以下に、図面を参照して実施形態について説明する。図1は、学習支援システムのシステム構成の一例を説明する図である。
本実施形態の学習支援システム100は、学習支援装置200と、端末装置300−1、300−2、・・・、300−Nを有する。
本実施形態の学習支援システム100において、学習支援装置200は、端末装置300−1、300−2、・・・、300−Nに対して、電子学習教材を配信する。端末装置300−1、300−2、・・・、300−Nでは、それぞれにおいて、各端末装置の利用者により、電子学習教材を用いた学習が行われる。また、本実施形態では、生徒(学習者)が、電子学習教材が配信された端末装置300を自宅等に持ち帰り、この学習に取り組むことを、「持ち帰り学習」と呼ぶ。
本実施形態の学習支援システム100は、例えば小中学校等における教育に用いられるものであり、学習支援装置200は、主に教師が使用し、端末装置300−1、300−2、・・・、300−Nは、主に生徒が使用する。したがって、以下の実施形態の説明では、学習支援装置200を教師端末200と呼び、端末装置300−1、300−2、・・・、300−Nを生徒端末300−1、300−2、・・・、300−Nと呼ぶ。また、以下の説明では、生徒端末300−1、300−2、・・・、300−Nのそれぞれを区別しない場合には、生徒端末300−1、300−2、・・・、300−Nを単に生徒端末300と呼ぶ。
本実施形態の学習支援システム100では、例えば各生徒が生徒端末300を用いて持ち帰り学習を行う場合に、生徒端末300に設けられた各センサが検出した情報に基づき、持ち帰り学習を行う際の環境が学習に適しているか否かを生徒毎に判定する。そして、本実施形態の学習支援システム100は、環境が学習に適していないと判定された場合に、生徒端末300に環境の改善を促す情報を生徒毎に表示させる。
このとき、本実施形態の学習支援システム100では、生徒端末300毎に、センサが検出した情報と比較する閾値を設定する。このため、本実施形態では、生徒毎に、環境が学習に適しているか否かを判定でき、環境が学習に適していないと判定された生徒に対しては、生徒毎に生徒端末300に環境の改善を促す情報を表示させることができる。
本実施形態の教師端末200は、生徒データベース210、視線検知データベース220、学習結果データベース230、センサ情報データベース240、生徒別閾値データベース250、共通閾値データベース260、共通マスタデータベース270、アラーム効果カウントデータベース280、アラーム効果判定データベース281、生徒別アラーム履歴データベース282、学習支援処理部290を有する。
生徒データベース210には、学習を行う生徒に関する情報が格納される。視線検知データベース220は、生徒端末300から取得したセンサ情報に基づき、生徒毎に視線を検知した結果が格納される。学習結果データベース230は、生徒毎の持ち帰り学習の学習結果が格納される。
センサ情報データベース240は、生徒端末300毎に、各生徒端末300の有する各センサが検出した情報が格納される。生徒別閾値データベース250は、生徒端末300毎の、環境が学習に適しているか否かの判定に用いられる閾値が格納される。
共通閾値データベース260は、環境が学習に適しているか否かの判定に用いられる共通の閾値が格納される。共通マスタデータベース270は、学習支援処理部290の処理に用いられる値が格納される。
アラーム効果カウントデータベース280は、アラーム効果判定処理により生成された情報が格納される。アラーム効果判定処理とは、環境の改善を促す情報を表示させることによる効果の有無を判定する処理である。アラーム効果判定データベース281は、生徒端末300毎の、環境の改善を促す情報を表示させることによる効果の有無を判定した結果が格納される。生徒別アラーム履歴データベース282は、生徒端末300毎の、環境の改善を促す情報の表示の履歴を示す情報が格納される。
尚、以下の説明では、環境の改善を促す情報をアラーム情報と呼び、センサから検出された値をセンサ情報と呼ぶ。センサ情報には、センサから検出された複数の値が含まれる。
本実施形態の学習支援処理部290は、上述した各データベースを参照し、生徒端末300毎に、学習内容の正解率に応じて、環境が学習に適しているか否かの判定に用いる閾値を算出して生徒端末300へ出力し、生徒端末300毎にアラーム情報を表示させる。
本実施形態の生徒端末300は、学習処理部310を有する。学習処理部310は、教師端末200から、電子学習教材であるコンテンツを受信して、学習内容を表示させる。また、学習処理部310は、センサ情報を取得し、学習内容と共に教師端末200へ送信する。また、学習処理部310は、教師端末200から、センサ毎の閾値を受信し、センサ情報と閾値とを比較した結果に応じて、アラーム情報を生徒端末300に表示させる。
次に、本実施形態の教師端末200について説明する。図2は、教師端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
本実施形態の教師端末200は、例えばタブレット型のコンピュータであり、それぞれバスBで相互に接続されている入出力装置21、ドライブ装置22、補助記憶装置23、メモリ装置24、演算処理装置25及びインターフェース装置26を含む。
入出力装置21は、タッチパネル等の表示操作装置である。インターフェース装置26は、モデム、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
学習支援プログラムは、教師端末200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。学習支援プログラムは例えば記録媒体27の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。学習支援プログラムを記録した記録媒体27は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
また、学習支援プログラムは、学習支援プログラムを記録した記録媒体27がドライブ装置22にセットされるとは記録媒体27からドライブ装置22を介して補助記憶装置23にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた学習支援プログラムは、インターフェース装置26を介して補助記憶装置23にインストールされる。
補助記憶装置23は、インストールされた学習支援プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置24は、コンピュータの起動時に補助記憶装置23から学習支援プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置25はメモリ装置24に格納された学習支援プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
また、本実施形態の教師端末200は、例えばデスクトップ型のコンピュータ等であっても良い。その場合、入出力装置21の代わりに、表示機能を有する出力装置と、キーボード等の入力装置とを有していても良い。
本実施形態の生徒端末300は、一般のタブレット型のコンピュータ等であり、そのハードウェア構成は、図2に示す教師端末200と同様である。尚、本実施形態の生徒端末300は、図2には示していないが、カメラ、マイク、加速度センサ、ジャイロセンサ、照度センサ等を有するものである。本実施形態の生徒端末300は、カメラとマイクの他に、上述した全てのセンサを有していても良いが、全てのセンサを有していなくても良い。また、本実施形態の教師端末200は、生徒端末300と同様のセンサ群を有していても良い。本実施形態の生徒端末300が有する各センサは、例えば一般的なタブレット型のコンピュータに設けられたセンサである。以下の説明におけるセンサとは、生徒端末300に設けられたカメラ以外のマイク、加速度センサ、ジャイロセンサ、照度センサ等を示すものとする。
次に、図3乃至図12を参照し、本実施形態の教師端末200の有する各データベースについて説明する。
図3は、生徒データベースの一例を示す図である。本実施形態の生徒データベース210は、情報の項目として、生徒IDと、生徒氏名とを有し、それぞれが対応付けられている。
項目「生徒ID」の値は、生徒を識別するための識別子を示す。本実施形態では、各生徒の生徒端末300に、生徒IDが付与されている。したがって、以下の説明では、生徒IDは、生徒端末300を識別するための識別子でもある。項目「生徒氏名」の値は、生徒の氏名を示す。尚、本実施形態の生徒データベース210は、項目「生徒氏名」以外にも、項目「学年」等を有していても良い。
以下の説明では、項目「生徒ID」の値と、項目「生徒氏名」と対応する他の項目の値とを含む情報を、生徒情報と呼ぶ。
図4は、視線検知データベースの一例を示す図である。本実施形態の視線検知データベース220は、情報の項目として、生徒IDと、視線検知時刻と、を有し、両者は対応付けられており、以下の説明では、項目「生徒ID」の値と、項目「視線検知時刻」の値とを含む情報を、視線検知情報と呼ぶ。
項目「視線検知時刻」の値は、対応する生徒IDが付与された生徒端末300において生徒の視線を検知した時刻を示す。
尚、図4の例では、生徒ID「001」と対応する視線検知時刻が格納された例を示してが、視線検知データベース220には、生徒ID毎の視線検知時刻が格納される。以下の説明では、生徒IDの値と、視線検知時刻の値とを含む情報を視線検知情報と呼ぶ。
