JP6713412B2 - 哺乳類筋肉由来の幹細胞 - Google Patents

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Description

本発明は、筋組織由来の哺乳類幹細胞の産生及び損傷組織の治療におけるこのような幹細胞の利用に関する。より具体的には、本発明は、哺乳類筋組織由来の間充織幹細胞(MSC)の産生及び損傷組織の治療におけるこのような幹細胞の獣医学的使用を提供する。
ウマの医学等の獣医学における幹細胞の使用は、損傷組織の最適な再生を促進することにより幅広い治療機会を切り開く。確かに、腱炎及び骨関節炎は、ウマの医学において非常によくある病状であり、残念ながら予後不良を有する。実際、筋骨格損傷は、競争馬で最も一般的な損傷の原因である。(ほとんどの)成体組織が何らかの組織特異的前駆細胞を有することはよく知られているが、多くの場合、効果的な修復には十分ではないことが多い。このように、効果的な再生医療には、通常、組織内に存在する細胞より多数の細胞の外からの入力が必要とされる。これらの細胞は、治癒プロセスを調整するのと同様に損傷を修復可能とするべきである。
現在のウマの獣医学診療において、最も一般に利用されている幹細胞は、ホウォートンゼリーMSC(Schnabel他、2013、lacono他、2012)と同様に、成体骨髄由来及び脂肪組織由来の間充織幹細胞(MSC)である。骨髄穿刺液は、一般的に胸骨(髄空間3−5)又は腸骨から収集され(Adams他、2012)、脂肪組織は、一般に尾根領域から収集される(Gutierrez−Nibeyro、201 1)。ホウォートンゼリーは、臍帯から分離される(lacono他、2012)。これらの抽出法は非常に侵襲的であり、多くの場合、競争馬の所有者に理解されず、何らかの感染症を引き起こす可能性がある。
獣医学研究にとっての2番目の欠点は、市販の特異抗体の不足である。このため、ヒト抗体を利用する必要があり、ウマのような動物におけるこれらの交差反応を検査する必要がある。一例として、たった4%のヒト抗体が、同等のウマのタンパク質と反応する。有効な免疫表現型検査のためには、さらに非特異的抗体反応を除くための制御アイソタイプ及び、たとえばウマにおける交差反応を確認するための陽性の制御細胞の適正使用を必要とする。従って、市販の動物又はウマの幹細胞の品質を確保する標準の仕様又はマーカーは存在しない。とは言っても、いくつかの研究グループは、骨髄、脂肪組織、臍帯、臍帯血、ホウォートンゼリー、末梢血、及び、つい最近では骨膜組織及び筋肉(Radtke他、2013)のような、様々な動物起源から効果的に間充織幹細胞(MSC)のキャラクタリゼーションを行おうとしている。Radtkeと共働者は、この点に関し、ウマの筋肉由来の間充織幹細胞(MSC)の生成に関するプロセスにおいて、大量の筋肉バイオプシー(重さ6g)はウマの死体から採取すると報告した。この方法は、従って非常に侵襲的であり、生きている競争馬に対しては有用でない。第二に、取得される幹細胞は、酵素消化技術を用いてバイオプシーから分離されるが、酵素消化技術は可能性が限られる。第三に、Radtkeと共働者のプロセスにより得られる細胞は、CD90及びCD44には陽性だが、CD45、CD34、CD146、及びCD105には陰性である。このCD105に対する陰性は、Radtke他、2013により、ウマの間充織幹細胞(MSC)において一般的であるとして報告された。
上記から、最小の侵襲的試みを伴うウマ等の哺乳類からの間充織幹細胞(MSC)の産生のためには、新しい方法が必要とされているのは明白である。
要約すれば、再生医療において利用される幹細胞は、多量に存在し、最小限の侵襲的手順により採取、収集でき、再現可能な方法で多数の細胞系統経路に沿って分化でき、安全で効果的に自己、同種異系、又は異種のいずれかで移植される必要がある。実際、これらの基準は、現在の獣医学再生医療では満たされていない。
本発明は、そのため、マイクロバイオプシーから哺乳類由来の多能性間充織幹細胞(MSC)を生成する新しいプロセスを提供する。非侵襲的な筋肉マイクロバイオプシー(10−20mg)は、培養を開始するため、ウマの筋組織からなど、生きている動物で収集され、培養され、外植片として利用される。外植片から発現した細胞は、(不連続の)密度勾配で遠心分離され、多能性細胞の割合が最大である培養された細胞集団の一部が選ばれた。免疫表現型検査及び三血球系分化は、予想外にも、密度勾配遠心分離により選ばれた細胞集団が間充織幹細胞(MSC)であり、適切な分化培地において培養された場合、脂肪細胞、骨細胞、及び軟骨細胞に分化できることが判明したことを示した。
本発明の間充織幹細胞(MSC)は、CD44、CD90、及びCD105に陽性で、CD45、MHCII、及びCD29に陰性である。これは、CD105陰性と報告されたRadtke他、2013により得られた幹細胞と対照的である。幹細胞に対するISCT推奨事項(Dominici他、2006)を考慮すると、本明細書で得られるMSC集団は、CD90、CD105、及びCD44に高度に陽性で、CD45、MHCII、及び予想外にCD29に陰性であるため、多能性幹細胞として効果的に分類できる。
本発明のMSCは、さらに、miR−128、miR−133B、及びmiR−802に陽性、miR−218にわずかに陽性、及びmiR−656に陰性である。これは、ホウォートンゼリーMSC又は骨髄MSC等、当技術分野の他のMSCと対照的である。ホウォートンゼリーMSCは、miR−128、miR−133B、miR−218、及びmiR−802に陰性で、miR−656に陽性である。骨髄MSCは、miR−218及びmiR−802に陽性で、miR−128、miR−133B、及びmiR−656に陰性である(例セクション参照)。従って、本発明のMSCと当技術分野で開示されたMSCの性質には、明らかな違いが存在する。
さらに、これらの細胞は、その多能性を失うことなく複数の凍結融解サイクルをサポートする。
本発明は、従って、文献にすでに記載されている方法より効果的で、有望な代替を提供し、初めて、その最小限の侵襲的性質によりウマ等の生きている動物での実施の可能性を提供する。
これに加えて、細胞培養は、これまで利用された酵素消化技術(Radtke他、2013)より簡単な方法で開始される。このため、筋肉マイクロバイオプシーは、外植片として利用され、前駆細胞はそのうちに自然発生的に出現する。そうすることにより、操作回数が減り、汚染の潜在源を避けることになる。外部の成長因子の追加が不要なのは、筋肉マイクロバイオプシー(外植片)により自然に分泌される成長因子で十分なためである。
筋肉由来の細胞は、異なる系統及び異なる発達段階を形成する亜集団の混合物である。これらの密度に基づき、これらの特異的分子マーカーの発現に関連し、(不連続の)密度勾配の結果、発明の方法によれば、筋肉外植片から多能性間充織幹細胞の3つの実質的に純粋な亜集団を選択することができる。
3つの亜集団は全て、CD44陽性である>90%の細胞を備える。CD90に関し、発現率は25−35%分画では36%、<15%分画では48%、及び15−25%分画では73%である。CD105に関し、発現率は、3つの集団において85〜95%の間で変化する。3つの集団は、また、異なるCFU−F及び増殖性質を示す(例セクション参照)。
これに加えて、前記間充織幹細胞(MSC)は培養で線維芽細胞に似たコロニーを形成することができることが示された。さらに、他の間充織幹細胞源で通常観察されるものと異なり、前記細胞は、また、脂肪細胞、軟骨細胞、及び骨細胞に分化でき、その多能性を失うことなく複数の凍結融解サイクルをサポートできる。
動物の筋肉由来の間充織幹細胞(MSC)を生成するための低侵襲的プロセスを提供しようとして、本発明者は、筋肉マイクロバイオプシーの結合、外植片の培養、さらに、(不連続の)密度勾配遠心分離により外植片から出現した細胞の濃縮により、予想外にMSC細胞が生成されることを発見した。培養中に自然発生的に外植片から発現し、さらに勾配遠心分離により濃縮され、新たに生成された細胞が間充織幹細胞(MSC)であったことは完全に予想外であった。
発明のプロセスは、酵素消化工程がなくても、非常に小さいバイオプシー(マイクロバイオプシー)からの多量の間充織幹細胞(MSC)の生成を可能にする。酵素消化後の培養のために必要な組織の量は約1〜5gであると発表した、Freshney、R.I.他、2005(動物細胞の培養:基本技術マニュアル第5版、Wiley、New York)で確認されているように、このような酵素消化工程は、どんな場合でもマイクロバイオプシーに適用することは不可能である。
本発明に従った方法により得られるMSCは、CD105を発現する。CD105は、関節/関節レベルにおける血管形成及び成長誘導のような様々な重要な生物学的機能を持つTGF beta1錯体の要素である。軟骨におけるTGFベータシグナル伝達の包括的レビューは、Finnson KW他、2012(Front Biosci(Schol Ed).Jan 1;4:251−68)を参照のこと。TGF beta1は、軟骨基質合成と同様に軟骨細胞分割を刺激する。これは、多血小板血漿、すなわち血小板で濃縮された血漿(PRP)のような、血小板派生物において、さらに発見された(Lubkowska A他、2012、J Biol Regul Homeost Agents.Apr−Jun;26(2 Suppl 1):3S−22S)。自己血小板の濃縮源として、PRPは、いくつかの異なる成長因子と、骨及び軟組織の治癒を刺激する他のサイトカインを含む(及び、脱顆粒を経由して解放する)。さらにTGF beta1は、骨関節炎の滑膜線維芽細胞によるPGE2の解放を減少させ、その結果、骨関節炎におけるPGE2に刺激される基質分解を減少させる(Fernandes J.C.他、2002、Biorheology、39、237−46)。発明のMSCにおけるCD105発現は、従って、得られた幹細胞に優れた組織再生特性を与えるようである。
発明は、従って、以下の態様を提供する。
態様1
哺乳類の間充織幹細胞(MSC)を調製する方法であって、
