JP6708850B2 - 地震時における切換スイッチ自動切断装置 - Google Patents

地震時における切換スイッチ自動切断装置 Download PDF

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本発明は、入力線(一次側)と出力線(二次側)との電路に介設されて当該電路が異常になった場合、当該電路を接続状態から切断状態に切り換える切換スイッチにおいて、地震発生時に、当該切換スイッチを自動的に切断状態にする地震時における切換スイッチ自動切断装置に関する。
また、停電時に当該切換スイッチを自動的に切断状態にする停電時における切換スイッチ自動切断装置に関する。
特に、分電盤内に設置されるアンペアブレーカーや漏電ブレーカー等を、停電時に自動的に切断する停電時における切換スイッチ自動切断装置に関する。
詳しくは、分電盤に後付け可能な、停電時における切換スイッチ自動切断装置に関する。
更に詳しくは、分電盤に容易に後付け可能な、停電時における切換スイッチ自動切断装置に関する。
更には、分電盤に容易に後付け可能であって、かつ、安価な、停電時における切換スイッチ自動切断装置に関する。
更にまた、停電の後、復電した場合、当該復電を報知できる復電報知装置に関する。
加えて、入力線(一次側)と出力線(二次側)との電路に介設されて当該電路を接続状態から切断状態に切り換える切換スイッチにおいて、停電時に加え、所定震度以上の地震が発生した場合、自動的に当該切換スイッチを切断状態にする停電時又は地震時おける切換スイッチ自動切断装置に関する。
なお、本明細書で使用する「切換スイッチ」は、アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカー、又は、これらに類似した機能を有するスイッチを含んでいる。アンペアブレーカーとは、電力会社と需要家との間で契約された電力、すなわち「契約アンペア値」を超える電流が流れた時に電気の供給を自動で止める機能を有する装置であり、東京電力株式会社以外の他の電力会社において言うところの、リミッタ、サービスブレーカー、又は、契約ブレーカー、及び、それらと類似の装置を包含する。漏電ブレーカーとは、漏電時に流れる電流を検出し、回路を自動的に遮断する機能を有する装置である。また、類似の装置とは、一次側から二次側への電路に異常な過電流が流れたときに、当該電路を開放する機能を有する装置である。
第1の従来技術として、予め定めた震度の地震の発生を検出する地震検出手段と、商用電源の停電を検出する停電検出手段と、前記地震検出手段が地震の発生を検出した後に前記停電検出手段が前記商用電源の停電を検出すると制御信号を出力する制御信号出力手段と、前記制御信号出力手段の制御信号が入力されるとブレーカーを強制開極させる強制開極手段とを備えて成ることを特徴とする感震機能付回路遮断装置が知られている(特許文献1)。
第2の従来技術として、ブザーと、ランプと、リセットスイッチと、リレースイッチと、を備えた構成であり、100Vまたは200Vの引込(入力)線の引込線取付点と配線用遮断器との間の任意の位置に接続されて、引込線に電圧がきている場合は前記リレースイッチが閉じていて引込線と屋内配線は導通状態であり、停電して引込線に電圧がきていない状態になると前記リレースイッチが開いて引込線と屋内配線とは遮断状態となり、再び引込線に電圧が印加された復旧時には前記ブザーとランプに電流が流れて音と光を発する一方、前記リレースイッチは作動せずに開いた状態のまま前記遮断状態を維持し、前記リセットスイッチを手動で入れるとリレースイッチが閉じて以後導通状態となり屋内配線への電力供給が維持されることを特徴とする防災ブレーカーが知られている(特許文献2)。
第3従来技術として、商用電源から電力を供給される主幹電路に介挿された主電源ブレーカーと、前記主電源ブレーカーの二次側において前記主幹電路から分岐して機器に電力を供給する複数の分岐電路にそれぞれ介挿された分岐ブレーカーと、前記商用電源が電力供給を停止している停電を検知する停電検知部と、前記停電検知部が停電を検知した場合、前記主幹電路から少なくとも一部の前記分岐電路への電力供給を遮断する開閉部とを備えることを特徴とする分電盤が知られている(特許文献3)。
特許第3351966号(図1−図18、段落番号0012) 特開平9−093805(図1及び2,段落番号0016) 特開2012-249391(図1−図7、段落番号0026−0046)
第1の従来技術において、所定値以上の地震が発生した後、停電になった場合、アンペアブレーカーが接続状態にあることによる火災等の二次災害の発生を防止するため、地震検出手段による所定以上の地震の検知の後、停電検出手段によって停電を検出した場合、分電盤におけるアンペアブレーカーを自動的に切断するようになっている。これにより、地震後の再通電による二次災害の発生を抑制できる利点がある。しかし、第1の従来技術においては、分電盤内に配置された地震検出手段が所定値以上の地震を検出しなければ、例え停電があったとしても、アンペアブレーカーは自動的に切断されないため、二次災害が発生する恐れがある。例えば、分電盤と電気器具が配置されている場所とは異なることから、分電盤における地震検知手段においては所定以上の地震が検知されない場合において、当該地震の発生後に停電になった場合、アンペアブレーカーは自動的に切断されない。この場合において、例えばヘアードライヤー上に可燃物が落下した場合には、停電後の再通電によって当該ヘアードライヤーが作動し、火災等の二次災害が発生する恐れが高まる問題があり、俄に採用できない。
第2の従来装置は、地震の有無に関係なく、停電になってアンペアブレーカーの入力線に電流が流れない場合、リレースイッチが作用しないことから、アンペアブレーカーが自動的に切断される。その後停電から復活した場合には、当該復活を知らせるランプ又はブザーを確認して、リセットスイッチを押すことによりアンペアブレーカーが接続状態になることから、停電に伴う二次災害を防止するには有効な技術である。しかしながら、リレースイッチやリセットスイッチは分電盤に組み込む必要がある。我が国において、分電盤内の配線変更作業は、所定の資格を有する者でなければ行うことができないことから、費用が高額になり、既設の分電盤に普及させるには問題がある。
第3の従来技術においても、停電検知部によって停電を検知した場合、主電源ブレーカーと分岐ブレーカーとの間に設けた開閉器を開放するので、停電後の二次災害を防止出来る利点がある。しかし、第2の従来技術と同様の問題及び開閉器を新たに配置するのでコスト高になる問題がある。
本発明の基本的目的である第1の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能である地震時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第2の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、容易にかつ安価に設置できる停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第3の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、停電を確実に検出できる停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第4の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、停電の誤検知がない停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第5の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、非接触センサの検知片を容易に設置できる停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第6の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、アクチュエータ及び制御装置を容易に設置できる停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第7の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、非接触センサの検知片を容易に、かつ、確実に所定の位置に設置できる停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第8の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、検知片及び/又はアクチュエータ及び制御装置を容易に所定位置に設置できる停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第9の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、アクチュエータと切換スイッチのスイッチレバーとを容易に接続できる停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第10の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、安価な停電時における切換スイッチの自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第11の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、容易に所定位置に設置できる安価な停電時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第12の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、アクチュエータが作動した後の復旧が容易であって安価な停電時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第13の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、復電した際に速やかに復旧できる停電時における停電時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第14の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、アクチュエータの作動用のエネルギー源である電池の交換を実質的にせずともよい停電時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第15の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、アクチュエータの作動用のエネルギー源である電池を小容量化できる停電時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第16の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能である停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第17の目的は、所定の資格を有せずとも設置可能であって、さらに、アクチュエータのリセットが容易にできる停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
本発明の従的な目的である第18の目的は、アクチュエータのリセットが更に容易にできる停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置を提供することである。
なお当然のことであるが、本発明の基本的目的である第1の目的を達成できる場合、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
この目的を達成するため、請求項1にかかる第1の発明は以下のように構成されている。
スイッチレバーにより入力線から出力線への電路を切断又は接続状態に切り換える切換スイッチを備える分電盤と、
前記スイッチレバーを切換可能に関連づけされた電気的アクチュエータと、
所定震度の地震を検知した場合、地震信号を出力する感震装置と、
前記感震装置からの前記停電信号に基づいて前記電気的アクチュエータを作動させて前記スイッチレバーを切断状態に切り換える制御装置と、
を備えることを特徴とする地震時における切換スイッチ自動切断装置である。
第1の態様は、スイッチレバーにより入力線から出力線への電路を切断又は接続状態に切り換える切換スイッチを備える分電盤において、前記スイッチレバーに接続具を介して連結されたアクチュエータと、前記切換スイッチに対する前記入力線又は出力線に近接配置された非接触センサの検知片と、前記非接触センサからの停電信号に基づいて前記アクチュエータを作動させて前記スイッチレバーを切断状態に切り換える制御装置と、を備えることを特徴とする停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第2の態様は、次ぎのように構成されている。
前記非接触センサが静電容量センサであることを特徴とする第1の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第3の態様は、次ぎのように構成されている。
前記静電容量センサの検知片が前記切換スイッチの出力線に相対して配置されていることを特徴とする第2の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第4の態様は、次ぎのように構成されている。
前記静電容量センサの検知片が前記切換スイッチの入力線に相対して配置されていることを特徴とする第3の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第5の態様は、次ぎのように構成されている。
前記非接触センサがブラケットに取り付けられていることを特徴とする第3又は第4の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第6の態様は、次ぎのように構成されている。
さらに、前記アクチュエータ、及び、前記制御装置が前記ブラケットに取り付けられていることを特徴とする第5の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第7の態様は、次ぎのように構成されている。
前記ブラケットが、前記切換スイッチが貫通しうる透孔を有し、前記透孔を前記切換スイッチが貫通した状態において、前記非接触センサの検知片が前記入力線又は出力線に相対するように前記ブラケットに取り付けられていることを特徴とする第5の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第8の態様は、次ぎのように構成されている。
前記ブラケットがその両端部によって前記分電盤カバーを挟んで抱くようにして前記分電盤カバーに取付けられることを特徴とする第5又は第6の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第9の態様は、次ぎのように構成されている。
前記接続具が、前記スイッチレバーに係止する係止具と前記アクチュエータに接続する紐体を含んでいることを特徴とする第1〜第8の態様の何れかに記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第10の態様は、次ぎのように構成されている。
前記アクチュエータが、電気モーターと、前記電気モーターの出力軸に連結された減速機と、前記減速機の減速出力軸にクラッチ手段を介して連結された前記紐体を巻き取る巻取リールを含んでいることを特徴とする第1〜第9の態様の何れかに記載した停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第11の態様は、次ぎのように構成されている。
前記接続具が、紐体の一端部に接続された前記スイッチレバーに係止するための係止具、及び、他端部に接続された滑車を含むレバー側接続具と、前記滑車に巻き掛けられと共に一端が固定部に固定され、他端部が前記巻取リールに巻き付けられた第2紐体を含む巻取側接続具とを含んでいることを特徴とする第9の態様に記載した停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第12の態様は、次ぎのように構成されている。
