JP6705431B2 - シフトレンジ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シフトレンジ制御装置に関する。
従来、運転者からのシフトレンジ切替要求に応じてモータを制御することでシフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替装置が知られている。例えば特許文献1では、起動時に突き当て制御を実行し、遊び量を学習している。
特許第3849864号
特許文献1のような突き当て制御では、比較的大きなトルクにて可動範囲の限界位置までモータを回転させる。そのため、例えばディテントローラやディテントプレート等の部材にストレスがかかる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、突き当て制御を行うことなく、高精度の位置決め制御を実現可能であるシフトレンジ制御装置を提供することにある。
本発明のシフトレンジ制御装置は、モータ(10)の回転軸であるモータ軸(105)とモータの回転が伝達される出力軸(15)との間に遊びが存在するシフトレンジ切替システム(1)において、モータの駆動を制御することでシフトレンジを切り替えるものであって、パラメータ演算部(51)と、空走判定部(52)と、目標設定部(55)と、駆動制御部(56)と、を備える。
パラメータ演算部は、モータの回転位置を検出するモータ回転角センサ(13)から取得されるモータ回転角信号に基づき、モータ角度、モータ速度、および、モータ加速度を演算する。空走判定部は、モータ速度、および、モータ加速度に基づき、遊びの範囲内にてモータが回転している空走状態の終了を判定する。目標設定部は、空走終了時におけるモータ角度に応じた値である角度補正値を用い、モータの駆動制御に係るモータ角度目標値を設定する。駆動制御部は、モータ角度がモータ角度目標値となるように、モータの駆動を制御する。
モータ速度およびモータ加速度に基づいて空走状態の終了を判定し、空走終了時のモータ角度に基づいてモータ角度目標値を設定している。これにより、突き当て制御による遊び量の学習処理を行うことなく、モータ角度目標値を適切に設定することができ、高精度の位置決め制御を実現可能である。
第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムを示す斜視図である。 第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムを示す概略構成図である。 第1実施形態によるモータと出力軸との間の遊びを説明する模式図である。 第1実施形態による目標設定処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態による区間判定処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態によるモータ制御処理を説明するタイムチャートである。 第2実施形態によるモータトルクの演算に用いられるマップを説明する説明図である。 第2実施形態による目標設定処理を説明するフローチャートである。 第2実施形態によるモータ制御処理を説明するタイムチャートである。
シフトレンジ制御装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、シフトレンジ切替システムとしてのシフトバイワイヤシステム1は、モータ10、シフトレンジ切替機構20、パーキングロック機構30、および、シフトレンジ制御装置40等を備える。
モータ10は、図示しない車両に搭載されるバッテリから電力が供給されることで回転し、シフトレンジ切替機構20の駆動源として機能する。本実施形態のモータ10は、永久磁石式のDCブラシレスモータである。
図2に示すように、モータ回転角センサとしてのエンコーダ13は、モータ10の図示しないロータの回転位置を検出する。エンコーダ13は、例えば磁気式のロータリーエンコーダであって、ロータと一体に回転する磁石と、磁気検出用のホールIC等により構成される。エンコーダ13は、ロータの回転に同期して、所定角度ごとにA相およびB相のパルス信号を出力する。以下、エンコーダ13からの信号をモータ回転角信号SgEとする。
減速機14は、モータ10のモータ軸と出力軸15との間に設けられ、モータ10の回転を減速して出力軸15に出力する。これにより、モータ10の回転がシフトレンジ切替機構20に伝達される。
本実施形態では、出力軸15の回転位置を検出する出力軸センサが省略されている。
図1に示すように、シフトレンジ切替機構20は、ディテントプレート21、および、ディテントスプリング25等を有し、減速機14から出力された回転駆動力を、マニュアルバルブ28、および、パーキングロック機構30へ伝達する。
ディテントプレート21は、出力軸15に固定され、モータ10により駆動される。本実施形態では、ディテントプレート21がディテントスプリング25の基部から離れる方向を正回転方向、基部に近づく方向を逆回転方向とする。
