JP6708038B2 - 酸化ニッケルの製造方法 - Google Patents
酸化ニッケルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6708038B2 JP6708038B2 JP2016143523A JP2016143523A JP6708038B2 JP 6708038 B2 JP6708038 B2 JP 6708038B2 JP 2016143523 A JP2016143523 A JP 2016143523A JP 2016143523 A JP2016143523 A JP 2016143523A JP 6708038 B2 JP6708038 B2 JP 6708038B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roasting
- nickel oxide
- fluidized
- nickel
- nickel hydroxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
酸化ニッケルの製造方法において、流動焙焼による焙焼の対象となる原料は水酸化ニッケルである。原料の水酸化ニッケルとしては、Ni(OH)2を主成分としているものであればよく、特に限定されない。
(1)流動焙焼炉の構成
図1は、流動焙焼炉を備えた流動焙焼装置の構成の一例を模式的に示す図である。本実施の形態に係る酸化ニッケルの製造方法においては、例えば図1に示すような流動焙焼装置1を用いて水酸化ニッケルを焙焼して酸化ニッケルを製造する。なお、流動焙焼装置1としては、炉の下方からガスを流して流動焙焼を行うことができ、焙焼して得られた材料(酸化ニッケル)を上方に向かって気流搬送して回収することができる設備を備えるものであれば、図1に例示するものに限定されない。
炉本体11は、例えば円筒形状を有し、流動焙焼を行う焙焼室を構成するものである。この炉本体11の内部において、原料である水酸化ニッケルと流動媒体との混合物がガスにより浮遊流動化して流動層を形成する。より具体的に、炉本体11は、炉本体上部11Aと、炉本体下部11Bとに分けられる。
ガス導入管12は、被焙焼物である水酸化ニッケルと流動媒体とを、炉本体11(炉本体下部11B)の付近(ヒーター15により加熱されている空間)で浮遊させるためのガスを導入するための配管である。また、焙焼して得られた焙焼物である酸化ニッケルを回収する際にも、このガス導入管12からガスを導入し、そのガスによって酸化ニッケルを気流搬送して回収する。なお、図1中の矢印は、ガスの流れを示している。
回収サイクロン13は、炉本体11の上方に位置し、炉本体11内で流動焙焼して得られた焙焼物である酸化ニッケルを回収する。回収サイクロン13としては、回収時におけるガス供給により、酸化ニッケルを効率的に回収できるものであれば特に限定されない。
流動焙焼処理においては、例えば、固定層21をアルミナにより構成し、また流動媒体として球状のアルミナを用いて、所定の流速、流量のガスをガス導入管12を介して炉本体11の下方から供給しながら、炉本体11の内部に原料である水酸化ニッケルを投入して、その水酸化ニッケルと流動媒体とを浮遊流動化させることによって行う。このように、水酸化ニッケルを浮遊流動化させて所定の温度で焙焼することで、被焙焼物である水酸化ニッケルを酸化ニッケルにする。なお、固定層21を構成する化合物や流動媒体等は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
このうち、1段目の温度帯では、水に由来する成分を除去する。具体的には、原料に含まれる水分や、水酸基(OH)が分解して生成されるH2Oを除去する。
また、1段目の温度帯の後に、1段目と異なる温度範囲からなる2段目の温度帯を設けることで、原料に含まれる水分の除去と、水酸化ニッケルの水酸基の分解を分けて行ってもよい。このように、水分を除去するための処理の温度帯を2段に分けることにより、1段目で原料に含まれる水分を除去した後で、2段目では水酸基によって発生する水を確実に除去することができる。これにより、多量の水分(気体である水蒸気)が除去されることによる実質的なガス流量の上昇が起こり難くなり、焙焼が不十分な原料が回収サイクロン13に流送されることを低減できるため、より高品質な酸化ニッケルを得ることが可能となる。
水に由来する成分を除去した後の最終の温度帯では、硫黄分を原料から除去する。これにより、以下の効果を奏することができる。
流動焙焼によって水酸化ニッケルを焙焼したのち、得られた焙焼物である酸化ニッケルを流動焙焼炉から回収する。上述したように、酸化ニッケルの回収は、例えば、図1に示すように、流動焙焼炉の炉本体11の後段に連続して設けられた回収サイクロン13によって回収することができる。
焙焼対象の原料(被焙焼物)として、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を準備した。水酸化ニッケルは、平均粒径が21.0±1.0μmのものである。また、その水酸化ニッケルについて分析したところ、硫黄分が1.9±0.1%の割合で含まれ、水分が2.0±0.1%の割合で含まれるものであることが確認された。なお、その他の不可避的に含まれる成分は、含有量が少なく実質的に無視できる程度であった。
