JP6709338B2 - 漏電検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、漏電電流を検出する方法及びシステムに関する。
周知のように電気エネルギーは産業や生活において不可欠のものとなっている。しかし目的機器以外へのエネルギー供給が行われる漏電状態になると電気火災や感電事故等の重大な事故を引き起こす可能性もある。このため、漏電状態を知ることは電気エネルギー利用では重要な管理事項であるが、冷蔵庫やサーバーのように連続稼働が求められる機器が増えているため、稼働状態での漏電管理が要望されている。
また、サーバーなどの電子機器はノイズ対策のため電源入力と接地との間に接続されて配設された静電容量(例えば、バイパスコンデンサ等がある。)を持つものが多く、配線の対地間静電容量と合わせて対地への静電容量漏洩電流が増えている。静電容量による漏洩電流成分は熱には変換されないため、漏電事故には繋がらないが電流の絶対値が大きくなるため漏洩電流の絶対値で漏電を判断するシステムでは不要な漏電警報が出されて管理が難しくなっている。
このため、対地間静電容量の影響を受けずに稼働状態で漏電電流を測定する方法として、特許文献1〜特許文献4に記載の発明が提案されている。
特許第6056556号公報 特開2001−215247号公報 特許第4159590号公報 特許第3405407号公報
特許文献1や特許文献2には、接地線に絶縁監視用の信号として、商用周波数(50Hz、60Hz)とは異なる特定周波数(例えば、20Hz)を注入することにより、電源線の浮遊容量など関係なく漏電電流成分を測定する構成が示されている。特定周波数成分の注入は特許文献1の図2に示す「注入コア2052」、「注入コア用巻線2053」、「注入信号源2051」が必要になる。また、注入信号成分を取り出す為の回路も必要になり、複雑な構成となる。さらに近年増加しているインバータ機器の動作によって、発生する周波数と注入する特定周波数が同程度になると測定が困難になるという欠点がある。
この欠点を改善するため、注入を必要としない方式として上記特許文献3に記載の発明、特許文献4に記載の発明などが提案されている。特許文献1には、注入せずに接地線電流とT−R相間電圧を基準とした接地線電流位相により漏電電流を測れることが示されているが、対地間への静電容量値は特許文献3の図8に示されているようにR相とT相に同じ値を接続した場合しか示されておらず、配線間の配線容量がバランスしていない場合は計算式が成立しないという条件が推量される。実際の現場においては配線間の配線静電容量が大小の差こそあるにせよバランスしてないので、現場の実態と合わずに測定誤差が出る欠点が推量される。また、デルタ結線の三相に限定されるという欠点もある。
特許文献4では、接地線への信号注入は不要であるが、内部処理用の位相角度判定信号電流idの発生が必要である。また、単相と三相で解法式が違っている。また、漏電が生じた電源相の判定手段については明記がない。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、信号の発生や注入の必要がなく、対地静電容量がバランスしている条件がなく、三相や単相の電源種別や構成によらずに単一の方式にて漏電電流値と漏電が生じた電源線相、漏電が容量成分の増加か漏電抵抗に依るものなのかの詳細状況を求めることができる漏電検出方法及び漏電電流検出システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、電源の接地線を流れる電流と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度とから電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出方法であって、測定した前記電流ベクトルを第一の電流ベクトルとし、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した前記電流ベクトルを第二の電流ベクトルとして、前記第一の電流ベクトルと前記第二電流ベクトルとの差を第三電流ベクトルとして算出し、該第三電流ベクトルを漏電電流値として検出し、前記第一の電流ベクトルは、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として記憶手段に保持記憶され、前記算出時に、前記保持記憶された第一の電流ベクトルを繰り返し使用し、前記第一の電流ベクトルを、内部測定、又は、外部測定が選択可能に構成された手段を用いて測定することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1に記載の漏電電流検出方法であって、前記第三の電流ベクトルに基づいて、漏電配線相又は素子種別を判定することを特徴とする。
また、請求項の発明は、電源の接地線を流れる電流を測定する電流測定手段と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度を測定する電流位相角度測定手段とから、電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出システムであって、測定した第一の電流ベクトルと、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差である第三電流ベクトルを漏電電流値として検出する検出手段と、前記第一の電流ベクトルを、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として保持記憶する記憶保持手段を備え、前記検出手段は、該保持記憶された正常値を前記第一の電流ベクトルとして繰り返し検出に使用する構成とされ、前記第一の電流ベクトルの内部測定、又は、外部測定が選択可能に構成されていることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項に記載の漏電電流検出システムであって、前記第三の電流ベクトルに基づいて、漏電配線相又は素子種別を判定する判定手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項の発明は、電源の接地線を流れる電流を測定する電流測定手段と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度を測定する電流位相角度測定手段とから、電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出システムであって、測定した第一の電流ベクトルと、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差である第三電流ベクトルを漏電電流値として検出する検出手段と、前記第一の電流ベクトルを、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として保持記憶する記憶保持手段を備え、前記検出手段は、該保持記憶された正常値を前記第一の電流ベクトルとして繰り返し検出に使用する構成とされ、さらに、保持指示入力手段を備え、前記第一の電流ベクトルは、前記保持指示入力手段の指示に応答して、前記記憶手段に保持記憶されることを特徴とする。
