JP6714417B2 - 車両用フロアカーペット - Google Patents

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Description

本発明は、車両の乗員室内におけるフロアパネルに敷設されるフロアカーペットに関する。
自動車の乗員室の内壁を構成する車体パネルには、意匠性や高級感の向上を目的として、各種の成形内装材が設けられている。一例としては、乗員室の床面を構成するフロアパネルと、そのフロアパネルの端部から上方へ立ち上がっているトーボードパネル等とにかけて、成形内装材であるフロアカーペット(例えばタフトカーペットやニードルパンチカーペット等)が敷設される。成形内装材の一例であるフロアカーペットの裏面には、クッション性や吸音性や遮音性を向上させるための、フロアスペーサーやフロアサイレンサー等と呼ばれるフェルトまたは発泡体からなる緩衝材や嵩上げ材が設けられる場合がある。緩衝材としては、繊維を混合し成型してなる繊維集合体が用いられる。この種の繊維集合体としては、厚さ方向に繊維が配向された繊維構造体を用いることも知られている。繊維構造体は、比較的軽量かつクッション性が高いため、緩衝材として優れた機能を有している。これらの緩衝材や嵩上げ材は、フロアカーペットとは別に成形された後、フロアカーペットの裏面に貼り合わされるか、フロアカーペットとフロアパネルとの間に配置される。
前述したようにフロアカーペットの裏面に緩衝材や嵩上げ材を設けた構成は製造が比較的煩雑であるので、製造を簡単にするために、表面側のカーペット層と裏面側の緩衝材層とからなる多層構造のフロアカーペットが用いられる場合もある。多層構造のフロアカーペットは、カーペット層と、緩衝材や嵩上げ材の代替品である緩衝材層とを含み、これらの各層を別々に、またはこれらの各層を重ねた状態で、加熱して内部に含まれる熱可塑性樹脂繊維を軟化させて、所望の形状を有する一対のプレス成形型の間に配してプレス成形することにより、カーペット層と緩衝材層が同時に所望の形状に形成される。
通常、フロアパネルには様々な凹凸形状が設けられている。例えば、フロアパネルの幅方向の中央部には、ドライブシャフト等を貫通させるため、または、センターコンソールを配設する為に、上方へ(乗員室の内側に向かって凸状に)隆起したトンネル状の凸部が、前後方向に延在するように形成されている。また、フロアパネルの前後方向の中央部や、幅方向の両端部などには、クロスメンバーやロッカーパネル等の凸部が形成されている。このため、フロアカーペットは、フロアパネルの凸部に沿う凹凸形状を有するように、前述したように一対のプレス成形型を用いて深絞り状にプレス成形される。フロアカーペットは、車体のフロアパネルの略全面を覆うように敷設される大きな成形体であるため、フロアカーペットを車両のフロアパネル上に敷設する際には、フロアカーペットを2つに折り畳んだ状態で乗員室内へ搬入し、搬入した後に、折り畳まれていたフロアカーペットを広げてフロアパネル上へ敷設する。
特許文献1には、床材(フロアカーペット)の裏面に、クロスメンバー当接部の長手方向に沿って折り曲げ溝が形成されており、この折り曲げ溝を介して床材を二つ折りにして乗員室内に搬入することが可能な構成が開示されている。
特許文献2には、表皮(カーペット層)の裏面全体にインシュレータ(緩衝材層)を一体に設けてなる車両用フロアカーペットにおいて、このフロアカーペットをフロアに敷設したときにシート下になる位置に、車両搭載時に折り畳むための折れ起点となるビードが形成された構成が開示されている。ビードが形成された部分は、インシュレータの厚みを比較的薄肉にして折り曲げ易くしている。
実開平2−86886号公報 特開2014−51180号公報
特許文献1および特許文献2に開示されている構成では、フロアカーペットを折り曲げ易くするために、フロアカーペットの裏面側に、幅方向に沿って延びる折り曲げ溝やビード(薄肉部分)が設けられている。このような折り曲げ溝やビードは、フロアカーペットの剛性や保形性を低下させるおそれがある。また、このような折り曲げ溝やビードが、フロアカーペットの緩衝材層に設けられていると、吸音性が低下するおそれもある。
