以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明および図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
図1は半導体装置の一例として、積層型の撮像装置1000を示している。図1(a)は撮像装置1000の分解斜視図、図1(b)は撮像装置1000のX,Y−Z断面図、図1(c)は撮像装置1000のX−Y平面図である。
図1(a)に示すように、撮像装置1000は第1チップ1と第2チップ2がZ方向に積層されて構成されている。X方向とY方向をまとめて面内方向と称し、Z方向を積層方向と称する。面内方向は積層方向に交差(典型的には直交)する。第1チップ1は光電変換部を含む画素回路が配された第1回路領域17と第1回路領域17の信号を読み出すための種々の駆動回路やアナログ信号処理回路が配された第2回路領域18を有している。第2チップ2は制御回路やデジタル信号処理回路が配された第3回路領域25を有している。第3回路領域25は、垂直駆動回路、水平駆動回路、カラム信号処理回路、出力回路などを含む。なおここで示す各回路の機能は、上記に限定されるものではない。第1チップ1と第2チップ2の双方に光電変換部を設けて、一方のチップが他方のチップを透過した光を受光するように構成してもよい。
撮像装置1000は積層された第1チップ1と第2チップ2とを収容する不図示のパッケージを含みうる。撮像装置1000を備えるカメラなどの撮像システムが構築できる。撮像システムは、制御装置、処理装置、表示装置、記憶装置の少なくともいずれかを備える。制御装置は撮像装置1000を制御し、処理装置は撮像装置1000から得られた信号を処理し、表示装置は撮像装置1000から得られた画像を表示し、記憶装置は撮像装置1000から得られた信号を記憶する。
図1(b)に示すように、第1チップ1は基板10と、基板10上の絶縁膜11および配線12を含む。第2チップ2は基板20と基板20上の絶縁膜21および配線22を含む。基板10と基板20とが積層方向において重なり合う。基板10および基板20の少なくとも一方は、トランジスタやダイオードなどの半導体素子が設けられた半導体層を含む。本例では基板10、20は単結晶シリコン基板であるが、多結晶半導体、非晶質半導体あるいは単結晶半導体からなる半導体層が絶縁性基体の上に形成された基板であってよい。絶縁膜11、21は複数の絶縁層で構成された多層膜でありうる。配線12、22は複数の配線層で構成された多層配線でありうる。絶縁膜11、21は配線層間に配された層間絶縁層や、配線12、22を覆う無機材料層を含みうる。配線12とその周囲の絶縁膜11とで配線構造(多層配線構造)を構成する。配線22とその周囲の絶縁膜21とで配線構造(多層配線構造)を構成する。積層方向において絶縁膜21は絶縁膜11に対向する。絶縁膜11、21は基板10と基板20の間に配されており、絶縁膜21が絶縁膜11と基板20との間に配されている。第1基板10と第2基板20とは互いに厚さが異なっていてもよい。例えば、本例では第1基板10は第2基板20よりも薄い。
絶縁膜11と絶縁膜21との間には接着部材31が配されている。接着部材31は有機材料からなる。有機材料からなる接着部材31の全てが有機材料で構成されていてもよいが、有機材料に分散した粒子などの無機材料を含んでいてもよい。本例の接着部材31は、第1チップ1と第2チップ2とを接着する機能を有する。そのような有機材料は高分子有機材料であり、典型的には樹脂である。樹脂の一例としてはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、イミド系樹脂、アミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂などが挙げられる。
本例の接着部材31は絶縁体であるが、接着部材31は導電体であってもよい。
第1チップ1の電極13と第2チップ2の電極23とが導電部材41、14、15を介して電気的に接続されている。導電部材41、15,15により、第1チップ1の回路と第2チップ2の回路とが電気的に接続される。また、第1チップ1の電極5と第2チップ2の電極24とが導電部材42を介して電気的に接続されている。これにより、第2チップ2の回路と外部との信号の入出力や電源の供給を、電極5を介して行うことができる。電極5はワイヤボンディング法やフリップチップ法によって外部と接続される。導電部材14、41、42は基板10を貫通している。さらに導電部材41、42は絶縁膜11を貫通している。なお、導電部材41、42と基板10、絶縁膜11、21との間には不図示の絶縁層が設けられうる。本例の導電部材41、14、15は金属からなるが、金属化合物やポリシリコンであってもよい。なお、「金属」の概念には単体の金属のみならず金属の混合物すなわち合金が包含される。
図1(c)には、図1(b)におけるP−Q平面を含む平面図を示している。図1(c)に示すように、面内方向(X,Y方向)では接着部材31と同一平面(P−Q平面)内の別の位置に導電材料からなる導電部材41が位置する。導電部材41と接着部材31は面内方向に平行な同一平面内に位置する。導電部材41の周囲には無機部材51、52が配されている。導電部材41と接着部材31が配された上記同一平面(P−Q平面)内において、無機部材51は接着部材31と導電部材41との間に位置し、無機部材52は接着部材31と導電部材42との間に位置している。無機部材51、52は無機材料からなる。本例の無機部材51、52は絶縁体であるが、無機部材51、52は導電体であってもよいし、半導体であってもよい。無機部材51は、無機部材51が囲む導電部材41に接続された電極15、23に重なって配されている。無機部材52は、無機部材52が囲む導電部材42に接続された電極5、24に重なって配されている。