本発明によれば、漏電検出方法及び漏電検出システムにおいて、信号の発生や注入の必要がなく、対地静電容量がバランスしている条件がなく、三相や単相の電源種別や構成によらずに単一の方式にて漏電電流値と漏電が生じた電源線相、漏電が容量成分の増加か漏電抵抗に依るものなのかの詳細状況を求めることができるという顕著な効果を奏する。
三相スター配線回路の正常時の状態を示す回路図である。 三相スター配線回路にて漏電抵抗が生じた場合の異常時の状態を示す回路図である。 平面上のベクトル図である。 三相デルタ配線回路の正常時の状態を示す回路図である。 三相デルタ配線回路にて漏電抵抗が生じた場合の異常時の状態を示す回路図である。 単相3線配線回路の正常時の状態を示す回路図である。 単相3線配線回路にて漏電抵抗が生じた場合の異常時の状態を示す回路図である。 単相2線配線回路の正常時の状態を示す回路図である。 単相2線配線回路にて漏電抵抗が生じた場合の異常時の回路図である。 図4の状態から対地静電容量が増えた場合の回路図である。 据え置き型の漏電電流検出システムの構成例を示す図である。 移動式の漏電電流システムの構成例を示す図である。 移動式の漏電電流システムの別の構成例を示す図である。
以下、好適な実施形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略又は簡略化する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。また、特にことわりがない限り、「位相角度」は、「電流位相角度」と技術的意味が同じであるものとする。
図1に三相スター配線回路の正常時の状態を示す。漏電抵抗は生じていないが配線の対地浮遊静電容量や電子機器のノイズを対地に逃がすコンデンサが合成されて、R相ではCR、S相ではCS、T相ではCTとして対地静電容量が存在している。負荷以外の電流は、CR、CS、CTの静電容量を通しての漏洩電流のみである。図1ではR相に生じる対地間静電容量をCRとし、S相に生じる対地間静電容量をCSとし、T相に生じる対地間静電容量をCTとしている。そしてCR、CS、CTに依って流れる漏洩電流をir、is、itとしている。しかし、ir、is、itは対地間静電容量に依って分布して流れる電流のため個別に測定することは困難である。現場で容易に測ることが可能なのは、irとisとitが合成された接地線を流れる電流iと電源電圧である。この接地線の電流iと、基準となる電源電圧を位相の基準として測られる電流iの位相角度θ1より、第一の電流ベクトルi∠θ1が得られる。ここでiは接地線を流れる電流の大きさである。θ1は三相スター電源の電圧を基準とした場合の電流iの位相角度である。電流の位相角度の基準となる電圧としては、R相電圧であるR−N間電圧、S相電圧であるS−N間電圧、T相電圧であるT−N間電圧やR−S相間電圧やS−T相間電圧やT−R相間電圧など、電源の電圧位相基準として使える電圧であれば良い。
電流の大きさiの測定には、電流トランスが用いられる場合が多いが微小抵抗による電圧降下や他の磁界型電流センサを用いても構わない。位相角度の測定は、基準の電源の電圧波形と電流センサに依るiを同位相角度の電圧値に変換した波形を比較するなどにより求まる。
図2には、図1の状態から漏電抵抗が生じた場合の異常時の回路図を示す。漏電で問題なるのは抵抗成分であるので、異常時に生じる対地素子成分として対地間に抵抗を追加している。図2において、R相に漏電抵抗が生じた場合の漏電抵抗をRRとし、S相に漏電が生じた場合の漏電抵抗をRSとし、T相に漏電が生じた場合の漏電抵抗をRTとしている。なお、漏電抵抗は三相で生じ得るが、問題が生じるタイミングにおいて複数の対地間漏電が同時に生じた場合は接地線を介さずに相間短絡となるので、R、S、T相の1点のみの漏電を求める方法とする。
これらの漏電抵抗RR,RS,RTで生じた電流と、静電容量CR,CS,CTで生じた電流は、各相で合成されてR相ではIrとなり、S相ではIsとなり、T相ではItとなる。漏電は、異常状態のため配線中の何処で生じるかは予測できず、予め漏電位置に電流計を準備しておくことは不可能である。このため、Ir、Is、Itを測定することは困難で、測定可能なのは漏電状態を示したIr、Is、Itが合成されて接地線に流れる電流と位相角度からなる第二の電流ベクトルI∠θ2となる。ここで、Iは接地線に流れる電流の大きさであり、θ2は第一の電流ベクトルi∠θ1を測定した場合と同一の電源電圧を基準とした電流Iの位相角度である。
本発明では、正常時に測定して保持された第一の電流ベクトルi∠θ1を基準として異常時の第二の電流ベクトルI∠θ2からベクトルの差を求めることにより、抵抗に依る漏電成分である漏電電流の第三の電流ベクトルIor∠θ3を求めている。
ここで、第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルは、同一電源の接地線電流を正常時と異常時のように違ったタイミングで測定した値である。
2つの電流ベクトルをガウス平面で示すと、
第一の電流ベクトルi∠θ1は、
i∠θ1=i・(cos(θ1)+j・sin(θ1))、
第二の電流ベクトルI∠θ2は、
I∠θ2=I・(cos(θ2)+j・sin(θ2))、
で表される。
上式のjは複素数の虚数を表している。
このため、正常状態からの漏電変化電流ベクトルである第三の電流ベクトルIor∠θ3は、
II=I・(cos(θ2)+j・sin(θ2))−i・(cos(θ1)+j・sin(θ1))…(1)式、
で表される。
そして第三の電流ベクトルより、漏電電流値の大きさであるIorとIorの電流位相値θ3と漏電抵抗値とを以下の式により求めることができる。
Ior=abs(II) …(2)式 漏電電流大きさ、
θ3 =arg(II) …(3)式 漏電電流位相角度、
Rx =V/Ior …(4)式 漏電抵抗値、
ここでVは電源相と対地間の電圧値である。「II」はIが2個並んでいるが、第二の電流ベクトルのIとは違ったIIで一つの変数である。
(1)式では第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルを複素数で表現することにより漏電電流成分である第三の電流ベクトルIor∠θ3が複素数IIとして得られる。そして、漏電電流値Iorは(2)式の複素数絶対値関数absにより大きさであるスカラー値として求まる。
漏電の異常を判定するには、漏電抵抗を流れる電流の大きさIorを異常判定電流の基準値と比較すれば良いが、場合に依っては漏電抵抗値Rxから異常を判定したい場合もある。漏電抵抗値Rxは(4)式に示すように対地からの電圧Vを漏電電流値Iorで割れば求まる。この場合は漏電の異常を判定するのに、漏電抵抗値Rxを、異常判定漏電抵抗値の基準値と比較すれば良い。
