JP6713747B2 - 抵抗体ペースト組成物およびこれを用いた発熱抵抗体 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック基板上に形成される抵抗体を得るために用いられる抵抗体ペースト組成物およびこれを用いた発熱抵抗体に関する。
従来、セラミック基板上に発熱抵抗体等の抵抗体を形成する方法の一例として、抵抗体ペースト組成物をセラミック基板上に塗布して焼結およびメタライズする手法が知られている。
代表的な抵抗体ペースト組成物としては、例えば特許文献1〜3に開示されるような、Pt,Au,Pd,Ag,Rh等の貴金属およびその混合物をペースト化したもの、あるいは、特許文献4または5に開示されるような、W,Mo等の金属もしくはWO2 等をペースト化したもの等が挙げられる。前者の抵抗体ペースト組成物では、抵抗体を得るために大気雰囲気中で焼成し、後者の抵抗体ペースト組成物では、抵抗体を得るために窒素雰囲気中で焼成する。
特開昭62−44971号公報 特公平3−50397号公報 特開2003−197351号公報 特開平4−325462号公報 特開平10−249842号公報
しかしながら、これら従来の抵抗体ペースト組成物においては、用いられる金属が高価であるため、製造コストを有効に低減できない上に、得られる抵抗体において、その抵抗値を制御可能な範囲が限定される。
例えば、特許文献1〜3に開示される抵抗体ペースト組成物では、得ようとする抵抗体において、Pt,Au,Pd,Ag,Rh等の貴金属が有する抵抗値以上の抵抗値を実現するためには、アルミナ等のセラミック粉末またはガラス粉末等を配合している。つまり、これら特許文献に開示される技術では、セラミック粉末またはガラス粉末等は不導体(絶縁体)成分であるため、このような不導体成分の絶縁性を利用することにより、抵抗体ペースト組成物の抵抗値を高く調節している。そのため、得られる抵抗体において数mΩ・cm以上の比較的高い抵抗値を実現しようとしても、抵抗値のばらつきが大きくなる。それゆえ、抵抗値を所望の範囲に調節することが難しくなる。
また、特許文献4または5に開示される抵抗体ペースト組成物においても、前記特許文献1〜3と同様に、不導体成分であるセラミック粉末またはガラス粉末を配合しているため、得られる抵抗体において比較的高い抵抗値のばらつきが大きくなる。しかも、これら抵抗体ペースト組成物では、大気雰囲気中ではなく窒素雰囲気中で焼成する必要がある。そのため、焼成炉に対して、窒素雰囲気の純度に応じた気密性が要求されるので、大気雰囲気での焼成に比べて、製造コストの増加を招くおそれがある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、製造コストを有効に抑制しつつ、相対的に高い抵抗値のばらつきを小さくすることが可能な抵抗体ペースト組成物と、これを用いて得られる発熱抵抗体とを提供することを目的とする。
本発明に係る抵抗体ペースト組成物は、前記の課題を解決するために、(I)アルミニウム粉末、(II)シリコン粉末、(III)ガラスフリット、(IV)有機ビヒクルを含有する抵抗体ペースト組成物であって、前記(I)アルミニウム粉末および前記(II)シリコン粉末の総重量中における前記(II)シリコン粉末の重量比が1〜90重量%の範囲内であり、全固形分中の前記(III)ガラスフリットの含有量が1〜50重量%の範囲内である構成である。
前記構成によれば、従来用いられていた高価な金属成分を用いずに、安価なアルミニウム粉末およびシリコン粉末を用いることにより、得られる抵抗体において10μΩ・cm〜10kΩ・cmという広い範囲で抵抗値を調節することができる。しかも、前記構成によれば、従来のように、相対的に高い抵抗値を実現するために不導体(絶縁体)成分の絶縁性を利用していない。それゆえ、得られる抵抗体において、その抵抗値の調節を広い範囲で容易に実現できるとともに、所望の抵抗値を、ばらつきが少なく安定的に調節することができる。
前記構成の抵抗体ペースト組成物においては、前記(I)アルミニウム粉末の平均粒径は、0.5〜20μmの範囲内であってもよい。
また、前記構成の抵抗体ペースト組成物においては、前記(II)シリコン粉末の平均粒径は、20μm以下であってもよい。
さらに、本発明には前記構成の抵抗体ペースト組成物を用いて得られる抵抗体も含まれる。具体的には、前記構成の抵抗体ペースト組成物を、セラミック基板上に塗布した後、大気雰囲気中で650〜1,200℃の温度範囲で焼成して得られる、発熱抵抗体が挙げられる。
本発明では、以上の構成により、製造コストを有効に抑制しつつ、相対的に高い抵抗値のばらつきを小さくすることが可能な抵抗体ペースト組成物と、これを用いて得られる発熱抵抗体とを提供することができる、という効果を奏する。