ディテントプレート21には、出力軸15と平行に突出するピン24が設けられる。ピン24は、マニュアルバルブ28と接続される。ディテントプレート21がモータ10によって駆動されることで、マニュアルバルブ28は軸方向に往復移動する。すなわち、シフトレンジ切替機構20は、モータ10の回転運動を直線運動に変換してマニュアルバルブ28に伝達する。マニュアルバルブ28は、バルブボディ29に設けられる。マニュアルバルブ28が軸方向に往復移動することで、図示しない油圧クラッチへの油圧供給路が切り替えられ、油圧クラッチの係合状態が切り替わることでシフトレンジが変更される。
ディテントプレート21のディテントスプリング25側には、2つの凹部22、23が設けられる。本実施形態では、ディテントスプリング25の基部に近い側を凹部22、遠い側を凹部23とする。本実施形態では、凹部22がPレンジ以外のNotPレンジに対応し、凹部23がPレンジに対応する。
ディテントスプリング25は、弾性変形可能な板状部材であり、先端にディテントローラ26が設けられる。ディテントスプリング25は、ディテントローラ26をディテントプレート21の回動中心側に付勢する。ディテントプレート21に所定以上の回転力が加わると、ディテントスプリング25が弾性変形し、ディテントローラ26が凹部22、23間を移動する。ディテントローラ26が凹部22、23のいずれかに嵌まり込むことで、ディテントプレート21の揺動が規制され、マニュアルバルブ28の軸方向位置、および、パーキングロック機構30の状態が決定され、自動変速機5のシフトレンジが固定される。ディテントローラ26は、シフトレンジがNotPレンジのとき、凹部22に嵌まり込み、Pレンジのとき、凹部23に嵌まり込む。
パーキングロック機構30は、パーキングロッド31、円錐体32、パーキングロックポール33、軸部34、および、パーキングギア35を有する。
パーキングロッド31は、略L字形状に形成され、一端311側がディテントプレート21に固定される。パーキングロッド31の他端312側には、円錐体32が設けられる。円錐体32は、他端312側にいくほど縮径するように形成される。ディテントプレート21が逆回転方向に揺動すると、円錐体32がP方向に移動する。
パーキングロックポール33は、円錐体32の円錐面と当接し、軸部34を中心に揺動可能に設けられる、パーキングロックポール33のパーキングギア35側には、パーキングギア35と噛み合い可能な凸部331が設けられる。ディテントプレート21が逆回転方向に回転し、円錐体32がP方向に移動すると、パーキングロックポール33が押し上げられ、凸部331とパーキングギア35とが噛み合う。一方、ディテントプレート21が正回転方向に回転し、円錐体32がNotP方向に移動すると、凸部331とパーキングギア35との噛み合いが解除される。
パーキングギア35は、図示しない車軸に設けられ、パーキングロックポール33の凸部331と噛み合い可能に設けられる。パーキングギア35と凸部331とが噛み合うと、車軸の回転が規制される。シフトレンジがNotPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングロックポール33によりロックされず、車軸の回転は、パーキングロック機構30により妨げられない。また、シフトレンジがPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングロックポール33によってロックされ、車軸の回転が規制される。
図2に示すように、シフトレンジ制御装置40は、モータドライバ41、および、ECU50等を有する。
モータドライバ41は、モータ10の各相(U相、V相、W相)への通電に係る駆動信号を出力する。モータドライバ41とバッテリとの間には、モータリレー46が設けられる。モータリレー46は、イグニッションスイッチ等である車両の始動スイッチがオンされているときにオンされ、モータ10側へ電力が供給される。また、モータリレー46は、始動スイッチがオフされているときにオフされ、モータ10側への電力の供給が遮断される。
ECU50は、マイコン等を主体として構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。ECU50における各処理は、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
ECU50は、ドライバ要求シフトレンジ、ブレーキスイッチからの信号および車速等に基づいてモータ10の駆動を制御することで、シフトレンジの切り替えを制御する。また、ECU50は、車速、アクセル開度、および、ドライバ要求シフトレンジ等に基づき、変速用油圧制御ソレノイド6の駆動を制御する。変速用油圧制御ソレノイド6を制御することで、変速段が制御される。変速用油圧制御ソレノイド6は、変速段数等に応じた本数が設けられる。本実施形態では、1つのECU50がモータ10およびソレノイド6の駆動を制御するが、モータ10を制御するモータ制御用のモータECUと、ソレノイド制御用のAT−ECUとを分けてもよい。以下、モータ10の駆動制御を中心に説明する。
図2に示すように、ECU50は、パラメータ演算部51、空走判定部52、目標設定部55、および、駆動制御部56等を有する。
