JP6712002B1 - テクネチウム99m製造システム及びテクネチウム99m製造方法 - Google Patents

テクネチウム99m製造システム及びテクネチウム99m製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】放射線照射制御部10は、モリブデン100を含むナノ粉体10aに放射線Rを照射させる。RI成長制御部11は、放射線Rが照射されたナノ粉体10aを所定の放置時間放置させる。RI溶解制御部12は、ナノ粉体10aを吸着可能な吸着剤を充填したカラムに、放置時間放置されたナノ粉体10aを入れた状態で、ナノ粉体10aに、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒Sを流入して、当該テクネチウム99mを溶解させた溶媒をナノ粉体10aから分離させる。精製制御部13は、分離された溶媒Sからテクネチウム99mを精製する。薬剤製造部14は、精製されたテクネチウム99mを薬剤Dに結合させて核医学診断用薬剤Iを製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、テクネチウム99m製造システム及びテクネチウム99m製造方法に関する。
放射線を利用したがん診断法として、単一光子放射断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography、以下、SPECTとする)検査が知られている。
このSPECT検査では、放射性核種のテクネチウム99m(Tc99m)を、疾病部に集積し易い性質を有する薬剤に結合させた核医学診断用薬剤(放射性同位元素標識化合物、RI標識化合物)を患者に投与して、テクネチウム99mから放出されるガンマ線を放射線検出カメラ(ガンマカメラ)で検知して画像化することで、疾病の検査を行う。
ここで、使用するテクネチウム99mは、準安定状態(meta stable)にあり、基底状態(ground state)のテクネチウム99(Tc99)に核異性体転移する際、140keVのガンマ線を放出する。ガンマ線は、物質を透過する力が強いため、患者を透過して外部に放出される。SPECT検査では、テクネチウム99mの核異性体転移によるガンマ線の放出を利用して、疾病部を可視化する。例えば、ある血液中に集積するテクネチウム99mの核医学診断用薬剤を用いてSPECT検査を行い、心筋血流イメージングや脳機能イメージングが出来る。
ところで、テクネチウム99mは、親核種のモリブデン99(Mo99)がベータ崩壊して生じる娘核種であり、テクネチウム99mの製造原料として、モリブデン99が用いられる。
モリブデン99の一般的な製造方法は、原子炉内に高濃縮又は低濃縮のウラニウムを挿入して、ウラニウムに中性子照射を行い、ウラニウムの核分裂によりモリブデン99を生成させ、この生成したモリブデン99をその他の核分裂生成物から分離回収し、精製することにより、モリブデン99を製造している。
このような原子炉を利用したモリブデン99の製造施設は、世界中を見ても少数であり、かつ、偏在している。又、モリブデン99の半減期は約66時間であり、テクネチウム99mの半減期は約6時間であるため、モリブデン99及びテクネチウム99mの長期間の貯蔵は不可能である。そのため、モリブデン99の製造施設を持たない国々は、航空機による輸入に頼っており、原子炉の停止や輸送の不具合により、モリブデン99の安定供給が出来ないという課題がある。
日本について、商業炉(発電炉)、試験炉(研究炉)等の原子炉は、多数存在するが、いずれの原子炉においても、モリブデン99の製造は行っておらず、100%輸入に頼っている。又、原子炉事故の危険性や、原子炉を利用した製造設備には多大な投資及び維持費が掛かること等から、原子炉を利用したモリブデン99の日本国内での製造は期待出来ない。
一方、日本では、加速器を利用してモリブデン99を製造する方法が検討されている。例えば、特許文献1(特開2015−99117号公報)には、放射性核種生成部と、放射性核種精製部と、を備える放射性核種製造装置が開示されている。放射性核種生成部は、原料核種を含む放射性核種製造用原料に、電子線加速器によって加速された電子を制動放射線発生用ターゲットに照射することで発生する制動放射線を照射し、制動放射線の照射により中性子を発生させる(γ,n)反応によって、放射性核種を生成させる。放射性核種精製部は、生成した放射性核種から必要な放射性核種を精製する。具体的には、流入ガスを流入させ、放射性核種製造用原料の温度が酸化テクネチウムの沸点である310.6℃以上(かつ、三酸化モリブデンの融点である795℃未満)となるように、流入ガスの流量を調整することにより、酸化テクネチウムを三酸化モリブデンから気体状態として分離する。これにより、小型軽量な装置で効率よく放射性核種を製造することが出来るとしている。
又、特許文献2(特開2016−17934号公報)には、医療用テクネチウム99mの製造方法が開示されている。この製造方法では、原料Moターゲットが、Mo98を含んで形成されたペレットとされ、Mo98を含んで形成されたペレットに、中性子エネルギーがMo98の中性子共鳴吸収帯域内になるように制御された加速器中性子源からの中性子を当該照射による中性子放射化断面積が増加する条件下で照射して、Tc99mの親核種Mo99を生成し、Mo99溶液貯蔵手段に貯蔵し、該Mo99溶液貯蔵手段に複数個のTc99m抽出装置が接続されてタンデム系統が構成され、テクネチウム99mをタンデム系統の個別のTc99m抽出装置ごとに設定された時間差でもって抽出し、複数のTc99m抽出によって装置全体として診断薬オンデマンドに対応して抽出する。抽出は、精製モリブデン(モリブデン99)溶液が活性炭カラムを通液され、テクネチウム99m吸着回収がなされる。これにより、複数接続されたTc99m抽出装置全体として医療用の診断薬オンデマンドに対応して抽出することが出来るとしている。
