JP6705891B2 - 組成物、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ - Google Patents

組成物、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ Download PDF

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Description

本発明は、組成物、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサに関する。
顔料や染料などの色材を含む組成物を用いて、カラーフィルタや近赤外線カットフィルタなどの膜を製造することが行われている。
染料は、顔料に比べて分散などの手間を省略できるので、染料を用いた組成物は、組成物の製造の手間などが少ないなどの利点がある。
特許文献1には、有機溶剤への溶解性の高いフタロシアニン化合物と、カルボキシル基で置換されたピリジン環を有する化合物とを含む着色組成物を用いて、カラーフィルタを製造することが記載されている。特許文献1によれば、所定の置換基を有するフタロシアニン化合物(特定フタロシアニン化合物ともいう)と、カルボキシル基で置換されたピリジン環を有する化合物(特定ピリジン化合物)とを共存させることで、特定フタロシアニン化合物が会合体を形成して凝集することを抑制でき、輝度などに優れるカラーフィルタを製造できると記載されている。
特開2015−72440号公報
近年において、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収化合物を含む組成物を用いて、近赤外線カットフィルタなどの光学フィルタを製造する試みがなされている。このような光学フィルタにおいて、近赤外領域の光の遮蔽性などの近赤外領域の分光のさらなる向上が近年望まれている。光学フィルタにおける近赤外領域の分光を向上させる方法の一つとして、膜中における近赤外線吸収化合物の濃度を高める方法がある。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、近赤外線吸収化合物を含む組成物を用いて膜を形成した場合、膜の形成時に近赤外線吸収化合物が凝集しやすい傾向にあることが分かった。また、近赤外線吸収化合物の濃度を高めるに伴い、膜の形成時に近赤外線吸収化合物がより凝集しやすい傾向にあった。膜中の近赤外線吸収化合物の凝集物のサイズが大きくなると、膜をパターン形成した際に、膜中に存在する近赤外線吸収化合物の凝集物が、現像液などに溶解したり、パターン形成中に剥落などが生じやすくなり、近赤外線吸収化合物の凝集物が存在していた箇所に、近赤外線吸収化合物の凝集物のサイズの孔が生じる恐れがある。
なお、特許文献1は、フタロシアニン化合物を含む着色組成物を用いて、カラーフィルタを製造することを目的とした出願であって、近赤外線吸収化合物についての記載や示唆はない。
よって、本発明の目的は、近赤外領域の分光に優れ、近赤外線吸収化合物の凝集が抑制された膜を製造可能な組成物、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサを提供することにある。
本発明者は、単環または縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収化合物について鋭意検討したところ、前述の近赤外線吸収化合物と、芳香族炭化水素環および複素環から選ばれる少なくとも1種の環を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有さない化合物とを併用することで、膜中における前述の近赤外線吸収化合物の凝集を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下を提供する。
<1> 単環または縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収化合物と、
芳香族炭化水素環および複素環から選ばれる少なくとも1種の環を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有さない凝集抑制剤とを含む、組成物。
<2> 凝集抑制剤は、ベンゼン環、ベンゼン環を含む縮合環および含窒素複素環から選ばれる少なくとも1種の環を含む、<1>に記載の組成物。
<3> 凝集抑制剤は、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ピリミジン環、キナゾリン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、インドール環、イソインドール環、フルオレン環およびカルバゾール環から選ばれる少なくとも1種の環を含む、<1>または<2>に記載の組成物。
<4> 近赤外線吸収化合物が有するπ共役平面は、単環または縮合環の芳香族環を2個以上含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の組成物。
<5> 近赤外線吸収化合物が、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<4>のいずれかに記載の組成物。
<6> さらに、樹脂を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載の組成物。
<7> さらに、重合性化合物および光重合開始剤を含む、<1>〜<6>のいずれかに記載の組成物。
<8> さらに、近赤外領域の光の少なくとも一部を透過し、かつ、可視領域の光を遮光する色材を含む、<1>〜<7>のいずれかに記載の組成物。
<9> <1>〜<8>のいずれかに記載の組成物を用いた、膜。
<10> <9>に記載の膜を有する、光学フィルタ。
<11> 光学フィルタが、近赤外線カットフィルタまたは赤外線透過フィルタである、<10>に記載の光学フィルタ。
<12> <9>に記載の膜の画素と、
赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる少なくとも1種の画素とを有する、<10>または<11>に記載の光学フィルタ。
<13> <9>に記載の膜と、有彩色着色剤を含むカラーフィルタとを有する積層体。
<14> <9>に記載の膜を有する、固体撮像素子。
<15> <9>に記載の膜を有する、画像表示装置。
<16> <9>に記載の膜を有する、赤外線センサ。
本発明によれば、近赤外領域の分光に優れ、近赤外線吸収化合物の凝集が抑制された膜を製造可能な組成物、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサを提供することが可能になった。
赤外線センサの一実施形態を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において、「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルを表し、「(メタ)アリル」は、アリルおよびメタリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算値として定義される。
本明細書において、近赤外線とは、極大吸収波長領域が波長700〜2,500nmの光(電磁波)をいう。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程を表すだけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、染料とは、溶剤に対して溶解する化合物を意味する。本発明に用いられる染料は、23℃のシクロペンタノン、シクロヘキサノン、および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも1種の溶剤100gに対する溶解度が、1g以上であることが好ましく、2g以上であることがより好ましく、5g以上であることがさらに好ましい。
本明細書において、顔料とは、溶剤に対して溶解しにくい化合物を意味する。例えば、顔料は、23℃のシクロペンタノン、シクロヘキサノン、および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのいずれかの溶剤100gに対する溶解度が、0.1g以下であることが好ましく、0.01g以下であることがより好ましい。
<組成物>
本発明の組成物は、
単環または縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有する、近赤外線吸収化合物と、
芳香族炭化水素環および複素環から選ばれる少なくとも1種の環を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有さない凝集抑制剤とを含む。
本発明の組成物によれば、近赤外領域の分光に優れ、近赤外線吸収化合物の凝集が抑制された膜を製造することができる。また、本発明によれば、近赤外線吸収化合物の濃度を高めても、膜中における近赤外線吸収化合物の凝集を効果的に抑制することができる。このため、本発明によれば、近赤外線吸収化合物の濃度を高めつつ、近赤外線吸収化合物の凝集が抑制された膜を効果的に製造することができる。
このような効果が得られるメカニズムは、詳細な理由は不明であるが、凝集抑制剤の芳香族炭化水素環および/または複素環と、近赤外線吸収化合物のπ共役平面における芳香族環との相互作用によるものと推測される。すなわち、前述の相互作用により、膜中において、近赤外線吸収化合物のJ会合体の会合性を抑制しつつ、近赤外線吸収化合物のJ会合性が適度に保持され、近赤外線吸収化合物の凝集サイズが小さくなったためであると推測される。このため、本発明の組成物を用いることで、近赤外領域の分光に優れ、近赤外線吸収化合物の凝集が抑制された膜を製造することができる。
以下、本発明の組成物の各成分について説明する。
<<近赤外線吸収化合物>>
本発明の組成物は、単環または縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収化合物を含む。なお、本発明において、芳香族環は、芳香族炭化水素環および芳香族複素環を含む。
本発明において、近赤外線吸収化合物は、顔料であってもよく、染料であってもよいが、染料であることが好ましい。染料タイプの近赤外線吸収化合物を用いた場合において、本発明の効果が特に顕著に得られる。
本発明において、近赤外線吸収化合物が有する芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ペリレン環、ペンタセン環、クアテリレン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ピリミジン環、キナゾリン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、インドール環、イソインドール環、カルバゾール環、および、これらの環を有する縮合環が挙げられる。
近赤外線吸収化合物が有するπ共役平面は、単環または縮合環の芳香族環を2個以上含むことが好ましく、3個以上含むことがより好ましく、4個以上含むことがさらに好ましく、5個以上含むことが特に好ましい。上限は、100個以下が好ましく、50個以下がより好ましく、30個以下がさらに好ましい。
本発明において、近赤外線吸収化合物の極大吸収波長は、660〜1,000nmの範囲に有することが好ましく、670〜1,000nmの範囲に有することがより好ましく、700〜1,000nmの範囲に有することがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「波長650〜1,000nmの範囲に極大吸収波長を有する」とは、近赤外線吸収化合物の溶液での吸収スペクトルにおいて、波長650〜1,000nmの範囲に最大の吸光度を示す波長を有することを意味する。近赤外線吸収化合物の溶液での吸収スペクトルの測定に用いる測定溶媒としては、クロロホルム、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、テトラヒドロフランが挙げられる。クロロホルムで溶解する化合物の場合は、クロロホルムを測定溶媒として用いる。クロロホルムで溶解しない化合物の場合は、メタノールを用いる。また、クロロホルムおよびメタノールのいずれにも溶解しない場合はジメチルスルホキシドを用いる。
本発明において、近赤外線吸収化合物は、波長500nmにおける吸光度A1と、極大吸収波長における吸光度A2との比率A1/A2が、0.08以下であることが好ましく、0.04以下であることがより好ましい。この態様によれば、本発明の組成物から可視透明性と赤外線遮蔽性に優れた膜を製造しやすい。なお、波長500nmにおける吸光度A1、および、極大吸収波長における吸光度A2は、近赤外線吸収化合物の溶液での吸収スペクトルから求めた値である。
本発明において、近赤外線吸収化合物は、極大吸収波長の異なる少なくとも2種の化合物を用いることも好ましい。この態様によれば、膜の吸収スペクトルの波形が、1種類の近赤外線吸収化合物を使用した場合に比べて広がり、幅広い波長範囲の近赤外線を遮蔽することができる。極大吸収波長の異なる少なくとも2種の化合物を用いる場合、波長650〜1,000nmの範囲に極大吸収波長を有する第1の近赤外線吸収化合物と、第1の近赤外線吸収化合物の極大吸収波長よりも短波長側であって、波長650〜1000nmの範囲に極大吸収波長を有する第2の近赤外線吸収化合物とを少なくとも含み、第1の近赤外線吸収化合物の極大吸収波長と、第2の近赤外線吸収化合物の極大吸収波長との差が、1〜150nmであることが好ましい。
本発明において、近赤外線吸収化合物は、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クアテリレン化合物、メロシアニン化合物、クロコニウム化合物、オキソノール化合物、ジイモニウム化合物、ジチオール化合物、トリアリールメタン化合物、ピロメテン化合物、アゾメチン化合物、アントラキノン化合物およびジベンゾフラノン化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物およびクアテリレン化合物から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、ピロロピロール化合物が特に好ましい。
ピロロピロール化合物としては、例えば、特開2009−263614号公報の段落番号0016〜0058に記載の化合物などが挙げられる。フタロシアニン化合物としては、オキシチタニウムフタロシアニン顔料などが挙げられる。フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イモニウム化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物およびクロコニウム化合物として、特開2010−111750号公報の段落番号0010〜0081に記載の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。また、シアニン化合物は、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
(ピロロピロール化合物)
近赤外線吸収化合物として用いるピロロピロール化合物としては、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
式(I)中、AおよびAは、それぞれ独立にヘテロアリール基を表し、
およびBは、それぞれ独立に−BR基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に置換基を表し、RとRは互いに結合して環を形成してよく、
およびCは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
およびDは、それぞれ独立に置換基を表す。
式(I)において、AおよびAは、それぞれ独立に、ヘテロアリール基を表す。AとAは、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。AとAは、同一の基であることが好ましい。
ヘテロアリール基は、単環、または、縮合環が好ましく、単環、または、縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環、または、縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がさらに好ましく、3〜10が特に好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。
ヘテロアリール基は、下記式(A−1)で表される基、および、下記式(A−2)で表される基が好ましい。
式(A−1)において、Xは、それぞれ独立に、O、S、NRX1またはCRX2X3を表し、RX1〜RX3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RとRは、互いに結合して環を形成してよい。*は、式(I)との結合位置を表す。
、RおよびRX1〜RX3が表す置換基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられ、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。アルキル基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アリール基等が挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。アリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アルキル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
とRが結合して形成する環は、芳香族環が好ましい。RとRとが環を形成する場合、式(A−1)で表される基として、式(A−1−1)で表される基、式(A−1−2)で表される基などが挙げられる。
式中、Xは、それぞれ独立に、O、S、NRX1またはCRX2X3を表し、RX1〜RX3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、R101〜R109は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。*は、式(I)との結合位置を表す。
式(A−2)において、Y〜Yは、それぞれ独立に、NまたはCRY1を表し、Y〜Yの少なくとも2つはCRY1であり、RY1は、水素原子または置換基を表し、隣接するRY1同士は互いに結合して環を形成してもよい。*は、式(I)との結合位置を表す。
Y1が表す置換基としては、上述した置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。アルキル基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アリール基等が挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。アリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アルキル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
〜Yの少なくとも2つはCRY1であり、隣接するRY1同士は互いに結合して環を形成してもよい。隣接するRY1同士が結合して形成する環は、芳香族環が好ましい。隣接するRY1同士が環を形成する場合、式(A−2)で表される基として、式(A−2−1)〜(A−2−5)で表される基などが挙げられる。
式中、R201〜R227は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、*は、式(I)との結合位置を表す。
およびAの具体例としては、以下が挙げられる。以下において、Buはブチル基を表す。
式(I)において、BおよびBは、それぞれ独立に−BR基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に置換基を表す。RとRは互いに結合して環を形成してもよい。置換基としては、上述したAおよびAで説明した基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基がより好ましく、アリール基またはヘテロアリール基がさらに好ましい。RとRは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。RとRは、同一の基であることが好ましい。また、BとBは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。BとBは同一の基であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましい。上限は、例えば、30以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルコキシ基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましい。上限は、例えば、30以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの詳細については、前述したものが挙げられる。
ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がさらに好ましく、3〜5が特に好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの詳細については、前述したものが挙げられる。
