JP5977574B2 - 敷設材の製造方法、及び、車両用成形内装材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を厚み方向へ圧縮成形して凹凸を形成する敷設材の製造方法、及び、車両用成形内装材の製造方法に関する。
自動車の車体パネルには、意匠性や高級感を高めるために各種の成形内装材が敷設されている。フロアパネルから上方へ立ち上がったトーボードパネル等にかけての車体パネルの上側には、通常、成形内装材としてタフトカーペットやニードルパンチカーペットといったフロアカーペットが敷設される。フロアパネルやトーボードパネルの車幅方向の中央部には、ドライブシャフトを通すため上へ隆起して前後に延びたトンネル部が形成されている。従って、フロアカーペットは、高い(深い)凸形状のトンネル部に合わせて深絞り状にプレス成形される。
フロアカーペット等の成形内装材は、例えば、意匠材と緩衝材とを重ねた状態で、又は、別々に加熱して内部に含まれる熱可塑性樹脂(熱可塑性繊維)成分を可塑化させ、所要の形状を有する雌雄対のプレス成形型の間に配して、絞り成形することにより形成される。可塑状態の熱可塑性樹脂成分が冷却して固化すると、内装材の形状が固定される。
また、フロアカーペットのクッション性や吸音性や遮音性を向上させるため、また、乗員の安全性を向上させるため、フロアカーペットの裏面にフェルトや発泡体といった緩衝材や嵩上げ材を設けることも行われている。本出願人は、特許文献1において、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を緩衝材に用いることを提案している。この繊維構造体は、クッション性が高いため、緩衝材としての性質がすぐれている。また、この繊維構造体は、通気カーペットと組み合わせて、吸音性を高めるのにも適している。
特開2011−173446号公報
しかし、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体は、逆にクッション性が高いことにより、従来と同じ絞り成形が難しくなる場合があることが判明した。
例えば、自動車のフロアパネルには、フロアパネルが階段状に高さが変わる段差形状がある。段差形状を有するフロアパネルからフロアカーペットが浮きすぎないようにするためには、フロアパネルとの隙間がなるべくできないように緩衝材をフロアパネルの形状に合わせて段差形状に成形する必要がある。しかし、上述した成形方法では、図11に例示するように、緩衝材をシャープな段差形状に成形することができない。成形型にシャープな段差形状が含まれている場合、緩衝材の繊維組織がシャープな段差形状に追随できず、緩衝材は成形型の段差形状よりも内側に流れる形状になる。すなわち、図11に示すように、成形型210の段差形状と緩衝材(50)との間に隙間ができる。尚、このような問題は、フロアカーペット以外の敷設材を製造する種々の方法についても同様に存在する。
本発明は、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を用いた敷設材及び車両用成形内装材において、シャープな段差形状を有し敷設しやすい敷設材及び車両用成形内装材を提供する目的を有している。
本発明は、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を厚み方向へ圧縮成形して凹凸を形成する敷設材の製造方法において、
前記敷設材の凸部と凹部との境界となる位置で前記繊維構造体に凹凸形成予定面から凹んだ切れ込みを形成し、該切れ込みを形成した繊維構造体を厚み方向へ圧縮成形して、前記凸部と前記凹部との境界に該凹部よりも凹んだ切れ込みを有し前記凸部と前記凹部とで段差が形成された敷設材を製造する、態様を有する。
また、本発明は、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を圧縮成形することにより意匠層とは反対側の面に凹凸が形成された緩衝材層を有する車両用成形内装材の製造方法において、
前記緩衝材層の凸部と凹部との境界となる位置で前記繊維構造体に凹凸形成予定面から凹んだ切れ込みを形成し、該切れ込みを形成した繊維構造体と、前記意匠層となる意匠材と、を少なくとも重ねて厚み方向へプレス成形して、前記凸部と前記凹部との境界に該凹部よりも凹んだ切れ込みを有し前記凸部と前記凹部とで段差が形成された緩衝材層を有する車両用成形内装材を製造する、態様を有する。
厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体について、凹凸形成予定面から凹んだ切れ込みを形成したうえで厚み方向へ圧縮成形すると、凹部からの引っ張りが抑制されて凸部がシャープに形成され、凸部からの引っ張りが抑制されて凹部もシャープに形成される。これにより、凸部と凹部とでシャープな段差が形成される。
また、凸部と凹部との境界に該凹部よりも凹んだ切れ込みを有する敷設材は、この切れ込みの位置で折り曲げて運ぶことができるので、車体パネル等に敷設する作業を容易にすることができる。
ここで、上記敷設材には、意匠層を有する敷設材、意匠層から独立した敷設材、単独で使用される敷設材、等が含まれる。上記車両用成形内装材には、フロアカーペット、ダッシュサイレンサ、側壁トリム、等が含まれる。上記意匠層には、カーペット層、不織布層、織物層、編物層、レザー層、等が含まれる。
上記繊維構造体の繊維が厚み方向へ配向されていることは、繊維の配列方向が繊維構造体の表面及び裏面に対して直交する方向へ比較的揃っていることを意味し、繊維を厚み方向へ配向させるための折り返し部分を有することを含む。繊維構造体を構成する繊維は屈曲していることがあるので、繊維構造体の繊維が厚み方向へ配向されていることは、真っ直ぐな繊維が繊維構造体の厚み方向へ平行に並んでいることを意味する訳ではない。
以上より、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体には、厚み方向へ繰り返しウェブが折り返された波形形状の繊維構造体、該波形形状の繊維構造体を厚み方向の途中で二分割して得られる繊維構造体、前記波形形状の繊維構造体の折り返し部分を切除した繊維構造体、といった、繰り返しウェブが積層された構造体等が含まれる。
繊維構造体を構成する繊維は、一種類の繊維でもよいし、主繊維と接着性繊維の組合せ等、二種類以上の繊維の組合せでもよい。