又、特許文献3(特開2016−29337号公報)には、放射性核種製造方法が開示されている。この製造方法では、電子線形加速器で加速した電子線を三酸化モリブデン100(Mo100・O)粉末試料に照射することで三酸化モリブデン99(Mo99・O)及び酸化テクネチウム99m(Tc99m・O)を製造し、分離精製装置によって、三酸化モリブデン99及び酸化テクネチウム99mから酸化テクネチウム99mを精製分離する。そして、この製造方法は、電子線を三酸化モリブデン100粉末試料に照射する照射期間中に、三酸化モリブデン100粉末試料に温度を調整した気体を供給する(昇華法)。これにより、核医学診断用薬剤の原料である放射性核種を、小型軽量な装置で効率良く製造することが出来るとしている。
又、特許文献4(特開2016−80574号公報)には、放射性核種製造装置と、放射性薬剤製造装置と、を備える放射性薬剤製造システムが開示されている。このシステムの放射性核種製造装置は、電子線加速器で加速した電子を用いて発生させた放射線を、モリブデン100を含む放射性核種製造用原料に照射することで原子核反応によりモリブデン99を製造する。又、システムの放射性薬剤製造装置は、放射性核種製造用原料を加熱してモリブデン99の放射壊変で生成したテクネチウム99mを含むテクネチウム化合物を揮発させ(昇華法)、揮発したテクネチウム99mを含むテクネチウム化合物を吸着剤に吸着させ、テクネチウム99mを含むテクネチウム化合物を吸着した吸着剤に溶離液を通水してテクネチウム99mを含むテクネチウム化合物を溶離液に溶離させて、放射性薬剤を製造する。これにより、装置を小型化し、放射性薬剤の製造にかかわる従事者の放射線被ばくを低減することが出来るとしている。
一方、モリブデン99の分離に関して、様々なシミュレーションが行われている。例えば、非特許文献1(Valeriia N. S., Applied Radiation and Isotopes 85 (2014) pp. 39-44)には、ナノ粒子のモリブデン100のターゲットに放射線を照射することで、モリブデン99が反跳(リコイル)して、飛び出ることが開示されている。
特開2015−99117号公報 特開2016−17934号公報 特開2016−29337号公報 特開2016−80574号公報
Valeriia N. S., Applied Radiation and Isotopes 85 (2014) pp. 39-44
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、生成された放射性核種を高温に加熱し、加熱後の放射性核種に流入ガスを流入させることで、必要な放射性核種を精製するため、高温加熱操作とガス流入操作が必要であり、テクネチウム99mの製造に手間が掛かり、エネルギーロスが生じるという課題がある。
又、上述した特許文献2に記載の技術では、中性子照射後のモリブデン99のペレットを強アルカリ性水溶液(又は強酸性水溶液)で溶解し、精製し、更に、活性炭カラムでテクネチウム99mを吸着させて回収するため、ペレットの溶解操作とテクネチウム99mの回収操作が必要であり、テクネチウム99mの製造に手間が掛かり、更に、中性子照射による生成断面積が過大評価されているという課題がある。
又、上述した特許文献3に記載の技術では、電子線照射中に三酸化モリブデン100粉末試料を、酸化テクネチウム99mの沸点(310.6度)以上の高温に加熱する必要がある。又、上述した特許文献4に記載の技術では、同様に、テクネチウム化合物を揮発させるために、酸化テクネチウム99mの沸点以上の高温に加熱する必要がある。特に、特許文献3、4に記載の昇華法では、モリブデンの融点近くまで温度を上げなければならず、正確な温度制御が必要になるとともに、その際のモリブデンの一部蒸発も避けることが出来ず、モリブデンが酸化テクネチウム99mに不純物として混入する。そのため、上述した特許文献3、4に記載の技術では、テクネチウム99mの製造及び精製に手間が掛かり、エネルギーロスが生じるという課題がある。
又、上述した非特許文献1に記載の技術では、シミュレーション上で、モリブデン99が飛び出ることが開示されているものの、具体的に飛び出たテクネチウム99mの回収方法を開示していない。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、テクネチウム99mのみを簡単な操作で回収することが可能なテクネチウム99m製造システム及びテクネチウム99m製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、テクネチウム99m製造システムであって、放射線照射制御部と、RI成長制御部と、RI溶解制御部と、精製制御部と、薬剤製造部と、を備える。放射線照射制御部は、モリブデン100を含むナノ粉体に放射線を照射させる。RI成長制御部は、前記放射線が照射されたナノ粉体を所定の放置時間放置させる。RI溶解制御部は、前記ナノ粉体を吸着可能な吸着剤を充填したカラムに、前記所定時間放置されたナノ粉体を入れた状態で、前記ナノ粉体に、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒を流入して、当該テクネチウム99mを溶解させた溶媒を前記ナノ粉体から分離させる。精製制御部は、前記分離された溶媒からテクネチウム99mを精製する。薬剤製造部は、前記精製されたテクネチウム99mを薬剤に結合させて核医学診断用薬剤を製造する。
又、本発明は、テクネチウム99m製造システムのテクネチウム99m製造方法であって、放射線照射制御ステップと、RI成長制御ステップと、RI溶解制御ステップと、精製制御ステップと、薬剤製造ステップを備える。テクネチウム99m製造方法の各ステップは、テクネチウム99m製造システムの各部に対応する。
本発明では、テクネチウム99mのみを簡単な操作で回収することが可能となる。
