JP7291536B2 - 繊維強化樹脂製のパネル及びその成形方法 - Google Patents

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本発明は、繊維強化樹脂(以下、FRPとも称する)製のパネル及びその成形方法に関する。
特許文献1は、表面側に位置するFRP製のアウターと、その裏面側に接合されたFRP製のフロントインナー及びリアインナーとからなるボンネットを開示している。フロントインナーには、ボンネット開閉用のストライカが装着されており、リアインナーの両側には、ヒンジ取付用金具が装着されている。
特許第4873309号公報
上記ボンネットなどFRP製のパネルでは、パネルの表側または裏側の表面に、パネルを部分的に補強するためのFRP製のパッチを設けることがある。しかしながら、パネルをパッチとともにプレス成形する際は、成形型の成形面とパッチとの接触の仕方(位置、角度、タイミングなど)によって、パネルに対するパッチの位置が設計位置から大きくずれてしまう恐れがあった。
本発明の目的は、プレス成形されたFRP製のパネルにおけるパッチの位置ずれを抑制することにある。
本発明の一態様は、プレス方向に平行な断面において、互いに隣り合う変曲点同士を結ぶ湾曲した領域、及び、プレス方向と直交する方向の最も外側に位置する端部と該端部に最も近い変曲点とを結ぶ湾曲した領域、の少なくとも一つを含むパネルである。パッチは、上記湾曲した領域の範囲内にその一部または全部が位置し、かつ、複数のFRP層の層間に介在している。
上記パネルによれば、パッチの位置ずれを抑制することができる。
第1実施形態にかかるフードパネルの斜視図である。 図1のA-A線に沿ったプレス方向に平行な断面図である。 実施形態にかかるフードパネルの成形方法を模式的に説明する図である。 実施形態にかかるフードパネルの成形方法を模式的に説明する図である。 実施形態にかかるフードパネルの成形方法を模式的に説明する図である。 実施形態にかかるフードパネルの成形方法を模式的に説明する図である。 比較例にかかる成形方法を説明する図である。 比較例にかかる成形方法を説明する図である。 実施形態の作用効果を説明する図であり、図4Aに対応する図である。 実施形態の作用効果を説明する図であり、図4Bに対応する図である。 第2実施形態にかかるフードパネルのプレス方向に平行な断面図である。 第3実施形態にかかるフードパネルのプレス方向に平行な断面図である。 他の実施形態にかかるフードパネルのプレス方向に平行な断面図である。
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同一の機能を有する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1及び図2に示すように、第1実施形態にかかるFRP製のパネルは、自動車等車両のフードパネル1である。フードパネル1は、所定の曲面形状に成形されたプレス成型品であり、本体部2と、これを部分的に補強するパッチ3と、から構成されている。なお、図2は、フードパネル1のプレス方向に平行な断面において、フードパネル1の右側半分を示している。図2中、右側の一点鎖線は、フードパネル1の左右対称面を示している。以下、フードパネル1の表面に沿った方向、即ち、フードパネル1の厚さ方向と直交する方向を「面方向」と称する。
フードパネル1の本体部2は、複数のFRP層4から構成されている。FRP層4の層数は、特に限定されず、本体部2に要求される強度、剛性等に応じて適宜設定できる。各FRP層4は、繊維強化樹脂からなる層であり、それぞれ強化繊維とマトリックス樹脂とから構成されている。
強化繊維は、フードパネル1の面方向に沿って配向された連続繊維からなり、例えば、強化繊維束を一方向もしくは角度を変えて積層した積層構造、或いは織物の形態を有し得る。強化繊維は、短繊維など不連続繊維を含んでもよい。強化繊維の材料は、特に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維などを用いることができる。炭素繊維は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN系)、ピッチ系、セルロース系、炭化水素による気相成長系炭素繊維、黒鉛繊維などを用いることができる。これらの繊維を2種類以上組み合わせて用いてもよい。
マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。マトリックス樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂など熱可塑性樹脂を含んでもよい。
パッチ3は、FRP層4と同様、FRP製である。各パッチ3は、フードパネル1のうち後述する湾曲した領域Cに設けられて、FRP層4を部分的に補強している。本実施形態では、パッチ3は、片側3つずつ(合計6つ)設けられている。なお、パッチ3の大きさ、枚数、設置位置等は、図示したものに限らず、適宜補強を要する部位に所望の枚数だけ設置することができる。
フードパネル1は、図2に示すように、湾曲した領域C(以下、湾曲領域Cと称する)と、平坦な領域F(以下、平坦領域Fと称する)とを有する。湾曲領域Cは、フードパネル1の片側に3つ(合計6つ)設けられている。平坦領域Fは、各湾曲領域Cの間に設けられ、隣り合う湾曲領域C同士を接続している。車幅方向において最も外側(図中左端側)の湾曲領域Cは、フードパネル1のプレス方向Zと直交する方向において最も外側に位置する端部Eと、該端部Eに最も近い変曲点Iとを結ぶ領域である。この湾曲領域C以外の湾曲領域C(C、C等)は、互いに隣り合う変曲点I同士を結ぶ領域である。なお、変曲点Iとは、プレス方向Zに平行な断面におけるフードパネル1の輪郭曲線上の点であって、当該輪郭曲線の曲率が正からゼロまたは負へ、或いは、負からゼロまたは正へ変化する点を言う。また、プレス方向Zは、フードパネル1をプレス成形する際の押圧方向であり、例えば、後述する成形型10の、下型12に対する上型11の移動方向Zである。なお、フードパネル1の断面形状は、図示したものに限らない。湾曲領域Cの曲率半径は、その湾曲領域Cの全域にわたって一定であっても一定でなくてもよい。曲率半径とは、曲率の逆数である。
本実施形態では、パッチ3は、図2に示すように、湾曲領域Cに位置している。具体的には、パッチ3は、面方向位置において湾曲領域Cと重複するように位置している。そして、パッチ3は、FRP層4の層間に介在している。
次に、フードパネル1をプレス成形する方法について、図3A~図3Dを参照して説明する。
この方法では、まず、強化繊維に樹脂を含浸させて半硬化状態にしたシート状のプリプレグを所定形状に裁断して、複数のプリプレグシートPを作製する。また、当該プリプレグシートPを部分的に補強するためのプリプレグパッチPを、上記プリプレグを所定形状に裁断して作製する。そして、図3Aに示すように、複数のプリプレグシートPとプリプレグパッチPとを積層して積層体Psを形成する。なお、図3A~図3Dでは、1本の実線で示されたプリプレグシートPが、1層または2層以上のプリプレグシートPを表している。プリプレグパッチPについても同様である。図3A~図3Dでは、プリプレグパッチPがプリプレグシートPの同じ層間に位置しているように示されているが、プリプレグパッチPはプリプレグシートPの異なる層間に位置してもよい。
次に、形成した積層体Psを、図3Bに示すように、成形型10内にセットする。成形型10は、上型11と、下型12とを有する。上型11は、フードパネル1の上側の表面を成形する成形面11aを有し、下型12は、フードパネル1の下側の表面を成形する成形面12aを有する。上型11は、下型12に対して上下方向に往復移動可能である。なお、成形面11a,12aとは、フードパネル1をプレス成形する際に、積層体Psの表面と直接接触する面を言う。
上型11の成形面11aは、下型12の成形面12aに向けて凸に湾曲した凸領域Rと、凸領域R以外の領域O(以下、凸以外領域O)とから構成されている。下型12の成形面12aは、上型11の成形面11aに向けて凹に湾曲した凹領域Vと、凹領域V以外の領域O(以下、凹以外領域O)とから構成されている。成形型10が閉じられたとき、凹領域Vは、図3Dに示すように、凸領域Rから所定距離(例えば、フードパネル1の厚さに相当する距離)だけ離間して凸領域Rと対向する。また、凹以外領域Oは、凸以外領域Oから所定距離だけ離間して凸以外領域Oに対向する。なお、成形面に向けて凸または凹とは、型を閉じた状態で相手方の成形面に向けて凸または凹であることを意味し、成形型10の移動方向Z(本実施形態では上下方向)に凸または凹である場合に限らない。
凸領域Rは、成形面11aの縦断面、即ち、移動方向Zに平行な断面において、互いに隣り合う変曲点Ia同士を結ぶ曲線分を呈する。また、凹領域Vは、成形面12aの縦断面、即ち、移動方向Zに平行な断面において、互いに隣り合う変曲点Ia同士を結ぶ曲線分を呈する。なお、成形面11a,12aの変曲点Iaとは、成形面11a,12aの縦断面における輪郭曲線上の点であって、当該輪郭曲線の曲率が正からゼロまたは負へ、或いは、負からゼロまたは正へ変化する点である。
次に、上型11を下型12に対して第1位置から第2位置まで接近移動させることで、図3Cに示すように、成形型10内にセットした積層体Psを変形させる。具体的には、上型11を下型12に向けて移動(下降)させ、上型11と下型12とで積層体Psを加熱しつつ積層体Psを凸領域Rで凹領域Vに押し付け、かつ、凸以外領域Oで凹以外領域Oに押し付けるようにして、積層体Psを所望の曲面形状に成形する。なお、上型11を下型12に対して接近移動させる際は、下型12を上型11に向けて移動(上昇)させてもよい。
成形型10を閉じた後、図3Dに示すように、上型11と下型12とによって、所定の温度(例えばマトリックス樹脂の硬化温度)で加圧し、加熱することで、変形させた積層体Psを硬化させる。これにより、積層体Psがフードパネル1に成形され、プリプレグシートPがFRP層4となり、プリプレグパッチPがパッチ3となる。その後、型開きし、成形されたフードパネル1を成形型10から取り出す。
積層体Psは、図3Cに示すように、その面方向における互いに異なる範囲に第1領域Aと第2領域Aとを有する。第1領域Aは、上型11が第1位置にあるときに、その範囲全体で凸領域Rと接触しかつ凹領域Vから離間する領域である。また、第2領域Aは、上型11が第1位置にあるときに、その範囲全体で凹以外領域Oと接触しかつ凸以外領域Oから離間する領域である。
第1位置とは、上型11を下型12に対して接近移動させる際に凸領域Rが積層体Psに最初に接触するときの位置(以下、接触開始位置とも称する)から第2位置に至る直前の位置までのうちのいずれかの位置(例えば、図3Cに示す位置)である。第1位置を接触開始位置としたとき、第1領域Aは、凸領域Rと最初に接触する領域であるため、第1領域Aの大きさは比較的小さい。一方、第1位置を第2位置に至る直前の位置としたとき、第1領域Aは、積層体Psが大きく変形した後に凸領域Rと接触する領域であるため、第1領域Aの大きさは前者よりも大きい。これは第2領域Aについても同様である。
上型11が第2位置にあるときは、第1領域Aは、その範囲全体で凸領域R及び凹領域Vと接触し、第2領域Aは、その範囲全体で凹以外領域O及び凸以外領域Oと接触する。本実施形態では、第2位置は、成形型10を閉じたときの位置(例えば、図3Dに示す位置)である。
本実施形態では、プリプレグパッチPの一部または全部が第1領域Aの範囲内に位置するときは、積層体Psを形成する工程において、当該プリプレグパッチPを複数のプリプレグシートPの層間に介在させる。
以上の説明では、上型11の成形面11aの一部領域を凸領域Rとし、下型12の成形面12aの一部領域を凹領域Vとしたが、下型12の成形面12aの一部領域を凸領域Rとし、上型11の成形面11aの一部領域を凹領域Vとしてもよい。例えば、図3Bの左側に破線でその範囲を示したように、下型12の成形面12aのうち上型11の成形面11aに向けて凸に湾曲した領域を凸領域Rとし、上型11の成形面11aのうち下型12の成形面12aに向けて凹に湾曲した領域を凹領域Vとしてもよい。これら凸領域R及び凹領域Vは、成形面11a,12aの縦断面において、移動方向Zと直交する方向(本実施形態では水平方向)の最も外側に位置する端部Eaと、該端部Eaに最も近い変曲点Iaとを結ぶ曲線分を呈する。このように、凸領域R及び凹領域Vは、一つの成形面11a,12aに対して複数定義し得る。