本発明の実施例および比較例において発熱抵抗体の抵抗値の測定および評価に用いられる抵抗体パターンの構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施例および比較例の結果である、発熱抵抗体の固有抵抗値と抵抗値調節成分の重量比との関係を示すグラフである。 本発明の実施例の結果である、発熱抵抗体の固有抵抗値とシリコン成分の重量比とガラス成分の重量比との関係を示すグラフである。
本発明に係る抵抗体ペースト組成物は、(I)アルミニウム粉末、(II)シリコン粉末、(III)ガラスフリット、(IV)有機ビヒクルを含有している。これら各成分のうち、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の総重量中における(II)シリコン粉末の重量比は1〜90重量%の範囲内であり、全固形分中の前記(III)ガラスフリットの含有量は1〜50重量%の範囲内である。また、本発明に係る発熱抵抗体は、前記構成の抵抗体ペースト組成物を、セラミック基板上に塗布した後、大気雰囲気中で650〜1,200℃の温度範囲で焼成して得られるものである。以下、本発明の代表的な構成について具体的に説明する。
[(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末]
本発明に係る抵抗体ペースト組成物では、得られる抵抗体の抵抗値を調節する成分として、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末を含有している。これら成分は焼成時に合金化することにより、得られる抵抗体の抵抗値を調節する成分(抵抗値調節成分)として寄与する。
本発明で用いられる(I)アルミニウム粉末は、抵抗体ペースト組成物に配合して焼成することにより抵抗体を得ることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。代表的には、アルミニウムを溶融アトマイズ法(溶融したアルミニウム溶湯をアトマイズノズルにより粉砕して吸引する方法)により得られるアトマイズ粉末を好適に用いることができる。
(I)アルミニウム粉末の粒径は特に限定されないが、代表的には、平均粒径が0.5〜20μmの範囲内であればよく、1〜20μmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が小さすぎると、焼成時に酸化の影響が大きくなり、焼成条件によっては抵抗値のばらつきが大きくなるおそれがある。また、平均粒径が大きすぎると、得られる抵抗体ペースト組成物を、後述するように例えばスクリーン印刷で所定のパターンで塗布するときに、印刷しにくくなるおそれがある。さらに、平均粒径が大きすぎると、(I)アルミニウム粉末の比表面積が極端に小さくなるため、(II)シリコン粉末との合金化が進みにくくなるおそれがある。
また、(I)アルミニウム粉末の形状も特に限定されず、球状粉末であってもよいし不定形の粉末であってもよいし、物理的な後加工を施したフレーク状粉末であってもよい。これら形状の(I)アルミニウム粉末は単独で用いられてもよいし複数種が組み合わせて用いられてもよい。
(I)アルミニウム粉末の純度も特に限定されず、エレクトロニクス分野に用いられるような高純度である必要はない。したがって、(I)アルミニウム粉末は、アルミニウム(Al)以外の公知の金属成分等を含有するアルミニウム合金の粉末であってもよい。一般的には、アルミニウムの純度が90%以上の粉末であれば、本発明において(I)アルミニウム粉末として好適に用いることができる。
本発明で用いられる(II)シリコン粉末は、前記(I)アルミニウム粉末と同様に、抵抗体ペースト組成物に配合して焼成することにより、抵抗体を得ることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、(II)シリコン粉末の製法は特に限定されず、公知の粉砕機(ミル)等を用いればよい。また、(II)シリコン粉末の粒径も特に限定されないが、その平均粒径は20μm以下であればよく、10μm以下であればより好ましい。平均粒径の上限が20μmであれば、焼成時に(I)アルミニウム粉末との合金化が進みやすくなる。なお、(II)シリコン粉末の平均粒径の下限については特に限定されない。
(II)シリコン粉末の純度も特に限定されず、半導体分野に用いられるような高純度である必要はない。したがって、(II)シリコン粉末は、シリコン(Si)以外の公知の各種成分を含有する粉末であってもよい。一般的には、シリコンの純度が90%以上の粉末であれば、本発明において(II)シリコン粉末として好適に用いることができる。
本発明においては、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比は、重量比で(I)/(II)=99/1〜10/90の範囲内であればよい。言い換えれば、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の総重量中における(II)シリコン粉末の重量比(便宜上「Si比率」とする。)は、1〜90重量%の範囲内であればよい。
