1.実施形態
以下、本実施形態に係る開閉器及び分電盤について図面を参照して詳しく説明する。本実施形態の開閉器は、分岐回路に電気的に接続される開閉器(分岐開閉器)である。また、本実施形態の分電盤は、例えば工場やオフィスなどの建物(施設)に設置される分電盤である。
本実施形態の分電盤1は、図1に示すように、一面(前面)に開口を有するキャビネット10と、キャビネット10の開口を覆うようにキャビネット10に取り付けられる扉と、を備える。なお、扉は必須ではない。
キャビネット10は、主幹開閉器2と、1以上の分岐開閉器3とを収容する。キャビネット10は、側壁に、配線を通すための1以上の貫通孔を備える。配線は、例えば、商用電源などの電源100に接続される電源線201、負荷に接続される分岐線(非接地電線)202及び分岐接地線(接地電線)203、接地線206などを含む。また、キャビネット10は、接地線206を接続するための接地端子11を内部に備える。
また、キャビネット10は、取付部材4と、3つの導電バー5と、カバー6と、を収容する。
取付部材4は、1以上の分岐開閉器3を分電盤1に取り付けるための部材である。取付部材4は、矩形の金属板である取付板41と、取付板41に設けられるネジ端子42と、を備える。取付部材4は、キャビネット10の内部(例えば、底面)に例えばネジで固定される。ネジ端子42は、接地線205により接地端子11に電気的に接続される。接地端子11は接地線206を介して接地されるため、取付部材4(取付板41)は接地線205,206を介して接地される。
3つの導電バー5は、主幹開閉器2と1以上の分岐開閉器3とを電気的に接続する母線であり、電圧極(L1相及びL2相)及び中性極に対応する。3つの導電バー5は、取付板41の幅方向の中央部の前方に、取付板41の長手方向に沿って延びるように配置される。図1に示すように、複数の分岐開閉器3は、3つの導電バー5の幅方向の両側に、3つの導電バー5の長手方向に沿って並ぶように取り付けられる。
カバー6は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。カバー6は、3つの導電バー5を前方から覆うように配置される。
主幹開閉器2は、3つの一次側の端子21と、3つの二次側の端子22と、を備える。3つの一次側の端子21は、それぞれ、電源100からの単相三線式の3つの電源線201に接続される。3つの二次側の端子22は、電圧極(L1相、L2相)と中性極との3つの導電バー(母線)5の一端に電気的に接続される。このようにして、主幹開閉器2は、3つの導電バー5を電源100に電気的に接続する。
次に、本実施形態の開閉器(分岐開閉器3)について図2〜図10を参照して説明する。
まず、図2を参照して、分岐開閉器3の電気的な構成を説明する。分岐開閉器3は、図2に示すように、2つの第1端子t1と、2つの第2端子t2と、2つの接点部31と、第3端子t3と、第4端子t4と、接続回路32と、を備える。
2つの第1端子t1の各々には、導電バー5が接続される。これにより、2つの第1端子t1には、電源100が電気的に接続される。分岐開閉器3が100V用の開閉器である場合は、2つの第1端子t1のうちの一方には電圧極(L1相又はL2相)の導電バー5が接続され、2つの第1端子t1のうちの他方には中性極の導電バー5が接続される。分岐開閉器3が200V用の開閉器である場合は、2つの第1端子t1のうちの一方にはL1相の導電バー5が接続され、2つの第1端子t1のうちの他方にはL2相の導電バー5が接続される。
2つの第2端子t2の各々には、非接地電線(分岐線)202が接続される。非接地電線202には、負荷110が電気的に接続される。これにより、2つの第2端子t2には、負荷110が電気的に接続される。負荷110は、例えば接地極付きのコンセントなどの配線器具、並びに、照明器具及び空調装置等の種々の電気機器などである。
2つの接点部31の各々は、対応する第1端子t1と第2端子t2との間に電気的に接続されている。分岐開閉器3は、分岐線202に流れる負荷電流が、あらかじめ決められたしきい値を超えると、接点部31を強制的に開極させる過電流保護機能を備えている。また、2つの接点部31は、ハンドル330(図4参照)の操作に応じて、オン状態(閉極)及びオフ状態(開極)の何れかに切り替えられる。
第3端子t3は、負荷110の接地電線(接地分岐線)203が電気的に接続されるアース端子である。接地電線203は、負荷110の接地極に電気的に接続されている。例えば、負荷110が接地極付きのコンセントであれば、コンセントの接地極が接地電線203を介して第3端子t3に電気的に接続される。また、負荷110が照明器具等の電気機器であれば、電気機器の接地端子が接地電線203を介して第3端子t3に電気的に接続される。
第4端子t4は、接続対象部材に電気的に接続される端子(接続端子)である。本実施形態において接続対象部材は取付部材4(取付板41)である。第4端子t4は、分岐開閉器3が取付部材4に取り付けられた状態で、接続対象部材としての取付部材4に電気的に接続される。取付部材4は、上述したように接地されているので、第4端子t4は、取付部材4を介して接地される。
接続回路32は、第4端子t4と第3端子t3を電気的に接続する。本実施形態においては、第4端子t4は接地され、第3端子t3は負荷110の接地電線203に電気的に接続される。つまり、接続回路32は、負荷110の接地経路の一部を構成する。そのため、接続回路32の抵抗値は接地工事の種類ごとに定められた接地抵抗値に適合する必要があり、接続回路32は十分小さい抵抗値で第4端子t4と第3端子t3との間を電気的に接続する。
次に、図3A〜図3D、図4、図5A,図5B、及び図6〜図10を参照して、分岐開閉器3の機械的な構成を説明する。
分岐開閉器3は、ケース300と、ハンドル330と、表示部610と、を更に備える。
ケース300は、2つの第1端子t1、2つの第2端子t2、第3端子t3、第4端子t4、及び表示部610を保持し、2つの接点部31及び接続回路32を収容する。ケース300は、図3A〜図3D及び図4に示すように、全体として直方体状に形成されている。ケース300は、互いに直交する第1方向(図3B〜図3Dの左右方向)、第2方向(図3Aの左右方向、図3C,図3Dの上下方向)、及び第3方向(図3A,図3Bの上下方向)を有する。ケース300は、第1方向の寸法が最も大きく、次いで第3方向の寸法、第2方向の寸法の順に大きい。つまり、第1方向、第2方向、及び第3方向は、それぞれ、ケース300の長手方向、幅方向、及び高さ方向である。ケース300は、図3Bに示すように、第3方向の両面である第1面301及び第2面302を有する。分岐開閉器3は、第2面302が取付部材4に対向するようにして、取付部材4に取り付けられる。したがって、分岐開閉器3が取付部材4に取り付けられた状態では、作業者は、ケース300の第1面301側から分岐開閉器3を見ることになる。
ハンドル330は、図3B,図3Cに示すように、ケース300における第3方向(図3Bの上下方向)の第1面(図3Bにおける上面)301に設けられている。
次に、ケース300で保持される、2つの第1端子t1、2つの第2端子t2、第3端子t3、第4端子t4、及び表示部610について説明する。
2つの第1端子t1は、同じ形状であり、導電バー5をその厚み方向の両側から挟む刃受け部材360(図3B参照)により構成される。刃受け部材360は、弾性及び導電性を有する金属材料(例えばリン青銅などの銅合金)で形成される。
2つの第2端子t2は、同じ速結端子700(図5A参照)で構成されている。速結端子700は、端子板(第1端子板)710と、鎖錠ばね(第1鎖錠ばね)720と、解除部材(第1解除部材)760と、復帰ばね780と、を有している。
第1端子板710は、金属製である。第1端子板710は、対応する接点部31に電気的に接続される。
第1鎖錠ばね720は、帯板状の中央片730と、鎖錠片740と、押圧片750とを有している。鎖錠片740は、中央片730の長手方向の一端から延長されており、略J字形に形成されている。押圧片750は、中央片730の長手方向の他端から延長されており、略S字形に形成されている。第1鎖錠ばね720は、鎖錠片740及び押圧片750が第1端子板710に対向するように配置される。
第1解除部材760は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。第1解除部材760は、第2端子t2と電線(非接地電線202)との接続を解除するための部材である。第1解除部材760は、第2端子t2と非接地電線202との接続を解除する位置(解除位置)と、第2端子t2と非接地電線202との接続を解除しない位置(保持位置)との間で回動可能にケース300に取り付けられる。
図5Aでは、第1解除部材760は保持位置にある。解除位置は、保持位置から図5Aの時計回り方向に回転した位置である。第1解除部材760は、第1解除部材760をケース300に回動可能に取り付けるための軸受け761及び軸と、第1解除部材760を操作するための操作突起770と、第1鎖錠ばね720を押圧するための作用突起762と、を有する。
復帰ばね780は、第1解除部材760を保持位置に位置させる。復帰ばね780は、トーションばねであり、図5Aにおける反時計回り方向に第1解除部材760を付勢する。
第3端子t3は、速結端子800(図5B参照)で構成されている。速結端子800は、図4、図5B及び図8に示すように、端子板(第2端子板)810と、鎖錠ばね(第2鎖錠ばね)820と、解除部材(第2解除部材)860と、復帰ばね880と、標識部890と、を有している。
第2端子板810は、金属製である。第2端子板810は、接続回路32に電気的に接続される。
第2鎖錠ばね820は、帯板状の中央片830と、鎖錠片840と、押圧片850とを有している。鎖錠片840は、中央片830の長手方向の一端から延長されており、略J字形に形成されている。押圧片850は、中央片830の長手方向の他端から延長されており、略S字形に形成されている。第2鎖錠ばね820は、鎖錠片840及び押圧片850が第2端子板810に対向するように配置される。
第2解除部材860は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。第2解除部材860は、第3端子t3と電線(接地電線203)との接続を解除するための部材である。第2解除部材860は、第3端子t3と接地電線203との接続を解除する位置(解除位置)と、第3端子t3と接地電線203との接続を解除しない位置(保持位置)との間で回動可能にケース300に取り付けられる。
図5Bでは、第2解除部材860は保持位置にある。解除位置は、保持位置から図5Bの時計回り方向に回転した位置である。第2解除部材860は、第2解除部材860をケース300に回動可能に取り付けるための軸受け861(図5B参照)及び軸863(図8参照)を有する。また、第2解除部材860は、第2解除部材860を操作するための操作突起870と、第2鎖錠ばね820を押圧するための作用突起862と、を有する。
第2解除部材860は、2つの第1解除部材760と材料の色が異なる。これにより、第2解除部材860と第1解除部材760とを容易に区別することができ、第1解除部材760と第2解除部材860との誤操作を抑制できる。例えば、第2解除部材860の材料の色は緑であり、第1解除部材760の材料の色は白である。
復帰ばね880は、第2解除部材860を保持位置に位置させる。復帰ばね880は、トーションばねであり、図5Bにおける反時計回り方向に第2解除部材860を付勢する。
標識部890は、第3端子t3の種類を示す。本実施形態において、第3端子t3はアース端子であるため、標識部890は、アースを示す。標識部890は、図4に示すように、アースを示す記号である。標識部890は、第2解除部材860の操作突起870においてケース300の第1面301側から視認できる位置に形成される。標識部890によれば、第3端子t3の種類を容易に判別できる。
第4端子t4は、接触端子500で構成されている。接触端子500は、図5B及び図8に示すように、端子板(第3端子板)510と、ホルダ520と、接圧ばね530と、を備える。
第3端子板510は、金属製である。第3端子板510は、矩形状の板部510aと、一対の接点510bと、一対の側片510cと、を備える。一対の接点510bは、板部510aの前面(図5Bにおける下面)に設けられる。一対の側片510cは、板部510aの両端(ケース300の第2方向と平行な方向の両端)から後方に突出する。一対の側片510cの各々は、外方に突出する一対の突起510dを備える。
ホルダ520は、第3端子板510をその前後方向に移動可能に保持する。ホルダ520は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。ホルダ520は、矩形状の底板部520aと、一対の側部520bと、一対のストッパ520cと、一対の突起520dと、位置決め部520eと、を備える。一対の側部520bは、底板部520aの両端(ケース300の第2方向と平行な方向の両端)から前方に突出する。一対のストッパ520cは、一対の側部520bの前端に形成される。一対のストッパ520cの各々は、対応する一対の突起510dの前面に当たることで、第3端子板510の前方への移動を規制する。一対の突起520dは、底板部520aの両端(ケース300の第2方向と平行な方向の両端)から側方に突出する。位置決め部520eは、接圧ばね530を位置決めするために用いられる。位置決め部520eは、底板部520aの前面に形成される。位置決め部520eは、円柱状に形成される。接圧ばね530は、第3端子板510をホルダ520に対して前方へ付勢するために用いられる。
ここで、第3端子板510は、各側片510cの一対の突起510dがホルダ520の底板部520aと対応するストッパ520cとの間に位置するように、ホルダ520に取り付けられる。また、接圧ばね530は、内部に位置決め部520eが挿入された状態で、第3端子板510の板部510aとホルダ520の底板部520aとの間に配置される。
このような第4端子t4は、突出位置(図5B参照)と収納位置(図9参照)との間でケース300の第3方向(図5B、図9における上下方向)に移動可能にケース300に取り付けられる。突出位置は、第4端子t4がケース300の第2面302から外方に突出する位置である。第4端子t4が突出位置にある場合、第4端子t4を取付部材4に接触させることができる。この場合、分岐開閉器3は、第4端子t4(接触端子500)が接続対象部材(取付部材4)に接触している状態(第1状態)であるといえる。収納位置は、第4端子t4がケース300の内部にある位置である。第4端子t4が収納位置にある場合、第4端子t4を取付板41に接触させることができない。この場合、分岐開閉器3は、第4端子t4が接続対象部材に接触していない状態(第2状態)であるといえる。
表示部610は、第4端子t4が突出位置にあるか収納位置にあるかを表示するための部材である。言い換えれば、表示部610は、第4端子t4に接続対象部材(取付部材4)が電気的に接続されているか否かを表示する。表示部610は、第4端子t4を突出位置に位置させる第1位置(図5B参照)と第4端子t4を収納位置に位置させる第2位置(図9参照)との間で直進動作が可能なように、ケース300に保持される。つまり、表示部610は、第4端子t4を突出位置と収納位置との間で移動させるための操作部としても機能する。このように、表示部610は、接続対象部材である取付部材4に対して第4端子t4である接触端子500を移動させることにより、第1状態と第2状態とを切り替えるように操作される操作部を兼用する。第4端子t4は、接続対象部材に接触することで接続対象部材に電気的に接続される。そのため、第4端子t4と接続対象部材との電気的な接続関係に着目すれば、第1状態は、第4端子t4が接続対象部材に電気的に接続されているオン状態となる。一方、第2状態は、第4端子t4が接続対象部材に電気的に接続されていないオフ状態となる。
表示部610は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。表示部610は、棒状の軸部611と、頭部612と、押圧部613とを有している。
頭部612は、人が操作する部位である。頭部612は、主部612aと、第1突起612bと、第2突起612cと、溝612dと、を有する。
主部612aは、軸部611の第1端(図5Bにおける上端)に設けられる。主部612aは、円柱状に形成される。主部612aは、軸部611の中心軸(表示部610の中心軸に等しい)に直交する面内において外形形状が軸部611より大きい。
第1突起612bは、図3Cに示すように、直方体状である。第1突起612bは、主部612aから側方に突出している。
第2突起612cは、図3Cに示すように、三角柱状である。第2突起612cは、軸部611の軸方向に直交する面内において3つの頂点のうちの一つが主部612aより突出し、かつ、第1突起612bとは反対側を向くように、主部612aに設けられる。第2突起612cは、表示部610の回転位置を示す目印としても機能する。
溝612dは、主部612aにおける軸部611とは反対側の面(図5Bの上面)に形成される。溝612dは、直線状であり、その長手方向が、第1突起612bと第2突起612cとが対向する方向と直交している。溝612dは、表示部610の向きを示す直線状の目印として機能する。この溝612d(目印)は、その長手方向が、表示部610の中心軸(回転軸)とも直交している。そのため、表示部610の回転に対して目印(溝612d)の向きが変わりやすいから、表示部610が第1位置にあるか第2位置にあるかを容易に判別できる。
溝612dは、例えばマイナスドライバのような工具の先端部が嵌まる形状である。ここで、工具は、マイナスドライバに限定されず、プラスドライバ、六角ドライバ(六角棒スパナ)、及びヘックスローブドライバ等の汎用の工具、並びに、特殊ねじ等に適合する特殊工具でもよい。さらに、工具は、人が表示部610を操作するときに使用する器具及び道具であればよく、例えば針金をピックツールとして用いるなど、本来の用途以外で使用される器具及び道具であってもよい。したがって、目印が表示部610に形成された溝612dであるから、目印である溝612dを用いて表示部610を容易に操作できる。また、表示部610の形状自体が目印となるから、プリント等の作業が不要になり、製造コストの低下が図れる。
押圧部613は、第4端子t4と接触する部位である。押圧部613は、当接部613aと、一対の第1ストッパ613bと、一対の第2ストッパ613cと、を有する。
当接部613aは、軸部611の第2端(図5Bにおける下端)に設けられる。当接部613aは、円柱状に形成される。当接部613aは、軸部611の軸方向に直交する面内において外形形状が軸部611より大きい。
一対の第1ストッパ613bは、表示部610を第1位置に保持するために用いられる。一対の第1ストッパ613bは、角柱状である。一対の第1ストッパ613bは、当接部613aから頭部612側に突出する。一対の第1ストッパ613bは、軸部611を挟んで互いに対向する。一対の第1ストッパ613bが対向する方向は、溝612dの長手方向と一致している。
一対の第2ストッパ613cは、表示部610を第2位置に保持するために用いられる。一対の第2ストッパ613cは、角柱状である。一対の第2ストッパ613cは、当接部613aから頭部612側に突出する。一対の第2ストッパ613cは、軸部611を挟んで互いに対向する。一対の第2ストッパ613cが対向する方向は、頭部612の第1突起612bと第2突起612cとが対向する方向と一致している。したがって、一対の第1ストッパ613bが対向する方向と一対の第2ストッパ613cが対向する方向とは直交している。また、一対の第2ストッパ613cは、一対の第1ストッパ613bより背が低い。
次に、ケース300について説明する。
ケース300は、図3Bに示すように、第1方向(図3Bの左右方向)の第1端部(図3Bの左端部)に、ケース300の第2方向に延びる3つのスリット350を備える。3つのスリット350は、第3方向(図3Bにおける上下方向)において並んでいる。3つのスリット350は、ケース300内の空間304(図5A,図5B参照)と繋がっており、2つの第1端子t1は、3つのスリット350のうちの2つに配置される。なお、この空間304には、2つの接点部31が収容される。2つの刃受け部材360(2つの第1端子t1)が対応するスリット350に挿入された導電バー5と接触することによって、2つの第1端子t1と2つの導電バー5とが電気的に接続される。
ケース300は、図3A、図3B、図3D、図5A及び図5Bに示すように、第1方向(図3Bの左右方向)の第2端部(図3Bの右端部)に、2つの第2端子保持部370と、第3端子保持部380と、第4端子保持部340と、表示保持部390と、を備える。
2つの第2端子保持部370の各々は、図5Aに示すように、ケース300において第2端子t2を保持する部分である。2つの第2端子保持部370は、図3Aに示すように、ケース300の第1方向(図3Aの紙面に直交する方向)に直交する第2方向(図3Aの左右方向)において並んでいる。また、2つの第2端子保持部370は、ケース300の第2端部において第1面301側に位置している。
2つの第2端子保持部370の各々は、図5Aに示すように、第2端子収容空間371と、端子孔372と、開口373とを備える。言い換えれば、第2端子保持部370は、ケース300において第2端子収容空間371、端子孔372、及び開口373が形成された部位である。
第2端子収容空間371は、速結端子700(第2端子t2)を収容する空間である。端子孔372は、第2端子収容空間371とケース300の外部とを繋ぐ孔であり、第2端子収容空間371に非接地電線202を挿入するために用いられる。開口373は、第1解除部材760の操作突起770をケース300の外部に突出させる。開口373は、端子孔372よりも第1面301側に位置する。
第2端子保持部370の端子孔372からケース300の内部(第2端子収容空間371)に電線の先端部が挿入されると、この電線の先端部に鎖錠片740の先端が食い込み、電線が抜け止めされた状態となる。この状態で、電線の先端部は第1端子板710と押圧片750とに挟まれ、押圧片750の弾性力によって電線の先端部が第1端子板710に押し付けられる。そのため、電線と第1端子板710とが電気的に接続される。
第1鎖錠ばね720と第1端子板710との間に電線が挿入されている状態で、第1解除部材760が保持位置から解除位置まで回動されると、第1解除部材760の作用突起762で鎖錠片740が第1端子板710から離れる向きに押される。鎖錠片740が第1端子板710から離れる向きに押されると、鎖錠片740の先端が電線から離れるので、電線の抜け止め状態が解除され、速結端子700から電線の取り外しが可能になる。一方、操作突起770を操作する力がなくなると、復帰ばね780及び鎖錠片740の弾性力によって作用突起762が押され、第1解除部材760が解除位置から保持位置に戻る。
第3端子保持部380は、図5Bに示すように、ケース300において第3端子t3を保持する部分である。第3端子保持部380は、図3Aに示すように、第2方向(図3Aにおける左右方向)において、一対の第2端子保持部370の中間に位置する。そのため、分岐開閉器3の回路(特に、電源100と負荷110との間の電力供給路を構成する回路)をケース300内に、第2方向に直交し、かつ、2つの第2端子保持部370間の中点を通る面に対して面対称に配置できる。これにより、分岐開閉器3の回路の対称性の向上を図ることができる。したがって、安定した遮断及び絶縁性能を実現できる。また、負荷110からの非接地電線202及び接地電線203をまとめて分岐開閉器3に接続することができる。そのため、負荷110と分岐開閉器3との接続に多芯ケーブルを用いる場合でも、多芯ケーブルの被覆を除去する作業量を低減できる。特に、接地電線203を分電盤1の接地端子11に接続する場合に比べれば、作業量を大幅に低減でき、施工者の負担を軽減できる。
また、第3端子保持部380は、図3Aに示すように、ケース300の第2端部において第3方向の中央部に位置している。つまり、第3端子保持部380は、一対の第2端子保持部370よりも、第3方向において第1面301とは反対側のケース300の第2面302側に位置する。このように第3端子保持部380が一対の第2端子保持部370と第2方向において並ばないから、ケース300の第2方向の寸法を小さくして薄型化が図れる。また、第3端子保持部380は、図3B,図3Cに示すように、第1方向において、2つの第2端子保持部370よりもケース300の外方(図3B,図3Cにおける右方)に突出している。そのため、ケース300の第1面301側から第3端子保持部380を視認しやすくなり、第3端子t3に電線(接地電線203)を接続しやすくなる。
第3端子保持部380は、第3端子収容空間381と、端子孔382と、開口383と、を有する。言い換えれば、第3端子保持部380は、ケース300において第3端子収容空間381、端子孔382、及び開口383が形成された部位である。
第3端子収容空間381は、速結端子800(第3端子t3)を収容する空間である。端子孔382は、第3端子収容空間381とケース300の外部とを繋ぐ孔であり、第3端子収容空間381に接地電線203を挿入するために用いられる。開口383は、第2解除部材860の操作突起870をケース300の外部に突出させる。開口383は、端子孔382よりも第1面301側に位置する。
第3端子保持部380の端子孔382からケース300の内部(第3端子収容空間381)に電線の先端部が挿入されると、この電線の先端部に鎖錠片840の先端が食い込み、電線が抜け止めされた状態となる。この状態で、電線の先端部は第2端子板810と押圧片850とに挟まれ、押圧片850の弾性力によって電線の先端部が第2端子板810に押し付けられる。そのため、電線と第2端子板810とが電気的に接続される。
第2鎖錠ばね820と第2端子板810との間に電線が挿入されている状態で、第2解除部材860が保持位置から解除位置まで回動されると、第2解除部材860の作用突起862で鎖錠片840が第2端子板810から離れる向きに押される。鎖錠片840が第2端子板810から離れる向きに押されると、鎖錠片840の先端が電線から離れるので、電線の抜け止め状態が解除され、速結端子800から電線の取り外しが可能になる。一方、操作突起870を操作する力がなくなると、復帰ばね880及び鎖錠片840の弾性力によって作用突起862が押され、第2解除部材860が解除位置から保持位置に戻る。
第4端子保持部340は、図5Bに示すように、ケース300において第4端子t4を保持する部分である。第4端子保持部340は、図3Aに示すように、第2方向(図3Aにおける左右方向)において、一対の第2端子保持部370の中間に位置する。また、第4端子保持部340は、第1方向及び第2方向に直交する方向(第3方向、図3Aにおける上下方向)において、第3端子保持部380に対して2つの第2端子保持部370とは反対側に位置する。このように、第4端子保持部340は、第3方向において、第3端子保持部380と並ぶ。そのため、分岐開閉器3の回路の対称性の向上を図ることができる。したがって、分岐開閉器3の遮断及び絶縁性能がより安定する。
第4端子保持部340は、図5A、図5B及び図7に示すように、第4端子収容空間341と、一対のスリット342と、を有する。言い換えれば、第4端子保持部340は、ケース300において第4端子収容空間341、及び一対のスリット342が形成された部位である。
第4端子収容空間341は、第4端子t4を第3方向に移動可能に収容する。また、第4端子収容空間341は、第3端子板510が内側ケース310の外部に臨むように、第4端子t4を収容する。第4端子収容空間341は、図3Dに示すように、ケース300の第2面302における、第1方向(図3Dの左右方向)の一端側(図3Dの右端側)に位置する。また、第4端子収容空間341は、図5Bに示すように、第3端子収容空間381と繋がっている。そのため、接続回路32は、第3端子収容空間381と第4端子収容空間341とにまたがって収容され、第3端子t3と第4端子t4とを電気的に接続する。接続回路32は、可撓性を有する編組線などの電線である。一対のスリット342は、図8に示すように、第3方向に延びる。第4端子t4の一対の突起520dは、それぞれ一対のスリット342に挿入される。これによって、第4端子t4の移動方向が第3方向に制限される。ここで、第4端子保持部340には、図5A及び図7に示すように、一対の復帰ばね540が取り付けられる。一対の復帰ばね540は、第4端子t4を収納位置に保持するために用いられる。一対の復帰ばね540は、第4端子t4が突出位置から収納位置に移動するように、一対の突起510dで第4端子t4を付勢する。
表示保持部390は、図5Bに示すように、ケース300において表示部610を保持する部分である。表示保持部390は、収容部391(図5B及び図9参照)と、挿通規制部392(図3C及び図10参照)と、一対の当接部393(図8参照)と、一対の回転規制部394a,394b(図3C参照)と、を有する。言い換えれば、表示保持部390は、ケース300(内側ケース310)において、収容部391、挿通規制部392、一対の当接部393、及び一対の回転規制部394a,394bが形成された部位である。
収容部391は、図3C、図5B及び図9に示すように、ケース300の第3方向に沿って延びる円形状の孔である。収容部391は、表示部610を所定の回転軸の周りに回動可能な大きさに形成される。つまり、表示部610は、所定の回転軸の周りに回動可能にケース300に保持される。所定の回転軸は、表示部610の中心軸である。収容部391は、表示部610の軸部611を収容する第1孔部391aと、第2孔部391bと、第3孔部391cと、を備える。第2孔部391bは第1孔部391aの一端(図3B及び図7の上端)に形成され、第3孔部391cは第1孔部391aの他端(図3B及び図7の下端)に形成される。第2孔部391bは、第1孔部391aより内径が大きく、表示部610の頭部612を収容可能な大きさに形成される。ただし、第2孔部391bの内径は、人の指が入らないような大きさである。第3孔部391cは、第1孔部391aより内径が大きく、表示部610の押圧部613を収容可能な大きさに形成される。第2孔部391bはケース300の第1面301に開口し、第3孔部391cは第4端子収容空間341と繋がっている。
挿通規制部392は、図5B及び図9に示すように、収容部391の第2孔部391bに形成される。挿通規制部392は、表示部610が第1の向き(図3C参照)と第2の向き(図10参照)とのいずれかの場合だけ、表示部610の頭部612を通すように収容部391の一端側の開口(第2孔部391bの開口)の形状を規定する。第1の向きは、図3Cに示すように、第2突起612cがケース300の第1方向の一方(図3Cにおける右方)を向いている向きである。第2の向きは、図10に示すように、第2突起612cがケース300の第2方向の一方(図10における上方)を向いている向きである。
一対の当接部393は、図8に示すように、収容部391の第3孔部391cに形成される。一対の当接部393は、第3孔部391c内においてケース300の第2方向における収容部391の第1孔部391aの両側に位置する。一対の当接部393の各々は、押圧部613の第1ストッパ613bと第2ストッパ613cとのいずれかが嵌る凹部393aを有する。
表示部610が第1の向きである場合、一対の第1ストッパ613bがケース300の第2方向に並ぶ。そのため、一対の第1ストッパ613bを一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌合させることができる(図5B参照)。ここで、一対の第1ストッパ613bの高さは、一対の第1ストッパ613bが一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌った状態では、図5Bに示すように、表示部610の全体がケース300の内側に位置するように、設定されている。
一方、表示部610が第2の向きである場合、一対の第2ストッパ613cがケース300の第2方向に並ぶ。そのため、一対の第2ストッパ613cを一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌合させることができる(図9参照)。ここで、一対の第2ストッパ613cの高さは、一対の第1ストッパ613bより背が低い。そのため、一対の第2ストッパ613cが一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌った状態では、図9に示すように、表示部610の頭部612がケース300の第1面301から突出している。
一対の回転規制部394a,394bは、表示部610の回転方向を制限する。一対の回転規制部394a,394bは、表示部610の第2の向きから第1の向きへの回転方向を表示部610の軸周りの一方向である接続方向(図3C及び図10における反時計回り方向)に制限する。また、一対の回転規制部394a,394bは、表示部610の第1の向きから第2の向きへの回転方向を接続方向とは反対の解除方向(図3C及び図10における時計回り方向)に制限する。一対の回転規制部394a,394bは、表示部610を第1の向きから接続方向に回転させようとした場合に、第1突起612b及び第2突起612cにそれぞれ当接するように形成される。また、一対の回転規制部394a,394bは、表示部610を第2の向きから解除方向に回転させようとした場合に、第1突起612b及び第2突起612cにそれぞれ当接するように形成される。このようにして、一対の回転規制部394a,394bは、表示部610の回転範囲を制限する。
表示部610は、図5B及び図9に示すように、頭部612がケース300の第1面301に露出し、押圧部613が第4端子t4(ホルダ520の底板部520aの後面)に当接するように、収容部391に収容される。
表示部610の第1位置は、押圧部613の一対の第1ストッパ613bが一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌っている位置である。第1位置では、図3C及び図5Bに示すように、表示部610が第1の向きであり、かつ、表示部610の全体がケース300の内側に位置している。そのため、表示部610の頭部612は、ケース300の第1面301から突出していない。このように、一対の第1ストッパ613bと一対の当接部393とによって、表示部610を第1位置に位置決めする位置決め構造(第1位置決め構造)が構成される。第1位置決め構造は、表示部610の回転軸を通る面に対して面対称である。この第1位置決め構造では、表示部610が、その回転軸に直交する方向の両側においてケース300に支持される。そのため、表示部610が安定してケース300に支持される。
表示部610の第2位置は、押圧部613の一対の第2ストッパ613cが一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌っている位置である。第2位置では、図9及び図10に示すように、表示部610が第2の向きであり、かつ、表示部610の頭部612がケース300の第1面301から突出している。このように、一対の第2ストッパ613cと一対の当接部393とによって、表示部610を第2位置に位置決めする位置決め構造(第2位置決め構造)が構成される。第2位置決め構造は、表示部610の回転軸を通る面に対して面対称である。この第2位置決め構造では、表示部610が、その回転軸に直交する方向の両側においてケース300に支持される。そのため、表示部610が安定してケース300に支持される。
ここで、第1位置は、第2位置から表示部610を少なくとも所定の回転軸の周りに90度回転させた位置である。そのため、表示部610をケース300に対して第1位置に位置決めする構造(第1位置決め構造)及び第2位置に位置決めする構造(第2位置決め構造)の両方を、互いに干渉することなく表示部610の回転軸を通る面に対して面対称な構造にすることができる。これにより、表示部610が第1位置及び第2位置のいずれにおいても安定してケース300に支持される。
第1ストッパ613bは第2ストッパ613cより背が高いため、第1位置は、表示部610が第2位置よりもケース300の第2面302側に移動した位置となる。また、第1位置は、第2位置から表示部610を少なくとも所定の回転軸の周りに90度回転させた位置である。そのため、表示部610を第1位置と第2位置との間で移動させることで、第4端子t4を突出位置と収納位置との間で移動させることができる。
ここで、表示部610が第1位置にある場合(この表示態様を「第1表示態様」という)、表示部610が第1の向きである(図3C参照)。また、表示部610が第2位置にある場合(この表示態様を「第2表示態様」という)、表示部610が第2の向きである(図10参照)。そのため、表示部610の溝612dの長手方向が、第1位置と第2位置とで90度異なる。そのため、表示部610の頭部612により、第4端子t4が取付部材4に接触している第1状態(オン状態)と第4端子t4が取付部材4に接触していない第2状態(オフ状態)とを判別できる。
表示部610を第1位置から第2位置に移動させるには、まず、表示部610の頭部612を押圧して、表示部610を、頭部612が挿通規制部392よりケース300の内側に位置する規定位置まで、移動させる。この状態で、表示部610を解除方向に90度回転させて第1の向きから第2の向きとする。この後に、頭部612の押圧を終了すると、表示部610は第4端子t4によりケース300の第1面301側に押される。これにより、頭部612の一部が挿通規制部392を通ってケース300の外部に突出し、また、押圧部613の一対の第2ストッパ613cが一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌る。その結果、表示部610が第2位置に位置する。
一方、表示部610を第2位置から第1位置に移動させるには、まず、表示部610の頭部612を押圧して挿通規制部392よりケース300の内側に移動させる。この状態で、表示部610を接続方向に回転させて第2の向きから第1の向きとする。この後に、頭部612の押圧を終了すると、表示部610は第4端子t4によりケース300の第1面301側に押される。これにより、頭部612の一部が挿通規制部392を通ってケース300の外部に突出し、また、押圧部613の一対の第1ストッパ613bが一対の当接部393の凹部393aにそれぞれ嵌る。その結果、表示部610が第1位置に位置する。
ケース300は、図3Aに示すように、一対の排気口303を有する。一対の排気口303は、ケース300において一対の接点部31が収容される空間304と繋がっている。一対の排気口303は、第2方向において、第3端子保持部380の両側に位置する。そのため、一対の接点部31で発生したガスが一対の排気口303から別々に排出されやすくなる。したがって、一対の接点部31で発生したガスが混ざってしまうことを抑制できる。
また、ケース300は、図3Dに示すように、第4端子t4を外部に露出させる開口324を有する。ケース300には、開口324を開閉するカバー325が第1方向に沿ってスライド可能に取り付けられる。なお、カバー325は必須ではない。
ケース300は、図6に示すように、内側ケース310と、内側ケース310を保持する外側ケース320と、を備える。
内側ケース310は、第3端子t3と、第4端子t4と、表示部610と、を保持するケースである。内側ケース310は、図6及び図8に示すように、第1半体311及び第2半体312を有する。第1半体311及び第2半体312は合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。つまり、内側ケース310は、電気絶縁性を有している。第1半体311及び第2半体312は、第2方向において互いに結合される。
第1半体311は、図6に示すように、第3端子t3を保持するための第3端子保持部分311aと、第4端子t4を保持するための第4端子保持部分311bと、表示部610を保持するための表示保持部分311cと、を有する。さらに、第1半体311は、図8に示すように、第2端子t2を保持するための第2端子保持部分311dと、排気口303を形成するための排気通路部311eと、を有する。また、第1半体311は、一対の接点部31間に配置される隔壁311fを有する。
第2半体312は、図6に示すように、第3端子t3を保持するための第3端子保持部分312aと、第4端子t4を保持するための第4端子保持部分312bと、表示部610を保持するための表示保持部分312cと、を有する。さらに、第2半体312は、第2端子t2を保持するための第2端子保持部分312dと、排気口303を形成するための排気通路部312eと、を有する。
第1半体311及び第2半体312が結合されることにより、図7に示すように、第3端子保持部分311a,312aが第3端子保持部380を形成する。また、第4端子保持部分311b,312bが第4端子保持部340を形成し、表示保持部分311c,312cが表示保持部390を形成する。このように、内側ケース310は、第3端子保持部380、第4端子保持部340、及び表示保持部390を有する。第3端子t3と、第4端子t4と、表示部610とが内側ケース310に取り付けられることで、図7に示すアースブロック900が得られる。
外側ケース320は、第2方向における内側ケース310の両側をそれぞれ覆う第1部位321及び第2部位322を有する。第1部位321及び第2部位322は、ケース300を第2方向に直交する面で2分割して得られるような形状である。また、外側ケース320は、内側ケース310とともに、ケース300の空間304を第1部位321側の第1空間と第2部位322側の第2空間とに仕切る第3部位323を有する。第1空間は、一対の接点部31の一方を収容する空間であり、第2空間は、一対の接点部31の他方を収容する空間である。
第1部位321、第2部位322、及び、第3部位323は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。つまり、外側ケース320は、電気絶縁性を有している。
第1部位321は、第2端子t2を保持するための第2端子保持部分321aと、排気口303を形成するための排気孔321bと、を有する。第1部位321は、第1半体311の第2半体312とは反対側の面を覆うように第1半体311に結合され、第2端子保持部分311d,321aが第2端子保持部370を形成し、排気通路部311eと排気孔321bが排気口303を形成する。この排気口303は第1空間に繋がる。したがって、第1空間内の接点部31の周囲で発生したガスは、この排気口303を介してケース300の外部に排出される。
第2部位322は、第2端子t2を保持するための第2端子保持部分322aと、排気口303を形成するための排気孔322bと、を有する。第2部位322は、第2半体312の第1半体311とは反対側の面を覆うように第2半体312に結合され、第2端子保持部分312d,322aが第2端子保持部370を形成し、排気通路部312eと排気孔322bが排気口303を形成する。この排気口303は第2空間に繋がる。したがって、第2空間内の接点部31の周囲で発生したガスは、この排気口303を介してケース300の外部に排出される。
このように、第1部位321は、内側ケース310において第1部位321と対向する部位(第2端子保持部分311d)とともに、第2端子保持部370の一方を構成する。第2部位322は、内側ケース310において第2部位322と対向する部位(第2端子保持部分312d)とともに、第2端子保持部370の一方を構成する。
このように、ケース300では、内側ケース310が2つの第2端子t2の間に位置し、かつ、第3端子t3及び第4端子t4を保持する。そのため、2つの第2端子t2間の絶縁距離を確保しながらも、分岐開閉器3の回路の対称性の向上を図ることができる。よって、分岐開閉器3の遮断及び絶縁性能がより安定する。
次に、作業者が開閉器(分岐開閉器3)を取付部材4に取り付ける際の作業工程について説明する。初期状態では、表示部610は第2位置にあるとする。
作業者は、分岐開閉器3の第2面302を取付部材4に向け、スリット350に導電バー5を差し込むようにして、分岐開閉器3を取付部材4に取り付ける。このようにして分岐開閉器3が取付部材4に取り付けられると、分岐開閉器3が取付部材4に機械的に保持される。分岐開閉器3が取付部材4に取り付けられた状態では、刃受け部材360が対応する導電バー5に電気的に接続されている。この状態では、表示部610は第2位置にあり、接触端子500は接続対象部材(取付部材4)に接触していない第2状態(オフ状態)にある。
次に、作業者は、第4端子t4(接触端子500)と接続対象部材(取付部材4)とを電気的に接続する。つまり、作業者は、分岐開閉器3が取付部材4に取り付けられた状態で、工具を用いて操作部(表示部610)を操作する。このとき、第4端子t4(接触端子500)と接続対象部材(取付部材4)との関係は、接触端子500が取付部材4に接触していない第2状態にあるため、作業者は、第2状態から第1状態へ切り替える接続操作を行う。具体的には、作業者は、表示部610の溝612dに工具の先端部を挿入し、頭部612を挿通規制部392よりケース300の内側に押し込む。この後に、作業者は、工具を用いて表示部610を接続方向(図10における時計回り方向)に約90度回転させる。これによって、表示部610は第2位置から第1位置に移動し、接触端子500が移動して取付部材4に接触する。これにより、第4端子t4である接触端子500が、接続対象部材である取付部材4に電気的に接続された状態(第1状態)となり、第4端子t4と接続対象部材との電気的な接続作業が完了する。
このようにして分岐開閉器3が取付部材4に取り付けられ、第4端子t4が取付部材4に電気的に接続された状態では、第3端子t3が接続回路32と第4端子t4とを介して取付部材4に電気的に接続される。
分岐開閉器3では、取付部材4に電気的に接続される第4端子t4がケース300の第2面302に設けられているから、分岐開閉器3が取付部材4に取り付けられた状態では、作業者は、第4端子t4が取付部材4に接続されているか否かを直接目視できない。ただし、第4端子t4が取付部材4に電気的に接続されていない第2状態(オフ状態)では、表示部610の溝612dの長手方向がケース300の第1方向(本実施形態では長手方向)と平行になる(図10参照)。一方、第4端子t4が取付部材4に電気的に接続されている第1状態(オン状態)では、表示部610の溝612dの長手方向がケース300の第1方向と直交する(図3C参照)。したがって、作業者は、表示部610の溝612dの向きによって、第4端子t4が取付部材4に電気的に接続されているか否かを、目視で容易に把握できる。
この後に、作業者は、分岐開閉器3及び取付部材4を含む内器ブロックをキャビネット10に取り付け、接地線205を介して、取付部材4をキャビネット10の接地端子11に電気的に接続する。これにより、分岐開閉器3の第3端子t3(速結端子800)は、取付部材4を介して接地端子11に電気的に接続されることになる。そのため、分岐開閉器3の速結端子800に、負荷110の接地電線203が接続されると、接地電線203が取付部材4を介して接地端子11に電気的に接続されて、接地電線203が接地される。分岐開閉器3では、接地電線203が接続される第3端子t3を速結端子800で構成しているので、接地電線203を接続する作業を簡単にできる。
作業者は、第4端子t4(接触端子500)と接続対象部材(取付部材4)との電気的な接続を解除する際も、工具を用いて操作部(表示部610)を操作してもよい。接触端子500が取付部材4に接触している第1状態から、接触端子500が取付部材4に接触していない第2状態への切り替えに際しては、作業者は、解除操作を行う。具体的には、作業者は、表示部610の溝612dに工具の先端部を挿入し、頭部612を挿通規制部392よりケース300の内側に押し込む。この後に、作業者は、工具を用いて表示部610を解除方向(図3Cにおける反時計回り方向)に約90度回転させる。これによって、表示部610は第1位置から第2位置に移動し、接触端子500が移動して取付部材4から離れる。これにより、第4端子t4である接触端子500が、接続対象部材である取付部材4に電気的に接続されていない第2状態(オフ状態)となり、第4端子t4と接続対象部材との電気的な接続が解除される。
以上述べた分岐開閉器3では、ケース300は、第1方向(図3Bの左右方向)の第2端部(図3Bの右端部)に、2つの第2端子保持部370と、第3端子保持部380と、を備える。2つの第2端子保持部370は、図3Aに示すように、ケース300の第1方向(図3Aの紙面に直交する方向)に直交する第2方向(図3Aの左右方向)において並ぶ。第3端子保持部380は、第2方向(図3Aにおける左右方向)において、一対の第2端子保持部370の中間に位置する。そのため、分岐開閉器3の回路(特に、電源100と負荷との間の電力供給路を構成する回路)をケース300内に、第2方向に直交し、かつ、2つの第2端子保持部370間の中点を通る面に対して面対称に配置できる。これにより、分岐開閉器3の回路の対称性の向上を図ることができる。したがって、分岐開閉器3は、安定した遮断及び絶縁性能を実現できる。
