JP6249841B2 - コンテンツ提示システム、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、すき間時間を活用したeラーニング(electronic learning)等における学習用等のコンテンツの提示を行うに際して、ユーザが学習等に取り組むのに適した状態を自動検出したうえで、当該適した状態にある時間にコンテンツ提示を行うことが可能な、コンテンツ提示システム、方法及びプログラムに関する。
ユーザのすき間時間にコンテンツを自動的に提示する技術として、例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1では、乗車時間をすき間時間とし、そのすき間時間の長さに合わせた複数のコンテンツを提示するためのスケジューリングを行うことが開示されている。この技術では、カーナビシステムに現在地と目的地とを入力して乗車時間を割り出し、当該既知となった乗車時間としてのすき間時間を対象としてスケジューリングが行われる。
特開2010-39805号公報(コンテンツスケジューリング装置)
近年、スマートフォンの普及により、情報処理端末を常時携帯する状況が一般化しつつあるが、このような状況において、すき間時間を活用したeラーニング等における学習用のコンテンツの提示を効果的に行うことが望まれる。
しかしながら、上記のようにすき間時間を活用したeラーニング等における学習用のコンテンツの提示を効果的に行うことを考えた場合、特許文献1の技術には次のような課題があった。
すなわち、特許文献1の技術では、学習を行うためのすき間時間が乗車時間に限定されてしまうという課題があった。また、例えば、電車に乗車中のすき間時間であっても電車が混雑している場合は必ずしも学習に適した時間とはいえず、そのような時間に学習用のコンテンツを提示したとしてもユーザが効果的に学習を行うことはできない。しかし、特許文献1の技術では、このような学習に不適な時間を判断することができないという課題があった。
本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑み、ユーザにコンテンツを提示するのに適した状態に関する情報を自動的に得ることができるコンテンツ提示システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、コンテンツ提示システムであって、ユーザ端末の環境情報を取得する環境情報取得部と、ユーザにコンテンツを提示する提示部と、ユーザから前記提示したコンテンツに対する応答を受け取る受付部と、前記提示し応答を受け取るコンテンツを管理すると共に、当該受け取った応答に対する評価結果を求める管理部と、前記取得した環境情報及び前記求めた評価結果を紐付けてトレーニングデータを作成する作成部と、前記トレーニングデータに基づいて、環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるか否かの予測モデルを構築する構築部と、を備えることを第一の特徴とする。
また、本発明は、上記第一の特徴に係るコンテンツ提示システムにおいて、前記提示部は、前記環境情報取得部で取得された環境情報に前記構築部で構築された予測モデルを適用して、当該環境情報が適切な状態に対応するものであると判定された際に、ユーザにコンテンツを提示することを第二の特徴とする。
また、本発明は、コンテンツ提示方法であって、ユーザ端末の環境情報を定期的に取得する段階と、予め管理されたコンテンツを対象として、定期的に、ユーザにコンテンツを提示すると共に、ユーザから当該提示したコンテンツに対する応答を受け取る段階と、前記取得した環境情報及び前記求めた評価結果を紐付けてトレーニングデータを作成する段階と、前記トレーニングデータに基づいて、環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるか否かの予測モデルを構築する段階と、を備えることを第三の特徴とする。
さらに、本発明は、コンピュータを上記コンテンツ提示システムとして機能させるコンテンツ提示プログラムであることを第四の特徴とする。
上記第一、第三又は第四の特徴によれば、ユーザ端末における環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるか否かの予測モデルを自動で構築することができるので、ユーザにコンテンツを提示するのに適した状態に関する情報を自動的に得ることが可能となる。
上記第二の特徴によれば、ユーザにコンテンツを提示するのに適した状態にユーザ端末がある際に、実際に自動でコンテンツの提示を行うことが可能となる。
一実施形態に係るコンテンツ提示システムの機能ブロック図である。 コンテンツの一例として、英単語の暗記問題コンテンツの例を示す図である。 一実施形態に係るコンテンツ提示システムの動作の各フェーズを表すフローチャートである。 作成部が作成するトレーニングデータの例を示す図である。 第一実施形態におけるトレーニングデータ作成のフローチャートの一例である。 第二実施形態におけるトレーニングデータ作成のフローチャートの一例である。 図4のトレーニングデータを機械学習の学習データとして用いるために、正規化等の変換を施した例を示す図である。 運用フェーズにおけるフローチャートの一例である。 第一実施形態でトレーニングデータを作成することで、運用フェーズにおいてトレーニングデータ作成及び予測モデル更新を行うフローチャートの一例である。 第二実施形態でトレーニングデータを作成することで、運用フェーズにおいてトレーニングデータ作成及び予測モデル更新を行うフローチャートの一例である。
図1は、一実施形態に係るコンテンツ提示システムの機能ブロック図である。コンテンツ提示システム10は、センサ21及び環境情報取得部22と、ユーザへのコンテンツ提供とその履歴等の管理とを担う構成としての、コンテンツデータベース(コンテンツDB)31、管理部32、提示部33及び受付部34と、作成部4と、構築部5と、を備える。
コンテンツ提示システム10は、その全体をユーザが携帯するスマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ型端末等のユーザ端末のみによって実現してもよいし、一部分の機能部をユーザ端末とは別途のネットワーク上のサーバ等によって実現してもよい。なお、サーバ等の側に一部分の機能部を担当させる場合であっても、少なくともセンサ21、提示部33及び受付部34はユーザ端末の側に備わっていることが好ましい。
図1の当該各部の機能は以下の通りである。