Si比率が1重量%未満である(すなわち(I)/(II)<99/1である)と、(II)シリコン粉末の配合量が少なすぎるため、得られる抵抗体においてアルミニウムの融点付近まで温度が上昇し、アルミニウムの溶融に起因する断線が発生するおそれがある。一方、Si比率が90重量%を超える(すなわち(I)/(II)>10/90)と、抵抗体ペースト組成物を焼成する過程で、アルミニウムとシリコンとが合金化する前にシリコンの酸化が進行し、アルミニウムの焼結が進まないおそれがある。それゆえ、得られる抵抗体において安定した抵抗値を実現できなくなる可能性がある。
[(III)ガラスフリット]
本発明に係る抵抗体ペースト組成物では、前述した(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末に加えて、(III)ガラスフリットが配合されている。この(III)ガラスフリットは、得られる抵抗体の抵抗値を調節するために用いられるのではなく、抵抗体とセラミック基板との間で良好な接着(接合)を得るために用いられる。つまり、(III)ガラスフリットは、抵抗値調節成分ではなく接着成分(接合成分)として、抵抗体ペースト組成物に配合される。
(III)ガラスフリットの具体的な構成は特に限定されず、抵抗体の形成対象となるセラミック基板の種類に応じて、良好な接合性を実現するような組成のものを適宜選択することができる。セラミック基板の材質としては、例えばAl23 ,AlN,Si34 ,SiCまたはガラスセラミック等が挙げられ、これらセラミック基板の材質に合わせて、公知の組成を有する(III)ガラスフリットを適宜選択して用いることができる。
また、(III)ガラスフリットの粒径も特に限定されないが、その平均粒径は10μm以下であることが好ましい。(III)ガラスフリットの粒径が大きすぎる場合には、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末と混合したときの(III)ガラスフリットの分布が不均一になりやすい傾向にある。(III)ガラスフリットの分布が不均一になると、焼成後の抵抗体においてガラス成分の比較的多い部分では、局部的に抵抗値が高くなることから、局部加熱が生じて断線等の現象が起こりやすくなる。また、(III)ガラスフリットの形状等についても特に限定されず、抵抗体ペースト組成物の諸物性を妨げなければ、公知の形状等を適宜選択することができる。
(III)ガラスフリットの配合量(含有量)は、抵抗体ペースト組成物の全固形分中の重量(便宜上「ガラス比率」とする。)が1〜50重量%の範囲内であればよく、3〜30重量%の範囲内が好ましい。なお、本発明において、抵抗体ペースト組成物の全固形分とは、焼成後の抵抗体に残存する固形分を意味し、具体的には、(I)アルミニウム粉末、(II)シリコン粉末および(III)ガラスフリットの合計を意味する。(III)ガラスフリットの含有量が全固形分中で1重量%未満(ガラス比率が1重量%未満)であれば、得られる抵抗体とセラミック基板との間の接着性にばらつきが生じるおそれがある。
一方、(III)ガラスフリットの含有量が全固形分中で50重量%を超える(ガラス比率が50重量%超である)と、得られる抵抗体中において(III)ガラスフリットに由来するガラス成分の体積分率が大きくなる。これにより、抵抗体におけるアルミニウム成分同士((I)アルミニウム粉末に由来)、または、アルミニウム成分((I)アルミニウム粉末に由来)およびシリコン成分((II)シリコン粉末に由来)との接触確率が非常に小さくなり、抵抗体の抵抗値のばらつきが大きくなったり導通が得られなかったりするおそれがある。
なお、ガラス比率が1〜50重量%の範囲内であれば、得られる抵抗体とセラミック基板との間の接着性も抵抗体の抵抗値も良好なものとなるが、特に3〜30重量%の範囲内となれば、接着強度をより良好なものにできるとともに、抵抗体の抵抗値をより良好に調節しやすくすることが可能となる。それゆえ、ガラス比率のより好ましい範囲内としては、3〜30重量%を採用することができる。
[(IV)有機ビヒクルおよび抵抗体ペースト組成物]
本発明に係る抵抗体ペースト組成物では、前述した(I)アルミニウム粉末、(II)シリコン粉末、および(III)ガラスフリットに加えて、(IV)有機ビヒクルが配合されている。
(IV)有機ビヒクルに用いられる有機バインダは、抵抗体ペースト組成物の分野で公知の樹脂を好適に用いることができる。具体的な有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、脂肪族系石油樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、キシレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイソブチル系樹脂等が挙げられるが、特に限定されない。これら有機バインダは1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせてもよい。
