JP6704702B2 - ヨウ素系殺菌成分を含有する水性外用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶液中、ヨウ素系殺菌成分の析出が抑制された水性外用組成物に関する。また本発明は当該水性外用組成物が吐出部を備える容器に充填されてなる液体製剤に関する。
ヨウ素系殺菌成分は、殺菌効果、抗ウイルス活性等を有することが知られているが、ヨウ素は水溶性が低いことから適当な製剤化を行わなければ、使用することができなかった。従来、ヨウ素を可溶化する方法としては、ノニオン界面活性剤等を用いる方法が知られているが、長期保存時の安定性等で必ずしも満足のいくものではなかった。また、第四級アンモニウム塩及び両性界面活性剤を用いることで、ヨウ素を可溶化する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、第四級アンモニウム塩の種類が限られ、かつ対イオンIとヨウ素からなるコンプレックスを作るために、第四級アンモニウム塩を非常に多く配合する必要があり、それに応じて両性界面活性剤の配合量も多くなることから、当該組成物を哺乳類、特にヒトに対して適用することは困難であった。
また、口腔及び咽喉頭用の殺菌や消毒のために用いられる製剤として、一般的に「複方ヨード・グリセリン」が知られている(非特許文献1)。「複方ヨード・グリセリン」には、ヨウ素1.2重量%が配合されるとともに、当該ヨウ素を可溶化するためのヨウ化カリウムが2.4重量%も配合されている(ヨウ化カリウムは、水溶液中では電離してヨウ化物イオンとカリウムイオンになり、ヨウ化物イオンとヨウ素がコンプレックスを形成することでヨウ素を可溶化できる)。「複方ヨード・グリセリン」は古くから使用されており、一定の安全性が確保されているものの、一方で、ヨウ素には長期連用によるヨウ素中毒などが知られていることから、必要以上のヨウ化カリウムを配合しないことが望ましく、ヨウ素の新たな可溶化方法が求められていた。
特開平2−115105号公報
第十六改正日本薬局方「複方ヨード・グリセリン」
本発明の目的は、ヨウ素の析出が抑制された水性外用組成物を提供することである。特に本発明は、ヨウ化カリウムの配合量を少なくした場合でもヨウ素の析出が抑制されてなる水性外用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、当該水性外用組成物が吐出部を備える容器に充填されてなる液体製剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべき鋭意検討を重ねていたところ、ヨウ素に特定量のヨウ化カリウムと双性イオン化合物を配合することで、水性外用組成物中のヨウ素の析出を抑制できることを見出した。また、このようにヨウ素の析出が抑制されることで、本発明の水性外用組成物は、吐出部を備える容器に充填して液体製剤として調製することができ、このようにしてもヨウ素の析出により吐出部から液剤が射出しないという問題の発生を予防乃至回避することが可能になる。本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を有するものである。
(1)水性外用組成物
(1-1)ヨウ素系殺菌成分、ヨウ化カリウム及び双性イオン化合物を含有する水性外用組成物であって、ヨウ素系殺菌成分に含有されるヨウ素1モルに対してヨウ化カリウムが1〜4モルであり、かつ組成物中の双性イオン化合物が0.01〜10w/v%である水性外用組成物。
(1-2)ヨウ素系殺菌成分がヨウ素、ポビドンヨード、ノノキシノールヨード及びフェノキシヨードからなる群から選択される1種である(1-1)記載の水性外用組成物。
(1-3)双性イオン化合物がベタイン型界面活性剤、トリメチルグリシン及びリン脂質からなる群から選択される1種である(1-1)又は(1-2)記載の水性外用組成物。
(1-4)口腔及び咽喉頭粘膜適用のための(1-1)〜(1-3)のいずれかに記載の水性外用組成物。
(1-5)ヨウ素系殺菌成分、ヨウ化カリウム及び双性イオン化合物を含有する水性外用組成物であって、組成物中のヨウ素が0.01〜1.5w/v%、ヨウ化カリウムが0.006〜2w/v%、双性イオン化合物が0.01〜10w/v%である水性外用組成物。
(2)液体製剤
(2-1)(1-1)〜(1-5)のいずれかに記載の水性外用組成物が吐出部を備える容器に収容されてなる液体製剤であって、吐出部から水性外用組成物を患者の口腔内又は咽喉頭部へ射出させて使用される液体製剤。
(3)ヨウ素の析出抑制方法
(3-1)ヨウ素系殺菌成分を含有する水性外用組成物におけるヨウ素の析出抑制方法であって、ヨウ素系殺菌成分に含有されるヨウ素1モルあたりヨウ化カリウム1〜4モルを含む組成物に、双性イオン化合物を0.01〜10w/v%の割合で溶解させることを特徴とする方法。
(3-2)ヨウ素系殺菌成分がヨウ素、ポビドンヨード、ノノキシノールヨード及びフェノキシヨードからなる群から選択される1種である(3-1)記載の方法。
