JP6707934B2 - 光学素子および表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光の進行方向に複数の回折格子が配置された光学素子、および光学素子を備
えた表示装置に関するものである。
光の進行方向に複数の回折格子を配置した光学素子は、レーザプリンタ等の画像形成装
置の光束分割素子や、網膜走査型の表示装置の瞳拡大素子として用いられている。かかる
光学素子を構成するにあたって、回折格子が形成された2枚の透光性の基板を接着剤によ
って対向した状態に貼り合わせた構造が提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−197182号公報の図27
光学素子においては、回折格子の格子が所定の方向に延在するように高い精度で位置合
わせする必要があるとともに、回折格子同士の間隔を高い精度で合わせる必要がある。ま
た、回折格子同士を平行に配置する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の光学
素子のように、2枚の基板を接着剤によって対向した状態に貼り合わせた構造では、接着
剤の収縮等の影響で、回折格子同士の間隔の変動や、面外方向に対する傾き等が発生する
おそれがある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、光の進行方向に沿って配置された複数の回折
格子の位置を適正に合わせることのできる光学素子、および表示装置を提供することにあ
る。
上記課題を解決するために、本発明に係る光学素子の一態様は、第1面および前記第1
面とは反対側の面である第2面を備えた透光性の第1基板と、前記第2面に対向する第3
面および前記第3面とは反対側の面である第4面を備えた透光性の第2基板と、前記第1
面および前記第2面の少なくとも一方に設けられた第1回折格子と、前記第3面および前
記第4面の少なくとも一方に設けられた第2回折格子と、前記第2面と前記第3面との間
に介在する第1ギャップ材を含み、前記第2面と前記第3面とを接着する第1接着剤層と
、を有することを特徴とする。
本発明では、第1基板と第2基板との間隔を第1ギャップ材によって高い精度で制御す
ることができるとともに、第1ギャップ材によって第1基板と第2基板とを高い精度で平
行に配置することができる。従って、第1回折格子と第2回折格子との間隔を高い精度で
制御することができるとともに、第1回折格子と第2回折格子とを高い精度で平行に配置
することができる。また、第1基板に対する第2基板の面内方向の角度位置については、
第1接着剤層で固定する前に、第1基板の側から光を入射させ、第2基板から出射された
光を観察し、その観察結果に基づいて、第1基板に対する第2基板の面内方向の角度位置
を調整することができる。従って、第1回折格子と第2回折格子とを高い精度で適正な向
きに配置することができる。それ故、光の進行方向に沿って配置された複数の回折格子の
位置を適正に合わせることができる。
本発明の別態様(第1別態様)の光学素子は、前記第1回折格子は、前記第1面に設け
られ、前記第2回折格子は、前記第4面に設けられ、前記第1接着剤層は、光が通過する
有効領域の外側に設けられ、前記有効領域では、前記第2面と前記第3面との間に前記第
1基板および前記第2基板と屈折率が等しい第1充填材が充填されている構成を採用する
ことができる。かかる構成によれば、第1基板、第1充填材および第2基板が一体の透光
体として機能するため、第2面および第3面での屈折や反射等を抑制することができる。
本発明のさらに別態様(第2別態様)の光学素子は、前記第4面に対向する第5面およ
び前記第5面とは反対側の面である第6面を備えた透光性の第3基板と、前記第6面に対
向する第7面および前記第7面とは反対側の面である第8面を備えた透光性の第4基板と
、前記第5面に設けられた第3回折格子と、前記第8面に設けられた第4回折格子と、前
記第6面と前記第7面との間に介在する第2ギャップ材を含み、前記有効領域の外側で前
記第6面と前記第7面とを接着する第2接着剤層と、前記有効領域で前記第6面と前記第
7面との間に充填され、前記第3基板および前記第4基板と屈折率が等しい第2充填材と
、前記第4面と前記第5面との間に介在する第3ギャップ材を含み、前記有効領域の外側
で前記第4面と前記第5面とを接着する第3接着剤層と、前記有効領域で前記第4面と前
記第5面との間に充填され、空気または空気と屈折率が等しい媒質からなる第3充填材と
、を有する構成を採用することができる。かかる構成によれば、第3基板と第4基板との
間隔を第2ギャップ材によって高い精度で制御することができるとともに、第2ギャップ
材によって第3基板と第4基板とを高い精度で平行に配置することができる。従って、第
3回折格子と第4回折格子との間隔を高い精度で制御することができるとともに、第3回
折格子と第4回折格子とを高い精度で平行に配置することができる。また、第3基板に対
する第4基板の面内方向の角度位置については、第2接着剤層で固定する前に、第3基板
の側から光を入射させ、第4基板から出射された光を観察し、その観察結果に基づいて、
第3基板に対する第4基板の面内方向の角度位置を調整することができる。従って、第3
回折格子と第4回折格子とを高い精度で適正な向きに配置することができる。また、第3
基板、第2充填材および第4基板が一体の透光体として機能するため、第6面および第7
面での屈折や反射等を抑制することができる。また、第2基板と第3基板との間隔を第2
ギャップ材によって高い精度で制御することができるとともに、第2基板と第3基板とを
高い精度で平行に配置することができる。従って、第2回折格子と第3回折格子との間隔
を高い精度で制御することができるとともに、第2回折格子と第3回折格子とを高い精度
で平行に配置することができる。また、第1基板と第2基板を備えたユニットと、第3基
板と第4基板を備えたユニットとについては、第3接着剤層で固定する前に、例えば、第
1基板の側から光を入射させ、第4基板から出射された光を観察した際、光学素子を実際
に用いた場合と一致する観察結果を得ることができる。従って、観察結果に基づいて、ユ
ニット同士を高い精度で適正な向きに配置することができる。それ故、光の進行方向に沿
って配置された複数の回折格子の位置を適正に合わせることができる。また、第3充填材
は、空気または空気と屈折率が等しい媒質からなるため、第4面および第5面が大気に対
して開放状態にある場合と同様な光学特性を得ることができる。
本発明のさらに別態様(第3別態様)において、前記第1回折格子は、少なくとも前記
第2面に設けられ、前記第2回折格子は、少なくとも前記第3面に設けられ、前記第1接
着剤層は、光が通過する有効領域の外側に設けられ、前記有効領域では、前記第2面と前
記第3面との間に、空気または空気と屈折率が等しい媒質からなる充填材が充填されてい
る構成を採用することができる。かかる構成によれば、第2面および第3面が大気に対し
て開放状態にある場合と同様な光学特性を得ることができる。
本発明の第1別態様において、前記第1回折格子および前記第2回折格子は、各々が第
1方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列され、前記第1回折格子および前
記第2回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互いの格子周期が同じ周
期となるように配置されている構成を採用することができる。かかる構成によれば、光学
素子を第1方向に交差する第2方向に光束を拡大する瞳拡大素子として用いることができ
る。
また、本発明の第1別態様において、前記第1基板、前記第1充填材および前記第2基
板の屈折率は、前記第1回折格子に入射した第1光線の+1次回折光が、前記第1面およ
び前記第4面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射し、かつ、前記第1回折格子に入
射する前記第1光線の−1次回折光が、前記第1面および前記第4面に対してそれぞれ臨
界角以上の角度で入射するような屈折率である態様を採用することができる。かかる構成
によれば、第1回折格子によって回折された第1光線の+1次回折光および−1次回折光
は、第1基板、第1充填材および第2基板の内部を第1方向に対して交差する第2方向の
互いに反対の方向に伝播して第2回折格子から出射される。従って、光学素子を、第1基
板、第1充填材および第2基板の内部を第2方向の互いに反対の方向に光が伝播して瞳が
拡大される瞳拡大素子として用いることができる。また、第1光線の+1次回折光および
−1次回折光は、第1基板、第1充填材および第2基板の内部を全反射の状態で第2方向
の互いに反対の方向に伝播するので、光の利用効率が高い。
本発明の第2別態様において、前記第1回折格子および前記第2回折格子は、各々が第
1方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列され、前記第3回折格子および前
記第4回折格子は、各々が前記第1方向、または前記第1方向と交差した第2方向に延在
する複数の凹部または凸部が周期的に配列され、前記第1回折格子および前記第2回折格
子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互いの格子周期が同じ周期となるよう
に配置され、前記第3回折格子および前記第4回折格子の各々の前記複数の凹部または凸
部は、それぞれ互いの格子周期が同じ周期となるように構成を採用することができる。か
かる構成によれば、光学素子を第1方向等に光束を拡大する瞳拡大素子として用いること
ができる。
本発明の第3別態様において、前記第3回折格子および前記第4回折格子の各々の前記
複数の凹部または凸部は、それぞれ前記第1方向に延在し、前記第1回折格子は、前記第
3回折格子と異なる格子周期であり、前記第1基板の屈折率は、前記第1回折格子に入射
した第1光線の+1次回折光が、前記第1面および前記第4面に対してそれぞれ臨界角以
上の角度で入射し、かつ、前記第1回折格子に入射する前記第1光線の−1次回折光が、
前記第1面および前記第4面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射するような屈折率
であり、前記第3基板の屈折率は、前記第1光線と波長が異なる第2光線が前記第3回折
格子に入射した際の前記第2光線の+1次回折光が、前記第5面および前記第8面に対し
てそれぞれ臨界角以上の角度で入射し、かつ、前記第3回折格子に入射する前記第2光線
の−1次回折光が、前記第5面および前記第8面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入
射するような屈折率である態様を採用することができる。かかる構成によれば、第1回折
格子によって回折された第1光線の+1次回折光および−1次回折光は、第1基板、第1
充填材および第2基板の内部を第2方向の互いに反対の方向に伝播して第2回折格子から
出射される。また、第3回折格子によって回折された第2光線の+1次回折光および−1
次回折光は、第1基板、第1充填材および第2基板の内部を第2方向の互いに反対の方向
に伝播して第4回折格子から出射される。従って、光学素子を、第1光線が第1基板、第
1充填材および第2基板の内部を第2方向の互いに反対の方向に光が伝播して瞳が拡大さ