また、(IV)有機ビヒクルに用いられる溶剤は、本発明に係る抵抗体ペースト組成物の各種物性を妨げない範囲で、例えば、粘度または流動性等の物性を調整するために用いることができる。溶剤の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類;トルエン等の芳香族系炭化水素類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート等のグリコールエーテル(セロソルブ)類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)等のグリコールエーテル類;ブチルジグリコールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類の酢酸エステル;ジアセトンアルコール、ターピネオール、ベンジルアルコール等のアルコール類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;DBE、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートなどのエステル類;等を挙げることができる。これら溶剤は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(IV)有機ビヒクルは、前述した有機バインダに前述した溶剤を混合したものであればよい。(IV)有機ビヒクルの抵抗体ペースト組成物に対する配合量(含有量、含有率)は特に限定されない。一般的には、例えば、抵抗体ペースト組成物全体に対して0.05〜30重量%の範囲内を挙げることができる。この範囲内であれば、通常、セラミック基板表面に対する良好な印刷性と、印刷したパターンを良好に保持する形状保持性を実現することができる。ただし、抵抗体ペースト組成物を構成する各成分の種類、あるいは、(IV)有機ビヒクルそのものの種類等に応じて、前記の範囲から外れた配合量で(IV)有機ビヒクルを配合することができる。
本発明に係る抵抗体ペースト組成物の製造方法は特に限定されず、抵抗体ペースト組成物の分野で公知の方法を好適に用いることができる。代表的な一例としては、前述した各成分を所定の配合割合(重量比)で配合し、公知の混練装置を用いてペースト化する方法が挙げられる。混練装置としては、例えば、3本ロールミル等を挙げることができる。なお、遊星式攪拌機等を用いて各成分を混練前に予備混合してもよい。
なお、本発明に係る抵抗体ペースト組成物においては、必要に応じて、前述した各成分((I)アルミニウム粉末、(II)シリコン粉末、(III)ガラスフリット、および(IV)有機ビヒクル以外に、抵抗体ペースト組成物の分野で公知の各種成分、例えば公知の添加剤等を含有してもよい。このような添加剤の具体的な種類は特に限定されず、また、添加剤の配合量は、抵抗体ペースト組成物の諸物性および得られる抵抗体の物性等を妨げない範囲において添加することができる。
また、本実施の形態では、前述したように、(I)アルミニウム粉末の平均粒径は1μm以上20μm以下であることが好ましく、(II)シリコン粉末の平均粒径は20μm以下であることが好ましく、(III)ガラスフリットの平均粒径は10μm以下であることが好ましい。しかしながら、前述したように、これら各成分の平均粒径は前記の数値範囲に限定されるものではない。
本発明においては、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末が合金化して抵抗値調節成分として寄与し、(III)ガラスフリットは接着成分として寄与すればよく、前記の平均粒径は、(I)〜(III)の各成分が抵抗値調節成分または接着成分として寄与する上で好適な範囲の代表例として例示されるものである。それゆえ、得られる抵抗体に求められる特性、抵抗体ペースト組成物の印刷方法、(I)〜(III)成分として採用される粉末(粒子)の種類等といった諸条件に応じて、前記の範囲とは異なる平均粒径の粉末を(I)〜(III)成分として採用することが可能である。
[抵抗体およびその形成方法]
本発明に係る抵抗体ペースト組成物は、各種抵抗体を製造する分野に好適に用いることができる。抵抗体の具体的な種類は特に限定されないが、代表的には、ヒータモジュール等の発熱抵抗体を挙げることができる。このような発熱抵抗体は、本発明に係る抵抗体ペースト組成物をセラミック基板上に所定のパターンで塗布し、大気雰囲気中で所定の温度で焼成することにより得られる。抵抗体ペースト組成物の塗布対象となるセラミック基板の具体的な構成は特に限定されず、公知のものを好適に用いることができる。具体的には、例えば、アルミナ(Al23 )基板、窒化アルミニウム(AlN)基板、窒化ケイ素(Si34 )基板、炭化ケイ素(SiC)基板等が挙げられるが特に限定されない。
