JP6711741B2 - 吊荷の姿勢制御装置 - Google Patents

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本発明は、吊荷の姿勢制御装置に関する。
クレーン等で吊荷を移動させるとき、吊荷の姿勢を所望の姿勢に制御したいことがある。吊荷はワイヤロープで吊り下げられているので、風などの影響を受けて回転することがあり得る。また、吊荷を移動させる際に、吊荷の姿勢を変更したい場合もある。そこで、吊荷の姿勢を制御する技術として、例えば、特許文献1に記載された吊物の旋回装置が知られている。
特開2014−131941号公報
特許文献1の装置によれば、フライホイールを回転させることにより、吊荷の姿勢を制御している。ここで、フライホイールは、装置外部から印加されて吊荷の姿勢を変化させる不要なエネルギを吸収するものと考えることができる。吸収可能なエネルギの量は、例えばフライホイールの角速度による。フライホイールの角速度には上限があるので、吸収可能なエネルギの量には上限が生じ得る。従って、例えば吊荷を同じ方向に回転させるような強風が吹き続けた場合には、吊荷の姿勢制御が困難になる場合が生じ得る。
また、フライホイールは、吊荷の姿勢を変化させるための駆動源としても利用できる。この場合、吊荷に提供し得るモーメントは、例えばフライホイールの角速度による。上述したように、フライホイールの角速度には上限があるので、提供し得るモーメントには上限が存在し得る。そうすると、吊荷を所望の姿勢に変化させる際にモーメント不足が生じ、吊荷の姿勢制御が困難になる場合もあり得る。
そこで本発明は、吊荷の姿勢制御能力を高めることが可能な吊荷の姿勢制御装置を提供する。
本発明の一形態は、吊荷の姿勢制御装置であって、吊荷に連結可能な基体と、基体に対して回転可能に設けられたメインフライホイールと、メインフライホイールを第1回転軸線の周りに回転可能に支持する第1支持部と、第1支持部に対してメインフライホイールを第1回転軸線の周りに回転させる第1駆動部と、第1支持部を第1回転軸線と直交する第2回転軸線の周りに回転可能に支持するとともに、基体に固定された第2支持部と、基体に対して第支持部を第2回転軸線の周りに回転させる第2駆動部と、基体に対して回転可能に設けられたサブフライホイールと、サブフライホイールを第3回転軸線の周りに回転可能に支持する第3支持部と、第3支持部に対してサブフライホイールを第3回転軸線の周りに回転させる第3駆動部と、第3支持部を第3回転軸線と直交する第4回転軸線の周りに回転可能に支持するとともに、基体に固定された第4支持部と、基体に対して第3支持部を第4回転軸線の周りに回転させる第4駆動部と、第1駆動部及び第2駆動部を制御する制御部と、を備え、制御部は、第2駆動部を制御して第1回転軸線が鉛直方向に沿うように第1支持部の姿勢を維持しながら、第1駆動部を制御して吊荷の姿勢が所望の姿勢となるようにメインフライホイールを動作させる第1制御と、メインフライホイールが所定の角速度に達した場合に、第2駆動部を制御して、メインフライホイールの回転方向が逆向きとなるように第2回転軸線の周りに第1支持部を180度回転させる第2制御と、をこの順で繰り返し行い、制御部は、第2制御の実行中において、第3駆動部及び第4駆動部を制御してメインフライホイールが発生させるエラーモーメントを打ち消す
この姿勢制御装置では、第1回転軸線が鉛直方向に沿うようにメインフライホイールの姿勢が制御されている。この状態によれば、メインフライホイールを回転させることにより吊荷に作用する外力に対抗し得るモーメントを生じさせることが可能である。また、吊荷を回転させるためのモーメントを発生させることも可能である。そして、メインフライホイールが所定の角速度に到達すると、制御部は第2駆動部を制御してメインフライホイールの回転方向が逆向きになるように第1支持部を180度回転させる。すなわち、第1支持部を第2回転軸線の周りに回転させて上下を反転させる。そうすると、吊荷に作用する外力に対しては、角速度を減じることにより吊荷に作用する外力に対抗し得るモーメントをさらに生じさせることが可能になる。また、吊荷を回転させるためのモーメントをさらに発生させることも可能になる。従って、この姿勢制御装置によれば、メインフライホイールの角速度の上限に制限されることなく、吊荷の姿勢制御能力を高めることができる。
