以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.収容システム>
図1は、第1実施形態に係る収容システム500の構成を示すブロック図である。収容システム500は、収容装置100と、サーバ装置300と、を備える。
収容装置100は、たとえば避難施設又は防災用品備蓄庫などに用いられる鍵Kを収容物として収容室111内に収容する鍵ボックスである。収容装置100は、所定規模以上の災害の発生が正しく検知された場合に収容室111を解錠可能にする。以下では、震度5以上の地震を例に挙げて説明する。
なお、本明細書において、「解錠可能にする」ことは、解錠不能な状態から解錠可能な状態に変えられることのみならず、既に解錠可能である状態を維持することも含む。また、「解錠不能にする」ことは、解錠可能な状態から解錠不能な状態に変えられることのみならず、既に解錠不能である状態を維持することも含む。
地震発生時に、被災者などは、収容室111を開放して、鍵Kを取り出すことができる。なお、収容物は、上述の例示に限定されない。収容物は、たとえばヘルメット、衣類、マスクなどの非常用の道具又は装備、非常食などであってもよい。収容装置100の構成は、後に説明する。
サーバ装置300は、収容装置100の周囲での災害の発生に関する災害発生情報を生成する。また、たとえば、サーバ装置300は、サーバ装置300側で作成した災害発生情報に基づいて収容装置100側での災害の検知結果が正しいか誤検知であるかを判定し、その判定結果を収容装置100に送信できる。或いは、サーバ装置300は、収容装置100側で検知結果の正誤を判定させるべく、生成した災害発生情報を収容装置100に送信できる。このほか、サーバ装置300は、遠隔操作で収容室111を解錠可能にすべく、解錠指令を収容装置100に送信できる。
サーバ装置300は、災害検知センサ301と、通信部310と、ネットワークI/F320と、メモリ330と、制御部340と、を有する。
災害検知センサ301は、サーバ装置300の設置場所での所定規模以上の災害の発生を検知する。本実施形態では、該災害は地震であり、災害検知センサ301は、三次元加速度センサの検知結果に基づいて所定の震度(たとえば震度5)以上の地震を検知する感震センサである。災害検知センサ301は、収容装置100の後述する災害検知センサ2と同種のセンサであり、好ましくは災害検知センサ2と同じ機種のセンサである。
通信部310は、アンテナ311を介して収容装置100と無線通信する。
ネットワークI/F320には、ネットワークNTが接続される。ネットワークNTは、たとえばインターネットである。
メモリ330は、電力供給が停止されても記憶を保持する非一過性の記憶媒体であり、サーバ装置300の各構成要素で用いられる情報及びプログラムなどを記憶する。また、メモリ330は、通信部310が送受信する情報なども記憶できる。
制御部340は、メモリ330に記憶された情報及びプログラムを用いてサーバ装置300の各構成要素を制御する。制御部340は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro−processing Unit)などを含むコンピュータである。制御部340は、情報生成部341と、判定部342と、を有する。なお、情報生成部341及び判定部342は、本実施形態では制御部340の機能的な要素であるが、この例示に限定されず、情報生成部341及び判定部342の少なくとも一方は、電気回路などの物理的な構成要素であってもよい。
情報生成部341は、ネットワークI/F320を介してネットワークNTから情報を取得し、特に、収容装置100の設置地域において発生した地震に関する地震速報などの情報を取得する。情報生成部341は、災害検知センサ301の検知結果及びネットワークNTから取得した上述の情報のうちの少なくとも一方に基づいて、災害発生情報を作成する。災害発生情報は、収容装置100の周囲での災害の発生に関する情報であり、本実施形態では収容装置100が設置される地域で発生した地震に関して該地域での震度、発生日時などの情報を有する。なお、災害検知センサ301で所定規模以上の地震が検知されず且つ収容装置100が設置された地域での地震の発生に関する情報が取得されない場合に、情報生成部341は、収容装置100の周囲での地震の発生が無い旨を示す災害発生情報を作成することがある。
判定部342は、各種の判定を行う。たとえば、判定部342は、災害発生情報に基づいて、収容装置100側の災害検知センサ2の検知結果が正しいか否かを判定できる。
<1−2.収容装置>
次に、図1〜図2Bを参照して、収容装置100の構成を説明する。図2Aは、収容装置100の外観を示す斜視図である。図2Bは、開放された収容装置100の斜視図である。
収容装置100は、収容筐体110と、扉120と、開放センサ130と、点灯表示部140と、スピーカー150と、電気室160と、を備える。また、収容装置100は、錠ユニット1と、災害検知センサ2と、通信部3と、外部接続I/F4と、電源部5と、室内灯6と、記憶部8と、制御ユニット9と、をさらに備える。
収容筐体110の内部には、鍵Kを収容する収容室111が設けられる。収容室111には、開口112が設けられる。
扉120は、収容室111の開口112を開閉可能である。
開放センサ130は、収容室111が開放されているか否かを検知する。本実施形態では、開放センサ130は、扉120の内面との最短距離を測定する測距センサであり、測定された該最短距離に応じて扉120の開閉を検知することにより、収容室111の開放/閉鎖を検知する。但し、開放センサ130は、この例示に限定されず、接触検知センサなどの他種のセンサであってもよい。たとえば、開放センサ130は、収容室111の開口112の縁部付近に設けられた電極が扉120の内面に設けられた電極と導通するか否かの検知により、収容室111の開放/閉鎖を検知してもよい。
点灯表示部140は、収容室111が解錠可能であることを報知すべく、扉120の外面に設けられる発光装置である。本実施形態では、点灯表示部140には、LEDライトが用いられる。点灯表示部140は、収容室111が解錠可能である場合に点灯され、収容室111が解錠不能である場合に消灯される。
スピーカー150は、制御ユニット9と接続され、制御ユニット9から出力される音声出力信号に基づく音声出力を行う。スピーカー150は、周囲の人物に音声での報知を行う。たとえば、スピーカー150は、収容室111が解錠可能である場合に、その旨を音声で報知する。このほか、スピーカー150は、災害の発生、及び、避難経路への誘導案内などを報知できる。
電気室160は、収容室111内に設けられる。本実施形態では、電気室160の内部には、災害検知センサ2、通信部3、外部接続I/F4、電源部5、室内灯6、記憶部8、及び制御ユニット9が収容される。電気室160は、透光性の窓161を有する。