−BR基のRとRは、互いに結合して環を形成していてもよい。例えば、下記(B−1)〜(B−4)に示す構造などが挙げられる。以下において、Rは置換基を表し、Ra1〜Ra4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、m1〜m3は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、*は、式(I)との結合位置を表す。RおよびRa1〜Ra4が表す置換基としては、RおよびRで説明した置換基が挙げられ、ハロゲン原子およびアルキル基が好ましい。
およびBの具体例としては、以下が挙げられる。以下において、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表す。
式(I)において、CおよびCは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表す。CとCは、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。CとCは、同一の基であることが好ましい。CおよびCは、それぞれ独立に、アリール基、またはヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜25が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましい。フェニル基またはナフチル基が特に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がさらに好ましい。
上述したアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基を有していることが好ましい。
置換基としては、酸素原子を含んでもよい炭化水素基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基などが挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。分岐のアルキル基の炭素数は、3〜40が好ましい。下限は、例えば、5以上がより好ましく、8以上がさらに好ましく、10以上が一層好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。分岐のアルキル基の分岐数は、例えば、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。分岐のアルケニル基の炭素数は、3〜40が好ましい。下限は、例えば、5以上がより好ましく、8以上がさらに好ましく、10以上が一層好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。分岐のアルケニル基の分岐数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。
酸素原子を含む炭化水素基としては、−L−Rx1で表される基が挙げられる。
Lは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−(ORx2−または−(Rx2O)−を表す。Rx1は、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。Rx2は、アルキレン基またはアリーレン基を表す。mは2以上の整数を表し、m個のRx2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Lは、−O−、−(ORx2−または−(Rx2O)−が好ましく、−O−がより好ましい。
x1が表すアルキル基、アルケニル基、アリール基は上述したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。Rx1は、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
x2が表すアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。アルキレン基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。Rx2が表すアリーレン基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。Rx2はアルキレン基が好ましい。
mは2以上の整数を表し、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。
アルキル基、アリール基およびヘテロアリール基が有してもよい置換基は、分岐アルキル構造を有する基が好ましい。また、置換基は、酸素原子を含んでもよい炭化水素基が好ましく、酸素原子を含む炭化水素基がより好ましい。酸素原子を含む炭化水素基は、−O−Rx1で表される基が好ましい。Rx1は、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましく、分岐のアルキル基が特に好ましい。すなわち、置換基は、アルコキシ基がより好ましく、分岐のアルコキシ基が特に好ましい。置換基が、アルコキシ基であることにより、耐熱性および耐光性にすぐれた膜が得られやすい。アルコキシ基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。アルコキシ基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。分岐のアルコキシ基の炭素数は、3〜40が好ましい。下限は、例えば、5以上がより好ましく、8以上がさらに好ましく、10以上が一層好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。分岐のアルコキシ基の分岐数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましい。
およびCの具体例としては、以下が挙げられる。以下において、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表す。
式(I)において、DおよびDは、それぞれ独立に、置換基を表す。DとDは、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。DとDは、同一の基であることが好ましい。
置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられる。DおよびDは、電子求引性基が好ましい。
ハメット(Hammett)の置換基定数σ値(シグマパラ値)が正の置換基は、電子求引性基として作用する。本発明においては、ハメットのσ値が0.2以上の置換基を電子求引性基として例示することができる。置換基のσ値は、好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.35以上である。上限は特に制限はないが、好ましくは0.80以下である。電子求引性基の具体例としては、シアノ基(0.66)、カルボキシル基(−COOH:0.45)、アルコキシカルボニル基(例えば、−COOMe:0.45)、アリールオキシカルボニル基(例えば、−COOPh:0.44)、カルバモイル基(例えば、−CONH:0.36)、アルキルカルボニル基(例えば、−COMe:0.50)、アリールカルボニル基(例えば、−COPh:0.43)、アルキルスルホニル基(例えば、−SOMe:0.72)、アリールスルホニル基(例えば、−SOPh:0.68)などが挙げられる。シアノ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基が好ましく、シアノ基がより好ましい。ここで、Meはメチル基を、Phはフェニル基を表し、かっこ内の数値はσ値である。ハメットのσ値については、特開2009−263614号公報の段落番号0024〜0025を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
およびDの具体例としては、以下が挙げられる。
ピロロピロール化合物は、下記式(II)で表される化合物、または、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。この態様によれば、赤外線遮蔽性および耐光性に優れたパターンを形成しやすい。
式(II)中、XおよびXは、それぞれ独立に、O、S、NRX1またはCRX2X3を表し、RX1〜RX3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、
〜Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、
とR、または、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、
およびBは、それぞれ独立に−BR基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に置換基を表し、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、
およびCは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
およびDは、それぞれ独立に置換基を表す。
式(II)のB、B、C、C、DおよびDは、式(I)のB、B、C、C、DおよびDと同義であり、好ましい範囲も同様である。式(II)のX、XおよびR〜Rは、上述した式(A−1)のX、RおよびRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(III)中、Y〜Yは、それぞれ独立に、NまたはCRY1を表し、Y〜Yの少なくとも2つはCRY1であり、Y〜Yの少なくとも2つはCRY1であり、RY1は、水素原子または置換基を表し、隣接するRY1同士は互いに結合して環を形成してもよく、
およびBは、それぞれ独立に−BR基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に置換基を表し、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、
およびCは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
およびDは、それぞれ独立に置換基を表す。
式(III)のB、B、C、C、DおよびDは、式(I)のB、B、C、C、DおよびDと同義であり、好ましい範囲も同様である。式(III)のY〜Yは、上述した式(A−2)のY〜Yと同義であり、好ましい範囲も同様である。
ピロロピロール化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。以下の構造式において、Phはフェニル基を表し、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表す。また、ピロロピロール化合物の具体例としては、特開2009−263614号公報の段落番号0049〜0058に記載の化合物も挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
(スクアリリウム化合物)
本発明において、近赤外線吸収化合物として用いるスクアリリウム化合物は、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
式(1)中、AおよびAは、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基、または下記式(2)で表される基を表す;
式(2)中、Zは、含窒素複素環を形成する非金属原子団を表し、Rは、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、dは、0または1を表し、波線は式(1)との連結手を表す。
式(1)におけるAおよびAは、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基、または式(2)で表される基を表し、式(2)で表される基が好ましい。
およびAが表すアリール基の炭素数は、6〜48が好ましく、6〜24がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
およびAが表すヘテロアリール基としては、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましく、単環または縮合数が2または3の縮合環が特に好ましい。ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が例示され、窒素原子、硫黄原子が好ましい。ヘテロ原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。具体的には、窒素原子、酸素原子および硫黄原子の少なくとも一つを含有する5員環または6員環等の単環、多環芳香族環から誘導されるヘテロアリール基などが挙げられる。
アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基およびヘテロアリール基が置換基を2個以上有する場合、複数の置換基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCOR13、−NR1415、−NHCOR16、−CONR1718、−NHCONR1920、−NHCOOR21、−SR22、−SO23、−SOOR24、−NHSO25、および−SONR2627が挙げられる。R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、−COOR12のR12が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。また、−SOOR24のR24が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8がさらに好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜25がさらに好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜25がさらに好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がさらに好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられる。
次に、AおよびAが表す式(2)で表される基について説明する。
式(2)において、Rは、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、アルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12がさらに好ましく、2〜8が特に好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜12がさらに好ましい。
アルキル基およびアルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アラルキル基の炭素数は7〜30が好ましく、7〜20がより好ましい。
式(2)において、Zにより形成される含窒素複素環としては、5員環または6員環が好ましい。また、含窒素複素環は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましく、縮合数が2または3の縮合環が特に好ましい。含窒素複素環は、窒素原子の他に、硫黄原子を含んでいてもよい。また、含窒素複素環は置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられる。例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子およびアルキル基がより好ましい。ハロゲン原子は、塩素原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましい。
式(2)で表される基は、下記式(3)または式(4)で表される基であることが好ましい。
式(3)および(4)中、R11は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、R12は、置換基を表し、mが2以上の場合は、R12同士は、連結して環を形成してもよく、Xは、窒素原子、または、CR1314を表し、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、mは、0〜4の整数を表し、波線は式(1)との連結手を表す。
式(3)および(4)におけるR11は、式(2)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(3)および(4)におけるR12は、置換基を表す。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基がより好ましい。ハロゲン原子は塩素原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましい。
mが2以上の場合、R12同士は、連結して環を形成してもよい。環としては、脂環(非芳香性の炭化水素環)、芳香族環、複素環などが挙げられる。環は単環であってもよく、多環であってもよい。置換基同士が連結して環を形成する場合の連結基としては、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の不飽和鎖式炭化水素基およびそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、R12同士が連結してベンゼン環を形成していることが好ましい。
式(3)におけるXは、窒素原子、または、CR1314を表し、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。例えば、アルキル基などが挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が特に好ましく、1が最も好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。
mは、0〜4の整数を表し、0〜2が好ましい。
なお、式(1)において、カチオンは、以下のように非局在化して存在している。
本発明において近赤外線吸収化合物として用いるスクアリリウム化合物は、下記式(5)で表される化合物が好ましい。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香族環または複素芳香族環を表し、
およびXはそれぞれ独立に置換基を表し、
およびGはそれぞれ独立に置換基を表し、
kAは0〜n、kBは0〜nの整数を表し、
およびnはそれぞれ環Aまたは環Bに置換可能な最大の整数を表し、
とG、XとGは互いに結合して環を形成しても良く、GおよびGがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環構造を形成していても良い。
およびGはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。
およびXはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基は、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられ、活性水素を有する基が好ましく、−OH、−SH、−COOH、−SOH、−NRX1X2、−NHCORX1、−CONRX1X2、−NHCONRX1X2、−NHCOORX1、−NHSOX1、−B(OH)および−PO(OH)がより好ましく、−OH、−SHおよび−NRX1X2がさらに好ましい。
X1およびRX1は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、および、ヘテロアリール基が挙げられ、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖または分岐が好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、および、ヘテロアリール基の詳細については、上述した置換基の欄で説明した範囲と同義である。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香族環または複素芳香族環を表す。
芳香族環および複素芳香族環は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。
芳香族環および複素芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、および、フェナジン環が挙げられ、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましい。
芳香族環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。
とG、XとGは互いに結合して環を形成しても良く、GおよびGがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環を形成していても良い。
環としては、5員環または6員環が好ましい。環は単環であってもよく、多環であってもよい。
とG、XとG、G同士またはG同士が結合して環を形成する場合、これらが直接結合して環を形成してもよく、アルキレン基、−CO−、−O−、−NH−、−BR−、またはそれらの組み合わせである2価の連結基を介して結合して環を形成してもよい。XとG、XとG、G同士またはG同士が、−BR−を介して結合して環を形成することが好ましい。
Rは、水素原子または置換基を表す。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられ、アルキル基またはアリール基が好ましい。
kAは0〜nAの整数を表し、kBは0〜nBの整数を表し、nAは、A環に置換可能な最大の整数を表し、nBは、B環に置換可能な最大の整数を表す。