漏電電流の位相角度は、複素数として得られた漏電電流ベクトルをガウス平面で位相角度に変換する(3)式のarg関数により求まる。ここで、R相電圧であるR−N間電圧を電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合において、位相角度θ3が0度の場合は、漏電抵抗が生じた配線はR相であり、位相角度θ3が−120度の場合は漏電抵抗が生じた配線はS相であり、位相角度θ3が120度の場合は漏電抵抗が生じた配線はT相である。もしT相電圧であるT−N間電圧が電流ベクトルの位相角度基準の場合は0度時にT相に漏電抵抗が生じている。S相電圧であるS−N間電圧が位相角度基準の場合は0度時にS相に漏電抵抗が生じている。このように電流ベクトルの位相角度測定の基準となる電源電圧の位相関係に依存して決まった値になるので、漏電電流位相角度θ3から漏電抵抗が生じた配線相を知ることができる。
(1)式から(4)式の計算は、ここで示したように複素数計算で行っても良いが図3のように平面上のベクトル図にて図的求めても良い。また、ベクトル状態をX軸とY軸に分解して三角関数として解いても良い。
ここで第二の電流ベクトルI∠θ2を異常時として表したが、第一の電流値ベクトルを測定するタイミングと重なっていない場合の接地線電流と位相角度の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として求めた第三電流ベクトルから配線状態が漏電警報に至らない正常範囲でも、地絡事故の予兆現象を捉える漏電電流値変化として利用できる。
以下に、R相電圧であるR−N間電圧を、電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合の具体的な例を示す。表1から表5の電源電圧と周波数は、200Vrms 50Hzで計算されている。
表1に対地配線容量値がCR=10uF、CS=5uF、CT=2uFで漏電がない場合の正常状態の漏洩電流の例を示す。この条件での接地電流第一の電流ベクトルは、i∠θ1=0.44A∠68.21度となっている。
ここで表2,表3,表4に、R相,S相,T相に個別に漏電抵抗が生じた場合の第二の電流ベクトルI∠θ2 を示している。ここで表1〜表4に示したir、is、itは、測定が困難なので計算値である。
Figure 0006709338
Figure 0006709338
Figure 0006709338
Figure 0006709338
Figure 0006709338
表5には、i∠θ1とI∠θ2 から表2〜表4のR相,S相,T相ごとの漏電状態に対して、(1)式〜(4)式の計算を行った結果を示す。(2)式が漏電電流成分である第三の電流ベクトルの大きさで(3)式が位相角度(向き)を示している。
(4)式で求めた漏電抵抗値は、表2〜表4に設定した漏電抵抗値と一致している。また、(3)式の位相角度から判定した漏電が生じた配線相についても一致していることが確認できる。
このように、正常時の第一の電流ベクトルと、第一の電流ベクトルとは別のタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差で得られた第三の電流ベクトルを、漏電電流として解析することにより三相スター配線回路の漏電電流、漏電抵抗値、漏電配線相を求めることができる。
次に、図4に、三相デルタ配線回路の正常時の状態を示す。漏電抵抗は生じていないが、配線の対地浮遊静電容量や電子機器のノイズを対地に逃がすコンデンサが合成されて、R相ではCR、T相ではCTとして存在している。負荷以外の電流は、CR、CT 静電容量を通しての漏洩電流のみである。図4ではR相に生じる対地間静電容量をCRとし、T相に生じる対地間静電容量をCTとしている。そして、CR、CTに依って流れる漏洩電流を ir、itとしている。しかし ir、itは対地間静電容量に依って分布して流れる電流のため個別に測定することは困難である。現場で容易に測ることが可能なのは、irとitが合成された接地線を流れる電流iと、電源電圧である。この接地線の電流iと、基準となる電源電圧を位相の基準として測られる電流iの位相角度θ1より、第一の電流ベクトルi∠θ1が得られる。ここでiは接地線を流れる電流の大きさである。θ1は三相デルタ電源の電圧を基準とした場合の電流iの位相角度である。電流の位相角度の基準となる電圧としては、T−R間電圧、R−S間電圧やT−S間電圧など、電源の電圧位相基準として使える電圧であれば良い。
電流の大きさiの測定には電流トランスが用いられる場合が多いが、微小抵抗による電圧降下や他の磁界型電流センサを用いても構わない。位相角度の測定は、基準の電源の電圧波形と電流センサに依るiを同位相角度の電圧値に変換した波形を比較するなどにより求まる。
図5には、図4の状態から漏電抵抗が生じた場合の異常時の回路図を示す。漏電で問題となるのは、抵抗成分であるので異常時に生じる対地素子成分として対地間に抵抗を追加している。図5において、R相に漏電が生じた場合の漏電抵抗をRRとしている。T相に漏電が生じた場合の漏電抵抗をRTとしている。
なお、漏電抵抗はR相とT相の二相で生じ得るが、問題が生じるタイミングにおいて複数の対地間漏電が同時に生じた場合は相間地絡となるので、R相またはT相の1点のみの漏電を求める方法とする。
これらの漏電抵抗RR,RTで生じた電流と、静電容量CR,CTで生じた電流は、各相で合成されてR相ではIrとなり、T相ではItとなる。
漏電は異常状態のため配線中の何処で生じるかは予測できず、予め漏電位置に電流計を準備しておくことは不可能である。
このためIr、Itを測定することは困難で、測定可能なのは漏電状態を示したIr、Itが合成されて接地線に流れる第二の電流ベクトルI∠θ2のみとなる。ここで、Iは接地線に流れる電流の大きさであり、θ2は第一の電流ベクトルi∠θ1を測定した場合と同一の電源電圧を基準とした電流Iの位相角度である。
本発明では、正常時に測定して保持された第一の電流ベクトルi∠θ1を基準として異常時の第二の電流ベクトルI∠θ2からベクトルの差を求めることにより、抵抗に依る漏電成分である漏電電流の第三の電流ベクトルIor∠θ3を求めている。
ここで、第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルは、同一電源の接地線電流を正常時と異常時のように違ったタイミングで測定した値である。
漏電の状態を求める計算式は、先に示した三相スターと同じ(1)式から(4)式を用いることができる。
(1)式では、第一の電流ベクトルと第二の電流ベクトルを複素数で表現することにより漏電電流成分である第三の電流ベクトルIor∠θ3が複素数IIとして得られる。そして、漏電電流値Iorは(2)式の複素数絶対値関数absにより大きさであるスカラー値として求まる。漏電の判定をするには、三相スター時と同様に漏電抵抗に流れる漏電電流値Ior、または漏電抵抗値Rxをそれぞれの基準値と比較すれば良い。
漏電電流の位相角度は、複素数として得られた漏電電流をガウス平面で位相角度に変換する(3)式のarg関数により求まる。T−R相間の電圧を電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合において、(3)式の位相角度θ3が60度の場合は漏電抵抗が生じた配線はR相であり、位相角度θ3が120度の場合は漏電抵抗が生じた配線はT相である。このように、基準となる電源電圧の位相関係に依存して決まった値になるので、漏電電流位相角度θ3から漏電抵抗が生じた配線相を知ることができる。
これらの計算は複素数計算で行っても良いが、図3のように平面上のベクトル図で行っても良い。また、ベクトル状態をX軸とY軸に分解して三角関数的に解いても良い。