(3-3)双性イオン化合物がベタイン型界面活性剤、トリメチルグリシン及びリン脂質からなる群から選択される1種である(3-1)又は(3-2)記載の方法。
(3-4)ヨウ素系殺菌成分を含有する水性外用組成物におけるヨウ素の析出抑制方法であって、ヨウ素0.01〜1.5w/v%及びヨウ化カリウム0.006〜2w/v%を含む組成物に、双性イオン化合物を0.01〜10w/v%の割合で溶解させることを特徴とする方法。
ヨウ素は水に溶解しにくく、また、ヨウ化物イオンとのコンプレックスは比較的不安定であることから、ヨウ化カリウムの含有量が少ない場合には、水を溶媒として含有する水性外用組成物中でヨウ素が析出しやすいものの、本発明の水性外用組成物によれば、ヨウ化カリウムの配合量を従来よりも少なくしても、ヨウ素の析出を有意に抑制することができる。
このように本発明の水性外用組成物は、ヨウ素の析出が抑制されているため、吐出部を備える容器に充填して液体製剤として調製することができ、このようにしてもヨウ素の析出により吐出部から液剤が射出しないという問題の発生を予防乃至回避することができる。
(1)水性外用組成物
本発明の水性外用組成物は、溶媒として水を含む外用組成物であり、当該外用組成物中に(A)ヨウ素系殺菌成分、(B)ヨウ化カリウム及び(C)双性イオン化合物が特定のモル比又は濃度で溶解してなる溶液状の組成物である。
以下、各成分について説明する。
(A)ヨウ素系殺菌成分
ヨウ素系殺菌成分としては、ヨウ素(分子量:253.8)を含む化合物であれば、特に制限されないが、例えば、ヨウ素、ポビドンヨード、ノノキシノールヨード及びフェノキシヨードからなる群から選択される1種が挙げられる。なかでも、殺菌効果及び製剤安定性の点から、好ましくは、ヨウ素及びポビドンヨードが挙げられる。なお、これらのヨウ素系殺菌成分は、1種単独で使用してもよいが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
本発明の水性外用組成物における当該ヨウ素系殺菌成分の配合割合は、後述するヨウ化カリウム及び双性イオン化合物の配合量を考慮しながら適宜設定されるが、ヨウ素として、通常、0.01〜1.5w/v%配合することができ、好ましくは、0.03〜1w/v%、より好ましくは0.05〜1w/v%、さらに好ましくは0.1〜1w/v%である。
(B)ヨウ化カリウム
ヨウ化カリウム(分子量:166.0)は、従来、水に溶けにくいヨウ素を可溶化する目的で使用されている。ヨウ化カリウムは、水溶液中で電離してヨウ化物イオンとカリウムイオンになり、当該ヨウ化物イオンがヨウ素とコンプレックスを形成し、三ヨウ化物イオンとなることでヨウ素を溶解させることができる。
本発明の水性外用組成物における当該ヨウ化カリウムの配合割合は、ヨウ素1モルあたり1〜4モルであり、好ましくは1〜3モル、より好ましくは1〜2モルである。例えば、ヨウ素系殺菌成分としてヨウ素を採用する場合、ヨウ素1重量部あたり、ヨウ化カリウムは、0.66〜2.64重量部であり、好ましくは0.66〜1.98重量部であり、より好ましくは0.66〜1.32重量部である。また、当該ヨウ化カリウムの配合割合は、ヨウ素の可溶化及び安全性の観点から0.006〜2w/v%が好ましい。このように、ヨウ化カリウムの配合量が従来よりも少なくても、後述する双性イオン化合物を配合することで、ヨウ素の析出を効果的に抑制することが可能となる。
(C)双性イオン化合物
本発明の水性外用組成物には、上記成分(A)及び(B)に加えて、双性イオン化合物が配合される。
双性イオン化合物は、分子内にカチオン中心とアニオン中心を持つ化合物であり、医薬品、医薬部外品、及び化粧品などの人体に適用される製品に通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)等のN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酸ベタイン;コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドアルキル−N,N−ジメチルアミノ酸ベタイン;ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム等のイミダゾリン型ベタイン;アルキルジメチルタウリン等のアルキルスルホベタイン;ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルヒドロキシスルホベタイン;アルキルジメチルアミノエタノール硫酸エステル等の硫酸型ベタイン;アルキルジメチルアミノエタノールリン酸エステル等のリン酸型ベタイン;ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体等のメタクリル酸誘導体;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、レシチン、リゾレシチン、大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、卵黄リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質、水酸化レシチン等のリン脂質類(分子内にリン脂質もしくはその類似構造を含む化合物であれば、特に制限はない);トリメチルグリシン;両性化デンプン;シリコーン系両性界面活性剤等が挙げられる。