図2は無機部材51、52の近傍の拡大図である。図2では、図1における接着部材31を有機部材30として説明する。また、図1における導電部材41、42をまとめて導電部材40として説明し、図1における無機部材51、52をまとめて無機部分50として説明する。無機部分50は半導体装置において、無機材料からなる一部分である。
絶縁膜11は離間部分61を有し、絶縁膜21は離間部分71を有する。離間部分61と離間部分71とが互いに離間して対向しており、少なくとも離間部分61と離間部分71との間に有機部材30が設けられている。有機部材30の内、離間部分61と離間部分71との間に位置する部分が中間部分81である。離間部分61と離間部分71との間の有機部材30(中間部分81)の厚さをTa(Ta>0)とする。
無機部分50は積層方向において絶縁膜11および絶縁膜21の少なくともいずれかに対向している。絶縁膜11のうち、積層方向において無機部分50が対向する部分を対向部分62とする。絶縁膜21のうち、積層方向において無機部分50が対向する部分を対向部分72とする。すなわち、撮像装置1000は絶縁膜11の対向部分62および絶縁膜21の対向部分72の少なくとも一方を有する。
無機部分50は絶縁膜11および絶縁膜21の一方の一部であってもよく、その場合には無機部分50は絶縁膜11および絶縁膜21の他方に対向する。
対向部分62は絶縁膜11の中で面内方向において離間部分61とは異なる位置に存在する。対向部分72は絶縁膜21の中で面内方向において離間部分71とは異なる位置に存在する。
無機部分50は導電体、半導体、絶縁体のいずれでもよいが、導電部材40との導通を避けるために絶縁体であることが好ましい。絶縁体としては金属元素の化合物や非金属元素の化合物が好適である。無機部分50の材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコンなどのシリコン化合物が特に好ましい。なお、シリコン化合物のうち、シリコン以外に複数の元素を含むものについては、シリコン以外の元素(酸素、窒素、炭素)のうち組成比で最も高い元素を代表して表記する。つまり、例えば炭窒化シリコンについては、炭素が窒素よりも多いものは窒素を含む炭化シリコンとみなし、窒素が炭素よりも多いものは炭素を含む窒化シリコンとみなす。
導電部材40は面内方向において有機部材30とは異なる位置に存在する中間部分93を有する。導電部材40の中間部分93を構成する導電材料は、金属または金属化合物でありうる。金属材料としては、例えば金、銀、銅、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウムなどである。導電部材40は半田であってもよい。本例の導電部材40は積層方向において中間部分93から延在し、面内方向において絶縁膜11の対向部分62で囲まれた上側部分91と、面内方向において絶縁膜21の対向部分62で囲まれた下側部分92と有する。導電部材40は上側部分91および下側部分92の少なくとも一方を有しなくてもよい。中間部分93を延在させた上側部分91および下側部分92を、中間部分93を有する導電部材40とは異なる導電材料からなる別の導電部材で置き換えることもできる。導電部材40の周囲には絶縁層44が配されている。絶縁層44は、中間部分93と無機部分50との間に位置している。絶縁層44はさらに、上側部分91と対向部分62との間および下側部分92と対向部分72との間にも延在している。面内方向における絶縁層44の厚さをTdとする。絶縁層44は無くてもよい。
導電部材40の中間部分93は面内方向において有機部材30(中間部分81)と導電部材40(中間部分93)との間に位置する。さらに、無機部分50と対向部分62との間の距離をDa(Da≧0)とする。距離Daは厚さTaよりも小さい(Da<Ta)。このようにすることにより、無機部分50と対向部分62との間に存在する有機部材30の厚さを小さくできる、あるいは、無機部分50と対向部分62との間に有機部材30が存在しないようにできる。
無機部分50と対向部分72との間の距離をDb(Db≧0)とする。距離Dbは厚さTaよりも小さい(Db<Ta)。このようにすることにより、無機部分50と対向部分72との間に存在する有機部材30の厚さを小さくできる、あるいは、無機部分50と対向部分72との間に有機部材30が存在しないようにできる。このような機能を有する無機部分50とは、絶縁膜11(あるいは絶縁膜21)に対向する、無機材料で構成された部分であって、対向する絶縁膜11(あるいは)までの距離が厚さTa未満である部分である。
有機部材30に含まれる成分や装置の外部から有機部材30を介して導電部材40(中間部分93)へ向かって拡散する成分が存在する。これらの成分としては水分や活性ガスがある。無機材料は有機材料よりも水分や活性ガス等に対する障壁として有効な材料である。従って、無機材料と有機材料を上述のように配置にすることで、無機部分50は面内方向において並ぶ有機部材30から導電部材40(中間部分93)へ向かって拡散する成分に対する障壁として良好に機能し得る。無機部分50を配置することにより、有機部材30のうち、中間部分81よりも中間部分93の近くに位置する近接部分82の体積を減少させ、近接部分82を介して導電部材40に作用する成分を低減することができる。