a)前記哺乳類からマイクロバイオプシーを収集する工程と、
b)収集後、前記マイクロバイオプシーを適切な培地にセットする工程と、
c)培養中、前記マイクロバイオプシーから出現する細胞を収集する工程と、
d)工程c)で得られた細胞をコンフルエンシー近くまで成長させる工程と、
e)工程d)から前記細胞を解離する工程と、
f)密度勾配分画により他の細胞から間充織幹細胞(MSC)を分離させ、間充織幹細胞(MSC)を取得する工程と、
を備える方法。前記細胞は、1以上の継代培養又は継代工程により任意でさらに精製できる。
態様2
態様1に記載の方法であって、
前記マイクロバイオプシーは、首、肩、胸、背、尾、手足、後肢、前肢、後四半部、後脚等の筋肉から等の、好ましくは上腕三頭筋組織から、より好ましくは上腕三頭筋の長頭から取得される、骨格筋組織から得られる方法。
態様3
態様2に記載の方法であって、
前記マイクロバイオプシーは、上腕三頭筋の長頭の長頭において、約5cmの深さで採取される方法。
態様4
態様1乃至3のいずれかに記載の方法であって、
前記マイクロバイオプシーは、約15〜約20mgの組織を含む方法。
態様5
態様1乃至4のいずれかに記載の方法であって、
前記培地は、約20%のウシ胎児血清、約5mlのペニシリン(1000U/ml)−ストレプトマイシン(10000μg/ml)、約2.5mlのアンフォテリシンB(250μg/ml)、及び約5mlのHEPESを含むDMEM/F12を備える方法。
態様6
態様1乃至5のいずれかに記載の方法であって、
工程d)において、35%未満の密度分画からの細胞が得られる方法。
態様7
態様6に記載の方法であって、
工程d)において、<15%、15−25%、及び/又は25−35%の密度分画からの細胞が得られる方法。
態様8
態様1乃至7のいずれかに記載の方法であって、
前記哺乳類は、たとえばネズミ、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、畜牛、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、及び、たとえばサルや類人猿等の霊長類のような、家畜、動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット、コンパニオン・アニマル、及び実験動物を含むグループから選択される方法。
態様9
態様1乃至8のいずれかに記載の方法により得られる間充織幹細胞集団。
態様10
間充織幹細胞集団、又は態様9に記載の間充織幹細胞集団であって、
前記細胞がCD105を発現させ、好ましくは前記細胞がCD44及び/又はCD90と共にCD105を発現させることを特徴とする間充織幹細胞集団。
態様11
態様9又は10に記載の間充織幹細胞集団であって、
前記細胞は以下のマーカー、CD45、MHCII及びCD29を発現させないことを特徴とする間充織幹細胞集団。
態様12
態様9乃至11のいずれかに記載の間充織幹細胞集団であって、
前記細胞がmiR−128及びmiR−133Bを備えるグループから選択された少なくとも1つのマイクロRNAを発現させることを特徴とする間充織幹細胞集団。
態様13
態様9乃至12のいずれかに記載の間充織幹細胞集団であって、
前記細胞が以下のマイクロRNA、miR−656を発現させないことを特徴とする間充織幹細胞集団。
態様14
医薬又は獣医学組成物であって、
態様1乃至8のいずれかに記載の方法に従って得られた間充織幹細胞を備える、又は態様9乃至13のいずれかに記載の間充織幹細胞集団を備える組成物。
態様15
態様9乃至13のいずれかに記載の間充織幹細胞集団、又は態様14の医薬又は獣医学組成物であって、
薬剤として若しくは医薬品又は獣医薬品として利用する間充織幹細胞集団又は組成物。
態様16
態様9乃至13のいずれかに記載の間充織幹細胞集団、又は態様14の医薬又は獣医学組成物であって、
哺乳類の対象における以下の疾患、靱帯炎、骨軟骨症、関節炎、骨粗鬆症、腱炎、蹄葉炎、腱及び靱帯の炎症、骨折、及び治癒不可の1以上の治療において利用する間充織幹細胞集団又は組成物。
態様17
態様15又は16に記載の使用のための間充織幹細胞集団であって、
自己、同種異系、又は異種の間充織幹細胞(MSC)が利用される間充織幹細胞集団。
態様18
態様1乃至8のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記MSCをそれぞれ適切な脂質生成、骨形成、軟骨形成、筋原性、造血、内皮、ニューロン、心臓、又は肝細胞分化培地において培養することにより、前記細胞を脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、筋原細胞、造血細胞、内皮細胞、神経細胞、心臓細胞、又は肝細胞に分化させる工程を備える方法。好ましくは、態様1乃至8のいずれかに記載の方法であって、
前記MSCをそれぞれ適切な脂質生成、骨形成、又は軟骨形成分化培地において培養することにより、前記細胞を脂肪細胞、骨細胞、又は軟骨細胞に分化させる工程を備える方法。
態様19
態様18に記載の方法により得られる分化した脂肪細胞、骨細胞又は軟骨細胞、筋原細胞、造血細胞、内皮細胞、神経細胞、心臓細胞、又は肝細胞。
態様20
医薬又は獣医学組成物であって、
態様19に記載の分化した脂肪細胞、骨細胞、又は軟骨細胞を備える組成物。
態様21
態様19に記載の分化した脂肪細胞、骨細胞、又は軟骨細胞、又は態様20に記載の医薬又は獣医学組成物であって、
哺乳類の対象における以下の疾患、靱帯炎、骨軟骨症、関節炎、骨粗鬆症、腱炎、蹄葉炎、腱及び靱帯の炎症、骨折、及び治癒不可の1以上の治療において利用する細胞又は組成物。
態様22
哺乳類の対象における以下の疾患、靱帯炎、骨軟骨症、関節炎、骨粗鬆症、腱炎、蹄葉炎、腱及び靱帯の炎症、骨折、及び治癒不可の1以上を治療する方法であって、
前記対象に治療効果のある量の態様1乃至8のいずれかの方法で得られたMSC、又は態様14に記載の獣医学又は医薬組成物を投与し、前記哺乳類の対象における前記1以上の疾患を治療する工程を備える方法。
態様23
哺乳類の対象における以下の疾患、靱帯炎、骨軟骨症、関節炎、骨粗鬆症、腱炎、蹄葉炎、腱及び靱帯の炎症、骨折、及び治癒不可の1以上を治療する方法であって、
治療効果のある量の態様18の方法で得られた分化した脂肪細胞、骨細胞又は軟骨細胞、筋原細胞、造血細胞、内皮細胞、神経細胞、心臓細胞、又は肝細胞、若しくは態様20に記載の獣医学又は医薬組成物を投与し、前記哺乳類の対象における前記1以上の疾患を治療する工程を備える方法。
態様24
態様22又は23に記載の方法であって、
前記投与された細胞は自己、同種異系、又は異種である方法。
本発明は、以下の図面により示されるが、これらの図面は例示の目的のみに考慮されるものであり、決して発明を本明細書で開示される実施形態に限定するものではない。
低密度(500000細胞/フラスコ)で播種され、10日間育てられた各パーコール分画からの細胞で得られたユニットを形成する線維芽細胞似のコロニーの形態学的側面の代表的な顕微鏡写真撮影(May−Grunwald Giemsa染色;A:100x;B:400x倍率)。
ウマの骨髄の単核細胞における選択された抗体の交差反応を示す制御FACS画像。
15−25%パーコール分画(ウマ2)の細胞の代表的な流動サイトメトリーヒストグラム。これらの細胞は、CD105、CD90、及びCD44には高度に陽性だが、CD45には陰性である。
分化培地において7日後にウマ2で得られた脂肪細胞の分化の代表的な顕微鏡写真(オイルレッドO溶液染色、400x倍率)。<15%、15−25%、25−35%は3パーコール分画の細胞を表し、制御は分化が誘発されていない細胞を表す。
軟骨形成分化培地における3週間の培養後に得られる軟骨細胞球(A)、又は制御ペレット(B;軟骨形成分化培地で培養されていない細胞)の、アルシアンブルーでの薄切り染色の代表的な写真。
分化培地において7日後にウマ2で得られた骨形成分化の代表的な顕微鏡写真(アリザリンレッド溶液染色、400x倍率)。<15%、 15−25%、 25−35%は3パーコール分画の細胞を表し、制御は分化が誘発されていない細胞を表す。
3つのソースのウマの間充織幹細胞(MSC)、すなわちホウォートンゼリーMSC、骨髄MSC、及び本発明による筋肉由来のMSCにおける5つのmiRNAの異なるレベルの発現(認識されたコピーの回数)を表す。
本明細書で利用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容で明確に指示がない限り、単数及び複数両方の指示対象を含む。例として、「a cell」は1つ又は1以上の細胞を示す。
本明細書で利用されているように、用語「備えている」、「備える」、及び「から成る」は、「含んでいる」、「含む」又は「含有している」、「含有する」の同意語であり、全てを含む、又は制約がない、そして、追加の、列挙されていない部材、要素、又は方法工程を除外しない。
端点による数域の記述には、列挙された端点と同様に、各範囲内に組み込まれる全ての数及び分画が含まれる。
パラメータ、量、一時的な持続時間などのような測定可能な値を参照する場合に本明細書で利用されるような、用語「約」は、ばらつきが開示された発明で実行するのに適切である限り、特定の値からの+/−10%以下、好ましくは+/−5%以下、より好ましくは+/−1%以下、及びさらにより好ましくは+/−0.1%以下のばらつきを包含するように意図されている。修飾語句「約」が帰する値がそれ自身、具体的にも、好ましくも開示されていることを理解されるべきである。
本明細書で引用されている全ての参照文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。特に、本明細書で具体的に言及された全ての参照の教示は、参照により組み込まれている。
別途定義されていない限り、技術及び科学用語を含む、発明の開示で利用されている全ての用語は、本発明が属す当業者により通常、理解されるような意味を持つ。さらなる助言により、用語定義には、本発明の教示をより正しく評価することが含まれる。
