JP6709694B2 - ブッシュ着脱装置 - Google Patents
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Description
なお、従来、飲料抽出装置における撹拌羽根の回転軸を支承するブッシュの取外しと取付けを同一のツールで行えるようにした発明が提案されている(特許文献1参照)。
本発明の他の目的は、ブッシュが設けられている部位に精度よくセッティングすることができ、それによって着脱作業時に、軸と交差する方向の力が作用してブッシュと嵌合穴との間にカジリが発生するのを防止することができるブッシュ着脱装置を提供することにある。
互いに平行な一対のプレート間に軸を回転可能に支承するために設けられているブッシュの圧入もしくは抜き取るのに使用するブッシュ着脱装置であって、
一方の端部に工具と係合可能なヘッド部を有するとともに、中間部に雄ネジ部を、他方の端部に回転支承部を有し、前記一対のプレートの間隔よりも長く形成された作動軸と、
前記一対のプレートのうち一方のプレートの外側面に接触可能な脚部を有し、前記作動軸を挿入可能な挿入穴が形成されている第1ブラケットと、
前記一対のプレートのうち他方のプレートの外側面に接触可能な脚部を有し、前記作動軸の前記回転支承部を挿入可能な挿入穴が形成されている第2ブラケットと、
前記作動軸の前記雄ネジ部に螺合可能にナットと、
前記ナットに係合されて前記作動軸が回転された際に前記ナットが連れ回りしないようにするナット回転防止手段と、
前記作動軸の外周に嵌合可能であって、前記ブッシュの内径とほぼ同じ外径を有し前記ブッシュの内部に挿入可能なガイドリングと、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間に横架され一方の端部に雄ネジがそれぞれ形成された一対のロッドと、
前記一対のロッドの前記雄ネジに螺合可能な一対の雌ネジ部と、
を備え、
前記一対のロッドの前記雄ネジに前記一対の雌ネジ部がそれぞれ螺合されることで、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットは、前記脚部が前記プレートの側面に接触した状態で前記一対のプレートに保持され、
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットには、前記脚部が前記プレートの側面に接触した状態で、当該プレートの側面との間に前記ナットが介在可能な空間を形成する凹部が設けられているように構成した。
また、ガイドリングをブッシュの内部に挿入させた状態にセッティングしてから、ブッシュの抜き取りまたは圧入を行なうことで、作動軸の取付け精度を高めることができるため、ブッシュを軸方向へ正確に移動させる力を作用させることができ、これによって軸と交差する方向の力が作用してブッシュと嵌合穴との間にカジリが発生するのを防止することができる。
かかる構成によれば、作業内容に応じて治具を選択することで、ブッシュの圧入もブッシュの抜き取りも、ひとつの装置で行うことができる。また、ブッシュの抜き取りと圧入を連続して行う交換作業においては、第1ブラケットと第2ブラケットをプレート(フランジ部)に装着したまま、ナットの螺合位置と治具を変えることで行うことができる。
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットには、前記一対のプレートの外側面に接触可能な一対の脚部が設けられ、該一対の脚部間に形成される凹部に前記第1治具が配置されて前記ナットと係合されることで前記ナットの連れ回りを防止し、
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットには、前記ロッドを挿通可能な挿通孔がそれぞれ形成され、
前記第2治具は、前記前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットに形成されている前記挿通孔に挿通された前記ロッドに当接可能な当接部を備え、該当接部が前記ロッドに当接することで前記ナットの連れ回りを防止するように構成する。
かかる構成によれば、ブッシュの圧入作業時とブッシュの抜き取り作業時に、作動軸を回転させてナットを移動させる際に、それぞれ形態の異なる治具の連れ回りを適切に防止することができる。
前記第1ブラケットまたは前記第2ブラケットには、前記ロッドの端部の前記雄ネジが螺合可能な前記雌ネジ部を有するとともに任意の方向へ移動および傾動が可能に構成された調整部材が取り付けられているように構成する。
かかる構成によれば、プレート(フランジ部)に設けられている穴を利用して、作動軸と平行に配設されるロッドを、第1ブラケットと第2ブラケットをプレート(フランジ部)に装着する結合手段として機能させることができるとともに、プレート(フランジ部)に設けられている穴の位置に個体差があったとしても、調整部材によって容易かつ確実に装置を装着することができる。