さらに、フロアカーペットの緩衝材層が薄肉になっていても、カーペット層がある程度大きな剛性を有しているため、大面積のフロアカーペットを、平坦面状の部分に設けられた折り曲げ溝やビードを起点として二つ折りにすることは容易ではない。特に、緩衝材層は表面側のカーペット層に比べて剛性が小さく、この緩衝材層にV字状の溝(部分的に潰した形状)が設けられているのみでは、この溝を確実に折り曲げの起点として作用させることは難しく、折り曲げたい位置とは異なる位置で折れが発生するおそれがある。また、フロアカーペットの幅方向の両端部などに緩衝材層が設けられていない部分が存在する場合があり、その部分には折り曲げ溝やビードが存在しないので、折り曲げにくい。このようなフロアカーペットに大きな力を加えて二つ折りにする際に、特に幅方向の両端部において所望の折り曲げ位置以外の場所において折れ曲がってしまうおそれがある。その場合、フロアカーペットの表面の視認可能な場所にシワが発生して意匠性を損なう可能性がある。
本発明の目的は、車両用フロアカーペットを車両の乗員室内に搬入する際に容易かつ位置精度良く折り曲げることができ、しかも車両用フロアカーペットの剛性や保形性や遮音性の低下を抑制可能な車両用フロアカーペットを提供することである。
本発明は、車両の室内の床面に配置される車両用フロアカーペットが、床面の形状に対応する凹凸形状を有し、凹凸形状の、車両用フロアカーペットの幅方向に延びる仮想的な折り曲げ線上であって、前記車両用フロアカーペットに設けられた立壁の根元の一部に、車両用フロアカーペットの折り曲げ線に沿う折り曲げを容易にする折れ誘起部が設けられていることを特徴とする。
本発明によると、車両用フロアカーペットの剛性低下を抑制しつつ、車両用フロアカーペットを容易かつ精度良く折り畳むことができる。
本発明の一実施形態の車両用フロアカーペットを上方から見た斜視図である。 図1に示す車両用フロアカーペットを裏面側から見た斜視図である。 図1に示す車両用フロアカーペットの一部拡大断面図である。 図2の一部の拡大図である。 図1の一部を拡大して示す平面図である。 図5のB−B線断面図である。 図5のC−C線断面図である。 図1に示すフロアカーペットのスリット付近を拡大して示す斜視図である。 本発明のフロアカーペットの折れ誘起部の他の例を示す斜視図である。 図9のD−D線に沿う緩衝材層の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、図面は、本発明の実施例を示したものであって、この実施例に限られるものではない。
本発明の一実施形態の車両用フロアカーペット(フロアカーペット)1は、車両の乗員室の床面(図示しないフロアパネル)の上に敷設されており、図1はそれを上方(車室の内部側)から見た斜視図であり、図2はそれを裏面側(フロアパネル側)から見た斜視図である。フロアカーペット1には、フロアパネルの形状に沿って様々な凹凸形状(凸部2や凹部3など)が形成されている。図示しないが、フロアパネルには、車両幅方向(幅方向W)の中央において車両前後方向(前後方向L)に延在するトンネルや、幅方向Wの両端部において前後方向Lに延在するロッカーパネルや、前後方向Lの中央付近において幅方向Wに延在するクロスメンバーなどが設けられている。従って、図1に示すように、フロアカーペット1には、フロアパネルのトンネルやロッカーパネルやクロスメンバー等を覆うように、それらに対応する形状の凸部2が形成されている。これらの凸部2の間には、乗員の足置き部となる凹部3が設けられている。凹部3は、平坦な底面を有し、足で踏まれても破損や変形を生じない強度と、内装材として好ましいクッション性とを兼ね備えている。また、フロアパネルには、前方側に斜め上方へ立ち上がるように形成されているトーボードパネルが設けられており、フロアカーペット1には、トーボードパネルを覆うように斜め前方に傾斜した前側傾斜部4が形成されている。車両用フロアカーペットの幅方向および前後方向は、車両の幅方向Wおよび前後方向Lと一致する。
図2に示すように、フロアカーペット1は、少なくとも表面側(乗員室の内部側)に位置するカーペット層10と、裏面側(フロアパネル側)に位置する緩衝材層11とを有する。緩衝材層11は、カーペット層10の裏面の略全面にわたって設けられており、フロアパネルの凹凸を埋めるようにフロアパネルの形状に合わせて成形されている。この緩衝材層11により、足置き部となる凹部3の底面の平坦性や強度(剛性)を高めている。また、緩衝材層11によって、クッション性や吸音性も付与している。
