JP6714237B2 - 荷役助力装置及び荷役助力装置の制御方法 - Google Patents

荷役助力装置及び荷役助力装置の制御方法 Download PDF

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Description

本願は、平成27年5月29日付けの出願を基礎とする国内優先権主張の出願である。本発明は、荷役物を吊るして上下動をさせる際に操作者の作業を助力する荷役助力装置に関するものである。
従来から工業製品の組立てを行う工場では、大きな重量を有する工具、作業用機器、製品、半完成品などの荷役物を吊り下げ及び上下動させる荷役機械を使用している。その中でも、操作者が大きな重量の荷役物を比較的軽い操作力で任意の高さに上下動できるように助力を発生させる荷役助力装置は、エアシリンダを用いたものと、モータを用いたものが知られている。
エアシリンダを用いたものは、主としてアーム式で、圧力エアが必要であることからエアコンプレッサ等が別途必要であり、またエア供給が切れた際の安全装置が必要であるという難点があった。また異なる重量の荷役物を吊り下げると、その重量差によって助力の度合いが変わってしまうため、これを修正するために、都度手動でエア圧を調整するようにすると作業効率が低下し、荷役物重量をコンピュータに登録して登録呼出しで行うようにしようとすると電空レギュレータを用いるため配管なども含め構成が複雑になるという難点があった。(特許文献1)
これに対して圧力エアを不要とするモータを用いたものは巻胴に吊り下げ部付きのワイヤを巻き付けてこれをモータで回転させるものである。単にモータと巻胴の構成では上下動だけしか行われないため、ぜんまいばねを巻胴に取り付けて補助動力として組み合わせたものが公知である。ぜんまいばね方式では、ワイヤが操作者によって長く引き出されると、ぜんまいばねは弾性変形して徐々に巻胴に大きなトルクを付与することになって操作者の感触が変わってしまうため、特許文献2のようにテーパー状の巻胴を用いたものが開示されている。
特開2013−256362号公報 特開2015−054762号公報 特開2012−001323号公報
しかしながら、特許文献2に開示された荷役助力装置では、ワイヤを巻き付ける巻胴の形状がテーパー状になっていることから、これを製作することは従来の円筒形と較べてコストアップとなる。またぜんまいばねの寿命による破損時の交換作業の煩雑さが課題であった。また異なる重量の荷役物を扱う際にも、ぜんまいばねは基本1つで対応せざるを得ないため操作者の操作感に差が生じ、作業効率の低下が生じる恐れがある。
また特許文献3に記述されているような操作者による外力によって荷役物を巻き上げ、巻き下げを行うバランス(フローティング)制御では、外力が加えられていない時には単に荷役物を浮遊した状態にあることから漂うことになり、目的の位置に荷役物を嵌めこむ組立て作業等を行うのは容易でなかった。
さらに容積に対して重量が比較的大きい荷役物の扱いにおいてバランス制御を行っていると、操作者は荷役物の重量を感じないことから、荷役物を移動する際、その慣性力を見誤って重大な衝突事故等を引き起こす可能性があった。
そして扱う荷役物の重量は予め登録しておくことが通常であって、登録した重量の荷役物を繰り返し扱う作業において使われるものの、様々な重量の荷役物を扱う場面もあって、この時都度荷役物の重量を登録するのは煩雑であって、これに対するソリューションも待望されてきている。
このような問題に鑑みて、本発明は、圧力エア供給を不要とし、単純な部品形状及び機構であるものの、荷役物をスムーズに扱うことができて、メンテナンス性及び安全性にも優れる荷役助力装置を提供することを課題としている。
請求項1に記載の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、荷役物を吊り下げ可能な吊り下げ部と、
吊り下げ部に一端が固定されて繋がったワイヤ若しくはリンクチェーンと、
ワイヤ若しくはリンクチェーンを巻き付けて回転自在な巻胴と、
巻胴を回転駆動するモータと、
モータ及び巻胴の少なくとも1つに連結して設けられモータ若しくは巻胴の回転角値を出力する回転角検出部と、
巻胴に発生するトルクを計測してトルク計測値を出力するトルク計測部と、
モータ、回転角検出部及びトルク計測部と電気的に繋がって荷役物の上下動を制御する制御部と、
制御部と有線若しくは無線で繋がって操作の入力手段を有する操作入力部と、
を備える荷役助力装置であって、
制御部は、
荷役物の荷重未満の所定の外力が荷役物若しくは吊り下げ部へ印加された際に荷役物を停止したバランス状態に保つことが可能なように、回転角値及びトルク計測値に基づいてモータの動作を制御するように構成されている。
請求項2に記載の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、所定の外力の値を可変にて設定する操作入力部を有している。
請求項3に記載の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、制御部は、巻胴に加わる荷重をトルク計測部にて順次複数計測、記憶及び比較して演算し、モータに指令するように構成されている。
請求項4に記載の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、制御部は、巻胴に加わる荷重に応じて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊り下げられた荷役物へ加わる外力によって生じる移動の速度及び加速度の少なくとも1つを制限するように随時モータに指令するように構成されている。
請求項5に記載の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、制御部は、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部を上昇若しくは下降させるように、回転角値及びトルク計測値に基づいてモータの動作を制御するように構成されている。
請求項6に記載の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、制御部は、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部の上下動の速度及び力の少なくとも1つを制御するように構成されている。
請求項7に記載の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、操作入力部からの指令によって制御部は、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部の上下動の方向、速度及び力の少なくとも1つを随時変更するように構成されている。
請求項8に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、荷役物を吊り下げ可能な吊り下げ部と、
吊り下げ部に一端が固定されて繋がったワイヤ若しくはリンクチェーンと、
ワイヤ若しくはリンクチェーンを巻き付けて回転自在な巻胴と、
巻胴を回転駆動するモータと、
モータ及び巻胴の少なくとも1つに連結して設けられモータ若しくは巻胴の回転角値を出力する回転角検出部と、
巻胴に発生するトルクを計測してトルク計測値を出力するトルク計測部と、
荷役物の荷重未満の所定の外力が荷役物若しくは吊り下げ部へ印加されることによって荷役物が停止したバランス状態に保たれるように、トルク計測値に基づいてモータの動作を制御する制御部と、
制御部と有線若しくは無線で繋がって操作の入力手段を有する操作入力部と、