なかでも、外用組成物、特に口腔内において使用する場合、その製剤安定性及び味を考慮し、好ましくは、ベタイン型界面活性剤、トリメチルグリシン、リン脂質等が挙げられる。なお、これらの双性イオン化合物は、1種単独で使用してもよいが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
本発明の水性外用組成物における当該双性イオン化合物の配合割合は、組成物中0.01〜10w/v%であり、好ましくは0.05〜10w/v%であり、より好ましくは0.1〜8w/v%であり、さらに好ましくは0.5〜5w/v%であり、とくに好ましくは1〜5w/v%である。この範囲内であれば、ヨウ化カリウムの配合量が従来より少なくても、ヨウ素の析出を効果的に抑制することが可能となる。
(D)水性外用組成物に配合するその他の成分
本発明の水性外用組成物は、上記成分〔(A)+(B)+(C)〕に加えて、さらにこれらの成分を溶解するための溶媒を含む。かかる溶媒として、少なくとも水を挙げることができる。
水は特に制限されない。例えば、精製水、蒸留水、イオン交換水、超純水、滅菌水などを、制限なく使用することができる。好ましくは精製水である。本発明の水性外用組成物における当該水の配合割合はヨウ素系殺菌成分、ヨウ化カリウム及び双性イオン化合物を溶解できる量であればよく、通常、1w/v%以上であり、好ましくは、5〜99w/v%の範囲から適宜設定することができる。好ましくは、好ましくは10〜95w/v%である。
上記成分が溶解する限り、溶媒には、水と相溶性のある他の溶剤が含まれていてもよい。かかる溶剤として、好ましくはエタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどを挙げることができる。その溶媒全体に占める割合は、例えばエタノールの場合、通常60容量%以下、好ましくは、50容量%以下、より好ましくは30容量%以下、更に好ましくは25容量%以下、特に好ましくは0〜20容量%程度である。
(E)任意成分
本発明の水性外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の成分を適宜選択し配合することができる。例えば、追加の薬効成分、双性イオン化合物以外の界面活性剤並びに医薬製剤の調製に一般的に使用される希釈剤、pH調整剤(緩衝剤)、粘度調整剤、安定化剤、防腐剤、矯味剤(甘味料を含む)、矯臭剤(香料を含む)、着色料等の各種添加剤を挙げることができる。
追加の薬効成分としては、ヨウ素系殺菌成分の作用効果(殺菌効果、抗ウイルス活性等)を損なわないものを挙げることができ、例えば気管支拡張薬、鎮咳薬、去痰薬、消炎薬、解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、殺菌剤、胃粘膜保護薬、カフェイン類、ビタミン薬、漢方薬、生薬成分を挙げることができる。
双性イオン化合物以外の界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤等が挙げられる(両性界面活性剤は双性イオン化合物に含まれる)が、水性外用組成物の熱安定性及び流動性の観点から、ノニオン性の親水性界面活性剤が好ましい。ノニオン性の親水性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、「POE」と略称する場合がある)付加タイプの界面活性剤が好適であり、例えば、POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテル、POE(10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)オレイルエーテル、POE(10〜50モル)セチルエーテル、POE(5〜30モル)ポリオキシプロピレン(5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)ポリオキシプロピレン(2〜30モル)セチルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、POE(3〜200モル)ポリオキシプロピレン(15〜70モル)グリコールなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール;これらのリン酸・リン酸塩(POEセチルエーテルリン酸ナトリウムなど);POE硬化ヒマシ油;POE(20〜60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜30モル)グリセリルモノステアレート、POE(20〜100)ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・アルキル変性シリコーン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコールなどなどから選択される1種以上を使用することができる。