図5は、学習結果データベースの一例を示す図である。本実施形態の学習結果データベース230は、情報の項目として、生徒ID、持ち帰り日、持ち帰り学習ID、設問ID、科目、回答、回答時刻、正誤、点数、正解率を有する。学習結果データベース230において、項目「生徒ID」と、その他の項目とが対応付けられており、以下の説明では、項目「生徒ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、学習結果情報と呼ぶ。
項目「持ち帰り日」の値は、生徒端末300が持ち帰られた日付を示す。具体的には、項目「持ち帰り日」の値は、生徒端末300が教師端末200から電子学習教材であるコンテンツをダウンロードした日を示す。
項目「持ち帰り学習ID」の値は、生徒端末300がダウンロードしたコンテンツを識別するための識別情報を示す。項目「設問ID」の値は、コンテンツに含まれる設問を識別するための識別情報である。項目「科目」の値は、持ち帰り学習IDにより識別されるコンテンツと対応する科目を示す。項目「回答」の値は、設問IDにより識別される設問に対して入力された回答の内容を示す。
項目「回答時刻」の値は、生徒端末300において、対応する項目「回答」の値が入力された時刻を示す。項目「正誤」の値は、対応する項目「回答」の値が、正答であるか誤答であるか否かを示す。項目「点数」の値は、設問IDにより識別される設問に対応する点数を示す。項目「正解率」の値は、コンテンツに含まれる各設問の回答が正解であった確率である。
尚、本実施形態の学習結果データベース230では、設問に対する回答の正誤がわかれば良く、項目「点数」は含まれなくても良い。
図5の例では、生徒ID「001」の生徒の生徒端末300は、2015/5/10に持ち帰り学習ID「m0001」のコンテンツを教師端末200からダウンロードしたことがわかる。また、図5の例では、持ち帰り学習ID「m0001」のコンテンツの教科は算数であり、設問ID「sm0001」、「sm0002」、「sm0003」の設問が含まれることがわかる。さらに、図5の例では、2015/5/10の19:10:29に、設問ID「sm0001」の回答として「12」が入力され、この回答が誤った回答であることがわかる。
図6は、センサ情報データベースの一例を示す図である。図6(A)に示すセンサ情報データベース240−1は、マイクにより検出された音声情報と、照度センサにより検出された照度情報と、が格納される。また、図6(B)に示すセンサ情報データベース240−2は、ジャイロセンサにより検出された生徒端末300の振動情報と、加速度センサにより検出された生徒端末300の傾き情報とが格納される。
本実施形態のセンサ情報データベース240−1、240−2は、情報の項目として、生徒ID、センサ種類、値、時刻を有する。項目「センサ種類」の値は、センサの種類を示す。項目「値」は、対応するセンサから取得した値を示す。項目「時刻」の値は、対応する値を取得した時刻を示す。
例えば、センサ情報データベース240−1では、2015/5/10の19:10に、生徒ID「001」の生徒の生徒端末300の照度センサが320[lx]を検出し、マイクが29[dB]を検出したことがわかる。
また、例えばセンサ情報データベース240−2では、2015/5/10の19:10に、生徒ID「001」の生徒の生徒端末300のジャイロセンサが、X軸、Y軸、Z軸ともに0を検出したことがわかる。
図7は、生徒別閾値データベースの一例を示す図である。図7(A)に示す生徒別閾値データベース250−1は、学習支援処理部290による生徒毎の閾値の設定が行われると、図7(B)に示す生徒別閾値データベース250−2に更新される。尚、図7では、生徒ID「001」の生徒の生徒別閾値データベース250を示しており、生徒別閾値データベース250は、生徒ID毎に生成される。
本実施形態の生徒別閾値データベース250−1、250−2は、情報の項目として、生徒ID、設定日、センサ種類、アラーム種類、下限値、上限値、アラームIDを有する。
以下の説明では、項目「生徒ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を生徒別閾値情報と呼ぶ。
生徒別閾値データベース250−1、250−2において、項目「設定日」の値は、対応する上限値と下限値が設定された日付を示す。項目「アラーム種類」の値は、アラーム情報を識別する識別情報を示す。項目「下限値」及び項目「上限値」の値は、アラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値を示す。より具体的には、項目「下限値」及び項目「上限値」の値のうち、一方の値が、アラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値となり、他方の値がアラーム情報の種類を切り替えるか否かを判定するための閾値となる。項目「アラームID」の値は、表示させるアラーム情報を示す。
図7(A)では、生徒ID「001」が付与された生徒端末300において、マイクが検出した音量が下限値である40[dB]を超えると、アラーム種類が「警告」のアラームID「am0003」のアラーム情報が生徒端末300に表示される。また、図7(A)では、生徒ID「001」が付与された生徒端末300において、マイクが検出した音量が下限値である81[dB]を超えると、アラーム種類が「停止」のアラームID「am0004」のアラーム情報が生徒端末300に表示される。
したがって、センサ種類がマイクの場合には、アラーム種類が「警告」の下限値の値がアラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値となる。また、センサ種類がマイクの場合には、アラーム種類が「停止」の下限値が、アラーム情報をアラーム種類「警告」からアラーム種類「停止」へ切り替えるか否かを判定するための閾値となる。
尚、アラーム種類が「警告」であるアラーム情報とは、例えば、環境が学習に適していないことを警告し、環境の改善を促す情報である。また、アラーム種類が「停止」であるアラーム情報とは、例えば、環境が学習に適していないことを警告し、環境の改善か、又は学習の停止を促す情報である。
尚、学習の停止を促すだけでなく、生徒に環境改善の努力を行わせるために、センサ値が切替判定閾値以下となるまで、アラーム表示を継続させても良い。このようにすれば、学習に適していない環境での学習を中断させることができる。
同様に、図7(A)では、生徒ID「001」が付与された生徒端末300において、照度センサが検出した光量が上限値である80[lx]未満の場合、アラーム種類が「警告」のアラームID「am0001」のアラーム情報が生徒端末300に表示される。また、図7(A)では、生徒ID「001」が付与された生徒端末300において、照度センサが検出した光量が下限値である20[lx]以下となると、アラーム種類が「停止」のアラームID「am0002」のアラーム情報が生徒端末300に表示される。
したがって、センサ種類が照度センサの場合には、アラーム種類が「警告」の上限値の値がアラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値となる。
また、センサ種類が照度センサの場合には、アラーム種類が「停止」の上限値が、アラーム情報をアラーム種類「警告」からアラーム種類「停止」へ切り替えるか否かを判定するための閾値となる。
また、図7では示していないが、例えば加速度センサのセンサ情報は、生徒端末300の傾きを示す。学習の際に、生徒端末300が著しく傾いている場合には、環境が学習に適しているとは考えにくい。
したがって、項目「センサ種類」が「加速度」である場合は、照度センサと同様に、アラーム種類が「警告」の上限値の値がアラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値となる。また、アラーム種類が「停止」の上限値が、アラーム情報をアラーム種類「警告」からアラーム種類「停止」へ切り替えるか否かを判定するための閾値となる。
また、例えばジャイロセンサのセンサ情報は、生徒端末300の振動を示す。学習の際に、生徒端末300の振動が大きい場合には、環境が学習に適しているとは考えにくい。
したがって、項目「センサ種類」が「ジャイロ」である場合は、マイクと同様に、アラーム種類が「警告」の下限値の値がアラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値となる。また、アラーム種類が「停止」の下限値が、アラーム情報をアラーム種類「警告」からアラーム種類「停止」へ切り替えるか否かを判定するための閾値となる。
以下の説明では、アラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値を出力判定閾値と呼び、表示するアラーム情報を切り替えるか否かを判定するための閾値を切替判定閾値と呼ぶ。
図8は、共通閾値データベースの一例を示す図である。本実施形態の共通閾値データベース260は、情報の項目として、アラームID、センサ種類、アラーム種類、下限値、上限値を有する。以下の説明では、共通閾値データベース260において、項目「アラームID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を共通閾値情報と呼ぶ。
本実施形態の共通閾値データベース260に格納された上限値及び下限値は、例えば生徒別の閾値が設定されていない場合等に、共通の閾値として用いられる値である。