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)いま比較例として、プリプレグパッチPが、積層体Psの凸領域Rと接触する側の表面上に、第1領域Aの範囲内にその一部が位置するように配置された場合を考える。この場合、図4Aに示すように、積層体Psを変形させる工程の比較的早い段階(上型11が第1位置にある段階)で、プリプレグパッチPが成形面11aに付着してしまう可能性がある。この時点では、マトリックス樹脂は未硬化の状態であり、プリプレグパッチPの成形面11aへの付着力は、プリプレグパッチPのプリプレグシートPへの付着力よりも大きい。このため、積層体Psを変形させる過程(上型11が第1位置から第2位置まで移動する間)において、プリプレグパッチPと成形面11aとの界面よりも、プリプレグパッチPとプリプレグシートPとの界面で、より大きな滑りが生じ得る。その結果、積層体Psを変形させる工程の最後の段階では、図4Bに示すように、プリプレグシートPに対するプリプレグパッチPの位置(即ち、FRP層4に対するパッチ3の位置)が、設計位置Dから大きくずれてしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態にかかる成形方法では、図5Aに示すように、積層体Psの第1領域Aの範囲内にその一部が位置するプリプレグパッチPを、積層体Psを形成する工程において、プリプレグシートPの間に介在させる。この方法によれば、積層体Psを変形させる工程のどの段階においても、プリプレグパッチPは、プリプレグシートPに挟まれた状態となり、成形面11aに直接付着することがない。このため、図5Bに示すように、プリプレグシートPに対するプリプレグパッチPの位置ずれ(即ち、FRP層4に対するパッチ3の設計位置Dからの位置ずれ)を抑制することができる。
(2)また、本実施形態では、成形型10の成形面11aは、互いに隣り合う変曲点Ia同士を結ぶ曲線分を呈する凸領域Rを含む。また、成形面12aは、下型12に対する上型11の移動方向Zと直交する方向において最も外側に位置する端部Eaと、該端部Eaに最も近い変曲点Iaとを結ぶ曲線分を呈する凸領域R(図3Bに破線で範囲を示した領域)を含む。これらの凸領域Rは、その内部に平坦な領域(縦断面において曲率がゼロとなる領域)を含まないため、その分、プリプレグパッチPへの接触圧が高く、付着力も高い。本実施形態にかかる成形方法によれば、このような凸領域Rに対しても、プリプレグパッチPを直接付着させることがないので、プリプレグパッチPの位置ずれをより確実に抑制することができる。なお、これらの凸領域Rとこれに対向する凹領域Vとにより成形された領域が、フードパネル1の湾曲領域Cに相当する。
(3)さらに、上記第1位置は、上記接触開始位置としてもよい。即ち、第1領域Aは、上型11と下型12とを接近移動させる際に積層体Psが凸領域Rと最初に接触する領域として定義されてもよい。プリプレグパッチPの一部がこのように定義された第1領域Aの範囲内に位置する場合に、当該プリプレグパッチPをプリプレグシートPの間に介在させることで、プリプレグパッチPの位置ずれを抑制する効果をより大きく得ることができる。
(4)上記方法によりプレス成形されたフードパネル1では、プレス成形の際に、パッチ3の材料であるプリプレグパッチPが、FRP層4の材料であるプリプレグシートPに挟まれた状態となって、成形面11a,12aに付着することがない。このため、FRP層4に対するパッチ3の面方向位置(即ち、フードパネル1におけるパッチ3の面方向位置)が設計位置Dに保持される。これにより、湾曲領域Cにおいて設計強度を確保することができる。
<第2、第3及び他の実施形態>