放射対象物がナノ粉体の場合の本発明の実施形態に係るテクネチウム99m製造システムの概念図である。 放射対象物が分散液の場合の本発明の実施形態に係るテクネチウム99m製造システムの概念図である。 放射対象物が分散液の場合の本発明の実施形態に係るテクネチウム99m製造システムの連続構成の概念図である。 本発明の実施形態に係るテクネチウム99m製造方法の実行手順を示すフローチャートである。 実施例1に係るナノ粉体を収納容器に収納している様子を示す斜視写真と、ナノ粉体をカラムに入れて溶媒を流して回収している様子を示す斜視写真である。 実施例1に係るガンマ線の照射後のナノ粉体のガンマ線スペクトルの一例である。 実施例1に係るナノ粉体から分離した溶媒のガンマ線スペクトルの一例である。 実施例2に係るガンマ線の照射後の分散液のガンマ線スペクトルの一例を示す。 実施例2に係る分散液のナノ粉体から分離した溶媒のガンマ線スペクトルの一例を示す。 実施例2に係る分散液を1日間放置した後に当該分散液のナノ粉体から分離した溶媒のガンマ線スペクトルの一例を示す。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るテクネチウム99m製造システムの概念図である。本発明は、図1に示すように、テクネチウム99m製造システム1(又はテクネチウム99m製造装置)であって、放射線照射制御部10と、RI成長制御部11と、RI溶解制御部12と、精製制御部13と、薬剤製造部14を備える。RIとは、放射性同位元素(Radioisotope)の略号である。
放射線照射制御部10は、モリブデン100(Mo100)を含むナノ粉体10aに放射線Rを照射させる。RI成長制御部11は、放射線Rが照射されたナノ粉体10aを所定の放置時間放置させる。
RI溶解制御部12は、ナノ粉体10aを吸着可能な吸着剤12aを充填したカラム12bに、所定時間放置されたナノ粉体10aを入れた状態で、ナノ粉体10aに、テクネチウム99m(Tc99m)を溶解可能な溶媒Sを流入して、当該テクネチウム99mをナノ粉体10aから分離させる。精製制御部13は、分離された溶媒Sからテクネチウム99mを精製する。薬剤製造部14は、精製されたテクネチウム99mを薬剤Dに結合させて核医学診断用薬剤Iを製造する。
これにより、テクネチウム99mのみを簡単な操作で回収することが可能となる。即ち、本発明では、ナノ粉体10aのモリブデン100に放射線を照射することで、モリブデン100からモリブデン99(Mo99)が反跳(リコイル)して、ナノ粉体10aの表面に飛び出る現象と、飛び出たモリブデン99がテクネチウム99mに成長(変換、生成)する現象とを利用する。そして、本発明では、ナノ粉体10aの表面に飛び出たテクネチウム99mを溶媒Sで溶解させて、カラム12bにナノ粉体10aと溶媒Sとを入れることで、テクネチウム99mのみをナノ粉体10aから分離させることが可能となる。そのため、従来のように、高温加熱操作や強アルカリ性水溶液(又は強酸性水溶液)による溶解操作を不要とし、安全に、効率よくテクネチウム99mのみを回収することが可能となる。又、ナノ粉体10aから流れ出る溶媒Sは、カラム12bの吸着剤12aを通して回収することから、ナノ粉体10aを含有せず、テクネチウム99mのみを含むことから、テクネチウム99mの精製処理も極めて容易である。そして、テクネチウム99mを薬剤Dに結合させることで、短時間で効率よく核医学診断用薬剤Iを製造することが可能となる。
ここで、ナノ粉体10aに含まれるモリブデン100の種類に特に限定は無く、例えば、金属モリブデン100、二酸化モリブデン100、三酸化モリブデン100等を採用することが出来る。
又、ナノ粉体10aは、ナノ粉体10aに放射線Rを照射することで、モリブデン99を反跳させるナノサイズの粒子の集合体を意味する。ナノ粉体10aの平均粒径に、特に限定は無いが、例えば、平均粒径が1nm〜100nmの範囲内である。ここで、ナノ粉体10aの平均粒径が1nm〜80nmの範囲内であると、ナノ粉体10aの比表面積が大きくなり、ナノ粉体10aに照射した際にナノ粉体110aの表面から反跳するモリブデン99の量を増加させることが出来るため、好ましい。ナノ粉体10aの平均粒径は、例えば、1nm〜80nmの範囲内であると好ましく、10nm〜60nmの範囲であると更に好ましく、20nm〜40nmの範囲内であると更に好ましい。
又、ナノ粉体10aに照射する放射線Rは、ナノ粉体10aのモリブデン100からモリブデン99を生成させる放射線Rであれば、特に限定は無い。放射線Rは、具体的には、ガンマ線、電子線、中性子線、陽子線のいずれかを挙げることが出来る。ガンマ線又は電子線をナノ粉体10aに照射した場合は、100Mo(γ,n)99Mo反応を利用して、モリブデン99を生成させる。中性子線をナノ粉体10aに照射した場合は、98Mo(n,γ)99Mo反応を利用して、モリブデン99を生成させる。陽子線をナノ粉体10aに照射した場合は、100Mo(p,pn)99Mo反応を利用して、モリブデン99を生成させる。
又、放射線照射制御部10が放射線Rをナノ粉体10aに照射させる方法は、放射線Rの種類に応じて適宜設計される。放射線Rがガンマ線の場合は、放射線照射制御部10が電子線型加速器からの電子線を白金ターゲットに照射してガンマ線を発生させ、そのガンマ線をナノ粉体10aに照射させる。放射線Rが電子線の場合は、放射線照射制御部10が電子線型加速器からの電子線をナノ粉体10aに照射させる。放射線Rが中性子線の場合は、放射線照射制御部10が原子炉等からの中性子線をナノ粉体10aに照射させる。放射線Rが陽子線の場合は、放射線照射制御部10がサイクロトロン等の加速器で加速した陽子線をナノ粉体10aに照射させる。
又、放射線Rをナノ粉体10aに照射させる照射時間に特に限定は無いが、照射時間が長い程、ナノ粉体10aのモリブデン100から生成されるモリブデン99の生成量は増加するが、一方、テクネチウム99mの半減期は約6時間であることから、照射時間が長すぎると、生成されたモリブデン99に基づいて成長したテクネチウム99mの生成量が半減期により減少する。そのため、例えば、照射時間は6時間〜12時間の範囲内に設定されると好ましい。
又、放射線Rを照射するナノ粉体10aの照射面積に特に限定は無いが、78.5mm〜314.0mmの範囲内であると好ましい。
又、照射する放射線Rのエネルギーに特に限定は無いが、例えば、放射線Rがガンマ線の場合、エネルギーが高い程、ナノ粉体10aのモリブデン100から生成されるモリブデン99の生成量は増加するが、一方、エネルギーが高すぎると、モリブデン99が生成しなくなる。そのため、例えば、エネルギーは、10MeV〜60MeVの範囲内であると好ましく、20MeV〜40MeVの範囲内であると更に好ましい。