次に、錠ユニット1では、収容室111の解錠及び施錠が可能である。本実施形態では、錠ユニット1は、扉120に設けられ、被災者などの手動操作に応じて、扉120を開口112に固定、又は開口112から回動可能にする。
錠ユニット1は、本実施形態では、操作部11と、錠部12と、切替部13と、カバー部14と、手動連結部15と、を有する。
操作部11は、たとえば被災者などの手動操作を受ける。本実施形態では、操作部11は、畳むことが可能なハンドルであり、畳んだ状態で扉120に固定可能である。
錠部12は、操作部11と連動し、操作部11の手動操作に応じて収容室111を施錠又は解錠する。本実施形態では、収容室111が施錠される際、錠部12の抑え板(図示省略)が、閉じられた扉120との間に開口112に沿う収容筐体110の縁部を挟む。これにより、錠部12は、収容室111を施錠して、扉120を開けないようにする。また、収容室111が解錠される際、錠部12の抑え板が開口112よりも内側に引っ込んで、閉じられた扉120との間に開口112に沿う収容筐体110の縁部を挟まなくなる。これにより、錠部12は、収容室111を解錠して、扉120を開けるようにする。
切替部13は、制御ユニット9による制御に応じて操作部11を操作可能又は操作不能にする。たとえば、災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果が誤検知ではなく正しいと判定される場合、切替部13は、制御ユニット9による制御に応じて、操作部11を操作可能にできる。そのため、災害の発生時に、被災者などは、操作部11の手動操作により錠部12に収容室111を解錠させて、該収容室111を開放し、該収容室111内の収容物(鍵K)を利用できる。
また、たとえば、災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果が誤検知であると判定される場合、切替部13は、制御ユニット9による制御に応じて、操作部11を操作不能にして錠部12の解錠を防止できる。そのため、たとえば災害の発生時以外に、収容室111が解錠且つ開放されて、収容室111内の収容物(鍵K)が利用されることを防止できる。
なお、切替部13は、手動連結部15の操作によっても、操作部11を操作可能又は操作不能にすることができる。
本実施形態では、切替部13は、固定ピン(図示省略)と、アクチュエータ(図示省略)と、を有する。固定ピンは、畳まれた状態の操作部11を扉120に固定できる。アクチュエータは、制御ユニット9による制御又は手動連結部15の操作に応じて固定ピンを動かし、操作部11を固定する状態又は操作部11を固定しない状態にする。
操作部11を操作可能にする際、アクチュエータの駆動により固定ピンが操作部11から外れることにより、操作部11の固定が解除される。これにより、手動で操作部11を畳まれた状態から図2Bのように延ばすことが可能になる。従って、操作部11を手動で回すことにより、収容室111は解錠可能となる。たとえば、手動で図2Bのように延ばされた操作部11を逆時計回りに回すと、錠部12の抑え板が引っ込んで収容室111が解錠される。従って、被災者などは、扉120を開けて、収容室111を開放できる。なお、扉120を閉じた状態で図2Bのように延ばされた操作部11を時計回りに回すと、錠部12の抑え板が、開口112に沿う収容筐体110の縁部に突き出て、閉じられた扉120との間に該縁部を挟む。これにより、収容室111が施錠される。つまり、被災者などは、扉120を開けなくなり、収容室111を開放できなくなる。
一方、操作部11を操作不能にする際、アクチュエータの駆動により固定ピンが操作部11と係合することにより、図2Aのような位置にて手動で畳まれた状態の操作部11が扉120に固定される。これにより、操作部11は、畳まれた状態から延ばせなくなる。従って、操作部11を回せなくなるので、収容室111は解錠不能となる。
カバー部14は、回動可能な保護部材であり、図2Aのように畳まれた状態の操作部11を覆うことができる。
手動連結部15は、切替部13を手動操作可能であり、専用の鍵などの治具を用いて操作部11を操作可能又は操作不能に切り替えることができる。
災害検知センサ2は、収容装置100の周囲での災害を検知し、特に所定規模以上の災害の発生を検知する。災害検知センサ2の検知結果は、制御ユニット9の後述するユニット制御部94に取得される。災害検知センサ2は、本実施形態では、三次元加速度センサを有する感震センサであり、三次元加速度センサの検知結果に基づいて所定規模以上の地震の発生を検知する。所定規模は、本実施形態では震度5に相当するSI(Spectrum Intensity)値としている。こうすれば、所定の震度以上の地震の発生を正確に検知できる。さらに、被災者などは、該地震の発生時に、収容室111内の収容物(鍵K)を確実に取り出して利用できる。
通信部3は、アンテナ31を通じて、災害の発生に関する災害発生情報を生成するサーバ装置300と無線通信する。たとえば、通信部3は、災害検知センサ2の検知結果をサーバ装置300に送信できる。また、通信部3は、災害発生情報をサーバ装置300から受信できる。
また、収容室111の開放が検知される場合、通信部3は、収容室111の開放をサーバ装置300に送信する。収容室111の扉120が開いているか否かは、開放センサ130により検知される。扉120が開いている場合、通信部3は、その旨をサーバ装置300に送信する。これにより、サーバ装置300の管理者は、扉120が開いている旨を知ることができるので、たとえば収容装置100の設置場所に行って扉120を閉めることができる。なお、収容装置100が自動で扉120を開閉する機構を有する場合、サーバ装置300の管理者は、遠隔操作によって扉120を閉めることができる。
通信部3は、好ましくは、LPWA(Low Power Wide Area)通信方式の無線通信をサーバ装置300と行う。こうすれば、収容装置100及びサーバ装置300は、通信部3とサーバ装置300との間のLPWA通信方式の無線通信により、低い消費電力で双方向の遠距離通信を安定して行うことができる。
また、通信部3は、LTE(Long Term Evolution)基地局で中継される無線通信をサーバ装置300と行ってもよい。たとえば、通信部3とサーバ装置300との間の無線通信は、いわゆるライセンス系LPWA通信方式であってもよく、特にセルラーLPWA通信方式(或いは、LTE−M通信方式)であってもよい。こうすれば、通信部3は、既存の通信事業者が運営する通信ネットワークを利用することができ、特に、携帯キャリアが運営するセルラーネットワークを利用できる。LTE基地局で中継される通信ネットワークはたとえば携帯電話及びスマートフォンなどで利用され、その通信圏は日本全体をほぼカバーしている。従って、新たな中継基地を設置しなくても、収容装置100の通信部3は、サーバ装置300と広範囲な遠距離通信を行うことができる。