れるとともに、第2光線が第3基板、第2充填材および第4基板の内部を第2方向の互い
に反対の方向に光が伝播して瞳が拡大さる瞳拡大素子として用いることができる。また、
第1光線の+1次回折光および−1次回折光は、第1基板、第1充填材および第2基板の
内部を全反射の状態で第2方向の互いに反対の方向に伝播し、第2光線の+1次回折光お
よび−1次回折光は、第3基板、第2充填材および第4基板の内部を全反射の状態で第2
方向の互いに反対の方向に伝播するので、光の利用効率が高い。
この場合、前記第1回折格子の格子周期をP1とし、前記第3回折格子の格子周期をP
2としたとき、前記格子周期P1、P2は、以下の関係
P1<P2
を満たしていることが好ましい。かかる構成によれば、第1光線および第2光線の波長が
以下の関係
第1光線<第2光線
を有する場合に、各光線の出射間隔を揃えることができ、出射光の光量や色の均一性を向
上させることができる。
また、前記第1回折格子の格子高さをH11とし、前記第3回折格子の格子高さをH2
1としたとき、前記格子高さH11、H21は、以下の関係
H11<H21
を満たしていることが好ましい。かかる構成によれば、第1光線および第2光線が以下の
関係
第1光線<第2光線
を有する場合、光線の1次回折効率を高めることができるので、光の利用効率が高いとと
もに、不要な回折光を抑制できる。
また、前記第2回折格子の格子高さをH12とし、前記第4回折格子の格子高さをH2
2としたとき、前記格子高さH11、H12、H21、H22は、以下の関係
H12<H11<H22<H21
を満たしてことが好ましい。かかる構成によれば、出射側の回折格子から光が分散して出
射されるため、出射光における光量分布を適正化することができる。
本発明の第3別態様において、前記第1回折格子は、第1方向に延在する複数の凹部ま
たは凸部が周期的に配列され、前記第2回折格子は、前記第1方向、または前記第1方向
と交差した第2方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列されている態様を採
用することができる。かかる構成によれば、光学素子を第1方向等に光束を拡大する瞳拡
大素子として用いることができる。
本発明の第1別態様および第3別態様において、前記第1回折格子および前記第2回折
格子は、各々が第1方向および前記第1方向と交差した第2方向に複数の凹部または凸部
が周期的に配列され、前記第1回折格子および前記第2回折格子の各々の前記複数の凹部
または凸部は、それぞれ互いの前記第1方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配
置され、かつ、それぞれ互いの前記第2方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配
置されている態様を採用することができる。かかる構成によれば、光学素子を第1方向お
よび第2方向に光束を拡大する瞳拡大素子として用いることができる。
本発明の第2別態様において、前記第1回折格子、前記第2回折格子、前記第3回折格
子および前記第4回折格子は、各々が第1方向および前記第1方向と交差した第2方向に
複数の凹部または凸部が周期的に配列され、前記第1回折格子、前記第2回折格子、前記
第3回折格子および前記第4回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互
いの前記第1方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配置され、かつ、それぞれ互
いの前記第2方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配置されている構成を採用す
ることができる。かかる構成によれば、光学素子を第1方向および第2方向に光束を拡大
する瞳拡大素子として用いることができる。
本発明に係る光学素子を用いた表示装置は、光束を出射する光源と、前記光源から出射
された光束を走査して画像とする走査光学系と、前記走査光学系により走査された光束を
使用者の眼に入射させる導光系と、を備え、前記光学素子は、前記走査光学系から前記導
光系に到る光路、または前記導光系の光路に配置されていることを特徴とする。
本発明の実施の形態1に係る光学素子の一態様を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る光学素子を製造する際の角度調整工程で得られるスポットの説明図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係る光学素子を製造する際の角度調整工程で得られるスポットの説明図である。 本発明の実施の形態2に係る光学素子の一態様を示す断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例2に係る光学素子の一態様を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る光学素子の一態様を示す断面図である。 本発明を適用した表示装置の第1構成例における光学系の構成を説明図である。 本発明を適用した表示装置の第1構成例の外観の一態様を示す説明図である。 図7および図8に示す表示装置に用いた瞳拡大素子の構成例1の一態様を示す説明図である。 図9に示す瞳拡大素子において光束を拡大する様子の説明図である。 図7および図8に示す表示装置に用いた瞳拡大素子の構成例2の一態様を示す説明図である。 図11に示す瞳拡大素子の回折格子の説明図である。 本発明を適用した表示装置の第2構成例の外観の一態様を示す説明図である。 本発明を適用した表示装置の第2構成例における光学系の構成を説明図である。 図14に示す瞳拡大素子の説明図である。 図14に示す瞳拡大素子の光線図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各
層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異な
らしめてある。また、以下の説明では、光学素子1000の面内方向における第1方向に
D1を付し、面内方向において第1方向D1に直角に交差する方向にD2を付し、第1方
向D1および第2方向D2に直角に交差する方向を第3方向D3として説明する。
[実施の形態1]
図1に示す光学素子1000は、第1面101および第1面101とは反対側の面であ
る第2面102を備えた透光性の第1基板100と、第2面102に対向する第3面20
1および第3面201とは反対側の面である第4面202を備えた透光性の第2基板20
0とを有している。第1基板100では、第1面101と第2面102とが平行であり、
第2基板200では、第3面201と第4面202とが平行である。
光学素子1000は、第1面101および第2面102の少なくとも一方に設けられた
第1回折格子710と、第3面201および第4面202の少なくとも一方に設けられた
第2回折格子720とを有している。本形態において、第1回折格子710は第1面10
1に設けられ、第2回折格子720は第4面202に設けられている。第1回折格子71
0および第2回折格子720は表面レリーフ型回折格子である。
第1回折格子710および第2回折格子720は、図9を参照して後述するように、第
1方向D1に直線状に延在した凹部または凸部が第2方向D2に周期的に配列され、第1
回折格子710および第2回折格子720は、各々の凹部または凸部の格子周期が同じ周
期となるように配置されている。このため、光学素子1000は、入射した光束を第2方
向D2に拡大する瞳拡大素子として構成されている。
このように構成した光学素子1000において、光の通過領域として用いられる有効領
域1000aの外側では、第2面102と第3面201とが、球形または円柱状の第1ギ
ャップ材911を含む第1接着剤層910によって固定されている。第1ギャップ材91
1は、第2面102と第3面201との間に介在し、第2面102と第3面201とに接
している。また、有効領域1000aでは、第2面102と第3面201との間に第1基
板100および第2基板200と屈折率が等しいオイル等の第1充填材971が充填され
ている。従って、第1基板100と第2基板200との間隔を第1ギャップ材911によ
って高い精度で制御することができるとともに、第1ギャップ材911によって第1基板
100と第2基板200とを高い精度で平行に配置することができる。また、第1充填材
971は、第1基板100および第2基板200と屈折率が等しいため、第1基板100
、第1充填材971および第2基板200が一体の透光体として機能する。従って、第2
面102および第3面201での屈折や反射等を抑制することができる。
なお、第1充填材971に用いることができる材料としては、シリコーンオイル、フロ
ロカーボン系液体、沃化メチレン系液体、アクリル系樹脂等を例示することができる。
ここで、第1接着剤層910は、延在方向において一部が途切れているため、光学素子
1000を製造する際、第1基板100と第2基板200とを第1接着剤層910によっ
て貼り合わせた後、第1接着剤層910の途切れ部分から第1基板100と第2基板20
0と間に第1充填材971を減圧注入し、その後、第1接着剤層910の途切れ部分を封
止材によって塞ぐ。
このように本形態では、第1基板100と第2基板200とを第1ギャップ材911を
含む第1接着剤層910で固定した構造を有しているため、第1ギャップ材911によっ
て第1回折格子710と第2回折格子720との間隔を高い精度で制御することができる
とともに、第1ギャップ材911によって第1回折格子710と第2回折格子720とを
高い精度で平行に配置することができる。
また、第1基板100に対する第2基板200の面内方向の角度位置については、第1
基板100と第2基板200とを第1接着剤層910により固定する前に、第1基板10
0の側から光を入射させて第2基板200から出射された光を観察し、その観察結果に基
づいて、第1基板100に対する第2基板200の面内方向の角度位置を調整し、その後
、第1接着剤層910で固定する。従って、第1回折格子710と第2回折格子720と
を高い精度で適正な向きに配置することができる。より具体的には、第1基板100と第
2基板200とを平行に対向させた状態で、第1基板100の側からレーザー光を入射し
、第2基板200から出射された光からオートコリメータを用いてスポットを検出すると
、図2に示すように、0次回折光に伴うスポットS0、+1次回折光に伴うスポットS1
、−1次回折光に伴うスポットS2が検出される。その際、第1基板100に対する第2
基板200の面内方向の角度位置が適正であれば、スポットS0、S1、S2は、第2方
向D2に沿って直線的に並ぶ。従って、第1基板100と第2基板200とを第1ギャッ
プ材911を含む第1接着剤層910で固定すれば、第1回折格子710および第3回折
格子720の面内方向おける角度位置を高い精度で合わせることができる。
これに対して、第1基板100に対する第2基板200の面内方向の角度位置がずれて
いれば、スポットS0、S1、S2は、矢印D0で示すように、第2方向D2に対して傾
いた方向に直線的に並ぶことになる。この場合、第1基板100に対する第2基板200
の面内方向の角度位置を調整した後、再度、第1基板100の側からレーザー光等を入射
させ、第2基板200から出射されたスポットS0、S1、S2を観察する。その観察結