図9は、共通マスタデータベースの一例を示す図である。本実施形態の共通マスタデータベース270は、例えば学習支援システム100の管理者等により予め設定された値が格納されており、学習支援処理部290が処理を実行する際に参照される。
共通マスタデータベース270は、情報の項目として、設定項目と設定値とを有する。項目「設定項目」の値は、予め値が設定されている項目を示す。項目「設定値」の値は、設定項目に対して設定された値を示す。
図9の例では、夜間開始時刻として0:00が設定され、夜間終了時刻として5:59が設定されていることがわかる。つまり、図9の例では、0:00〜5:59までを夜間と見なすことが設定されている。
また、図9の例では、正解率が60%、アラーム効果判定有効日数が3日に設定されていることがわかる。本実施形態では、例えば、アラーム効果判定有効日数以内に、アラーム情報を出力することが環境改善の向上にとって効果的であるか否かを判定した判定結果を有効な判定結果として採用しても良い。
共通マスタデータベース270に格納された値は、後述する学習支援処理部290の処理に用いられる。
図10は、アラーム効果カウントデータベースの一例を示す図である。本実施形態のアラーム効果カウントデータベース280は、アラーム効果判定処理により生成される情報が格納される。
本実施形態のアラーム効果カウントデータベース280は、情報の項目として、生徒ID、効果有無、累積値、更新日を有する。項目「効果有無」の値は、アラーム情報の効果の有無を示す。項目「累積値」の値は、アラーム情報の効果が有ると判定された回数、又はアラーム情報の効果が無いと判定された回数を示す。項目「更新日」の値は、アラーム効果判定処理が行われた日付を示す。以下の説明では、アラーム効果カウントデータベース280において、項目「生徒ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報をアラーム効果カウント情報と呼ぶ。
図10の例では、2015/5/11の時点で、生徒ID「001」に対して、アラーム情報を表示することに効果が有ると判定された回数が10回であり、アラーム情報を表示することに効果が無いと判定された回数が9回であることがわかる。
図11は、アラーム効果判定データベースの一例を示す図である。本実施形態のアラーム効果判定データベース281は、生徒毎のアラーム効果判定処理による判定結果が格納される。アラーム効果判定データベース281は、情報の項目として、生徒ID、判定結果、更新日を有する。項目「判定結果」の値は、アラーム情報の効果の有無を判定した結果を示す。
以下の説明では、アラーム効果判定データベース281において、項目「生徒ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、アラーム効果判定情報と呼ぶ。
図11では、2015/5/11の時点では、生徒ID「001」の生徒に対するアラーム情報の表示は効果が無いと判定されていることがわかる。
図12は、アラーム履歴データベースの一例を示す図である。本実施形態の生徒別アラーム履歴データベース282は、生徒毎に、表示されたアラーム情報の履歴を示す情報が格納される。生徒別アラーム履歴データベース282は、情報の項目として、生徒ID、アラームID、表示日時を有する。項目「表示日時」の値は、アラームIDと対応するアラーム情報が生徒端末300に表示された日時を示す。以下の説明では、生徒別アラーム履歴データベース282において、項目「生徒ID」の値と、その他の項目の値と、を含む情報を生徒別アラーム履歴情報と呼ぶ。
図12では、生徒ID「001」が付与された生徒端末300に、2015/5/10の16時25分39秒に、アラームID「am0003」と対応するアラーム情報が表示されたことがわかる。
尚、アラームID「am0003」と対応するアラーム情報とは、マイクにより検出された値に基づく種類が「警告」のアラーム情報である(図8参照)。
以上に説明した本実施形態の各データベースは、例えば教師端末200の補助記憶装置23等に設けられていても良い。
次に、図13を参照し、本実施形態の学習支援システム100の有する各装置の機能構成について説明する。図13は、学習支援システムの有する各装置の機能構成を説明する図である。
始めに、教師端末200の機能構成について説明する。本実施形態の教師端末200は、学習支援処理部290を有する。学習支援処理部290は、演算処理装置25がメモリ装置24等に格納された学習支援プログラムを実行することで実現される。
本実施形態の学習支援処理部290は、入力受付部291、コンテンツ出力部292、センサ起動要求部293、閾値出力部294、センサ情報取得部295、視線検知取得部296、閾値算出部297、アラーム効果判定部298を有する。
入力受付部291は、教師端末200に対する入力を受け付ける。入力受付部291は、例えば入出力装置21に対する操作や、生徒端末300から送信される情報の入力を受け付ける。
コンテンツ出力部292は、電子学習教材であるコンテンツを生徒端末300に出力する。尚、コンテンツは、予め教師端末200において生成され、補助記憶装置23やメモリ装置24等に格納されていても良いし、教師端末200が外部のサーバ等からダウンロードしてきたものであっても良い。
センサ起動要求部293は、コンテンツ出力部292によりコンテンツを出力する際に、生徒端末300へ出力する際に、生徒端末300に対して、各センサとカメラの起動要求を行う。
閾値出力部294は、生徒端末300に付与された生徒IDを含む生徒別閾値情報を生徒端末300へ出力する。
センサ情報取得部295は、生徒端末300から出力されるセンサ情報を生徒IDと共に取得し、センサ情報データベース240へ格納する。視線検知取得部296は、生徒端末300において検知された視線検知結果を示す情報を生徒IDと共に取得し、視線検知データベース220へ格納する。
閾値算出部297は、コンテンツに含まれる設問に対する回答の正解率に応じて、生徒端末300毎に生徒別閾値情報における上限値又は下限値を算出する。閾値算出部297の詳細は後述する。
アラーム効果判定部298は、生徒端末300に対するアラーム情報の表示が、生徒の学習環境の向上に対して効果を奏しているか否かを判定する。アラーム効果判定部298の詳細は後述する。
次に、生徒端末300の機能構成について説明する。本実施形態の生徒端末300は、学習処理部310を有する。本実施形態の学習処理部310は、生徒端末300のメモリ装置等に格納された学習プログラムを生徒端末300の演算処理装置が実行することで実現される。
本実施形態の学習処理部310は、入力受付部311、閾値有無判定部312、アラーム出力判定部313、表示制御部314、アラーム情報記憶部315、センサ情報収集部316、回答情報保持部317、視線検知部318、情報出力部319を有する。
本実施形態の入力受付部311は、生徒端末300に対する情報の入力を受け付ける。入力受付部311は、例えば生徒端末300の入出力装置に対する操作や、教師端末200から送信される情報の入力を受け付ける。
閾値有無判定部312は、教師端末200から送信されたコンテンツと共に、生徒別閾値情報が送信されたか否かを判定する。アラーム出力判定部313は、コンテンツを表示させ、持ち帰り学習を実行している最中に、生徒別閾値情報に含まれる上限値又は下限値と、センサ情報とを比較し、アラーム情報を出力するか否かを判定する。
表示制御部314は、アラーム情報を出力すると判定された場合に、該当するアラーム情報を生徒端末300に表示させる。
アラーム情報記憶部315は、アラーム情報をアラームIDと対応付けて記憶している。本実施形態のアラーム情報記憶部315が記憶するアラーム情報は、予め生徒端末300に格納されていても良いし、コンテンツと共に教師端末200からダウンロードされても良い。また、アラームIDと対応付けられたアラーム情報は、教師端末200に記憶されていても良い。アラーム情報記憶部315の詳細は後述する。
センサ情報収集部316は、生徒別閾値情報のセンサ種類が示すセンサのセンサ情報を収集する。回答情報保持部317は、生徒端末300において行われた学習の結果である回答情報を保持する。回答情報は、学習結果情報に含まれる項目「正誤」と項目「点数」以外の項目を含む情報である。つまり、回答情報は、生徒IDと、持ち帰り日と、持ち帰り学習IDと、設問IDと、科目と、回答と、回答時刻を含む情報である。
視線検知部318は、生徒端末300の有するカメラにより撮像された画像から、生徒端末300に向けられた視線を検知し、視線検知情報として保持する。具体的には、視線検知部318は、生徒端末300に視線が向けられた時刻を検知し、生徒IDと視線を検知した時刻とを対応付けた情報を視線検知情報とする。
情報出力部319は、センサ情報、回答情報及び視線検知情報を教師端末200へ送信する。
次に、本実施形態の閾値算出部297について説明する。図14は、閾値算出部の機能構成を説明する図である。
本実施形態の閾値算出部297は、学習時間特定部271、正解率算出部272、センサ情報比較部273、正解率判定部274、履歴有無判定部275、結果有無判定部276、空き時間検出部277、閾値更新部278を有する。
本実施形態の学習時間特定部271は、視線検知情報と、回答情報とから、生徒が持ち帰り学習を行った学習時間帯を特定する。正解率算出部272は、生徒端末300から受信した回答情報から、回答の正解率を算出する。尚、教師端末200は、生徒端末300にダウンロードしたコンテンツに含まれる設問の正解を予め保持しており、回答情報と正解とを比較して正解率を算出する。