前記クラッチ手段は、手動によって解除可能な構成であることを特徴とする第10の態様に記載した停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第13の態様は、次ぎのように構成されている。
前記非接触センサの出力に基づいて復電を判別する復電判別手段を設け、当該復電判別手段からの復電信号に基づいて復電を報知する復電報知装置を設けたことを特徴とする第4の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第14の態様は、次ぎのように構成されている。
さらに、前記アクチュエータ、及び、制御装置に対し電力を供給する充電可能型電池を設け、前記充電可能型電池を充電するための自然エネルギー発電装置を設けたことを特徴とする第2の態様に記載の停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第15の態様は、次ぎのように構成されている。
前記アクチュエータが、前記スイッチレバーを接続状態から切断状態へ移動させることができる弾発力で付勢する弾性体と、前記弾性体に連動して移動可能に設けられたリテーナと、前記リテーナを前記弾性体による弾発力によって前記スイッチレバーが前記切断状態に移動されない位置に保持する保持装置と、前記停電信号に基づいて前記保持装置を非保持位置に移動させる保持解除装置を含んでいることを特徴とする第1〜第9の何れかの態様に記載した停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
第16の態様は、次ぎのように構成されている。
スイッチレバーにより入力線から出力線への電路を切断又は接続状態に切り換える切換スイッチを備える分電盤において、前記スイッチレバーを切換可能に関連づけされた電気的アクチュエータと、前記切換スイッチに対する前記入力線又は出力線に近接配置された検知片を備えると共に停電を検出した場合停電信号を出力する非接触センサと、所定震度の地震を検知した場合、地震信号を出力する感震装置と、前記非接触センサからの前記停電信号又は前記感震装置からの前記地震信号に基づいて前記電気的アクチュエータを作動させて前記スイッチレバーを切断状態に切り換える制御装置と、を備えることを特徴とする停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置である。
第17の態様は、次ぎのように構成されている。
前記電気的アクチュエータが、電気モーターと、前記電気モーターの出力軸に連結された平歯車からなる減速機と、前記減速機の減速出力軸に関連して設けられたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛み合っていると共に、前記スイッチレバーに直接又は間接に作用し得るように設けられたラックを含んでいることを特徴とする第1〜8の態様又は第16の態様の何れかに記載した停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置である。
第18の態様は、次ぎのように構成されている。
前記制御装置は、前記ラックを前記スイッチレバーが切断状態になるように移動するよう前記電気モーターを一方向へ回転させた後、前記スイッチレバーが接続状態に移動できる位置迄、前記電気モーターを逆転させることを特徴とする第17の態様における停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置である。
請求項1に係る第1の発明において、所定震度の地震を検知した場合、地震信号を出力する感震装置を備えることから、制御装置は前記地震信号に基づいてアクチュエータを作動させ、前記スイッチレバーを切断状態に切り換える。したがって、所定震度以上の地震が発生した場合、スイッチレバーがアクチュエータによって自動的に移動されて接続状態から切断状態にされることから、切換スイッチは切断状態にされ、切換スイッチのスイッチレバーが接続状態に復帰されるまで当該切断状態を継続する。これによって、地震に伴う電気器具に基づく火災の発生たる二次災害を防止することが出来るので、本発明の基本的目的たる第1の目的を達成できる利点がある。
第1の態様において、入力線又は出力線に近接配置された非接触センサは、近接配置された入力線又は出力線に電圧が印加されない場合、停電信号を出力する。この停電信号に基づいて、アクチュエータが作動され、当該アクチュエータの作動によって、接続具を介して切換スイッチのスイッチレバーは切断状態にされる。換言すれば、切換スイッチは、停電になった場合、スイッチレバーがアクチュエータによって自動的に移動されて接続状態から切断状態にされることから、切換スイッチは切断状態にされ、切換スイッチのスイッチレバーが人為的に接続状態に復帰されるまで当該切断状態を継続する。したがって、停電後は、管理者が分電盤に接続されている全ての電気機器の安全を確認した後、切換スイッチのスイッチレバーを接続位置に移動することにより、初めて当該電気機器に電気が流れることから、停電に伴う二次災害を防止することが出来るので、本発明の従的目的たる第2の目的を達成できる利点がある。
第2の態様において、基本的構成は第1の態様と同一であるので、本発明の基本的目的たる第2の目的を達成できる利点がある。
さらに、非接触センサが静電容量センサであるので、容易にかつ安価に設置できることから本発明の従的目的たる第2の目的を達成できる利点がある。
第3の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の従的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、非接触センサが切換スイッチの出力線に相対して配置されているので、停電を確実に検出できることから、本発明の従的目的たる第3の目的を達成できる利点がある。
第4の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、非接触センサが切換スイッチの入力線に相対して配置されているため、入力線側が停電した場合、換言すれば、入力線に電圧が加えられない場合には非接触センサによる停電検知に基づいて、アクチュエータが作動されることから、必ず切換スイッチが切断状態にされるので、停電の誤検知がないことから、本発明の従的目的たる第4の目的を達成できる利点がある。
第5の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、非接触センサの検知片がブラケットに取り付けられているので、当該ブラケットの所定位置への装着によって検知片が入力線又は出力線に相対した近接した位置に取り付けられるので、非接触センサの検知片を容易に設置できることから、本発明の従的目的たる第5の目的を達成できる利点がある。
第6の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、アクチュエータ、及び、制御装置がブラケットに取り付けられていることから、ブラケットを分電盤カバーに装着することによって、非接触センサ、アクチュエータ、及び、制御装置が分電盤に装着され、この装着後、接続具を切換スイッチのスイッチレバーに係止するだけで良いので、本発明の従的目的たる第6の目的を達成できる利点がある。
第7の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、ブラケットに形成された透孔を切換スイッチが貫通した状態において、非接触センサの検知片が入力線又は出力線に相対するようにブラケットに取り付けられている。換言すれば、ブラケットの透孔を、切換スイッチが貫通するように装着すると、非接触センサの検知片の、入力線又は出力線に対する位置決めが自動的に行われることから、非接触センサの検知片を極めて容易に所定の位置に正確に設置できるので、本発明の従的目的たる第7の目的を達成できる利点がある。
第8の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、ブラケットがその両端部によって前記分電盤カバーを挟んで抱くようにして前記分電盤カバーに取付けられている。換言すれば、ブラケットを分電盤カバーを挟んで抱くように装着することによって、非接触センサ、アクチュエータ、及び、制御装置が分電盤に装着され、この装着後、接続具を切換スイッチのスイッチレバーに係止するだけで良いので、検知片及び/又はアクチュエータ及び制御装置を容易に所定位置に設置できるので、本発明の従的目的たる第8の目的を達成できる利点がある。
第9の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、接続具の係止具を切換スイッチのスイッチレバーに係止し、さらに紐体をアクチュエータに接続することにより、或いは、アクチュエータに接続された紐体に接続された係止具をスイッチレバーに係止することにより、アクチュエータと切換スイッチとを容易に接続できることから本発明の従的目的たる第9の目的を達成できる利点がある。
第10の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、アクチュエータが、電気モーターと、前記電気モーターの出力軸に連結された減速機と、前記減速機の減速出力軸にクラッチ手段を介して連結された前記紐体を巻き取る巻取リールを含んでいるので、接続具を安価に製造することができることから本発明の従的目的たる第10の目的を達成できる利点がある。
第11の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、接続具が、一端部に接続されたスイッチレバーに係止するための係止具、及び、他端部に接続された滑車を含むレバー側接続具と、滑車に巻き掛けられると共に一端が固定部に固定され、他端部が巻取リールに巻き付けられた第2紐体を含む巻取側接続具とを含んでいるので、滑車の原理によって小さな力で第2紐体を巻き取ることができ、本発明の従的目的たる第11の目的を達成できる利点がある。
第12の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、クラッチ手段は、手動によって解除可能なことから、当該クラッチ手段の接続を手動解除することにより巻取リールを自由に回転させることができるので、当該巻取リールを自由に回転させることでアクチュエータが作動した後の復旧を容易に行うことができ、本発明の従的目的たる第12の目的を達成できる利点がある。
第13の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、非接触センサの出力に基づいて復電を判別する復電判別手段を設け、当該復電判別手段からの復電信号に基づいて復電を報知する復電報知装置を設けたので、非接触センサの出力に基づいて復電判別手段が復電を判別した場合、復電報知装置を作動させて管理者に、視覚、聴覚、振動等の人体における感覚器官への刺激に基づいて知覚させる。復電を知覚した管理者は、速やかに電気機器の状態を確認し、全ての機器が安全である場合、初めてスイッチレバーを接続状態に復帰させて電気機器等を速やかに再稼働させることができる。したがって、第13の発明によれば、本発明の従的目的たる第13の目的をも達成できる利点がる。
第14の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、アクチュエータに対しその作動エネルギーを供給する電池が充電可能型電池であり、当該充電可能型電池に対し、自然エネルギー発電装置によって発電した電気を充電するので、電力不足による不測の不作動を防止でき、本発明の従的目的たる第14の目的をも達成できる利点がある
第15の態様において、基本的構成は第2の態様と同一であるので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。
さらに、切換スイッチのスイッチレバーを接続状態から切断状態に切り換える駆動源は、弾性体の弾発力であり、通常、弾性体によって付勢されるリテーナを保持装置によって保持位置に保持することによって、当該弾発力が実質的にスイッチレバーに作用しないようにする。停電が発生した際、保持解除装置によって、保持装置を非保持位置へ移動させて当該保持装置による当該リテーナの保持を解くことにより、弾性体の弾発力によってスイッチレバーを切断状態に切り替えるので、スイッチレバーは前記弾発力によって接続状態から切断状態に切り換えられる。よって、切換スイッチを接続状態から切断状態への切り換えは、弾性体によって行うので、保持解除装置の駆動力を小さくでき、消費電力が極めて小さい。よって、本発明の従的目的たる第15の目的をも達成できる利点がある。
請求項16に係る第16の発明において、入力線又は出力線に近接配置された非接触センサは、近接配置された入力線又は出力線に電圧が印加されない場合、停電信号を出力する。この停電信号に基づいて、制御装置によって電気的アクチュエータが作動され、当該電気的アクチュエータの作動によって、切換スイッチのスイッチレバーは切断状態にされる。換言すれば、切換スイッチは、停電になった場合、スイッチレバーが電気的アクチュエータによって自動的に移動されて接続状態から切断状態にされることから、切換スイッチは切断状態にされ、切換スイッチのスイッチレバーが人為的に接続状態に復帰されるまで当該切断状態を継続する。したがって、停電後は、管理者が分電盤に接続されている全ての電気機器の安全を確認した後、切換スイッチのスイッチレバーを接続状態にすることにより、初めて当該電気機器に電気が流れることから、停電に伴う二次災害を防止することが出来るので、本発明の的目的たる第の目的を達成できる利点がある。加えて、所定震度の地震を検知した場合、地震信号を出力する感震装置を備えることから、制御装置は前記地震信号に基づいて前記電気的アクチュエータを作動させ、前記スイッチレバーを切断状態に切り換える。したがって、所定震度以上の地震が発生した場合も、スイッチレバーが電気的アクチュエータによって自動的に移動されて接続状態から切断状態にされることから、切換スイッチは切断状態にされ、切換スイッチのスイッチレバーが人為的に接続状態に復帰されるまで当該切断状態を継続する。これによって、地震に伴う電気器具に基づく火災の発生たる二次災害を防止することが出来るので、本発明の従的目的たる第16の目的を達成できる利点がある。
第17の態様において、前記電気的アクチュエータが、電気モーターと、前記電気モーターの出力軸に連結された平歯車からなる減速機と、前記減速機の減速出力軸に関連して設けられたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛み合っていると共に、前記スイッチレバーに直接又は間接に作用し得るように設けられたラックを含んでいることから、電気的アクチュエータが作動した場合、電気モーターの回転によって平歯車からなる減速機の減速出力軸が回転され、結果として、当該減速出力軸に関連して設けられたピニオンギヤが回転される。このピニオンギヤと噛み合っているラックは、当該ピニオンギヤの回転方向に基づいてスイッチレバーを切断状態に移動させる方向へ移動される。このラックの移動によって、スイッチレバーは切断状態にされ、切換スイッチは切断される。切換スイッチの再接続に先立って又は同時に、スイッチレバーを移動させたラックを、スイッチレバーを接続状態に移動させることができる位置に戻す必要がある。この場合、減速機が平歯車であるから、その減速比を適当に設定することによって、手動でラックを移動させることができる。換言すれば、ラックを手動で移動できるので、電気的アクチュエータのリセットが容易にできることから、本発明の従的目的たる第17の目的を達成できる利点がある。
第18の態様において、電気的アクチュエータを構成するラックは、スイッチレバーを切断状態に移動させた後、当該スイッチレバーが接続状態に移動できる位置まで電気モーターの逆転によって自動的に移動される。したがって、ラックを手動で移動させる必要がないので、アクチュエータのリセットを更に容易にできることから、本発明の従的目的たる第18の目的を達成できる利点がある。