メインフライホイールが回転している状態で、第1回転軸線と直交する第2回転軸線の周りに第1回転軸線を傾ける角加速度が作用すると、第1及び第2回転軸線のそれぞれに直交する軸線の周りにメインフライホイールのジャイロ効果に起因するモーメントが生じる。このモーメントは、吊荷の姿勢を乱す場合があり得る。この姿勢制御装置では、制御部が第3駆動部を制御することによりサブフライホイールにおいて慣性に起因するモーメントを生じさせることが可能である。さらに、制御部が第4駆動部を制御することによりサブフライホイールにおいてジャイロ効果に起因するモーメントを生じさせることが可能である。これらのサブフライホイールが発生可能な慣性に起因するモーメントとジャイロ効果に起因するモーメントとによって、メインフライホイールのジャイロ効果に起因するモーメントの影響を打ち消すことが可能になる。従って、吊荷の姿勢をより安定化させることができる。
本発明によれば、吊荷の姿勢制御能力を高めることができる。
図1は、本実施形態に係る吊荷の姿勢制御装置の適用例を示す図である。 図2は、図1に示された吊荷の姿勢制御装置の構成を示す簡易的な斜視図である。 図3の(a)部、(b)部、(c)部及び(d)部は、吊荷の姿勢制御装置によって実行される第1制御を説明するための図である。 図4の(a)部及び(b)部は、吊荷の姿勢制御装置によって実行される第2制御を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、吊荷の姿勢制御装置1は、クレーン等の揚重装置によって1本のワイヤロープの先端に吊り下げられた吊荷100に対して取り付けられる。工事現場の環境によっては、揚重作業中において吊荷100の姿勢を所定の姿勢に制御したいことがある。ここで、本実施形態における吊荷100の姿勢とは、水平面内における吊荷100の回転位置をいう。換言すると、鉛直方向Vを軸線とした吊荷100の回転位置ともいえる。また、吊荷100の姿勢制御とは、例えば、揚重開始から揚重終了まで吊荷100の姿勢を所望の姿勢に維持することである。また、吊荷100の姿勢制御には、吊荷100の姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる別の第2姿勢に変更することも含む。
吊荷100は、1本のワイヤロープによって吊り下げられているので、風などによって回転することがあり得る。従って、吊荷100の姿勢を維持するためには外力に対抗するためのモーメントを生じさせる必要がある。また、吊荷100の姿勢を変更する場合には吊荷100に対してモーメントを供給する必要がある。すなわち、姿勢制御装置1は、外力に対抗するためのモーメント、及び、姿勢を変更するためのモーメントを吊荷100に対して供給するものである。
姿勢制御装置1は、基体2と、メインユニット3と、サブユニット4と、制御ユニット6(制御部)と、を有する。
基体2は、姿勢制御装置1の筐体であり、メインユニット3といった構成物を収容すると共に吊荷100に取り付けるためのものである。基体2は、少なくともメインユニット3及びサブユニット4を固定可能であればよい。また、基体2は、メインユニット3及びサブユニット4を覆うカバーを有していてもよい。
図2に示されたメインユニット3は、吊荷100に供給するモーメントを発生させる。メインユニット3は、メインフライホイール7と、ホイール枠8(第1支持部)と、ホイールモータ9(第1駆動部)と、連結柱11(第2支持部)と、枠モータ12(第2駆動部)とを有する。
メインフライホイール7は、円盤状の質量体であり、回転軸線A1(第1回転軸線)の周りに回転することにより慣性に起因するモーメント(カウンターモーメント)を生じさせる。メインフライホイール7は、姿勢制御装置1に要求される能力により種々のパラメータが決定される。姿勢制御装置1に要求される能力には例えば、発生可能な最大モーメントや所定のモーメントに収束するまでの時間(応答速度)などがあげられる。これらの要求を満たすように、メインフライホイール7の直径や、質量、形状などが設定される。ホイール枠8は、メインフライホイール7を囲む枠体である。ホイール枠8は、メインフライホイール7をその回転軸線A1の周りに回転可能に支持する。ホイール枠8は、ベアリング等によって、メインフライホイール7のシャフトを回転可能に支持する。ホイールモータ9は、ホイール枠8に固定されており、ホイール枠8に対してメインフライホイール7を回転させる。ホイール枠8の連結柱11は、ホイール枠8を基体2に固定する。連結柱11は、下端が基体2に固定され、上端がベアリング等を介してホイール枠8に連結されている。ここで、連結柱11における回転軸線A2(第2回転軸線)は、水平方向H2に沿っており、メインフライホイール7の回転軸線A1に対して直交する。すなわち、鉛直方向Vに対しても直交していると言える。また、連結柱11の回転軸線A2は、メインフライホイール7の回転軸線A1上に存在すると仮定される回転質量中心C1を通っている。枠モータ12は、連結柱11に固定されており、連結柱11に対してホイール枠8を回転させる。
