JP6709338B2 - 漏電検出方法 - Google Patents
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Description
電流の大きさiの測定には、電流トランスが用いられる場合が多いが微小抵抗による電圧降下や他の磁界型電流センサを用いても構わない。位相角度の測定は、基準の電源の電圧波形と電流センサに依るiを同位相角度の電圧値に変換した波形を比較するなどにより求まる。
これらの漏電抵抗RR,RS,RTで生じた電流と、静電容量CR,CS,CTで生じた電流は、各相で合成されてR相ではIrとなり、S相ではIsとなり、T相ではItとなる。漏電は、異常状態のため配線中の何処で生じるかは予測できず、予め漏電位置に電流計を準備しておくことは不可能である。このため、Ir、Is、Itを測定することは困難で、測定可能なのは漏電状態を示したIr、Is、Itが合成されて接地線に流れる電流と位相角度からなる第二の電流ベクトルI∠θ2となる。ここで、Iは接地線に流れる電流の大きさであり、θ2は第一の電流ベクトルi∠θ1を測定した場合と同一の電源電圧を基準とした電流Iの位相角度である。
ここで、第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルは、同一電源の接地線電流を正常時と異常時のように違ったタイミングで測定した値である。
2つの電流ベクトルをガウス平面で示すと、
第一の電流ベクトルi∠θ1は、
i∠θ1=i・(cos(θ1)+j・sin(θ1))、
第二の電流ベクトルI∠θ2は、
I∠θ2=I・(cos(θ2)+j・sin(θ2))、
で表される。
上式のjは複素数の虚数を表している。
このため、正常状態からの漏電変化電流ベクトルである第三の電流ベクトルIor∠θ3は、
II=I・(cos(θ2)+j・sin(θ2))−i・(cos(θ1)+j・sin(θ1))…(1)式、
で表される。
Ior=abs(II) …(2)式 漏電電流大きさ、
θ3 =arg(II) …(3)式 漏電電流位相角度、
Rx =V/Ior …(4)式 漏電抵抗値、
ここでVは電源相と対地間の電圧値である。「II」はIが2個並んでいるが、第二の電流ベクトルのIとは違ったIIで一つの変数である。
(1)式では第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルを複素数で表現することにより漏電電流成分である第三の電流ベクトルIor∠θ3が複素数IIとして得られる。そして、漏電電流値Iorは(2)式の複素数絶対値関数absにより大きさであるスカラー値として求まる。
漏電の異常を判定するには、漏電抵抗を流れる電流の大きさIorを異常判定電流の基準値と比較すれば良いが、場合に依っては漏電抵抗値Rxから異常を判定したい場合もある。漏電抵抗値Rxは(4)式に示すように対地からの電圧Vを漏電電流値Iorで割れば求まる。この場合は漏電の異常を判定するのに、漏電抵抗値Rxを、異常判定漏電抵抗値の基準値と比較すれば良い。
表1に対地配線容量値がCR=10uF、CS=5uF、CT=2uFで漏電がない場合の正常状態の漏洩電流の例を示す。この条件での接地電流第一の電流ベクトルは、i∠θ1=0.44A∠68.21度となっている。
ここで表2,表3,表4に、R相,S相,T相に個別に漏電抵抗が生じた場合の第二の電流ベクトルI∠θ2 を示している。ここで表1〜表4に示したir、is、itは、測定が困難なので計算値である。
(4)式で求めた漏電抵抗値は、表2〜表4に設定した漏電抵抗値と一致している。また、(3)式の位相角度から判定した漏電が生じた配線相についても一致していることが確認できる。
電流の大きさiの測定には電流トランスが用いられる場合が多いが、微小抵抗による電圧降下や他の磁界型電流センサを用いても構わない。位相角度の測定は、基準の電源の電圧波形と電流センサに依るiを同位相角度の電圧値に変換した波形を比較するなどにより求まる。
なお、漏電抵抗はR相とT相の二相で生じ得るが、問題が生じるタイミングにおいて複数の対地間漏電が同時に生じた場合は相間地絡となるので、R相またはT相の1点のみの漏電を求める方法とする。
これらの漏電抵抗RR,RTで生じた電流と、静電容量CR,CTで生じた電流は、各相で合成されてR相ではIrとなり、T相ではItとなる。
