JP6389223B2 - プリフォームの製造方法 - Google Patents

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本発明は、CFRP(カーボン繊維強化樹脂)のプリプレグを金型でプレス成形してCFRPのプリフォームを製造するプリフォームの製造方法に関する。
PCM(prepreg compression molding )したCFRP製の板材よりなる車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁を結合して中空閉断面を有する自動車のサイドシルを製造するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2015−196388号公報
ところで、PCM製法によりCFRP製の板材を製造する過程で、一方向に引き揃えたカーボン繊維を未硬化の樹脂シートの内部に埋め込んだプリプレグを金型でプレス成形して所定形状に賦形したプリフォームを製造するとき、プリプレグが圧縮される部分に皺が寄ってカーボン繊維の配列が乱れるために美観を損ねたり、プリプレグが引っ張られる部分でカーボン繊維が破断して強度が低下したりするため、完成したCFRP製の板材の品質が低下する可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、CFRP製のプリフォームの強度および美観を両立させることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、金型による成形時に圧縮力あるいは引張力が作用する湾曲部分に切込みを有するCFRPの第1プリプレグを製造する第1工程と、前記第1プリプレグの湾曲部分に積層可能なCFRPの第2プリプレグを製造する第2工程と、前記第1プリプレグを金型で所定形状にプレス成形して第1プリフォームを製造する第3工程と、前記第2プリプレグを金型でプレス成形して第2プリフォームを製造する第4工程と、前記第1プリフォームの湾曲部分に前記第2プリフォームを積層したものを金型でプレス成形して一体化する第5工程とを含むことを特徴とするプリフォームの製造方法が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第1プリフォームは前記第2プリフォームが積層される部分に凹部を有しており、プレス成形により一体化された前記第1プリフォームおよび前記第2プリフォームの表面は面一であることを特徴とするプリフォームの製造方法が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、自動車のフロントピラーロアは車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、前記車幅方向内壁を構成する前記第1プリフォームの湾曲方向内側の接合フランジに前記第2プリフォームが積層されることを特徴とするプリフォームの製造方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、自動車のフロントピラーロアは車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、前記上壁を構成する前記第1プリフォームの湾曲方向内側の接合フランジに前記第2プリフォームが積層されることを特徴とするプリフォームの製造方法が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、自動車のフロントピラーロアは車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、前記フロントピラーロアの下端から車体後方に延びるサイドシルは、車幅方向内壁に上壁、車幅方向外壁および下壁を一体化したコ字状断面部材を結合して閉断面に構成されることを特徴とするプリフォームの製造方法が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記サイドシルの内部に、その車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁に当接するバルクヘッドが配置されることを特徴とするプリフォームの製造方法が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項5または請求項6の構成に加えて、前記サイドシルはフロアパネルの車幅方向外縁部の上面に結合されることを特徴とするプリフォームの製造方法が提案される。