センサ情報比較部273は、センサ情報と閾値とを比較する。正解率判定部274は、学習結果データベース230における学習結果情報に含まれる正解率が、共通マスタデータベース270に格納された正解率を超えているか否かを判定する。
履歴有無判定部275は、生徒別アラーム履歴データベース282において、生徒IDと対応する生徒別アラーム履歴情報が存在するか否かを判定する。
結果有無判定部276は、アラーム効果判定有効日数以内のアラーム効果判定結果が存在するか否かを判定する。具体的には、結果有無判定部276は、判定結果データベース281に、該当する生徒IDと対応した判定結果が格納されているか否かを判定している。
空き時間検出部277は、視線検知情報と回答情報とから、空き時間帯を検出する。空き時間帯とは、センサ情報を収集している時間帯のうち、夜間と学習時間帯以外の時間帯である。閾値更新部278は、生徒別閾値情報に含まれる閾値を更新する。
次に、本実施形態のアラーム効果判定部298について説明する。図15は、アラーム更新判定部の機能構成を説明する図である。
本実施形態のアラーム効果判定部298は、アラーム履歴判定部261、表示時刻取得部262、センサ情報比較部263、効果判定部264、結果有無判定部265、有効日数判定部266、判定結果設定部267を有する。
アラーム履歴判定部261は、生徒別アラーム履歴データベース282を参照し、生徒端末300毎のアラーム情報の表示履歴の有無を判定する。表示時刻取得部262は、生徒端末300においてアラーム情報が表示された時刻を取得する。センサ情報比較部263は、センサ情報比較部273と同様の処理を行う。
効果判定部264は、アラーム情報の表示により環境が改善したか否かを判定する。結果有無判定部265は、結果有無判定部276と同様の処理を行う。
有効日数判定部266は、アラーム効果判定データベース281に格納された、該当する生徒IDと対応する判定結果が、アラーム効果判定有効日数内に判定された結果であるか否かを判定する。判定結果設定部267は、センサ情報比較部263による比較結果と、アラーム効果カウントデータベース280とに基づき、アラーム情報の表示が、学習環境の向上に対して効果があるか否かを判定し、その結果をアラーム効果判定データベース281に格納する。
次に、本実施形態の学習支援システム100の有する各装置の動作について説明する。始めに、教師端末200の動作について説明する。
図16は、教師端末の動作を説明する第一のフローチャートである。図16は、生徒端末300からコンテンツの取得要求を受けた際の教師端末200の動作を示す。
本実施形態の教師端末200の学習支援処理部290は、入力受付部291により、生徒端末300から、生徒IDと共にコンテンツの取得要求(ダウンロード要求)を受信する(ステップS1601)。
続いて学習支援処理部290は、コンテンツ出力部292により、コンテンツの取得要求を行った生徒端末300に対してコンテンツを出力し、センサ起動要求部293により、コンテンツと共に生徒端末300のセンサとカメラの起動要求を生徒端末300へ送信する(ステップS1602)。
続いて学習支援処理部290は、閾値出力部294により、生徒別閾値データベース250を参照し、受信した生徒IDを含む生徒別閾値情報を検索する(ステップS1603)。続いて、閾値出力部294は、該当する生徒別閾値情報が存在するか否かを判定する(ステップS1604)。
ステップS1604において、該当する生徒別閾値情報が存在しない場合、学習支援処理部290は、処理を終了する。ステップS1604において、該当する生徒別閾値情報が存在する場合、閾値出力部294は、生徒端末300に対し、該当する生徒別閾値情報を送信し(ステップS1605)、処理を終了する。
尚、本実施形態では、該当する生徒別閾値情報が存在しない場合には処理を終了するものとしたが、これに限定されない。該当する生徒別閾値情報が存在しない場合には、教師端末200は、共通閾値情報を生徒端末300へ送信しても良い。
図17は、教師端末の動作を説明する第二のフローチャートである。図17は、生徒端末300から回答情報を受信する際の動作を示す。
本実施形態の教師端末200の学習支援処理部290は、入力受付部291により、生徒端末300から回答情報を受信する。このとき、入力受付部291は、回答情報と共に、監視対象とされたセンサのセンサ情報と、視線検知情報と、を受信する(ステップS1701)。
続いて学習支援処理部290は、センサ起動要求部293により、センサ及びカメラの動作の終了指示を送信する(ステップS1702)。
続いて、学習支援処理部290は、閾値算出部297により、生徒別閾値算出処理を行う(ステップS1703)。続いて、学習支援処理部290は、アラーム効果判定部298により、アラーム効果判定処理を行い(ステップS1704)、処理を終了する。閾値算出部297による生徒別閾値算出処理と、アラーム効果判定部298によるアラーム効果判定処理の詳細は後述する。
次に、図18を参照して、本実施形態の生徒端末300の動作について説明する。図18は、生徒端末の動作を説明するフローチャートである。
本実施形態の生徒端末300の学習処理部310は、入力受付部311により、教師端末200からコンテンツとカメラ及び各センサの起動要求とを受信する(ステップS1801)。学習処理部310は、この要求を受けて、センサ情報収集部316により各センサのセンサ情報の収集を開始する。また、視線検知部318は、この要求を受けてカメラによる撮像を開始し、視線検知処理を開始する。
続いて、学習処理部310は、入力受付部311により、持ち帰り学習の開始指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1802)。
ステップS1802において、開始指示を受け付けない場合、開始指示を受け付けるまで待機する。ステップS1802において、開始指示を受け付けると、学習処理部310は、閾値有無判定部312により、コンテンツと共に生徒別閾値情報を受信したか否かを判定する(ステップS1803)。
ステップS1803において、生徒別閾値情報を受信した場合、後述するステップS1810へ進む。ステップS1803において、生徒別閾値情報を受信していない場合とは、この生徒閾値情報に含まれる生徒IDの生徒に対して、アラーム情報の出力判定を行わない場合、すなわちアラーム情報の出力を行わないことを示している。
ステップS1804において、生徒別閾値情報を受信していない場合、学習処理部310は、表示制御部314により、受信したコンテンツを生徒端末300に表示させる(ステップS1804)。
続いて学習処理部310は、入力受付部311により、持ち帰り学習の終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1805)。ステップS1805において、終了指示を受け付けない場合、学習処理部310は、ステップS1804に戻る。
ステップS1805において、終了指示を受け付けると、学習処理部310は、回答情報保持部317により、回答情報を保持する(ステップS1806)。続いて、学習処理部310は、入力受付部311により、回答情報の送信指示を受け付ける(ステップS1807)。
続いて学習処理部310は、情報出力部319により、回答情報と、センサ情報と、視線検知情報とを教師端末200へ送信する(ステップS1808)。すなわち、本実施形態の生徒端末300は、教師端末200からコンテンツを受信したときから、コンテンツによる学習の回答情報を教師端末200へ送信するまでの間に収集されたセンサ情報と視線検知情報とを、教師端末200へ送信する。
続いて学習処理部310は、入力受付部311により、教師端末200からカメラと各センサの動作の終了指示を受けて、カメラによる画像データの取得と、センサによるセンサ情報の取得を終了し(ステップS1809)、処理を終了する。
ステップS1803において、生徒別閾値情報を受信した場合とは、この生徒閾値情報に含まれる生徒IDと対応する生徒に対してアラーム情報の出力判定を行うことを示している。
ステップS1803において、生徒別閾値情報を受信した場合、学習処理部310は、表示制御部314によりコンテンツを表示させる(ステップS1810)。
続いて、学習処理部310は、アラーム出力判定部313、表示制御部314、アラーム情報記憶部315により、アラーム情報を出力するか否かの判定と、アラーム情報の表示制御を行う(ステップS1811)。
具体的には、アラーム出力判定部313は、生徒別閾値情報に含まれるセンサ種類が示すセンサから収集したセンサ情報と、生徒別閾値情報に含まれる閾値(上限値又は下限値)とを比較し、アラーム情報を出力するか否かを判定する。また、表示制御部314は、センサ情報の値から、アラーム情報記憶部315を参照し、表示するアラーム情報を選択して表示させる。ステップS1811の処理の詳細は後述する。
続いて学習処理部310は、入力受付部311により、持ち帰り学習の終了指示が入力されたか否かを判定する(ステップS1812)。ステップS1812において、終了指示を受け付けない場合、学習処理部310は、ステップS1811へ戻る。
ステップS1812において、終了指示を受け付けた場合、学習処理部310は、アラーム出力判定部313による判定を終了し(ステップS1813)、ステップS1806へ進む。