このような構造を有するメインユニット3は、いわゆるジンバル機構を有するユニットであるといえる。
サブユニット4は、吊荷100の姿勢を安定化させるものであり、必要に応じて設けられる。サブユニット4は、サブフライホイール13と、サブホイール枠14(第3支持部)と、サブホイールモータ16(第3駆動部)と、サブ連結柱17(第4支持部)と、サブ枠モータ18(第4駆動部)とを有する。すなわち、サブユニット4は、メインユニット3と同様の構成要素を有する。サブフライホイール13は、回転軸線S1(第3回転軸線)を中心として回転する。また、サブホイール枠14は、水平方向H2に沿う回転軸線S2(第4回転軸線)を中心として回転する。上述したように、サブユニット4は、吊荷100の姿勢を安定化させるものであるので、サブユニット4が発生するモーメントは、メインユニット3に要求されるモーメントより小さくてよい。従って、サブユニット4はサブフライホイール13がメインフライホイール7よりも小型である点でメインユニット3と相違する。サブユニット4のその他の構成は、いわゆるジンバル機構を有する点などにおいてメインユニット3と共通である。
制御ユニット6は、吊荷100の姿勢を制御する。ここでいう吊荷100の姿勢とは、水平面内における回転角度を意味する。具体的には、制御ユニット6は、ホイールモータ9を制御することによりメインフライホイール7が発生させるカウンターモーメントを制御する。また、制御ユニット6は、枠モータ12を制御することによりメインフライホイール7を回転軸線A2の周りに反転させる。さらに、制御ユニット6は、サブユニット4に発生させるカウンターモーメントとジャイロ効果に起因するモーメントを制御する。具体的には、制御ユニット6は、サブホイールモータ16を制御することによりサブフライホイール13が発生させるカウンターモーメントを制御する。また、制御ユニット6は、サブ枠モータ18を制御することによりサブフライホイール13を回転軸線S2の周りに反転させる。
以下、制御ユニット6が行う制御の詳細について説明する。
まず、図3の(a)部に示されるように、制御ユニット6は、枠モータ12を制御してメインフライホイール7の回転軸線A1を鉛直方向Vに沿わせてその状態を維持する。さらに、制御ユニット6は、サブ枠モータ18を制御してサブフライホイール13の回転軸線S1を水平方向H1に沿わせてその状態を維持する。このとき、メインフライホイール7及びサブフライホイール13は停止状態としてもよいし、あらかじめ一定の角速度をもって回転させてもよい。以下の説明においては、メインフライホイール7及びサブフライホイール13は停止状態であるとする。ここまでの制御は、吊荷100の揚重開始前(すなわち、地上に吊荷100が載置されている状態)で行われる。
その後、吊荷100の揚重が開始される。吊荷100の揚重状態に応じて、制御ユニット6は、要求されるモーメントを発生させる(第1制御)。具体的には、制御ユニット6は、ホイールモータ9を制御してメインフライホイール7を一定の回転方向(例えば時計方向)に加減速させることによりカウンターモーメントを発生させる。また、必要に応じて制御ユニット6は、時計方向における角速度を増減させる。この間は、制御ユニット6は、枠モータ12を制御してメインフライホイール7の回転軸線A1が鉛直方向Vに沿った状態を維持する。
ここで、吊荷100の姿勢を変更する場合を例示する。吊荷100の姿勢を第1姿勢(図3の(b)部参照)から第2姿勢(図3の(c)参照)に変更する場合には、制御ユニット6は、メインフライホイール7を一定方向に回転させてモーメントを吊荷100に提供する。メインフライホイール7の角速度には上限が設定されている。この例においては、吊具の回転抵抗や風などの吊荷を回転させようとしている向きと逆向きに働くトルクによって、目的の角度まで吊荷を姿勢変更できないことが生じうる。従って、上限の角速度までメインフライホイール7を回転させた場合に発生し得るモーメントが、姿勢変更に要するモーメントに満たないことが生じ得る。つまり、メインフライホイール7の角速度が上限に達しても吊荷100の姿勢は、第2姿勢に到達しないことがあり得る。