発明に関連する一般的な方法に関し、本明細書中の参照により組み込まれている、たとえば、「分子クローニング:実験マニュアル、第二版」(Sambrook他、1989)、動物細胞培養(R.I.Freshney編、1987)、酵素学方法シリーズ(Academic Press)、哺乳類細胞の遺伝子導入ベクター(J.M.Miller&M.P.Calos編、1987)、「分子生物学における現行プロトコル及び分子生物学における短期プロトコル、第三版」(F.M.Ausubel他編、1987&1995)、組み換えDNA方法論II(R.Wu編、Academic Press 1995)を含む、既知の教科書により参照がなされる。
本発明の実行に役立つ一般的な技術のさらなる精緻化のため、実行者は、細胞生物学、組織培養、及び発生学における標準的な教科書及び報告を参照できる。これには、「奇形腫及びES細胞:実践的アプローチ」(E.J.Robertson編、IRL Press Ltd.1987)、「マウス発育における技術ガイド」(P.M.Wasserman他編、Academic Press 1993)、「ES細胞体外分化」(M.V.Wiles、Meth. Enzymol.225:900、1993)、「ES細胞の性質及び利用:ヒト生物学及び遺伝子治療への適用見通し」(P.D.Rathjen他、他、1993)が含まれる。幹細胞の分化は、本明細書中の参照により組み込まれている、たとえば、Robertson.1997.Meth Cell Biol 75:173、及びPedersen.1998 Reprod Fertil Dev 10:31、及びUsas他、201 1で概説されている。
細胞培養及び培地収集における一般的な技術は、本明細書中の参照より組み込まれている、大型哺乳類細胞培養(Hu他 1997.Curr Opin Biotechnol 8:148)、無血清培地(K.Kitano.1991.Biotechnology 17:73)、大型哺乳類細胞培養(Curr Opin Biotechnol 2:375、1991)、において概説される。
用語「幹細胞」は、自己再生可能な、一般に未分化、又は相対的により分化しておらず、増殖コンピテントな細胞を指し、たとえば、分化すること無く急速に増殖でき、それ自身又はその子孫が少なくとも1つの相対的により分化した細胞タイプを生じさせ得る。この用語は、たとえば、幹細胞の子孫又はそれ自身の一部の能力が、さらなる増殖及び/又は分化に関し、母細胞と比較して明らかに減少している、限られた自己再生を示す幹細胞と同様、たとえば、幹細胞の子孫又はそれ自身の少なくとも一部が、母幹細胞の未分化又は相対的に分化していない表現型、分化能、及び増殖能を実質的に保持している、実質的に無制限の自己再生が可能な幹細胞も包含する。例として、制限することなく、幹細胞は、だんだん相対的により分化する細胞を産生させるため、1以上の系統に沿って分化できる子孫を生じさせる可能性があり、このような子孫及び/又はだんだん相対的により分化する細胞は、それら自身、本明細書に定義されるような幹細胞であり、また、たとえば、有糸分裂後の可能性がある充分に分化した細胞のような、最終分化した細胞を産生させることさえある。
本明細書で利用されている用語「間充織幹細胞」又は「MSC」は、哺乳類の成体の、間葉系統の細胞、つまり、たとえば、骨細胞(骨)、軟骨細胞(軟骨)、筋細胞(筋肉)、腱細胞(腱)、線維芽細胞(結合組織)、脂肪細胞(脂肪)及びストロモジェニック(骨髄基質)系統等、間葉系統のうち2つ、好ましくは3つ以上の典型的な細胞を生成できる中胚葉由来の幹細胞を指す。一般に、しかし制限なく、たとえば、Pittenger他 1999(Science 284:143−7)又はBarberi他、2005(PLoS Med 2:e161)、及びUsas他、201 1において記載されているような、標準的で、当技術分野で受け入れられる分化状態、及び細胞表現型評価方法を使用して、細胞は脂肪細胞、軟骨細胞、及び骨細胞の系統の各細胞を形成できるかどうか考慮されたMSCであってもよい。
用語MSCは、また、たとえば、対象の生体サンプルから得られるMSCの体外又は体外で得られる子孫等、MSCの子孫を包含する。
特定の要素に関する用語「分離する」は、要素がその結果そこから「分離される」組成物の少なくとも1つの他の要素から前記要素を離すことを指す。任意の細胞、細胞のグループ、又は細胞集団に関して利用される用語「分離される」は、また、このような細胞、細胞のグループ、又は細胞集団が動物の体の一部を形成しないことを意味する。
ISCTは、良質な細胞は、以下のような間充織幹細胞(MSC)として定義されるものでなければならないと厳密に決定した。つまり、細胞は、プラスチックに接着し、マーカーCD73、CD90、及びCD105に陽性、マーカーCD14(又はCD11b)、CD34、CD45、CD79a(又はCD19)、及びMHC−IIに陰性でなければならず、また、骨芽細胞、軟骨芽細胞、及び脂肪細胞のような中胚葉由来の細胞に分化する能力を示さなければならない(Dominici他、2006)。CD29又はCD44のような他のMSCマーカーの使用もまた、報告されている(Pittenger他、1999)。ISCT基準は、本明細書の発明にまで拡張される。本発明の哺乳類のMSC細胞は、従って、それらが少なくとも間葉マーカーCD105、及び、好ましくは以下のマーカー、CD44及びCD90の1以上もまた発現、又は同時発現させる(たとえば、陽性である)というように定義される。本発明の哺乳類のMSC細胞は、また、それらが以下のマイクロRNA、miR−128、miR−133B、miR−218、又はmiR−802の1以上を発現、又は同時発現させる(たとえば、陽性である)というように定義される。本発明の哺乳類のMSC細胞は、また、それらがmiR−656を発現させないというように定義される。
本明細書を通して、「同時発現させる」とは、細胞が細胞のキャラクタリゼーションを行う特定の列挙されたマーカー又はマイクロRNAに加えて、他のマーカー又はマイクロRNAを発現させることができるように、「〜の同時発現を含む」という意味をカバーする意図がある。
用語、マイクロRNA、miRNA、miR、又はeca−miRは、本明細書で区別しないで利用され、動物等の生体の内在性遺伝子由来の、19−25ヌクレオチド成熟非コードRNA、又はその前駆体、又はその断片を指す。成熟マイクロRNAは、より長いヘアピンのような前駆体と呼ばれる、約75ヌクレオチドの長さを持つプレマイクロRNA(プレmiR)から処理される。
細胞が特定のマーカー又はマイクロRNAに陽性であると言われた場合、これは、当業者が適切な制御に比較して、適切な測定を実行する際、そのマーカー又はマイクロRNAに対し、たとえば、抗体検出可能又は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法による検出等の、明らかなシグナルの存在又は証拠を断定するであろうことを意味する。方法がマーカー又はマイクロRNAの定量的評価を可能にする場合、陽性細胞は、制御とは著しく異なる、及び制御より高度、又は強いシグナルを発生させる。たとえば、制限はないが、制御細胞により生成されたこのような信号より少なくとも1.5倍高度な、たとえば、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍高度な、又はさらに高度なシグナルである。
細胞特異的なマーカーの発現は、免疫の細胞化学又はアフィニティー吸着、ウエスタンブロット解析、FACS、ELISA、等のような当技術分野で既知の任意の適切な免疫学的技術を使用して、又は酵素活性の任意の適切な生化学アッセイにより、又はたとえば、ノーザンブロット、半定量的又は定量的RT−PCR等の、マーカーmRNAの量の測定の任意の適切な技術により認識可能である。
マイクロRNAの発現は、たとえば、包括的な遺伝子発現のアッセイ(たとえば、マイクロRNA発現プロファイリング解析、既製のマイクロRNA qPCRプレート、又はRNAシークエンシングのマイクロアレイアッセイを使用して)、又は定量的PCR、定量的逆転写(リアルタイム)PCR(qRT−PCR)、ロックド核酸(LNA)リアルタイムPCR、又はノーザンブロッティング等だが、これに限定されない特異的検出アッセイにより決定されてもよい。特に、マイクロRNAの発現の測定は、前記マイクロRNAの検出に特有のオリゴヌクレオチドプローブで実施されてもよい。前記オリゴヌクレオチドプローブは、直接及び特にマイクロRNAに結合してもよいし、特に前記マイクロRNAを逆転写させてもよい。代わりに、前記オリゴヌクレオチドプローブは、前記マイクロRNAから得られるcDNAに結合してもよい。前記オリゴヌクレオチドプローブは、また、前記マイクロRNAから得られるcDNAを増幅させてもよい。
本開示に記載されているマーカータンパク質に対する核及びアミノ酸配列データは、一般に既知であり、とりわけ、NIH「ウェブ上タンパク質レビュー」データベース(http://mpr.nci.nih.gov/prow/)、NIH「Entrez Gene」データベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=gene)、又はUniprot/Swissprotデータベース(http://www.expasy.org/)のような公開データベースから取得できる。前記マーカーに適切な検出試薬及び方法は、このような配列情報のいずれかに基づいて設計でき、またより一般的には、市販されている(たとえば、標識モノクローナル抗体試薬)。
用語「CD105」は、CD105として知られる抗原、又はエンドグリン等、そのシノニムを包含する。CD105は、細胞表面に位置する膜糖タンパク質であり、既知の間充織幹細胞マーカーである。一例として、ウマのCD105抗原の部分アミノ酸配列は、受入番号AGW16345.1のもと、Genbankデータベースで見つけることができる。
