JP6710597B2 - ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ケーシング内で羽根車を回転させて流体を加圧するポンプに関する。
遠心ポンプのうちボリュートポンプの設計においては、設計条件として与えられる全揚程および流量に基づいて、羽根車の最適な羽根枚数を計算により導出できることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、特に高圧ポンプでは、回転軸に加わるラジアルスラストを低減させるために、羽根車の周りに2つのボリュート状の吐出流路(ボリュート流路ともいう)が形成されたダブルボリュート構造が採用されている。従来のダブルボリュート構造では、2つの吐出流路が羽根車の回転中心を中心として180°対称に形成されている(例えば、特許文献1参照)。そのため、羽根車の羽根枚数が偶数の場合には、2つの吐出流路の舌端(巻き始め端部ともいう)を羽根車の羽根が同時に通過することになり、一方の吐出流路の舌端を羽根が通過するときに生じる圧力変動と、他方の吐出流路の舌端を羽根が通過するときに生じる圧力変動とが同期することで、搬送流体に大きな圧力脈動が発生する可能性がある。したがって、従来のダブルボリュート構造では、2つの吐出流路の舌端を羽根が同時に通過しないように、羽根車の羽根枚数を奇数に制約する必要がある。
従来のダブルボリュート構造において、必要な全揚程および流量を満たす最適な羽根枚数が計算上は偶数(例えば4枚)となる場合には、最適な羽根枚数より1枚多い(例えば5枚の)羽根車を採用するとともに、羽根車の外径を変更したり、運転制御(例えば羽根車を駆動する駆動機の周波数を下げる等)により本来の最高効率点より運転点を下げたりすることで、必要な全揚程および流量を実現することが行われている。この場合、ポンプや駆動機が大型化してコストが上がったり、ポンプ性能を落として運転するために最高効率点での運転が行われずエネルギーロスとなる、という問題がある。
また、近年、都市型洪水対策として計画されるポンプ機場は、大容量・高揚程化の傾向にあり、機場の大型化に伴うコストアップを低減するためには、ポンプをコンパクト化することが重要である。
このポンプのコンパクト化のためには、吸込流路断面積の縮小、すなわち流れの高速化が必要であるが、流れの高速化に伴い渦の発生が懸念される。この点に関し、本出願人は特願平6−231005号において、渦の発生を防止する技術を提案し、吸込流速の高速化、すなわち吸込流路のコンパクト化を可能とした。
一方、吸込流路がコンパクト化されても、吐出流路全幅が縮小されないことには、ポンプ据付けに必要なポンプ据付必要幅は大きくなってしまい、土木費等の費用の面で従来と変わらない。したがって、吐出流路の縮小が望まれている。
特開2002−138991号公報
今木清康著、「流体機械工学」、コロナ社、p.54−57
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、羽根車の周りに2つの吐出流路が形成されたダブルボリュート構造において、羽根車の羽根枚数に制約を設けることなく搬送流体の圧力脈動を低減できるとともに、ポンプ据付必要幅を縮小できるポンプを提供することにある。
本発明によるポンプは、
吸込流路と吐出流路とを有するケーシングと、
前記ケーシング内に配置された羽根車と、
を備え、
前記ケーシング内には、前記羽根車の周りに第1吐出流路及び第2吐出流路を形成するように仕切壁が設けられており、
前記第2吐出流路の第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線からずれて配置されており、
前記第1吐出流路と前記第2吐出流路とは、前記仕切壁の他端の分岐点において分岐されており、
前記吐出流路全幅は、前記吸込流路全幅に等しい。
本発明によれば、第1吐出流路の第1舌端と第2吐出流路の第2舌端とが羽根車の回転中心を中心として非対称に配置されており、羽根車の羽根枚数が偶数であっても、第1吐出流路の第1舌端と第2吐出流路の第2舌端とを羽根が同時に通過しないようになる。これにより、羽根車の羽根枚数に制約を設けることなく、搬送流体の圧力脈動を効果的に低減することができる。そのため、必要な全揚程および流量を満たす最適な羽根枚数の羽根車を採用することが可能となり、本来のポンプ性能である運転点(最高効率点)にてポンプを運転することができる。
また、本発明によれば、吐出流路全幅が吸込流路全幅に等しいため、吐出流路が第1吐出流路及び第2吐出流路に分岐されていても、吐出流路全幅が吸込流路全幅より大きくなることがなく、ポンプ据付けに必要なポンプ据付必要幅を最大で吐出流路全幅まで縮小できる。したがって、ポンプ据付に要する土木費用を低減することができる。
