<通信システムの構成>
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話(本発明の携帯端末の一例)10、MFP(Multifunction Peripheralの略)(本発明の画像処理装置の一例)50,51、記憶サーバ52、管理サーバ54、アクセスポイント56、インターネット58、基地局60を備える。MFP50,51は、コピー処理,スキャン処理,ファックスの送受信処理等の各種処理を実行可能な装置である。記憶サーバ52は、MFP50,51の最新バージョンのファームウェアを記憶し、提供するためのサーバである。管理サーバ54は、MFP50,51のファームウェアを管理するためのサーバである。アクセスポイント56は、無線LANアクセスポイント、及びルーターとしての機能を備える。なお、記憶サーバ52および、管理サーバ54は、インターネット58に接続されており、アクセスポイント56を介して、外部装置と通信可能とされている。
携帯電話10の構成について説明する。携帯電話10は、CPU(Central Processing Unitの略)(本発明のコンピュータの一例)12、記憶部14、無線通信I/F(本発明の送信部の一例)16、携帯電話通信I/F18、LCD(liquid crystal displayの略)(本発明の表示部の一例)20、タッチパネル22を主に備えている。これらの構成要素は、バス28を介して互いに通信可能とされている。
無線通信I/F16は、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、Wi-Fi(R)(Wi-Fi Allianceの登録商標)方式(WF方式と略して記載する場合もある)の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、アクセスポイント56へアクセスし、WF方式の無線通信を行える状態になれば、アクセスポイント56を介して、MFP50,51、記憶サーバ52、管理サーバ54とデータ通信することが可能になる。
携帯電話通信I/F18は、基地局60との間で携帯電話通信方式の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、携帯電話通信方式の無線通信を行える状態になれば、基地局60を介して、データ通信することが可能になる。
CPU12は、記憶部14内の制御アプリケーション(本発明の制御プログラムの一例)30若しくは、更新アプリケーション31に従って処理を実行する。制御アプリケーション30は、携帯電話10を用いてMFP50,51に各種処理を実行させるためのプログラムである。更新アプリケーション31は、MFP50,51のファームウェアを最新バージョンのファームウェアにアップデートするためのプログラムである。以降、制御アプリケーション30等を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御アプリケーション30が」という記載は、「制御アプリケーション30を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
また、記憶部14は、データ記憶領域(本発明の記憶部の一例)32を備える。データ記憶領域32は、制御アプリケーション30の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、記憶部14は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、フラッシュメモリー、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
LCD20は、携帯電話10の各種機能を表示する表示面を備える。タッチパネル22は、タッチセンサを有し、LCD20の表示面を覆うように配置されている。タッチパネル22は、ユーザの指、タッチペン等のタッチパネル22への接近・接触を検出し、検出に応じて電気信号を出力する。
<通信システムの動作>
通信システム1では、携帯電話10を用いて、MFP50,51によって各種処理を実行することが可能となっている。詳しくは、制御アプリケーション30の実行により、携帯電話10のLCD20に、図2に示すトップ画面100が表示される。トップ画面100には、デバイス選択ボタン102が表示される。デバイス選択ボタン102は、携帯電話10を用いて各種処理を実行するためのデバイスを選択するためのボタンであり、デバイス選択ボタン102へのユーザ操作により、LCD20にデバイス選択画面(図示省略)が表示される。
デバイス選択画面には、携帯電話10と通信可能なデバイスのデバイス名が選択可能な状態で表示される。携帯電話10では、2台のMFP50,51と通信可能であるため、デバイス選択画面では、2台のMFP50,51のデバイス名が選択可能な状態で表示される。そして、デバイス選択画面において、2台のMFP50,51のデバイス名のうちの任意のデバイス名が選択されると、LCD20にトップ画面100が表示される。この際、トップ画面100のデバイス選択ボタン102には、デバイス選択画面で選択されたデバイス(以下、「選択デバイス」と記載する)のデバイス名が表示される。また、デバイス選択ボタン102の上方には、選択デバイスで実行可能な各種処理を実行するための複数の実行ボタン104と、ステータス確認ボタン106とが表示される。そして、トップ画面100において、複数の実行ボタン104のうちの任意のボタンが操作されると、操作されたボタンに応じた指令が、無線通信I/F16を介して選択デバイスに送信され、選択デバイスが指令に応じて各種処理を実行する。このように、通信システム1では、携帯電話10を用いて、MFP50,51によって各種処理を実行することが可能となっている。