このような場合において、制御ユニット6は、メインフライホイール7の回転方向を反転させる(第2制御)。具体的には、制御ユニット6は、メインフライホイール7の角速度が上限に達する直前において、枠モータ12を制御してホイール枠8の上下を入れ替えるように反転させる(図3の(d)部参照)。そうすると、メインフライホイール7の回転方向は、当初の回転方向(例えば時計方向)に対して逆向き(例えば反時計方向)になる。ここで、吊荷100の姿勢変更を継続するためのモーメントを発生させるためには、メインフライホイール7の角速度を減速すればよい。つまり、当初の制御においては、メインフライホイール7を回転させるときに生じる慣性力をモーメント源として用いていた。一方、反転後の制御においては、メインフライホイール7が有するエネルギをモーメント源として用いる。このように、メインフライホイール7の回転軸線A1を反転させることにより、メインフライホイール7の角速度の上限に影響されることなく必要なモーメントを吊荷100に与え続けることができる。すなわち、図3の(d)部に示された状態において、制御ユニット6は、メインフライホイール7の角速度を下げるようにホイールモータ9を動作させる。そうすると、回転を止めようとするモーメントに対する反作用に起因するモーメントが生じ、このモーメントによって吊荷100が姿勢の変更が継続される。なお、メインフライホイール7の回転が止まるまで角速度を下げもなおモーメントが足りない場合には、再びメインフライホイール7を時計方向に回転させて慣性力によるモーメント供給を行えばよい。
ところで、図4の(a)部に示されるように、回転中のメインフライホイール7において、回転軸線A1を傾けるモーメントが回転軸線A2の周りに作用すると、回転軸線A1,A2のそれぞれに直交する軸線A3の周りにさらに別のモーメントが発生する。このモーメントは、いわゆるジャイロ効果に起因するモーメント(以下「ジャイロモーメントTGA」とも言う)である。メインフライホイール7の反転には所定の時間を要するので、この間において、吊荷100の姿勢を乱すモーメントが吊荷100に対して作用してしまう。この吊荷100の姿勢を乱すモーメントをエラーモーメントとも呼ぶ。
そこで、姿勢制御装置1は、ジャイロモーメントTGAが吊荷100に及ぼす影響を打ち消す(キャンセルする)ための構成としてサブユニット4を備えている。サブユニット4は、揚重開始直後においてサブフライホイール13の回転軸線S1が水平方向H1に沿うようにされている(図3の(a)部参照)。すなわち、サブフライホイール13の回転軸線S1は、メインフライホイール7の回転軸線A1に対して直交する。そして、メインフライホイール7の反転を開始すると(図4の(a)部参照)、ジャイロモーメントTGAが発生しはじめる。このジャイロモーメントTGAは、水平軸周りのエラーモーメント成分と鉛直軸周りのエラーモーメント成分との合成とみることもできる。これらの成分は、メインフライホイール7の回転軸線A1と鉛直方向Vとのなす角度により変化する。
水平軸周りのエラーモーメント成分は、メインフライホイール7の回転軸線A1の回転開始直後に最大値をとり、徐々に小さくなる。そして、メインフライホイール7の回転軸線A1と鉛直方向とのなす角度が90度であるとき、ほぼゼロとなる。そして、再び最大値に向けて徐々に大きくなる。図4の(a)部に示されるように、この水平軸周りのエラーモーメント成分は、制御ユニット6がサブフライホイール13を回転させることにより打ち消される。つまり、制御ユニット6はサブフライホイール13の回転を加速させることにより、カウンターモーメントTCSを生じさせる。換言すると、水平軸周りのエラーモーメント成分は、サブフライホイール13のカウンターモーメントTCにより打ち消される。
一方、鉛直軸周りのエラーモーメント成分は、メインフライホイール7の回転軸線A1の回転開始直後はほぼゼロであり、徐々に大きくなる。そして、メインフライホイール7の回転軸線A1と鉛直方向Vとのなす角度が90度であるとき、最大となる(図4の(b)部参照)。そして、再びゼロに向かって徐々に小さくなる。この鉛直軸周りのエラーモーメント成分は、制御ユニット6がサブフライホイール13の回転軸線S1を傾けることにより打ち消される。具体的には、サブフライホイール13もメインフライホイール7と同様に、回転中のサブフライホイール13の回転軸線S1を傾けるようなモーメントが入力されると、回転軸線S1,S2とのそれぞれに直交する軸線S3の周りのジャイロモーメントTGSが生じる。つまり、サブフライホイール13のジャイロ効果によるモーメントである。制御ユニット6は、徐々に大きくなる鉛直軸周りのエラーモーメント成分に対応するように、サブフライホイール13の回転軸線S1を徐々に傾けるようなモーメントをサブ枠モータ18に生じさせる。換言すると、鉛直軸周りのエラーモーメント成分は、サブフライホイール13のジャイロモーメントTGSにより打ち消される。