センサ21は、ユーザ端末に備わる各種のセンサ等デバイスからなり、ユーザ端末の状態を環境情報として得て、環境情報取得部22に渡す。環境情報取得部22は、当該取得した環境情報を、後述する「データ収集フェーズ」においては作成部4に渡し、後述する「運用フェーズ」においては提示部33(あるいは、提示部33及び作成部4)に渡す。当該センサ等デバイス及び取得される環境情報には、以下[1]〜[9]の任意の組み合わせを含むことができる。
すなわち、[1]GPS(全地球測位システム)センサより取得される位置情報、[2]時計により取得される日時情報、[3]マイクにより取得される環境音情報、[4]カメラにより取得される画像情報、[5]照度センサにより取得される照度情報、[6]重力センサにより取得されるユーザ端末の向き情報、[7]加速度センサにより取得されるユーザ端末の加速度情報、[8]温度計により取得される温度情報、[9]湿度計により取得される湿度情報、などを環境情報として取得することができる。
なお、上記[2]の日時情報、[8]の温度情報、[9]の湿度情報などは、ユーザ端末に備わるセンサ21からではなく、当該情報を保持しているサーバよりネットワーク経由で取得されてもよい。この際、[8],[9]に関しては例えば、位置情報をネットワーク上のサーバ(温度情報、湿度情報の地域分布情報を保持しているサーバ)に送信して取得することができる。同様に、位置情報をネットワーク上のサーバに送信して、ユーザ端末の存在する位置における天気情報などを環境情報に含めて取得してもよい。[4]の画像情報については、さらに、周知の特徴量(SIFT特徴量など)を抽出したうえで環境情報として取得してもよい。[3]の環境音情報についても、構成周波数等の特徴量に変換したうえで環境情報として取得してよい。
ユーザへのコンテンツ提供とその履歴等の管理とを担う各部31〜34は次の通りである。
コンテンツDB31は、ユーザに提供する各種のコンテンツを格納している。当該コンテンツの内容は、一般的には、ユーザに課題を与えて、ユーザから解答その他の応答を得ることで、ユーザを評価するものとすることができる。当該コンテンツは、人手によりあるいは自動その他の手法で、あらかじめ制作しておく。
当該コンテンツは例えば、英単語の暗記問題あるいは歴史年号の暗記問題といったような、学習コンテンツないしクイズコンテンツであってよく、この場合、当該コンテンツによってユーザの理解度が評価される。また、当該コンテンツは例えば、囲碁、将棋、チェスその他といったような、特定の解法が要求されるゲームコンテンツないしパズルコンテンツであってよく、この場合も、ゲームないしパズルにおける特定の局面等への対応手法その他に関して、ユーザの理解度ないし習熟度が評価される。
なお、コンテンツに対するユーザの「応答」は、上記のようにコンテンツの具体的な内容に応じて解答、解法、手順、ゲーム等における操作内容、その他種々のものが存在する。以下の説明では、説明のための具体例として理解が容易であるという観点から、「応答」の一例としての「解答」を用いて説明を行うが、当該説明は「解答」に限らず一般の「応答」の場合も同様に成立する。
図2は、当該コンテンツの一例として、英単語の暗記問題コンテンツの例を示す図である。欄C1はユーザに問題を提示する際のコンテンツの画面例であり、欄C2はユーザに当該問題の正解を提示する際のコンテンツの画面例である。欄C2の例では正解がそのまま示されているが、ユーザが入力した解答に対して添削を施す等の形で正解が提示されてもよい。
提示部33は、所定タイミングごとに管理部32に要求を出すことで当該コンテンツ(後述するように管理部32により選定されたコンテンツ)を受け取ってユーザに提示する。受付部34は、当該提示したコンテンツに対するユーザからの解答を受け取る。また、受付部34でユーザからの解答を受け取った後は、提示部33が当該コンテンツにおける正解(あるいはコンテンツ内容に応じて模範手順など)をユーザに提示する。なお、コンテンツがゲーム等で特定の正解等が存在しない場合は、正解等の提示は省略してよい。
ここで、提示部33は、コンテンツが表示されるものであれば、ユーザ端末に備わるディスプレイによって実現することができ、コンテンツが音声であればユーザ端末に備わるスピーカによって実現することができ、また、これらの組み合わせで実現することもできる。なお、表示されるコンテンツの場合、シースルー型のヘッドマウントディスプレイによって、周知のAR(拡張現実)技術により、ユーザが見ている情景に対して重畳表示されるようにしてもよい。コンテンツがその他のマルチメディアコンテンツである場合も同様に、周知の対応デバイスによって提示部33を実現することができる。受付部34も同様に、コンテンツへの解答等の内容に応じて、ユーザ端末に備わるキーパッド、タッチパネル、マイク、加速度センサその他の周知の対応デバイスによって実現することができる。
管理部32は、当該提示し解答を受け取る対象となるコンテンツを、提示部33からの要求に応答してコンテンツDB31の中から選定して渡すことで、提示部33におけるユーザへのコンテンツ提示を実現させると共に、受付部34において当該コンテンツに対してユーザより受け取った解答を評価し、正解/不正解の区別あるいは得点などを付与する。
当該評価は、コンテンツにおける所定の正解と、ユーザから得た解答と、を比較することによって、管理部32が自動的に行うことが可能である。例えば、コンテンツが選択肢の中から正解を選択させるものであれば、ユーザが選んだ選択肢が正解の選択肢と一致しているかを自動判定すればよい。また、コンテンツがゲームやパズル等であれば、その得点付与方式やルール等に従って得点等を自動的に付与すればよい。また、コンテンツの種類によっては別途に人手を介して評価を与えるようにしてもよい。例えば、コンテンツが論述形式で解答を求めるものであれば、管理部32ではユーザから得た解答をネットワーク上の採点者に送信して、当該採点者より評価結果を返信させるようにしてもよい。
こうして、提示部33でユーザに提示したコンテンツに対して受付部34でユーザからの解答を受け取ると、管理部32が当該解答を評価し、受付部34を介して当該評価結果が作成部4へと渡される。管理部32では当該一連の過程において、ユーザに提示したコンテンツとその評価結果とを、提示した日時を含む履歴として管理する。
なお、管理部32がコンテンツDB31の中からユーザに提示するためのコンテンツを選別する際は、予め当該ユーザが決定している種類のコンテンツの中から選別する。例えば、ユーザがeラーニングを実施するために英単語学習アプリをユーザ端末にインストールしている場合、あるいは英単語学習サイトに登録している場合、当該アプリあるいはサイトに応じたコンテンツ(複数の英単語暗記問題コンテンツ)の中から選別すればよい。
なおまた、提示部33によるユーザへ向けてのコンテンツの提示のインターフェースと、受付部34によるユーザからの解答の受け取りのインターフェースと、に関しては、図3で例示したもののほかにも、コンテンツの内容に応じた周知の種々のインターフェースを利用することができる。