用語「CD90」は、抗原CD90、又はThy−1膜糖タンパク質等、そのシノニムを包含する。一例として、ウマのCD90抗原のアミノ酸配列は、受入番号ACG61223.1のもと、Genbankデータベースで見つけることができる。
用語「CD44」は、一般にCD44として知られる抗原、又は細胞外マトリックス受容体III、GP90リンパ球ホーミング/接着受容体、HUTCH−I、Hermes抗原、ヒアルロン酸受容体、又は食細胞糖タンパク質1のようなそのシノニムを包含する。一例として、ウマのCD44抗原のアミノ酸配列は、受入番号CAA47331.1のもと、Genbankデータベースで見つけることができる。
前記MSCマーカー検出用の典型的な市販の抗体試薬には、特に、モノクローナル抗体、抗CD105−RPE(ABD Serotec)、抗CD44−APC(BD Pharmigen)、及び抗CD90(VMDR)が含まれる。特にCD105、CD44、又はCD90に結合する代替の抗体は、当業者であれば識別できる。
実施形態において、MSCは、CD105、CD90、及びCD44から選択される少なくとも1つの間葉マーカーを出現させる。好ましくは、MSCは、少なくとも間葉マーカーCD105を出現させる。発明では、CD105及びCD44を同時発現させる細胞と同様に、CD105及びCD90を同時発現させるMSC細胞、CD90及びCD44を同時発現させる細胞を観察する。また、細胞、特にCD105、CD90、及びCD44を同時発現させるMSC細胞が対象となる。例で示されるように、上記マーカープロファイルのMSC細胞は、また、他のマーカーを同時発現させてもよい。
他の実施形態において、MSCは、miR−128及びmiR−133Bを備えるグループから選択される少なくとも1つのマイクロRNAを発現させる。発明では、少なくともmiR−128を発現させるMSC、又は少なくともmiR−133Bを発現させるMSCを観察する。また、miR−128及びmiR−133Bを同時発現させるMSCも対象となる。さらなる実施形態においては、MSCは、以下のマイクロRNA、miR−656を発現させない。
本開示で記載されるマイクロRNAは、一般に既知であり、とりわけ、miRBaseデータベース(http://www.mirbase.org)のような公開データベースから取得できる。
用語「miR−128」は、miR−128として知られるマイクロRNA、又はその前駆体を包含する。一例として、ウマのmiR−128のヌクレオチド配列は、受入番号MI0012821のもと、miRBaseデータベースで見つけることができる。
用語「miR−133B」は、miR−133Bとして知られるマイクロRNA、又はその前駆体を包含する。一例として、ウマのmiR−133Bのヌクレオチド配列は、受入番号MI0012844のもと、miRBaseデータベースで見つけることができる。
用語「miR−656」は、miR−656として知られるマイクロRNA、又はその前駆体を包含する。一例として、ウマのmiR−656のヌクレオチド配列は、受入番号MI0012915のもと、miRBaseデータベースで見つけることができる。
当業者は、マイクロRNAが異なる名称、又はシノニムにより呼ばれてもよいことを十分承知している。
MSC細胞は、さらに、組織培養プラスチックへの付着、単分子層での成長、及び顕著な核小体を有する円形〜だ円形の核を持つ単核の卵形、星形、又は紡錘形のうち、任意の1以上のような、特定の形態学的特徴を示してもよい。
用語「細胞集団」は、一般に細胞のグルーピングを指す。細胞集団は、少なくとも、共通のタイプ、又は共通の特徴を持つ細胞の分画から構成されても、分画を備えてもよい。このような特徴には、制限なく、形態学的特徴、分化の可能性(たとえば、多能性、多能性、分化単能等、たとえば、多能性又は分化単能である場合、特定の細胞タイプに分化する能力)、又はたとえば、表面抗原等、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の細胞関連マーカーの存在及び/又はレベルを含めてもよい。このような特徴は、よって、細胞集団又はその分画を定義してもよい。好ましくは、このような細胞集団は間充織幹細胞集団、より好ましくは、実質的に均質な間充織幹細胞の集団である。
用語「実質的に均質」又は「実質的に純粋」な間充織幹細胞の集団は、上記で定義したようなMSCの分画を備える細胞集団を示し、前記細胞集団における前記分画は、少なくとも50%であり、たとえば、少なくとも55%、好ましくは、少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、たとえば、少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも80%、たとえば、少なくとも85%、最も好ましくは、少なくとも90%、たとえば、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はさらに100%に近いか100%と同等である。
表現「密度勾配遠心分離」は、全てのタイプの細胞分離技術、又は密度に基づいた細胞の分離を含む製品を包含する。非限定的例には、スクロースポリマー、又はコロイド状シリカの勾配における密度勾配遠心分離があり得る。市販の勾配の非限定的例には、パーコール(ポリビニルピロリドン又はシランでコーティングされたコロイド状シリカ)、フィコール(高分子量スクロースポリマー)、Ficoll−Paque(フィコールプラスジアトリゾエートナトリウム及びエデト酸)、浮遊密度溶液(BDS、コロイド状シリカを備える)、リンホプレップ(ジアトリゾエートナトリウム及び多糖)、等がある。当業者であれば、本発明による方法で得られる幹細胞を分離する適切な勾配を選択できるであろうことは明白である。本発明の方法を使用すると、間充織幹細胞(MSC)は、一般的に1250xg(25℃、20分)での遠心分離後、<15%、15−25%、又は25−35%パーコール密度境界面で見られる。所望のマーカータンパク質を同時発現させる間充織幹細胞は、続いて、たとえば、蛍光活性化細胞分類(FACS)、磁気活性化細胞分類(MACS)、親和性に基づく技術、とりわけ親和性クロマトグラフィー、又はプレプレート技術、及びその組み合わせのような、それ自体既知の方法により分離され、任意に拡大された細胞の一般的な集団から、選択、濃縮、又は分離され得る。例となる方法は、Wu他、2010(細胞組織研究、Jun;340(3):549−67参照)に報告されている。
所望の発現プロファイルを有する生細胞は、各マーカー特有の試薬(たとえば、モノクローナル抗体のような最も一般的な免疫学的試薬)と結合でき、前記試薬は、それほど結合されていない細胞からの前記試薬により結合された細胞の選択又は捕獲を容易にするように、(たとえば、フルオロフォアにより、もしくは磁性粒子又は他のタイプの固定相における固定により)順番に修正される。これらの方法についての一般的なアドバイスは、とりわけ、フローサイトメトリー及び細胞分類、第二版、Andreas Radbruch(編)、Springer 1999(ISBN 3540656308)、現実のままに:フローサイトメトリー及び細胞分類におけるプロトコル、第一版、RA Diamond and S Demaggio(編)、Springer 2000(ISBN 3540651497)、フローサイトメトリープロトコル(分子生物学における方法)、第二版、TS Hawley and RG Hawley(編)、Humana Press 2004(ISBN 1588292355)、アフィニティー分離:実践的アプローチ、P Matejtschuk(編)、Oxford University Press、1997(ISBN 0199635501)、及びDainiak他 2007.Adv Biochem Eng Biotechnol 106:1−18を参照のこと。
表現「適切な培地」は、細胞、間充織幹細胞(MSC)又は間充織幹細胞集団の生存及び/又は成長をサポートする全ての細胞培養培地を包含する。非制限的な例には、一般的に少なくとも抗生物質及びウシ胎児血清(FBS)、及び任意に抗真菌薬及び緩衝剤が補充される、DF20、DMEM−Ham’s F12、DMEM、Alpha−MEM等がある。
一例としてのみだが、以下の培地は、例として利用されてきている。約20%のウシ胎児血清、約5mlのペニシリン(1000U/ml)−ストレプトマイシン(10000μg/ml)、約2.5mlのアンフォテリシンB(250μg/ml)、及び約5mlのHEPESを備えるDMEM/F12を含むDF20培地。
たとえば脂肪細胞、骨細胞、及び軟骨細胞への分化に対する、適切な「分化培地」において培養された発明のMSC又は間充織幹細胞集団。前記分化培地は、たとえば、脂質生成分化用のNH AdipoDiff培地(Miltenyi Biotec)、軟骨形成分化用の軟骨細胞分化培地(NH ChondroDiff培地;Miltenyi Biotec)、骨形成分化用の骨形成培地(NH OsteoDiff培地;Miltenyi Biotec)であり得る。本明細書に記載される培地は、単に例となる培地として示されており、当業者であれば任意の他の市販の、又は特別に開発された分化培地を利用することもできるであろう。筋原細胞、造血細胞、内皮細胞、神経細胞、心臓細胞、又は肝細胞等の他の細胞用の適切な分化培地の他の例は、MSCをそれぞれ適切な筋原性、造血、内皮、ニューロン、心臓、又は肝細胞分化培地において培養することによりなされ得る。その例は、たとえば、Usas他、201 1に見つけられる。
細胞を「分離する」、「分散させる」、「解離する」、又は「切り離す」適切な方法は、当技術分野において一般に既知であり、本発明で利用してもよい。これらには、たとえば、タンパク質分解酵素、二価イオンのキレート化、機械的分解、又は上記何れかの組み合わせでの処置が含まれる。好ましくは、前記細胞解離には、このように処置された細胞の、都合よくは(たとえば、上述のような)トリプシンを使用した、任意に二価イオンのキレート化と組み合わせた、都合よくは(たとえば、上述のような)EDTAを使用した、酵素消化、及び/又は機械的解離を含めてもよい。後者には、たとえば、小口径ピペット(たとえば、1000μΙマイクロピペットチップ)を通した細胞の繰り返しの通過、及び/又は固体表面に接する(たとえば、培養容器の壁に接する)細胞を含有する懸濁液の流れをピペットで取得することを含めてもよい。このようにして、発明のMSCを含む細胞懸濁液を取得できる。