また、メインフライホイール7の傾斜を抑制する制御は、メインフライホイール7の反転を加減速することで行われてもよい。具体的には、メインフライホイール7の反転が開始されるとメインフライホイール7のジャイロモーメントTGAにより吊荷の傾斜が生じる状態となる。制御ユニット6は、吊荷100の揺れ戻りにタイミングを合せてメインフライホイール7の反転を加減速することで、傾斜の増加を抑制しながらメインフライホイール7の反転を継続する。続いて、メインフライホイール7の回転軸線A1が水平方向H1の近傍においては、吊荷100が別の軸線の周りに傾斜する。制御ユニット6は、この傾斜にタイミングを合せてメインフライホイール7の反転を加減速する。すなわち、傾斜の増加を抑制しながら反転を継続する。そして、メインフライホイール7の反転終了間際において、制御ユニット6は、吊荷100の傾斜にタイミングを合せてメインフライホイール7の反転を加減速することで、傾斜の増加を抑制しながらメインフライホイール7の反転を完了させる。
上記実施形態に係る姿勢制御装置1によれば、回転軸線A1が鉛直方向Vに沿うようにメインフライホイール7の姿勢が制御されている。この状態によれば、メインフライホイール7を回転させることにより吊荷100に作用する外力に対抗し得るモーメントを生じさせることが可能である。また、吊荷100を回転させるためのモーメントを発生させることが可能である。そして、メインフライホイール7が所定の角速度に到達すると、制御ユニット6は枠モータ12を制御してメインフライホイール7の回転方向が逆向きになるようにホイール枠8を180度回転させる。すなわち、ホイール枠8を回転軸線A2の周りに回転させて上下を反転させる。そうすると、吊荷100に作用する外力に対しては、角速度を減じることにより吊荷100に作用する外力に対抗し得るモーメントをさらに生じさせることが可能になる。また、吊荷100を回転させるためのモーメントをさらに発生させることも可能になる。従って、この姿勢制御装置1によれば、メインフライホイール7の角速度の上限に制限されることなく、吊荷100の姿勢制御能力を高めることができる。
さらに、上記実施形態に係る姿勢制御装置1によれば、メインフライホイール7の回転方向が逆向きになるように上下反転させることにより、必要なモーメントを発生させ続けることができる。そうすると、上下反転させる回数を増やすことにより所望のモーメントを発生させることが可能になるので、メインフライホイール7の最大回転速度を低減することができる。従って、要求されるメインフライホイール7への回転用動力を抑制することができ、バッテリーを小型することも可能になる。
姿勢制御装置1の制御において、メインフライホイール7が上下反転している途中の過程では、メインフライホイール7の回転軸線A1が水平方向H1に沿う状態が生じる。この状態では、メインフライホイール7は吊荷100を傾けるようなエラーモーメントを生じてしまう。そこで、姿勢制御装置1の制御ユニット6は、サブフライホイール13を回転させ、ジャイロモーメントTGSにより吊荷の回転保持効果を発揮させた状態でメインフライホイール7を上下反転させる制御を行う。この制御によれば、制御ユニット6がサブホイールモータ16を制御することによりサブフライホイール13においてカウンターモーメントTCSを生じさせることが可能である。さらに、制御ユニット6がサブ枠モータ18を制御することによりサブフライホイール13においてジャイロモーメントTGSを生じさせることが可能である。これらのサブフライホイール13が発生可能なカウンターモーメントTCSとジャイロモーメントTGSとによって、メインフライホイール7のジャイロモーメントTGAを打ち消すことが可能になる。従って、吊荷100の姿勢をより安定化させることができる。
また、姿勢制御装置1によれば、吊荷100の姿勢制御にメインフライホイール7の回転制御によるカウンターモーメントを利用する。このカウンターモーメントの制御は、回転体の回転軸を傾けたときに生じるジャイロ効果に起因するモーメントの制御よりも容易である。具体的には、メインフライホイール7の回転制御は、メインフライホイール7の回転軸を傾ける制御よりも容易である。従って、簡易且つ精度よく吊荷100の姿勢制御を行うことができる。