本発明によるポンプにおいて、前記第2吐出流路の前記第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の前記第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線から、前記羽根車の羽根の外側端部の回転方向の長さに相当する位相角以上ずれて配置されていてもよい。
このような態様によれば、羽根車の羽根枚数が偶数の場合には、第1吐出流路の第1舌端を羽根が通過する時間帯と、第2吐出流路の第2舌端を羽根が通過する時間帯と、が重なることを確実に回避することができる。これにより、搬送流体の圧力脈動を一層効果的に低減できる。
具体的には、たとえば、前記第2吐出流路の前記第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の前記第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線から、前記羽根車の回転中心を中心として4°以上ずれて配置されていてもよい。
本発明によるポンプにおいて、前記第2吐出流路の前記第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の前記第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線から、前記羽根車の回転方向前方側にずれて配置されていてもよい。
このような態様によれば、仕切壁の一端が羽根車の回転方向後方側にずれて配置されている態様に比べて、仕切壁の流れ方向の長さが短く設計される。これにより、仕切壁の影響による搬送流体の圧力損失が低減され、ポンプの運転効率を一層向上させることができる。
本発明によるポンプにおいて、前記吐出流路全幅と前記吸込流路全幅のオフセット量はゼロであってもよい。
このような態様によれば、吐出流路の中心軸線が吸込流路の中心軸線の延長線上に位置しており、ポンプ据付必要幅は吸込流路全幅と同じになる。したがって、ポンプ据付必要幅をより効果的に縮小できる。
本発明によるポンプにおいて、前記第1吐出流路の幅と前記第2吐出流路の幅との和は、前記吸込流路全幅より小さくてもよい。
このような態様によれば、ポンプ据付けに必要なポンプ据付必要幅を縮小しながら、第1吐出流路と第2吐出流路とを確実に分離させることができる。
本発明によるポンプにおいて、前記羽根車の回転中心を原点、前記羽根車の回転方向を正方向、吐出方向を90°とする座標系において、前記第1吐出流路の第1舌端は、100°〜140°の位置に設けられ、前記第2吐出流路の第2舌端は、280°〜320°の位置に設けられていてもよい。
このような態様によれば、吸込流路全幅を吐出流路全幅に利用する形状を、ポンプ効率を損なうことなく形成することが容易である。
本発明によるポンプにおいて、前記羽根車は斜流羽根を有し、前記斜流羽根は、前記第1舌端及び前記第2舌端から軸方向に離れて配置されていてもよい。
このような態様によれば、前記羽根車の羽根が第1舌端及び第2舌端を横切るような運転・流れが無くなるため、圧力脈動の発生を更に抑制できる。
本発明によれば、羽根車の周りに2つの吐出流路が形成されたダブルボリュート構造のポンプにおいて、羽根車の羽根枚数に制約を設けることなく搬送流体の圧力脈動を低減できるとともに、ポンプ据付必要幅を縮小できる。
図1は、本発明の一実施の形態によるポンプを備えたポンプ機場の構造を示す概略図である。 図2は、図1に示すポンプの平面視断面図である。 図3は、図2に示すポンプの羽根車を拡大して示す図である。 図4は、羽根が主軸に対して垂直な平面に対して垂直に設けられている場合において、羽根の外側端部の回転方向に測った長さを説明するための概略図である。 図5は、羽根が主軸に対して垂直な平面に対して傾斜して設けられている場合において、羽根の外側端部の回転方向に測った長さを説明するための概略図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示の理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は、本発明の一実施の形態によるポンプを備えたポンプ機場の構造を示す概略図である。
図1に示すように、ポンプ機場1は、ポンプ10と、減速機2と、原動機3とを備えている。図示された例では、ポンプ10は、立軸斜流渦巻ポンプである。減速機2と原動機3とは互いに隣接して設置されており、ポンプ10は減速機2の下方に設置されている。