或いは、通信部3とサーバ装置300との間の無線通信は、LoRaWAN(登録商標)、Sigfox(登録商標)などのいわゆるアンライセンス系LPWA通信方式であってもよい。この通信方式では、既存の通信事業者が運営する通信ネットワーク(たとえばセルラーネットワーク)を利用しないため、無線通信用の基地局を独自に設置する必要があるが、同じアンライセンス系LPWA通信方式の通信事業者と契約した無線通信以外の利用がない。そのため、通信ネットワークの渋滞による無線通信の遅延、混線、停止などの発生を防止できる。従って、災害の発生時にも安定的に無線通信を行うことができる。また、セルラーLPWA通信方式では無線局免許が必要であるが、アンライセンス系LPWA通信方式では無線局免許が不要である。そのため、自由度の高い運用が可能である。
但し、上述の例示に限定されず、通信部3は、LPWA以外の通信方式の無線通信をサーバ装置300と行ってもよい。たとえば、通信方式は、WiFiであってもよい。
外部接続I/F4には、外部機器が接続可能である。外部接続I/F4は、電灯端子部41と、外部接続端子部42と、を有する。
電灯端子部41には、誘導灯装置GLが接続される。誘導灯装置GLは、災害の被災者に避難経路を指示する。誘導灯装置GLは、災害発生時に被災者などを誘導する電灯、電光標示などを含む。これらは、避難経路に沿って設けられる。
外部接続端子部42には、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置PCが接続可能である。情報処理装置PCは、収容装置100の点検・修理などに用いられ、収容装置100の各種設定を実施できる。本実施形態では、USB(Universal Serial Bus)規格に応じて、情報処理装置PCが接続される。なお、この例示に限定されず、情報処理装置PCは、USB規格以外の規格に応じて、外部接続I/F4に接続されてもよい。
電源部5は、交流電源ACと接続され、収容装置100の各構成要素に電力を供給できる。なお、交流電源ACは、商用電力網から供給される交流電力源である。電源部5は、バッテリー51と、電力変換部52と、を有する。バッテリー51は、蓄電及び放電が可能な蓄放電装置である。電力変換部52は、交流電源ACから供給される交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、収容装置100の各構成要素、たとえば、開放センサ130、点灯表示部140、スピーカー150、災害検知センサ2、通信部3、バッテリー51、室内灯6、記憶部8、及び制御ユニット9などに供給される。また、電力制御部18は、バッテリー51から放電される直流電力をたとえば上述のような収容装置100の各構成要素に供給することもできる。
室内灯6は、制御ユニット9から出力される発光制御信号に基づいて点灯し、窓161を通じて収容室111の内部を照らす。室内灯6は、本実施形態では電気室160の内部に設けられている。但し、この例示に限定されず、室内灯6は、収容室111内において電気室160の外部に設けられてもよい。たとえば、室内灯6は、収容室111の天井に設けられてもよい。
記憶部8は、電力供給が停止されても記憶を保持する非一過性の記憶媒体であり、収容装置100の各構成要素(特に制御ユニット9)で用いられる情報及びプログラムなどを記憶する。また、記憶部8は、通信部3が送受信する情報なども記憶できる。
制御ユニット9は、記憶部8に記憶された情報及びプログラムを用いて、収容装置100の各構成要素を制御する。たとえば、制御ユニット9は、点灯表示部140、錠ユニット1、電源部5、及び室内灯6などを制御する。本実施形態の制御ユニット9は、たとえば、CPU、MPUなどを含むコンピュータである。
制御ユニット9は、電灯制御部91と、電力制御部92と、判定部93と、ユニット制御部94と、を有する。また、制御ユニット9は、現在時刻及び経過時間など計るタイマ(図示省略)をさらに有する。なお、これらの構成要素は本実施形態では制御ユニット9の機能的な要素となっているが、この例示に限定されない。上述の構成要素のうちの少なくとも一部は、電気回路などの物理的な構成要素であってもよい。
電灯制御部91は、点灯表示部140及び室内灯6を制御する。たとえば、電灯制御部91は、収容室111が解錠可能になると、点灯表示部140を点灯又は点滅発光させる。また、電灯制御部91は、収容室111が解錠可能である場合、或いは収容室111が開放される場合に、室内灯6を点灯する。また、電灯制御部91は、電灯端子部41に制御信号を出力することにより、誘導灯装置GLを制御する。電灯制御部91は、収容室111が解錠可能にされる場合、誘導灯装置GLを点灯させる。こうすれば、収容装置100は、災害の発生時に誘導灯装置GLの点灯によって被災者に避難経路を指示できる。
電力制御部92は、電源部5を制御する。より具体的には、電力制御部92は、バッテリー51の充放電を制御するとともに、電力変換部52を制御する。電力制御部92は、交流電源ACから出力される電力をAD変換してバッテリー51に蓄電させることができる。また、電力制御部92は、バッテリー51の放電電力及び交流電源ACのうちのどちらかを収容装置100の電力源に設定して、該電力源からの供給電力を収容装置100の各構成要素に供給できる。たとえば、電力制御部92は、収容室111が解錠可能にされる場合、バッテリー51の放電電力を収容装置100の電力源にする。こうすれば、災害が発生した場合に、電気事業者が運営する電力系統網からの電力供給が停止しても、収容装置100は、バッテリー51から電力供給を受けて動作できる。
判定部93は、各種の判定を行う。たとえば、判定部93は、災害発生情報に基づいて、災害検知センサ2の検知結果が正しいか否かを判定できる。
ユニット制御部94は、錠ユニット1を制御し、本実施形態では切替部13を制御する。たとえば、収容装置100及びサーバ装置300のうちの一方が災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果は正しいと判定した場合、制御ユニット9のユニット制御部94は、収容室111を解錠可能にする。本実施形態では、ユニット制御部94は、切替部13による操作部11の固定を解除させる。これにより、畳まれた状態の操作部11を引き出すことが可能となる。従って、被災者などが、操作部11を回して錠部12による収容室111を解錠でき、扉120を開けて収容室111を開放できる。