果において、スポットS1、S2、S3が第2方向D2に沿って直線的に並んでいれば、
第1基板100と第2基板200とを第ギャップ材911を含む第1接着剤層910で固
定する。それ故、第1回折格子710および第3回折格子720の面内方向おける角度位
置を高い精度で合わせることができる。これに対して、一般的なフォトリソグラフィやイ
ンプリント装置のアライメントマークの位置合わせ精度が5μm程度であり、有効径Φ1
0mmにて円周上の点を最短直線で5μmずれた場合、回転角度が0.05729°(=時
計の3.4分=時計206秒)となる。おれに対して、一般的なオートコリメータの分解能
が時計の1秒程度でるため、出射するスポットS0とスポットS1の角度を時計の5.3
秒以内に合わせると、回転角度のずれが時計5秒以内に収まる等、高い精度を得ることが
できる。
また、本形態の光学素子1000では、製造し終えた状態で、第1ギャップ材911に
よって第1回折格子710と第2回折格子720との間隔が高い精度で制御され、第1回
折格子710と第2回折格子720とを高い精度で平行に配置されている。このため、図
2に示すスポットS0、S1、S2では、スポットS0とスポットS1との間隔d1、お
よびスポットS0とスポットS2との間隔d2が等しく、かつ、間隔d1、d2が適正な
値となる。例えば、第1基板100と第2基板200とを接着剤層のみで貼り合わせた場
合は2μm程度の誤差が生じる、その場合。瞳拡大をするサイズをΦ10mmと仮定する
と、Φ10mmに対して2μmのズレなので0.011°(=時計の0.69分=時計の
41秒)のズレとなる。これに対して、ギャップ材(第1ギャップ材11)の精度は3%
程度なので、例えば、5μmのギャップ材を使用した場合150nmのズレとなるので、
10mmに対して150nmなので、0.00086°(=時計の0.05分=時計の3
秒)まで精度が向上する。
なお、本形では、第1充填材971が第1基板100および第2基板200と屈折率が
等しかったが、第1充填材971が第1基板100および第2基板200と屈折率が異な
る態様であってもよい。この場合、第1基板100と第2基板200との基板間隔を調整
した場合と同様な効果を得ることができ、図2に示すビーム間距離の調整を行うことがで
きる。
[実施の形態1の変形例]
図2は、本発明の実施の形態1の変形例に係る光学素子1000を製造する際の角度調
整工程で得られるスポットの説明図である。実施の形態1において、第1回折格子710
および第2回折格子720は、第1方向D1に直線状に延在した凹部または凸部が周期的
に配列されていたが、第1回折格子710および第2回折格子720では、図12等を参
照して後述するように、第1方向D1および第2方向D2に凹部または凸部が周期的に配
列されている構成を採用してもよい。この場合、第1回折格子710および第2回折格子
720は、各々の凹部または凸部の第1方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配
置され、かつ、各々の凹部または凸部の第2方向D2に沿った格子周期が同じ周期となる
ように配置される。かかる構成によれば、光学素子1000を第1方向D1および第2方
向D2に光束を拡大する瞳拡大素子として構成することができる。
この場合、第1基板100と第2基板200との角度位置の調整工程において、第1基
板100の側からレーザー光等を入射させると、第2基板200から出射された光は、図
3に示すように、第2方向D2に並ぶスポットS0、S1、S2と、第1方向D1に並ぶ
スポットS0、S3、S4とを形成する。従って、スポットS0、S1、S2、S3、S
4の観察結果に基づいて、第1基板100と第2基板200との角度を調整することがで
きる。それ故、光学素子1000では、製造し終えた状態で、スポットS0、S1、S2
は第2方向D2に沿って直線状に並び、スポットS0、S3、S4は第2方向D2に沿っ
て直線状に並ぶことになる。また、スポットS0とスポットS1との間隔d1、およびス
ポットS0とスポットS2との間隔d2が等しく、かつ、間隔d1、d2が適正な値とな
る。また、スポットS0とスポットS3との間隔d3、およびスポットS0とスポットS
4との間隔d4が等しく、かつ、間隔d3、d4が適正な値となる。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る光学素子1000の一態様を示す断面図である。
図4に示す光学素子1000は、実施の形態1と同様、第1面101および第1面101
とは反対側の面である第2面102を備えた透光性の第1基板100と、第2面102に
対向する第3面201および第3面201とは反対側の面である第4面202を備えた透
光性の第2基板200とを有している。本形態でも、実施の形態1と同様、第1基板10
0では、第1面101に第1回折格子710が設けられ、第4面202に第2回折格子7
20が設けられている。第1回折格子710および第2回折格子720は、第1方向D1
に直線状に延在した凹部または凸部が第2方向D2周期的に配列され、第1回折格子71
0および第2回折格子720は、各々の凹部または凸部の格子周期が同じ周期となるよう
に配置されている。
本形態において、光学素子1000は、第4面202と対向する第5面301および第
5面301とは反対側の面である第6面302を備えた透光性の第3基板300と、第6
面302に対向する第7面401および第7面401とは反対側の面である第8面402
を備えた透光性の第4基板400とを有している。第3基板300では、第5面301と
第6面302とが平行であり、第4基板400では、第7面401と第8面402とが平
行である。
光学素子1000は、第5面301および第6面302の少なくとも一方に設けられた
第3回折格子730と、第7面401および第8面402の少なくとも一方に設けられた
第4回折格子740とを有している。本形態において、第3回折格子730は第5面30
1に設けられ、第4回折格子740は第8面402に設けられている。第3回折格子73
0および第4回折格子740は、第1方向D1に直線状に延在した凹部または凸部が第2
方向D2に周期的に配列され、第3回折格子730および第4回折格子740は、各々の
凹部または凸部の格子周期が同じ周期となるように配置されている。本形態において、第
1回折格子710、第2回折格子720、第3回折格子730および第4回折格子740
は、各々の凹部または凸部の格子周期が同じ周期となるように配置されている。このため
、光学素子1000は、入射した光束を第1回折格子710および第2回折格子720に
よって第2方向D2に拡大した後、第3回折格子730および第4回折格子740によっ
てさらに第2方向D2に拡大する瞳拡大素子として構成されている。第1回折格子710
、第2回折格子720、第3回折格子730および第4回折格子740は表面レリーフ型
回折格子である。
なお、第1回折格子710と第2回折格子720とは格子周期が等しく、第3回折格子
730と第4回折格子740とでは、格子周期が等しいが、第1回折格子710および第
3回折格子730において格子周期が異なるように構成する場合がある。また、第1回折
格子710と第2回折格子720とでは格子の延在方向が同じで、第3回折格子730と
第4回折格子740とでは格子の延在方向が同じであるが、第1回折格子710では格子
が第1方向D1に延在し、第3回折格子730では格子が第2方向D2に延在しているよ
うに構成する場合もある。
このように構成した光学素子1000において、第2面102と第3面201とは、実
施の形態1と同様、有効領域1000aの外側で第1ギャップ材911を含む第1接着剤
層910によって固定され、有効領域1000aでは、第2面102と第3面201との
間に第1基板100および第2基板200と屈折率が等しい第1充填材971が充填され
ている。従って、第1基板100と第2基板200との間隔を第1ギャップ材911によ
って高い精度で制御することができるとともに、第1基板100と第2基板200とを高
い精度で平行に配置することができる。また、第2面102および第3面201での屈折
や反射等を抑制することができる。
また、第6面302と第7面401とは、有効領域1000aの外側で球形または円柱
状の第2ギャップ材921を含む第2接着剤層920によって固定され、有効領域100
0aでは、第6面302と第7面401との間に第3基板300および第4基板400と
屈折率が等しいオイル等の第2充填材972が充填されている。第2ギャップ材921は
、第6面302と第7面401との間に介在し、第6面302と第7面401とに接して
いる。従って、第3基板300と第4基板400との間隔を第2ギャップ材921によっ
て高い精度で制御することができるとともに、第3基板300と第4基板400とを高い
精度で平行に配置することができる。また、第2充填材972は、第3基板300および
第4基板400と屈折率が等しいため、第3基板300、第2充填材972および第4基
板400が一体の透光体として機能する。従って、第6面302および第7面401での
屈折や反射等を抑制することができる。なお、第2接着剤層920は、第1接着剤層91
0と同様、延在方向において一部が途切れている。このため、光学素子100を製造する
際、第3基板300と第4基板400とを第2接着剤層920によって貼り合わせた後、
第2接着剤層920の途切れ部分から第3基板300と第4基板400と間に第2充填材
972を減圧注入し、その後、第2接着剤層920の途切れ部分を封止材によって塞ぐ。
また、本形態では、第4面202と第5面301とは、有効領域1000aの外側で球
形または円柱状の第3ギャップ材931を含む第3接着剤層930によって固定されてい
る。第3ギャップ材931は、第4面202と第5面301との間に介在し、第4面20
2と第5面301とに接している。従って、第2基板200と第3基板300との間隔を
第3ギャップ材931によって高い精度で制御することができるとともに、第2基板20
0と第3基板300とを高い精度で平行に配置することができる。また、有効領域100
0aでは、第4面202と第5面301との間に、空気または空気と屈折率が等しい媒質
からなる第3充填材973が充填されている。従って、第4面202および第5面301
が大気に対して開放状態にある場合と同様な光学特性を得ることができる。
このように本形態では、第1基板100と第2基板200との間隔を第1ギャップ材9
11によって高い精度で制御することができるとともに、第1ギャップ材911によって
第1基板100と第2基板200とを高い精度で平行に配置することができる。また、第
3基板300と第4基板400との間隔を第2ギャップ材921によって高い精度で制御
することができるとともに、第2ギャップ材921によって第3基板300と第4基板4
00とを高い精度で平行に配置することができる。さらに、第2基板200と第3基板3
00との間隔を第3ギャップ材931によって高い精度で制御することができるとともに
、第3ギャップ材931によって第2基板200と第3基板300とを高い精度で平行に
配置することができる。それ故、第1回折格子710、第2回折格子720、第3回折格
子730および第4回折格子740の各間隔を高い精度で制御することができるとともに
、各回折格子を高い精度で平行に配置することができる。また、第1基板100に対する