作成部4は、環境情報取得部22から得る環境情報と、受付部34から得るユーザのコンテンツ解答の評価結果と、を組み合わせることによりトレーニングデータを作成して、当該トレーニングデータを構築部5に渡す。構築部5は、当該トレーニングデータに基づいて、環境情報取得部22で得るユーザ端末の環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するのに適切な状態に該当するか否かを予測する予測モデルを求め、提示部33に当該求めた予測モデルの情報を渡す。
こうして、提示部33では、後述する「データ収集フェーズ」においては、上記予測モデルが作成される前の段階であるので、予測モデルは参照せずに、定期的にコンテンツの提示を実施する。一方、提示部33は、後述する「運用フェーズ」においては、上記予測モデルが既に作成されているので、当該予測モデルを参照して、環境情報取得部22から得た環境情報がユーザにコンテンツを提示するのに適した状態であると判定した際に、コンテンツの提示を実施する。
以上、図1の各部の機能を説明した。図3は、一実施形態に係るコンテンツ提示システム10の動作の各フェーズを表すフローチャートである。図3を参照して、図1の各部の動作(図1の各部の機能の時系列的な関係)を説明する。
第一フェーズP1は「データ収集フェーズ」である。データ収集フェーズでは、提示部33が所定タイミング毎にユーザに対してコンテンツを提示し、受付部34においてユーザからコンテンツに対する解答を受け取って当該解答に対して管理部32が評価を与えると共に、当該提示し解答を受け取った際のユーザ端末における環境情報を環境情報取得部22が取得することにより、作成部4がトレーニングデータの作成を行う。
当該トレーニングデータは、第一実施形態においては、各コンテンツを提示した日時t1におけるユーザからの解答の評価結果[t1]と環境情報[t1]とを紐付けた情報{評価結果[t1], 環境情報[t1]}を、提示し解答を得た各コンテンツに渡って集計することによって作成される。当該集計を継続することにより、所定サンプル数N個分のトレーニングデータが得られた時点で、トレーニングデータの作成を完了する。
図4は、当該データ収集フェーズにおいて作成部4が作成するトレーニングデータの例を示す図である。ここでは環境情報を、時間、曜日、温度及び音によって構成した例が示され、当該環境情報と、それぞれのコンテンツを提示した際のユーザからの解答が正解又は不正解のいずれであるか(すなわち、解答の評価結果)と、を対応付けた情報として、図示するようなトレーニングデータが作成される。
また、環境情報と評価結果を紐付けることによりトレーニングデータを作成する第二実施形態として、次のようにしてもよい。すなわち、ある日時t2においてコンテンツを初めてユーザに提示して得た解答が不正解であった場合に環境情報[t2]を取得しておき、時間が経過したその後の日時t3(t3>t2)に再度、当該初回提示で不正解であったコンテンツを提示し、ユーザから得た解答の評価結果[t3]を得る。このようにして、評価結果[t3]を環境情報[t2]に紐付けた情報{評価結果[t3], 環境情報[t2]}を各コンテンツに渡って集計し、所定サンプル数N個分のトレーニングデータが得られた時点で、トレーニングデータの作成を完了する。
なお、トレーニングデータの形式自体は第二実施形態と第一実施形態とでは共通であり、第二実施形態においても図3に例示したようなトレーニングデータが得られることとなる。
第二実施形態は、次のような想定に基づいている。すなわち、日時t2において初めて提示し不正解であったコンテンツに対して、ユーザが正解を見て学習等を行うこととなるが、日時t2において当該学習が適切になされたのであれば、同一のコンテンツを次に提示した日時t3では正解が得られるはずであり、一方、日時t2において当該学習が不適切であったのであれば、次に提示した日時t3でも依然として不正解となるはずである、という想定である。
こうして、第二実施形態においては、初回に不正解であった日時t2の環境情報[t2]が、学習に適したものであったか否かを、後日t3の評価結果[t3]として検出することにより、トレーニングデータを作成する。第二実施形態は、図2で示した英単語の暗記のように、コンテンツが未知の知識を習得するためのものである場合に好適である。
一方、第一実施形態は、コンテンツに対する解答の評価結果が、ユーザの知識の有無に左右されるのではなく、その時点t1におけるユーザの集中度合いのみによって左右されるようなコンテンツにおいて好適である。例えば、必ずしも一つの正解があるのではなく、ユーザの手順や操作の巧拙に応じて得点が定まるパズルあるいはゲームなどのコンテンツにおいて、第一実施形態は好適である。
図5は、第一実施形態におけるトレーニングデータ作成のフローチャートの一例である。なお、以降の説明、特に図5、図6、図8〜10に示すフローの説明においては、説明のための具体例として理解が容易であるという観点から、各コンテンツがユーザに対して何らかの問題を解かせるものである場合、すなわち、各コンテンツが「出題」である場合を例として説明するが、出題されるものに限らずその他のコンテンツ(ユーザからの応答を要求するコンテンツ)であっても全く同様の処理が可能である。また、「出題」に限らない一般のコンテンツの場合についても適宜、言及する。
ステップS10では、管理部32がコンテンツDB31を参照して、当該ユーザに対して提供する出題リストを作成してから、ステップS11に進む。ここで、コンテンツ提示システム10を利用してユーザが例えばeラーニング等を受講する場合であれば、当該受講する内容に即した出題リストを作成する。当該作成の際に、出題リストにおいて出題の順番を定めておいてもよい。なお、「出題」に限らない一般の場合は「コンテンツリスト」が作成される。
ステップS11では、提示部33が、ユーザに対して出題を実施すべき時刻に到達しているか否かを判定し、到達していればステップS12へ進み、到達していなければ到達するまでステップS11にて待機する。
なお、当該ステップS11からステップS12へ至る判断を得る時刻(出題タイミングの時刻)は、10分ごとなど、所定の間隔を定めておけばよい。当該所定の間隔は曜日や時間帯に応じて、変動するものとして定めてもよい。例えば、ユーザが就寝中であると考えられる夜間は、出題タイミングの時刻に含まれないようにして、ステップS11で待機し続けるようにしてよい。
ステップS12では、提示部33がユーザに対して出題を実施(一般にはコンテンツの提供を実施)してから、ステップS13へ進む。ここで、出題する問題は、管理部32が当該時点において保持している出題リスト内から任意の1つの問題を選択したうえで、提示部33が当該選択されたものをユーザに提示する。あるいは、ステップS10における出題リスト作成において予め出題の順を定義しておいた場合は、当該順に従った問題を選択するようにしてもよい。