こうすれば、災害検知センサ2による収容装置100側での災害の検知結果はサーバ装置300側で生成される災害発生情報に基づいて誤検知ではなく正しいと判定された場合に、収容装置100の収容室111が解錠可能にされる。従って、たとえば災害発生の誤検知によって、収容室111が不必要に解錠可能な状態となることを防止することができる。さらに、災害の発生時には、収容室111を解錠可能にできる。従って、たとえば被災者などが、錠ユニット1によって収容室111を解錠して開放でき、該収容室111内の収容物(鍵K)を確実に利用することができる。
また、収容装置100及びサーバ装置300のうちの一方により災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果が誤検知であると判定された場合、制御ユニット9のユニット制御部94は、収容室111を解錠不能にする。本実施形態では、ユニット制御部94は、切替部13により、畳んだ状態の操作部11を扉120に固定させる。これにより、畳まれた状態の操作部11を引き出すことが不能となる。従って、操作部11を回せないため、錠部12による収容室111の施錠が解除できなくなり、扉120を開けることもできなくなる。
こうすれば、災害検知センサ2による収容装置100側での災害の検知結果がサーバ装置300側で生成される災害発生情報に基づいて誤検知であると判定された場合に、収容装置100の収容室111が解錠不能にされる。従って、収容装置100の周囲での環境ノイズ、又は、収容装置100に加えられる悪戯などによる誤検知によって、収容装置100の収容室111が不必要に解錠可能になることをより確実に防止できる。たとえば、環境音又は意図的に収容装置100に加えられた力により検知される振動による地震の誤検知によって、収容室111が解錠可能な状態となることを防止できる。よって、たとえば災害の発生時以外に、収容室111内の収容物(鍵K)が利用されることを防止できる。
<1−3.収容システムの動作の実施例>
次に、図3A及び図3Bを参照して、収容システム500における収容装置100及びサーバ装置300の動作の実施例を説明する。図3Aは、収容装置100の動作の実施例を説明するためのフローチャートである。図3Bは、サーバ装置300の動作の実施例を説明するためのフローチャートである。
実施例では、サーバ装置300の判定部342が、サーバ装置300側の災害発生情報に基づいて、収容装置100側の検知結果は正しいか誤検知であるかを判定する。
<1−3−1.収容装置の動作の実施例>
まず、収容装置100の動作の実施例を図3Aに沿って説明する。
制御ユニット9の判定部93は、災害検知センサ2が所定震度以上の地震の発生を検知したか否かを判定する(ステップS101)。
災害検知センサ2が検知していない場合(ステップS101でNO)、判定部93は、通信部3がサーバ装置300から解錠指令を受信したか否かを判定する(ステップS103)。解錠指令を受信していない場合(ステップS103でNO)、処理はS101に戻される。また、解錠指令を受信している場合(ステップS103でYES)、収容室111を解錠可能にすべく、処理は後述するS115に進む。こうすれば、収容装置100の設置場所で災害が発生した場合に、収容装置100側の災害検知センサ2が正常に作動しなくても、サーバ装置300の遠隔操作により、収容室111を解錠可能にできる。従って、被災者などは、収容室111内の収容物(鍵K)を取り出して利用できる。
災害検知センサ2が検知した場合(ステップS101でYES)、災害発生情報に基づいて検知結果が正しいか誤検知であるかをサーバ装置300に判定させるべく、通信部3は、災害検知センサ2の検知結果をサーバ装置300に送信する(ステップS105)。
次に、判定部93は、災害発生情報に基づいて収容装置100側の検知結果は誤検知であると判定した旨を通信部3がサーバ装置300から受信したか否かを判定する(ステップS107)。誤検知であると判定した旨を受信した場合(ステップS107でYES)、災害検知センサ2は、地震ではなく、環境ノイズ又は悪戯などによる振動を検知したと判定される。制御ユニット9のユニット制御部94は、錠ユニット1の制御により、切替部13により操作部11を固定させて、収容室111を解錠不能にする(ステップS109)。なお、前述の如く、制御ユニット9は、既に収容室111が解錠不能な状態であれば、解錠不能な状態を維持させる。その後、処理はS101に戻る。
誤検知であると判定した旨を受信していない場合(ステップS107でNO)、判定部93は、災害発生情報に基づいて収容装置100側の検知結果は正しいと判定した旨を通信部3がサーバ装置300から受信したか否かを判定する(ステップS111)。正しいと判定した旨も受信していない場合(ステップS111でNO)、通信部3は、サーバ装置300での判定結果を受信していない。この場合、判定部93は、災害検知センサ2が地震を検知した時点から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS113)。経過していない場合(ステップS113でNO)、処理はS107に戻る。経過している場合(ステップS113でYES)、処理はS115に進む。
災害発生情報に基づいて収容装置100側の検知結果は正しいと判定した旨を受信した場合(ステップS111でYES)、災害検知センサ2は地震を正確に検知したと判定される。この場合、制御ユニット9のユニット制御部94は、錠ユニット1の制御により、切替部13による操作部11の固定を解除させて、収容室111を解錠可能にする(ステップS115)。こうすれば、災害検知センサ2による地震の検知結果が正しいか否かをサーバ装置300側で判定できる。サーバ装置300側で検知結果が誤検知ではなく正しいと判定されると、収容装置100は、収容室111を解錠可能にする。このように、収容装置100側で上記の判定を行う必要が無いので、収容装置100側で上記の判定を行う場合よりも収容装置100の構成を簡略にできる。
さらに、制御ユニット9は、スピーカー150の音声出力によって収容装置100が解錠可能である旨を報知させる(ステップS117)。電灯制御部91は、誘導灯装置GL及び点灯表示部を点灯する(ステップS119)。電力制御部92は、収容装置100の電力源をバッテリー51に設定し、交流電源ACからの電力供給を停止する(ステップS121)。そして、収容装置100は、図3Aの処理を収容する。
なお、図3Aでは、ステップS113でYESの場合、地震が発生しているもののサーバ装置300側の判定結果が何らかの原因で送信されなかった場合を考慮して、処理はステップS115に進んでいる。但し、この例示に限定されず、ステップS113でYESの場合、環境ノイズ又は悪戯などによる誤検知防止を考慮して、収容室111を解錠不能にした後に、処理はS101に戻ってもよい。
<1−3−2.サーバ装置の動作の実施例>