以上のように、本実施形態によれば、生徒IDと対応した生徒別閾値情報が存在する場合には、教師端末200は、生徒別閾値情報を生徒IDと対応する生徒端末300へ送信する。生徒端末300は、生徒別識別情報において閾値が設定されているセンサのセンサ情報と、閾値とを比較した結果に応じてアラーム情報を出力する。
したがって、本実施形態によれば、生徒毎にアラーム情報を出力するための閾値を設定することができる。
次に、本実施形態の閾値算出部297の処理について説明する。図19は、閾値算出部の処理を説明する第一のフローチャートである。図19では、図17のステップS1703における生徒別閾値算出処理を示す。
本実施形態の閾値算出部297は、センサ毎に、閾値算出処理を実行する(ステップS1901)。本実施形態の閾値算出部297は、生徒端末300が教師端末200からコンテンツを受信したときから、コンテンツによる学習の回答情報を教師端末200へ送信するまでの間に収集されたセンサ情報と、視線検知情報とを用いて、センサ毎の閾値を算出する。
ステップS1901の閾値算出処理の詳細は後述する。続いて閾値算出部297は、全てのセンサにおいて閾値の算出が完了したか否かを判定する(ステップS1902)。
ステップS1902において、全てのセンサの閾値の算出が完了していない場合、閾値算出部297はステップS1901へ戻る。ステップS1902において、全てのセンサの閾値の算出が完了した場合、閾値算出部297は、処理を終了する。
次に、本実施形態のセンサ毎の閾値算出処理について説明する。図20は、閾値算出部の処理を説明する第二のフローチャートである。図20では、図19のステップS1901におけるセンサ毎の閾値算出処理を示す。また、図20では、生徒別閾値情報のうち、アラーム種類「警告」の下限値が、アラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値となるセンサの閾値算出処理を示している。
本実施形態の閾値算出部297は、学習時間特定部271により、生徒端末300から受信した視線検知情報と、回答情報と、に基づき学習時間帯を特定する(ステップS2001)。
具体的には、学習時間特定部271は、例えば、回答情報に含まれる、ある設問の回答時刻と、他の設問の回答時刻との間に、生徒端末300に向けられた視線を検知した場合には、ある設問の回答時刻から他の設問の回答時刻までを学習時間帯に含めても良い。
続いて、閾値算出部297は、正解率算出部272により、回答情報と設問の正解とを比較し、回答情報に含まれる回答の正解率を算出する(ステップS2002)。算出された正解率は、学習結果データベース230に、生徒IDと対応付けて格納される。
続いて、閾値算出部297は、時刻tをxとし、特定された学習時間帯の開始時刻をt1、の終了時刻をt2とする(ステップS2003)。
続いて、閾値算出部297は、センサ情報比較部273により、共通閾値データベース260を参照し、該当するセンサ種類の「警告」の下限値から、関数f1(x)を定義する(ステップS2004)。関数f1(x)は、時刻tがxのときに、値が該当するセンサ種類でアラーム種類が「警告」の下限値となるように定義された関数である。言い換えれば、関数f1(x)は、時刻tがxのときに、出力判定閾値となるように定義された関数である。
続いて、センサ情報比較部273は、該当するセンサ種類のセンサから収集したセンサ情報から、関数f2(x)を定義する(ステップS2005)。関数f2(x)は、収集したセンサ情報の値を近似式等により関数としたものである。
続いてセンサ情報比較部273は、関数f1(x)において、x=t1からx=t2までの積分値F1を求める(ステップS2006)。続いて、センサ情報比較部273は、関数f2(x)において、x=t1からx=t2までの積分値F2を求める(ステップS2007)。
次に、センサ情報比較部273は、積分値F2>積分値F1であるか否かを判定する(ステップS2008)。つまり、センサ情報比較部273は、学習時間帯において、センサの値が出力判定閾値(アラーム種類が「警告」の下限値)を超えるときがあるか否かを判定している。
ステップS2008において、積分値F2>積分値F1でない場合、閾値算出部297は、処理を終了する。
ステップS2008において、積分値F2>積分値F1であった場合、閾値算出部297は、生徒別閾値情報における、アラーム情報を出力するか否かの判定に用いられる値を更新する更新処理を行い(ステップS2009)、処理を終了する。
以下に、図21を参照して、ステップS2009の更新処理を説明する。図21は、生徒別閾値情報の更新処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の閾値算出部297は、正解率判定部274により、学習結果データベース230に格納された、生徒IDと対応する正解率が、共通マスタデータベース270に格納された正解率を超えているか否かを判定する(ステップS2101)。
ステップS2101において、共通マスタデータベース270の正解率を超えている場合、後述するステップS2105へ進む。
尚、ここでは出力判定閾値を収集されたセンサ値の最大値に更新するものとしたが、これに限定されない。出力判定閾値は、収集されたセンサ値の平均値等に更新されても良い。
設問に対する正解率は、学習の際の生徒の集中の度合いを示す指標と捉えることができる。そこで、本実施形態では、正解率が予め設定された値を超えていれば、この生徒は、十分に集中して学習に取り組むことができており、環境は学習に適したものと考える。
つまり、一定の正解率を超えている生徒について、現在の環境がこの生徒にとっては学習に適した環境とである、と捉え、アラーム情報の出力判定を行わないようにする。
尚、正解率が共通マスタデータベース270の正解率を超えている場合に、生徒端末300から収集されたセンサ値が共通閾値データベース260の値を超えていた場合、当該生徒の生徒別閾値情報が、今回収集されたセンサ値の最大値や平均値等に更新されても良い。これも、一定の正解率を超えている生徒について、現在の環境がこの生徒にとっては学習に適した環境である、と捉えるためである。
ステップS2101において、共通マスタデータベース270の正解率を超えていない場合、閾値算出部297は、履歴有無判定部275により、生徒別アラーム履歴データベース282において、受信した生徒IDを含む生徒別アラーム履歴情報を検索する(ステップS2102)。続いて、履歴有無判定部275は、生徒別アラーム履歴データベース282に、該当する生徒別アラーム履歴情報が存在するか否かを判定する(ステップS2103)。
ステップS2103において、該当する生徒別アラーム履歴情報が存在する場合、結果有無判定部276は、アラーム効果判定データベース281において、共通マスタデータベース270に格納されたアラーム効果判定有効日数以内に判定されており、且つ効果があると判定された判定結果が存在するか否かを判定する(ステップS2104)。
ステップS2104において、該当する判定結果が存在しない場合、閾値算出部297は、閾値更新部278により、生徒別閾値データベース250から、受信した生徒IDを含む生徒別閾値情報のうち、項目「センサ種類」の値が該当するセンサである生徒別閾値情報を削除し、アラーム情報の出力判定を行う設定をなくし(ステップS2105)、処理を終了する。
ステップS2104の処理について説明する。ステップS2104でNoへ向かう場合とは、受信した生徒IDの生徒は、アラーム情報を出力することが効果的であると判定されており、且つこの判定結果が有効な場合である。すなわち、この生徒は、アラーム情報の出力が環境改善に効果的と判定されているにも関わらず、環境を改善していない生徒と言える。このような場合、生徒は、やむを得ない事情により、環境を改善することが困難な状況であることが推測できる。環境の改善が困難であるにも関わらず、繰り返し環境の改善を促すアラーム情報を出力することは、学習意欲の低減や、精神的な負担につながる可能性がある。
そこで、本実施形態では、ステップS2104でNoへ向かう場合には、このセンサのセンサ情報に基づくアラーム情報を出力しないようにする。
ステップS2104において、該当する判定結果が存在する場合、閾値算出部297は、空き時間検出部277により、センサ情報を収集している時間帯において、学習時間帯と同じ長さの空き時間帯が存在するか否かを判定する(ステップS2106)。
ステップS2106において、空き時間帯が存在しない場合、閾値算出部297は、ステップS2105へ進む。
ステップS2106において、空き時間帯が存在しない場合とは、特定された学習時間帯以外には、同等の長さの時間帯を確保できる時間がなく、その時間にしか学習できないことを示している。このような場合、環境を変化させることは困難となる場合もあることが推測できる。そこで、本実施形態では、学習時間帯以外に同等の長さの時間帯を確保できない場合には、ステップS2105へ進む。
ステップS2106において、空き時間帯が存在する場合、閾値算出部297は、センサ情報比較部273により、空き時間帯の開始時刻をta、終了時刻をtbとし、関数f2(x)において、x=taからx=tbまでの積分値F2′を求める(ステップS2107)。続いてセンサ情報比較部273は、積分値F2′<積分値F1であるか否かを判定する(ステップS2108)。
ステップS2108において、積分値F2′<積分値F1でない場合、閾値算出部297は、ステップS2105へ進む。