さらに、緩衝材層11は部分的に厚さの大きい部分を有しており、例えば、緩衝材層11には、フロアパネルのトンネルを覆う凸部2の頂部の裏面側に、図3に示すように、他の部分よりも厚さが大きい膨出部11aが形成されている。なお、図3に示す例では、カーペット層10と緩衝材層11との間に非通気フィルム層12が配置されている。フロアカーペット1がフロアパネルに固定されると、緩衝材層11の厚い部分(膨出部11a等)が、対向するフロアパネルに押しつけられて弾性的に潰れる。このように、厚い部分がフロアパネルや対向する他の構成部品に当接して弾性的に潰れた状態で固定されると、フロアパネルに強く密着してフロアパネルの振動を抑えることができる。すなわち、厚い部分を有する緩衝材層11が、緩衝機能に加えて、フロアパネルの制振性および静音性を向上させることができる。このように厚さの大きい部分を含む緩衝材層11は、カーペット層10(図3に示す例では非通気フィルム層12も含む)と一緒にプレス成形されることによって形成され、緩衝材層11の部位によって、厚さの違いと同様に密度も異なっている。
フロアカーペット1をフロアパネルの上に敷設する際には、車両のドア部を通過できるように前後方向Lに2つ折りにした状態で乗員室内へ搬入し、乗員室内で再び広げてフロアパネル上に敷設する。大きなフロアカーペット1を綺麗に2つ折りにすることは容易ではなく、折り目に沿って、または折り目の近傍において、フロアカーペット1の表面にシワが形成されるおそれがある。フロアカーペット1の表面にシワが形成されると、フロアカーペット1の美感が著しく損なわれる。通常は、折り目がシートの下方の視認し難い位置に形成されるように、折り曲げ位置を決めているが、この折り曲げ位置から外れた位置に折れやシワが生じると、乗員から見える位置に折れやシワが存在する可能性があり、美観状の問題がある。従って、所望の折り曲げ位置で正確に折り曲げられるようにするために、折り曲げの起点になる折れ誘起部が形成される。
本実施形態では、図2に点線で示すように、車両のフロントシート(前部座席)の下方の位置であって、フロアパネルのクロスメンバーに対応して形成された凸部2の立壁の根元である、幅方向に延びる屈曲部(コーナー部)に沿って仮想的な折り曲げ線13を設定する。図2は裏面側から示しているので、凸部2が凹形状として図示されている。フロアカーペット1の左右両端の、幅方向に延びる仮想的な折り曲げ線13と重なる位置に、スリット5が形成されている。スリット5はカーペット層10の両側端部から内方へ向かってそれぞれ形成されており、カーペット層10を厚さ方向に貫通している。また、緩衝材層11の厚さの大きい部分(図3に示す膨出部11a等)と、それ以外の通常の厚さの部分との境界の部分、すなわち板厚変位部11bが、仮想的な折り曲げ線13上に位置している。スリット5や板厚変位部11bは、部分的にフロアカーペット1の折り曲げを容易にする折れ誘起部の一種であって、これらを起点として容易に折り曲げられる。従って、これらのスリット5や板厚変位部11bが同一直線上にあれば、その直線に沿って正確に折り曲げることが容易に可能である。特に、スリット5を利用すると作業者が非常に簡単に折り曲げ動作を開始することができ、この折り曲げ動作を開始する部分にシワが生じる可能性が低くなり非常に効果的である。さらに、スリット5はフロアカーペット1の幅方向Wの端部に設けられているので、前述したように確実に折れの起点として機能するとともに、乗員から視認し難い位置にスリットがあるため、意匠性(美感)が損なわれることがなくて好ましい。