又、放射線照射制御部10が放射線Rの照射を停止する方法に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、放射線Rの照射口をシャッターで塞ぐ方法を挙げることが出来る。
又、RI成長制御部11がナノ粉体10aを放置時間放置させる方法に特に限定は無いが、例えば、RI成長制御部11が、放射線Rが照射されたナノ粉体10aを収納する収納容器10bを移動させることで、放射線Rの照射からナノ粉体10aを退避させて、ナノ粉体10aを放置する方法を挙げることが出来る。又、図1に示すように、RI成長制御部11が、ナノ粉体10aを収納する収納容器10bをカラム12bに移動させて、収納容器10bのナノ粉体10aをカラム12bの吸着剤12aの上に入れて、ナノ粉体10aを放置しても良い。RI成長制御部11が放置の際に、放射線Rの照射を停止させても良い。
又、ナノ粉体10aを放置する放置時間は、ナノ粉体10aの表面に飛び出したモリブデン99をテクネチウム99mに成長させる時間に設定されるのであれば、特に限定は無い。ここで、モリブデン99の半減期は約66時間であり、テクネチウム99mの半減期は約6時間であることから、例えば、所定時間を20時間〜30時間の範囲内に設定すると、モリブデン99から成長されるテクネチウム99mの生成量が飽和量に達するため、飽和量のテクネチウム99mを効率的に回収することが可能となる。
又、ナノ粉体10aに流入する溶媒Sの種類は、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒であれば、特に限定は無いが、例えば、水、生理食塩水、中性水溶液、弱アルカリ性水溶液、弱酸性水溶液を挙げることが出来る。特に、溶媒Sが生理食塩水の場合、後の精製処理を簡単にし、精製制御部13と薬剤製造部14とを直接接続して、テクネチウム99mを含む生理食塩水を薬剤Dに直接結合させて、核医学診断用薬剤Iの製造を直接行うことが可能となる。又、溶媒SのpHは、例えば、2〜12の範囲内であると好ましい。溶媒Sが弱アルカリ性の水溶液の場合は、溶媒SのpHは、例えば、8〜12の範囲内であると好ましく、溶媒Sが弱酸性の水溶液の場合は、溶媒SのpHは、例えば、2〜6の範囲内であると好ましい。溶媒Sの添加物に特に限定は無いが、後の精製処理を簡単にするために、例えば、弱アルカリ性又は弱酸性にするための添加物(水酸化ナトリウム、塩酸等)や核医学診断用薬剤Iの製造用の添加物とすると好ましい。
又、RI溶解制御部12がカラム12b内のナノ粉体10aに溶媒Sを流入する方法に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、RI溶解制御部12は、カラム12bの吸着剤12aの上に入れられたナノ粉体10aに溶媒Sを所定量流し込み、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sをカラム12bの吸着剤12aの下方の出口12cから流し出す方法を挙げることが出来る。
又、溶媒Sの流速は、流入した溶媒Sがナノ粉体10aに染み込み、その後、ナノ粉体10aと吸着剤12aを通って、カラム12bから流入後の溶媒Sが染み出る流速であれば、特に限定は無い。上述のように、ナノ粉体10aのモリブデン100に放射線Rを照射することで、モリブデン100からモリブデン99が反跳して、ナノ粉体10aの表面に飛び出し、その後、テクネチウム99mに成長する。このことから、溶媒Sをナノ粉体10aに流入させて、溶媒Sでナノ粉体10aの表面に浸すことで、ナノ粉体10aの表面に飛び出たテクネチウム99mのみを洗い流し、ナノ粉体10aから分離させることが出来る。
尚、溶媒Sは、常時、ナノ粉体10aに流入させる必要は無く、溶媒Sをナノ粉体10aに浸漬させて、溶媒S中にナノ粉体10aを浸水させた状態とし、その後、ナノ粉体10aから溶媒Sを取り出すことで、ナノ粉体10aの表面に飛び出たテクネチウム99mのみを洗い流しても構わない。
又、溶媒Sは、カラム12b内のナノ粉体10aと吸着剤12aとを通ってカラム12aの外に出る必要があることから、RI溶解制御部12は、所定のポンプを用いて、カラム12bに流入する溶媒Sに圧力を掛けて、溶媒Sの流速を増加させて、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sの流出を促進しても良い。
又、カラム12bの吸着剤12aの種類に特に限定は無いが、例えば、モリブデン100を含むナノ粉体10aの吸着能を有する金属酸化物吸着剤が好ましく、具体的には、アルミナ、シリカ、ジルコニア等を挙げることが出来る。
又、RI溶解制御部12は、溶媒Sをナノ粉体10aに流入させている最中に、必要に応じて、ナノ粉体10aに超音波振動を与えて、溶媒Sに対するテクネチウム99mの溶解を促進しても構わない。
ここで、RI溶解制御部12が、超音波振動を与える方法に特に限定は無いが、例えば、ナノ粉体10aを入れたカラム12aの外周から所定の超音波発生器を当てて、ナノ粉体10aに超音波振動を与える方法を挙げることが出来る。又、超音波の周波数に特に限定は無いが、例えば、テクネチウム99mの溶解を考慮して、10kHz〜50kHzの範囲内であると好ましく、20kHz〜40kHzの範囲内であると更に好ましい。
又、RI溶解制御部12は、溶媒Sをナノ粉体10aに流入させている最中に、必要に応じて、ナノ粉体10aを加熱して、溶媒Sに対するテクネチウム99mの溶解を促進しても構わない。
ここで、RI溶解制御部12が、ナノ粉体10aを加熱する方法に特に限定は無いが、例えば、ナノ粉体10aを入れたカラム12aの外周にコイル型のヒーターを巻き付けて、ヒーターを加熱することで、ナノ粉体10aを加熱する方法を挙げることが出来る。又、ナノ粉体10aの加熱温度に特に限定は無いが、例えば、溶媒Sの沸点以下で、且つ、当該溶媒Sの沸点から所定の減算値(例えば、20度)を減算した値までの間の温度を採用することが出来る。これにより、溶媒Sの突沸を確実に防止することが出来る。具体的には、溶媒Sの沸点を考慮して、10度〜90度の範囲内であると好ましく、20度〜80度の範囲内であると更に好ましく、40度〜80度の範囲内であると更に好ましい。