ステップS13では、当該ステップS12にてユーザに提示された問題に対して、問題提示時点から所定時間内に受付部34においてユーザからの解答の受信があったか否かが確認され、解答が得られていればステップS14へ進み、得られていなければステップS11に戻る。なお、解答が得られた場合は、前述のように提示部33はさらに問題の正解等の提示を行うようにしてよい。
ステップS14では、当該解答受信した時点におけるユーザ端末の環境情報を、環境情報取得部22が取得してから、ステップS15へ進む。なお、当該環境情報の取得は、解答を受信した時点に限らず、問題を提示した時点から解答を受信した時点までのいずれかの時点で取得されていればよい。
ステップS15では、直近のステップS13にてユーザより受信があったことが確認された解答に対して、管理部32が評価を行い評価結果を求めたうえで、作成部4が、当該評価結果と直近のステップS14で取得された環境情報とを紐付けて、トレーニングデータを生成した後、ステップS16へ進む。こうして、ステップS15に到達する都度、作成部4がトレーニングデータを新たに生成することで、トレーニングデータは蓄積されていくこととなる。
ステップS16では、当該出題してユーザより解答を得た問題を、管理部32が出題リストより削除することにより、以降の時点におけるユーザへ向けての出題対象から除外されるようにしたうえで、ステップS17へと進む。
ステップS17では、作成部4にて作成され蓄積されたトレーニングデータが所定サンプル数に到達したか否か(すなわち、ステップS15の実行された回数が所定回数に到達したか否か)が判定され、到達していればトレーニングデータ作成は完了したものとして図5のフローは終了し、到達していなければトレーニングデータ作成は未完了であるものとしてステップS11へと戻る。
図6は、第二実施形態におけるトレーニングデータ作成のフローチャートの一例である。図6にてステップS20〜S23及びS27はそれぞれ、図5で説明した第一実施形態のステップS10〜S13及びS17と共通であるので、重複する説明を省略するが、フローの流れに関連するステップS23,S27は以下の通りである。
ステップS23では、ステップS13と同様に、提示した問題に対してユーザから解答が得られたか否かについて判断が行われ、肯定の判断がなされた場合にはステップS24へ進み、否定の判断であった場合にはステップS21に戻る。ステップS27では、ステップS17と同様に、トレーニングデータが所定数蓄積されることでトレーニングデータ作成が完了したか否かについて判断が行われ、肯定の場合は図6のフローは終了し、否定の場合はステップS21に戻る。
ステップS24では、直近のステップS23にてユーザからの解答の受信が確認された問題について、管理部32が、当該解答が得られた問題が、ユーザに対する初回の出題であったか否かを判断する。なお、管理部32は、出題リストと共にユーザに対する一連の出題の履歴を管理しているので、当該履歴を参照することによってステップS24における当該判断を下すことが可能となる。
なお、当該履歴においては、解答があった出題を出題済みとして管理し、解答が得られなかった出題(ステップS23からステップS21に戻る対象となった出題)は出題していないものとして管理する。従って、過去に既に出題されていても解答がなかった問題についても、初めて解答を得た時点で、当該ステップS24において初回の出題として判断される。
ステップS24における当該判断が肯定であり初回の出題であった場合には、ステップS25へ進み、一方、当該判断が否定であり2回目以降の出題であった場合には、ステップS30へ進む。
ステップS25では、直近のステップS24にて初回の出題であったと判断された問題に対するユーザからの解答が、正解であったか否かを管理部32が判断し、正解であった場合には、ステップS26へ進み、不正解であった場合には、ステップS28へ進む。
ステップS26では、管理部32が、当該直近のステップS25にてその解答が正解であったと判断された問題を、管理している出題リストから削除し、以降の時点における出題対象から除外して、ステップS27へと進む。
ステップS28では、当該直近のステップS25にてその解答が不正解であったと判断された時点におけるユーザ端末の環境情報を、環境情報取得部22が取得して、ステップS27へと進む。なお、環境情報は当該初回の問題の出題時から解答時までの間のいずれかの時点で取得されればよい。
一方、ステップS24にて初回の出題ではないと判断されて進んだステップS30では、前述のように出題の履歴を管理している管理部32が、当該初回の出題ではない問題が、ユーザに対して2回目に出題された問題であるか否かを判断し、2回目の出題であった場合はステップS31へと進み、そうではなかった場合、すなわち、3回目以降の出題であった場合はステップS35へと進む。
ステップS31では、当該直近のステップS30にて2回目の出題であると判断された問題に対するユーザの解答が、正解であったか否かを管理部32が判断し、正解であった場合には、ステップS32へ進み、不正解であった場合には、ステップS34へ進む。
ステップS32では、当該直近のステップS30にて2回目の出題であると判断された問題によって、作成部4がトレーニングデータを作成してから、ステップS33へ進む。ここで、解答が不正解であった初回の出題の際にステップS28において取得された環境情報と、当該2回目の評価結果(正解)と、を紐付けることにより、トレーニングデータが作成される。
ステップS33では、管理部32が当該2回目に出題されユーザからの解答が正解となった問題を、出題リストから削除することにより、以降の時点における出題対象から除外して、ステップS27へと進む。
ステップS34では、当該直近のステップS30にて2回目の出題であると判断された問題によって、作成部4がトレーニングデータを作成してから、ステップS27へ進む。ここで、解答が不正解であった初回の出題の際にステップS28において取得された環境情報と、当該2回目の評価結果(不正解)と、を紐付けることにより、トレーニングデータが作成される。
一方、ステップS30で2回の出題ではない(すなわち、3回目以降の出題である)と判断されて進んだステップS35では、当該3回目以降となる出題についてユーザから得られた解答が、正解であったか否かを管理部32が判断し、正解であった場合にはステップS36へ進み、不正解であった場合にはステップS27へ進む。
ステップS36では、管理部32が当該3回目以降のものとして出題されユーザからの解答が正解となった問題を、出題リストから削除することにより、以降の時点における出題対象から除外して、ステップS27へと進む。
以上、図6のフローの各ステップを説明したので、その補足事項(1)〜(3)を説明する。