ここで第二の電流ベクトルI∠θ2を異常時として表したが、第一のベクトル電流値を測定するタイミングと重なっていない場合の接地線電流と位相角度の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として求めた第三電流ベクトルから配線状態が漏電警報に至らない正常範囲でも第一電流ベクトルを基準とした状態からの地絡事故の予兆現象を捉える漏電電流値変化として利用できる。
以下に、T−R相間の電圧を電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合の具体的な例を示す。
表6に、対地配線静電容量値がCR=2uF、CT=1uFで漏電がない場合の正常時回路例の漏洩電流を示す。表6〜表9の電源電圧と周波数は、200Vrms、50Hzで計算されている。
この条件での表6の接地電流ベクトルは、i∠θ1=0.166A∠169.1度となっている。ここで表7、表8に R、T相に個別に漏電が生じた場合のI∠θ2を示している。表6〜表8に示したir、itは、測定が困難なので計算値である。
Figure 0006709338
Figure 0006709338
Figure 0006709338
表9には、i∠θ1とI∠θ2をまとめて、(1)式〜(4)式の計算を行った結果を示す。(1)式が漏電電流成分である第三電流ベクトルの電流の大きさで、(3)式が位相角度(向き)を示している。表9の(4)式で求めた漏電抵抗値は表7、表8に設定した漏電抵抗値と一致している。また、(3)式の位相角度から判定した漏電が生じた配線相についても一致していることが確認できる。
このように、正常時の第一の電流ベクトルと第一の電流ベクトルとは別のタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差で得られた第三の電流ベクトルを、漏電電流として解析することにより、三相デルタ配線回路の漏電電流、漏電抵抗値、漏電配線相を求めることができる。
Figure 0006709338
次に、図6に単相3線電源配線回路の正常時の状態を示す。漏電は生じていないが、対地浮遊静電容量や電子機器のノイズを対地に逃がすコンデンサが合成されて、R相ではCR、T相ではCTとして存在している。
負荷以外の電流はCR、CTの対地静電容量を通しての漏洩電流のみである。図6ではR相に生じる対地間静電容量をCRとし、T相に生じる対地間静電容量をCTとしている。そして、CR、CTに依って流れる漏洩電流をir、itとしている。しかし、ir、itは対地間静電遊容量に依って分布して流れる電流のため個別に測定することは困難である。
現場で容易に測ることが可能なのは、irとitが合成された接地線を流れる電流iと電源電圧である。この接地線の電流iと、基準となる電源電圧を位相の基準として測られる電流iの位相角度θ1より、第一の電流ベクトルi∠θ1が得られる。ここで、iは接地線を流れる電流の大きさである。θ1は単相3線電源の電圧を基準とした場合の電流iの位相角度である。基準となる電圧としては、R相電圧であるR−N間電圧、T相電圧であるT−N間電圧、R−T間電圧など電源の電圧位相基準として使える電圧であれば良い。
図7には、図6の状態から漏電抵抗が生じた場合の異常時の回路図を示す。漏電で問題となるのは抵抗成分であるので、異常時に生じる対地素子成分として対地間に生じた抵抗を追加している。
図7において、R相に漏電が生じた場合の漏電抵抗をRRとし、T相に漏電が生じた場合の漏電抵抗をRTとしている。なお、漏電抵抗は2相で生じ得るが、問題が生じるタイミングにおいて複数の対地間漏電が同時に生じた場合は接地線を介さずに相間短絡となるので、R相、T相の1点のみの漏電で求める方法とする。
これらの漏電抵抗で生じた電流と、静電容量CR,CTで生じた電流は、各相で合成されてR相ではIrとなり、T相ではItとなる。漏電は異常状態のため配線中の何処で生じるかは予測できず、予め漏電位置に電流計を準備しておくことは不可能である。このため、Ir、Itを測定することは困難で、測定可能なのは漏電状態を示したIr、Itが合成されて接地線に流れる第二の電流ベクトルI∠θ2のみとなる。ここで、Iは接地線に流れる電流の大きさであり、θ2は第一の電流ベクトルi∠θ1を測定した場合と同一の電源電圧を基準とした電流Iの位相角度である。
本発明では、正常時に測定保持された第一の電流ベクトルi∠θ1を基準として、異常時の第二の電流ベクトルI∠θ2からベクトルの差を求めることにより、抵抗に依る漏電電流である第三の電流ベクトルIor∠θ3を求めている。
計算式は先に示した三相スターと同じで良い。
ここでは漏電電流の第三の電流ベクトルIor∠θ3は複素数IIとして得られる。そして漏電電流値Iorは、(2)式の複素絶対値関数absによりスカラー値として求まる。漏電の判定をするには、三相スター時と同様に漏電抵抗値に流れる漏電電流値Ior、または漏電抵抗値Rxをそれぞれの基準値と比較すれば良い。
漏電電流の位相角度は、複素数として得られた漏電電流をガウス平面で位相角度に変換するarg関数により求まる。R−N相の電圧位相角度を基準とした場合において、この位相角度θ3が0度の場合は漏電抵抗が生じた配線はR相であり、θ3が180度の場合は漏電抵抗が生じた配線はT相である。または、IIの極性が正ならR相であり、負ならT相である。これらの計算は複素数計算で行っても良いが、図3のように平面上の図でベクトル計算を行っても良い。また、ベクトル状態をX軸とY軸に分解して三角関数的に解いても良い。
ここで第二の電流ベクトルI∠θ2を異常時として表したが、第一の電流ベクトルを測定するタイミングと重なっていない場合の接地線電流と位相角度の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として求めた第三電流ベクトルから配線状態が漏電警報に至らない正常範囲でも第一の電流ベクトルを基準とした状態からの地絡事故の予兆現象を捉える漏電電流値変化として利用できる。
以下に、R相電圧であるR−N間電圧を電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合の具体的な例を示す。表10に、対地配線静電容量値がCR=1uF、CT=4.7uFで漏電抵抗がない場合の正常時回路例の漏洩電流を示す。電源電圧と周波数は、(1)式から(4)式が50Hz、60Hzで共通であることから60Hzの例として100Vrms、60Hzとする。この条件での接地電流ベクトルは、i∠θ1=0.139A∠−90度となっている。ここで表11、表12に、R、T相に個別に漏電が生じた場合のI∠θ2を示している。表10〜表12に示した ir、itは、測定が困難なので計算値である。
表13には、i∠θ1とI∠θ2をまとめて(1)式〜(4)式の計算を行った結果を示す。(1)式が漏電電流成分である第三の電流ベクトルの電流の大きさで、(3)式が位相角度(向き)を示している。表13の(4)式で求めた漏電抵抗値は、表11、表12に設定した漏電抵抗値と計算誤差内で一致している。また、(3)式の位相角度から判定した漏電が生じた配線相についても一致していることが確認できる。