さらに、本実施形態では、フロアパネルのクロスメンバーに対応するフロアカーペットの凸部2の、前後方向Lに延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)にも折れ誘起部が設けられている。図4,5に拡大して示すように、この折れ誘起部は、1対の斜面14に挟まれた谷部15である。この谷部15も、スリット5および板厚変位部11bと同一直線上にある。すなわち、この谷部15が設けられているのは、仮想的な折り曲げ線13であって凸部2の幅方向Wに延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)と、凸部2の、幅方向Wに交差する方向(本実施形態では幅方向Wに直交する前後方向L)に延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)とが交わる部分16である。この技術的意義について以下に説明する。
乗員室内のフロアパネルの上にフロアカーペット1を敷設する際には、大きなフロアカーペット1を、ドアを通過させて乗員室内に搬入するために前後方向Lに折り畳む必要がある。フロアカーペット1の折り目やシワが乗員の目に触れないように、折り目がシートの下方に位置するように仮想的な折り曲げ線13を設定し、その折り曲げ線13にできるだけに正確に沿って折り曲げることが望まれる。そのために、この折り曲げ線13上の位置に、折れ誘起部(スリット5や板厚変位部11bなど)が設けられている。仮に、折り曲げ線がフロアカーペット1の平坦な面の中間部分に設定されていると、その折り曲げ線上の一部に折れ誘起部があったとしても、高精度の折り曲げが難しい場合がある。これに対し、凸部2の幅方向Wに延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)を仮想的な折り曲げ線13にすると、既に屈曲している部分を折り曲げればよいため、平坦な面の中間部分に折り曲げ線を設定する場合に比べて、折り曲げの起点が生じやすく、高精度の折り曲げが可能になる。ただし、凸部2の幅方向Wに延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)と、それに交差する方向のコーナー部、例えば凸部2の前後方向Lに延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)とが交わる部分16は、多面体の頂点であり、この頂点を折り曲げるのは困難である。要するに、凸部2の幅方向Wに延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)を仮想的な折り曲げ線13にすることによって折り曲げが概ね容易になるが、凸部2の前後方向Lに延びる立壁の根元である屈曲部(コーナー部)と交わる部分16だけは折り曲げが困難である。そこで、本実施形態では、この交点の部分16に折れ誘起部(谷部15)を形成することによって、折り曲げ線13に沿う高精度の折り曲げが容易にできるようにしている。この交点の部分16においては、スリット等を形成するのが困難であるため、1対の斜面14に挟まれた谷部15を形成している。谷部15は、フロアカーペット1の裏面の緩衝材層11側から見て谷形状である。このような構成によって、フロアカーペット1の剛性や形状保持性を損なうことなく、車両の乗員室内へ搬入するためにフロアカーペット1を2つ折りにする際に、谷部15を起点として折り曲げ線13に正確に沿って折り曲げることが容易にできる。また、この谷部15が、板厚変位部11bに隣接して設けられていることが好ましい。
本実施形態では、比較的小さな折れ誘起部(スリット5と板厚変位部11bと谷部15)が複数個所に設けられており、幅方向の全長にわたる大きな折れ誘起部が設けられる場合に比べて、折れ誘起部に起因するフロアカーペットの剛性低下を抑えることができる。
前述した本発明のフロアカーペット1の、より具体的な実施例を以下に詳細に説明する。フロアカーペット1は、図5のA−A線断面図である図3に示すように、車室内に面するカーペット層10と、フロアパネルに面する緩衝材層11と、カーペット層10と緩衝材層11との間に挟まれている非通気フィルム層12とからなる。カーペット層10は、フロアカーペット1の表面側の外観を向上させることと、内装材として好適な感触を付与するという機能を有し、PET繊維のニードルパンチ不織布からなり、目付が200g/mである。非通気フィルム層12は、LDPE樹脂とPA樹脂とLDPE樹脂の3層からなる樹脂フィルムであって、目付が45g/m、厚さが45μmである。緩衝材層11は、捲縮繊維からなる母材繊維が50%、メルト繊維が30%、雑綿が20%の配合のPET繊維からなり、目付が600g/mである。