用語「マイクロバイオプシー」は、組織サンプルの最小限に侵襲的で、望ましい縫合不要の皮下収集方法を全て包含する。マイクロバイオプシーのサンプルサイズは、その用語が定義するように、非常に小さく、一般的に約15〜約20mgの組織を備える。マイクロバイオプシー収集に適した任意の可能性のある技術又は装置が利用できる。非限定的な例には、当技術分野で既知のマイクロバイオプシーニードル、甲介鋏、又はばねで留められたマイクロバイオプシーシステムがある。一例としてのみであるが、14ゲージのマイクロバイオプシーニードル、及びマイクロバイオプシーピストルが利用できる。
間充織幹細胞(MSC)を分離するために本発明の方法で利用されるマイクロバイオプシーのソースは、好ましくは、哺乳類の骨格筋関連組織である。骨格筋関連組織の例として、首、肩、胸、背、尾、手足、後肢、前肢、後四半部、後脚等の筋肉がある。例において、例として利用されている筋組織は、ウマの上腕三頭筋であり、より好ましくは、上腕三頭筋の長頭から取得され、最も好ましくは、上腕三頭筋の長頭の長頭の約5cmの深さで取得されたものである。採取する筋組織は、量のためだけでなく、この供与部位における筋組織へのアクセスの容易さ、及び低罹患率のため、たとえば、骨髄又は骨膜組織が望ましい。胚組織は、マイクロバイオプシーのソースとしては、明確に除外される。Votion他、2010により行われた研究は、臨床診療において獣医が行うマイクロバイオプシーが実行可能であることを証明した。さらに、副作用がないことが、まさに競争中である、激しい運動を行うウマにおいて利用サンプルを収集する本方法の検討を可能にし(Votion他、2010)、外植片方法により、ウマの骨格筋芽細胞の一次培養をうまく開始させるために既に利用されている(Ceusters他、2012)。
表現「哺乳類」又は「哺乳類の」は、たとえば、ネズミ、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、畜牛、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、及びサル及び類人猿等の霊長類のような、家畜、動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット、コンパニオン・アニマル、及び実験動物を含むが、これに限定されるものではない全ての哺乳類を指す。好適な哺乳類は、ウマ、イヌ、又はネコである。
本明細書で説明されているように、前記マイクロバイオプシーから得られる間充織幹細胞は、請求項に記載されているような方法に従って培養された場合、マイクロバイオプシーの周囲に自然発生的に出現する細胞である。用語「出現する」は、たとえば、バイオプシーの操作不要な、又は追加的な成長、分化、もしくは他の因子又は薬剤の追加不要な、細胞の自然発生を包含する。この段階では外植片とも呼ばれる、マイクロバイオプシーの培養工程は、本明細書で定義されるように、さらに二次培養し、精製し、たとえば低温保存により保存することができる間充織幹細胞を、予想外に、そして自然発生的に生成する。前記マイクロバイオプシーの前記培養に適切な培地は、DF20、DMEM−Ham’s F12、DMEM、Alpha−MEM等である。前記媒体は、一般的に、少なくとも抗生物質及びウシ胎児血清(FBS)、及び、任意に抗真菌薬及び緩衝剤を含有している、又は補充されている。
本発明は、また、特にそれらを必要とする対象に与えられる、本明細書に定義されるような分化又は非分化MSC、もしくは分化又は非分化間充織幹細胞集団を投与することによる処置の方法を提供する。これらを必要とする対象という言葉には、筋肉関節骨疾患のような、与えられる条件の処置が有益な対象が含まれる。このような対象には、前記条件で診断されたもの、前記条件を発症しやすいもの、及び/又は前記条件が予防されるべきものを、制限なく、含めてもよい。
用語「対象」は、たとえば、ネズミ、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、畜牛、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、及びサル及び類人猿等の霊長類のような、家畜、動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット、コンパニオン・アニマル、及び実験動物を含むが、これに限定されるものではない全ての哺乳類を包含する。好適な対象は、ウマ、イヌ、又はネコである。
用語「処置する」又は「処置」は、共に、靱帯炎、骨軟骨症、関節炎、骨粗鬆症、腱炎、腱及び靱帯の炎症、骨折、及び治癒不可等だが、これに限定されるものではない筋肉関節骨疾患の罹患及び進行の可能性を防ぐため等、望ましくない苦痛の発生の可能性を防ぐ、又は減少させることを目的とした、予防的又は予防的手段と同様に、発症済みの筋肉関節骨疾患の治療等、発症済みの疾患の治療処置を包含する。このような処置の有益、又は所望の臨床結果には、1以上の症状又は1以上の生物学的マーカーの緩和、病気の程度の軽減、病気の状態の安定化(たとえば、悪化しない)、病気の進行の遅れ又は緩徐化、病状の改善又は緩和、等を、制限なく、含めてもよい。「処置」は、また、処置を受けない場合に予想される生存と比較して長く生存することを意味することができる。
用語「予防的に効果的な量」は、研究者又は獣医が求めているような、対象における疾患の発現を抑制又は遅延させる、発明に従った獣医学又は医薬組成物の量を指す。本明細書で利用されているような、用語「治療効果のある量」は、とりわけ治療される病気又は疾患の症状の緩和を含む可能性のある、研究者又は獣医が求める、対象における生物学的又は医薬反応を引き起こす、発明に従った獣医学又は医薬組成物の量を指す。方法は、治療的に、及び予防的に効果的な服用を決定するため、当技術分野では既知である。
処置は、本明細書で定義されるような、自己(たとえば、治療される対象由来の細胞)、同種異系(たとえば、治療される対象以外だが、同種に属している対象由来の細胞)、又は異種(たとえば、治療される対象以外の種に属している対象由来の細胞)MSC、分化されたMSC、又はそれら各々の細胞集団を用いてもよい。
獣医学又は医薬組成物は、一般的に、活性成分、及び1以上の医薬的に許容可能な担体/補形薬のような、発明の間充織幹細胞、分化した間充織幹細胞、又は各々の(分化した)間充織幹細胞集団を備えるであろう。本明細書で利用されているように、「担体」又は「補形薬」は、任意、及び全ての溶剤、希釈剤、(たとえば、中性緩衝食塩水又はリン酸塩緩衝食塩水のような)緩衝剤、可溶化剤、コロイド、分散媒、賦形剤、充填剤、(たとえば、EDTA又はグルタチオンのような)キレート剤、(たとえば、グリシンのような)アミノ酸、タンパク質、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、調味料、芳香族化、増粘剤、デポー効果を得る薬剤、コーティング、抗真菌薬、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、等張化調整剤、吸着遅延剤、等を含む。このような獣医学又は医薬活性物質のための媒体及び薬剤の使用は、当技術分野において周知である。このような物質は、無毒であるべきで、細胞の活動を妨げるべきではない。獣医学での利用では、細胞は、飼料サプリメントで処方しても、飼料サプリメントとして投与されてもよい。
担体又は補形薬、又は他の物質の特徴は、投与の経路次第であろう。たとえば、組成物は、非経口的に許容可能な水溶液状でもよい。医薬処方における一般的な原則に関しては、読者は、細胞治療:幹細胞移植、遺伝子治療、及び細胞免疫療法、G.Morstyn&W.Sheridan編、Cambridge University Press、1996、及び造血幹細胞治療、E.D.Ball、J.Lister&P.Law、Churchill Livingstone、2000を参照のこと。
このような獣医学又は医薬組成物には、さらに、(分化した)間充織幹細胞又はその中の細胞集団の生存能力を確保する要素を含めてもよい。たとえば、組成物は、望ましいpH、より多くの場合、中性に近いpHを実現するため、適切な緩衝系(たとえば、リン酸塩又は炭酸塩緩衝系)を備えてもよく、浸透圧を防ぐためにMSCの等浸透圧状態を確保するため、十分な塩を備えてもよい。たとえば、これらの目的に適切な溶液は、当技術分野で既知なように、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム溶液、リンガー液、又は乳酸加リンガー液でもよい。さらに、組成物は、MSCの生存能力を高める可能性のある、アルブミン等の担体タンパク質を備えてもよい。
獣医学又は医薬組成物は、さらに、骨の傷及び欠損の修復に役立つ要素を備えてもよい。たとえば、このような要素には、骨形成タンパク質、骨基質(たとえば、発明の細胞により、又は他の方法により体外で産生される骨基質)、ヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウム粒子(HA/TCP)、ゼラチン、ポリ乳酸、ポリ乳酸・グリコール酸、ヒアルロン酸、キトサン、ポリエルリジン、及びコラーゲンを、制限なく、含めてもよい。たとえば、骨芽細胞は、骨誘導と同様に合成骨形成(それ自体での骨形成)をするため、脱塩骨基質(DBM)又は他の基質と結合してもよい。同種異系DBMと共に自己骨髄細胞を使用する類似の方法は、良好な結果を生み出している。