次に、サーバ装置300の動作の実施例を図3Bに沿って説明する。なお、図3Bの開始時において、災害発生情報は、収容装置100の設置場所を含む地域で地震が発生していない旨を含んでいる。
制御部340は、サーバ装置300側の災害検知センサ301が所定震度以上の地震の発生を検知したか否かを判定する(ステップS201)。災害検知センサ301が検知している場合(ステップS201でYES)、処理は後述するS209に進む。
災害検知センサ301が検知していない場合(ステップS201でNO)、判定部342は、ネットワークI/F320を介してネットワークNTから地震速報が取得されたか否かを判定する(ステップS203)。地震速報が取得されていない場合(ステップS203でNO)、処理は後述するS207に進む。また、地震速報が取得された場合(ステップS203でYES)、判定部342は、地震速報に基づいて、収容装置100の設置場所を含む地域で発生した地震が所定震度以上であるか否かを判定する(ステップS205)。
所定震度未満である場合(ステップS205でNO)、判定部342は、収容装置100から地震の検知結果を受信したか否かを判定する(ステップS207)。検知結果を受信していない場合(ステップS207でNO)、処理はS201に戻る。検知結果を受信している場合(ステップS207でYES)、処理は後述するS217に進む。
所定震度以上である場合(ステップS205でYES)、情報生成部341は、地震速報に基づいて、災害発生情報を更新して作成する(ステップS209)。或いは、情報生成部341は、災害検知センサ301の検知結果に基づいて、災害発生情報を更新して生成する。判定部342は、収容装置100から地震の検知結果を受信したか否かを判定する(ステップS211)。
検知結果を受信していない場合(ステップS211でNO)、判定部342は、災害検知センサ301で地震を検知した時点、又は、地震速報を取得した時点から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS213)。所定時間が経過していない場合(ステップS213でNO)、処理はS211に戻る。所定時間が経過している場合(ステップS213でYES)、通信部310は、収容装置100に解錠指令を送信する(ステップS215)。その後、処理はS201に戻る。
検知結果を受信している場合(ステップS211でYES)、判定部342は、災害発生情報に基づいて収容装置100側での検知結果が正しいか誤検知であるかを判定する(ステップS217)。正しいと判定した場合(ステップS217でYES)、通信部310は災害発生情報に基づいて収容装置100側での検知結果は正しいと判定した旨を収容装置100に送信し(ステップS219)、処理はS201に戻る。誤検知であると判定した場合(ステップS217でNO)、通信部310は災害発生情報に基づいて収容装置100側での検知結果は誤検知であると判定した旨を収容装置100に送信し(ステップS221)、処理はS201に戻る。
<1−4.収容システムの動作の第1変形例>
次に、図4を参照して、収容システム500の動作の第1変形例を説明する。図4は、収容装置100の動作の第1変形例を説明するためのフローチャートである。
第1変形例では実施例と同じく、サーバ装置300の判定部342が、サーバ装置300の判定部342が、サーバ装置300側の災害発生情報に基づいて、収容装置100側の検知結果は正しいか誤検知であるかを判定する。但し、サーバ装置300の動作は、図3Bに示す実施例と同様である。そのため、収容装置100の動作の第1変形例を図4に沿って説明し、サーバ装置300の動作の説明は省略する。
<1−4−1.収容装置の動作の第1変形例>
制御ユニット9は、災害検知センサ2が所定震度以上の地震の発生を検知したか否かを判定する(ステップS301)。
災害検知センサ2が検知していない場合(ステップS301でNO)、制御ユニット9の判定部93は、通信部3がサーバ装置300から解錠指令を受信したか否かを判定する(ステップS303)。解錠指令を受信していない場合(ステップS303でNO)、処理はS301に戻される。また、解錠指令を受信している場合(ステップS303でYES)、収容室111を解錠可能にすべく、処理は後述するS305に進む。
災害検知センサ2が検知した場合(ステップS301でYES)、制御ユニット9のユニット制御部94は、錠ユニット1の制御により、切替部13による操作部11の固定を解除させて、収容室111を解錠可能にする(ステップS305)。さらに、制御ユニット9は、スピーカー150の音声出力によって収容装置100が解錠可能である旨を報知させる(ステップS307)。電灯制御部91は、誘導灯装置GL及び点灯表示部を点灯する(ステップS309)。電力制御部92は、収容装置100の電力源をバッテリー51に設定し、交流電源ACからの電力供給を停止する(ステップS311)。そして、災害発生情報に基づく検知結果の正誤をサーバ装置300に判定させるべく、通信部3は、災害検知センサ2の検知結果をサーバ装置300に送信する(ステップS313)。
次に、判定部93は、災害発生情報に基づいて収容装置100側の検知結果は誤検知であると判定した旨を通信部3がサーバ装置300から受信したか否かを判定する(ステップS315)。
誤検知であると判定した旨を受信していない場合(ステップS315でNO)、判定部93は、災害発生情報に基づいて収容装置100側の検知結果は正しいと判定した旨を通信部3がサーバ装置300から受信したか否かを判定する(ステップS317)。正しいと判定した旨を受信した場合(ステップS315でYES)、災害検知センサ2は地震を正確に検知したと判定され、図4の処理は終了する。また、正しいと判定した旨も受信していない場合(ステップS317でNO)、通信部3は、災害発生情報に基づいて収容装置100側の検知結果が正しいか誤検知であるかを判定した結果をサーバ装置300から受信していない。この場合、判定部93は、災害検知センサ2が検知した時点から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS319)。経過していない場合(ステップS319でNO)、処理はS315に戻る。経過している場合(ステップS319でYES)、図4の処理は終了する。
誤検知であると判定した旨を受信した場合(ステップS315でYES)、災害検知センサ2は、地震ではなく、環境ノイズ又は悪戯などによる振動を検知したと判定される。この場合、判定部93は、開放センサ130により扉120の開放が検知されたか否かを判定する(ステップS321)。