このためIr、Itを測定することは困難で、測定可能なのは漏電状態を示したIr、Itが合成されて接地線に流れる第二の電流ベクトルI∠θ2のみとなる。ここで、Iは接地線に流れる電流の大きさであり、θ2は第一の電流ベクトルi∠θ1を測定した場合と同一の電源電圧を基準とした電流Iの位相角度である。
本発明では、正常時に測定して保持された第一の電流ベクトルi∠θ1を基準として異常時の第二の電流ベクトルI∠θ2からベクトルの差を求めることにより、抵抗に依る漏電成分である漏電電流の第三の電流ベクトルIor∠θ3を求めている。
ここで、第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルは、同一電源の接地線電流を正常時と異常時のように違ったタイミングで測定した値である。
漏電の状態を求める計算式は、先に示した三相スターと同じ(1)式から(4)式を用いることができる。
(1)式では、第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルを複素数で表現することにより漏電電流成分である第三の電流ベクトルIor∠θ3が複素数IIとして得られる。そして、漏電電流値Iorは(2)式の複素数絶対値関数absにより大きさであるスカラー値として求まる。漏電の判定をするには、三相スター時と同様に漏電抵抗に流れる漏電電流値Ior、または漏電抵抗値Rxをそれぞれの基準値と比較すれば良い。
漏電電流の位相角度は、複素数として得られた漏電電流をガウス平面で位相角度に変換する(3)式のarg関数により求まる。T−R相間の電圧を電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合において、(3)式の位相角度θ3が60度の場合は漏電抵抗が生じた配線はR相であり、位相角度θ3が120度の場合は漏電抵抗が生じた配線はT相である。このように、基準となる電源電圧の位相関係に依存して決まった値になるので、漏電電流位相角度θ3から漏電抵抗が生じた配線相を知ることができる。
これらの計算は複素数計算で行っても良いが、図3のように平面上のベクトル図で行っても良い。また、ベクトル状態をX軸とY軸に分解して三角関数的に解いても良い。
ここで第二の電流ベクトルI∠θ2を異常時として表したが、第一のベクトル電流値を測定するタイミングと重なっていない場合の接地線電流と位相角度の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として求めた第三電流ベクトルから配線状態が漏電警報に至らない正常範囲でも第一電流ベクトルを基準とした状態からの地絡事故の予兆現象を捉える漏電電流値変化として利用できる。
表6に、対地配線静電容量値がCR=2uF、CT=1uFで漏電がない場合の正常時回路例の漏洩電流を示す。表6〜表9の電源電圧と周波数は、200Vrms、50Hzで計算されている。
この条件での表6の接地電流ベクトルは、i∠θ1=0.166A∠169.1度となっている。ここで表7、表8に R、T相に個別に漏電が生じた場合のI∠θ2を示している。表6〜表8に示したir、itは、測定が困難なので計算値である。
このように、正常時の第一の電流ベクトルと第一の電流ベクトルとは別のタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差で得られた第三の電流ベクトルを、漏電電流として解析することにより、三相デルタ配線回路の漏電電流、漏電抵抗値、漏電配線相を求めることができる。
負荷以外の電流はCR、CTの対地静電容量を通しての漏洩電流のみである。図6ではR相に生じる対地間静電容量をCRとし、T相に生じる対地間静電容量をCTとしている。そして、CR、CTに依って流れる漏洩電流をir、itとしている。しかし、ir、itは対地間静電遊容量に依って分布して流れる電流のため個別に測定することは困難である。
現場で容易に測ることが可能なのは、irとitが合成された接地線を流れる電流iと電源電圧である。この接地線の電流iと、基準となる電源電圧を位相の基準として測られる電流iの位相角度θ1より、第一の電流ベクトルi∠θ1が得られる。ここで、iは接地線を流れる電流の大きさである。θ1は単相3線電源の電圧を基準とした場合の電流iの位相角度である。基準となる電圧としては、R相電圧であるR−N間電圧、T相電圧であるT−N間電圧、R−T間電圧など電源の電圧位相基準として使える電圧であれば良い。