パラメータ演算部51は、エンコーダ13から出力されるモータ回転角信号SgEに基づき、エンコーダ13のカウント値であるエンコーダカウント値θenを演算する。エンコーダカウント値θenは、モータ10の実際の機械角および電気角に応じた値である。本実施形態では、エンコーダカウント値θenが「モータ角度」に対応する。エンコーダカウント値θenは、モータ回転角信号SgEのエッジ割り込み毎に演算される。
パラメータ演算部51は、モータ回転角信号SgEのエッジ割り込み毎に、モータ速度SPm[deg/s]を演算する(式(1)参照)。式中の定数kは、エンコーダカウント値θenの1カウントに相当するモータ回転角度、t(n)は今回割り込み時刻、t(n-1)は前回割り込み時刻である。モータ速度SPmは、単位時間あたりのモータ角度の変化量と捉えることもできる。
SPm=k/(t(n)−t(n-1)) ・・・(1)
パラメータ演算部51は、所定の周期にて、モータ加速度Am[deg/s2]を演算する(式(2)参照)。式中のPcは演算1周期の時間、SPm(n)は今回演算時のモータ速度、SPm(n-1)は前回演算時のモータ速度である。
Am=(SPm(n)−SPm(n-1))/Pc ・・・(2)
なお、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amは、例えばモータ角度の微分等、どのように演算してもよい。また、演算周期等は、適宜設定可能である。
パラメータ演算部51にて演算された値は、各種制御演算等に用いられる。
空走判定部52は、エンコーダカウント値θen、モータ速度SPm、モータ加速度Amに基づき、モータ軸105と出力軸15との間の遊びの範囲内にてモータ10が回転している空走状態か否かを判定する。特に、空走判定部52は、空走判定により、空走状態が終了するタイミングを検出する。
目標設定部55は、シフトスイッチ等に基づくドライバ要求シフトレンジ、車速、および、ブレーキスイッチからの信号等に基づき、目標シフトレンジを設定する。また、目標設定部55は、目標シフトレンジに応じ、モータ角度目標値である目標カウント値θcmdを設定する。
駆動制御部56は、エンコーダカウント値θenが目標カウント値θcmdとなる回転位置にてモータ10が停止するように、フィードバック制御等により、モータ10の駆動を制御する。モータ10の駆動制御の詳細は、どのようであってもよい。
なお図2では、煩雑になることを避けるため、一部の制御線を省略している。
ここで、モータ10の回転軸であるモータ軸105、出力軸15、および、ディテントプレート21の関係を図3に示す。図3においては、実線で示す状態から二点鎖線で示す状態へとモータ10が回転することで、ディテントローラ26がディテントプレート21の凹部22、23間の山部210を乗り越え、ドライバ要求シフトレンジに応じた凹部22、23に嵌まり込む状態を模式的に示している。ここでは、PレンジからnotPレンジへの切り替えを例に説明する。図3においては、モータ10および出力軸15の回転方向を、紙面左右方向として説明する。また、図3は、「遊び」を概念的に示す模式図であって、出力軸15と減速機14とが一体となっており、モータ軸105が減速機14の遊びの範囲で移動可能であるものとして記載しているが、モータ軸105と減速機14とが一体となっており、減速機14と出力軸15との間に「遊び」が存在しているように構成しても差し支えない。
図3に示すように、モータ軸105と出力軸15との間には、減速機14が設けられており、モータ軸105と出力軸15との間のギアバックラッシュを含む「遊び」が存在している。本実施形態では、モータ10はDCブラシレスモータであって、モータ10への通電が停止されているとき、コギングトルク等の影響により、遊びの範囲内にてモータ軸105が回転し、モータ軸105と減速機14とが離間することがある。
また、矢印Ygに示すように、モータ軸105と減速機14とが回転方向において離間している状態にてモータ10が回転する場合、モータ軸105と減速機14とが当接するまでの間、モータ10は空走状態となり、モータ10の回転は、出力軸15側へ伝達されない。以下、遊びの範囲内にてモータ10の回転が出力軸15に伝達されない状態を「ガタ空走」とし、ガタ空走状態となる区間を「空走区間」とする。また、ガタ空走状態が終了することを、「ガタ詰まり」とする。
ガタ空走が終了すると、モータ10と出力軸15およびディテントプレート21とが一体となって回転する。これにより、ディテントローラ26は、凹部22、23間の山部210を乗り越え、凹部22へ移動する。ガタ空走状態の終了後、ディテントローラ26が凹部22、23間を移動している区間を、「谷谷間回転区間」とする。また、ガタ空走状態の終了から、山部210の頂点を乗り越える前までの区間を「一体回転区間」とする。
ところで、モータ10への通電をオフしている状態からシフトレンジを切り替えるべく通電を開始したとき、モータ軸105が「遊び」の範囲内のどの位置にあるかを特定することが困難である。また、モータ軸105と減速機14とが回転方向側にて離間している場合、モータ軸105と減速機14とが当接している状態からモータ10を回転させる場合と比較し、ガタ空走の分、モータ10を余分に回転させる必要がある。
