JP6712885B2 - 貯留タンク、脱臭システム及び脱臭方法 - Google Patents

貯留タンク、脱臭システム及び脱臭方法 Download PDF

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Description

本発明は、容器入りの液体製品を製造する液体殺菌システムに備えられ、前記容器に充填される前記液体製品を貯留しておく貯留タンク、脱臭システム及び脱臭方法に関する。
従来より果汁系飲料やスポーツドリンクやお茶等の容器入り液体製品は液体殺菌システムによって製造される。
液体殺菌システムは、液体製品の複数の種類の原料をそれぞれ所望の割合で調合する調合装置と、前記調合装置で調合された液体製品を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクから排出された液体製品を殺菌する殺菌装置と、前記殺菌装置で殺菌された液体製品を、個別の容器に所定の入味量ずつ充填する充填装置等を備えている。各装置は液体供給配管を介して流体的に接続されている。
このような液体殺菌システムの各装置や液体供給配管は、定期メンテナンスの際又は製造される液体製品の種類を切り替える際に、CIP(Cleaning in Place;定置洗浄)が
実行される。
CIPは、特許文献1に示されるように、各装置や液体供給配管に、例えば水にアルカリ性薬剤又は酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。これにより、各装置や液体供給配管は液体製品の残留物等が除去され、衛生状態が維持される。
特開2000−153245号公報
ところで、貯留タンクには、前記調合装置で調合された液体製品が比較的長時間にわたって貯留される。したがって、貯留タンクは、内部の気相や、内壁や、液体製品の流入口や流出口付近に設けられたパッキンには、液体製品の香りが着く。貯留タンクへ着いた香りは通常のCIPで除去しきれない場合があり、特に製造される液体製品の種類を切り替えた後に、次の液体製品に移香する懸念がある。
貯留タンクへ着いた香りを除去するためには、CIPを長時間化したり、CIPにおいて強い薬剤を使用することが考えられる。
しかし、CIPは容器入りの液体製品の製造を中止して行われる。したがって、CIPの長時間化は製造効率の低下を招くため好ましくない。また、強い薬剤によっても着香を完全に除去できない虞があり、強い薬剤の使用は液体殺菌システムの各所に備えられているゴムパッキンの劣化の原因となる虞もある。また、CIPで使用した薬剤の臭いが残る懸念もあった。
このように、CIPは、各装置及び液体供給配管の衛生状態の維持や、次製品に前製品の残留物が混入することを防止する観点では非常に有効な方法であるが、貯留タンクの脱臭の観点では満足な結果が得られない場合があった。
本発明の目的は、効率的な脱臭が可能な貯留タンク、脱臭システム及び脱臭方法を提供することにある。
上述の目的を達成するための、本発明による貯留タンクの特徴構成は、容器入りの液体製品を製造する液体殺菌システムに備えられ、前記容器に充填される前記液体製品を貯留しておく貯留タンクであって、当該貯留タンクの側部の一箇所又は複数個所に、当該貯留タンク内に蒸気を給気するための給気口を備え、当該貯留タンクの上部に、当該貯留タンクに供給された前記蒸気を排気するための上側排気口を備え、当該貯留タンクの下部に、当該貯留タンクに供給された前記蒸気を排気するための下側排気口を備えている点にある。
貯留タンクの内面に付着して残った液体製品は、給気された蒸気の熱によって気化され、貯留タンク内の気相中の香気成分とともに、給気された蒸気が貯留タンクから排気されるときに合わせて排気される。また、蒸気の一部は貯留タンク内で凝縮するが、香気成分はこの凝縮した液体にも取り込まれ、この液体とともに貯留タンクから外部に排出される。