このように、正常時の第一の電流ベクトルと、第一の電流ベクトルとは別のタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差で得られた第三の電流ベクトルを漏電電流として解析することにより、単相3線配線回路の漏電電流、漏電抵抗値、漏電配線相を求めることができる。
Figure 0006709338
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次に、図8に、単相2線電源の正常時の状態を示す。漏電は生じていないが対地浮遊静電容量や電子機器のノイズを対地に逃がすコンデンサが合成されて、対地間にCRとして存在している。負荷以外の電流は静電容量CRを通しての漏洩電流のみである。CRによって流れる漏洩電流をirとしている。しかし、irは対地間静電容量によって分布して流れる電流のため個別に測定することは困難である。現場で容易に測ることが可能なのは、接地線を流れる電流iと電源電圧である。この接地線の電流iと、基準となる電源電圧を位相の基準として測られる電流iの位相角度θ1より、第一の電流ベクトルi∠θ1が得られる。ここでθ1は電源の電圧位相角度を基準とする。
図9には、漏電抵抗が生じた場合の異常時の回路図を示す。漏電で問題となるのは、抵抗成分であるので異常時に生じる大地電流成分として対地間に生じた抵抗をRRとして追加している。これらの漏電抵抗と、CRの静電容量で生じた電流はIrとなる。
漏電は異常状態のため配線中の何処で生じるかは予測できず、予め漏電位置に電流計を準備しておくことは不可能である
このためIrを測定することは困難で、可能なのは接地線に流れる第二の電流ベクトルI∠θ2のみとなる。ここで、Iは接地線に流れる電流の大きさであり、θ2は第一の電流ベクトルi∠θ1を測定した場合と同一の電源電圧を基準とした電流Iの位相角度である。
本発明では、正常時に測定保持された第一の電流ベクトルi∠θ1を基準として、異常時のI∠θ2からベクトルの差を求めることにより抵抗による漏電電流である第三の電流ベクトルIor∠θ3を求めている。計算式は先に示した三相スターと同じで良い。
ここでは漏電電流の第三の電流ベクトルIor∠θ3はIIとして複素数で得られる。そして漏電電流値Iorは(2)式の複素絶対値関数absによりスカラー値として求まる。漏電の判定をするには、三相スター時と同様に漏電抵抗値に流れる漏電電流値Ior、または漏電抵抗値 Rxをそれぞれの基準値と比較すれば良い。漏電電流の位相角度は、複素数として得られた漏電電流をガウス平面で位相角度に変換するarg関数により求まる。
これらの計算は複素数計算で行っても良いが、図3のように平面上で図的にベクトル計算を行っても良い。また、ベクトル状態をX軸とY軸に分解して三角関数的に解いても良い。ここで第二の電流ベクトルI∠θ2を異常時として表したが、第一ベクトル電流値を測定するタイミングと重なっていない場合の接地線電流と位相角度の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として求めた第三電流ベクトルから配線状態が漏電警報に至らない正常範囲でも第一電流ベクトルを基準とした状態からの地絡事故の予兆現象を捉える漏電電流値変化として利用できる。
以下に、R相電圧であるR−N間電圧を電流ベクトル測定の位相角度基準とした場合の具体的な例を示す。表14に、対地配線静電容量値がCR=2uFで、漏電がない場合の正常時回路例の漏洩電流を示す。電源電圧と周波数は、100Vrms、60Hzとしている。この条件での接地電流ベクトルは、i∠θ1=0.075A∠90度となっている。
ここで、表15に漏電が生じた場合のI∠θ2を示している。表15に示したirは、測定が困難なので計算値である。表16には、i∠θ1とI∠θ2をまとめて、(1)式〜(4)式の計算を行った結果を示す。(2)式が漏電電流成分である第三電流ベクトルの電流の大きさで、(3)式が位相角度(向き)を示している。表16の(4)式で求めた漏電抵抗値は、表15に設定した漏電抵抗値と一致している。また、(3)式の位相角度から判定した位相角度θ3は0度であり、抵抗による漏電電流位相角度と一致していることが確認できる。
このように、正常時の第一の電流ベクトルと第一の電流ベクトルとは別のタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差で得られた第三の電流ベクトルを、漏電電流として解析することにより単相2線配線回路の漏電電流、漏電抵抗値、漏電配線相を求めることができる。
Figure 0006709338
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以上、三相スター配線回路、三相デルタ配線回路、単相3線配線回路、単相2線配線回路のすべてにおいて、接地線を流れる電流において、正常時に測定して保持した電流と位相角度である第一の電流ベクトルi∠θ1を基準にして、第一の電流ベクトルを測定保持するタイミングと違う測定値である同一接地部の電流と位相角度である第二の電流ベクトルI∠θ2との差の第三電流ベクトルIor∠θ3により漏電電流、漏電抵抗と漏電が生じた線相を求めることができることが確認できた。
このように、単一の機種にて三相スター配線回路、三相デルタ配線回路、単相3線配線回路、単相2線配線回路に対応できるため量産効果により機器価格を下げることができるとともに、電源種別に対して同一の計算式なので計算プログラムにバグが出にくいというメリットがある。
なお、漏電電流により対地電位が無視できなるほど大きくなる場合は、本計算式には誤差が生じるが、そのような場合は発火事故に至る状態であり、それ以前の状態での予防監視に適している。さらに本発明では、抵抗に限らず配線対地静電容量の変化など電源線インピーダンスの変化状態を捉えることができる。この場合は抵抗値を求めている(4)式の左辺RxをZxと置き換えて、インピーダンス変化を生じさせた第三の電流値ベクトルの電流の大きさIorで割ることによりインピーダンスが求まる。
Zx=V/Ior …(5)式、
このインピーダンスZxより、インピーダンスが静電容量であれば、
Cx=1/(ω・Zx) …(6)式、 ω=2・Π・f、
で追加静電容量値を求めることができる。
もし、Zxが、L,C,R成分の組み合わせの場合は、その組み合わせに応じたZx値を求めることができる。この為、L成分が対地間に接続される場合でも解法は可能である。しかし一般的には電源と対地には正常時は静電容量Cだけが存在して、異常時に漏電抵抗Rが生じる為、L成分についての実例は省略している。
なお、(4)式(5)式の電圧値Vは対地からの電源電圧値である。電源電圧値は三相スター配線回路、三相デルタ配線回路、単相3線配線回路、単相2線配線回路で決まっているが、現場では多少の変動が生じ得る。決まっている固定的な電源電圧値を用いても良いが、電流ベクトルの位相を測定するために取り込んでいる電源電圧を測定してその電圧値を用いれば電源電圧の変動を受けずに漏電抵抗や漏電素子の値を得ることができる。もし取り込んでいる電源電圧が対地間でない場合は、対地間に換算して使用する。
正常な三相デルタ配線回路の例とした図4で、CR=3uF、CT=0.33uFの場合の電流状態を表17に示す。図10に図4の状態から対地静電容量が増えた場合の回路を示す。増えた静電容量値は Cr、Ctで示されている。Crが増えた場合を表18に示す。Ctが増えた場合を表19に示す。