原動機3としては、例えばガスタービンが用いられる。原動機3は、ポンプ10の主軸14に減速機2を介して接続されている。減速機2は、原動機3が出力する回転動力をポンプ10の主軸14に伝達するようになっている。
ポンプ10は、吸込流路20と吐出流路23とを有するケーシング11と、ケーシング11内に配置された羽根車12と、を有している。羽根車12は、主軸14の下端部に同軸に固定されており、原動機3からの回転動力により、主軸14と羽根車12とは一体に回転されるようになっている。
図2は、図1に示すポンプ10の平面視断面図である。図3は、図2に示すポンプ10の羽根車12を拡大して示す図である。図3における符号Dは、羽根車12の回転方向を示している。
図2及び図3に示すように、羽根車12には、複数の羽根13が、羽根車12の回転中心を中心として等角度間隔で設けられている。羽根車12の羽根枚数は、通常は3〜7枚(図示された例では4枚)であるが、これに限定されるものではない。図示された例では、各羽根13は、主軸14に対して垂直な平面(図2及び図3における紙面)に対して垂直に設けられており、当該平面(図2及び図3における紙面)上では外側端部が内側端部よりも回転方向後方側に位置するように湾曲されている。
一例を挙げれば、羽根13の厚みT1は10mm〜100mm程度であり、羽根13の外側端部の回転方向の長さT2はT1の1.5倍〜2倍程度である。羽根13の外側端部の回転方向の長さT2を、羽根車12の回転中心を中心とする位相角で表すと、3°〜4°である。なお、各羽根13は、主軸14に対して垂直な平面(図2及び図3における紙面)に対して傾斜して設けられていてもよい。
ここで、羽根13の外側端部の回転方向の長さT2について、説明を補足する。本明細書において、羽根13の外側端部の回転方向の長さT2とは、羽根13の外側端部の回転方向前方側端部と回転方向後方側端部との間の回転方向に測った長さを意味する。したがって、図4に示すように、羽根13が主軸14に対して垂直な平面Pに対して垂直に設けられている場合には、羽根13の外側端部の回転方向の長さT2は、羽根13の外側端部の厚みと等しくなる。一方、図5に示すように、羽根13が主軸14に対して垂直な平面Pに対して傾斜して設けられている場合には、羽根13の外側端部の回転方向の長さT2は、羽根13の外側端部の厚みより大きくなる。
図1及び図2に示すように、本実施の形態におけるケーシング11は、吸込流路20を規定する吸込ケーシング11aと、吸込ケーシング11aの上方に一体に設けられた、吐出流路23を規定する吐出ケーシング11bと、を有している。吐出ケーシング11bはボリュートケーシングである。
図示された例では、吐出ケーシング11bの底部には、主軸14と同軸状に流入口11cが開口されており、吸込ケーシング11aは、吐出ケーシング11bの流入口11cに連通されるように構成されている。図1に示すように、羽根車12は、流入口11cの内側に配置されている。
本実施の形態では、羽根車12は斜流羽根車であり、羽根13は斜流羽根である。図1に示すように、斜流羽根13は、第1吐出流路21の第1舌端21a及び第2吐出流路22の第2舌端22aから軸方向に離れて配置されている。より詳しくは、斜流羽根13の先端(外側端部)の吐出側端部(図1における上端)は、第1吐出流路21の第1舌端21a及び第2吐出流路22の第2舌端22aの吸込側端部(図1における下端)よりも吸込側(図1における下方)に離れて位置決めされている。
流体脈動は、主に、ポンプ運転中に羽根13の端面が吐出流路23の舌端を横切るときに発生するが、本実施の形態では、軸方向に揚水を流すことができる斜流羽根が用いられ、羽根13の位置が吐出流路23の舌端とは干渉しない吸込側に離れて配置されているため、羽根13が舌端を横切る運転・流れが無くなり、圧力脈動が更に抑制されるようになっている。
図2に示すように、吐出ケーシング11b内には、羽根車12の周りに第1吐出流路21及び第2吐出流路22を形成するように仕切壁15が設けられている。仕切壁15は、吐出ケーシング11b内の元々の流路(すなわち吐出流路23)の途中から当該元々の流路(吐出流路23)を2つに分離するように、流れ方向に沿って延ばされており、第1吐出流路21と第2吐出流路22とは、仕切壁15の下流側端部の分岐点Sにおいて分岐されている。図2に示すように、仕切壁15によって形成される第1吐出流路21の上流側部分と第2吐出流路22の上流側部分とは、羽根車12の回転中心に対して回転対称となっている。