開放が検知されない場合(ステップS321でNO)、制御ユニット9のユニット制御部94は、錠ユニット1の制御により、切替部13により操作部11を固定させて、収容室111を解錠不能にする(ステップS323)。さらに、電灯制御部91は、誘導灯装置GL及び点灯表示部140を消灯する(ステップS325)。電力制御部92は、収容装置100の電力源を交流電源ACに設定し、バッテリー51の放電を停止させる(ステップS327)。その後、処理はS301に戻る。
一方、開放が検知される場合(ステップS321でYES)、通信部3は、管理者に報知すべく、サーバ装置300に扉120が開放されている旨を送信する(ステップS329)。さらに、電灯制御部91は、誘導灯装置GL及び点灯表示部140を消灯する(ステップS331)。電力制御部92は、収容装置100の電力源を交流電源ACに設定し、バッテリー51の放電を停止させる(ステップS333)。その後、図4の処理は終了する。
なお、図4では、ステップS319でYESの場合、地震は発生しているもののサーバ装置300側の判定結果が何らかの原因で送信されなかった場合を考慮して、図4の処理を終了している。但し、この例示に限定されず、ステップS319でYESの場合、環境ノイズ又は悪戯などによる誤検知防止を考慮して、処理はS321に進んでもよい。
<1−5.収容システムの動作の第2変形例>
次に、図5を参照して、収容システム500における収容装置100の動作の第2変形例を説明する。図5は、収容装置100の動作の第2変形例を説明するためのフローチャートである。図5Bは、サーバ装置300の動作の第2変形例を説明するためのフローチャートである。
第2変形例では、収容装置100の判定部93が、サーバ装置300側の災害発生情報に基づいて、災害検知センサ2の検知結果は正しいか誤検知であるかを判定する。
<1−5−1.収容装置の動作の第2変形例>
まず、収容装置100の動作の第2変形例を図5Aに沿って説明する。
制御ユニット9の判定部93は、災害検知センサ2が所定震度以上の地震の発生を検知したか否かを判定する(ステップS501)。
災害検知センサ2が検知していない場合(ステップS501でNO)、判定部93は、通信部3がサーバ装置300から災害発生情報を受信したか否かを判定する(ステップS503)。災害発生情報を受信していない場合(ステップS503でNO)、処理はS501に戻される。また、災害発生情報を受信している場合(ステップS503でYES)、収容室111を解錠可能にすべく、処理は後述するS515に進む。こうすれば、収容装置100の設置場所で災害が発生した場合に、収容装置100側の災害検知センサ2が正常に作動しなくても、サーバ装置300から送信される災害発生情報により収容室111を解錠可能にできる。従って、被災者などは、収容室111内の収容物(鍵K)を取り出して利用できる。但し、この例示に限定されず、災害検知センサ2が検知していない場合(ステップS501でNO)、処理はステップS501に戻ってもよい。
災害検知センサ2が検知する場合(ステップS501でYES)、判定部93は、通信部3がサーバ装置300から災害発生情報を受信したか否かを判定する(ステップS505)。
災害発生情報を受信していない場合(ステップS505でNO)、通信部3は、サーバ装置300に災害発生情報の送信を要求する(ステップS507)。判定部93は、災害検知センサ2が検知した時点から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS509)。経過していない場合(ステップS509でNO)、処理はS505に戻る。経過している場合(ステップS509でYES)、処理はS515に進む。
災害発生情報を受信している場合(ステップS505でYES)、判定部93は、災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果が正しいか誤検知であるかを判定する(ステップS511)。
誤検知であると判定した場合(ステップS511でNO)、災害検知センサ2は、地震ではなく、環境ノイズ又は悪戯などによる振動を検知したと判定される。制御ユニット9のユニット制御部94は、錠ユニット1の制御により、切替部13による操作部11を固定させて、収容室111を解錠不能にする(ステップS513)。その後、処理はS501に戻る。
正しいと判定した場合(ステップS511でYES)、災害検知センサ2は地震を正確に検知したと判定される。この場合、制御ユニット9のユニット制御部94は、錠ユニット1の制御により、切替部13による操作部11の固定を解除させて、収容室111を解錠可能にする(ステップS515)。たとえば、災害の発生時には、時間が経つほど、通信部3とサーバ装置300との間の通信のネットワークが混雑する。そのため、該通信が遅くなったり、該通信の接続自体が難しくなったりする虞がある。上述の構成によれば、たとえば該通信に問題が生じる前にサーバ装置300から災害発生情報を受信して、災害検知センサ2の検知結果が正しい(つまり誤検知ではない)のか否かの判定を収容装置100側で直ちに行うことができる。従って、災害の発生時に、収容装置100は、サーバ装置300側で行う構成よりも迅速且つ確実に該判定を実施して収容室111を解錠可能にできる。
さらに、制御ユニット9は、スピーカー150の音声出力によって収容装置100が解錠可能である旨を報知させる(ステップS517)。電灯制御部91は、誘導灯装置GL及び点灯表示部140を点灯する(ステップS519)。電力制御部92は、収容装置100の電力源をバッテリー51に設定し、交流電源ACからの電力供給を停止する(ステップS521)。そして、収容装置100は、図5Aの処理を収容する。
なお、図5Aでは、ステップS509でYESの場合、地震は発生しているものの災害発生情報が何らかの原因でサーバ装置300から送信されなかった場合を考慮して、処理はステップS515に進んでいる。但し、この例示に限定されず、ステップS509でYESの場合、環境ノイズ又は悪戯などによる誤検知防止を考慮して、収容室111を解錠不能にした後に、処理はS501に戻ってもよい。
<1−5−2.サーバ装置の動作の第2変形例>
次に、サーバ装置300の動作の第2変形例を図5Bに沿って説明する。なお、図5Bの開始時において、災害発生情報は、収容装置100の設置場所を含む地域で地震が発生していない旨を含んでいる。
判定部342は、サーバ装置300側の災害検知センサ301が所定震度以上の地震の発生を検知したか否かを判定する(ステップS601)。災害検知センサ301が検知している場合(ステップS601でYES)、処理は後述するS607に進む。
災害検知センサ301が検知していない場合(ステップS601でNO)、判定部342は、ネットワークI/F320を介してネットワークNTから地震速報が取得されたか否かを判定する(ステップS603)。地震速報が取得されていない場合(ステップS603でNO)、処理は後述するS609に進む。また、地震速報が取得された場合(ステップS603でYES)、判定部342は、地震速報に基づいて、収容装置100の設置場所を含む地域で発生した地震が所定震度以上であるか否かを判定する(ステップS605)。