図1は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置が設置される一般的住宅における配線の概要図である。 図2は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置を分電盤に装着した状態を示す正面図である。 図3は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置を分電盤に装着した状態を示す左側面図である。 図4は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置に用いるアンペアブレーカーの斜視図である。 図5は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置を示す図であって、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は背面図である。 図6は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置の非接触センサ、制御装置、及び、アクチュエータの概要回路図である。 図7は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置における、アクチュエータの一部である巻取リールの断面図である。 図8は、本発明の参考例1の停電時における切換スイッチ自動切断装置における作用説明用の出力信号図である。 図9は、本発明の参考例2の停電時における切換スイッチ自動切断装置であり、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は背面図,、(D)は駆動ボックス装置と電池ボックスの底面図である。 図10は、本発明の参考例3の停電時における切換スイッチ自動切断装置における非接触センサの検知片の取付位置を説明するための斜視図である。 図11は、本発明の参考例4の停電時における切換スイッチ自動切断装置の非接触センサの検知片を説明するための斜視図である。 図12は、本発明の参考例5の停電時における切換スイッチ自動切断装置のアクチュエータの説明図であり、(A)は作動開始前の説明図、(B)は作動中の説明図である。 図13は、本発明の参考例5の停電時における切換スイッチ自動切断装置の非接触センサ、制御装置、及び、アクチュエータを説明するための回路図である。 図14は、本発明の参考例6の停電時における切換スイッチ自動切断装置の非接触センサ、制御装置、及び、アクチュエータを説明するための回路図である。 図15は、本発明の参考例6の停電時における切換スイッチ自動切断装置の作用を説明するためのフローチャートである。 図16は、本発明の参考例7の停電時における切換スイッチ自動切断装置のアクチュエータの正面図である。 図17は、本発明の参考例8の停電時における切換スイッチ自動切断装置であり、(A)はブラケットを取り除いた切換スイッチ部の正面図、(B)はブラケットの背面図である。 図18は、本発明の参考例8の停電時における切換スイッチ自動切断装置の、非接触センサ、制御装置、及び、アクチュエータを説明するための回路図である。 図19は、本発明の参考例8の停電時における切換スイッチ自動切断装置の作用説明図である。 図20は、本発明の参考例8の停電時における切換スイッチ自動切断装置の作用を説明するためのフローチャートである。 図21は、本発明の参考例9の停電時における切換スイッチ自動切断装置のアクチュエータの作用説明図であり、(A)は正面図、(B)は(A)におけるB−B線断面図である。 図22は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置を分電盤に装着した状態を示す正面図である。 図23は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置を示す図であって、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)はラックの右側面図、(E)は(A)におけるC−C線の一部断面図である。 図24は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置におけるアクチュエータを構成するラックとピニオンギヤ、及び、スイッチレバーの関係を示す概略側面図である。 図25は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置における感震装置を示す図であって、(A)は正面図、(B)は(A)におけるD―D線断面図、(C)は水準器の概略説明図である。 図26は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置における感震装置の横震度検出装置の概要図である。 図27は、本発明の実施例の停電時における切換スイッチ自動切断装置における感震装置の縦震度検出装置の概要図である。 図28は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置における制御回路図である。 図29は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置の作用を説明するためのフローチャートである。 図30は、本発明の実施例の停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置の作用を説明するためのタイミングチャートである。
本発明における停電時における切換スイッチ自動切断装置の最良の形態は、スイッチレバーにより入力線と出力線との間の電路を切断又は接続状態に切り換えるアンペアブレーカーを備える分電盤において、前記スイッチレバーに接続具を介して連結されたアクチュエータと、前記アンペアブレーカーに対する入力線に近接配置された非接触センサの検知片と、前記非接触センサからの停電信号に基づいて前記アクチュエータを作動させて前記スイッチレバーを切断状態に切り換える制御装置を備え、前記非接触センサ、前記アクチュエータ、及び、前記制御装置がブラケットに取り付けられ、前記ブラケットが、前記アンペアブレーカーが貫通しうる透孔を有し、前記透孔を前記アンペアブレーカーが貫通した状態において、前記非接触センサの検知片が前記入力線又は出力線に相対するように前記ブラケットに取り付けられ、さらに、前記ブラケットが、その両端部によって前記分電盤カバーを挟んで抱くように分電盤カバー取付けられ、前記接続具が、前記スイッチレバーに係止する係止具と前記アクチュエータに接続する紐体を含み、前記アクチュエータが、電気モーターと、前記電気モーターの出力軸に連結された減速機と、前記減速機の減速出力軸に駆動力を断接可能なクラッチ手段を介して接続された紐体を巻き取る巻取リールを含み、前記クラッチ手段が手動によって解除可能であることを特徴とする停電時における切換スイッチ自動切断装置である。
参考例1
参考例1における切換スイッチ10は、一般住宅用の分電盤100に用いるアンペアブレーカー128の例である。しかし、本発明はアンペアブレーカー128以外の切換スイッチ10、例えば、分電盤100内に配置される漏電ブレーカー130や個別ブレーカーにも適用することができ、また、一般住宅用の他、工場設備としての分電盤における入力線(一次側)と出力線(二次側)との間の切換スイッチにも適用することができる。
まず、本参考例1にかかる切換スイッチ自動切断装置102が取り付けられる分電盤100を説明する。
図1に示すように、分電盤100へは入力側電路104を介して公衆配線に接続される。詳述すれば、電柱106から引き出された引込線108が積算電力計110に接続され、当該積算電力計110に続いて入力線148によって分電盤100に接続される。分電盤100に続く出力側電路112には電灯114、テレビ116、洗濯機118、冷蔵庫120等の電気機器121が接続される。
次ぎに公知の分電盤100の一例が主に図1乃至図3を参照しつつ説明される。
分電盤100は、通常、内蔵機器122、当該内蔵機器122を取り付け、かつ、住宅の壁面に固定するための基板124、及び、内蔵機器122及び基板124を覆う分電盤カバー126を含んでいる。
まず基板124を説明する。
基板124は内蔵機器122が取り付けられると共に住宅の壁面に強固に固定されることができ、かつ、分電盤カバー126を保持する機能を有し、本参考例1においては垂直に立設された板状体であるが、分電盤カバー126を構成する後述の基板側カバー126Bと一体に構成することもできる。
次ぎに内蔵機器122を説明する。
内蔵機器122としては、少なくとも、アンペアブレーカー128、漏電ブレーカー130、及び、個別ブレーカー132が含まれる。
アンペアブレーカー128は、正面視において基板124の左側端部に縦長状態に、漏電ブレーカー130はアンペアブレーカー128の右側に、個別ブレーカー132は個別ブレーカー基板134に所定数、例えば本参考例1では8個が固定され、当該個別ブレーカー基板134が漏電ブレーカー130の右側において基板124に強固に固定される。
次ぎに分電盤カバー126を説明する。
分電盤カバー126は、通常、基板124並びに個別ブレーカー基板134を完全に覆い、及び、アンペアブレーカー128並びに個別ブレーカー132の一部を覆う機能を有し、本参考例1においては、縦割りに二分割されて最中の皮状(換言すれば二枚貝の殻状)をなす基板側分電盤カバー126Bと、蓋側分電盤カバー126Lとにより構成されている。
基板側分電盤カバー126Bと蓋側分電盤カバー126Lとは最中状に突き合わされて一体化され、全体として中空部136を有し、かつ、横長矩形の箱形に形成される。
基板側分電盤カバー126Bは、その背面を基板124と共に住宅の壁面に強固に固定される。
蓋側分電盤カバー126Lは、その一部に形成したフック部(図示せず)を、基板側分電盤カバー126Bに形成された孔又は溝等の掛止部(図示せず)に係止することにより、基板側分電盤カバー126Bに対し容易に着脱可能に取り付けられる。
蓋側分電盤カバー126Lには、その左側端部に、アンペアブレーカー128の一部が突出する縦長であって矩形の透孔138が形成され、中央部には矩形の漏電透孔140が形成され、右側端部には横長であって矩形の個別透孔142が形成されている。
次ぎにアンペアブレーカー128を図4を参照して説明する。
アンペアブレーカー128は、内蔵された軸(図示せず)に回動自在に取り付けられたスイッチレバー144の回動によって、入力線148と出力線150とを接続状態CSと切断状態ASとを選択的に切換できると共に、接続状態CSにおいて入力線148から出力線150へ流れる電流が契約電流を超えた場合、自動的に切断状態ASに切り換える機能を有し、全体として縦長矩形であって、上下方向の中間部が蓋側分電盤カバー126L側に矩形に所定量突出したスイッチレバー凸部146によって側面視において凸型形状をしている。そしてスイッチレバー144は、スイッチレバー凸部146から横向き(図4においては縦向き)に突出し、接続状態CSでは水平に対して約30度の上向き角度をなし、切断状態ASでは水平に対して約10度の下向き角度をなす。スイッチレバー凸部146の上側には、積算電力計110の出力に接続された入力線148を接続する入力線端子部151Aが形成されている。入力線148は一般住宅の場合、2線と3線の型式があるが、本参考例1においてば3線の型式であり、入力線148A、148B、及び、148Cによって構成され、通常、中央の入力線148Cが接地され、両サイドの入力線148A及び148Bに交流の100Vが加えられている。
スイッチレバー凸部146の下側には、出力線端子部151Bが設けられ、漏電ブレーカー130の入力端子部130Eと出力線150によって接続されている。
次ぎに漏電ブレーカー130を説明する。
漏電ブレーカー130は、出力側電路112における漏電を検知した場合、自動的に電路を切断する機能を有し、大凡箱形をなし、垂立面の中央部から漏電スイッチレバー152が大凡横向きに突出配置されている。漏電スイッチレバー152は接続状態では水平に対して約30度の上向き角度をなし、切断状態では水平に対して約10度の下向き角度をなし、漏電スイッチレバー152の回動によって電路を切断状態又は接続状態に切り換えることができる。漏電ブレーカー130の出力端子部130oは、接続線154(154A、154B、154C)によって個別ブレーカー基板134に接続されている。
次ぎに個別ブレーカー132を説明する。
個別ブレーカー132は、個別の電気機器121に異常電流が流れた場合に自動的に切断される機能を有し、垂立する面の中央部から個別スイッチレバー156が大凡横向きに突出した状態で配置されている。個別スイッチレバー156は接続状態では水平に対して約30度の上向き角度をなし、切断状態では水平に対して約10度の下向き角度をなし、個別スイッチレバー156の回動によって電路を切断状態又は接続状態に切り換えることができる。個別ブレーカー132の出力端子部(図示せず)は、出力側電路112の個別接続線158によって各電気機器121に接続されている。
次ぎに本発明に関する停電時における切換スイッチ自動切断装置102を説明する。
停電時における切換スイッチ自動切断装置102は、本参考例1において、入力線148に電圧が印加されない場合、アンペアブレーカー128を自動的に切断する機能を有する。詳述すれば、分電盤100内の配線を変更せずに設置可能であって、入力線148に電圧が印加されなくなった場合、アンペアブレーカー128のスイッチレバー144を回動させて接続状態CSから切断状態ASに自動的に切り換えることができる機能を有し、少なくとも、非接触センサ162、アクチュエータ164、制御装置166、及び、接続具168を含み、本参考例1においては、更に、ブラケット250を含んでいる。
はじめに非接触センサ162を主に図5及び図6を参照して説明する。
非接触センサ162は、入力線148に電圧が印加されていること、換言すれば、入力線148に電圧が印加されていないことを非接触(非接続)状態において検知して停電信号PFSを出力する機能を有し、本参考例1においては静電容量センサ170が用いられている。換言すれば、非接触センサ162は停電信号PFSを出力していないときは、通電信号RPSを出力している。非接触センサ162は本参考例1に限定されず、同様の機能を有するもの、例えば、電磁誘導を利用したセンサ等に変更することができる。
参考例1における静電容量センサ170は、検知片172、オペアンプ174、整流回路176、閾値回路178、及び、比較回路180によって構成されている。
まず検知片172を説明する。
検知片172は、入力線148に対し非接触(非接続)状態において、換言すれば、入力線148に印加されている電圧の影響を受けて電気的な信号を出力する機能を有し、本参考例1においては静電容量センサ170を構成する導電体よりなる矩形板によって構成され、入力線148に近接して配置されている。詳しくは、本参考例1においては第1検知片172Aと第2検知片172Bとが設けられている。非接触センサ162を一対の検知片172A、172Bによって構成することにより、回路構成を単純化し、安価に製造するためである。本参考例1において、第1検知片172Aと第2検知片172Bは、3線の内、電圧が印加される入力線148A及び148Bに対して蓋側分電盤カバー126Lの表側から近接して配置されている。具体的には、第1検知片172Aと第2検知片172Bは入力線端子部151A近傍の入力線148A、148Bに相対して配置されている。第1検知片172Aと第2検知片172Bの取付け方法としては、両面テープ又は接着剤によって蓋側分電盤カバー126Lの表面に貼り付けことができる。本参考例1においては、後述するブラケット250の裏面に貼り付けられている。この構成によって、入力線148A、148Bに交流電圧が印加されている場合、当該入力線148A、148Bには電圧の印加と非印加とが交互に繰り返されることから、静電容量によって第1検知片172A、第2検知片172Bからは、当該電圧の印加と非印加に呼応して、図8(A)に示す交番信号ACSが出力される。
次ぎに非接触センサ162を構成するセンサ回路182を説明する。
センサ回路182は、検知片172からの検知信号DSに関連して停電信号PFSを出力する機能を有し、本参考例1においてはオペアンプ174、整流回路176、閾値回路178及び比較回路180を含んでいる。
最初にオペアンプ174を説明する。
オペアンプ174は、公知のオペアンプであって、入力信号を増幅した後、出力する機能を有する。ずなわち、第1検知片172Aと第2検知片172Bからの検知信号DS、換言すれば、交番信号ACSを所定の増幅率で増幅し、図8(B)に示すように増幅信号AMSを出力する機能を有する。
次ぎに整流回路176を説明する。
整流回路176は、交流入力信号を整流する機能を有する。すなわち、オペアンプ174からの増幅信号AMSを図8(C)に示すように整流して直流信号DCSとして出力する機能を有し、公知の整流回路が用いられる。
次ぎに比較回路180を説明する。