本実施の形態では、第2吐出流路22の第2舌端22aを規定する仕切壁15の上流側端部は、第1吐出流路21の第1舌端21aと羽根車12の回転中心とを通る直線Lから、所定角度θずれて配置されている。すなわち、第1吐出流路21の第1舌端21aと第2吐出流路22の第2舌端22aとは、羽根車12の回転中心を中心として非対称に配置されている。これにより、羽根車12の羽根枚数が偶数であっても、第1吐出流路21の第1舌端21aと第2吐出流路22の第2舌端22aとを羽根13が同時に通過しないようになっている。
図示された例では、仕切壁15の上流側端部のずれの角度θは、羽根車12の羽根13の外側端部の回転方向の長さT2に相当する位相角(通常3°〜4°)以上の大きさで設計されている。言い換えれば、仕切壁15の上流側端部は、第1吐出流路21の第1舌端21aと羽根車12の回転中心とを通る直線Lから、羽根車12の羽根13の外側端部の回転方向の長さT2に相当する位相角以上ずれて配置されている。この場合、図2に示すように羽根車12の羽根枚数が偶数であっても、第1吐出流路21の第1舌端21aを羽根13が通過し終えた後に、第2吐出流路22の第2舌端22aを羽根13が通過し始めることになり、すなわち、第1吐出流路21の第1舌端21aを羽根13が通過する時間帯と、第2吐出流路22の第2舌端22aを羽根13が通過する時間帯と、が重なることを確実に回避することができる。
図2に示すように、本実施の形態では、仕切壁15の上流側端部は、第1吐出流路21の第1舌端21aと羽根車12の回転中心とを通る直線Lから、羽根車12の回転方向前方側(図2における時計回り側)にずれて配置されている。この場合、仕切壁15の上流側端部が羽根車12の回転方向後方側(図2における反時計回り側)にずれて配置されている態様に比べて、仕切壁15の流れ方向の長さが短く設計されるため、仕切壁15の影響による搬送流体の圧力損失が低減され、ポンプの運転効率を一層向上させることができる。
図2に示すように、本実施の形態では、吐出流路23の全幅W3は、吸込流路20全幅Wに等しくなっている。また、吐出流路23の全幅W3と吸込流路20の全幅Wのオフセット量はゼロであり、言い換えれば、吐出流路23の中心軸線は吸込流路20の中心軸線の延長線上に位置している。
より詳しくは、第1吐出流路21の外側部は、吸込流路20の全幅Wの一方の外側部の延長線上に位置している。他方、第2吐出流路22の外側部は、吸込流路20の全幅Wの他方の外側部の延長線上に位置するように、図示された例では第1舌端21aからの曲線部で形成されている。また、第2吐出流路22の内側部は、分岐点Sから外側部側に曲がる曲線部と、その曲線部に連続して反転し内側部側に曲がる曲線部とから形成されている。
図2に示すように、本実施の形態では、羽根車12の回転中心を原点、羽根車12の回転方向D(図2における時計回り)を正方向、搬送流体の吐出方向(図2における右方向)を90°とする座標系において、第1吐出流路21の第1舌端21aは、100°〜140°(図示の例では135°)の位置に設けられ、第2吐出流路22の第2舌端22aは、280°〜320°(図示の例では315°+θ)の位置に設けられている。
なお、本件発明者らの知見によれば、第1舌端21aの角度位置が100°未満又は140°より大きい場合は、ポンプ効率を損なうことなく、すなわち吐出流路損失を増大させることなく、吸込流路20の全幅Wを吐出流路23の全幅W3に利用する図示のような形状を形成することが困難である。また、第2舌端22aの角度位置280°未満又は320°より大きい場合も、同様な理由により図示のような形状を形成することが困難である。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、図1に示すように、ケーシング11内に搬送流体(液体または気体)が充填された状態で、原動機3からの回転動力により、羽根車12と主軸14とが一体に回転される。吐出ケーシング11b内の流体は、羽根車12の羽根13に押されて回転され、回転による遠心力により径方向外向きに押しやられる。これにより、羽根車12の回転中心側の圧力が低下するため、圧力差により、吸込ケーシング11a内の流体が流入口11cから吐出ケーシング11b内へと流入される。一方、吐出ケーシング11b内において遠心力により径方向外向きに押しやられた流体は、吐出流路23、すなわち第1吐出流路21及び第2吐出流路22に沿って押し流される。
ところで、背景技術の欄でも言及したように、従来のダブルボリュート構造では、2つの吐出流路が羽根車の回転中心を中心として180°対称に形成されているため、羽根車の羽根枚数が偶数の場合には、2つの吐出流路の舌端を羽根車の羽根が同時に通過することになり、一方の吐出流路の舌端を羽根が通過するときに生じる圧力変動と、他方の吐出流路の舌端を羽根が通過するときに生じる圧力変動とが同期することで、搬送流体に大きな圧力脈動が発生する可能性がある。