表20には表17の正常状態から、それぞれ表18と表19に示す静電容量が増えた場合を(1)式〜(6)式で解いて追加静電容量を求めた例を示す。
Figure 0006709338
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表20には表18で示したR相追加静電容量5.4uFが150度位相角度状態で得られて、表19で示したT相追加静電容量2uFが−150度位相角度状態で得られている。静電容量値による電流はT−R相電圧を基準とすれば、R相では150度位相角度に流れる。そしてT相では−150度位相角度として流れる。つまり、正常時を基準として得られた変化電流成分が150度か−150度であれば第三の電流ベクトルは静電容量成分であり、漏電抵抗が生じた場合とは違い、正常状態という判断ができる。なお、基準相電圧を変えた場合は、その基準相電圧による関係となる。
対地静電容量変化の例として図4から図10に三相デルタ電源回路の状態の変化を示したが、図2の三相スター、図6の単相3線、図8の単相2線に容量変化が生じる場合でも同様に計算できる。この場合、基準となる電源電圧が今までに示した電源条件であれば三相スターではR相の静電容量が変化した場合は90度位相角度成分、S相の静電容量が変化した場合は−30度位相角度成分、T相の静電容量が変化した場合は−150度位相角度成分として表れる。
単相3線ではR相の静電容量が変化した場合は90度位相角度成分、T相の静電容量が変化した場合は−90度位相角度成分として表れる。単相2線では静電容量が変化した場合は90度位相角度成分として表れる。
また、先に示してきたように抵抗成分による漏電電流値の位相も、電源種別とその配線相により決まっているので漏電電流が生じた配線相を知ることができる。表21に電流ベクトル位相測定の基準となる電源電圧を表の二列目に示した電圧にした場合に得られた第三の電流ベクトル位相角度θ3と表の三列目の配線相の関係を示す。漏電素子の種別が抵抗時には第三の電流ベクトル位相角度θ3は四列目の位相角度値になり、静電容量時には五列目の位相角度値になる。このため、第三電流ベクトルの電流位相角度θ3から漏電素子の種別の区別がつくので、静電容量の場合は(6)式に割り当てて変化した静電容量値を求めることもできる。なお、電流ベクトル位相角度の基準となる電源電圧を変えた場合は、その電源電圧に依る位相角度関係となる。
Figure 0006709338
実際の回路では位相角度の測定誤差や、漏電としては影響のない高い抵抗値成分が入ったりするため、得られた位相角度には計算値位相角度と誤差が生じるが、計算値に対して許容誤差を設けて判断することにより、漏電状態を実用的に判断できる。
なお、ここで示した計算による位相角度値は、今回示した電流ベクトル位相角度の基準となる電源電圧の取り込み電圧の場合の値であり、基準電圧取り込み点を変更すると電圧取り込み点の位相角度に応じて変化する。
また、接地線を流れる電流の測定は接地線に電流センサを取り付けて直接測定する方法以外にも、負荷への電源線をまとめた状態にして磁界型の電流センサにより測定することもできる。これは、負荷電流成分は線間で打ち消しているのに対して、接地線への接地線を流れる電流成分は打ち消さずに残るためである。
図11に、本発明の実施形態における漏電電流検出システム50を示す。漏電電流検出システム50は、据え置き型の構成例である。各種電源51は三相スター配線回路、三相デルタ配線回路、単相3線配線回路、単相2線配線回路を示す。接地線の電流を測るための電流センサは貫通型電流センサ52を用いた例としているがクランプ型でも構わない。
電流ベクトルの位相角度の基準となる電源電圧は基準電源電圧より得ている。電流ベクトル測定部53は貫通型電流センサ52の電流値と、基準電源電圧を基準位相とした貫通型電流センサ52の電流の位相角度を測定して電流ベクトルとしている。
電流ベクトル測定部53で測定された電流ベクトルは演算・判定部54にて漏電が問題無い正常時の測定値を第一の電流のベクトルi∠θ1として扱い、第一の電流値ベクトルを測定するタイミングと重なっていない場合の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として扱う。この2つのベクトルの差である(1)式より得られた第三の電流ベクトルIIを漏電電流として扱う事により地絡事故の予兆現象や異常時の漏電であることを捉える。なお、第一の電流ベクトルが第一の電流ベクトル記憶部57に保持されている場合は第一の電流ベクトル記憶部57のベクトルを第一の電流ベクトルとして演算に用いても良い。
実際には第三の電流ベクトルIIを(2)式や(3)式を用いて第三の電流ベクトルIor∠θ3に変換して位相角度θ3から漏電素子種別や漏電配線相を判定し、素子の種別に応じて素子の値が必要な場合は素子の値を(4)式や(5)式や(6)式を使って求める。そして素子の種別が抵抗の場合は、第三の電流ベクトルの電流の大きさIorまたは抵抗値が基準値を超えて出力された場合に異常と判定し、漏電警告部56の警報ランプや警報LEDなどにて警告する。
さらに安全確保のため、電源の遮断が必要な場合は電源遮断器59を付け加えても良い。この場合は異常と判定した場合には演算・判定部54は電源遮断器59に指示を出し電源を遮断する。
素子の種別が静電容量と判断された場合は、正常状態として処理する。
漏電情報表示部55には、演算して得られた素子の種別、漏電のあった配線相、漏電電流値Ior、漏電電流位相角度θ3、素子の値などを表示する。第一の電流ベクトルや第二の電流ベクトル、第三の電流ベクトルを表示しても構わないし、表示の必要が無い場合やデータを別に送付するなどの手段がある場合は、表示部は無くても構わない。
また第一の電流ベクトルの保持指示入力スイッチである押しボタンスイッチ58が押された場合には、演算・判定部54はその時に得られている電流ベクトル測定部53の電流ベクトルを、第一の電流ベクトル記憶部57に保持記憶する。第一の電流ベクトル記憶部57はフラッシュROMやRAM、CPU内の演算メモリ、USBメモリなど記憶機能を持つものであれば良い。
ここで押しボタンスイッチ58にて第一の電流ベクトルを第一の電流ベクトル記憶部57に記憶する例を示したが、図12のようなシステムにより第一の電流ベクトルが得られている場合は、その外部の測定器の第一の電流ベクトル情報を図11の第一の電流ベクトル記憶部57に記憶させても良い。
これは、電気工事電源導入現場では、漏電が無い事を確認する作業が生じるので、その確認作業後の正常状態にて図12の測定器により、電源位置ごとの正常値を測定して行くと作業効率が良いし、図11の構成で異常時のみ警報できれば良い場合には不要な値の表示機能が無くとも、図12の測定器により測定内容の確認が出来た信頼性の有る正常時の第一の電流ベクトルを得る事ができる。なお、技術常識からすれば、上述の「漏電が無い」とは、漏電電流が全くない、つまり「0」である、という意味ではなく、漏電電流が許容値(当然に「0」も含む。)内であり、つまり第一の電流ベクトルが、正常値の範囲内にあるという意味である。