以下、無機部分50を有機部材30中の成分に対する障壁として機能させる上でより好ましい形態を説明する。
無機部分50の面内方向における長さ(幅)をW(W>0)とする。ここで無機部分50の幅Wとは、絶縁膜11(あるいは絶縁膜21)に対向する、無機材料で構成された部分であって、対向する絶縁膜11(あるいは)までの距離が厚さTa未満である部分である。幅Wは極力大きいことが好ましい。このような関係とすることは有機部材30の中間部分81と導電部材40の中間部分93との距離を大きくする上で有利である。導電部材40(中間部分93)と無機部分50との距離をDc(Dc≧0)とする。幅Wが距離Dcよりも大きいこと(W>Dc)が好ましい。また、無機部分50と絶縁層44との距離をDd(Dd≧0)とする。距離Dc、Ddは極力小さい方が良い。厚さTdは距離Dcと距離Ddの差におおむね対応するが、距離Ddが厚さTdよりも小さいこと(Dd<Td)が好ましい。距離Ddが0であること(Dd=0)、つまり無機部分50が絶縁層44に接していることが好ましい。絶縁層44が存在しない距離Dcが0であること(Dc=0)、つまり無機部分50が導電部材40に接していることも好ましい。
無機部分50の積層方向における長さ(厚さ)をTbとして、幅Wは厚さTbよりも大きいこと(W>Tb)が好ましい。ここで厚さTbは厚さTaから距離Daと距離Dbとを減算したもの(Tb=Ta−Da−Db)とみなすことができる。そのため、W>Ta−Da−Dbとすることが好ましい。さらに、幅Wは厚さTaよりも大きいこと(W>Ta)が好ましい。距離Daと距離Dbの和が厚さTaよりも小さいこと(Da+Db≦Ta)が好ましい。厚さTbが厚さTaの半分以上であること(Tb≧Ta/2)が好ましい。距離Daおよび距離Dbの少なくとも一方、より好ましくは両方が、0であることが好ましい。つまり、無機部分50が対向部分62、72に接していることが好ましい。このようにすることで、中間部分81と中間部分93との無機部分50による分離をより強化できる。
無機部分50は導電部材40を囲むことが好ましい。さらに、無機部分50は、無機部分50に囲まれた導電部材40に接続された電極や配線に積層方向において重なることが好ましい。さらに、無機部分50の面積は、無機部分50に囲まれた導電部材40に接続された電極や配線の面積よりも大きいことが好ましい。
図3は無機部分50の配置の例を示している。
図3(a)の例では無機部分50を有する無機部材53が複数の導電部材41、42に対して一体的に設けられている。無機部材53は面内方向において接着部材31を囲んでいる。無機部分50は絶縁膜11、21の双方に接している。
図3(b)の例では無機部分50が絶縁膜21の一部である。すなわち、絶縁膜21の内、離間部分71を有する絶縁層の一部が絶縁膜11に接している。これとは逆に、無機部分50を絶縁膜11の一部として、絶縁膜11の内、離間部分61を有する絶縁層の一部が絶縁膜21に接する構成としてもよい。
図3(c)の例では、配線12と絶縁膜6が基板10に対して接着部材31とは反対側に位置している。有機部材30は絶縁膜21と絶縁膜11の間に配されている。無機部分50は絶縁膜11の上に形成されている。
図3(d)の例では、導電部材43、44が絶縁膜11、21で囲まれるようには延在していない。導電部材43、44は半田からなり、電極13と電極23、あるいは、電極4と電極24とを接続している。電極4には導電部材43を介して電極5が接続されている。有機材料からなる封止部材32が有機部材30に相当する。封止部材32は、半田付け後に絶縁膜11と絶縁膜21の間に充填された封止用のアンダーフィル樹脂である。無機部材54は半田付け前に、導電部材43、44となる半田バンプの周囲にパターニングされている。
図1および図3(a)〜(d)の例ではいずれも、絶縁膜11、21および有機部材30が基板10と基板20の間に配されている。本実施形態は、基板10と基板20を接合する場合に好適である。有機部材30は、典型的には、接着部材として用いられるが、有機部材30の用途は、封止部材、応力緩和用の緩衝部材、断熱部材、補強部材など、様々である。
また、図示はしないが、本実施形態が適用可能な半導体装置は、撮像装置のみならず、表示装置や発光装置などにも適用可能である。また、SiP(System in Package)型の半導体装置にも適用可能である。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置は、基板10と、Z方向において基板10に重なる基板20と、を備える。また、Z方向において基板10と基板20の間に配された絶縁膜21と、Z方向において絶縁膜10と基板20の間に配された絶縁膜21とを備える。絶縁膜11はZ方向に交差するX,Y方向に沿って離間部分61と対向部分62とを有する。絶縁膜21はZ方向において離間部分61に対向する離間部分71を有する。X,Y方向に沿った平面内に、離間部分61と離間部分71の間に配された有機材料からなる有機部材30と、導電材料からなる導電部材40と、有機部材30と導電部材40との間に位置し無機材料からなる無機部分50と、が配置されている。さらに、Z方向において無機部分50が対向部分62に対向している。そして、Z方向における対向部分62と無機部分50と間の距離Daが、Z方向において離間部分61と離間部分71との間に位置する有機部材30の厚さTaよりも小さい。このような構成を採用することにより、半導体装置の信頼性を向上することができる。