発明者らの鋭意研究の結果、前記貯留タンクの側部の一箇所又は複数個所から蒸気を給気して、前記貯留タンクに供給された前記蒸気を、前記貯留タンクの上部及び下部から排気すると、貯留タンクの内壁を効率的に加熱することができ、貯留タンク内の気体を効率的に追い出すことができる知見が得られた。なお、発明者らは、貯留タンクに給気する気体が蒸気ではなく乾燥空気である場合は、貯留タンクをジャケット加温しても、またジャケット加温に換えて熱水を散布しても、脱臭効果が少ないという知見も得ている。
そこで、貯留タンクの側部に給気口を備え、上部に上側排気口を備え、下部に下側排気口を備えた。
本発明においては、前記給気口は、当該貯留タンクの高さ方向の中央位置に備えられていると好適である。
発明者らの鋭意研究の結果、前記貯留タンクの側部のうち、高さ方向の中央位置から蒸気を給気し場合に、さらに効率的に脱臭できる知見が得られた。そこで、貯留タンクの側部のうち、高さ方向の中央位置に給気口を備えた。
本発明においては、当該貯留タンクの上部に給排気口を備え、前記給排気口には前記液体製品の貯留時に当該貯留タンク内の気相部の圧力を所定圧に維持するための給排機構が接続されており、前記給排気口は前記上側排気口としても機能すると好適である。
上述のように構成することで、上側排気口を追加するための加工が不要である。
本発明においては、当該貯留タンクの下部に当該貯留タンク内に貯留された前記液体製品を排液するための排液口を備え、前記排液口は前記下側排気口としても機能すると好適である。
上述のように構成することで、下側排気口を追加するための加工が不要である。
上述の目的を達成するための、本発明による脱臭システムの特徴は、上述のいずれかの特徴を備えた貯留タンクの脱臭システムであって、前記給気口に蒸気を給気する給気機構と、前記上側排気口及び前記下側排気口から排気された前記蒸気を、当該貯留タンクが設置されている雰囲気外に排気する排気機構を備えていると好適である。
給気機構から給気口を介して貯留タンク内へ蒸気を給気することができる。
液体製品への移香には、貯留タンク等からの直接的に着香(プロセス着香)する場合と
は別に、当該貯留タンクが設置されている建屋内の雰囲気から間接的に着香(雰囲気着香)する場合がある。
排気機構によって、貯留タンクから排気された蒸気を、当該貯留タンクが設置されている雰囲気外に排気するので、脱臭した香気成分による再度の雰囲気着香の虞が回避できる。
上述の目的を達成するための、本発明による脱臭方法の特徴は、容器入りの液体製品を製造する液体殺菌システムに備えられ、前記容器に充填される前記液体製品を貯留しておく貯留タンクの脱臭方法であって、前記液体製品が排出され空となった前記貯留タンクに対して、前記貯留タンクの側部の一箇所又は複数個所から蒸気を給気する給気ステップと、前記貯留タンクに供給された前記蒸気を、前記貯留タンクの上部及び下部から排気する排気ステップと、を備え、前記給気ステップにより給気される前記蒸気の単位時間当たりの流量と、前記排気ステップにより排気される前記蒸気の単位時間当たりの流量とは等しく設定されるとともに、前記給気ステップ及び前記排気ステップは並行して実行される点にある。
例えば貯留タンクに注液した洗浄液により脱臭をする場合は、貯留タンクに洗浄液を供給して洗浄していたが、洗浄液による洗浄では貯留タンクを脱臭するのに時間がかかっていた。
これに対して、蒸気は液体では到達しにくい部分、例えば貯留タンクの天面にも素早く容易に到達するため、貯留タンク内を素早く満遍なく脱臭できる。つまり、蒸気による脱臭は、液体に脱臭よりも脱臭効率が良い。
また、脱臭を無臭の蒸気で行うことで、強い薬剤を含んだ洗浄液によって脱臭を図る場合のような薬剤の臭いによる移香の虞をなくすことができる。
貯留タンクへの蒸気の給気と並行して、貯留タンクからの蒸気の排気が行われるため、貯留タンク内の気相部の圧力は大気圧程度に維持される。したがって、当該脱臭方法によって脱臭するためにわざわざ貯留タンクに圧力容器を用いる必要はないためその分のコストの増加が防止できる。
