JP6711779B2 - 後注入型ロックボルト用定着材注入方法 - Google Patents

後注入型ロックボルト用定着材注入方法 Download PDF

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本発明は、後注入型ロックボルト用定着材注入方法に関し、特に専用の仮プレートの簡便な押し付け方式により定着材の漏れ出しを容易に防止する後注入型ロックボルト用定着材注入方法に関する。
山岳トンネルを建設する工法として新オーストリアトンネル工法(NATM)が多く採用されている。この工法ではトンネルの掘削を行った後、トンネル内面に吹付けコンクリートを施してから、吹付けコンクリートを貫通し地山に達する所定の長さのロックボルトを所定の間隔で複数設置し、ロックボルトの突出部にプレートを挿通してナットで締着することでトンネル地山を補強してトンネル内壁の崩落を防止する。
ロックボルトは設置する地山の強度や岩質に応じて、本数や長さが調整されるが、通常3m程度の長さのものが使用される。
ロックボルトの設置は、一般的に、ロックボルト挿入孔を形成するロックボルト用削孔を行った後、ロックボルト挿入孔に定着材を充填し、そこにロックボルトを挿入して定着する先充填型が行われる。しかし、地山が強固な岩盤ではなく、強度不足が懸念される場合は通常より長い、例えば4〜6mの長さのロックボルトが使用される。このような長尺のロックボルトを設置する場合、特に天井付近で上向きのロックボルトを定着する際、定着材が垂れ落ちてくるなどして、定着が一部不完全となるおそれがある。その対策として後注入型が適用される。
後注入型では、予め定着材注入用のパイプと排気用のパイプを取り付けた(中実な)棒鋼のロックボルトまたは排気用のパイプを取り付けた中空のロックボルトをロックボルト挿入孔に挿入してから、注入用パイプ又は中空のロックボルトを通して定着材が注入される。この時、注入した定着材が垂れ落ちてくるのを防止する方法が開示されている。
特許文献1には、ロックボルト挿入孔の口元に布袋状のパッカーを設け、定着材注入に先立ちパッカー用注入ホースからセメント系グラウト材をパッカー内に注入して径方向に拡大させることにより、孔の口元を塞ぐロックボルト施工方法が開示されている。この方法で使用されるパッカーは高価な上に再利用ができないため、ロックボルトの設置費用が高額となる。またパッカーの設置は手間がかかり煩雑である。地山が軟質な場合、膨らんだパッカーでロックボルト孔口元の軟質な地山が破壊して隙間ができ、定着材が漏れてうまく充填できない場合があり、これもパッカー方式の課題の一つとなっている。
特許文献2には、ロックボルトの基端部に、一方の面に弾性体からなるシール部材が設けられたプレートを嵌め込んでから、ロックボルト挿入孔に挿入し、ロックボルトを挿入方向に押し付けた状態で定着材を注入することで、口元からの定着材の漏えいを防ぐ定着材注入方法が開示されている。この方法では定着材が漏えいしなくなる硬度になるまでロックボルトを押し続ける必要があるが、明細書中では押し付け装置との記載があるのみで具体的な構成に関する記載は無い。
そこで、軟質な地山であっても、施工が容易で安価に、ロックボルトを確実に全面定着により設置することができる後注入型のロックボルト用定着材注入方法が求められる。
特許第5153505号公報 特許第3046548号公報
本発明は、上記従来の後注入型ロックボルト用定着材注入方法における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、専用の仮プレートの簡便な押し付け方式により定着材の漏れ出しを容易に防止する後注入型ロックボルト用定着材注入方法を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明による後注入型ロックボルト用定着材注入方法は、ロックボルト挿入孔にロックボルトを挿入後、定着材を注入して定着する後注入型ロックボルト用定着材注入方法において、注入パイプと排気パイプを併設したロックボルトの頭部に、注入パイプと排気パイプとロックボルト頭部とが貫通するように仮プレートを取り付ける段階と、前記ロックボルトを、仮プレートが吹付けコンクリート面に当接するまでロックボルト挿入孔に挿入する段階と、スペーサ材を介してまたは直接に仮プレートを押圧するアングル材をアンカーにより吹付けコンクリートに固定する段階と、排気パイプから定着材が流出するまで注入パイプから定着材を注入する段階を有し、前記アングル材は前記注入パイプ及び前記排気パイプの引き出しに影響を受けないような形状を有するか、前記注入パイプ及び前記排気パイプの引き出しに影響を受けない位置に固定されることを特徴とする。
前記仮プレートが当接する吹付けコンクリート面は平坦化されていることが好ましい。
前記仮プレートと吹付けコンクリートとの間に弾力性を有するシール材を備えることが好ましい。