第2基板200の面内方向の角度位置については、図2を参照して説明した方法で調整す
ることができ、第3基板300に対する第4基板400の面内方向の角度位置については
、図2を参照して説明した方法で調整することができる。さらに、第1基板100および
第2基板200を有する第1ユニット、第3基板300および第4基板400を有する第
2ユニットについても、図2を参照して説明した方法で調整することができる。それ故、
第1回折格子710、第3回折格子720、第3回折格子730、および第4回折格子7
40の面内方向おける角度位置を高い精度で合わせることができる。
[実施の形態2の変形例1]
第1回折格子710、第3回折格子720、第3回折格子730および第4回折格子7
40では、第1方向D1および第2方向D2に凹部または凸部が周期的に配列されている
構成を採用してもよい。この場合、第1回折格子710、第3回折格子720、第3回折
格子730、および第4回折格子740は、各々の凹部または凸部の第1方向D1に沿っ
た格子周期が同じ周期となるように配置され、かつ、各々の凹部または凸部の第2方向D
2に沿った格子周期が同じ周期となるように配置される。かかる構成によれば、光学素子
1000を第1方向D1および第2方向D2に光束を拡大する瞳拡大素子として構成する
ことができる。
[実施の形態2の変形例2]
図5は、本発明の実施の形態2の変形例2に係る光学素子1000の一態様を示す断面
図である。図4に示す光学素子1000は、実施の形態2で説明した構成に加えて、第8
面402と対向する第9面501および第9面501とは反対側の面である第10面50
2を備えた第5基板500と、第10面502に対向する第11面601および第11面
601とは反対側の面である第12面602を備えた第6基板600とを有している。ま
た、光学素子1000は、第9面501に設けられた第5回折格子750と、第12面6
02に設けられた第6回折格子760とを有している。第5回折格子750および第6回
折格子760は、第1回折格子710、第2回折格子720、第3回折格子730および
第4回折格子740と同様、第1方向D1に直線状に延在した凹部または凸部が周期的に
配列され、第5回折格子750および第6回折格子760は、各々の凹部または凸部の格
子周期が同じ周期となるように配置されている。
本形態において、第1回折格子710、第2回折格子720、第3回折格子730、第
4回折格子740、第5回折格子750および第6回折格子760は、各々の凹部または
凸部の格子周期が同じ周期となるように配置されている。このため、光学素子1000は
、入射した光束を第1回折格子710および第2回折格子720によって第2方向D2に
拡大した後、第3回折格子730および第4回折格子740によって第2方向D2に拡大
し、さらに、第5回折格子750および第6回折格子760によって第2方向D2に拡大
する瞳拡大素子として構成されている。
また、第1回折格子710と第2回折格子720とでは格子周期が等しく、第3回折格
子730と第4回折格子740とでは格子周期が等しく、第5回折格子750と第6回折
格子760とでは格子周期が等しいが、第1回折格子710と第3回折格子730と第5
回折格子750とでは格子周期が異なるように構成する場合がある。
また、第1回折格子710、第3回折格子720、第3回折格子730、第4回折格子
740、第5回折格子750および第6回折格子760では、第1方向D1および第2方
向D2に凹部または凸部が周期的に配列されている構成を採用してもよく、この場合、各
回折格子は、各々の凹部または凸部の第1方向D1に沿った格子周期が同じ周期となるよ
うに配置され、かつ、各々の凹部または凸部の第2方向D2に沿った格子周期が同じ周期
となるように配置される。
このように構成した光学素子1000において、第10面502と第11面601とは
、有効領域1000aの外側で、球形または円柱状の第4ギャップ材941を含む第4接
着剤層940によって固定され、有効領域1000aでは、第10面502と第11面6
01との間に、第5基板500および第6基板600と屈折率が等しいオイル等の第4充
填材974が充填されている。
また、第8面402と第9面501とは、有効領域1000aの外側で、球形または円
柱状の第5ギャップ材951を含む第5接着剤層950によって固定され、有効領域10
00aでは、第8面402と第9面501との間に、空気または空気と屈折率が等しい媒
質からなる第5充填材975が充填されている。
このように構成した光学素子1000でも、実施の形態1、2等で説明した理由と同様
な理由から、第1回折格子710、第2回折格子720、第3回折格子730、第4回折
格子740、第5回折格子750および第6回折格子760を高い精度で適正な位置に配
置することができる等の効果を奏する。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係る光学素子1000の一態様を示す断面図である。
図1に示す光学素子1000は、実施の形態1と同様、第1面101および第1面101
とは反対側の面である第2面102を備えた第1基板100と、第2面102に対向する
第3面201および第3面201とは反対側の面である第4面202を備えた第2基板2
00とを有している。また、光学素子1000は、第1面101および第2面102の少
なくとも一方に設けられた第1回折格子710と、第3面201および第4面202の少
なくとも一方に設けられた第2回折格子720とを有している。
本形態において、第1基板100には、入射側の第1回折格子711が第1面101に
設けられ、出射側の第1回折格子712が第2面102に設けられている。第2基板20
0には、入射側の第2回折格子721が第3面201に設けられ、出射側の第2回折格子
722が第4面202に設けられている。第1回折格子711、712および第2回折格
子721、722は表面レリーフ型回折格子である。
第1回折格子711、712および第2回折格子721、722は、第1方向D1に直
線状に延在した凹部または凸部が周期的に配列されている。第1回折格子711、712
は、各々の凹部または凸部の格子周期が同じ周期となるように配置されている。第2回折
格子721、722は、各々の凹部または凸部の格子周期が同じ周期となるように配置さ
れている。本形態において、第1回折格子711、712および第2回折格子721、7
22は、各々の凹部または凸部の格子周期が同じ周期となるように配置されている。この
ため、光学素子1000は、後述するように、入射した光束を第2方向D2に拡大する瞳
拡大素子として構成されている。
なお、第1回折格子711、712と、第2回折格子721、722とにおいて、格子
周期が異なるように構成する場合がある。また、第1回折格子711、712と、第2回
折格子721、722とにおいて、格子の延在方向が異なるように構成する場合がある。
このように構成した光学素子1000において、第2面102と第3面201とは、有
効領域1000aの外側で、円形または円柱状のギャップ材961(第1ギャップ材)を
含む接着剤層960(第1接着剤層)によって固定されている。ギャップ材961は、第
2面102と第3面201との間に介在し、第2面102と第3面201とに接している
。従って、第1基板100と第2基板200との間隔をギャップ材961によって高い精
度で制御することができるとともに、第1基板100と第2基板200とを高い精度で平
行に配置することができる。また、有効領域1000aでは、第2面102と第3面20
1との間に、空気または空気と屈折率が等しい媒質からなる充填材976が充填されてい
る。
このように本形態では、第1基板100と第2基板200との間隔をギャップ材961
によって高い精度で制御することができるとともに、ギャップ材961によって第1基板
100と第2基板200とを高い精度で平行に配置することができる。従って、第1回折
格子712と第2回折格子721との間隔を高い精度で制御することができるとともに、
第1回折格子711と第2回折格子721とを高い精度で平行に配置することができる。
また、図2を参照した方法で調整することにより、第1回折格子711、512および第
2回折格子721、522の面内方向おける角度位置を高い精度で合わせることができる
。また、充填材976が空気または空気と屈折率が等しい媒質からなるため、第2面10
2および第3面201が大気に対して開放状態にある場合と同様な光学特性を得ることが
できる。
[実施の形態3の変形例]
実施の形態3において、第1回折格子711、712および第2回折格子721、72
2は、直線状に延在した凹部または凸部が周期的に配列されていたが、第1回折格子71
1、712および第2回折格子721、721では、第1方向D1および第2方向D2に
凹部または凸部が周期的に配列されている構成を採用してもよい。この場合、第1回折格
子711、712および第2回折格子721、722は、各々の凹部または凸部の第1方
向に沿った格子周期が同じ周期となるように配置され、かつ、各々の凹部または凸部の第
2方向D2に沿った格子周期が同じ周期となるように配置される。かかる構成によれば、
光学素子1000を第1方向D1および第2方向D2に光束を拡大する瞳拡大素子として
構成することができる。
[表示装置10000の第1構成例]
図7は、本発明を適用した表示装置10000の第1構成例における光学系の構成を説
明図である。図8は、本発明を適用した表示装置10000の第1構成例の外観の一態様
を示す説明図である。
図7において、表示装置10000は、画像を表示するための光束を出射する光源部5
1と、光源部51から出射された光束を走査して画像とする走査ミラー24を備えた走査
光学系20と、走査光学系20により走査された光束Laを使用者の眼Eに入射させる導
光系52とを有しており、本形態において、導光系52は、走査光学系20からの出射側
にリレーレンズ系54と、投射レンズ系55と、反射部材53とを有している。リレーレ
ンズ系54は、例えば、2つのレンズ541、542によって構成されている。本形態に
おいて、リレーレンズ系54はアフォーカル光学系からなる。
光源部51は、光変調前の光源光、または光変調した変調光を出射する。本形態におい
て、光源部51は、光変調した変調光を出射する変調光出射部として構成されている。よ
り具体的には、光源部51は、光源として、赤色光(R)を出射する赤色用レーザー素子
511(R)、緑色光(G)を出射する緑色用レーザー素子511(G)、および青色光
(B)を出射する青色用レーザー素子511(B)を有しているとともに、これらのレー
ザー素子の光路を合成する2つのハーフミラー512、513を有している。赤色用レー
ザー素子511(R)、緑色用レーザー素子511(G)および青色用レーザー素子51
1(B)は、制御部59による制御の下、表示すべき画像の各ドットに対応する光強度に
変調した光束を出射する。
走査光学系20は、入射光を第1走査方向A1、および第1走査方向A1に交差する第
2走査方向A2に走査し、走査された光束Laは、リレーレンズ系54および投射レンズ
系55を介して反射部材53に投射される。かかる走査光学系20の動作も、制御部59
による制御の下、実施される。走査光学系20は、例えば、シリコン基板等を用いてME
MS(Micro Electro Mechanical Systems)技術によ
り形成したマイクロミラーデバイスによって実現することができる。