緩衝材層11は、フロアカーペット1のカーペット層10の裏面の略全面にわたって積層されており、各部が所望の厚さになるように潰されて、異密度になっている。一例としては、緩衝材層11は、フロアパネルの形状に合わせて厚さが3〜15mmの範囲で各領域で異なるようにプレス成形によって形成され、部分的に厚みが大きい膨出部11aを有している。膨出部11aの1つは、フロアパネルのトンネルを覆うように前後方向Lに延びており、最大厚さが10mm、最小厚さが3mmとなるようにフロアカーペット1の裏面から膨出している。最小厚さの3mmは、緩衝材層11の膨出部11aとその他の部分との境界(板厚変位部11b)の厚さである。本実施例では、膨出部11aの車両後方の板厚変位部11bが折れ誘起部の1つとして機能する。緩衝材層11は、板厚変位部11bを中心として一方の側の厚さが他方の側の厚さの2倍以上となるように成形されていることが好ましい。緩衝材層11の厚さの範囲をこのように設定することによって、板厚変位部11bは、より確実に折れの起点として機能するため好ましい。
このフロアカーペット1の製造方法としては、まず、前述したカーペット層10と非通気フィルム層12と緩衝材層11とをこの順に積層して、総厚さが約6mmになるように成形して原反(積層体)を形成する。そして、この原反を一対の成形型の間に投入し、プレス成形することによって、フロアパネルに対応する形状に形成する。具体的には、原反のカーペット層10側をヒーターで加熱し、緩衝材層11側を熱風により加熱することによって、カーペット層10と緩衝材層11を構成する熱可塑性樹脂繊維と非通気フィルム層12を軟化溶融させた状態で、一対の成形型の間に投入してプレス成形することで、フロアパネルに対応する形状に形成する。緩衝材層11を熱風で加熱する際にメルト繊維が溶融することによって、捲縮繊維の捲縮性が発現して、緩衝材層11の厚さが復元する。それによって、本実施例における原反の全体の厚さは、加熱前の約6mmから加熱後には約25mmまで復元する。このように厚さが復元した状態でプレス成形を行うことによって、緩衝材層11の厚さの設計自由度が向上する。また、緩衝材層11が捲縮繊維を含んでいるため、原反を薄い状態にしておくことが可能であるため、原反の輸送効率が格段に向上する。すなわち、輸送時の荷姿が良好であり、輸送費を大幅に低減できる。また、原反の緩衝材層11側を熱風によって加熱すると、緩衝材層11を通過した熱風は非通気フィルム層12で反射されて、緩衝材層11は、この反射した熱風によって再度加熱されるため、本実施例による原反の加熱は効率が優れている。
緩衝材層11の膨出部11aの例として、図5のB−B線断面図である図6に示すように、フロアカーペット1の幅方向Wの中央部分に形成された、フロアパネルのトンネルを覆う凸部2の頂面の裏側から下方へ膨出するように形成されたものがある。このように緩衝材層11に形成された膨出部11aは、対向するフロアパネルまたは構成部品に当接して弾性的に潰されることで、フロアパネル等に緩衝機能に加えて制振性を付与している。
また、図5のC−C線断面図である図7に示すように、フロアカーペット1の前後方向Lの中央付近には、フロアパネルのクロスメンバーを覆うように幅方向Wに延在する凸部2が形成されている。凸部2は、フロアパネルのクロスメンバーに合わせて形成されていて、この凸部2の屈曲部(コーナー部)17をフロアカーペット1の折れの起点として利用することもできる。
図8は、フロアカーペット1の折れ誘起部の一つであるスリット5付近を拡大して示す斜視図である。スリット5は、フロアカーペット1の幅方向Wの左右端部に、幅方向Wに平行に間隔をあけて2箇所切り欠くことによって形成されている。