セラミック基板の表面に抵抗体ペースト組成物を塗布する方法も特に限定されず、公知の種々の形成方法を好適に用いることができる。代表的には、後述する実施例に示すように、スクリーン印刷法が挙げられ、グラビア印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、ディスペンサー法、ディップ法等の印刷法も適用することができる。
抵抗体ペースト組成物が塗布されたセラミック基板は、大気雰囲気中で所定の温度範囲で焼成される。特に本発明では、抵抗体ペースト組成物において、抵抗値を調節するための無機成分が、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末であるため、焼成時の雰囲気を窒素等の特定ガス雰囲気とする必要がない。また、具体的な焼成温度は特に限定されないが、例えば、650〜1,200℃の温度範囲を挙げることができる。
このように、本発明においては、抵抗体を得るための抵抗体ペースト組成物において、抵抗値の調節に寄与する無機成分として、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末を用いるとともに、これら無機成分中の(II)シリコン粉末の重量比であるSi比率を1〜90重量%の範囲内に設定し、全固形分中の(III)ガラスフリットの含有量であるガラス比率を1〜50重量%の範囲内に設定している。
これにより、従来用いられていた高価な金属成分を用いずに、安価なアルミニウム粉末およびシリコン粉末を用いることにより、得られる抵抗体において10μΩ・cm〜10kΩ・cmという広い範囲で抵抗値を調節することができる。しかも、前記構成によれば、従来のように、相対的に高い抵抗値を実現するために不導体(絶縁体)成分の絶縁性を利用していない。それゆえ、得られる抵抗体において、その抵抗値の調節を広い範囲で容易に実現できるとともに、所望の抵抗値を、ばらつきが少なく安定的に調節することができる。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例および比較例における発熱抵抗体の抵抗値の測定および評価は次に示すようにして行った。
(発熱抵抗体の抵抗値の測定および評価)
各実施例または比較例で得られた抵抗値評価用サンプルに形成される図1に示す抵抗体パターン10の抵抗値R(単位:Ω)をデジタルマルチメータ(株式会社アドバンテスト製、製品番号R6551)により測定した。なお、抵抗体パターン10は、図1に示すように、両端に端子11aおよび11bを有し配線部分12がつづら折り状となっている。配線部分12のライン幅は500μmであり、ライン長は37.5mmであり、アスペクト比は75である。
また、抵抗体パターン10の膜厚t(単位:μm)を触針式表面粗さ計(株式会社東京精密製、製品名Surfcom480)により測定した。そして、下記式(1)に基づいて抵抗値評価用サンプルの体積固有抵抗値Rv(単位:μΩ・cm)を算出して、発熱抵抗体の抵抗値を評価した。
Rv=(R/75)×t×100 ・・・ (1)
(体積固有抵抗値と抵抗値調節成分の比率との関係の評価)
前述した測定および評価により算出された、実施例または比較例における体積固有抵抗値を、抵抗値調節成分の比率に応じて図2または図3に示すようにグラフにプロットした。なお、図2では、縦軸が体積固有抵抗値(単位:μΩ・cm)であり、横軸が抵抗値調節成比(重量%)である。また、図3では、縦軸が体積固有抵抗値(単位:μΩ・cm)であり、横軸がSi比率(重量%)であり、ガラス比率の数値別に異なるシンボルで図示している。それぞれシンボルが示す結果については後述する。
なお、実施例では、抵抗値調節成分が(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末であり、(III)ガラスフリットは接着成分であるので、図2における抵抗値調節成分比は前述したSi比率となる。一方、比較例では、抵抗値調節成分として(II)シリコン粉末を含まず、(III)ガラスフリットが抵抗値調節成分として機能する場合には、図2における抵抗値調節成分比は、抵抗値接着成分中のガラス比率となる。このガラス比率は、前述した(III)ガラスフリットのガラス比率(抵抗体ペースト組成物の全固形分中の(III)ガラスフリットの重量)とは異なる。
(実施例1)
(I)アルミニウム粉末としてhtmジャパン株式会社製の製品番号15CTを、(II)シリコン粉末として株式会社高純度化学研究所製の平均粒径5μmのものを、(III)ガラスフリットとして日本電気硝子株式会社製の製品番号GA−12を、(IV)有機ビヒクルとして、ダウケミカル社(The DOW Chemical Company)製のエチルセルロース(製品番号SD−100)をテルピネオール8重量%溶液としたものを、表1に示す組成で配合し、遊星式攪拌機により予備混合した後に、3本ロールミルにて混練することにより、実施例1に係る抵抗体ペースト組成物を得た。