前記スペーサ材は仮プレート又はアングル材に固定されていることが好ましい。
本発明に係る後注入型ロックボルト用定着材注入方法によれば、定着材の漏えいを防止する仮プレートの押しつけは、スペーサ材を介してまたは直接に仮プレートを押圧するアングル材をアンカーによって固定するのみで継続的に実現できるため、仮プレートの設置が容易に実施できる。また仮プレート、スペーサ材、アングル材はいずれもロックボルト定着後取り外して再利用ができるため、ロックボルト設置作業が低コストで実現できるという効果もある。
本発明の実施形態による後注入型ロックボルト用定着材注入方法の定着材注入前の状態を概略的に示す断面図である。 本発明の実施形態による仮プレートの設置方法を説明するための図である。 本発明の実施形態による後注入型ロックボルト用定着材注入方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施形態による仮プレートの設置方法を説明するための図である。 本発明の実施形態によるロックボルト定着後のプレートの定着を説明するための図である。 本発明の実施形態によるロックボルト定着後のプレートの定着を説明するためのフローチャートである。
次に、本発明に係る後注入型ロックボルト用定着材注入方法を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による後注入型ロックボルト用定着材注入方法の定着材注入前の状態を概略的に示す断面図である。
図1を参照すると、地山10のトンネル内壁側に吹付けコンクリート11が所定の厚さに吹付けられ、予めロックボルト1を挿入するためのロックボルト挿入孔12が削孔されている。ロックボルト1は中実の棒鋼で、ロックボルト1を定着するための定着材を注入する注入パイプ2及び定着材を注入する際、定着材の中に気泡が残らないように、ロックボルト挿入孔12内の空気を排気するための排気パイプ3と共にロックボルト挿入孔12に挿入される。
このとき、ロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3はいずれもロックボルト挿入孔12の入り口からトンネル内側に突出するように設置される。これにロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3のそれぞれの外径に合わせて貫通孔が設けられた定着材注入専用の仮プレート4が、突出したロックボルト1の頭部、注入パイプ2、及び排気パイプ3を挿通し、ロックボルト挿入孔12の入り口を塞ぐように吹付けコンクリート11のプレート設置面13に当接して設置される。実施形態では作業性の関係で、ロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3は予め仮プレート4を挿通した状態で、ロックボルト挿入孔12に挿入される。
仮プレート4のプレート設置面13に当接する一側には弾性体などからなるシール材5が備えられている。定着材を注入する際、定着材が漏えいしないようにシール材5とプレート設置面13との密着が保たれている必要がある。そのためプレート設置面13は、ロックボルト1の挿入前に平坦化を行うのが好ましい。
平坦化は、吹付けコンクリート11の吹き付け後、硬化前に平坦な板材を押し当てて平坦なレプリカ面を形成するようにしてもよいし、機械的に研削してもよい。研削を行う場合はプレート設置面13が平坦になればよく、研削深さは様々に設定してよい。即ち表面の凹凸を削り落とす程度の浅い研削でもよいし、明確に窪み部を形成するように削孔してもよい。
図1の実施形態は、ロックボルト1に最終的にプレートをナットで定着する際、ナット及びロックボルト1の頭部が周辺の吹付けコンクリート11の表面から突出しない深さにまで削孔した場合を示す。このような深さで削孔することにより、防水シート貼付け等のトンネル施工の後続工程で、トンネル内壁に突起が残ることがなく、品質の良い平坦な内壁加工が可能となる。
仮プレート4は、スペーサ材6を介してアングル材7によりプレート設置面13に押し付けられ、アングル材7はアンカー8により吹付けコンクリート11の表面に固定される。
こうしてロックボルト挿入孔12は注入パイプ2と排気パイプ3の開口部を除き外部と遮断された状態となる。この状態で注入パイプ2から定着材が注入される。図1に示すように注入パイプ2と排気パイプ3のロックボルト挿入孔12内の長さは異なり、図1のような上向きのロックボルト挿入孔12の場合、注入パイプ2は短くロックボルト挿入孔12の入り口付近に先端部があるのに対し、排気パイプ3はロックボルト1と同等かやや短い長さである。このため定着材を注入すると、ロックボルト挿入孔12の入り口側から奥に向かって充填が進み、それに伴い奥の方の空気が排気パイプ3を通って外部に排気され、定着材の中に気泡として残留するのを防止する。定着材がロックボルト挿入孔12の奥まで充填されると、排気パイプ3の中に定着材が流れ込み、やがて排気パイプ3の外部に流れ出してくる。このように排気パイプ3は定着材注入中の空気の排気の他に定着材の充填確認の役割を果たす。