を備える荷役助力装置の制御方法であって、
吊り下げ部に荷役物を接続していない状態で、所定の外力の印加時に吊り下げ部を停止したバランス状態にするトルク値を荷役物無しトルク値として演算して、巻胴に荷役物無しトルク値に基づいたトルクを発生させる荷役物無しバランス工程と、
操作入力部から登録の指令が入力されると、荷役物を吊り下げ部に吊り下げた際の荷重をトルク計測部によって計測して荷重データ値として記憶する登録工程と、
操作入力部から指定の指令が入力されると、登録工程によって登録された荷役物の荷重データ値を指定して読み出し、荷役物の荷重データ値を基に所定の外力の印加によって荷役物を停止したバランス状態にする第1の目標トルク値を演算し、巻胴に第1の目標トルク値へ段階的にトルクを発生させる指定荷役物バランス移行工程と、
指定荷役物バランス移行工程が完了後、所定の外力の印加によって荷役物を停止したバランス状態にする第2の目標トルク値を演算して巻胴に第2の目標トルク値へ段階的にトルクを発生させる指定荷役物バランス工程と、
操作入力部から開放の指令が入力されると、指定荷役物バランス工程から荷役物無しバランス工程へ移行させる荷役物開放工程と、
を有している。
請求項9に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、巻胴に加わる荷重に応じて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊り下げられた荷役物へ加わる外力によって生じる移動の速度及び加速度の少なくとも1つを制限するように随時モータに指令する制限工程を有している。
請求項10に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、制御部が、荷役物無しバランス工程及び指定荷役物バランス工程の少なくとも1つにおいて、所定の外力未満の外力が印加された吊り下げ部を上昇若しくは下降させるように、モータへ指令を行うように構成されている。
請求項11に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、制御部が、荷役物無しバランス工程及び指定荷役物バランス工程の少なくとも1つにおいて、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部の上下動の速度及び力の少なくとも1つを制御するように構成されている。
請求項12に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、操作入力部からの指令に基づき、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部の上下動の方向、速度及び力の少なくとも1つを随時変更する変更工程を有している。
請求項13に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、荷役物を吊り下げ可能な吊り下げ部と、
吊り下げ部に一端が固定されて繋がったワイヤ若しくはリンクチェーンと、
ワイヤ若しくはリンクチェーンを巻き付けて回転自在な巻胴と、
巻胴を回転駆動するモータと、
モータ及び巻胴の少なくとも1つに連結して設けられモータ若しくは巻胴の回転角値を出力する回転角検出部と、
巻胴に発生するトルクを計測してトルク計測値を出力するトルク計測部と、
荷役物がバランス状態に保たれるように、トルク計測値に基づいてモータの動作を制御する制御部と、
制御部と有線若しくは無線で繋がって操作の入力手段を有する操作入力部と、
を備える荷役助力装置の制御方法であって、
巻胴に発生する力をトルク計測部にて順次複数計測、記憶及び比較して第3の目標トルク値を演算し、巻胴に第3の目標トルク値へ段階的にトルクを発生させる自動バランス工程を有している。
請求項14に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、巻胴に加わる荷重に応じて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊り下げられた荷役物へ加わる外力によって生じる移動の速度及び加速度の少なくとも1つを制限するように随時モータに指令する制限工程を有している。
請求項15に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、制御部が、自動バランス工程において、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部を上昇若しくは下降させるように、モータへ指令を行うように構成されている。
請求項16に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、制御部が、自動バランス工程において、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部の上下動の速度及び力の少なくとも1つを制御するように構成されている。
請求項17に記載の荷役助力装置の制御方法は、上記の目的を達成するために、操作入力部からの指令に基づき、所定の外力未満の荷役物若しくは吊り下げ部への外力が印加された際に、荷役物若しくは吊り下げ部の上下動の方向、速度及び力の少なくとも1つを随時変更する変更工程を有している。
請求項1に記載の発明の荷役助力装置によれば、吊り下げた荷役物をバランス状態から若干シフトさせ、すなわち僅かな上昇力若しくは下降力のいずれかを荷役物に発生させて移動させるように働き、これを抑制する力を作業者が荷役物に印加しつつ作業を行うことができるため、快適に荷役物を移動させることができて細かい組立て作業などに有用である。
請求項2に記載の発明の荷役助力装置によれば上記効果に加えて、荷役物の動きを抑制する僅かな力を可変で設定できることから、荷役物の形状や操作者に応じて最適な環境を作り出すことができるため、作業の効率を向上させることができる。
請求項3に記載の発明の荷役助力装置によれば上記効果に加えて、予め荷役物の重量を登録しておかなくても、バランス状態を作り出すことができるため、段取りが不要となって全体的な作業の効率を向上させることができる。
請求項4に記載の発明の荷役助力装置によれば上記効果に加えて、巻胴に加わる荷重が定めたものより大きい場合すなわち比較的大きな重量の荷役物に対して、移動の速度や加速度を低く抑えて制御することで操作者が荷役物を移動させる際に抵抗力を生じさせて、荷役物が重いものであることを操作者に感じさせることで安全性を高めることができる。また操作者がつまずくなどして荷役物に急激に力を印加したような時でも、移動の速度や加速度を低く抑えて制御することで操作者の転倒や荷役物の他への衝突を防ぐことができる。
請求項5に記載の発明の荷役助力装置によれば上記効果に加えて、所定の外力未満の外力が吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊り下げられた荷役物に印加された時、制御部により吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊り下げられた荷役物を、上昇若しくは下降させることができるので、荷役物の重量や形状等に合わせて荷役物の移動作業条件の設定を容易に行うことができる。
請求項6に記載の発明の荷役助力装置によれば上記効果に加えて、上昇若しくは下降の速度や力を可変で制御することができるので、荷役物の重量や形状等に合わせて荷役物の移動作業条件の設定を容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明の荷役助力装置によれば上記効果に加えて、操作入力部からの指令によって荷役物の上昇若しくは下降の移動方向の切替え、速度や力の変更を随時行うことができるので、作業内容に合わせて変更することで作業の効率化を向上させることができる。