これらの漏電抵抗で生じた電流と、静電容量CR,CTで生じた電流は、各相で合成されてR相ではIrとなり、T相ではItとなる。漏電は異常状態のため配線中の何処で生じるかは予測できず、予め漏電位置に電流計を準備しておくことは不可能である。このため、Ir、Itを測定することは困難で、測定可能なのは漏電状態を示したIr、Itが合成されて接地線に流れる第二の電流ベクトルI∠θ2のみとなる。ここで、Iは接地線に流れる電流の大きさであり、θ2は第一の電流ベクトルi∠θ1を測定した場合と同一の電源電圧を基準とした電流Iの位相角度である。
本発明では、正常時に測定保持された第一の電流ベクトルi∠θ1を基準として、異常時の第二の電流ベクトルI∠θ2からベクトルの差を求めることにより、抵抗に依る漏電電流である第三の電流ベクトルIor∠θ3を求めている。
計算式は先に示した三相スターと同じで良い。
ここでは漏電電流の第三の電流ベクトルIor∠θ3は複素数IIとして得られる。そして漏電電流値Iorは、(2)式の複素絶対値関数absによりスカラー値として求まる。漏電の判定をするには、三相スター時と同様に漏電抵抗値に流れる漏電電流値Ior、または漏電抵抗値Rxをそれぞれの基準値と比較すれば良い。
漏電電流の位相角度は、複素数として得られた漏電電流をガウス平面で位相角度に変換するarg関数により求まる。R−N相の電圧位相角度を基準とした場合において、この位相角度θ3が0度の場合は漏電抵抗が生じた配線はR相であり、θ3が180度の場合は漏電抵抗が生じた配線はT相である。または、IIの極性が正ならR相であり、負ならT相である。これらの計算は複素数計算で行っても良いが、図3のように平面上の図でベクトル計算を行っても良い。また、ベクトル状態をX軸とY軸に分解して三角関数的に解いても良い。
ここで第二の電流ベクトルI∠θ2を異常時として表したが、第一の電流ベクトルを測定するタイミングと重なっていない場合の接地線電流と位相角度の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として求めた第三電流ベクトルから配線状態が漏電警報に至らない正常範囲でも第一の電流ベクトルを基準とした状態からの地絡事故の予兆現象を捉える漏電電流値変化として利用できる。
このように、正常時の第一の電流ベクトルと、第一の電流ベクトルとは別のタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差で得られた第三の電流ベクトルを漏電電流として解析することにより、単相3線配線回路の漏電電流、漏電抵抗値、漏電配線相を求めることができる。
漏電は異常状態のため配線中の何処で生じるかは予測できず、予め漏電位置に電流計を準備しておくことは不可能である
本発明では、正常時に測定保持された第一の電流ベクトルi∠θ1を基準として、異常時のI∠θ2からベクトルの差を求めることにより抵抗による漏電電流である第三の電流ベクトルIor∠θ3を求めている。計算式は先に示した三相スターと同じで良い。
ここでは漏電電流の第三の電流ベクトルIor∠θ3はIIとして複素数で得られる。そして漏電電流値Iorは(2)式の複素絶対値関数absによりスカラー値として求まる。漏電の判定をするには、三相スター時と同様に漏電抵抗値に流れる漏電電流値Ior、または漏電抵抗値 Rxをそれぞれの基準値と比較すれば良い。漏電電流の位相角度は、複素数として得られた漏電電流をガウス平面で位相角度に変換するarg関数により求まる。
これらの計算は複素数計算で行っても良いが、図3のように平面上で図的にベクトル計算を行っても良い。また、ベクトル状態をX軸とY軸に分解して三角関数的に解いても良い。ここで第二の電流ベクトルI∠θ2を異常時として表したが、第一ベクトル電流値を測定するタイミングと重なっていない場合の接地線電流と位相角度の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として求めた第三電流ベクトルから配線状態が漏電警報に至らない正常範囲でも第一電流ベクトルを基準とした状態からの地絡事故の予兆現象を捉える漏電電流値変化として利用できる。
以下に、R相電圧であるR−N間電圧を電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合の具体的な例を示す。表14に、対地配線静電容量値がCR=2uFで、漏電がない場合の正常時回路例の漏洩電流を示す。電源電圧と周波数は、100Vrms、60Hzとしている。この条件での接地電流ベクトルは、i∠θ1=0.075A∠90度となっている。