また、通信システム1では、選択デバイスの最新バージョンのファームウェアがリリースされた場合に、携帯電話10からの選択デバイスへの指示により、選択デバイスにおいてファームウェアのアップデートが実行される。詳しくは、制御アプリケーション30の実行により、携帯電話10から選択デバイスに、選択デバイスにインストールされているファームウェアのバージョンに関する情報(以下「現バージョン情報」と記載する)の問い合わせが、所定の周期で送信される。選択デバイスは、現バージョン情報の問い合わせを受信すると、現バージョン情報を携帯電話10に送信する。そして、携帯電話10は、受信した現バージョン情報と、選択デバイスのモデル名を識別可能な情報(以下、「デバイス識別情報」と記載する)とを管理サーバ54に送信する。
管理サーバ54には、デバイスのモデル毎に、最新のファームウェアのバージョンに関する情報(以下、「最新バージョン情報」と記載する)が記憶されている。そして、管理サーバ54は、携帯電話10から受信したデバイス識別情報により識別される選択デバイスのモデル名を特定し、その特定されたモデル名に応じた最新バージョン情報を特定する。次に、管理サーバ54は、特定した最新バージョン情報と、携帯電話10から受信した現デバイス情報とに基づいて、選択デバイスにインストールされているファームウェアのバージョンが、管理サーバ54に記憶されているファームウェアのバージョン以上であるか否かを判定する。この際、選択デバイスにインストールされているファームウェアのバージョンが、管理サーバ54に記憶されているファームウェアのバージョン以上である場合には、選択デバイスのファームウェアが最新バージョンのものにアップデートされていることを示す情報(以下、「アップデート済み情報」と記載する)が、管理サーバ54から携帯電話10に送信される。一方、選択デバイスにインストールされているファームウェアのバージョンが、管理サーバ54に記憶されているファームウェアのバージョン未満である場合には、最新バージョン情報が管理サーバ54から携帯電話10に送信される。
そして、携帯電話10は、最新バージョン情報を受信した場合に、受信した最新バージョン情報をデータ記憶領域32に記憶し、図3に示すように、トップ画面100において、通知ダイアログ110を表示する。通知ダイアログ110には、選択デバイスのファームウェアを新たなバージョンのものに更新可能であることを示す情報が表示されている。さらに、通知ダイアログ110には、キャンセルボタン(本発明の操作受付部の一例)112とアップデートボタン114とが表示されている。そして、アップデートボタン114が操作されると、図4に示すように、LCD20に、アップデート画面120が表示される。アップデート画面120には、実行ボタン122が表示されており、実行ボタン122を操作することで、選択デバイスのファームウェアが新たなバージョンのものに更新されることも表示されている。
そして、アップデート画面120において、実行ボタン122が操作されることで、更新アプリケーション31が起動される。起動された更新アプリケーション31は、無線通信I/F16を介して、選択デバイスにファームウェアの更新指示を送信する。ファームウェアの更新指示を受信した選択デバイスは、記憶サーバ52と通信を行って、記憶サーバ52から最新バージョンのファームウェアを取得する。そして、選択デバイスは、取得した最新バージョンのファームウェアをインストールし、ファームウェアのアップデートを実行する。このように、通信システム1では、選択デバイスの最新バージョンのファームウェアがリリースされた場合に、携帯電話10からの選択デバイスへの指示により、選択デバイスにおいてファームウェアのアップデートが実行される。なお、アップデート画面120には、戻るボタン124も表示されており、戻るボタン124が操作された場合には、更新アプリケーション31は起動されず、アップデート画面120が表示されていた前の画面が、LCD20に表示される。つまり、選択デバイスのファームウェアをアップデートするつもりで、通知ダイアログ110でアップデートボタン114を操作し、LCD20にアップデート画面120が表示された場合に、戻るボタン124を操作することで、選択デバイスのファームウェアのアップデートをキャンセルできる。
また、携帯電話10において、通知ダイアログ110でキャンセルボタン112が操作された場合には、当然、選択デバイスによるファームウェアのアップデートは実行されず、通知ダイアログ110が非表示とされる。つまり、LCD20には、図2に示すように、トップ画面100が表示される。なお、トップ画面100への通知ダイアログ110の表示は、管理サーバ54から新たな種類の最新バージョン情報を受信した場合にのみ行われる。