比較回路180は、入力信号を閾値回路178から出力される閾値CMSと比較し、当該閾値CMSよりも入力信号、すなわち、直流信号DCSが低い場合、異常信号ESを出力する機能を有し、公知の比較回路が用いられる。具体的には、整流回路176の出力電圧が、閾値回路178からの電圧を下回った場合、図8(D)に示す停電信号PFSを出力する。
次ぎに閾値回路178を説明する。
閾値回路178は、一定電圧の閾値CMSを比較回路180へ出力する機能を有する。具体的には、図8(C)において示す閾値CMSを出力する機能を有し、公知の閾値回路が用いられる。
次ぎにアクチュエータ164を説明する。
アクチュエータ164は、アンペアブレーカー128のスイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASに切り換える機能を有し、具体的には、上向き30度の接続状態CSにあるスイッチレバー144を強制的に下方へ移動させて切断状態ASにする機能を有する。したがって、本機能を有すれば、アクチュエータ164は各種のアクチュエータを採用することができる。
参考例1におけるアクチュエータ164は、電気モーター184、減速機186、クラッチ手段188、及び、巻取リール192を含んでいる。
まず電気モーター184を説明する。
電気モーター184は、アクチュエータ164の駆動源の機能を有し、本参考例1においては、模型等に用いられる小型の直流モーター194が用いられる。小型であり、かつ、安価に容易に入手できるからである。直流モーター194は出力軸196を有する。
次ぎに減速機186を説明する。
減速機186は、直流モーター194の出力軸196の回転を所定の減速比で減速して減速出力軸198(図7)から出力する機能を有し、例えば、平歯車や遊星歯車を用いた公知の減速機が用いられる。これら歯車の材質は、樹脂製、金属製等何れであっても良い。
電気モーター184と減速機186は、矩形の駆動装置ボックス190内に設置されている。
次ぎにクラッチ手段188を主に図7を参照して説明する。
クラッチ手段188は、減速出力軸198と巻取リール192との間の駆動力を選択的に断続できる機能を有し、本参考例1においては、摩擦クラッチ200によって構成されている。しかし、同様の機能を有すれば他のクラッチ構造を用いることができる。本参考例1における摩擦クラッチ200は、減速出力軸198に一体回転するよう取付けられたテーパー体202、巻取リール192に一体化されたスライドテーパー体204、及び、スライドテーパー体204をテーパー体202へ押動するスプリング206を含んでいる。
テーパー体202は、減速出力軸198の先端の小径部208にキー210によって一体回転するよう取り付けられた外向テーパ部212と、円筒部214とにより構成されているが、少なくとも外向テーパー部212のみがあれは良い。テーパー体202は減速出力軸198の先端に係止された第1リテーナ216によって、スプリング206の押力が作用しても、脱落が阻止される。
スライドテーパー体204は、円筒形であって、中心孔218に減速出力軸198の中間部が挿入されることにより、当該減速出力軸198に沿ってスライド可能、かつ、相対回転可能に取り付けられる。さらに、テーパー体202側の中心孔218の周囲には、外向テーパー部212と同一角度で傾斜する内向テーパー部220が形成されている。スライドテーパー体204の外周には後述する巻取リール192が固定されている。スプリング206は、減速出力軸198が中心部の貫通孔222、224にそれぞれ貫通している円盤形の第1バネ受体226と第2バネ受体228との間に配置されている。第1バネ受体226は、第2リテーナ246によって減速出力軸198の根元側に移動できないようになっていると共に、キー231によって減速出力軸198と一体に回転するように構成されている。しかし、キー231は必須ではない。第2バネ受体228は減速出力軸198に対して軸線方向にスライド可能である。したがって、第2バネ受体228はスプリング206の弾発力によって減速出力軸198の先端側に押動され、これに伴ってスライドテーパー体204がテーパー体202側に押動されることから、内向テーパー部220が外向テーパー部212に所定の力で圧接され、それら内向テーパー部220と外向テーパー部212との間の摩擦力によって、スライドテーパー体204に駆動力が伝達される。これによって、減速出力軸198が回転される場合、テーパー体202、巻取リール192、第1バネ受体226、第2バネ受体228及びスプリング206は一体に回転し、巻取リール192に連結された接続具168を巻取リール192に巻き取ることができる。一方、第2バネ受体228を第1バネ受体226側へ移動させた場合、スライドテーパー体204はテーパー体202に向かう力を受けないから、内向テーパー部220と外向テーパー部212との間の摩擦力が低下し、スライドテーパー体204は手動で回転させることが出来るようになる。これによって、巻取リール192は、手動で回転させることができるようになり、後述の係止具242を持って紐体244を引っ張ることにより、当該紐体244を巻取リール192から引き出すことが出来、係止具242をスイッチレバー144に係止する際に便利である。
クラッチ手段188は、摩擦クラッチ200では設置スペースの関係で摩擦接触面積を十分に確保できないことによって伝達トルクが不足する場合、噛合クラッチにすることができる。例えば、外向テーパー部212に波形の凹凸を形成し、内向テーパー部220に相対する凹凸を形成して噛み合わせることにより、伝達トルクを向上することができる。
次ぎに巻取リール192を図7を参照して説明する。
巻取リール192は、アンペアブレーカー128のスイッチレバー144に一端を係止した接続具168の一端部が係止され、当該接続具168を巻き取る機能を有し、本参考例1においては、巻取リール体230とスライドテーパー体204によって構成されている。
巻取リール体230は、円筒体232の左右の両端部が鍔状に拡径されたフランジ232Lと232Rとによってリール型に形成されている。そして巻取リール体230はスライドテーパー体204の外周に嵌合されて一体化されている。しかし、巻取リール体230とスライドテーパー体204とを樹脂又は金属により一体に成形することができる。
次ぎに制御装置166を主に図6及び図8を参照しつつ説明する。
制御装置166は、非接触センサ162から停電信号PFSが出力された場合、アクチュエータ164を作動させる機能を有し、本参考例1においてはタイマー回路234とスイッチング回路236を含んでいる。
まずタイマー回路234を説明する。
タイマー回路234は、停電信号PFSを受信した場合、所定時間Tの間スイッチング回路236を閉路する作動信号PSを出力する。この場合における所定時間Tとは、アクチュエータ164の作動によって、接続具168を介してスイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASに切り換えるに十分な時間である。したがって、同様の機能を有する他の装置に変更することもできる。本参考例1においては、図8(E)に示すように、停電信号PFSを受信した場合、所定時間Tの間、作動信号PSを出力する。
次ぎにスイッチング回路236を説明する。
スイッチング回路236は、タイマー回路234からの作動信号PSに基づいて、当該作動信号PSが出力されている時間Tの間、電気モーター184と電池238とのモーター回路240を閉路する機能を有する。本参考例1においては、スイッチング回路236は電気モーター184、電池238に直列に接続されている。したがって、スイッチング回路236が閉結した場合、電気モーター184が回転を開始し、開路した場合はその回転を停止する。
次ぎに電池238を説明する。
電池238は、停電時であってもアクチュエータ164の作動を可能にするための電気エネルギー源であり、公知の使い切り型電池又は充電可能型電池を使用することができ、使用可能な電池の種類として、鉛蓄電池、アルカリ電池、、リチウム電池他の公知の電池を使用することができる。この電池238からは、アクチュエータ164を構成する電気モーター184は勿論のこと、非接触センサ162、制御装置166を構成する電気回路にも作動のための電気を供給している。センサ回路182、制御装置166、及び、電池238は、箱形の電池ボックス248に収納されている。
電池238は、図6に示すように充電可能な二次電池344とし、自然エネルギー発電装置346によって発電した電気を充電器348によって適宜自動充電するように構成することにより、不測の電池切れにより作動しない問題を回避することができる。自然エネルギー発電装置346は、太陽電池、振動発電機、風力発電機、小規模水力発電機、波力発電機、空気熱発電機等公知の自然エネルギーによる発電装置単独、又は、それらの組合せを用いることが出来る。環境負荷がを大させないためである。
また、自動充電をしない場合、電池238の電池切れを防止するため、電池238の電圧検知装置(図示せず)を設け、電池238の電圧が所定値を下回った場合、電池切れ警報を出力するように構成することができる。
次ぎにモーター回路240を説明する。
モーター回路240は、電気モーター184、スイッチング回路236、及び、電池238を含み、スイッチング回路236が閉結された場合電気モーター184が回転し、開放された場合電気モーター184は停止する。
次ぎに接続具168を主に図3を参照して説明する。
接続具168は、アクチュエータ164とスイッチレバー144を接続し、アクチュエータ164の作動をスイッチレバー144に伝達し、スイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASに切り換える機能を有し、本参考例1においては係止具242と紐体244を含んでいる。しかし、接続具168は、同機能を有する他の構造に変更することができる。本参考例1のように係止具242を含むことにより、スイッチレバー144に容易に係止でき、また、紐体244を含むことにより、その柔軟性によってスイッチレバー144への装着が容易にできる利点がある。
まず係止具242を説明する。
係止具242は、スイッチレバー144の先端に被せることで紐体244を容易にスイッチレバー144に係止できる機能を有し、本参考例1においては、スイッチレバー144の先端にぴったりと被せることができるように、端部が開口された筒型に形成されている。スイッチレバー144は断面が矩形に形成されているので、係止具242の開口の形状はスイッチレバー144の断面と相似形に形成されている。この構成によって、係止具242をスイッチレバー144の先端部に被せることで紐体244の係止ができることから、容易に装着できる利点がある。しかし、係止具242は同様の機能を有する他の構成に変更することができる。
次ぎに紐体244を説明する。
紐体244は、係止具242とアクチュエータ164とを連結する機能を有し、本参考例1においては、ナイロン繊維等の強度が高い繊維で形成された柔軟性を有する紐状体によって構成され、一端は巻取リール192の円筒体232に係止されて所定の長さが当該巻取リール192に巻き付けられ、他端は係止具242に固定されている。紐体244における柔軟性とは、長手方向に対して直角をなす横方向をいい、長手方向は実質柔軟性を有しない。換言すれば、紐体244は長手方向には実質的に伸縮性を有しない。さらに、アクチュエータ164の形式との組合せによって、紐体244は柔軟性を有しない剛体であっても良い。
次ぎに主に図5を参照してブラケット250を説明する。
ブラケット250は、非接触センサ162(含む検知片172)、アクチュエータ164、制御装置166、又は、電池238を容易に設置できる機能を有し、本参考例1においては、アクチュエータ164、センサ回路182を含む非接触センサ162並びに制御装置166を実装した制御盤167、及び、電池238を収納した電池ボックス248がブラケット250に取り付けられていることによって、停電時におけるアンペアブレーカー自動切断装置102を容易に取り付けることが出来るようになっており、さらに、ブラケット250が分電盤カバー126に装着されるので、設置作業が極めて容易にできるように構成されている。
ブラケット250は、正面視及び背面視矩形状であり、かつ、側面視において縦板252と、縦板252の上下端部から横向き背面側へ縦板252に対しほぼ直角をなし、ほぼ水平に延在する上側横板254と下側横板256とにより、横向きチャンネル型に形成されている。縦板252は装着時において分電盤カバー126(蓋側分電盤カバー126L)の前面126Fに相対して配置され、当該前面126Fと同様の長さを有し、上側横板254は分電盤カバー126の上面126Tに相対して配置され、当該上面126Tと同様の長さを有し、下側横板256は分電盤カバー126の下面126Uに相対して配置され、当該下面126Uと同様の長さを有する。
上側横板254の先端部254Tは、分電盤カバー126を構成する基板側分電盤カバー126Bの背面126R側に回り込むように下向きの弧状に形成されている。これにより、先端部254Tが基板側分電盤カバー126Bの背面126Rの上縁部に掛止出来るようになっている。
下側横板256の先端部256Tは、分電盤カバー126を構成する基板側分電盤カバー126Bの背面126R側に回り込むように上向きの弧状に形成されている。これにより、先端部256Tが基板側分電盤カバー126Bの背面126Rの下縁部に掛止出来るようになっている。
また、縦板252の中央部にはアンペアブレーカー透孔258が矩形に形成され、アンペアブレーカー128のスイッチレバー凸部146が突出可能に構成されている。
ブラケット250は可撓性を有する材料、例えば、樹脂、板金等によって形成され、分電盤カバー126に装着する際は、当該可撓性を利用して上側横板254と下側横板256を、縦板252を撓ませることで上下に拡開して先端部254Tを上面126Tを超えて、及び、先端部256Tを下面126Uを超えて基板側分電盤カバー126Bの背面126R側に移動させた後、拡開を中止することにより、ブラケット250は弾発力によって元のチャンネル型に復帰し、縦板252、上側横板254並びに下側横板256が前面126F、上面126T、下面126Uに実質的に密着し、及び、先端部254T、256Tが背面126Rに掛止することによって、分電盤カバー126を抱くように装着される。したがって、固定用のネジ等を用いないので容易に分電盤カバー126に装着することができる。
参考例1において、ブラケット250のアンペアブレーカー透孔258の上側の裏面には、第1検知片172Aと第2検知片172B、が入力線148Aと148Bにそれぞれ相対されて取付けられ、アンペアブレーカー透孔258の下側にはアクチュエータ164、したがって、駆動装置ボックス190と電池ボックス248が固定され、巻取リール192は駆動装置ボックス190と電池ボックス248の間の隙間260に配置されている。巻取リール192を隙間260間に配置することにより、巻取リール192を不測の破損から保護することができる。
通常、接続具168は重力によって巻取リール192からぶら下がっている。この構成によって、ブラケット250が分電盤カバー126に装着された場合、アンペアブレーカー透孔258からスイッチレバー凸部146が突出し、この状態において第1検知片172Aは入力線148Aに、第2検知片172Bは入力線148Bに近接して相対位置される。
その後、係止具242をスイッチレバー144の先端に被せて係止する。次いで、第2バネ受体228を巻取リール192から離して内向テーパー部220と外向テーパー部212との圧接力を消滅させて巻取リール192を手回し、余分な紐体244を巻取リール192に巻き取って紐体244が緊張状態になった後、第2バネ受体228を開放し、スプリング206の弾発力によって内向テーパー部220を外向テーパー部212に所定の力で押し付けてクラッチ手段188を接続状態にする。
したがって、ブラケット250を分電盤カバー126に装着した場合、非接触センサ162(静電容量センサ170)、アクチュエータ164、制御盤167、及び、電池238を装着できるので、切換スイッチ自動切断装置102を所謂ワンタッチで極めて容易に装着できる利点がある。
しかし、本参考例1に関し、ブラケット250を設けずに非接触センサ162、アクチュエータ164、制御盤167及び、電池238をそれぞれ個別に分電盤カバー126、又は、分電盤100が取り付けられる壁面に取り付けることができる。また、非接触センサ162、アクチュエータ164、制御盤167、又は、電池238の何れか1つをブラケット250に取付け、及び、それ以外を壁面に取り付け、又は、それらの幾つかを組み合わせてブラケット250に取付け、その他を壁面に取り付けることもできる。