請求項1の構成によれば、金型による成形時に圧縮力あるいは引張力が作用する湾曲部分に切込みを有するCFRPの第1プリプレグを製造する第1工程と、第1プリプレグの湾曲部分に積層可能なCFRPの第2プリプレグを製造する第2工程と、第1プリプレグを金型で所定形状にプレス成形して第1プリフォームを製造する第3工程と、第2プリプレグを金型でプレス成形して第2プリフォームを製造する第4工程と、第1プリフォームの湾曲部分に第2プリフォームを積層したものを金型でプレス成形して一体化する第5工程とを含むので、プレス成形時に第1プリプレグの湾曲部分に皺が寄ったりカーボン繊維が破断したりするのを切込みにより防止しながら、切込みにより強度が低下した湾曲部分を第2プリプレグで補強して強度および美観を両立させることができる。
また請求項2の構成によれば、第1プリフォームは第2プリフォームが積層される部分に凹部を有しており、プレス成形により一体化された第1プリフォームおよび第2プリフォームの表面は面一であるので、第2プリフォームが第1プリフォームの表面から突出して美観を損ねるのを防止することができる。
また請求項3の構成によれば、自動車のフロントピラーロアは車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、車幅方向内壁を構成する第1プリフォームの湾曲方向内側の接合フランジに第2プリフォームが積層されるので、フロントピラーロアの車幅方向内壁の切込みが形成された接合フランジの強度を確保しながら皺の発生を防止して美観を高めることができる。
また請求項4の構成によれば、自動車のフロントピラーロアは車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、上壁を構成する第1プリフォームの湾曲方向内側の接合フランジに対応する部分に第2プリフォームが積層されるので、フロントピラーロアの上壁の切込みが形成された接合フランジの強度を確保しながら皺の発生を防止して美観を高めることができる。
また請求項5の構成によれば、自動車のフロントピラーロアは車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、フロントピラーロアの下端から車体後方に延びるサイドシルは、車幅方向内壁に上壁、車幅方向外壁および下壁を一体化したコ字状断面部材を結合して閉断面に構成されるので、フロントピラーロアでは閉断面の稜線において車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁を重ね合わせて強度を高めることができ、またサイドシルでは部品点数を削減できるだけでなく、継ぎ目の数を減少させて美観を高めることができる。
また請求項6の構成によれば、サイドシルの内部に、その車幅方向内壁、上壁、車幅方向外壁および下壁に当接するバルクヘッドが配置されるので、金型による成形時にコ字状断面部材の上壁、車幅方向外壁および下壁が断面収縮しても、その断面収縮をバルクヘッドで矯正して車幅方向内壁との接合面を精度良く位置決めして閉断面を構成することができる。
また請求項7の構成によれば、サイドシルはフロアパネルの車幅方向外縁部の上面に結合されるので、サイドシルおよびフロアパネルの協働により側面衝突の衝突荷重に対するエネルギー吸収性能を高めることができる。
自動車の車体前部の斜視図。(第1の実施の形態) 図1の2部分解拡大図。(第1の実施の形態) 図1の3A−3A線および3B−3B線断面図。(第1の実施の形態) フロントピラーロアの車幅方向内壁の斜視図。(第1の実施の形態) 車幅方向内壁のプリフォームの製造工程の説明図。(第1の実施の形態) プリフォームのプレス加工時の作用説明図。(第1の実施の形態) 図3(A)に対応する図。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図6に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。なお、本明細書における前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向は運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1に示すように、二座席のスポーツタイプの自動車の車体フロアは基本的にCFRP(カーボン繊維強化樹脂)で構成されるもので、フロアパネル11の左右両側部に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドシル12,12と、左右のサイドシル12,12の前端から起立する左右一対のフロントピラーロア13,13と、フロアパネル11の前端から起立して左右のフロントピラーロア13,13を車幅方向に連結するダッシュパネルロア14とを備える。サイドシル12およびフロントピラーロア13は一体に連続する中空閉断面部材であり、その内部にアルミニウム合金製の複数のバルクヘッド15…が所定間隔で配置される。
図2および図3に示すように、フロアパネル11は、車体外側(下側)のアウタースキン16と、車体内側(上側)のインナースキン17との間に波板状のコア18(図3参照)を挟んだものであり、アウタースキン16が下方に膨出することで厚くなった車幅方向外端部の内部に波板状の衝撃吸収部材19が配置される。