(実施例1〜18:2段以上の温度帯を経た焙焼)
流動焙焼炉を用いて原料の水酸化ニッケルを焙焼し、焙焼物である酸化ニッケル(NiO)を回収する処理を行った。具体的に、流動焙焼炉としては、新島ネオライト工業株式会社製の装置を用い、焙焼炉の炉心の内径は直径135mmで、有効な均熱帯は高さ方向で約30cmであり、その範囲で流動焙焼を行った。
比較例1では、実施例1と同様に流動焙焼炉を用いた処理を行ったが、原料の焙焼は1段の温度帯を経ることで行った。原料の焙焼温度は900℃であり、焙焼時間は30分間とした。
実施例、比較例のそれぞれの処理において、焙焼により得られた試料の回収率、回収物中における酸化ニッケルの含有量の割合、及び、回収物中における水分と硫黄の含有量について評価した。表1に、評価結果を示す。なお、評価方法は以下の通りである。
焙焼により得られた試料の回収率は、下記の(1)式により算出した。
回収率(%)=回収した試料重量÷(投入したNi(OH)2が全てNiOになったときの重量−硫黄の含有量)×100 ・・・(1)式
回収物中における酸化ニッケルの含有量の割合は、回収物中に含まれる酸化ニッケル(NiO)と水酸化ニッケル(Ni(OH)2)の含有量をそれぞれ算出し、それぞれの含有量の合計値に対するNiO含有量の割合(重量%)として算出した。
回収物中における水分の含有量は、赤外線加熱乾燥質量測定式の水分計(島津製作所製、型式:MOC―120H)を用いて測定した。
回収物中における硫黄の含有量は、硫黄分析装置(三菱化学株式会社製,型式:TOX−100)を用いて測定した。
11 炉本体
11A 炉本体上部
11B 炉本体下部
12 ガス導入管
13 回収サイクロン
14 原料投入管
15 ヒーター
16 ガス排気管
21 固定層
22 流動媒体層
Claims (6)
- 水酸化ニッケルを焙焼して酸化ニッケルを製造する酸化ニッケルの製造方法であって、
前記水酸化ニッケルと反応しない流動媒体によって構成される流動媒体層を有する流動焙焼炉を用いて、前記流動焙焼炉の内部で前記水酸化ニッケルと前記流動媒体とを混合して浮遊流動化させる流量のガスを供給しながら、時間によって規定される2段以上の温度帯を経て、前記水酸化ニッケルを焙焼する
酸化ニッケルの製造方法。 - 流動焙焼炉に空気を供給しながら前記水酸化ニッケルを焙焼し、
前記温度帯は、1段目が80℃以上680℃以下、2段目が680℃を超え1000℃以下である
請求項1に記載の酸化ニッケルの製造方法。 - 水酸化ニッケルを焙焼して酸化ニッケルを製造する酸化ニッケルの製造方法であって、
流動焙焼炉を用いて、前記流動焙焼炉にガスを供給しながら、時間によって規定される3段の温度帯を経て前記水酸化ニッケルを焙焼するものであり、
前記温度帯は、1段目が80℃以上280℃以下、2段目が280℃を超え680℃以下、3段目が680℃を超え1000℃以下である
酸化ニッケルの製造方法。 - 前記温度帯は、1段目が95℃以上200℃以下、2段目が500℃以上680℃以下、3段目が680℃を超え950℃以下である
請求項3に記載の酸化ニッケルの製造方法。 - 前記水酸化ニッケルの焙焼は、前記温度帯ごとに5分以上60分以下の焙焼時間で行う、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酸化ニッケルの製造方法。 - 硫黄含有量が80ppm以下の酸化ニッケルを製造する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の酸化ニッケルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016143523A JP6708038B2 (ja) | 2016-07-21 | 2016-07-21 | 酸化ニッケルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016143523A JP6708038B2 (ja) | 2016-07-21 | 2016-07-21 | 酸化ニッケルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018012623A JP2018012623A (ja) | 2018-01-25 |
JP6708038B2 true JP6708038B2 (ja) | 2020-06-10 |
Family
ID=61019259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016143523A Active JP6708038B2 (ja) | 2016-07-21 | 2016-07-21 | 酸化ニッケルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6708038B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2019426767A1 (en) * | 2019-01-31 | 2021-04-08 | Jgc Corporation | Method for treating nickel-containing raw material |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58176108A (ja) * | 1982-04-12 | 1983-10-15 | Nippon Nickel Kk | 金属硫化物の流動焙焼法 |