次ぎに本参考例1の作用を図8に示す出力信号図を参照しつつ説明する。
通常状態における通電時において、交流電源に接続されているため入力線148A及び148Bには、電圧の印加と停止が周期的に行われる。入力線148A及び148Bにおける電圧の印加と停止に対応して、入力線148Aに近接配置されている第1検知片172A、入力線148Bに近接配置されている第2検知片172Bには、静電容量によって、図8(A)に示すように交番信号ACSが流れる。
オペアンプ174は、図8(B)に示すように、交番信号ACSを増幅した増幅信号AMSを出力する。
整流回路176は、増幅信号AMSを整流して直流信号DCSを出力する。比較回路180は、直流信号DCSの電圧を閾値回路178から出力されている閾値CMSと比較し、当該閾値CMSよりも大きい場合は停電信号PFSを出力しないが、当該閾値CMSよりも小さくなった場合、停電信号PFSを出力する(図8(D))。
タイマー回路234は、停電信号PFSの受信に基づいて、所定時間Tの間、作動信号PSを出力する(図8(E))。
作動信号PSが出力されている間、スイッチング回路236は閉路し、電気モーター184が回転する。電気モーター184の回転によって、減速機186の減速出力軸198が回転するので、クラッチ手段188を介して巻取リール192が回転され、紐体244を巻き取る。紐体244の巻き取りにより、係止具242を介してスイッチレバー144は、図3において下方へ引き下げられ、その姿勢がほぼ水平になった直後にアンペアブレーカー128内に内蔵されるスナップアクション機構によって、接続状態CSから切断状態ASへ切り換えられる。この切換によって、アンペアブレーカー128は遮断(開路)される。これによって、復電した場合であっても、電気機器121に対し電気が流れることは無い。各電気機器121の使用を再開する場合、個別ブレーカー132に接続される各電気機器121の安全性を確認した後、アンペアブレーカー128のスイッチレバー144を上方へ押し上げて(図3において反時計方向へ回動)接続状態CSに戻すことにより、各電気機器121は作動可能になる。
参考例2
次ぎに参考例2を図9を参照して説明する。
参考例1と異なる構成を説明すると、参考例2においては、静電容量センサ170の検知片172(第1検知片172A、第2検知片172B)を図2における出力線150A及び150Bに対応させてブラケット250の背面に取付けると共に、駆動装置ボックス190と電池ボックス248が一体化されている点が異なる。参考例2においては、第1検知片172A、第2検知片172Bが、アンペアブレーカー128の出力線150A及び150Bに対応して近接配置されていることから、アンペアブレーカー128の出力側に電気が流れない場合、換言すれば電圧が印加されていない場合、アクチュエータ164が作動してアンペアブレーカー128は切断状態になる。したがって、停電が生じた場合には、必ずアンペアブレーカー128が切断状態ASにされるので、一層安全性が高まる利点がある。また、駆動装置ボックス190と電池ボックス248とが一体化されているので、ブラケット250への取付作業が容易である利点がある。
参考例2における作用については、参考例1と同様である。
参考例3
次ぎに参考例3を図10を参照して説明する。
参考例1と異なる構成を説明すると、参考例3においては、検知片172、したがって、第1検知片172A及び第2検知片172Bを、ブラケット250ではなく、アンペアブレーカー128に取り付けた例である。
具体的には、入力線148A、148Cを接続する端子が配置されている入力線端子部151Aにおける凹溝262の上面を覆うカバー板264の表面のそれら入力線148A、148Bに相対する位置に、第1検知片172A及び第2検知片172Bを貼付した構造になっている。もちろん、出力線端子部151Bのカバー板に第1検知片172A及び第2検知片172Bを取り付けることができる。入力線端子部151Aは、入力線148A、148B、及び、148Cに対応して設けられ、それら入力線148A、148B、及び、148Cの端部に接続された端子が固定ネジ149A、149B、149C(図2)によって接続状態で固定される構造になっている。
参考例3の構成において、検知片172が、より一層、入力線148又は出力線150に近い位置に配置されるので、より一層高精度で、入力線148又は出力線150における電圧の印加又は非印加を検出できる利点がある。
参考例4
次ぎに参考例4を図11を参照して説明する。
参考例1と異なる構成を説明すると、検知片172が、個別の入力線148(148A、148B)又は出力線150(150A、150B)の周囲に配置される。具体的には、検知片172がリング型の検知片266であり、半円形の第1半円体266Aと第2半円体266Bとに構成され、これらの一端部が同一の支軸268に回動自在に支持され、洗濯ばさみのように弾性的に反対側の先端266ATと先端266BTが突き合わされるようになっている。この検知片266を、先端266ATと先端266BTとが離間するように開いた後、例えば入力線148Aを抱くように装着した後、拡開を自動復帰させて閉じる。これにより、検知片266が入力線148Aの周囲に位置することから、検知片266からは静電誘導による電気的出力を得ることができる。このリング型の検知片266を用いる場合、蓋側分電盤カバー126Lを取り外して装着せねばならないが、分電盤100内の配線を変更しないので、特別の資格は不要であり、一般人が装着することができることから、安価に設置出来る利点がある。
参考例5
次ぎに参考例5を図12及び図13を参照して説明する。
参考例1と異なる構成を説明すると、接続具168の構造が大きく異なる。すなわち、紐体244に相当する連接部269が、長手方向において所定の範囲で伸縮可能な伸縮部270と、長手方向に対して実質的に伸縮性を有さない剛体272とによって構成されている。剛体272とは、実質的に長手方向の伸縮性を有さないという意味である。具体的には、剛体272は、係止具242に接続される第1剛体272Aと、巻取リール192に代えて装着される回転円盤274から横向きに突出する支軸276に一端を回動自在に支持された第2剛体272Bとにより構成されている。伸縮部270は、バネ体278と伸長規制紐280とにより構成されている。バネ体278と伸長規制紐280との一端は第1剛体272Aの下端部に固定され、他端部は第2剛体272Bの上端に固定されることにより、伸長規制紐280によって規制されない範囲はバネ体278の弾力によって伸長することができ、伸長規制紐280に規制される場合は、第1剛体272A、及び、第2剛体272Bと一体になって回転円盤274の回転動に伴う支軸276の移動をスイッチレバー144に伝達する作用をなす。
回転円盤274は、参考例1におけるスライドテーパー体204の一端面に固定されている。
第2剛体272Bの端部には横方向に延在する作用片282が形成され、回転円盤274が回動されて伸長規制紐280による規制によって、スイッチレバー144が引き下げられて切断状態ASになった場合、当該作用片282によって閉路されるマイクロスイッチ284が配置されている。マイクロスイッチ284の閉路によって、参考例1におけるスイッチング回路236が開放するように構成される。したがって、参考例5を実施する場合、図13に示すように、参考例1におけるタイマー回路234は必要ではなく、静電容量センサ170(非接触センサ162)からの停電信号PFSによってスイッチング回路236が閉路されるように構成すれば良い。モーター回路240の開路は、マイクロスイッチ284によって行うことができるからである。具体的には、モーター回路240にマイクロスイッチ284の接点を直列に接続する。また、本参考例5において、第1剛体272A及び第2剛体272Bを設けることなく、バネ体278と伸長規制紐280の上端を係止具242に直接取り付け、下端の作用片282を支軸276に直接取り付けても良い。
次ぎに参考例5の作用を説明する。
何ら異常がない通常の状況において、図12(A)に示すように、スイッチレバー144の接続状態CSにおいて、係止具242がスイッチレバー144の先端部に係止され、支軸276が上死点に位置され、結果としてバネ体278は収縮し、伸長規制体280は弛緩した状態にある。
非接触センサ162が停電信号PFSを出力した場合、スイッチング回路236が閉路され、電気モーター184が回転を開始し、参考例1と同様にクラッチ手段188を介して回転円盤274が緩速度で時計方向に回転される。この回転によって、支軸276はスイッチレバー144から遠ざかるので、バネ体278は引っ張られ、ついには伸長規制体280が緊張し、係止具242を介してスイッチレバー144が下方へ引き下げられる。スイッチレバー144が所定量引き下げられた場合、アンペアブレーカー128に内蔵されたスナップアクション機構によって、急激に接続状態CSから切断状態ASへ回動され、アンペアブレーカー128が遮断(切断)される。アンペアブレーカー128が切断された後の更なる回転円盤274の回転によって接続具168は更に引き下げられるので、作用片282がマイクロスイッチ284を作動させ、モーター回路240を開路することから、電気モーター184の回転が停止され、自動切断動作が終了する。
したがって、本参考例5によれば、タイマー回路234を削除出来る利点がある。
参考例6
次ぎに参考例6を図14を参照して説明する。
参考例6は、制御装置166をマイクロコンピュータ290によって構成した例である。
参考例1と異なる構成を説明すると、オペアンプ174の出力は、マイクロコンピュータ290に入力され、当該マイクロコンピュータ290の出力は、第1スイッチング回路292としての第1トランジスタ292Tのベースと、第2スイッチング回路294としての第2トランジスタ294Tのベースに出力する。第1トランジスタ292Tのコレクタ端子は電気モーター184に接続され、エミッタ端子は接地されている。第2トランジスタ294Tのコレクタ端子は発光器としてのLED296に、エミッタ端子は接地されている。本参考例6において、第2スイッチング回路294とLED296との組みが復電報知装置297であり、復電判別手段299は後述するようにソフトウエアによって構成される。電池238の正極は電気モーター184とLED296に並列接続され、負極は接地されている。また、マイクロコンピュータ290の入力には復旧信号RSを出力するための復旧スイッチ298が接続されている。
次ぎに参考例6の作用を図15のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップS1において、オペアンプ174から交番信号ACSが出力されているか判別し、出力されていない場合ステップS2へ進み、出力されている場合ステップS1をループして待機状態になる。換言すれば、入力線148に電圧が印加されている場合、交番信号ACSが必ず出力されるからである。
次ぎにステップS2において、停電信号PFSを出力してステップS3へ進む。
次ぎにステップS3においてアクチュエータ作動信号AOSを出力し、ステップS4へ進む。
ステップS4において、所定時間Tの計時を開始し、所定時間Tを計時した後ステップS5へ進む。
ステップS5において、アクチュエータ作動信号AOSの出力を停止し、ステップS6へ進む。したがって、電気モーター184は所定時間Tの間回転する、換言すれば、所定時間Tは、スイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASへ旋回させるに十分な時間に設定される。これにより、アクチュエータ作動信号AOSが出力されている間、第1トランジスタ292Tのベースに電圧が印加されることから、第1トランジスタ292Tは通電状態になり、電気モーター184が回転し、参考例1又は参考例5と同様に接続具168が牽引されてスイッチレバー144が接続状態CSから切断状態ASへ回動される。
電源が復旧した場合、オペアンプ174から交番信号ACSが出力されるので、停電信号PFSが消滅する。したがって、オペアンプ174の出力は、停電信号PFSが中止されるので復電信号RPSとなる。
ステップS6において復電信号RPSを検出した場合、ステップS7へ進む。
ステップS7において、LED点灯信号ALSを出力し、ステップS8へ進む。
これにより、LED点灯信号ALSが出力されている間、第2トランジスタ294Tのベースに電圧が供給され、第2トランジスタ294Tは通電状態になり、LED296が発光する。換言すれば、復電報知装置297によって、管理者は復電を知覚することができ、各電気機器121の安全を確認した後、復旧スイッチ298を押し、復旧信号RSを出力させる。
ステップS8において、復旧信号RSを検出した場合、ステップS9へ進み、復旧信号RSを検出しない場合、ステップS8をループする。
ステップS9において、LED点灯信号ALSの出力を停止して処理を終了する。
したがって、管理者は電気機器121の安全を確認した後、アンペアブレーカー128のスイッチレバー144を接続状態CSに復帰させることができるので、二次災害を防止できる。本参考例6において、ステップS6が復電判別手段299であり、ソフトウエアによって構成されるが、回路素子を組み合わせることで同様の機能の復電判別手段299を構成することができる。
なお、LED点灯信号ALSに基づいてLED296を点灯させる他、ブザー等による注意喚起音やメッセージの発音、バイブレータによる振動、予め登録されたアドレスへのメール送信や無線通信、又は、有線によって異なる場所に設置されたランプ、表示器、又は、スピーカーによる報知による、単独若しくはそれらの組合せによって報知することができる。このように多様な報知手段を用いることにより、復電を早急に把握することができ、結果として迅速な普及に資する利点がある。
さらに、復旧スイッチ298を設けることなく、図17〜図20に開示される参考例8における第2非接触センサ310と組合せ、第2非接触センサ310の出力が「0」であって、かつ、第1非接触センサ306の出力が「1」である場合、前述の報知手段を用いて復電を報知することができる。
参考例7
次ぎに参考例7を図16を参照して説明する。
参考例7は、電気モーター184の出力を低く抑えることが出来る例である。すなわち、より一層小型の電気モーター184を使用することにより、低コスト及び低消費電力化を図ったものである。
参考例1と異なる構成を説明すると、紐体244の下端に滑車300を回転自在に支持する滑車軸302が接続されたレバー側接続具303と、当該滑車300に中間が半周巻き掛けられ、その一端がブラケット250の固定部(図示せず)に固定され、他端が巻取リール192に巻き付けられた第2紐体305を含む巻取側接続具304によって構成されている。
この構成において、参考例1と同様に、巻取リール192の回転によって第2紐体305が巻き取られると滑車300は引き下げられ、結果としてスイッチレバー144も引き下げられて接続状態CSから切断状態ASに切り換えられる。この場合、巻取側接続具304を巻き取る巻取リール192の巻き取り力(回転トルク)は、滑車の原理により参考例1の2分の1になり、より一層の低出力モーターを使用することができ、低コスト化及び低消費電力化を図ることができる。
参考例8
次ぎに参考例8を図17〜図20を参照して説明する。
参考例1と同一機能部には同一符号を付し、異なる構成を説明する。
参考例8は、アンペアブレーカー128の入力線148に対し第1非接触センサ306の検知片308を近接配置し、出力線150に対し別の第2非接触センサ310の検知片312を近接配置してある。すなわち、第1非接触センサ306の第1検知片308A及び第2検知片308Bは参考例1の第1検知片172A及び第2検知片172Bと同様に入力線148A、及び、148Bに相対してブラケット250の裏面に取り付けられ、第2非接触センサ310の第3検知片312Aと第4検知片312Bとは参考例2と同様に出力線150A及び150Bに相対してブラケット250の裏面に取り付けられている。
第1非接触センサ306において、参考例1と同様に第1検知片308A及び第2検知片308Bが第1オペアンプ314に接続され、第1オペアンプ314の出力は第1整流回路315に出力され、第1整流回路315の出力は第1比較回路316に出力され、第1比較回路316の他方の入力端子には第1閾値回路318の出力が接続され、第1比較回路316の出力は、マイクロコンピュータ290に出力される。換言すれば、第1非接触センサ306は、主に停電現象及び停電からの回復現象を検出する機能を有する。第1比較回路316は第1整流回路315の出力が第1閾値回路318の出力よりも低電圧の場合、「0」(ゼロ)の第1停電信号PFS1を出力し、第1閾値回路318の出力よりも高電圧の場合「1」(イチ)の第1通電信号RPS1を出力する。