図4〜6を用いて、実施例1を説明する。図4(a)は実施例1における半導体装置の平面図、図4(b)は断面図である。
図4(a)は、図1に示した撮像装置1000の光入射面から見た平面図であり、第1チップ301と第2チップ302とを接合する接着部材403が配置される領域の一例を示している。接着部材403が上述した有機部材30に相当する。接着部材403を囲む領域には、無機材料からなる防湿部分402が配されている。防湿部分402が上述した無機部分50に相当する。チップの周辺領域に設けた導電部材310は防湿部分402を貫通するように配置される。導電部材310が上述した導電部材40に相当する。これにより接着部材403が含む水分が導電部材310を介してそれぞれチップの回路側へ侵入することを抑制する。
ここで説明する防湿部分402は、接着部材403をチップの外周部まで延在させない役割を担う構造である。望ましくは、防湿部分402が配された領域には接着部材403を配さない。これにより防湿部分402の領域への水分の侵入径路を遮断することが可能となる。遮断が完全でない場合でも、環境雰囲気に露出する接着部材403の断面積を防湿部分402により狭くすることができる。そのため、外部から接着部材403を通じて水分が侵入する速度を遅延させることができるため、実効的に水分の侵入を抑制することが可能である。
次に本実施例に係る撮像装置1000の構造について説明する。
図4(b)は本実施例に係る裏面照射型の撮像装置1000の概略構成断面図である。
第1チップ301は半導体基板102上に光電変換部を含む画素領域と制御回路領域が設けられる。各画素領域には、光電変換部となるフォトダイオードのN型半導体領域107、画素トランジスタTr1,Tr2が形成され、制御回路領域にはMOSトランジスタTr3、Tr4が形成される。各単位画素は素子分離領域104で分離される。
半導体基板102の表面上には、配線構造150が形成される。本実施例では3層の銅配線からなる多層の配線構造150を設けている。配線構造150は層間絶縁層、銅配線、拡散防止層を交互に積層された多層配線構造である。
なお配線構造150を構成する層間絶縁層としては、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層などの材料をそれぞれの目的に応じて用いることができる。拡散防止層としては、例えば窒化シリコン層、炭化シリコン層などで形成することができる。また多層配線材料としては上述した銅以外にも、例えばアルミニウム、あるいはそれを含む合金材料などを適宜用いることができる。また接続孔を介して各配線を接続する材料としては、例えば銅、タングステンなどを用いることができる。
配線構造150の配線は絶縁膜217のうちでパッシベーション層として機能する無機材料層120で被覆される。無機材料層120としては透湿性が低い材料から選択されるのが望ましく、窒化シリコン層を好適に用いることができる。
一方、第2チップ302は半導体基板202上に信号処理するための信号処理回路を含むロジック回路が設けられる。半導体基板202の表面側に素子分離領域204で分離されるようにロジック回路を構成する複数のMOSトランジスタTr5,Tr6,Tr7を設ける。これらロジック回路はCMOSトランジスタで構成することができる。
半導体基板202上に配線構造250が形成される。本実施例では3層の銅配線からなる多層の配線構造150から構成されており、それらの最上層配線としてアルミニウム配線を設けている。
上述した構成を備えた第1チップ301と第2チップ302の配線構造150と配線構造250が対向するようにして接合部450で貼り合わされる。貼り合わせは有機材料を含む接着部材403にて行われる。
本実施例では接合部450において接着部材403の端部は防湿部分402に囲まれている。防湿部分402は第1チップ301の無機材料層120の一部で構成される。無機材料層120にはチップ外周の領域に段差が設けられており、この段差部が第1チップ301と第2チップ302との間に形成する接着部材403の濡れ広がる領域を規定している。
なお第1チップ301と第2チップ302の貼り合せ界面において、接着部材403のない領域は別の方法で接合して貼り合せるようにしても良い。別の方法としては、たとえばプラズマ接合を用いることができる。
第1チップ301と第2チップ302の貼り合せ面に設けられた防湿部分402を貫通し、第2チップ302の最上層の配線層216に達する導電部材310が設けられている。このように導電部材310が貼り合せ層において防湿部分402を貫通しているため、接着部材403が含む水分が導電部材310を介して回路へ侵入することが抑制されている。なお、本実施例では導電部材310は第1チップ301の配線層110とも電気的に接続される。これら導電部材310の一部は電極パッドとも電気的に接続されている。電極パッドは外部回路との信号のやり取りを行う入力パッド、出力パッドを含み得る。
なお、導電部材310は第1チップ301の半導体基板102は裏面側から薄化処理を行った後に形成される。これにより導電部材310のアスペクト比を比較的小さくすることができる。