セラミック基板としてアルミナ基板(96%Al23 基板)を用いた。このアルミナ基板の表面に、得られた抵抗体ペースト組成物を用いて、図1に示す抵抗体パターン10をスクリーン印刷した。このアルミナ基板を150℃で5分間乾燥した後に、ベルト式連続焼成炉により、表1に示すように焼成温度850℃で焼成した。これにより、実施例1に係る発熱抵抗体としての抵抗値評価用サンプルを作製した。得られた抵抗値評価用サンプルについて、前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表1に示す。また、図2に示すように、算出した体積固有抵抗値をSi比率に応じてグラフにプロットした。さらに、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(実施例2〜5)
表1に示すようなSi比率となるように、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれに前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表1に示す。また、図2に示すように、算出した体積固有抵抗値を抵抗値調節成分比(Si比率)に応じてグラフにプロットした。さらに、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(実施例6〜9)
表1または表2に示すようなSi比率となるように、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更するとともに、焼成温度を850℃から1150℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6〜9の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表1または表2に示す。また、図2に示すように、算出した体積固有抵抗値を抵抗値調節成分比(Si比率)に応じてグラフにプロットした。さらに、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(実施例10〜13)
表2または表3に示すようなSi比率となるように、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更するとともに、ガラス比率が7.35%から3.5%となるように(III)ガラスフリットの配合量を変更し、さらに、焼成温度を1000℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例10〜13の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表2または表3に示す。また、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(実施例14〜17)
表2または表3に示すようなSi比率となるように、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更するとともに、ガラス比率が15%となるように(III)ガラスフリットの配合量を変更し、さらに、焼成温度を750℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例14〜17の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表3に示す。また、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(実施例18〜21)
表3または表4に示すようなSi比率となるように、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更するとともに、ガラス比率が30%となるように(III)ガラスフリットの配合量を変更し、さらに、焼成温度を650℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例18〜21の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表3または表4に示す。また、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(実施例22〜24)
表4に示すようなガラス比率となるように、(III)ガラスフリットの配合量を変更するとともに、Si比率が25%となるように(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例22〜24の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表4に示す。また、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(実施例25〜29)