獣医学又は医薬組成物は、さらに、BMP−2、BMP−7、又はBMP−4のような骨形態形成タンパク質等の補完生物活性因子、又は任意の他の成長因子を含める、又は併用することができる。他の可能性のある付随要素には、骨再生を補助するために適切なカルシウム又はリン酸塩の無機源が含まれる(WO 00/07639)。望まれれば、細胞標品は、改良された組織再生を提供する担体基質又は物質で処理できる。たとえば、物質は、粒状セラミック、又はゼラチン、コラーゲン、オステオネクチン、フィブリノゲン、又はオステオカルシン等の生体高分子であり得る。多孔質母材は、標準的な方法(たとえば、Mikos他、生体材料14:323、1993;)に従って合成され得る。
獣医学又は医薬組成物は、さらに、MSCの導入又は投与部位で感染症及び又は炎症による合併症を回避するために、殺菌、抗菌、抗生物質、又は抗真菌剤等の補完殺菌、無菌、又は微生物破壊薬剤、及び/又は抗炎症薬を含める、又は併用することができる。
さらなる態様において、発明は、たとえば、全身的に、局所的に、又は損傷の部位において等、対象へMSC含有組成物を投与する手術器具を備え、さらに、発明のMSC又は細胞集団、もしくは前記MSC又は細胞集団を備える獣医学又は医薬組成物を備える手配に関連し、その手配は、たとえば、全身的に、局所的に、又は骨損傷の部位における獣医学又は医薬組成物の投与に適応している。たとえば、適切な手術器具は、たとえば、全身的に、又は骨損傷の部位において、本発明のMSC又は細胞集団を備える液体組成物を注入できてもよい。
MSC又は細胞集団は、対象とする組織部位に移植又は移動させ、機能的に不足した領域を再構成又は再生させることを可能にする方法で投与され得る。組成物の投与は、修復される筋肉関節骨格部位次第である。たとえば、MSC又は細胞集団は、直接、(たとえば、腱又は靱帯における)損傷に、又は(たとえば、腱又は関節滑液のような)滑膜関節のいずれかに投与できる。
たとえば、骨形成は、組織の再構築、もしくは継代の挿入の外科的手順、又は人工器官に従って容易化できる。状況が違えば、侵襲的手術は必要なく、組成物は、超音波ガイド下の注射等の注入により、又はガイド可能な内視鏡を使用して投与できる。
他の実施形態において、発明の分化又は未分化のMSC又は間充織幹細胞集団は、移植のために提供する適切な基質に移され、及び/又は基質で培養されてもよい。細胞が塗布及び培養され得る基質は、チタニウム、コバルト/クロム合金、又はステンレス鋼等の金属、リン酸カルシウム等の生物活性表面、ポリエチレン等のポリマー表面、等であり得る。あまり好まれないが、ガラスセラミック等のシリカ材も基質として利用できる。リン酸カルシウムは基質の必須要素ではないが、最も好まれるのは、チタニウム等の金属、及びリン酸カルシウムである。基質は、浸透性でも非浸透性でもよい。基質は、生分解性でも生体吸収性でもよい。
たとえば、急速に増殖した、又は培養皿で分化している発明のMSCは、必要であれば、発明の液状培養液内で固体支持体を培養することにより、分化プロセスを拡大、及び/又は継続させるために、3次元の固体支持体に移すことができる。たとえば、前記細胞を含有する懸濁液に前記支持体を含浸させることにより、3次元の固体支持体に細胞を移すことができる。このようにして得られた含浸された支持体は、対象に移植することができる。このような含浸された支持体は、また、最終的に移植される前に、それらを液状培地に浸すにより再培養できる。
3次元の固体支持体は、対象に移植できるように生体適合性である必要がある。3次元の固体支持体は、円柱、球、板、又は任意の形状の一部等の任意の適切な形状のいずれかであり得る。生体適合性のある3次元の固体支持体に適切な物質には、特に言及すると、炭酸カルシウム、及び特にアラゴナイト製、具体的には、サンゴ骨格、アルミナ、ジルコニア、リン酸三カルシウム、及び/又はヒドロキシアパタイトを基にする浸透性セラミック、炭酸カルシウムをヒドロキシアパタイトに転換可能な熱水変換により得られる模造サンゴ骨格、又はリン灰石−ケイ灰石ガラスセラミック、バイオガラス(TM)ガラス等の生物活性ガラスセラミックの形態であり得る。
本発明は、さらに、以下の例により示されるが、決して発明の適用範囲を限定するものではない。
[例]
物質及び方法
1.抽出法:筋肉マイクロバイオプシー
マイクロバイオプシーの手順は、起立して、目が覚めているウマで実施された。マイクロバイオプシーの検査サンプルは、各ウマ(n=3)の上腕三頭筋(長頭、三頭筋稜から延びている縦線と肩甲骨及び腕橈の関節間のラインの交点)から得られた。
マイクロバイオプシーの検査サンプルは、14ゲージのマイクロバイオプシーニードル及びマイクロバイオプシーピストルで採取された。手短に言えば、サンプリング部位は、(1cm四方)剃られ、無菌で調製された。各サンプル(約15〜20mgの組織)は、手術用メスの刃nr11のチップでなされた皮膚切開を経て、上腕三頭筋の長頭深さ5cmで採取された。皮膚切開を閉じる必要はなく、マイクロバイオプシーの全手順は、15分以内に完了した。採集の直後、各サンプルは、20%のウシ胎児血清、5mlのペニシリン(1000U/ml)−ストレプトマイシン(10000μg/ml)、2.5mlのアンフォテリシンB(250μg/ml)、及び5mlのHEPES[DF20]から成るDMEM/F12で構成される6mlの培地に置かれた。マイクロバイオプシーの検査サンプルは、利用するまで4℃の成長培地で保持された。
2.マイクロバイオプシーの検査サンプルを外植片として使用する細胞培養の開始
培養調製は、層流フードの下、無菌装置を使用して実施された。マイクロバイオプシーの検査サンプルは、37℃に予熱された5mlのDF20で2回洗浄された。各マイクロバイオプシー検査サンプルは、137mMのNaCI及び2.7mMのKCIを含有する10mMのPBS溶液(pH、7.4)で慎重に解離され(出来るだけ筋組織のみを保持するようにして)、その後、小片(手術用メスの刃のチップのサイズ)にカットされた。そして、各片は24マルチウェルディッシュの16の中央のウェルに個別に置かれ、100μΙのDF20が各ウェルに追加され、培養ディッシュは制御された雰囲気下(5%のCO及び21%のO)、37℃で培養された。外植片を含有したウェルの乾燥を防ぐため、外側のウェルはPBS(1ml/ウェル)で満たされた。外植片を含有したウェルは毎日観察され、必要な場合、(ウェル内の成長因子を保持するため)新しいDF20を単純に追加して育てられた。
組織の周りに細胞の輪が見えると(約10日)、筋肉片は、個別に別の24マルチウェルディッシュ(筋肉片用の16の中央のウェル、及びPBSで満たされた外側のウェル)に移され、マイクロバイオプシーから分離された細胞は、80%のコンフルエンスまで育てられた(約20日)。
3.細胞のトリプシン処理及び多能性幹細胞分離:不連続のパーコール密度勾配遠心分離
外植片から得られるほぼコンフルエントな細胞は、トリプシン−EDTAを使用して切り離され、遠心分離され(200xg、10分、37℃)、ペレットは1mlのHBSSで再懸濁された。細胞懸濁液は、その後、以下のように調製された不連続のパーコール密度勾配に置かれた:15%、25%、及び35%のパーコールの塩化ナトリウム溶液が調製された。そして、その上に1mlの細胞懸濁液が置かれた不連続のパーコール密度勾配を形成するため、それぞれ2mlのパーコール溶液が15mlの培養チューブに追加された。1250xg(25℃、20分)の遠心分離後、異なる密度の細胞分画が各パーコール分画間の界面に現れた。各分画(<15%、15−25%、25−35%)は、個別に採取され、HBSS(1ml/分画)で一度洗浄され、200xg、37℃で10分遠心分離された。上澄みは捨てられ、ペレットは1mlのDF20/分画で再懸濁された。各分画は、その後、T−25cmフラスコで80%のコンフルエンスまで別々に培養され、最終的に、各分画の細胞は、T−175−cmフラスコでトリプシン−EDTAを使用して解離された。一旦80%のコンフルエンスに到達すると(約40日)、<15%、15−25%、及び25−35%の分画の細胞は、液体窒素で凍結され、さらにキャラクタリゼーションに引き継がれる可能性がある。
4.細胞のキャラクタリゼーション
<15%、15−25%、及び25−35%の分画の細胞は、数で(項目4.1.参照)、それらのクローン原性に関し(項目4.2.参照)、適切な分化培地に置かれた場合のそれらの脂肪細胞、軟骨細胞、及び骨細胞に分化する能力に関して(項目4.4.参照)、及びそれらの流動サイトメトリーでのCD29、CD105、CD44、CD90、CD45、及びMHCIIの発現に関し(項目4.3.参照)、キャラクタリゼーションが行われた。これらの全試験は、液状窒素で細胞を凍結させる前後で実施された。15−25%及び25−35%の分画の細胞は、それらの免疫調節能力も検査された(項目5参照)。細胞は、また、RNAシーケンス法による、これらの発現miRNAに関し、ホウォートンゼリー及び骨髄MCSと比較された(項目6乃至8参照)。
4.1.細胞の数
一旦これらがコンフルエントすると、T−175cmのフラスコに含有される細胞の数は、細胞分画ごとに評価された。
4.2.クローン原性
細胞のクローン原性は、「線維芽細胞−コロニー形成単位」アッセイ(CFU−F)で評価された。各分画の細胞は、第1培養又は1つの継代以降、低密度(500000細胞/フラスコ)で播種され、10日間育てられた。May−Grunwald Giemsa染色は、肉眼的にコロニー形成単位を視覚化するために利用され、コロニー/フラスコの合計が集計された。
4.3.免疫表現型検査
採取された細胞は、フローサイトメトリーにより解析された。手短に言えば、細胞(10)はPBSで洗浄され、以下のモノクローナル抗体で培養された。
CD29−FITC(Immunostep)
CD105−RPE(ABD Serotec)
CD44−APC(BD Pharmigen)
MCH II(ABD Serotec)
CD45−Alexa Fluor 488(ABD Serotec)
CD90(VMDR)
MACSQuant Running Buffer(Miltenyi Biotec)で洗浄後、細胞は、4%のホルムアルデヒド溶液で固定された。データは、MACSQuant Analyzerを使用して取得され、FCS Express 4 Flow Cytometry Software(De Novo Software、Los Angeles、CA、USA)を使用して評価された。