2.変形例
本発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されない。上記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
上記実施形態において、分岐開閉器3の各部品の形状や寸法は、本発明の目的を達成できる範囲で変更してもよい。例えば、ケース300の第1方向、第2方向、及び第3方向の寸法の関係は特に限定されない。例えば、第2方向の寸法が第3方向の寸法より大きくてもよい。また、ケース300は、必ずしも直方体状である必要はない。
また、第3端子保持部380は、2つの第2端子保持部370と第2方向において並ぶように、2つの第2端子保持部370の中間に位置していてもよい。ただし、第3端子保持部380が2つの第2端子保持部370と第2方向において並ばないようにすることで、ケース300の第2方向の寸法を小さくでき、小型化を図ることができる。
また、第1端子t1、第2端子t2、及び接点部31の数についても、とくに2つには限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、第3端子t3、第4端子t4、及び接続回路32の数についても、とくに1つには限定されず、2以上であってもよい。ここで、第3端子t3を複数設ける場合、第3端子保持部380は、第3方向に沿って複数並べられることが好ましい。
また、上記実施形態では、第2解除部材860が、2つの第1解除部材760と材料の色が異なっている。しかしながら、第2解除部材860は、一対の第1解除部材760の一方と材料の色が同じでもよい。つまり、一対の第1解除部材760及び第2解除部材860のうちの一つは、他と材料の色が異なっていればよい。この場合、一対の第1解除部材760及び第2解除部材860のうちの一つを他よりも目立たせることができ、誤操作を抑制できる。また、材料の色自体が異なっているから、着色作業が必要なくなるから製造コストの低減が期待できる。
また、第1解除部材760は、操作突起770の押圧に応じて、直線的に移動して、作用突起762で第1鎖錠ばね720の一部を押圧するように構成されていてもよい。この点は、第2解除部材860においても同様である。
また、上記実施形態では、2つの第1端子t1は、図3Bにおける上側のスリット350と下側のスリット350とに配置されているが、この構成に限定されない。2つの第1端子t1は、3つのスリット350のうちの2つに配置されていればよく、特に限定されない。なお、2つの第1端子t1が3つのスリット350のうちのどの2つに配置されるかは、分岐開閉器3から負荷110に供給する電圧によって決定される。また、第1端子t1は、ねじ端子や、速結端子であってもよい。
また、上記実施形態では第2端子t2は速結端子700であって、第3端子t3は速結端子800であるが、これに限定されない。第2端子t2はねじ端子であってもよいし、第3端子t3も同様にねじ端子であってもよい。なお、第2端子保持部370及び第3端子保持部380は、第2端子t2及び第3端子t3の形状に応じて適宜変更される。
また、第4端子t4は、必ずしも一対の接点510bを有していなくてもよい。第4端子t4は、接続対象(上記実施形態では取付部材4)に適した形状であればよい。第4端子t4の接続対象は、取付部材4でなくてもよく、例えば、電線等であってもよい。この場合、第4端子t4は、ねじ端子や、速結端子であってもよい。また、第4端子t4は、刃受けばねのような形状であってもよい。また、第4端子t4は、第4端子t4の全体が移動する必要はなく、第4端子t4の一部が移動してもよい。例えば、第4端子t4が変形することにより、第4端子t4における接続対象部材との接触部位が部分的に移動するようにしてもよい。また、第4端子t4は、ケース300に対して移動可能でなくてもよく、ケース300に固定されていてもよい。
また、標識部890は、アースを示す記号に限定されず、例えば、アースを示す文字等であってもよい。要するに、標識部890は、第3端子t3の種類(上記実施形態ではアース)を示す機能を有していればよい。また、標識部890は、第3端子t3の第2解除部材860に設けられていなくてもよく、第3端子t3の別の部位に設けられていてもよい。また、標識部890は、第3端子t3ではなく第3端子保持部380に設けられていてもよい。要するに、標識部890は、第3端子t3又は第3端子保持部380に設けられていればよい。
また、接続回路32は、編組線に限定されず、金属板やその他の導線であってもよい。要するに、接続回路32は、抵抗値が接地工事の種類ごとに定められた接地抵抗値に適合していればよい。
上記実施形態では、表示部610は、第2位置において、表示部610の一部(頭部612)がケース300の第1面301から突出する。また、表示部610は、第1位置において、表示部610の全体がケース300の内側に位置する。しかしながら、表示部610はこの構成に限定されない。表示部610は、第1位置において、表示部610の一部がケース300の第1面301から突出し、第2位置において、表示部610の全体がケース300の内側に引っ込むように構成されてもよい。また、表示部610が第1位置及び第2位置のいずれにあるかを作業者が判別可能であれば、第1位置及び第2位置の両方で表示部610の一部がケース300の第1面301から突出するように、表示部610が構成されてもよい。また、表示部610が第1位置及び第2位置のいずれにあるかを作業者が判別可能であれば、第1位置及び第2位置の両方で表示部610の全体がケース300の内側に引っ込むように、表示部610が構成されてもよい。
また、第1位置は、第2位置から表示部610を少なくとも所定の回転軸の周りに0超過90度以下回転させた位置であってもよい。第1位置と第2位置との間の表示部610の回転角度が0超過90度以下であれば、第1位置決め構造及び第2位置決め構造の両方を、互いに干渉することなく表示部610の回転軸を通る面に対して面対称な構造にすることができる。特に、上記実施形態では、第1位置と第2位置との間の表示部610の回転角度が90度となっている。そのため、一対の当接部393の各々では、凹部393aが、第1ストッパ613bが嵌る凹部及び第2ストッパ613cが嵌る凹部として機能している。
また、表示部610の目印は、溝612dでなくてもよい。例えば、目印は、プリント等により表示部610に形成された記号等であってもよい。ただし、目印が表示部610に形成された突起や溝などであれば、プリント等の作業が不要になり、製造コストの低下が図れる。
上記実施形態では、表示部610は、第1位置と第2位置との間で直進移動するようにケース300に保持されているが、第1位置と第2位置との間で移動可能なようにケース300に保持されていればよく、表示部610は適宜変更が可能である。また、上記実施形態では、表示部610が、第1位置と第2位置との間で移動可能に設けられた可動部材であるが、表示部610は可動部材に限定されない。表示部610は表示ランプで構成されてもよく、表示ランプの点灯、消灯でオン状態及びオフ状態を表示してもよい。また、表示部610は、第4端子t4を突出位置と収納位置との間で移動させる操作部として機能しなくてもよい。また、開閉器は、必ずしも表示部610を備えていなくてもよい。
また、接続対象部材は、接地用に限定されず、例えば、分岐開閉器3と分岐開閉器3の外部の回路(外部回路)とを電気的に接続するための部材であってもよい。この場合、接続対象部材は、外部回路と電気的に接続される。外部回路の具体例としては、分岐開閉器3に備えられた通信回路との間で通信する通信回路などがある。例えば、分岐開閉器3が電流、電圧、電力、温度などを測定する測定回路を備えている場合は、外部回路である通信回路が分岐開閉器3の通信回路と通信を行うことで、測定値を受信することができる。また、分岐開閉器3が漏電、過負荷などの異常や故障の有無を検知する機能を備えている場合には、外部回路である通信回路が分岐開閉器3の通信回路と通信を行うことで、異常や故障の有無を検知した結果を受信することができる。また、接続対象部材は、取付部材4に限らず、その他の導電性部材であってもよい。