上記凸部は、凹凸形成面の中で凹部よりも高い部位であればよく、様々な形状の部位が含まれる。上記凹部は、凹凸形成面の中で凸部よりも低い部位であればよく、様々な形状の部位が含まれる。
上記敷設材は厚み方向以外に圧縮されて形成されてもよく、このような敷設材も特許請求の範囲に含まれる。むろん、上記緩衝材層も厚み方向以外に圧縮されて形成されてもよく、このような緩衝材層も特許請求の範囲に含まれる。
上記プレス成形は、圧縮成形を含む概念である。
上記緩衝材層は車両用成形内装材における車体パネル側の面の一部のみに設けられてもよく、このような車両用成形内装材も特許請求の範囲に含まれる。
車両用成形内装材には意匠層と緩衝材層との間に開孔樹脂層や吸音層といった別の層が設けられてもよく、このような車両用成形内装材も特許請求の範囲に含まれる。
さらに、意匠層と緩衝材層が形成された後にフェルト等の別部材が後貼りされた車両用成形内装材も特許請求の範囲に含まれる。
請求項1に係る発明によれば、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を用いた敷設材において、シャープな段差形状を有し敷設しやすい敷設材を提供することができる。
請求項2請求項3に係る発明では、シャープな段差形状を有する好適な敷設材を提供することができる。
請求項4に係る発明では、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を用いた緩衝材層にシャープな段差形状を有し敷設しやすい車両用成形内装材を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るフロアカーペット(成形内装材)11の車室SP1側の外観を例示する斜視図である。 (a)はフロアカーペット11の凹条部14を車体パネル80とともに図1のA1−A1に相当する位置で切断したときの垂直端面を例示する図、(b)はフロアカーペット11の凸条部12を車体パネル80とともに図1のA1−A1に相当する位置で切断したときの垂直端面を例示する図、である。 折り返し部分47を残した繊維構造体40Aの要部を例示する側面図である。 (a)は折り返し部分47を残した繊維構造体40Aの要部を例示する斜視図、(b)は折り返し部分47を切除した繊維構造体40Bの要部を例示する斜視図、である。 繊維構造体40から敷設材10を製造する様子を例示する断面図である。 フロアカーペット11の製造方法を模式的に例示するブロック図である。 フロアカーペット11を製造する様子を例示する断面図である。 変形例において繊維構造体40から敷設材10Aを製造する様子を例示する断面図である。 変形例において繊維構造体40から敷設材10B,10Cを製造する様子を例示する断面図である。 変形例において繊維構造体40から敷設材10Dを製造する様子を例示する断面図である。 比較例に係るフロアカーペットを製造する様子を例示する断面図である。 (a)は比較例に係る成形内装材の凹条部94を車体パネル80とともに示す垂直端面図、(b)は比較例に係る成形内装材の凸条部92を車体パネル80とともに示す垂直端面図、である。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下に説明する実施形態は、本発明を例示するものに過ぎない。
(1)敷設材の構成:
本発明に係る敷設材は、特に、自動車の車体パネル上に敷設されるフロア敷設材として好適に使用される。フロア敷設材は、車両のフロア面の意匠性、防音性、緩衝性、等の性能確保のために使用される。車体パネルの形状に小さな段差や大きな段差を含む凹凸があるため、フロア敷設材は、フロアパネルの凹凸に沿う形状に成形されて敷設される。図1〜10は、フロア敷設材である自動車用フロアカーペットの例を示している。図中、FRONTは前、REARは後、を表している。
図1に示すフロアカーペット11(敷設材10)は、車体の床面を構成する略平坦なフロアパネル(車体パネルの一種)、乗員室前部においてフロアパネル面から上方に立ち上がったトーボードパネル(車体パネルの一種)、等の上に載置される車両用成形内装材とされている。フロアパネルやトーボードパネルの車幅方向の中央部には、上へ膨出して前後に延びたトンネル部(隆起部)82が形成されている。フロアカーペット11は、車体パネル80の車室SP1側(車室側面80a)に敷設され、乗員室内を装飾する。フロアカーペット11は、コンソールやロッカーパネルなどの突出部を避けるとともに一部がこれらの立壁に沿うように三次元形状に成形されている。
図2(a),(b)は、フロアカーペット11を車体パネル80とともに図1のA1−A1に相当する位置で切断したときの垂直端面を例示している。フロアカーペット11は、カーペット層(意匠層)30と緩衝材層50を備える。カーペット層30は、図7に示すような成形前のカーペット本体(意匠材)20がプレス成形されることより車室SP1側の凹凸形状31が形成され、車室SP1に面して配置される。緩衝材層50は、図7に示すような成形前の繊維構造体40がプレス成形されることにより車体パネル80側の凹凸形状51が形成され、車体パネル80に面して配置される。フロアカーペット11は、カーペット層30と緩衝材層50が少なくとも積層されて一体化されている。図2(a),(b)に示す緩衝材層50は、表面側の意匠層側面50aがカーペット層30に接着され、意匠層とは反対側となる裏面側の凹凸形成面50bが車体パネル80に対向している。車体パネル80には、緩衝材層の凹凸形成面50bの大部分が接触している。フロアカーペット11は、図2(a)に示す凹条部82bや図2(b)に示す凸条部82aといった車体パネル80の凹凸形状に合わせて、緩衝材層側に凸とされた凹条部14や、カーペット層側に凸とされた凸条部12が形成される。尚、「条」は、筋を意味する。凸条部は、筋状に膨出した部位、及び、筋状に突出した部位を含む。凹条部は、延びる向きに対する垂直断面が弧状に凹んだ部位、該垂直断面が凹角状に凹んだ部位、等を含む。
図2(a)に示すカーペット層30は、パイル26のバックステッチを基層25に有するタフテッドカーペットとされ、基層25の車室SP1側に多数のパイル26が立毛している。むろん、カーペット層には、不織布をニードリングして繊維相互を絡め表面に毛羽を形成したニードルパンチカーペット等を採用することも可能である。