(1)図6のフローは、第二実施形態について前述したように、ユーザに対して暗記学習などを行わせるコンテンツの場合に、好適なものとなっている。すなわち、管理部32による出題リストからの削除を行うステップS26,S33,S36は、それぞれ直近の判断ステップS25,S31,S35において、当該問題についての解答が正解であった場合に分岐して到達するステップとして配置されている。従って、各問題は、ユーザが正解を与えるまでは出題リストに残存しており、正解が得られるまでは、問題が出題される機会がなくなることはない。このため、図6のフローは暗記学習等に好適なフローとなっている。
なお、上記と同様の効果を得るため、図5のフローにおいて、ステップS16で出題リストからの削除を実施するのを、当該出題に対するユーザからの解答が正解であった場合に限定するようにしてもよい。
(2)コンテンツに対する解答(応答)が、正解/不正解の2値的分類を与えることができないものである場合、例えば、コンテンツがゲームあるいはパズルであり、その解答(応答)が得点として評価される場合、当該得点等に所定の閾値判定を加えることで、高得点の場合が「正解」であり、低得点の場合が「不正解」であるものとして、図6のフローを適用すればよい。
(3)ステップS22にて出題を実施する際は、管理部32が出題リスト内から出題する問題を選択するが、この際、既に出題して解答を得たが不正解であった問題が出題リスト内にある場合、直近の不正解を得た時点から一定期間が経過するまでの間は、出題のための選択対象から除外するようにしてもよい。こうして、ある程度の時間が経過してから再度、不正解であった問題を出題することにより、ユーザにおける学習の充実度合いや記憶の定着度合いをより確実に調べることができる。同様に、ある問題が不正解であった時点から一定期間が経過した場合には、当該不正解であった問題を必ず出題するようにしてもよい。
図3の説明に戻り、以上のような第一、第二実施形態等によって作成部4によるトレーニングデータの作成が完了すると、第一フェーズP1としてのデータ収集フェーズが完了して、第二フェーズP2へ進む。
第二フェーズP2は、「トレーニングフェーズ」であり、第一フェーズP1で作成されたトレーニングデータを用いて、構築部5が、環境情報取得部22で取得される環境情報のうち、ユーザにコンテンツを提示するのに適した状態に該当するものを予測するモデルを構築する。当該予測モデル構築には、以下の第一及び第二実施形態が可能である。(なお、前述のトレーニングデータ作成の第一、第二実施形態と、当該予測モデル構築の第一、第二実施形態とは互いに独立である。)
当該予測モデル構築の第一実施形態では、環境情報と評価結果とを紐付ける形で与えられているトレーニングデータを参照して、評価結果が良いと判定できる際の環境情報を、ユーザにコンテンツを提供するのに適した状態に該当するものとして予測モデルを構築することができる。
この際、評価結果が良いか否かは、正解/不正解で評価結果が与えられている場合であれば、正解の場合を良いと判定し、得点等で評価結果が与えられている場合であれば、図6のフローの補足事項(2)で説明したのと同様に、閾値条件により高得点と判定される場合を良いと判定すればよい。当該良いと判定される評価結果における環境情報に、温度の数値等の連続的な情報が含まれる場合は、良いと判定された数値を含む所定範囲を、適した状態に該当するものとしてよい。
さらに、任意の環境情報(変動する変数としての環境情報)を対象として予測モデルを適用して、コンテンツ提示に適した状態に該当するか否かの判定を行うには、次の第一手法又は第二手法のようにすればよい。こうして、環境情報を入力としてコンテンツ提示に適した状態に該当するか否かを出力する予測モデルが構築される。
すなわち、第一手法では、トレーニングデータにおいて上記のように良いと判定された評価結果に対応する環境情報(トレーニングデータ上で当該良いと判定された評価結果に紐付けられている環境情報)に完全一致する場合を、適した状態に該当すると判定するようにしてもよい。あるいは、第二手法として、予め人手で定めたルールに基づいて、環境情報のうちある限定された属性が一致する場合を、適した状態に該当すると判定するようにしてもよい。例えば、図3の例では環境情報に、時間、曜日、温度、音の4つの属性があるが、このうち時間、曜日の2つの属性のみの一致で判定するようにしてもよい。
また、当該予測モデル構築の第二実施形態では、機械学習により予測モデルを構築してもよい。すなわち、環境情報と評価結果とを紐付ける形で与えられているトレーニングデータを学習データとして用いて、周知のSVM(サポートベクトルマシン)等の機械学習を実施することにより、環境情報を入力として、良い評価結果が得られる状態に該当するか否かを出力する判別式を構築することで、予測モデルとしてもよい。
なお、機械学習を実施する場合は、トレーニングデータにおける環境情報を所定規則に従って正規化等して、機械学習で構築される判別式に入力される素性の形に変換しておく。また、各トレーニングデータにおける評価結果を、上記第一実施形態と同様にして良いか否かを判定したうえで、良いと判定される場合が正例に該当し、そうではない場合が負例に該当するものとして、トレーニングデータの分類を行っておく。
図7は、図4のトレーニングデータの例を、機械学習のために正規化等を施して素性の形に変換し、教師信号が「1」となる正例及び教師信号が「0」となる負例に分類した例を示す図である。図7と図3とでは各行(見出し行の欄を除く2行目以降)が互いに対応する同一のトレーニングデータにおける内容を表している。
図7では、図4の「正解」のトレーニングデータが教師信号「1」の正例に分類され、図4の「不正解」のトレーニングデータが教師信号「0」の負例に分類されている。また、図7では、図4の「時間」が離散化されて名義尺度としての各「時間帯」となり、同様に「曜日」も名義尺度としての各「曜日」となっている。また図7では、図4の「温度」及び「音」が正規化されている。なお、正規化する手法には、各素性の最大値で割る手法や、各素性の平均と標準偏差を用いて標準化する手法がある。
図3に戻り、以上のようにトレーニングフェーズの第二フェーズP2を終えると、第三フェーズP3に進む。第三フェーズP3は、「運用フェーズ」であり、トレーニングフェーズで構築された予測モデルを用いて、提示部33が、環境情報取得部22から取得した環境情報がユーザにコンテンツを提示するのに適した状態に該当すると判断した際に、実際にユーザへのコンテンツの提示を行う。
このため、提示部33では、一定期間ごとに環境情報取得部22より環境情報を取得し、当該取得した環境情報に予測モデルを適用した結果が適した状態であると判定された場合に、管理部32に対してコンテンツ要求を出してコンテンツを受け取り、ユーザに対してコンテンツの提示を実施する。