第2非接触センサ310において、参考例2と同様に第3検知片312A及び第4検知片312Bが第2オペアンプ320に接続され、第2オベアンプ320の出力は第2整流回路321に出力され、第2整流回路321の出力は第2比較回路322に出力され、第2比較回路322の他方の入力端子には第2閾値回路324の出力が接続され、第2比較回路322の出力はマイクロコンピュータ290に出力される。また、第2非接触センサ310は、主にアンペアブレーカー128の接続状態又は切断状態を検出する機能を有し、第2比較回路322は第2閾値回路324の出力よりも第2整流回路321の出力が低電圧の場合「0」(ゼロ)の第2停電信号PFS2を出力し、第2閾値回路324の出力よりも高電圧の場合「1」(イチ)の第2通電信号RPS2を出力する。
第1非接触センサ306と第2非接触センサ310の作用は、参考例1における非接触センサ162と同一である。
したがって、図19に図示するように、入力線148A、148Bに交流電圧が加えられた場合、第1比較回路316はハイレベルの第1通電信号RPS1を出力し、換言すれば、通電中は第1比較回路316の出力は「1」である。第1比較回路316は第1オペアンプ314の出力が閾値CMSよりも低い出力になった場合、低レベル(ゼロを含む)の第1停電信号PFS1を出力する、換言すれば、停電した場合、第1比較回路316の出力は「0」である。さらに換言すれば、第1比較回路316は、通電中は「1」の第1通電信号RPS1を出力し、停電した場合「0」の第1停電信号PFS1を出力する。
第2比較回路322の出力も同様である。すなわち、第2比較回路322は、出力線150に電圧が印加されている場合においては、第2通電信号RPS2を出力し、出力は「1」であり、停電した場合、第2停電信号PFS2を出力し、出力は「0」である。さらに換言すれば、第2比較回路322は、通電中は「1」の第2通電信号RPS2を出力し、停電した場合「0」の第2停電信号PFS2を出力する。
したがって、第1非接触センサ306と第2非接触センサ310との出力は、停電と通電の状態に応じて図19に示す出力になる。また、モーター回路240は参考例1と同様に電池238、電気モーター184及び第1スイッチング回路292を含んでいる。なお、本参考例8において、参考例6と同様に、第1オペアンプ314及び第2オベアンプ320の出力をマイクロコンピュータ290に出力し、第1比較回路316、第2比較回路322等における処理をソフトウエアによって代行させることにより、それらの回路を削除することができる。
次ぎに参考例8の作用を図20に示すフローチャートをも参照しつつ説明する。
まずステップS11において、アンペアブレーカー128に対する入力側における第1非接触センサ306の第1比較回路316から「0」の第1停電信号PFS1が出力されているか判別し、出力されている場合ステップS12へ進み、出力されていない場合ステップS11をループして待機状態になる。換言すれば、正常な状態においては入力線148に電圧が印加され、アンペアブレーカー128が接続状態ASであるので、第1非接触センサ306の比較回路316からの出力、及び、第2非接触センサ310比較回路322の出力とも「1」であり、アクチュエータ164が作動することはない。
ステップS12において第1スイッチング回路292の閉路信号SSを出力してステップS13へ進む。第1スイッチング回路292の閉路信号SSによって、第1スイッチング回路292が閉路されてアクチュエータ164が作動を開始、したがって、電気モーター184が回転するので巻取リール192が回転し、紐体244の巻き取りを開始する。
ステップS13において、所定時間Tの計時を開始し、所定時間Tが経過した場合、ステップS14へ進み、所定時間経過しない場合、ステップS13をループする。
ステップS14において、第1スイッチング回路292の開路信号OSを出力し、ステップS15へ進む。換言すれば、停電になって第1停電信号PFS1が出力された場合、閉路信号SSに基づいて第1スイッチング回路292は所定時間Tの間アクチュエータ164におけるモーター回路240を閉結するので、その閉結している間、電気モーター184が回転し、その回転によって、参考例1又は6において説明したようにアクチュエータ164が接続具168を牽引するので、スイッチレバー144は所定角度回転された時点において接続状態CSから切断状態ASに切り換えられる。したがって、この状況における第1非接触センサ306及び第2非接触センサ310の出力は何れも「0」である。
ステップS15において、第1非接触センサ306から「1」の第1復電信号RPS1が出力されているか判別し、判別した場合ステップS16へ進み、判別しない場合ステップS15をループする。すなわち、復電した場合、第1非接触センサ306の出力は「1」になるが、第2非接触センサ310の出力は「0」のままである。
ステップS16において、マイクロコンピュータ290はLED点灯信号LSを出力し、ステップS17へ進む。LED点灯信号LSによって、第2スイッチング回路294は閉路し、LDE296が点灯する。LED296の点灯によって、管理者は復電を知覚して電気機器121の安全を点検した後、復旧スイッチ298を押す。すなわち、電気機器121に電気が供給されても二次災害が生じないことを確認した後、復旧スイッチ298が押される。
ステップS17において、復旧スイッチ298が押されたか判別し、押されたことを判別した場合、ステップS18へ進み、判別しない場合、ステップS17をループする。
ステップS18において、第2スイッチング回路294を開路する消灯信号DLSを出力し、処理を終了する。この消灯信号DLSによってLED296は発光を中止する。
作業者はLED296の消灯を確認した後、スイッチレバー144を接続状態CSへ復帰させた後、再び接続具168を元の状態に戻す。これにより、第1非接触センサ306及び第2非接触センサ310の出力は何れも「1」になる。
参考例8においては、入力線148及び出力線150における電圧の印加を検知して作業をすることができるので、不慮の事故を防止することができる利点を有する。
また、本参考例8においては、第1非接触センサ306及び第2非接触センサ310からの「0」又は「1」の出力を常時監視し、第1非接触センサ306及び第2非接触センサ310の出力が何れも「0」になった場合、第1スイッチング回路292を閉路してアクチュエータ164を作動させ、第1非接触センサ306の出力が「1」、第2非接触センサ310の出力が「0」である場合、第2スイッチング回路294を閉路してLED296を点灯させることができる。
参考例9
次ぎに参考例9を図21を参照して説明する。
参考例9において、参考例1及び5と異なる構成を説明すると、アクチュエータ164において、電気モーター184に代えて弾性体325によってスイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASに切り換える構成とし、消費電力を抑制できる構成にしたものである。
具体的には、第2剛体272Bの下端の軸受327は、ブラケット250から突出する固定軸328に回動自在に取り付けられている。第1剛体272Aと第2剛体272Bとは弾性体325の1つであるスプリング326によって連結されている。第1剛体272Aの下端にはリテーナ330が固定されている。スプリング326の弾発力は、固定軸328とスイッチレバー144との間の自由状態においては、スイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASに移動させることができる弾発力に設定されている。リテーナ330に相対して保持装置331が設けられている。保持装置331は、弾性体325の弾発力が、スイッチレバー144に実質的に作用しないようにする機能を有する。換言すれば、スイッチレバー144が弾性体325の弾発力によって接続状態CSから切断状態ASへ切り換えられないようにする機能を有する。具体的には、保持装置331はリテーナ330を不作動位置NAPに保持することにより、弾性体325の弾発力をスイッチレバー144に作用させないようしている。本参考例9において、保持装置331は保持ローラー338である。保持ローラー338は、リテーナ330の下面側に位置した保持位置HPとリテーナ330の下方から外れた非保持位置NHPに位置するよう選択的に切り換えられる。保持ローラー338は、リテーナ330が保持ローラー338によって不作動位置NAPに保持された場合、スプリング326の弾発力はリテーナ330を介して保持ローラー338によって支えられる結果、第1剛体272Aには切断状態ASに移行させるに十分な引き下げ力が作用せず、スイッチレバー144は接続状態CSを維持する。
保持ローラー338は、保持解除装置332によって、非保持位置NHPに移動される。
保持解除装置332は、保持位置HPに位置する保持ローラー338を非保持位置NHPに移動させる機能を有し、ロータリーソレノイド334、及び、アーム336を含んでいる。すなわち、ロータリーソレノイド334の出力軸340から横向きに延在するアーム336の先端に保持装置331としての保持ローラー338が取り付けられている。
保持ローラー338を用いることにより、保持位置HPから非保持位置NHPへ移動する際、リテーナ330に対し保持ローラー338が転がり接触することで摩擦抵抗が極めて小さくなるので消費電力が少なく、小型のロータリーソレノイド334等の電磁アクチュエータを使用することができると共に、消費電力が小さいので比較的低容量の電池を使えるため安価に提供できる利点がある。
次ぎに参考例9の作用を説明する。
停電が発生しない通常時においては、保持ローラー338は保持位置HPに位置され、リテーナ330を下方から保持することにより、当該リテーナ330を不作動位置NAPに係止することにより、スイッチレバー144に対しスプリング326の弾発力は実質的に作用しないことから、スイッチレバー144は接続状態CSを継続する。
停電が発生し、ロータリーソレノイド334が励磁された場合、出力軸340は図21(B)において鎖線で示すように、非保持位置NHPに移動され、リテーナ330は係止が解除されることから、スプリング326の弾発力によって引き下げられる。これにより、スイッチレバー144がスプリング326の大きな力で引き下げられて接続状態CSから切断状態ASに切り換えられる。
復電した場合には、リテーナ330を持ち上げ、アーム336を手動で回動させて保持ローラー338をリテーナ330の下方の保持位置HPへ移動させて後、リテーナ330を保持ローラー338によって係止させて次の停電に備える。
次に実施例を図22〜図30を参照して説明する。
本実施例は、停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置352であって、参考例1〜9において説明した停電時における切換スイッチ自動切断装置102の機能に加え、所定震度以上の地震時を検知した際にも自動的に切換スイッチのスイッチレバーを切断状態に切り換える機能を有する。
本実施例は、機械的構造は参考例1と同一である参考例6に対し、電気的アクチュエータ164の構造が異なると共に、感震装置354が付加されている点が異なる。換言すれば、実施例における停電時又は地震時における切換スイッチ自動切断装置は、参考例6における作用効果に加え、所定震度以上の地震が発生した場合、自動的にスイッチレバーを操作して切換スイッチを切断する機能を有する。
まず最初に、図22及び図23を参照して実施例の全体構造を説明する。
参考例6と同一部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を詳細に説明する。本実施例1において、少なくとも、非接触センサ162、電気的アクチュエータ164、制御装置166、駆動装置ケース190、及び、感震装置354を含んでいる。
そして、それら構成部品は、例えば、矩形の平板からなる基板たる第2基板356の前面における左側端部に制御装置166を実装した制御盤167及び駆動装置ケース190が積層状態に固定され、中央及び右側端部に対し電気的アクチュエータ164が固定され、非接触センサ162(検知片172A、172B)は、第2基板356の背面にが固定される。そして、第2基板356等を箱形のケース(図示せず)内に配置し、このケースを両面テープ等の固定手段によって、例えば分電盤カバー126の所定位置に固定する。感震装置354は、分電盤カバー126、又は、分電盤カバー126近傍の建屋の壁面460に固定される。
本実施例における電気的アクチュエータ164を説明する。参考例1におけるアクチュエータと区別するため、以下第2アクチュエータ360という。第2アクチュエータ360は、切換スイッチたるアンペアブレーカー128のスイッチレバー144を移動させて当該アンペアブレーカー128を接続状態CSから切断状態ASに自動的に切り換えることができる機能は同一であるが、参考例1に対し、構成部品が一部異なる。具体的には、本実施例における第2アクチュエータ360は、電気モーター184、平歯車からなる減速機358(以下「平歯車減速機358」という。)、ピニオンギヤ362、ラック364、及び、ラックガイド366を含んでいる。すなわち、電気モーター184の出力軸(図示せず)の回転を平歯車減速機358の減速出力軸198に減速して伝達し、ピニオンギヤ362を所定方向に回転させ、当該ピニオンギヤ362に噛み合うラック364を移動させ、当該ラック364の移動によって、スイッチレバー144を切断状態ASにすることによって、切換スイッチたるアンペアブレーカー128を切断する。なお、電気モーター184は直流モーターであって、接続極を変更することにより逆転可能である。
まず平歯車減速機358を説明する。
平歯車減速機358は、電気モーター184の出力軸(図示せず)の回転を所定の減速比によって減速し、減速出力軸198に出力する機能を有し、平歯車列(図示せず)によって構成されている。本実施例においては、電気モーター184の出力軸と減速出力軸198とが直角をなしているので、電気モーター184の出力軸との間は傘歯車(含む冠歯車)等によって駆動伝達されるが、この場合も平歯車減速機358の概念に含まれる。平歯車減速機358を用いた場合、その減速比を適当に設定することによって、ラック364を手動で移動させた場合にも回転させることができる、換言すれば、ラック364を手動で移動できる利点がある。なお、電気モーター184は平歯車減速機358の筐体に固定されている。
次にピニオンギヤ362を説明する。
ピニオンギヤ362は、平歯車減速機358の減速出力軸198に固定され、かつ、回転される歯車であり、ラック364と噛み合っている。
次にラック364を主に図24を参照して説明する。
ラック364は、ピニオンギヤ362によって駆動され、当該ピニオンギヤ362の回転方向に基づいて所定の方向へ移動される機能を有し、本実施例においては、断面矩形の角柱状の直状棒体368の一面に多数の同一形状の歯372が所定のピッチで形成されている。したがって、歯372がピニオンギヤ362の歯と噛み合っている。
さらに、ラック364は、ラックガイド366によってその軸線方向に直線的に移動するよう案内される。
次にラックガイド366を説明する。
ラックガイド366は、ラック364が直線的に所定軌道を移動するように案内する機能を有し、本実施例においては、ラック364に形成した被ガイド部374及びガイド部376によって構成されている。しかし、同様の機能を有する他の機構に変更することができる。
まず被ガイド部374を主に図23及び図24を参照して説明する。
被ガイド部374は、図23(E)に示すように、ラック364の左ラック側面364L及び、右ラック側面364Rにラック364の長手方向の軸線に沿って、形成された断面横向き角凹状の一直線状の溝であって、右ラック側面364Rに形成された右ガイド溝374Rと、左ラック側面364Lに形成された左ガイド溝374Lによって構成されている。換言すれば、ラック364は中間にくびれ部370を有する断面I型形状を有する。しかし、被ガイド部374は、右ガイド溝374R又は左ガイド溝374Lの何れか一方で十分な場合、何れか一方にのみ設ければ良い。また、溝に換えて突条にし、ガイド部376側に当該突条を案内する溝を形成することができる。その他、ガイド部376をラック364の四面を囲うボックス状にしてもよい。この場合、歯372に対応する部位を開口させ、この開口にピニオンギヤ362を挿入してラック364の歯372とかみ合わせる。