薄化された第1チップ301の裏面側(フォトダイオードの裏面側)に暗電流抑制のためのP型半導体層(不図示)が設けられる。さらに保護用の絶縁層302を介して、遮光すべき領域に対応するように遮光部材303が配される。遮光部材303は接地電位とされる半導体ウェルに電気的に接続させられており、遮光部材303がフローティングになることはない。遮光部材303上には絶縁保護層が積層されている。
なお導電部材310が貫通する半導体基板102内においては、絶縁分離部103が設けられている。絶縁分離部により導電部材310と第1の半導体基板102(半導体基板)とを絶縁分離をすることができる。また絶縁分離部103は導電部材310を設ける開口を形成する際のエッチングガイドリングとして用いることができる。このような絶縁分離部103は例えば酸化シリコン層を用いることができる。あるいは絶縁分離部103に中空部を含むようにして絶縁構造を設けても良い。
導電部材310の上部には、絶縁保護層312の開口を介して電気的に接続されたアルミニウム層による電極311が設けられる。
絶縁保護層312上には平坦化層304が設けられる。平坦化層304上に各画素に対応して例えば赤、緑、青のカラーフィルタアレイ305が配置され、カラーフィルタアレイ上にはマイクロレンズアレイ306が配置される。
以下、本実施例で示す撮像装置1000の製造方法について説明する。上述したチップはウエハをダイシンングして得られるものであり、以下ではウエハの状態での製造方法を説明する。
まず図5(a)に示すように、第1ウエハ501を構成する半導体基板102の表面側に各チップ部となる領域に、画素領域と制御回路領域を形成する。
各画素の光電変換部となるフォトダイオードを形成し、その半導体ウェル領域に各画素トランジスタTr1,Tr2のゲート電極105及び、ゲート電極105と対のソース、ドレイン106を形成する。
半導体ウェル領域は、第1の導電型、例えばP型の不純物を導入して形成し、ソース、ドレイン106領域は第2の導電型、例えばn型の不純物を導入して形成する。フォトダイオードはn型半導体領域107と基板表面側のP型半導体領域108を有している。
また制御回路領域には複数のn型のMOS型トランジスタTr3,Tr4を形成する。
なお、各画素単位が素子分離領域104で分離される。素子分離領域104は半導体基板を酸化処理して酸化シリコン層を形成するLOCOS、基板内に溝を形成し、その溝に酸化シリコン層を埋め込むSTI、またノードと異なる導電型の不純物拡散層などで形成される。
また半導体基板102の基板深さ方向に、上記の素子分離領域104よりも深い位置まで絶縁分離部103を形成する。絶縁分離部103はゲート電極105を形成した基板表面に保護絶縁層(不図示)を形成した後に、基板表面側からエッチングすることで溝部を形成し、溝内に絶縁材料を埋め込むことで形成される。この絶縁分離部103は、後の工程で形成される導電部材310を囲む領域に形成される。なお絶縁分離部103の溝内の一部に中空部が存在しても構わない。また埋め込み材料の堆積速度、埋め込み形状などを考慮して溝の深さや幅、埋め込む材料の種類を任意に決めることが可能である。
次に半導体基板102の表面上に層間絶縁層を形成し、その後、層間絶縁層に接続孔を形成し、所望のトランジスタに接続するプラグ109を形成する。
さらにプラグ109に接続するように、絶縁膜117を成す層間絶縁層を介して複数の配線層110、112、114、プラグ111,113を形成して配線構造150を形成する。配線層110、112、114およびプラグ111,113は銅配線プロセスでダマシン法により形成する。
次に配線構造150の配線層上に無機材料層120を形成する。無機材料層120は配線構造150に用いられる層間絶縁層を主に構成する材料よりも透湿性の低い材料から選択することが好ましく、例えばSiN、SIONなどをプラズマCVD法により形成することができる。
なお、必要に応じて、無機材料層120を平坦化処理しても良い。これにより、後工程で第2ウエハ502と貼り合せる界面を平坦にすることができるため、接合の強度を高めるのに有利になる。なお平坦化処理後の表面の起伏は後工程で形成する接着部材403の濡れ広がりを阻害しない程度であれば良い。平坦化処理としてはCMP法を用いることができる。
次に図5(b)に示すように、第2ウエハ502を形成する。第2ウエハ502を構成する半導体基板202の表面側に各チップ部となる領域に、信号処理回路を含むロジック回路を形成する。具体的には、半導体基板202の表面側のP型の半導体ウェル領域に、素子分離領域204で分離されるようにロジック回路を構成する複数のMOSトランジスタTr5、Tr6、Tr7を形成する。なおロジック回路はCMOSトランジスタで構成することができる。
さらに半導体基板202の表面上には層間絶縁層を形成し、その後、層間絶縁層に接続孔を形成し、所望のトランジスタに接続するプラグ209を形成する。さらにプラグ209に接続するように、絶縁膜217を構成する層間絶縁層を介して複数の配線層210、212、214、216およびプラグ211,213,215を形成して配線構造150を形成する。配線層210、212、214は銅配線プロセスでダマシン法により形成する。
ただし配線層216はアルミニウム配線により形成され、プラグ215はタングステンプラグにより形成される。この配線層216は、銅配線である配線層214上の層間絶縁層を形成した後、配線層214上の所望の位置に銅配線が露出する開口を形成し、バリアメタル層/アルミニウム層/バリアメタル層を順次形成し、所望の形状にパターニングすることができる。アルミニウムを主成分とする配線層216上には、アルミニウム配線を被覆するようにして絶縁層が形成され、例えばSiO、SiN、SiONなどをプラズマCVD法に形成することができる。