本発明においては、前記給気ステップは、当該貯留タンクの高さ方向の中央位置から前記蒸気を給気すると好適である。
上述のとおり、発明者らの鋭意研究の結果、前記貯留タンクの側部のうち、高さ方向の中央位置から蒸気を給気し場合にさらに効率的に脱臭できる知見が得られた。そこで、貯留タンクの側部のうち、高さ方向の中央位置から前記蒸気を給気する構成とした。
本発明においては、前記液体殺菌システムは、少なくとも、定期メンテナンスの際又は製造される液体製品の種類を切り替える際にCIPを実行するように構成され、前記CIPの後に実行されると好適である。
CIPにおいて洗浄液を使用した後に脱臭を行うことができるため、CIPで使用した薬剤の臭いを脱臭することもできる。
液体殺菌システムの説明図 貯留タンクの説明図 貯留タンクの脱臭時の説明図 別実施形態による貯留タンクの脱臭時の説明図 別実施形態による貯留タンクの脱臭時の説明図 シミュレーションの説明図 シミュレーションにより得られた内壁温度上昇推移の説明図 シミュレーションにより得られた香気成分濃度比推移の説明図
貯留タンク、脱臭システム及び脱臭方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、乳製品や清涼飲料水等の容器入り液体製品9を製造する液体殺菌システム1を示している。
液体殺菌システム1は、調合装置2と、貯留タンク3と、バランスタンク4と、殺菌装置5と、サージタンク6と、ヘッドタンク7と充填装置8等を備えている。各タンクや各装置間は配管によって流体的に接続されている。各配管にはバルブやポンプが適宜設けられている。液体殺菌システム1の各部は、不図示の制御手段によって統括制御される。前記制御装置は、シーケンス制御装置等の所定の制御装置で構成される。
調合装置2は、液体製品の複数の種類の原料をそれぞれ所望の割合で調合する装置である。
貯留タンク3は、調合装置2で調合された液体製品を貯留するタンクである。
バランスタンク4は、貯留タンク3から排液された液体製品を一旦貯留し後段へ円滑に流すためのタンクである。
殺菌装置5は、バランスタンク4から排液された液体製品を超高温加熱処理法等により殺菌する装置であり、温度域の異なる二液体の間で熱交換するプレート式熱交換器や、シェルアンドチューブ式熱交換器等の熱交換器で構成されている。
サージタンク6は、殺菌装置5で殺菌された液体製品を一旦貯留するタンクである。
ヘッドタンク7は、サージタンク6から排液された液体製品を一旦貯留し後段へ円滑に流すためのタンクである。
充填装置8は、ヘッドタンク7から排液された液体製品を水平面内で回転するホイールの周りに配設された複数の充填ノズルから所定の入味量ずつ個別の容器に充填する装置である。容器はPETボトルや瓶が例示できる。
貯留タンク3について詳述する。
図2に示すように、貯留タンク3は、上部中央に当該貯留タンク3内に液体製品を給液するための給液口10を備え、下部中央に当該貯留タンク3内に貯留された液体製品を排液するための排液口11を備えている。
給液口10には配管P1が接続され、貯留タンク3は配管P1を介して調合装置2と接続されている。なお、配管P1にはバルブV1が備えられている。
排液口11には配管P2接続され、貯留タンク3は配管P2を介してバランスタンク4と接続されている。なお、配管P2にはバルブV2が備えられている。
貯留タンク3は、上部の給液口10の側方に給排気口12を備えている。
給排気口12には配管P3が接続され、貯留タンク3は配管P3を介して給排機構14と接続されている。なお、配管P3にはバルブV3が備えられている。