請求項8に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、指定した重量の荷役物に対して、モータにより吊り下げた荷役物をバランス状態から若干シフトさせ、すなわち僅かな上昇力若しくは下降力のいずれかを荷役物に発生させて移動させるように働き、これを抑制する力を作業者が荷役物に印加しつつ作業を行うため、快適に荷役物を移動させることができる。また重量を指定しているので、荷役物をスピーディに扱うことが可能となり、特に同じ重量の荷役物を繰り返して扱う荷役作業に適している。
請求項9に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば上記効果に加えて、巻胴に加わる荷重が定めたものより大きい場合すなわち比較的大きな重量の荷役物に対して、移動の速度や加速度を低く抑えて制御することで操作者が荷役物を移動させる際に抵抗力を生じさせて、荷役物が重いものであることを操作者に感じさせることで安全性を高めることができる。また操作者がつまずくなどして荷役物に急激に力を印加したような時でも、移動の速度や加速度を低く抑えて制御することで操作者の転倒や荷役物の他への衝突を防ぐことができる。
請求項10に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、上記効果に加えて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊るされた荷役物に所定の外力を加えないと、吊り下げ部は上昇若しくは下降して退避位置まで移動する。したがって荷役物を吊り下げていない時は吊り下げ部を上方又は下方に退避させておくことができて、作業の効率化を向上させることができる。また荷役物を吊り下げている時は、荷役物の動きを制止する僅かな外力で荷役物の上下動をコントロールすることができるため、組立て等の効率化を図ることができる。
請求項11に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、上記効果に加えて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊るされた荷役物の速度や力を可変で制御することができるので作業の効率を向上させることができる。
請求項12に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、上記効果に加えて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊るされた荷役物の移動方向の切替えや、速度や力の変更を、操作中随時行うことができるため、作業の効率を向上させることができる。
請求項13に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、予め荷役物の重量を登録しておかなくても、バランス状態を作り出すことができるため、段取り設定が不要であり総合的な荷役作業の効率を向上させることができる。
請求項14に記載の発明の荷役助力装置の制御方法よれば上記効果に加えて、巻胴に加わる荷重が定めたものより大きい場合すなわち比較的大きな重量の荷役物に対して、移動の速度や加速度を低く抑えて制御することで操作者が荷役物を移動させる際に抵抗力を生じさせて、荷役物が重いものであることを操作者に感じさせることで安全性を高めることができる。また操作者がつまずくなどして荷役物に急激に力を印加したような時でも、移動の速度や加速度を低く抑えて制御することで操作者の転倒や荷役物の他への衝突を防ぐことができる。
請求項15に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、上記効果に加えて、予め荷役物の重量を登録しておかなくても、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊るされた荷役物に所定上の外力を加えないと、吊り下げ部は上昇若しくは下降退避位置まで移動する。したがって荷役物を吊り下げていない時は吊り下げ部を上方又は下方に退避させておくことができて、作業の効率化を向上させることができる。また荷役物を吊り下げている時は、荷役物の動きを制止する僅かな外力で荷役物の上下動をコントロールすることができるため、組立て等の効率化を図ることができる。
請求項16に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、上記効果に加えて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊るされた荷役物の速度や力を可変で制御することができるので作業の効率を向上させることができる。
請求項17に記載の発明の荷役助力装置の制御方法によれば、上記効果に加えて、吊り下げ部若しくは吊り下げ部に吊るされた荷役物の移動方向の切替えや、速度や力の変更を、操作中随時行うことができるため、作業の効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置の外観斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置の駆動部分斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置の外観斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置の駆動部分斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(a)を示したものである。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(b)(c)を示したものである。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(d)を示したものである。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(e)(f)を示したものである。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(g)(h)を示したものである。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(i)を示したものである。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(j)(k)(l)を示したものである。 本発明の実施形態に係る荷役助力装置の制御方法のフローチャート(m)(n)を示したものである。
以下、本発明の実施形態に係る荷役助力装置について、図面を基に詳細な説明を行う。図1は本発明の第1の実施形態の荷役助力装置全体の外観斜視図であって、図2は第1の実施形態の荷役助力装置の主要部である駆動部分詳細を示した斜視図である。
フレーム2は荷役助力装置のメカ及び電気の構成部品が取付け固定されていて、荷役物を吊るした際に荷役物を含めた全体を支持するものである。
駆動部フレーム3はフレーム2の上部梁に固定されていて、駆動部一式が組み付けられている。駆動部は、回転角検出部40、モータ4、トルク計測部5、継ぎ手6、巻胴7、ブレーキ8が直列に連結、配置されたものであり、駆動部フレーム3はこれらを固定支持するブラケットでもある。