一方ロックボルト挿入孔12が水平又は下向きの場合、定着材は奥から充填する方が、定着材の中に空気が残留しにくくなるため、注入パイプ2は奥まで届くように長く、排気パイプ3は入り口付近に開口が来るように短く設置する。
図2は、本発明の実施形態による仮プレートの設置方法を説明するための図であり、図1に示す断面図をそれぞれの構成要素の形状がわかるように分解して示した図である。
図2を参照すると、吹付けコンクリート11にロックボルト挿入孔12が削孔され、ロックボルト挿入孔12の周囲に仮プレート4が収納される大きさの削孔が施され、その底部の平坦面がプレート設置面13となる。このプレート設置面13に最終的にプレートが定着されるため、仮プレート4はプレートと同じ大きさであることが望ましい。
ロックボルト挿入孔12にはロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3がプレート設置面13より突出するように挿入される。一実施形態では、ロックボルト1の先端の突出量は削孔部の中に納まる長さとする。
仮プレート4はロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3のそれぞれの外径に合わせて貫通孔が設けられた平板であり、図2では矩形形状としているが、角部を除いた8角形でも円形でもよい。また仮プレート4のプレート設置面13に対向する面には図では見えないがシール材5を備える。シール材5は弾性を有し、厚みのあるシート状であり、仮プレート4と同じ形状でもよいし、ロックボルト挿入孔12より大きな内径の閉じた形状(例えばドーナッツ型)でもよい。尚シール材5は単独で扱える場合、仮プレート4に備えず単独の構成部材とし、仮プレート4とプレート設置面13との間に挟んで使用するようにしてもよい。
仮プレート4にロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3を挿通した後、ロックボルト1の頭部に設けられたネジ部にナット9を螺合して仮プレート4が抜け落ちないようにする。この時ナット9の取り付け位置により仮プレート4の位置が変わり、それに伴ってロックボルト1の挿入深さが変わるため、ナット9は予め設定された位置に取り付けるようにするのが望ましい。
前述のように実施形態ではナットまでを取り付けた段階でロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3をロックボルト挿入孔12に挿入する。続いて仮プレート4を押し付けるようにドーナッツ状のスペーサ材6を挟んでアングル材7により押し付けながら、アンカー8によりアングル材7を吹付けコンクリート11の表面に固定する。吹付けコンクリート11の表面には予めアンカー8に合わせたアンカー用下孔15を削孔しておき、アングル材7を固定する際は、アンカー8をアンカー用下孔15にねじ込みながら取り付けることで固定が行われる。
図2に示すように、スペーサ材6の内径は、少なくともナット9及び、仮プレート4から突出した注入パイプ2、及び排気パイプ3を内部に含むことができる大きさとする。またアングル材7のスペーサと接触する面の幅は、スペーサ材6の内径よりも小さく、少なくとも突出した注入パイプ2、及び排気パイプ3をスペーサ材6の内壁とアングル材7との隙間を利用して外部に引き出すようにする。定着材を注入する際は、この外部に引き出した注入パイプ2を定着材注入装置の注入用パイプと連結することで定着材注入が可能となる。
アングル材7をアンカー8で固定することにより、仮プレート4を押し付けた状態を維持できるため、定着材を注入した後、定着材が固まるまで従来技術のように押し付け装置で押し付け続ける必要はない。
定着材が硬化してロックボルト1の定着がなされた後は、アンカー8を取り付けた時と逆回転させてネジ部を緩めることにより取り外すことができ、それに伴いアングル材7及びスペーサ材6を取り外すことができる。
図2ではスペーサ材6は独立した構成要素として示したが、予め仮プレート4に取り付けた状態で使用してもよい。また逆にアングル材7の方に取り付けておいてもよい。スペーサ材6はドーナッツ状の形状で示したが、仮プレート4を押し付けられればこの形状である必要はない。
図3は本発明の実施形態による後注入型ロックボルト用定着材注入方法を説明するためのフローチャートである。