こうして、運用フェーズにおいて、ユーザ端末を所持するユーザの立場では、ユーザが学習等を実施するのに適した状態にあると推定される際に、自動的にコンテンツの提示が行われることとなり、学習等を効果的に実施することが可能となる。
図8は、運用フェーズにおけるフローチャートの一例である。ステップS40では、図5のステップS10と同様に、管理部32が出題リストを作成してから、ステップS41へ進む。なお、コンテンツの内容が、ユーザが暗記学習などの知識定着型の学習を行うものである場合、当該出題リストは、「トレーニングフェーズ」において未出題の問題あるいは出題したが解答を得ていない問題より作成することが好ましい。
ステップS41では、コンテンツ提示を行うべきかに関して定期的な判断を行うための時間間隔の管理用の時刻カウンタtを初期値0に設定してから、ステップS42へ進む。当該カウンタtには、当該初期値0に設定された時点からの経過時間がリアルタイムで更新されて格納されることとなる。
ステップS42では、カウンタtで管理された経過時刻tが一定値Tに到達したかが判定され、到達していればステップS43へと進み、到達していなければステップS49へ進む。ステップS49では、カウンタtを更新して所定の単位時間分だけ増分して、ステップS42に戻る。こうして、ステップS42は、当該単位時間ごとに繰り返され、経過時間tの一定時間Tへの到達が待機されることとなる。
ステップS43では、環境情報取得部22がセンサ21よりユーザ端末における環境情報を取得して提示部33に渡してから、ステップS44へ進む。ステップS44では、提示部33が、環境情報取得部22から得た現時刻における環境情報に対して構築部5で構築された予測モデルを適用することで、当該環境情報がユーザに出題を実施して(コンテンツを提供して)学習等を行わせるのに適したものであるか否かを判定して、ステップS45へ進む。
ステップS45では、直近のステップS44における判定結果によって場合分けが行われ、ユーザに出題を実施するのに適した環境情報であると判定された場合はステップS46へ進み、適した環境情報ではないと判定された場合にはステップS41へ戻る。
ステップS46では、管理部32が出題リストの中から出題するものを選択したうえで、提示部33がユーザに対して出題を実施して、ステップS47へ進む。ステップS46における当該選択は、図5のステップS12について説明したのと同様に、ランダムでもよいし、出題リストに出題の順番が設定されている場合は当該順番に従うようにしてもよい。
ステップS47では、管理部32が、直近のステップS46にて出題した問題を出題リストの中から削除し、以降の時点におけるユーザに対してのユーザへ向けての出題対象から除外されるようにしたうえで、ステップS48へと進む。
ステップS48では、管理部32がその時点において管理している出題リストが空の状態となっているか否か、すなわち、全ての出題が完了したか否かが判定され、完了していれば図8の当該フローは終了し、未完了であればステップS41に戻る。
以上、本発明によれば、ユーザ端末における環境情報が、ユーザが学習等を実施するためのコンテンツを提示するのに適した状態に該当するかを予測する予測モデルの自動構築が可能となる。この際、ユーザにコンテンツを提示しつつユーザからの応答を確認し、応答があった際のユーザ端末の環境情報を取得することでトレーニングデータを蓄積して、当該トレーニングデータを用いることにより予測モデルを自動構築できる。また、当該構築された予測モデルによってユーザが学習等を実施するのに適した状態を検出して、当該適した状態にある時にコンテンツを提示することで、すき間時間における学習等を効率的に実施することが可能となる。
以下、本発明における補足的事項(補足1)〜(補足4)を説明する。なお、当該補足的事項は、説明の流れを明確化する観点からの補足的事項であり、本発明の実施形態に含まれるものである。
(補足1)図3のフローに示す「運用フェーズ」である第三フェーズP3において、トレーニングデータの蓄積を継続することにより、コンテンツ提示に適した状態を予測する予測モデルを更新するようにしてもよい。すなわち、運用フェーズにおいてもデータ収集フェーズ及びトレーニングフェーズを継続して実施して、予測モデルをより一層、ユーザの近況の状況に適したものへと更新するようにしてもよい。
図9は、図5にて説明した第一実施形態によるトレーニングデータ作成手法により、運用フェーズにおいてトレーニングデータ作成及び予測モデルの更新を行うフローチャートの一例である。
図9にて、ステップS50〜S57はそれぞれ、対応する番号(ステップ番号が40だけ異なる)を付与してある図5のステップS10〜S17と共通であるので、重複する説明を省略する。ただし、図9のステップS51及びS57は、対応する図5のステップS11及びS17から以下のように修正されたステップとなる。
図9のステップS51では、出題のタイミングに到達したか否かの判定が行われるが、当該判定は図5のステップS11のように一定時間の経過を待つのではなく、一定間隔毎に環境情報取得部22より環境情報を得て、当該環境情報に当該時点で保持している予測モデルを適用した結果がコンテンツ提示に適した状態であるか否かを判定するという形で実施される。すなわち、図8のステップS41〜S45及びS49のループ部分に該当する処理が、図9のステップS51において実施される。
図9のステップS57では、図5のステップS17でトレーニングデータ作成が完了したか否かを判定するのとは異なり、出題リストが空になったか否か、すなわち、ステップS40で作成した出題リスト内から全ての出題が完了したか否かが判定され、リストが空であり出題が完了していればステップS58へ進み、そうでなければステップS51に戻る。
図9のステップS58では、当該図9のフローによって新たに得られたトレーニングデータを用いて、構築部5が新たに予測モデルを構築し、既に構築されている予測モデルから一定量以上の変動があった場合に、新たに構築された予測モデルを今後使うものとして採用する。あるいは、変動の多少によらず、常に新たな予測モデルを採用するようにしてもよい。新たな予測モデルによりさらに運用フェーズを継続する場合には、当該図9のフローを新たな予測モデルのもとで継続すればよい。
なお、ステップS58では、図9のフローによって新たに得られたトレーニングデータのみを用いて、構築部5が新たに予測モデルを構築してもよいし、トレーニングフェーズにおいて既に得られているトレーニングデータに追加して利用する形で、構築部5が新たな予測モデルを構築してもよい。また、ステップS58に到達した時点を基準として所定期間の過去に得られたトレーニングデータ(直近の過去に得られたトレーニングデータ)のみを用いて新たな予測モデルを構築してもよい。
図10は、図6にて説明した第一実施形態によるトレーニングデータ作成手法により、運用フェーズにおいてトレーニングデータ作成及び予測モデルの更新を行うフローチャートの一例である。