4.4.細胞の多分化能
分離された細胞の分化能は、P1乃至P3で収集された細胞を使用して検査された。脂質生成、骨形成、及び軟骨形成分化は、適用された培地(NH培地、Miltenyi Biotec)でメーカーの指示に従って実施された。
−脂質生成分化
脂質生成分化に関し、5000細胞/ウェルがNH AdipoDiff培地(Miltenyi Biotec)の24ウェルプレートに固定された。7、14、及び21日後、細胞は、オイルレッドOを使用して着色された。手短に言えば、細胞はオイルレッドO溶液(Sigma)で染色される前に、PBSで洗浄され、8%のホルムアルデヒドで固定された。
−軟骨形成分化
軟骨形成を誘発するため、細胞は、15mlの円錐管の底に移され、1mlの特定の軟骨細胞分化培地(NH ChondroDiff培地;Miltenyi Biotec)においてペレット培養(250000細胞/ペレット)で軟骨細胞に分化された。管は5%のCOインキュベーター内で37℃で21日間培養され、培地は毎週、取り替えられた。手短に言えば、21日後、微小質量はメタノールで固定され、全組織標本がアルシアンブルーで着色された。アルシアンブルーは、6mol/Lの塩酸グアニジンで抽出され、吸収度は620nmと読み取られた。
−骨形成分化
骨形成分化に関し、細胞は、5000細胞/ウェルの密度で24ウェルプレートのDMEMに固定された。24−48時間後、骨形成培地(NH OsteoDiff培地;Miltenyi Biotec)が、接着細胞に追加された。毎週、細胞は培地を完全に交換して育てられた。7、14、及び21日目、わずかに修正した、Meloan他により説明されているような、アリザリンレッド(Sigma)での着色により、カルシウム石化が評価された。細胞はPBSで洗浄され、HOでの複数回の洗浄に続いて、5分間室温で70%のエタノールで固定された。細胞は、室温で15分間、40mMのアリザリンレッド(Sigma)pH4.2で染色され、HOですすがれ、その後、空気乾燥された。赤染色は光学顕微鏡検査により検査された。
カルシウム蓄積も測定された(定量的判定)。カルシウム沈着を評価するため、基質は、200μLの0.6N HCIの追加、及び夜通しの37℃での培養により脱塩された。溶液は、その後、採取され、5分間2000gで遠心分離された。上澄みのカルシウム濃度は、メーカーにより説明されているように比色解析(QuantiChrom Calcium Assays Kit;BioAssay Systems)により決定された。手短に言えば、5mLのサンプルが200mLのカルシウム試薬と結合され、室温で5分間培養された。吸収度は、プレートリーダー(Organon Teknika Cappel Products)を使用して610nmで培養直後に測定された。
5.筋肉由来MSCの免疫調節能力の評価
CD2 Tリンパ球(TL)は、電磁ビーズを使用することによりEDTAチューブに採取されたウマの血液から精製された。得られたCD2 TL集団は、99%の純度(図示せず)を示した。CD2 TLは、その後、カルボキシフルオレスセイン・サクシニミジル・エステル(CFSE)で蛍光マーカーを付けられ、フィトヘムアグルチニン(PHA)で刺激され、異なる比率のMSC/CD2 TL:4/1、2/1、1/1、1/2、1/4、及び1/8で、本発明に従った方法により調製された15−25%又は25−35%の分画のMSCで置かれた、又は置かれなかった。MSCにより引き起こされたCD2 TL増殖の抑制(%)は、観察された蛍光の変化により評価され、MSCの免疫調節能力を表す。
6.ホウォートンゼリーからの間充織幹細胞の分離
ウマ臍帯分節(5−10cm)をホウォートンゼリーが露出するように縦方向に区分した。いくつかの切り口は、プラスチック表面と接触するため、組織のより広い領域を露出するように滅菌メスで基質上に調製された。帯部分は、その後、10cmのペトリ皿に移され、15%のウシ胎児血清(Sigma)、2mMのL−グルタミン酸(Lonza)、及び0.5%の抗真菌性抗生物質溶液(Lonza)が補充されたL−グルタミン酸(DMEM;Lonza)なしに、1.0g/Lのグルコースでダルベッコ改変イーグル培地において5日間固定された。培養は、37℃で5%のCOの湿気のある環境で維持された。5日後、帯分節が捨てられ、培地が更新された。細胞は、その後、培地を毎週変更して、サブコンフルエンス(80−90%)に到達するまで拡大された。サブコンフルエンスでは、細胞は、TrypLE Select溶液(Lonza)で10分間の培養により分離された後、収集された。継代に関しては、5x10の細胞が、サブコンフルエンスまで同一の培養条件の75cmのフラスコ(Falcon)で固定された。細胞は、P4まで継代された。
7.骨髄由来間充織幹細胞の分離
手短に言えば、(ウマの骨髄サンプルからの)単核細胞(MNC)は、密度勾配遠心分離(LinfoSep;Biomedics、Madrid、Spain)により分離され、HBSS培地(Bio−Whittaker、Walkersville、MD)で洗浄された。我々は15%のFBS(Biochrom、Berlin、Germany)、2mMのL−グルタミン酸(GIBCO BRL、Grand Island、NY)、0.5%の抗生物質/抗真菌溶液(GIBCO BRL)が補充されたアルファ最小必須培地(α−MEM;BioWhittaker)で、0.5x10細胞/mlを播種した。これが完成したα−MEM培地である。プラスチック接着により選択された場合、MSCは、細胞播種後48時間で培地を取り替えることにより、非接着細胞の脱離を必要とする。培養が80%のコンフルエンスに到達すると、細胞はトリプシン−EDTA溶液(GIBCO BRL)で切り離され、1x10細胞/mlで継代培養された。
8.トランスクリプトーム解析
方法
RNAシークエンシング(RNA−seq)方法が利用された。全てのRNAは、RNeasy mini kit(Qiagen)を使用して、2頭の異なるウマから(15−25%の分画から)本発明の方法に従って調製された2000万のMSC、1頭のウマからの2000万のホウォートンゼリー幹細胞、及び1頭のウマからの2000万の骨髄由来幹細胞から抽出された。細胞は、ベータ−メルカプトエタノールを含有するRLTバッファーで溶解され、その後、RNAはメーカーの推奨事項を受けたカラムで精製された。
RNAの完全性は、RNA 6000 Nanoチップを用いたBioanalyser 2100で確認されており、RINのスコアは、全てのサンプルにおいて>8であった。
IlluminaのTruseq stranded mRNAサンプル調整キットは、1マイクログラムの総RNAからライブラリーを調整するために使われた。ポリA RNAは、ポリTでコーティングされた電磁ビーズで精製され、約200のヌクレオチドに化学的に分断された。これらは、無作為の六量体が存在する第1鎖合成、その後の第2鎖合成のための鋳型として利用される。つづいて、二本鎖cDNAの端は、インデックスを含有するアダプターへのライゲーション前に、3’OΗ端でアデニル化された。最終的に、アダプターにライゲーションされたライブラリー断片は、llluminaのプロトコルを受けたPCRにより濃縮され、Ampure XP電磁ビーズで精製された。ライブラリーは、Bioanalyser DNA 1000チップで有効化され、KAPAライブラリー定量キットでqPCRにより定量化された。シークエンシングは、ペアエンド2x75ベースプロトコルでIlluminaのNextSeq500において実施されている。
データ解析
Fastqファイルは、アダプター配列のために整えられた。読み取りは、ウマのゲノム(UCSCからのEquus caballus(ウマ)EquCab2)へのTophat2.0.9に連携させた。Cufflinks2.2.0スイートは、FPKM値を生成するために利用され、CuffDiffは、発現した遺伝子を著しく特異的に識別するために利用された。
[結果]
1.抽出法
マイクロバイオプシー技術は、培養を容易に開始するために十分な量のウマの筋組織の取得を可能にした。実験室でのサンプリング又は処置のいずれかの間、汚染は観察されなかった。よって、我々の作業環境は有効である。各マイクロバイオプシーを2つの片に切断したように、たった15−20mgの組織で2つの分かれた培養を開始することが可能であった。
2.外植片による培養
培養の3、4日後、最初の細胞がサンプリングされた筋肉の周囲に現れ始めた。約9、10日後、細胞の数は外植片の移植に十分になり、細胞を単体で育てられた(いわゆる第1細胞)。移植する外植片は、コンフルエンスまで同様に培養された第2のプールの細胞(いわゆる第2細胞)の取得を可能にした。第3のプールの細胞も取得できた。さらに、第2細胞は、第1細胞より速く、筋肉片の周囲に現れ始めた。
3.多能性幹細胞分離
3頭のウマそれぞれに対し、及び各パーコール分画(たとえば、<15%、15−25%、25−35%)において、我々は重要な量の細胞を培養及び凍結させることに成功した。
培養の開始から約20日、細胞の数は、トリプシン処理をし、分離プロセスを開始するのに十分となった。これプロセスより前に、我々はウマ2及びウマ3からそれぞれ、1020000及び1340000の第1細胞を取得した。第2細胞は、ウマ2及びウマ3からそれぞれ333333及び750000であった。
4.培養された細胞のキャラクタリゼーション
4.1.細胞の数
4.2.クローン原性
CFUで観察された形態学的側面は、骨髄又はホウォートンゼリーから分離された多能性幹細胞でいつも観察されているものとは異なっていた(表1)。
上記のセクション4.1及び4.2では、Pは「passage(継代)」、P1は「passage 1」、P2は「passage 2」を意味する。用語、継代は、通常、「1つの培養容器から他への細胞の移動又は二次培養を指すが、必ずしも細胞系又は細胞株の増殖を可能にする、増殖性細胞集団の細分化を含まない。
継代数は、培養が二次培養される回数である。
5.免疫表現型検査