このように、正常時の第一の電流ベクトルと第一の電流ベクトルとは別のタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差で得られた第三の電流ベクトルを、漏電電流として解析することにより単相2線配線回路の漏電電流、漏電抵抗値、漏電配線相を求めることができる。
このように、単一の機種にて三相スター配線回路、三相デルタ配線回路、単相3線配線回路、単相2線配線回路に対応できるため量産効果により機器価格を下げることができるとともに、電源種別に対して同一の計算式なので計算プログラムにバグが出にくいというメリットがある。
なお、漏電電流により対地電位が無視できなるほど大きくなる場合は、本計算式には誤差が生じるが、そのような場合は発火事故に至る状態であり、それ以前の状態での予防監視に適している。さらに本発明では、抵抗に限らず配線対地静電容量の変化など電源線インピーダンスの変化状態を捉えることができる。この場合は抵抗値を求めている(4)式の左辺RxをZxと置き換えて、インピーダンス変化を生じさせた第三の電流値ベクトルの電流の大きさIorで割ることによりインピーダンスが求まる。
Zx=V/Ior …(5)式、
このインピーダンスZxより、インピーダンスが静電容量であれば、
Cx=1/(ω・Zx) …(6)式、 ω=2・Π・f、
で追加静電容量値を求めることができる。
もし、Zxが、L,C,R成分の組み合わせの場合は、その組み合わせに応じたZx値を求めることができる。この為、L成分が対地間に接続される場合でも解法は可能である。しかし一般的には電源と対地には正常時は静電容量Cだけが存在して、異常時に漏電抵抗Rが生じる為、L成分についての実例は省略している。
単相3線ではR相の静電容量が変化した場合は90度位相角度成分、T相の静電容量が変化した場合は−90度位相角度成分として表れる。単相2線では静電容量が変化した場合は90度位相角度成分として表れる。
なお、ここで示した計算による位相角度値は、今回示した電流ベクトル位相角度の基準となる電源電圧の取り込み電圧の場合の値であり、基準電圧取り込み点を変更すると電圧取り込み点の位相角度に応じて変化する。
電流ベクトルの位相角度の基準となる電源電圧は基準電源電圧より得ている。電流ベクトル測定部53は貫通型電流センサ52の電流値と、基準電源電圧を基準位相とした貫通型電流センサ52の電流の位相角度を測定して電流ベクトルとしている。
電流ベクトル測定部53で測定された電流ベクトルは演算・判定部54にて漏電が問題無い正常時の測定値を第一の電流のベクトルi∠θ1として扱い、第一の電流値ベクトルを測定するタイミングと重なっていない場合の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として扱う。この2つのベクトルの差である(1)式より得られた第三の電流ベクトルIIを漏電電流として扱う事により地絡事故の予兆現象や異常時の漏電であることを捉える。なお、第一の電流ベクトルが第一の電流ベクトル記憶部57に保持されている場合は第一の電流ベクトル記憶部57のベクトルを第一の電流ベクトルとして演算に用いても良い。
さらに安全確保のため、電源の遮断が必要な場合は電源遮断器59を付け加えても良い。この場合は異常と判定した場合には演算・判定部54は電源遮断器59に指示を出し電源を遮断する。
素子の種別が静電容量と判断された場合は、正常状態として処理する。
漏電情報表示部55には、演算して得られた素子の種別、漏電のあった配線相、漏電電流値Ior、漏電電流位相角度θ3、素子の値などを表示する。第一の電流ベクトルや第二の電流ベクトル、第三の電流ベクトルを表示しても構わないし、表示の必要が無い場合やデータを別に送付するなどの手段がある場合は、表示部は無くても構わない。
これは、電気工事電源導入現場では、漏電が無い事を確認する作業が生じるので、その確認作業後の正常状態にて図12の測定器により、電源位置ごとの正常値を測定して行くと作業効率が良いし、図11の構成で異常時のみ警報できれば良い場合には不要な値の表示機能が無くとも、図12の測定器により測定内容の確認が出来た信頼性の有る正常時の第一の電流ベクトルを得る事ができる。なお、技術常識からすれば、上述の「漏電が無い」とは、漏電電流が全くない、つまり「0」である、という意味ではなく、漏電電流が許容値(当然に「0」も含む。)内であり、つまり第一の電流ベクトルが、正常値の範囲内にあるという意味である。