モータ4は例えばACサーボモータであって、本実施形態では負荷側の出力軸の回転数を減速するため減速機付きとなっていて、反負荷側の軸には回転角検出部40が設けられている。なお回転角検出部40は後述の巻胴7に取り付けられたものであっても良い。回転角検出部40はモータ4の回転角値から巻胴7の回転位置や回転速度を算出するため、及びワイヤ10の巻胴7からの繰り出し量を検出するために設けられている。
トルク計測部5は、モータ4の負荷側の出力軸に直列に連結された回転軸を有していて、この回転軸に歪みゲージが貼付されていてこの回転軸のねじれから回転トルクを計測するものを使用している。本実施形態ではモータ4とトルク計測部5は一体型となっているが、分離してあっても良い。
巻胴7は継ぎ手6を介してトルク計測部5の回転軸の負荷側と直列に連結されている。巻胴7は回転自在に支持された円筒状の形状であって、ワイヤ10の一端が固定されていて、巻胴7が回転するとワイヤ10を巻き付ける若しくは送り出すことができるように胴部を有している。巻胴7はモータ4を動力源として回転駆動が可能であり、ワイヤ10を引っ張ることによって生じる巻胴7に発生するトルクはトルク計測部5によって計測できる。
ブレーキ8は巻胴7の回転を強制的に停止、保持させるものであって本実施形態では無励磁作動形ブレーキを使用している。
制御部9はフレーム2に固定されていて、モータ4、回転角検出部40、トルク計測部5、ブレーキ8、リミットスイッチ12及び操作入力部15と電気的にケーブル等で接続されて、データ収集、データの記憶、目標トルク値の演算、目標トルク値に基づいた動作指令の送信などの制御を行うものである。
ワイヤ10の巻胴7に固定されていない他端にはシンブルを介して、荷役物30を吊り下げ可能な吊り下げ部11が接続されている。
ワイヤ10の吊り下げ部11付近にはリミット板14が取り付けられていて、吊り下げ部11が巻き上げられて行くとリミット板14がリミットアーム13に当接し、リミットアーム13が持ち上げられてリミットスイッチ12がこれを検出して、制御部9はモータ4の回転を止めることで巻胴7はワイヤ10の巻取りが停止する。このリミットスイッチ12はいわゆるハードウエアリミットであって、モータ4の駆動は通常、モータ4に取り付けられている回転角検出部40と制御部9によるソフトウエアリミット値によって制限され、したがってモータ4によって回転する巻胴7の動作範囲が制限され、故にワイヤ10の巻取りと繰り出しの範囲が制限されることになる。
この構成の第1の実施形態の荷役助力装置は電源が投入された直後に原点サーチが必要である。原点サーチは、荷役物30が吊り下げ部11に吊り下げられていない状態で通常行われ、モータ4をワイヤ10の巻き上げ方向に回転させ、吊り下げ部11が上昇して行ってワイヤ10に取り付けられているリミット板14がリミットアーム13に当接し、リミットアーム13が持ち上げられてリミットスイッチ12がこれを検出すると直ちにモータ4を予め定めた角度まで逆回転させ、原点サーチが完了となる。すなわち原点サーチによって得られる原点位置はこのリミットスイッチ12が検出した位置からワイヤ10の繰り出し方向に予め定めた角度だけモータ4が回転した位置としている。この予め定めた角度分の回転は回転角検出部40による角度読み取りによって規定される。巻き上げ側のソフトウエアリミットはリミット板14がリミットアーム13に当接し、リミットアーム13が持ち上げられてリミットスイッチ12がこれを検出する位置と原点位置の中間に位置するように設定している。一方繰り出し側のソフトウエアリミットは原点位置からのワイヤ10の繰り出し方向に定めた角度、モータ4が回転した位置に設定している。
一方制御部9と電気ケーブルで繋がって操作入力部15があり、操作入力部15には操作者の指令のための入力手段として複数個の照光式の操作釦によるスイッチが設けられている。操作釦の役割詳細は後述するが、荷役物30を保持する指令の保持釦16、荷役物30を降ろして開放する指令の開放釦17、荷役物30の重量を登録する指令の登録釦18、荷役物30の種類を指定する指令の複数の指定釦19、手動操作で荷役物30を上下動させる指令の手動上昇釦20及び手動下降釦21が設けられている。釦の種類及び配置は、荷役助力装置の仕様、操作者の利便性によって最適なものに種々変更が可能である。
また操作入力部15は図示した有線のものに限らず、表示器を有した携帯型の端末等であって、制御部9とワイヤレスで電波や光線により通信する無線のものであっても良い。また操作者の指令のための入力手段は操作釦に限らず、タッチパネル、音声による入力、光電センサを使ったスイッチ等によるものでも良い。
図3は本発明の第2の実施形態の荷役助力装置全体の外観斜視図である。
第2の実施形態の荷役助力装置は、第1の実施形態の荷役助力装置のワイヤ10をリンクチェーン50に置き換えたものである。リンクチェーン50は半円弧部とこれに繋がる直線部からなる長円形の輪が90度の角度にて交互に連接されたものであって、負荷側の端は吊り下げ部11に繋がっていて、他端(無負荷側)はリンクチェーン収納部53に収納されている。
図4と図5は第2の実施形態の荷役助力装置の主要部である駆動部分詳細を示した斜視図であって、図3における部材の一部を省略し、幾つかの部材を半透明化して本体部を表したものである。
巻胴7は、モータ4から伝動された回転出力軸60からの駆動によって回転してリンクチェーン50の繰り出し、繰上げを行う。巻胴7は多角柱状若しくは円柱状の外形であって、本実施形態では有底の円筒形をしていて、その底部は回転出力軸60と繋がっていて、助力駆動源であるモータ4の外周を覆うように配置されている。リンクチェーン50は巻胴7に設けられたポケットに嵌入されておおよそ180度巻きつけられる。
一方リンクチェーン50を巻胴7へ巻きつける姿勢を保つためにリンクチェーンガイド51が設けられている。リンクチェーンガイド51はリンクチェーン50が姿勢を保って通過するように十字状の貫通穴が設けてあって、巻胴7の外周の接線方向にあって駆動部フレーム3に固定されている。
また巻胴7に巻きつけるリンクチェーン50の位置規制のため、位置規制部材52が、巻胴7に巻きつけられているリンクチェーン50の外周方向に、リンクチェーン50に沿って若干の隙間を有して設けられている。この位置規制部材52は、リンクチェーン50の移動速度が速い時にポケットから脱落すること等を防止している。
モータ4の反負荷側にはブレーキ8があって、さらに回転角検出部40に繋がっている。一方ブレーキ8と回転角検出部40の結合部から分岐してトルク計測部5があって、トルク計測部5は駆動部フレーム3に固定されている。トルク計測部5は巻胴7に巻きつけられているリンクチェーン50から伝達される力を反力として検出できるように起歪体と不図示の歪みゲージを備えている。そしてモータ4、ブレーキ8、回転角検出部40、トルク計測部5らを制御する制御部9がこの近傍に配置されていて、これらはカバー70で覆われている。
さらに、回転出力軸60から歯車プーリ及び歯車ベルトで伝動されて回転する可変受動素子61が駆動部フレーム3に取り付けられている。可変受動素子61は例えば多回転型のポテンショメータであって、巻胴7の全回転分の回転位置検出をするものである。したがって、揚程全域の絶対位置が常に判ることから、この第2の実施形態の荷役助力装置では電源オン直後の原点サーチは不要である。
ワイヤ10による荷役物30の吊り下げではワイヤ10を巻胴7で巻取るため、揚程が長いと巻取りをする巻胴7が回転軸方向に長くなるため本体が大きくなること、斜め引きをするとワイヤが乱巻きして痛むこと、巻胴7におけるワイヤの位置が変化するため助力を発生させるモータ4の制御が複雑になることがある。これに対してリンクチェーン50を使用したものは、リンクチェーン50をリンクチェーン収納部53に溜める構造なので高揚程に有利であって、使用方法や用途によって使い分けることになる。