kAおよびkBは、それぞれ独立に0〜4が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が特に好ましい。
スクアリリウム化合物の一実施形態として下記式(6)で表される化合物が挙げられる。この化合物は、耐熱性に優れている。
式(6)
式中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を表し、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基を表し、
およびXは、それぞれ独立に、−O−、または、−N(R)−を表し、
は、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
〜Yは、それぞれ独立に、置換基を表し、YとY、および、YとYは、互いに結合して環を形成していてもよく、
〜Yは、それぞれ複数有する場合は、互いに結合して環を形成していてもよく、
pおよびsは、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、
qおよびrは、それぞれ独立に0〜2の整数を表す。
、R、Y〜Yが表す置換基は、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
およびXは、それぞれ独立に、−O−、または、−N(R)−を表す。XとXは同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
は、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
は、水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましい。Rが表すアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜2が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐のいずれでもよい。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。
ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がさらに好ましい。
スクアリリウム化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。また、特開2011−208101号公報の段落番号0044〜0049に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
(シアニン化合物)
本発明において、近赤外線吸収化合物として用いるシアニン化合物は、下記式(C)で表される化合物が好ましい。
式(C)
式(C)中、ZおよびZは、それぞれ独立に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団であり、
101およびR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表し、
aおよびbは、それぞれ独立に、0または1であり、
aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、Xはアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、Xはカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、cは0である。
式(C)において、ZおよびZは、それぞれ独立に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団を表す。含窒素複素環には、他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素複素環は、5員環が好ましい。5員の含窒素複素環に、ベンゼン環またはナフタレン環が縮合している構造がさらに好ましい。含窒素複素環の具体例としては、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジベンゾフラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環、キノキサリン環等が挙げられ、キノリン環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が好ましく、インドレニン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が特に好ましい。含窒素複素環およびそれに縮合している環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、式(1)で説明した置換基が挙げられる。
式(C)において、R101およびR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8がさらに好ましい。アルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルキニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8がさらに好ましい。アルキニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アリール基の炭素数は、6〜25が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。アリール基は無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜25がさらに好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基およびアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられ、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。カルボキシル基およびスルホ基は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。
式(C)において、Lは、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表す。Lは、3個、5個または7個のメチン基を有するメチン鎖が好ましい。
メチン基は置換基を有していてもよい。置換基を有するメチン基は、中央の(メソ位の)メチン基であることが好ましい。置換基の具体例としては、ZおよびZの含窒素複素環が有してもよい置換基、および、下記式(a)で表される基などが挙げられる。また、メチン鎖の二つの置換基が結合して5または6員環を形成しても良い。
式(a)中、*は、メチン鎖との連結手を表し、Aは、−O−を表す。
式(C)において、aおよびbは、それぞれ独立に、0または1である。aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合する。aおよびbはともに0であることが好ましい。なお、aおよびbがともに0の場合は、式(C)は以下のように表される。
式(C)において、式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、Xはアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。アニオンの例としては、ハライドイオン(Cl、Br、Iなど)、パラトルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF 、BF 、ClO 、トリス(ハロゲノアルキルスルホニル)メチドアニオン(例えば、(CFSO)、ジ(ハロゲノアルキルスルホニル)イミドアニオン(例えば、(CFSO)、テトラシアノボレートアニオンなどが挙げられる。
式(C)において、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、Xはカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。カチオンとしては、アルカリ金属イオン(Li、Na、Kなど)、アルカリ土類金属イオン(Mg2+、Ca2+、Ba2+、Sr2+など)、遷移金属イオン(Ag、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+など)、その他の金属イオン(Al3+など)、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、グアニジニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、ジアザビシクロウンデセニウムイオンなどが挙げられる。カチオンとしては、Na、K、Mg2+、Ca2+、Zn2+、ジアザビシクロウンデセニウムイオンが好ましい。
式(C)において、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、Xは存在しない。すなわち、cは0である。
シアニン化合物は、下記式(C−1)〜(C−3)で表される化合物であることも好ましい。
式中、R1A、R2A、R1BおよびR2Bは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
1AおよびL1Bは、それぞれ独立に奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表し、
およびYは、それぞれ独立に、−S−、−O−、−NRX1−または−CRX2X3−を表し、
X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、
1A、V2A、V1BおよびV2Bは、それぞれ独立に、置換基を表し、
m1およびm2は、それぞれ独立に、0〜4を表し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、Xはアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、
式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、Xはカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、
式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、Xは存在しない。
1A、R2A、R1BおよびR2Bが表す基は、式(C)のR101およびR102で説明したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。これらの基は無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられ、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。カルボキシル基およびスルホ基は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。R1A、R2A、R1BおよびR2Bがアルキル基を表す場合は、直鎖のアルキル基であることがより好ましい。
およびYは、それぞれ独立に、−S−、−O−、−NRX1−または−CRX2X3−を表し、−NRX1−が好ましい。RX1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。アルキル基は、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
1AおよびL1Bは、式(C)のLと同義であり、好ましい範囲も同様である。
1A、V2A、V1BおよびV2Bが表す置換基は、上述した置換基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
m1およびm2は、それぞれ独立に、0〜4を表し、0〜2が好ましい。
が表すアニオンおよびカチオンは、式(C)のXで説明した範囲と同義であり、好ましい範囲も同様である。
シアニン化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。また、特開2015−172004号公報および特開2015−172102号公報に記載の化合物が挙げられる。
本発明の組成物において、近赤外線吸収化合物の含有量は、組成物の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましい。上限は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。近赤外線吸収化合物は1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<凝集抑制剤>>
本発明の組成物は、凝集抑制剤を含有する。本発明において、凝集抑制剤としては、芳香族炭化水素環および複素環から選ばれる少なくとも1種の環を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有さない化合物を用いる。
凝集抑制剤は、溶剤に溶解する化合物であることが好ましい。例えば、23℃のシクロペンタノン、シクロヘキサノン、および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも1種の溶剤100gに対する溶解度が、1g以上であることが好ましく、5g以上であることがより好ましい。
凝集抑制剤が有する芳香族炭化水素環および複素環は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。縮合環の縮合数は、2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。
凝集抑制剤が有する複素環は、含窒素複素環であることが好ましい。また、複素環は、芳香族複素環であることが好ましい。また、複素環の環を構成するヘテロ原子の数は、1〜3個が好ましい。また、複素環の環を構成するヘテロ原子の種類としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。凝集抑制剤が有する複素環は、含窒素複素環であることが好ましい。また、凝集抑制剤が有する複素環は、芳香族複素環であることが好ましい。
本発明において、凝集抑制剤は、ベンゼン環、ベンゼン環を含む縮合環および含窒素複素環から選ばれる少なくとも1種の環を含むことが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ピリミジン環、キナゾリン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、インドール環、イソインドール環、フルオレン環およびカルバゾール環から選ばれる少なくとも1種の環を含むことがより好ましく、ピリジン環、キノリン環、および、イソキノリン環がより好ましい。
また、凝集抑制剤が有する環は、近赤外線吸収化合物が有する芳香族炭化水素環または複素環と同様の芳香族炭化水素環または複素環を有することも好ましい。この態様によれば、近赤外線吸収化合物の凝集を効果的に抑制することができる。
凝集抑制剤として、上記の環を有する化合物を用いることが好ましい理由としては、下記の通りである。近赤外線吸収化合物の凝集を抑制するためには、近赤外線吸収化合物の会合を抑制することが必要である。凝集抑制剤として、構造内に近赤外線吸収化合物とπ−π相互作用する構造を少なくとも1か所以上有している化合物を用いることで、膜中での近赤外線吸収化合物の凝集を抑制でき、近赤外線吸収化合物の凝集サイズを小さくすることができる。例として、近赤外線吸収化合物の具体例として挙げた上述のピロロピロール化合物は、π平面に芳香族炭化水素環および/または複素環と、ピロロピロール骨格を有する。ピロロピロール化合物と相互作用するには、芳香族炭化水素環および/または複素環(好ましくは、含窒素複素環)が必要となる。このため、上述の環を有する化合物を凝集抑制剤として用いることで、近赤外線吸収化合物の会合を効果的に抑制でき、近赤外線吸収化合物の凝集サイズを効果的に抑制できる。
本発明において、凝集抑制剤は、下記式(b1−1)で表される化合物、および、下記式(b2−1)で表される部分構造を有する化合物、下記式(b3−1)で表される部分構造を有する化合物、および、下記式(b4−1)で表される部分構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
−(Rb1m1 ・・・(b1−1)
式(b1−1)において、Bは、芳香族炭化水素環または複素環を表し、Rb1は置換基を表し、m1は0〜mAの整数を表し、mAは、Bに置換可能な最大の整数を表す;m1が2以上の場合は、2個以上のRb1は同一であってもよく、異なっていてもよい。
*−B−(Rb2m2 ・・・(b2−1)
式(b2−1)において、*は、化合物を構成する他の原子または原子団との連結手を表し、Bは、芳香族炭化水素環または複素環を表し、Rb2は置換基を表し、m2は0〜mBの整数を表し、mBは、Bに置換可能な最大の整数を表す;m2が2以上の場合は、2個以上のRb2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(b3−1)において、*は、化合物を構成する他の原子または原子団との連結手を表し、
およびBは、それぞれ独立に、芳香族炭化水素環または複素環を表し、
b3およびRb3は、それぞれ独立に、置換基を表し、
は、単結合または2価の連結基を表し、
m3は、0〜mCの整数を表し、mCは、Bに置換可能な最大の整数を表し、
m4は、0〜mDの整数を表し、mDは、Bに置換可能な最大の整数を表す。
m3が2以上の場合は、2個以上のRb3は同一であってもよく、異なっていてもよい。
m4が2以上の場合は、2個以上のRb4は同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(b4−1)において、*および*は、化合物を構成する他の原子または原子団との連結手を表し、
およびBは、それぞれ独立に、芳香族炭化水素環または複素環を表し、
b5およびRb6は、それぞれ独立に、置換基を表し、
は、単結合または2価の連結基を表し、
m5は、0〜mEの整数を表し、mEは、Bに置換可能な最大の整数を表し、
m6は、0〜mFの整数を表し、mFは、Bに置換可能な最大の整数を表す。
m5が2以上の場合は、2個以上のRb5は同一であってもよく、異なっていてもよい。
m6が2以上の場合は、2個以上のRb6は同一であってもよく、異なっていてもよい。
b1〜Rb6が表す置換基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ基などが挙げられる。これらの基は、さらに置換可能な基の場合、水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。例えば、アルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されていてもよい。
〜Bが表す芳香族炭化水素環または複素環は、ベンゼン環、ベンゼン環を含む縮合環および含窒素複素環から選ばれる少なくとも1種の環を含むことが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ピリミジン環、キナゾリン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、インドール環、イソインドール環、フルオレン環およびカルバゾール環から選ばれる少なくとも1種の環を含むことがより好ましく、ピリジン環、キノリン環、および、イソキノリン環がより好ましい。また、B〜Bは、ベンゼン環であることがさらに好ましい。B〜Bが表す芳香族炭化水素環または複素環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられる。
が表す2価の連結基としては、アルキレン基、−CO−、−O−、−NH−、−OCO−、−COO−およびこれらの組み合わせからなる基が挙げられる。
式(b1−1)において、m1は1以上の整数が好ましい。また、式(b2−1)において、m1は1以上の整数が好ましい。また、式(b3−1)において、m3およびm4は、1以上の整数が好ましい。また、式(b4−1)において、m5およびm6は、1以上の整数が好ましい。
式(b2−1)で表される部分構造を有する化合物としては、(1)複数の式(b2−1)で表される部分構造が連結基を介して結合した化合物;(2)式(b2−1)で表される部分構造が、単結合または連結基を介してポリマーの繰り返し単位に結合した化合物などが挙げられる。
式(b2−1)で表される部分構造を有する化合物が、複数の式(b2−1)で表される部分構造が連結基を介して結合した化合物である場合、連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が挙げられる。例えば、下記の構造単位または以下の構造単位が2個以上組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
式(b2−1)で表される部分構造が、単結合または連結基を介してポリマーの繰り返し単位に結合した化合物(以下、ポリマー化合物ともいう)である場合、ポリマーの繰り返し単位としては、(メタ)アクリル系繰り返し単位、ビニル系繰り返し単位などが挙げられる。なお、(メタ)アクリル系繰り返し単位とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する繰り返し単位を意味する。ビニル系繰り返し単位とは、ビニル基を有する化合物に由来する繰り返し単位を意味する。
ポリマー化合物の具体例としては、例えば以下に示す繰り返し単位を有する化合物が挙げられる。