上記実施形態の開閉器は、分岐開閉器として用いられるが、本発明に係る実施形態の開閉器は分岐開閉器に限定されない。本発明に係る実施形態の開閉器は、例えば、主幹開閉器、及び連系開閉器(連系ブレーカ)などであってもよい。連系開閉器として用いられる開閉器においては、分散電源が負荷となる。
また、本発明に係る実施形態の開閉器は、電流制限機能を備えた遮断器であってもよい。このような遮断器は、例えば、漏電遮断器(ELB:Earth Leakage circuit Breaker)や、配線用遮断器(MCB:Molded Case Circuit Breaker)である。また、本発明に係る実施形態の開閉器は、電流制限機能を備えていない負荷開閉器でもよいし、電流が流れていない状態(無負荷状態)で接点部31が開閉する断路器でもよい。
3.態様
上記内容から明らかなように、本発明に係る第1の態様の開閉器(3)は、2つの第1端子(t1)と、2つの第2端子(t2)と、2つの接点部(31)と、第3端子(t3)と、第4端子(t4)と、接続回路(32)と、ケース(300)と、を備える。前記2つの第1端子(t1)は、電源(100)が電気的に接続される。前記2つの第2端子(t2)は、負荷(110)からの2つの非接地電線(202)が接続される。前記2つの接点部(31)は、前記2つの第1端子(t1)と前記2つの第2端子(t2)との間にそれぞれ電気的に接続される。前記第3端子(t3)は、前記負荷(110)からの電線(203)が接続される。前記第4端子(t4)は、接続対象部材(4)に電気的に接続される。前記接続回路(32)は、前記第3端子(t3)と前記第4端子(t4)とを電気的に接続する。前記ケース(300)は、前記2つの第2端子(t2)をそれぞれ保持する2つの第2端子保持部(370)及び前記第3端子(t3)を保持する第3端子保持部(380)を有する。前記ケース(300)は、前記2つの接点部(31)及び前記接続回路(32)を収容する。前記2つの第2端子保持部(370)及び前記第3端子保持部(380)は、前記ケース(300)の第1方向の端部にある。前記2つの第2端子保持部(370)は、前記第1方向に直交する第2方向に並ぶ。前記第3端子保持部(380)は、前記第2方向において、前記2つの第2端子保持部(370)の中間にある。第1の態様によれば、安定した遮断及び絶縁性能を実現できる。
本発明に係る第2の態様の開閉器(3)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記ケース(300)は、前記2つの接点部(31)が収容される空間(304)と繋がる一対の排気口(303)を有する。前記一対の排気口(303)は、前記第2方向において、前記第3端子保持部(380)の両側に位置する。第2の態様によれば、2つの接点部(31)で発生したガスが2つの排気口(303)から別々に排出されやすくなる。そのため、2つの接点部(31)で発生したガスが混ざることを抑制できる。
本発明に係る第3の態様の開閉器(3)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様は、前記2つの接点部(31)を開閉するためのハンドル(330)を更に備える。前記ハンドル(330)は、前記ケース(300)における前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の第1面(301)に設けられる。前記第3端子保持部(380)は、前記2つの第2端子保持部(370)よりも、前記ケース(300)の前記第1面(301)とは反対側の第2面(302)側にある。第3の態様によれば、第3端子保持部(380)が一対の第2端子保持部(370)と第2方向において並ばないから、ケース(300)の第2方向の寸法を小さくして薄型化が図れる。
本発明に係る第4の態様の開閉器(3)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記第3端子保持部(380)は、前記第1方向において、前記2つの第2端子保持部(370)よりも前記ケース(300)の外方に突出している。第4の態様によれば、ケース(300)の第1面(301)側から第3端子保持部(380)を視認しやすくなり、第3端子(t3)に電線(203)を接続しやすくなる。
本発明に係る第5の態様の開閉器(3)は、第1〜第4の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記2つの第2端子(t2)は、それぞれ、前記2つの第2端子(t2)と前記2つの非接地電線(202)との接続を解除するための2つの第1解除部材(760)を有する。前記第3端子(t3)は、前記第3端子(t3)と前記電線(203)との接続を解除するための第2解除部材(860)を有する。前記2つの第1解除部材(760)及び前記第2解除部材(860)のうちの一つは、他と材料の色が異なる。第5の態様によれば、2つの第1解除部材(760)及び第2解除部材(860)のうちの一つを他よりも目立たせることができ、誤操作を抑制できる。また、材料の色自体が異なっているから、着色作業が必要なくなるから製造コストの低減が期待できる。
本発明に係る第6の態様の開閉器(3)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記第2解除部材(860)は、前記2つの第1解除部材(760)と材料の色が異なる。第6の態様によれば、第2解除部材(860)と第1解除部材(760)とを容易に区別することができ、第1解除部材760及び第2解除部材860の誤操作を抑制できる。
本発明に係る第7の態様の開閉器(3)は、第1〜第6の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第7の態様は、前記第3端子(t3)の種類を示す標識部(890)を更に備える。前記標識部(890)は、前記第3端子(t3)又は前記第3端子保持部(380)に設けられる。第7の態様によれば、第3端子(t3)の種類を容易に判別できる。
本発明に係る第8の態様の開閉器(3)は、第1〜第7の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前記ケース(300)は、前記第4端子(t4)を保持する第4端子保持部(340)を有する。前記第4端子保持部(340)は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向において、前記第3端子保持部(380)と並ぶ。第8の態様によれば、分岐開閉器(3)の回路の対称性の向上を図ることができ、分岐開閉器(3)の遮断及び絶縁性能がより安定する。
本発明に係る第9の態様の開閉器(3)は、第8の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前記ケース(300)は、電気絶縁性を有する内側ケース(310)と、電気絶縁性を有する外側ケース(320)と、を含む。前記内側ケース(310)は、前記第3端子保持部(380)及び前記第4端子保持部(340)を構成する。前記外側ケース(320)は、前記第2方向における前記内側ケース(310)の両側をそれぞれ覆う第1部位(321)及び第2部位(322)を有する。前記2つの第2端子保持部(370)の一方は、前記第1部位(321)と、前記内側ケース(310)における前記第1部位(321)と対向する部位(311)とで構成される。前記2つの第2端子保持部(370)の他方は、前記第2部位(322)と、前記内側ケース(310)における前記第2部位(322)と対向する部位(312)とで構成される。第9の態様によれば、内側ケース(310)が2つの第2端子(t2)の間に位置し、かつ、第3端子(t3)及び第4端子(t4)を保持する。そのため、2つの第2端子(t2)間の絶縁距離を確保しながらも、分岐開閉器(3)の回路の対称性の向上を図ることができる。よって、分岐開閉器(3)の遮断及び絶縁性能がより安定する。
本発明に係る第10の態様の分電盤(1)は、第1〜第9の態様のいずれか一つの開閉器(3)と、前記開閉器(3)を収容するキャビネット(10)と、を備える。第10の態様によれば、安定した遮断及び絶縁性能を実現できる。