一方、本実施の形態では、図2に示すように、第1吐出流路21の第1舌端21aと第2吐出流路22の第2舌端22aとが羽根車12の回転中心を中心として非対称に配置されているため、羽根車12の羽根枚数が偶数の場合であっても、第1吐出流路21の第1舌端21aと第2吐出流路22の第2舌端22aとを羽根13が同時に通過しないようになっている。したがって、搬送流体に大きな圧力脈動を発生させることなく、羽根枚数が偶数の羽根車12を採用することが可能となっている。
以上のように、本実施の形態によれば、第1吐出流路21の第1舌端21aと第2吐出流路22の第2舌端22aとが羽根車12の回転中心を中心として非対称に配置されているため、羽根車12の羽根枚数が偶数であっても、第1吐出流路21の第1舌端21aと第2吐出流路22の第2舌端22aとを羽根13が同時に通過しないようになる。これにより、羽根車12の羽根枚数に制約を設けることなく、搬送流体の圧力脈動を効果的に低減することができる。そのため、必要な全揚程および流量を満たす最適な羽根枚数の羽根車12を採用することが可能となり、本来のポンプ性能である運転点(最高効率点)にてポンプ10を運転することができる。
また、本実施の形態によれば、吐出流路23の全幅W3が吸込流路20の全幅Wに等しいため、吐出流路23が第1吐出流路21及び第2吐出流路22に分岐されていても、吐出流路23の全幅W3が吸込流路20の全幅Wより大きくなることがなく、ポンプ据付けに必要なポンプ据付必要幅を最大で吐出流路20の全幅Wまで縮小できる。したがって、ポンプ据付に要する土木費用を低減することができる。
また、本実施の形態によれば、第2吐出流路22の第2舌端22aを規定する仕切壁15の一端が、第1吐出流路21の第1舌端21aと羽根車12の回転中心とを通る直線Lから、羽根車12の羽根13の外側端部の回転方向の長さT2に相当する位相角以上ずれて配置されているため、羽根車12の羽根枚数が偶数の場合には、第1吐出流路21の第1舌端21aを羽根13が通過する時間帯と、第2吐出流路22の第2舌端22aを羽根13が通過する時間帯と、が重なることを確実に回避することができる。これにより、搬送流体の圧力脈動を一層効果的に低減できる。
また、本実施の形態によれば、第1吐出流路21の第1舌端21aを規定する仕切壁15の一端が、第2吐出流路22の第2舌端22aと羽根車12の回転中心とを通る直線Lから、羽根車12の回転方向前方側にずれて配置されているため、仕切壁15の一端が羽根車12の回転方向後方側にずれて配置されている態様に比べて、仕切壁15の流れ方向の長さが短く設計される。これにより、仕切壁15の影響による搬送流体の圧力損失が低減され、ポンプの運転効率を一層向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1吐出流路21の幅W1と第2吐出流路22の幅W2との和が吸込流路20の全幅Wより小さいため、ポンプ据付けに必要なポンプ据付必要幅を縮小しながら、第1吐出流路21と第2吐出流路22とを確実に分離させることができる。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、仕切壁15の一端のずれの角度θが、羽根車12の羽根13の外側端部の回転方向の長さT2に相当する位相角以上の大きさで設計されていたが、これに限定されない。例えば、仕切壁15の一端のずれの角度θは、羽根車12の羽根13の外側端部の回転方向の長さT2より小さく設計されていてもよい。この場合、第1吐出流路21の第1舌端21aを羽根13が通過する時間帯と、第2吐出流路22の第2舌端22aを羽根13が通過する時間帯と、が一部で重なるものの、2つの吐出流路が羽根車の回転中心を中心として180°対称に形成されている態様と比べれば、羽根車12の羽根枚数に制約を設けることなく搬送流体の圧力脈動を低減することが可能である。
また、本実施の形態では、羽根車12は斜流羽根13を有し、斜流羽根13は、第1舌端21a及び第2舌端22aから軸方向に離れて配置されているため、羽根車12の羽根13が第1舌端21a及び第2舌端22aを横切るような運転・流れが無くなり、圧力脈動の発生が更に抑制され得る。
なお、図示された例では、ポンプ10は立軸渦巻ポンプであったが、横軸渦巻ポンプであってもよい。また、図示された例では、ポンプ10は斜流渦巻ポンプであったが、遠心渦巻ポンプであってもよい。また、図示された例では、ポンプ10は片吸込渦巻ポンプであったが、両吸込渦巻ポンプであってもよい。