給排機構14は、除菌フィルタとブロワとを備えた機構であって、給排機構14は、容器入り液体製品9の製造時やCIPの際に、貯留タンク3の内外の圧力差が所定の設定圧力を超えると無菌エアを出入りさせ、気相部の圧力を所定圧に維持することで、貯留タンク3を保護するために用いられる。なお、貯留タンク3への外気の侵入を防止する観点から、貯留タンク3内の気相部の圧力は大気圧より若干高めに維持されるのが好ましい。
本実施形態では、貯留タンク3は側部の高さ方向の中央位置に一つの給気口13を備えている。給気口13は、貯留タンク3の内部中央に向けて蒸気を給気するように配設されている。
給気口13には配管P4が接続され、貯留タンク3は配管P4を介して給気機構15と接続されている。なお、配管P4にはバルブV4が備えられている。
給気機構15は蒸気源とブロワとを備えた機構であって、貯留タンク3内に蒸気を供給するものである。給気機構15の稼動により、給気口13を介して貯留タンク3内に蒸気が給気される。
さらに、本実施形態では、配管P3に分岐して配管P5が備えられ、貯留タンク3は配管P5を介して排気機構16a(16)と接続されている。したがって、給排気口12は、上側排気口としても機能する。なお、配管P5にはバルブV5が備えられている。
排気機構16aは、ファンを備えた機構であって、上側排気口(給排気口12)から排気された蒸気を、当該貯留タンク3が設置されている建屋外に排気する。
さらに、本実施形態では、配管P2に分岐して配管P6が備えられ、貯留タンク3は配管P6を介して排気機構16b(16)と接続されている。したがって、排液口11は下側排気口としても機能する。なお、配管P6にはバルブV6が備えられている。
排気機構16aは、ファンを備えた機構であって、下側排気口(排液口11)から排気された蒸気を、当該貯留タンク3が設置されている建屋外に排気する。
各バルブV1からV6は電動弁や電磁弁で構成され、前記制御手段によって開閉制御される。
図2に示すように、容器入り液体製品9の製造時には、前記制御手段はバルブV1、V2及びV3を開制御し、V4、V5及びV6を閉制御する。
これにより貯留タンク3には、調合装置2から液体製品が給液される。そして貯留タンク3からバランスタンク4へと液体製品が排液される。
液体殺菌システム1は、少なくとも、定期メンテナンスの際又は製造される液体製品の種類を切り替える際にCIPが実行される。前記制御手段は、CIPの際にも、バルブV1、V2及びV3を開制御し、V4、V5及びV6を閉制御する。貯留タンク3には、調合装置2から洗浄液が給液される。そして貯留タンク3からバランスタンク4へと洗浄液が排液される。
CIPが終了すると、貯留タンク3の脱臭方法が実行される。
CIPの終了時には、貯留タンク3内は空になっている。
図3に示すように、貯留タンク3の脱臭時には、前記制御手段はバルブV1、V2及びV3を閉制御し、V4、V5及びV6を開制御する。
前記制御機構は、給気機構15を稼動し、これにより給気口13を介して貯留タンク3内に蒸気が給気される(給気ステップ)。
前記制御機構は、給気機構15の稼動と並行して、排気機構16a及び16bを稼動し、貯留タンク3に供給された蒸気を、貯留タンク3の上側排気口(給排気口12)及び下側排気口(排液口11)から排気する(排気ステップ)。
なお、給気機構15により給気される蒸気の単位時間当たりの流量と、排気機構16a及び16bにより排気される蒸気の単位時間当たりの流量とは等しく設定されている。
なお、排気機構16a及び16bは、単一の排気機構16であってもよく、この場合は、配管P5及びP6が排気機構16に接続され、給気機構15により給気される蒸気の単位時間当たりの流量と、排気機構16により排気される蒸気の単位時間当たりの流量とが等しく設定される。
貯留タンク3への蒸気の給気と並行して、貯留タンク3からの蒸気の排気が行われるため、貯留タンク3内の気相部の圧力は大気圧から大気圧より若干高い程度に維持される。貯留タンク3の上側排気口(給排気口12)及び下側排気口(排液口11)を締め切って蒸気を圧入する構成ではないため、当該脱臭方法の実行のためにわざわざ貯留タンク3に圧力容器を用いる必要はなく、その分のコストの増加が防止できる。