そこで本実施形態では、エンコーダカウント値θen、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amに基づいてガタ空走終了を検出し、目標カウント値θcmdを補正することで、位置制御精度を確保している。
本実施形態の目標設定処理を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、ステップS101の「ステップ」を省略し、単に記号「S」と記す。
最初のS101では、空走判定部52は、パラメータ演算部51にて演算されるエンコーダカウント値θen、モータ速度SPm、および、モータ加速度Amを取得する。
S102では、空走判定部52は、通電フラグがセットされているか否かを判断する。通電フラグは、目標シフトレンジが変更されたときにセットされ、モータ10が停止したと判定された後にリセットされる。通電フラグがセットされると、目標カウント値θcmdを仮値θtとし、モータ10の駆動を開始する。図中において、フラグがセットされている状態を「1」、セットされていない状態を「0」とする。通電フラグがセットされていると判断された場合(S102:YES)、S105へ移行する。通電フラグがセットされていないと判断された場合(S102:NO)、S103へ移行する。
S103では、空走判定部52は、現在のエンコーダカウント値θenを駆動初期値θinitとして、図示しないRAM等に記憶させる。
S104では、空走判定部52は、空走区間であることを示す空走フラグXgata_A、一体回転区間であることを示す一体回転フラグXgata_B、および、計時カウンタのカウント値Ctをリセットする。以下適宜、空走フラグを「フラグA」、一体回転フラグを「フラグB」とする。
通電フラグがセットされていると判断された場合(S102:YES)に移行するS105では、空走判定部52は、エンコーダカウント値θenと駆動初期値θinitとの差の絶対値が駆動初期判定値θfより小さいか否かを判断する。S105は、ディテントローラ26がシフトレンジ切替前と同一の凹部内であることを判定するステップである。ディテントローラ26がシフトレンジ切替前と同一の凹部内である、ということは、山部210を乗り越える前であって、レンジ切替初期状態と捉えることもできる。駆動初期判定値θfは、切替前のレンジ、および、ディテントプレート21の形状に応じた値に設定される。エンコーダカウント値θenと駆動初期値θinitとの差の絶対値が駆動初期判定値θf未満であると判定された場合(S105:YES)、ディテントローラ26がシフトレンジ切替前と同一の凹部内であると判定し、S106へ移行する。エンコーダカウント値θenと駆動初期値θinitとの差の絶対値が駆動初期判定値θf以上であると判断された場合(S105:NO)、S113へ移行する。
エンコーダカウント値θenと駆動初期値θinitとの差の絶対値が駆動初期判定値θf未満であると判断された場合(S105:YES)、すなわちディテントローラ26がレンジ切替前と同一の凹部内である場合に移行するS106では、空走判定部52は、区間判定処理を行う。区間判定処理を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
S161では、空走判定部52は、モータ速度SPmが速度判定閾値SPthより大きいか否かを判断する。速度判定閾値SPthは、モータ10が回転中であることを判定するための値であって、0に近い比較的小さい値に設定される。モータ速度SPmが速度判定閾値SPth以下であると判断された場合(S161:NO)、S162へ移行し、フラグA、Bをリセットする。モータ速度SPmが速度判定閾値SPthより大きいと判断された場合(S161:YES)、S163へ移行する。
S163では、空走判定部52は、モータ加速度Amが第1判定閾値Ath1以上か否かを判断する。第1判定閾値Ath1は、モータ10が空走状態であることを判定する値であって、モータ10の性能等に応じて適宜設定される。モータ加速度Amが第1判定閾値Ath1以上であると判断された場合(S163:YES)、空走区間であると判定し、S165へ移行する。モータ加速度Amが第1判定閾値Ath1より小さいと判断された場合(S163:NO)、S164へ移行する。
S164では、空走判定部52は、モータ加速度Amが第2判定閾値Ath2以下か否かを判断する。第2判定閾値Ath2は、モータ10が一体回転状態であることを判定する値であって、モータ10の性能等に応じて適宜設定される。第2判定閾値Ath2は、第1判定閾値Ath1より小さい値に設定される。すなわち、Ath1>Ath2である。モータ加速度Amが第2判定閾値Ath2以下であると判断された場合(S164:YES)、一体回転区間であると判定し、S166へ移行する。モータ加速度Amが第2判定閾値Ath2より大きいと判断された場合(S164:NO)、S167へ移行する。
S165では、空走判定部52は、空走フラグXgata_Aをセットし、一体回転フラグXgata_Bをリセットする。
S166では、空走判定部52は、空走フラグXgata_Aをリセットし、一体回転フラグXgata_Bをセットする。
S167では、空走判定部52は、空走フラグXgata_Aをリセットする。