図10のステップS60〜S68及びS70〜S76はそれぞれ、対応する番号(ステップ番号が40だけ異なる)を付与してある図5のステップS20〜S28及びS30〜S36と共通であるので、重複する説明を省略する。ただし、図10のステップS61及びS67は、対応する図5のステップS21及びS27とは異なり、次のようなステップとなる。
図10のステップS61は、図9のステップS51と同一であり、コンテンツ提示に適したと判定できる環境情報が得られるまでステップS61における待機が実施され、当該適した環境情報が得られた時点でステップS62へ進む。
図10のステップS67では、(図9のステップS57と同様に、)出題リストが空になったか否か、すなわち、ステップS60で作成した出題リスト内から全ての出題が完了したか否かが判定され、リストが空であり出題が完了していればステップS69へ進み、そうでなければステップS61に戻る。
図10のステップS69は、図9のステップS58と全く同様に、当該図10のフローによって新たに得られたトレーニングデータを利用して適宜、予測モデルの更新を実施する。更新を実施するか否か、どの時間範囲のトレーニングデータを更新のために利用するか等も、ステップS58での説明と同様である。新たな予測モデルによりさらに運用フェーズを継続する場合には、当該図10のフローを新たな予測モデルのもとで継続すればよい。
(補足2)コンテンツ提示システム10は、それぞれユーザ端末を有するユーザ毎に提供することができる。コンテンツ提示システム10の一部分をネットワーク上のサーバにおいて実現する場合は、ユーザ毎にデータベース等を用意して、共通の処理は共通のサーバに委ねたうえで、ユーザ毎の処理を実現すればよい。
ここで、仮にユーザ毎に完全に独立にコンテンツ提示システム10を提供するとした場合、ユーザ毎に図3のデータ収集フェーズを実施する必要がある。しかしながら、属性が類似しているユーザ同士は、コンテンツを提示するのに適した状態は類似していることが想定されるので、このような場合にまでユーザ毎にデータ収集フェーズを実施するのは必ずしも効率的とはいえない。
そこで、あるユーザAについてデータ収集フェーズが未完了の場合に、属性が類似している他ユーザBが存在して当該他ユーザBにおいてデータ収集フェーズが実施済みであれば、当該他ユーザBのトレーニングデータ[B]をユーザAにおけるトレーニングデータとして採用して、ユーザAにおけるデータ収集フェーズを省略するようにしてよい。
ここで、ユーザ属性については、年齢、性別、職種その他といったような所定項目を各ユーザ毎にコンテンツ提示システム10内のサーバ等に登録しておき、当該登録された属性をユーザ同士で比較することで、ユーザA,Bが類似しているか否かを自動で判定することができる。属性比較による類似判定は、各項目が完全一致又は部分一致する等の所定規則によって類似度等を求めることで、自動判定することができる。
また、類似判定してトレーニングデータを借用する対象となるユーザの属性及びそのトレーニングデータは、実際のデータとしての属性及びトレーニングデータではなく、システム管理者側で実データを解析する等して、典型例として人工的に用意したものであってもよい。例えば、ユーザの性格によって分類して、「真面目」タイプの属性及びトレーニングデータと、「気まぐれ」タイプの属性及びトレーニングデータと、を用意するといったことが可能である。
当該データ収集フェーズを省略する実施形態は、次のようにして実施可能である。
まず、所定データベースに複数のユーザBi(i=1, 2, …, n)についての属性情報[Bi]及びトレーニングデータ[Bi]を格納しておく。当該属性情報[Bi]及びトレーニングデータ[Bi]は上記のように、実際に取得されたものであっても、人工的に用意されたものであってもよい。
次に、作成部4が、ユーザAより当該ユーザの属性情報[A]を受け取り、上記データベースを検索して、その属性情報[Bk]が最も類似するユーザBkを特定し、当該ユーザAについてのトレーニングデータとして、トレーニングデータ[Bk]を採用する。当該採用した後は、以上説明した実施形態におけるトレーニングフェーズ及び運用フェーズを実施すればよい。
(補足3)作成部4によるトレーニングデータの作成は、図5,6で説明した実施形態の他にも、コンテンツの内容や特徴に応じて種々のものが可能であり、ユーザがコンテンツの提示を受けている際の環境情報がコンテンツ提示に適したものであるかが、評価結果に反映されるような形で、環境情報と評価結果とを紐付けることによってトレーニングデータを作成すればよい。
例えば、図6の実施形態においてさらに、ステップS35へ到達した際の追加処理として、あるコンテンツにつきn回目(n≧3)の解答が得られた場合、n-1回目に提示した際の環境情報[n-1]と、n回目の解答の評価結果[n]と、を紐付けてトレーニングデータを作成してもよい。
また、ある1ユーザに対して提示するコンテンツの種類が複数存在する場合は、コンテンツの種類ごとに別の実施形態でトレーニングデータを作成するようにしてもよい。例えば、前述のようにゲームコンテンツについては図5の第一実施形態でトレーニングデータを作成し、学習コンテンツについては図6の第二実施形態でトレーニングデータを作成するようにしてもよい。このような場合、コンテンツの種類毎のトレーニングデータでそれぞれの予測モデルを構築して、コンテンツの種類毎に適切と判断される環境情報が得られた時点で、当該種類のコンテンツの提示を行うようすることができる。あるいは、各実施形態で取得されたトレーニングデータ全体を用いて、全ての種類のコンテンツで共通して利用される1つの予測モデルを構築するようにしてもよい。
(補足4)本発明は、コンテンツ提示システム10の動作方法としても提供可能であり、また、コンピュータをコンテンツ提示システム10として機能させるプログラム(記憶媒体に格納される等していてもよい)としても提供可能である。
10…コンテンツ提示システム、21…センサ、22…環境情報取得部、31…コンテンツデータベース、32…管理部、33…提示部、34…受付部、4…作成部、5…構築部

Claims (12)

  1. ユーザ端末の環境情報を取得する環境情報取得部と、
    ユーザにコンテンツを提示する提示部と、
    ユーザから前記提示したコンテンツに対する応答を受け取る受付部と、
    前記提示し応答を受け取るコンテンツを管理すると共に、当該受け取った応答に対する評価結果を求める管理部と、
    前記取得した環境情報及び前記求めた評価結果を紐付けてトレーニングデータを作成する作成部と、
    前記トレーニングデータに基づいて、環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるか否かの予測モデルを構築する構築部と、を備え、