(F)水性外用組成物の調製方法及び使用方法
本発明の水性外用組成物は、上記成分(A)、(B)及び(D)を混合、溶解し、そこに成分(D)に溶解した成分(C)を加え、混合、溶解することで調製することができる。ここで、必要に応じて、グリセリン、プロピレングリコールなどを混合してもよい。
本発明の水性外用組成物は、溶媒として少なくとも水を含み、当該溶媒中に(A)ヨウ素系殺菌成分、(B)ヨウ化カリウム及び(C)双性イオン化合物が溶解してなる液状の組成物であって、外用液剤(例えば、口腔用液剤、特に口腔粘膜や咽喉頭粘膜適用液剤)として、殺菌、消毒等の目的に好ましく使用することができる。
上記の用途で、本発明の水性外用組成物は、通常、1日1回〜複数回、適時、塗布やうがい等をすることにより使用される。なお、うがいの場合は、水性外用組成物を水等で適宜希釈して使用することもできる。
(2)液体製剤
本発明の液体製剤は、前述する本発明の水性外用組成物が、吐出部を備える容器に収容されてなるものである。当該液体製剤は、上記容器の吐出部から水性外用組成物を患者の口腔内又は咽喉頭部に射出させて使用することができる。ここで患者とは、皮膚や口腔内、咽喉頭部の殺菌、消毒を所望する者であり、本発明の水性外用組成物により当該目的の達成が期待されるヒトを含む哺乳類、好ましくはヒトを意味する。
本発明が対象とする吐出部を備える容器(以下、これを「吐出装置」と称する)は、特に制限されず、例えばトリガータイプの吐出装置、及びプッシュポンプタイプの吐出装置のいずれもが含まれる。具体的には、特開2001−171764号公報、特開2002−362605号公報、特開2004−834号公報、特開2004−359242号公報、特開2004−359241号公報、特開2004−359238号公報、特開2004−352343号公報、特開2004−352333号公報、特開2007−277125号公報、及び特開2014−141288号公報などに記載されている吐出装置をいずれも使用することができる。なかでも好ましくは特開2014−141288号公報に記載されている吐出装置である。特開2014−141288号公報に記載されている吐出装置は、販売名「のどぬーるスプレーB」(小林製薬株式会社製)等において使用される吐出装置であり、このように、吐出部がノズル形状になっている吐出装置を用いれば、患部が喉など塗布しにくい場合でも液剤を容易に塗布することが可能となる。当該ノズルの長さは、好ましくは1〜8cm程度、より好ましくは2〜7cm程度であり、またノズルの吐出口は直径が0.2〜1.5mm程度である。本発明の水性外用組成物であれば、ヨウ素の析出が抑えられていることから、このようにノズルが長く、また吐出口の径が小さい場合であっても詰まることが抑制され、液剤が射出できないという問題の発生を予防乃至回避することができる。
一回の射出(ワンプッシュ)による吐出装置からの水性外用組成物の射出量は、制限されないものの、通常0.03〜3mL程度である。好ましくは0.1〜2mL、より好ましくは0.3〜1.5mL、さらに好ましくは0.5〜1.0mLである。
(3)ヨウ素の析出抑制方法
本発明は、溶媒として水を含有する水性液体中における(A)ヨウ素の析出抑制方法を提供する。当該方法は、当該水性液体の調製に際して、(A)ヨウ素系殺菌成分に加えて、(B)ヨウ化カリウム及び(C)双性イオン化合物を配合することで実施することができる。
本発明の方法で使用する(A)ヨウ素系殺菌成分、(B)ヨウ化カリウム、及び(C)双性イオン化合物、並びに(D)溶媒の種類、並びにその配合割合は、上記(1)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(1)における(A)〜(D)の記載を援用することができる。
本発明の水性液体における(A)ヨウ素の析出抑制方法において、対象とする水性液体の調製方法も上記(1)の(F)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(1)における(F)の記載を援用することができる。
析出を抑制する対象の水性液体には、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)〜(C)及び(D)、または(A)〜(D)の他、任意成分として、医薬製剤の調製に一般的に使用される安定化剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。かかる各成分の具体例については、上記(1)の(E)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(1)における(E)の記載を援用することができる。