S165〜S167の後、図4中のS107へ移行する。
区間判定処理に続いて移行するS107では、空走判定部52は、空走フラグXgata_Aがセットされているか否かを判断する。空走フラグXgata_Aがセットされていないと判断された場合(S107:NO)、S109へ移行する。空走フラグXgata_Aがセットされていると判断された場合(S107:YES)、S108へ移行する。
S108では、空走判定部52は、計時カウンタのカウント値Ctをx座標、モータ速度SPmをy座標とし、空走区間におけるモータ速度SPmの近似直線を導出する。空走区間におけるモータ速度SPmの近似直線を式(3)とする。
y=ax+b ・・・(3)
S109では、空走判定部52は、一体回転フラグXgata_Bがセットされているか否かを判断する。一体回転フラグXgata_Bがセットされていないと判断された場合(S109:NO)、S112へ移行する。一体回転フラグXgata_Bがセットされていると判断された場合(S109:YES)、S110へ移行する。
S110では、空走判定部52は、計時カウンタのカウント値Ctをx座標、モータ速度SPmをy座標とし、一体回転区間におけるモータ速度SPmの近似直線を導出する。一体回転区間におけるモータ速度SPmの近似直線を式(4)とする。
y=cx+d ・・・(4)
以下、空走区間におけるモータ速度SPmの近似直線を「近似直線LA」、一体回転区間におけるモータ速度SPmの近似直線を「近似直線LB」と呼ぶ。本実施形態では、近似直線LAが「第1近似線」に対応し、近似直線LBが「第2近似線」に対応する。
S111では、空走判定部52は、現在の計時カウンタのカウント値Ctおよびモータ速度SPmを、フラグA、Bの状態と関連づけて図示しないRAM等のメモリに記憶させる。
S112では、計時カウンタのカウント値Ctをインクリメントする。
エンコーダカウント値θenと駆動初期値θinitとの差の絶対値が駆動初期判定値θf以上であると判断された場合(S105:NO)に移行するS113では、空走判定部52は、フラグA、Bを共にリセットする。
S114では、空走判定部52は、近似直線LA、LBの交点を演算する。本実施形態では、モータ速度SPmが変曲点となるタイミングにて空走状態が終了したと判定する。モータ速度SPmの変曲点は、近似直線LA、LBの交点とする。近似直線LA、LBの交点のX座標を「ガタ詰めポイントXX」とすると、ガタ詰めポイントXXは、式(5)で表される。XXが負の値となった場合は、XX=0とする。
XX=(d−b)/(a−c) ・・・(5)
S115では、目標設定部55は、ガタ詰めポイントXXと最も近いカウント値Ctと関連づけて記憶されているエンコーダカウント値θenを、角度補正値θpとする。カウント値Ctは離散値であるので、(5)にて演算されたガタ詰めポイントXXと最も近いカウント値Ctを「空走終了時」とみなし、当該カウント値Ctのときのエンコーダカウント値θenに基づいて角度補正値θpを設定する。
S116では、目標設定部55は、角度補正値θpを用いて目標カウント値θcmdを演算する(式(6)参照)。式中のθdetは、谷谷間角度設計値であって、切替前のシフトレンジと目標シフトレンジとに応じた谷谷間回転区間の角度に応じて設定される設計値である。
θcmd=θinit+θp+θdet ・・・(6)
ここで、近似直線LA、LBの導出について説明する。本実施形態では、S111にて、計時カウンタのカウント値Ctとモータ速度SPmとが関連づけられて記憶されている。本実施形態では、空走フラグXgata_Aと関連付けられている複数の(Ct,SPm)を用いて、例えば最小二乗法等により線形近似を行い、近似直線LAを導出する。また、一体回転フラグXgata_Bと関連づけられている複数の(Ct,SPm)を用いて、例えば最小二乗法により線形近似を行い、近似直線LBを導出する。
なお、近似直線LA、LBを、最小二乗法以外の方法にて導出してもよい。また、線形近似に限らず、二次以上の関数等の近似線を導出し、当該近似線を用いて空走終了を判定してもよい。
本実施形態のモータ駆動制御を図6のタイムチャートに基づいて説明する。図6では、共通時間軸を横軸とし、上段から、モータ角度、モータ速度、モータ加速度、空走フラグXgata_A、一体回転フラグXgata_Bを示す。図6および後述の図9では、タイムスケール等は適宜変更している。
時刻x10にて目標シフトレンジが変更されると、通電フラグがセットされ、目標カウント値θcmdが設定され、モータ10の駆動が開始される。ここで設定される目標カウント値θcmdは、仮値θtである。ここでは、モータ10が正方向に回転するものとして説明する。モータ10の駆動が開始されると、エンコーダカウント値θen、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amが増加する。
時刻x11にて、モータ加速度Amが第1判定閾値Ath1以上になると、空走フラグXgata_Aがセットされる。空走フラグXgata_Aがセットされている時刻x11から時刻x13の間、(Ct,SPm)に基づき、近似直線LAを更新していく。時刻x13にて、空走フラグXgata_Aがリセットされると、近似直線LAが確定される。