図9は、本発明の折れ誘起部の他の例を示す斜視図である。図9に示すように、フロアパネルのトンネルを覆って、前後方向Lに延在するように、凸部2がフロアカーペット1に形成されている。凸部2が前後方向Lに延在する範囲を横断するように、凹部18が形成されている。凹部18は、底面18aと立壁18b,18cとからなる断面U字状の溝であって、フロアカーペット1を車室内へ搬入するために前後に2つ折りにする際に折れの起点となる折れ誘起部として機能する。この凹部18は、板厚変位部11bの代わりに緩衝材層11に設けてもよく、凹部18と板厚変位部11bの両方を緩衝材層11に設けてもよい。また、図9のD−D線に沿う緩衝材層11の断面図である図10に示すように、凹部18の立壁18bの裏面側の緩衝材層11には、立壁18bに対して垂直な方向に突出する突出部18dが形成されている。フロアカーペット1は、図示しないが、成形すべきフロアカーペット1の形状に対応する形状のキャビティを有する1対の成形型によってプレス成形されている。すなわち、一対の成形型は、図10の上下方向に近接および離間するように移動する。そのため、成形されたフロアカーペット1の緩衝材層11の突出部18dは、成形型の型抜き方向に対していわゆるアンダー形状であり、成形型内にスライド駒などか設けられていない場合には、アンダー形状に成形された後に型抜きされる際にキャビティの壁面に当接する。アンダー形状の突出部18dを強引に脱型させると、キャビティの内壁の一部をアンダー形状の突出部18dが乗り越える際に、凹部18を変形させる力が加わる。すなわち、型抜き時に凹部18の一部を折るような力が加わる。こうしてフロアカーペット1の凹部18の一部が折れるか、または折れ易い癖(折れ癖)が付く。従ってこの折れ部または折れ癖が付いた部分を起点として、フロアカーペット1を折り畳むことが容易にでき、車両の乗員室内への搬入が可能になる。
なお、以上の説明はすべて、カーペット層10の裏面の略全面に緩衝材層11が設けられた構成のフロアカーペット1に関するものであったが、この構成に限定されるわけではない。すなわち、フロアカーペット1とは別に形成されたフェルトや樹脂粒子発泡成形体(ビーズ発泡体)やウレタン等の発泡体など、従来公知のフロアスペーサーをホットメルト接着などにより後貼りしてもよく、またはこれらのフロアスペーサーを接着せずにフロアカーペットとフロアパネルとの間に配設するだけであってもよい。
1 車両用フロアカーペット(フロアカーペット)
2 凸部(凹凸形状)
3 凹部(凹凸形状)
4 前側傾斜部
5 スリット
10 カーペット層
11 緩衝材層
11a 膨出部
11b 板厚変位部
12 非通気フィルム層
13 折り曲げ線
14 斜面
15 谷部(折れ誘起部)
16 交点の部分
17 屈曲部(コーナー部)
18 凹部
18a 底面
18b,18c 立壁
18d 突出部
W 車両幅方向(幅方向)
L 車両前後方向(前後方向)

Claims (7)

  1. 車両の室内の床面に配置される車両用フロアカーペットであって、
    前記床面の形状に対応する凹凸形状を有し、
    前記凹凸形状の、前記車両用フロアカーペットの幅方向に延びる仮想的な折り曲げ線上であって、前記車両用フロアカーペットに設けられた立壁の根元の一部に、前記車両用フロアカーペットの前記折り曲げ線に沿う折り曲げを容易にする折れ誘起部が設けられている、車両用フロアカーペット。
  2. 前記折れ誘起部は、1対の斜面に挟まれた谷部である、請求項に記載の車両用フロアカーペット。
  3. 前記折れ誘起部は、前記凹凸形状の、前記幅方向に直交する方向に沿って延びるコーナー部と、前記幅方向に沿って延びるコーナー部とが交わる位置に設けられている、請求項1または2に記載の車両用フロアカーペット。
  4. 前記折れ誘起部は、前記折り曲げ線上で、前記幅方向に直交する方向において板厚が変化する部分である板厚変位部に隣接する位置に設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用フロアカーペット。
  5. 前記幅方向に直交する方向において、前記板厚変位部を中心として一方の側の厚さは他方の側の厚さの2倍以上である、請求項に記載の車両用フロアカーペット。
  6. 前記幅方向の端部の前記折り曲げ線上の位置にスリットが形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用フロアカーペット。
  7. 前記凹凸形状の一部を構成する前記立壁には、該立壁に対して垂直な方向に突出する突出部が形成されている、請求項1からのいずれか1項に記載の車両用フロアカーペット。
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