そして第1の実施形態及び第2の実施形態いずれの荷役助力装置においても、荷役物30の荷重未満の小さな外力を荷役物30に加えて上下動作ができるように、モータ4による助力制御を制御部9から行うことで実現されている。
次に上述の荷役助力装置の制御方法の実施形態をフローチャートにて示した図6〜図13を参照して、制御方法の詳細について説明する。図6の(a)は荷役助力装置の制御方法の全体の制御フローを示していて、図7〜図13はその各工程詳細を示している。
図6の(a)において、不図示の電源スイッチがオンとなると、制御部9に給電が行われて、制御部9が起動状態となり荷役助力装置の制御が開始となる。ステップS010では制御部9は起動後、不図示のサーボスイッチがオンされているかどうかをチェックする。サーボスイッチがオフの状態であればオンの状態になるまで待機する。サーボスイッチがオンになることでモータ4の駆動のための制御が開始される。
ブレーキ8の解除は不図示のブレーキ操作スイッチによって行うことができる。ステップS020ではブレーキ8の解除が行われたかどうかを判断して、ブレーキ8が解除されたら次のステップに進む。
次のステップはトルク初期検出工程(S030)であって、その工程の詳細を図7の(b)に示している。ブレーキ8が解除された瞬間に、巻胴7は回転可能な状態になる。トルク計測部5は常に或る時間間隔で巻胴7に加わっているトルク値を検出して制御部9へ送信していて(S031)、制御部9にある記憶部にてこれを記憶する(S032)。次いで前回記憶したものより後に計測されたトルク値を得て(S033)、トルクが増加しているかどうかを比較して判断し(S034)、もし巻胴7に加わるトルクが増加しているならこのトルク計測値が制御可能な範囲にあるかどうかを判断する(S035)。もし制御重量の上限を超えるものであれば瞬時にEMG(EMERGENCY)工程(S300)へ移行する。例えば非常停止や停電後の再起動時、この荷役助力装置で扱うことができる荷重を超えたものが誤って吊り下げ部11に吊るされていたり、操作者が荷役物30に寄りかかっていたりなどの不測の事態の場合であっても、巻胴7とモータ4の中間にある継ぎ手6やトルク計測部5の破損を防ぐ必要があるためこの工程が存在する。もし巻胴7に加わるトルクが増加していないのであれば、その時点で巻胴7に加わるトルクが安定していてしかも制御可能な状態であるから、その時の巻胴7に加わるトルクを荷重として出力(S036)してトルク初期検出工程(S030)は終了する。
ステップS300のEMG工程は、図7の(c)に示すものであって、ステップS301にてブレーキ8の作動が即座に行われて、巻胴7はロック状態となり、制御は終止状態となる。この状態からの復帰は、吊り下げ部11に吊るされている過大な荷重を取り除いて、原則電源を一度切って再投入することで可能となる。
トルク初期検出工程(S030)の終了後、直ちに自動バランス工程(S040)に移る。自動バランス工程(S040)の詳細を図8の(d)に示す。まずステップS041では、操作入力部15から、吊り下げ部11を移動方向切替え、移動速度の変更、移動の力の変更の指令があるかどうかを判断して、変更指令があれば、変更工程(S400)へ進む。
ここでこの移動方向切替え、移動速度と移動の力について説明する。操作者は外力を吊り下げ部11若しくは吊り下げ部11に吊り下げられた荷役物30に加えることで、吊り下げ部11若しくは荷役物30をバランス状態にすることが可能な所定の外力の値を予め設定しておくことができる。すなわち、操作者が所定の外力未満を吊り下げ部11に下方向に印加した時(上から押さえ付ける時)にはバランス状態ではなく、上向きの方向に荷役物30は動くことになる。この時の方向、速度、力が移動方向、移動速度、移動の力である。例えば操作者の所定の外力を0.5Nに設定して、荷役物30には上向きの力を発生させるとした時、操作者が吊り下げ部11若しくは吊り下げ部11に吊り下げられた荷役物30を0.5Nにて下向きに力を印加すると吊り下げ部11はバランス状態となる。もし操作者が吊り下げ部11を0.5N未満の力を下向きに印加すると吊り下げ部11は上昇を続ける。よって操作者が吊り下げ部11を抑えて停止させるならば、操作者は外力を0.5Nを下向きに印加していることになる。もちろん操作者が所定の外力未満を吊り下げ部11に上方向に印加した時(持ち上げ時)に、下向きの方向に荷役物30を動かすことも可能であって、これは変更工程(S400)による移動方向の切替えによって行うことができる。
図9の(e)は変更工程(S400)を示したものである。まずステップS401にて移動方向の変更があるかどうか、すなわち操作者が所定の外力未満を吊り下げ部11に印加した時、上昇させるのか下降させるのかの選択に関する変更の確認である。もし操作入力部15から方向を反転させる指令があった場合は、ステップS402にて方向を切り替えるように制御部9はモータ4へ指令する。方向の変更が無い場合は、ステップS403へ進み、移動速度の変更指令が操作入力部15からあるかどうかを確認する。移動速度の変更指令があった場合は、次いでステップS404にて速度の増減を操作入力部15からの指令に基づいて設定する。ステップS405の移動の力の変更有無、ステップS406による移動の力の増減の設定は、上述の速度と同様である。変更工程(S400)におけるこれらの設定に基づいて直ちに荷役助力装置の動作は随時変更して反映することが可能である。操作入力部15からの変更指令が無い場合、若しくは操作入力部15からの変更指令があって変更工程(S400)が終了した場合、ステップS042へ進む。
ステップS042は巻胴7に加わる荷重から判断して、その荷重に対する適正な制限を行う制限工程(S500)へ進む。この判断の元となる荷重は操作者によって任意に可変することができる。
図9の(f)はこの制限工程(S500)を示していて、上記の移動速度及び移動の加速度の値を定める制限値に設定し、これも荷重の範囲によってそれぞれ設定可能なものである。この意図は、例えば荷役助力装置の制御範囲が0〜100kgであるとした場合に、2kgの荷役物も90kgの荷役物もモータ4による助力で同じように扱うことができ、操作者は90kgの荷役物を扱う際に重いものであるという認識なしに作業ができてしまうことから、思わぬ事故を防ぐことにある。したがって操作者が印加する所定以上の外力による上下動の速度や加速度を低く抑えて制御することで、操作者が荷役物を移動させる際に抵抗力を生じさせて、荷役物が重いものであることを操作者に感じさせることで安全性を高めることが目的である。この定める荷重と速度及び加速度の設定は、巻胴7に加わる荷重に応じて設定するものであって、0以上30kg未満、30kg以上60kg未満、60kg以上100kg未満というように複数のステップ状で設定してもよいし、一次関数や二次関数のような連続的な設定でも良い。
またこの制限工程(S400)は、操作者が転倒などによって荷役物30に乗りかかって急激に荷役物30を下降させる力が発生すると、荷役物30の落下衝突などを引き起こす可能性を排除している。第1、第2の実施形態の荷役助力装置は共にトルク計測部5を備えていることからブレーキ解除している時は、常に巻胴7に加わる荷重を計測することができる。したがって急激に荷役物30を下降させる力が発生した場合においてもトルク計測部5で検出できるので、即座に回転角検出部40からの位置情報を基に回転速度を算出して、通常のトルク計測によるバランスを保つ制御と速度の制御の同時制御から、速度を優先した制御に切替え、モータ4に速度制限の指令を行うと共に、制御範囲を超える重量が加わるようであればブレーキ8を作動させて停止させ荷役物30の保護と操作者の安全を守るようにしている。