空走区間が終了し、モータ軸105が出力軸15と一体に回転するようになると、モータ加速度Amが小さくなる。時刻x14にて、モータ加速度Amが第2判定閾値Ath2以下になると、一体回転フラグXgata_Bがセットされる。時刻x14から、エンコーダカウント値θenと駆動初期値θinitとの差が駆動初期判定値θfとなる時刻x15までの間、(Ct,SPm)に基づき、近似直線LBを更新していく。時刻x15にて、一体回転フラグXgata_Bがリセットされると、近似直線LBが確定される。
空走判定部52は、得られた近似直線LA、LBを用いてガタ詰めポイントXXを演算する。図6では、ガタ詰めポイントXXを時刻x12とする。空走判定部52は、ガタ詰めポイントXXにおけるエンコーダカウント値θenを角度補正値θpとする。目標設定部55は、角度補正値θp、および、谷谷間角度設計値θdetに基づいて目標カウント値θcmdを演算し、目標カウント値θcmdを仮値θtから変更する。実際には、時刻x15にて近似直線LBが確定されてから、目標カウント値θcmdが変更されるまでには演算遅れがあるが、ここでは簡略化のため、時刻x15にて目標カウント値θcmdが変更されるものとして記載した。また、目標カウント値θcmdの変更は、時刻x15以降であって、ディテントローラ26がディテントプレート21の山部210を越える前のいずれのタイミングとしてもよい。
以上説明したように、本実施形態のシフトレンジ制御装置40は、モータ10の回転軸であるモータ軸105とモータ10の回転が伝達される出力軸15との間に遊びが存在するシフトバイワイヤシステム1において、モータ10の駆動を制御することでシフトレンジを切り替えるものである。シフトレンジ制御装置40は、パラメータ演算部51と、空走判定部52と、目標設定部55と、駆動制御部56と、を備える。
パラメータ演算部51は、モータ10の回転位置を検出するエンコーダ13から取得されるモータ回転角信号SgEに基づき、エンコーダカウント値θen、モータ速度SPm、および、モータ加速度Amを演算する。空走判定部52は、モータ速度SPm、および、モータ加速度Amに基づき、遊びの範囲内にてモータ10が回転している空走状態の終了を判定する。目標設定部55は、空走終了時におけるエンコーダカウント値θenに応じた値である角度補正値θpを用い、モータ10の駆動制御に係る目標カウント値θcmdを設定する。駆動制御部56は、エンコーダカウント値θenが目標カウント値θcmdとなるように、モータ10の駆動を制御する。
本実施形態では、エンコーダカウント値θen、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amに基づいて空走状態の終了を判定し、空走終了時のエンコーダカウント値θenに基づいて目標カウント値θcmdを設定している。これにより、突き当て制御による遊び量の学習処理を行うことなく、目標カウント値θcmdを適切に設定することができ、高精度の位置決め制御を実現可能である。また、突き当て制御を行う場合、比較的大きなトルクにてディテントローラ26をディテントプレート21に突き当てるため、ディテント機構にストレスがかかる。そのため、突き当て制御を行う場合、ディテント機構等が壊れないように設計する必要がある。本実施形態では、突き当て制御が不要であるので、シフトレンジ切替機構20を簡素化可能である。
また、目標カウント値θcmdの設定に、出力軸15の回転位置である出力軸角度θsを用いていないので、出力軸15の回転位置を検出する出力軸センサを省略したり、検出精度を緩和したりできる。
空走判定部52は、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amに基づき、空走状態である空走区間、および、モータ軸105と出力軸15とが一体に回転している一体回転区間を判定する。空走判定部52は、空走区間におけるモータ速度SPmの経時変化を表す近似線である近似直線LA、および、一体回転区間におけるモータ速度SPmの経時変化を表す近似線である近似直線LBを導出し、近似直線LA、LBの交点となるタイミングであるガタ詰めポイントXXにて、空走状態が終了したと判定する。
本実施形態では、複数の時点でのモータ速度SPmを用いて近似直線LA、LBを求め、その交点に基づいて空走終了判定を行い、角度補正値θpを演算している。これにより、エンコーダ13におけるノイズの影響による空走終了の誤判定が生じにくくなり、空走終了判定および角度補正値θpの精度が向上する。
空走判定部52は、モータ速度SPmが速度判定閾値SPthより大きく、モータ加速度Amが第1判定閾値Ath1以上であるときを空走区間とし、モータ速度SPmが速度判定閾値SPthより大きく、モータ加速度Amが第1判定閾値Ath1より小さい第2判定閾値Ath2以下であるときを一体回転区間とする。
これにより、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amに基づいて、空走区間および一体回転区間を適切に設定することができる。