ここで測定した第一の電流ベクトルの値を第一の電流ベクトル記憶部57に設定する事により図11の装置自身にて、個々の位置ごとの第一の電流ベクトル取り込み作業を行う手間を省ける上、データの信頼性も確保できる。
なお、電流ベクトル測定部53に複数箇所の貫通電流センサ52と基準電源電圧を接続して多チャンネルの管理を行うこともできる。この場合は第一の電流ベクトル記憶部57も多チャンネル持たせる。
漏電測定位置選択スイッチ62で選択した位置の接地線の電流を測るための電流センサはクランプ型電流センサ61用いた例としているが貫通型電流センサを測定対象位置に取り付けておいて現場ごとのセンサの出力電流部分を取り入れても良い。
漏電測定位置選択スイッチ62で選択した位置の電流ベクトルの位相角度の基準となる電源電圧は基準電源電圧より得ている基準電源電圧の電圧入力端子は移動測定ができるように、みの虫クリップなどの取り外しが容易な電圧測定仕様とする。
電流ベクトル測定部53はクランプ型電流センサ61の電流値と、基準電源電圧を基準位相としたクランプ型電流センサ61の電流の位相角度を測定して電流ベクトルとしている。
電流ベクトル測定部53で測定された電流ベクトルは演算・判定部54にて漏電が問題無い正常時の測定値を第一の電流のベクトルi∠θ1として扱い、第一の電流値ベクトルを測定するタイミングと重なっていない場合の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として扱う。この2つのベクトルの差である(1)式より得られた第三の電流ベクトルIIを漏電電流として扱う事により地絡事故の予兆現象や異常時の漏電であることを捉える。なお、第一の電流のベクトルが漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63に保持されている場合は漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63のベクトルを第一の電流ベクトルとして演算に用いても良い。
漏電情報表示部55には、測定位置や演算して得られた素子の種別、漏電のあった配線相、漏電電流値Ior、漏電電流位相角度θ3、素子の値などを表示する。第一の電流ベクトルや第二の電流ベクトル、第三の電流ベクトルを表示しても構わないし、表示の必要が無い場合やデータを別に送付するなどの手段がある場合は、表示部は無くても構わない。
これは、複数の図12の構成の装置で、漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63の値をコピーして共有化しておく事により、複数の図12の装置を使って複数人で測定作業を行えば、迅速に測定作業が終わるというメリットがある。また、別な図12の漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63の値を設定した図12のシステムを持っていれば、どちらかが故障しても管理運用を維持し続ける事ができる。
図12の漏電電流検出システム60では測定位置を漏電測定位置選択スイッチ62により選択していたが、図13の漏電電流検出システム70では、測定対象となる位置にある接地線や電源電圧線位置の近くにICタグ72を設置しておく。このICタグ72を第一の電流ベクトルの外部の記憶装置として利用することにより、測定器自身のメモリ容量に関わりなく管理箇所を増やすことができるという特徴が有る。ICタグ72には位置を把握出来る管理情報を入れていても良い。
接地線の電流を測るための電流センサはクランプ型電流センサ61用いた例としているが貫通型電流センサを測定対象位置に取り付けておいて現場ごとのセンサの出力電流部分を取り入れても良い。
電流ベクトルの位相角度の基準となる電源電圧は基準電源電圧より得ている。基準電源電圧の電圧入力端子は移動測定ができるように、みの虫クリップなどの取り外しが容易な電圧測定仕様とする。
電流ベクトル測定部53はクランプ型電流センサ61の電流値と、基準電源電圧を基準位相としたクランプ型電流センサ61の電流の位相角度を測定して電流ベクトルとしている。
漏電情報表示部55には、測定位置や演算して得られた素子の種別、漏電のあった配線相、漏電電流値Ior、漏電電流位相角度θ3、素子の値などを表示する。第一の電流ベクトルや第二の電流ベクトル、第三の電流ベクトルを表示しても構わないし、表示の必要が無い場合やデータを別に送付するなどの手段がある場合は、表示部は無くても構わない。