図3を参照すると、一実施形態では段階S310でプレート又は仮プレート4を設置するためのプレート設置面13の平坦化を行う。平坦化は前述のように吹付けコンクリート11の硬化前に滑らかな平板を押し付けてもよいし、吹付けコンクリート11の硬化後に研削してもよい。尚、ここでは吹付けコンクリート11の表面の仕上がりに影響されることなく安定したプレート設置面13を得るために平坦化を行うことを示したが、吹付けコンクリート11の表面が、初期的にある程度平坦に形成される場合には、平坦化処理は省略してもよい。
次に段階S320でロックボルト1の頭部に仮プレート4を取り付ける。仮プレート4を取り付ける際、ロックボルト1のみならず、注入パイプ2、及び排気パイプ3も仮プレート4を挿通させ、ロックボルト挿入孔12に挿入するときに取り扱いやすいように、注入パイプ2、及び排気パイプ3はベルトなどでロックボルト1に固定するようにするとよい。
仮プレート4に挿通させたロックボルト1の頭部には、ナット9を螺合により取り付け、ロックボルト1を挿入する前の準備段階を終了する。
仮プレート4、ナット9を取り付けたロックボルト1は、段階S330にて注入パイプ2、及び排気パイプ3と共にロックボルト挿入孔12に挿入する。挿入は仮プレート4がプレート設置面13に当接し、更にナット9が仮プレート4に当接するまでロックボルト1をロックボルト挿入孔12に押し込むようにする。即ちナットの取り付け位置で仮プレート4が固定されるため、ナット9の取り付け位置によってロックボルト1の定着深さが変わってくる。そこで段階S320でナット9を取り付けるときは、あらかじめ想定した位置となるように調節して取り付ける。
尚、図3では作業性の関係でロックボルト1に仮プレート4を取り付けて(段階S320)から、ロックボルト1を挿入する(段階S330)ように示したが、先にロックボルト1を挿入してから仮プレート4を取り付けることも可能であり、段階S320と段階S330は逆の順序でもよい。
ロックボルト1の挿入が完了すると、段階S340で仮プレート4を均等に押し付けるようにスペーサ材6をセットしたのち、段階S350にてスペーサ6を押し付けた状態でアングル材7をアンカー8で固定する。スペーサ6を予め仮プレート4またはアングル材7に取り付けておく場合は、段階S340は省略してよい。
次に段階S360で定着材注入を開始する。定着材注入は仮プレート4から突出する注入パイプ2に、定着材注入装置の注入パイプを接続して行う。定着材は図1で説明したように注入パイプ2の開口した先端部があるロックボルト挿入孔12入り口側から奥に向かって充填されていき、奥まで達すると排気パイプ3を通って溢れ出てくる。そこで定着材が排気パイプ3から溢れ出てきたかどうかで、定着材が充てんしたかどうかを確認することができる。定着材が溢れ出てきたことを確認して注入を終了する。
図4は、本発明の他の実施形態による仮プレートの設置方法を説明するための図である。
図1、2ではプレート設置面13の平坦化のために、後の工程を考慮して、ロックボルト1の先端部が周辺の吹付けコンクリート11の表面から突出しないように積極的に窪み部を形成するように削孔する実施形態を示したが、図4は吹付けコンクリート11の表面は初期仕上がりが良好で平坦化が必要ないか、平坦化を行ったとしてもごく表面のみを研削する程度で、窪み部を形成しない実施形態の仮プレートの設置方法を示す。
図4を参照すると、図4(a)と(b)で仮プレート4を押さえるアングル材7の異なる実施形態を示す。
図4(a)、(b)はともに仮プレート4にロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3を挿通した後、ロックボルト1の頭部に設けられたネジ部にナット9を螺合してロックボルト挿入孔12に挿入したところまでは共通である。また窪み部を形成していないため、仮プレート4は吹付けコンクリート11の表面から突出しており、仮プレート4を押し付けるのにスペーサ6は使用せず、アングル材7で直接押し付けるようにアングル材7が固定される。
アングル材7の仮プレート4に当接する面は図1、2で示したアングル材7よりも幅広にしてもよい。但し、仮プレート4から突出するロックボルト1、ナット9、注入パイプ2、及び排気パイプ3があり、これらが仮プレート4を押し付けるのに障害となるため、図4(a)のアングル材7の、仮プレート4に当接する面には、これら突出する構成要素が影響しないように、それぞれの突出位置に逃げ孔又は切り欠きを設け、突出する構成要素がない部分のみを押し付けるような形状としてある。
図4(b)はアングル材7をロックボルト1の頭部、ナット9を回避するように一方向を凸形状に折り曲げた形状としてある。
図4(a)、(b)に示す構造はそれぞれ一つの実施形態であって、仮プレート4を押し付けることができればこれら形状にとらわれる必要はない。
図5は、本発明の実施形態によるロックボルト定着後のプレートの定着を説明するための図である。