ステップS042若しくは制限工程(S500)が終了すると、ステップS043に進み、制御部9はトルク計測部5からトルク値を時系列で順次複数計測して得て、記憶手段に記憶する。ある一定期間でトルク値の変動が無く、回転角検出部40によって検出される回転位置に変化が無い場合は、バランス状態にあるので、トルク変更は不要であるとステップS044にて判断し、自動バランス工程(S040)は終了する。一方ある一定期間でトルク値の変動があったり、回転角検出部40によって検出される回転位置に変化があったり、変更工程(S400)にて移動の力の変更があったりした場合は、トルク変更が必要であるとステップS044は判断して、記憶手段にある時系列のトルク値を比較し、回転角検出部40によって検出される回転位置を基に第3の目標トルク値を演算する(S045)。
次いで制御部9は、段階的に第3の目標トルク値に到達するまでモータ4へ指令を行い(S046)、第3の目標トルク値に到達完了となった時点で(S047)、自動バランス工程(S040)は完了する。
よって制御部9は、自動バランス工程(S040)において、トルク計測によるバランスを保つ制御、荷役物30を上昇又は下降させる速度の制御、両方の同時制御を行っている。
自動バランス工程(S040)の完了後、操作入力部15の入力手段を受けて、保持釦がオンになったかどうかをチェックするステップS050、手動操作工程(S080)に切り替えるステップS070、荷役物の重量を指定しない自動バランスではなく、指定した重量で操作を行う指定バランス工程(S100)に移行するかどうかをチェックするステップS090に順次進む。ここで荷役物保持工程(S060)への移行、手動操作工程(S080)への切替え、指定バランス工程(S100)への移行が無ければ、再度自動バランス工程(S040)を行い、これをループで繰り返す。したがって、ステップS050、ステップS070、ステップS090は割り込み的な扱いであって、自動バランス工程(S040)内にて割り込み処理で行っても良い。
ステップS050で操作入力部15から保持釦をオンとした指令があった場合、荷役物保持工程(S060)が開始される。荷役物保持工程(S060)は図10の(g)に示されるものであって、ステップS061にて垂直方向の位置を保持する。保持する方法は、モータ4に対してその回転位置を保持して巻胴7が回転しないようにする方法、若しくはブレーキ8を作動させて巻胴7が回転しないようにする方法、いずれにおいても制御部9からの指令で実現可能である。保持釦16のオフがステップS062にて検出されると、位置保持はステップS063にて解除されて、荷役物保持工程(S060)は終了となる。
次いでステップS070で操作入力部15から手動操作に切り替える指令があった場合、手動操作工程(S080)が開始される。手動操作工程(S080)は、図10の(h)に示されるものであって、ステップS081にて上下釦の操作による手動操作のみが許可される状態になる。前述の荷役助力装置の第1の実施形態を例にすると、操作入力部15にある手動上昇釦20若しくは手動下降釦21のいずれかを押すことで、吊り下げ部11は上昇若しくは下降することができる。その後は回転角検出部40により荷役物30の位置を常に確認し(ステップS082)、ソフトウエアリミットに達した場合は、今までの移動方向の釦が操作できなくなって逆向きの釦のみが有効となる。もし何らかの理由でハードウエアリミットに達して制御範囲内を超える場合はEMG工程(S300)に進む。そして操作入力部15から手動操作解除の指令があるまで、ステップS081とステップS082を繰り返し、手動操作解除の指令があった時点で手動操作工程(S080)は終了する。
指定バランス工程(S100)は、図11の(i)に示すものであって、まずステップS110にてその時点で巻胴7に加わっている荷重が所定の荷重すなわち吊り下げ部11のみの荷重より大きく、したがって何らかの荷役物が吊り下げられている可能性があると判断した場合、前述の手動操作工程(S080)に進み、操作者は荷役物を取り除くことになる。
吊り下げ部11に荷役物が吊り下がっていない状態になったところで、荷役物無しバランス工程(S120)に進む。荷役物無しバランス工程(S120)は図12の(j)に示すものであって、ステップS121にて操作入力部15から、吊り下げ部11を移動方向切替え、移動速度の変更、移動の力の変更の指令があるかどうかを判断して、変更指令があれば、変更工程(S400)へ進む。変更工程(S400)の詳細は前述と同じであるからここでは省略する。
次いでステップS122ではトルク計測部5が計測したトルク計測値が、予め設定してある荷役物無しトルク値になるように、制御部9はモータ4へ指令を出す。ここでいう予め設定した荷役物無しトルク値とは、荷役物30が吊り下げ部11に吊り下げられていない状態で、所定の外力を吊り下げ部11に印加した時にバランス状態になるトルク値である。所定の外力は操作者がこの荷役助力装置を容易に扱うために設定されるものであって、対象の荷役物や操作者によって適宜決められるものである。例えば操作者の所定の外力を0.5Nに設定した時、操作者が吊り下げ部11を0.5Nで下向きに力を加えると吊り下げ部11はバランス状態となる。もし操作者が吊り下げ部11を0.5N未満で下向きに力を加えると吊り下げ部11は上昇を続ける。また操作者が吊り下げ部11を0.5Nを超える力で下向きに力を加えると吊り下げ部11は下降することになるが、常に0.5Nの力で吊り下げ部11は上昇しようとする。
トルクが目標値に到着するまでステップS122を繰り返し、ステップS123にて到達完了と判断されれば、ステップS124へ進む。ステップS124ではトルク計測部5が計測するトルク計測値が荷役物無しトルク値に到達完了した後、トルク変化があってトルク値が変化したかどうかを判断して、変化があれば再度荷役物無しトルク値に到達させるようにステップS121に戻って、再度移動方向、速度、力の変更指示の有無を確認する。荷役物無しバランス工程(S120)は、操作者が自由に吊り下げ部11を動かし引っ張り出すことが可能であり、手を離すと所定の外力未満の力が吊り下げ部11に印加されているという条件を満たすことから、制御部9はモータ4の回転速度を回転角検出部40からの情報を基に算出しその時点で設定される速度で制御し、ソフトウエアリミット位置若しくは待機位置までゆるやかに上昇若しくは下降して停止する。待機位置は回転角検出部40や可変受動素子61により制御部9内の記憶部に予め記憶しておくことで設定できるものである。吊り下げ部11を上昇させるか下降させるかは操作入力部15からの指令で変更工程(S400)にて切り替えることができる。
次いでステップS130の荷役物登録済みかどうかの判断へ進む。荷役物の重量に関する登録データは制御部9内に保管されているが、初期状態や新規の荷役物の投入等でこの登録データが無い場合にはステップS140の登録工程にて登録を実施する必要がある。本実施形態では、操作入力部15の登録釦18は照光式の釦であって、初期状態等でこの登録データが無い場合には登録釦18が点滅して操作者に知らせるようになっている。
ステップS140の登録工程は図12の(k)に示すものであって、ステップS141の荷役物登録の要求を示す例えば登録釦18を点滅させることから開始し、操作者は吊り下げ部11に荷役物30を取付け、割り当てる3つのうちのいずれかの指定釦19を押し、次いで登録釦18を押す(ステップS142)。すると制御部9はモータ4に対して、ワイヤ10を巻き上げるように指令する。制御部9はトルク計測部5が計測するトルク計測値が一定になった時点で、荷役物が置かれた位置から浮遊してバランス状態になったとみなして、これを荷役物の荷重データ値として記憶部に登録する。第1の実施形態の荷役助力装置では、指定釦19は3個あって、3種類の荷重の荷役物を登録可能であるが、登録数の制限をするものでは無い。