また、第三の電流ベクトルによる素子の種別の判定結果が静電容量と判断された場合も、その時の電流ベクトル測定部53からの電流ベクトルを漏電管理位置に対応した新たな第一電流ベクトルとして更新保持記憶することができる。
51 各種電源
52 貫通型電流センサ
53 電流ベクトル測定部
54 演算・判定部
55 漏電情報表示部
56 漏電警告部
57 第一の電流ベクトル記憶部
58 押しボタンスイッチ
59 電源遮断器
61 クランプ型電流センサ
62 漏電測定位置選択スイッチ
63 漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部
71 ICタグR/W
72 ICタグ
Claims (5)
- 電源の接地線を流れる電流と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度とから電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出方法であって、
測定した前記電流ベクトルを第一の電流ベクトルとし、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した前記電流ベクトルを第二の電流ベクトルとして、前記第一の電流ベクトルと前記第二電流ベクトルとの差を第三の電流ベクトルとして算出し、
該第三の電流ベクトルを漏電電流値として検出し、
前記第一の電流ベクトルは、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として記憶手段に保持記憶され、
前記算出時に、前記保持記憶された第一の電流ベクトルを繰り返し使用し、
前記第一の電流ベクトルを、内部測定、又は、外部測定が選択可能に構成された手段を用いて測定する
ことを特徴とする漏電電流検出方法。 - 前記第三の電流ベクトルに基づいて、漏電配線相又は素子種別を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の漏電電流検出方法。 - 電源の接地線を流れる電流を測定する電流測定手段と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度を測定する電流位相角度測定手段とから、電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出システムであって、
測定した第一の電流ベクトルと、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差である第三電流ベクトルを漏電電流値として検出する検出手段と、
前記第一の電流ベクトルを、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として保持記憶する記憶手段を備え、
前記検出手段は、前記記憶手段に保持記憶された前記第一の電流ベクトルを繰り返し検出に使用するように構成され、
前記第一の電流ベクトルの内部測定、又は、外部測定が選択可能に構成されている
ことを特徴とする漏電電流検出システム。 - 前記第三の電流ベクトルに基づいて、漏電配線相又は素子種別を判定する判定手段を備えたこと
を特徴とする請求項3に記載の漏電電流検出システム。 - 電源の接地線を流れる電流を測定する電流測定手段と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度を測定する電流位相角度測定手段とから、電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出システムであって、
測定した第一の電流ベクトルと、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差である第三電流ベクトルを漏電電流値として検出する検出手段と、
前記第一の電流ベクトルを、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として保持記憶する記憶手段を備え、
前記検出手段は、前記記憶手段に保持記憶された前記第一の電流ベクトルを繰り返し検出に使用するように構成され、
さらに、保持指示入力手段を備え、前記第一の電流ベクトルは、前記保持指示入力手段の指示に応答して、前記記憶手段に保持記憶される
ことを特徴とする漏電電流検出システム。
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