モータ速度SPmは、モータ回転角信号SgEのパルスエッジ割り込み毎に演算される。これにより、モータ速度SPmを適切に演算することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図7〜図9に示す。
本実施形態では、パラメータ演算部51にて、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amに加え、推定負荷トルクTL[Nm]を演算する。推定負荷トルクTLは、式(7)にて演算される。
TL=TM(SPm)−k×Am ・・・(7)
式中のTM(SPm)は、モータトルクであって、モータ速度SPmに基づく関数であることを意味する。本実施形態では、モータトルクTMは、図7に示すマップを用いて演算される。図7に示すように、モータトルクTMは、モータ速度SPmが小さいほど、大きい値となる。また、式中の定数kは、イナーシャに応じた値である。
演算された推定負荷トルクTLは、フィルタ処理された値が空走判定に用いられる。以下、推定負荷トルクTLは、フィルタ処理後の値とする。
本実施形態の目標設定処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。
S201では、空走判定部52は、パラメータ演算部51にて演算されるパラメータを取得する。特に、本実施形態では、推定負荷トルクTLを取得する。
S202では、図4中のS102と同様であって、空走判定部52は、通電フラグがセットされているか否かを判定する。通電フラグがセットされていないと判断された場合(S202:NO)、S203へ移行し、学習フラグXgataをリセットする。通電フラグがセットされていると判断された場合(S202:YES)、S204へ移行する。
S204では、空走判定部52は、学習フラグXgataがセットされているか否かを判断する。学習フラグXgataがセットされていると判断された場合(S204:YES)、本ルーチンを終了する。学習フラグXgataがセットされていないと判断された場合(S204:NO)、S205へ移行する。
S205では、空走判定部52は、推定負荷トルクTLが負荷判定閾値TLthより大きいか否かを判断する。推定負荷トルクTLが負荷判定閾値TLth以下であると判断された場合(S205:NO)、本ルーチンを終了する。推定負荷トルクTLが負荷判定閾値TLthより大きいと判断された場合(S205:YES)、空走状態が終了したと判定し、S206へ移行する。
S206では、空走判定部52は、現在のエンコーダカウント値θenを角度補正値θpとして、図示しないRAM等の記憶部に記憶させる。
S207では、目標設定部55は、角度補正値θp、および、谷谷間角度設計値θdetに基づき、目標カウント値θcmdを演算する(式(6)参照)。
S208では、空走判定部52は、学習フラグXgataをセットする。
本実施形態のモータ駆動制御を図9のタイムチャートに基づいて説明する。図9では、共通時間軸を横軸とし、上段から、モータ角度、モータトルクTM、モータ速度SPm、モータ加速度Am、推定負荷トルクTLを示す。
時刻x20にて目標シフトレンジが変更されると、通電フラグがセットされ、目標カウント値θcmdが仮値θtに設定され、モータ10の駆動が開始される。ここでは、モータ10が正方向に回転するものとして説明する。モータ10の駆動が開始されると、エンコーダカウント値θen、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amが増加する。また、モータ速度の増加に伴い、モータトルクTMは、駆動初期トルクから減少する。
また、時刻x21にて、ガタ空走状態が終了し、モータ10と出力軸15とが一体となって回転するようになると、モータ速度SPmおよびモータトルクTMの変化量が小さくなる。また、モータ加速度Amが小さくなり、推定負荷トルクTLが大きくなる。
ここで、推定負荷トルクTLについて説明する。モータ10が遊びの範囲内で回転しているとき、モータフリクションが負荷となる。モータ10が出力軸15と一体になって回転しているとき、モータフリクションに加え、出力軸フリクションおよびディテントスプリング25のばね力が負荷となる。そのため、一体回転区間における負荷トルクT2は、空走区間における負荷トルクT1より大きい。すなわち、T1<T2である。
そこで本実施形態では、負荷トルクT1、T2の間となる負荷判定閾値TLthを設定し、推定負荷トルクTLが負荷判定閾値TLthより大きくなる時刻x21にて、空走状態が終了したと判定する。そして、このときのエンコーダカウント値θenを角度補正値θpとし、角度補正値θpに基づいて目標カウント値θcmdを演算する。
図9では、演算遅れ等を無視し、時刻x21にて目標カウント値θcmdが演算されると同時に目標カウント値θcmdが変更されるものとして記載している。なお、目標カウント値θcmdを仮値θtから切り替えるタイミングは、ディテントローラ26がディテントプレート21の山部210を越える前のいずれのタイミングとしてもよい。
本実施形態では、空走判定部52は、モータ速度SPmおよびモータ加速度Amに基づいて演算される推定負荷トルクTLが負荷判定閾値TLthより大きいと判断された場合、空走状態が終了したと判定する。