ここで測定した第一の電流ベクトルの値を第一の電流ベクトル記憶部57に設定する事により図11の装置自身にて、個々の位置ごとの第一の電流ベクトル取り込み作業を行う手間を省ける上、データの信頼性も確保できる。
なお、電流ベクトル測定部53に複数箇所の貫通電流センサ52と基準電源電圧を接続して多チャンネルの管理を行うこともできる。この場合は第一の電流ベクトル記憶部57も多チャンネル持たせる。
図12に、本発明の別の実施形態における漏電電流検出システム60を示す。漏電電流検出システム60は、移動式の構成例である。移動して複数箇所の漏電状態を測定するため、測定位置を特定するための漏電測定位置選択スイッチ62を持っている。接地線の電流を測定する電流センサにクランプ型電流センサ61を用いることにより、1個の電流センサで多数の電源システムの管理を行うことができる。
漏電測定位置選択スイッチ62で選択した位置の接地線の電流を測るための電流センサはクランプ型電流センサ61用いた例としているが貫通型電流センサを測定対象位置に取り付けておいて現場ごとのセンサの出力電流部分を取り入れても良い。
漏電測定位置選択スイッチ62で選択した位置の電流ベクトルの位相角度の基準となる電源電圧は基準電源電圧より得ている基準電源電圧の電圧入力端子は移動測定ができるように、みの虫クリップなどの取り外しが容易な電圧測定仕様とする。
電流ベクトル測定部53はクランプ型電流センサ61の電流値と、基準電源電圧を基準位相としたクランプ型電流センサ61の電流の位相角度を測定して電流ベクトルとしている。
電流ベクトル測定部53で測定された電流ベクトルは演算・判定部54にて漏電が問題無い正常時の測定値を第一の電流のベクトルi∠θ1として扱い、第一の電流値ベクトルを測定するタイミングと重なっていない場合の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として扱う。この2つのベクトルの差である(1)式より得られた第三の電流ベクトルIIを漏電電流として扱う事により地絡事故の予兆現象や異常時の漏電であることを捉える。なお、第一の電流のベクトルが漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63に保持されている場合は漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63のベクトルを第一の電流ベクトルとして演算に用いても良い。
実際には第三の電流ベクトルIIを(2)式や(3)式を用いて第三の電流ベクトルIor∠θ3に変換して位相角度θ3から漏電素子種別や漏電配線相を判定し、素子の種別に応じて素子の値が必要な場合は素子の値を(4)式や(5)式や(6)式を使って求める。そして素子の種別が抵抗の場合は、第三の電流ベクトルの電流の大きさIorまたは抵抗値が基準値を超えて出力された場合に異常と判定し、漏電警告部56の警報ランプや警報LEDなどにて警告する。素子の種別が静電容量と判断された場合は、正常状態として処理する。
漏電情報表示部55には、測定位置や演算して得られた素子の種別、漏電のあった配線相、漏電電流値Ior、漏電電流位相角度θ3、素子の値などを表示する。第一の電流ベクトルや第二の電流ベクトル、第三の電流ベクトルを表示しても構わないし、表示の必要が無い場合やデータを別に送付するなどの手段がある場合は、表示部は無くても構わない。
第一の電流ベクトルの保持指示入力スイッチである押しボタンスイッチ58が押された場合には、演算・判定部54はその時に得られている電流ベクトル測定部53の電流ベクトルを、漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63に保持記憶する。漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63はフラッシュROMやRAM、CPU内の演算メモリ、USBメモリなど記憶機能を持つものであれば良い。
ここで押しボタンスイッチ58にて第一の電流ベクトルを漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63に記憶する例を示したが、別な図12のようなシステムにより第一の電流ベクトルが得られている場合は、その外部の測定器の第一の電流ベクトルを漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63に記憶させても良い。
これは、複数の図12の構成の装置で、漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63の値をコピーして共有化しておく事により、複数の図12の装置を使って複数人で測定作業を行えば、迅速に測定作業が終わるというメリットがある。また、別な図12の漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部63の値を設定した図12のシステムを持っていれば、どちらかが故障しても管理運用を維持し続ける事ができる。
図13には、図12の構成例の別形態である漏電電流検出システム70を示す。
図12の漏電電流検出システム60では測定位置を漏電測定位置選択スイッチ62により選択していたが、図13の漏電電流検出システム70では、測定対象となる位置にある接地線や電源電圧線位置の近くにICタグ72を設置しておく。このICタグ72を第一の電流ベクトルの外部の記憶装置として利用することにより、測定器自身のメモリ容量に関わりなく管理箇所を増やすことができるという特徴が有る。ICタグ72には位置を把握出来る管理情報を入れていても良い。
接地線の電流を測るための電流センサはクランプ型電流センサ61用いた例としているが貫通型電流センサを測定対象位置に取り付けておいて現場ごとのセンサの出力電流部分を取り入れても良い。
電流ベクトルの位相角度の基準となる電源電圧は基準電源電圧より得ている。基準電源電圧の電圧入力端子は移動測定ができるように、みの虫クリップなどの取り外しが容易な電圧測定仕様とする。
電流ベクトル測定部53はクランプ型電流センサ61の電流値と、基準電源電圧を基準位相としたクランプ型電流センサ61の電流の位相角度を測定して電流ベクトルとしている。
電流ベクトル測定部53で測定された電流ベクトルは演算・判定部54にて漏電が問題無い正常時の測定値を第一の電流のベクトルi∠θ1として扱い、第一の電流値ベクトルを測定保持するタイミングと重なっていない場合の測定値を第二の電流ベクトルI∠θ2として扱う。この2つのベクトルの差である(1)式より得られた第三の電流ベクトルIIを漏電電流として扱う事により地絡事故の予兆現象や異常時の漏電であることを捉える。第一の電流のベクトルがICタグ72に保持されている場合はICタグR/W71を通して読み出したICタグ72のベクトルを第一の電流ベクトルとして演算に用いても良い。
実際には第三の電流ベクトルIIを(2)式や(3)式を用いて第三の電流ベクトルIor∠θ3に変換して位相角度θ3から漏電素子種別や漏電配線相を判定し、素子の種別に応じて素子の値が必要な場合は素子の値を(4)式や(5)式や(6)式を使って求める。そして素子の種別が抵抗の場合は、第三の電流ベクトルの電流の大きさIorまたは抵抗値が基準値を超えて出力された場合に異常と判定し、漏電警告部56の警報ランプや警報LEDなどにて警告する。素子の種別が静電容量と判断された場合は、正常状態として処理する。