詳しくは、携帯電話10から管理サーバ54への現バージョン情報の問い合わせは、上述したように、所定の周期で行われる。このため、通知ダイアログ110でキャンセルボタン112が操作された場合には、選択デバイスでファームウェアのアップデートは実行されないため、携帯電話10は、現バージョン情報として、最新バージョンにアップデートされていないファームウェアに関する情報を選択デバイスから受信する。そして、その現バージョン情報が、携帯電話10から管理サーバ54に送信されると、管理サーバ54では、選択デバイスのファームウェアが最新バージョンのものにアップデートされていないと判断され、管理サーバ54から携帯電話10に、最新バージョン情報が送信される。
携帯電話10は、最新バージョン情報を受信すると、受信した最新バージョン情報(以下、「受信最新バージョン情報」と記載する)と、データ記憶領域32に記憶されている最新バージョン情報(以下、「記憶最新バージョン情報」と記載する)とを比較する。この際、通知ダイアログ110が表示された後に、更に最新バージョンのファームウェアがリリースされておらず、管理サーバ54に記憶されている最新バージョン情報が更新されていない場合には、受信最新バージョン情報と、記憶最新バージョン情報とは同じとなる。このような場合には、通知ダイアログ110は表示されない。一方、通知ダイアログ110が表示された後に、更に最新バージョンのファームウェアがリリースされ、管理サーバ54に記憶されている最新バージョン情報が更新されている場合には、受信最新バージョン情報と、記憶最新バージョン情報とは異なる。このような場合に、通知ダイアログ110が表示される。このように、携帯電話10は、記憶最新バージョン情報と異なる最新バージョン情報を管理サーバ54から受信した場合、つまり、管理サーバ54から新たな種類の最新バージョン情報を受信した場合に、通知ダイアログ110を表示する。
また、携帯電話10では、通知ダイアログ110だけでなく、バッジ表示および、メッセージ表示により、選択デバイスの最新バージョンのファームウェアがリリースされたことを告知する旨の通知(以下、「ファーム通知」と記載する)(本発明の第1情報の一例)がLCD20に表示される。詳しくは、携帯電話10が、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信した場合には、図2に示すように、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106の右上に星形のバッジ107が表示される。このバッジ107は、ファーム通知であり、選択デバイスの最新バージョンのファームウェアがリリースされたことを示している。これにより、通知ダイアログ110が表示されない場合であっても、ユーザは、バッジ107によって、選択デバイスの最新バージョンのファームウェアがリリースされたことを認識できる。
また、図2に示すトップ画面100において、ステータス確認ボタン106が操作されると、LCD20に、図5に示すステータス画面130が表示される。ステータス画面130には、ステータス表示欄132が表示されており、そのステータス表示欄132には、選択デバイスのステータス情報が表示される。ステータス情報としては、選択デバイスで使用されてインクの残量に関する情報、インクの種類に関する情報、選択デバイスのIPアドレスに関する情報等が含まれている。なお、ステータス情報は、携帯電話10から選択デバイスへの問い合わせによって、携帯電話10は、選択デバイスからステータス情報を取得している。詳しくは、携帯電話10から選択デバイスに、ステータス情報の問い合わせが、所定の周期で送信される。そして、選択デバイスが、問い合わせに応じてステータス情報を携帯電話10に送信することで、携帯電話10はステータス情報を取得する。
また、ステータス画面130の上方には、メッセージ表示欄134も表示される。メッセージ表示欄134には、ファーム通知、つまり、選択デバイスの最新バージョンのファームウェアがリリースされたことを告知する旨の通知が表示される。これにより、ステータス画面130においても、ユーザは、選択デバイスの最新バージョンのファームウェアがリリースされたことを認識できる。また、メッセージ表示欄134は、操作ボタンとしての機能も有しており、メッセージ表示欄134が操作されると、LCD20に、図4に示すアップデート画面120が表示される。そして、アップデート画面120において、実行ボタン122が操作されることで、上述したように、選択デバイスにおいてファームウェアのアップデートが実行される。つまり、携帯電話10では、通知ダイアログ110のアップデートボタン114への操作、若しくは、ステータス画面130のファーム通知が表示されたメッセージ表示欄134への操作により、LCD20にアップデート画面120を表示させ、実行ボタン122が操作されることで、選択デバイスにおいてファームウェアのアップデートが実行される。