ステップS2108において、積分値F2′<積分値F1でない場合とは、空き時間帯においてもセンサ値が出力判定閾値を超える場合があり、特定された学習時間帯と比較して環境が改善されたとは言えない場合である。言い換えれば、この場合、環境を改善したくとも、改善することができない状態と言える。そこで、本実施形態では、このような場合にもステップS2105へ進む。
ステップS2108において、積分値F2′<積分値F1である場合、閾値算出部297は、閾値更新部278は、特定された学習時間帯に収集されたセンサ値の中央値を、該当するセンサ種類でアラーム種類が「警告」の下限値(出力判定閾値)に設定し(ステップS2109)、処理を終了する。尚、ここでは出力判定閾値を中央値に更新するものとしたが、これに限定されない。例えば出力判定閾値は、センサ値の最小値等に更新されても良く、出力判定閾値が現在の値よりも小さくなるように更新されれば良い。
ステップS2108において、積分値F2′<積分値F1である場合とは、空き時間帯においては、センサ値が出力判定閾値を超えない場合である。つまり、空き時間帯の方が学習に適した時間帯と言える。よって、ステップS2109では、より良い環境での学習を促すために、出力判定閾値(下限値)を小さくする。
尚、本実施形態では、ステップS2105において、受信した生徒IDを含む生徒別閾値情報のうち、項目「センサ種類」の値が該当するセンサである生徒別閾値情報を削除するものとしたが、これに限定されない。ステップS2105では、生徒別閾値情報に出力判定閾値に対応する値(下限値)を、共通閾値データベース260に格納された該当する値に設定しても良い。
本実施形態では、図20と図21に示す処理を、センサ情報を取得するセンサ毎に行う。したがって、本実施形態によれば、生徒毎の学習環境に応じて、生徒端末300毎にアラーム情報を出力するか否かを判定するための閾値を設定することができる。
次に、図22を参照し、本実施形態のアラーム効果判定部298の処理について説明する。図22は、アラーム効果判定部による処理を説明するフローチャートである。
本実施形態のアラーム効果判定部298は、生徒別アラーム履歴データベース282内に、受信した生徒IDを含むアラーム履歴情報が存在するか否かを判定する(ステップS2201)。言い換えれば、アラーム履歴判定部261は、受信した生徒IDと対応する生徒端末300にアラーム情報が表示されたか否かを判定する。
ステップS2201において、該当するアラーム履歴情報が存在しない場合、後述するステップS2212へ進む。
ステップS2201において、該当するアラーム履歴情報が存在する場合、アラーム効果判定部298は、センサ情報比較部263により、該当するアラーム履歴情報に含まれる表示時刻をt1とし、特定された学習時間帯の終了時刻をt2とする(ステップS2202)。
続いてセンサ情報比較部263は、関数f1(x)において、x=t1からx=t2までの積分値F1を求める(ステップS2206)。続いて、センサ情報比較部273は、関数f2(x)において、x=t1からx=t2までの積分値F2を求める(ステップS2204)。
次に、センサ情報比較部263は、積分値F2<積分値F1であるか否かを判定する(ステップS2205)。つまり、センサ情報比較部273は、アラーム情報が表示された後の学習時間帯において、センサの値が、アラーム種類が「警告」の下限値(閾値)を超えるときがある否かを判定している。言い換えれば、アラーム効果判定部297は、アラーム情報の表示以降の環境が改善したか否かを判定している。
ステップS2205において、積分値F2<積分値F1でない場合、アラーム効果判定部298は、効果判定部264により、アラーム効果カウントデータベース280を参照する。そして、効果判定部264は、該当する生徒IDを含むアラーム効果カウント情報のうち、項目「効果有無」の値が効果なしであるアラーム効果カウント情報の累積値に1を追加し(ステップS2206)、後述するステップS2208へ進む。
ステップS2205において、積分値F2<積分値F1である場合、効果判定部264は、該当する生徒IDを含むアラーム効果カウント情報のうち、項目「効果有無」の値が効果ありであるアラーム効果カウント情報の累積値に1を追加し(ステップS2207)、後述するステップS2208へ進む。
アラーム情報の表示後に環境が改善した場合、生徒がアラーム情報の表示を受けて環境を改善させたことが推定でき、この生徒に対してはアラーム情報を表示させることが環境の改善に効果があると考えることができる。また、アラーム情報の表示後も環境が改善しない場合には、生徒がアラーム情報を無視している可能性も否定できず、この生徒に対してアラーム情報を表示させることが環境の改善につながるとは考えにくい。
上述したアラーム情報の表示による効果の有無の判定は、上述した点に着目した処理である。
尚、ステップS2206、2207では、効果判定部264は、該当する生徒IDを含むアラーム効果カウント情報の更新日を、アラーム効果判定部298による判定処理を行った日付に更新する。
アラーム効果判定部298は、ステップS2201からステップS2207までの処理を、アラーム情報の表示回数分繰り返す(ステップS2208)。言い換えれば、アラーム効果判定部298は、アラーム履歴データベース282において、該当する生徒IDが含まれる全てのアラーム履歴情報を用いて、ステップS2201からステップS2207までの処理を繰り返す。
続いて、アラーム効果判定部298は、効果判定部264により、アラーム効果カウントデータベース280を参照し、項目「効果有無」の値が「効果あり」であるアラーム効果カウント情報の累積値が、項目「効果有無」の値が「効果なし」であるアラーム効果カウント情報の累積値よりも大きいか否かを判定する(ステップS2209)。
ステップS2209において、項目「効果有無」の値が「効果あり」である累積値が、項目「効果有無」の値が「効果なし」の累積値以下であった場合、効果判定部264は、アラーム情報の表示による環境改善に対する効果をなしと判定する。そして、アラーム効果判定部298は、判定結果設定部267により、アラーム効果判定データベース281において、受信した生徒IDを含むアラーム効果判定情報の項目「判定結果」の値を「効果なし」とし(ステップS2210)、処理を終了する。
ステップS2209において、項目「効果有無」の値が「効果あり」である累積値が、項目「効果有無」の値が「効果なし」の累積値より大きい場合、効果判定部264は、アラーム情報の表示による環境改善に対する効果をありと判定する。そして、アラーム効果判定部298は、判定結果設定部267により、アラーム効果判定データベース281において、受信した生徒IDを含むアラーム効果判定情報の項目「判定結果」の値を「効果あり」とし(ステップS2211)、処理を終了する。
尚、ステップS2210とステップS2211において判定結果設定部267は、項目「更新日」の値を、アラーム効果判定処理を行った日に更新する。
ステップS2201において、該当するアラーム履歴情報が存在しなかった場合、アラーム効果判定部298は、アラーム効果判定データベース281において、受信した生徒IDを含むアラーム効果判定情報が存在するか否かを判定する(ステップS2212)。
ステップS2212において、該当するアラーム効果判定情報が存在しない場合、アラーム効果判定部298は、処理を終了する。
ステップS2212において、該当するアラーム効果判定情報が存在する場合、アラーム効果判定部298は、有効日数判定部266により、判定結果が有効であるか否かを判定する(ステップS2213)。具体的には、有効日数判定部266は、アラーム効果判定処理を行った日が、該当するアラーム効果判定情報に含まれる更新日からアラーム効果判定有効日数以内の日付であるか否かを判定する。
ステップS2213において、判定結果が有効でない場合、判定結果設定部267は、該当するアラーム効果判定情報の項目「判定結果」の値を初期値に設定し(ステップS2214)、処理を終了する。初期値とは、例えば「不明」等である。
つまり、判定結果設定部267は、アラーム効果判定処理を行った日が、該当するアラーム効果判定情報に含まれる更新日からアラーム効果判定有効日数以上経過していた場合、このアラーム効果判定情報の判定結果は無効と見なし、判定結果を初期値とする。
ステップS2213において、判定結果が有効である場合、アラーム効果判定部298は、処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、アラーム情報を表示させた後に、センサ値が閾値を超える場合があるか否かを判定することで、アラーム情報の表示が環境改善に対して効果を奏しているか否かを判定する。
次に、図23を参照し、本実施形態の閾値算出部297とアラーム効果判定部298の処理について具体的に説明する。
図23は、閾値算出部とアラーム効果判定部の処理を具体的に説明する図である。図23では、生徒ID「001」のマイクである場合のセンサ情報を示している。
図23において、時刻tsは、センサ情報の収集が開始された時刻、つまり、教師端末200が生徒端末300にコンテンツと共にセンサの起動要求を送信した時刻である。時刻teは、センサ情報の収集を終了した時刻、つまり、生徒端末300が回答情報を教師端末200へ送信した時刻である。
本実施形態では、例えば生徒が時刻tsにおいて教室等でコンテンツをダウンロードし、持ち帰ってコンテンツの設問に回答し、次の日の朝、時刻teにおいて、教室で回答情報とセンサ情報等を教師端末200へアップロードする、というような利用シーンを想定している。