漏電情報表示部55には、測定位置や演算して得られた素子の種別、漏電のあった配線相、漏電電流値Ior、漏電電流位相角度θ3、素子の値などを表示する。第一の電流ベクトルや第二の電流ベクトル、第三の電流ベクトルを表示しても構わないし、表示の必要が無い場合やデータを別に送付するなどの手段がある場合は、表示部は無くても構わない。
第一の電流ベクトルの保持指示入力スイッチである押しボタンスイッチ58が押された場合には、演算・判定部54はその時に得られている電流ベクトル測定部53の電流ベクトルを、ICタグ R/W71を通してICタグ72に書き込む。ICタグを対象となる漏電管理位置に設置しておくことで、測定器自身のメモリ容量に関わりなく管理箇所を増やすことができる。
さらに、漏電管理位置にICタグ72の代わりに漏電管理位置を識別できるIDを持ったバーコードを置き、ICタグR/W71の代わりにバーコードリーダをもたせたシステムにおいて、バーコードリーダで読み取ったIDよりインターネットなどを通じて管理位置に対応した第一の電流ベクトルを得ても良い。この場合は、第一の電流ベクトルの保持指示入力としての押しボタンスイッチ58が押された場合には、演算・判定部54は、その時に得られている電流ベクトル測定部53の電流ベクトルと管理位置を識別できるIDをインターネットのサーバー上に記憶させる。
さらに、演算・判定部54では(1)式から(6)式に関わる計算のすべてや一部を行わず、漏電管理位置を識別できる管理番号IDと電流ベクトル情報とまた必要な場合は第一の電流ベクトルの保持指示入力スイッチ58状態をインターネット上に上げることにより、インターネット上の上位システムにて漏電管理に必要な演算・判定を行っても良い。
なお、第一の電流ベクトルの保持タイミングは第一の電流ベクトルの保持指示入力スイッチ58で行う例を示してきたが、正常状態と判断できる場合は自動で指示入力を生成することもできる。特に、単相の場合は電流ベクトル測定部53から得られる電流ベクトルの位相は、漏電がない場合には−90度か90度になるので、測定誤差や測定許容漏電成分を見込んだ範囲に位相がある場合は、自動的に正常状態と判断して保持指示入力スイッチ58の指示がなくとも、その時の電流ベクトル測定部53からの電流ベクトルを第一電流ベクトルとして保持記憶、利用することができる。
また、第三の電流ベクトルによる素子の種別の判定結果が静電容量と判断された場合も、その時の電流ベクトル測定部53からの電流ベクトルを漏電管理位置に対応した新たな第一電流ベクトルとして更新保持記憶することができる。
以上、説明したように、本発明の漏電電流検出方法及び漏電電流検出システムによれば、信号の発生や注入の必要がなく、対地静電容量がバランスしている条件がなく、三相や単相の電源種別や構成によらずに単一の方式にて漏電電流値と漏電が生じた電源線相、漏電が容量成分の増加か漏電抵抗に依るものなのかの詳細状況を求めることができるという顕著な効果を奏する。
50,60,70 漏電電流検出システム
51 各種電源
52 貫通型電流センサ
53 電流ベクトル測定部
54 演算・判定部
55 漏電情報表示部
56 漏電警告部
57 第一の電流ベクトル記憶部
58 押しボタンスイッチ
59 電源遮断器
61 クランプ型電流センサ
62 漏電測定位置選択スイッチ
63 漏電測定位置選択スイッチに対応した第一の電流ベクトル記憶部
71 ICタグR/W
72 ICタグ

Claims (5)

  1. 電源の接地線を流れる電流と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度とから電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出方法であって、
    測定した前記電流ベクトルを第一の電流ベクトルとし、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した前記電流ベクトルを第二の電流ベクトルとして、前記第一の電流ベクトルと前記第二電流ベクトルとの差を第三の電流ベクトルとして算出し、
    該第三の電流ベクトルを漏電電流値として検出し、
    前記第一の電流ベクトルは、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として記憶手段に保持記憶され、
    前記算出時に、前記保持記憶された第一の電流ベクトルを繰り返し使用し、
    前記第一の電流ベクトルを、内部測定、又は、外部測定が選択可能に構成された手段を用いて測定する
    ことを特徴とする漏電電流検出方法。
  2. 前記第三の電流ベクトルに基づいて、漏電配線相又は素子種別を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の漏電電流検出方法。
  3. 電源の接地線を流れる電流を測定する電流測定手段と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度を測定する電流位相角度測定手段とから、電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出システムであって、
    測定した第一の電流ベクトルと、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差である第三電流ベクトルを漏電電流値として検出する検出手段と、
    前記第一の電流ベクトルを、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として保持記憶する記憶手段を備え、
    前記検出手段は、前記記憶手段に保持記憶された前記第一の電流ベクトルを繰り返し検出に使用するように構成され、
    前記第一の電流ベクトルの内部測定、又は、外部測定が選択可能に構成されている
    ことを特徴とする漏電電流検出システム。
  4. 前記第三の電流ベクトルに基づいて、漏電配線相又は素子種別を判定する判定手段を備えたこと
    を特徴とする請求項3に記載の漏電電流検出システム。
  5. 電源の接地線を流れる電流を測定する電流測定手段と、電源電圧を基準とした接地線を流れる電流の電流位相角度を測定する電流位相角度測定手段とから、電流ベクトルを測定して漏電電流を検出する漏電電流検出システムであって、
    測定した第一の電流ベクトルと、該第一の電流ベクトルとは異なるタイミングで測定した第二の電流ベクトルとの差である第三電流ベクトルを漏電電流値として検出する検出手段と、
    前記第一の電流ベクトルを、正常状態にあることを確認する作業後に測定して正常値として保持記憶する記憶手段を備え、
    前記検出手段は、前記記憶手段に保持記憶された前記第一の電流ベクトルを繰り返し検出に使用するように構成され
    さらに、保持指示入力手段を備え、前記第一の電流ベクトルは、前記保持指示入力手段の指示に応答して、前記記憶手段に保持記憶される
    ことを特徴とする漏電電流検出システム。
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