次に、貯留タンク3の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
上述した実施形態では、給気口13は、貯留タンク3の内部中央に向けて蒸気を給気するように配設されている例を説明した。しかし、このような実施形態に限定されない。例えば、給気口13は、貯留タンク3の内面に沿って周方向に蒸気を給気するように配設されていてもよい。
上述した実施形態では、貯留タンク3は側部の高さ方向の中央位置に一つの給気口13を備えている例を説明した。しかし、このような実施形態に限定されない。
例えば、図4に示すように、貯留タンク3の側部の円周方向に対向する二箇所であって、高さ方向の中央位置に給気口13a及び13bを備えてもよい。
給気口13aには配管P4aが接続され、貯留タンク3は配管P4aを介して給気機構15aと接続されている。なお、配管P4aにはバルブV4aが備えられている。
給気機構15aは蒸気源とブロワを備えた機構であって、貯留タンク3内に蒸気を供給するものである。給気機構15aの稼動により、給気口13aを介して貯留タンク3内に蒸気が給気される。
給気口13bには配管P4bが接続され、貯留タンク3は配管P4bを介して給気機構15bと接続されている。なお、配管P4bにはバルブV4bが備えられている。
給気機構15bは蒸気源とブロワを備えた機構であって、貯留タンク3内に蒸気を供給するものである。給気機構15bの稼動により、給気口13bを介して貯留タンク3内に蒸気が給気される。
なお、給気機構15a及び15bは、単一の給気機構15であってもよく、この場合は、配管4a及びP4bが給気機構15に接続される。
また、給気口13aから供給される蒸気の単位時間当たりの流量と、給気口13bから供給される蒸気の単位時間当たりの流量とは同じ流量に設定されていることが好ましい。
さらには、図5に示すように、貯留タンク3の側部の円周方向に対向する二箇所であって、高さ方向の異なる位置に給気口13a及び13bを備えてもよい。なお、上述の図4で示した実施形態と同じ構成については同じ番号を付して説明を省略する。
上述の各実施形態による貯留タンク3、脱臭システム及び脱臭方法によれば、貯留タンクの内壁を効率的に加熱することができ、貯留タンク内の気体を効率的に追い出すことができ、効率的に脱臭できるようになった。
上述の各実施形態の有効性は、以下のシミュレーション及び実験結果から裏付けられる。
図6に示すように、蒸気の給気口と排気口の位置を異ならせたパターン1から6にかかる貯留タンク3に、香気成分を封入し、その後蒸気を給気したときの貯留タンク3の内壁の温度上昇と、香気成分濃度比の減少を確認するシミュレーションを行った。
図6中、実線矢印が給気される蒸気を示し、破線矢印が排気される蒸気を示している。
したがって、各パターンは以下のとおりである。
パターン1は、側部の一箇所から蒸気を給気し、上部の一箇所及び下部の一箇所から蒸気を排気するパターンである。なお、パターン1は、図3に示す貯留タンク3に対応する。
パターン2は、側部の二箇所から蒸気を給気し、上部の一箇所及び下部の一箇所から蒸気を排気するパターンである。なお、パターン2は、図4に示す貯留タンク3に対応する。
パターン3は、側部の二箇所から蒸気を給気し、上部の一箇所及び下部の一箇所から蒸気を排気するパターンである。なお、パターン3は、図5に示す貯留タンク3に対応する。
パターン4は、上部の一箇所から蒸気を給気し、下部の二箇所から蒸気を排気するパターンである。
パターン5は、下部の一箇所から蒸気を給気し、上部の二箇所から蒸気を排気するパターンである。
パターン6は、上部の一箇所及び側部の二箇所から蒸気を給気し、下部の二箇所から蒸気を排気するパターンである。
シミュレーションには、ANSYS, Inc.製の汎用熱流体解析ソフトウェアである