なお、トップ画面100におけるステータス確認ボタン106へのバッジ107の表示、および、ステータス画面130におけるメッセージ表示欄134へのファーム通知の表示は、選択デバイスにおいて、ファームウェアのアップデートが実行されるまで行われる。詳しくは、携帯電話10から管理サーバ54への現バージョン情報の問い合わせは、上述したように、所定の周期で行われる。このため、アップデート画面120で実行ボタン122が操作され、選択デバイスでファームウェアのアップデートが実行された場合には、携帯電話10は、現バージョン情報として、アップデートしたファームウェアに関する情報を選択デバイスから受信する。そして、その現バージョン情報が、携帯電話10から管理サーバ54に送信されると、管理サーバ54では、選択デバイスのファームウェアが最新バージョンのものにアップデートされていると判断され、管理サーバ54から携帯電話10に、アップデート済み情報が送信される。この際、携帯電話10は、アップデート済み情報を受信すると、トップ画面100におけるステータス確認ボタン106へのバッジ107の表示、および、ステータス画面130におけるメッセージ表示欄134へのファーム通知の表示が消去される。このように、携帯電話10では、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信してから、管理サーバ54からアップデート済み情報を受信するまでの間、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106にバッジ107が表示され、ステータス画面130において、メッセージ表示欄134にファーム通知が表示される。
また、携帯電話10では、選択デバイスにおいてエラーが発生した場合に、バッジ表示および、メッセージ表示により、選択デバイスにおいてエラーが発生していることを告知する旨の通知(以下、「エラー通知」と記載する)(本発明の第2情報の一例)がLCD20に表示される。詳しくは、選択デバイスにおいて、エラーが発生した場合には、選択デバイスは、ステータス情報とともに、エラー情報を携帯電話10に送信する。エラー情報としては、インク切れを示す情報、選択デバイスのカバー等が開いており、各種処理を実行できないことを示す情報等がある。そして、携帯電話10は、エラー情報を受信した場合には、図6に示すように、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106の右上にエクスクラメーションマーク形のバッジ108が表示される。このバッジ108は、エラー通知であり、選択デバイスにおいてエラーが発生していることを示している。これにより、ユーザは、バッジ108によって、選択デバイスにおいてエラーが発生していることを認識できる。
また、図6に示すトップ画面100において、ステータス確認ボタン106が操作されると、LCD20に、図7に示すステータス画面130が表示される。このステータス画面130においても、図5に示すステータス画面130と同様に、ステータス表示欄132及びメッセージ表示欄134が表示され、ステータス表示欄132には、選択デバイスのステータス情報が表示されるが、メッセージ表示欄134には、エラー通知、つまり、選択デバイスにおいてエラーが発生していることを告知する旨の通知が表示される。これにより、ステータス画面130においても、ユーザは、選択デバイスにおいてエラーが発生していることを認識できる。
なお、トップ画面100におけるステータス確認ボタン106へのバッジ108の表示、および、ステータス画面130におけるメッセージ表示欄134へのエラー通知の表示は、選択デバイスにおいてエラーが解除されるまで行われる。詳しくは、選択デバイスは、エラーが発生した場合に、エラー情報を、ステータス情報とともに、携帯電話10に送信するが、エラーが解除された場合には、エラー解除情報を、ステータス情報とともに、携帯電話10に送信する。このため、携帯電話10は、エラー解除情報を受信すると、トップ画面100におけるステータス確認ボタン106へのバッジ108の表示、および、ステータス画面130におけるメッセージ表示欄134へのエラー通知の表示が消去される。このように、携帯電話10では、選択デバイスからエラー情報を受信してから、選択デバイスからエラー解除情報を受信するまでの間、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106にバッジ108が表示され、ステータス画面130において、メッセージ表示欄134にエラー通知が表示される。
このように、携帯電話10では、バッジ表示および、メッセージ表示により、ファーム通知、エラー通知が表示されるが、表示画面のデザイン性,表示領域等を考慮すると、ファーム通知とエラー通知との両方を一度に表示することができない。つまり、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106の右上に、一度に、バッジ107とバッジ108との両方を表示することができず、ステータス画面130において、メッセージ表示欄134に、一度に、ファーム通知とエラー通知との両方を表示することができない。このため、携帯電話10では、ファーム通知とエラー通知との何れを優先的に表示すべきかを示す表示優先順位が設定されており、その表示優先順位はデータ記憶領域32に記憶されている。そして、ファーム通知とエラー通知とのうちの表示優先順位の高いものが、バッジ表示および、メッセージ表示により表示される。