登録が終了した場合若しくは荷役物登録済みであった場合は、ステップS150へ進み、いずれかの指定釦19の押下による荷役物指定済みであるかどうかを判断し、指定がされていない場合は荷役物無しバランス工程(S120)へのループで指定を待ち続ける。この指定の待ち続ける状態でも、操作者は吊り下げ部11を自由に動かして移動できる。指定釦19の押下による指定は、いずれかの指定釦19の例えば1〜2秒以上の長押し等によって行うことができる。
操作者が吊り下げ部11を自由に動かして荷役物30に接続して、いずれかの指定釦19の押下による荷役物指定が行われると、指定荷役物バランス移行工程(S160)へ移行する。
指定荷役物バランス移行工程(S160)は図12(l)に示すものであって、ステップS161にて制御部9は記憶した荷役物30の荷重データ値を指定して読み出し、所定の外力の値を減算して第1の目標トルク値を演算する。そしてステップS162でトルクを第1の目標トルク値へ段階的に変化させる。次いでステップS163にて第1の目標トルク値へ到達完了かどうかを判断して、完了であれば次の指定荷役物バランス工程(S170)へ進む。この指定荷役物バランス移行工程(S160)が完了した時点では、荷役物30は置かれた位置から浮上した状態では無く、荷役物30の重量よりも所定の外力の値の分だけ小さな力が荷役物30を持ち上げる方向に印加された状態である。すなわち所定の外力の値を例えば0.5Nに設定した場合は、操作者は0.5Nの力でこの荷役物30を持ち上げるように支えると荷役物30がバランス状態となる。
指定荷役物バランス工程(S170)は図13の(m)に示すものであって、指定荷役物バランス移行工程(S160)が完了した後、自動バランス工程(S040)の最初と同じように、ステップS171、ステップS172を行って処理する。そしてステップS173で巻胴7に加わるトルクを計測し、ステップ174で変更工程(S400)やトルク変化の有無から、ステップS174にてトルク変更が必要かどうかを判断する。トルク変更の必要性がなければ指定荷役物バランス工程(S170)は終了となる。
実際には操作者が吊り下げ部11若しくは荷役物30に直接触れて荷役物30を持ち上げる外力を加えると、ステップS174でトルク計測部5からのトルク計測値によってトルク変更必要ありと判断して、ステップS175で第2の目標トルク値を演算、そしてステップS176でトルクを第2の目標トルク値へ段階的に変化させ、ステップS177で第2の目標値へ到達完了を判断し、ステップS180の荷役物保持釦オン、次いでステップS190の荷役物開放釦オンの判断へ進む。
第2の目標トルク値は、記憶してある荷役物30の荷重データ値を用いて、所定の外力の値をこれに加算若しくは減算したものである。所定の外力の値を加算するか減算するかは操作者が変更工程(S400)によって決められる。よって、所定の外力の値を加算した第2の目標トルク値を選択した場合は、指定荷役物バランス工程(S170)は常に荷役物30を上昇させる状態になる。この時操作者は浮上してくる荷役物30を所定の外力の値の力で常に押さえ込むようにして作業を行うことになる。したがって荷役物30から手を離すと荷役物30は徐々に上昇することから、荷役物30を下方から組み付けるような作業等に適したものである。この時の上昇速度は、制御部9がモータ4の回転速度を回転角検出部40からの情報を基に算出し、変更工程(S400)によって変更可能である。
一方、所定の外力の値を減算した第2の目標トルク値を選択した場合は、指定荷役物バランス工程(S170)は常に荷役物30を下降させる状態になる。この時操作者は荷役物30を所定の外力で持ち上げて作業を行うことになる。したがって荷役物30を上方から降ろして組み付けるような作業に適したものである。この時の下降速度も同様に、制御部9がモータ4の回転速度を回転角検出部40からの情報を基に算出し変更工程(S400)によって変更可能である。
故に制御部9は、指定荷役物バランス工程(S170)においても、トルク計測によるバランスを保つ制御、荷役物30を上昇又は下降させる速度の制御、両方の同時制御を行っている。
そしてこの上昇若しくは下降の選択は、操作入力部15に設けられた釦に割り当てることで、相互に随時選択して変更工程(S400)にて切替えが行われる。いずれにしても操作者が所定の外力を荷役物30に印加すると、その位置で荷役物30はバランス状態となり、外力を所定の値よりも小さく印加すると上昇又は下降のいずれか選択した方の動作となる。
保持釦16が押下されてステップS180で荷役物保持釦オンが検出されると、荷役物保持工程(S060)へ移行する。荷役物保持工程(S060)は前述のとおりであって、ここでは省略する。
次いで操作入力部15の開放釦17が押下されてステップS190で荷役物開放釦オンが検出されると、荷役物開放工程(S200)へ移行する。荷役物開放工程(S200)は図13の(n)に示すものであって、ステップS201にて制御部9はトルクを荷役物無しトルク値に段階的に変化させる。これによって荷役物30を持ち上げる力は減少して荷役物30は下降し、ステップS202にて荷役物無しトルク値に到達完了を判断して、荷役物無しバランス工程(S120)に移行する。操作者は荷役物30を吊り下げ部11から外し、この時ステップS080の荷役物無しバランス工程の状態にあるため、吊り下げ部11から手を離すと、吊り下げ部11は予め設定された方向のソフトウエアリミット位置若しくは前述の待機位置まで移動して停止する。
保持釦16も開放釦17も押されない場合は、指定荷役物バランス工程(S170)、ステップS180、ステップS190をループにて繰り返す。
指定バランス工程(S100)は、予め扱う荷役物の重量を登録しておくことから、制御部9にとって荷役物が吊り下げられているかどうかの判断が容易であり、荷役物の開放操作を単純化することができるので、同じ種類のものをルーチン的に扱う際には有利である。これに対して自動バランス工程(S040)は様々な重量の荷役物の扱いを重量設定無しにできることから、多品種の荷役物を扱う際に有用である。
なおここで説明した荷役助力装置の制御方法は例示であって、自動バランス工程(S040)から指定バランス工程(S100)へ遷移するようになっているが、逆であっても良く、またこれに限らず、操作入力部15からの指令若しくは予め初期設定においてどちらかの工程のみを選択するような変形も可能である。
本実施形態によれば、荷役物を吊り下げ部に吊るした状態で、荷役物を操作者が外力を加えて上下方向に動かした際に、モータとトルク計測部によって助力する力や速度をきめ細かく制御できるため、重量の大きい荷役物であっても操作者は容易に組立てを行うことが可能となる。特に、吊り下げ部に吊るした荷役物を上昇若しくは下降させる方向、速度、力を設定して発生させることができるため組立てを容易にする。
また自動バランス工程によって、様々な重量の荷役物を持ち上げて運搬、組立て等を行う際に、荷役物の重量の違いによる都度の装置調整を不要としていることから、設定作業の煩雑さによる効率の低下が無い荷役助力装置を実現することができる。またつるまきばねなどの疲労劣化しやすい部品を使用していないことから長期に渡ってメンテナンス性についても優れている。さらに圧力エアを必要としないため、エアコンプレッサなどの設備を必要とせず、使用環境の自由度が高いという利点がある。