ANSYS Fluentを用いた。
シミュレーション条件は以下のとおりである。
貯留タンク3の容量は30tとした。給気口及び排気口の直径は108.3mmとした。
給気する蒸気の圧力は0.0034MPaとした。
給気する蒸気の温度は103.7℃とした。
給気する蒸気の流量1500kg/hとした。なお、給気口が二つの場合は、二つの給気口から給気する蒸気の総流量が1500kg/hである。
香気成分は、リンゴ臭を想定し、2メチル酪酸エチルを用いた。
上記条件のもとパターン1から6についてシミュレーションを行い結果を評価した。
なお、評価は、所定時間経過後の内壁温度上昇が最も高かったものを1位、最も低かったものを6位とした。また、香気成分濃度減少が最も多かったものを1位、最も少なかったものを6位とした。
図7及び図8から以下の結果が得られた。
パターン1は内壁温度上昇が1位であり、香気成分濃度減少が4位であった。
パターン2は内壁温度上昇が5位であり、香気成分濃度減少が1位であった。
パターン3は内壁温度上昇が2位であり、香気成分濃度減少が2位であった。
パターン4は内壁温度上昇が3位であり、香気成分濃度減少が5位であった。
パターン5は内壁温度上昇が4位であり、香気成分濃度減少が6位であった。
パターン6は内壁温度上昇が6位であり、香気成分濃度減少が3位であった。
以上のシミュレーションの結果から貯留タンク3の内壁の温度上昇が1位及び2位のも
のと、香気成分濃度減少が1位及び2位のものを有効であると評価した。
すると、内壁温度上昇の観点からパターン1及び3が有効であると評価された。
また、香気成分濃度減少の観点からパターン2及び3が有効であると評価された。
つまり、貯留タンク3の側部から蒸気を給気し、上下から蒸気を排気することで、効率的な脱臭が達成されることが確認された。
次に、シミュレーション結果から有効と判断されたパターン1から3について、実験を行った。なお、この実験は、脱臭後であっても、香気成分を検知できる程度に残すことで、給気口の位置の違いによる脱臭効率の違いを判断するために行った。
実験条件は以下のとおりである。
貯留タンク3の容量は600Lとした。給気口及び排気口の直径は47.8mmとした。
給気する蒸気の圧力は0.037kPaとした。
給気する蒸気の温度は103.1℃とした。
給気する蒸気の流量30kg/hとした。なお、給気口が二つの場合は、二つの給気口から給気する蒸気の総流量が30kg/hである。
香気成分は、リンゴ臭を想定し、2メチル酪酸エチルを用いた。
実験手順は以下のとおりである。
まず、貯留タンク3に着香させるために、給気口及び排気口を閉鎖状態として、50mLの2メチル酪酸エチルを染み込ませた脱脂綿を貯留タンク3の内部に吊るし、1時間放置した。
次に、脱臭前の移香サンプルを得るために、300mLの活性炭濾過水を貯留タンク3の内部に吊るし、30分静置した。
次に、パターン1による脱臭方法を実行した。実行時間は20分に設定した。
次に、脱臭後の移香サンプルを得るために、上記とは別の300mLの活性炭濾過水を貯留タンク3の内部に吊るし、30分静置した。
脱臭前後で得られた二つの移香サンプルから、脱臭の程度を評価した。
評価は、複数の試験員による官能試験と、ガスクロマトグラフィーを行った。
なお、パターン1と同様の実験をパターン2及び3についても行った。
パターン1から3についてガスクロマトグラフィーの結果は以下のようになった。
パターン1は86.8%のピーク面積減少率が確認された。
パターン2は85.0%のピーク面積減少率が確認された。
パターン3は48.8%のピーク面積減少率が確認された。
以上の実験から、パターン3も十分な脱臭が達成できているものの、パターン1及び2はさらに効率的な脱臭が達成できていることが判明した。