上記式中、Rb100は、水素原子またはアルキル基を表す。Lb1は、単結合または2価の連結基を表す。Bは、芳香族炭化水素環または複素環を表し、Rb2は置換基を表し、m2は0〜mBの整数を表し、mBは、Bに置換可能な最大の整数を表す;m2が2以上の場合は、2以上のRb2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式における、B、Rb2およびm2は、(b2−1)のB、Rb2およびm2と同義である。
上記式におけるRb100が表すアルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1がさらに好ましい。上記式において、Rb100は、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記式におけるLb1が表す2価の連結基としては、アルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NR10−(R10は水素原子またはアルキル基を表し、水素原子が好ましい)、または、これらの組み合わせからなる基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。
凝集抑制剤がポリマー化合物の場合、凝集抑制剤は、式(b2−1)で表される部分構造を有する繰り返し単位の他に、他の繰り返し単位をさらに有していてもよい。他の繰り返し単位としては、後述の樹脂で説明する繰り返し単位が挙げられる。
凝集抑制剤がポリマー化合物の場合、凝集抑制剤は、式(b2−1)で表される部分構造を有する繰り返し単位を、ポリマー化合物の全繰り返し単位の5〜100モル%含むことが好ましく、15〜100モル%含むことがより好ましく、30〜100モル%含むことがさらに好ましい。
式(b3−1)で表される部分構造を有する化合物としては、(1)複数の式(b3−1)で表される部分構造が連結基を介して結合した化合物;(2)式(b3−1)で表される部分構造が、単結合または連結基を介してポリマーの繰り返し単位に結合した化合物などが挙げられる。連結基、ポリマーの繰り返し単位については、上述した内容と同義である。
式(b4−1)で表される部分構造を有する化合物は、式(b4−1)で表される部分構造を1分子中に2以上有していてもよい。すなわち、複数の式(b4−1)で表される部分構造が、単結合または連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。また、*および*の一方が、単結合または連結基を介してポリマーの繰り返し単位に結合していてもよい。
本発明において、凝集抑制剤は、実質的に分子量分布を有さない化合物であってもよく、分子量分布を有する化合物であってもよい。
凝集抑制剤として、実質的に分子量分布を有さない化合物を用いた場合、凝集抑制剤が近赤外線吸収化合物に近づきやすく、凝集抑制剤と近赤外線吸収化合物とが効果的に相互作用して、膜中における近赤外線吸収化合物の凝集を効果的に抑制することができる。
また、凝集抑制剤として、分子量分布を有する化合物を用いた場合、製膜時の加熱による膜中からの凝集抑制剤の昇華などを抑制でき、膜中における近赤外線吸収化合物の凝集をより効果的に抑制することができる。
ここで、分子量分布を有する化合物は、ポリマーなどの繰り返し単位を有する化合物が挙げられる。例えば、上述した(b2−1−1)〜(b2−1−3)で表される繰り返し単位を有する化合物などが挙げられる。
本発明において、分子量分布を実質的に有さない化合物は、分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が、1.00〜2.00である化合物が好ましく、分散度が1.00〜1.10である化合物がより好ましく、分散度が1.00〜1.05である化合物がさらに好ましく、分散度が1.00である化合物が特に好ましい。また、実質的に分子量分布を有さない化合物は、構造式から分子量が算出できる化合物であることが好ましい。
凝集抑制剤が実質的に分子量分布を有さない化合物の場合、凝集抑制剤の分子量は、100〜500が好ましい。下限は、130以上がより好ましい。上限は、450以下がより好ましい。分子量が上記範囲であれば、凝集抑制と高温でのベークによる昇華抑制を両立するという効果が期待できる。
また、凝集抑制剤が実質的に分子量分布を有さない化合物の場合、芳香族炭化水素環および複素環から選ばれる少なくとも1種の環を、1分子中に1〜10個有することが好ましく、1〜8個有することがより好ましく、1〜6個有することがさらに好ましく、1〜4個有することが特に好ましい。
凝集抑制剤の効果は、芳香族炭化水素環および複素環の数が多いほど顕著であるが、これらの環の数が多くなるに伴い、共役長が伸びる影響で可視領域に吸収を有してしまうため可視透明性が低下することがある。環の数が、上記範囲(特に1〜4個)であることが、可視透明性および凝集抑制の観点から好ましい。
凝集抑制剤が分子量分布を有する化合物の場合、凝集抑制剤の重量平均分子量は、3,000〜50,000が好ましい。下限は、5,000以上がより好ましい。上限は、40,000以下がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲であれば、J会合性と凝集抑制を両立できるという効果が期待できる。
また、凝集抑制剤が分子量分布を有する化合物の場合、凝集抑制剤は、繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。また、前述の有する繰り返し単位は、芳香族炭化水素環および複素環から選ばれる少なくとも1種の環を側鎖に有する繰り返し単位であることが好ましく、前述の環を側鎖に1〜10個有する繰り返し単位であることがさらに好ましく、前述の環を側鎖に1〜8個有する繰り返し単位であることが一層好ましく、前述の環を側鎖に1〜6個有する繰り返し単位であることが特に好ましく、前述の環を側鎖に1〜4個有する繰り返し単位であることが最も好ましい。
本発明において、凝集抑制剤の酸価は、100mgKOH/g以下が好ましく、80mgKOH/g以下がより好ましく、50mgKOH/g以下がさらに好ましく、10mgKOH/g以下が特に好ましい。この態様によれば、現像液耐性が良化するという効果が期待できる。
本発明において、凝集抑制剤は、カルボキシル基を有さない化合物であることも好ましい。この態様によれば、現像液耐性が良化することという効果が期待できる。
本発明において、凝集抑制剤はラジカル重合性基を有さない化合物であることが好ましい。この態様によれば、露光後の高温でのベーク時におけるさらなる凝集が抑制されるという効果が期待できる。ラジカル重合性基としては、ビニル基、スチリル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。
本発明において、凝集抑制剤は、酸化防止機能および/または重合禁止機能をさらに有していてもよい。
凝集抑制剤の具体例としては、例えば下記に示す化合物が挙げられる。
凝集抑制剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.5〜20質量%が好ましい。上限は、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。下限は、1質量%以上がより好ましい。
また、近赤外線吸収化合物の100質量部(近赤外線吸収化合物を2種類以上含む場合は、2種類以上の近赤外線吸収化合物の合計100質量部)に対し、凝集抑制剤を1〜200質量部含むことが好ましい。上限は、100質量部以下がより好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下が一層好ましく、38質量部以下がより一層好ましく、35質量部以下が特に好ましい。下限は、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、4.5質量部以上が一層好ましく、5質量部以上がより一層好ましく、10質量部以上が特に好ましい。
凝集抑制剤の含有量が上記の下限値以上であれば、近赤外線吸収化合物の凝集を効果的に抑制でき、近赤外線吸収化合物の凝集サイズの粗大化をより効果的に抑制することができる。また、凝集抑制剤の含有量が上記の上限値以下であれば、近赤外線吸収化合物が膜中で適度に凝集して存在でき、良好な耐光性や耐熱性が得られる。
凝集抑制剤は1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<有彩色着色剤>>
本発明の組成物は、有彩色着色剤を含有することができる。本発明において、有彩色着色剤とは、白色着色剤および黒色着色剤以外の着色剤を意味する。有彩色着色剤は、波長400nm以上650nm未満の範囲に吸収を有する着色剤が好ましい。本発明において、有彩色着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。
顔料は、有機顔料であることが好ましく、以下のものを挙げることができる。但し本発明で用いうる顔料は、これらに限定されるものではない。
カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等(以上、黄色顔料)、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等(以上、赤色顔料)、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58,59等(以上、緑色顔料)、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)、
これら有機顔料は、単独または種々組合せて用いることができる。
染料としては特に制限はなく、公知の染料が使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アントラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系等の染料が使用できる。また、これらの染料の多量体を用いてもよい。また、特開2015−028144号公報、特開2015−34966号公報に記載の染料を用いることもできる。
本発明の組成物が、有彩色着色剤を含有する場合、有彩色着色剤の含有量は、組成物の全固形分に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。下限は、例えば、0.01質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることもできる。
また、本発明の組成物は、有彩色着色剤を実質的に含有しない態様とすることもできる。有彩色着色剤を実質的に含有しない場合、有彩色着色剤の含有量が、本発明の組成物の全固形分に対して、0.005質量%以下が好ましく、0.001質量%以下がより好ましく、有彩色着色剤を含有しないことがさらに好ましい。
<<近赤外領域の光の少なくとも一部を透過し、かつ、可視領域の光を遮光する色材(可視光を遮光する色材)>>
本発明の組成物は、近赤外領域の光の少なくとも一部を透過し、かつ、可視領域の光を遮光する色材(以下、可視光を遮光する色材ともいう)を含有することもできる。
可視光を遮光する色材は、以下の(1)および(2)の少なくとも一方の要件を満たすことが好ましく、(1)の要件を満たしていることがより好ましい。
(1):2種以上の有彩色着色剤を含む態様。
(2):有機系黒色着色剤を含む態様。
有彩色着色剤としては、上述した有彩色着色剤が挙げられる。有機系黒色着色剤としては、例えば、ビスベンゾフラノン化合物、アゾメチン化合物、ペリレン化合物、アゾ化合物などが挙げられ、ビスベンゾフラノン化合物、ペリレン化合物が好ましい。ビスベンゾフラノン化合物としては、特表2010−534726号公報、特表2012−515233号公報、特表2012−515234号公報などに記載の化合物が挙げられる。例えば、BASF社製の「Irgaphor Black」が挙げられる。ペリレン化合物としては、C.I.Pigment Black31、32などが挙げられる。アゾメチン化合物としては、特開平1−170601号公報、特開平2−34664号公報などに記載の化合物が挙げられ、例えば、大日精化工業(株)製の「クロモファインブラックA1103」が挙げられる。
本発明において、可視光を遮光する色材は、例えば、波長450nm以上650nm未満の範囲における吸光度の最小値Aと、波長900〜1,300nmの範囲における吸光度の最小値Bとの比であるA/Bが4.5以上であることが好ましい。
上記の特性は、1種の素材で満たしていてもよく、複数の素材の組み合わせで満たしていてもよい。例えば、上記(1)の態様の場合、複数の有彩色着色剤を組み合わせて上記分光特性を満たしていることが好ましい。
可視光を遮光する色材として2種以上の有彩色着色剤を含む場合、有彩色着色剤は、赤色着色剤、緑色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤およびオレンジ色着色剤から選ばれる着色剤であることが好ましい。有彩色着色剤の組み合わせとしては、例えば以下が挙げられる。
(1)黄色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(2)黄色着色剤、青色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(3)黄色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(4)黄色着色剤および紫色着色剤を含有する態様
(5)緑色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(6)紫色着色剤およびオレンジ色着色剤を含有する態様
(7)緑色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(8)緑色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
各着色剤の比率(質量比)としては例えば以下が挙げられる。
本発明の組成物が、可視光を遮光する色材を含有する場合、可視光を遮光する色材の含有量は、組成物の全固形分に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。下限は、例えば、0.01質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることもできる。
また、本発明の組成物は、可視光を遮光する色材を実質的に含有しない態様とすることもできる。可視光を遮光する色材を実質的に含有しない場合、可視光を遮光する色材の含有量が、本発明の組成物の全固形分に対して、0.005質量%以下が好ましく、0.001質量%以下がより好ましく、可視光を遮光する色材を含有しないことがさらに好ましい。
<<顔料誘導体>>
本発明の組成物は、顔料を含む場合は、さらに顔料誘導体を含有することができる。顔料誘導体としては、顔料の一部が、酸性基、塩基性基またはフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物が好ましい。本発明の組成物が顔料誘導体を含有する場合、顔料誘導体の含有量は、組成物中に含まれる顔料100質量部に対し、1〜50質量部が好ましい。下限値は、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。上限値は、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。顔料誘導体の含有量が上記範囲であれば、顔料の分散性を高めて、顔料の凝集を効率よく抑制できる。顔料誘導体は1種のみでも、2種以上でもよく、2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<樹脂>>
本発明の組成物は、樹脂を含むことが好ましい。なお、樹脂は、上述した凝集抑制剤以外の成分である。樹脂は、例えば、顔料などを組成物中で分散させる用途、バインダーの用途で配合される。なお、主に顔料などを分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外を目的で使用することもできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20,000〜60,000が好ましい。下限は、25,000以上が好ましい。上限は、55,000以下が好ましい。
樹脂の分散度(Mw/Mn)は、1.1〜10.0が好ましい。下限は、1.3以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。上限は、8.0以下がより好ましく、6.0以下がさらに好ましい。
樹脂のガラス転移温度は、0〜100℃が好ましい。下限は、10℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。上限は、95℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましい。なお、本発明において、樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(セイコーインスツルメンツ製、DSC1000)を用い、サンプルパンに試料5mg秤量し、窒素気流中で−20℃から200℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し測定した値である。ベースラインが偏奇し始める温度と、新たにべースラインに戻る温度との平均値を樹脂のガラス転移温度とした。
樹脂の種類としては、(メタ)アクリル樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリシロキサン樹脂が挙げられ、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。これらの樹脂から選択される1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
樹脂は、酸基を有していてもよい。酸基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。酸基を有する樹脂はアルカリ可溶性樹脂として用いることもできる。以下、酸基を有する樹脂をアルカリ可溶性樹脂ともいう。
アルカリ可溶性樹脂としては、側鎖にカルボキシル基を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシル基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものが挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられ、ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等が挙げられる。また、他のモノマーとして、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーを用いることもできる。これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体を好ましく用いることができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体なども好ましく用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および/または下記式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分を重合してなるポリマーを含むことも好ましい。
式(ED1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1〜30の有機基を表す。式(ED2)の具体例としては、特開2010−168539号公報の記載を参酌できる。
式(ED1)中、RおよびRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、tert−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。エーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(X)で示される化合物に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
式(X)において、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、Rは、水素原子、またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。
上記式(X)において、Rのアルキレン基の炭素数は、2〜3が好ましい。また、Rのアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10であり、Rのアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。Rで表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、特開2012−208494号公報の段落番号0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0685〜0700)の記載、および特開2012−198408号公報の段落番号0076〜0099の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、下記の樹脂が挙げられる。以下の構造式中Meはメチル基を表す。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上がさらに好ましい。上限は、150mgKOH/g以下がより好ましく、120mgKOH/g以下がさらに好ましい。