表5に示すようなSi比率となるように、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更するとともに、ガラス比率が8.19%となるように(III)ガラスフリットの配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例25〜29の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表5に示す。また、図2に示すように、算出した体積固有抵抗値をSi比率に応じてグラフにプロットした。さらに、図3に示すように、算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした。
(比較例1〜9)
表6または表7に示すようなガラス比率となるように(III)ガラスフリットの配合量を変更するとともに、(II)シリコン粉末を配合せずに(I)アルミニウム粉末を表6または表7に示すように配合した以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜9の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表6または表7に示す。また、図2に示すように、算出した体積固有抵抗値を抵抗値調節成分比((I)アルミニウム粉末および(III)ガラスフリットの総重量における(III)ガラスフリットの重量比)に応じてグラフにプロットした。
(比較例10〜16)
表7または表8に示すようなガラス比率となるように(III)ガラスフリットの配合量を変更するとともに、(I)アルミニウム粉末に代えて銀/パラジウム共沈粉末(テクニックインク製、Ag/Pd=60/40品)を用いて、表7または表8に示すように、銀/パラジウム共沈粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更した以外(比較例10は(II)シリコン粉末を配合しない)は、実施例1と同様にして、比較例10〜16の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表7または表8に示す。また、図2に示すように、算出した体積固有抵抗値を抵抗値調節成分比(銀/パラジウム共沈粉末および(III)ガラスフリットの総重量中における(III)ガラスフリットの重量比)に応じてグラフにプロットした。
(比較例17,18)
表8に示すようなガラス比率となるように、(III)ガラスフリットの配合量を変更するとともに、Si比率が25%となるように(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例17,18の抵抗体ペースト組成物および抵抗値評価用サンプルを得た。得られた抵抗値評価用サンプルについて、それぞれ前述したようにして体積固有抵抗値を算出した。その結果を表8に示す。
(実施例および比較例の対比)
前記実施例1〜29の結果から明らかなように、抵抗値の調節に寄与する無機成分が(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末であって、ガラス比率を所定範囲内とすれば、これら無機成分の組成を調節することにより、得られる発熱抵抗体において広い範囲で抵抗値を良好に調節することができる。特に、無機成分として高価な貴金属等を用いておらず、また焼成時の雰囲気が大気雰囲気であるため、製造コストを有効に抑制することができる。
これに対して、比較例1〜9のように、(II)シリコン粉末を用いずに、(III)ガラスフリットを抵抗値の調節に寄与する無機成分として用いたり、比較例10〜16のように、(I)アルミニウム粉末に代えて銀/パラジウム共沈粉末を用いたりすれば、得られる発熱抵抗体において特に相対的に高い抵抗値の調節が難しくなる。また、実施例22〜24と比較例17および18の対比からも明らかなように、ガラス比率が1重量%を下回ったり50重量%を超えたりすると、良好な抵抗体を得ることが困難となる。
また、前述したように、図2には、実施例1〜9および25〜29(無機成分がAl−Si系)の発熱抵抗体の体積固有抵抗値と、比較例1〜8(無機成分がAl−ガラス系)の発熱抵抗体の体積固有抵抗値と、比較例10〜15(無機成分がAg/Pd−ガラス系)の発熱抵抗体の体積固有抵抗値と、をそれぞれグラフにプロットした結果を示している。
なお、図2では、実施例1〜9および25〜29の結果を黒円のシンボルおよび実線で、比較例1〜8の結果を正方形のシンボルおよび破線で、比較例10〜15の結果を三角形のシンボルおよび一点差線で示す。また、比較例9および16については、表7または表8に示すように、得られた抵抗体が導通せず、体積固有抵抗値を算出できなかったため、図2にはプロットされていない。