なお、必要に応じて、アルミニウム配線を被覆するようにして絶縁層表面を平坦化処理しても良い。これにより、後工程で第1ウエハ501と貼り合せる界面を平坦にすることができるため、接合の強度を高めるのに有利になる。なお平坦化処理後の表面の起伏は後工程で形成する接着部材403の濡れ広がりを阻害しない程度であれば良い。平坦化処理としてはCMP法を用いることができる。
次に図5(c)に示すように、第1ウエハ501上に形成さている無機材料層120に後工程で接着部材403を塗布する領域に対応する段差121をドライエッチング法により形成する。具体的には、接着部材403が塗布される領域に凹み形状を形成する。また後の工程で形成される導電部材310が貫通する領域で無機材料層120の厚さが最大となるように形成されている。なおこの厚さが最大となる部分が、後工程で説明する防湿部分402に相当する。
また段差121の深さは、後の工程で塗布する接着部材403の厚さを考慮して任意に設定することができる。ただし、接着部材403が十分に第1ウエハ501の接着面と第2ウエハ502の接着面に濡れ広がるように、接着部材403の厚さ以下とすることが望ましい。段差121の深さが上述した厚さTaに相当することになる。
次に図5(d)に示すように、第1ウエハ501上の段差領域に接着部材403を塗布する。塗布する接着部材403は後工程で第1ウエハ501と第2ウエハ502の間で濡れ広がったときに十分な接着力があれば良い。このため接着部材403の塗布量は段差領域に充填される量よりも少なくても良い。また塗布時の接着部材403高さは、後工程での第2ウエハ502との貼り合せを考慮し、無機材料層120の一部で形成される防湿部分402の高さ以上とするのが好ましい。
次に図5(e)に示すように、第1ウエハ501と第2ウエハ502とを、互いの配線構造150、250が向かい合うように対向させた後に、貼り合せ位置のアライメントを実行し、押圧して貼り合せる。貼り合せたときにできる接着領域の第1ウエハ501と第2ウエハ502とのギャップは、第1ウエハ501の無機材料層120に形成された防湿部分402の高さにより決まる。そして、接着領域における接着部材403の厚さTaも防湿部分402の高さにより決まる。これにより接着部材403の端面は無機材料層120の一部で形成された防湿部分402により囲まれる。防湿部分402は対向する絶縁膜217に接し得る。その結果、防湿部分402と絶縁膜217の距離はゼロとなる。防湿部分402と絶縁膜217が離れていても、その距離が段差121の深さよりも小さければよい。
なお接着する工程は、接着部材403の水分を増やさないために窒素雰囲気で実施するのが望ましい。また接着界面に気泡を残さないために減圧雰囲気で実施するのが好ましい。また接着部材403は熱硬化型、あるいは光硬化型を適宜使い分けることができる。なお熱硬化型の場合には、それぞれの基板の反り影響を抑制するために配線材料の成膜温度よりも低いことが望ましく、例えば200℃以下とする。また接着部材403は絶縁性であることが望ましい。
なお接着部材403との濡れ性、あるいは密着性を良くするために、あらかじめ接着部材403が接する面に表面改質処理を施しておくことが望ましい。表面改質処理としては、公知の方法を適用することができ、例えばプラズマ処理、UV光照射などが適用できる。また貼り合せ前に接着部材403を脱気するために、貼り合せ後の加熱温度よりも低温で加熱を施しておくことが望ましい。
次に図6(f)に示すように、第1ウエハ501の裏面側から研削、研磨して第1ウエハ501の半導体基板102を薄化する。また同時に絶縁分離部103の端部も臨むような関係になるのが望ましい。
薄化した後に、フォトダイオードの裏面に暗電流抑制のためのP型半導体層(不図示)を形成する。薄化前の半導体基板102は例えば600μm程度であるが、薄化後は例えば1〜10μm程度とする。次に第1ウエハ501の裏面上に酸化シリコン層などの絶縁層302を形成する。
次に図6(g)に示すように、薄化した第1ウエハ501の裏面側から、各チップ部となる領域の所望の場所に接続孔320を形成する。接続孔320は、第1ウエハ501、及び第1ウエハ501上の防湿部分402を貫通し、第2ウエハ502の最上層の配線層216に達する。
なお接続孔320の開口径は例えば1〜5μmのサイズで形成され、開口深さは例えば5〜15μmで形成される。
次に図6(h)に示すように、接続孔320に導電部材310を埋め込む。導電部材310としては、例えば銅やタングステンなどの金属を用いることができる。その後、第1ウエハ501の裏面上に絶縁保護層が形成される。絶縁保護層としては、例えばSiC、SiCN、SiNなどを用いることができる。
次に、遮光するべき領域上に遮光部材303が形成される。次に遮光部材303を覆うようにパッシベーション層を形成する。パッシベーション層としては、例えば窒化シリコン層などを用いることができる。次にパッシベーション層、絶縁保護層の接続孔に対応する位置に開口が形成される。この接続孔を形成した後、バリアメタル層/アルミニウム層による電極311(電極パッドの役割を担う)が形成される。この電極311は、導電部材310を経由して第2ウエハ502の配線層216と接続される。さらに本実施例では、電極311は、導電部材310を経由して第1ウエハ501の配線層110とも接続される。