    前記提示部にてユーザにコンテンツを提示して当該コンテンツに対応する応答を前記受付部において受け取った際に、前記管理部で求めた評価結果が悪いと判定された場合、前記環境情報取得部は環境情報を取得し、
    前記作成部は、
    当該取得した環境情報と、
    当該コンテンツを再度、前記提示部にてユーザに提示してその応答を前記受付部において受け取った際に、前記管理部で求めた評価結果と、
    を、紐付けることで、トレーニングデータを作成することを特徴とするコンテンツ提示システム。
  2. ユーザ端末の環境情報を取得する環境情報取得部と、
    ユーザにコンテンツを提示する提示部と、
    ユーザから前記提示したコンテンツに対する応答を受け取る受付部と、
    前記提示し応答を受け取るコンテンツを管理すると共に、当該受け取った応答に対する評価結果を求める管理部と、
    前記取得した環境情報及び前記求めた評価結果を紐付けてトレーニングデータを作成する作成部と、
    前記トレーニングデータに基づいて、環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるか否かの予測モデルを構築する構築部と、を備え、
    前記作成部は、ユーザよりユーザの属性情報を受け取り、当該属性情報が類似している他ユーザにおいて既に作成されているトレーニングデータを、当該ユーザのトレーニングデータとして採用することを特徴とすることを特徴とするコンテンツ提示システム。
  3. 前記構築部は、前記トレーニングデータに基づいて、評価結果が良いと判定できる際の環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるとして、前記予測モデルを構築することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ提示システム。
  4. 前記構築部は、前記トレーニングデータを学習データとして用いて、環境情報を入力として当該環境情報が適切な状態に対応するものであるか否かを出力する判別式を機械学習により構築することで、前記予測モデルを構築することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ提示システム。
  5. 前記提示部にてユーザにコンテンツを提示して当該コンテンツに対応する応答を前記受付部において受け取った際に、前記環境情報取得部は環境情報を取得し、併せて、前記管理部は評価結果を求め、
    前記作成部は、当該併せて取得された環境情報及び求められた評価結果を紐付けることで、トレーニングデータを作成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンテンツ提示システム。
  6. 前記コンテンツは、ユーザが学習するための問題に関するコンテンツであり、前記応答は、当該問題に対するユーザによる解答であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコンテンツ提示システム。
  7. 前記管理部は、前記提示して解答を受け取る対象となる問題としてのコンテンツを出題リストで管理し、前記受付部で受け取った解答に対して求めた評価結果が良いと判定された問題については当該出題リストから削除することで、以降の時点において前記提示部でユーザに提示する対象から除外することを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ提示システム。
  8. 前記環境情報取得部は、位置情報、日時情報、環境音情報、画像情報、照度情報、向き情報、加速度情報、温度情報、湿度情報及び天気情報からなる群より選択される1種類以上の情報を含めて、ユーザ端末の環境情報を取得することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のコンテンツ提示システム。
  9. 前記提示部は、前記環境情報取得部で取得された環境情報に前記構築部で構築された予測モデルを適用して、当該環境情報が適切な状態に対応するものであると判定された際に、ユーザにコンテンツを提示することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のコンテンツ提示システム。
  10. コンピュータが、ユーザ端末の環境情報を定期的に取得する段階と、
    コンピュータが、予め管理されたコンテンツを対象として、定期的に、ユーザにコンテンツを提示すると共に、ユーザから当該提示したコンテンツに対する応答を受け取る段階と、
    コンピュータが、前記取得した環境情報及び前記受け取った応答に対して求めた評価結果を紐付けてトレーニングデータを作成する段階と、
    コンピュータが、前記トレーニングデータに基づいて、環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるか否かの予測モデルを構築する段階と、を備え、
    前記提示すると共に受け取る段階にてユーザにコンテンツを提示して当該コンテンツに対応する応答を受け取った際に、前記求めた評価結果が悪いと判定された場合、前記取得する段階において環境情報を取得しておき、
    前記作成する段階は、
    当該取得しておいた環境情報と、
    当該コンテンツを再度、前記提示すると共に受け取る段階にてユーザに提示してその応答を受け取った際に、前記求めた評価結果と、
    を、紐付けることで、トレーニングデータを作成することを特徴とするコンテンツ提示方法。
  11. コンピュータが、ユーザ端末の環境情報を定期的に取得する段階と、
    コンピュータが、予め管理されたコンテンツを対象として、定期的に、ユーザにコンテンツを提示すると共に、ユーザから当該提示したコンテンツに対する応答を受け取る段階と、
    コンピュータが、前記取得した環境情報及び前記受け取った応答に対して求めた評価結果を紐付けてトレーニングデータを作成する段階と、
    コンピュータが、前記トレーニングデータに基づいて、環境情報が、ユーザにコンテンツを提示するための適切な状態に対応するものであるか否かの予測モデルを構築する段階と、を備え、
    前記作成する段階では、ユーザよりユーザの属性情報を受け取り、当該属性情報が類似している他ユーザにおいて既に作成されているトレーニングデータを、当該ユーザのトレーニングデータとして採用することを特徴とすることを特徴とするコンテンツ提示方法。
  12. コンピュータを請求項1ないし9のいずれかに記載のコンテンツ提示システムとして機能させることを特徴とするコンテンツ提示プログラム。
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