パイル26を構成するパイル糸には、PP(ポリプロピレン)繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維等のポリエステル系の繊維、アクリル系の繊維、等の合成繊維等を用いることができる。基層25を構成する基布には、スパンボンド不織布といった不織布、各種繊維の編織物、等を用いることができる。基布の裏面(緩衝材層50側の面)には、裏打ちが施されてもよい。この裏打ちには、樹脂材料(エラストマーを含む)、繊維材料、等を用いることができる。前記樹脂材料及び前記繊維材料は、樹脂のみからなる材料でもよいし、フィラーといった添加剤を樹脂に添加した材料でもよい。前記樹脂材料及び前記繊維材料を構成する樹脂には、低融点(100〜150℃)の熱可塑性樹脂といった合成樹脂を用いることができる。前記熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレンといったオレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、酢酸ビニル、等を用いることができる。
ニードルパンチカーペットの場合、バッキングが無くても、例えば、原反の中に所定に比率で比較的低融点の熱可塑性樹脂繊維を配合し、加熱して原反中の低融点の熱可塑性樹脂を可塑化させることにより、付形することができる。
成形前のカーペット本体20の単位面積あたりの重量は、例えば、200〜600g/m2程度とすることができる。
緩衝材層50は、図3等に示すように厚み方向D3へ繊維44が配向された繊維構造体40から形成され、軽量かつ嵩高とされ、高吸音性を有する。図3及び図4(a)に示す繊維構造体40Aは、厚み方向D3へ繰り返しウェブM1が折り返されて積層された波形形状に形成されている。図3に示す繊維構造体40Aの繊維44は、主繊維45と接着性繊維(バインダー)46を含む。緩衝材層50は、フロアカーペット11の車体パネル80側の全面に設けられてもよいし、フロアカーペット11の車体パネル80側の面のうち一部のみに設けられてもよい。
ウェブM1の折返し前の厚みは、例えば、5〜10mm程度等、繊維構造体40Aの厚みの3〜30%程度とすることができる。また、ウェブM1の折返し数(折り返した山の数)は例えば1〜10回/20mm程度とすることができ、単位長さ当たりの折返し数が少ないほど低密度で成形しやすい一方、単位長さ当たりの折返し数を多くすると高密度化し形状維持性や嵩上げ材としての耐荷重性が高まる。尚、ウェブの折返し数を山の数で定義しているので、ウェブの単位長さ当たりの枚数は折返し数の2倍になる。
連続したウェブを繰り返し波形に折り返して積層した緩衝材を製造する装置としては、ストルート(STRUTO)法など公知の製法を適用した各種の緩衝材製造装置から適宜選択することができる。
上記緩衝材製造装置としては、例えば、特表2008-538130号公報に記載のテキスタイルラップ装置や、歯車によって連続したウェブを繰り返し波形に折り返す装置が知られている。
緩衝材製造装置で形成される繊維構造体40Aは、各ひだM2の折り返し面が繊維構造体40Aの幅方向D2及び厚み方向D3を通る面に合わせられ、繊維44が折り返し部分47を除いて厚み方向D3へ配向している。接着性繊維46の一部は、溶融され、波形に配向した主繊維45同士を接着している。折り返し部分47が集合した表面40a及び裏面40bは、ひだM2(ウェブM1)の積層方向D1に沿って形成されている。ここで、繊維構造体40Aの幅方向はウェブM1の幅方向でもあり、ウェブの積層方向D1と、ウェブの幅方向D2と、繊維構造体の厚み方向D3とは、互いに直交する。図3等では、緩衝材製造装置による繊維構造体40Aの押出方向をD11、この押出方向D11の反対方向をD12と示している。ここで、繊維44が厚み方向D3へ配向されていることは、繊維44の配列方向が表面40a及び裏面40bに対して直交する方向へ比較的揃っていることを意味し、繊維の折り返し部分47を有することを含む。
繊維構造体40を形成するための繊維44は、合成樹脂(エラストマーを含む)の繊維、合成樹脂に添加剤を添加した繊維、無機繊維、反毛繊維、等を用いることができる。
主繊維45は、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)の繊維、熱可塑性樹脂に添加剤を添加した繊維、無機繊維、リサイクルされた反毛繊維、等を用いることができ、PET等のポリエステル、PP等のポリオレフィン、ポリアミド、等の熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、ガラス繊維、レーヨン繊維、衣料反毛繊維、再生綿繊維、さらに添加剤を添加した材質の繊維、これらの繊維の組合せ、等を用いることができる。主繊維の繊維径は例えば5〜60μm程度とすることができ、主繊維の太さは例えば10〜15デシテックス程度とすることができ、主繊維の繊維長は例えば10〜100mm程度とすることができる。主繊維が熱可塑性繊維である場合、この熱可塑性繊維の融点は、例えば180〜260℃程度の高融点とすることができる。
接着性繊維46は、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に添加剤を添加した繊維、等を用いることができ、PET等のポリエステル、PPやPE(ポリエチレン)等のポリオレフィン、ポリアミド、等の熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、さらに添加剤を添加した材質の繊維、等を用いることができる。主繊維が熱可塑性繊維である場合、接着性繊維には主繊維よりも低い融点を持つ熱可塑性の繊維を用いるのが好ましい。例えば、接着性繊維に主繊維と相溶性のある繊維を用いると、主繊維と接着性繊維との接着性が良好になり、緩衝材層50に十分な形状保持性を付与することができる。接着性繊維の融点は、例えば100〜220℃程度(好ましくは120℃程度以下)とすることができる。
また、接着性繊維に使用可能な繊維を鞘部とし、該鞘部よりも融点の高い芯部の外周を該鞘部で囲んだ芯鞘構造の繊維を接着性繊維46として用いてもよい。この場合、芯部には、主繊維45に使用可能な繊維を用いることができる。
接着性繊維46の繊維径は例えば10〜45μm程度とすることができ、接着性繊維46の太さは例えば2〜4デシテックスとすることができ、接着性繊維46の繊維長は例えば10〜100mm程度とすることができる。主繊維45と接着性繊維46の配合比は、主繊維を30〜95重量%程度、接着性繊維を5〜70重量%程度とすることができる。