本形態において、表示装置10000は、網膜走査方式の投射型表示装置として構成さ
れている。このため、反射部材53は、投射された光束Laを反射して使用者の眼Eに光
束Laとして入射させる凹曲面状の反射面530を備えている。かかる表示装置1000
0では、走査光学系20によって、第1走査方向A1、および第1走査方向A1に対して
交差する第2走査方向A2に走査された光束Laが反射部材53の反射面530で、第1
走査方向A1に対応する第1入射方向C1、および第2走査方向A2に対応する第2入射
方向C2に反射されて瞳孔E1を介して網膜E2に到達する。従って、利用者に画像を認
識させることができる。本形態において、反射部材53は、部分透過反射性のコンバイナ
ーである。このため、外光も反射部材53(コンバイナー)を介して眼に入射するため、
利用者は、表示装置10000で形成した画像と外光(背景)とが重畳した画像を認識す
ることができる。
本形態の表示装置10000において、走査光学系20から反射部材53に到る光路(
走査光学系20から導光系52に到る光路、または導光系52の光路)には、後述する瞳
拡大素子10aが配置されている。瞳拡大素子10aは、走査光学系20から出射された
光束を第1走査方向A1(第1入射方向C1)に対応する第1拡大方向B1、および第2
走査方向A2(第2入射方向C2)に対応する第2拡大方向B2のうちの少なくとも一方
に拡大する。本形態において、瞳拡大素子10aは、走査光学系20から出射された光束
を第1走査方向A1(第1入射方向C1)に対応する第1拡大方向B1、および第2走査
方向A2(第2入射方向C2)に対応する第2拡大方向B2の双方を拡大する。
本形態において、瞳拡大素子10aは、走査光学系20から導光系52に到る光路、ま
たは導光系52の光路のいずれに配置してもよいが、本形態では、導光系52の光路に配
置されている。より具体的には、導光系52の光路のうち、リレーレンズ系54の出射側
のレンズ542と投射レンズ系55との間に配置されている。また、瞳拡大素子10aお
よびリレーレンズ系54からなる光学系57の入射瞳の位置に走査光学系20の走査ミラ
ー24が配置され、光学系57の出射瞳の位置に瞳拡大素子10aの最終出射面が配置さ
れている。
このように構成した表示装置10000において、走査ミラー24で走査された光束L
a(レーザービーム)は、リレーレンズ系54を介して瞳拡大素子10aに入射し、瞳拡
大素子10aで光束径が拡大された光束La1が投射レンズ系55に入射する。ここで、
リレーレンズ系54は、平行光である光束を平行光のまま出射させるために、アフォーカ
ル光学系となっている。従って、瞳拡大素子10aで光束径が拡大された光束La1は、
瞳拡大素子10aの出射面と光軸が交わる点を中心として走査されると見なすことができ
るので、瞳拡大素子10aおよび投射レンズ系55を小型化することができる。
本形態の表示装置10000を、シースルー型のヘッドマウントディスプレイ(アイグ
ラスディスプレイ)として構成する場合、図8に示すように、表示装置10000は、眼
鏡のような形状に形成される。また、観察者の左右の眼Eの各々に変調光を入射させる場
合、表示装置10000は、左眼用の反射部材53および左眼用の反射部材53を前部分
61で支持するフレーム60を有しており、フレーム60の左右のテンプル62の各々に
、図7を参照して説明した光学部品を含む光学ユニット56が設けられる。ここで、光学
ユニット56には、光源部51、走査光学系20、リレーレンズ系54、瞳拡大素子10
a、および投射レンズ系55の全てが設けられることがある他、光学ユニット56には、
走査光学系20、リレーレンズ系54、瞳拡大素子10a、および投射レンズ系55のみ
を設け、光学ユニット56と光源部51とを光ケーブル等で接続してもよい。
本形態の表示装置10000において、利用者が認識する画像では、反射部材53から
の光束Laの第2入射方向C2が両眼が並ぶ横方向に対応し、それ故、走査光学系20で
の第2走査方向A2、および瞳拡大素子10aでの第2拡大方向B2は、画像の横方向に
対応する。また、反射部材53からの光束Laの第1入射方向C1は、両眼が並ぶ横方向
に対して交差する縦に対応し、それ故、走査光学系20での第1走査方向A1、および瞳
拡大素子10aでの第1拡大方向B1は、画像の縦方向に対応する。
(瞳拡大素子10aの構成例1)
図9は、図7および図8に示す表示装置10000に用いた瞳拡大素子10aの構成例
1の一態様を示す説明図である。図10は、図9に示す瞳拡大素子10aにおいて光束を
拡大する様子の説明図である。なお、図10は、瞳拡大素子10aから平行光として出射
される光線のみを図示してある。また、以下の説明では、回折格子が形成された面内にお
いて、Z方向に延在する光軸に交差する面内において、互いに直交する2つの方向をX方
向およびY方向として説明する。ここで、X方向は、例えば、図7および図8に示す第1
拡大方向B1(縦方向)に対応し、Y方向は、図1に示す第2拡大方向B2(横方向)に
対応する。
図9に示すように、瞳拡大素子10aは、光軸Lに沿って平行に配置された4つの透光
部材1、2、3、4の各面に回折格子11〜18が形成された構成を有している。より具
体的には、瞳拡大素子10aは、透光部材1の一方面1aにおいてX方向に直線状に延在
する凸部からなる格子111を備えた回折格子11と、透光部材1の他方面1bにおいて
X方向に直線状に延在する凸部からなる格子121を備えた回折格子12とを有している
。また、瞳拡大素子10aは、透光部材1の他方面1bに対向する透光部材2の一方面2
aにおいてX方向に直線状に延在する凸部からなる格子131を備えた回折格子13と、
透光部材2の他方面2bにおいてX方向に直線状に延在する凸部からなる格子141を備
えた回折格子14とを備えている。格子111、121は格子周期が同一であり、回折格
子11、12の回折角を一致させてある。また、格子131、141は格子周期が同一で
あり、回折格子11、12の回折角を一致させてある。本形態において、格子111、1
21、131、141は、格子周期P1が同一であり、回折格子11、12、13、14
の回折角を一致させてある。
また、瞳拡大素子10aは、透光部材2の他方面2bに対向する透光部材3の一方面3
aにおいてY方向に直線状に延在する凸部からなる格子151を備えた回折格子15と、
透光部材3の他方面3bにおいてY方向に直線状に延在する凸部からなる格子161を備
えた回折格子16を有している。また、瞳拡大素子10aは、透光部材3の他方面3bに
対向する透光部材4の一方面4aにおいてY方向に直線状に延在する凸部からなる格子1
71を備えた回折格子17と、透光部材4の他方面4bにおいてY方向に直線状に延在す
る凸部からなる格子181を備えた回折格子18とを備えている。格子151、161は
格子周期が同一であり、回折格子15、16の回折角を一致させてある。また、格子17
1、181は格子周期が同一であり、回折格子17、18の回折角を一致させてある。本
形態において、格子151、161、171、181は、格子周期P2が同一であり、回
折格子15、16、17、18の回折角を一致させてある。
このように構成した瞳拡大素子10aでは、図10に示すように、光束Laが回折格子
11に入射すると、0次回折光La、+1次回折光Lb、および−1次回折Lcが生成さ
れ、かかる回折光は、回折格子12に入射する。従って、回折格子12では、0次回折光
Laから0次回折光Laa、+1次回折光(図示せず)、および−1次回折光(図示せず
)が生成され、+1次回折光Lbから0次回折光(図示せず)、+1次回折光(図示せず
)、および−1次回折光Lbcが生成され、−1次回折光Lcから0次回折光(図示せず
)、+1次回折光Lcb、および−1次回折光(図示せず)が生成され、かかる回折光は
、回折格子13に入射する。従って、回折格子13では、0次回折光Laaから0次回折
光Laaa、+1次回折光Laab、および−1次回折光Laacが生成され、−1次回
折光Lbcから0次回折光Lbca、+1次回折光Lbcb、および−1次回折光Lbc
cが生成され、+1次回折光Lcbから0次回折光Lcba、+1次回折光Lcbb、お
よび−1次回折光Lcbcが生成され、かかる回折光は、回折格子14に入射する。
その結果、回折格子14からは、+1次回折光Lbcbから生成された−1次回折光L
bcbcが出射される。また、回折格子14からは、0次回折光Lbcaから生成された
0次回折光Lbcaaと、+1次回折光Laabから生成された−1次回折光Laabc
とが重なって出射される。また、回折格子14からは、−次回折光Lbccから生成され
た+1次回折光Lbccbと、0次回折光Laaaから生成された0次回折光Laaaa
と、+次回折光Lcbbから生成された−1次回折光Lcbbcとが重なって出射される
。また、回折格子14からは、−次回折光Laacから生成された+1次回折光Laac
bと、0次回折光Lcbaから生成された0次回折光Lcbaaとが重なって出射される
。また、回折格子14からは、−1次回折光Lcbcから生成された+1次回折光Lcb
cbが出射される。
ここで、−1次回折光Lbcbc、+1次回折光Lbcaa(−1次回折光Laabc
)、+1次回折光Lbccb(0次回折光Laaaa、−1次回折光Lcbbc)、+1
次回折光Laacb(0次回折光Lcbaa)、および+1次回折光Lcbcbは、Y方
向で離間する6個所から互いに平行に進行する光であり、光束Laは、Y方向で径が拡大
した光束La1として出射される。例えば、各回折光はY方向で1.5mm離間する6個
所から互いに平行に進行する光であり、光束Laは、Y方向で6mmに径が拡大した光束
La1として出射される。従って、図7に示す瞳孔E1がY方向に移動しても画像を見る
ことができる。また、回折格子15、16、17、18によって、光束Laは、X方向で
径が拡大した光束La1として出射される。従って、図7に示す瞳孔E1がX方向に移動
しても画像を見ることができる。
(瞳拡大素子10aの構成例2)
図11は、図7および図8に示す表示装置10000に用いた瞳拡大素子10aの構成
例2の一態様を示す説明図である。図12は、図11に示す瞳拡大素子の回折格子の説明
図である。
図11に示すように、本形態の瞳拡大素子10aも、図9示す構成例と同様、光軸Lに
沿って平行に配置された複数の透光部材の各面に回折格子が形成されている。但し、本形
態では、光軸Lに沿って平行に配置された2つの透光部材1、2の4つの面の各々に回折
格子11、12、13、14が形成されており、瞳拡大素子10aは、4つの回折格子1
1、12、13、14によって、光束LaをX方向およびY方向に拡大する。
より具体的には、図12に示すように、透光部材1の一方面1a、透光部材1の他方面
1b、透光部材2の一方面2a、および透光部材2の他方面2bの各々において、回折格
子11、12、13、14は、X方向において等間隔(同一周期)、かつ、Y方向におい
て等間隔(同一周期)な複数の位置に形成された凸部9aからなる。なお、図示を省略す
るが、X方向において等間隔(同一周期)、かつ、Y方向において等間隔(同一周期)な
複数の位置に形成された凹部によって、回折格子11、12、13、14を構成してもよ
い。
(瞳拡大素子10aに対する本発明の適用例)
本発明では、瞳拡大素子10aを構成するにあたって、図1〜図6を参照して説明した
光学素子1000を用いることができる。
例えば、図9、図10、図11および図12を参照して説明した瞳拡大素子10aの回
折格子11、12を構成するにあたって、図1を参照して説明した実施の形態1の光学素
子1000を用いることができる。この場合、回折格子11は、第1回折格子710に相
当し、回折格子12は、第2回折格子720に相当する。透光部材1は、第1基板100
、第1充填材971、および第2基板200に相当する。他の回折格子、13、14、1
5、16、17、18を構成する場合も同様である。
また、図9、図10、図11および図12を参照して説明した瞳拡大素子10aの回折
格子11、12、13、14を構成するにあたって、図4を参照して説明した実施の形態
2の光学素子1000を用いることができる。この場合、回折格子11は、第1回折格子
710に相当し、回折格子12は、第2回折格子720に相当する。透光部材1は、第1
基板100、第1充填材971および第2基板200に相当する。また、回折格子13は
、第3回折格子730に相当し、回折格子14は、第4回折格子740に相当する。透光
部材2は、第3基板300、第2充填材972および第4基板400に相当する。他の回
折格子15、16、17、18を構成する場合も同様である。
また、図9、図10、図11および図12を参照して説明した瞳拡大素子10aの回折
格子11、12、13、14を構成するにあたって、図6を参照して説明した実施の形態
2の光学素子1000を用いることができる。この場合、回折格子11は、入射側の第1
回折格子711に相当し、回折格子12は、出射側の第1回折格子712に相当し、回折
格子13は、入射側の第2回折格子721に相当し、回折格子14は、出射側の第2回折
格子722に相当する。透光部材1は、第1基板100、第1充填材971および第2基
板200に相当する。他の回折格子15、16、17、18を構成する場合も同様である
[表示装置の第2構成例]
図13は、本発明を適用した表示装置10000の第2構成例の外観の一態様を示す説
明図である。図14は、本発明を適用した表示装置10000の第2構成例における光学
系の構成を説明図である。図15は、図14に示す瞳拡大素子10bの説明図である。図
16は、図14に示す瞳拡大素子10bの光線図である。以下の説明において、青色光が
第1光線に相当し、緑色光が第2光線に相当し、赤色光が第3光線に相当する。
図13に示す表示装置10000は、眼鏡のような外観を有するヘッドマウントディス
プレイ(頭部装着型表示装置)である。表示装置10000は、表示装置10000を装
着した観察者に対して画像光を認識させることができるとともに、観察者に外界像をシー
スルーで観察させることができる。表示装置10000は、観察者の眼前を覆う光学パネ
ル190と、光学パネル190を支持するフレーム121と、フレーム121の側枠に設
けられた第1駆動部131および第2駆動部132とを備えている。光学パネル190は
、第1パネル部分141と第2パネル部分142とを有しており、第1パネル部分141
と第2パネル部分142とは、中央で一体的に連結された板状の部品となっている。図面
に向かって左側の第1パネル部分141と第1駆動部131とを組み合わせた第1表示装
置10000Aは、左眼用の部分であり、単独でも虚像表示装置として機能する。また、
図面に向かって右側の第2パネル部分142と第2駆動部132とを組み合わせた第2表
示装置10000Bは、右眼用の部分であり、単独でも虚像表示装置として機能する。第
2表示装置10000Bは、第1表示装置10000Aと同様の構造を有し、左右を反転
させた構成であるので、以下の説明では、第1表示装置10000Aを中心に説明し、第
2表示装置10000Bの詳細な説明は省略する。
図14に示すように、第1表示装置10000Aは、画像光投射装置65および導光光
学装置28(導光系)を備えている。画像光投射装置65は、図13における第1駆動部
131に相当し、導光光学装置28は、図13における第1パネル部分141に相当する
。画像光投射装置65は、画像形成装置66と投射光学系67とを有している。画像形成
装置66は、図示を省略するが、2次元的な照明光を出射する照明装置と、透過型の液晶
表示デバイスと、照明装置および液晶表示デバイスの動作を制御する駆動制御部とを有す
る。照明装置は、赤色、緑色、青色の3色を含む光を発生し、液晶表示デバイスは、照明
装置からの照明光を空間的に変調して動画像等の表示対象となるべき画像光を形成する。
本形態において、投射光学系67は、画像形成装置66(液晶表示デバイス)上の各点
から出射された光束Laの光線を集光するパワーを有するコリメーターレンズ68を備え
ている。なお、画像形成装置66としては、光源からの光をMEMS等のミラーで反射さ
せて画像を形成させる反射型の空間光変調器を用いてもよい。また、画像形成装置66と
しては、図7等を参照して説明したように、光源部51から出射された光束を走査して画
像とする走査光学系20によって構成してもよい。
導光光学装置28は、光束Laが照射される被照射領域21と、被照射領域21から入
射して進行してきた光を表示光L2として出射する表示光出射領域23とを備えている。
導光光学装置28は、瞳拡大素子10bと、瞳拡大素子10bから出射された画像光L1
をy方向と交差するx方向に導く導光光学系25とを有している。導光光学系25は、x
方向に延在する導光板30を有している。導光板30は、x方向の一方側の端部において
瞳拡大素子10bと対向する回折格子31と、x方向の他方側の端部において眼Eと対向
する回折格子32とを有しており、回折格子32によって表示光出射領域23が構成され
ている。
本形態において、瞳拡大素子10bでは、3枚の導光板(青色用の透光部材1(B)、
緑色用の透光部材1(G)、および赤色用の透光部材1(R))が各々、縦方向(y方向
)に延在している。また、瞳拡大素子10bでは、画像光の入射側から出射側に向かって
、青色用の透光部材1(B)、緑色用の透光部材1(G)、および赤色用の透光部材1(
R)が光軸Lに沿って順に配置されている。透光部材1(B)、1(G)、1(R)は厚
さが同一である。
図15に示すように、透光部材1(B)は、一方の面1a(B)と、面1a(B)に平
行に対向する他方の面1b(B)とを備えている。面1a(B)には、x方向に格子11
a(B)が延在する回折格子11(B)が設けられ、面1b(B)には、x方向に格子1
2a(B)が延在する回折格子12(B)が設けられている。回折格子11(B)と回折
格子12(B)とは、格子方向および格子周期が同一である。
透光部材1(G)は、透光部材1(B)の面1b(B)に透光部材1(B)とは反対側
で平行に対向する面1a(G)と、面1a(G)に透光部材1(B)とは反対側で平行に
対向する面1b(G)とを備えている。面1a(G)には、x方向に格子11a(G)が
延在する回折格子11(G)が設けられ、面1b(G)には、x方向に格子12a(G)
が延在する回折格子12(G)が設けられている。回折格子11(G)と回折格子12(
G)とは、格子方向および格子周期が同一である。但し、回折格子11(G)および回折
格子12(G)は、回折格子11(B)および回折格子12(B)と格子方向が同一であ
るが、格子周期は相違している。
透光部材1(R)は、透光部材1(G)の面1b(G)に透光部材1(B)とは反対側
で平行に対向する面1a(R)と、面1a(R)に透光部材1(B)とは反対側で平行に
対向する面1b(R)とを備えている。面1a(R)には、x方向に格子11a(R)が
延在する回折格子11(R)が設けられ、面1b(R)には、x方向に格子12a(R)
が延在する回折格子12(R)が設けられている。回折格子11(R)と回折格子12(
R)とは、格子方向および格子周期が同一である。但し、回折格子11(R)および回折
格子12(R)は、回折格子11(B)および回折格子12(B)と格子方向が同一であ
るが、回折格子11(B)、回折格子12(B)、回折格子11(G)および回折格子1
2(G)と格子周期が相違している。
従って、画像光投射装置65から出射された光束Laは、瞳拡大素子10bに入射し、
瞳拡大素子10bによって、y方向に光束径が拡大された後、導光板30の回折格子31
に出射される。そして、導光板30の回折格子31から入射した光は、導光板30内をx
方向に伝播し、導光板30の回折格子32から眼Eに向けて出射される間にx方向に瞳拡
大される。その際、0次回折光Lも生じるが、瞳拡大に寄与しないので、0次回折効率
は低くすることが好ましい。
また、図16に示すように、本形態の瞳拡大素子10bでは、例えば、透光部材1(G
)での光線を示すように、入射角と同一角度で出射する複数の光を両方向で生成する。そ
のために、+y方向に伝播する+1次回折光L+1と、−y方向に伝播する−1次回折光
−1の両方が透光部材1(B)、1(G)、1(R)内を全反射で伝播する必要がある
。それには、+1次回折光L+1と−次回折光L−1の回折角がいずれも透光部材1(B
)、1(G)、1(R)の屈折率nで決まる臨界角より大きくなければならない。その際
、図16に場合11で示すように、透光部材1(B)、1(G)、1(R)のいずれにお
いても、+θmaxの入射角で入射する光線L10において回折角が小さくなるのは、−
1次回折光L−1の方である。従って、−1次回折光L−1の回折角θ−1の絶対値が臨
界角θcより大きければ、+1次回折光L+1の回折角θ+1は、臨界角θcより必ず大
きくなる。また、格子周期Pを一定とした場合、回折角は入射する光の波長に依存し、波
長が短い程、回折角は小さい。従って、透光部材1を伝播させる画像光のスペクトルにお
いて、画像表示に有効に寄与する一番短い波長λcに対する−1次回折光L−1の回折角
θ−1の絶対値が臨界角θcより大きければ、画像光のスペクトルの全域にわたって、+
y方向および−y方向の両方向に光を伝播させることができる。
これに対して、画像光の入射角が−θmaxとなった場合C12において、入射角を+
θmaxから−θmaxに変化させると、−1次回折光L−1の回折角θ−1は、負の方
向に次第に大きくなり、全反射による−y方向への伝播が維持される。これに対して、+
1次回折光L+1の回折角θ+1は徐々に小さくなるが、透光部材1(B)、1(G)、
1(R)と回折格子の配置が光軸Lに対して対称であるため、場合C11を上下反転させ
れば分かるように、入射角が−θmaxになっても、回折角θ+1は、臨界角θcより大
きい。従って、全反射による+y方向への伝播が維持される。
以下に、+y方向と−y方向の両方向に全反射で伝播できる条件を式で説明する。まず
、入射光(光線L10)の波長をλcとし、入射角をθmaxとし、透光部材1(B)、
1(G)、1(R)の屈折率をnとし、透光部材1(B)、1(G)、1(R)内での−
1次回折光L−1の回折角をθ−1としたとき、回折角θ−1が臨界角θcと一致する格
子周期Pは、以下の式で表される。
P=λc/[sin(θmax)+1]・・式(1)
ここで、格子周期Pが式(1)で表される値より小さければ、−1次回折光L−1の回
折角θ−1は、臨界角θcより大きくなる。従って、回折格子11(B)、11(G)、
11(R)に入射する画像光(光線L10)を+y方向および−y方向の両方に全反射で
伝播させるためには、以下の条件式を満たせばよい。
P≦λc/[sin(θmax)+1]・・式(2)
一方、格子周期Pが決まっているとき、回折格子11(B)、11(G)、11(R)
による回折角θm(mは回折次数)は、入射波長をλとし、入射角をθiとすると、回折
角θmは、以下の式で求められる。
θm=sin−1{[sin(θi)+m(λ/P)]/N}・・式(3)
本形態では、回折格子11(B)および回折格子12(B)の格子周期P1と、回折格
子11(G)および回折格子12(G)の格子周期P2と、回折格子11(R)および回
折格子12(R)の格子周期P3は、
以下の関係を満たしている。
P1<P2<P3
また、回折格子11(B)の格子高さH11、回折格子12(B)の格子高さH12、
回折格子11(G)の格子高さH21、回折格子12(G)の格子高さH22、回折格子
11(R)の格子高さH31、回折格子12(R)の格子高さH32は、以下の関係を満
たしている。
H11<H21<H31
H12<H11
H22<H21
H32<H31
H12<H11<H22<H21<H32<H31
本形態の瞳拡大素子10bにおいて、青色用の透光部材1(B)は、入射角が±7°の
範囲の青色の波長帯域の光(青色光(L(B))に対する+1次回折光L+1および−1
次回折光L−1のいずれもが透光部材1(B)の臨界角より大きな角度で回折され、入射
位置から+y方向および−y方向の両方向に回折光が透光部材1(B)内を伝播するよう
に、回折格子の格子周期P1が設定されている。
より具体的には、青色用の透光部材1(B)の回折格子11(B)および回折格子12
(B)の格子周期P1は、青色光L(B)の波長帯域における最短波長(λc=0.45
μm)の1次回折角が透光部材1(B)(屈折率=1.64)の臨界角(37.6°)に
等しくなるように、0.401μmに設定されている。
また、青色用の透光部材1(B)の回折格子11(B)の格子高さH11は、青色光L
(B)の波長帯域における最短波長(λcb=0.45μm)から最長波長(0.47μ
m)の範囲で1次回折効率が高くなるように設定されている。また、回折格子11(B)
の格子高さH11は、垂直に入射する波長0.46μmの青色光L(B)に対して1次回
折効率が高くなり、垂直に入射する緑色光L(G)や赤色光L(R)に対する回折効率が
低くなる高さとしてある。本形態において、回折格子11(B)の格子高さH11は、例
えば、約0.57μmである。また、回折格子12(B)では、透光部材1(B)を伝播
してきた光を複数回に分けて出射させる。このため、回折格子12(B)において1次回
折効率が高いと、1回目の出射で多くの光が取り出され、次回以降、光量が大きく減衰し
てしまう。従って、回折格子12(B)の1次回折効率は、回折格子11(B)の1次回
折効率より低いことが好ましい。それ故、本形態において、回折格子12の格子高さH1
2は、約0.57μmより低い。よって、回折格子12(B)から出射される光量分布を
適正化することができる。
このように構成した青色用の透光部材1(B)において、回折格子11(B)と回折格
子12(B)とは、格子周期P1が等しいので、透光部材1(B)内を全反射で伝播して
回折格子12(B)に到達した光線は、入射角と同一角度で出射される。すなわち、入射
角と同一角度で出射される光が複製される。なお、青色用の透光部材1(B)には、青色
光L(B)と同一角度で緑色光L(G)および赤色光L(R)も入射するが、緑色光L(
G)および赤色光L(R)は、青色光L(B)より波長が長いので、青色光L(B)より
大きな角度で回折される。
青色用の透光部材1(B)から出射された青色光L(B)、緑色光L(G)および赤色
光L(R)は、青色用の透光部材1(B)に対する入射角と同一入射角で、緑色用の透光
部材1(G)の回折格子11(G)に入射する。緑色用の透光部材1(G)は、入射角が
±7°の範囲の緑色の波長帯域の光に対する+1次回折光および−1次回折光のいずれも
が透光部材1(G)の臨界角より大きな角度で回折され、入射位置から+y方向および−
y方向の両方向に回折光が透光部材1(G)内を伝播するように、回折格子の格子周期P
2が設定されている。
より具体的には、緑色用の透光部材1(G)の回折格子11(G)および回折格子12
(G)の格子周期P2は、緑色光L(G)の波長帯域における最短波長(λcg=0.5
2μm)の1次回折角が導光板(屈折率=1.64)の臨界角(37.6°)に等しくな
るように、0.464μmに設定されている。
また、緑色用の透光部材1(G)の回折格子11(G)の格子高さH21は、緑色光L
(G)の波長帯域における最短波長(λcg=0.52μm)から最長波長(0.54μ
m)の範囲で1次回折効率が高くなるように設定されている。本形態において、回折格子
11(G)の格子高さH21は、垂直に入射する波長0.52μmの緑色光L(G)に対
して1次回折効率が高くなり、垂直に入射する青色光L(B)や赤色光L(R)に対する
回折効率が低くなる高さとしてある。本形態において、回折格子11(G)の格子高さH
21は、例えば、約0.60μmである。また、回折格子の1次回折効率は、回折格子の
1次回折効率より低いことが好ましいことから、回折格子12(R)の格子高さH22は
、約0.60μmより低い。よって、回折格子12(G)から出射される光量分布を適正
化することができる。
このように構成した緑色用の透光部材1(G)において、回折格子11(G)と回折格
子12(G)とは、格子周期P2が等しいので、透光部材1(G)内を全反射で伝播して
回折格子12(G)に到達した光線は、入射角と同一角度で出射される。従って、入射角
と同一角度で出射される光が複製される。
緑色用の透光部材1(B)から出射された青色光L(B)、緑色光L(G)および赤色
光L(R)は、青色用の透光部材1(B)に対する入射角と同一入射角で、赤色用の透光
部材1(R)の回折格子11(R)に入射する。赤色用の透光部材1(R)は、入射角が
±7°の範囲の赤色の波長帯域の光に対する+1次回折光および−1次回折光のいずれも
が透光部材1(R)の臨界角より大きな角度で回折され、入射位置から+y方向および−
y方向の両方向に回折光が透光部材1(R)内を伝播するように、回折格子の格子周期が
設定されている。
より具体的には、赤色用の透光部材1(R)の回折格子11(R)および回折格子12
(R)の格子周期P3は、赤色光L(R)の波長帯域における最短波長(λcr=0.6
0μm)の1次回折角が透光部材1(R)(屈折率=1.64)の臨界角(37.6°)
に等しくなるように、0.535μmに設定されている。
また、赤色用の透光部材1(R)の回折格子11(R)の格子高さH31は、赤色光L
(R)の波長帯域における最短波長(λcr=0.60μm)から最長波長(0.62μ
m)の範囲で1次回折効率が高くなるように設定されている。本形態において、回折格子
11(R)の格子高さH31は、垂直に入射する波長0.60μmの赤色光に対して1次
回折効率が高くなり、垂直に入射する青色光や緑色光に対する回折効率が低くなる高さと
してある。本形態において、回折格子11(R)の格子高さH31は、約0.70μmで
ある。また、回折格子12(R)の1次回折効率は、回折格子11(R)の1次回折効率
より低いことが好ましいことから、回折格子12(R)の格子高さH32は、約0.70
μmより低い。よって、回折格子12(R)から出射される光量分布を適正化することが
できる。
このように構成した赤色用の透光部材1(R)において、回折格子11(R)と回折格
子12(R)とは、格子周期P3が等しいので、透光部材1(R)内を全反射で伝播して
回折格子12(R)に到達した光線は、入射角と同一角度で出射される。従って、入射角
と同一角度で出射される光が複製される。その際、赤色用の透光部材1(R)の回折格子
は、赤色光L(R)の波長で回折効率が高くなるように格子高さが設定されているので、
青色光L(B)および緑色光(LG)に対する回折効率が低い。それ故、不要な回折光の
影響を抑制することができる。
本形態の瞳拡大素子10bにおいて、青色用の透光部材1(B)から出射した青色光L
(B)、緑色光L(G)および赤色光L(R)は、緑色用の透光部材1(G)および赤色
用の透光部材1(R)に順次、入射し、これらの導光板に設けられた回折格子によって回
折される。また、緑色用の透光部材1(G)から出射した青色光L(B)、緑色光L(G
)および赤色光L(R)は、赤色用の透光部材1(R)および赤色用の透光部材1(R)
に入射し、これらの導光板に設けられた回折格子によって回折される。その際、緑色用の
透光部材1(G)および赤色用の透光部材1(R)では、必要な角度以外の不要な回折光
を出射することになる。このような場合でも、不要な回折光の回折角が7°より十分に大
きい場合、後段で遮蔽あるいは吸収することが可能である。
(瞳拡大素子10bに対する本発明の適用例)
本発明では、瞳拡大素子10bを構成するにあたって、図1〜図6を参照して説明した
光学素子1000を用いることができる。例えば、回折格子11(B)、12(B)を構
成するにあたって、図1を参照して説明した実施の形態1の光学素子1000を用いるこ
とができる。この場合、回折格子11(b)は、第1回折格子710に相当し、回折格子
12(b)は、第2回折格子720に相当する。透光部材1(B)は、第1基板100、
第1充填材971、および第2基板200に相当する。他の回折格子11(G)、12(
G)、他の回折格子11(R)、12(R)を構成する場合も同様である。
また、瞳拡大素子10bを構成するにあたって、図4を参照して説明した実施の形態2
の光学素子1000を用いることができる。この場合、例えば、回折格子11(B)は、
第1回折格子710に相当し、回折格子12(B)は、第2回折格子720に相当する。
透光部材1(B)は、第1基板100、第1充填材971および第2基板200に相当す
る。また、回折格子11(G)は、第3回折格子730に相当し、回折格子12(G)は
、第4回折格子740に相当する。透光部材1(G)は、第3基板300、第2充填材9
72および第4基板400に相当する。
また、瞳拡大素子10bを構成するにあたって、図5を参照して説明した実施の形態2
の変形例2に係る光学素子1000を用いることができる。この場合、回折格子11(B
)は、第1回折格子710に相当し、回折格子12(B)は、第2回折格子720に相当
する。透光部材1(B)は、第1基板100、第1充填材971および第2基板200に
相当する。また、回折格子11(G)は、第3回折格子730に相当し、回折格子12(
G)は、第4回折格子740に相当する。透光部材1(G)は、第3基板300、第2充
填材972および第4基板400に相当する。また、回折格子11(R)は、第5回折格
子750に相当し、回折格子12(R)は、第6回折格子760に相当する。透光部材1
(R)は、第5基板500、第4充填材974および第6基板600に相当する。
(瞳拡大素子10bの変形例)
上記実施の形態に係る瞳拡大素子10bでは、画像光の入射側から出射側に向かって、
青色用の透光部材1(B)、緑色用の透光部材1(G)、および赤色用の透光部材1(R
)が光軸Lに沿って順に配置されていた。但し、瞳拡大素子10bでは、画像光の入射側
から出射側に向かって、赤色用の透光部材1(R)、緑色用の透光部材1(G)、および
青色用の透光部材1(B)が光軸Lに沿って順に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態では、瞳拡大素子10bが3枚の導光板(透光部材1(B)、1
(G)、1(R))を有していたが、2枚の導光板を有する構成を採用してもよい。この
場合、例えば、2枚の導光板のうちの1枚が青色光L(B)と緑色光L(G)の光束径の
拡大を行い、他の1枚が赤色光L(R)の光束径の拡大を行う。かかる瞳拡大素子10b
は、例えば、図4を参照して説明した実施の形態2の光学素子1000を用いることがで
きる。
1、2、3、4…透光部材、10a、10b…瞳拡大素子、28…導光光学装置、30…
導光板、52…導光系、53…反射部材、54…リレーレンズ系、55…投射レンズ系、
56…光学ユニット、57…光学系、65…画像光投射装置、66…画像形成装置、67
…投射光学系、100…第1基板、101…第1面、102…第2面、200…第2基板
、201…第3面、202…第4面、300…第3基板、301…第5面、302…第6
面、400…第4基板、401…第7面、402…第8面、500…第5基板、501…
第9面、502…第10面、600…第6基板、601…第11面、602…第12面、
910…第1接着剤層、911…第1ギャップ材、920…第2接着剤層、921…第2
ギャップ材、930…第3接着剤層、931…第3ギャップ材、940…第4接着剤層、
941…第4ギャップ材、950…第5接着剤層、951…第5ギャップ材、960…接
着剤層、961…ギャップ材、971…第1充填材、972…第2充填材、973…第3
充填材、974…第4充填材、975…第5充填材、976…充填材、1000a…有効
領域、1000…光学素子、10000…表示装置、D1…第1方向、D2…第2方向、
D3…第3方向。

Claims (14)

  1. 第1面および前記第1面とは反対側の面である第2面を備えた透光性の第1基板と、
    前記第2面に対向する第3面および前記第3面とは反対側の面である第4面を備えた透光性の第2基板と、
    前記第1面および前記第2面の少なくとも一方に設けられた第1回折格子と、
    前記第3面および前記第4面の少なくとも一方に設けられた第2回折格子と、
    前記第2面と前記第3面との間に介在する第1ギャップ材を含み、前記第2面と前記第3面とを接着する第1接着剤層と、
    を有し、
    前記第1回折格子は、前記第1面に設けられ、
    前記第2回折格子は、前記第4面に設けられ、
    前記第1接着剤層は、光が通過する有効領域の外側に設けられ、
    前記有効領域では、前記第2面と前記第3面との間に前記第1基板および前記第2基板と屈折率が等しい第1充填材が充填されていることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第4面に対向する第5面および前記第5面とは反対側の面である第6面を備えた透光性の第3基板と、
    前記第6面に対向する第7面および前記第7面とは反対側の面である第8面を備えた透光性の第4基板と、
    前記第5面に設けられた第3回折格子と、
    前記第8面に設けられた第4回折格子と、
    前記第6面と前記第7面との間に介在する第2ギャップ材を含み、前記有効領域の外側で前記第6面と前記第7面とを接着する第2接着剤層と、
    前記有効領域で前記第6面と前記第7面との間に充填され、前記第3基板および前記第4基板と屈折率が等しい第2充填材と、
    前記第4面と前記第5面との間に介在する第3ギャップ材を含み、前記有効領域の外側で前記第4面と前記第5面とを接着する第3接着剤層と、
    前記有効領域で前記第4面と前記第5面との間に充填され、空気または空気と屈折率が等しい媒質からなる第3充填材と、
    を有することを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1に記載の光学素子において、
    前記第1回折格子は、少なくとも前記第2面に設けられ、
    前記第2回折格子は、少なくとも前記第3面に設けられ、
    前記第1接着剤層は、光が通過する有効領域の外側に設けられ、
    前記有効領域では、前記第2面と前記第3面との間に、空気または空気と屈折率が等しい媒質からなる充填材が充填されていることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第1回折格子および前記第2回折格子は、各々が第1方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列され、
    前記第1回折格子および前記第2回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互いの格子周期が同じ周期となるように配置されていることを特徴とする光学素子。
  5. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第1基板、前記第1充填材および前記第2基板の屈折率は、前記第1回折格子に入射した第1光線の+1次回折光が、前記第1面および前記第4面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射し、かつ、前記第1回折格子に入射する前記第1光線の−1次回折光が、前記第1面および前記第4面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射するような屈折率であることを特徴とする光学素子。
  6. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第1回折格子および前記第2回折格子は、各々が第1方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列され、
    前記第3回折格子および前記第4回折格子は、各々が前記第1方向、または前記第1方向と交差した第2方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列され、
    前記第1回折格子および前記第2回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互いの格子周期が同じ周期となるように配置され、
    前記第3回折格子および前記第4回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互いの格子周期が同じ周期となるように配置されていることを特徴とすることを特徴とする光学素子。
  7. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第3回折格子および前記第4回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ前記第1方向に延在し、
    前記第1回折格子は、前記第3回折格子と異なる格子周期であり、
    前記第1基板の屈折率は、前記第1回折格子に入射した第1光線の+1次回折光が、前記第1面および前記第4面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射し、かつ、前記第1回折格子に入射する前記第1光線の−1次回折光が、前記第1面および前記第4面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射するような屈折率であり、
    前記第3基板の屈折率は、前記第1光線と波長が異なる第2光線が前記第3回折格子に入射した際の前記第2光線の+1次回折光が、前記第5面および前記第8面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射し、かつ、前記第3回折格子に入射する前記第2光線の−1次回折光が、前記第5面および前記第8面に対してそれぞれ臨界角以上の角度で入射するような屈折率であることを特徴とする光学素子。
  8. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第1回折格子の格子周期をP1とし、
    前記第3回折格子の格子周期をP2としたとき、
    前記格子周期P1、P2は、以下の関係
    P1<P2
    を満たしていることを特徴とする光学素子。
  9. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第1回折格子の格子高さをH11とし、
    前記第3回折格子の格子高さをH21としたとき、
    前記格子高さH11、H21は、以下の関係
    H11<H21
    を満たしていることを特徴とする光学素子。
  10. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第2回折格子の格子高さをH12とし、
    前記第4回折格子の格子高さをH22としたとき、
    前記格子高さH11、H12、H21、H22は、以下の関係
    H12<H11<H22<H21
    を満たしていることを特徴とする光学素子。
  11. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第1回折格子は、第1方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列され、
    前記第2回折格子は、前記第1方向、または前記第1方向と交差した第2方向に延在する複数の凹部または凸部が周期的に配列されていることを特徴とする光学素子。
  12. 請求項またはに記載の光学素子において、
    前記第1回折格子および前記第2回折格子は、各々が第1方向および前記第1方向と交差した第2方向に複数の凹部または凸部が周期的に配列され、
    前記第1回折格子および前記第2回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互いの前記第1方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配置され、かつ、それぞれ互いの前記第2方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配置されていることを特徴とする光学素子。
  13. 請求項に記載の光学素子において、
    前記第1回折格子、前記第2回折格子、前記第3回折格子および前記第4回折格子は、各々が第1方向および前記第1方向と交差した第2方向に複数の凹部または凸部が周期的に配列され、
    前記第1回折格子、前記第2回折格子、前記第3回折格子および前記第4回折格子の各々の前記複数の凹部または凸部は、それぞれ互いの前記第1方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配置され、かつ、それぞれ互いの前記第2方向に沿った格子周期が同じ周期となるように配置されていることを特徴とする光学素子。
  14. 請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学素子を備えた表示装置であって、
    光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を走査して画像とする走査光学系と、
    前記走査光学系により走査された光束を使用者の眼に入射させる導光系と、
    を備え、
    前記光学素子は、前記走査光学系から前記導光系に到る光路、または前記導光系の光路に配置されていることを特徴とする表示装置。
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