詳しくは、携帯電話10が、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信した場合に、その受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが異なるか否かが判断される。そして、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが異なる場合に、ファーム通知が表示優先順位に登録され、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが同じ場合には、ファーム通知は表示優先順位に登録されない。つまり、管理サーバ54から同じ種類の最新バージョン情報を受信した場合には、ファーム通知は表示優先順位に登録されず、管理サーバ54から新たな種類の最新バージョン情報を受信した場合に、ファーム通知が表示優先順位に登録される。この際、ファーム通知は、エラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録される。このため、新たな最新バージョン情報を受信した直後は、ファーム通知が、バッジ表示および、メッセージ表示により表示される。つまり、図2に示すように、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106にバッジ107が表示され、ステータス確認ボタン106への操作によって表示されるステータス画面130では、図5に示すように、メッセージ表示欄134にファーム通知が表示される。これにより、新たなバージョンのファームウェアがリリースされたことを、早期にユーザに告知することが可能となる。
また、ファーム通知がエラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録されることで、図5に示すように、ステータス画面130において、メッセージ表示欄134にファーム通知が表示された後に、そのステータス画面130が別の画面に切り換えられ、ステータス画面130が非表示とされると、ステータス画面130の表示を終了した回数(以下、「表示終了回数」と記載する)が累積的にカウントされる。そして、累積的にカウントされた表示終了回数が設定回数(例えば、10回)以上となった場合に、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録される。このため、ステータス画面130において、設定回数(例えば、10回)、ファーム通知が表示された後は、エラー通知が、バッジ表示および、メッセージ表示により表示される。つまり、図6に示すように、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106にバッジ108が表示され、ステータス確認ボタン106への操作によって表示されるステータス画面130では、図7に示すように、メッセージ表示欄134にエラー通知が表示される。これにより、ファームウェアのリリースを充分にユーザに告知した後に、エラーの発生をユーザに告知することが可能となる。なお、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録された後に、表示終了回数はリセットされる。
また、アップデート画面120がLCD20に表示される場合、つまり、通知ダイアログ110でアップデートボタン114が操作された場合、若しくは、ステータス画面130でファーム通知の表示されたメッセージ表示欄134が操作された場合には、ユーザは、選択デバイスのファームウェアを更新する意図を有していると考えられる。そして、通常、ユーザは、アップデート画面120において、実行ボタン122を操作することで、選択デバイスのファームウェアを更新させるが、何らかの理由で、実行ボタン122が操作されず、ファームウェアが更新されない場合もある。このような場合には、ユーザが、選択デバイスのファームウェアを更新する意図を有しているため、ファーム通知を表示することが好ましい。
このため、表示終了回数が設定回数以上となった場合であっても、ファーム通知がエラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録されている際に、アップデート画面120がLCD20に表示された場合には、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録されず、ファーム通知が、エラー通知より高い優先順位で維持される。つまり、アップデート画面120が、LCD20に表示された場合は、表示優先順位において、ファーム通知がエラー通知より高い状態とされる。これにより、ユーザが、選択デバイスのファームウェアを更新しようとする意図を尊重し、ファーム通知を表示することが可能となる。
また、通知ダイアログ110は、上述したように、管理サーバ54から新たな種類の最新バージョン情報を受信した場合に表示される。この際、通知ダイアログ110でキャンセルボタン112が操作されると、通知ダイアログ110は非表示とされ、先に受信している最新バージョン情報と異なる種類の最新バージョン情報を受信するまで、つまり、データ記憶領域32に記憶されている最新バージョン情報と異なる種類の最新バージョン情報を受信するまで、通知ダイアログ110は表示されない。そして、携帯電話10が、先に受信している最新バージョン情報と異なる種類の最新バージョン情報を受信した場合に、通知ダイアログ110が表示される。この際においても、通知ダイアログ110でキャンセルボタン112が操作されると、通知ダイアログ110が非表示とされる。このように、通知ダイアログ110が表示される毎に、キャンセルボタン112が操作される場合には、選択デバイスのファームウェアのバージョンは、最新のファームウェアのバージョンと比較して、比較的古く、選択デバイスのファームウェアの性能は低いと考えられるため、ファームウェアを更新することが好ましい。
このため、携帯電話10では、通知ダイアログ110でのキャンセルボタン112の操作回数が累積にカウントされている。そして、累積的にカウントされたキャンセルボタン112の操作回数(以下、「累積操作回数」と記載する)が設定回数(例えば、3回)以上となった場合に、ファーム通知が、エラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録される。一方、累積操作回数が設定回数未満である場合には、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録される。これにより、選択デバイスのファームウェアのバージョンが、最新のファームウェアのバージョンと比較して、比較的古くなり、選択デバイスのファームウェアの性能が低くなっていると考えられる場合に、ファーム通知を表示し、ファームウェアの更新をユーザに促すことが可能となる。なお、キャンセルボタン112の累積操作回数は、携帯電話10がアップデート済み情報を受信した場合に、リセットされる。
また、新たなバージョンのファームウェアがリリースされる際には、そのリリースされるファームウェアのバージョンアップとして、ファームウェアの改訂の程度により、メジャーバージョンアップとマイナーバージョンアップとがある。メジャーバージョンアップでは、ファームウェアが大幅に改訂される。このため、メジャーバージョンアップの対象となるファームウェアがリリースされた場合には、そのことを早期にユーザに告知する必要性は高い。一方、マイナーバージョンアップでは、ファームウェアは僅かに改訂される。このため、マイナーバージョンアップの対象となるファームウェアがリリースされた場合には、そのことを早期にユーザに告知する必要性は低い。
このため、携帯電話10は、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信すると、その受信最新バージョン情報に基づいて、最新のファームウェアのバージョンが、メジャーバージョンアップの対象となるバージョンであるか、マイナーバージョンアップの対象となるバージョンであるかを判断する。詳しくは、最新バージョン情報には、バージョン番号が含まれており、バージョン番号は、例えば、ピリオドで区切られた2つの数字(例えば、2.1)によって構成されている。このピリオドで区切られた2つの数字のうちの左側の数字がメジャーバージョン番号であり、右側の数字がマイナーバージョン番号である。そして、携帯電話10は、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信すると、その受信最新バージョン情報のバージョン番号と、記憶最新バージョン情報のバージョン番号とを比較する。
この際、メジャーバージョン番号が、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とで異なる場合に、最新のファームウェアのバージョンが、メジャーバージョンアップの対象となるバージョンであると判断される。一方、マイナーバージョン番号が、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とで異なる場合に、最新のファームウェアのバージョンが、マイナーバージョンアップの対象となるバージョンであると判断される。そして、最新のファームウェアのバージョンが、メジャーバージョンアップの対象となるバージョンであると判断された場合には、ファーム通知が、エラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録される。これにより、大幅に改定されるファームウェアのリリースを、早期にユーザに告知することが可能となる。一方、最新のファームウェアのバージョンが、マイナーバージョンアップの対象となるバージョンであると判断された場合には、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録される。これにより、僅かな改定のファームウェアのリリースよりも、選択デバイスでのエラーを早期にユーザに告知することが可能となる。
なお、表示優先順位に登録されたファーム通知は、携帯電話10が管理サーバ54からアップデート済み情報を受信した場合に、表示優先順位から削除される。これにより、選択デバイスでファームウェアが最新バージョンのファームウェアに更新された後に、携帯電話10においてファーム通知を非表示にすることが可能となる。また、表示優先順位に登録されたエラー通知は、携帯電話10が選択デバイスからエラー解除情報を受信した場合に、表示優先順位から削除される。これにより、選択デバイスでエラーが解除された後に、携帯電話10においてエラー通知を非表示にすることが可能となる。
<制御プログラム>
上記表示優先順位の登録及び、トップ画面100等の画像表示は、CPU12において制御アプリケーション30が実行されることによって行われる。以下に、図8乃至図13を用いて、この制御アプリケーション30のフローが実行される際の処理を説明する。