同様に、メインフライホイール7が生じるジャイロモーメントTGAを打ち消す制御も、サブフライホイール13の回転制御によるカウンターモーメントTCSを利用する。サブフライホイール13の回転制御は、サブフライホイール13の回転軸を傾ける制御よりも容易である。従って、簡易且つ精度よくエラーモーメントを打ち消すことができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、第2駆動部は、ホイール枠8を回転可能な構成であればよく、モータに限定されることはない。
例えば、サブユニット4は、1個に限定されることはなく、複数個備えていてもよい。この場合には、サブユニット4同士の角速度や回転軸線の傾きといった制御可能な対象が増えるので、カウンターモーメント及びジャイロモーメントの制御における自由度が高まる。従って、状況に応じた適切な吊荷の姿勢制御を行うことができる。
例えば、姿勢制御装置1は、図1に示されるように吊荷100の上側に配置される構成に限定されることはない。例えば、吊荷100の下部に取り付けてもよい。
例えば、メインフライホイール7及びサブフライホイール13の形状は、円盤状に限定されることはない。例えば、1本のシャフトの両端に質量体が取り付けられ、シャフトと一対の質量体の重心に回転軸機構を設けた構成であってもよい。また、シャフトは、1本に限定されることはなく、両端に質量体が設けられた複数のシャフトにより構成されてもよい。
1…姿勢制御装置、2…基体、3…メインユニット、4…サブユニット、6…制御ユニット(制御部)、7…メインフライホイール、8…ホイール枠(第1支持部)、9…ホイールモータ(第1駆動部)、11…連結柱(第2支持部)、12…枠モータ(第2駆動部)、13…サブフライホイール、14…サブホイール枠(第3支持部)、16…サブホイールモータ(第3駆動部)、17…サブ連結柱(第4支持部)、18…サブ枠モータ(第4駆動部)、100…吊荷、A1,A2…回転軸線、A3…軸線、C1…回転質量中心、S1,S2…回転軸線、S3…軸線、V…鉛直方向、H1,H2…水平方向。

Claims (1)

  1. 吊荷の姿勢制御装置であって、
    吊荷に連結可能な基体と、
    前記基体に対して回転可能に設けられたメインフライホイールと、
    前記メインフライホイールを第1回転軸線の周りに回転可能に支持する第1支持部と、
    前記第1支持部に対して前記メインフライホイールを前記第1回転軸線の周りに回転させる第1駆動部と、
    前記第1支持部を前記第1回転軸線と直交する第2回転軸線の周りに回転可能に支持するとともに、前記基体に固定された第2支持部と、
    前記基体に対して前記第支持部を前記第2回転軸線の周りに回転させる第2駆動部と、
    前記基体に対して回転可能に設けられたサブフライホイールと、
    前記サブフライホイールを第3回転軸線の周りに回転可能に支持する第3支持部と、
    前記第3支持部に対して前記サブフライホイールを前記第3回転軸線の周りに回転させる第3駆動部と、
    前記第3支持部を前記第3回転軸線と直交する第4回転軸線の周りに回転可能に支持するとともに、前記基体に固定された第4支持部と、
    前記基体に対して前記第3支持部を前記第4回転軸線の周りに回転させる第4駆動部と、
    前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第2駆動部を制御して前記第1回転軸線が鉛直方向に沿うように前記第1支持部の姿勢を維持しながら、前記第1駆動部を制御して前記吊荷の姿勢が所望の姿勢となるように前記メインフライホイールを動作させる第1制御と、
    前記メインフライホイールが所定の角速度に達した場合に、前記第2駆動部を制御して、前記メインフライホイールの回転方向が逆向きとなるように前記第2回転軸線の周りに前記第1支持部を180度回転させる第2制御と、をこの順で繰り返し行い、
    前記制御部は、前記第2制御の実行中において、前記第3駆動部及び前記第4駆動部を制御して前記メインフライホイールが発生させるエラーモーメントを打ち消す、吊荷の姿勢制御装置。
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