ところで、上述したように、羽根車12の羽根枚数は、通常は3〜7枚のいずれかである。このうち奇数であって最も大きい数である7枚の羽根枚数の羽根車12を採用する場合には、1つの羽根13に対して最も離れて位置する別の羽根13は、当該1つの羽根13に対して180°対称となる位置から、羽根車12の回転中心を中心として360°/7/2=25.7°の位相角だけずれて配置されている。したがって、羽根枚数が7枚の羽根車12を採用する場合には、仕切壁15の一端のずれの角度θが、25.7°−羽根13の外側端部の回転方向の長さT2に相当する位相角(通常は3〜4°)以下であれば、第1吐出流路21の第1舌端21aと第2吐出流路22の第2舌端22aとを羽根13が同時に通過しないようになる。したがって、仕切壁15の一端のずれの角度θの上限としては、25.7°−4°=21.7°以下であることが好ましい。
1 ポンプ機場
2 減速機
3 原動機
10 ポンプ
11 ケーシング
11a 吸込ケーシング
11b 吐出ケーシング
12 羽根車
13 羽根
14 主軸
15 仕切壁
20 吸込流路
21 第1吐出流路
21a 第1舌端
22 第2吐出流路
22a 第2舌端
23 吐出流路

Claims (8)

  1. 液体を吸い込む吸込流路と前記液体を吐き出す吐出流路とを有するケーシングと、
    前記ケーシング内に前記吸込流路の液体を前記吐出流路に送水するように配置された羽根車と、
    を備え、
    前記ケーシング内には、前記羽根車の周りに第1吐出流路及び第2吐出流路を形成するように仕切壁が設けられており、
    前記第2吐出流路の第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線からずれて配置されており、
    前記第1吐出流路と前記第2吐出流路とは、前記仕切壁の他端の分岐点において分岐されており、
    前記吐出流路全幅は、前記吸込流路全幅に等しい
    ことを特徴とするポンプ。
  2. 前記第2吐出流路の前記第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の前記第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線から、前記羽根車の羽根の外側端部の回転方向の長さに相当する位相角以上ずれて配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記第2吐出流路の前記第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の前記第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線から、前記羽根車の回転中心を中心として4°以上ずれて配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のポンプ。
  4. 前記第2吐出流路の前記第2舌端を規定する前記仕切壁の一端は、前記第1吐出流路の前記第1舌端と前記羽根車の回転中心とを通る直線から、前記羽根車の回転方向前方側にずれて配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ。
  5. 前記吐出流路全幅と前記吸込流路全幅のオフセット量はゼロである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポンプ。
  6. 前記第1吐出流路の幅と前記第2吐出流路の幅との和は、前記吸込流路全幅より小さい
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポンプ。
  7. 前記羽根車の回転中心を原点、前記羽根車の回転方向を正方向、吐出方向を90°とする座標系において、
    前記第1吐出流路の第1舌端は、100°〜140°の位置に設けられ、
    前記第2吐出流路の第2舌端は、280°〜320°の位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポンプ。
  8. 前記羽根車は斜流羽根を有し、
    前記斜流羽根は、前記第1舌端及び前記第2舌端から軸方向に離れて配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポンプ。
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