推定負荷トルクTLを用いることで、比較的簡素な処理にて、精度よく空走状態の終了を判定することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
上記実施形態では、モータは、DCブラシレスモータである。他の実施形態では、モータは、例えばスイッチトリラクタンスモータ等、どのようなモータであってもよい。上記実施形態では、モータの巻線組数については言及していないが、巻線組は1組でもよいし、複数組でもよい。
上記実施形態では、モータ回転角センサは、エンコーダである。他の実施形態では、モータ回転角センサは、エンコーダに限らず、レゾルバ等、どのようなものを用いてもよい。すなわち、モータ角度は、エンコーダカウント値に限らず、モータ角度に換算可能などのような値であってもよい。
上記実施形態では、出力軸センサが省略されている。他の実施形態では、出力軸の回転位置を検出する出力軸センサを設けてもよい。例えば、出力軸センサが正常である場合は、モータ回転角センサおよび出力軸センサの検出値を用いて空走状態の終了を判定し、出力軸センサが故障等にて使用できなくなった際に、上記実施形態のように、モータ角度、モータ速度およびモータ加速度に基づいて空走状態の終了を判定するようにしてもよい。
上記実施形態では、ディテントプレートには2つの凹部が設けられる。他の実施形態では、凹部の数は2つに限らず、いくつであってもよい。例えば、P、R、N、Dの各レンジに対応して4つの凹部が設けられていてもよい。また、シフトレンジ切替機構やパーキングロック機構等は、上記実施形態と異なっていてもよい。
上記実施形態では、モータ軸と出力軸との間に減速機が設けられる。減速機の詳細について、上記実施形態では言及していないが、例えば、サイクロイド歯車、遊星歯車、モータ軸と略同軸の減速機構から駆動軸へトルクを伝達する平歯歯車を用いたものや、これらを組み合わせて用いたもの等、どのような構成であってもよい。また、他の実施形態では、モータ軸と出力軸との間の減速機を省略してもよいし、減速機以外の機構を設けてもよい。すなわち、上記実施形態では、モータ軸と出力軸との間の「遊び」が減速機のギアとモータ軸との間に存在するものを中心に説明したが、「遊び」とはモータ軸と出力軸との間に存在する遊びやガタ等の合計と捉えることができる。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・シフトバイワイヤシステム(シフトレンジ切替システム)
10・・・モータ 105・・・モータ軸
13・・・エンコーダ(モータ回転角センサ)
15・・・出力軸
40・・・シフトレンジ制御装置
50・・・ECU
51・・・パラメータ演算部
52・・・空走判定部
55・・・目標設定部
56・・・駆動制御部

Claims (5)

  1. モータ(10)の回転軸であるモータ軸(105)と前記モータの回転が伝達される出力軸(15)との間に遊びが存在するシフトレンジ切替システム(1)において、前記モータの駆動を制御することでシフトレンジを切り替えるシフトレンジ制御装置であって、
    前記モータの回転位置を検出するモータ回転角センサ(13)から取得されるモータ回転角信号に基づき、モータ角度、モータ速度、および、モータ加速度を演算するパラメータ演算部(51)と、
    前記モータ速度および前記モータ加速度に基づき、前記遊びの範囲内にて前記モータが回転している空走状態の終了を判定する空走判定部(52)と、
    空走終了時における前記モータ角度に応じた値である角度補正値を用い、前記モータの駆動制御に係るモータ角度目標値を設定する目標設定部(55)と、
    前記モータ角度が前記モータ角度目標値となるように、前記モータの駆動を制御する駆動制御部(56)と、
    を備えるシフトレンジ制御装置。
  2. 前記空走判定部は、
    前記モータ速度および前記モータ加速度に基づき、前記空走状態である空走区間、および、前記モータ軸と前記出力軸とが一体に回転している一体回転区間を判定し、
    前記空走区間における前記モータ速度の経時変化を表す近似線である第1近似線、および、前記一体回転区間における前記モータ速度の経時変化を表す近似線である第2近似線を導出し、前記第1近似線と前記第2近似線との交点となるタイミングにて、前記空走状態が終了したと判定する請求項1に記載のシフトレンジ制御装置。
  3. 前記空走判定部は、
    前記モータ速度が速度判定閾値より大きく、前記モータ加速度が第1判定閾値以上であるときを前記空走区間とし、
    前記モータ速度が前記速度判定閾値より大きく、前記モータ加速度が前記第1判定閾値より小さい第2判定閾値以下であるときを前記一体回転区間とする請求項2に記載のシフトレンジ制御装置。
  4. 前記空走判定部は、前記モータ速度および前記モータ加速度に基づいて演算される推定負荷トルクが負荷判定閾値より大きいと判断された場合、前記空走状態が終了したと判定する請求項1に記載のシフトレンジ制御装置。
  5. 前記モータ速度は、前記モータ回転角信号のパルスエッジ割り込み毎に演算される請求項1〜4のいずれか一項に記載のシフトレンジ制御装置。
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