次に、第2、第3及び他の実施形態について、図6~図8を参照して説明する。なお、第2、第3及び他の実施形態の説明では、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、既に説明した要素と同じ機能を有する要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2実施形態では、図6に示すように、1つのパッチ3が湾曲領域C及びCに跨るように配置されている。湾曲領域C及びCは、プレス方向Zに平行な断面において、プレス方向Zに平行な直線Xに関して互いに非線対称な形状を有する。また、プレス方向Zに平行な断面において、湾曲領域Cの曲率中心Oと湾曲領域Cの曲率中心Oとは、フードパネル1に対して互いに同じ側(図6の例ではフードパネル1の中心面より下方側)に位置している。
いま図4の比較例において、1つのプリプレグパッチPが、積層体Psの下側の表面上に、下型12の成形面12aの2つの凸領域R(図4に破線で範囲を示した領域)に跨るように配置されたとする。これら2つの凸領域Rは、上下方向に延びる直線Xに関して非線対称な形状を有するため、プリプレグパッチPへの付着力も互いに異なるものとなる。そして、この付着力の不均衡が、積層体Psを変形させる過程におけるプリプレグパッチPとプリプレグシートPとの界面の滑りを助長する可能性がある。
第2実施形態の湾曲領域C及びCは、このようにプレス方向Zに平行な断面において互いに非線対称な形状を有する2つの凸領域Rによって成形された領域である。しかしながら、第2実施形態では、これら湾曲領域C及びCに跨るように配置されたパッチ3が、FRP層4の層間に介在している。即ち、プレス成形の際に、パッチ3の材料であるプリプレグパッチPは、FRP層4の材料であるプリプレグシートPに挟まれた状態となっており、2つの凸領域Rの間の付着力の不均衡による影響を受けない。このため、湾曲領域C及びCが互いに非線対称な断面形状を有する場合でも、これらに跨るように配置されたパッチ3の面方向位置を、設計位置Dに保持することができる。
第3実施形態は、図7に示すように、隣り合う湾曲領域C同士の間に平坦領域Fを有しない、即ち、隣り合う湾曲領域C同士が1つの変曲点Iを共有するフードパネル1である。このようなフードパネル1では、プレス方向Zに平行な断面において、輪郭曲線上の曲率の絶対値がその平均値(輪郭曲線全体における曲率の絶対値の平均値)を超える領域を、湾曲領域CAとして定義することができる。本実施形態によれば、湾曲領域CAに位置するパッチ3がFRP層4の層間に介在しており、プレス成形の際にパッチ3の材料であるプリプレグパッチPが成形面11a,12aに付着することがないため、上記(4)の効果を得ることができる。
他の実施形態では、パッチ3は、図8にパッチ3Aとして示すように、その全部が面方向位置において湾曲領域Cの一部と重複するように、或いは、その全部が湾曲領域Cの範囲内に含まれるように位置されてもよい。また、パッチ3は、図8にパッチ3Bとして示すように、その一部が面方向位置において湾曲領域Cの一部と重複するように、或いは、その一部が湾曲領域Cの範囲内に含まれるように位置されてもよい。さらに、図示は省略するが、パッチ3は、その一部が面方向位置において湾曲領域Cの全部と重複するように、或いは、湾曲領域Cの全部がパッチ3の範囲内に含まれるように位置してもよい。これらの場合にも、プレス成形の際にパッチ3の材料であるプリプレグパッチPが成形面11a,12aに付着することがないため、上記(4)の効果を得ることができる。
上記実施形態は、いずれか2以上を組み合わせて適用してもよい。組み合わせにかかる実施形態では、組み合わされた各要素の効果を得ることができる。
上記実施形態は、発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎない。発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