なお、実際の液体殺菌システム1における貯留タンク3には、実験に用いたほど香気成分の濃度が高い液体製品は貯留されないため、給気ステップ及び排気ステップの実行時間は15分から75分の範囲、好ましくは30から60分の範囲であることが有効である知見が得られた。給気ステップ及び排気ステップの実行時間が10分未満であると脱臭の効果が十分でない虞があり、また、十分に脱臭が達成できた後も長々と給気ステップ及び排気ステップを実行するのは効率的ではないからである。
ただし、これらの値は例示であり給気ステップ及び排気ステップの実行時間は、用いる蒸気の状態や供給量に加え、貯留タンク3の容量や、給気口13、給排気口12及び排液
口11の口径や、配管P4、P5及びP6の直径に応じて設定される。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
1 :液体殺菌システム
3 :貯留タンク
11 :排液口(下側排気口)
12 :給排気口(上側排気口)
13 :給気口
13a :給気口
13b :給気口
14 :給排機構
15 :給気機構
15a :給気機構
15b :給気機構
16 :排気機構
16a :排気機構
16b :排気機構

Claims (8)

  1. 容器入りの液体製品を製造する液体殺菌システムに備えられ、前記容器に充填される前記液体製品を貯留しておく貯留タンクであって、
    当該貯留タンクの側部の一箇所又は複数個所に、当該貯留タンク内に蒸気を給気するための給気口を備え、
    当該貯留タンクの上部に、当該貯留タンクに供給された前記蒸気を排気するための上側排気口を備え、
    当該貯留タンクの下部に、当該貯留タンクに供給された前記蒸気を排気するための下側排気口を備えている貯留タンク。
  2. 前記給気口は、当該貯留タンクの高さ方向の中央位置に備えられている請求項1に記載の貯留タンク。
  3. 当該貯留タンクの上部に給排気口を備え、
    前記給排気口には前記液体製品の貯留時に当該貯留タンク内の気相部の圧力を所定圧に維持するための給排機構が接続されており、
    前記給排気口は前記上側排気口としても機能する請求項1又は2に記載の貯留タンク。
  4. 当該貯留タンクの下部に当該貯留タンク内に貯留された前記液体製品を排液するための排液口を備え、
    前記排液口は前記下側排気口としても機能する請求項1から3のいずれか一項に記載の貯留タンク。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の貯留タンクの脱臭システムであって、
    前記給気口に蒸気を給気する給気機構と、
    前記上側排気口及び前記下側排気口から排気された前記蒸気を、当該貯留タンクが設置されている雰囲気外に排気する排気機構を備えている脱臭システム。
  6. 容器入りの液体製品を製造する液体殺菌システムに備えられ、前記容器に充填される前記液体製品を貯留しておく貯留タンクの脱臭方法であって、
    前記液体製品が排出され空となった前記貯留タンクに対して、前記貯留タンクの側部の一箇所又は複数個所から蒸気を給気する給気ステップと、
    前記貯留タンクに供給された前記蒸気を、前記貯留タンクの上部及び下部から排気する排気ステップと、を備え、
    前記給気ステップにより給気される前記蒸気の単位時間当たりの流量と、
    前記排気ステップにより排気される前記蒸気の単位時間当たりの流量とは等しく設定されるとともに、
    前記給気ステップ及び前記排気ステップは並行して実行される脱臭方法。
  7. 前記給気ステップは、当該貯留タンクの高さ方向の中央位置から前記蒸気を給気する請求項6に記載の脱臭方法。
  8. 前記液体殺菌システムは、少なくとも、定期メンテナンスの際又は製造される液体製品の種類を切り替える際にCIPを実行するように構成され、
    前記CIPの後に実行される請求項6又は7に記載の脱臭方法。
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