次にガイド部376を説明する。ガイド部376は、被ガイド部374を案内することによって、ラック364を所定軌動によって所定位置へ案内する機能を有し、本実施例においては、ガイドレール378によって構成されている。ガイド部376は、第2基板356上に一体成形又は別体に成型して接着等によって第2基板356に固定されている。本実施例におけるガイドレール378は、直状角柱状であって、かつ、断面角形C形状のガイド体382に構成されている。ガイド体382は、図23(E)に示すように、中空四角柱における底壁382B、左側壁382L、右側壁382R、並びに、上壁382Uを構成する左ガイドレール378L、及び、右ガイドレール378Rによって断面角形の中空部384が構成されている。左ガイドレール378L、及び、右ガイドレール378Rは、左右側壁382L、382Rの上端から、ラック364のくびれ部370よりも大きい一定の距離を空けて互いに向き合うよう突出する平板状の左突条及び右突条によってスリット状の移動開口380を形成している。これらの構成によって、ラック364の下部は中空部384に挿入され、左ガイドレール378Lは左ガイド溝374L内に、右ガイドレール378Rは右ガイド溝374Rに配置される。換言すれば、くびれ部370は移動開口380に位置し、ラック364の上部、即ち、歯372はガイド体382の外側に位置し、ラック364は、ガイドレール378に案内されてその長手方向に直線的に移動可能である。さらに換言すれば、ラック364は、ガイドレール378に案内されて第2基板356と平行に移動可能であり、その1先端、すなわち、下端はスイッチレバー144に相対するよう配置される。さらに換言すれば、スイッチレバー144は、ラック364によって直接押動され、接続状態CSから切断状態ASへ移動されることができる。しかし、ラック364によるスイッチレバー144の移動は、参考例1と同様に接続具168を介して間接的に行うようにしても良い。
次にラック移動規制装置384を主に図23及び図24を参照して説明する。
ラック移動規制装置384は、ラック364の移動量を規制する機能、換言すれば、ラック364のガイド部376に対する相対位置を規制する機能を有し、本実施例においては、後退規制装置386及び前進規制装置388を含んでいる。しかし、後退規制装置386及び前進規制装置388の何れか一方であっても良く、又は、ラック移動規制装置384は設けなくとも良い。
まず後退規制装置386を説明する。後退規制装置386は、ラック364の中間部の左右側面から突出する後退規制ピン392並び及びスイッチレバー144側のガイド部376たるガイド体382の下端縁382Bによって構成されている。本実施例においては、ラック364の左ラック側面364Lから突出する左後退規制ピン392L及び右ラック側面364Rから突出する右後退規制ピン392R、及び、下端縁382Bによって構成されている。この構成によって、ラック364の図24における上方への移動は、左後退規制ピン392L及び右後退規制ピン392Rが下端縁382Bに当接することによって、規制される。換言すれば、ラック364のスイッチレバー144から離れる方向の移動は、後退規制装置386によって規制され、ラック364の下端が、必要以上にスイッチレバー144から離れることはない。このラック364の後退位置は、接続状態CSに位置するスイッチレバー144よりも僅かに上側に位置し、スイッチレバー144の移動を妨げることはない。なお、左後退規制ピン392L又は右後退規制ピン392Rの何れか一方のみ設けても良い。
次に前進規制装置388を説明する。ラック364の上端部の左右側面から突出する前進規制ピン394並び及び反スイッチレバー144側のガイド部376たるガイド体382の上端縁382Tによって構成されている。本実施例においては、ラック364の左ラック側面364Lから突出する左前進規制ピン394L及び右ラック側面364Rから突出する右前進規制ピン394R、及び、上端縁382Tによって構成されている。この構成によって、ラック364の図24における下方への移動は、左前進規制ピン394L及び右前進規制ピン394Rが上端縁382Tに当接することによって、規制される。換言すれば、ラック364のスイッチレバー144に近づく方向の移動は、前進規制装置388によって規制され、ラック364の下端が、必要以上にスイッチレバー144を移動させることはない。
これらの構成によって、ラック364は、図24においてピニオンギヤ362の時計方向への回転によって、左前進規制ピン394L及び右前進規制ピン394Rが上端縁382Tによって移動を停止させられるまで移動、換言すれば、ラック364の先端(下端)によって、スイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASへ回動でき、ピニオンギヤ362の反時計方向への回転によって、左後退規制ピン392L及び右前進規制ピン392Rが下端縁382Bによって移動を停止させられるまで移動、換言すれば、ラック364の先端が、接続状態CSにおけるスイッチレバー144の位置から僅かに離れる位置において静止するよう規制される。
次に感震装置354を図25〜図27を参照して説明する。
感震装置354は、地震が発生した場合、少なくとも所定値以上の震度を検知する機能を有し、機械式、電気式等の形式は問わないが、本実施例においては、機械式であって、震度5強以上である場合、地震信号ASを出力するようになっている。本実施例における感震装置354は、大まかには、震度検出器402、震度検出器取付装置404、及び、水準器406を含んでいる。しかし、水準器406は、携帯型を用い、感震装置354に付随させなくとも良い。また、感震装置354は同様の機能を有する他の機構に変更することもできる。
まず震度検出器402を説明する。
震度検出器402は、少なくとも所定値以上の震度を検出した場合、地震信号ASを出力する機能を有し、本実施例においては、機械式震度検出器408が採用され、機械式震度検出器408内にはP波の震度を検出する縦震度検出装置412及びS波の震度を検出する横震度検出装置414を含んでいる。震度検出器402は、第2基板356と一体的に、又は、第2基板356とは全く異なる、分電盤100近くの垂立する壁面460に取り付けることができる。
次に縦震度検出装置412を図27を参照して説明する。
縦震度検出装置412は、P波、即ち先行して到達する水平線に対し垂直方向の縦揺れにおける所定値以上の震度を検出する機能を有し、本実施例においては、錘415、スプリング416、及び、垂立ガイド418を含んでいる。
縦震度検出装置412は、機械式震度検出器408の筐体内に配置され、上端を固定部(図示せず)に取り付けられ、下端部に導電性の金属によって製造された球状の錘415をぶら下げた金属製のスプリング416を用いた錘式の震度計が採用されている。錘415は、垂立ガイド418の実質的に四方を囲われた縦向きの垂立移動空間422内に、自由垂下状態において配置され、横方向の移動は垂立ガイド418の壁面によって規制され、実質的に上下方向に自由に移動可能に配置されている。錘415が自由垂下した状態において、スプリング416及び錘415の中心を通る垂線は、後述の支点ネジ466の中心を通る垂線VLに対し、前方から見て重なり合うように配置されている。垂立移動空間422の底部には、震度5強におけるS波によって、錘415が上下方向に移動した場合、当該錘415が接触する距離に下側電極424Lが配置されている。したがって、錘415と下側電極424Lとの距離を変更することにより、感知する震度を変更することができる。スプリング416は、上側電極424Uとして機能する。下側電極424Lからは第1リード線426Lが引き出され、上側電極424Uからは第2リード線426Uが引き出され、制御装置166に接続されている。具体的には、例えば、第2リード線426Uが直流電源の正極に接続され、第1リード線426Uが負極に接続され、錘415が下側電極424Lに接触した場合、それらを介して電流が流れるので、この電流を地震信号ASとする。地震によって縦揺れが生じた場合、縦震度検出装置412は縦方向に揺れるので、スプリング412を介して錘415は上下に振動する。地震の規模が震度5強以上である場合、錘415の振幅は大きくなって下側電極424Lと接触し、前述のように、地震信号ASが出力される。
次に横震度検出装置414を主に図26を参照して説明する。
横震度検出装置414は、S波、即ちP波に遅れて到達する水平線に対し平行な横揺れにおける所定値以上の震度を検出する機能を有し、本実施例においては、機械式震度検出器408の筐体内に配置され、倒立L字状の横震度取付部426、感震揺動体428、及び、検出体432を含んでいる。
まず横震度取付部426を説明する。
横震度取付部426は感震揺動体428が、全横方向に揺動可能に吊り下げられる機能を有し、本実施例においては、導電性板材を折り曲げて倒立L字状に形成すると共に、水平部426Hから下向きに突出する取付リング434が形成されている。この取付リング434には、感震揺動体428の上端が全方向に揺動可能に係止される。
次に感震揺動体428を説明する。
感震揺動体428は、S波の大きさに比例してその揺れ量が定まる機能を有し、本実施例においては、下端部に円錐形錘436が形成され、その円錐形錘436から上方に直線的に延在し、上端に円形フック438を形成した懸垂棒442によって構成されている。円形フック438は、取付リング428に係止される。これによって、感震揺動体428はS波の揺れの大きさに比例して全周方向に揺動運動することができる。
次に検出体432を説明する。
検出体432は感震揺動体428が所定量以上横方向へ揺動したことを検知する機能を有し、本実施例においては、L字型の横振動検知体442の水平部442Hに円形の検知孔444が形成されている。この検知孔444内に感震揺動体428の下端部が挿入される。感震揺動体428が重力によって垂下した状態において、円錐形錘436が検知孔444の中央に位置するように設定される。
横震度取付部426には第3リード線446が接続され、検出体432には第4リード線448が接続され、制御装置166に接続されている。具体的には、例えば、第3リード線446が直流電源の正極に接続され、第4リード線448が負極に接続され、円錐形錘436が横振動検知体442に接触した場合、それらを介して電流が流れるので、この電流を地震信号ASとして出力する。地震によって横揺れが生じた場合、感震揺動体428は横方向に揺れるので、地震の規模が震度5強以上である場合、円錐形錘436の振幅は大きくなり、検出リング432と接触して前述のように、地震信号ASが出力される。感震揺動体428が自由垂下した状態において、その中心を通る垂線は、後述の支点ネジ466の中心を通る垂線VLに対し、前方から見て重なり合うように配置されている。
次に震度検出器取付装置404を主に図25を参照して説明する。
震度検出器取付装置404は、震度検知器402を適正に縦震度及び横震度とも検知できるように震度検知器402の姿勢を調整する機能を有し、本実施例においては、調整基板452、Z方向調整装置454、及び、X方向調整装置456を含んでいる。
まず、調整基板452を説明する。
調整基板452は、震度検出器402が固定されると共に、当該震度検出器402の姿勢を変更できる機能を有し、本実施例においては、鉛直方向に延在する調整板458と水平方向に延在する固定板462によって、大凡L字形に形成されている。震度検出器402は、固定板462の上面に固定される。調整基板452はその上端部がZ方向調整装置454によって、垂立する壁面460に、壁面460との間隔を調整可能に、さらに、垂立面内において回動可能に固定される。震度検出器402に内蔵される機械式震度検出器408が正確な震度を検知できるように、その姿勢を調整するためである。具体的には、縦震度検出装置412における錘415が垂立ガイド418の壁面と実質的に接触しないように、また、横震度取付部426における円錐形錘436の下端部が検知孔444の中央に位置するよう、震度検出器402の姿勢を調整する。
次にZ方向調整装置454を説明する。
Z方向調整装置454は、調整基板452をZ方向に調整する機能を有する。
Z方向とは、壁面460に対し横方向をいう。換言すれば、調整基板452の上端部を壁面460に対し、近づけたり遠ざけたりし、壁面460に対する距離を調整する機能を有し、本実施例においては、円筒状であって、所定の長さを有すると共に外周面に外ねじ462、及び、端部に回転用の六角ナット部464が形成された調整スリーブ465と、調整スリーブ465を貫通し、壁面460に植設した支点ネジ466、及び、外ねじ462に螺合され、調整基板452の上端部に一体化されたナット468によって構成されている。調整スリーブ465の先端は壁面460に突き当てられている。この構成において、調整スリーブ465を六角ナット部464を介して所定方向に回転させた場合、ナット468が調整スリーブ465に対して相対回転することから、ナット468が調整スリーブ465の軸線方向に移動される。換言すれば、調整基板452の上端部は壁面460に近づくか、遠ざけられるため、調整基板452は図25(B)において、調整スリーブ465の回転方向に対応して右方向へ移動され、又は、左方向へ移動され、結果として、調整基板452は支点ネジ466の中心を通る垂線VLに対する傾き、したがって、固定板462の水平線に対する傾きが変更されることによって、震度検出器402のZ方向の姿勢が変更される。
次にX方向調整装置456を説明する。
X方向調整装置456は、調整基板452の図25(A)におけるX方向の姿勢を調整する機能を有し、本実施例においては、調整基板452の下端部に形成された、一対の横方向に延在する長孔472Lと472R及びそれら長孔472Lと472Rを貫通し、壁面460にネジ込まれる一対のネジ474Lと474Rとを含んでいる。X方向とは、壁面460と平行な平面内での移動方向、即ち、図25(A)における矢印方向をいう。この構成によって、調整基板452は孔472Lと472Rの範囲において、壁面460と大凡平行な平面内において、支点ネジ466を中心に回動可能である。そして、調整基板452の適当な位置において、ネジ474Lと474Rを締め付けることによって、震度検出器402のX方向の姿勢が変更された状態で固定される。
次に水準器406を図25(C)を参照しつつ説明する。
水準器406は、機械式震度検出器408が震度を計測するに適した位置に調整されたことを表示する機能、具体的には、錘415及び円錐形錘436が前述の震度を検知するに適切な姿勢にされたことを間接的に表示する機能を有する。しかし、同様の機能を有する他の装置、例えば、気泡管方式やレーザー方式の水準器等に変更することができる。本実施例においては、水準器406として下振装置475が採用されている。下振装置475は見やすく、かつ、安価であるからである。
本実施例における下振装置475は、下振本体476と下振体478とを含んでいる。
まず下振本体476を説明する。
下振本体476は、下振体478を重力によって垂下可能に保持すると共に、下振本体476の鉛直に対する傾きを確認できる機能を有し、本実施例においては、横向きチャンネル型であって、垂立取付部476Vの上端から横向きに突出する下振取付部476U、及び、下端から下振取付部476Uと平行に横向きに突出する下振視認部476Bが形成されている。下振視認部476Bには円形の下振体478の下端部が垂下する下振位置視認孔482が形成されている。本実施例において、垂立取付部476Vは、震度検出器402に対し直に取り付けられているが、震度検出器402に対し一体化された部位に取り付けることもできる。
次に下振体478を説明する。
下振体478は自重によって垂下する機能を有し、本実施例においては、小径球体483の直径部に形成した貫通孔を貫通させた細糸(図示せず)によって連鎖することによって紐状に構成され、その上端は下振取付部476Uの所定位置に垂下可能に取り付けられ、その下端部は下振位置視認孔482を貫通している。この構成によって、下振体478は下振取付部476Uから重力によって垂下することから、その下端部は円形の下振位置視認孔482内に位置し、下振本体476が取り付けられている震度検出器402が垂立状態であれば、下振体478の下端部は、下振位置視認孔482の中心に位置する。換言すれば、下振体478の下端部と下振位置視認孔482の内周縁との距離は、全周において等しい。すなわち、震度検出器402内の縦震度検出装置412の錘415、及び、横震度検出装置414の円錐形錘436がそれぞれ正確に震度を検知できる状態に設定されたことを意味する。しかし、震度検出器402が傾いている場合、下振体478の下端部は、下振位置視認孔482の中心からずれている。換言すれば、下振体478の下端部と下振位置視認孔482の内周縁との距離は、一部において大きく、他部において小さくなり、全周において等しくない。この場合、前述のZ方向調整装置454又はX方向調整装置456によって震度検出器402の姿勢を調整し、下振体478の下端部が下振位置視認孔482の中心に位置するように調整する。