本発明の析出抑制方法によれば、後述する実験例に示すように、水性外用組成物中でのヨウ素の溶解安定性を向上することで、その析出を抑制し、ヨウ素を含む水性外用組成物の外観及びその品質を安定させることが可能になる。
以下、実験例及び実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実験例 ヨウ素の溶解安定性評価
水性外用組成物(実施例1〜24、比較例1〜2及び参考例1)の調製
表1〜6に記載する処方に従って、水を溶媒とする液体組成物を調製した。具体的には、実施例1〜20、比較例1及び参考例1では、まず精製水に双性イオン化合物を溶解し、そこへヨウ素、ヨウ化カリウム、エタノール(95vol%)及び精製水を混合、溶解したものを加え、均一になるまで撹拌した。均一になったのを確認したら、精製水でメスアップして全体を100mLに調製した。実施例21〜24及び比較例2では、まずヨウ素、ヨウ化カリウム、エタノール(95vol%)及び精製水を混合、溶解し、そこへ80℃でプロピレングリコールに溶解又は分散させた双性イオン化合物を加え、均一になるまで撹拌した。均一になったのを確認したら、精製水でメスアップして全体を100mLに調製した。
水性外用組成物中におけるヨウ素の溶解安定性評価(析出抑制評価)
上記で調製した水性外用組成物(実施例1〜24、比較例1〜2及び参考例1)の全量を、それぞれバイアル瓶に入れ、25℃条件で静置した。20時間静置した後に目視(外観観察)で析出(析出物:ヨウ素)の有無を確認し、以下の基準に基づき、評価した。なお、比較例1におけるヨウ素の析出量を「×」とした。
(評価基準)
○:ヨウ素(光沢のある褐色結晶物)の析出なし
△:ヨウ素(光沢のある褐色結晶物)の析出が見られるが、僅かである
×:ヨウ素(光沢のある褐色結晶物)の析出が多く見られる(比較例1)
結果
結果を表1〜6に示す。
参考例1に示すように、ヨウ素1モルに対して、ヨウ化カリウムを5モル配合した場合には、双性イオン化合物を含有しなくてもヨウ素の析出を抑えることができたが、ヨウ素1モルに対してヨウ化カリウムを1モルとし、双性イオン化合物を含有しない比較例1及び2では、25℃条件下での保存(20時間)で、ヨウ素の析出が見られた。これに対して、双性イオン化合物を含有する実施例1〜24では、ヨウ素の析出を顕著に抑制することができた。特に、1w/v%以上の割合で双性イオン化合物を配合することで、高い析出抑制効果を得ることができた(実施例3〜24)。また、ヨウ化カリウムの含有量を、ヨウ素1モルに対して2モル、3モルとした場合でも、同様にヨウ素の析出を抑制できることが確認された。
また、実施例5の組成物を、販売名「のどぬーるスプレーB」(小林製薬株式会社製)の吐出装置(特開2014−141288号公報に記載の吐出装置)に充填し、1週間に亘り、毎日3プッシュして液体外用組成物を射出させたが、ノズル(長さ:約6cm、吐出口の直径:約0.8mm)の詰まりを抑制できており(ヨウ素の析出が認められず)、期間中、良好に射出することができた。
処方例1〜15
表7及び8に示す処方にしたがって、水性外用組成物(処方例1〜15)を調製した。これら水性外用組成物においても、双性イオン化合物を含有しない場合に比べてヨウ素の溶解安定性が向上し、析出が抑制できる傾向が認められた。

Claims (5)

  1. ヨウ素系殺菌成分、ヨウ化カリウム及び双性イオン化合物を含有する水性外用組成物であって、ヨウ素系殺菌成分に含有されるヨウ素1モルに対してヨウ化カリウムが1〜4モルであり、かつ組成物中の双性イオン化合物が0.01〜10w/v%であり、双性イオン化合物がトリメチルグリシン及び/又はリン脂質である水性外用組成物。
  2. ヨウ素系殺菌成分、ヨウ化カリウム及び双性イオン化合物を含有する水性外用組成物であって、ヨウ素系殺菌成分に含有されるヨウ素1モルに対してヨウ化カリウムが1〜4モルであり、かつ組成物中の双性イオン化合物が0.01〜10w/v%であり、双性イオン化合物がベタイン型界面活性剤であり、ヨウ素の配合量が0.01〜1.5w/v%である水性外用組成物。
  3. ヨウ素系殺菌成分がヨウ素、ポビドンヨード、ノノキシノールヨード及びフェノキシヨードからなる群から選択される1種である請求項1又は2記載の水性外用組成物。
  4. 口腔粘膜適用のための請求項1〜3のいずれかに記載の水性外用組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の水性外用組成物が吐出部を備える容器に収容されてなる液体製剤であって、吐出部から水性外用組成物を患者の口腔内又は咽喉頭部に射出させて使用される液体製剤。
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