図23の例では、生徒ID「001」の生徒端末300は、2015年5月16日の時刻tsにおいてコンテンツをダウンロードし、2015年5月17日の時刻teにおいて、回答情報とセンサ情報とを教師端末200へ送信したものとする。
図23の例では、時刻t1から時刻t2が学習時間帯である。この時間帯は、センサ情報により定義された関数f1(x)の積分値F1>閾値により定義された関数f2(x)より大きい。
これはつまり、学習時間帯の環境が、学習に適していないことを示している。したがって閾値算出部297は、閾値を算出する処理を行う。
ここで、生徒ID「001」の生徒の正解率は30%であり、共通マスタデータベース270の正解率は60%である。また、生徒ID「001」の生徒は、自身のアラーム履歴情報とアラーム効果判定情報を有している。しかしながら、生徒ID「001」を含むアラーム効果判定情報では、更新日が2015年5月11日であり、アラーム効果判定有効日数が3日であるから、このアラーム効果判定情報は無効である。
よって、閾値算出部297は、生徒別閾値情報の更新を行わない。つまり、生徒ID「001」の生徒は、環境を改善することが困難な状況であることが推測されるため、環境の改善が困難であるにも関わらず、繰り返し環境の改善を促すアラーム情報を出力することを防ぐことができる。反対に、生徒ID「001」を含むアラーム効果判定情報で、更新日が2015年5月15日等、アラーム効果判定有効日数内であった場合、このアラーム効果判定情報は有効となる。よって、閾値算出部297は、空き時間帯を検出する。図23によれば、生徒ID「001」の生徒の学習時間は、約2時間である。また、生徒ID「001」の生徒は、夜間を除く学習時間帯以外の時間帯でも、2時間程度の空き時間帯があることがわかる。図23の例では、空き時間帯として21時から23時までの2時間を検出した。
この場合、空き時間帯の開始時刻taから終了時刻tbまでの関数f2(x)の積分値F2′は、積分値F1より小さくなる。すなわち、開始時刻taから終了時刻tbまでの空き時間帯では、センサ情報が出力判定閾値を超えることはなく、学習時間帯よりも学習に適した環境であると言える。つまり、生徒ID「001」の生徒は、少なくとも学習時間帯をずらすことで、環境を改善でき、生徒ID「001」の生徒には、環境を改善する方法がある、ということがわかる。
そこで、閾値算出部297は、時刻t1〜t2に受信したセンサ情報の値の中央値を出力判定閾値とする。つまり、閾値算出部297は、生徒別閾値データベース250における生徒ID「001」を含む生徒別閾値情報において、センサ種類「マイク」、アラーム種類「警告」と対応する下限値「40」をセンサ値の中央値「55」に更新する。(図7参照)
このように出力判定閾値を更新すれば、次に生徒ID「001」の生徒がセンサ情報の収集を開始したときには、マイクから検出されたセンサ値が55db以上となったとき、アラームID「am003」と対応するアラーム情報が生徒端末300に表示されるようになる。つまり、生徒端末300では、環境が改善されたことを前提として、アラーム情報を出力するか否かを判定することになる。
生徒端末300は、例えばセンサ情報が、更新後の出力判定閾値を超えると、センサ種類「マイク」、アラーム種類「警告」と対応するアラームID「am003」のアラーム情報を表示させる。また、生徒端末300は、センサ情報が、切替判定閾値(センサ種類「マイク」、アラーム種類「停止」の下限値)を超えると、センサ種類「マイク」、アラーム種類「停止」と対応するアラームID「am004」のアラーム情報を表示させる。
次に、図24乃至図26を参照し、マイク以外のセンサに関する出力判定閾値の更新について説明する。
図24は、センサ種類が照度センサであった場合の閾値算出部とアラーム効果判定部の処理を説明する図である。図24に示すセンサ情報は、照度センサから取得した情報であり、図23に示すセンサ情報と同様に、時刻tsから時刻teまでの間に収集される。
センサ種類が「照度センサ」の生徒別閾値情報では、アラーム種類「警告」の上限値が出力判定閾値となり、アラーム種類「停止」の上限値が切替判定閾値となる。
したがって、この場合、積分値F2が積分値F1よりも小さくなったとき、生徒別閾値情報を更新することになる。
つまり、センサ種類が照度センサである場合の閾値算出部297の処理では、図20のステップS2008、図21のステップS2108、図22のステップS2205において、不等号を逆向きとすれば良い。具体的には、図20のステップS2008と図22のステップS2205では、積分値F2<積分値F1であるか否かを判定すれば良く、図21のステップS2108では、積分値F2′>積分値F1であるか否かを判定すれば良い。
また、センサ種類が照度センサである場合の閾値算出部297の処理では、図21のステップS2102においてセンサ値の最小値を出力判定閾値(アラーム種類「警告」の上限値)とすれば良い。また、センサ種類が照度センサの場合、生徒端末300は、センサ情報が出力判定閾値より小さくなったとき、アラーム種類「警告」のアラーム情報を表示させ、センサ情報が切替判定閾値より小さくなったとき、アラーム種類「停止」のアラーム情報を表示させる。
図25は、センサ種類が加速度センサであった場合の閾値算出部とアラーム効果判定部の処理を説明する図である。図25に示すセンサ情報は、加速度センサから取得した情報であり、図23に示すセンサ情報と同様に、時刻tsから時刻teまでの間に収集される。
センサ種類が「加速度センサ」の生徒別閾値情報では、照度センサの場合と同様に、アラーム種類「警告」の上限値が出力判定閾値となり、アラーム種類「停止」の上限値が切替判定閾値となる。
したがって、この場合も、積分値F2が積分値F1よりも小さくなったとき、生徒別閾値情報を更新すれば良い。
図26は、センサ種類がジャイロセンサであった場合の閾値算出部とアラーム効果判定部の処理を説明する図である。図26に示すセンサ情報は、加速度センサから取得した情報であり、図23に示すセンサ情報と同様に、時刻tsから時刻teまでの間に収集される。
センサ種類が「ジャイロセンサ」の生徒別閾値情報では、マイクの場合と同様に、アラーム種類「警告」の下限値が出力判定閾値となり、アラーム種類「停止」の下限値が切替判定閾値となる。
以上のように、本実施形態では生徒端末300毎に、各センサの出力判定閾値が更新される。
次に、生徒端末300におけるアラーム情報の表示制御について説明する。図27は、アラーム情報の一例を示す図である。図27に示すテーブル71は、アラーム情報記憶部315が記憶する情報の一例を示す。
テーブル71では、アラームIDとアラーム情報とが対応付けられている。本実施形態の生徒端末300は、表示制御部314がテーブル71を参照して、アラーム情報を表示させる。
図28は、生徒端末におけるアラーム情報の表示を説明するフローチャートである。図28に示す処理は、図18のステップS1811の詳細を示している。
生徒端末300の学習処理部310は、アラーム出力判定部313により、各センサから収集したセンサ情報を、教師端末200から受信した生徒別閾値情報と比較する(ステップS2801)。
続いて学習処理部310は、アラーム出力判定部313により、センサ情報がマイク又はジャイロセンサから収集された値であるか否かを判定する(ステップS2802)ステップS2802において、マイク又はジャイロセンサでない場合、後述するステップS2807へ進む。
ステップS2802において、マイク又はジャイロセンサであった場合、アラーム出力判定部313は、センサ値が生徒別閾値情報の出力判定閾値(アラーム種類「警告」の下限値)より大きいか否かを判定する(ステップS2803)。ステップS2803において、出力判定閾値以下である場合、アラーム出力判定部313は、ステップS2801へ戻る。
ステップS2803において、出力判定閾値より大きい場合、アラーム出力判定部313は、センサ値が生徒別閾値情報の切替判定閾値(アラーム種類「停止」の下限値)より大きいか否かを判定する(ステップS2804)。
ステップS2804において、切替判定閾値より大きい場合、アラーム出力判定部313は、表示制御部314に、アラーム種類「停止」と対応するアラーム情報を表示させ(ステップS2805)、図18のステップS1812へ進む。
具体的には、表示制御部314は、該当するセンサの生徒別閾値情報において、アラーム種類「停止」と対応するアラームIDを取得する。そして、表示制御部314は、アラーム情報記憶部315が記憶したテーブル71を参照し、取得したアラームIDと対応するアラーム情報を生徒端末300の入出力装置に表示させる。
ステップS2804において、切替判定閾値より以下である場合、アラーム出力判定部313は、表示制御部314に、アラーム種類「警告」と対応するアラーム情報を表示させ(ステップS2806)、図18のステップS1812へ進む。
具体的には、表示制御部314は、該当するセンサの生徒別閾値情報において、アラーム種類「警告」と対応するアラームIDを取得する。そして、表示制御部314は、アラーム情報記憶部315が記憶したテーブル71を参照し、取得したアラームIDと対応するアラーム情報を生徒端末300の入出力装置に表示させる。
ステップS2802において、マイク又はジャイロセンサでない場合、アラーム出力判定部313は、センサ値が、該当するセンサの生徒別閾値情報の出力判定閾値(アラーム種類「警告」の上限値)より小さいか否かを判定する(ステップS2807)。ステップS2807において、出力判定閾値以上である場合、アラーム出力判定部313は、ステップS2801へ戻る。