得られた細胞は、CD44、CD90、及びCD105に陽性で、CD45、MHCII、及びCD29に陰性であった。ウマのこれら全ての抗体の交差反応は、CD29を除いて、ウマの骨髄からの単核細胞でチェックされた(図2及び3)。
3つのパーコール分画それぞれに対し、85−95%の細胞はCD105を発現させ、>90%の細胞はCD44及びCD90を発現させた(図3)。
6.細胞の多分化能
3つのパーコール分画のそれぞれから得られた細胞は、各分化培地で培養された場合、脂肪細胞(図4)、軟骨細胞(図5)、及び骨細胞(図6)に分化することができた。
7.細胞の臨床用途
本発明に従った方法により得られたウマのMSCは、跛行を減少させ、靱帯炎、腱炎、及び骨関節炎等の運動系の深刻な病状にかかったウマの治癒を促進させることができる。MSCは、損傷(腱、靱帯)、若しくは腱又は関節滑液のいずれかに直接投与できる。
1/MSCの腱内注入
競走馬(雌馬、9歳、サラブレッド)は、レース後、浅指屈筋腱の深刻な腱炎を発症した。馬は、休息を取ったが、他の処置はなかった。負傷の3ヶ月後、馬はグレードIIIの左前肢跛行を示し、下肢及び手根骨の屈曲が明白だった。画像診断調査は、強い血管新生及びコア損傷を伴う、ポストアキュートで、治癒しつつある浅指屈筋腱(SDFT)腱障害を示した。本発明に従った方法が雌馬の筋肉マイクロバイオプシーから自己MSCを取得するために利用された。制御は6週間後になされた。跛行に顕著な改善はなかったが、超音波検査は、左前のSDFT治療の軽度の好ましい進化とコア損傷の柔軟さを示した。雌馬は、SDFTのコア損傷における10の自己MSCの超音波ガイド下の注入を受けた。雌馬は、また、20分の歩行/日とともに、ボックスレストを取った。6週間後、雌馬は左前肢跛行に顕著な改善を示した。超音波検査は、エコー輝度が向上して、極めてよくなっていた(下記の表1参照)。リハビリテーションプログラムが推進された。
跳躍馬(7歳、Zangersheide、雄)は、右前肢SDFT腱炎を発症した。馬は、休息とNSAI(非ステロイド性抗炎症薬)によく反応した。馬は、4ヶ月後に以前のレベルの能力に戻ったが、3週間後、右前肢に別の掌の腫れを発症した。馬は、腫れに関連したグレードIIIの跛行を示した。超音波検査は、広範囲の低エコー、5*1*0.7cm、第3中手骨の末端の3分の1のSDFTの外側面における高エコーの中隔でのドップラーネガティブ領域を示した。馬は、矯正削蹄、整形外科的装蹄、及び超音波ガイド下の病巣内PrP注入を受けた。リハビリテーションプログラムが提案された。筋肉マイクロバイオプシーは、本発明の方法に従ったMSCの調整のために成された。第1の制御は、8週間後に行われた。腫れは、完全に再吸収され、跛行の2段階の改善が記された。超音波検査は、同様に改善を示した。損傷はより良い線維方向で2(2.5*0.5*0.7cm)まで減少し、より小さい低エコーであった。馬は、SDFTの損傷に10の自己MSCの超音波ガイド下での注入を受けた。リハビリテーションプログラムが推進された。第2の制御において(2ヶ月後)、馬は、全く跛行を示さず、超音波検査法は、はっきりしない小さな低エコー域を示した(下記の表1参考)。馬は、トリミングを受け、整形外科的装蹄は維持され、リハビリテーションプログラムが推進された。最後の制御において(第2の制御の2ヶ月後)、超音波画像に顕著な変化はなかった。リハビリテーションプログラムは終了し、整形外科的装蹄は維持された。
2/MSCの腱内及び滑膜内注入
レジャー用のウマ(去勢馬、16歳、混血)は、蹴爪下に位置する左前肢のグレードIIIの跛行を示した。画像検査は、深指屈筋腱(DDFT)の中葉の前両側の腱障害及び左遠位指節間関節の軽度から軽度の変形性関節疾患を示した。従来の関節内及び矯正靴が適用されたが、6週間後、顕著な改善はなかった。本発明に従った方法は、去勢馬の筋肉マイクロバイオプシーから自己MSCを取得するために利用された。4週間後、馬は、左前の深指屈筋腱の中葉、及び対応する指部腱鞘に、10の自己MSCの超音波ガイド下での注入を受けた。馬は、幹細胞投与の2日後に注入部位に局所的な中程度の腫れを示した。6週間後、制御が行われ、跛行の軽度の改善、及び超音波画像の軽度の改善を示した。リハビリテーションプログラムが開始され、第2の制御において、馬は明らかに回復した(下記の表1参照)。身体活動の進行的な強化が提案された。
3/MSCの靭帯内及び関節内注射
レジャー用ポニー(去勢馬、5歳)は、6ヶ月から右足根下腿関節の外側側副靱帯の深刻な靱帯炎、及び変形性関節疾患の中程度の兆候にかかった。跛行III/V、関節腫脹、限られた範囲に痛みを伴う屈曲。事故後に取られた従来の処置では、跛行の顕著な改善はなかった。本発明に従った方法がポニーの筋肉マイクロバイオプシーから自己MSCを取得するために利用された。1ヶ月後、1回分の10のMSCが靱帯に注入され、10のMSCが足根下腿関節の滑液嚢に注入された。6週間後、関節の腫れの明確な縮小、及び通常の屈曲と共に、跛行の臨床改善が観察された(グレードI/V)(下記の表1参照)。リハビリテーションのプログラムが指示され、ポニーは身体活動を引き継いだ。

表1:異なる骨関節の病気の4頭のウマの跛行スコア[0:跛行がないこと〜V:ウマは影響を受けた肢の使用不可]における本発明の方法に従って調製されたウマの自己MSCの特定の部位での注入(10/注入部位)効果
8.細胞の免疫調節能力
ウマのCD2 Tリンパ球(TL)の増殖抑制(%)が観察された。15−25%分画からのMSCに関し、より強い抑制が1/8の比率MSC/CD2 TLで観察された。25−35%分画からの細胞に関し、MSC/CD2 TLの最適な比率は1/2だった(下記表2参照)。

表2:異なる比率のMSC/CD2 TL(すなわち、4/1、2/1、1/1、1/2、1/4、1/8)における15−25%又は25−35%分画からのMSCで培養された場合の2頭のウマのCD2 TLの増殖抑制(%)
9.トランスクリプトーム解析−本発明の方法に従って調製されたウマMSC(筋肉由来MSCと略)、ウマのホウォートンゼリーMSC及びウマの骨髄MSC間の5つのmiRNAの差次的発現
我々は、幹細胞の3つのソース間の56の遺伝子に関し顕著な差次的発現を観察した。我々はマイクロRNA(miRNA)に焦点を当てることを選択した。5つのmiRNA、すなわちmiR−128、miR−133B、miR−218、miR−656、及びmiR−802、は、幹細胞の3つのソース間で顕著な差次的発現を示した。おそらく利用された技術のため、観察されたmiRNAは、対応するmiRNAの前駆体である。本実験によれば、miR−128及びmiR−133Bは、ホウォートンゼリーMSC及び骨髄MSCと比較して、筋肉由来MSCにおいて、著しく過剰発現した。miR−218及びmiR−802も筋肉由来MSCにより発現したが、miR−218はホウォートンゼリーMSC及び筋肉由来のMSCと比較して、骨髄MSCで著しく多く発現した。それに対し、miR−802は、ホウォートンゼリーMSCと比較して、骨髄MSC及び筋肉由来MSCで著しく過剰発現した。miR−656は、骨髄MSC及び筋肉由来のMSCと比較して、ホウォートンゼリーMSCで著しく過剰発現した(図7)。

[略語]
DF20:20%のウシ胎児血清、5mlのペニシリン(1000U/ml)−ストレプトマイシン(10000μg/ml)、2.5mlのアンフォテリシンB(250μg/ml)、及び5mlのHEPESを備えるDMEM/F12で構成される成長培地。
HBSS:Hankの平衡塩溶液

[参照]
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Claims (4)

  1. 哺乳類の間充織幹細胞(MSC)を調製する方法であって、
    a)前記哺乳類の骨格筋組織からマイクロバイオプシーを収集する工程と、
    b)収集後、前記マイクロバイオプシーを適切な培地にセットする工程と、
    c)培養中、前記マイクロバイオプシーから出現する細胞を収集する工程と、
    d)工程c)で得られた前記細胞をコンフルエンシー近くまで成長させる工程と、
    e)工程d)から前記細胞を解離する工程と、
    f)密度勾配分画により他の細胞から間充織幹細胞(MSC)を分離し、間充織幹細胞
    (MSC)を取得する工程と、
    を備える方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記培地は、約20%のウシ胎児血清、約5mlのペニシリン(1000U/ml)−
    ストレプトマイシン(10000μg/ml)、約2.5mlのアンフォテリシンB(2
    50μg/ml)、及び約5mlのHEPESを含むDMEM/F12を備える方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    前記哺乳類は、たとえばネズミ、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモッ
    ト、畜牛、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、及び、たとえばサルや類人猿等の霊長類のような
    、家畜、動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット、コンパニオン・アニマル、及び実験
    動物を含むグループから選択される方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載に記載の方法であって、さらに、
    前記MSCをそれぞれ適切な脂質生成、骨形成、軟骨形成、筋原性、造血、内皮、ニュ
    ーロン、心臓、又は肝細胞の分化培地において培養することにより、前記細胞を脂肪細胞
    、骨細胞、軟骨細胞、筋原細胞、造血細胞、内皮細胞、神経細胞、心臓細胞、又は肝細胞
    に分化させる工程を備える方法。
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