図1は本実施形態のブッシュ着脱装置の構成部品を示す分解平面図、図2は組み立てた状態を示す平面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態のブッシュ着脱装置10は、両端部に一対の脚部11aを備える取付け側ブラケット11と、該取付け側ブラケット11とほぼ同一形状をなし同様に一対の脚部12aを備える受け側ブラケット12と、外周に雄ネジ部13aが形成された作動軸13と、該作動軸13の雄ネジ部13aに螺合される矩形状の作動ナット14を備える。
さらに、ブッシュ着脱装置10を構成する部品ではないが、図2に示すように、作業対象物に装置を組み付けた際に併用され、ブッシュを保持する平行なプレート部材(51a,51b)の撓みを防止して間隔を保持するスペーサとしての間隔保持部材20を備える。
図3(A)に示すように、抜取り用アタッチメント18Aには、前後方向に貫通する作動ナット14との係合部18aが形成されているとともに、一方の面に係合部18aに沿って作動ナット14の左右両外縁部に係合する凹部18cが形成されている。また、図3(B)に示すように、他方の面に着脱対象のブッシュの端部と係合する円形状の凹部18eが形成されている。さらに、抜取り用アタッチメント18Aは、上記作動軸13の雄ネジ部13aに螺合されている上記作動ナット14に係合された際に、両側部が上記ガイドロッド17A,17Bに接触しない大きさに形成されている。
また、上記受け側ブラケット12の脚部12aと反対側の面には、一対の収納凹部12eが形成され、この収納凹部12e内には、上記ガイドロッド17Aまたは17Bの端部の雄ネジ部17aと17bが螺合可能なネジ穴21bが形成され任意の方向に微傾動および微移動可能に遊嵌された調整ピース21が収納されている。
図5(A)に示すように、収納凹部12eの底部にはピン22が植設されているとともに、調整ピース21には該ピン22が挿通されるピンの径よりも大きな径を有する挿通孔21aおよび上記ガイドロッド17A(17B)の端部の雄ネジ部17a(17b)が螺合可能な雌ネジ部21bが形成されており、挿通孔21aがピン22に遊嵌状態で係合されることで、調整ピース21が移動および傾動が可能な状態で収納凹部12e内に収納されている。また、ピン22の上端には、調整ピース21の抜け止めを行うヘッド部22aが設けられている。
ギアユニットは、鉄道車両の車軸に取り付けられており、伝導モータの回転力を伝達するもので、大歯車と小歯車を内蔵しており、一端が台車に結合された吊リンクと呼ばれるアームによって吊り下げられる。
図11には示されていないが、フランジ部51a,51b内に連結ピン53の両端を支承するブッシュが設けられている。また、フランジ部51a,51bには、ブッシュの外側を覆うカバープレートが装着するための一対の貫通孔が形成されている。本実施形態のブッシュ着脱装置10を構成する取付け側ブラケット11および受け側ブラケット12の貫通孔(11d),12dは、フランジ部51a,51bの貫通孔に対向可能に形成されている。
ブッシュの交換に際しては、図6(A)に示すように、先ず、取付け側ブラケット11の脚部11aをギアユニット50のフランジ部51a(または51b)の外側面に、中央の挿入穴11cがブッシュ40A(または40B)と対向するようにして接触させる。また、2本のガイドロッド17A,17Bを、取付け側ブラケット11の貫通孔(11d)と前述したフランジ部51a,51bに設けられているブッシュの外側を覆うカバープレートを装着するための貫通孔に挿通させる。
その後、他方のフランジ部51b(または51a)の外側面に、受け側ブラケット12の脚部12aを接合させて、作動軸13の先端の小径部13cを受け側ブラケット12の中央のスリーブ19に挿入させるとともに、ガイドロッド17A,17Bの先端の雄ネジ部17a,17bを、調整ピース21の雌ネジ部21bに軽く螺合させる。
ブッシュ40Aを抜き取るには、ブッシュ着脱装置10をフランジ部へ組み付ける際に、予め作動ナット14をブッシュ40Aと取付け側ブラケット11との隙間に挿入した状態で、取付け側ブラケット11に作動軸13を挿入して作動ナット14を螺合させながら移動させて前述したセッティングを行なっておく。
ブッシュ40Aを圧入するには、ブッシュ着脱装置10をフランジ部へ組み付ける際に、予め取付け側ブラケット11に作動軸13を挿入してガイドリング16A−作動ナット14−ガイドリング16Bの順に嵌合させてから、ガイドロッド17A,17Bによって受け側ブラケット12を軽く結合する。
ブッシュ40Bのフランジ部51bからの取り外し作業は、作動ナット14と抜取り用アタッチメント18Aを、ブッシュ40Aと取付け側ブラケット11との間ではなく、ブッシュ40Bと受け側ブラケット12との間に位置させる点と、作動軸13を逆方向(時計回り方向)へ回転させる点を除き、図7に示すブッシュ40Aのフランジ部51aからの取り外し作業とほぼ同じである。