所定震度以上である場合(ステップS605でYES)、情報生成部341は、地震速報に基づいて、災害発生情報を更新して作成する(ステップS607)。或いは、情報生成部341は、災害検知センサ301の検知結果に基づいて、災害発生情報を更新して生成する。その後、処理は、後述するS611に進む。
所定震度未満である場合場合(ステップS605でNO)、判定部342は、収容装置100から災害発生情報の送信要求を受信したか否かを判定する(ステップS609)。送信要求を受信していない場合(ステップS609でNO)、処理はS601に戻る。送信要求を受信している場合(ステップS609でYES)、通信部310は収容装置100に災害発生情報を送信し(ステップS611)、処理はS601に戻る。
<1−6.第1実施形態のまとめ>
以上に説明した、第1実施形態によれば、収容装置100は、収容室111と、災害検知センサ2と、通信部3と、錠ユニット1と、制御ユニット9と、を備える。災害検知センサ2は、自装置(つまり収容装置100)の周囲での災害を検知する。通信部3は、災害の発生に関する災害発生情報を生成するサーバ装置300と通信する。錠ユニット1では、収容室111の解錠が可能である。制御ユニット9は、錠ユニット1を制御する。自装置(つまり収容装置100)及びサーバ装置300のうちの一方が災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果は正しいと判定した場合、制御ユニット9は、収容室111を解錠可能にする。
また、第1実施形態に係るプログラムは、収容装置100の周囲での災害を検知する災害検知センサ2の検知結果を取得するステップと、災害の発生に関する災害発生情報を生成するサーバ装置300と通信部3を介して通信するステップと、収容装置100の収容室111の解錠が可能な錠ユニット1を制御するステップと、を備え、制御するステップは、収容装置100及びサーバ装置300のうちの一方が災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果は正しいと判定した場合、収容室111を解錠可能にするステップを含む処理をコンピュータに実行させてもよい。
また、第1実施形態に係る収容システム500は、収容装置100と、サーバ装置300と、を備える。サーバ装置300は、収容装置100の周囲での災害の発生に関する災害発生情報を生成する。収容装置100は、収容室111と、災害検知センサ2と、通信部3と、錠ユニット1と、制御ユニット9と、を有する。災害検知センサ2は、収容装置100の周囲での災害を検知する。通信部3は、サーバ装置300と通信する。錠ユニット1では、収容室111の解錠が可能である。制御ユニット9は、錠ユニット1を制御する。収容装置100及びサーバ装置300のうちの一方が災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果は正しいと判定した場合、制御ユニット9は、収容室111を解錠可能にする。
これらのようにすれば、災害検知センサ2による収容装置100側での災害の検知結果はサーバ装置300側で生成される災害発生情報に基づいて誤検知ではなく正しいと判定された場合に、収容装置100の収容室111が解錠可能にされる。従って、たとえば災害発生の誤検知によって、収容室111が不必要に解錠可能な状態となることを防止することができる。さらに、災害の発生時には、収容室111を解錠可能にできる。従って、たとえば、被災者などが、錠ユニット1によって収容室111を解錠して開放でき、該収容室111内の収容物(たとえば鍵K)を確実に利用することができる。
収容装置100において、通信部3は、災害検知センサ2の検知結果をサーバ装置300に送信してもよい。災害発生情報に基づいて検知結果は正しいと判定した旨を通信部3がサーバ装置300から受信した場合、制御ユニット9は、収容室111を解錠可能にしてもよい。
こうすれば、災害検知センサ2による災害の検知結果が正しいか否かをサーバ装置300側で判定できる。サーバ装置300側で検知結果が誤検知ではなく正しいと判定されると、収容装置100は、収容室111を解錠可能にする。このように、収容装置100側で上記の判定を行う必要が無いので、収容装置100側で上記の判定を行う場合よりも収容装置100の構成を簡略にできる。
また、収容装置100は、災害発生情報に基づいて検知結果が正しいか否かを判定する判定部93をさらに備えてもよい。通信部3は、災害発生情報をサーバ装置300から受信してもよい。判定部93が検知結果は正しいと判定した場合、制御ユニット9は、収容室111を解錠可能にしてもよい。
たとえば、災害の発生時には、時間が経つほど、通信部3とサーバ装置300との間の通信のネットワークが混雑することにより、該通信が遅くなったり、該通信の接続自体が難しくなったりする虞がある。上述のようにすれば、たとえば該通信に問題が生じる前にサーバ装置300から災害発生情報を受信して、災害検知センサ2の検知結果が正しい(つまり誤検知ではない)のか否かの判定を収容装置100側で直ちに行うことができる。従って、災害の発生時に、収容装置100は、サーバ装置300側で行う構成よりも迅速且つ確実に該判定を実施して収容室111を解錠可能にできる。
また、収容装置100において、自装置(つまり収容装置100)及びサーバ装置300のうちの一方により災害発生情報に基づいて災害検知センサ2の検知結果が誤検知であると判定された場合、制御ユニット9は、収容室111を解錠不能にしてもよい。
こうすれば、災害検知センサ2による収容装置100側での災害の検知結果がサーバ装置300側で生成される災害発生情報に基づいて誤検知であると判定された場合に、収容装置100の収容室111が解錠不能にされる。従って、収容装置100の周囲での環境ノイズ、又は、収容装置100に加えられる悪戯などによる誤検知によって、収容装置100の収容室111が不必要に解錠可能になることをより確実に防止できる。たとえば、環境音又は意図的に収容装置100に加えられた力により検知される振動による地震の誤検知によって、収容室111が解錠可能な状態となることを防止できる。或いは、収容装置100の周囲で意図的な人為的行為により検知される煙、熱による火災の誤検知によって、収容室111が解錠可能な状態となることを防止できる。よって、たとえば災害の発生時以外に、収容室111内の収容物(たとえば鍵K)が利用されることを防止できる。
また、収容装置100において、錠ユニット1は、操作部11と、錠部12と、切替部13と、を有してもよい。操作部11は、手動操作を受ける。錠部12は、手動操作に応じて収容室111を解錠又は施錠する。切替部13は、制御ユニット9による制御に応じて操作部11を操作可能又は操作不能にする。