次に制御装置166を図28を参照して説明する。
参考例6の制御装置166と区別するため、本実施例においては、第2制御装置353と称する。
第2制御装置353は、参考例6における制御装置166の機能に加え、感震装置354から地震信号ASが出力された場合、電気的アクチュエータ164、したがって、第2アクチュエータ360を作動させてアンペアブレーカー128を切断状態ASにし、また、解除スイッチ486が閉結された場合、第2アクチュエータ360を作動させる処理を中断すると共にリセットする機能、並びに、スピーカー484から警報を中止する機能を有する。図14に示す参考例6と同一部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明すると、マイクロコンピュータ290には感震装置354からの地震信号ASが入力され、さらに、解除スイッチ486が接続されて解除スイッチ486が押されて閉結された場合、解除信号OSが入力されると共に、警報音を発するスピーカー484が設けられている。警報音としては、サイレン、音楽等が使用されるが、緊迫度合いを表すため、サイレン調を採用することが好ましく、また、緊迫時間を表すため、連続音、断続音、又は、残り時間に比例して断続間隔が短くなる可変断続音を用いることが好ましい。
次に実施例の作用を図29のフローチャート、及び、図30のタイミングチャートをも参照して説明する。
なお、停電を検出した場合、換言すれば、交番信号ACSが出力されなくなった場合は、参考例6の処理と同様につき説明を省略する。
まずステップS21において、感震装置354から地震信号ASが出力されているか判別し、出力されていない場合ステップS22へ進み、出力されている場合、後述のステップS28へ進む。
次にステップS22において、オペアンプ174から交番信号ACSが出力されているか判別し、出力されていない場合ステップS23へ進み、出力されている場合ステップS21へ戻り、待機状態になる。換言すれば、地震信号ASが出力されていなければ所定震度以上の地震は発生しておらず、かつ、入力線148に電圧が印加されている場合、停電ではないので第1検知片172A、第2検知片172Bおける検知に基づいて交番信号ACSが必ず出力される。換言すれば、この状態は普通の状態である。
ステップS21において感震装置354が震度5強以上の縦振動又は横振動を検知した場合、換言すれば、縦震度検出装置412における錘415が下側電極424Lに接触した場合、電流がそれらの間に流れるため、当該電流を地震信号ASとして出力し(図30ア)、又は、横震度検出装置414における円錐形錘436が検出体432に接触した場合、電流がそれらの間に流れるため当該電流を地震信号ASとして出力し(図30イ)、ステップS28へ進む。
ステップS22において、交番信号ACSを検知しない場合、換言すれば、停電した場合、ステップS23へ進む。
ステップS23において、スピーカー484からアラームを発した後、ステップS24へ進む。このアラームは、例えば、断続音である。
ステップS24において、再び交番信号ACSが出力されているか判別し、出力されている場合、ステップS25へ進み、出力されていない場合ステップS26へ進む。
ステップS26において、一時停止排除時間TSの計時を開始し、当該一時停止排除時間TSが経過しているか判別し、経過していない場合ステップS24へ戻り、経過している場合ステップS27へ進む。
ステップS25において、ステップS23において開始したアラームを解除し、換言すれば、スピーカー484からの発音を停止した後、ステップS21へ戻る。
ステップS26における一時停止時間TSは、例えば1秒〜180秒の間で適宜調整可能である。この一時停止時間TSにおける交番信号ACSの再検知ステップを設けることにより、一時的な停電に基づく第2アクチュエータ360の作動を自動的に回避し、不必要なアンペアブレーカー128の切断を防止できる効果がある。なぜなら、希にではあるが、入力線148において、一時的に、電圧が落ちることがあり、これに基づくアンペアブレーカー128の自動切断を防止するためである。この意味において、一時停止時間は、遅延時間に等しい180秒に設定することが好ましい。
ステップS27において、停電信号PFSを出力してステップS31へ進む。
地震信号ASが出力された場合、ステップS28において、第1所定時間T1の計時を開始し(図30ウ)、第1所定時間T1を計時しない場合ステップS29へ進み、第1所定時間T1を計時した場合ステップS31へ進む。この第1所定時間T1は、震度5強を検知した場合、直ぐさま第2アクチュエータ360を作動させてアンペアブレーカー128を遮断せずに、第1所定時間T1時間遅らせる機能、換言すれば、第1所定時間T1時間の間、照明を確保する機能を有し、これにより、例えば、夜間における避難を円滑に行えるようにするためである。第1所定時間T1は、例えば、3分であり、スタートから2分30秒経過時に中間信号を出力し、3分計時した場合、ステップS31へ進む。なお第1所定時間T1の時間は適宜設定可能であるが、避難及び電気器具を原因とする火災等の二次災害の発生を考慮すると、3分〜5分に設定することが好ましい。
ステップS29において、第1所定時間T1の間、アラームを発する。例えば、スピーカー484から第1所定時間T1における中間信号までの2分30秒の間、大きな断続音を発して震度5強以上の地震が発生したことを報知すると共に避難を促し、そして、前記中間信号が出力された後は連続音に変更することにより、、アンペアブレーカー128が遮断、したがって照明が消えることが迫っていることを感覚的に把握出来るようにした後、ステップS30へ進む(図30エ)。
アラームが発せられているタイミングにおけるステップS30において、解除スイッチ486が閉結されたことによる解除信号OSが出力されたか判別し、解除信号OSを判別した場合、ステップS21へ戻り、判別しない場合、ステップS28へ戻る。即ち、震度5を超える地震は発生したが、直ぐさま揺れが収まり、アンペアブレーカー128を落とすまでもないと判断できる場合、解除スイッチ486を押すことにより、一度スタートしたアンペアブレーカー128の遮断プロセスを中断させることができる。
したがって、アクチュエータ作動信号AOSは出力されず、アクチュエータ164、従って、電気モーター184は起動されない。換言すれば、震度5強以上の地震が発生しても第1所定時間T1の間は、電気機器121に給電されることから、避難に必要な照明を確保できる。
ステップS28において、第1所定時間T1が計時された場合、ステップS31へ進む。
ステップS31において、アクチュエータ作動信号AOSが出力された後、ステップS32へ進む。
ステップS32において、第2所定時間T2の計時を開始し、第2所定時間T2が計時されない場合、ステップS32をループし、第2所定時間T2が計時された場合、ステップS33へ進む。
ステップS33において、アクチュエータ作動信号AOSの出力を停止し、ステップS34へ進む。したがって、電気モーター184は第2所定時間T2の間回転される(図30オ)。したがって、第2所定時間T2は、スイッチレバー144を接続状態CSから切断状態ASへ旋回させるに十分な時間に設定される。これにより、アクチュエータ作動信号AOSが出力されている間、第1トランジスタ292Tのベースに電圧が印加されることから、第1トランジスタ292Tは通電状態になり、電気モーター184が正方向に回転し、平歯車減速機358を介してピニオンギヤ362が図24において時計方向に回動されるので、ピニオンギヤ362と噛み合っている歯372を介してラック364が下方へ移動され、スイッチレバー144を押し下げることでアンペアブレーカー128を接続状態CSから切断状態ASへ切換る(図30カ)。よって、アンペアブレーカー128の出力側の電圧は、入力側の電圧の如何に関わらず、ゼロになる(図30キ)。第2所定時間T2はスイッチレバー144を切断状態ASへ切り替えるに十分な時間であるため、電気モーター184はスイッチレバー144が切断状態ASに切り替わった後も回転されるので、ラック364は更に移動される。しかし、ラック364は、それと一体化された前進規制ピン394が、ガイド体382の上端縁382Tに当接して移動を停止される。この場合、電気モーター184は強制的に回転を停止されるが、この場合であっても、電気モーター184が焼損等トラブルを生じないように第2所定時間T2が設定されている。
電源が復旧した場合や電源が継続して供給された場合、オペアンプ174から交番信号ACSが出力されるので、オペアンプ174の出力は復電信号RPSとなる。
ステップS34において復電信号RPSを検出した場合、ステップS35へ進み、復電信号RPSを検出しない場合、ステップS34をループする。すなわち、復電信号RPSを検出するまで待機状態になる。
ステップS35において、LED点灯信号ALSを出力し、ステップS36へ進む。
これにより、LED点灯信号ALSが出力されている間、第2トランジスタ294Tのベースに電圧が供給され、第2トランジスタ294Tは通電状態になり、LED296を発光させて復電したことを視覚的に報知する。しかし、復電の報知は、視覚的報知又は音報知によってすることもできる。
ステップS36において、第3所定時間T3の計時を開始し、第3所定時間T3が経過しない場合、ステップS37へ進み、第3所定時間T3の計時を終了した場合、ステップS38へ進む。第3所定時間T3は、電気モーター184の逆転によって、ラック364をスイッチレバー144が接続状態CSの位置に戻されても干渉しない位置迄戻すに十分な時間であって、かつ、長すぎない時間に設定される。換言すれば、後退規制ピン392がガイド体382の下端縁382Bに移動を停止されるに十分な時間であると共に、後退規制ピン392が下端縁382Bによって移動を阻止された後、更に微少時間逆転されても電気モーター184への悪影響を生じない時間に設定される。
ステップS37において、電気モーター184が逆転駆動されてステップS36へ戻る。すなわち、電気モーター184は第3所定時間T3の間逆転され、この逆転によって、図24においてピニオンギヤ362が反時計方向へ回転されるので、ラック364が上方へ移動され、後退規制ピン392がガイド体382の下端縁382Bに当接し、移動を阻止される。この移動の阻止直後に第3所定時間T3が計時され、ステップS38へ進む。なお、このステップS36及びS37によるラック364の自動復帰工程は、省略することができる。なぜなら、平歯車減速機358の採用によって、ラック364を手動で上方へ押し上げることができるからである。
管理者はLED296の発光によって復電を知覚して、各電気機器121の安全を確認した後、復旧スイッチ298を押し、復旧信号RSを出力させる。
ステップS38において、復旧信号RSを検出した場合、ステップS39へ進み、復旧信号RSを検出しない場合、ステップS38をループして復旧スイッチ298が押されるまで待機状態になる。したがって、管理者は電熱機器に可燃物が接触していないか等各電気機器121の安全を確認した後、復旧スイッチ298を閉結して復旧信号RSを出力させた後、アンペアブレーカー128のスイッチレバー144を接続状態CSに復帰させる。これにより、復電に伴う火災等の二次災害を防止できる。
ステップS39において、LED点灯信号ALSの出力を停止して処理を終了する。
停電が発生した場合は、停電信号PFSによって、参考例6において説明したと同様に作動し、アンペアブレーカー128のスイッチレバー144が切断状態ASに切り替えられる。なお、復旧スイッチ298は、解除スイッチ486によって代用することができる。
PFS 停電信号
CS 切断状態
HP 保持位置
NHP 非保持位置
126 分電盤カバー
128 アンペアブレーカー
144 スイッチレバー
148 入力線
150 出力線
166 制御装置
162,306,310 非接触センサ
164 アクチュエータ
166 制御装置
168 接続具
172,308,312 検知片
170 静電容量センサ
186 減速機
198 減速出力軸
188 クラッチ手段
192 巻取リール
194 直流モーター
242 係止具
244 紐体
250 ブラケット
258 透孔
300 滑車
303 レバー側接続具
304 巻取側接続具
325 弾性体
330 リテーナ
331 保持装置
332 保持解除装置
346 自然エネルギー発電装置
354 感震装置
358 平歯車からなる減速機
362 ピニオンギヤ
364 ラック

Claims (3)

  1. スイッチレバー(144)により入力線(148)から出力線(150)への電路を切断又は接続状態に切り換える切換スイッチ(10)を備える分電盤(100)と、
    前記電路を切断状態に切換可能な前記スイッチレバー(144)と関連づけされた電気的アクチュエータ(164)と、
    所定震度の地震を検知した場合、地震信号(AS)を出力する感震装置(354)と、
    前記感震装置(354)からの前記地震信号(AS)に基づいて前記電気的アクチュエータ(164)を作動させて前記スイッチレバー(144)を切断状態(AS)に切り換える制御装置(166)と、
    を備える地震時における切換スイッチ自動切断装置であって、
    前記感震装置(354)、前記電気的アクチュエータ(164)、及び前記制御装置(166)は、前記分電盤(100)の外側に配置されてなる
    ことを特徴とする地震時における切換スイッチ自動切断装置。
  2. スイッチレバー(144)により入力線(148)から出力線(150)への電路を切断又は接続状態に切り換える切換スイッチ(10)を備える分電盤(100)と、
    前記電路を切断状態に切換可能な前記スイッチレバー(144)と関連づけされた電気的アクチュエータ(164)と、
    所定震度の地震を検知した場合、地震信号(AS)を出力する感震装置(354)と、
    前記感震装置(354)からの前記地震信号(AS)に基づいて前記電気的アクチュエータ(164)を作動させて前記スイッチレバー(144)を切断状態(AS)に切り換える制御装置(166)と、
    を備える地震時における切換スイッチ自動切断装置であって、
    前記感震装置(354)、前記電気的アクチュエータ(164)、及び前記制御装置(166)は、前記分電盤(100)の外側に配置され、
    さらに、前記分電盤(100)の外側において前記入力線(148)、又は前記出力線(150)に相対配置された検知片(172,308,312)を備えると共に、前記検知片(172,308,312)からの信号に基づいて停電信号(PFS)、又は復電信号(RPS)を出力するための非接触センサ(162,306,310)を備え、
    前記制御装置(166)は前記非接触センサ(162,306,310)からの停電信号(PFS)、又は復電信号(RPS)に基づいて所定の処理を行う
    ことを特徴とする地震時における切換スイッチ自動切断装置。
  3. スイッチレバー(144)により入力線(148)から出力線(150)への電路を切断又は接続状態に切り換える切換スイッチ(10)を備える分電盤(100)と、
    前記電路を切断状態に切換可能な前記スイッチレバー(144)と関連づけされた電気的アクチュエータ(164)と、
    前記電気的アクチュエータ(164)を作動させて前記スイッチレバー(144)を切断状態(AS)に切り換える制御装置(166)と、
    を備える地震時における切換スイッチ自動切断装置であって、
    前記入力線(148)、又は前記出力線(150)に相対配置された検知片(172,308,312)を備えると共に、前記検知片(172,308,312)からの信号に基づいて停電信号(PFS)、又は復電信号(RPS)を出力するための非接触センサ(162,306,310)を感震装置とし
    前記感震装置、前記電気的アクチュエータ(164)、及び前記制御装置(166)は、前記分電盤(100)の外側に配置されてなる
    ことを特徴とする地震時における切換スイッチ自動切断装置。
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