フロントピラーロア13は、何れも板状に形成された車幅方向内壁20と、上壁21と、車幅方向外壁22と、下壁23とを結合して矩形状の閉断面に構成される。フロントピラーロア13の下端から後方に延びるサイドシル12は、板状に形成された車幅方向内壁24と、上壁25a、車幅方向外壁25bおよび下壁25cを一体に有して車幅方向内側に開放するコ字状断面部材25とを結合して矩形状の閉断面に構成される。サイドシル12の後端から起立するリヤピラー(不図示)も、サイドシルと同様に、板状に形成された車幅方向内壁と、上壁、車幅方向外壁および下壁を一体に有して車幅方向内側に開放するコ字状断面部材とを結合して矩形状の閉断面に構成される。
図4に示すように、フロントピラーロア13の車幅方向内壁20の上端には車幅方向外側に折り曲げられた接合フランジ20aが形成され、また下端には車幅方向内側に折り曲げられた接合フランジ20bが形成される。側面視でL字状に湾曲する車幅方向内壁20の上端の接合フランジ20aの一部、すなわち接合フランジ20aの湾曲部には複数の切込み20d…が形成され、そこに短冊状のパッチ26が積層される。
図2および図3に示すように、フロントピラーロア13の上壁21には車幅方向内端には下方に一段窪んだ接合フランジ21aが形成され、また車幅方向外端には下方に一段低くなりながら下方に折り曲げられた接合フランジ21bが形成される。フロントピラーロア13の車幅方向外壁22の上端には車幅方向内側に折り曲げられた接合フランジ22aが形成され、また下端には車幅方向内側に折り曲げられた接合フランジ22bが形成される。フロントピラーロア13の下壁23の車幅方向外端には上方に一段低くなりながら上方に折り曲げられた接合フランジ23aが形成され、また車幅方向内端には接合フランジ23bが形成される。
フロントピラーロア13において、予めパッチ26が積層された車幅方向内壁20の上端の接合フランジ20aは、上壁21の車幅方向内端の接合フランジ21aの上面に重ね合わされて接着される。このとき、パッチ26の上面と上壁21の上面とが面一になるように、車幅方向内壁20のパッチ26が積層される部分は、パッチ26の形状に合わせて一段低くなったL字状断面の凹部20c(図3(A)および図4(B)参照)が形成される。そして上壁21の車幅方向外端の接合フランジ21bの上面に車幅方向外壁22に上端の接合フランジ22aが重ね合わされて接着され、車幅方向外壁22の下端の接合フランジ22bが下壁23の車幅方向外端の接合フランジ23aの下面に重ね合わされて接着され、下壁23の車幅方向内端の接合フランジ23bが車幅方向内壁20の下端の接合フランジ20bの下面に重ね合わされて接着される。
またサイドシル12において、車幅方向内壁24の上端を車幅方向外側に折り曲げた接合フランジ24aがコ字状断面部材25の上壁25aの車幅方向内端に設けられた接合フランジ25dの上面に接着され、車幅方向内壁24の下端を車幅方向内側に折り曲げた接合フランジ24bがコ字状断面部材25の下壁25cの車幅方向内端に設けられた接合フランジ25eの上面に接着される。
次に、フロントピラーロア13の製造方法を説明する。
フロントピラーロア13を製造するには、まず一方向に引き揃えた多数のカーボン繊維を未硬化の樹脂シートの内部に埋め込んだプリプレグの素材を、車幅方向内壁20、上壁21、車幅方向外壁22、下壁23およびパッチ26のそれぞれの形状に合わせて裁断する。このとき、各部材は複数層のプリプレグを積層して構成されるものであり、例えばカーボン繊維の配向方向を60°ずつずらした3種類のプリプレグを各4層ずつ合計12層に積層して構成される。フロントピラーロア13の車幅方向内壁20を構成する第1プリプレグ27は側面視でL字状であり、その上端の接合フランジ27aのうちの湾曲方向内側部分には複数の切込み27b…が形成される(図5(A)参照)。同様に、プリプレグの素材を裁断して車幅方向内壁20のパッチ26を構成する12層の第2プリプレグ28を製造する(図5(A)参照)。
次に、第1プリプレグ27および第2プリプレグ28を低温(例えば、60゜C)に加熱してマトリクス樹脂を軟化させた状態で、金型でプレス加工して所定形状に賦形することで、断面がクランク状の屈曲する第1プリフォーム27′と、断面がL字状に屈曲する第2プリフォーム28′とを製造する(図5(B)参照)。そして第1プリフォーム27′および第2プリフォーム28′を金型内にセットして常温でプレス加工することで、第1プリフォーム27′および第2プリフォーム28′が一体化した車幅方向内壁20のプリフォーム29′を製造する(図5(C)および図6参照)。
このとき、図6に示すように、第1プリフォーム27′の接合フランジ27a′は第2プリフォーム28′が嵌合する凹部27c′を備えているので、金型31,32でプリフォーム29′を成形した後に型開きするとき、第1プリフォーム27′および第2プリフォーム28′が面一に整列し、第2プリフォーム28′がアンダーカットになって型抜きが困難になるのが防止される。