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものでは無く、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明の活用例として、荷役助力装置及び車両へのエンジン等の重量物組立て装置等への適用が可能である。
2 :フレーム
3 :駆動部フレーム
4 :モータ
5 :トルク計測部
6 :継ぎ手
7 :巻胴
8 :ブレーキ
9 :制御部
10 :ワイヤ
11 :吊り下げ部
12 :リミットスイッチ
13 :リミットアーム
14 :リミット板
15 :操作入力部
16 :保持釦
17 :開放釦
18 :登録釦
19 :指定釦
20 :手動上昇釦
21 :手動下降釦
30 :荷役物
40 :回転角検出部
50 :リンクチェーン
51 :リンクチェーンガイド
52 :位置規制部材
53 :リンクチェーン収納部
60 : 回転出力軸
61 :可変受動素子
70 :カバー

Claims (12)

  1. 荷役物を吊り下げ可能な吊り下げ部と、
    前記吊り下げ部に一端が固定されて繋がったワイヤ若しくはリンクチェーンと、
    前記ワイヤ若しくは前記リンクチェーンを巻き付けて回転自在な巻胴と、
    前記巻胴を回転駆動するモータと、
    前記モータ及び前記巻胴の少なくとも1つに連結して設けられ前記モータ若しくは前記巻胴の回転角値を出力する回転角検出部と、
    前記巻胴に発生するトルクを計測してトルク計測値を出力するトルク計測部と、
    前記モータ、前記回転角検出部及び前記トルク計測部と電気的に繋がって前記荷役物の上下動を制御する制御部と、
    前記制御部と有線若しくは無線で繋がって操作の入力手段を有する操作入力部と、
    を備える荷役助力装置であって、
    前記制御部は、
    前記荷役物の荷重未満の所定の外力が前記荷役物若しくは前記吊り下げ部へ印加された際に前記荷役物を停止したバランス状態に保つことが可能なように、
    前記回転角値及び前記トルク計測値に基づいて前記モータの動作を制御する、ことを特徴とする荷役助力装置。
  2. 前記所定の外力の値を可変にて設定する前記操作入力部を有することを特徴とする請求項1に記載の荷役助力装置。
  3. 前記制御部は、前記巻胴に加わる荷重を前記トルク計測部にて順次複数計測、記憶及び比較して演算し、前記モータに指令することを特徴とする請求項1又は2に記載の荷役助力装置。
  4. 前記制御部は、前記巻胴に加わる荷重に応じて、前記吊り下げ部若しくは前記吊り下げ部に吊り下げられた前記荷役物へ加わる外力によって生じる移動の速度及び加速度の少なくとも1つを制限するように随時前記モータに指令することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の荷役助力装置。
  5. 前記制御部は、前記所定の外力未満の前記荷役物若しくは前記吊り下げ部への外力が印加された際に、前記荷役物若しくは前記吊り下げ部を上昇若しくは下降させるように、前記回転角値及び前記トルク計測値に基づいて前記モータの動作を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の荷役助力装置。
  6. 前記制御部は、前記所定の外力未満の前記荷役物若しくは前記吊り下げ部への外力が印加された際に、前記荷役物若しくは前記吊り下げ部の上下動の速度及び力の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項5に記載の荷役助力装置。
  7. 前記操作入力部からの指令によって前記制御部は、前記所定の外力未満の前記荷役物若しくは前記吊り下げ部への外力が印加された際に、前記荷役物若しくは前記吊り下げ部の上下動の方向、速度及び力の少なくとも1つを随時変更することを特徴とする請求項5に記載の荷役助力装置。
  8. 荷役物を吊り下げ可能な吊り下げ部と、
    前記吊り下げ部に一端が固定されて繋がったワイヤ若しくはリンクチェーンと、
    前記ワイヤ若しくは前記リンクチェーンを巻き付けて回転自在な巻胴と、
    前記巻胴を回転駆動するモータと、
    前記モータ及び前記巻胴の少なくとも1つに連結して設けられ前記モータ若しくは前記巻胴の回転角値を出力する回転角検出部と、
    前記巻胴に発生するトルクを計測してトルク計測値を出力するトルク計測部と、
    前記荷役物の荷重未満の所定の外力が前記荷役物若しくは前記吊り下げ部へ印加されることによって前記荷役物が停止したバランス状態に保たれるように、前記トルク計測値に基づいて前記モータの動作を制御する制御部と、
    前記制御部と有線若しくは無線で繋がって操作の入力手段を有する操作入力部と、
    を備える荷役助力装置の制御方法であって、
    前記吊り下げ部に前記荷役物を接続していない状態で、前記所定の外力の印加時に前記吊り下げ部を停止したバランス状態にするトルク値を荷役物無しトルク値として演算して、前記巻胴に前記荷役物無しトルク値に基づいたトルクを発生させる荷役物無しバランス工程と、 前記操作入力部から登録の指令が入力されると、前記荷役物を前記吊り下げ部に吊り下げた際の荷重を前記トルク計測部によって計測して荷重データ値として記憶する登録工程と、
    前記操作入力部から指定の指令が入力されると、前記登録工程によって登録された前記荷役物の前記荷重データ値を指定して読み出し、前記荷役物の前記荷重データ値を基に前記所定の外力の印加によって前記荷役物を停止したバランス状態にする第1の目標トルク値を演算し、前記巻胴に第1の目標トルク値へ段階的にトルクを発生させる指定荷役物バランス移行工程と、
    前記指定荷役物バランス移行工程が完了後、前記所定の外力の印加によって前記荷役物を停止したバランス状態にする第2の目標トルク値を演算して前記巻胴に第2の目標トルク値へ段階的にトルクを発生させる指定荷役物バランス工程と、
    前記操作入力部から開放の指令が入力されると、前記指定荷役物バランス工程から前記荷役物無しバランス工程へ移行させる荷役物開放工程と、
    を有することを特徴とする荷役助力装置の制御方法。
  9. 前記巻胴に加わる荷重に応じて、前記吊り下げ部若しくは前記吊り下げ部に吊り下げられた前記荷役物へ加わる外力によって生じる移動の速度及び加速度の少なくとも1つを制限するように随時前記モータに指令する制限工程を有することを特徴とする請求項8に記載の荷役助力装置の制御方法。
  10. 前記制御部が、前記荷役物無しバランス工程及び前記指定荷役物バランス工程の少なくとも1つにおいて、前記所定の外力未満の外力が印加された前記吊り下げ部を上昇若しくは下降させるように、前記モータへ指令を行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の荷役助力装置の制御方法。
  11. 前記制御部が、前記荷役物無しバランス工程及び前記指定荷役物バランス工程の少なくとも1つにおいて、前記所定の外力未満の前記荷役物若しくは前記吊り下げ部への外力が印加された際に、前記荷役物若しくは前記吊り下げ部の上下動の速度及び力の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項10に記載の荷役助力装置の制御方法。
  12. 前記操作入力部からの指令に基づき、前記所定の外力未満の前記荷役物若しくは前記吊り下げ部への外力が印加された際に、前記荷役物若しくは前記吊り下げ部の上下動の方向、速度及び力の少なくとも1つを随時変更する変更工程を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の荷役助力装置の制御方法。
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