樹脂(アルカリ可溶性樹脂を含む)は、硬化性基を有していてもよい。硬化性基としては、エチレン性不飽和結合を有する基、エポキシ基、メチロール基、アルコキシシリル基等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などが挙げられる。アルコキシシリル基としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基が挙げられる。
硬化性基を有する繰り返し単位としては、下記式(A2−1)〜(A2−4)で表される繰り返し単位などが挙げられる。
は、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1がさらに好ましい。Rは、水素原子またはメチル基が好ましい。
51は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NR10−(R10は、水素原子またはアルキル基を表し、水素原子が好ましい)、または、これらの組み合わせからなる基が挙げられ、アルキレン基、アリーレン基およびアルキレン基の少なくとも1つと−O−との組み合わせからなる基が好ましい。アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。アルキレン基は、置換基を有していてもよいが、無置換が好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。アリーレン基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
は、硬化性基を表す。硬化性基としては、エチレン性不飽和結合を有する基、エポキシ基、メチロール基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
硬化性基と酸基とを含有する樹脂(硬化性基を有するアルカリ可溶性樹脂)としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer.Diamond Shamrock Co.,Ltd.製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセル CF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)、アクリキュアRD−F8((株)日本触媒製)などが挙げられる。
樹脂は、下記式(A3−1)〜(A3−7)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
式中、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、L〜Lは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表し、R10〜R13は、それぞれ独立に、炭化水素基を表す。R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
は、式(A2−1)〜(A2−4)のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
〜Lは、式(A2−1)〜(A2−4)のL51と同義であり、好ましい範囲も同様である。
10〜R13が表す炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、tert−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式炭化水素基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基(アラルキル基);等が挙げられる。
14およびR15が表す置換基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられる。なかでも、R14およびR15の少なくとも一方は、シアノ基または、−COORaを表すことが好ましい。Raは、水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましい。
本発明において、樹脂は、マープルーフG−0150M、G−0105SA、G−0130SP、G−0250SP、G−1005S、G−1005SA、G−1010S、G−2050M、G−01100、G−01758(日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)、ARTON F4520(JSR(株)製)、アクリベースFF−187(藤倉化成(株))などを使用することもできる。
本発明の組成物において、樹脂の含有量は、組成物の全固形分に対し、1〜80質量%であることが好ましい。下限は、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。上限は、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。
本発明において、樹脂の含有量は、上述した凝集抑制剤100質量部に対して、100〜16000質量部が好ましい。上限は、10000質量部以下が好ましく、7000質量部以下がより好ましく、6000質量部以下がさらに好ましい。下限は、150質量部以上が好ましく、200質量部以上がより好ましく、300質量部以上がさらに好ましい。
<<重合性化合物>>
本発明の組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、ラジカルの作用により重合可能な化合物が好ましい。すなわち、重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する基を1個以上有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を2個以上有する化合物がより好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を3個以上有する化合物がさらに好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基の個数の上限は、たとえば、15個以下が好ましく、6個以下がより好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、スチリル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
重合性化合物は、モノマー、ポリマーのいずれの形態であってもよいが、モノマーが好ましい。モノマータイプの重合性化合物は、分子量が200〜3,000であることが好ましい。分子量の上限は、2、500以下がより好ましく、2,000以下がさらに好ましい。分子量の下限は、250以上がより好ましく、300以上がさらに好ましい。
重合性化合物の例としては、特開2013−253224号公報の段落番号0033〜0034の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。上記化合物としては、エチレンオキシ変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、NKエステルATM−35E;新中村化学工業(株)製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、A−DPH−12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介して結合している構造が好ましい。またこれらのオリゴマータイプも使用できる。また、特開2013−253224号公報の段落番号0034〜0038の重合性化合物の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2012−208494号公報の段落番号0477(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0585)に記載の重合性モノマー等が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としては、M−460;東亞合成(株)製)が好ましい。ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、A−TMMT)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD HDDA)も好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。例えば、RP−1040(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
重合性化合物は、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を有する重合性化合物は、多官能アルコールの一部のヒドロキシル基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシル基に酸無水物を付加反応させてカルボキシル基とするなどの方法で得られる。また、上述のヒドロキシル基に、非芳香族カルボン酸無水物などを反応させて酸基を導入しても良い。非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。酸基を有する重合性化合物としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を付加した重合性化合物がより好ましく、上述のエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールのうちの少なくとも一方である化合物がさらに好ましい。市販品としては、アロニックスM−510、M−520(東亞合成(株)製)、CBX−0、CBX−1(新中村化学工業(株)製)などが挙げられる。酸基を有する重合性化合物の酸価は、0.1〜40mgKOH/gが好ましい。下限は5mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、30mgKOH/g以下がより好ましい。
重合性化合物としては、カプロラクトン構造を有する重合性化合物も好ましい態様である。カプロラクトン構造を有する重合性化合物としては、分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物としては、下記式(Z−1)で表される化合物が好ましい。
式(Z−1)中、6個のRは、全てが式(Z−2)で表される基であるか、または6個のRのうち1〜5個が式(Z−2)で表される基であり、残余が式(Z−3)で表される基である。
式(Z−2)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、mは1または2を示し、「*」は結合手であることを示す。
式(Z−3)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。
カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(Z−1)〜(Z−3)においてm=1、式(Z−2)で表される基の数=2、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=3、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(Z−2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)等が挙げられる。
重合性化合物として、式(Z−4)または(Z−5)で表される化合物を用いることもできる。
式(Z−4)および(Z−5)中、Eは、それぞれ独立に、−((CHCHO)−、または−((CHCH(CH)O)−を表し、yは、それぞれ独立に0〜10の整数を表し、Xは、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基、水素原子、またはカルボキシル基を表す。
式(Z−4)中、(メタ)アクリロイル基の合計は3個または4個であり、mはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。
式(Z−5)中、(メタ)アクリロイル基の合計は5個または6個であり、nはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。
式(Z−4)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
式(Z−5)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、式(Z−4)または式(Z−5)中の−((CHCHO)−または−((CHCH(CH)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
式(Z−4)または式(Z−5)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、式(Z−5)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
式(Z−4)または式(Z−5)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体および/またはジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」とも称する。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
式(Z−4)、(Z−5)で表される重合性化合物の市販品としては、例えば、サートマー(株)製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬(株)製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
重合性化合物は、イソシアヌル酸エチレンオキシ変性(メタ)アクリレートも好ましい。市販品としては、アロニックスM−315、M−313(東亞合成(株)製)、NKエステルA−9300(新中村化学工業(株)製)、SR368(サートマー(株)製)などが挙げられる。また、下記化合物を用いることもできる。
重合性化合物は、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。また、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることができる。
市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学社製)、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600、ライトアクリレートDCP―A(共栄社化学(株)製)などが挙げられる。
本発明の組成物において、重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対して0.01〜50質量%であることが好ましい。下限は、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。本発明の組成物が重合性化合物を2種以上含む場合、それらの合計量は上記範囲内であることが好ましい。
<<光重合開始剤>>
本発明の組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するものなど)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素誘導体としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)に記載の化合物、英国特許1388492号明細書に記載の化合物、特開昭53−133428号公報に記載の化合物、独国特許3337024号明細書に記載の化合物、F.C.Schaefer著のJ.Org.Chem.;29、1527(1964)に記載の化合物、特開昭62−58241号公報に記載の化合物、特開平5−281728号公報に記載の化合物、特開平5−34920号公報に記載の化合物、米国特許第4212976号明細書に記載の化合物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。α−アミノケトン化合物の例としては、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。α−アミノケトン化合物の市販品としては、IRGACURE907、IRGACURE369、および、IRGACURE379(商品名:いずれもBASF社製)などが挙げられる。α−ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、IRGACURE184、DAROCUR1173、IRGACURE500、IRGACURE2959、IRGACURE127(商品名:いずれもBASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE819やIRGACURE TPO(商品名:いずれもBASF社製)が挙げられる。
光重合開始剤は、オキシム化合物を用いることも好ましい。オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物、特開2016−21012号公報に記載の化合物を用いることができる。
本発明において、好適に用いることのできるオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、および2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。また、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653〜1660、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156〜162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202〜232、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等も挙げられる。市販品ではIRGACURE OXE01、IRGACURE OXE02、IRGACURE OXE03、IRGACURE OXE04(以上、BASF社製)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−930((株)ADEKA製)、アデカオプトマーN−1919((株)ADEKA製、特開2012−14052号公報に記載の光重合開始剤2)を用いることができる。
また上記記載以外のオキシム化合物として、カルバゾール環のN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報および米国特許公開2009−292039号明細書に記載の化合物、国際公開WO2009/131189号公報に記載のケトオキシム化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号明細書に記載の化合物、405nmに吸収極大波長を有し、g線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報に記載の化合物、特開2014−137466号公報の段落番号0076〜0079に記載の化合物などを用いてもよい。
好ましくは、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0274〜0275を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
具体的には、オキシム化合物としては、下記式(OX−1)で表される化合物が好ましい。オキシム化合物は、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であってもよく、オキシムのN−O結合が(Z)体のオキシム化合物であってもよく、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
式(OX−1)中、RおよびBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、または、複素環カルボニル基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
式(OX−1)中、Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アルキニレン基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
本発明は、光重合開始剤として、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014−137466号公報に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明は、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載の化合物、特表2014−500852号公報に記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報に記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明は、光重合開始剤として、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落番号0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落番号0008〜0012および0070〜0079、特許4223071号公報の段落番号0007〜0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI−831((株)ADEKA製)が挙げられる。
本発明は、光重合開始剤として、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。具体例としては、国際公開WO2015/036910号公報に記載されるOE−01〜OE−75が挙げられる。
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、350〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、360〜480nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物がより好ましく、365nmおよび405nmの吸光度が高い化合物が特に好ましい。
オキシム化合物の365nmまたは405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤は、オキシム化合物とα−アミノケトン化合物とを含むことも好ましい。両者を併用することで、現像性が向上し、矩形性に優れたパターンを形成しやすい。オキシム化合物とα−アミノケトン化合物とを併用する場合、オキシム化合物100質量部に対して、α−アミノケトン化合物が50〜600質量部であることが好ましく、150〜400質量部がより好ましい。
光重合開始剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。この範囲で、より良好な感度とパターン形成性が得られる。本発明の組成物は、光重合開始剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<連鎖移動剤>>
本発明の組成物は、連鎖移動剤を含有することが好ましい。この態様によれば、パターン形成時の露光において、露光による膜表面(パターン表面)の硬化を促進できる。このため、露光時に膜の厚さが減少することなどを抑制でき、矩形性に優れたパターンを形成しやすい。
連鎖移動剤としては、N,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステルや、チオール化合物などが挙げられ、チオール化合物が好ましい。チオール化合物としては、分子内に2個以上(好ましくは2〜8個、より好ましくは3〜6個)のチオール基を有する化合物が好ましい。チオール化合物の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの複素環を有するチオール化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどの脂肪族系のチオール化合物などが挙げられる。また、下記化合物を用いることも好ましい。また、連鎖移動剤の市販品としては、PEMP(長瀬産業(株)製、チオール化合物)、サンセラーM(三新化学工業(株)製、チオール化合物)、カレンズMT BD1(昭和電工社(株)製、チオール化合物)などが挙げられる。
連鎖移動剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.2〜5.0質量%が好ましく、0.4〜3.0質量%がより好ましい。
また、連鎖移動剤の含有量は、重合性化合物の100質量部に対し、1〜40質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。
<<エポキシ基を有する化合物>>
本発明の組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有することもできる。エポキシ基を有する化合物は、1分子内にエポキシ基を1つ以上有する化合物が挙げられ、2つ以上有する化合物が好ましい。エポキシ基は、1分子内に2〜100個有することが好ましい。エポキシ基の上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。
エポキシ基を有する化合物は、エポキシ当量(=エポキシ基を有する化合物の分子量/エポキシ基の数)が500g/当量以下であることが好ましく、100〜400g/当量であることがより好ましく、100〜300g/当量であることがさらに好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1,000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1,000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1,000以上)のいずれでもよい。エポキシ基を有する化合物の分子量(ポリマーの場合は重量平均分子量)は、200〜100,000が好ましく、500〜50,000がより好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、特開2013−011869号公報の段落番号0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落番号0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落番号0085〜0092に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、jER825、jER827、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1055、jER1007、jER1009、jER1010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、jER806、jER807、jER4004、jER4005、jER4007、jER4010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、jER152、jER154、jER157S70、jER157S65(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(日本化薬(株)製)等が挙げられる。脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、(株)ダイセル製)、デナコール EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等が挙げられる。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、jER1031S(三菱化学(株)製)、OXT−221(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物は、特開2009−265518号公報の段落番号0045等に記載された化合物を用いることもできる。
エポキシ基を有する化合物の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して0.5〜20質量%が好ましい。下限は1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。上限は、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
<<溶剤>>
本発明の組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、有機溶剤が挙げられる。溶剤は、各成分の溶解性や組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はないが、組成物の塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸シクロヘキシル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、アルコキシ酢酸アルキル(例えば、アルコキシ酢酸メチル、アルコキシ酢酸エチル、アルコキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−アルコキシプロピオン酸メチル、3−アルコキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−アルコキシプロピオン酸メチル、2−アルコキシプロピオン酸エチル、2−アルコキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−アルコキシ−2−メチルプロピオン酸メチルおよび2−アルコキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。ただし溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤を2種以上組み合わせて用いる場合、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液が好ましい。
本発明において、金属含有量の少ない溶剤を用いることが好ましく、溶剤の金属含有量は、例えば10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルの溶剤を用いてもよく、そのような高純度溶剤は、例えば、東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。ろ過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下がさらに好ましい。フィルタの材質は、ポリテトラフロロエチレン、ポリエチレンまたはナイロンが好ましい。
溶剤は、異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
本発明において、有機溶剤は、過酸化物の含有率が0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。
溶剤の含有量は、本発明の組成物の全量に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、25〜75質量%であることがさらに好ましい。
<<シランカップリング剤>>
本発明の組成物は、さらに、シランカップリング剤を含有することができる。なお、本発明において、シランカップリング剤は、上述した重合性化合物とは異なる成分である。本発明において、シランカップリング剤とは、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応および縮合反応の少なくともいずれかによってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基としては、樹脂との間で相互作用もしくは結合を形成して親和性を示す基が好ましい。例えば、ビニル基、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。即ち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基のうちの少なくとも一方とを有する化合物が好ましい。
シランカップリング剤の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、パラスチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。また、上記以外にアルコキシオリゴマーを用いることができる。また、下記化合物を用いることもできる。
市販品としては、信越シリコーン社製のKBM−13、KBM−22、KBM−103、KBE−13、KBE−22、KBE−103、KBM−3033、KBE−3033、KBM−3063、KBM−3066、KBM−3086、KBE−3063、KBE−3083、KBM−3103、KBM−7103、SZ−31、KPN−3504、KBM−1003、KBE−1003、KBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−602、KBM−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−573、KBM−575、KBM−9659、KBE−585、KBM−802、KBM−803、KBE−846、KBE−9007、X−40−1053、X−41−1059A、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1818、X−41−1810、X−40−2651、X−40−2655A、KR−513、KC−89S、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250、KR−401N、X−40−9227、X−40−9247、KR−510、KR−9218、KR−213、X−40−2308、X−40−9238などが挙げられる。また、シランカップリング剤として、特開2009−288703号公報の段落番号0018〜0036に記載の化合物、特開2009−242604号公報の段落番号0056〜0066に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
シランカップリング剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.01〜15.0質量%が好ましく、0.05〜10.0質量%がより好ましい。シランカップリング剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明の組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
上記組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上し、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。即ち、フッ素系界面活性剤を含有する組成物を適用した塗布液を用いて膜を形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力が低下して、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、厚さのムラが小さい均一な厚さの膜をより好適に形成することができる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3〜40質量%であることが好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤として具体的には、特開2014−41318号公報の段落番号0060〜0064(対応する国際公開WO2014/17669号公報の段落番号0060〜0064)等に記載の界面活性剤、特開2011−132503号公報の段落番号0117〜0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造で、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報、2016年2月22日)(日経産業新聞、2016年2月23日)、例えばメガファックDS−21が挙げられ、これらを用いることができる。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%は質量%である。
また、フッ素系界面活性剤、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報の段落番号0050〜0090および0289〜0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K、RS−72−K等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落番号0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンならびにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW−101、NCW−1001、NCW−1002(和光純薬工業(株)製)、パイオニンD−6112、D−6112−W、D−6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、W004、W005、W017(裕商(株)製)、サンデットBL(三洋化成(株)製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP341、KF6001、KF6002(以上、信越シリコーン株式会社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の組成物は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤は、共役ジエン系化合物およびジケトン化合物が挙げられ、共役ジエン系化合物が好ましい。共役ジエン系化合物は、下記式(UV−1)で表される化合物がより好ましい。
式(UV−1)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表し、RとRとは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはない。
およびRは、RおよびRが結合する窒素原子とともに、環状アミノ基を形成してもよい。環状アミノ基としては、例えば、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ヘキサヒドロアゼピノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
およびRは、電子求引性基を表す。RおよびRは、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましく、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましい。また、RおよびRは、互いに結合して環状の電子求引性基を形成してもよい。RおよびRが互いに結合して形成する環状の電子求引性基としては、例えば、2個のカルボニル基を含む6員環を挙げることができる。
上記のR、R、R、およびRの少なくとも1つは、連結基を介して、ビニル基と結合したモノマーより導かれるポリマーの形になっていてもよい。他のモノマーとの共重合体であっても良い。
式(UV−1)で示される紫外線吸収剤の具体例としては、下記化合物が挙げられる。式(UV−1)で示される紫外線吸収剤の置換基の説明は、国際公開WO2009/123109号公報の段落番号0024〜0033(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の段落番号0040〜0059)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。式(UV−1)で表される化合物の好ましい具体例は、国際公開WO2009/123109号公報の段落番号0034〜0037(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の段落番号0060)の例示化合物(1)〜(14)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。式(UV−1)で示される紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、UV503(大東化学(株)製)などが挙げられる。
紫外線吸収剤として用いるジケトン化合物は、下記式(UV−2)で表される化合物が好ましい。
式(UV−2)において、R101およびR102は、それぞれ独立に、置換基を表し、m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表す。置換基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられ、アルキル基およびアルコキシ基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状が挙げられ、直鎖または分岐が好ましく、分岐がより好ましい。
アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましい。アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状が挙げられ、直鎖または分岐が好ましく、分岐がより好ましい。
101およびR102の一方がアルキル基で、他方がアルコキシ基である組み合わせが好ましい。
m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表す。m1およびm2は、それぞれ独立に0〜2が好ましく、0〜1がより好ましく、1が特に好ましい。
式(UV−2)で表される化合物としては、下記化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤は、ユビナールA(BASF社製)を用いることもできる。また、紫外線吸収剤は、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、トリアジン化合物等の紫外線吸収剤を用いることができ、具体例としては特開2013−68814号に記載の化合物が挙げられる。ベンゾトリアゾール化合物としてはミヨシ油脂(株)製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)を用いてもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
紫外線吸収剤は、重合性化合物の100質量部に対し、5〜100質量部含有することが好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましい。下限は、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。
<<重合禁止剤>>
本発明の組成物は、組成物の製造中または保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、重合禁止剤を含有させてもよい。重合禁止剤としては、例えば、フェノール系ヒドロキシル基含有化合物類、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、カチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、リン系化合物類、ラクトン系化合物類、遷移金属化合物類(FeCl、CuCl等)が挙げられる。また、これらの化合物類においては、フェノール骨格やリン含有骨格などの重合禁止機能を発現する構造が同一分子内に複数存在する複合系化合物であってもよい。例えば特開平10−46035号公報に記載の化合物なども好適に用いられる。重合禁止剤の具体例は、ハイドロキノン、パラメトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−パラクレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、パラメトキシフェノールが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%が好ましい。
重合禁止剤は、重合性化合物の100質量部に対し、0.001〜1質量部含有することが好ましい。上限は、0.5質量部以下が好ましく、0.2質量部以下がより好ましい。下限は、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましい。
<<酸化防止剤>>
本発明の組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられ、フェノール化合物、ヒンダードアミン化合物が好ましい。酸化防止剤の分子量は500以上が好ましい。
フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。特に、フェノール性ヒドロキシル基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1〜22の置換または無置換のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基がより好ましい。また、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。
フェノール化合物は、多置換フェノール系化合物が好ましい。多置換フェノール系化合物は、大きく分けてその置換位置および構造の違う3種類(下記式(A)ヒンダードタイプ、下記式(B)セミヒンダードタイプ、下記式(C)レスヒンダードタイプ)がある。
式(A)〜(C)において、Rは、水素原子または置換基を表す。置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、さらに置換基を有していてもよい。
フェノール化合物は、上記式(A)〜(C)で表される構造が同一分子内に複数存在する化合物が好ましく、上記式(A)〜(C)で表される構造が同一分子内に2〜4個存在する化合物がより好ましい。
フェノール化合物としては、例えばp−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、4,4−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール樹脂類、およびクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物などが挙げられる。
市販品として入手できる代表例には、上記式(A)の化合物としては、Sumilizer BHT(住友化学(株)製)、Irganox 1010、1222(BASF社製)、アデカスタブAO−20、AO−50、AO−50F、AO−60、AO−60G、AO−330((株)ADEKA製)などがあり、上記式(B)の化合物としては、Sumilizer BBM−S(住友化学(株)製)、Irganox 245(BASF社製)、アデカスタブAO−80((株)ADEKA製)などがあり、上記式(C)の化合物としてはアデカスタブAO−30、AO−40((株)ADEKA製)などがある。
ヒンダードアミン化合物は、下記式(HA)で表される部分構造を一分子中に1個以上有する化合物が挙げられる。
式(HA)
式(HA)において、波線は、ヒンダードアミン化合物を構成する他の原子または原子団との連結手を表す。R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基を表す。
ヒンダードアミン化合物は、上記式(HA)で表される部分構造を一分子中に2個以上有する化合物が好ましい。上限は、100個以下が好ましく、50個以下がより好ましく、20個以下がさらに好ましく、10個以下が特に好ましい。
ヒンダードアミン化合物としては、アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82、LA−87((株)ADEKA製)などが挙げられる。
亜リン酸エステル化合物としては、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、および亜リン酸エチルビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
酸化防止剤は、上述したもののほか、アデカスタブPEP−36A、アデカスタブAO−412S((株)ADEKA製)などを用いることもできる。
酸化防止剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.3〜15質量%がより好ましい。酸化防止剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他成分>>
本発明の組成物は、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤およびその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、香料、表面張力調整剤など)を含有してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする近赤外線カットフィルタなどの光学フィルタの安定性、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報の段落番号0183(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0104、0107〜0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<組成物の調製方法>
本発明の組成物は、前述の成分を混合して調製できる。
組成物の調製に際しては、各成分を一括混合してもよいし、各成分を溶剤に溶解または分散した後に逐次混合してもよい。また、混合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解または分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液または分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
また、本発明の組成物が顔料などの粒子を含む場合は、粒子を分散させるプロセスを含むことが好ましい。粒子を分散させるプロセスにおいて、粒子の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの分散機の具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。またサンドミル(ビーズミル)における粒子の粉砕においては、径の小さいビーズを使用する、ビーズの充填率を大きくする事等により、粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。また、粉砕処理後にろ過、遠心分離などで粗粒子を除去することが好ましい。また、粒子を分散させるプロセスおよび分散機は、「分散技術大全、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」、特開2015−157893号公報の段落番号0022に記載のプロセスおよび分散機を好適に使用出来る。また粒子を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程にて粒子の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は、例えば、特開2015−194521号公報、特開2012−046629号公報に記載のものを使用することができる。
組成物の調製にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、組成物をフィルタでろ過することが好ましい。フィルタの材質としては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えば、ナイロン−6、ナイロン−6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリオレフィン樹脂を含む)等を用いたフィルタが挙げられる。これら材質の中でもポリプロピレン(高密度、超高分子量のポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度、より好ましくは0.05〜0.5μm程度である。この範囲とすることにより、微細な異物を確実に除去することが可能となる。また、ファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えば、ポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられ、具体的にはロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)のフィルタカートリッジを用いることができる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社(DFA4201NXEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)または株式会社キッツマイクロフィルター等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
例えば、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のろ過を行ってもよい。
本発明の組成物の粘度(23℃における)は、1〜100mPa・sであることが好ましい。下限は、2mPa・s以上がより好ましく、3mPa・s以上がさらに好ましい。上限は、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下がさらに好ましく、15mPa・s以下が特に好ましい。
本発明の組成物の全固形分は、適用方法により変更されるが、例えば、1〜50質量%であることが好ましい。下限は10質量%以上がより好ましい。上限は30質量%以下がより好ましい。
本発明の組成物は、近赤外線カットフィルタや赤外線透過フィルタなどの形成に好ましく用いることができる。
<膜>
本発明の膜は、上述した本発明の組成物を用いてなるものである。本発明の膜は、近赤外線カットフィルタや赤外線透過フィルタとして好ましく用いることができる。本発明の膜は、パターンを有していてもよく、パターンを有さない膜(平坦膜)であってもよい。また、本発明の膜は、支持体上に積層した状態で用いてもよく、本発明の膜を支持体から剥離して用いてもよい。
本発明の膜を、赤外線透過フィルタとして用いる場合、上述した近赤外線吸収化合物と、可視光を遮光する色材とを含む組成物を用いたフィルタであるか、上述した近赤外線吸収化合物を含む層の他に、可視光を遮光する色材を含む層が別途存在するフィルタであることが好ましい。本発明の膜を赤外線透過フィルタとして用いる場合、上述した近赤外線吸収化合物は、透過する光(近赤外線)をより長波長側に限定する役割を有している。
本発明の膜の厚さは、目的に応じて適宜調整できる。膜厚は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。
本発明の膜は、有彩色着色剤を含むカラーフィルタと組み合わせて用いることもできる。カラーフィルタは、有彩色着色剤を含む着色組成物を用いて製造できる。有彩色着色剤としては、本発明の組成物で説明した有彩色着色剤が挙げられる。着色組成物は、樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、界面活性剤、溶剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤などをさらに含有することができる。これらの詳細については、本発明の組成物で説明した材料が挙げられ、これらを用いることができる。また、本発明の膜に有彩色着色剤を含有させて、近赤外線カットフィルタとカラーフィルタとしての機能を備えたフィルタとしてもよい。
なお、本発明において、近赤外線カットフィルタとは、可視領域の波長の光(可視光)を透過し、近赤外領域の波長の光(近赤外線)の少なくとも一部を遮蔽するフィルタを意味する。近赤外線カットフィルタは、可視領域の波長の光をすべて透過するものであってもよく、可視領域の波長の光のうち、特定の波長の光を通過し、特定の波長の光を遮蔽するものであってもよい。また、本発明において、カラーフィルタとは、可視領域の波長の光のうち、特定の波長の光を通過させ、特定の波長の光を遮蔽するフィルタを意味する。また、赤外線透過フィルタとは、可視領域の波長の光を遮蔽し、近赤外領域の波長の光(近赤外線)の少なくとも一部を透過するフィルタを意味する。
本発明の膜を、近赤外線カットフィルタまたは赤外線透過フィルタとして用いる場合、近赤外線カットフィルタと赤外線透過フィルタとを組み合わせて用いることもできる。近赤外線カットフィルタと赤外線透過フィルタとを組み合わせて用いることで、特定波長の赤外線を検出する赤外線センサの用途に好ましく用いることができる。両者のフィルタを組み合わせて用いる場合、近赤外線カットフィルタおよび赤外線透過フィルタの両方を本発明の組成物を用いて形成することもでき、いずれか一方のみを、本発明の組成物を用いて形成することもできる。
本発明の膜は、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子や、赤外線センサ、画像表示装置などの各種装置に用いることができる。また、本発明の膜は、近赤外線を吸収またはカットする機能を有するレンズ(デジタルカメラ、携帯電話、車載カメラ等のカメラ用レンズ、f−θレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズ)および半導体受光素子用の光学フィルタ、太陽光の選択的な利用を目的とする農業用コーティング剤、近赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用や写真用近赤外線フィルタ、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルタ、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー溶着などに用いられる。またCCDカメラ用ノイズカットフィルタ、CMOSイメージセンサ用フィルタとしても有用である。
<パターン形成方法>
次に、パターン形成方法について説明する、パターン形成方法は、組成物を用いて支持体上に組成物層を形成する工程と、フォトリソグラフィ法またはドライエッチング法により、組成物層に対してパターンを形成する工程とを含む。
フォトリソグラフィ法でのパターン形成方法は、組成物を用いて支持体上に組成物層を形成する工程と、組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去してパターンを形成する工程とを含むことが好ましい。必要に応じて、組成物層をベークする工程(プリベーク工程)、および、現像されたパターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。
また、ドライエッチング法でのパターン形成方法は、組成物を用いて支持体上に組成物層を形成する工程と、組成物層を硬化して硬化物層を形成する工程と、硬化物層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして硬化物層をドライエッチングしてパターンを形成する工程とを含むことが好ましい。以下、各工程について説明する。
<<組成物層を形成する工程>>
組成物層を形成する工程では、組成物を用いて、支持体上に組成物層を形成する。
支持体としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等の材料からなる支持体が挙げられる。また、支持体上にCCDやCMOS等の固体撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用支持体を用いることができる。
パターンは、固体撮像素子用基板の固体撮像素子形成面側(おもて面)に形成してもよいし、固体撮像素子非形成面側(裏面)に形成してもよい。支持体は、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体への組成物の適用方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(例えば、特開2009−145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えば、オンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット−特許に見る無限の可能性−、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された特許公報に記載の方法(特に115〜133ページ)や、特開2003−262716号公報、特開2003−185831号公報、特開2003−261827号公報、特開2012−126830号公報、特開2006−169325号公報などに記載の方法が挙げられる。
支持体上に形成した組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。低温プロセスによりパターンを形成する場合は、プリベークを行わなくてもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下がさらに好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10〜300秒が好ましく、40〜250秒がより好ましく、80〜220秒がさらに好ましい。乾燥は、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
(フォトリソグラフィ法でパターン形成する場合)
<<露光工程>>
次に、組成物層を、パターン状に露光する(露光工程)。例えば、組成物層に対し、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく、特に好ましくはi線である。照射量(露光量)は、例えば、0.03〜2.5J/cmが好ましく、0.05〜1.0J/cmがより好ましく、0.08〜0.5J/cmが最も好ましい。
露光時における酸素濃度は適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(好ましくは15体積%以下、より好ましくは5体積%以下、さらに好ましくは実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(好ましくは22体積%以上、より好ましくは30体積%以上、さらに好ましくは50体積%以上)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1,000W/m〜100,000W/m(好ましくは5,000W/m以上、より好ましくは15,000W/m以上、さらに好ましくは35,000W/m以上)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10,000W/m、酸素濃度35体積%で照度20,000W/mなどとすることができる。
<<現像工程>>
次に、未露光部を現像除去してパターンを形成する。未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の固体撮像素子や回路などにダメージを起さない、アルカリ現像液が望ましい。
現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上させるため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。現像液として、これらのアルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像液のアルカリ剤として無機アルカリ性化合物を用いてもよい。無機アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。また、現像液には、界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、上述した組成物で説明した界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、現像後純水で洗浄(リンス)することが好ましい。
現像後、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うこともできる。ポストベークは、膜の硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理である。ポストベークを行う場合、ポストベーク温度は、例えば100〜240℃が好ましい。膜硬化の観点から、200〜230℃がより好ましい。また、発光光源として有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いた場合や、イメージセンサの光電変換膜を有機素材で構成した場合は、ポストベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましく、90℃以下が一層好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができる。ポストベークは、現像後の膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
(ドライエッチング法でパターン形成する場合)
ドライエッチング法でのパターン形成は、支持体上に形成した組成物層を硬化して硬化物層を形成し、次いで、得られた硬化物層を、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングガスを用いて行うことができる。フォトレジスト層の形成においては、さらにプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジストの形成プロセスとしては、露光後の加熱処理、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。ドライエッチング法でのパターン形成については、特開2013−064993号公報の段落番号0010〜0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
<光学フィルタ>
次に、本発明の光学フィルタについて説明する。本発明の光学フィルタは、本発明の膜を有する。光学フィルタは、近赤外線カットフィルタや赤外線透過フィルタとして好ましく用いることができる。
本発明の光学フィルタは、本発明の膜の他に、さらに、銅を含有する層、誘電体多層膜、紫外線吸収層などを有していてもよい。
例えば、本発明の光学フィルタを近赤外線カットフィルタとして用いる場合、本発明の膜の他に、さらに、銅を含有する層や誘電体多層膜を有することで、視野角が広く、赤外線遮蔽性に優れた近赤外線カットフィルタとすることができる。また、本発明の膜の他に、さらに、紫外線吸収層を有することで、紫外線遮蔽性に優れた近赤外線カットフィルタとすることができる。紫外線吸収層に含まれる紫外線吸収剤としては、本発明の組成物で説明した紫外線吸収剤が挙げられる。また、紫外線吸収層としては、例えば、国際公開WO2015/099060号の段落番号0040〜0070、0119〜0145の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。誘電体多層膜としては、特開2014−41318号公報の段落番号0255〜0259の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。銅を含有する層としては、銅を含有するガラスで構成されたガラス基板(銅含有ガラス基板)や、銅錯体を含む層(銅錯体含有層)が挙げられる。銅含有ガラス基板としては、銅を含有するリン酸塩ガラス、銅を含有する弗リン酸塩ガラスなどが挙げられる。銅含有ガラスの市販品としては、NF−50(AGCテクノグラス(株)製、商品名)、BG−60、BG−61(以上、ショット社製、商品名)、CD5000(HOYA(株)製、商品名)等が挙げられる。銅錯体含有層としては、銅錯体を含む銅錯体含有組成物を用いて形成してなる層が挙げられる。銅錯体は、700〜1,200nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましい。銅錯体の極大吸収波長は、720〜1,200nmの波長領域に有することがより好ましく、800〜1,100nmの波長領域に有することがさらに好ましい。
また、本発明の光学フィルタは、本発明の膜の画素と、赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる画素とを有する態様も好ましい。
<積層体>
本発明の積層体は、本発明の膜と、有彩色着色剤を含むカラーフィルタとを有する。本発明の積層体は、本発明の膜と、カラーフィルタとが厚さ方向で隣接していてもよく、隣接していなくてもよい。本発明の膜と、カラーフィルタとが厚さ方向で隣接していない場合は、カラーフィルタが形成された支持体とは別の支持体に本発明の膜が形成されていてもよく、本発明の膜とカラーフィルタとの間に、固体撮像素子を構成する他の部材(例えば、マイクロレンズ、平坦化層など)が介在していてもよい。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の膜を有する。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の膜を有する構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の硬化膜を有する構成である。
さらに、デバイス保護膜上であって、本発明の硬化膜の下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、本発明の硬化膜上に集光手段を有する構成等であってもよい。
また、固体撮像素子において、カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各色画素を形成する硬化膜が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は各色画素に対して低屈折率であることが好ましい。このような構造を有する撮像装置の例としては、特開2012−227478号公報、特開2014−179577号公報に記載の装置が挙げられる。
<画像表示装置>
本発明の膜は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などの画像表示装置に用いることもできる。例えば、各着色画素(例えば赤色、緑色、青色)とともに用いることにより、表示装置のバックライト(例えば白色発光ダイオード(白色LED))に含まれる赤外光を遮断し、周辺機器の誤作動を防止する目的や、各着色画素に加えて赤外の画素を形成する目的で用いることが可能である。
画像表示装置の定義や画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
画像表示装置は、白色有機EL素子を有するものであってもよい。白色有機EL素子としては、タンデム構造であることが好ましい。有機EL素子のタンデム構造については、特開2003−45676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326〜328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430〜485nm)、緑色領域(530〜580nm)および黄色領域(580〜620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加えさらに赤色領域(650〜700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。
<赤外線センサ>
本発明の赤外線センサは、上述した本発明の膜を有する。赤外線センサの構成としては、本発明の膜を有する構成であり、赤外線センサとして機能する構成であれば特に限定はない。
以下、本発明の赤外線センサの一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1において、符号110は、固体撮像素子である。固体撮像素子110上に設けられている撮像領域は、近赤外線カットフィルタ111と、赤外線透過フィルタ114とを有する。また、近赤外線カットフィルタ111上には、カラーフィルタ112が積層している。カラーフィルタ112および赤外線透過フィルタ114の入射光hν側には、マイクロレンズ115が配置されている。マイクロレンズ115を覆うように平坦化層116が形成されている。
近赤外線カットフィルタ111は、後述する赤外発光ダイオード(赤外LED)の発光波長によりその特性は選択される。例えば、可視光(例えば、波長450nm以上650nm未満の光)を透過し、波長650nm以上の光の少なくとも一部(好ましくは波長650〜1,000nmの光の少なくとも一部、さらに好ましくは波長700〜1,000nmの光の少なくとも一部)を遮蔽するフィルタであることが好ましい。近赤外線カットフィルタ111は、例えば、本発明の組成物を用いて形成できる。
カラーフィルタ112は、可視領域における特定波長の光を透過および吸収する画素が形成されたカラーフィルタであって、特に限定はなく、従来公知の画素形成用のカラーフィルタを用いることができる。例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素が形成されたカラーフィルタなどを用いることができる。例えば、特開2014−043556号公報の段落番号0214〜0263の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
赤外線透過フィルタ114は、後述する赤外LEDの発光波長によりその特性は選択される。例えば、赤外LEDの発光波長が850nmである場合、赤外線透過フィルタ114は、膜の厚さ方向における光透過率の、波長450nm以上650nm未満の範囲における最大値が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。この透過率は、波長450nm以上650nm未満の範囲の全域で上記の条件を満たすことが好ましい。
赤外線透過フィルタ114は、膜の厚さ方向における光透過率の、波長800nm以上(好ましくは800〜1,300nm)の範囲における最小値が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。この透過率は、波長800nm以上の範囲の一部で上記の条件を満たすことが好ましく、赤外LEDの発光波長に対応する波長で上記の条件を満たすことが好ましい。
赤外線透過フィルタ114の膜厚は、100μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましく、1μm以下が特に好ましい。下限値は、0.1μmが好ましい。 赤外線透過フィルタ114の分光特性、膜厚等の測定方法を以下に示す。
膜厚は、膜を有する乾燥後の支持体を、触針式表面形状測定器(ULVAC社製 DEKTAK150)を用いて測定した。膜の分光特性は、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、U−4100)を用いて、波長300〜1,300nmの範囲において透過率を測定した値である。
上述した分光特性を有する赤外線透過フィルタ114は、可視光を遮光する色材を含む組成物を用いて形成できる。可視光を遮光する色材の詳細については、上述した本発明の組成物で説明した内容と同様である。
また、例えば、赤外LEDの発光波長が940nmである場合、赤外線透過フィルタ114は、膜の厚さ方向における光の透過率の、波長450nm以上650nm未満の範囲における最大値が20%以下であり、膜の厚さ方向における、波長835nmの光の透過率が20%以下であり、膜の厚さ方向における光の透過率の、波長1,000〜1,300nmの範囲における最小値が70%以上であることが好ましい。
上述した分光特性を有する赤外線透過フィルタ114は、可視光を遮光する色材と、近赤外線吸収剤とを含む組成物を用いて形成できる。可視光を遮光する色材の詳細については、上述した本発明の組成物で説明した内容と同様である。近赤外線吸収剤としては、上述した本発明の組成物で説明した近赤外線吸収化合物などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。以下の構造式中、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
<重量平均分子量の測定>
樹脂の重量平均分子量の測定は、測定装置としてHPC−8220GPC(東ソー(株)製)、ガードカラムとしてTSKguardcolumn SuperHZ−L、カラムとしてTSKgel SuperHZM−M、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000を直結したカラムを用い、カラム温度を40℃にして、試料濃度0.1質量%のテトラヒドロフラン溶液をカラムに10μL注入し、溶出溶剤としてテトラヒドロフランを毎分0.35mLの流量でフローさせ、RI(示差屈折率)検出装置にて試料ピークを検出し、標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算した。
<組成物の調製>
下記表に示す原料を、下記表に示す割合で混合および撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、組成物を調製した。表中に記載の数値は質量部である。
上記表に記載の原料は以下の通りである。
(近赤外線吸収化合物)
pp−1、pp−2、pp−3、pp−4、pp−5、sq−1、cy−1:下記化合物。下記化合物は、23℃のシクロペンタノン100g、23℃のシクロヘキサノン100g、および、23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度が2g以上である。
樹脂1:下記構造の樹脂(重量平均分子量41,400、ガラス転移温度53℃、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のシクロヘキサノン30質量%溶液
樹脂2:下記構造の樹脂(重量平均分子量41,400、ガラス転移温度53℃、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のシクロペンタノン30質量%溶液
樹脂3:下記構造の樹脂(重量平均分子量10,000、ガラス転移温度46℃、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量%溶液
有機溶剤1:シクロヘキサノン
有機溶剤2:シクロペンタノン
重合性化合物1:下記化合物の混合物(左側化合物と右側化合物とのモル比が7:3の混合物)
重合性化合物2:下記化合物
重合性化合物3:下記化合物
重合性化合物4:下記化合物
光重合開始剤1:IRGACURE OXE01(BASF社製)
光重合開始剤2:下記化合物
界面活性剤:メガファックRS−72−K(DIC(株)製、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量%溶液)
凝集抑制剤1〜7:下記構造の化合物(化合物1〜4、6、7はTCI(株)製)。
凝集抑制剤1:2−アミノベンズイミダゾール
凝集抑制剤2:フルベンダゾール
凝集抑制剤3:2−メチル−8−キノリノール
凝集抑制剤4:ジエチルジチオカルバミン酸−2−ベンゾチアゾリル
凝集抑制剤6:2,7−ジブロモ−9−ドデシルカルバゾール
凝集抑制剤7:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン
凝集抑制剤5の重量平均分子量は110,000である。
重合禁止剤:p−ヒドロキシフェノール
<膜の製造>
各組成物をガラス基材または8インチ(1インチ=2.54cm)シリコンウエハ上に、製膜後の膜厚が1.0μmとなるようにスピンコート塗布し、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1,000mJ/cmで全面露光した。次いで、ホットプレートを用いて、220℃で5分間加熱し、膜を製造した。
<凝集サイズ(膜断面の穴空きサイズ)の評価>
上記膜を製膜したシリコンウエハを、23℃のアセトン中に5分間浸漬した後に、超高分解能走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、加速電圧2.0kV、観測倍率50,000倍にて膜断面の観察を行い、任意の3か所の穴空き形状の長軸方向の長さを測定し、その平均値を、穴空きサイズとして算出した。
なお、上述した近赤外線吸収化合物pp−1、pp−2、pp−3、pp−4、pp−5、sq−1、cy−1は、23℃のアセトンに溶解する化合物である。したがって、近赤外線吸収化合物の凝集サイズが、膜中の穴あきサイズに相当し、穴空きサイズが小さいほど、近赤外線吸収化合物の凝集サイズが小さいことを意味する。
<近赤外領域の光の遮蔽性(遮光性)の評価>
上記の膜を製膜したガラス基材について、紫外可視近赤外分光光度計U−4100((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、波長400〜1,300nmの範囲で透過率を測定した。波長700〜1,000nmの範囲での透過率の極小値(T)について、下記基準で判断した。
3:T<1%
2:1%≦T<5%
1:5%≦T
<耐光性の評価>
上記の膜を製膜したガラス基材について、紫外可視近赤外分光光度計U−4100((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、波長400〜1,300nmの範囲で透過率を測定した。
次に、上記の膜を製膜したガラス基材を、キセノンランプを用い10万luxで20時間照射(200万lux・h相当)し、キセノンランプ照射後の膜の透過率を測定した。
キセノンランプ照射前後での波長400〜1,300nmの範囲での透過率変化(ΔT)を測定した。測定波長域全体で、透過率変化(ΔT)が最も大きい値に基づき、以下の基準で耐光性を評価した。ΔTの値が小さいほうが耐光性が良好である。
透過率変化(ΔT)=|キセノンランプ照射前の膜の透過率−キセノンランプ照射後の膜の透過率|
3:ΔT<3%
2:3≦ΔT<5%
1:5≦ΔT%
上記結果より、実施例の膜は、近赤外領域の光(近赤外線)の遮蔽性に優れ、近赤外線吸収化合物の凝集サイズが小さかった。また、実施例の膜は耐光性も優れていた。
一方、比較例の膜は、近赤外領域の光(近赤外線)の遮蔽性と、近赤外線吸収化合物の凝集抑制とを両立することができなかった。
実施例において、さらに可視光を遮光する色材を配合することで、分光変動性に優れた赤外線透過フィルタが得られる。
実施例において、本明細書に記載の酸化防止剤および/またはシランカップリング剤をさらに含んでも、実施例と同様の効果が得られる。
110:固体撮像素子、111:近赤外線カットフィルタ、112:カラーフィルタ、114:赤外線透過フィルタ、115:マイクロレンズ、116:平坦化層

Claims (13)

  1. 単環または縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収化合物と、
    下記式(b1−1)で表される化合物であって、分子量が100〜500であり、かつ、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有さない凝集抑制剤とを含み、
    前記近赤外線吸収化合物が、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種である、組成物。
    −(Rb1m1 ・・・(b1−1)
    (式中、Bは、キノリン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環またはカルバゾール環を表し、
    b1は、アルキル基、アシル基、アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、または、ヒドロキシル基を表し、
    m1は0〜mAの整数を表し、
    mAは、Bに置換可能な最大の整数を表し、
    m1が2以上の場合は、2個以上のRb1は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
  2. 単環または縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有し、波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収化合物と、
    波長650〜1,000nmの範囲に吸収極大波長を有さない凝集抑制剤とを含み、
    前記近赤外線吸収化合物が、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記凝集抑制剤が、下記式1〜7のいずれかで表される化合物である、組成物。
  3. さらに、樹脂を含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. さらに、重合性化合物および光重合開始剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. さらに、近赤外領域の光の少なくとも一部を透過し、かつ、可視領域の光を遮光する色材を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を用いた、膜。
  7. 請求項に記載の膜を有する、光学フィルタ。
  8. 前記光学フィルタが、近赤外線カットフィルタまたは赤外線透過フィルタである、請求項に記載の光学フィルタ。
  9. 請求項に記載の膜の画素と、
    赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる少なくとも1種の画素とを有する、請求項7または8に記載の光学フィルタ。
  10. 請求項に記載の膜と、有彩色着色剤を含むカラーフィルタとを有する、積層体。
  11. 請求項に記載の膜を有する、固体撮像素子。
  12. 請求項に記載の膜を有する、画像表示装置。
  13. 請求項に記載の膜を有する、赤外線センサ。
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