ロックボルト挿入孔12に定着材を注入した後、所定の時間放置すると定着材が硬化し、ロックボルト1が定着される。仮プレート4は定着材注入から硬化に至る間、定着材が漏えいしないようにロックボルト挿入孔12の入り口をふさぐためのものであるので、定着材が硬化すると不要となる。そこで定着材の硬化後仮プレート4を取り外し、最終的に定着されるプレート14との交換を行う。
仮プレート4の取り外しは、アングル材7を固定するアンカー8を取り外し、仮プレート4を押さえていたアングル材7、スペーサ材6を取り外すことにより行う。定着材が硬化した状態では硬化した定着材16の表面から、ロックボルト1、注入パイプ2、及び排気パイプ3が突出した状態となる。ロックボルト1はプレート14を定着するために使用するが、注入パイプ2、及び排気パイプ3は定着材の注入が終了した後は不要となり、むしろプレート14の取り付けの際の障害物となる。そこで図5に示すように定着材16の表面から突出する注入パイプ2、及び排気パイプ3は定着材16の表面部分で切断して除去する。
このようにロックボルト1のみが突出するようにしてから、定着用のプレート14をロックボルト1に挿通し、ナット9で螺合することによりプレート14を定着する。図5は図2に対応するものであり、プレート設置面13は予め削孔により周辺の吹付けコンクリート11より低く形成され、ロックボルト1、プレート14、ナット9はこの削孔によって形成された窪み部内に収まる高さとすることで、後に続く工程である防水シート貼付けを平坦に仕上げることができる。
図6は、本発明の実施形態によるロックボルト定着後のプレートの定着を説明するためのフローチャートである。
図6を参照すると、段階S610でアングル材7、仮プレート4の取り外しを行う。スペーサ材6を使用する場合はこの時スペーサ材6も一緒に取り外す。取り外したアングル材7、仮プレート4、スペーサ材6は再利用が可能であり、後注入型ロックボルト用定着材注入にかかる費用を必要以上に増加させることはない。
次いで段階S620にて、定着材16から突出する注入パイプ2、及び排気パイプ3を根元部分で切断して取り除く。
段階S620でプレート14取り付けの際の障害物が取り除かれるので、段階S630でロックボルト1の突出部をプレート14に挿通させ、さらにナット9を螺合してプレート14を定着させる(段階S640)。
こうしてプレート14は平坦化したプレート設置面13に当接し、吹付けコンクリート11に片当たりすることなく良好なプレート定着を行うことができる。
上記で説明したように、本発明の実施形態による後注入型ロックボルト用定着材注入方法によれば、簡単な方法で仮プレートを固定し、トンネルの天井付近などのように上向きのロックボルトの定着においても定着材が漏れ出すことなく後注入を行うことができ、さらに、仮プレートやこれを押さえるアングル材などは取り外して再利用ができるため、ロックボルトの定着に係る施工費用を低く抑えることができるという効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更することが可能である。
1 ロックボルト
2 注入パイプ
3 排気パイプ
4 仮プレート
5 シール材
6 スペーサ材
7 アングル材
8 アンカー
9 ナット
10 地山
11 吹付けコンクリート
12 ロックボルト挿入孔
13 プレート設置面
14 プレート
15 アンカー用下孔
16 定着材

Claims (4)

  1. ロックボルト挿入孔にロックボルトを挿入後、定着材を注入して定着する後注入型ロックボルト用定着材注入方法において、
    注入パイプと排気パイプを併設したロックボルトの頭部に、注入パイプと排気パイプとロックボルト頭部とが貫通するように仮プレートを取り付ける段階と、
    前記ロックボルトを、仮プレートが吹付けコンクリート面に当接するまでロックボルト挿入孔に挿入する段階と、
    スペーサ材を介してまたは直接に仮プレートを押圧するアングル材をアンカーにより吹付けコンクリートに固定する段階と、
    排気パイプから定着材が流出するまで注入パイプから定着材を注入する段階を有し、
    前記アングル材は前記注入パイプ及び前記排気パイプの引き出しに影響を受けないような形状を有するか、前記注入パイプ及び前記排気パイプの引き出しに影響を受けない位置に固定されることを特徴とする後注入型ロックボルト用定着材注入方法。
  2. 前記仮プレートが当接する吹付けコンクリート面は平坦化されていることを特徴とする請求項1に記載の後注入型ロックボルト用定着材注入方法。
  3. 前記仮プレートと吹付けコンクリートとの間に弾力性を有するシール材を備えることを特徴とする請求項1に記載の後注入型ロックボルト用定着材注入方法。
  4. 前記スペーサ材は仮プレート又はアングル材に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の後注入型ロックボルト用定着材注入方法。
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