例えば、上記実施形態では、フードパネルを例にとって説明したが、本発明は、ドアパネル、フェンダパネル、フロアパネル、ルーフパネル、ピラーなど車両を構成する他のFRP製のパネルに適用できる。例えば、ドアパネルであれば、キャラクターラインやドアハンドル取付部の断面を補強する際に、フロアパネルであれば、エンボスやビードの断面を補強する際に、本発明を適用することができる。
1 フードパネル(パネル)
3,3A,3B パッチ
4 FRP層
C,C,C,C,CA 湾曲領域(湾曲した領域)
I 変曲点
E 端部
Z 成形型の移動方向(プレス方向)
,O 曲率中心
X プレス方向に平行な直線
Ps 積層体
プリプレグパッチ
プリプレグシート
第1領域(領域)
10 成形型
11 上型(第1型)
12 下型(第2型)
11a,12a 成形面
R 凸領域
V 凹領域
Ia 変曲点
Ea 端部

Claims (6)

  1. プレス成形されたFRP製のパネルであって、
    複数のFRP層と、
    前記複数のFRP層を部分的に補強するための少なくとも1つのFRP製のパッチと、
    から構成され、
    前記パネルは、そのプレス方向に平行な断面において、互いに隣り合う変曲点同士を結ぶ湾曲した領域、及び、前記プレス方向と直交する方向の最も外側に位置する端部と該端部に最も近い変曲点とを結ぶ湾曲した領域の少なくとも一つを含み、
    前記少なくとも1つのパッチは、前記湾曲した領域の範囲内にその一部または全部が位置し、かつ、前記複数のFRP層の層間に介在していることを特徴とするパネル。
  2. 前記湾曲した領域を少なくとも2つ含み、
    当該2つの湾曲した領域は、前記プレス方向に平行な断面において、前記プレス方向に平行な直線に関して互いに非線対称な形状を呈し、かつ、前記パネルに対して同じ側に位置する曲率中心を有しており、
    前記パッチは、当該2つの湾曲した領域に跨るように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
  3. 前記湾曲した領域は、前記プレス方向に平行な断面において、前記パネルの輪郭曲線上の曲率の絶対値が当該輪郭曲線全体における前記曲率の絶対値の平均値を超える領域であることを特徴とする請求項1または2に記載のパネル。
  4. FRP製パネルの成形方法であって、
    強化繊維に樹脂を含浸した複数のプリプレグシートと、前記複数のプリプレグシートを部分的に補強するための、強化繊維に樹脂を含浸した少なくとも1つのプリプレグパッチと、を積層して積層体を形成する工程と、
    第1型と第2型とからなる成形型内に前記積層体をセットする工程と、
    前記第1型を前記第2型に対して第1位置から第2位置まで接近移動させることで、前記成形型内にセットした積層体を変形させる工程と、
    前記変形させた積層体を加熱により硬化させる工程と、
    を備え、
    前記第1型及び前記第2型のうち一方の成形面は、他方の成形面に向けて凸に湾曲した凸領域を有し、前記他方の成形面は、前記一方の成形面に向けて凹に湾曲し、前記凸領域と対向して配置される凹領域を有し、
    前記積層体は、前記第1型が前記第1位置にあるときに前記凸領域と接触しかつ前記凹領域から離間し、かつ、前記第1型が前記第2位置にあるときに前記凸領域及び前記凹領域と接触する少なくとも1つの領域を有し、
    前記少なくとも1つの領域の範囲内に前記プリプレグパッチの一部または全部が位置するときは、前記積層体を形成する工程において、当該プリプレグパッチを前記複数のプリプレグシートの間に介在させることを特徴とする成形方法。
  5. 前記第1型の前記第2型に対する移動方向に平行な断面において、前記凸領域は、互いに隣り合う変曲点同士を結ぶ曲線分、または、前記一方の成形面における前記移動方向と直交する方向の最も外側に位置する端部と該端部に最も近い変曲点とを結ぶ曲線分を呈することを特徴とする請求項4に記載の成形方法。
  6. 前記第1位置は、前記第1型を前記第2型に対して接近移動させる際に前記凸領域が前記積層体に最初に接触するときの位置であることを特徴とする請求項4または5に記載の成形方法。
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