ステップS2807において、出力判定閾値より小さい場合、アラーム出力判定部313は、センサ値が該当するセンサの生徒別閾値情報の切替判定閾値(アラーム種類「停止」の上限値)より小さいか否かを判定する(ステップS2808)。
ステップS2808において、切替判定閾値より小さい場合、表示制御部314は、ステップS2805へ進む。ステップS2808において、切替判定閾値以上である場合、表示制御部314は、ステップS2806へ進む。
本実施形態の生徒端末300では、以上の処理により、アラーム情報を表示させる。図29は、アラーム情報が表示された画面の例を示す図である。図29(A)は、マイクから収集されたセンサ値が、出力判定閾値より大きく、切替判定閾値以下であった場合の生徒端末300の画面の例を示す。図29(B)は、マイクから収集されたセンサ値が、切替判定閾値より大きい場合の生徒端末300の画面の例を示す。
図29(A)に示す画面301Aには、アラーム情報302を含むダイアログボックス303が表示されている。アラーム情報302は、テーブル71において、センサ種類がマイクの生徒別閾値情報において、アラーム種類が「警告」であるアラームID「am0003」と対応するアラーム情報である(図27参照)。
画面301Aにおいて、ダイアログボックス303には、ダイアログボックス303の表示を終了させるためのボタン304が表示されている。本実施形態の生徒端末300では、ボタン304が操作されると、ダイアログボックス303の表示が消え、学習を継続することが可能となる。
図29(B)に示す画面301Bには、アラーム情報305を含むダイアログボックス306が表示されている。アラーム情報305は、テーブル71において、センサ種類がマイクの生徒別閾値情報において、アラーム種類が「停止」であるアラームID「am0004」と対応するアラーム情報である(図27参照)。
ダイアログボックス306には、ダイアログボックス306の表示を終了させるためのボタンは表示されていない。この場合、本実施形態の生徒端末300では、センサ値が切替判定閾値以下となるまで、ダイアログボックス306の表示を継続させても良い。ダイアログボックス306の表示を継続させることで、学習に適していない環境での学習を中断させることができる。
尚、本実施形態では、アラーム情報はメッセージとして表示されるものとしたが、これに限定されない。生徒端末300は、アラーム情報としてメッセージを表示させる代わりに、例えば音声を出力しても良いし、LED等の光源を点灯させても良いし、生徒端末300を振動させても良い。アラーム情報は、環境の改善を促す目的で出力される情報であれば良い。
また、本実施形態では、教師端末200が学習支援装置の役割を果たすものとしたが、これに限定されない。学習支援装置と教師端末200とは、それぞれ別の装置であり、学習支援装置が学習支援処理部290を有するものとしても良い。
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
端末装置毎に、端末装置の有するセンサから収集されたセンサ情報と、設問に対する回答を含む回答情報と、を取得する処理と、
前記回答情報に含まれる回答の正解率に基づき、前記端末装置毎に、前記センサ情報に応じて出力されるアラーム情報を出力する否かの判定に用いる閾値を算出する処理と、
前記閾値を、対応する前記端末装置へ出力する処理と、をコンピュータに実行させる学習支援プログラム。
(付記2)
前記出力する処理は、
前記端末装置から、前記設問を含むコンテンツのダウンロード要求を受け付けたとき、前記ダウンロード要求を行った前記端末装置に対して、前記端末装置の閾値を出力する、付記1記載の学習支援プログラム。
(付記3)
前記センサ情報は、
前記端末装置が前記センサの起動要求を受け付けてから、前記回答情報の送信要求を受け付けるまでの時間帯に収集されたセンサ情報であり、
前記センサの起動要求は、前記閾値と共に前記端末装置へ出力される、付記1又は2記載の学習支援プログラム。
(付記4)
前記回答情報は、前記設問に回答した回答時刻を含み、
前記算出する処理は、
前記回答情報に基づき、前記センサ情報が収集された時間帯において、前記設問に対する回答が行われていた学習時間帯を特定し、
前記学習時間帯における前記センサ情報と前記閾値との比較結果に応じて、前記閾値を算出する、付記3記載の学習支援プログラム。
(付記5)
前記センサ情報と前記閾値との比較は、
前記閾値と時刻とから定義された第一の関数における前記学習時間帯の積分値と、前記センサ情報と時刻とから定義された第二の関数における前記学習時間帯の積分値と、の比較である付記4記載の学習支援プログラム。
(付記6)
前記算出する処理は、
前記正解率が所定値を超えたとき、前記センサ情報に含まれるセンサ値の上限値又は下限値を前記閾値とし、
前記正解率が所定値以下のとき、端末装置毎の前記アラーム情報の出力に対する効果の有無を示す情報が格納された記憶部を参照し、前記アラーム情報の出力に効果が有り、且つ前記効果の有無を示す情報が有効である場合に、前記閾値を算出する、付記5記載の学習支援プログラム。
(付記7)
前記算出する処理は、
前記アラーム情報の出力に効果が有り、且つ前記効果の有無を示す情報が有効である場合に、
前記センサ情報が収集された時間帯において、前記学習時間帯以外であり、且つ前記学習時間帯と同じ長さの空き時間帯を検出し、
前記第一の関数における前記空き時間帯の積分値と、前記第二の関数における前記空き時間帯の積分値とを比較した結果に応じて、前記閾値を前記センサ情報の中央値とする、付記6記載の学習支援プログラム。
(付記8)
前記記憶部は、前記端末装置毎に、アラーム情報が出力された時刻を含むアラーム履歴情報が格納されており、
前記アラーム履歴情報が存在する前記端末装置に対し、
前記アラーム情報の出力に対する効果の有無を判定する処理を前記コンピュータに実行させる、付記6又は7記載の学習支援プログラム。
(付記9)
前記判定する処理は、
前記学習時間帯において、前記アラーム情報が出力された時刻から、前記学習時間帯の終了時刻までの時間帯において、
前記第一の関数における前記時間帯の第一の積分値と、前記第二の関数における前記時間帯の第二の積分値とを比較し、
前記第二の積分値が前記第一の積分値よりも大きいとき、前記時刻に出力された前記アラーム情報の効果が有りと判定し、
前記第二の積分値が前記第一の積分値以下のとき、前記時刻に出力された前記アラーム情報の効果が無しと判定する、付記8記載の学習支援プログラム。
(付記10)
前記取得する処理は、
前記端末装置毎に、前記端末装置の有するカメラにより撮像した画像データから前記端末装置を向く視線を検知した視線検知情報を、前記センサ情報及び前記回答情報と共に取得し、
前記算出する処理は、
前記回答情報と、前記視線検知情報とに基づき前記学習時間帯を特定する、付記4乃至9の何れか一項に記載の学習支援プログラム。
(付記11)
前記アラーム情報は、前記端末装置が位置する場所の環境の改善を促す情報を含む付記1乃至10の何れか一項に記載の学習支援プログラム。
(付記12)
前記センサは、マイク、照度センサ、加速度センサ及びジャイロセンサの少なくとも1つを含む付記1乃至11の何れか一項に記載の学習支援プログラム。
(付記13)
端末装置毎に、端末装置の有するセンサから収集されたセンサ情報と、前記端末装置において入力された、設問に対する回答を示す回答情報と、を取得する取得部と、
前記回答情報に含まれる回答の正解率に基づき、前記端末装置毎に、前記センサ情報に応じて出力されるアラーム情報を出力する否かの判定に用いる閾値を算出する算出部と、
前記閾値を、対応する前記端末装置へ出力する出力部と、を有する学習支援装置。
(付記14)
端末装置と、学習支援装置とを有する学習支援システムによる学習支援方法であって、
前記学習支援装置は、
端末装置毎に、端末装置の有するセンサから収集されたセンサ情報と、前記端末装置において入力された、設問に対する回答を示す回答情報と、を取得し、
前記回答情報に含まれる回答の正解率に基づき、前記端末装置毎に、前記センサ情報に応じて出力されるアラーム情報を出力する否かの判定に用いる閾値を算出し、
前記閾値を、対応する前記端末装置へ出力する、学習支援方法。
(付記15)
設問を含むコンテンツと、センサの起動要求と、閾値情報とを受け付けて、前記センサにより検出されるセンサ情報を収集する処理と、
前記コンテンツが表示されているとき、前記閾値情報と前記センサ情報とを比較してアラーム情報を出力するか否かを判定する処理と、
前記設問に対する回答を含む回答情報の送信要求を受けて、収集した前記センサ情報と、前記回答情報とを出力する処理と、をコンピュータに実行させる学習プログラム。
(付記16)
前記出力する処理は、
収集した前記センサ情報と、前記回答情報と共に、前記アラーム情報の出力の履歴を記すアラーム履歴情報を出力する、付記15記載の学習プログラム。
(付記17)
設問を含むコンテンツと、センサの起動要求と、閾値情報とを受け付けて、前記センサにより検出されるセンサ情報を収集する収集部と、
前記コンテンツが表示されているとき、前記閾値情報と前記センサ情報とを比較してアラーム情報を出力するか否かを判定する判定部と、
前記設問に対する回答を含む回答情報の送信要求を受けて、収集した前記センサ情報と、前記回答情報とを出力する出力部と、を有する端末装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。