ところで、側面視でL字状の第1プリプレグ27をプレス加工して上端の接合フランジ27aを形成するとき、その接合フランジ27aには圧縮荷重が作用するため、第1プリプレグ27の接合フランジ27aだけでなく平坦部にも皺が寄って美観を損ねる可能性があるが、本実施の形態によれば、接合フランジ27aに設けた切込み27b…によって皺の発生が防止されて美観が確保される。
次に、フロントピラーロア13の車幅方向内壁20のプリフォーム29′を金型内に挿入し、高温(例えば、160゜C)でプレス加工してマトリクス樹脂を硬化させる。そして同様にして硬化させたフロントピラーロア13の上壁21、車幅方向外壁22および下壁23と、サイドシル12の各部材と、リヤピラーの各部材とが接着により一体に組み立てられる。その際に、フロントピラーロア13、サイドシル12およびリヤピラーの内部には複数のバルクヘッド15…が所定間隔で接着される。
このようにして組み立てられたフロントピラーロア13は、その下壁23がフロアパネル11(ダッシュパネルロア14)のインナースキン17の上面に接着されるとともに(図3(A)参照)、サイドシル12はコ字状断面部材25の下壁25cがフロアパネル11のインナースキン17の上面に接着され、さらにフロアパネル11の車幅方向外端部がフロントピラーロア13の車幅方向外壁22およびサイドシル12のコ字状断面部材25の車幅方向外壁25bに連結部材30で連結される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
自動車が側面衝突して衝突荷重がサイドシル12やフロントピラーロア13に入力すると、サイドシル12の下方のフロアパネル11の内部に配置された衝撃吸収部材19や、サイドシル12およびフロントピラーロア13の内部に配置されたバルクヘッド15…が圧壊することで、衝突エネルギーが効果的に吸収される。
特に、フロントピラーロア13は車幅方向内壁20、上壁21、車幅方向外壁22および下壁23がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成されるので、閉断面の稜線において車幅方向内壁20、上壁21、車幅方向外壁22および下壁23を重ね合わせて強度を高めることができる。またサイドシル12は、車幅方向内壁24にコ字状断面部材25を結合して閉断面に構成されるので、部品点数を削減できるだけでなく、継ぎ目の数を減少させて美観を高めることができる。
またサイドシル12の内部に、車幅方向内壁24、上壁25a、車幅方向外壁25bおよび下壁25cに当接するバルクヘッド15…が配置されるので、金型による成形時にコ字状断面部材25が断面収縮しても、その断面収縮をバルクヘッド15…で矯正し、コ字状断面部材25および車幅方向内壁24の接合面を精度良く位置決めして結合することができる。
またフロントピラーロア13の車幅方向内壁20の素材となる第1プリプレグ27を金型でプレス加工する際に、圧縮荷重が加わる湾曲方向内側の接合フランジ27aに切り込み27b…を形成するので、プレス加工により第1プリプレグ27に皺が発生するのを防止して製品の美観を高めることができる。また切り込み27b…によって製品である車幅方向内壁20の接合フランジ20aの強度低下が懸念されるが、切り込み27b…をカバーするように第1プリプレグ27の接合フランジ27aに第2プリプレグ28を重ね合わせることで、製品である車幅方向内壁20の強度を確保することができる。このように、本実施の形態によれば、フロントピラーロア13の車幅方向内壁20の美観および強度を両立させることができる。
しかも第1プリフォーム27′(車幅方向内壁20)は第2プリフォーム28′(パッチ26)が積層される部分に凹部27c′(凹部20c)を有しており、プレス成形により一体化された第1プリフォーム27′(車幅方向内壁20)および第2プリフォーム28′(パッチ26)の表面は面一であるので、第2プリフォーム28′(パッチ26)が第1プリフォーム27′(車幅方向内壁20)の表面から突出して美観を損ねるのを防止することができる(図3(A)参照)。
特に、フロントピラーロア13は車幅方向内壁20、上壁21、車幅方向外壁22および下壁23がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、車幅方向内壁21を構成する第1プリフォーム27′の湾曲方向内側の接合フランジ27a′に対応する部分に第2プリフォーム28′が積層されるので、フロントピラーロア13の車幅方向内壁20の湾曲方向内側の接合フランジ20aの強度を確保しながら皺の発生を防止して美観を高めることができる。
第2の実施の形態