図2に示す結果から明らかなように、ガラスフリットのような不導体(絶縁体)の配合により抵抗値の調節を図ろうとすると、比較例1〜16の結果に示すように、103 〜104 μΩ・cm以上の抵抗値は、無機成分の組成の変化に応じて急峻に変化する。それゆえ、無機成分の組成の調節により目的の抵抗値を実現しようとしても、得られる発熱抵抗体の抵抗値にばらつきが生じやすくなり、抵抗値の調節が非常に難しくなる。
これに対して、本発明では、実施例1〜9および実施例25〜29の結果から明らかなように、103 〜104 μΩ・cm以上の抵抗値であっても、無機成分の組成の変化に応じて緩やかに変化している。それゆえ、本発明によれば、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変化させすることで、広い抵抗値の範囲において所望の抵抗値を容易に調節することが可能となる。その結果、得られる発熱抵抗体において、所望の抵抗値をばらつきが少なく安定的に調節することができる。
特に、実施例1〜9および実施例25〜29と比較例1〜9との対比から、(II)シリコン粉末を含まずに(I)アルミニウム粉末および(III)ガラスフリットを含む組成では、(III)ガラスフリットが抵抗値調節成分として寄与するため、図2に示すように、組成変化に応じて抵抗値が急峻に変化すると考えられる。これに対して、同様に(III)ガラスフリットを含むとしても、本発明の実施例1〜29では、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末が抵抗値調節成分として寄与し、(III)ガラスフリットは接着成分として寄与すると考えられるため、組成変化に応じても抵抗値の変化は緩やかになっていると判断される。
さらに、前述したように、図3には、実施例1〜29で算出した体積固有抵抗値を、ガラス比率の数値別に異なるシンボルでSi比率に応じてグラフにプロットした結果を示している。なお、図3では、黒菱型のシンボルでガラス比率1.45%の結果(実施例22)を示し、白菱型のシンボルでガラス比率2.17%の結果(実施例23)を示し、黒三角形のシンボルでガラス比率3.5%の結果(実施例10〜13)を示し、白三角形のシンボルでガラス比率7.35%の結果(実施例1〜9)を示し、黒円のシンボルでガラス比率8.19%の結果(実施例25〜29)を示し、白円のシンボルでガラス比率15%の結果(実施例14〜17)を示し、黒正方形のシンボルでガラス比率30%の結果(実施例18〜21)を示し、白正方形のシンボルでガラス比率47.47%の結果(実施例24)を示す。
図3のグラフは、図2と同様に、抵抗値調節成分の比率であるSi比率の増加に応じて、体積固有抵抗値も緩やかに変化(上昇)する曲線を描いている。つまり、ガラス比率に関わらず、Si比率の変化に応じて抵抗値も緩やかに変化することになる。それゆえ、本発明によれば、ガラス比率を適宜設定した上で、(I)アルミニウム粉末および(II)シリコン粉末の配合比を変化させすることで、広い抵抗値の範囲において所望の抵抗値を容易に調節することが可能となる。その結果、得られる発熱抵抗体において、所望の抵抗値をばらつきが少なく安定的に調節することができる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、発熱抵抗体に代表される、抵抗体ペースト組成物を用いて得られる各種の抵抗体の分野に広く好適に用いることができる。
10 抵抗体パターン
11a,11b 端子
12 配線部分

Claims (4)

  1. (I)アルミニウム粉末、(II)シリコン粉末、(III)ガラスフリット、(IV)有機ビヒクルを含有する抵抗体ペースト組成物であって、硼素粉末を含有せず、
    前記(I)アルミニウム粉末および前記(II)シリコン粉末は、焼成時に合金化することにより、得られる抵抗体の抵抗値を調節する抵抗値調節成分であるとともに、前記(I)アルミニウム粉末および前記(II)シリコン粉末の総重量中における前記(II)シリコン粉末の重量比が1〜90重量%の範囲内であり、
    前記(III)ガラスフリットは、テルルおよび鉛を含有しないものであるとともに、全固形分中の前記(III)ガラスフリットの含有量が1〜50重量%の範囲内であることを特徴とする、
    抵抗体ペースト組成物。
  2. 前記(I)アルミニウム粉末の平均粒径は、0.5〜20μmの範囲内であることを特徴とする、
    請求項1に記載の抵抗体ペースト組成物。
  3. 前記(II)シリコン粉末の平均粒径は、20μm以下であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の抵抗体ペースト組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の抵抗体ペースト組成物を、セラミック基板上に塗布した後、大気雰囲気中で650〜1,200℃の温度範囲で焼成して得られることを特徴とする、
    発熱抵抗体。
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