まず、トップ画面100等の画像が表示される際の処理について、図8を用いて説明する。図8に示すフローでは、まず、選択デバイスのファームウェア確認処理が実行される(S100)。選択デバイスのファームウェア確認処理では、上述したように、選択デバイスへの現バージョン情報の問い合わせと、選択デバイスからの現バージョン情報の受信と、現バージョン情報等の管理サーバ54への送信と、管理サーバ54からのアップデート済み情報、若しくは最新バージョン情報の受信との一連の処理が実行される。そして、ファームウェア確認処理において、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信したか否かが、CPU12によって判断される(S101)。
そして、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信している場合(S101:YES)には、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが異なっているか否かが、CPU12によって判断される(S102)。受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが異なっている場合(S102:YES)には、LCD20に通知ダイアログ110が表示される(S104)。そして、S106に進む。なお、S101で管理サーバ54から最新バージョン情報を受信していない場合(S101:NO)および、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが同じ場合(S102:NO)には、S104の処理がスキップされ、S106に進む。
S106では、表示優先順位にファーム通知とエラー通知との少なくとも一方が登録されているか否かが、CPU12によって判断される(S106)。そして、表示優先順位にファーム通知とエラー通知との少なくとも一方が登録されている場合には、表示優先順位で高い順位の通知が、バッジ表示および、メッセージ表示によりLCD20に表示される(S108)。つまり、ファーム通知の優先順位が高い場合には、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106にバッジ107が表示され、ステータス画面130において、メッセージ表示欄134にファーム通知が表示される。一方、エラー通知の優先順位が高い場合には、トップ画面100において、ステータス確認ボタン106にバッジ108が表示され、ステータス画面130において、メッセージ表示欄134にエラー通知が表示される。そして、本フローが終了する。なお、S106で、表示優先順位にファーム通知とエラー通知との何れも登録されていない場合(S106:NO)には、S108の処理がスキップされ、本フローが終了する。
また、最新バージョン情報の受信によりファーム通知が表示優先順位に登録される際の処理について、図9を用いて説明する。図9に示すフローでは、S110〜S114の処理が実行されるが、S110〜S114の処理は、図8に示すS100〜S102の処理と同じであるため、説明を省略する。そして、S112で、管理サーバ54から最新バージョン情報を受信していない場合(S112:NO)、つまり、管理サーバ54からアップデート済み情報を受信している場合には、表示優先順位に登録されているファーム通知があれば、そのファーム通知が表示優先順位から削除される(S116)。そして、本フローが終了する。
また、S114で、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが異なっている場合(S114:YES)に、ファーム通知がエラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録され(S118)、本フローが終了する。一方、S114で、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが同じ場合(S114:NO)には、S118の処理がスキップされ、本フローが終了する。
また、通知ダイアログ110でのキャンセルボタン112の操作回数に応じてファーム通知が表示優先順位に登録される際の処理について、図10を用いて説明する。図10に示すフローでは、S120〜S126の処理が実行されるが、S120〜S126の処理は、図9に示すS110〜S116の処理と同じであるため、説明を省略する。そして、S124で、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが異なっている場合(S124:YES)に、キャンセルボタン112の累積操作回数が設定回数以上であるか否かが、CPU12によって判断される(S128)
キャンセルボタン112の累積操作回数が設定回数以上である場合(S128:YES)には、ファーム通知がエラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録され(S130)、本フローが終了する。一方、キャンセルボタン112の累積操作回数が設定回数未満である場合(S128:NO)には、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録され(S132)、本フローが終了する。また、S124で、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが同じである場合(S124:NO)には、S128〜S132の処理がスキップされ、本フローが終了する。