次に、図7に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、フロントピラーロア13の第1プリプレグ27よりなる車幅方向内壁20の上端の接合フランジ27aに切込み27c…を入れて第2プリプレグ28よりなるパッチ26を積層しているが、第2の実施の形態は、更にフロントピラーロア13の第1プリプレグ27よりなる上壁21の車幅方向外端の接合フランジ21bの下面に切込みを入れて第2プリプレグ28よりなるパッチ26を積層したものである。その位置はプリプレグを金型でプレス成形してプリフォームを製造する際に圧縮荷重が作用して皺が発生し易い場所であり、本実施の形態によれば、上壁21の切込みにより強度が低下した湾曲部分をパッチ26により補強して強度および美観を両立させることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では第1プリプレグ27の圧縮荷重が作用する部分に切込み27b…を入れて第2プリプレグ28で補強しているが、第1プリプレグ27の引張荷重が作用する部分に切込みを入れて第2プリプレグ28で補強しても良い。このようにすれば、引張荷重により第1プリプレグ27のカーボン繊維が破断するのを防止しながら美観を確保することができる。
11 フロアパネル
12 サイドシル
13 フロントピラーロア
15 バルクヘッド
20 車幅方向内壁
21 上壁
22 車幅方向外壁
23 下壁
24 車幅方向内壁
25 コ字状断面部材
25a 上壁
25b 車幅方向外壁
25c 下壁
27 第1プリプレグ
27b 切込み
27′ 第1プリフォーム
27a′ 接合フランジ
27c′ 凹部
28 第2プリプレグ
28′ 第2プリフォーム

Claims (7)

  1. 金型による成形時に圧縮力あるいは引張力が作用する湾曲部分に切込み(27b)を有するCFRPの第1プリプレグ(27)を製造する第1工程と、前記第1プリプレグ(27)の湾曲部分に積層可能なCFRPの第2プリプレグ(28)を製造する第2工程と、前記第1プリプレグ(27)を金型で所定形状にプレス成形して第1プリフォーム(27′)を製造する第3工程と、前記第2プリプレグ(28)を金型でプレス成形して第2プリフォーム(28′)を製造する第4工程と、前記第1プリフォーム(27′)の湾曲部分に前記第2プリフォーム(28′)を積層したものを金型でプレス成形して一体化する第5工程とを含むことを特徴とするプリフォームの製造方法。
  2. 前記第1プリフォーム(27′)は前記第2プリフォーム(28′)が積層される部分に凹部(27c′)を有しており、プレス成形により一体化された前記第1プリフォーム(27′)および前記第2プリフォーム(28′)の表面は面一であることを特徴とする、請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
  3. 自動車のフロントピラーロア(13)は車幅方向内壁(20)、上壁(21)、車幅方向外壁(22)および下壁(23)がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、前記車幅方向内壁(20)を構成する前記第1プリフォーム(27′)の湾曲方向内側の接合フランジ(27a′)に前記第2プリフォーム(28′)が積層されることを特徴とする、請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
  4. 自動車のフロントピラーロア(13)は車幅方向内壁(20)、上壁(21)、車幅方向外壁(22)および下壁(23)がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、前記上壁(21)を構成する前記第1プリフォーム(27′)の湾曲方向内側の接合フランジ(27a′)に前記第2プリフォーム(28′)が積層されることを特徴とする、請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
  5. 自動車のフロントピラーロア(13)は車幅方向内壁(20)、上壁(21)、車幅方向外壁(22)および下壁(23)がそれぞれ別個のプリフォームを結合して閉断面に構成され、前記フロントピラーロア(13)の下端から車体後方に延びるサイドシル(12)は、車幅方向内壁(24)に上壁(25a)、車幅方向外壁(25b)および下壁(25c)を一体化したコ字状断面部材(25)を結合して閉断面に構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のプリフォームの製造方法。
  6. 前記サイドシル(12)の内部に、その車幅方向内壁(24)、上壁(25a)、車幅方向外壁(25b)および下壁(25c)に当接するバルクヘッド(15)が配置されることを特徴とする、請求項5に記載のプリフォームの製造方法。
  7. 前記サイドシル(12)はフロアパネル(11)の車幅方向外縁部の上面に結合されることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載のプリフォームの製造方法。
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