尚、接着性繊維の代わりに繊維状でないバインダーを用いて繊維構造体40を形成してもよい。
繊維構造体40の目付けは、300〜1500g/m2の範囲とすることが好ましく、500〜800g/m2の範囲とすることがさらに好ましい。また、繊維構造体40の厚みは、10〜50mmの間で適用される車両形状に応じて適宜設計される。繊維構造体40の密度は、0.006〜0.15g/m3の範囲とすることが好ましく、0.01〜0.08g/m3の範囲とすることがさらに好ましい。
繊維構造体40の圧縮強度を実測したところ、密度が0.01〜0.15g/m3のときに1.5〜40kPaとなり、0.02〜0.08g/m3のときに2〜15kPaとなった。この圧縮強度は、島津製作所製の精密万能試験機AG-500Aを使用して25%ひずみ時の圧縮応力を測定して得られる値である。この測定の試験条件は、試験片サイズが50mm×50mm×厚さ20mmであり、圧縮速度が10mm/minであり、圧縮部位が全面、予備圧縮無しである。
緩衝材層50を形成するための繊維構造体40は、厚み方向D3へ繊維44が配向されていればよい。そこで、図4(b)に示すように、上述した繊維構造体40Aの表面40a及び裏面40bの折り返し部分47を切除したような繊維構造体40Bを用いてもよい。また、波形形状の繊維構造体を厚み方向の途中で二分割して得られる繊維構造体を用いてもよい。
(2)敷設材の製造方法:
図5は、繊維構造体40を厚み方向D3へ圧縮成形して凹凸を形成する敷設材10の製造方法を例示している。本製造方法は、まず、敷設材10の凸部52と凹部54との境界となる位置L1で繊維構造体40に凹凸形成予定面48から凹んだ初期スリット(切れ込み)49を形成する(切れ込み形成工程S1)。予め初期スリット49を形成することにより、後の圧縮成形でシャープな段差56が形成される。図5は、原反である厚みd0(d0>0)の繊維構造体40に凹凸形成予定面48からの深さs0(0<s0≦d0)の初期スリット49を切断手段CU1で形成した様子を示している。切断手段CU1は、ナイフ刃といった刃物が好ましく、熱刃やレーザー等でもよい。切断手段CU1で凹凸形成予定面48から深さs0の繊維構造をカットすると、厚み方向D3に直交する向きの繊維の連続性を断つことができる。初期スリット49は、長手方向へ直線状に形成してもよいし、曲線状に形成してもよい。初期スリット49の向きは、厚み方向D3が好ましいが、例えば、厚み方向D3から60°以内(好ましくは45°以内、より好ましくは30°以内)の範囲で厚み方向D3からずれた向きでもよい。初期スリット49の向きを厚み方向D3からずらすのは、例えば、繊維構造体40が曲面的に成形される部位に初期スリット49を形成する場合に適する。
初期スリット49の深さs0は、例えば、0.2×d0以上、d0以下とすることができ、より好ましくは、0.4×d0以上、0.8×d0以下とすることができる。s0を0.2×d0以上とすることにより、繊維構造体の構成繊維を十分に不連続化させ、十分にシャープな段差形状を敷設材に形成することができる。s0を0.9×d0以下とすることにより、成形時にスリットの部分で繊維構造体が分離してしまうことを抑制することができる。図7に例示するようにカーペット層30を形成する場合、成形時にスリットの部分で繊維構造体が分離されていても各分離体が意匠層で繋がるので、s0を0.9×d0以上、特にs0=d0とすることも好ましい。
凸部52と凹部54との境界L2に凹部54よりも凹んだスリット(切れ込み)58が敷設材10に形成されると、スリット58の位置で敷設材10を折り曲げて運ぶことができるので、敷設材10を車体パネル等に敷設する作業が容易になる。例えば、敷設材10の凹部54の厚みをd2(0<d2<d0)とするとき、凹凸形成予定面48からの初期スリット49の深さs0をd0−d2よりも大きくすると、境界L2にスリット58が形成される。このスリット58を有する敷設材10は、シャープな段差形状を有し敷設しやすい好適な敷設材である。
初期スリット49の幅w1は、例えば、0.01×s0程度以上、2×s0程度以下とすることができる。スリットの幅w1は、例えば刃物の厚みで十分であるが、初期スリット49がプレス成形機の成形型210の段差213aからずれる可能性がある場合、誤差を吸収するため、広くしてもよい。また、間隔を空けて複数本のスリットを並行して配置すると、これらのスリットの位置で敷設材を折り曲げ易くすることができ、敷設材を折り曲げて運んで車体パネル等に敷設する作業を容易にすることができる。さらに、向きの異なるスリット同士を交差させると、段差が例えば縦横の両方向にある車体パネル等に敷設材を敷設するのに好適である。
本製造方法は、次に、初期スリット49を形成した繊維構造体40を厚み方向D3へ圧縮成形して(成形工程S2)、凸部52と凹部54とで段差56が形成された敷設材10を製造する。両型212,214が厚み方向D3に近付いていくと、凹部54となる部分の繊維構造体40を先に凸部213cが厚み方向D3へ圧縮成形し始め、凸部52となる部分の繊維構造体40を途中から凹部213bが厚み方向D3へ圧縮成形する。図5は、厚みd1(0<d1<d0)の凸部52と厚みd2(0<d2<d1)の凹部54との境界L2に凹部54よりも凹んだ深さs1(0≦s1<d2)のスリット58を残し凸部52と凹部54とで段差56が形成された敷設材10を製造する様子を示している。凹凸形成面50bを上側にして敷設材10を見るとき、凸部52は比較的高い段となり、凹部54は比較的低い段となる。また、図5は、プレス成形型210を用いて初期スリット49を跨ぐ圧縮成形を行う様子を示している。初期スリット49を跨ぐ圧縮成形とは、初期スリット49を形成した段差の無い繊維構造体40の初期スリット49の両側を同時に圧縮成形することである。
成形型210は、常温型と熱型のいずれでもよい。常温型を用いる場合、圧縮成形に先立ち、繊維構造体を熱気流等で予備加熱して、繊維構造体に含まれる接着性繊維等のバインダーを可塑化ないし微溶融させておくのが好ましい。図5に示す成形型210は、互いに近接及び離間可能に設けられた第一の型212及び第二の型214で構成されている。上型とされた第一の型212は、凹凸形成面50bに合わせた成形面213を対向面に有する金型とされている。この成形面213には、敷設材の段差56に対応した段差213a、敷設材の凸部52に対応した凹部213b、及び、敷設材の凹部54に対応した凸部213cが形成されている。下型とされた第二の型214は、凹凸形成面50bの反対面50cに合わせた成形面215を対向面に有する金型とされている。