次に平坦化層304を形成する。平坦化層304上には各画素に対応して例えば、赤、緑、青のカラーフィルタアレイを形成し、さらにその上にオンチップマイクロレンズを形成する。なお、平坦化層、カラーフィルタアレイ、マイクロレンズアレイの形成後において電極311は露出されるように形成される。
そして貼り合された第1ウエハ501と第2ウエハ502とをダイシングして複数のチップに分割する。
以上のようにして、図4(b)に示した撮像装置1000を得ることができる。
上記の本実施例に係る撮像装置によれば、基板を貼り合せる際に用いられる有機材料からなる接着部材403の周囲に無機材料からなる防湿部分402を配置している。このようにすることで、水分が透湿性を有する接着部材403を介して回路領域や光電変換部へ侵入することを抑制できる。特に、基板を貫通して形成される導電部材310の周囲に防湿部分402を存在させることにより、貫通部からの水分侵入を効果的に抑制することができる。
図7を用いて、実施例2を説明する。図7(a)は実施例2における半導体装置の平面図、図7(b)は断面図である。
なお、本実施例の形態に係る撮像装置1000は、実施例1に記載した第2チップ302の構成、及び第1チップ301と第2チップ302を接着部材403により接合する製造工程が異なる。このため本実施例においては、実施例1と重複する部分については説明を省略する。
図7(a)には、第1チップ301と第2チップ302とを接合する接合部450において接着部材403が配置される領域の一例を示している。接着部材403は防湿部分402を除く領域に配置されており、チップの周辺領域に設けた導電部材310は防湿部分402を貫通するように配置される。これにより接着部材403が含む水分が導電部材310を介してそれぞれチップの回路側へ侵入することを抑制する。
接着部材403と導電部材310の間に介在する防湿部分402は第2チップ302上に設けられた絶縁膜217のうちでパッシベーション層として機能する無機材料層220の一部に相当する。第2チップ302において導電部材310と電気的に接続される最上層の配線層216を覆う領域が無機材料層220面内において最も起伏の高い部分となるよう形成されている。無機材料層220は、例えばSiN、SiON、SiOなどをプラズマCVD法で形成することができる。
なお、望ましくは、第2チップ302と対向する第1チップ301のパッシベーション層120と同じ種類の材料とする。たとえば各々のパッシベーション層120と無機材料層220をSiNにすることで、より防湿性を高めることが可能となる。
また第1チップ301と第2チップ302の接着部材403を介さずに接合する領域においては、同種の材料を選択することでプラズマ接合による接合強度を強くし易くなる。
以下、本実施例で示す撮像装置1000の製造方法について図8を用いて説明する。
第1ウエハ501の製造方法は、実施例1と同様にして形成される。また第2ウエハ502においても、最上層の配線層216を形成する工程までは実施例1に記載の製造方法で形成される。以下には、配線層216形成後からの製造方法について示す。
図8(a)に示すように、第2ウエハ502上に無機材料層220が形成される。無機材料層220の面内はその下地となる配線層の起伏にならうように形成され、最上層の配線層216上で最も起伏が高くなる。
なお無機材料層220の最も起伏が高い領域に一定の平坦な領域を確保できるように、最上層の配線層216のパターニングされている。また最上層の配線層216の厚さは、後の工程の接着層の厚さを考慮して適宜決めることができる。
図8(b)に示すように、第1ウエハ501と第2ウエハ502の貼り合わせを行う。まず第1ウエハ501及び第2ウエハ502のパッシベーション層120,無機材料層220の表面を活性化するための処理を実施する。次に減圧雰囲気下で第1ウエハ501と第2ウエハ502とを、互いの配線構造150、250が向かい合うように対向させた後に、貼り合せ位置のアライメントを実行する。そして、パッシベーション層120と無機材料層220どうしが接合するように押圧して貼り合せる。押圧する工程、あるいはその後に加熱することで接合強度を高めるようにする。このときの加熱温度はCu配線が損なわれない300℃以下が好ましく、さらには各基板の熱膨張差、あるいは反りの差による歪影響を抑制するために200℃以下とすることが望ましい。これにより、第2ウエハ502の接合面において最も起伏が高い最上層の配線層216上の無機材料層220が対向する第1チップ301のパッシベーション層120と接合される。
なお、第1ウエハ501及び第2ウエハ502の貼り合せ界面において接合されていない空間221は、チップ間を連通してウエハ積層体(不図示)の外周端にまで延在するように形成されている。つまり空間221はウエハ積層体の外空間と通じるように形成されている。この外空間と通じる開口は後工程の接着部材403を注入するための注入口(不図示)として形成されており、少なくともウエハ積層体外周に1つ以上あれば良い。
その後、第1ウエハ501の裏面側から研削、研磨して第1チップ301の半導体基板102を薄化する。そして、第1ウエハ501を貫通して接続孔320を形成する。さらに実施例1と同様の製造方法にて、チップ間の電気的な接続を得るための導電部材310を形成する。