こうすれば、たとえば、災害検知センサ2の検知結果が誤検知ではなく正しいと判定される場合、切替部13は、制御ユニット9による制御に応じて、操作部11を操作可能にできる。そのため、災害の発生時に、被災者などは、操作部11の手動操作により錠部12に収容室111を解錠させて、該収容室111を開放し、該収容室111内の収容物(たとえば鍵K)を利用できる。
また、たとえば、災害検知センサ2の検知結果が誤検知であると判定される場合、切替部13は、制御ユニット9による制御に応じて、操作部11を操作不能にして錠部12の解錠を防止できる。そのため、たとえば災害の発生時以外に、収容室111が解錠且つ開放されて、収容室111内の収容物(たとえば鍵K)が利用されることを防止できる。
収容装置100において、通信部3は、LPWA(Low Power Wide Area)通信方式の無線通信をサーバ装置300と行ってもよい。
こうすれば、収容装置100は、通信部3とサーバ装置300との間のLPWA通信方式の無線通信により、低い消費電力で双方向の遠距離通信を安定して行うことができる。
収容装置100において、通信部3は、LTE(Long Term Evolution)基地局で中継される無線通信をサーバ装置300と行ってもよい。
こうすれば、通信部3は、たとえば、既存の通信事業者が運営する通信ネットワークを利用することができ、特に、携帯キャリアが運営するセルラーネットワークを利用できる。LTE基地局で中継される該通信ネットワークはたとえば携帯電話及びスマートフォンなどで利用され、その通信圏は日本全体をほぼカバーしている。従って、新たな中継基地を設置しなくても、収容装置100の通信部3は、サーバ装置300と広範囲な遠距離通信を行うことができる。
収容装置100において、災害は地震であり、災害検知センサ2は、所定の震度以上の地震を検知する感震センサであってもよい。
こうすれば、所定の震度以上の地震の発生を正確に検知できる。さらに、被災者などは、該地震の発生時に、収容室111内の収容物(たとえば鍵K)を確実に取り出して利用できる。
収容装置100は、バッテリー51と、バッテリー51の充放電を制御する電力変換部52と、をさらに備えてもよい。電力変換部52は、収容室111が解錠可能にされる場合、バッテリー51の放電電力を収容装置100の電力源にしてもよい。
こうすれば、災害が発生した場合に、電気事業者が運営する電力系統網からの電力供給が停止しても、収容装置100は、バッテリー51から電力供給を受けて動作できる。
収容装置100において、制御ユニット9は、電灯制御部91をさらに備えてもよい。電灯制御部91は、災害の被災者に避難経路を指示する誘導灯装置GLを制御し、収容室111が解錠可能にされる場合、誘導灯装置GLを点灯させてもよい。
こうすれば、収容装置100は、災害の発生時に誘導灯装置GLの点灯によって被災者に避難経路を指示できる。
収容装置100は、開放センサ130をさらに備えてもよい。開放センサ130は、収容室111が開放されているか否かを検知する。収容室111の開放が検知される場合、通信部3は、収容室111の開放をサーバ装置300に送信してもよい。
こうすれば、開放センサ130は、たとえば収容室111の扉120が開いているか否かを検知する。扉120が開いている場合、その旨をサーバ装置300に送信する。これにより、サーバ装置300の管理者は、扉120が開いている旨を知ることができるので、たとえば収容装置100の設置場所に行って扉120を閉めることができる。或いは、収容装置100が自動で扉120を開閉する機構を有する場合、サーバ装置300の管理者は、遠隔操作によって扉120を閉めることができる。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る錠ユニット1aでは、収容室111aの自動での解錠及び施錠が可能である。以下では、第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図6は、第2実施形態に係る錠ユニット1aの構成を示すブロック図である。収容装置100aの錠ユニット1aは、図6に示すように、操作部11a、カバー部14a、及び手動連結部15aのほか、自動錠部17aを有する。自動錠部17aは、電源部5aから電力供給を受け、制御ユニット9のユニット制御部94aによる制御に応じて収容室111aを解錠又は施錠する。
こうすれば、たとえば、災害検知センサ2aの検知結果が誤検知ではなく正しいと判定される場合、自動錠部17aは、制御ユニット9による制御に応じて、収容室111aを自動で解錠できる。従って、災害の発生時に、被災者などは、収容室111aを開放して、該収容室111a内の収容物を利用できる。
また、たとえば、災害検知センサ2aの検知結果が誤検知であると判定される場合、自動錠部17aは、制御ユニット9による制御に応じて、収容室111aを自動で施錠できる。従って、たとえば災害の発生時以外に、収容室111aが開放されて、収容室111a内の収容物が利用されることを防止できる。
なお、自動錠部17aは、手動連結部15aの操作によっても、収容室111aを解錠又は施錠する。手動連結部15aは、自動錠部17aを手動操作可能であり、専用の鍵などの治具を用いて自動錠部17aの施錠、解錠切り替えることができる。
<3.備考>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素及び各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の実施形態では、所定規模以上の災害の例として震度5以上の地震を挙げて説明した。但し、この例示に限定されず、本発明は、火災などの他の災害の発生時にも適用可能である。なお、火災の場合、災害検知センサ2、2a、301には、火災報知器、感熱センサ、或いは、煙センサなどが用いられる。こうすれば、収容装置100、100aの周囲での環境のノイズ又は意図的な人為的行為などによって検知される煙、熱による火災の誤検知を防止できる。
また、上述の実施形態では、扉120は手動で開閉される。但し、この例示に限定されず、収容装置100、100aは、制御ユニット9の制御により自動で扉120を開閉可能な機構を有していてもよい。
また、上述の実施形態では、収容室111内に鍵Kなどの収容物を収容する収容装置100に本発明を適用している。但し、この例示に限定されず、本発明は、避難施設又は防災用品備蓄庫などに適用されてもよい。たとえば、避難施設又は防災用品備蓄庫などの建物に配置された災害検知センサによって所定規模以上の災害の発生が正しく検知された場合に、避難施設又は防災用品備蓄庫などを解錠可能にする構成であってもよい。