JP4063151B2 (ja) * | 2003-06-11 | 2008-03-19 | 住友金属鉱山株式会社 | 多孔質の球状ニッケル粉末とその製造方法 |
JP5663895B2 (ja) * | 2010-02-19 | 2015-02-04 | 住友金属鉱山株式会社 | ニッケル粉及びその製造方法 |
JP5445777B2 (ja) * | 2010-07-28 | 2014-03-19 | 住友金属鉱山株式会社 | 低品位ニッケル酸化鉱石からのフェロニッケル製錬原料の製造方法 |
-
2016
- 2016-07-21 JP JP2016143523A patent/JP6708038B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018012623A (ja) | 2018-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5676471B2 (ja) | 流動層反応炉においてフルオロシリケートから四フッ化ケイ素を生成するプロセス及びシステム | |
CN110065969B (zh) | 微波焙烧钼精矿球块制备纯三氧化钼的方法 | |
JP6870231B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法、流動焙焼炉 | |
JP6729126B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法、流動焙焼炉 | |
JP6708038B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法 | |
CN109110813B (zh) | 一种动态煅烧制取多价态氧化钒的方法 | |
CN107585792A (zh) | 二水合氯化亚铁固体的制备方法及二水合氯化亚铁固体 | |
JP6561925B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法、流動焙焼炉 | |
JP6942942B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法、流動焙焼炉 | |
JP6565803B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法、流動焙焼炉 | |
FI65089C (fi) | Foerfarande foer rostning av partikelformat metallsulfit i en fluidiserad skiktreaktor | |
JP2012124147A (ja) | 正極活物質及びその前駆体の製造方法 | |
EP3538490B1 (en) | Process for making anhydrous lithium hydroxide | |
JP2017193769A (ja) | ペレットの製造方法、及びニッケル酸化鉱石の製錬方法 | |
JP2019113237A (ja) | 流動焙焼炉 | |
JP2012206868A (ja) | 易溶解性三酸化モリブデンの製造方法および易溶解性三酸化モリブデン | |
JP6634974B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法 | |
JP6561924B2 (ja) | 酸化ニッケルの製造方法 | |
JP6939498B2 (ja) | 流動焙焼炉 | |
JP2004123488A (ja) | 酸化ニッケル粉末の製造方法 | |
JP2004123487A (ja) | 酸化ニッケル粉末の製造方法 | |
JP7098919B2 (ja) | 酸化ニッケル微粉末の製造方法 | |
JP2019120472A (ja) | 流動焙焼炉 | |
CN102773045A (zh) | 一种喷雾焙烧装置 | |
CN108163902A (zh) | 一种红土镍矿中间产物氢氧化镍生产羰基镍原料的方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190411 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200330 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200421 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200504 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6708038 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |