JP6706211B2 - 充電確認装置、受電装置、ワイヤレス給電システム - Google Patents
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Description
下記特許文献1にはワイヤレス給電を行うシステムにおける送電装置、受電装置に関する技術が開示されている。特に受電装置で充電の完了に応じて完了通知を送信することが記載されている。
しかしながら各受電装置が独自に充電完了通知を行うと、複数の受電装置から同時に充電完了通知が送信される可能性が生じ、混信が発生して、給電装置側で通知を認識できないことがある。
給電装置から問い合わせを行って、それに対して受電装置が充電完了通知を行うようにすれば、各受電装置からの充電完了通知の送信タイミングをずらすことはできるが、各受電装置での充電完了タイミングが不定なため給電装置から問い合わせを行うタイミングが難しく、給電動作が無駄に継続されてしまうことがある。また、これによって充電完了した受電装置が無駄に電力消費をおこなうことも発生する。
この充電確認装置は受電装置(子機)とともに、ワイヤレス給電システムを形成する親機側となる装置である。充電確認装置は、複数の受電装置のうちで例えば一つ指定する。指定した受電装置(指定子機)は、充電完了に応じて充電完了信号を送信してくるので、それを受信したら、複数の受電装置に充電完了の問い合わせ(充電完了確認信号の送信)を行う。全ての受電装置からの充電完了信号が受信されればワイヤレス給電による充電完了を確認できたことになる。
即ち指定した受電装置は充電完了信号を既に受信しているので、当該指定した受電装置に対して再度の送信は不要の旨の通知を行う。
充電完了確認信号による問い合わせを行っても、充電完了していない受電装置からの充電完了信号は受信されない。そこで、くり返し充電完了確認信号による問い合わせを行って、各子機が、充電完了後に応答できるようにする。
即ち充電完了信号を送信してきた受電装置に対しては、以後、スリープ状態で待機する指示を行う。
この受電装置は、上述の充電確認装置(親機)に対応する子機となる。この受電装置はワイヤレス給電による充電を行う。そして給電開始通知信号に含まれる情報により、自己が親機に指定された受電装置(指定子機)であるか否かを判定し、指定された受電装置となった場合は、充電完了に応じて自主的に充電完了信号を送信する。一方、指定された受電装置とはならなかった場合は、充電完了しても自主的には充電完了信号を送信せず、充電確認装置から充電完了確認信号があった際に、その応答として充電完了信号を送信する。
例えば給電開始時に指定された受電装置は充電完了に応じて充電完了信号を自主的に送信しているので、充電確認装置は当該指定した受電装置に対して、充電完了確認信号において再度の送信は不要の旨の通知を行うようにする。このような場合、当該指定された受電装置は充電完了確認信号に対応する必要は無い。
また充電確認装置は、充電完了信号が得られない受電装置が存在する場合は、くり返し充電完了確認信号を送信してくる。その際に、特定の受電装置に返信を要求する情報を含むこともある。その場合、該当しない受電装置は、充電完了確認信号に対応する必要は無い。
そこでこれら充電完了確認信号に対応する必要が無い場合は、送信処理を行わず、電力消費を回避する。
既に充電完了信号を送信した受電装置は、充電確認装置からのスリープ指示信号に応じてスリープ状態で待機するようにする。
以下、本発明の実施の形態を説明する。まずワイヤレス給電システムの構成について述べる。
図1にワイヤレス給電システムを構成する親機MDと子機SD(SD1〜SD9)を示している。親機MDは、多数の子機SDとは離間して配置される。
親機MDは給電装置としての構成を備え、子機SDはワイヤレス給電を受けて内蔵のバッテリに充電を行う受電装置である。
また親機MDと各子機SDの間では、充電完了の確認のための無線通信を行う。
子機SDの数は、図1では子機SD1からSD9の9台としているが、本システムは子機SDが2台以上の複数台であること想定しており、実際には、子機SDが100台から200台以上などの場合を想定している。
指定子機SD−S以外については、説明上、「一般子機SD−N」と呼ぶこととする。図1では子機SD1〜SD8が一般子機SD−Nとなっている例を示している。
各子機SDは全て同一構成の受電装置である。指定子機SD−Sと一般子機SD−Nが異なる装置というわけではない。単に無線通信により親機MDによって指定された子機が指定子機SD−Sとなる。
図2の構成例の親機MDは、ワイヤレス給電システムの給電を実行する機能と、請求項にいう充電確認装置としての機能、即ち子機SDの充電を確認する機能を備えた装置である。
給電装置2は子機SDに対するワイヤレス給電を行う。ワイヤレス給電には、電磁誘導を用いた電磁誘導方式、電磁界の共鳴現象を利用した電磁界共鳴方式、電力を電磁波に変換しアンテナを介して送受信する電波方式などが知られているが、本実施の形態では、給電方式自体は限定されない。つまり給電装置2は、どのような方式であれ、ワイヤレス給電を行う装置部であれば良い。
通信部11は、それぞれが給電装置2からのワイヤレス給電の受電装置となる複数の子機SDにとの間で無線通信を行う。
親機制御部10は例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を内蔵したマイクロコンピュータにより構成される。この親機制御部10は、通信部11を介した子機SDとの間の通信処理を行うとともに、給電装置2の制御を行う。即ち親機制御部10は、給電装置2による給電の開始制御を行い、給電を開始させた後、子機SDとの無線通信により子機SD側での充電完了の確認を行う。全ての子機SDで充電完了が確認されたら、給電装置2に給電を終了させる制御を行う。
子機SDは子機制御部20、通信部21、電源部22、機能部24を備える。
電源部22は、給電装置2からのワイヤレス給電を受けて、内蔵するバッテリ(二次電池)23に充電を行う。また電源部22は、バッテリ23を電源として、各部に必要な動作電圧V1,V2・・・を出力する。
子機制御部20は例えばCPU、RAM、ROM等を内蔵したマイクロコンピュータにより構成される。子機制御部20は、通信部21を介した親機MDとの間の通信処理を行うとともに、子機SDの全体の動作制御を行う。即ち子機制御部20は、電源部22や機能部24の動作制御や、ワイヤレス給電時の電源部22における充電状況の確認などを行う。
子機SDが実際にどのような機器であるかは多様に考えられる。例えば発光装置、発音装置、表示装置、各種のモータ駆動装置、制御装置、スイッチ装置、検出装置、信号増幅装置、演算装置、トリガ発生装置、起動装置、その他、電気的な制御・動作が可能なあらゆる装置が想定される。機能部24はこれらの各種装置として必要な機能を実行する部位である。
本実施の形態は、親機MDが、各子機SDにおける充電確認を効率的に実行できるようにするものである。ここでは実施の形態の動作に先立って、比較例としての充電確認動作を説明する。
図3は、ワイヤレス給電実行時に、親機MDと多数の子機SDの間で通常想定される通信の例を時系列的に示している。
給電開始通知信号CHGSを受信した各子機SDでは、電源部22で充電を開始するとともに、親機MDに対して確認信号RSを送信する。
全ての子機SDからの確認信号RSを受信することで、親機MDは全子機SDで充電が開始されたことを認識できる。
充電が完了している子機SDは、充電完了確認信号CHGEに応じて、充電完了信号FINCを親機MDに送信する。
図では、充電完了確認信号CHGEが送信されたときに、各子機SDが既に充電を完了しており、それぞれ応答として充電完了信号FINCを送信している様子を示している。
まだ充電完了信号FINCを送ってこない子機SDがある場合は、またある程度の時間を待機してから、再度、充電完了確認信号CHGEを送信し、問い合わせを行う。
各子機SDの充電完了までの時間は、設置場所、設置環境、親機MDとの距離などにより大きく変わるため、設定した一定時間TWが必ずしも適度な時間とならないためである。
一定時間TWは、全ての子機SDが十分に充電完了できる時間とすることが考えられる。しかし一定時間TWが長すぎると、無駄な給電時間が発生してしまう。例えば図3の場合、時点te9で全ての子機SDで充電が完了したとすると、時点te9から一定時間TWが経過する時点までは、無駄な給電を行っていることになる。またこれによって充電完了を確認できるまでの時間が長時間化してしまい、各子機SDでの充電完了確認後の本来の動作開始が遅れるということも生ずる。
一方で、一定時間TWをあまり短くすると、まだ充電を完了していない子機SDが多く、その後、何度も繰り返し問い合わせる必要が生じてしまうことが想定される。すると、充電完了した子機SDにとっては、何度も充電完了確認信号CHGEに対応した通信を行う必要があり、せっかく満充電となったバッテリ23の電力を、通信により消費させることになってしまう。
本実施の形態では、上記の比較例で生じる事情に鑑み、より効率的な充電完了確認を取ることができるようにしたものである。
図4,図5により実施の形態で行われるワイヤレス給電時の通信動作を説明する。これらは図3と同じく、親機MDと多数の子機SDの間で行われる通信の例を時系列的に示している。各通信は、親機制御部10と子機制御部20の間で、通信部11,21を介して行われる。
給電開始の際、親機MD側では、給電装置2がワイヤレス給電を開始するとともに、全子機SDへ向けて給電開始通知信号CHGSを送信する。
このとき親機MD側から特定子機SD−Sを指定する。例えば給電開始通知信号CHGSに子機の指定する情報としてのアドレスを含むようにする。図では給電開始通知信号CHGSにアドレス(009)を付加して送信する例を示している。
例えば子機SD1はアドレス(001)に対応して(1×Tw)時間、子機SD2はアドレス(002)に対応して(2×Tw)時間・・・というような例である。なお「Tw」は待機時間を設定する定数である。
全ての子機SDからの確認信号RSを受信することで、親機MDは全子機SDで充電が開始されたことを認識できる。
指定子機SD−Sは、自己の充電を監視し、充電が完了した時点で、親機MDに充電完了を通知する処理を行う。
一般子機SD−Nは、充電完了を自発的に親機MDに通知する処理を行わない。
この場合、充電完了確認信号CHGE1は、返信不要のアドレスを含むものとする。即ち指定子機SD−Sである子機SD9は、既に充電完了を確認しているので、再度の送信は不要である。そこで親機MDは、充電完了確認信号CHGE1を、返信不要アドレスとしての(009)を含む信号とする。
図4では、充電完了確認信号CHGE1が送信されたときに、一般子機SD−Nとされた全子機SD1〜SD8が既に充電を完了しているとする。この場合、子機SD1〜SD8は、それぞれ応答として充電完了信号FINCを送信する(紙面の都合上、子機SD3〜SD8の通信については図示を省略している)。
この場合も、混信を避けるため、各子機SDは、自己のアドレスに対応する待機時間を持つことで、時間をずらして充電完了信号FINCを送信するようにしている。
これにより指定子機SD−Sである子機SD9は無駄な2回目の充電完了信号FINCの送信を行なわないことになる。
この図4の場合、最も効率的に全子機SDの充電完了確認ができたことになる。即ち指定子機SD−Sである子機SD9が、最も充電完了が遅くなった子機SDであることで、子機SD9からの充電完了信号FINCの受信直後に送信した充電完了確認信号CHGE1に応じて、その他の全子機SD1〜SD8からの充電完了信号FINCが得られた場合となる。
このことから、指定子機SD−Sには、最も充電が遅れることが予想される子機を選択することが望ましい。例えば親機MDから最も離間距離が長い子機SDを指定子機SD−Sとする。
図5には、指定子機SD−Sとされた子機SD9の充電完了タイミング(te9)よりも、子機SD2の充電完了タイミング(te2)が遅くなった場合を例示している。
親機MDはそれに応じて、各子機SDに充電完了確認信号CHGE1を送信する。ここまでは図4と同様である。
しかしこの場合、親機MDから見れば、子機SD1からの充電完了信号FINCは送信されてくるが、子機SD2からの充電完了信号FINCは送信されてこない。図示していないが、子機SD3〜SD8の全部又は一部は充電完了信号FINCを送信してきたとする。いずれにしても、全ての子機SDの充電完了は確認できていない。
即ち親機は、既に充電完了確認ができた子機SDのアドレス(例えば(001)(009))を指定したスリープ指示信号を送信する。アドレス指定された子機SD1,SD9は、これに応じてスリープ状態となる。スリープ状態となることで、充電した電力を無駄に消費しないようにする。
受信した子機SD側では、充電が完了し、かつ返信要求アドレスで指定されている場合に、充電完了信号FINCを送信する。図の例では、充電完了確認信号CHGE2が受信された時点で子機SD2は充電を完了しているため、子機SD2が充電完了信号FINCを親機MDに送信している様子を示している。
なお、返信要求アドレスで指定されていない子機SD、つまり既に充電完了信号FINCを送信済の子機SDは、仮にスリープ状態でなかったとしても、当該充電完了確認信号CHGE2に対応する必要はない。従って、無駄な送信による電力消費を避けることができる。
この図4,図5のような動作を実現するための親機MDと各子機SDの処理例を図6,図7に示す。図示する親機側の処理(S101〜S125)は、親機制御部10が動作プログラムに従って実行する処理である。図示する子機側の処理(S201〜S238)は、各子機SDにおける子機制御部20が動作プログラムに従って実行する処理である。
また親機制御部10はステップS102で、各子機SDに対して給電開始通知信号CHGSを送信する。このとき給電開始通知信号CHGSは、指定子機SD−Sを指定するためのアドレス(図4,図5の例では(009))を含む信号としている。
そして、親機制御部10はステップS103で、各子機SDからの確認信号RSの受信処理を行う。この受信処理により全子機SDからの確認信号RSの受信を確認できたら、ステップS110で、指定子機SD−Sからの充電完了信号FINCを待機する。
なお、詳細には示していないが、ステップS103において全子機SDから確認信号RSが得られない場合は、親機制御部10はエラー処理を行うことになる。
ステップS201で給電開始通知信号CHGSを受信したら、子機制御部20はステップS202で確認信号RSを送信する処理を行う。なお上述のように混信を避けるため、各子機SDの子機制御部20は、このステップS202では、自己のアドレスに応じた待機時間を持って確認信号RSの送信を行うことになる。
給電開始通知信号CHGSに付加されたアドレスが自己のアドレスである場合、その子機SDの子機制御部20は、自己が指定子機SD−Sとして動作するためにステップS204に処理を進める。
ステップS204で子機制御部20は、電源部22での充電状況を監視し、充電完了に至ったか否かをチェックする。これを、充電完了を検知するまで継続する。
そして充電完了を検知したら、子機制御部20はステップS205に進み、充電完了信号FINCを親機MDに対して送信する処理を行う。この充電完了信号FINCには自己のアドレスを付加して、親機MD側に指定子機SD−Sからの通知であることを認識できるようにする。
その後、ステップS210で子機制御部20は、親機MDからの受信待ちとなる。
ステップS206で子機制御部20は、電源部22での充電状況を監視し、充電完了に至ったか否かをチェックすることになる。これを、充電完了を検知するまで継続する。
ただし一般子機SD−Nの場合、充電完了を検知しても、子機制御部20はそのままステップS210に進み、親機MDからの受信待ちとなる。つまり充電完了信号FINCの自主的な送信は行わない。
なお、この時点で充電を完了していない子機SDの子機制御部20は、ステップS206で充電完了を待機しているため、充電完了確認信号CHGE1の受信認識又は応答は行わない。
(K1)指定子機SD−Sの場合
(K2)指定子機SD−Sより早く充電完了した一般子機SD−Nの場合
(K3)指定子機SD−Sより遅れて充電完了した一般子機SD−Nの場合
なお、上記の(K2)と(K3)は、説明のわかりやすさのため「早く」「遅れて」という表現を用いているが、厳密には、(K2)の一般子機SD−Nは、指定子機SD−Sと同時にステップS210の受信待ちができる状態となった一般子機SD−Nであり、充電完了が指定子機SD−Nと同時であったり、もしくは非常に短い時間差だけ指定子機SD−Nより遅れた一般子機SD−Nの場合もあり得る。つまり、次の充電完了確認信号CHGE1を指定子機SD−Nと同時に受信する一般子機SD−Nのこととなる。
また(K3)の一般子機SD−Nは、充電完了の遅れにより指定子機SD−Sと同時にはステップS210の受信待ちができなかった一般子機SD−Nである。つまり充電完了確認信号CHGE1を指定子機SD−Nと同時に受信するタイミングに間に合わなかった一般子機SD−Nのこととなる。
親機MD側では、指定子機SD−Sの子機制御部20のステップS205による充電完了信号FINCを受信したら、親機制御部10はステップS110からS111に進み、充電完了確認信号CHGE1を送信する。この場合、充電完了確認信号CHGE1には返信不要アドレス(図4,図5の例では(009))を含むようにする。即ち指定子機SD−Sに対して返信不要を伝えるようにする。
そしてステップS112で親機制御部10は、充電完了確認信号CHGE1に応じた各子機SDからの充電完了信号FINCの受信処理を行う。
全ての子機SDについて充電完了信号FINCが得られたのであれば、全ての子機SDで充電完了であるため、親機制御部10はステップS114で給電装置2にワイヤレス給電動作を終了させ、一連の処理を終える。
ステップS120で親機制御部10は、充電完了した子機SDのアドレスとスリープ時間指定の情報を含むスリープ指示信号SLPを送信する。これはアドレスで指定する子機SDに、指定した時間だけスリープ状態となることを指示する信号である。
なお所定時間Tsは、図3で説明した一定時間TWのような長い時間ではない。既に一部の子機SDでは充電を完了しており、残りの子機SDも程なく充電完了になることが予想されるためである。例えば所定時間Tsは1〜数秒程度でもよい。或いはステップS121の待機処理は無くてもよく、後述のステップS123→S124→S125の処理を経て、くり返しステップS122で充電完了確認信号CHGE2の送信を行うようにしてもよい。
そしてステップS123で、返信要求した子機SDからの充電完了信号FINCの受信処理を行う。
1つずつ返信要求する場合は、ステップS123→S124→S125→・・・→S123のループで、順次問い合わせが行われることになる(この場合ステップS121は不要である)
まとめて返信要求する場合でも、未確認の子機SDが残っている限り、ステップS122の充電完了確認信号CHGE2の送信がくり返し行われる。
これはステップS123で充電完了が確認できた子機SDの台数がx台以上と多い場合は、ステップS120で、それらについてもスリープさせるために、スリープ指示信号SLPを送信するものである。
x台を具体的に何台に設定するかがシステム次第であり一概には言えないが、例えば子機SDの総数の50%の数、75%の数などに設定することが考えられる。
ステップS122では、再び残りの充電完了確認ができていない子機SDのアドレスを指定して返信要求の対象とし、充電完了確認信号CHGE2を送信する。
指定子機SD−Sの子機制御部20は、ステップS210の受信待ちの際に、直ぐに充電完了確認信号CHGE1を受信することになる。直前のステップS205の充電完了信号FINCの送信に応じて、親機制御部10が、当該指定子機SD−Sを返信不要アドレスとした充電完了確認信号CHGE1を送信するためである。
このため子機制御部20は、ステップS211からS220に進む。
ステップS220で子機制御部20は、充電完了確認信号CHGE1に付加されている返信不要アドレスを確認する。指定子機SD−Sの場合、返信不要アドレスが自己のアドレスに該当することになる。
親機MD側で充電確認処理が終了したかどうかは、各子機SD側では不明であるので、ステップS231では例えばタイムカウントにより推定する。即ち親機MD側からスリープ指示信号SLPがないままある程度の時間が経過しタイムアウトとなったら、親機MD側が例えばステップS113(又はS124)→S114を経て処理を終了したと推定することができる。
なお、親機MD側がステップS114から終了する際に、処理終了通知を送信するようにした場合は、ステップS231でその終了通知があったか否かを確認すれば良い。
いずれにしても、このステップS230、S231の監視ループに入る子機SDは、既に充電完了信号FINCを送信済の子機SDであり、親機MDとの通信は、スリープ指示の待機のみであるため、処理を終了してしまってもかまわない。
また全子機SDでの充電完了確認が終了するまでの間、スリープ指示信号SLPでスリープ指示される場合があるが、それに応じてスリープ状態となり、満充電後の無駄な電力消費が回避されるようになる。
次に指定子機SD−Sより早く充電完了した一般子機SD−Nの場合は、図6のステップS210の受信待ちを行っていると、ある時点(指定子機SD−Sが充電完了した直後)で充電完了確認信号CHGE1を受信することになる。
このため当該一般子機SD−Nの子機制御部20は、ステップS211からS220に進む。この一般子機SD−Nの場合、ステップS220で子機制御部20は、返信不要アドレスに自己が指定されていないことを認識することになる。この場合、親機MDは指定子機SD−Sのみを返信不要としているためである。
従って子機制御部20はステップS220からS221に進み、送信タイミングとなったか否かを確認する。これは上述した、各子機SDが同時に送信した場合の混信を避けるためアドレス値に応じた時間の送信待機を行う処理である。
その後、指定子機SD−Sの場合と同様に、ステップS230,S231の監視ループに進む。親機MDの処理終了が推定されれば、当該一般子機SD−Nの子機制御部20は処理を終えるし、スリープ指示信号SLPが受信された場合は、ステップS230→S232→S234の処理で、スリープ状態に遷移する。このスリープ状態は、スリープ指示信号SLPに含まれるスリープ時間の情報で示される期間、継続し、その後、起動状態に復帰して処理を終える。
その後、全子機SDでの充電完了確認が終了するまでの間、スリープ指示信号SLPでスリープ指示される場合があるが、それに応じてスリープ状態となり、満充電後の無駄な電力消費が回避される。
図5の子機SD2のように、指定子機SD−Sより遅れて充電完了した一般子機SD−Nの場合、子機制御部20は次のような処理を行う。
そして充電完了確認信号CHGE2が受信されたらステップS237に進む。
これらのように充電完了確認信号CHGE2に応じてステップS237に進んだ場合、子機制御部20は自己のアドレスが返信要求アドレスに含まれているか否かを判定する。
もし、自己が返信要求アドレスに該当しなければステップS235に戻って次の充電完了確認信号CHGE2の受信待ちを行う。
一方、1回の充電完了確認信号CHGE2で複数の子機SDが返信要求アドレスとして指定される場合、該当の子機SDの子機制御部20はステップS238で、送信タイミングを確認して充電完了信号FINCを送信することが必要である。例えば充電完了確認信号CHGE2の通信データ上でエントリされた順番に応じた待機時間をもって送信することで、返信要求された複数の子機SDが同時に送信しないようにする。
また場合によっては、全子機SDでの充電完了確認が終了するまでの間、スリープ指示信号SLPに応じてスリープ状態となり無駄な電力消費が回避されることもある。
以上の実施の形態では、次のような効果が得られる。
実施の形態の親機MDにおける充電確認装置1は、それぞれがワイヤレス給電に対応してバッテリ23への充電を行う複数の子機SD(受電装置)との間で無線通信を行う通信部11と、親機制御部10を備える。
親機制御部10は、ワイヤレス給電開始に伴って、特定の子機SDを指定子機SD−Sに指定するアドレスを含む給電開始通知信号CHGSを、通信部11から複数の子機SDに送信させる処理(S102)を行う。また親機制御部10は、指定子機SD−Sからの充電完了信号FINCを通信部11により受信することに応じて複数の子機SDに充電完了を問い合わせる充電完了確認信号CHGE1を通信部11から送信させる処理(S110,S111)を行う。更に親機制御部10は、充電完了確認信号(CHGE1,CHGE2)に応答した充電完了信号FINCが全ての子機SDから受信されたか否かを確認する処理(S113,S124)を行う。
実施の形態の子機SD(受電装置)は、動作電源として搭載するバッテリ23に対して、ワイヤレス給電に対応して充電を行う電源部22と、外部の親機MD(充電確認装置1)との間で無線通信を行う通信部21と、子機制御部20を備える。
子機制御部20は、通信部21により受信される、親機MDからの、特定の子機SDを指定する情報を含む給電開始通知信号CHGSと、充電完了を問い合わせる充電完了確認信号(CHGE1、CHGE2)を取得する処理を行う。また子機制御部20は、給電開始通知信号CHGSの取得により、自己が指定子機SD−Sと判定した場合は、電源部22での充電の完了に応じて、親機MDに対して充電完了信号FINCを通信部21から送信させる処理を行う(S204,S205)。また子機制御部20は、給電開始通知信号CHGSの取得により、自己が指定子機SD−Sではないと判定した場合は、電源部22での充電の完了後において、充電完了確認信号CHGE1が取得された際に、親機MDに対して充電完了信号FINCを通信部21から送信させる処理(S211→S220→S221→S222)を行う。
これに対して本実施の形態では、親機MDは、指定子機SD−Sからの充電完了信号FINCがあったら、それに応じて他の一般子機SD−Nに問い合わせる。このタイミングは、指定子機SD−Sにおいて充電が完了したタイミングであるので、他の一般子機SD−Nでも充電が完了している可能性は高く、問い合わせを無駄に待機することなしに、適切なタイミングで充電完了確認信号CHGE1を送信できる。これにより親機MDは、全ての子機SDの充電完了を早く確認できる場合も多くなり、給電完了までの時短化を促進できる。
また親機MDは、最初の問い合わせとして充電完了確認信号CHGE1を行うまで一定時間TW(図3参照)を待機するものではないため、一定時間の待機中の無駄な給電継続を回避できる。
特に図4のように、指定子機SD−Sが最も充電が遅い子機SDであったとすると、指定子機SD−Sの充電完了に応じて充電完了確認信号CHGE1を送信すれば、他の全ての一般子機SD−Nから充電完了信号FINCが受信できる。つまり最も効率的に全ての子機SDの充電完了を確認できることになる。
そこで本実施の形態の親機MDは、上記のように指定子機SD−Sからの充電完了信号FINCのみを待機するようにする。1つの指定子機SD−Sからの充電完了信号を待機するものであるため、複数の子機からの通信が混信して受信不能となることもない。その直後、親機MDは充電完了確認信号CHGE1を送信するが、各子機SDは、充電完了確認信号CHGE1の受信から自己のアドレスに応じた待機時間を持って充電完了信号FINCを送信するようにすることで、混信を回避できる。
従って本実施の形態では、複数の子機SDによる混信の恐れがないものとなり親機MDは各子機SDの充電完了を的確に認識できる。
混信を避けるために複数チャネルを用意する必要もないため、親機MD、子機SDの通信部11,21の構成も簡略化できる。
つまり指定子機SD−Sと一般子機SD−Nは、同じアルゴリズムの処理(図6,図7のS201〜S238)を行うものでよく、これらを区別して設計・製造したり、異なるプログラムの用意する必要は無い。
またこのため、親機MD側からは任意の子機SDを指定子機SD−Sに指定できる。実際の現場において、子機SDの設置状況、設置環境等を考慮して、作業者が指定子機SD−Sを選択するという状況にも容易に対応できる。
また子機制御部20は、充電完了確認信号CHGE1に含まれる情報として、自己に対し、充電完了信号の送信を求めない旨の通知として返信不要アドレス指定を認識したら、その充電完了確認信号CHGE1に対する応答の送信処理を実行しない(S220→S230)。
これにより指定子機SD−Sは充電完了信号FINCを送信しない(S222に進まない)。従って指定子機SD−Sは無駄な送信処理が回避され、通信によって充電した電力が消費されてしまうことがなくなる。つまり充電完了後の無用なバッテリ消費を避けることができる。
これにより各子機SDは自分が充電を完了した後の充電完了確認信号CHGE2に応答して充電完了信号FINCを送信できる(S238)。つまり最初の充電完了確認信号CHGE1の時点では、まだ充電完了していなかった子機SDも、その後の充電完了確認信号CHGE2に応答して充電完了を親機MDに通知できる。
また1又は複数の返信要求アドレスを指定すると言うことは、返信要求アドレスに該当しない子機SDは応答しないこととなるため、既に充電完了信号FINCを送信した子機SDが、再度充電完了確認信号に応答して充電完了信号FINCを送信することは生じない。つまり早めに充電完了した子機が、何度も充電完了信号FINCを送信して無駄な電力消費を生じさせてしまうということが回避される。
なお1回の充電完了確認信号CHGE2で1つの子機SDに対して返信要求を行うようにすれば、返信要求アドレスに該当する子機SDのみが充電完了信号FINCを送信するため、混信を避けるために子機SD間でタイミングをずらして送信することは不要である。返信要求された子機は、直ぐに応答して充電完了信号FINCを送信すればよい。
また、親機MDは、特に返信要求アドレスを指定せずに、全ての子機SDを対象として充電完了確認信号(CHGE)を送信してもよい。但しその場合、既に充電完了信号FINCを送信した子機SDが、再度、充電完了確認信号(CHGE)に応答して充電完了信号FINCを送信することが生じてしまう。これを避けるためには、充電完了信号FINCを送信済の子機SDは全てスリープ状態に制御しておくことが考えられる。
子機制御部20は、通信部21により受信されるスリープ指示信号SLPを取得する処理を行うとともに、スリープ指示信号SLPの取得に応じて、スリープ状態に移行する処理を行う(S230→S232→S234)。
早めに充電を終わって充電完了信号FINCを送信した子機SDは、少なくとも全ての子機SDの充電完了を親機MDが確認するまでの期間は、動作は不要である。そこで親機MDは、そのような子機SDに対してスリープ指示信号SLPを送信し、スリープ状態で待機するように制御する。これにより充電完了後に、親機MDとの受信/送信によって無駄に電力消費をしてしまわないようにすることができる。
またスリープ時間を指定していることで、子機SDは、その時間を経過した後に、自動的に起動(スリープ解除)すればよい。これにより、起動状態への復帰のために親機MDから指示する必要はなくなる。
但し、親機MDは、時間指定せずにスリープを指示し、全ての子機SDの充電完了を確認した時点で、スリープ中の子機SDに起動指示を送信するような例も考えられる。
親機の処理としては図6,図7からステップS120、S125を無くした例となる。
その場合、子機SDは、充電完了信号FINCを送信したら図6,図7の処理を終えるようにすればよい。即ち指定子機SD−Sの場合、ステップS220→終了とする。一般子機SD−Nの場合、ステップS222→終了、又はステップS238→終了とする。そしてステップS213,S230,S231,S232,S234を削除した処理例である。
例えば実施の形態では、給電開始通知の情報と特定の子機を指定する情報(アドレス)をまとめて給電開始通知信号CHGSとしているが、給電開始通知の情報と特定の子機を指定する情報が、必ずしもまとめて同時に送信される必要もない。略同時の範囲で時分割的に順次送信されても良い。
同様に充電完了確認信号CHGE1は、充電完了の問い合わせであることを示す情報と返信不要の子機を示す情報をまとめて指しているが、これが同時に送信されることに限られず、順次送信でもよい。
また充電完了確認信号CHGE2は、充電完了の問い合わせであることを示す情報と返信要求の子機を示す情報をまとめて指しているが、これが同時に送信されることに限られず、順次送信でもよい。
Claims (8)
- それぞれがワイヤレス給電に対応してバッテリへの充電を行う複数の受電装置との間で無線通信を行う通信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ワイヤレス給電開始に伴って、複数の受電装置のうちで特定の受電装置を指定する情報を含む給電開始通知信号を、前記通信部から複数の受電装置に送信させる処理と、
指定した受電装置からの充電完了信号を前記通信部により受信することに応じて、複数の受電装置に充電完了を問い合わせる充電完了確認信号を前記通信部から送信させる処理と、
前記充電完了確認信号に応答した充電完了信号が全ての受電装置から受信されたか否かを確認する処理と、を行う
充電確認装置 - 前記制御部は、指定した受電装置からの充電完了信号を受信することに応じた充電完了確認信号の送信の際に、前記指定した受電装置に対しては充電完了信号を送信不要とする通知を伴うようにする
請求項1に記載の充電確認装置。 - 前記制御部は、全ての受電装置からの充電完了信号を受信するまで、前記通信部から充電完了を問い合わせる充電完了確認信号を送信させる処理をくり返し行う
請求項1又は請求項2に記載の充電確認装置。 - 前記制御部は、充電完了確認信号に応じて充電完了信号を送信した受電装置に対して、少なくとも送信動作を行わないスリープ状態となることを指示するスリープ指示信号を、前記通信部から送信させる処理を行う
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の充電確認装置。 - 動作電源として搭載するバッテリに対して、ワイヤレス給電に対応して充電を行う電源部と、
外部の充電確認装置との間で無線通信を行う通信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により受信される、前記充電確認装置からの、特定の受電装置を指定する情報を含む給電開始通知信号と、充電完了を問い合わせる充電完了確認信号を取得する処理を行うとともに、
前記給電開始通知信号の取得により、自己が特定の受電装置として指定されたと判定した場合は、前記電源部での充電の完了に応じて、前記充電確認装置に対して充電完了信号を前記通信部から送信させる処理を行い、
前記給電開始通知信号の取得により、自己が特定の受電装置として指定されてはいないと判定した場合は、前記電源部での充電の完了後において、前記充電完了確認信号が取得された際に、前記充電確認装置に対して充電完了信号を前記通信部から送信させる処理を行う
受電装置。 - 前記制御部は、充電完了確認信号に含まれる情報として、自己に対し、充電完了信号の送信を求めない旨の通知が含まれていることを検出した場合は、その充電完了確認信号に対する応答の送信処理を実行しない
請求項5に記載の受電装置。 - 前記制御部は、
前記通信部により受信される、前記充電確認装置からの、少なくとも送信動作を行わないスリープ状態となることを指示するスリープ指示信号を取得する処理を行うとともに、
前記スリープ指示信号の取得に応じて、スリープ状態に移行する処理を行う
請求項5又は請求項6に記載の受電装置。 - 充電確認装置と、複数の受電装置を有して構成されるワイヤレス給電システムであって、
前記充電確認装置は、
複数の受電装置との間で無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、
ワイヤレス給電開始に伴って、複数の受電装置のうちで特定の受電装置を指定する情報を含む給電開始通知信号を、前記第1の通信部から複数の受電装置に送信させる処理と、
指定した受電装置からの充電完了信号を前記第1の通信部により受信することに応じて、複数の受電装置に充電完了を問い合わせる充電完了確認信号を前記第1の通信部から送信させる処理と、
前記充電完了確認信号に応答した充電完了信号が全ての受電装置から受信されたか否かを確認する処理と、を行い
前記受電装置は、
動作電源として搭載するバッテリに対して、ワイヤレス給電に対応して充電を行う電源部と、
前記充電確認装置との間で無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の通信部により受信される、前記充電確認装置からの、特定の受電装置を指定する情報を含む給電開始通知信号と、充電完了を問い合わせる充電完了確認信号を取得する処理を行うとともに、
前記給電開始通知信号の取得により、自己が特定の受電装置として指定されたと判定した場合は、前記電源部での充電の完了に応じて、前記充電確認装置に対して充電完了信号を前記第2の通信部から送信させる処理を行い、
前記給電開始通知信号の取得により、自己が特定の受電装置として指定されてはいないと判定した場合は、前記電源部での充電の完了後において、前記充電完了確認信号が取得された際に、前記充電確認装置に対して充電完了信号を前記第2の通信部から送信させる処理を行う
ワイヤレス給電システム。
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