以上により、凸部52の圧縮度が比較的小さく、凹部54の圧縮度が比較的大きくなる。
繊維構造体40の厚みd0、凸部52の厚みd1、及び、凹部54の厚みd2の関係は、以下の通りである。
0<d2<d1<d0 …(1)
d1は、0.8×d0以下としてもよい。d2を0.9×d1以下にすると、十分にシャープな段差を敷設材に形成することができる。
スリット58の深さs1は、例えば、0.1×d2以上とすることができる。s1を0.1×d2以上とすることにより、十分にシャープな段差形状を敷設材に形成することができるとともに、スリット58の位置で敷設材10を容易に折り曲げて運ぶことができ、敷設材10を車体パネル等に敷設する作業が容易になる。
厚み方向D3へ繊維44が配向されたクッション性の高い繊維構造体40について初期スリット49を形成しないで圧縮成形すると、図11に示す比較例の緩衝材層50のように、成形型210の段差形状と敷設材との間に隙間ができる。凹凸形成面50bにおける凸部52と凹部54との境界L2近傍は、凹部54から凸部52に向かって高さが漸増するブロード面とされ、シャープな段差形状とはならない。これは、凸部52の繊維組織が凹部54の繊維組織に引っ張られて成形面213のシャープな段差形状に追随できず、境界L2の近傍に隙間領域R8が生じるためと考えられる。圧縮成形後には、凸部52の弾性により境界L2の近傍の凹部54に厚みの復元が見られることがある。この場合、凹部54の繊維組織が凸部52の繊維組織に引っ張られ、境界L2近傍は、凹部54から凸部52に向かって高さが漸増するブロード面のままであり、シャープな段差形状とはならない。シャープな段差が敷設材に形成されなければ、段差形状を有する車体パネルから敷設材が浮きすぎてしまうことがある。
一方、クッション性の高い繊維構造体40について、図5に示すように凹凸形成予定面48から凹んだ初期スリット49を形成したうえで厚み方向D3へ圧縮成形すると、凹部54の繊維組織からの引っ張りが抑制されて凸部52がシャープに形成され、凸部52の繊維組織からの引っ張りが抑制されて凹部54もシャープに形成される。これにより、凸部52と凹部54とでシャープな段差56が形成され、段差形状を有する車体パネルから敷設材が浮きすぎないようにすることができる。また、圧縮成形後に凸部52と凹部54との境界L2に深さs1(0≦s1<d2)のスリット5を残すことにより、凸部52の弾性による凹部54の厚みの復元が抑制され、よりシャープな段差56が形成される。
さらに、凸部52と凹部54との境界L2に凹部54よりも凹んだスリット58を有する敷設材10は、このスリット58の位置で折り曲げることができるので、自動車内への敷設の際に車内へ搬入し易くなり、車体パネル等に敷設する作業が容易になる。加えて、折り曲げる位置が一定となるので、折れ皺の発生も抑制される。
図6はフロアカーペット(車両用成形内装材)11の製造方法を例示し、図7はフロアカーペット11を製造する様子を例示している。本製造工程は、成形前のカーペット本体20の原反ロールが所定の場所に置かれ、形成するフロアカーペット11の大きさに合わせて切断した成形前の繊維構造体40がカットフェルト置き場に置かれた状態で、開始される。
まず、原反ロールからカーペット本体20が裁断機に搬入され(工程S11)、形成するフロアカーペット11の大きさに合わせてカーペット本体20が定尺に裁断される(工程S12)。裁断されたカーペット本体20は、赤外線ヒーター等の加熱機に搬入され、輻射加熱等により両面加熱されて、基層25が軟化する(工程S13)。加熱軟化したカーペット本体20は、プレス成形機に搬入される(工程S14)。
一方、カットフェルト置き場の繊維構造体40は、まず、敷設材10の凸部52と凹部54との境界となる位置L1で繊維構造体40に凹凸形成予定面48から凹んだ初期スリット49を切断手段CU1で形成する(工程S15)。初期スリット49を形成した繊維構造体40は、サクションヒーター(熱風循環ヒーター)等の加熱機に搬入され(工程S16)、熱風加熱等により例えば接着性繊維46の融点よりも少し高い温度まで加熱されて、接着性繊維46が軟化する(工程S17)。加熱された繊維構造体40は、プレス成形機に搬入される(工程S18)。カーペット本体20に重ねられる繊維構造体40の向きは、積層方向D1が車幅方向となるようにしてもよいし、幅方向D2が車幅方向となるようにしてもよいし、積層方向D1及び幅方向D2が車幅方向からずれた方向となるようにしてもよい。
図7は、カーペット本体20と繊維構造体40を重ねた状態で同時にプレス成形する場合の様子を模式的に示す垂直断面図である。下型とされた第一の型212は、凹凸形成面50bに合わせた成形面213を対向面に有する金型とされている。この成形面213には、緩衝材層50の段差56に対応した段差213a、緩衝材層50の凸部52に対応した凹部213b、及び、緩衝材層50の凹部54に対応した凸部213cが形成されている。上型とされた第二の型214は、カーペット層30の表面に合わせた成形面215を対向面に有する金型とされている。加熱されたカーペット本体20及び繊維構造体40は、上型側にカーペット本体20が配置され、下型側に繊維構造体40が配置される。むろん、カーペット本体の基層25と緩衝材の表面40a(又は裏面40b)とが対向して配置され、カーペット本体のパイル26が上型に対向して配置され、緩衝材の裏面40b(又は表面40a)が下型に対向して配置される。この状態で両型212,214を近接させると、トリミング前のフロアカーペットがプレス成形される(上記工程S19)。
繊維構造体40に接着性繊維46等のバインダーが含まれている場合、このバインダーにより両層30,50が接着する。
初期スリット49を形成していないクッション性の高い繊維構造体40とカーペット本体20とを少なくとも重ねて厚み方向D3へプレス成形すると、図11に示す比較例のように、成形型210の段差形状と緩衝材層50との間に隙間ができる。凹凸形成面50bにおける境界L2の近傍は、凹部54から凸部52に向かって高さが漸増するブロード面とされ、シャープな段差形状とはならない。また、圧縮成形後の厚みの復元が生じるときも境界L2付近はブロード面のままであり、シャープな段差形状とはならない。シャープな段差が成形内装材に形成されなければ、段差形状を有する車体パネルから成形内装材が浮きすぎてしまうことがある。
クッション性の高い繊維構造体40について、図7に示すように、凹凸形成予定面48から凹んだ初期スリット49を形成したうえで厚み方向D3へ圧縮成形すると、凹部54の繊維組織からの引っ張りが抑制されて凸部52がシャープに形成され、凸部52の繊維組織からの引っ張りが抑制されて凹部54もシャープに形成される。これにより、凸部52と凹部54とでシャープな段差56が形成され、段差形状を有する車体パネルから成形内装材が浮きすぎないようにすることができる。
トリミング前のフロアカーペットは、冷却後にプレス成形機から取り出されて外周裁断機へ搬入され(工程S20)、脱型される。尚、カーペット本体及び繊維構造体は成形後にも可撓性があるので、多少のアンダーカット形状になっても、少し撓ませて成形型から脱型することができる。脱型後、トリミング前のフロアカーペットは、外周裁断機で外周が裁断され(工程S21)、フロアカーペット11が形成される。尚、工程S21における裁断方法は、裁断刃による裁断またはウォータージェット裁断とすることができる。また、工程S20,S21を省略して、工程S19の型212,214を近接させた、フロアカーペットがプレス成形された状態で、カッターを用いた手裁断によって外周を裁断してもよい。
むろん、特開2011-173446号公報に記載されるように、フロアカーペット11の製造方法は上記方法に限定されない。
以上より、本技術は、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を用いた敷設材において、シャープな段差形状を有する敷設材を提供することができる。
s0>d0−d2である場合、得られるフロアカーペット11は、形成された凸部52と凹部54の境界L2に凹部54よりも凹んだスリット58が形成される。このスリット58が残るように初期スリット49を繊維構造体40に形成すると、凸部52の弾性による凹部54の厚みの復元が抑制され、よりシャープな段差56が形成される。また、スリット58を有するフロアカーペット11は、スリット58の位置で折り曲げて運ぶことができるので、車体パネル等に敷設する作業が容易となり、折れ皺の発生も抑制される。
(3)変形例:
尚、本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、本発明を適用可能な車両用成形内装材は、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、ピラーガーニッシュ内装材といった側壁トリム、ダッシュサイレンサ、ルーフライナ内装材、等でもよい。従って、意匠層を形成するための意匠材は、不織布、織物、編物、レザー、等でもよい。これらの意匠材から、不織布層、織物層、編物層、レザー層、等の意匠層が形成される。
車両用成形内装材には、意匠層と緩衝材層との間に、開孔樹脂層、吸音層、非通気性樹脂層といった遮音層、等の別の層が設けられてもよい。また、車両用緩衝材となる緩衝材層を有する車両用成形内装材の車体パネル側の面にフェルト等を後貼りしてもよい。
上述した車両用成形内装材は、意匠層と緩衝材層とが分離可能とされてもよい。
上述した敷設材は、分離可能に意匠材と分離可能に重ねられて車体パネル等に敷設されてもよいし、接着剤等の介在物で意匠材と接着されて車体パネル等に敷設されてもよい。
図8は、図5に示す初期スリット49よりも幅w1の広い初期スリット49を有する繊維構造体40から敷設材10Aを製造する変形例を示している。断面V字状に形成する場合の初期スリット49の挟角θは、45°≦θ≦90°程度と大きくされてもよい。挟角θの初期スリット49を形成した繊維構造体40を厚み方向D3へ圧縮成形すると、凸部52と凹部54とで段差56が形成された敷設材10Aが得られる。本敷設材10Aも、凸部52の繊維組織と凹部54の繊維組織との引っ張りが抑制され、凸部52と凹部54とでシャープな段差56が形成される。
図9は、図5に示す初期スリット49よりも浅い初期スリット49を有する繊維構造体40から敷設材10B,10Cを製造する変形例を示している。本変形例の初期スリット49の深さs0は、0.2×d0以上、かつ、d0−d2以下とされている。尚、0<d2<0.8×d0である。
初期スリット49を形成した繊維構造体40を厚み方向D3へ圧縮成形すると(成形工程S2)、凸部52と凹部54とで段差56が形成された敷設材10Bが得られる。この敷設材10Bは、凸部52と凹部54との境界L2にスリットが残されていないが、シャープな段差形状を有する。
さらに、切断手段CU1等で凸部52と凹部54の境界L2に凹部54よりも凹んだスリット58を形成すると(後工程S3)、得られる敷設材10Cは、スリット58の位置で折り曲げて運ぶことができる。従って、車体パネル等に敷設する作業が容易となり、折れ皺の発生も抑制される。
図10は、第一の型212の成形面213に設けた凸条213dで繊維構造体40に初期スリット49を形成して敷設材10Dを製造する変形例を示している。本変形例の上型の成形面213には、敷設材の段差56に対応した段差213a、敷設材の凸部52に対応した凹部213b、敷設材の凹部54に対応した凸部213c、及び、初期スリット49に対応した凸条213dが形成されている。凸条213dは、段差213aから凸部213cよりも高く延出し、凸部52と凹部54との境界となる位置L1に沿って連続して形成されている。すなわち、凸条213dから片側は比較的高い凸部213cとされ、残りの片側は比較的低い凹部213bとされている。
両型212,214が厚み方向D3に近付いていくと、まず、凸部52と凹部54との境界となる位置L1の凹凸形成予定面48から繊維構造体40に凸条213dが挿入される(切れ込み形成工程S1)。凹凸形成予定面48に凸部213cが接触した瞬間、凸部213cからの凸条213dの高さに応じた深さs0の初期スリット49が形成される。この深さs0は、0<s0≦d2、好ましくは0.1×d2≦s0≦0.9×d2とされる。深さs0の初期スリット49が形成されたとき、型212,214の近接動作を停止させてもよいし、停止させなくてもよい。
さらに両型212,214が厚み方向D3に近付いていくと、凸条213dにより初期スリット49が厚み方向D3へ深くされながら、繊維構造体40が厚み方向D3へ圧縮成形される(成形工程S2)。このとき、凹部54となる部分の繊維構造体40が凸部213cにより先に厚み方向D3へ圧縮され始め、凸部52となる部分の繊維構造体40が凹部213bにより途中から厚み方向D3へ圧縮される。圧縮成形が完了すると、凸部52と凹部54との境界L2に凹部54よりも凹んだ深さs1=s0のスリット58が形成される。すなわち、図10に例示する工程S1,S2は、製造方法は、敷設材の凸部と凹部との境界となる位置で前記繊維構造体に凹凸形成予定面から凹んだ切れ込みを形成し、該切れ込みを形成した繊維構造体を厚み方向へ圧縮成形することになる。
本変形例は、シャープな段差形状を有し敷設しやすい敷設材10Dを効率良く製造可能な製造方法を提供することができる。
(4)実施例:
以下、実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の例により限定されるものではない。
[実施例サンプルの作製]
カーペット本体には、ニードルパンチカーペット(ディロアニーパン、目付250g/m2)に、熱可塑性樹脂の裏打ち(低密度ポリエチレン樹脂、比重0.9、目付150g/m2)、及び、嵩高ニーパン層(ポリエチレンテレフタレート繊維ベース、比重1.3、目付300g/m2)を順に積層したものを用いた。
カーペット本体の面方向サイズは、車両前後方向に約1800mm、車幅方向に約1500mmとした。
主繊維として、融点250〜260℃のレギュラーポリエステル繊維(平均繊維径14dtex(デシテックス)、平均繊維長64mm)70重量%と、レギュラーポリエステル繊維を芯として周囲にポリエステルを変性した低融点樹脂を被包した芯−鞘構造繊維(平均繊維径2dtex、平均繊維長51mm、低融点樹脂比率30重量%)30重量%とを混繊した繊維をカーディングにより引き揃えた上で、単位面積重量40g/m2、厚さ5mmのウェブとした。このウェブを表裏方向に繰り返し折返し、厚さd0=40mm、単位長さ当たりの折返し数100回/1000mmの繊維構造体を形成した。
縦波フェルトの面方向サイズは、車両前後方向に約1800mm、車幅方向に約1500mmとした。
成形型には、所定形状の自動車用フロアカーペットをプレス成形する雌雄対のプレス成形型(常温型)を用いた。この自動車用フロアカーペットの面方向サイズは、車両前後方向に約1800mm、車幅方向に約1500mmである。車幅方向の中間となる位置には、フロアパネルのトンネル部に合わせて車両前後方向に延びる高さ250mm、上辺200mm、下辺300mmの略台形状の凸形状がある。車幅方向の両端部には、高さ100mmのほぼ垂直の立ち壁がある。車幅方向中間位置の凸形状と車幅方向両端部の立ち壁との間は、表面がほぼ平坦で、裏面が自動車のフロアパネルに沿う細かな凹凸形状を有する。成形型の第一の型における凹部は、緩衝材層に厚みd1=35mmの凸部を形成する形状とした。d1/d0は、0.875である。成形型の第一の型における凸部は、緩衝材層に厚みd2=5mmの凹部を形成する形状とした。d2/d0は、0.125である。
上記の繊維構造体の裏面、すなわち、フロアカーペットとしてフロアパネル上に敷設されるときにフロアパネルに面する凹凸形成予定面にカッター刃で直線状に深さs0=39mmの厚み方向に向いた初期スリットを形成した。s0/d0は、0.975である。初期スリットの幅w1は、1mmであった。初期スリットの位置は、緩衝材層の凸部と凹部との境界となる位置である。
まず、上記カーペット本体の裏面(裏打ち側)に上記繊維構造体を重ね、積層した原反を通気加熱型の加熱炉で繊維構造体側の表面温度が180℃になるまで予備加熱した。この予備加熱により、カーペット本体の裏打ちを構成する熱可塑性樹脂、及び、繊維構造体に含まれる芯−鞘構造繊維の低融点樹脂をともに軟化させ、これら軟化させた熱可塑性樹脂によりカーペット本体と繊維構造体とを接着した。次に、可塑状態の積層原反を雌雄対のプレス成形型の間に配置してフロアカーペットの形状に絞り成形し、積層原反を冷却して熱可塑性樹脂を固化させて成形形状を固定した。脱型後、成形体の周囲をトリミングして、フロアカーペットサンプルを得た。得られたサンプルの緩衝材層には、凸部と凹部との境界に凹部よりも凹んだ深さs1=4mmのスリットが残され、凸部と凹部とで段差が形成されていた。s1/d2は、0.8である。
すなわち、実施例サンプルのd0,d1,d2,s0,s1は、以下の通りである。
繊維構造体の厚みd0=40mm
緩衝材層の凸部の厚みd1=35mm(d0の87.5%)
緩衝材層の凹部の厚みd2=5mm(d0の12.5%)
初期スリットの深さs0=39mm(d0の97.5%)
スリットの深さs1=4mm(d2の80%)
[比較例サンプルの作製]
比較例として、初期スリットを形成していない繊維構造体を用いたフロアカーペットサンプルを上述した作製方法に従って作成した。
[評価]
初期スリットを形成しなかった比較例は、図11に示すように、緩衝材層50において凸部52と凹部54との間に高さが徐々に変わる隙間領域R8が生じ、凹凸形成予定面48が成形面213のシャープな段差形状に応じたシャープな段差形状とならなかった。この理由は、繊維構造体に特異な繊維組織の連続性により高い段とされる凸部の繊維と低い段とされる凹部の繊維が引き合って相互に強い張力を及ぼすためと考えられる。
一方、初期スリットを形成した実施例は、図7に示すように、緩衝材層50において凸部52と凹部54との間で高さが急激に変わり、凹凸形成予定面48が成形面213のシャープな段差形状に応じたシャープな段差形状となった。この理由は、凹凸形成予定面48から凹んだ初期スリット49を形成することにより、繊維構造体に特異な繊維組織の連続性が断たれ、凹部54の繊維組織からの引っ張りが抑制されて凸部52がシャープに形成され、凸部52の繊維組織からの引っ張りが抑制されて凹部54もシャープに形成されるためと考えられる。
以上より、凸部と凹部との境界となる位置で繊維構造体に凹凸形成予定面から凹んだ切れ込みを形成することにより、敷設材にシャープな段差形状が形成され、段差形状を有する車体パネルから敷設材が浮きすぎないようにすることができることが確認された。
(5)応用例:
図2(a)に例示するように、車体パネル80の凹条部82bに合わせる凹条部14をフロアカーペット11に形成してもよい。このフロアカーペット11の緩衝材層50の凹凸形成面50bには、凹条部14を挟むように2本のスリット58が形成されている。これら2本のスリット58の間が比較的低い凹部54とされ、2本のスリット58の外側が凸部52とされている。このようなフロアカーペット11を得るためには、2本のスリット58の位置で繊維構造体40に凹凸形成予定面48から凹んだ初期スリット49を形成し、該初期スリット49を形成した繊維構造体40とカーペット本体20とを少なくとも重ねて厚み方向D3へプレス成形し、2本のスリット58を形成するとともに凸部52及び凹部54を形成すればよい。
図12(a)は、初期スリットを形成しなかった繊維構造体を用いて凹条部94を有するフロアカーペット911を得た比較例を示している。この比較例の場合、凸部52の繊維組織と凹部54の繊維組織とが互いに引っ張り合い、凹部54から凸部52にかけて高さが漸増するブロード面が凹凸形成面50bに形成される。従って、凹部54を含むブロード面が車体パネル80から浮いた隙間領域R9となる。
一方、図2(a)に示した応用例は、凸部52と凹部54とでシャープな段差56が形成され、2本のスリット58で挟まれる隙間領域R1が比較例の隙間領域R9よりも狭くなる。従って、応用例は、段差形状を有する車体パネルから敷設材が浮きすぎないようにすることができる。
図2(b)に例示するように、車体パネル80の凸条部82aに合わせる凸条部12をフロアカーペット11に形成してもよい。このフロアカーペット11の緩衝材層50の凹凸形成面50bには、凸条部12を挟むように2本のスリット58が形成されている。これら2本のスリット58の間が比較的低い凹部54とされ、2本のスリット58の外側が凸部52とされている。このようなフロアカーペット11を得るためには、2本のスリット58の位置で繊維構造体40に凹凸形成予定面48から凹んだ初期スリット49を形成し、該初期スリット49を形成した繊維構造体40とカーペット本体20とを少なくとも重ねて厚み方向D3へプレス成形し、2本のスリット58を形成するとともに凸部52及び凹部54を形成すればよい。
図12(b)は、初期スリットを形成しなかった繊維構造体を用いて凸条部92を有するフロアカーペット911を得た比較例を示している。この比較例の場合、凸部52の繊維組織と凹部54の繊維組織とが互いに引っ張り合い、凹部54から凸部52にかけて高さが漸増するブロード面が凹凸形成面50bに形成される。従って、凹部54を含むブロード面が車体パネル80から浮いた隙間領域R9となる。
一方、図2(b)に示した応用例は、凸部52と凹部54とでシャープな段差56が形成され、2本のスリット58で挟まれる隙間領域R1が比較例の隙間領域R9よりも狭くなる。従って、応用例は、段差形状を有する車体パネルから敷設材が浮きすぎないようにすることができる。
(6)まとめ:
尚、繊維構造体は、厚み方向へ繊維が配向されていればよく、厚み方向へ繰り返しウェブが折り返されて積層された構造体に限定されない。例えば、ウェブを幅方向に沿って短冊状に切断し、厚み方向へ繊維が配向するように各短冊状ウェブを積層することによっても、厚み方向へ繊維が配向した繊維構造体を形成することができる。
むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる製造方法や敷設材等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を用いた敷設材においてシャープな段差形状を有する敷設材等の技術を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
10…敷設材、11…フロアカーペット(車両用成形内装材)、
12…凸条部、14…凹条部、
20…カーペット本体(意匠材)、30…カーペット層(意匠層)、
40,40A,40B…繊維構造体、40a…表面、40b…裏面、
44…繊維、45…主繊維、46…接着性繊維(バインダー)、47…折り返し部分、
48…凹凸形成予定面、49…初期スリット(切れ込み)、
50…緩衝材層、50a…意匠層側面、50b…凹凸形成面、51…凹凸形状、
52…凸部、54…凹部、56…段差、58…スリット(切れ込み)、
80…車体パネル、82…トンネル部、82a…凸条部、82b…凹条部、
210…成形型、212…第一の型、214…第二の型、213,215…成形面、
213a…段差、213b…凹部、213c…凸部、213d…凸条、
CU1…切断手段、
D1…積層方向、D2…幅方向、D3…厚み方向、
D11…繊維構造体の押出方向(積層方向の一方の向き)、
D12…押出方向の反対方向(積層方向の他方の向き)、
L1…凸部と凹部との境界となる位置、L2…凸部と凹部との境界、
M1…ウェブ、M2…ひだ、
S1…切れ込み形成工程、S2…成形工程、S3…後工程、
SP1…車室。

Claims (4)

  1. 厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を厚み方向へ圧縮成形して凹凸を形成する敷設材の製造方法において、
    前記敷設材の凸部と凹部との境界となる位置で前記繊維構造体に凹凸形成予定面から凹んだ切れ込みを形成し、該切れ込みを形成した繊維構造体を厚み方向へ圧縮成形して、前記凸部と前記凹部との境界に該凹部よりも凹んだ切れ込みを有し前記凸部と前記凹部とで段差が形成された敷設材を製造することを特徴とする、敷設材の製造方法。
  2. 前記繊維構造体の厚みをd0、前記敷設材の凹部の厚みをd2(d2<d0)とするとき、前記凹凸形成予定面からの切れ込みの深さをd0−d2よりも大きくすることを特徴とする、請求項1に記載の敷設材の製造方法。
  3. 前記敷設材の凹部の厚みをd2とするとき、前記凹部よりも凹んだ切れ込みの深さを0.1×d2以上にすることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の敷設材の製造方法。
  4. 厚み方向へ繊維が配向された繊維構造体を圧縮成形することにより意匠層とは反対側の面に凹凸が形成された緩衝材層を有する車両用成形内装材の製造方法において、
    前記緩衝材層の凸部と凹部との境界となる位置で前記繊維構造体に凹凸形成予定面から凹んだ切れ込みを形成し、該切れ込みを形成した繊維構造体と、前記意匠層となる意匠材と、を少なくとも重ねて厚み方向へプレス成形して、前記凸部と前記凹部との境界に該凹部よりも凹んだ切れ込みを有し前記凸部と前記凹部とで段差が形成された緩衝材層を有する車両用成形内装材を製造することを特徴とする、車両用成形内装材の製造方法。
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