次に図8(c)に示すように、空間221に接着部材403を充填する。充填する方法としては、空間221を真空引きして減圧空間とし、注入口に接着部材403を接触させた後に、接着部材403を注入する雰囲気を大気圧とすることで、圧力差を利用して接着部材403が空間221に注入される。
ここでは導電部材310の形成後に接着部材403を充填する例を示したが、接着部材403を充填した後に、接続孔320および接続部材310を形成してもよい。
次に、実施例1と同様の製造方法にて、遮光部材、電極パッド、平坦化層、カラーフィルタアレイ、マイクロレンズアレイが順次形成される。
上記の本実施例に係る撮像装置によれば、基板を貫通して形成される導電部材310の貫通孔の周囲に防湿部分402を存在させることにより、貫通部からの水分侵入を効果的に抑制することができる。さらに接着面積が実施例1よりも広く取ることができるので、回路への水分侵入を抑制した上で、接着部材403による接合強度を高めることができる。また防湿部分402においてはパッシベーション層120と無機材料層220どうしをプラズマ接合により接合しているため、防湿部分402での接合強度を高めることができる。また本実施例によれば、貼り合せ界面の各チップの空間を連通させることにより、差圧を利用した注入法により接着部材403を充填することが可能である。
図9を用いて、実施例3を説明する。図9(a)は実施例3における半導体装置の平面図、図9(b)は断面図である。
本実施例の形態に係る撮像装置1000は、導電部材310と同様に孔に導電材料が埋められた導電部材であるシール部材330を有する。シール部材330はチップ内部を囲むようにチップ外周部に配置されている。シール部材330は、第1チップ301から第2チップ302の最上層の配線層216までの深さ方向に延びている。このようにシール部材330は、第2チップ302のシール部707と連結していることが好ましい。
第2チップ302上に形成されるシール部707は、例えば配線およびプラグを連結して構成される。本実施例においては、第1の実施例と重複する部分については説明を省略する。第1チップ301に設けるシール部材330は第2チップ302のシール部707に沿って配置される。
図9(a)に本実施例に係る撮像装置の光入射面から見た平面図を示した。図9(a)において導電部材310が配置される領域を囲むように導電部材310と同様の構造体であるシール部材330が設けられている。また、接合部450においては配線構造150の上に接着部材403が配されており、さらに無機材料からなる防湿部分402が接着部材403を囲むようにパターニングされている。シール部材330も防湿部分402を貫通するように形成される。なおシール部材は接地電位となるように電気的に接続されるのが好ましい。
上記の本実施例に係る撮像装置によれば、シール部材としての導電部材においても、貼り合せ界面では防湿部分402を貫通させることで、貫通部からの水分侵入を効果的に抑制することができる。
図10を用いて、次に上述の構造を有する複数の撮像装置からなるチップを配列したウエハの状態における構成を実施例4として説明する。
図10(a)はダイシング前の第1ウエハ及び第2ウエハからなるウエハ積層体600の概略構成図であり、図10(b)は図10(a)のウエハ積層体600の中央部において一点鎖線の円で囲んだ領域のチップ部の拡大図である。また図10(c)は図10(a)のウエハ積層体600の外周部(エッジ部近傍)において二点鎖線の円で囲んだ領域のチップ部の拡大図である。
図10(b)に示すように、第1ウエハに形成された複数のチップ部は、実線で示すスクライブライン601によって分断される。破線で囲まれた領域がチップの実効的なデバイス領域602に相当し、実線の四角で囲まれた範囲が接着部材403の存在する領域を示している。
図10(b)では接着部材403は、接着部材403を囲む領域に配置される防湿部分402で規定しているため、スクライブライン601にまで延在することがない。なお第1チップ301と第2チップ302とが対向する面における防湿部分402の面積を広くとるために、スクライブライン601を跨ぐように配置しても良い。この場合には、スクライブライン601の接着部材403が存在しない。
あるいは防湿部分402はスクライブライン601と接着部材403の間の領域に設け、例えば隣接するチップのデバイス領域602の間に接着部材403を配置して、第1チップ301と第2チップ302との接着性をより強くするようにしても良い。
なお本発明に係る防湿部分402、及び接着部材403のレイアウトは本実施例に制限されることはなく、防湿部分402は外部から回路領域へ水分の侵入リスクが高い部分に配置されていれば良い。このため、少なくとも導電部材310が存在する部分に対応する接合部に上記目的を達成できる防湿部分402が設けられていれば良い。
また防湿部分402の役割としては、接着層に水分が侵入することを防ぐことが望ましく、たとえば図10(b)のように接着層の周囲を防湿部分402で囲むことが好ましい。
また別の形態として、図10(c)に示すようにウエハ積層体600の外周部にも防湿部分402を設ける構成をとっても良い。これによりウエハ積層体が製造工程の種々の処理過程において接着部材403が水分に曝されることを抑制し、製造過程での接着部材403からの水分の侵入、また膨潤等による体積変化影響による密着性低下を抑制することができる。
以上、説明した実施形態は、本発明の思想を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。