解消し得るものである。
1 レーザ加工装置
9 ワークテーブル
11 ワーク移動位置決め装置
13 レーザ加工ヘッド
15 スリット
17 切断片支持部材
17A ブラシ
23 上下動部材
31 揺動リンク
33 突出ピン
35 昇降部材
37 長孔(スリット)
39 上下動用のアクチュエータ
41 レーザ加工機用の制御装置
43 吸着手段
43P 吸着パッド
45 搬送装置用の制御装置
47 吸着ミス検出手段
49 圧力センサ
51 リトライ動作制御手段
53 吸着パッド動作御手段
55 通信手段
57 リトライ動作制御手段
59 動作制御手段
61 計数手段
63 比較手段

Claims (4)

  1. レーザ切断加工機によって板状のワークから切断分離された切断片を、吸着手段を備えた搬出装置によって吸着し搬出する方法であって、
    (a)ワークから切断分離された切断片の上方位置へ前記吸着手段を位置決めし、前記吸着手段を下降して切断片を吸着する吸着動作を行う工程と、
    (b)前記吸着手段を上昇して切断片を持上げる工程と、
    (c)前記切断片を吸着して持上げる際に、吸着ミスが発生した場合には吸着手段を再度下降して切断片を再び吸着する吸着動作を行う工程と、
    (d)切断片の再吸着動作時には、前記吸着手段を下降位置に一時停止する工程と、
    (e)前記切断片の下側に位置する切断片支持部材を下降して切断片の下面から離す工程と、
    (f)前記切断片支持部材を元の位置に上昇して、切断片を押し上げる工程と、
    (g)前記切断片を、一時停止状態にある前記吸着手段によって吸着し搬出する工程と、
    含む切断片の吸着搬出方法。
  2. 板状のワークから切断分離された切断片を、ワーク搬送装置に備えた吸着手段によって吸着し搬出する際に、前記切断片を支持する切断片支持部材を上下動自在に備えたレーザ加工装置であって
    前記レーザ加工装置の動作を制御する制御装置は、切断片を吸着して持上げる際に吸着ミスが検出されたときに、前記切断片の下面から前記切断片支持部材を離隔すべく下降し、かつ前記切断片を僅かに押し上げるべく上昇する動作を制御するためのリトライ動作制御手段を備えてい
    ーザ加工装置。
  3. 前記リトライ動作制御手段は、前記切断片支持部材を下降する前に、前記吸着手段を再度吸着位置に下降して一時停止する動作を制御する請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 記切断片支持部材は、前記ワークの面と平行なX軸及びY軸のうち、レーザ加工ヘッドのY軸方向への移動経路に対応してワークテーブルにY軸方向に形成されたスリットに沿って備えられており、Y軸方向の両端側に備えた昇降部材に支持されている請求項2または3に記載のレーザ加工装置。
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