また、更新対象のバージョンアップが、メジャーバージョンアップであるか、マイナーバージョンアップであるかに応じてファーム通知が表示優先順位に登録される際の処理について、図11を用いて説明する。図11に示すフローでは、S140〜S146の処理が実行されるが、S140〜S146の処理は、図9に示すS110〜S116の処理と同じであるため、説明を省略する。そして、S144で、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが異なっている場合(S144:YES)に、更新対象のバージョンアップが、メジャーバージョンアップであるか否かが、CPU12によって判断される(S148)。
更新対象のバージョンアップが、メジャーバージョンアップである場合(S148:YES)に、ファーム通知がエラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録され(S150)、本フローが終了する。一方、更新対象のバージョンアップが、マイナーバージョンアップである場合(S148:NO)には、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録され(S152)、本フローが終了する。また、S144で、受信最新バージョン情報と記憶最新バージョン情報とが同じである場合(S144:NO)には、S148〜S152の処理がスキップされ、本フローが終了する。
また、ステータス画面130の表示終了回数に応じてファーム通知が表示優先順位に登録される際の処理について、図12を用いて説明する。図12に示すフローは、ステータス画面130が閉じられる際に実行され、まず、ファーム通知が表示優先順位に登録されているか否かが、CPU12によって判断される(S160)。この際、ファーム通知が表示優先順位に登録されている場合(S160:YES)には、ステータス画面130の表示終了回数が1カウントアップされる(S162)。次に、表示終了回数が設定回数以上であるか否かが、CPU12によって判断される(S164)
表示終了回数が設定回数以上である場合(S164:YES)には、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録される(S166)。そして、表示終了回数がリセットされ(S168)、本フローが終了する。また、ファーム通知が表示優先順位に登録されていない場合(S160:NO)および、表示終了回数が設定回数未満である場合(S164:NO)には、本フローが終了する。
また、アップデート画面120がLCD20に表示された場合にファーム通知が表示優先順位に登録される際の処理について、図13を用いて説明する。図13に示すフローは、ステータス画面130が閉じられる際に実行され、まず、ファーム通知が表示優先順位に登録されているか否かが、CPU12によって判断される(S170)。この際、ファーム通知が表示優先順位に登録されている場合(S170:YES)には、アップデート画面120がLCD20に表示されたことがあるか否かが、CPU12によって判断される(S172)。アップデート画面120がLCD20に表示されたことがある場合(S172:YES)には、ファーム通知がエラー通知より高い優先順位で表示優先順位に登録される(S174)。そして、本フローが終了する。また、ファーム通知が表示優先順位に登録されていない場合(S170:NO)および、アップデート画面120がLCD20に表示されたことがない場合(S172:NO)には、本フローが終了する。
なお、S108を実行するCPU12は、表示制御手段の一例である。S130,132,150,152,166,174を実行するCPU12は、変更手段の一例である。S148を実行するCPU12は、判定手段の一例である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、ステータス画面130が累積的に閉じられた回数、つまり、表示終了回数が設定回数以上となった場合に、ファーム通知が、エラー通知より低い優先度で表示優先順位に登録されるが、ステータス画面130が1回、閉じられた場合にファーム通知が、エラー通知より低い優先度で表示優先順位に登録されてもよい。つまり、図12に示すフローで、S162,164,168の処理を実行せずに、S160で、ファーム通知が表示優先順位に登録されている場合(S160:YES)に、ファーム通知が、エラー通知より低い優先順位で表示優先順位に登録されてもよい(S166)。
また、上記実施形態では、更新アプリケーション31により、選択デバイスにファームウェアの更新指示が送信され、選択デバイスのファームウェアの更新が実行されているが、制御アプリケーション30により、選択デバイスにファームウェアの更新指示が送信され、選択デバイスのファームウェアの更新が実行されてもよい。
また、上記実施例では、第2情報として、エラー情報が採用されているが、ファームウェアに関する情報と異なる情報であれば、種々の情報を、第2情報として採用することが可能である。
また、上記実施形態では、CPU12によって図8乃至図13に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。