ブッシュ40Bのフランジ部51bへの圧入作業は、作動軸13を逆方向(反時計回り方向)へ回転させる点を除き、図8に示すブッシュ40Aのフランジ部51aへの圧入作業とほぼ同じである。
また、前記実施形態では、互いに形状の異なる抜取り用アタッチメント18Aと圧入用アタッチメント18Bとを設けているが、抜取り用アタッチメント18Aを共通の基本治具とし、抜取り用アタッチメント18Aと圧入用アタッチメント18Bの差分の形状を有する補助治具を基本治具にボルト等により結合したものを圧入用治具として用いるようにしても良い。
11 取付け側ブラケット
12 受け側ブラケット
13 作動軸
14 作動ナット
15 ホルダリング
16 ガイドリング
17A,17B ガイドロッド
18A 抜取り用アタッチメント(治具)
18B 圧入用アタッチメント(治具)
20 間隔保持部材
50 ギアユニット
51 ギアケース
Claims (4)
- 互いに平行な一対のプレート間に軸を回転可能に支承するために設けられているブッシュの圧入もしくは抜き取るのに使用するブッシュ着脱装置であって、
一方の端部に工具と係合可能なヘッド部を有するとともに、中間部に雄ネジ部を、他方の端部に回転支承部を有し、前記一対のプレートの間隔よりも長く形成された作動軸と、
前記一対のプレートのうち一方のプレートの外側面に接触可能な脚部を有し、前記作動軸を挿入可能な挿入穴が形成されている第1ブラケットと、
前記一対のプレートのうち他方のプレートの外側面に接触可能な脚部を有し、前記作動軸の前記回転支承部を挿入可能な挿入穴が形成されている第2ブラケットと、
前記作動軸の前記雄ネジ部に螺合可能にナットと、
前記ナットに係合されて前記作動軸が回転された際に前記ナットが連れ回りしないようにするナット回転防止手段と、
前記作動軸の外周に嵌合可能であって、前記ブッシュの内径とほぼ同じ外径を有し前記ブッシュの内部に挿入可能なガイドリングと、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間に横架され一方の端部に雄ネジがそれぞれ形成された一対のロッドと、
前記一対のロッドの前記雄ネジに螺合可能な一対の雌ネジ部と、
を備え、
前記一対のロッドの前記雄ネジに前記一対の雌ネジ部がそれぞれ螺合されることで、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットは、前記脚部が前記プレートの側面に接触した状態で前記一対のプレートに保持され、
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットには、前記脚部が前記プレートの側面に接触した状態で、当該プレートの側面との間に前記ナットが介在可能な空間を形成する凹部が設けられていることを特徴とするブッシュ着脱装置。 - 前記ナット回転防止手段は、前記作動軸が第1方向へ回転される際に前記ナットに係合して当該ナットが連れ回りしないようにする第1治具と、前記作動軸が第2方向へ回転される際に前記ナットに係合して当該ナットが連れ回りしないようにする第2治具と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のブッシュ着脱装置。
- 前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットには、前記一対のプレートの外側面に接触可能な一対の脚部が設けられ、該一対の脚部間に形成される凹部に前記第1治具が配置されて前記ナットと係合されることで前記ナットの連れ回りを防止し、
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットには、前記ロッドを挿通可能な挿通孔がそれぞれ形成され、
前記第2治具は、前記前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットに形成されている前記挿通孔に挿通された前記ロッドに当接可能な当接部を備え、該当接部が前記ロッドに当接することで前記ナットの連れ回りを防止することを特徴とする請求項2に記載のブッシュ着脱装置。 - 前記ロッドの前記雄ネジが形成されている端部と反対側の端部には、工具と係合可能なヘッド部が形成され、
前記第1ブラケットまたは前記第2ブラケットには、前記ロッドの端部の前記雄ネジに螺合可能な前記雌ネジ部を有するとともに任意の方向へ移動および傾動が可能に構成された調整部材が取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のブッシュ着脱装置。
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