又、精製制御部13が溶媒Sからテクネチウム99mを精製する方法に特に限定は無く、例えば、図1に示すように、カラム12bの出口12cに精製容器13aを用意し、精製制御部13は、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sが精製容器13aに所定量溜まると、溜まった溶媒Sを放出して、溶媒Sからテクネチウム99mを分離したり、テクネチウム99mを濃縮したりする方法を挙げることが出来る。
又、精製制御部13がテクネチウム99mを精製する場合、1回目の洗い流し出した後の溶媒Sを破棄し、2回目、3回目と複数回の洗い流しに用いられた溶媒Sからテクネチウム99mを精製すると好ましい。これにより、1回目の洗い流しに用いられた溶媒Sの流入によるテクネチウム99mの洗い流しにより、モリブデン99の親核種とテクネチウム99mの娘核種との過渡平衡関係が生じて、ミルキングが出来る。ミルキングにより、テクネチウム99mを逐次分離することで、テクネチウム99mが量産される。そのため、2回目以降の洗い流しに用いられた溶媒Sの流入では、量産されたテクネチウム99mが洗い流され、テクネチウム99mを効率的に得ることが出来る。
又、薬剤製造部14がテクネチウム99mを薬剤Dに結合させる方法に特に限定は無い。
又、テクネチウム99m製造システム1は、図1に示すように、テクネチウム99mの精製が完了すると、ナノ粉体10aのモリブデン99の放射能が無くなるまで、ナノ粉体10aの放置と、カラム12bへの溶媒Sの再流入と、テクネチウム99mを溶解した溶媒の分離と、テクネチウム99mの精製とを繰り返す繰り返し制御部15を備えても良い。ここで、ナノ粉体10aのモリブデン99の放射能が無くなるという意味は、モリブデン99の放射能が所定の閾値未満に低下することを意味する。又、繰り返し制御部15は、核医学診断用薬剤の製造も繰り返しても良い。
尚、放射線照射制御部10と、RI成長制御部11とは、図1に示すように、一つの制御装置に搭載されても良いし、それぞれ別個独立した制御装置として構成されても良い。又、RI溶解制御部12と、繰り返し制御部15とは、図1に示すように、一つの制御装置に搭載されても良いし、それぞれ別個独立した制御装置として構成されても良い。
又、ナノ粉体10aのモリブデン99の放射能が無くなった場合、繰り返し制御部15は、放射線照射制御部10により、カラム12b内のナノ粉体10aに放射線Rを再照射させることで、再度、ナノ粉体10a中のモリブデン100からモリブデン99をナノ粉体10aの表面に飛び出させても構わない。即ち、放射線Rの照射後のナノ粉体10aのモリブデン99に放射能が無くなれば、再度、放射線Rをナノ粉体10aに照射することで、モリブデン99の反跳を行わせることが可能となり、ナノ粉体10aの再利用(使いまわし)を行うことが出来る。
又、図1では、放射線照射制御部10は、ナノ粉体10aそのままに放射線Rを照射させるよう構成したが、図2に示すように、ナノ粉体10aは、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒S中に分散されて、分散液Lとして構成すると好ましい。分散液Lは収納容器10bに収納された状態で放射線Rに照射される。
ここで、分散液Lの形態に特に限定は無く、溶媒Sが多い液体状でも良いし、溶媒Sが少ないペースト状でも構わない。
さて、分散液L中に分散したナノ粉体10aの表面には、溶媒Sが漂うことになるため、分散液Lに放射線Rを照射させると、分散液L中のナノ粉体10aの表面にモリブデン99が飛び出し、テクネチウム99mがモリブデン99から成長すると、テクネチウム99mがナノ粉体10aの表面に漂う溶媒Sに直ぐに溶解する。これにより、ナノ粉体10aに放射線Rを照射した後からナノ粉体10aに溶媒Sを流し込むよりも、分散液L中で成長したテクネチウム99mを直ぐに溶媒Sで捕獲することが可能となるため、テクネチウム99mを効率よく回収することが可能となる。
次に、RI成長制御部11は、分散液L中のナノ粉体10aを所定の放置時間放置させる。これにより、ナノ粉体10aの表面に飛び出したモリブデン99をテクネチウム99mに成長させるとともに、分散液Lの溶媒Sにテクネチウム99mを溶解させる。そして、RI溶解制御部12は、カラム12bに、放置時間放置された分散液Lを入れて、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sをナノ粉体10aから分離させる。又、RI溶解制御部12は、必要に応じて、カラム12bに溶媒Sを流入して、テクネチウム99mを更に溶媒Sに溶解させて、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sをナノ粉体10aから分離させる。尚、精製制御部13と、薬剤製造部14と、繰り返し制御部15とのそれぞれの機能は、上述と同様である。このように構成することで、テクネチウム99mの収率を高めることが可能となる。
又、図2では、収納容器10bと、カラム12bとを別にして、分散液L中のナノ粉体10aに放射線Rを照射する部分と、ナノ粉体10aと溶媒Sとを分離する部分とを別個独立に構成したが、図3に示すように、収納容器10bをカラム12bの一部に構成すると好ましい。
ここで、放射線照射制御部10が、分散液Lをカラム12bに入れた状態で、当該分散液Lに放射線Rを照射させ、RI成長制御部11は、放射線Rの照射を停止して、分散液L中のナノ粉体10aを所定の放置時間放置させる。そして、RI溶解制御部12は、カラム12bの分散液Lに溶媒Sを入れて、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sをナノ粉体10aから分離させる。尚、精製制御部13と、薬剤製造部14と、繰り返し制御部15とのそれぞれの機能は、上述と同様である。このように構成することで、テクネチウム99mの収率を高めるとともに、連続的にテクネチウム99mの分離・精製を行うことが可能となり、テクネチウム99mを量産化することが出来る。又、放射線Rの照射による放射化物質を最小限に抑えることも可能となる。
次に、本発明の実施形態に係るテクネチウム99m製造方法の実行手順を説明する。先ず、作業者は、テクネチウム99m製造システム1の放射線照射制御部10の収納容器10bに、ナノ粉体10a又は分散液Lの放射対象物(又は放射化対象物)を収容し、その収納容器10bを、放射線Rが照射される位置にセットする(図4:S101)。
そして、作業者は、テクネチウム99m製造システム1の制御装置を操作すると、テクネチウム99m製造システム1の放射線照射制御部10は、収納容器10bを密閉状態にし、放射対象物に放射線Rを所定の照射時間照射させる(図4:S102)。これにより、放射対象物のナノ粉体10aのモリブデン100が、放射線Rを受けて、モリブデン99が反跳して、ナノ粉体10aの表面に飛び出る。
放射線照射制御部10が、所定の放射時間だけ放射線Rの照射をすると、放射線Rの照射を停止し、テクネチウム99m製造システム1のRI成長制御部11は、収納容器10bを密閉状態にし、必要に応じて、収納容器10bを他の場所に移動させる等して、放射対象物を所定の放置時間放置させる(図4:S103)。これにより、ナノ粉体10aの表面に飛び出したモリブデン99は、β壊変により、テクネチウム99mに成長する。又、放射対象物が分散液Lの場合、成長したテクネチウム99mは、周囲に存在する溶媒Sに溶解する。
RI成長制御部11が、所定の放置時間だけの放射対象物の放置を完了すると、テクネチウム99m製造システム1のRI溶解制御部12は、収納容器10bの放射対象物をカラム12bの吸着剤12aの上に入れ、更に、放射対象物に所定量の溶媒Sを1回目の溶媒Sとして流入する(図4:S104)。これにより、ナノ粉体10aの表面で成長したテクネチウム99mは、溶媒Sに溶解し、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sは吸着剤12aを通って、ナノ粉体10aから分離される。
ここで、テクネチウム99m製造システム1の精製制御部13は、先ず、1回目の洗い流しに用いられた所定量の溶媒Sを破棄する(図4:S105)。これにより、上述したミルキングを利用して、2回目以降のテクネチウム99mの溶解に用いられた溶媒Sから大量のテクネチウム99mを精製することが出来る。
次に、RI溶出制御部12は、再度、放射対象物を入れたカラム12bに所定量の溶媒Sを2回目の溶媒Sとして流入する(図4:S106)。これにより、ナノ粉体10aの表面で成長したテクネチウム99mは、2回目の溶媒Sに溶解し、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sは吸着剤12aを通って、ナノ粉体10aから分離される。
そして、精製制御部13は、2回目のテクネチウム99mの溶解に用いられた所定量の溶媒Sからテクネチウム99mを精製する(図4:S107)。これにより、テクネチウム99mのみを簡単な操作で回収することが可能となる。
尚、RI溶出制御部12は、所定量の溶媒Sを放射対象物に繰り返し流入することで、2回目以降の溶媒Sの流入が行われ(図4:S106)、これに対して、精製制御部13は、2回目以降のテクネチウム99mの溶解に用いられた所定量の溶媒Sからテクネチウム99mを繰り返し精製することになる(図4:S107)。
ここで、上述では、ミルキングを利用するために、1回目の溶媒Sの流入と、2回目以降の溶媒Sの流入とを分けて、1回目の溶媒Sを破棄し、2回目以降の溶媒Sを精製に利用したが、これに限定されない。例えば、分散液Lを利用する場合は、全体の処理の流れとして、1回目の溶媒Sを破棄せずに、1回目以降の溶媒Sを精製に利用しても構わない。
さて、テクネチウム99m製造システム1には、図1に示すように、薬剤製造部14が精製制御部13に連結されているため、テクネチウム99m製造システム1の薬剤製造部14は、精製されたテクネチウム99mを薬剤Dに結合させて核医学診断用薬剤Iを製造する(図4:S108)。これにより、テクネチウム99mを含む核医学診断用薬剤Iをすぐに製造し、SPECT検査に利用することが出来る。
又、テクネチウム99m製造システム1には、図1に示すように、繰り返し制御部15が制御装置に組み込まれているため、テクネチウム99m製造システム1の繰り返し制御部15は、溶媒Sの流入が完了したり、テクネチウム99mの精製が完了したりすると、放射対象物のモリブデン99の放射能が有るか否かを判定する(図4:S109)。
ここで、繰り返し制御部15の判定方法に特に限定は無く、例えば、セットされた放射対象物に対する放射能を測定し、測定した放射能が所定の閾値未満であるか否かを判定する。閾値は、ナノ粉体10aのサイズ、分散液Lの量、放射線Rの照射時間等に応じて適宜設計されるが、例えば、放射対象物への放射線Rの照射を完了した時点における照射対象物の放射能を放射対象物の最初の放射能として予め測定しておき、閾値に、放射対象物の最初の放射能に対して1/10の値が設定される。具体的には、放射対象物の最初の放射能が10MBqである場合、閾値は1MBqに設定される。
判定の結果、現時点では、放射対象物の放射能が閾値以上である場合、繰り返し制御部15は、放射対象物のモリブデン99の放射能が有ると判定する(図4:S109YES)。
すると、繰り返し制御部15は、ポンプの弁を閉じて、溶媒Sの供給を停止することで、溶媒Sの流入を停止し(図4:S110)、S103に戻って、放射線Rの照射の停止による放射対象物の放置と(図4:S103)、2回目以降の溶媒Sの流入と(図4:S106)、テクネチウム99mの精製と(図4:S107)を繰り返す。これにより、放射対象物のモリブデン99の放射能がある場合は、放射対象物を再利用して、テクネチウム99mのみを製造することが可能となる。
そして、繰り返し制御部15の繰り返しの結果、放射対象物の放射能が閾値未満になった場合、S109において、繰り返し制御部15は、放射対象物のモリブデン99の放射能が無いと判定する(図4:S109NO)。すると、繰り返し制御部15の繰り返し処理は停止し、テクネチウム99m製造システム1のテクネチウム99mの製造は完了する。
尚、放射対象物(放射化対象物)を再利用したい場合は、作業者は、放射対象物をセットした状態で、S102から開始して、放射対象物に放射線Rを照射することで(図4:S102)、モリブデン99をナノ粉体10aの表面に飛び出させて、テクネチウム99mの製造を再開しても良い。
又、放射対象物を交換したい場合は、作業者は、例えば、収納容器10bから放射対象物を取り出し、新たな放射対象物を収納容器10bにセットすることで、テクネチウム99mの製造を再開することが出来る。
ところで、本発明の実施形態では、テクネチウム99m製造システム1に放射線照射制御部10と、RI成長制御部11と、RI溶出制御部12と、精製制御部13と、薬剤製造部14を備え、放射線の照射からテクネチウム99mの精製までを自動的に行うよう構成したが、一部が手動で構成されても、本発明の作用効果を有する。
又、本発明の実施形態では、テクネチウム99m製造システム1が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実行するステップを本発明のテクネチウム99m製造方法として提供することも可能である。更に、各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。
<実施例>
以下、実施例等によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、ナノ粉体10aをそのままに放射線Rを照射した場合のテクネチウム99mの製造方法を示す。
先ず、図5Aに示すように、平均粒径が30nmの金属モリブデン100のナノ粒子の集合体であるナノ粉体10aを収納容器10bに収納し、放射対象物を作成した。
次に、電子線型加速器(電子ライナック)の施設に収納容器10bを搬入し、電子線型加速器にて30MeVのエネルギーの電子線を白金ターゲットに照射し、それにより発生したガンマ線を収納容器10bに所定の照射時間照射した。実施例1では、必要最小限のモリブデン99が生じる程度で良いため、照射時間を、例えば、10分間と設定した。ガンマ線の照射により、100Mo(γ,n)99Mo反応が生じて、収納容器10bのナノ粉体10aには、モリブデン99が反跳して生じる。
ガンマ線の照射が完了すると、ガンマ線の照射後の収納容器10bのナノ粉体10aを所定の放置時間放置した。実施例1では、テクネチウム99mが検知可能な程度に生じるように、放置時間を、例えば、24時間と設定した。収納容器10bの放置により、99Mo→99mTc + β−壊変の反応が生じ、モリブデン99からテクネチウム99mが成長される。
そして、収納容器10bの放置が完了すると、図5に示すように、収納容器10bのナノ粉体10aを、吸着剤12aを充填したカラム12bに入れ、カラム12bの下方の出口12cには、精製容器13aを設置して、吸着剤12aの上のナノ粉体10aの上から、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒S(水)を流した。これにより、ナノ粉体10aから、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sを分離させた。精製容器13aで、溶媒Sを回収した。
ここで、ガンマ線の照射を完了した収納容器10bのナノ粉体10aにGe半導体検出器を当てて、ナノ粉体10aから発生するガンマ線の測定を行った。図6は、実施例1に係るガンマ線の照射後のナノ粉体10aのガンマ線スペクトルの一例を示す。図6に示すように、100Mo(γ,n)99Mo反応及び99Moのβ壊変によりテクネチウム99mが生成していることが確認される。更に、他の生成物として、96Nb、95mNbも生成していることが確認される。
次に、ナノ粉体10aから分離した溶媒SにGe半導体検出器を当てて、溶媒Sから発生するガンマ線の測定を行った。図7は、実施例1に係るナノ粉体10aから分離した溶媒Sのガンマ線スペクトルの一例を示す。図7に示すように、驚くべきことに、溶媒Sの中には、テクネチウム99mのみが測定されていることが確認される。これは、ナノ粉体10aのモリブデン100に放射線を照射することで、モリブデン100からモリブデン99が反跳して、ナノ粉体10aの表面に飛び出す現象が生じ、ナノ粉体10aの表面に飛び出たテクネチウム99mを溶媒Sで溶解したことに成功したことを示している。尚、図7では、40Kのガンマ線も測定されているが、これは、自然界に存在するカリウムの同位体である。
(実施例2)
実施例2は、ナノ粉体10aを溶媒Sに分散させた分散液Lに放射線Rを照射した場合のテクネチウム99mの製造方法を示す。
先ず、平均粒径が30nmの金属モリブデン100のナノ粉体10aを、テクネチウム99mが溶解可能な溶媒S(水)に分散させることで、分散液Lを作製した。
次に、電子線型加速器(電子ライナック)の施設に分散液Lを搬入し、電子線型加速器にて30MeVのエネルギーの電子線を白金ターゲットに照射し、それにより発生したガンマ線を分散液Lに所定の照射時間照射した。実施例2でも、照射時間を10分間と設定した。ガンマ線の照射により、100Mo(γ,n)99Mo反応が生じて、分散液Lのナノ粉体10aには、モリブデン99が反跳して生じる。
ガンマ線の照射が完了すると、ガンマ線の照射後の分散液L(ナノ粉体10a)を所定の放置時間放置した。実施例2でも、放置時間を24時間と設定した。分散液Lの放置により、99Mo→99mTc + β−壊変の反応が生じ、モリブデン99からテクネチウム99mが成長される。成長したテクネチウム99mは溶媒Sに素早く溶解される。
そして、分散液Lの放置が完了すると、分散液Lを、吸着剤12aを充填したカラム12bに入れて、分散液Lのナノ粉体10aから、テクネチウム99mを溶解した溶媒Sを分離させ、精製容器13aで回収した。実施例2では、分散液Lの自重により、カラム12bを通して分散液Lから溶媒Sを精製容器13aで回収し、必要に応じて、溶媒Sをカラム12bのナノ粉体10a上に追加した。
ここで、ガンマ線の照射を完了した分散液LにGe半導体検出器を当てて、分散液Lから発生するガンマ線の測定を行った。図8は、実施例2に係るガンマ線の照射後の分散液Lのガンマ線スペクトルの一例を示す。図8に示すように、100Mo(γ,n)99Mo反応及び99Moのβ壊変によりテクネチウム99mが生成していることが確認される。尚、上述と同様に、96Nb、95mNb、40Kのガンマ線のピークも見られた。
次に、分散液Lのナノ粉体10aから分離した溶媒SにGe半導体検出器を当てて、溶媒Sから発生するガンマ線の測定を行った。図9は、実施例2に係る分散液Lのナノ粉体10aから分離した溶媒Sのガンマ線スペクトルの一例を示す。図9に示すように、驚くべきことに、溶媒Sの中には、テクネチウム99mのみが測定されていることが確認される。上述と同様に、分散液L中に分散したナノ粉体10aのモリブデン100に放射線を照射することで、モリブデン100からモリブデン99が反跳して、ナノ粉体10aの表面に飛び出す現象が生じ、ナノ粉体10aの表面に飛び出たテクネチウム99mを溶媒Sで溶解したことに成功したことを示している。このように、テクネチウム99mのみを簡単な操作で回収することが出来た。尚、図9でも、上述と同様に、40Kのガンマ線のピークも測定された。
実施例2では、分散液Lの放射能が1MBq以上であったため、1日間放置し、その後、カラム12bに溶媒Sを追加して、その溶媒に、分散液L中のナノ粉体10aのモリブデン99から成長したテクネチウム99mを溶解して、テクネチウム99mを含む溶媒を分離した。そして、分散液Lのナノ粉体10aから分離した溶媒SにGe半導体検出器を当てて、溶媒Sから発生するガンマ線の測定を行った。図10は、実施例2に係る分散液Lを1日間放置した後に当該分散液Lのナノ粉体10aから分離した溶媒Sのガンマ線スペクトルの一例を示す。図10に示すように、驚くべきことに、溶媒Sの中には、テクネチウム99mのみが測定されていることが確認される。このように、放射能を有する分散液L(ナノ粉体10a)から、ナノ粉体10aの表面に飛び出たテクネチウム99mを繰り返し回収したことに成功したことを示している。更に驚くべきことに、テクネチウム99mのガンマ線のピーク強度が高く、テクネチウム99mの収率が高くなっていることが確認される。このように、テクネチウム99mのみを簡単な操作で繰り返し回収することが出来た。
従って、実施例では、従来のように、高温加熱操作や強アルカリ(又は強酸)による溶解操作を不要とし、安全に、効率よくテクネチウム99mのみを回収することが可能であることが明らかになった。
以上のように、本発明に係るテクネチウム99m製造システム及びテクネチウム99m製造方法は、SPECT検査に用いる核医学診断用薬剤のテクネチウム99mの製造に有用であり、医療用に限らず、研究用、産業用、食品用等、様々な業界で使用されるテクネチウム99mの製造に幅広く利用出来る。又、テクネチウム99mのみを簡単な操作で回収することが可能なテクネチウム99m製造システム及びテクネチウム99m製造方法として有効である。
1 テクネチウム99m製造システム
10 放射線照射制御部
11 RI成長制御部
12 RI溶出制御部
13 精製制御部
14 薬剤製造部
15 繰り返し制御部

Claims (4)

  1. モリブデン100を含むナノ粉体に放射線を照射させる放射線照射制御部と、
    前記放射線が照射されたナノ粉体を所定の放置時間放置させるRI成長制御部と、
    前記ナノ粉体を吸着可能な吸着剤を充填したカラムに、前記放置時間放置されたナノ粉体と、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒であって、水、生理食塩水、中性水溶液のいずれかの溶媒とを入れることで、前記ナノ粉体の表面に飛び出たテクネチウム99mを当該溶媒で溶解させて、当該テクネチウム99mを溶解させた溶媒を前記カラムに通過させて、前記ナノ粉体から分離させるRI溶解制御部と、
    前記分離された溶媒からテクネチウム99mを精製する精製制御部と、
    前記精製されたテクネチウム99mを薬剤に結合させて核医学診断用薬剤を製造する薬剤製造部と、
    を備えるテクネチウム99m製造システム。
  2. 前記ナノ粉体は、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒中に分散されて、分散液として構成され、
    前記RI溶解制御部は、前記ナノ粉体を吸着可能な吸着剤を充填したカラムに、前記放置時間放置された前記分散液を入れて、テクネチウム99mを溶解した溶媒を前記ナノ粉体から分離させる
    請求項1に記載のテクネチウム99m製造システム。
  3. モリブデン100を含むナノ粉体に放射線を照射させる放射線照射制御ステップと、
    前記放射線が照射されたナノ粉体を所定の放置時間放置させるRI成長制御ステップと、
    前記ナノ粉体を吸着可能な吸着剤を充填したカラムに、前記放置時間放置されたナノ粉体と、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒であって、水、生理食塩水、中性水溶液のいずれかの溶媒とを入れることで、前記ナノ粉体の表面に飛び出たテクネチウム99mを当該溶媒で溶解させて、当該テクネチウム99mを溶解させた溶媒を前記カラムに通過させて、前記ナノ粉体から分離させるRI溶解制御ステップと、
    前記分離された溶媒からテクネチウム99mを精製する精製制御ステップと、
    前記精製されたテクネチウム99mを薬剤に結合させて核医学診断用薬剤を製造する薬剤製造ステップと、
    を備えるテクネチウム99m製造システムのテクネチウム99m製造方法。
  4. 前記ナノ粉体は、テクネチウム99mを溶解可能な溶媒中に分散されて、分散液として構成され、
    前記RI溶解制御ステップは、前記ナノ粉体を吸着可能な吸着剤を充填したカラムに、前記放置時間放置された前記分散液を入れて、テクネチウム99mを溶解した溶媒を前記ナノ粉体から分離させる
    請求項に記載のテクネチウム99m製造方法。
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